JPH0989553A - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JPH0989553A
JPH0989553A JP24722695A JP24722695A JPH0989553A JP H0989553 A JPH0989553 A JP H0989553A JP 24722695 A JP24722695 A JP 24722695A JP 24722695 A JP24722695 A JP 24722695A JP H0989553 A JPH0989553 A JP H0989553A
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JP
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light
distance
distance measuring
light receiving
measuring device
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JP24722695A
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Osamu Nonaka
修 野中
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】空気中及び水中においても正確な測距ができ、
さらに遠近の測距範囲が広く小型化が可能な測距装置を
提供する。 【解決手段】対象物に向けて、隣接した複数の光束26
a,26bが複数の発光素子12a,12bにより投光
され、受光素子16により上記対象物からの、上記複数
の光束26a,26bによる反射光が受光され、その反
射光の光量に依存した信号が出力される。そして、上記
複数の発光素子12a,12bを順次投光させた際の、
受光素子16における受光出力の比率から、上記対象物
までの距離がCPU10により求められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物に対して測
距用光を投光し、その反射信号光に基づいて対象物の距
離を求める測距装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、測距装置としては対象物に対
して測距用光を投光し、その反射信号光の受光位置を検
出して、三角測距の原理に基づいて上記対象物の距離を
求めるという手法が知られている。
【0003】例えば、特開昭49−49625号公報で
は、図19(a)に示すように投光素子100から投光
された光の反射信号光が分割されたセンサ102のどの
位置に入射するかを検知して、対象物の距離を求めると
いう手法が提案されている。
【0004】また、特開昭50−23247号公報で
は、図19(b)に示すように投光素子100から投光
された光の反射信号光の入射位置を、専用の光位置検出
素子(PSD)104を用いて求めるという手法が提案
されている。
【0005】また、実開昭52−36061号公報で
は、図19(c)に示すように複数の投光素子100
a,100bを順次投光して、どの投光素子からの光が
一番強く受光素子106に入射したかにより、2段か3
段のピント切り替えを行うという手法が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭49−49625号公報にて提案された手法では、
多数のセンサ102の出力を扱わなければならないため
回路が複雑化してしまう。
【0007】また、上記特開昭50−23247号公報
にて提案された手法では、ワイドレンジの測距を行うと
き、上記光位置検出素子104を大きくする必要が生じ
る。光位置検出素子104を大きくした場合、信号光以
外の光の入射が増えてS/Nが劣化してしまい、正確な
測距が行えない場合がある。
【0008】さらに、いずれの手法も装置自体を小型化
して、投光レンズと受光レンズの間の距離である基線長
を短くすると、センサや光位置検出素子の受光部の大き
さに対して、入射した反射信号光の大きさが相対的に大
きくなる。このため、スポット欠けの影響を受けやすい
状態、いわゆるスポット欠けに弱くなり、正確な測距が
行えなくなってしまう。
【0009】以上の問題点を、図20を用いて説明す
る。赤外発光ダイオード(IRED)等からなる投光素
子100は、投光レンズ108を介して対象物110に
対し光スポット112の測距用光を投光する。そして、
対象物110により反射された反射信号光は、受光レン
ズ114を介して光位置検出素子104に入射する。投
光素子100の発光部の径をdLED とすると、投光され
た光スポット112の径dSPOTは投光レンズ108の焦
点距離ftと対象物の距離Lより、
【0010】
【数1】 という関係を示す。
【0011】この光スポット112の径dSPOTがあまり
に大きいと、対象物110の位置によっては図20に示
すように、対象物110から光スポット112の径dSP
OTの1部がはずれてしまい(スポット欠け)、正確な測
距ができなくなる。ここで、径dSPOTを小さくするため
に径dLED を小さくすると、十分な発光量が期待できな
くなる。
【0012】ここで、投光レンズ108の焦点距離ft
と受光レンズ114の焦点距離fjがほぼ等しい場合、
光位置検出素子104上に入射する反射信号光のスポッ
トの大きさも径dLED となる。この径dLED は、一般に
約0.4〔mm〕の大きさである。一方、受光レンズ1
14の焦点距離fjと投受光レンズ間距離である基線長
Sと光位置検出素子104の長さtより、測距レンジが
決まる。
【0013】一般に光位置検出素子の長さtは2〔m
m〕程度だが、カメラを小型化すると、上記基線長S、
焦点距離fjが小さくなり、長さtも1〔mm〕程度に
なってしまう。そのうち、0.4〔mm〕がスポットの
大きさにになるので、スポット欠けの程度によっては1
〔mm〕のうち半分近くの大きさでみかけの入射位置変
動が起こってしまい、大きな測距誤差となる。
【0014】さらに、水中でこのような測距装置を用い
ると、対象物110からの反射信号光の他に、水のにご
りによる散乱光が光位置検出素子104に入射して、正
確な測距ができなくなる。
【0015】また、上記実開昭52−36061号公報
にて提案された手法では、複数の投光素子100a,1
00bを順次投光して、どの投光素子からの光が一番強
く受光素子106に入射したかにより、2段か3段のピ
ント切り替えを行うというものであり分解能の高い測距
装置ではないため、精度良く対象物の距離を検出するこ
とはできなかった。
【0016】そこで本発明は、以上の点に鑑みてなされ
たものであり、空気中及び水中においても正確な測距が
でき、さらに遠近の測距範囲が広く小型化が可能な測距
装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の測距装置は、対象物に向けて、隣接した複
数の光束を投光する複数の投光手段と、上記対象物から
の、上記複数の光束による反射光を受光し、その反射光
の光量に依存した信号出力を行う受光手段と、上記複数
の投光手段を順次投光させた際の、上記受光手段におけ
る受光出力の比率から、上記対象物までの距離を求める
演算手段とを具備することを特徴とする。
【0018】また、本発明の測距装置は、対象物に向け
て、隣接した複数の光束を投射する複数の投光手段と、
上記対象物からの、上記複数の光束による反射光を受光
し、その反射光の光量に依存した信号出力を行う受光手
段と、この受光手段に定常的に入射する光の光量を測定
する第1の測光手段と、上記複数の投光手段による投光
時における上記受光手段の受光量を測定する第2の測光
手段と、上記受光手段の出力をこれら第1の測光手段と
第2の測光手段のいずれかに入力するよう選択する選択
手段と、上記第1の測光手段の出力に基づいて露出を制
御する露出制御手段と、上記第2の測光手段の出力に基
づいて上記対象物までの距離を求める距離演算手段とを
具備することを特徴とする。
【0019】また、本発明の測距装置は、画面内の複数
のポイントを測距するために、投光手段と上記複数のポ
イントをにらむ複数の受光手段を有する測距装置であっ
て、該装置が水中にあるか否かを判定する判定手段を有
し、該判定手段が水中に存在すると判定した際に、上記
複数の受光手段の内、少なくとも一つを、水中における
散乱光検出用として使用することを特徴とする。
【0020】すなわち、本発明の測距装置においては、
対象物に向けて、隣接した複数の光束が複数の投光手段
により投光され、受光手段により上記対象物からの、上
記複数の光束による反射光が受光され、その反射光の光
量に依存した信号が出力される。そして、上記複数の投
光手段を順次投光させた際の、上記受光手段における受
光出力の比率から、上記対象物までの距離が演算手段に
より求められる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明に係る第1の実施
の形態の測距装置の構成を示す図である。この測距装置
の各部の動作を制御するワンチップマイコン等からなる
演算制御回路(以下、CPUと記す)10には、選択し
て独立に2つの発光素子12a,12bのうちの1つを
発光させる選択ドライバ14と、受光素子16に入射し
た光の光量を検出する光量検出集積回路(以下、光量検
出ICと記す)18と、測距結果に基づいて不図示のピ
ント合せ用レンズを駆動しピント合せを行うピント合せ
部20が接続される。
【0022】このように構成された測距装置の動作の概
略は、次のようになる。CPU10は選択ドライバ14
に対して2つの発光素子12a,12bのうち、いずれ
を発光させるかの指令を出力し、選択ドライバ14は上
記指令に従って発光素子12a,12bのいずれか1つ
を選択して独立に発光させる。発光素子12a,12b
のいずれか1つから発光された光は、投光レンズ22を
介して測距用光として対象物に投光される。
【0023】投光された測距用光は、対象物にて反射さ
れ反射信号光として受光レンズ24を介して、一辺2d
の受光面を持つ受光素子16に受光される。ここで、受
光素子16に入射する反射信号光は、図1に示す破線の
範囲(見こみ角)28内にて反射される反射信号光であ
る。よって、対象物が距離L0 からL2 の位置にあると
き、2つの発光素子12a,12bからの測距用光26
a,26bの反射信号光が受光素子16に入射する割合
は、それぞれ図2(a)から図2(c)に示すように変
化するためその割合を検出することにより、対象物の距
離を算出することができる。
【0024】図2(a)は距離L0 に対象物が存在する
場合に、受光素子16に受光される測距用光26a,2
6bの反射信号光の割合を示すものであり、このとき受
光素子16に受光される反射信号光の割合は発光素子1
2aによる測距用光26aの反射信号光が1で、発光素
子12bによる測距用光26bの反射信号光が0とな
る。図2(b)は距離L1 に対象物が存在する場合に、
受光素子16に受光される測距用光26a,26bの反
射信号光の割合を示すものであり、このとき受光素子1
6に受光される反射信号光の割合は発光素子12aによ
る測距用光26aの反射信号光が0.5で、発光素子1
2bによる測距用光26bの反射信号光が0.5とな
る。さらに、図2(c)は距離L2 に対象物が存在する
場合に、受光素子16に受光される測距用光26a,2
6bの反射信号光の割合を示すものであり、このとき受
光素子16に受光される反射信号光の割合は発光素子1
2aによる測距用光26aの反射信号光が0で、発光素
子12bによる測距用光26bの反射信号光が1とな
る。
【0025】次に、図3を用いて本測距装置における対
象物の距離算出の原理について説明する。投光レンズ2
2と受光レンズ24が基線長Sで配置され、さらに、受
光レンズ24の焦点距離fjを隔てた位置に、受光レン
ズ24の光軸をはさんで各々dの長さを持つ受光素子1
6が配置される。直線30は、図1に示した発光素子1
2a,12bから投光された測距用光26a,26bの
境界を示す直線である。
【0026】この直線30上の発光素子12a,12b
の位置を投光レンズ22の光軸から距離aだけ離れたと
ころに設定すると、受光レンズ24の光軸と直線30の
交点と、受光レンズ24との距離L1 は、基線長Sと投
光レンズ22の焦点距離ftを用いて、
【0027】
【数2】 となる。
【0028】また、距離L1 からの光軸方向の距離差を
ΔLとすると、直線30の26a側から受光素子16に
入射する光量Pa は、受光レンズ24の焦点距離fjと
対象物の距離Lを用いて、
【0029】
【数3】 と表される値に依存し、26b側から受光素子16に入
射する光量Pb は、
【0030】
【数4】 と表される値に依存する。
【0031】光量Pa ,Pb はその他、対象物の反射率
や投光光量及び対象物の距離Lの2乗に反比例した係数
を乗じた形であらわされるが、これらは発光素子12
a,12bを各々発光させたとき、受光素子16に入射
した光量の比をとれば相殺することができる。
【0032】つまり、ワンチップマイコン等からなるC
PU10は、選択的に発光素子12a,12bを発光さ
せる選択ドライバ14を介して測距用光を投光させる。
そして、受光素子16に入射した反射信号光の光量Pa
,Pb の情報は、光量検出IC18を介してCPU1
0に入力される。CPU10は得られた光量Pa ,Pb
の情報から、
【0033】
【数5】 を演算すれば上記(3),(4)式より、
【0034】
【数6】 となり、対象物の距離の逆数(1/L)が求められる。
【0035】ここで、カメラに応用する場合は、ft,
fj,d,a,Sは定数なので、上記(5)式より1/
Lを算出し、ピント合せ部20によりピント合せ用レン
ズを1/Lに対応する位置に駆動して撮影を行えばよ
い。
【0036】つまり、本第1の実施の形態によれば、受
光素子16の幅2dを狭くすることにより、上記(5)
式の傾きが変化し測距の分解能をあげることができる。
ところで、図3より近距離側の測距の限界は、
【0037】
【数7】 であるから、
【0038】
【数8】 で決定される。また、遠距離側の測距の限界は、
【0039】
【数9】 で決定される。
【0040】従って、基線長S=25〔mm〕、焦点距
離ft=fj=10〔mm〕のとき、1〔m〕から無限
遠まで測距しようとすると、上記(7)式より無限遠側
はa=dとなり、上記(6)式より近距離側は、(6)
式のLに1000〔mm〕を代入して、
【0041】
【数10】 という条件が決まる。
【0042】上述したように、一般に発光素子である赤
外発光ダイオードの発光径は400〔μm〕程度である
ため、十分にこの125μmの見こみ角をカバーでき
る。また、この125〔μm〕の見こみ角では、例え
ば、1〔mm〕の光位置検出素子に比べると、単純な面
積比でノイズ比が1/8に減少する。また、このときの
受光素子として、赤外光へのマッチングが良いガリウム
砒素(GaAs)の受光素子を用いれば、さらにS/N
を改善することができる。
【0043】次に、図4のフローチャートを用いて第1
の実施の形態の測距装置の動作を詳細に説明する。測距
が開始されると、まず、CPU10は選択ドライバ14
を介して発光素子12aを選択して発光させ、対象物に
測距用光を投光させる。投光された測距用光は、対象物
にて反射され反射信号光として受光レンズ24を介し
て、受光素子16に受光される。そして、受光素子16
に入射した反射信号光の光量が、光量検出IC18にて
検出され、さらに検出された光量Pa に相当する電気信
号がCPU10に出力される(ステップS1)。
【0044】続いて、CPU10は選択ドライバ14を
介して発光素子12bを選択して発光させ、対象物に測
距用光を投光させる。投光された測距用光は、対象物に
て反射され反射信号光として受光レンズ24を介して、
受光素子16に受光される。そして、受光素子16に入
射した反射信号光の光量が、光量検出IC18にて検出
され、さらに検出された光量Pb に相当する電気信号が
CPU10に出力される(ステップS2)。
【0045】次、CPU10は、Pa /(Pa +Pb )
と上記(5)式より、1/Lを算出し(ステップS
3)、ピント合せ部20にてピント合せ用レンズを駆動
して対象物にピントを合せる(ステップS4)。そし
て、本測距装置の動作を終了する。
【0046】以上説明したように本第1の実施の形態お
いては、受光素子16のサイズを小さくして、上記見こ
み角28を狭くすることができる。これにより、対象物
の位置による測距誤差を小さくできる。また、受光素子
16に入射する背景光のノイズも小さくできるため、よ
り正確な測距が可能となる。さらに、上記見こみ角28
を狭くすることができるため、後述する図6に示すよう
な水中散乱光の影響を軽減することができ、より正確な
測距が可能となる。
【0047】次に、本発明に係る第2の実施の形態の測
距装置を適用した水中カメラについて説明する。図5
は、第2の実施の形態の測距装置の構成を示す図であ
る。
【0048】この測距装置の各部の動作を制御するワン
チップマイコン等からなるCPU40には、可視光を発
光する2つの発光素子42a,42bのうちの1つを選
択して独立に発光させる選択ドライバ44と、上記可視
光の反射光を受光するセンサ46からの出力を測光スイ
ッチ48を介して取り込み、測光を行う測光回路50
と、上記センサ46からの出力を光量検出スイッチ52
を介して取り込み、光量を検出する光量検出IC54
と、上記測光と光量検出のいずれを行うかを選択するた
めの上記測光スイッチ48及び光量検出スイッチ52
と、算出された測距結果に基づいて不図示のピント合せ
用レンズを駆動しピント合せを行うピント合せ部20が
接続される。
【0049】上記発光素子42a,42bは可視光を発
光する光源であり、青色の発光ダイオード(以下、LE
Dと記す)やキセノン管(Xe管)等からなる。なお、
水中では赤外光は水に吸収されてしまうため、赤外光の
光源は不適当である。上記センサ46は、フォトダイオ
ードまたはフォトトランジスタなどからなり、上記可視
光を受光する。また、投光レンズ22、受光レンズ24
などの光学系の構成は、上記第1の実施の形態と同様で
ある。
【0050】このように構成された測距装置の動作の概
略は、次のようになる。CPU40は選択ドライバ44
に対して2つの発光素子42a,42bのうち、いずれ
を発光させるかの指令を出力し、選択ドライバ44は上
記指令に従って発光素子42a,42bのいずれか1つ
を選択して独立に発光させる。発光素子42a,42b
のいずれか1つから発光された光は、投光レンズ22を
介して測距用光として対象物56に投光される。
【0051】投光された測距用光は、対象物56にて反
射され反射信号光58として受光レンズ24を介して、
センサ46に受光される。このとき、CPU40は測光
スイッチ48及び光量検出スイッチ52のオン,オフを
制御することにより、センサ46の接続先を光量検出I
C54または測光回路50のいずれかに切り換える。測
光回路50は、発光素子42a,42bを発光させない
ときに上記センサ46に入射する光の光量を電気信号に
変換してCPU40に出力する。一方、光量検出IC5
4は、発光素子42a,42bのいずれかを発光させた
とき、上記センサ46に入射するその反射信号光の光量
を電気信号に変換してCPU40に出力する。
【0052】すなわち、測光スイッチ48をオンしたと
き、そのときの測光回路50の出力は露出決定用の輝度
情報となり、一方、光量検出スイッチ52をオンしたと
き、発光素子42a,42bの各々の投光時の光量検出
結果より、CPU40は上記(5)式と同じ原理に基づ
いて測距演算を行う。
【0053】次に、水中での測距用光の投光による測距
について説明する。図6は、従来の水中における測距用
光の投光による測距の様子を示す一例である。図6に示
すように発光素子42から投光レンズ22を介して対象
物56に投光された光は、対象物56にて反射され、受
光レンズ24を介して反射信号光58として受光素子6
0に受光される。
【0054】ところが、投光レンズ22を通過した測距
用光の一部は、この投光レンズ22の前方を浮遊する浮
遊物62にて散乱され、受光レンズ24を介して散乱光
64として受光素子60に受光される。このように、水
中では上記散乱光64が受光素子60に入射するという
散乱光の影響を受ける場合があり、正確な測距ができな
い。
【0055】そこで、本第2の実施の形態の測距装置で
は、図5に示したように受光レンズ22の前の近傍から
発生する最も強い散乱光64がセンサ46に入射しない
ようにした。これにより、水中の浮遊物62による散乱
光64の影響を受けずに正確な測距を行うことができ
る。
【0056】次に、図7のフローチャートを用いて第2
の実施の形態の測距装置を適用した水中カメラの動作に
ついて説明する。測距が開始されると、まず、CPU4
0は測光スイッチ48をオンし、光量検出スイッチ52
をオフする(ステップS11)。そして、CPU40は
センサ46に入射する光から、対象物の測光値Bvを求
める。
【0057】次に、CPU40は光量検出スイッチ52
をオンし、測光スイッチ48をオフする(ステップS1
3)。そして、CPU40は選択ドライバ44を介して
発光素子42aを選択して発光させ、対象物に測距用光
を投光させる。投光された測距用光は、対象物にて反射
され、受光レンズ24を介して反射信号光として受光素
子46に受光される。このとき、受光素子46に入射し
た反射信号光の光量が、光量検出IC54にて検出さ
れ、さらに検出された光量Pa に相当する電気信号がC
PU40に出力される(ステップS14)。
【0058】続いて、CPU40は選択ドライバ44を
介して発光素子42bを選択して発光させ、対象物に測
距用光を投光させる。投光された測距用光は、対象物に
て反射され、受光レンズ24を介して反射信号光として
受光素子46に受光される。このとき、受光素子46に
入射した反射信号光の光量が、光量検出IC54にて検
出され、さらに検出された光量Pb に相当する電気信号
がCPU40に出力される(ステップS15)。
【0059】次、CPU40は、Pa /(Pa +Pb )
と上記(5)式より、1/Lを算出し(ステップS1
6)、ピント合せ部20にてピント合せ用レンズを駆動
して対象物にピントを合せる(ステップS17)。そし
て、上記測光値Bvに従って露光を行う(ステップS1
8)。以上にて、本カメラの動作を終了する。
【0060】以上説明したように本第2の実施の形態に
おいては、図6に示すような従来の測距装置に比べて、
水中の浮遊物による散乱光の影響を受けにくい測距装置
を提供することができる。また、測光用と測距用のセン
サを共通に使用することにより、装置の構成を簡単にす
ることができ、製品コストを安価にすることができる。
さらに、測距範囲と測光範囲を同じにできるため、パラ
ラックスのないピント合せと露出合せが可能である。
【0061】次に、本発明に係る第3の実施の形態の測
距装置について説明する。この第3の実施の形態は、発
光素子の数を増やすことにより、測距可能な範囲を広く
したものである。
【0062】図8は、第3の実施の形態の測距装置の構
成を示す図である。この測距装置の各部の動作を制御す
るワンチップマイコン等からなるCPU10には、3つ
の発光素子12a,12b,12cのうちの1つを選択
して独立に発光させる選択ドライバ14と、受光素子1
6に入射した光の光量を検出する光量検出IC18と、
上記発光素子12a,12b,12cの投光光量を制御
するためのデータを記憶したEEPROM等からなる電
気的に書き込み可能なメモリ66が接続される。さら
に、上記選択ドライバ14と発光素子12a,12b,
12cとの間には、それぞれ発光素子12a,12b,
12cから投光される光量を制御する光量制御回路14
a,14b,14cが接続される。
【0063】そして、近距離側にて測距を行うための測
距用光26aを投光する発光素子12aの発光出力は弱
く、遠距離側にて測距を行うための測距用光26cを投
光する発光素子12cの発光出力は強くしておくと、光
量検出IC18の扱えるダイナミックレンジがあまり広
くなくてもよいことになる。例えば、上記投光光量比を
予め測距用光26aを1とし、測距用光26bを2、測
距用光26cを4と設定しておく。すると、測距用光2
6aを投光時には1を、測距用光26bを投光時には1
/2を、測距用光26cを投光時には1/4の係数を、
CPU10は光量検出IC18からの出力に対し乗じ
て、これらの比率を求めるようにする。なお、この光量
制御は、発光素子のドライブ電流量や発光回数によって
切りかえるものとする。
【0064】このようにして得られた受光素子16での
受光光量比率と対象物の距離L1 ,L2 ,L3 との関係
を図9に示す。CPU10が図9に示すような対応テー
ブルを持っていれば、各発光素子12a,12b,12
cの投光時に得られた比率から、このときの対象物の距
離Lを求めることができる。
【0065】また、製造時における発光素子12a,1
2b,12cの特性のばらつきや光量制御回路14a,
14b,14cのばらつきによって、正しい光量比が得
られないことが考えられる。このため、測距装置の製造
工程にて上記ばらつきを調べ、その結果を測距装置の内
部に設けられたEEPROM66に記憶しておき、測距
するたびにこれを参照して補正を加えるようにする。な
お、最初に測距用光26bの投光を所定量にて行い、そ
の受光結果に従って各発光素子からの投光光量を決定す
るようにしてもよい。
【0066】次に、上記第3の実施の形態の変形例の測
距装置について説明する。この第3の実施の形態の変形
例は、上記第3の実施の形態を、画面内の複数ポイント
を測距するマルチタイプの測距装置に適用したものであ
る。
【0067】図10は、第3の実施の形態の変形例の測
距装置の特徴部の構成を示す図である。この測距装置
は、4つの発光素子12a,12b,12c,12d
と、3つの受光素子16a,16b,16cから構成さ
れる。そして、画面内のポイント68a,68b,68
cの各ポイントが、図8に示した上記第3の実施の形態
と同様の原理に基づいて測距される。
【0068】次に、本発明に係る第4の実施の形態の測
距装置について説明する。この第4の実施の形態は、上
記第3の実施の形態の変形例の測距装置を水中にて使用
できるように構成したものである。なお、この第4の実
施の形態では、上記第3の実施の形態の変形例における
4つの発光素子を、2つにしている。
【0069】図11は、第4の実施の形態の測距装置の
構成を示す図である。この測距装置の各部の動作を制御
するワンチップマイコン等からなるCPU40には、可
視光を発光する2つの発光素子42a,42bのうちの
1つを選択して独立に発光させる選択ドライバ44と、
上記可視光を受光するセンサ46a,46b,46cか
らの出力を取り込んで光量を検出する光量検出IC54
と、本測距装置が水中にあるか否かを検出する水中検出
部70が接続される。
【0070】上記発光素子42a,42bは可視光を発
光する光源であり、青色のLEDやキセノン管(Xe
管)等からなる。ここで、発光素子42a,42bに可
視光の光源を用いたのは、仮に水中において赤外光の光
源を用いた場合、赤外光が水に吸収されてしまうため測
距用光として不適当だからである。上記センサ46a,
46b,46cは、フォトダイオードまたはフォトトラ
ンジスタなどからなり、上記可視光を受光する。また、
投光レンズ22、受光レンズ24などの光学系の構成
は、上記第1の実施の形態と同様である。
【0071】このように構成された測距装置の動作の概
略は、次のようになる。この第4の実施の形態では、セ
ンサ46a,46b,46cがきわめて狭く制限された
領域しか見ていないこと、すなわち、制限された領域の
信号光だけを検出することと、画面中心部より受光側に
近い方からの光を受光するセンサ46cを利用して、水
中の浮遊物の量を検出しようとするものである。
【0072】水中において浮遊物62が多く存在する場
合に測距用光を投光したとき、浮遊物62が測距用光を
反射、散乱させることは図6を用いて説明した。このと
き、投光レンズ22の前の近傍から、最も強い散乱光が
発生する。この投光レンズ22の前の近傍からの散乱光
は、図11に示すようにセンサ46cが最もよく検出で
きる位置にある。
【0073】そこで、水中においては上記センサ46c
を測距用に用いると、対象物から反射された光なのか、
または散乱光であるかが判別ができなくなってしまう。
したがって、センサ46cからの出力は測距用に用い
ず、散乱光の検出用として用いる。
【0074】次に、図12のフローチャートを用いて第
4の実施の形態の測距装置の動作を詳細に説明する。測
距が開始されると、まず、CPU40は本測距装置が水
中にあるか否かを水中検出部70により判定する(ステ
ップS21)。ここで、本測距装置が水中にあるとき
は、発光素子42a,42bを順次投光させ、センサ4
6bで受光してそれぞれ光量Pa ,Pa を求める(ステ
ップS22,S23)。続いて、発光素子42aを投光
させ、センサ46cで受光して光量Pc を求める(ステ
ップS24)。
【0075】次に、CPU40は光量Pc が所定値より
大きいか否かを判定する(ステップS25)。ここで、
光量Pc が所定値より大きくないときは、水はにごって
おらず測距結果が信用できるとして、図4のフローチャ
ート中のステップS3と同様な手順を用いて、対象物の
距離Lを算出し(ステップS26)、その距離Lをピン
ト合せの距離とする。その後、本測距装置の動作を終了
する。
【0076】一方、上記ステップS25にて、光量Pc
が所定値より大きいときは、水はにごっており測距結果
が信用できないとして、光量Pc に従って水中の透視度
を判定して求め(ステップS27)、求めた透視度から
対象物の距離Lを決定して(ステップS28)、ピント
合せの距離とする。その後、本測距装置の動作を終了す
る。
【0077】また、上記ステップS21にて、本測距装
置が水中にないときは、水中における測距ではないため
水のにごりを考慮せず、次のように測距を行う。CPU
40は、発光素子42a,42bを順次投光させ、セン
サ46bで受光してそれぞれ光量Pab,Pbbを求める
(ステップS29,S30)。続いて、上記ステップS
26と同様に求めた光量Pab,Pbbより、対象物の距離
Lb を算出する(ステップS31)。
【0078】さらに、CPU40は、発光素子42a,
42bを順次投光させ、センサ46aで受光してそれぞ
れ光量Paa,Pbaを求める(ステップS32,S3
3)。続いて、上記ステップS26と同様に求めた光量
Paa,Pbaより、対象物の距離La を算出する(ステッ
プS34)。
【0079】さらに、CPU40は、発光素子42a,
42bを順次投光させ、センサ46cで受光してそれぞ
れ光量Pac,Pbcを求める(ステップS35,S3
6)。続いて、上記ステップS26と同様に求めた光量
Pac,Pbcより、対象物の距離Lc を算出する(ステッ
プS37)。
【0080】次に、求めた距離La ,Lb ,Lc から最
も近い距離を選択し(ステップS38)、その距離をピ
ント合せの距離とする。その後、本測距装置の動作を終
了する。
【0081】以上説明したように本第4の実施に形態に
よれば、空気中ではマルチタイプのオートフォーカスと
して機能し、水中ではにごりを加味したスポットタイプ
のオートフォーカスとして機能する測距装置が単純な構
成で実現できる。
【0082】次に、本発明に係る第5の実施の形態の測
距装置について説明する。本発明に係る測距装置は、図
19(b)に従来例として示したような光位置検出素子
(PSD)を組み合せて用いることも可能であり、その
例を示す。
【0083】図13は、第5の実施の形態の測距装置の
構成を示す図である。この測距装置の各部の動作を制御
するワンチップマイコン等からなるCPU40には、赤
外光から可視光の広い波長範囲を発光可能な2つの発光
素子42a,42bのうちの1つを選択して独立に発光
させる選択ドライバ44と、測光センサ46に入射した
光の光量から測光を行う測光回路50と、測光センサ4
6に入射した光の光量を検出する光量検出IC54と、
PSD80に入射した信号光の入射位置から測距を行う
ための信号を出力するオートフォーカス集積回路(以
下、AFICと記す)82と、本測距装置が水中にある
か否かを検出する水中検出部70が接続される。
【0084】上記発光素子42a,42bには、キセノ
ン管を用いるとよいが、赤外光から可視光までの広い波
長範囲を発光可能な光源であればその他の光源であって
もよい。例えば、ランプの光をチョッパでパルス化する
ような方式でもよい。さらに、発光素子42aを青色L
ED、発光素子42bを赤外LEDとしてもよい。ま
た、上記測光センサ46は、フォトダイオードまたはフ
ォトトランジスタなどからなる。また上記PSD80へ
の入射光軸上には、可視光カットフィルタを設け、対象
物56からの反射信号光に対する背景光の影響を少なく
する。
【0085】この測距装置は、空気中においてはPSD
80を用いて測距を行い、水中においては測光センサ4
6を用いて測距を行うものであり、動作の概略は、次の
ようになる。
【0086】CPU40は選択ドライバ44に対して2
つの発光素子42a,42bのうち、いずれを発光させ
るかの指令を出力し、選択ドライバ44は上記指令に従
って発光素子42a,42bのいずれか1つを選択して
独立に発光させる。発光素子42a,42bのいずれか
1つから発光された光は、測距用光として投光レンズ2
2を介して対象物56に投光される。
【0087】投光された測距用光は、対象物56にて反
射され反射信号光58として受光レンズ24を介して、
測光センサ46に受光される。このとき、図5に示した
第2の実施の形態と同様に測光回路50と光量検出IC
54は切り換え可能になっており、空気中では測光回路
50に切り換えて、発光素子42a,42bを発光させ
ずに測光回路50の出力から露出決定用の輝度情報を得
る。そして、空気中では発光素子42bのみから対象物
56に投光し、その反射信号光のPSD80への入射位
置より測距演算を行う。
【0088】一方、水中では光量検出IC54に切り換
えて、発光素子42a,42bから順次、投光し、各々
の投光時の光量検出結果より、CPU40は上記(5)
式と同じ原理に基づいて測距演算を行う。このとき、水
中との屈折率差を加味して求められた距離は、実際の約
3/4の距離になっていることを考慮してピント合せを
行う。
【0089】次に、図14のフローチャートを用いて第
5の実施の形態の測距装置の動作を詳細に説明する。測
距が開始されると、まず、CPU40は本測距装置が水
中にあるか否かを水中検出部70により判定する(ステ
ップS41)。ここで、本測距装置が水中にないとき、
すなわち空気中にあるときは、CPU40は発光素子4
2bのみから対象物56に投光し、その反射信号光を受
光レンズ84を介してPSD80により受光する。この
とき、PSD80の出力は、AFIC82により反射信
号光の入射位置に依存した信号に変換されて、CPU4
0に出力される。CPU40は、このAFIC82から
の信号を受け取り、三角測距の原理に基づいて測距演算
を行って対象物の距離Lを求める(ステップS42)。
【0090】次に、CPU40は測光回路50に切り換
えて、発光素子42a,42bを発光させずに測光回路
50の出力から露出決定用の輝度情報を得る(ステップ
S44)。続いて、CPU40は上記距離Lに従ってピ
ント合わせを行い、上記輝度情報に従って露光を行う
(ステップS45)。本測距装置の動作を終了する。
【0091】また、上記ステップS41にて本測距装置
が水中にあるときは、CPU40は光量検出IC54に
切り換えて、発光素子42a,42bを順次投光させ、
測光センサ46で受光して光量検出IC54にてそれぞ
れ光量Pa ,Pa を求める。そして、CPU40は上記
(5)式と同じ原理に基づいて測距演算を行い、対象物
の距離Lを求め(ステップS43)、ステップS44へ
移行する。このステップS44以降の処理は上述した通
りである。
【0092】以上説明したように本第5の実施の形態で
は、空気中において可視光カット特性を有するように構
成したPSD80で背景光の影響を対策し、水中おいて
は受光部の小さい測光センサ46で散乱光の影響を対策
することにより、空気中及び水中の両環境において、高
精度で正しくピント合せができる測距装置が提供でき
る。
【0093】また、水中は赤外光が吸収されやすく可視
光による測距が好ましいことから、水中での測距に測光
用の測光センサ46を利用した。これにより、部品点数
やスペースの削減が可能になる。
【0094】次に、本発明に係る第6の実施の形態の測
距装置について説明する。この第6の実施の形態は、上
記(5)式を用いずに対象物の距離を求める例である。
図15は、第6の実施の形態の測距装置の特徴部の構成
を示す図である。なお、上記実施の形態と同様な部材の
構成については、省略している。
【0095】順次、発光される発光素子12a,12b
のいずれか1つから発光された光は、投光レンズ22を
介して測距用光として対象物56に投光される。投光さ
れた測距用光は、対象物56にて反射され受光レンズ2
4を介して、反射信号光として受光素子16に受光され
る。
【0096】光量検出IC18は、上記受光素子16に
入射するその反射信号光の光量を電気信号に変換して補
間演算部10aに出力する。そして、補間演算部10a
は、受け取った電気信号に従って補間演算を行う。そし
て、不図示のCPUはこの補間演算結果を用いて対象物
の距離Lを求める。
【0097】例えば、図15に示すように受光素子16
に入射する信号光光量の半分ずつが発光素子12a,1
2bの各々から投光された測距用光の反射信号光である
場合、各々の発光素子12a,12bによる受光素子1
6の受光量P1 ,P2 を図示すると、図16(a)の棒
グラフのようになる。つまり、このときの各受光量は等
しいものとなる。
【0098】この棒グラフの頂上の中心点を図の破線の
ように2つの直線で結び、この交点を求めるのが、補間
演算部10aでの補間演算である。ここで、一方の破線
は、P=0上のx=0の点と棒グラフ頂上のx=0.2
5の点を通る直線であるから、この破線の方程式は、 P=4P1 ×x となる。また、他方の破線は、 P=−4P2 (x−1)=−4P2 x+4P2 となる。従って、 となる。これは、上記(5)式の所で説明したPb /
(Pa +Pb )に相当することから、このようなグラフ
上の補間演算によっても、測距が可能である。
【0099】なお、図16(b),(c)はこのように
して得られた棒グラフの頂点を補間することにより、棒
グラフの変化から2つの破線の交点が移動することを示
した図である。
【0100】次に、本発明に係る第7の実施の形態の測
距装置について説明する。この第7の実施の形態は、上
記第6の実施の形態をさらに拡張したものであり、発光
素子(LED)数を9つに増やし、順次、投光して得ら
れるデータから対象物の距離を求めるものである。
【0101】図17は、第7の実施の形態の測距装置の
特徴部の構成を示す図である。なお、上記実施の形態と
同様な部材の構成については省略している。順次発光さ
れる9つの発光素子12a〜12i(LED1〜9)の
いずれか1つから発光された光は、投光レンズ22を介
して測距用光として対象物56に投光される。投光され
た測距用光は、対象物56にて反射され受光レンズ24
を介して、反射信号光として受光素子16に受光され
る。
【0102】不図示の光量検出IC18は、上記受光素
子16に入射するその反射信号光の光量を電気信号に変
換して不図示の補間演算部10aに出力する。そして、
補間演算部10aは、受け取った電気信号に従って補間
演算を行い、さらに、不図示のCPUはこの補間演算結
果を用いて対象物の距離Lを求める。
【0103】本第7の実施の形態は、上記第6の実施の
形態に比べて得られる棒グラフの数、つまり情報量が増
加する。したがって、例えば、図20で説明するような
スポット欠けに相当するような現象により、図17
(b)に示すように得られるべきデータが、図17
(c)に示すようになった場合でも、受光素子16で観
察している範囲のうち欠けた部分を予測して演算するこ
とが可能になる。
【0104】すなわち、受光素子16で観察している範
囲に必ずLED1〜9のうちの5個分の光が入射するよ
うに設計すれば、図17(c)に示すようにスポット欠
けが起きた場合は、LED3個分の光しか検出できない
ことからスポット欠けの有無を判断することができる。
また、図17(b)に示す破線のうち、スポットが欠け
た方は傾きが急になるため、これを利用してスポット欠
けが発生した反射信号光に相当するLEDを知ることが
できる。
【0105】図17(b)に示すような受光状態の場合
は、LED3と4の受光量のピークを結んだ直線(破線
1)と、LED6と7の受光量のピークを結んだ直線
(破線2)との交点から、この対象物の距離Lにおいて
受光素子16の中心には、LED5のスポットが投光さ
れていることがわかる。
【0106】このLED5の投光光軸と投光レンズ22
の光軸とがなす角度θを用いて、対象物の距離Lは、 L = S/tanθ …(9) として求められる。ここで、Sは投光レンズ22と受光
レンズ24間の距離であり、三角測距の基線長である。
【0107】次に、図18のフローチャートを用いて第
7の実施の形態の測距装置の動作を説明する。測距が開
始されると、まず、CPUは受光素子16に受光された
受光量から正の勾配の直線“P=α1 θ−β1 ”を検出
する(ステップS51)。続いて、CPUは上記受光量
から負の勾配の直線“P=−α2 θ+β2 ”を検出する
(ステップS52)。
【0108】次に、CPUは9個のLED1〜9から順
次、投光された測距用光のうち、その反射信号光の5個
分が受光素子16に入射したか否かを判定する(ステッ
プS53)。ここで、反射信号光の5個分が受光素子1
6に入射したときは、次式にて角度θを求める(ステッ
プS54)。
【0109】θ =(β1 +β2 )/(α1 +α2 ) 続いて、CPUは上記(9)式にて対象物の距離Lを算
出して(ステップS55)、本測距装置の動作を終了す
る。
【0110】また、上記ステップS53にて、反射信号
光の5個分が受光素子16に入射しないときは、CPU
はα1 >α2 が成り立つか否かを判定する(ステップS
56)。ここで、α1 >α2 が成り立たないときは、図
17(c)に示したように数字が大きい方のLED側の
反射信号光が欠けた場合であり、一方、α1 >α2 が成
り立つときは、逆に数字が小さい方のLED側の反射信
号光が欠けた場合に相当する。
【0111】したがって、α1 >α2 が成り立たないと
きは、投光したLED1〜9のうち、その反射信号光が
受光素子16に入射するもののLEDのMIN値(図1
7(c)ではLED3)に、受光素子16に入射するは
ずのLEDの数の半分2.5にを加えて、上記(9)式
のθとする(ステップS58)。一方、α1 >α2 が成
り立つときは、逆に投光したLED1〜9のうち、その
反射信号光が受光素子16に入射するもののLEDのM
AXの値から2.5を引いて、上記(9)式のθとする
(ステップS57)。
【0112】次に、上記ステップS55に移行し上記
(9)式にて対象物の距離Lを算出して、本測距装置の
動作を終了する。以上説明したように本第7の実施の形
態によれば、受光素子の観察している範囲が欠けた場合
であっても、正確な測距が可能である。さらに、多くの
LEDの受光量を利用しているため、2つのLEDから
投光して受光比を見る上記第6の実施の形態に比べて多
くの情報を得ることができ、より正確な距離検出が可能
となる。
【0113】なお、図18のフローチャート中の上記ス
テップS56〜S58では、単純に定数を加えたり減じ
たりする処理を行ったが、これに限るわけではなく、棒
グラフの形状より、欠けた部分を予測する計算を行って
もよい。
【0114】以上説明したように上記実施の形態によれ
ば、対象物の位置によって誤測距を起こすことなく水中
でも誤測距しにくい測距装置を単純な構成、かつ廉価に
て提供できる。
【0115】以上詳述した如き本発明の実施態様によれ
ば、以下のごとき構成を得ることができる。 (1) 対象物に向けて、隣接した複数の光束を投射す
る複数の投光手段と、上記対象物からの、上記複数の光
束による反射光を受光し、その反射光の光量に依存した
信号出力を行う受光手段と、上記複数の投光手段を順次
投光させた際の、上記受光手段における受光出力の比率
から、上記対象物までの距離を求める演算手段と、を具
備することを特徴とする測距装置。 (2) 上記(1)に記載の測距装置において、さら
に、上記複数の投光手段における投光量をそれぞれ制御
可能な投光量制御手段を有し、上記演算手段は、上記受
光出力の比率を演算する際に、この投光量制御手段によ
り制御結果を加味して上記対象物までの距離を求めるこ
とを特徴とする測距装置。 (3) 上記(1)に記載の測距装置において、さら
に、上記受光手段に定常的に入射する光の光量を測定す
る第1の測光手段と、上記複数の投光手段による投光時
における上記受光手段の受光量を測定する第2の測光手
段と、上記受光手段の出力をこれら第1の測光手段と第
2の測光手段のいずれかに入力するよう選択手段とを具
備することを特徴とする測距装置。 (4) 上記(3)に記載の測距装置はカメラにおける
測距装置であり、上記第1の測光手段の出力を露出制御
に、第2の測光手段の出力を合焦制御に用いることを特
徴とする測距装置。 (5) 上記(1)に記載の測距装置において、上記受
光手段はガリウムヒ素による半導体を使用したことを特
徴とする測距装置。 (6) 対象物に向けて、隣接した複数の光束を投射す
る複数の投光手段と、上記対象物からの、上記複数の光
束による反射光を受光し、その反射光の光量に依存した
信号出力を行う受光手段と、この受光手段に定常的に入
射する光の光量を測定する第1の測光手段と、上記複数
の投光手段による投光時における上記受光手段の受光量
を測定する第2の測光手段と、上記受光手段の出力をこ
れら第1の測光手段と第2の測光手段のいずれかに入力
するよう選択する選択手段と、上記第1の測光手段の出
力に基づいて露出を制御する露出制御手段と、上記第2
の測光手段の出力に基づいて上記対象物までの距離を求
める距離演算手段と、を具備することを特徴とする測距
装置。 (7) 画面内の複数のポイントを測距するために、投
光手段と上記複数のポイントをにらむ複数の受光手段を
有する測距装置であって、該装置が水中にあるか否かを
判定する判定手段を有し、該判定手段が水中に存在する
と判定した際に、上記複数の受光手段の内、少なくとも
一つを、水中における散乱光検出用として使用すること
を特徴とする測距装置。 (8) 露出制御用の測光を行う、可視光に反応する第
1の受光手段と、距離測定用の測光を行う、赤外光に反
応する第2の受光手段と、測距用の光を投射する投光手
段と、を具備する測距装置であって、該装置が水中にあ
るか否かを判定する判定手段を有し、該判定手段が水中
に存在すると判定した際に、上記第1の受光手段を用い
て距離を測定することを特徴とする測距装置。 (9) 隣接した複数の領域に測距用光を投光する複数
の投光手段と、上記複数の投光手段による投光時に、対
象物からの反射光を受光する受光手段と、この受光手段
の出力から上記受光手段が上記対象物を正しくにらんで
いるか否かを判定する判定手段と、を具備することを特
徴とする測距装置。
【0116】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、空気
中及び水中においても正確な測距ができ、さらに遠近の
測距範囲が広く小型化が可能な測距装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の測距装置の構成を示す図で
ある。
【図2】第1の実施の形態の測距装置において発光素子
12a,12bによる反射信号光が受光素子16に入射
する割合を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の測距装置における対象物の
距離算出の原理を説明するための図である。
【図4】第1の実施の形態の測距装置の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図5】第2の実施の形態の測距装置の構成を示す図で
ある。
【図6】従来の水中における測距用光の投光による測距
の様子を示す一例である。
【図7】第2の実施の形態の測距装置を適用した水中カ
メラの動作を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態の測距装置の構成を示す図で
ある。
【図9】第3の実施の形態の測距装置における受光素子
16の受光光量比率と対象物の距離L1 ,L2 ,L3 と
の関係を示す図である。
【図10】第3の実施の形態の変形例の測距装置の特徴
部の構成を示す図である。
【図11】第4の実施の形態の測距装置の構成を示す図
である。
【図12】第4の実施の形態の測距装置の動作を示すフ
ローチャートである。
【図13】第5の実施の形態の測距装置の構成を示す図
である。
【図14】第5の実施の形態の測距装置の動作を示すフ
ローチャートである。
【図15】第6の実施の形態の測距装置の特徴部の構成
を示す図である。
【図16】第6の実施の形態の測距装置における補間演
算について説明するための図である。
【図17】第7の実施の形態の測距装置の特徴部の構成
を示す図である。
【図18】第7の実施の形態の測距装置の動作を示すフ
ローチャートである。
【図19】従来の測距装置について説明するための図で
ある。
【図20】従来の測距装置の問題点について説明するた
めの図である。
【符号の説明】
10…演算制御回路(CPU)、10a…補間演算部、
12a〜12i…発光素子、14…選択ドライバ、16
…受光素子、18…光量検出集積回路(光量検出I
C)、20…ピント合せ部、22…投光レンズ、24…
受光レンズ、26a,26b…測距用光、28…見こみ
角、30…直線(測距用光境界)、40…演算制御回路
(CPU)、42a,42b…発光素子、44…選択ド
ライバ、46…センサ、48…測光スイッチ、50…測
光回路、52…光量検出スイッチ、54…光量検出集積
回路(光量検出IC)、56…対象物、58…反射信号
光、60…受光素子、62…浮遊物、64…散乱光、6
6…メモリ、68a,68b,68c…画面内のポイン
ト、70…水中検出部、80…光位置検出素子(PS
D)、82…オートフォーカス集積回路(AFIC)、
84…受光レンズ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物に向けて、隣接した複数の光束を
    投光する複数の投光手段と、 上記対象物からの、上記複数の光束による反射光を受光
    し、その反射光の光量に依存した信号出力を行う受光手
    段と、 上記複数の投光手段を順次投光させた際の、上記受光手
    段における受光出力の比率から、上記対象物までの距離
    を求める演算手段と、 を具備することを特徴とする測距装置。
  2. 【請求項2】 対象物に向けて、隣接した複数の光束を
    投射する複数の投光手段と、 上記対象物からの、上記複数の光束による反射光を受光
    し、その反射光の光量に依存した信号出力を行う受光手
    段と、 この受光手段に定常的に入射する光の光量を測定する第
    1の測光手段と、 上記複数の投光手段による投光時における上記受光手段
    の受光量を測定する第2の測光手段と、 上記受光手段の出力をこれら第1の測光手段と第2の測
    光手段のいずれかに入力するよう選択する選択手段と、 上記第1の測光手段の出力に基づいて露出を制御する露
    出制御手段と、 上記第2の測光手段の出力に基づいて上記対象物までの
    距離を求める距離演算手段と、 を具備することを特徴とする測距装置。
  3. 【請求項3】 画面内の複数のポイントを測距するため
    に、投光手段と上記複数のポイントをにらむ複数の受光
    手段を有する測距装置であって、 該装置が水中にあるか否かを判定する判定手段を有し、
    該判定手段が水中に存在すると判定した際に、上記複数
    の受光手段の内、少なくとも一つを、水中における散乱
    光検出用として使用することを特徴とする測距装置。
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