JPWO2020100916A1 - 強化繊維複合樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、優れた剛性を示す強化繊維複合樹脂を得るための、強化繊維複合樹脂の製造方法を提供することを目的とする。第1樹脂及び第2樹脂を含む原料からシートを形成する、シート形成工程と、前記シートと強化繊維とを接触させて、前記シート及び前記強化繊維を成形することにより、前記第1樹脂及び前記第2樹脂からなる樹脂層並びに前記強化繊維の層を含む強化繊維複合樹脂を得る、コンポジットプリプレグ取得工程と、を備え、前記第1樹脂は、前記第2樹脂よりも、引張弾性率が高く、前記シートは、前記第1樹脂を含む海相と、前記第2樹脂を含む長尺状の島相と、を備えた海島構造を有し、前記第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋する、選択架橋工程を、前記シート形成工程開始から前記コンポジットプリプレグ取得工程の完了までの間に、さらに備えることを特徴とする、強化繊維複合樹脂の製造方法。

Description

本発明は、強化繊維複合樹脂の製造方法に関する。
近年、軽量性及び剛性を兼ね備えた材料として、繊維強化プラスチック(FRP)をはじめとする繊維強化複合材料が広く普及している。この繊維強化複合材料は、ポリプロピレン又はナイロン等からなるマトリックス樹脂を、ガラス繊維、炭素繊維又はアラミド繊維等の強化繊維で強化させてなる材料であり、また、市場に出回る繊維強化複合材料の多くは、コンポジットプリプレグを複数積層させて製造されたものであるか、或いは、コンポジットプリプレグそのものである。なお、「コンポジットプリプレグ」とは、強化繊維に樹脂が含浸されたシート状の材料を指し、マトリックス樹脂及び強化繊維から構成された繊維強化複合材料である。このような繊維強化複合材料の品質を向上させる技術として、炭素繊維強化プラスチック層とゴム層とのサンドイッチ構造が提案されている(例えば、特許文献1)。
実公平5−34919号
しかしながら、上記特許文献1の技術は、屈曲時の剛性を維持しにくいという問題が生じる。そこで、本発明は、優れた剛性を示す強化繊維複合樹脂を得るための、強化繊維複合樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明に係る強化繊維複合樹脂の製造方法は、
第1樹脂及び第2樹脂を含む原料からシートを形成する、シート形成工程と、
前記シートと強化繊維とを接触させて、前記シート及び前記強化繊維を成形することにより、前記第1樹脂及び前記第2樹脂からなる樹脂層並びに前記強化繊維の層を含む強化繊維複合樹脂を得る、コンポジットプリプレグ取得工程と、を備え、
前記第1樹脂は、前記第2樹脂よりも、引張弾性率が高く、
前記シートは、前記第1樹脂を含む海相と、前記第2樹脂を含む長尺状の島相と、を備えた海島構造を有し、
前記第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋する、選択架橋工程を、前記シート形成工程開始から前記コンポジットプリプレグ取得工程の完了までの間に、さらに備えることを特徴とする。
本発明に係る強化繊維複合樹脂の製造方法は、
第1樹脂及び第2樹脂を含む原料からシートを形成する、シート形成工程と、
前記シートと強化繊維とを接触させて、前記シート及び前記強化繊維を成形することにより、前記第1樹脂及び前記第2樹脂からなる樹脂層並びに前記強化繊維の層を含む強化繊維複合樹脂を得る、コンポジットプリプレグ取得工程と、
前記強化繊維複合樹脂を任意の層に積層する、積層体取得工程と、を備え、
前記第1樹脂は、前記第2樹脂よりも、引張弾性率が高く、
前記シートは、前記第1樹脂を含む海相と、前記第2樹脂を含む長尺状の島相と、を備えた海島構造を有し、
前記第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋する、選択架橋工程を、前記シート形成工程開始から前記積層体取得工程の完了までの間に、さらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、優れた剛性を示す強化繊維複合材料の製造方法を提供できる。
本発明に係る製造方法により得られた強化繊維複合材料(選択架橋工程後)の樹脂層部分を280℃で熱アニールした後の顕微鏡写真である。 選択架橋工程を経ない、比較例の製造方法により得られた強化繊維複合材料の樹脂層部分を280℃で熱アニールした後の顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施形態について説明する。これらの記載は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
本発明に係る強化繊維複合樹脂の製造方法は、第1樹脂及び第2樹脂を含む原料からシートを形成する、シート形成工程と、前記シートと前記強化繊維とを接触させて、前記シート及び前記強化繊維を成形することにより、前記第1樹脂及び前記第2樹脂からなる樹脂層並びに前記強化繊維の層を含む強化繊維複合樹脂を得る、コンポジットプリプレグ取得工程と、を備え、前記第1樹脂は、前記第2樹脂よりも、引張弾性率が高く、前記シートは、前記第1樹脂を含む海相と、前記第2樹脂を含む長尺状の島相と、を備えた海島構造を有し、前記第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋する、選択架橋工程を、前記シート形成工程開始から前記コンポジットプリプレグ取得工程の完了までの間に、さらに備えることを特徴とする。
上記製造方法により、優れた剛性を示す強化繊維複合樹脂を得るための、強化繊維複合樹脂の製造方法を提供できる。
また、本発明に係る強化繊維複合樹脂の製造方法の別の態様は、前記コンポジットプリプレグ取得工程後に、前記強化繊維複合樹脂を任意の層数積層する、積層体取得工程と、を備え、前記第1樹脂は、前記第2樹脂よりも、引張弾性率が高く、前記シートは、前記第1樹脂を含む海相と、前記第2樹脂を含む長尺状の島相と、を備えた海島構造を有し、前記第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋する、選択架橋工程を、前記シート形成工程開始から前記積層体取得工程の完了までの間に、さらに備えることを特徴とする。
上記製造方法により、優れた剛性を示す強化繊維複合樹脂を得るための、強化繊維複合樹脂の製造方法を提供できる。
本発明に係る製造方法全体の概略は、次の通りである。
すなわち、当該製造方法は、シート形成工程により、使用する成分(2種以上の樹脂、強化繊維材料等)を、必要により、前記2種以上の樹脂を混合(混練を含む)、配合又は前記2種以上の樹脂同士を接触させて樹脂組成物を調製した後、前記成分又は前記樹脂組成物である原料から、海相及び長尺状の島相の海島構造を有するシートを作製し、
コンポジットプリプレグ取得工程により、前記シート及び前記強化繊維を接触させて、前記シート及び前記強化繊維を成形して、強化繊維複合樹脂を取得し、
必要に応じて、積層体取得工程により前記コンポジットプリプレグを任意の層に積層させて、
選択架橋工程により、前記シート形成工程の開始から前記コンポジットプリプレグ取得工程又は前記積層体取得工程の完了までの間に、前記長尺状の島相に含まれる特定の樹脂を選択的に架橋して、強化繊維複合樹脂を製造する方法である。
したがって、本発明に係る製造方法により得られる強化繊維複合樹脂は、少なくとも以下の3つの形態を含む。
(1)コンポジットプリプレグそのもの
(2)コンポジットプリプレグを複数積層させた積層体
(3)強化繊維が配列された強化繊維の層並びに第1樹脂及び第2樹脂を主成分とした樹脂層がそれぞれ複数積層された、積層体
上記(1)のコンポジットプリプレグは、強化繊維が配列された強化繊維の層を少なくとも一層と、第1樹脂及び第2樹脂を主成分とした樹脂層を少なくとも一層とを含む。また、強化繊維が配列された強化繊維の層は、2以上の強化繊維の長軸方向がそれぞれ特定の方向に配向するよう配置した、強化繊維の集合体の層であることが好ましい。さらに、「第1樹脂及び第2樹脂を主成分とした樹脂層」とは、当該樹脂層において、第1樹脂及び第2樹脂の合計含有量が50質量%以上含むことをいい、本明細書では、第1樹脂及び第2樹脂からなる樹脂層とも称する。上記(2)において、コンポジットプリプレグは、繰り返し単位である。上記(3)は、コンポジットプリプレグ自体が、強化繊維の層及び第1樹脂及び第2樹脂を主成分とした樹脂層をそれぞれ一層の形態だけでなく、強化繊維の層(強化繊維の集合体の層)及び第1樹脂及び第2樹脂を主成分とした樹脂層がそれぞれ複数積層された構造である形態も含むことを意味するものである。
そこで、まず選択架橋工程について説明した後、シート形成工程、コンポジットプリプレグ取得工程及び積層体取得工程を詳説する。
<選択架橋工程>
本発明に係る製造方法は、後述する第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋する選択架橋工程を備える。また、選択架橋工程は、シート形成工程の開始からコンポジットプリプレグ取得工程又は積層体取得工程の完了までの間であればいつでも施すことができる。
本明細書における「架橋する」は、架橋反応の結果、架橋前より架橋後の粘度が大きくなることをいう。また、「第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋する」とは、第2樹脂だけが選択的に架橋される場合だけでなく、架橋前の粘度からの架橋後の粘度の上昇比率に関して、第2樹脂が他の原料(例えば、第1樹脂)より大きいことをいう。
本選択架橋工程は、シート形成工程により形成された島相中の第2樹脂の粘度を高める工程であり、本発明に係る製造方法において特定のタイミングで施される。そして、第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋することにより、第2樹脂を含む島相は、架橋前より高粘度になる。そのため、選択架橋工程後は、前記第2樹脂を含む長尺状の島相の形状が維持される、又は長尺状の島相の形状が変化し難くなる。したがって、選択架橋工程された前記長尺状の島相は、後工程の熱履歴などによって、等方性の形状(例えば、球状)に変化し難いため、特定の方向、特に島相の長軸方向に対して剛性を示す強化繊維複合樹脂を製造できると考えられる。
前記選択架橋工程における架橋は、電子線架橋、化学架橋、電磁波架橋、および熱架橋からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。選択架橋工程を上記いずれかの方法で行うと、島相の構成成分である第2樹脂の粘度が比較的容易に上がる。
また、電子線照射により選択架橋工程を施す場合、系全体に分散されやすい、開始剤又は架橋剤を不要とするため、第2樹脂を優先的に架橋しやすくなる。したがって、上記選択架橋工程における架橋は、電子線架橋により施されることがより好ましい。
上記電子線架橋は、公知の方法により、行うことができる。第2樹脂に対して電子線を照射すると、当該樹脂を構成する高分子鎖の一部が切断されてラジカルが発生する。そして、当該ラジカルが、高分子鎖の他の部位に再結合することにより、架橋構造が形成される。このような電子線架橋に用いられる電子線は、電子銃などから放出される所定のエネルギーをもつ電子からなる。電子源である電子銃には、熱電子銃、電界放出電子銃、ショットキー電子銃などがある。電子線架橋が可能な限り、電子線の種類、強度、電子源などは問わない。
上記電子線の照射における吸収線量は、20〜600kGyであることが好ましく、50〜500kGyであることがより好ましい。吸収線量が500kGy以下であれば、第1樹脂の高分子鎖を切断することなく第2樹脂の高分子鎖を切断し、吸収線量が500kGy以上であれば、第2樹脂の高分子鎖を切断しやすくなる。また、電子線の吸収線量を上記範囲にすることにより、架橋率又は分子量を適切な範囲内に調節して、長尺状の島相の形状変化を抑制又は防止し易くなる。
電子線照射を酸素雰囲気下等で行うと、発生したラジカルが失活する場合があるため、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で電子線照射を行うことが好ましい。
また、電子線照射による第2樹脂の架橋の有無等は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いることで第2樹脂が選択的に架橋されているか否かを確認できる。
上記化学架橋は、公知の方法により行うことができ、特に制限されることはない。前記化学架橋は、化学架橋剤の存在下で、光照射又は加熱などによって架橋反応を行い、第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋する方法、又はシラン架橋法が好ましい。当該シラン架橋法は、カップリング剤、ラジカル開始剤及び有機錫化合物等の触媒存在下で、水と接触させることによって第2樹脂の分子鎖間にシラノール結合による架橋が形成されるものである。
例えば、化学架橋は、化学架橋剤、及び必要により配合される架橋助剤、活性化剤又は触媒を用いて行うことが好ましい。前記化学架橋剤としては、例えば、アルキルフェノールホルムアルデヒド等のフェノール樹脂、ビニルトリメトキシシラン若しくはビニルトリエトキシシランといったビニルアルコキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。また、前記架橋助剤としては、例えば、硫黄、p−ジニトロソベンゼン、ジビニルベンゼン、1,3−ジフェニルグアニジン、塩化第一錫・無水物、塩化第一錫・二水和物、塩化第二鉄等が挙げられる。前記活性化剤としては、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、若しくはクロロスルフォン化ポリエチレン等のハロゲン供与体、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、二酸化珪素、酸化亜鉛、又はラジカル開始剤等が挙げられる。前記ラジカル開始剤としては、例えば、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。前記触媒としては、ジブチル錫ラウレート等の有機錫化合物が挙げられる。
上記電磁波架橋は、公知の方法で行うことができ、特に制限されることはない。電磁波架橋に使用する電磁波は、紫外線、可視光線、α線、β線、γ線、陽子線、重イオン線、又は中性子線等の電離放射線を使用することができる。シートの劣化の観点から、紫外線が好ましい。前記電磁波架橋は、電磁波開始剤の存在下で電磁波を照射することにより、第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋することが好ましい。例えば、電磁波架橋は、電磁波開始剤(例えば、紫外線開始剤)、及び電磁波架橋剤(例えば、紫外線架橋剤)、並びに必要に応じて配合される電磁波吸収材(例えば、紫外線吸収剤)を用いて行うことが好ましい。前記電磁波架橋剤としては、ベンゾフェノン類、メラミン化合物等の紫外線架橋剤が挙げられる。前記電磁波開始剤としては、ベンゾイン系光開始剤等が挙げられる。当該電磁波吸収剤としては、トリアジン系紫外線吸収剤(TINUVINシリーズ)、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤(HALS)等が挙げられる。
上記紫外線の光源は、照射する波長(例えば、200〜450nmの範囲)を考慮して適宜設定することができ、特に制限されることはない。例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、紫外線レーザー光源等の光源を挙げることができる。また、紫外線を照射する際に、必要に応じて波長フィルタを用いて、特定の波長の光を照射してもよい。
上記熱架橋は、公知の方法で行うことができ、特に制限されることはない。前記熱架橋は、熱架橋剤の存在下で熱処理を行うことにより、第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋することが好ましい。当該熱架橋剤としては、ヒドロパーオキシド類等の有機過酸化物、オキシム系化合物、トリアリルシアヌレート又はトリアリルイソシアヌレート等のアゾ系化合物が挙げられる。
また、本明細書において、上述した、化学架橋剤、架橋助剤、活性化剤、触媒、電磁波開始剤、電磁波架橋剤、電磁波吸収剤及び熱架橋剤は、架橋用添加剤と以下総称する。
本発明の製造方法において選択架橋工程を施すタイミングは、シート形成工程の開始、すなわちシート形成工程の開始直後からコンポジットプリプレグ取得工程又は積層体取得工程の完了までの間であれば特に制限されることはない。本明細書における「シート形成工程の開始から選択架橋工程を施す」とは、第1樹脂及び第2樹脂(例えば、第1樹脂と第2樹脂とを混合した樹脂組成物等)をシート化するシート形成工程において、第2樹脂を含む長尺状の島相が形成された直後から当該島相中の第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋することをいい、本発明の各工程と同時並行して選択架橋工程を行っても、又は各工程後に選択架橋工程を行ってもよい。また、「コンポジットプリプレグ取得工程又は積層体取得工程の完了までの間に架橋工程を施す」とは、文字通り、コンポジットプリプレグ取得工程又は積層体取得工程が完全に完了するまで、第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋することをいう。したがって、コンポジットプリプレグ取得工程の際に、架橋工程を施す形態(例えば、シート及び強化繊維の成形と、第2樹脂の選択架橋工程とを併せておこなう場合)、及びシート及び強化繊維の成形を複数回行う形態(例えば、プリプレグコンポジットを複数積層する場合)は、いずれも該当する。熱などの外部刺激をシートに対して与える前に、当該シート中の島相を形成する第2樹脂を架橋することで、長尺状の島相の形状が最終製品までより維持されやすくなる。
選択架橋工程は、前記シート形成工程中、前記コンポジットプリプレグ取得工程中、又は前記シート形成工程と前記コンポジットプリプレグ取得工程との間に施されることが好ましい。
シート及び強化繊維を成形する前、すなわちシートに対して熱などの外部刺激を与える前に、島相を形成する第2樹脂を架橋することにより、長尺状の島相の形状がより維持されやすくなる。また、選択架橋工程が上記いずれかの工程中に施されると、製造効率が向上する。各工程における選択架橋工程の形態は、工程毎に説明する。
本発明に係る製造方法において、前記第1樹脂の融点より高い温度から前記第1樹脂の分解温度未満の温度域における、第1樹脂の粘度に対する第2樹脂の粘度の比は、0.1〜5であることが好ましく、0.5〜4であることがより好ましい。前記第1樹脂の融点より高い温度から前記第1樹脂の分解温度未満の温度域で第1樹脂の粘度に対する第2樹脂の粘度の比率が、0.1以上であると、第2樹脂により形成される長尺状の島相の形状が変化しにくい、又は変化しないため、長尺状の島相の形状がより維持されやすくなる。また、当該粘度の比が5以下であると海島構造を含むシートをより形成しやすくなる。
本発明に係る製造方法において、第1樹脂の融点より高い温度から第1樹脂の分解温度未満の温度域で、前記選択架橋工程後の第1樹脂の粘度に対する前記選択架橋工程後の第2樹脂の粘度の最大比率が、2〜15であることが好ましく、5〜13であることがより好ましい。
粘度を示す関数は、温度だけでなく樹脂の種類により異なるため、選択架橋工程後の第1樹脂の粘度を示す温度関数は、選択架橋工程後の第2樹脂の粘度を示す温度関数とは異なる。そのため、第1樹脂の融点より高い温度から第1樹脂の分解温度未満の温度域において、選択架橋工程後の第1樹脂の粘度に対する選択架橋工程後の第2樹脂の粘度の比率が最も高い値(上記最大比率)を示す温度(T)が存在する。それゆえ、本発明のシート形成工程からコンポジットプリプレグ取得工程又は積層体取得工程のいずれかを、前記温度(T)以外の温度で行うより、前記温度(T)で行った方が、選択架橋工程後の第2樹脂の粘度比が高いため、長尺状の島相の形状がより変化しにくいと考えられる。そこで、この考えを基に検討したところ、第1樹脂の融点より高い温度から第1樹脂の分解温度未満の温度域で、選択架橋工程後の第1樹脂の粘度に対する選択架橋工程後の第2樹脂の粘度の最大比率が、2〜15を示す条件で強化繊維複合樹脂を製造すると、長尺状の島相の形状がより変化しにくい、又は変化しないという知見が確認された。以上のことから、長尺状の島相の形状が変化しにくい、又は変化しない条件を重視する場合、上記最大比率を、2〜15の範囲にすることが好ましい。
本発明における選択架橋工程後の第1樹脂の粘度に対する選択架橋工程後の第2樹脂の粘度の最大比率の算出方法は、第1樹脂と第2樹脂を別途それぞれ所定の選択架橋工程条件で選択架橋工程を行った後、キャピログラフで溶融粘度を測定し、両者の値を除する方法である。
本発明に係る製造方法において、選択架橋工程後の前記第1樹脂のゲル分率は、70以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましい。選択架橋工程後の第1樹脂のゲル分率が、50以下であると、選択架橋工程後の前記第1樹脂の流動性が損なわれないため、高い含浸性が維持されることで、より優れた剛性を示す強化繊維複合材料を製造できる。
また、ゲル分率の測定は、ISO 10147:1994に記載の溶剤抽出によるゲル含量の測定によりポリエチレン (PE−X) 管及び継手の架橋度を推定する方法を援用して測定した。具体的には、実施例に示す方法で行った。
本発明の選択架橋工程における架橋は、例えばパルスNMR等を用いることにより、第2樹脂の架橋の有無、第2樹脂の架橋度を測定することができる。
<シート形成工程>
本発明に係る製造方法は、第1樹脂及び第2樹脂を含む原料からシートを形成する、シート形成工程を備える。本シート形成工程は、第1樹脂を含む海相と、第2樹脂を含む長尺状の島相と、を備えた海島構造を有するシートを作製する工程である。第2樹脂が長尺状の島相を形成することにより、島相の長軸方向に対して異方性が付与されるため、特定の方向(例えば島相の長軸方向)に剛性を示すシートを作製することができる。
「原料」
本発明に係る製造方法において、強化繊維、第1樹脂及び第2樹脂以外の成分(以下、任意の添加成分と称する)を使用する場合、シート形成工程において、前記任意の添加成分を原料として準備してもよい。すなわち、原料は、相溶化剤、第3樹脂、架橋用添加剤、有機溶媒、重合開始剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、光安定剤、結晶核剤・離型剤、滑剤、酸化防止剤、難燃剤、耐光剤及び耐候剤からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含んでもよく、相溶化剤及び第3樹脂からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含むことがより好ましい。前記任意の添加成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(強化繊維)
本発明の製造方法に使用される強化繊維は、特に制限されることは無く、公知のFRPに用いられる繊維を用いることができる。上記強化繊維は、本発明おける強化繊維複合樹脂に剛性を付与する働きを有する。強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維、有機繊維などが挙げられる。これらは中空であってもよい。また、強化繊維をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤などで予備処理したものであってもよい。強化繊維は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、平織クロス、綾織クロス、朱子織クロスなどの織物(クロス)とされる強化繊維を使用してもよい。
本発明の製造方法に使用する強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維及び有機繊維からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、ガラス繊維及び/又は炭素繊維であることがより好ましく、炭素繊維であることがさらに好ましい。これにより、軽量ながら高い剛性が得られる。
本発明における強化繊維は、連続繊維及び/又は不連続繊維を含む。ここで、本明細書において、連続繊維とは、長さが5cm以上の繊維を指し、単繊維だけでなくシート状に縫合された繊維も含むものとする。また、本明細書において、不連続繊維とは、連続繊維以外の強化繊維を指す。
本発明に係る強化繊維複合樹脂の製造方法に使用する強化繊維は、連続繊維及び0.05cm以上の長繊維からなる群から選択されることが好ましく、連続繊維がより好ましい。また、当該強化繊維の繊維長は、1cm以上であることがより好ましい。本発明における強化繊維は、耐衝撃強度の観点では、連続繊維であることが最も好ましい。但し、強化繊維の長さが短いほど、耐衝撃強度の向上効果は小さくなるが、その一方でより幅広い成形法に対応できるようになるというメリットがある。
また、本発明の製造方法において、長さが0.05cm以上5cm未満の強化繊維については、スタンピング成形法等により、半球形体やリブ等の立体的な形状を作製する際に好適に用いられる。また、長さが0.05cm未満の強化繊維については、特に射出成形による成形の際に好適に用いられる。
本発明の強化繊維において、単繊維の平均直径は、例えば、0.1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは、5〜10μm、さらに好ましくは6〜8μmである。
強化繊維が不連続繊維を含む場合は、強化繊維複合樹脂の総体積に対する、強化繊維の体積の割合(Volume of fiber、以下、「Vf」と称することがある)が、例えば、10%以上である。Vfは、強化繊維複合樹脂の剛性を高める観点から、30%以上であることが好ましく、70%以下であることが好ましい。
強化繊維が連続繊維を含む場合は、Vfが、30%以上であることが好ましく、強化繊維複合樹脂の剛性を高める観点から、30%以上であることがより好ましく、70%以下であることが好ましい。
本発明において、Vfは、以下の方法により求めることができる。まず、測定対象の強化繊維複合樹脂(面積S、厚みt)を準備する。次に、準備した強化繊維複合樹脂を、必要に応じて金属製メッシュで挟み、強化繊維以外の成分であるマトリックス樹脂を焼失させるか、あるいは、当該マトリックス樹脂を溶媒に浸漬して溶解させて除去し、その残渣(強化繊維)を得る。次いで、得られた残渣(強化繊維)の重量Wを測定する。そして、強化繊維の密度ρを用い、下記式により、強化繊維複合樹脂の総体積に対する強化繊維の体積の割合Vf(%)を算出することができる。
Vf(%)={(W/ρ)/(S×t)}×100
強化繊維複合樹脂における強化繊維の配置は特に限定されず、任意の配置(UD、クロス、疑似等方など)とすることができ、任意に選択することができる。
(第1樹脂)
本発明の製造方法に使用される第1樹脂は、特に制限されることは無いが、海島構造を形成するために、後述の第2樹脂と互いに非相溶であることが好ましい。前記第1樹脂は、主に本発明における強化繊維複合樹脂を構成するマトリックス樹脂の海相としての働きを有する。当該マトリックス樹脂は、第1樹脂及び第2樹脂の少なくとも2種の樹脂を含み、かつ互いに非相溶の2相以上の相から構成されることが好ましい。また、本発明に係る製造方法において使用される第1樹脂は、熱可塑性樹脂が好ましい。第1樹脂が熱可塑性樹脂であると、強化繊維複合樹脂をより容易に製造できる。
本明細書における「互いに非相溶の2相」は、海島構造、すなわち、比較的連続的に見える一方の相(海相)の中に、不連続的に他方の相(島相)が混在している構造でもよいし、共連続構造、すなわち、比較的連続的に見える一方の相と、比較的連続的に見える他方の相とが混在している構造でもよい。
本発明の製造方法に使用される第1樹脂は、後述の第2樹脂よりも、引張弾性率が高い。そのため、第2樹脂より大きい引張弾性率を示す第1樹脂が、海相に多く含有されているため、優れた剛性を示す強化繊維複合樹脂を製造できる。
以下の式(1):
(25℃における第1樹脂の引張弾性率)/(25℃における第2樹脂の引張弾性率)
で表わされる第1樹脂と第2樹脂との引張弾性率の比率は、選択されるそれぞれ材料によって変わってくるが、好ましくは1〜1000、より好ましくは2〜500、さらに好ましくは4〜100があると、所望の効果を得やすくなる。また、引張弾性率の測定は、JIS K 7161に準拠して25℃において行う。
前記第1樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリアセタール、ポリスルホン、四フッ化ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリチオエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリウレタン、ゴム質重合体、ポリアルキレンオキサイドなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。第1樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリアミドとしては、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリペンタメチレンセバカミド(ナイロン510)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルア
ミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6I/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/5T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)などが挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが挙げられる。
ポリフェニレンオキシドとしては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンオキシド)などが挙げられる。また、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノール)との共重合体などの共重合体も用いることができる。
ポリプロピレンとしては、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体などが挙げられる。
第1樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、ポリアミドの市販品としては、宇部興産社のポリアミド6 UBE ナイロン(登録商標)グレード1013B、1022Bなどが挙げられる。また、例えば、ポリプロピレンの市販品としては、プライムポリマー社のプロピレン単独重合体であるプライムポリプロ(登録商標)J−700GPなどが挙げられる。
(第2樹脂)
本発明の製造方法に使用される第2樹脂は、特に制限されることは無いが、海島構造を形成するために、先述の第1樹脂と互いに非相溶であることが好ましい。第2樹脂は、主に本発明における強化繊維複合樹脂を構成するマトリックス樹脂の島相としての働きを有する。また、第2樹脂は、主に本発明に係る強化繊維複合樹脂にエネルギー吸収性を付与する働きを有する。
本発明に係る製造方法において使用される第2樹脂は、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性樹脂が好ましい。第2樹脂が熱可塑性樹脂であると、剛性を示す強化繊維複合樹脂をより容易に製造できる。
当該第2樹脂としては、例えばオレフィン系(TPO);アミド系(TPA);エステル系(TPC);スチレン系(TPS);ウレタン系(TPU);熱可塑性ゴム架橋体(TPV)などの熱可塑性エラストマーが挙げられる。
オレフィン系(TPO)熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体とポリプロピレンとのブレンド(TPO−(EPDM+PP))、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体とポリエチレンとのブレンド(TPO−(EPDM+PE))などが挙げられる。
アミド系(TPA)熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントがナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などであり、ソフトセグメントがポリエーテルおよび/またはポリエステルである熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
エステル系(TPC)熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントがポリブチレンテレフタレートなどであり、ソフトセグメントがポリエーテルおよび/またはポリエステルである熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
スチレン系(TPS)熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリスチレン−ポリブタジエン−スチレン(SBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン(SEPS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)−ポリスチレン(SEEPS)、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン(SIS)などが挙げられる。
ウレタン系(TPU)熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントが芳香族または脂肪族などであり、ソフトセグメントがポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルおよびポリエステル、ポリカーボネート、ポリカプロラクトンなどである熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
熱可塑性ゴム架橋体(TPV)としては、例えば、相を高度に架橋してポリプロピレン(PP)の連続相に細かく分散した、エチレン−プロピレン−ジエン重合体(EPDM)とポリプロピレン(PP)との複合体;アクリロニトリル−ブタジエンゴム相を高度に架橋してPPの連続相に細かく分散した、アクリロニトリルと1,3−ブタジエンとの共重合体(NBR)とポリプロピレン(PP)との複合体などが挙げられる。
前記第2樹脂は、スチレン系熱可塑性エラストマーであることが好ましい。これにより、振動吸収性が高まる。
第2樹脂としては、市販品を用いてもよく、このような市販品としては、例えば、三井化学社のエチレン系共重合体であるタフマー(登録商標)DF640、DF610、DF605などのDFシリーズ、タフマー(登録商標)XM7070、XM7080、XM7090などのXMシリーズ;住友化学社の特殊プロピレン系エラストマーであるタフセレン(登録商標)T1712、H3002などのタフセレン(登録商標)シリーズ;プライムポリマー社のプロピレンホモポリマーであるプライムポリプロ(登録商標)J−700GP;クラレ社のポリスチレンのハードセグメントと、ビニル−ポリジエンのソフトセグメントからなる共重合体であるハイブラー(登録商標)5125、5127などの未水添グレード5000シリーズ、ハイブラー(登録商標)7125、7311などの水添グレード7000シリーズ、ポリスチレンのハードセグメントと、ポリオレフィン構造のソフトセグメントからなる共重合体であるセプトン(登録商標)4033などの4000シリーズなどが挙げられる。
(第3樹脂)
本発明の製造方法で第3樹脂を使用する場合、原料として、第3樹脂をさらに含有することが好ましい。当該第3樹脂としては、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を用いることができる。第3樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明の製造方法で得られる強化繊維複合樹脂に、第3樹脂を含む場合、マトリックス樹脂は、互いに非相溶の2相以上(例えば、3相)の相からなることが好ましい。
第3樹脂の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリアセタール、ポリスルホン、四フッ化ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリチオエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンやABSなどのスチレン系樹脂、ゴム質重合体、ポリアルキレンオキサイド樹脂などが挙げられる。
第3樹脂の熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などが挙げられる。
本発明に係る製造方法で得られる強化繊維複合樹脂は、さらに、第3樹脂を含むことが好ましい。これにより加工性又は振動吸収性が高まる。
(相溶化剤)
本発明の製造方法で相溶化剤を使用する場合、原料として、相溶化剤をさらに含有することが好ましい。当該相溶化剤は、マトリックス樹脂と強化繊維との親和性を高める働きを有する。相溶化剤としては、例えば、第2樹脂を酸変性、エポキシ変性またはウレタン変性した樹脂などが挙げられる。相溶化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る製造方法で得られる強化繊維複合樹脂は、さらに、相溶化剤を含むことが好ましい。これにより、振動吸収性が高まる。
変性に用いる酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、ソルビン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸などの不飽和カルボン酸が挙げられる。また、これら不飽和カルボン酸の誘導体も使用できる。その誘導体としては、例えば、酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩などが挙げられ、具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、マレイン酸エチル、アクリルアミド、マレイン酸アミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。一実施形態では、変性に用いる酸は、マレイン酸および無水マレイン酸からなる群より選択される1種以上である。
酸変性した第2樹脂としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBS)、無水マレイン酸変性ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(SEBS)、無水マレイン酸変性ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン(SEPS)、無水マレイン酸変性ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン(SIS)などの無水マレイン酸変性熱可塑性エラストマーが挙げられる。
エポキシ変性した第2樹脂としては、例えば、エポキシ変性ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBS)、エポキシ変性ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(SEBS)、エポキシ変性ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン(SEPS)、エポキシ変性ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン(SIS)などのエポキシ変性熱可塑性エラストマーが挙げられる。
相溶化剤が変性されている樹脂の場合の変性量としては、例えば、第2樹脂に対する変性剤の量が0.01〜8質量%であることが好ましく、より好ましくは、0.02〜5質量%である。
相溶化剤としては、市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、旭化成社のスチレン系熱可塑性エラストマーを無水マレイン酸変性水添したポリマーであるタフテック(登録商標)M1913、三井化学社のオレフィンエラストマーを酸変性したポリマーであるタフマー(登録商標)MH7010などのMシリーズなどが挙げられる。
本発明の製造方法の一実施形態で得られる強化繊維複合樹脂を構成するマトリックス樹脂は、第1樹脂と第2樹脂の2種の樹脂のみからなる。別の実施形態では、前記マトリックス樹脂は、第1樹脂と第2樹脂と第3樹脂の3種の樹脂からなる。さらに別の実施形態では、前記マトリックス樹脂は、第1樹脂と第2樹脂の2種の樹脂及び相溶化剤のみからなる。またさらに別の実施形態では、前記マトリックス樹脂は、第1樹脂と第2樹脂と第3樹脂の3種の樹脂及び相溶化剤のみからなる。また、本発明に係る製造方法において使用する原料等によって、海相及び島相のそれぞれに含まれる原料が異なるが、海相は、第1樹脂を含み、第1樹脂から形成されることが好ましい。また、島相は、第2樹脂を含み、第2樹脂から形成されることが好ましい。
本発明のシート形成工程において使用する原料として、熱硬化性樹脂、エポキシ基を有する樹脂及び/又はエポキシ樹脂は、他の樹脂との相溶性の関係又は海島構造のシートを形成し難い観点から、実質的に含まないことが好ましい。
本発明のシート形成工程において、第1樹脂及び第2樹脂を含む原料は、当該原料の成分である第1樹脂若しくは第2樹脂をそのまま原料として使用しても、又は原料の成分に対して、予め前処理を施した後、当該前処理した物を原料として使用してもよい。海島構造の形成を促進する観点から、本発明のシート形成工程において、第1樹脂と第2樹脂とを混合した原料を使用することが好ましい。
第1樹脂及び第2樹脂を含む原料を前処理する態様としては、第1樹脂と第2樹脂とが混合(混練を含む)されていれば特に制限されることはなく、例えば、以下の(a)〜(f)が挙げられる。
(a)第1樹脂と第2樹脂とを混合(混練を含む)して樹脂組成物を調製する工程
(b)第1樹脂、第2樹脂及び相溶化剤を混合(混練を含む)して樹脂組成物を調製する工程
(c)第1樹脂、第2樹脂、第3樹脂及び相溶化剤を混合(混練を含む)して樹脂組成物を調製する工程
(d)第1樹脂、第2樹脂及び前記任意の添加成分を混合(混練を含む)して樹脂組成物を調製する工程
(e)第2樹脂と前記任意の添加成分とを混合(混練を含む)した後、前記任意の添加成分を含有した第2樹脂と第1樹脂とを混合(混練を含む)して樹脂混合物を調製する工程
(f)第1樹脂及び/若しくは第2樹脂を成形した後、前記第1樹脂と、前記第2樹脂と、必要に応じて配合される前記任意の添加成分と、を接触(例えば、混合(混練を含む))させて樹脂組成物を調製する工程
上記第1樹脂及び第2樹脂を含む樹脂組成物又は第1樹脂及び第2樹脂を含む原料は、押出機で溶融・混練・分散させた後に、適宜ペレット化したものを用いてもよい。押出機は単軸押出機、2軸押出機等が挙げられる。
本発明に係る製造方法において、第1樹脂の仕込み量は、適宜調節すればよいが、例えば、第2樹脂の仕込み量に対して、60〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましく、40〜70質量%であることがさらに好ましい。これにより、振動吸収性がさらに高まる。
本発明に係る製造方法において相溶化剤を使用する場合、当該相溶化剤の仕込み量は、適宜調節すればよいが、例えば、第2樹脂の仕込み量と相溶化剤の総質量に対して、1〜90質量%であることが好ましく、5〜70質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましい。これにより、振動吸収性がさらに高まる。
また、本発明の製造方法において第3樹脂を使用する場合において、第3樹脂の仕込み量は、適宜調節すればよいが、例えば、第2樹脂の仕込み量と第3樹脂の仕込み量の総質量に対して、1〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。これにより、振動吸収性がさらに高まる。
本発明の製造方法において任意の添加成分を使用する場合、前記任意の添加成分の仕込み量は、本発明の効果を損ねない範囲内で適宜調節される。
シート形成工程後かつ架橋工程前において、シートを構成する島相のアスペクト比は、1.3以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、5以上20以下であることがさらに好ましい。島相のアスペクト比が1.3以上であると、島相の長軸方向に有意に剛性を示す
上記アスペクト比は、島相の最も長い長軸の長さをa、島相の最も短い短軸の長さをbとしたとき、a/bで定義される比である。本発明では、シートをミクロトームにより超薄切片として、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察し、画像処理ソフト等により、30個の島相のアスペクトの平均値をアスペクト比として算出する。
所望の方向に対して、所定の圧力下で前記第1樹脂及び第2樹脂を含む原料を展開することにより、長尺状の島相を形成することができる。このような海相及び長尺状の島相を含む海島構造を備えたシートを形成する方法としては、Tダイ押出法、Tダイ押出同時ラミネーション法、Tダイ押出タンデムラミネーション法、円形ダイ押出法、若しくは円形ダイインフレーション押出法等の押出成形、射出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形、ラミネート加工成形等の公知の成形方法を使用できる。
シートを形成する方法は、第2樹脂を含む長尺状の島相と、第1樹脂を含む海相とを備えた海島構造を形成できれば、上記いずれの成形方法を用いてもよく、圧力をかけて第1樹脂及び第2樹脂を含む組成物を展開する圧延が好ましい。また、必要により、島相のアスペクト比が、1.3以上の範囲になるまで圧延又は成形を施してもよい。
例えば、押出成形によりシートを作成する場合、当該押出成形の条件としては、長尺状の島相を均一に形成する観点から、押出温度は、120〜400℃の範囲が好ましく、200〜300℃の範囲がより好ましい。
シートの厚みは、用途に応じて適宜設定することができるが、例えば、適切な厚み及びVfを得るためには、20〜500μmとすることができる。
選択架橋工程をシート形成工程中に行う場合、シート化されることにより形成される、長尺状の島相中の第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋する選択架橋工程を施すことが好ましい。換言すると、長尺状の島相が形成された直後から次工程に至るまで、長尺状の島相の第2樹脂に対して選択架橋工程を行うことが好ましい。また、シート形成工程と同時進行的に選択架橋工程を行ってもよい。このように、シート形成工程において、長尺状の島相(島相中の第2樹脂)に対して選択架橋工程を行うことにより、島相の長尺状の形状がより早期に固定化されるため、シート形成工程以後の工程における熱履歴によって長尺状の島相の形状変化が起きない又は起きにくくなる。そのため、島相の長軸方向に対して有意に剛性を示した状態で強化繊維複合樹脂を製造できる。
上記シート形成工程の後、後述のコンポジットプリプレグ取得工程の前に上述したシートに含まれる第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋する選択架橋工程を施してもよい。シート形成工程のシート化を完了してから後述のコンポジットプリプレグ取得工程の前に長尺状の島相(第2樹脂)に対して選択架橋工程を行うと、島相の長尺状の形状が固定化されるため、後工程の熱履歴により島相の形状変化がより起きない又はより起きにくくなる。
<コンポジットプリプレグ取得工程>
本発明に係る製造方法は、前記シートと前記強化繊維とを接触させて、前記シート及び前記強化繊維を成形することにより、第1樹脂、第2樹脂からなる樹脂の層及び強化繊維の層を含む強化繊維複合樹脂を得る、コンポジットプリプレグ取得工程を備える。
本コンポジットプリプレグ取得工程は、シートと強化繊維とを接触させて、製品である強化繊維複合樹脂を製造する工程である。上記シートと強化繊維とを接触させる形態は、シートと強化繊維とが直接接触さえすればよく、特に制限されることはないが、例えば、以下の(j)〜(n)が挙げられる。
(j)シートと強化繊維とを直接又は間接的に貼り合わせる形態
(k)一対のシートで強化繊維を直接若しくは間接的に挟む方法、又は一対の強化繊維でシートを直接若しくは間接的に挟む形態
(l)シートと強化繊維とを(交互に)複数積層する形態
(m)シートに含まれる第1樹脂の融点以上の温度で前記シートを加熱した後、溶融したシートに強化繊維を含浸させる形態
(n)シートと強化繊維とを貼り合わせた(若しくは接触して配置した)後に、第1樹脂の融点以上に加熱して、強化繊維を含浸させる形態
上記コンポジットプリプレグ取得工程において、必要により、オス型・メス型等の金属製等の型を使用してもよく、上記シートと強化繊維とは、型内で接触させてもよい。そのため、上記(j)〜(n)はいずれも型内で行ってもよい。また、上記(j)〜(n)において、シートと強化繊維との、貼り合わせ、挟持、又は積層する場合、必要により公知のバインダーや第1樹脂、第2樹脂及び第3樹脂を後述の有機溶媒に溶解した溶液をバインダーとして使用してもよい。
シートに対する強化繊維の配向方向は、特に限定されず、島相の長軸方向に沿って強化繊維の長手方向を配置する等、強化繊維の長手方向が島相の長軸方向に対して所望の角度になるよう任意に選択することができる。すなわち、強化繊維の長手方向が一定の方向に沿うよう配列された、強化繊維の集合体と、シートとは、当該強化繊維の長手方向に対して長尺状の島相の長軸方向が所望の角度になるよう配置できる。また、シートと強化繊維とを接触させる際のシート数及び強化繊維の数は、適宜選択することができる。
上記シートと強化繊維とを接触させる際の雰囲気及び接触条件は、特に制限されることはなく、上記接触させる態様に併せて、シート温度、接触圧力などの条件を適宜設定できる。
例えば、シートと強化繊維とを接触させる際のシートの温度条件は、シートと強化繊維とを接触させる態様に応じて適宜設定するものであり、第1樹脂の分解温度又は第2樹脂の分解温度うち低い温度未満であればよいが、強化繊維に対する第1樹脂の被覆性の観点から、第1樹脂の融点以上であることが好ましい。第1樹脂の融点以上であると、比較的容易に第1樹脂が強化繊維に含浸し易いからである。また、シートと強化繊維とを接触させた後に、第1樹脂の分解温度又は第2樹脂の分解温度うち低い温度未満の条件で、シートを加熱させてもよい。
例えば、シートと強化繊維とを接触させる際の雰囲気は、シートと強化繊維とを接触させる態様に応じて適宜設定するものであり、常圧、加圧、又は減圧(真空を含む)のいずれの条件であってもよい。例えば、気泡を抑制する観点を重視する場合は、減圧下でシートと強化繊維とを接触させることが好ましい。特に、溶融させたシートに対して強化繊維を含浸させる場合、減圧下で行うと溶融したシートが強化繊維内に浸透しやすくなる。当該減圧度としては、−10kPa以下であれば上記効果を奏する。
例えば、シートと強化繊維とを接触させる際の接触圧力は、シートと強化繊維とを接触させる方法に応じて適宜設定するものであり、特に制限されることは無い。
シートと強化繊維との接触時間(又は含浸時間)は、成形性及び生産性の観点から、5〜60分であることが好ましく、10〜40分であることがより好ましい。
本発明に係る製造方法において、強化繊維の仕込み量は、適宜調整すればよいが、Vfが、30%以上であることが好ましく、強化繊維複合樹脂の剛性を高める観点から、30%以上であることがより好ましく、70%以下であることが好ましい。そのため、強化繊維の量が上記範囲になるように強化繊維複合樹脂を形成することが好ましい。
選択架橋工程をコンポジットプリプレグ取得工程中に行う場合、当該コンポジットプリプレグ取得工程を完了する前であれば、原則としていつでも選択架橋工程を行うことができる。コンポジットプリプレグ取得工程中に選択架橋工程を行う好ましい形態は、シートを加熱する前に選択架橋工程を施すことが好ましい。上記(m)のように、加熱したシートと強化繊維とを接触させる場合、第1樹脂の融点以上の温度で前記シートを加熱する前に選択架橋を行うことで、長尺状の島相の形状がより変化しにくくなる。
また、コンポジットプリプレグ取得工程中に選択架橋工程を行う他の好ましい形態は、シート及び強化繊維の成形前に選択架橋工程を行うことが好ましい。例えば、上記(j)〜(l)及び(n)のように、シートと強化繊維とが接触した後、シートを成形する際に外部刺激(例えば、光、熱、電圧、又は圧力等)がシートに付与されるためである。
シート及び強化繊維を成形する方法は、特に制限されることは無く、公知の方法を採用することができ、例えば、熱によりシート及び強化繊維を成形する方法、重合によりシート及び強化繊維を成形する方法、又は活性エネルギー線によりシート及び強化繊維を成形する方法が挙げられる。製造効率の観点から、シート及び強化繊維を成形する方法は、熱により成形する方法が好ましい。
熱によりシート及び強化繊維を成形する方法としては、例えば、50〜200℃の温度範囲で、必要により、所定の雰囲気(例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下)又は所定の加圧力(0.1〜10MPa)の条件下で、シート及び強化繊維を成形することが好ましい。具体的には、注入成形法、プレス成形法、又はこれらを組み合わせた成形法が挙げられる。また、シートの成形時間としては、使用する第1樹脂の種類に応じて適宜設定されるが、成形性及び生産性の観点から、5〜60分が好ましい。
注入成形法としては、RTM法、真空RTM法などが挙げられる。注入成形法(RTM法、真空RTM法)による強化繊維複合樹脂を得る工程としては、具体的には、例えば、金型などの型内に、シートと強化繊維とが接触するように配置した後、必要により前記型を密閉して当該型内を減圧にした後、次いで、第1樹脂、第3樹脂及び相溶化剤からなる群から選択される少なくとも1種の成形用樹脂を、前記型内に注入して、前記成形用樹脂を加熱固化させて、強化繊維複合樹脂を得る方法が挙げられる。
上記注入成形法の変形例としては、必要により密閉し、かつ減圧にした金型などの型内に、第1樹脂、第3樹脂及び相溶化剤からなる群から選択される少なくとも1種の成形用樹脂を注入しながら、又は注入した後、当該型内にシートと強化繊維とが接触するように配置した後、前記成形用樹脂を加熱固化させて、強化繊維複合樹脂を得る方法が挙げられる。
上記注入成形法により、前記強化繊維及び前記シートを成形する場合、成形用樹脂を加熱する加熱温度は、使用する成形用樹脂によって適宜設定されるものであるが、好ましくは50〜250℃、より好ましくは80〜200℃である。加熱温度が80℃以上であれば、の成形用樹脂等の固化が十分に進み、得られる強化繊維複合樹脂の機械的特性が優れたものとなる。また、200℃以下であれば、型の温度調整にかかるコストが低く済む。また、上記注入成形法(変形例を含む)の場合、選択架橋工程は、シートを加熱する前に施されることが好ましい
注入成形における加圧力は、成形性及び生産性の観点から、0.05〜20MPaであることが好ましく、0.1〜10MPaであることがより好ましい。
注入成形における成形用樹脂の加熱固化時間は、使用する成形用樹脂の種類に応じて適宜設定されるが、成形性及び生産性の観点から、1〜60分が好ましく、5〜40分がより好ましい。
また、上記注入成形法において、第1樹脂、第3樹脂、又は相溶化剤等を注入する際、必要により、ケトン系、酢酸エステル系、カルビトール系、芳香族炭化水素系、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、又はN−メチルピロリドン等の有機溶媒を用いてもよい。
プレス成形法としては、スタンピング法、加熱冷却プレス法が挙げられる。プレス成形法(スタンピング法)による強化繊維複合樹脂を製造する方法としては、具体的には、金型などの型内に、強化繊維とシートとが接触するように配置した後、当該配置した強化繊維及びシートをプレス加工することにより前記強化繊維及び前記シートを成形して、強化繊維複合樹脂を得る方法が挙げられる。
プレス成形法(スタンピング法)により、強化繊維及びシートを成形する場合、前記シートの加熱温度は、使用する第1樹脂又は第2樹脂によって適宜設定されるものであるが、好ましくは50〜250℃、より好ましくは80〜200℃である。加熱温度が80℃以上であれば、第1樹脂の溶融が十分に進み、得られる強化繊維複合樹脂の機械的特性が優れたものとなる。また、200℃以下であれば、型の温度調整にかかるコストが低く済む。また、プレス成形(スタンピング法)におけるプレス圧力は、成形性及び生産性の観点から、0.1〜10MPaであることが好ましく、1〜5MPaであることがより好ましい。また、上記プレス成形法(スタンピング法)の場合、選択架橋工程は、シートを加熱する前に施されることが好ましい
上記プレス成形法(スタンピング法)におけるシートの成形時間は、使用する第1樹脂又は第2樹脂の種類に応じて適宜設定されるが、成形性及び生産性の観点から、1〜60分が好ましく、5〜40分がより好ましい。
プレス成型法(加熱冷却プレス法)による強化繊維複合樹脂を製造する方法は、具体的には、金型などの型内に、強化繊維とシートとが接触するように配置した後、当該配置した強化繊維及びシートを熱プレス加工した後、さらに第1樹脂の結晶化温度又は融点以下の温度でプレス加工することにより前記強化繊維及び前記シートを成形して、強化繊維複合樹脂を得る方法が挙げられる。
上記プレス成形法(加熱冷却プレス法)により、強化繊維及びシートを成形する場合、前記シートの熱プレス温度は、使用する第1樹脂又は第2樹脂によって適宜設定されるものであるが、好ましくは50〜250℃、より好ましくは80〜200℃である。熱プレス温度が80℃以上であれば、第1樹脂の溶融が十分に進み、得られる強化繊維複合樹脂の機械的特性が優れたものとなる。また、200℃以下であれば、型の温度調整にかかるコストが低く済む。また、プレス成形(加熱冷却プレス)における熱プレス圧力は、成形性及び生産性の観点から、0.1〜10MPaであることが好ましく、1〜5MPaであることがより好ましい。また、上記プレス成形法(加熱冷却法)の場合、選択架橋工程は、シートを熱プレス加工する前に施されることが好ましい
上記プレス成形法(加熱冷却プレス)における第1樹脂の熱プレス時間は、使用する第1樹脂の種類に応じて適宜設定されるが、成形性及び生産性の観点から、1〜60分が好ましく、5〜40分がより好ましい。
コンポジットプリプレグ取得工程が、上記注入成形法及び上記プレス成型法などの、熱により強化繊維及びシートを成形して強化繊維複合樹脂を得る場合、シートと強化繊維とを接触して配置する前に、第1樹脂の融点以上にシートを加熱してもよい。すなわち、第1樹脂の融点以上にシートを加熱した後、溶融したシートに強化繊維を接触(又は含浸)して、必要により上記の圧力範囲又は上記の温度範囲の少なくともいずれかの条件下において、強化繊維及びシートを成形して強化繊維複合樹脂を得てもよい。
この場合における選択架橋工程は、第1樹脂の融点以上にシートを加熱する前に施すことが好ましい。シートを加熱する前に、当該シート中の島相を形成する第2樹脂を架橋することで、長尺状の島相の形状がより維持されやすくなる。
コンポジットプリプレグ取得工程において、熱により成形する方法に使用する装置は、特に限定されるものではないが、例えば、オーブン、乾燥機、真空乾燥機、ブロック型加熱装置、ホットプレート、オートクレーブ、熱プレス装置、真空熱プレス装置、インライン型加熱装置、多段式加熱装置、誘電加熱装置、リフロー加熱装置、乾燥加熱装置等が挙げられる。
重合によってシート及び強化繊維を成形する方法としては、予めシート内に含有させた公知の架橋剤及び開始剤に対して、加熱又は光照射を行うことにより、重合反応で第1樹脂を硬化することにより成形する方法、又は金型などの型内に、シートと強化繊維とが接触するように配置した後、上記任意の添加成分を添加して当該任意の添加成分を固化して成形する方法が挙げられる。また、予めシート内に前記架橋剤を含有させる場合、上記シート形成工程において、第1樹脂及び第2樹脂に対して前記架橋剤及び開始剤を配合することで、シート内に架橋剤などを含有させることができる。また、上記重合によって第1樹脂を硬化する場合、選択架橋工程は、加熱又は光照射を行う前に施すことが好ましい
活性エネルギー線によりシート及び強化繊維を成形する方法は、選択架橋工程と同様の電離放射線を使用することができる。また、上記活性エネルギー線によってシート及び強化繊維を成形する場合、選択架橋工程のタイミングは、活性エネルギー線照射前に施すことが好ましい
また、上述した(3)の積層体、すなわち、前記強化繊維の層並びに前記樹脂層が、それぞれ複数積層された構造を有する積層体を備えた強化繊維複合樹脂を製造する場合、本発明におけるコンポジットプリプレグ取得工程は、前記シート及び前記強化繊維をそれぞれ複数層積層するよう接触させた後、前記複数層の前記シート及び前記強化繊維を成形して、強化繊維複合樹脂を得ることが好ましい。すなわち、このコンポジットプリプレグ取得工程は、シートと強化繊維とが複数層張り合わされた未成形のシートと強化繊維とを成形する形態である。例えば、上記の(l)の形態のように、コンポジットプリプレグ取得工程において、強化繊維を特定の方向に配置した強化繊維の集合体を複数用いて、複数のシートと積層させた後、前記複数の強化繊維の集合体の層及び前記複数のシートを成形させて強化繊維複合樹脂を得てもよい。また、シート及び/または強化繊維の積層順序は、特に制限されることなく、適宜行うことができる。
この方法は、複数のシート及び複数の強化繊維の集合体が積層した未成形体の状態から、1度の成形処理(例えば、上記熱による成形)によって強化繊維複合樹脂を製造できるため、プリプレグを介して積層する方法より製造効率に優れている。また、この方法の場合、選択架橋工程は、シート及び強化繊維を成形する前に行うことが好ましい。さらに言うと、この方法では、シート及び強化繊維が複数層形成した状態で選択架橋工程を行うことができる。そのため、1度の選択架橋工程によって強化繊維複合樹脂を製造できる点で、プリプレグを介して積層する方法より製造効率が優れている。また、上述した(3)の積層体の場合、シート及び強化繊維の集合体が、それぞれ、2〜50層または8〜20層など複数積層されていてもよい。
<積層体取得工程>
本積層体取得工程は、コンポジットプリプレグ自体を任意の層数に積層する工程である。本発明に係る製造方法で得られる強化繊維複合樹脂は、上述した通り、樹脂層と繊維の層とを少なくとも一層ずつ有する及び/又は繰り返し単位の強化繊維複合樹脂であるコンポジットプリプレグそのものであっても、前記コンポジットプリプレグを繰り返し単位として、前記コンポジットプリプレグを複数積層させたコンポジットプリプレグ積層体であっても、又は強化繊維が配列された強化繊維の層、並びに第1樹脂及び第2樹脂を主成分とした樹脂層が、それぞれ複数積層された、積層体であってもよい。例えば、コンポジットプリプレグが複数積層させた積層構造の強化繊維複合樹脂を製造する場合、本発明に係る製造方法は、前記コンポジットプリプレグ取得工程により、強化繊維の層、並びに第1樹脂及び第2樹脂からなる樹脂層を含む強化繊維複合樹脂を得た後、同様に製造した強化繊維複合樹脂を2以上積層する積層体取得工程をさらに含む。また、上記積層体取得工程中に選択架橋工程を行ってもよい。
上記に説明した、強化繊維複合樹脂が単層のいわゆるコンポジットプリプレグを2以上積層して、強化繊維複合樹脂を製造する方法としては、上記コンポジットプリプレグ取得工程の熱によりシート及び強化繊維を成形する方法、装置及び条件を援用できる。
強化繊維複合樹脂を2以上積層した積層体、すなわち任意の層(数)は、コンポジットプリプレグのみが2〜100層または16〜40層など複数積層されていてもよい。この場合、隣接するコンポジットプリプレグの層では、強化繊維の配向方向は、同じでもよいし、異なっていてもよい。隣接するコンポジットプリプレグの層間で強化繊維の配向方向が同方向である場合、応力集中を回避することができる。また、積層体を形成する各コンポジットプリプレグは、同じでもよいし、異なっていてもよい。コンポジットプリプレグのみが複数積層されている積層体は、後述するサンドイッチ構造の積層体に比べて、一定の体積の積層体中の強化繊維の占める体積割合が高く、高い剛性が得られる。
本発明におけるコンポジットプリプレグの(平均)厚みは、特に限定されず、例えば、50μm〜300μmとすることができる。
本発明における積層体の(平均)厚みは、特に限定されず、例えば、0.5mm〜10mmとすることができる。なお、前述のように、半球形体やリブ等の立体的な形状を作製する際には、不連続繊維が好適に用いられる。また、複雑な形状を作製する際には、連続繊維及び不連続繊維の両方を用いることができ、例えば、連続繊維で作製された部位と、不連続繊維で作製すれた部位とを用いて作製してもよい。不連続繊維を用いる場合には、射出成形が好適に選択される。
隣接するコンポジットプリプレグ層間で強化繊維の配向方向が異なる場合、例えば、コンポジットプリプレグの平面をXY平面とすると、隣接するコンポジットプリプレグ層間の強化繊維の配置は、XY平面内で0〜90°の範囲で異なっていてもよく、隣接するコンポジットプリプレグ層間の強化繊維の配向方向が交互に0°と90°(直交)になっていてもよいし、0〜90°の範囲でランダムまたは任意に配置されていてもよい。
上記積層体は、コンポジットプリプレグの間に第1樹脂及び/又は第3樹脂等のみからなる樹脂層を介して積層してサンドイッチ構造としてもよい。このようなサンドイッチ構造の場合、樹脂層を挟む一方の面側のプリプレグの層数は、1層でもよいし、2層以上でもよい。樹脂層を挟むプリプレグの層数は、樹脂層の一方の面側と他方の面側で、同じでもよいし、異なっていてもよい。樹脂層の数は、1層でもよいし、2層以上でもよい。
サンドイッチ構造において、樹脂層を挟む一方の面側のコンポジットプリプレグの層数が2層以上の場合、当該層数は、奇数でもよいし、偶数でもよい。コンポジットプリプレグの層数が2層以上の場合、上述したように隣接するコンポジットプリプレグ層間の強化繊維の配向方向は、同じでもよいし、XY平面内で0〜90°の範囲で異なっていてもよく、XY平面内で交互に0°と90°になっていてもよい。また、樹脂層を挟んだ両側相互間も同様の構造である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜9及び比較例1〜2で使用した原料成分の詳細は以下の通りである。
<第一の樹脂>
ポリアミド樹脂:宇部興産社製の商品名UBE ナイロン(登録商標)グレード1013B(表1中、PA6 1013Bと表記)、25℃の引張弾性率2.5GPa
ポリアミド樹脂:宇部興産社製の商品名UBE ナイロン(登録商標)グレード1022B(表1中、PA6 1022Bと表記)、25℃の引張弾性率2.3GPa
ポリアミド樹脂:宇部興産社製の商品名UBE ナイロン(登録商標)グレード1030B(表1中、PA6 1030Bと表記)、25℃の引張弾性率2.2GPa
<第二の樹脂>
ビニルSEPS:クラレ社の商品名ハイブラー(登録商標)7125(水添グレード、表1中、7125と表記)、25℃の引張弾性率4.3MPa
エチレン系共重合体:三井化学社の商品名タフマー(登録商標)DF640(表1中、DF640と表記)
<相溶化剤>
無水マレイン酸変性水添スチレン系熱可塑性エラストマー:旭化成社の商品名タフテック(登録商標)M1913
酸変性オレフィンエラストマー:三井化学社の商品名タフマー(登録商標)MH7010
<架橋剤>
IRGACURE 184:BASF製の1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン
パーブチルH:日本油脂株式会社製のtert−ブチルヒドロペルオキシド
<強化繊維>
炭素繊維(連続繊維):東レ社の商品名T700SC
RS240PU−537:日東紡社製グラスファイバーロービング
「実施例1〜3及び実施例6〜9の強化繊維複合樹脂の製造方法」
2軸押出機(テクノベル社製)を用い、第1樹脂、第2樹脂及び相溶化剤が表1の組成となるように混練して、それぞれの組成のペレットを得た。得られたペレットをTダイ(創研社製)で押し出し、厚み60μmのシートを作製した。Machine direction(MD)方向にエラストマードメイン(長尺状の島相)が配向し、原子間力顕微鏡により評価したそれぞれのシートの平均アスペクト比を表1に示す。これらのシートに300〜500kGyの電子線を照射することで、ドメイン(長尺状の島相)の配向を固定化処理した。次に、これらシートの上下に一方向開繊糸を配置し、プレス機(小平製作所社製)を用い、温度245℃、圧力1MPaの条件で熱プレスすることでプリプレグをそれぞれ作製した。これらプリプレグを、0°、90°方向に交互に16層積層し、温度250℃、圧力1MPaの条件で熱プレスを行い、サイズ300mm×300mm、厚み1.8mmの積層体である強化繊維複合樹脂を得た。
「実施例4の強化繊維複合樹脂の製造方法」
2軸押出機(テクノベル社製)を用い、第1樹脂、第2樹脂、相溶化剤及び架橋剤が表1の組成となるように混練してペレットを得た。得られたペレットをTダイ(創研社製)で押し出し、厚み60μmのシートを作製した。Machine direction(MD)方向にエラストマードメイン(長尺状の島相)が配向し、原子間力顕微鏡により評価したこのシートの平均アスペクト比を表1に示す。このシートにSUBZERO 085UVランプシステム(インテグレーション製)を用いて、出力100W/cm、積算光量3000(mJ/cm)照射して第2樹脂を架橋し、ドメイン(長尺状の島相)の配向を固定化処理した。次に、このシートの上下に一方向開繊糸を配置し、プレス機(小平製作所社製)を用い、温度245℃、圧力1MPaの条件で熱プレスすることでプリプレグを作製した。このプリプレグを、0°、90°方向に交互に16層積層し、温度250℃、圧力1MPaの条件で熱プレスを行い、サイズ300mm×300mm、厚み1.8mmの積層体である強化繊維複合樹脂を得た。
「実施例5の強化繊維複合樹脂の製造方法」
2軸押出機(テクノベル社製)を用い、第1樹脂、第2樹脂、相溶化剤及び架橋剤が表1の組成となるように混練しペレットを得た。得られたペレットをTダイ(創研社製)で押し出し、厚み60μmのシートを作製した。Machine direction(MD)方向にエラストマードメイン(長尺状の島相)が配向し、原子間力顕微鏡により評価したこのシートの平均アスペクト比を表1に示す。このシートを270℃に加熱して第2樹脂を架橋し、ドメイン(長尺状の島相)の配向を固定化処理した。次に、このシートの上下に一方向開繊糸を配置し、プレス機(小平製作所社製)を用い、温度245℃、圧力1MPaの条件で熱プレスすることでプリプレグを作製した。このプリプレグを、0°、90°方向に交互に16層積層し、温度250℃、圧力1MPaの条件で熱プレスを行い、サイズ300mm×300mm、厚み1.8mmの積層体である強化繊維複合樹脂を得た。
「積層体の製造方法の他の例」
上記実施例で示した方法以外の製造方法を採用して立体的な形状の積層体を製造してもよい。具体的には以下の通りである。実施例1と同様にして調製したプリプレグを、炭素繊維の配向方向及びその直交方向に裁断し、多数の長方形の小片を得る。そして、この小片を、炭素繊維の配向方向がランダムとなるように、且つ、16枚分の厚みとなるように金型に積層充填し、以下の表1に示すプレス温度、圧力1MPaをかける熱プレスを行って、積層体を製造してもよい。本実施形態は、炭素繊維が実質的に不連続繊維としてふるまう態様である。
<比較例1>
第1樹脂、第2樹脂、相溶化剤及び強化繊維は、上記実施例と同一の材料を使用した。2軸押出機(テクノベル社製)を用い、第1樹脂、第2樹脂及び相溶化剤が表1の配合となるように混練しペレットを得た。得られたペレットをTダイ(創研社製)で押し出し、厚み60μmのシートを作製した。Machine direction方向にエラストマードメイン(長尺状の島相)が配向し、原子間力顕微鏡により評価したこのシートの平均アスペクト比を表1に示す。次に、このシートの上下に一方向開繊糸を配置し、プレス機(小平製作所社製)を用い、温度245℃、圧力1MPaの条件で熱プレスすることでプリプレグを作製した。このプリプレグを、0°、90°方向に交互に16層積層し、温度250℃、圧力1MPaの条件で熱プレスを行い、サイズ300mm×300mm、厚み1.8mmの積層体である強化繊維複合樹脂を得た。
<比較例2>
UBEナイロン1022B及びハイブラー7125をTダイ(創研社製)で押し出し、それぞれ厚み60μm及び200μmのシートを作製した。次に、UBEナイロン1022Bのシートの上下に一方向開繊糸を配置し、プレス機(小平製作所社製)を用い、温度245℃、圧力1MPaの条件で熱プレスすることでプリプレグを作製した。このプリプレグを、0°、90°方向に交互に8層積層し、温度245℃、圧力1MPaの条件で熱プレスを行い、2枚のプリプレグを作製した。この2枚のプリプレグの間にハイブラー7125のシートを挟み込み、250℃、圧力1MPaの条件で熱プレスすることで、サイズ300mm×300mm、厚み2.2mmの積層体である強化繊維複合樹脂(海島構造なし サンドイッチ構造」)
<物性評価>
実施例および比較例で得た強化繊維複合樹脂の積層体について、以下のように、粘度比、ゲル分率及び剛性を評価した。各評価結果を表1に合わせて示す。
<粘度比評価>
(架橋工程前における、第1樹脂と第2樹脂の溶融粘度比)
キャピラリーレオメータ(東洋精機製)を用い、ピストン速度1mm/minの測定条件により、架橋工程前における、第1樹脂と第2樹脂の溶融粘度比を算出した。
(選択架橋工程後の第1樹脂と第2樹脂の溶融粘度比)
第1樹脂及び第2樹脂にそれぞれ別途所定の選択架橋工程を施し、それぞれの溶融粘度についてキャピラリーレオメータ(東洋精機製)を用い、ピストン速度1mm/minの測定条件により評価し、架橋工程後における、第1樹脂と第2樹脂の溶融粘度比を算出した。
<ゲル分率>
選択架橋工程後の第1樹脂及び第2樹脂を含むシートから1g切り出し、溶剤であるヘキサフルオロイソプロパノール10gに24時間浸漬後、フィルタでろ過し、残留物を乾燥し秤量した。初期質量と抽出残留物の乾燥質量、第1樹脂及び第2樹脂の配合割合から、ゲル分率を算出した。なお、第1樹脂及び第2樹脂の配合割合は、以下の手順で評価した。選択架橋工程後の第1樹脂及び第2樹脂を含むシートを、ミクロトーム(ライカ社製)を用いて平滑面を作製し、その断面を原子間力顕微鏡(東陽テクニカ製)にて観察した。得られた画像を二値化画像処理し、その面積の割合から第1樹脂と第2樹脂の配合割合をそれぞれ求めた。
ゲル分率(%)=(抽出物の乾燥質量−1.0×第2樹脂配合割合)/(1.0×第1樹脂配合割合)×100
<剛性評価:MD方向引張剛性>
剛性として、積層体のMD方向の引張剛性を評価した。具体的には、得られた積層体から、砥石カッターを用い、10mm×100mm×2mmのサイズに切り出し、ひずみゲージを貼り付け、引張剛性試験用の試験片を得た。この試験片をオートグラフ(島津社製)により、チャック間距離50mm、引っ張り速度10mm/minの条件にて引張剛性試験を行い、以下の基準で評価した。Aが最もよい評価である。
A:引張弾性率が50GPa以上
B:引張弾性率が45GPa以上50GPa未満
C:引張弾性率が40GPa以上45GPa未満
D:引張弾性率が40GPa未満
<剛性評価:MD方向曲げ剛性>
剛性として、積層体のMD方向の曲げ剛性を評価した。具体的には、得られた積層体から、砥石カッターを用い、10mm×100mm×2mmのサイズに切り出し、曲げ剛性試験用の試験片を得た。この試験片をテンシロン(A&D社製)により、支点間距離64mm、速度2mm/minの条件にて曲げ剛性試験を行い、以下の基準で評価した。Aが最もよい評価である。
A:曲げ弾性率が40GPa以上
B:曲げ弾性率が30GPa以上40GPa未満
C:曲げ弾性率が10GPa以上30GPa未満
D:曲げ弾性率が10GPa未満
Figure 2020100916
実施例及び比較例の結果からも把握されるように、本発明の製造方法で得られた強化繊維複合樹脂は、選択架橋工程なしの条件で製造した比較例1の強化繊維複合樹脂及び海島構造を有していない比較例2の強化繊維複合樹脂と比べて、引張り剛性及び曲げ剛性とも優れていることを確認した。また、この結果から、マトリックス樹脂にエラストマーを添加して海島構造を形成する技術では、剛性の維持が難しいという従来の問題点を解決できていると考えられる。
また、図1には、本発明の製造方法で得られた強化繊維複合樹脂をミクロトーム(ライカ製)により平滑面を作製し、原子間力顕微鏡(東陽テクニカ製)で観察した写真を示す。図2には、比較例1の製造方法で得られた強化繊維複合樹脂をミクロトームにより平滑面を作製し、原子間力顕微鏡で観察した写真を示す。図1及び図2から、本発明の製造方法で得られた強化繊維複合樹脂は、長尺状の島相が維持されているが、比較例1の製造方法で得られた強化繊維複合樹脂は、長尺状の島相が維持されていないことが確認される。

Claims (12)

  1. 第1樹脂及び第2樹脂を含む原料からシートを形成する、シート形成工程と、
    前記シートと強化繊維とを接触させて、前記シート及び前記強化繊維を成形することにより、前記第1樹脂及び前記第2樹脂からなる樹脂層並びに前記強化繊維の層を含む強化繊維複合樹脂を得る、コンポジットプリプレグ取得工程と、を備え、
    前記第1樹脂は、前記第2樹脂よりも、引張弾性率が高く、
    前記シートは、前記第1樹脂を含む海相と、前記第2樹脂を含む長尺状の島相と、を備えた海島構造を有し、
    前記第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋する、選択架橋工程を、前記シート形成工程開始から前記コンポジットプリプレグ取得工程の完了までの間に、さらに備えることを特徴とする、強化繊維複合樹脂の製造方法。
  2. 第1樹脂及び第2樹脂を含む原料からシートを形成する、シート形成工程と、
    前記シートと強化繊維とを接触させて、前記シート及び前記強化繊維を成形することにより、前記第1樹脂及び前記第2樹脂からなる樹脂層並びに前記強化繊維の層を含む強化繊維複合樹脂を得る、コンポジットプリプレグ取得工程と、
    前記強化繊維複合樹脂を任意の層に積層する、積層体取得工程と、を備え、
    前記第1樹脂は、前記第2樹脂よりも、引張弾性率が高く、
    前記シートは、前記第1樹脂を含む海相と、前記第2樹脂を含む長尺状の島相と、を備えた海島構造を有し、
    前記第2樹脂の少なくとも一部を選択的に架橋する、選択架橋工程を、前記シート形成工程開始から前記積層体取得工程の完了までの間に、さらに備えることを特徴とする、強化繊維複合樹脂の製造方法。
  3. 前記第1樹脂の融点より高い温度から前記第1樹脂の分解温度未満の温度域で、前記選択架橋工程後の第1樹脂の粘度に対する前記選択架橋工程後の第2樹脂の粘度の最大比率が、2〜15を示す、請求項1又は2に記載の強化繊維複合樹脂の製造方法。
  4. 前記第1樹脂及び前記第2樹脂は、熱可塑性樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の強化繊維複合樹脂の製造方法。
  5. 前記選択架橋工程後の前記第1樹脂のゲル分率が70以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の強化繊維複合樹脂の製造方法。
  6. 前記選択架橋工程における架橋は、電子線架橋、化学架橋、電磁波架橋、および熱架橋からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の強化繊維複合樹脂の製造方法。
  7. 前記第1樹脂の融点より高い温度から前記第1樹脂の分解温度未満の温度域における、前記第1樹脂の粘度に対する前記第2樹脂の粘度の比は、0.1〜5である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の強化繊維複合樹脂の製造方法。
  8. 前記選択架橋工程前のシート形成工程における、前記島相のアスペクト比は、1.3以上ある、請求項1〜7のいずれか1項に記載の強化繊維複合樹脂の製造方法。
  9. 前記コンポジットプリプレグ取得工程は、前記シート及び前記強化繊維をそれぞれ複数層積層するよう接触させた後、前記複数層の前記シート及び前記強化繊維を成形して、強化繊維複合樹脂を得る、請求項1〜8のいずれか1項に記載の強化繊維複合樹脂の製造方法。
  10. 前記架橋工程は、前記シート形成工程中、前記コンポジットプリプレグ取得工程中、又は前記シート形成工程と前記コンポジットプリプレグ取得工程との間に施される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の強化繊維複合樹脂の製造方法。
  11. 前記強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維及び有機繊維から選択される少なくとも1種である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の強化繊維複合樹脂の製造方法。
  12. 前記強化繊維は、連続繊維及び0.05cm以上の長繊維から選択される少なくとも1種である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の強化繊維複合樹脂の製造方法。
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