JPWO2020091007A1 - 複合半透膜 - Google Patents

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Abstract

本発明は、多孔性支持層と、前記多孔性支持層上に設けられた分離機能層を有する複合半透膜であって、前記分離機能層が架橋芳香族ポリアミドを含有し、かつ前記ポリアミドが特定の部分構造を有する複合半透膜に関する。

Description

本発明は、液状混合物の選択的分離に有用な半透膜に関し、特に実用性のある透過性と選択分離性を有し、耐久性の高い複合半透膜に関するものである。
液状混合物の膜分離に使用される膜には、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜などがあり、これらの膜は、例えば塩分、有害物を含んだ水などから飲料水を得る場合や、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などに用いられている。
現在市販されている逆浸透膜およびナノろ過膜の大部分は複合半透膜である。複合半透膜とは複数の層を有する膜であり、特に広く用いられている複合半透膜は、多孔性支持層と、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸ハロゲン化物との重縮合反応によって得られる架橋芳香族ポリアミドからなる分離機能層とを有する。
ここで造水プラントなどの各種水処理において、前処理に添加している塩素は原則として膜と接触しないようオペレーション設計されているものの、オペレーションミスにより漏洩した塩素が膜と接触し、膜が酸化劣化するリスクが存在する。そこで塩素漏洩による膜劣化リスクを低減し、膜寿命を長期化する目的で、これら複合半透膜について耐塩素性向上に向けた検討が行われてきた。
耐塩素性向上方法としては、分離機能層を形成するモノマー成分を改良する方法および分離機能層上に保護層を形成する方法が知られている。
国際公開第2016/104781号
本発明は、架橋芳香族ポリアミドによる高い塩除去性および透水性を利用しつつ、塩素接触後もホウ素除去率を維持することのできる複合半透膜及び複合半透膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討した結果、分離機能層中の架橋芳香族ポリアミドのアミノ基を脂肪族カルボン酸誘導体との反応によりアミド基を含む構造に変換することで、高い耐塩素性を実現できることを見いだした。
本発明の複合半透膜は、多孔性支持層と、前記多孔性支持層上に設けられた分離機能層を有する複合半透膜であって、前記分離機能層が架橋芳香族ポリアミドを含有し、かつ前記架橋芳香族ポリアミドが下記式(1)または(2)の少なくとも一方の構造を有し、
Figure 2020091007
(Ar〜Arは置換基を有していてもよい炭素数5〜14の芳香族環であり、Rは芳香族環とヘテロ原子のいずれも有さない原子団であり、Xは水素原子もしくはカルボキシ基であり、またR〜Rは水素原子または炭素数が1〜10の脂肪族鎖である。)
かつ、前記分離機能層について、タングステンによるラベル化を併用したラザフォード後方散乱法によって検出される下記A、及びBが下記式を満たす。
A≦ 2.0×10−3
B≦ 2.2×10−3
A:表面(検出深さ1×1015atoms/cm)におけるアミノ基数密度/窒素原子数密度
B:検出深さ1×1017atoms/cmにおけるアミノ基数密度/窒素原子数密度
本発明の複合半透膜の製造方法は、上記複合半透膜の製造方法であって、
基材と、前記基材上の多孔性支持層とを有する膜の前記多孔性支持層上に、下記式(7)で表される構造を有する架橋芳香族ポリアミドを含有する層を形成する重合工程と、
Figure 2020091007
前記架橋芳香族ポリアミドに、下記式(4)〜(6)のいずれかで表される、20mmol/L以上の脂肪族カルボン酸誘導体を反応させることで、前記式(1)または(2)の少なくとも一方の構造を形成する修飾工程と
を有する。
Figure 2020091007
(Rは芳香族環とヘテロ原子を有さない原子団である。)
本発明によって実用性のある透水性と除去性を有し、さらに塩素に接触後も高いホウ素除去性を示す複合半透膜が得られる。
[1.複合半透膜]
本発明に係る複合半透膜は、支持膜と、支持膜上に形成される分離機能層とを備える。前記分離機能層は実質的に分離性能を有するものであり、支持膜は水を透過するものの実質的にイオン等の分離性能を有さず、分離機能層に強度を与えることができる。
(1)支持膜
本実施形態では、支持膜は、基材および多孔性支持層を備える。ただし、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、支持膜は、基材を持たず、多孔性支持層のみで構成されていてもよい。
(1−1)基材
基材としては、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体、及びこれらの混合物又は共重合体等が挙げられる。中でも、機械的、熱的に安定性の高いポリエステル系重合体の布帛が特に好ましい。布帛の形態としては、長繊維不織布や短繊維不織布、さらには織編物を好ましく用いることができる。
(1−2)多孔性支持層
本発明において多孔性支持層は、イオン等の分離性能を実質的に有さず、分離性能を実質的に有する分離機能層に強度を与えるためのものである。多孔性支持層の孔のサイズや分布は特に限定されない。例えば、均一で微細な孔、又は分離機能層が形成される側の表面からもう一方の面まで徐々に大きな微細孔をもち、かつ、分離機能層が形成される側の表面で微細孔の大きさが0.1nm以上100nm以下であるような多孔性支持層が好ましい。支持層に使用する材料やその形状は特に限定されない。
多孔性支持層の材料は、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエステル、セルロース系ポリマー、ビニルポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、及びポリフェニレンオキシド等のホモポリマー又はコポリマーを、単独で又は混合して使用することができる。ここでセルロース系ポリマーとしては酢酸セルロース、硝酸セルロースなど、ビニルポリマーとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルなどが使用できる。
中でもポリスルホン、ポリアミド、ポリエステル、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホンなどのホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。より好ましくは酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、またはポリフェニレンスルホンが挙げられる。さらに、これらの素材の中では化学的、機械的、熱的に安定性が高く、成型が容易であることからポリスルホンが一般的に使用できる。
ポリスルホンは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)でN−メチルピロリドンを溶媒に、ポリスチレンを標準物質として測定した場合の質量平均分子量(Mw)が、10000以上200000以下であることが好ましく、より好ましくは15000以上100000以下である。
ポリスルホンのMwが10000以上であることで、多孔性支持層として好ましい機械的強度および耐熱性を得ることができる。また、Mwが200000以下であることで、溶液の粘度が適切な範囲となり、良好な成形性を実現することができる。
基材と多孔性支持層の厚みは、複合半透膜の強度及びそれをエレメントにしたときの充填密度に影響を与える。十分な機械的強度及び充填密度を得るためには、基材と多孔性支持層の厚みの合計が、30μm以上300μm以下であることが好ましく、100μm以上220μm以下であるとより好ましい。また、多孔性支持層の厚みは、20μm以上100μm以下であることが好ましい。なお、本書において、特に付記しない限り、厚みとは、平均値を意味する。ここで平均値とは相加平均値を表す。すなわち、基材と多孔性支持層の厚みは、断面観察で厚み方向に直交する方向(膜の面方向)に20μm間隔で測定した、20点の厚みの平均値を算出することで求められる。
(2)分離機能層
分離機能層は、架橋芳香族ポリアミドを含有する。特に、分離機能層は、架橋芳香族ポリアミドを主成分として含有することが好ましい。主成分とは分離機能層の成分のうち、50重量%以上を占める成分を指す。分離機能層は、架橋芳香族ポリアミドを50重量%以上含むことにより、高い除去性能を発現することができる。また、分離機能層における架橋芳香族ポリアミドの含有率は80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましい。
架橋芳香族ポリアミドは、下記一般式(1)、(2)であらわされる構造を有する。
Figure 2020091007
(Ar〜Arは置換基を有していてもよい炭素数5〜14の芳香族環であり、Rは芳香族環とヘテロ原子のいずれも有さない原子団である。またR〜Rは水素原子または炭素数が1〜10の脂肪族鎖である。)
〜Rが水素原子であり、Ar〜Arが置換基を有していてもよいベンゼン環であることが好ましい。
の炭素数が1〜5であることが好ましい。
架橋芳香族ポリアミドは、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸クロリドとをモノマー成分として含むこと、言い換えると、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸クロリドとの重合物であることが好ましい。多官能芳香族アミンおよび多官能芳香族酸クロリドの具体例は、製法の欄で述べる。
また、分離機能層についてラザフォード後方散乱(RBS)法によって検出される下記値A、及びBが下記式(a)、(b)を満たす。
A≦ 2.0×10−3・・・・・(a)
B≦ 2.2×10−3・・・・・(b)
A:表面(検出深さ1×1015atoms/cm)におけるアミノ基数密度/窒素原子数密度
B:検出深さ1×1017atoms/cmにおけるアミノ基数密度/窒素原子数密度
さらに、値AおよびBは式(c)および(d)をそれぞれ満たすことがさらに好ましい。
1.4×10−3≦A≦ 2.0×10−3・・・・・(c)
1.4×10−3≦B≦ 2.2×10−3・・・・・(d)
式(a)は、分離機能層表面のアミノ基数密度/窒素原子数密度が一定量以下であることを表し、式(b)は、分離機能層の内部のアミノ基数密度/窒素原子数密度が一定量以下であることを示す。塩素が分離膜の性能を低下させることは知られているが、本発明者らは鋭意検討することにより、架橋芳香族ポリアミドのアミノ基が酸化劣化の起点であることを見いだし、さらに、アミノ基を一般式(1)または(2)の左端に示す構造に変換し、かつアミノ基量を式(a)および(b)を満たす程度に低減することで、塩素接触後も高いホウ素除去率を維持することができる分離膜を実現した。
RBS法では、原子数密度を測定することができる。また、RBS法によりアミノ基数密度を得るためには、タングステン酸ナトリウムによるラベル化が利用される。ラベル化は、複合半透膜に、pH3のタングステン酸ナトリウム水溶液(1×10−4mol/L)を30分間通水することで行われる。
ラベル化された膜サンプルについて、RBS法によりタングステンの原子数密度を測定する。アミノ基とタングステンとは親和性を有し、かつ上述したpH3という酸性条件では、全てのアミノ基がタングステンでラベル化されると考えられる。つまり、RBS法により測定されるタングステン原子数密度はアミノ基数密度と等しい。すなわち、タングステンによるラベル化を利用したRBS法により、分離機能層中のアミノ基数密度を測定することができる。
式(4)〜(6)に示す脂肪族カルボン酸誘導体は、適度な大きさと反応性を有するため、活性を保ったまま分離機能層孔内部に浸透し、分離機能層孔内部のアミノ基を官能基化することができる。
〔2.複合半透膜の製造方法〕
(2−1)分離機能層の形成工程
<架橋芳香族ポリアミド含有層の形成工程>
上記複合半透膜の製造方法の一例として、本欄では、下記重合工程および修飾工程を有する分離機能層の形成工程について説明する。
重合工程とは、基材と、前記基材上の多孔性支持層とを有する膜の前記多孔性支持層上に、下記式(7)で表される構造を有する架橋芳香族ポリアミドを含有する層を形成する工程である。
Figure 2020091007
重合工程は、具体的には、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸クロリドとを重縮合することで架橋芳香族ポリアミドを形成する工程であり、より具体的には、多官能芳香族アミンを含有する水溶液を多孔性支持層上に接触させる工程と、その後に、多孔性支持層に多官能芳香族酸クロリド溶液を接触させる工程とを有する。
なお本欄では、支持膜が基材と多孔性支持層とを備える場合を例に挙げるが、支持膜が別の構成を備える場合は、「多孔性支持層」を「支持膜」と読み替えればよい。
多官能芳香族アミンおよび多官能芳香族酸クロリドの少なくとも一方が3官能以上であることが好ましい。これにより、剛直な分子鎖が得られ、水和イオンやホウ素などの微細な溶質を除去するための良好な孔構造が形成される。
多官能芳香族アミンとは、一分子中に第一級アミノ基及び第二級アミノ基のうち少なくとも一方のアミノ基を2個以上有し、かつ、アミノ基のうち少なくとも1つは第一級アミノ基である芳香族アミンである。多官能芳香族アミンとしては、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、o−ジアミノピリジン、m−ジアミノピリジンおよびp−ジアミノピリジン等のオルト位、メタ位またはパラ位のいずれかの位置関係で芳香環に結合した2個のアミノ基を有する化合物、並びに、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、3−アミノベンジルアミン、4−アミノベンジルアミン等などが例示される。これらの多官能芳香族アミンのうち1種類が用いられてもよいし、複数種類が組み合わされて用いられてもよい。多官能芳香族アミンのうち、特に、選択分離性、透過性および耐熱性に優れた膜が得られるという点で、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンおよび1,3,5−トリアミノベンゼンの少なくとも1種の化合物が好適に用いられる。中でも、入手の容易性や取り扱いのしやすさから、m−フェニレンジアミンが好ましい。
多官能芳香族酸クロリドは、一分子中に少なくとも2個のクロロカルボニル基を有する芳香族酸クロリドである。3官能酸クロリドとしては、トリメシン酸クロリドなどが例示され、2官能酸クロリドとしては、ビフェニルジカルボン酸ジクロリド、アゾベンゼンジカルボン酸ジクロリド、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、ナフタレンジカルボン酸クロリド等が例示される。これらの多官能芳香族酸クロリドのうち1種類が用いられてもよいし、複数種類が組み合わされて用いられてもよい。多官能芳香族酸クロリドのうち、特に、選択分離性、透過性および耐熱性に優れた膜が得られるという点で、一分子中に2〜4個の塩化カルボニル基を有する多官能芳香族酸クロリドが好ましく、トリメシン酸クロリドがより好ましい。
本発明の実施形態に係る架橋芳香族ポリアミドは、m−フェニレンジアミンとトリメシン酸クロリドとの重合物であることが好ましい。
多官能芳香族アミン水溶液における多官能芳香族アミンの濃度は0.1重量%以上20重量%以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上15重量%以下の範囲内である。多官能芳香族アミンの濃度がこの範囲であると十分な溶質除去性能および透水性を得ることができる。
多孔性支持層への多官能芳香族アミン水溶液の接触は、多孔性支持層上に均一かつ連続的に行うことが好ましい。具体的には、例えば、多孔性支持層に多官能芳香族アミン水溶液をコーティングする方法や、多孔性支持層を多官能芳香族アミン水溶液に浸漬する方法などを挙げることができる。多孔性支持層と多官能芳香族アミン水溶液との接触時間は、1秒以上10分間以下であることが好ましく、10秒以上3分間以下であるとさらに好ましい。
多官能芳香族アミン水溶液を多孔性支持層に接触させた後は、膜上に液滴が残らないように液切りする。液切りすることで、多孔性支持層形成後に液滴残存部分が膜欠点となって除去性能が低下することを防ぐことができる。液切りの方法としては、多官能芳香族アミン水溶液接触後の支持膜を垂直方向に把持して過剰の水溶液を自然流下させる方法や、エアーノズルから窒素などの気流を吹き付け、強制的に液切りする方法などを用いることができる。また、液切り後、膜面を乾燥させて水溶液の水分を一部除去することもできる。
有機溶媒溶液中の多官能芳香族酸クロリドの濃度は、0.01重量%以上10重量%以下の範囲内であると好ましく、0.02重量%以上2.0重量%以下の範囲内であるとさらに好ましい。0.01重量%以上とすることで十分な反応速度が得られ、また、10重量%以下とすることで副反応の発生を抑制することができるためである。
有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ多官能芳香族酸クロリドを溶解し、支持膜を破壊しないものが好ましく、多官能芳香族アミンおよび多官能芳香族酸クロリドに対して不活性であるものであればよい。好ましい例として、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、イソオクタン、イソデカン、イソドデカンなどの炭化水素化合物および混合溶媒が挙げられる。
多官能芳香族酸クロリドの有機溶媒溶液の多孔性支持層への接触は、多官能芳香族アミン水溶液の多孔性支持層への被覆方法と同様に行えばよい。
接触後、多官能芳香族アミン水溶液と同様に、液切りしてもよい。液切りには、多官能芳香族アミン水溶液について挙げた以外に、水とエアーの混合流体を用いることもできる。
多官能芳香族アミン水溶液と多官能芳香族酸クロリド溶液との界面で、モノマーである多官能アミノと多官能芳香族酸クロリドとが重縮合することで、架橋芳香族ポリアミドが生成される。重縮合は、80℃以下で行うことが好ましい。「重縮合を80℃以下で行う」とは、少なくとも、多官能芳香族酸クロリドの塗布時からその後の液切りまでの支持膜周囲の温度、および多官能芳香族酸クロリド溶液の温度が80℃以下であればよい。
こうして得られた膜を熱水で洗浄することで、未反応のモノマーを除去することができる。熱水の温度は40℃以上100℃以下、好ましくは60℃以上100℃以下である。
修飾工程前であっても架橋芳香族ポリアミド含有層は分離機能を有するので、この層を分離機能層と呼び、基材、多孔性支持層および架橋芳香族ポリアミド含有層を有する複合膜を複合半透膜と呼ぶことがある。ただし、修飾工程後の分離機能層と区別したい場合、修飾工程前の架橋芳香族ポリアミド含有層を「未修飾層」と呼び、修飾工程後の複合半透膜と区別したい場合、修飾工程前の膜を「未修飾膜」と呼ぶ。
未修飾層は、13C固体NMR測定より測定できるx、yが式(g)を満たすことが好ましい。この条件が満たされることで、脂肪族カルボン酸誘導体が分離機能層内部に浸透し、未修飾層の内部までアミノ基が修飾される。
1.00≦ x+y≦ 1.50 ・・・・・(g)
x:13C固体NMRにより測定したカルボキシ基と芳香族アミド基のモル比(カルボキシ基/芳香族アミド基)
y:13C固体NMRにより測定したアミノ基と芳香族アミド基のモル比(アミノ基/芳香族アミド基)
但し芳香族アミド基は一般式(3)で表される官能基である。
Figure 2020091007
(W1またはW2の少なくとも一方、かつXが芳香族環である。)
分離機能層が、アミノ基、カルボキシ基、芳香族アミド基を含み、1.00≦x+y≦1.50であり、芳香族アミド基は一般式(3)で表される官能基であることが好ましい。
分離機能層のアミノ基、カルボキシ基、芳香族アミド基のモル比は分離機能層の13C固体NMR測定より、求めることができる。具体的には、複合半透膜5m2から基材を剥離し、分離機能層と多孔性支持層を得た後、多孔性支持層を溶解除去し、分離機能層を得る。得られた分離機能層をDDMAS_13C固体NMR法により測定を行い、各官能基の炭素ピークまたは各官能基が結合している炭素ピークの積分値の比較から各比を算出することができる。
また、未修飾層は、陽電子消滅寿命測定法により測定される平均孔半径Rが0.15nm以上0.65nm以下であることが好ましい。この条件が満たされることで、脂肪族カルボン酸誘導体が分離機能層内部に浸透し、分離機能層内部のアミノ基が修飾される。
陽電子消滅寿命測定法とは、陽電子が試料に入射してから消滅するまでの時間を測定し、その消滅寿命に基づいて、0.1〜10nmの空孔の大きさ、その数密度、およびその大きさの分布などの情報を非破壊的に評価する手法である。
特に、本発明においては、陽電子線源として電子線型加速器から発せられる陽電子ビームを用いる陽電子ビーム法が好ましい。複合半透膜から分離機能層を分離するなどの特別な加工を必要としないからである。
陽電子ビーム法では、試料に入射させる陽電子ビームのエネルギー量によって、試料表面からの測定域の深さを調節することができる。エネルギーを高くするほど試料表面からより深い部分が測定域に含まれることになるが、同じエネルギー量で測定しても、測定域の深度は試料の密度により異なる。未修飾層においては、1keV程度のエネルギーの陽電子ビームを照射すれば、通常、表面から50〜150nmの深さの領域が測定される。つまり、例えば150〜300nm程度の厚みを有する未修飾層に対してこの条件で測定を行えば、未修飾層の中心部を選択的に測定することができる。
陽電子と電子は、クーロン力で互いに結合して、中性の水素様原子であるポジトロニウムPsを形成する。Psには、陽電子と電子のスピンが反平行か平行かによってパラポジトロニウム(p−Ps)とオルトポジトロニウム(o−Ps)がある。この2つの種は、1:3の比で形成されることがスピン統計によって明らかになっている。それぞれの種の平均寿命はp−Psで125ps、o−Psで140nsである。凝集状態の物質において、o−Psは自己の結合されているものとは別の電子と重なる確率が高くなり、その結果o−Psの平均寿命は数nsに減少する。これはピックオフ消滅と呼ばれる現象である。絶縁材料におけるo−Psの消滅は、該材料の空孔壁に存在する電子とo−Psとが重なり合うことによるので、空孔サイズが小さいほど消滅速度が速くなる。すなわちo−Psの消滅寿命τは、絶縁材料中に存在する空孔の大きさ(径)と関係づけることができる。
o−Psの上記ピックオフ消滅による消滅寿命τは、陽電子消滅寿命測定法により測定される陽電子消滅寿命曲線を、非線形最小二乗プログラムPOSITRONFITにより4成分に分割して得られる第4成分の解析結果から求めることができる。
複合半透膜の分離機能層における平均孔半径Rは、上記の陽電子消滅寿命τに基づいて、以下の式(f)から求められる。式(f)は、厚さΔRの電子層にある半径Rの空孔にo−Psが存在するとの仮定に基づいており、ΔRは0.166nmである。
τ−1=2[1−{R/(R+ΔR)}+{1/(2π)}sin{2πR/(R+ΔR)}] ・・・・・(f)
<修飾工程>
分離機能層の形成工程は、さらに、架橋芳香族ポリアミドに下記式(4)〜(6)のいずれかで表される脂肪族カルボン酸誘導体を反応させることで上記式(1)または(2)の少なくとも一方の構造を形成する修飾工程を有する。
Figure 2020091007
(Rは芳香族環とヘテロ原子のいずれも有さない原子団である。)
脂肪族酸無水物(4)、環状酸無水物(5)、脂肪族カルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(6)は、適度な大きさと反応性を有するために、好適に利用される。
脂肪族酸無水物(4)の具体例として、無水酢酸、プロパン酸無水物、ブタン酸無水物、ペンタン酸無水物、ヘキサン酸無水物、ヘプタン酸無水物、オクタン酸無水物、ノナン酸無水物、デカン酸無水物、ウンデカン酸無水物、ドデカン酸無水物、シクロプロパン酸無水物、シクロブタン酸無水物、シクロペンタン酸無水物、シクロヘキサン酸無水物、シクロヘプタン酸無水物、シクロオクタン酸無水物、シクロノナン酸無水物、シクロデカン酸無水物、シクロウンデカン酸無水物、シクロドデカン酸無水物などが挙げられる。
また、環状酸無水物(5)の具体例として、2,2−ジメチルコハク酸無水物、コハク酸無水物、ブチルコハク酸無水物、3,3−ジメチルグルタル酸無水物、2.2−ジメチルグルタル酸無水物、3−メチルグルタル酸無水物、無水マレイン酸、デシルこはく酸無水物、グルタル酸無水物、n−オクチルこはく酸無水物、ドデシルこはく酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、テトラデシルこはく酸無水物、1,1−シクロペンタン二酢酸無水物、ヘキサデシルこはく酸無水物、シトラコン酸無水物、オクタデシルこはく酸無水物、(2−メチル−2−プロペニル)こはく酸無水物、2−ブテン−1イルこはく酸無水物、1,1−シクロヘキサン二酢酸無水物、カロン酸無水物、イタコン酸無水物、アリルこはく酸無水物、2−ドデセン−1−イルこはく酸無水物、2−ヘキセン1−イルこはく酸無水物、4−メチルシクロヘキサンー1,2−ジカルボン酸無水物、2−オクテニルこはく酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、1,2−シクロプロパンジカルボン酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、(2,7−オクタジエン−1−イル)こはく酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。
また、脂肪族カルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(6)の具体例として、酢酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、プロパン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸誘導体において、Rの炭素数は7以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、5以下であることがさらに好ましい。Rの炭素数が7以下であることで、ポリアミド末端のアミノ基に接近しやすいため、反応が十分に進行し、分離機能層の耐塩素性向上効果が得られる。またRの炭素数が7以下であることで、分離機能層の孔内部に脂肪族カルボン酸誘導体が浸透し、孔内部のアミノ基も官能基化することができる。特に、入手および取り扱いが容易であり、かつ複合半透膜に対して高い耐塩素性向上効果をもたらす点で、無水酢酸、プロパン酸無水物、ブタン酸無水物、ペンタン酸無水物、ヘキサン酸無水物、ヘプタン酸無水物、オクタン酸無水物、シクロプロパン酸無水物、シクロブタン酸無水物、シクロペンタン酸無水物、シクロヘキサン酸無水物、シクロヘプタン酸無水物が好ましく、この中でも無水酢酸が好ましい。
以上に述べた脂肪族カルボン酸誘導体は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
この工程において、脂肪族カルボン酸誘導体の濃度は20mmol/L以上であることが好ましい。この工程においては、脂肪族カルボン酸誘導体を含有する溶液を用いてもよいし、溶媒を含まない、脂肪族カルボン酸誘導体の液体を用いてもよい。溶液を用いる場合、溶媒は脂肪族カルボン酸誘導体の種類に応じて変更可能であり、水またはイソプロパノールが例示される。
(2−2)その他の工程
複合半透膜の製造方法は、上記分離機能層の形成工程の前に、基材上に多孔性支持層を形成する工程を備えてもよい。基材および多孔性支持層の材料および構成については上述したとおりである。例えば、ポリスルホンのN,N−ジメチルホルムアミド(以降、DMFと記載)溶液を、密に織ったポリエステル布又は不織布の上に一定の厚さに注型し、それを水中で湿式凝固させればよい。本工程により、表面の大部分が直径数10nm以下の微細な孔を有する多孔性支持層を得ることができる。
また、分離機能層を形成した後に種々の後処理を行ってもよい。
〔3.複合半透膜の利用〕
複合半透膜は、スパイラル型のエレメントとして好適に用いられる。スパイラル型のエレメントは、複合半透膜、プラスチックネットなどの供給水流路材、トリコットなどの透過水流路材、円筒状の集水管、端板等を備える。給水流路材、複合半透膜、透過水流路材は順に重ねられ、さらに集水管の周囲に巻回される。必要に応じて最外面にフィルムまたはフィラメントが巻き付けられている。端板は巻回体の両端に取り付けられる。
さらに、エレメントはモジュールに適用可能である。モジュールは、圧力容器と、圧力容器内に収容される1つまたは複数のエレメントとを備える。
モジュールは流体分離装置に適用される。流体分離装置は、モジュール、モジュールに供給水を供給するポンプ、供給水を前処理する装置などを有する。流体分離装置は、供給水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離することができる。
上記複合半透膜によって処理される供給水としては、海水、かん水、排水等の500mg/L以上100g/L以下のTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する液状混合物が挙げられる。一般に、TDSは総溶解固形分量を指し、「質量÷体積」あるいは「重量比」で表される。定義によれば、0.45ミクロンのフィルターで濾過した溶液を39.5℃以上40.5℃以下の温度で蒸発させ残留物の重さから算出できるが、より簡便には実用塩分(S)から換算される。
流体分離装置の操作圧力は高い方が溶質除去率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、複合半透膜の耐久性を考慮すると、複合半透膜に被処理水を透過する際の操作圧力は、0.5MPa以上、10MPa以下が好ましい。供給水温度は、高くなると溶質除去率が低下するが、低くなるにしたがい膜透過流束も減少するので、5℃以上、45℃以下が好ましい。また、供給水pHが高くなると、海水などの高溶質濃度の供給水の場合、マグネシウムなどのスケールが発生する恐れがあり、また、高pH運転による膜の劣化が懸念されるため、中性領域での運転が好ましい。
以下、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、以下では、修飾工程の前後にかかわらず、「分離機能層」および「複合半透膜」との用語を用いることがある。
(1)アミノ基数密度/窒素原子数密度の定量
下記(6)の比較例、実施例で得られた複合半透膜について、下記(i)の方法でタングステン酸ナトリウムによりラベル化されたサンプルを作製し、(ii)の方法でRBS測定を実施した。
(i)ラベル化方法
直径7.5cmの複合半透膜を脱イオン水中で30分間煮沸し、その後、50wt%のメタノール水溶液に15時間浸漬した。その後、複合半透膜に、5.5MPaの圧力下で、pH3のタングステン酸ナトリウム水溶液(1×10−4mol/L)を30分間通水した。こうして得られたサンプルを、メタノールに浸漬することで、膜に結合していないタングステン酸を洗い流した。洗浄後、窒素雰囲気下に30分以上置いたサンプルをRBS測定に用いた。
(ii)RBS測定方法:
サンプルを導電性の両面テープに固定し、以下の装置および測定条件にて行った。
装置:National Electrostatics Corporation製 Pelletron3SDH
測定モード:RBS単独測定
入射イオン:4He++
入射エネルギー:2300keV
入射角:0度
散乱角:160度
試料電流:4nA
ビーム径:2mmφ
面内回転:無
照射量:44.8μC
この測定により、試料表面からの測定深さ(atoms/cm)に対する、タングステン原子数の数密度および窒素原子数密度を得た。タングステン原子数を上述のとおりアミノ基数と見なした。
得られた数値から、値AおよびBを算出した。
A:表面(検出深さ1×1015atoms/cm)におけるアミノ基数密度/窒素原子数密度、
B:検出深さ1×1017atoms/cmにおけるアミノ基数密度/窒素原子数密度
(2)平均孔半径Rの定量
下記比較例1および2について、以下の測定を行った。減圧下室温で複合半透膜を乾燥させ、1.5cm×1.5cm角に切断して検査試料を得た。陽電子ビーム発生装置を装備した薄膜対応陽電子消滅寿命測定装置にて、ビーム強度1keV、室温、真空下、かつ光電子増倍管を有する二フッ化バリウム製シンチレーションカウンターによる総カウント数500万の条件で、試料についての陽電子消滅寿命を測定した。得られた陽電子消滅寿命曲線について、プログラムPOSITRONFITにより解析を行った。解析により得られた第4成分の平均寿命τから、平均孔半径Rを算出した。
(3)13C固体NMR測定によるアミノ基、カルボキシ基、芳香族アミド基の定量
下記比較例1および2について、以下の測定を行った。複合半透膜5mから基材を物理的に剥離し、多孔性支持層と分離機能層を回収した。24時間静置することで乾燥させた後、ジクロロメタンの入ったビーカー内に少量ずつ加えて撹拌し、多孔性支持層を構成するポリマーを溶解させた。ビーカー内の不溶物を濾紙で回収した。この不溶物をジクロロメタンの入ったビーカー内に入れ攪拌し、ビーカー内の不溶物を回収した。この作業をジクロロメタン溶液中に多孔性支持層を形成するポリマーの溶出が検出できなくなるまで繰り返した。回収した分離機能層は真空乾燥機で乾燥させ、残存するジクロロメタンを除去した。得られた分離機能層を凍結粉砕によって粉末状の試料とした。
得られた試料を試料管内に封入して、CP/MAS法、及びDD/MAS法による13C固体NMR測定を行った。13C固体NMR測定には、Chemagnetics社製CMX−300を用いた。測定条件例を以下に示す。
基準物質:ポリジメチルシロキサン(内部基準:1.56ppm)
試料回転数:10.5kHz
パルス繰り返し時間:100s
得られたスペクトルから、各官能基が結合している炭素原子由来のピークごとにピーク分割を行い、分割されたピークの面積から、アミノ基、カルボキシ基、芳香族アミド基、及び半脂肪族アミド基の官能基量比を定量した。
(4)複合半透膜の性能評価
下記(6)で得られた複合半透膜について、下記(5)の耐久性試験の前後で性能評価を行った。耐久試験前の性能を初期性能、耐久試験後の性能を塩素劣化後性能として後述の表に示す。
性能評価は以下のとおり行った。温度25℃、pH6.5に調整した海水(TDS濃度3.5%)を操作圧力5.5MPaで供給して、透過水を得た。
得られた透過水のTDSから、次の式により塩除去率を求めた。
塩除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}
また、上述の条件で得られた、膜面1平方メートル当たりの1日の透水量(立方メートル)から、透過水量(m/m/日)を求めた。
さらに、次の式からホウ素除去率を求めた。
ホウ素除去率(%)=100×{1−(透過水中のホウ素濃度/供給水中のホウ素濃度)}
なお原水および透過水の中のホウ素濃度は、脱塩性能測定時のサンプル液を採取しておき、ICP発光分析装置(アジレント・テクノロジー社製5110 ICP−OES)を用いて測定した。
(5)耐塩素性試験
下記(6)で得られた複合半透膜を、pH7.0に調整した25mg/L次亜塩素酸ナトリウム、食塩3.5%水溶液に25℃雰囲気下、24時間浸漬した。その後1000mg/L亜硫酸水素ナトリウム水溶液に10分浸漬し、引き続いて水で洗浄した。
(6)膜の作製
(比較例1)
基材であるポリエステル不織布(通気量2.0cc/cm/sec)上に、ポリスルホンの16.0質量%DMF溶液を25℃の条件下で200μmの厚みでキャストした。これをただちに純水中に浸漬して5分間放置することによって凝固させた。こうして、基材と多孔性支持層とを有する支持膜を作製した。
得られた支持膜をm−フェニレンジアミン(m−PDA)の3質量%水溶液中に2分間浸漬した。支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルにより窒素を吹き付けることで、支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。40℃に制御した環境で、トリメシン酸クロリド(TMC)0.165質量%を含む40℃のデカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置し、その後、支持膜を垂直にして余分な溶液を液切りすることで除去した。こうして、支持膜上に架橋芳香族ポリアミドの層を形成した。得られた複合膜(ただし未修飾膜)について、孔半径および官能基比率を測定したところ、それぞれ0.38、1.30であった。
(比較例2)
TMC溶液の塗布までは比較例1と同様に行った。支持膜を100℃のオーブンに入れ、有機溶媒残存率が80%となるまで加熱した後、膜から余分な溶液を除去するために膜を垂直にして60秒液切りを行った。送風機を使い20℃の空気を30秒吹き付けて乾燥させた。得られた複合膜(ただし未修飾膜)について、孔半径および官能基比率を測定したところ、それぞれ0.12および0.92であった。
(比較例3)
比較例1で得られた複合半透膜を、酢酸と4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドをそれぞれ100mmol/Lの濃度で含むpH7の水溶液に25℃で24時間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬し、酢酸処理を経た複合半透膜を得た。
(比較例4)酢酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、酢酸と1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩をそれぞれ100mmol/Lの濃度で含むpH7の水溶液に25℃で24時間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例5)プロピオン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、プロピオン酸と4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドをそれぞれ100mmol/Lの濃度で含むpH7の水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例6)吉草酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、吉草酸と4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドをそれぞれ100mmol/Lの濃度で含むpH7の水溶液に25℃で24時間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例7)アセチルクロリド処理
比較例1で得られた複合半透膜を、アセチルクロリド100mmol/Lのデカン溶液に25℃で1時間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例8)プロピオニルクロリド処理
比較例1で得られた複合半透膜を、プロピオニルクロリド100mmol/Lのデカン溶液に25℃で1時間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例9)ペンタノイルクロリド処理
比較例1で得られた複合半透膜を、ペンタノイルクロリド100mmol/Lのデカン溶液に25℃で1時間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例10)安息香酸無水物処理
比較例1で得られた複合半透膜を、100mmol/Lの安息香酸無水物のイソプロパノール溶液に25℃で2分間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例11)トリメシン酸クロリド処理
比較例1で得られた複合半透膜に、トリメシン酸クロリド100mmol/Lを含むデカン溶液を表面が完全に濡れるようにコーティングして塗布し、25℃で2分間接触させた。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例12)メタンスルホン酸クロリド処理
比較例1で得られた複合半透膜に、メタンスルホン酸クロリド100mmol/Lを含むヘキサン溶液に25℃で1時間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例13)トリメシン酸クロリド処理
比較例2で得られた複合半透膜に、トリメシン酸クロリド100mmol/Lを含むデカン溶液を表面が完全に濡れるようにコーティングして塗布し、25℃で2分間接触させた。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例14)メタンスルホン酸クロリド処理
比較例2で得られた複合半透膜に、メタンスルホン酸クロリド100mmol/Lを含むヘキサン溶液に25℃で1時間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例15)4−(クロロカルボニル)ブタン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜に、4−(クロロカルボニル)ブタン酸100mmol/Lを含むアイソパーL溶液を表面が完全に濡れるようにコーティングして塗布し、25℃で1時間接触させた。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例16)4−カルボキシフタル酸無水物処理
比較例1で得られた複合半透膜に、4−カルボキシフタル酸無水物100mmol/Lを含むアイソパーL溶液を表面が完全に濡れるようにコーティングして塗布し、25℃で1時間接触させた。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例17)無水酢酸処理を経た複合半透膜
比較例1で得られた複合半透膜を、10mmol/Lの無水酢酸水溶液に25℃で1時間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬し得た。
(実施例1)プロパノール酸無水物処理
比較例1で得られた複合半透膜を、プロパノール酸無水物に25℃で2分間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例2)ヘキサン酸無水物処理
比較例1で得られた複合半透膜を、プロパノール酸無水物をヘキサン酸無水物に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(実施例3)シクロペンタン酸無水物処理
比較例1で得られた複合半透膜を、プロパノール酸無水物を100mmol/Lのシクロペンタン酸無水物のイソプロパノール溶液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(実施例4)
比較例1で得られた複合半透膜を、100mmol/Lの無水酢酸水溶液に25℃で2分間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例5)
比較例1で得られた複合半透膜を、濃度を20mmol/Lに変更した以外は、(実施例5)と同様の処理を行った。
(実施例6)
比較例1で得られた複合半透膜を、温度および時間を50℃および30秒に変更した以外は、(実施例5)と同様の処理を行った。
(実施例7)
比較例1で得られた複合半透膜に、100mmol/Lの無水酢酸水溶液を表面が完全に濡れるようにコーティングして塗布し、25℃で2分間接触させた。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例8)
比較例1で得られた複合半透膜と、供給水流路材、複合半透膜、透過水流路材、集水管、外套フィルム、および端板を有する複合半透膜エレメントを作製し、100mmol/Lの無水酢酸水溶液をエレメント内の全ての複合半透膜が濡れるように25℃で2時間通液処理した。その後、水を通液して洗浄し、得られたエレメントから複合半透膜を切り出した。
(実施例9)
比較例1で得られた複合半透膜を、無水酢酸に25℃で2分間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例10)
比較例1で得られた複合半透膜を、無水酢酸に50℃で30秒間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例11)
比較例1で得られた複合半透膜に、無水酢酸を表面が完全に濡れるように塗布し、25℃で2分間静置した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例12)
比較例2で得られた複合半透膜を、100mmol/Lの無水酢酸水溶液に25℃で2分間浸漬した。得られた複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例13)
比較例1で得られた複合半透膜を、プロパノール酸無水物を100mmol/Lのこはく酸無水物のイソプロパノール溶液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(実施例14)
比較例1で得られた複合半透膜を、プロパノール酸無水物を100mmol/Lの無水マレイン酸のイソプロパノール溶液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(実施例15)
比較例1で得られた複合半透膜を、プロパノール酸無水物を100mmol/Lのシトラコン酸無水物のイソプロパノール溶液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(実施例16)
比較例1で得られた複合半透膜を、プロパノール酸無水物を100mmol/Lのグルタル酸無水物のイソプロパノール溶液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(実施例17)
比較例1で得られた複合半透膜を、プロパノール酸無水物を100mmol/Lの3−メチルグルタル酸無水物のイソプロパノール溶液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(実施例18)
比較例1で得られた複合半透膜を、プロパノール酸無水物を100mmol/Lの3,3−ジメチルグルタル酸無水物のイソプロパノール溶液に変更した以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(7)結果
以上の比較例、実施例で得られた複合半透膜のアミノ基数密度/窒素原子数密度、初期性能、塩素劣化後性能を表3,4に示す。
実施の複合半透膜は、一般式(1)または(2)の構造を有すると共に、A≦2.0×10−3かつB≦2.2×10−3を満たした。一方で、比較例では少なくとも値Bがこの条件を満たさなかった。さらに比較例7−10では値Aもこの範囲を満たさなかった。その結果、実施例の複合半透膜は、塩素接触後もこれら比較例よりも高いホウ素除去率を有していた。
比較例3−6では、脂肪族カルボン酸と縮合剤による処理、比較例7−9では脂肪族酸クロリドによる処理を行った。実施例では、脂肪族カルボン酸誘導体により、縮合剤を用いない処理を行った。その結果、実施例の複合半透膜は、塩素接触後もこれら比較例よりも高いホウ素除去率を有していた。
比較例10では、芳香族カルボン酸無水物による処理、比較例11、13では芳香族酸クロリドによる処理、比較例12、14ではスルホン酸クロリドによる処理を行ったものである。実施例では、脂肪族カルボン酸誘導体による処理を行った。その結果、実施例の複合半透膜は、塩素接触後もこれら比較例よりも高いホウ素除去率を有していた。
比較例15では脂肪族ジカルボン酸誘導体による処理、比較例16では芳香族ジカルボン酸誘導体による処理を行った。その結果、実施例の複合半透膜は、塩素接触後もこれら比較例よりも高いホウ素除去率を有していた。
比較例17では、10mmol/Lの無水酢酸水溶液に浸漬する処理を行った。これに対して、無水酢酸水溶液濃度が20mmol/Lである実施例5の方が、塩素接触後のホウ素除去率が高かった。
Figure 2020091007
Figure 2020091007
Figure 2020091007
Figure 2020091007
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に制限されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
なお、本出願は、2018年10月31日出願の日本特許出願(特願2018−205292)および2018年11月30日出願の日本特許出願(特願2018−224645)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
本発明によれば、架橋芳香族ポリアミドによる高い塩除去性および透水性を利用しつつ、塩素接触後もホウ素除去率を維持することのできる複合半透膜を提供する。

Claims (12)

  1. 多孔性支持層と、前記多孔性支持層上に設けられた分離機能層を有する複合半透膜であって、前記分離機能層が架橋芳香族ポリアミドを含有し、かつ前記架橋芳香族ポリアミドが下記式(1)または(2)の少なくとも一方の構造を有し、
    Figure 2020091007
    (Ar〜Arは置換基を有していてもよい炭素数5〜14の芳香族環であり、Rは芳香族環とヘテロ原子のいずれも有さない原子団であり、Xは水素原子もしくはカルボキシ基であり、またR〜Rは水素原子または炭素数が1〜10の脂肪族鎖である。)
    かつ前記分離機能層について、タングステンによるラベル化を併用したラザフォード後方散乱法によって検出される下記A、及びBが下記式を満たす複合半透膜。
    A≦ 2.0×10−3
    B≦ 2.2×10−3
    A:表面(検出深さ1×1015atoms/cm)におけるアミノ基数密度/窒素原子数密度
    B:検出深さ1×1017atoms/cmにおけるアミノ基数密度/窒素原子数密度
  2. 前記A、及びBが下記式を満たす請求項1に記載の複合半透膜。
    1.4×10−3≦A≦ 2.0×10−3
    1.4×10−3≦B≦ 2.2×10−3
  3. 前記R〜Rが水素原子であり、Ar〜Arが置換基を有していてもよいベンゼン環である、請求項1または2に記載の複合半透膜。
  4. 前記Rの炭素数が1〜5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合半透膜。
  5. 前記架橋芳香族ポリアミドがm−フェニレンジアミンとトリメシン酸クロリドとの重合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合半透膜。
  6. 前記複合半透膜の前記分離機能層の、陽電子消滅寿命測定法により測定される平均孔半径が0.15nm以上0.65nm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合半透膜。
  7. 前記複合半透膜を、25℃、pH6.5、ホウ素濃度5ppm、およびTDS濃度3.5重量%の海水を5.5MPaの操作圧力で透過させたときの前記分離機能層のホウ素除去率が80%以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合半透膜。
  8. 前記複合半透膜の架橋芳香族ポリアミドの構造が前記式(1)であり、かつ前記RがCHであり、前記Xが水素原子である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合半透膜。
  9. 前記分離機能層が、アミノ基、カルボキシ基、芳香族アミド基を含み、1.00≦x+y≦1.50であり、
    芳香族アミド基は一般式(3)で表される官能基である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合半透膜。
    Figure 2020091007
    (WまたはWの少なくとも一方、かつXが芳香族環である。)
    x:13C固体NMRにより測定したカルボキシ基と芳香族アミド基のモル比(すなわちカルボキシ基/芳香族アミド基)
    y:13C固体NMRにより測定したアミノ基と芳香族アミド基のモル比(すなわちアミノ基/芳香族アミド基)
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合半透膜の製造方法であって、
    基材と、前記基材上の多孔性支持層とを有する膜の前記多孔性支持層上に、下記式(7)で表される構造を有する架橋芳香族ポリアミドを含有する層を形成する重合工程と、
    Figure 2020091007
    前記架橋芳香族ポリアミドに、下記式(4)〜(6)のいずれかで表される、20mmol/L以上の脂肪族カルボン酸誘導体を反応させることで、前記式(1)または(2)の少なくとも一方の構造を形成する修飾工程と
    を有する複合半透膜の製造方法。
    Figure 2020091007
    (Rは芳香族環とヘテロ原子のいずれも有さない原子団である。)
  11. 前記重合工程は、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸クロリドとを80℃以下で重縮合することで架橋芳香族ポリアミドを生成することを含む、請求項10に記載の複合半透膜の製造方法。
  12. 前記脂肪族カルボン酸誘導体が無水酢酸である、請求項10または11に記載の複合半透膜の製造方法。
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