JP2021098171A - 複合半透膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた分離性能と透過性能とを両立する複合半透膜を提供する。【解決手段】本発明の複合半透膜は、修飾された全芳香族ポリアミドを含有する分離機能層を備え、前記修飾された全芳香族ポリアミドは、全芳香族ポリアミドと、1つの全芳香族ポリアミド分子内の2つのアミノ基間を連結するか、または2つの全芳香族ポリアミド分子にそれぞれ含まれる2つのアミノ基間を連結するリンカーと、を有し、リンカーは芳香環を含まず、かつpH8において絶対値が1.4×10−19クーロン以上の負電荷を持つ官能基Wを有し、前記リンカーに含まれる2つの原子間の最長距離が2000pm以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、液状混合物の選択的分離に有用な半透膜に関し、高い溶質除去性と透水性とを併せ持つ複合半透膜に関するものである。
液状混合物の膜分離に使用される膜には、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜などがあり、これらの膜は、例えば塩分、有害物を含んだ水などから飲料水を得る場合や、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などに用いられている。
現在市販されている逆浸透膜およびナノろ過膜の大部分は複合半透膜である。複合半透膜とは複数の層を有する膜であり、特に広く用いられている複合半透膜は、多孔性支持層と、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸ハロゲン化物との重縮合反応によって得られる架橋全芳香族ポリアミドからなる分離機能層とを有する。
特開2001−79372号
本発明は、極めて優れた分離性能と透過性能とを両立する複合半透膜を提供することを目的とする。
本発明の複合半透膜は、基材および多孔性支持層を含む支持膜と、修飾された全芳香族ポリアミドを含有する分離機能層とを備える複合半透膜であって、前記修飾された全芳香族ポリアミドは、全芳香族ポリアミドと、1つの全芳香族ポリアミド分子内の2つのアミノ基間を連結するか、または2つの全芳香族ポリアミド分子にそれぞれ含まれる2つのアミノ基間を連結するリンカーと、を有し、リンカーは芳香環を含まず、かつpH8において絶対値が1.4×10−19クーロン以上の負電荷を持つ官能基Wを有し、前記リンカーに含まれる2つの原子間の最長距離が2000pm以下である。
本発明によれば、全芳香族ポリアミドのアミノ基間が負電荷を持つ官能基Wを有し2000pm以下の長さを持つリンカーで連結されるので、粗大孔の孔径が縮小され、同時にリンカーの負電荷によって、分離機能層中に新たな水チャネルが形成される。その結果、優れた分離性能及び透過性能の双方を有する複合半透膜を提供することができる。
[1.複合半透膜]
本実施形態にかかる複合半透膜は、支持膜と、支持膜上に形成される分離機能層とを備える。前記分離機能層は実質的に分離性能を有するものであり、支持膜は水を透過するものの実質的にイオン等の分離性能を有さず、分離機能層に強度を与えることができる。
(1)支持膜
本実施形態では、支持膜は、基材および多孔性支持層を備える。ただし、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、支持膜は、基材を持たず、多孔性支持層のみで構成されていてもよい。
(1−1)基材
基材としては、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体、及びこれらの混合物又は共重合体等が挙げられる。中でも、機械的、熱的に安定性の高いポリエステル系重合体の布帛が特に好ましい。布帛の形態としては、長繊維不織布や短繊維不織布、さらには織編物を好ましく用いることができる。
(1−2)多孔性支持層
本発明において多孔性支持層は、イオン等の分離性能を実質的に有さず、分離性能を実質的に有する分離機能層に強度を与えるためのものである。多孔性支持層の孔のサイズや分布は特に限定されない。例えば、均一で微細な孔、又は分離機能層が形成される側の表面からもう一方の面まで徐々に大きな微細孔をもち、かつ、分離機能層が形成される側の表面で微細孔の大きさが0.1nm以上100nm以下であるような多孔性支持層が好ましい。支持層に使用する材料やその形状は特に限定されない。
多孔性支持層の材料は、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエステル、セルロース系ポリマー、ビニルポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、及びポリフェニレンオキシド等のホモポリマー又はコポリマーを、単独で又は混合して使用することができる。ここでセルロース系ポリマーとしては酢酸セルロース、硝酸セルロースなど、ビニルポリマーとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルなどが使用できる。
中でもポリスルホン、ポリアミド、ポリエステル、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホンなどのホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。より好ましくは酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、またはポリフェニレンスルホンが挙げられる。さらに、これらの素材の中では化学的、機械的、熱的に安定性が高く、成型が容易であることからポリスルホンが一般的に使用できる。
ポリスルホンは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)でN−メチルピロリドンを溶媒に、ポリスチレンを標準物質として測定した場合の重量平均分子量(Mw)が、10000以上200000以下であることが好ましく、より好ましくは15000以上100000以下である。
ポリスルホンのMwが10000以上であることで、多孔性支持層として好ましい機械的強度および耐熱性を得ることができる。また、Mwが200000以下であることで、溶液の粘度が適切な範囲となり、良好な成形性を実現することができる。
また、ポリスルホンのMwは、複合半透膜から基材を剥がし、さらにポリスルホンは溶解するが分離機能層は溶解しないような溶媒(例えばジクロロメタン)を用いることでポリスルホンの溶液を得て、その溶液についてガスクロマトグラフによる分析を行って入手することができる。標準物質としてポリスチレンを用いることができる。
基材と多孔性支持層の厚みは、複合半透膜の強度及びそれをエレメントにしたときの充填密度に影響を与える。十分な機械的強度及び充填密度を得るためには、基材と多孔性支持層の厚みの合計が、30μm以上300μm以下であることが好ましく、100μm以上220μm以下であるとより好ましい。また、多孔性支持層の厚みは、20μm以上100μm以下であることが好ましい。なお、本書において、特に付記しない限り、厚みとは、平均値を意味する。ここで平均値とは相加平均値を表す。すなわち、基材と多孔性支持層の厚みは、断面観察で厚み方向に直交する方向(膜の面方向)に20μm間隔で測定した、20点の厚みの平均値を算出することで求められる。
(2)分離機能層
分離機能層は、修飾された全芳香族ポリアミドを含有する。特に、分離機能層は、修飾された全芳香族ポリアミドを主成分として含有することが好ましい。主成分とは分離機能層のうち、50重量%以上を占める成分を指す。分離機能層における修飾された全芳香族ポリアミドの含有率は80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましい。
修飾された全芳香族ポリアミドは、全芳香族ポリアミドとリンカーとを有する。
前記全芳香族ポリアミドは、下記一般式(A)に示す繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2021098171
(ArおよびArはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素数5〜14の芳香族環であり、RおよびRは水素原子または炭素原子が1〜10の炭化水素である。)
全芳香族ポリアミドは、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸クロリドとをモノマー成分として含むこと、言い換えると、全芳香族ポリアミドは、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸クロリドとの重合物であることが好ましい。多官能芳香族アミンおよび多官能芳香族酸クロリドの具体例は、製法の欄で述べる。
また、全芳香族ポリアミドは、直鎖であってもよいが、分岐を有することが好ましい。分岐を有する全芳香族ポリアミドを架橋全芳香族ポリアミドと呼ぶ。
リンカーは、1つの全芳香族ポリアミド分子内の2つのアミノ基間を連結するか、または2つの全芳香族ポリアミド分子にそれぞれ含まれる2つのアミノ基間を連結する。
リンカーは芳香環を含まず、かつpH8において絶対値が1.4×10−19クーロン以上の負電荷を持つ官能基Wを有する。また、リンカーに含まれる2つの原子間の最長距離(この値をリンカー長と呼ぶ)が2000pm以下である。
リンカーの官能基Wは第3周期元素を含むことが好ましい。第3周期元素は、リンまたは硫黄の少なくとも一方を含むことがさらに好ましい。
また、修飾された全芳香族ポリアミドが、リンカーとして下記一般式(1)〜(4)から選択される少なくとも1種の構造を有することが好ましい。
Figure 2021098171
Xは炭素数1から3の炭化水素であり、Y〜Yは水素またはヒドロキシル基であり、YまたはYのうち少なくとも一方、およびY〜Yのうち少なくとも一方は水素である。さらにBは下記構造群(5)から選ばれる少なくとも1種の官能基である。
Figure 2021098171
また多孔性支持層の厚みが20μm以上100μm以下であり、多孔性支持層がポリスチレンを標準物質として測定した場合の重量平均分子量(Mw)が10000以上200000以下であるポリスルホンを含有する場合に、横及び縦5mmの間隔で分離機能層表面の全反射赤外吸収スペクトルを測定して得られるそれぞれ49個のピーク強度比I1060/I1020およびピーク強度比I1260/I1020のうち、6.5〜10.5であるピーク強度比I1060/I1020の数N1、および6.5〜10.5であるピーク強度比I1260/I1020の数N2が、N1+N2≧35を満たすことが好ましい。
1020:1020cm−1における吸収ピーク値
1060:1060cm−1における吸収ピーク値
1260:1260cm−1における吸収ピーク値
1060はリン酸基に由来し、I1260はスルホ基に由来し、I1020は多孔性支持層に由来する。つまり、それぞれのピーク強度比は、リン酸基およびスルホ基に由来する吸収ピークを多孔性支持層に由来する吸収ピークで標準化した値である。
N1+N2≧35が満たされると、良好な透水性および除去性能が得られる。
〔2.複合半透膜の製造方法〕
(2−1)分離機能層の形成工程
上記複合半透膜の製造方法の一例として、本欄では、重合工程および修飾工程を有する分離機能層の形成工程について説明する。
<重合工程>
重合工程は、基材と、前記基材上の多孔性支持層と、を有する支持膜上に全芳香族ポリアミドを含有する層を形成する工程である。
重合工程は、具体的には、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸クロリドとを重縮合することで全芳香族ポリアミドを形成する工程であり、より具体的には、多官能芳香族アミンを含有する水溶液を多孔性支持層上に塗布する工程と、その後に、多孔性支持層に多官能芳香族酸クロリド溶液を塗布する工程とを有する。
多官能芳香族アミンおよび多官能芳香族酸クロリドの少なくとも一方が3官能以上であることが好ましい。これにより、剛直な分子鎖が得られ、水和イオンやホウ素などの微細な溶質を除去するための良好な孔構造が形成される。
多官能芳香族アミンとは、一分子中に第一級アミノ基及び第二級アミノ基のうち少なくとも一方のアミノ基を2個以上有し、かつ、アミノ基のうち少なくとも1つは第一級アミノ基である芳香族アミンである。多官能芳香族アミンとしては、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、o−ジアミノピリジン、m−ジアミノピリジンおよびp−ジアミノピリジン等のオルト位、メタ位またはパラ位のいずれかの位置関係で芳香環に結合した2個のアミノ基を有する化合物、並びに、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、3−アミノベンジルアミン、4−アミノベンジルアミン等などが例示される。これらの多官能芳香族アミンのうち1種類が用いられてもよいし、複数種類が組み合わされて用いられてもよい。多官能芳香族アミンのうち、特に、選択分離性、透過性および耐熱性に優れた膜が得られるという点で、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンおよび1,3,5−トリアミノベンゼンの少なくとも1種の化合物が好適に用いられる。中でも、入手の容易性や取り扱いのしやすさから、m−フェニレンジアミンが好ましい。
多官能芳香族酸クロリドは、一分子中に少なくとも2個のクロロカルボニル基を有する芳香族酸クロリドである。3官能酸クロリドとしては、トリメシン酸クロリドなどが例示され、2官能酸クロリドとしては、ビフェニルジカルボン酸ジクロリド、アゾベンゼンジカルボン酸ジクロリド、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、ナフタレンジカルボン酸クロリド等が例示される。これらの多官能芳香族酸クロリドのうち1種類が用いられてもよいし、複数種類が組み合わされて用いられてもよい。多官能芳香族酸クロリドのうち、特に、選択分離性、透過性および耐熱性に優れた膜が得られるという点で、一分子中に2〜4個の塩化カルボニル基を有する多官能芳香族酸クロリドが好ましく、トリメシン酸クロリドがより好ましい。
m−フェニレンジアミンとトリメシン酸クロリドと組み合わせが特に好ましい。
多官能芳香族アミン水溶液における多官能芳香族アミンの濃度は0.1重量%以上20重量%以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上15重量%以下の範囲内である。多官能芳香族アミンの濃度がこの範囲であると十分な溶質除去性能および透水性を得ることができる。
多孔性支持層への多官能芳香族アミン水溶液の塗布は、多孔性支持層上に均一かつ連続的に行うことが好ましい。具体的には、多孔性支持層表面に多官能芳香族アミン水溶液をコーティングする方法や、支持膜を多官能芳香族アミン水溶液に浸漬する方法などを挙げることができる。
多孔性支持層に多官能芳香族アミン水溶液を塗布してから液切りするまでの時間は、1秒以上10分間以下であることが好ましく、10秒以上3分間以下であるとさらに好ましい。
多官能芳香族アミン水溶液を多孔性支持層に接触させた後は、膜上に液滴が残らないように液切りする。液切りすることで、液滴残存部分が分離機能層の欠点となって除去性能が低下することを防ぐことができる。液切りの方法としては、多官能芳香族アミン水溶液接触後の支持膜を垂直方向に把持して過剰の水溶液を自然流下させる方法、エアーノズルから窒素などの気流を吹き付け、強制的に液切りする方法などを用いることができる。また、液切り後、膜面を乾燥させて水溶液の水分を一部除去することもできる。
有機溶媒溶液中の多官能芳香族酸クロリドの濃度は、0.01重量%以上10重量%以下の範囲内であると好ましく、0.02重量%以上2.0重量%以下の範囲内であるとさらに好ましい。0.01重量%以上とすることで十分な反応速度が得られ、また、10重量%以下とすることで副反応の発生を抑制することができるためである。
有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ多官能芳香族酸クロリドを溶解し、支持膜を破壊しないものが好ましく、多官能芳香族アミンおよび多官能芳香族酸クロリドに対して不活性であるものであればよい。好ましい例として、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、イソオクタン、イソデカン、イソドデカンなどの炭化水素化合物および混合溶媒が挙げられる。
多官能芳香族酸クロリドの有機溶媒溶液の多孔性支持層への接触は、多官能芳香族アミン水溶液の多孔性支持層への被覆方法と同様に行えばよい。
接触後、多官能芳香族アミン水溶液と同様に、液切りしてもよい。液切りには、多官能芳香族アミン水溶液について挙げた以外に、水とエアーの混合流体を用いることもできる。 多官能芳香族アミン水溶液と多官能芳香族酸クロリド溶液との界面で、モノマーである多官能アミノと多官能芳香族酸クロリドとが重縮合することで、全芳香族ポリアミドが生成される。
こうして得られた膜を熱水で洗浄することで、未反応のモノマーを除去することができる。熱水の温度は40℃以上100℃以下、好ましくは60℃以上100℃以下である。
修飾工程前であっても全芳香族ポリアミド含有層は分離機能を有するので、この層を分離機能層と呼び、基材、多孔性支持層および全芳香族ポリアミド含有層を有する複合膜を複合半透膜と呼ぶことがある。ただし、修飾工程後の分離機能層と区別したい場合、修飾工程前の全芳香族ポリアミド含有層を「未修飾層」と呼び、修飾工程後の複合半透膜と区別したい場合、修飾工程前の膜を「未修飾膜」と呼ぶ。
<修飾工程>
修飾工程は、リンカー剤を前記全芳香族ポリアミドに反応させることで、前記全芳香族ポリアミドのアミノ基を介して分子内または分子間を架橋する工程である。
リンカー剤は、アミノ基と反応性を有する2つの官能基と、pH8において絶対値が1.4×10−19クーロン以上の負電荷を持つ官能基Wとを有し、芳香環を含まない。また、リンカー剤に含まれる2つの原子間の最長距離は2000pm以下である。
リンカー剤としては、具体的には下記(i)〜(vi)から選択される少なくとも1種の化合物を用いることが好ましい。
Figure 2021098171
(但し、Zは水素原子もしくはハロゲン原子、Zはハロゲン原子もしくはヘテロ原子団である。)
上述の構造(1)〜(4)は、リンカー剤(i)〜(vi)によって得られる。(1)はZがハロゲン原子である(ii)を用いた際に得られ、(2)は(i)、Zが水素原子である(ii)、または(iii)を用いた際に得られ、(3)はZがハロゲン原子である(v)を用いた際に得られ、(4)は(iv)、Zが水素原子である(v)、または(vi)を用いた際に得られる。
本工程は、全芳香族ポリアミドを含有する層にこれらの化合物を含有する溶液を塗布する工程を含んでもよい。溶液の溶媒は、支持膜を変質させない溶媒であればよく、例えば水、イソプロパノール、デカンが好ましい。また、これらの化合物が液体であれば、溶媒を添加せずにそのまま用いてもよい。
リンカー剤を含む溶液または液状のリンカー剤は、全芳香族ポリアミド含有層上にコーティングしてもよいし、複合膜を浸漬することで反応させてもよい。また、後述するエレメントに組み込まれた複合膜にリンカー剤を含む溶液または液状のリンカー剤を通液することで反応させてもよい。
本工程の反応時間および温度は、リンカー剤の種類、塗布方法により適宜調整可能である。
(2−2)その他の工程
複合半透膜の製造方法は、上記分離機能層の形成工程の前に、基材上に多孔性支持層を形成する工程を備えてもよい。基材および多孔性支持層の材料および構成については上述したとおりである。例えば、ポリスルホンのN,N−ジメチルホルムアミド(以降、DMFと記載)溶液を、密に織ったポリエステル布又は不織布の上に一定の厚さに注型し、それを水中で湿式凝固させればよい。本工程により、表面の大部分が直径数10nm以下の微細な孔を有する多孔性支持層を得ることができる。
また、分離機能層を形成した後に種々の後処理を行ってもよい。
〔3.複合半透膜の利用〕
複合半透膜は、スパイラル型のエレメントとして好適に用いられる。スパイラル型のエレメントは、複合半透膜、プラスチックネットなどの供給水流路材、トリコットなどの透過水流路材、円筒状の集水管、端板等を備える。給水流路材、複合半透膜、透過水流路材は順に重ねられ、さらに集水管の周囲に巻回される。必要に応じて最外面にフィルムまたはフィラメントが巻き付けられている。端板は巻回体の両端に取り付けられる。
さらに、エレメントはモジュールに適用可能である。モジュールは、圧力容器と、圧力容器内に収容される1つまたは複数のエレメントとを備える。
モジュールは流体分離装置に適用される。流体分離装置は、モジュール、モジュールに供給水を供給するポンプ、供給水を前処理する装置などを有する。流体分離装置は、供給水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離することができる。
上記複合半透膜によって処理される供給水としては、海水、かん水、排水等の500mg/L以上100g/L以下のTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する液状混合物が挙げられる。一般に、TDSは総溶解固形分量を指し、「質量÷体積」あるいは「重量比」で表される。定義によれば、0.45ミクロンのフィルターで濾過した溶液を39.5℃以上40.5℃以下の温度で蒸発させ残留物の重さから算出できるが、より簡便には実用塩分(S)から換算される。
流体分離装置の操作圧力は高い方が溶質除去率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、複合半透膜の耐久性を考慮すると、複合半透膜に被処理水を透過する際の操作圧力は、0.5MPa以上、10MPa以下が好ましい。供給水温度は、高くなると溶質除去率が低下するが、低くなるにしたがい膜透過流束も減少するので、5℃以上、45℃以下が好ましい。また、供給水pHが高くなると、海水などの高溶質濃度の供給水の場合、マグネシウムなどのスケールが発生する恐れがあり、また、高pH運転による膜の劣化が懸念されるため、中性領域での運転が好ましい。
以下、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、以下では、修飾工程の前後にかかわらず、「分離機能層」および「複合半透膜」との用語を用いることがある。
(1)IR測定によるピーク強度比の測定
(試料調製)
膜サンプルを、85℃の熱水で2分洗浄した後、40℃に保った真空乾燥器で、真空状態で3時間乾燥させた。
(赤外吸収スペクトル(IRスペクトル))
IRスペクトルの測定は、全反射赤外分光法(ATR)で測定した。測定機械には、Nicolet(株)製Avatar360FT−IR測定機を用い、全反射測定用のアクセサリーとして同社製の一回反射型水平状ATR測定装置(OMNI−Sampler)およびゲルマニウム製のATRクリスタルを用いて、試料表面を測定した。測定条件として、分解能を4cm−1、スキャン回数を256回に設定し、上記条件で調製した複合半透膜について測定を行った。得られるスペクトルは吸光度で表し、オートベースライン補正を行った。
前記複合半透膜について、複合半透膜を3cm*3cmのサイズに裁断し、分離機能層表面において、横及び縦5mmの間隔で全反射赤外吸収スペクトルを測定し、49個の測定データを得た。得られた49個の測定データのうち、ピーク強度比(I1060/I1020、もしくはI1260/I1020)が6.5〜10.5である測定データの個数を求めた。
(2)複合半透膜の性能評価
下記(3)で得られた複合半透膜について、下記に記載する条件にて性能評価を行った。性能評価結果を後述の表に示す。
性能評価は以下のとおり行った。温度25℃、pH6.5に調整した海水(TDS濃度3.5%)を操作圧力5.5MPaで供給して、透過水を得た。
得られた透過水のTDSから、次の式により塩除去率を求めた。
塩除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}
また、上述の条件で得られた、膜面1平方メートル当たりの1日の透水量(立方メートル)から、透過水量(m/m/日)を求めた。
さらに、次の式からホウ素除去率を求めた。
ホウ素除去率(%)=100×{1−(透過水中のホウ素濃度/供給水中のホウ素濃度)}
なお原水および透過水の中のホウ素濃度は、脱塩性能測定時のサンプル液を採取しておき、ICP発光分析装置(アジレント・テクノロジー社製5110 ICP−OES)を用いて測定した。
(3)膜の作製
(比較例1)
基材であるポリエステル不織布(通気量2.0cc/cm/sec)上に、ポリスルホンの16.0質量%DMF溶液を25℃の条件下で200μmの厚みでキャストした。これをただちに純水中に浸漬して5分間放置することによって凝固させた。こうして、基材と多孔性支持層とを有する支持膜を作製した。
得られた支持膜をm−フェニレンジアミン(m−PDA)の3質量%水溶液中に2分間浸漬した。支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルにより窒素を吹き付けることで、支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。40℃に制御した環境で、トリメシン酸クロリド(TMC)0.165質量%を含む40℃のデカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置し、その後、支持膜を垂直にして余分な溶液を液切りすることで除去した。こうして、支持膜上に全芳香族ポリアミドの層を形成した。
(比較例2)
m−フェニレンジアミン(m−PDA)の濃度、トリメシン酸クロリド(TMC)の濃度、環境温度およびTMC溶液の温度、TMC溶液の溶媒を下記表1のとおりとし、さらにTMC溶液に下記表1の添加剤を加えた以外は、比較例1と同様にして、支持膜上に全芳香族ポリアミドの層を形成した。
(比較例3)
m−フェニレンジアミン(m−PDA)の濃度、トリメシン酸クロリド(TMC)の濃度、環境温度およびTMC溶液の温度、TMC溶液の溶媒を下記表1のとおりとし、さらにTMC溶液に下記表1の添加剤を加えた以外は、比較例1と同様にして、支持膜上に全芳香族ポリアミドの層を形成した。
(比較例4)ヘキサメチレンビス(グリシジルジメチルアンモニウム)ジクロライド処理
比較例1で得られた複合半透膜を、ヘキサメチレンビス(グリシジルジメチルアンモニウム)ジクロライドの3質量%水溶液に25℃で5分間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(比較例5)(2−メタクリロイルオキシ)エチル[(2−トリメチルアンモニオ)エチル]ホスフェートとアクリル酸の重合体による処理
(2−メタクリロイルオキシ)エチル[(2−トリメチルアンモニオ)エチル]ホスフェートとアクリル酸をモル比1:1で仕込み、窒素でバブリングを行った純水に溶解、混合した後、開始剤である過硫酸ナトリウムを添加して、70℃で2時間重合反応を行い、ポリマー溶液を得た。
比較例1で得られた複合半透膜を、上記で得たポリマー1質量%、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド1.0質量%の濃度で含むpH7の水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例1)ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸の1質量%水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例2)ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸の1質量%水溶液に50℃で2時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例3)ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸の1質量%水溶液を表面が完全に濡れるようにコーティングして塗布し、25℃で24時間接触させた。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例4)ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜と、供給水流路材、複合半透膜、透過水流路材、集水管、外套フィルム、および端板を有する複合半透膜エレメントを作製し、ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸の1質量%水溶液をエレメント内の全ての複合半透膜が濡れるように25℃で24時間通液処理した。その後、水を通液して洗浄し、得られたエレメントから複合半透膜を切り出した。
(実施例5)ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸の1質量%イソプロパノール溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例6)ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸の1質量%デカン溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例7)ビス(2−(オキシラン−2−イル)エチル)リン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、ビス(2−(オキシラン−2−イル)エチル)リン酸の1質量%水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例8)ビス(3−オキソプロピル)リン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、ビス(3−オキソプロピル)リン酸の1質量%水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例9)ビス(3−クロロ−3−オキソプロピル)リン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、ビス(3−クロロ−3−オキソプロピル)リン酸の1質量%デカン溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例10)ビス(2−ブロモエチル)リン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、ビス(2−ブロモエチル)リン酸の1質量%水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例11)(ビス(オキシラン−2−イルメチル)アミノ)メタンスルホン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、(ビス(オキシラン−2−イルメチル)アミノ)メタンスルホン酸の1質量%水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例12)2−(ビス(オキシラン−2−イルメチル)アミノ)エタン−1−スルホン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、2−(ビス(オキシラン−2−イルメチル)アミノ)エタン−1−スルホン酸の1質量%水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例13)(ビス(オキシラン−2−イルメチル)アミノ)メチルホスホン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、(ビス(オキシラン−2−イルメチル)アミノ)メチルホスホン酸の1質量%水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例14)(ビス(3−オキソプロピル)アミノ)メタンスルホン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、(ビス(3−オキソプロピル)アミノ)メタンスルホン酸の1質量%水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例15)(ビス(3−クロロ−3−オキソプロピル)アミノ)メタンスルホン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、(ビス(3−クロロ−3−オキソプロピル)アミノ)メタンスルホン酸の1質量%水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例16)(ビス(2−ブロモエチル)アミノ)メタンスルホン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、(ビス(2−ブロモエチル)アミノ)メタンスルホン酸の1質量%水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(実施例17)ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸、(ビス(オキシラン−2−イルメチル)アミノ)メタンスルホン酸処理
比較例1で得られた複合半透膜を、ビス(オキシラン−2−イルメチル)リン酸0.5質量%、(ビス(オキシラン−2−イルメチル)アミノ)メタンスルホン酸0.5質量%水溶液に25℃で24時間浸漬した。その後、複合半透膜をRO水に10分間浸漬した。
(4)結果
以上の比較例、実施例で得られた、IR測定によるピーク強度比に関する該当データ個数、製造時性能を表1,2に示す。
実施例の複合半透膜は、3cm四方の前記複合半透膜において、横及び縦5mmの間隔で分離機能層表面の全反射赤外吸収スペクトルを測定して得られる49個のピーク強度比に関し、I1060/I1020、もしくはI1260/I1020のいずれか一方において、35個以上のピーク強度比が6.5〜10.5であった。一方で比較例の複合半透膜は上記条件を満たさなかった。さらに実施例の複合半透膜は、比較例の複合半透膜よりも高い製造時性能(塩除去率、透過水量、ホウ素除去率)を有していた。
Figure 2021098171
Figure 2021098171
Figure 2021098171
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に制限されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明は、極めて優れた分離性能と透過性能とを両立する、複合半透膜を提供することを目的とする。

Claims (9)

  1. 基材および多孔性支持層を含む支持膜と、修飾された全芳香族ポリアミドを含有する分離機能層とを備える複合半透膜であって、
    前記修飾された全芳香族ポリアミドは、
    全芳香族ポリアミドと、
    1つの全芳香族ポリアミド分子内の2つのアミノ基間を連結するか、または2つの全芳香族ポリアミド分子にそれぞれ含まれる2つのアミノ基間を連結するリンカーと、を有し、
    リンカーは芳香環を含まず、かつpH8において絶対値が1.4×10−19クーロン以上の負電荷を持つ官能基Wを有し、
    前記リンカーに含まれる2つの原子間の最長距離が2000pm以下である
    複合半透膜。
  2. 前記官能基Wが第3周期元素を含む
    請求項1に記載の複合半透膜。
  3. 前記官能基Wは、リンまたは硫黄の少なくとも一方を含む
    請求項2に記載の複合半透膜。
  4. 前記修飾された全芳香族ポリアミドが、前記リンカーとして下記一般式(2)〜(4)から選択される少なくとも1種の構造を有する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合半透膜。
    Figure 2021098171
    (但し、nは0または1の整数、Xは炭素数1から3の炭化水素であり、Y〜Yは水素またはヒドロキシル基であり、YまたはYのうち少なくとも一方、およびY〜Yのうち少なくとも一方は水素である。さらにBは下記構造群(5)から選ばれる少なくとも1種の官能基である。)
    Figure 2021098171
  5. 前記多孔性支持層は、厚みが20μm以上100μm以下であり、さらにポリスチレンを標準物質として測定した場合の重量平均分子量(Mw)が10000以上200000以下であるポリスルホンを含有する場合に、
    横及び縦5mmの間隔で分離機能層表面の全反射赤外吸収スペクトルを測定して得られるそれぞれ49個のピーク強度比I1060/I1020およびピーク強度比I1260/I1020のうち、6.5〜10.5であるピーク強度比I1060/I1020の数N1、および6.5〜10.5であるピーク強度比I1260/I1020の数N2が、N1+N2≧35を満たす
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合半透膜。
    1020:1020cm−1における吸収ピーク値
    1060:1060cm−1における吸収ピーク値
    1260:1260cm−1における吸収ピーク値
  6. 全芳香族ポリアミドに含まれる芳香族環は、置換基を有してもよいベンゼン環であり、アミド結合に関与するR〜Rが水素原子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合半透膜。
  7. 前記複合半透膜は、5.5MPaの操作圧力において、25℃、pH6.5、ホウ素濃度5ppm、およびTDS濃度3.5重量%の海水に対して、80%以上のホウ素除去率を示す、
    請求項1〜6のいずれかに記載の複合半透膜。
  8. 基材と、前記基材上の多孔性支持層と、を有する支持膜上に全芳香族ポリアミドを含有する層を形成する工程と、
    リンカー剤を前記全芳香族ポリアミドに反応させることで、前記全芳香族ポリアミドのアミノ基を介して分子内または分子間を架橋する工程と
    を有する複合半透膜の製造方法であって、
    前記リンカー剤は、アミノ基と反応性を有する2つの官能基と、pH8において絶対値が1.4×10−19クーロン以上の負電荷を持つ官能基Wとを有し、芳香環を含まず、
    前記リンカー剤に含まれる2つの原子間の最長距離が2000pm以下である
    複合半透膜の製造方法。
  9. 前記リンカー剤が下記構造(i)〜(vi)から選択される少なくとも1種の化合物である、
    請求項8に記載の複合半透膜の製造方法。
    Figure 2021098171
    (但し、Zは水素原子もしくはハロゲン原子、Zはハロゲン原子もしくはヘテロ原子団である。)
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