以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1〜図13を参照して、本発明の第1実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
部品実装装置100は、ダイシングされたウェハWから部品Eを取り出して基板Pに実装(搭載)する装置である。基板Pは、たとえば、プリント基板である。また、部品Eは、ベアチップ(半導体チップ)である。
部品実装装置100は、図1に示すように、ウェハ収納部1と、ウェハ保持テーブル2と、ヘッドユニット3と、基板搬送部4と、記憶部5と、制御部6とを備えている。ウェハ収納部1は、ダイシングされた複数のウェハWを収納可能に構成されている。ダイシングされたウェハWは、ウェハシートWSに貼り付けられている。ウェハシートWSは、伸縮性を有する粘着シートであり、表面上にウェハWの部品Eを貼付可能に構成されている。ダイシングされたウェハWは、ウェハシートWSに貼り付けられた状態で、ウェハ収納部1に収納されている。ウェハ収納部1は、ウェハシートWSに貼り付けられたウェハWをウェハ保持テーブル2に供給可能に構成されている。
ウェハ保持テーブル2は、ウェハ収納部1から供給されたウェハWを保持するように構成されている。具体的には、ウェハ保持テーブル2は、ウェハシートWSに貼り付けられたウェハWを保持するように構成されている。ヘッドユニット3は、ウェハ保持テーブル2に保持されたウェハWから部品Eを吸着し、吸着した部品Eを基板Pに実装するように構成されている。ヘッドユニット3は、駆動部(図示せず)により駆動されることにより、装置内で水平方向に移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット3は、ウェハ保持テーブル2に保持されたウェハWと、基板搬送部4により保持された基板Pとの間を移動可能に構成されている。
また、ヘッドユニット3は、部品Eを基板Pに実装する複数のヘッド31を含んでいる。ヘッド31は、駆動部(図示せず)により駆動されることにより、上下方向に移動可能に構成されている。ヘッド31は、下降した状態で、ウェハWから部品Eを吸着するように構成されている。また、ヘッド31は、下降した状態で、吸着した部品Eを基板Pに実装するように構成されている。また、ヘッド31は、負圧源(図示せず)に接続されている。ヘッド31は、負圧源から供給された負圧により、先端に部品Eを吸着するように構成されている。また、ヘッド31は、負圧源からの負圧の供給が解除されることにより、先端に吸着した部品Eの吸着を解除して、先端に吸着した部品Eを基板Pに実装するように構成されている。
基板搬送部4は、たとえば、一対のコンベアベルトにより、基板Pの両端を支持して搬送するベルトコンベアである。基板搬送部4は、基板Pを搬入、搬送および搬出するように構成されている。また、基板搬送部4は、搬送路上の基板固定位置において、クランプ機構などの基板固定機構(図示せず)により基板Pを固定するように構成されている。ヘッドユニット3は、基板搬送部4により保持(固定)された基板Pに対して、部品Eの実装を行う。
記憶部5は、たとえばフラッシュメモリなどの記憶媒体であり、情報を記憶するように構成されている。記憶部5は、ウェハWに関する情報であるウェハマップWMが記憶されるように構成されている。ウェハマップWMは、ウェハWにおける部品Eの位置情報と、ウェハWにおける部品Eのランク情報とを含んでいる。記憶部5は、基板Pへの部品Eの実装に用いられるウェハW毎のウェハマップWが記憶されるように構成されている。制御部6は、部品実装装置100の動作を制御する制御回路である。制御部6は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)を含んでいる。
図2に示すように、ウェハWは、マトリクス状に並んで配置された複数の部品Eを含んでいる。複数の部品Eは、マトリクス状に並んだ状態で、ウェハシートWSに貼付されている。このため、ウェハWにおける部品Eの位置は、行番号と列番号との組み合わせにより特定可能である。ウェハマップWMの部品Eの位置情報は、ウェハWにおける部品Eの行番号と列番号との組み合わせの情報を含んでいる。
また、複数の部品Eには、予め行われた検査(たとえば、電気特性検査など)の結果に基づいて、良/不良が設定されている。不良品である部品Eは、基板Pへの実装には用いられない。良品である部品Eのみが基板Pへの実装に用いられる。また、良品である部品Eには、予め行われた検査の結果に基づいて、品質に応じたランクが設定されている。ウェハマップWMの部品Eのランク情報は、ウェハWの部品E毎の良/不良の情報およびランクの情報を含んでいる。なお、第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、良品である部品Eが「ランク1」と「ランク2」との2つのランクに分けられている例について説明する。しかしながら、良品である部品Eは、3つ以上のランクに分けられていてもよい。
図3(A)に示すように、基板Pは、複数のパッケージ領域P1を含んでいる。パッケージ領域P1は、製品になる単位を示している。複数のパッケージ領域P1の各々は、基板Pの生産完了後に互いに分割されて、個別に製品になる。複数のパッケージ領域P1の各々には、同じ種類の部品Eが同じ数だけ実装される。なお、第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、基板Pが4行×10列の40個のパッケージ領域P1を含んでいる例について説明する。しかしながら、基板Pは、40個以外の複数のパッケージ領域P1を含んでいてもよい。また、第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、1個のパッケージ領域P1に2個の部品E(1基板に合計80個の部品E)が実装される例について説明する。しかしながら、1個のパッケージ領域P1には、3個以上の部品Eが実装されてもよい。
図3(B)に示すように、制御部6は、基板Pのパッケージ領域P1毎に、実装するヘッド31を割り当てる制御を行うように構成されている。また、制御部6は、割り当てられたパッケージ領域P1に部品Eを実装するように、ヘッド31を制御するように構成されている。なお、第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、ヘッドユニット3が10本のヘッド31を含み、10本のヘッド31のうち1番目〜10番目のヘッド31(ヘッド1〜10)のそれぞれに、1列目〜10列目の4個のパッケージ領域P1がそれぞれ割り当てられている例について説明する。しかしながら、ヘッドユニット3は、10本以外の複数のヘッド31を含んでいてもよい。
ここで、図4(A)〜(D)を参照して、基板Pのパッケージ領域P1への部品Eの実装について説明する。図4(A)〜(D)に示すように、ウェハWから部品Eを部品Eの並び順に吸着し、単純に端のパッケージ領域P1から順に部品Eを実装した場合、パッケージ領域P1に異なるランクの部品Eが実装されたり、同じランクの部品Eが実装されたりする。このため、複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eを実装することができない。
そこで、第1実施形態では、図5〜図13に示すように、制御部6は、ウェハWから部品Eを部品Eの並び順に吸着しつつ、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部6は、ウェハマップWMの良品の並び順にウェハWから部品Eを吸着しつつ、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。制御部6は、ウェハマップWMの部品Eの位置情報およびランク情報に基づいて、良品の並び順にウェハWから部品Eを吸着する制御を行うように構成されている。また、制御部6は、ウェハマップWMの部品Eのランク情報に基づいて、ウェハWにおける部品Eのランクの並び順を取得するとともに、ウェハWにおける部品Eのランクの並び順に応じて、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。
また、第1実施形態では、制御部6は、基板Pの生産中に、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部6は、部品Eの実装先である基板Pが新たな基板Pに入れ替わる毎に、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。この際、図5に示すように、制御部6は、1基板分の吸着対象の部品E(たとえば、80個の部品E)の全部について、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。
なお、1基板分の吸着対象の部品Eの数よりもウェハWの残りの部品Eの数が少ない場合、1基板分の吸着対象の部品E(たとえば、80個の部品E)の全部について、基板Pへの部品Eの移載順序を変更することができない。このため、この場合には、制御部6は、1基板分の吸着対象の部品EのうちウェハWの残りの部品Eの数分の部品Eについて、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。そして、部品Eの吸着先であるウェハWが新たなウェハWに入れ替わった場合、制御部6は、1基板分の吸着対象の部品Eのうち移載順序が未変更の残りの部品Eについて、基板Pへの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。これにより、制御部6は、部品Eの吸着先であるウェハWが新たなウェハWに入れ替わる毎に、基板Pへの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。
また、第1実施形態では、制御部6は、変更した部品Eの移載順序に基づいて基板Pに部品Eを移載して実装するように、ヘッドユニット3のヘッド31を制御するように構成されている。具体的には、制御部6は、割り当てられたパッケージ領域P1に同じランクの部品Eが実装されるように、部品Eを吸着するように、ヘッドユニット3のヘッド31を制御するように構成されている。より具体的には、制御部6は、割り当てられたパッケージ領域P1に部品Eが実装されている場合、実装されている部品Eと同じランクの部品Eが割り当てられたパッケージ領域P1に実装されるように、部品Eを吸着するように、ヘッドユニット3のヘッド31を制御するように構成されている。
図5〜図13に示す例では、まず、図5に示すように、1基板分の吸着対象の部品Eである80個の部品Eについて、基板Pへの部品Eの移載順序の変更が行われる。具体的には、ウェハWの右上の端の部品Eを1番目の部品Eとして、1番目の部品Eから部品Eの並び順に80番目の部品Eまでの部品Eについて、基板Pへの部品Eの移載順序の変更が行われる。この際、ウェハマップWMの部品Eのランク情報に基づいて、移載順序の変更対象である部品E(80個の部品E)についてウェハWにおけるランクの並び順が取得され、取得されたウェハWにおける部品Eのランクの並び順に応じて、基板Pへの部品Eの移載順序の変更が行われる。そして、ウェハWから部品Eを部品Eの並び順に吸着しつつ、変更された部品Eの移載順序に基づいて、図6〜図13に示すように、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々への部品Eの実装が行われる。
図6に示すように、10部品が実装された状態では、ウェハWから1番目〜10番目の部品Eが部品Eの並び順に吸着されている。また、10部品が実装された状態では、基板Pの1行目のパッケージ領域P1に部品Eが実装されている。また、図7に示すように、20部品が実装された状態では、ウェハWから11番目〜20番目の部品Eがさらに部品Eの並び順に吸着されている。また、20部品が実装された状態では、基板Pの1行目のパッケージ領域P1のみに部品Eの実装が行われるとパッケージ領域P1に同じランクの部品Eを実装することができないため、基板Pの1行目のパッケージ領域P1だけでなく、基板Pの2行目のパッケージ領域P1の一部にも部品Eが実装されている。
また、図8に示すように、30部品が実装された状態では、ウェハWから21番目〜30番目の部品Eがさらに部品Eの並び順に吸着されている。また、30部品が実装された状態では、同じランクの部品Eが実装されるように、基板Pの1行目および2行目のパッケージ領域P1に部品Eが実装されている。また、図9に示すように、40部品が実装された状態では、ウェハWから31番目〜40番目の部品Eがさらに部品Eの並び順に吸着されている。また、40部品が実装された状態では、基板Pの1行目および2行目のパッケージ領域P1のみに部品Eの実装が行われるとパッケージ領域P1に同じランクの部品Eを実装することができないため、基板Pの1行目および2行目のパッケージ領域P1だけでなく、基板Pの3行目のパッケージ領域P1の一部にも部品Eが実装されている。
また、図10に示すように、50部品が実装された状態では、ウェハWから41番目〜50番目の部品Eがさらに部品Eの並び順に吸着されている。また、50部品が実装された状態では、同じランクの部品Eが実装されるように、基板Pの1行目〜3行目のパッケージ領域P1に部品Eが実装されている。また、図11に示すように、60部品が実装された状態では、ウェハWから51番目〜60番目の部品Eがさらに部品Eの並び順に吸着されている。また、60部品が実装された状態では、基板Pの1行目〜3行目のパッケージ領域P1のみに部品Eの実装が行われるとパッケージ領域P1に同じランクの部品Eを実装することができないため、基板Pの1行目〜3行目のパッケージ領域P1だけでなく、基板Pの4行目のパッケージ領域P1の一部にも部品Eが実装されている。
また、図12に示すように、70部品が実装された状態では、ウェハWから61番目〜70番目の部品Eがさらに部品Eの並び順に吸着されている。また、70部品が実装された状態では、同じランクの部品Eが実装されるように、基板Pの1行目〜4行目のパッケージ領域P1に部品Eが実装されている。また、図13に示すように、80部品が実装された状態では、ウェハWから71番目〜80番目の部品Eがさらに部品Eの並び順に吸着されている。また、80部品が実装された状態では、同じランクの部品Eが実装されるように、基板Pの1行目〜4行目のパッケージ領域P1に部品Eが実装されている。
なお、図5〜図13に示す例では、ランク1およびランク2の部品Eが共に奇数個(ランク1の部品Eが45個、ランク2の部品Eが35個)であるため、パッケージ領域P1の全部を同じランクの部品Eが実装されたパッケージ領域P1とすることができず、1個のパッケージ領域P1が異なるランクの部品Eが実装されたパッケージ領域P1となる。一方、ランク1およびランク2の部品Eが共に偶数個である場合には、パッケージ領域P1の全部を同じランクの部品Eが実装されたパッケージ領域P1とすることができる。
(移載順序変更処理)
次に、図14を参照して、第1実施形態の部品実装装置100による移載順序変更処理をフローチャートに基づいて説明する。フローチャートの各処理は、制御部6により行われる。
図14に示すように、まず、ステップS1において、基板Pの搬入が行われる。
そして、ステップS2において、基板Pへの部品Eの移載順序の変更が行われる。この際、ウェハWの残りの部品Eの数が1基板分の吸着対象の部品Eの数以上である場合、1基板分の吸着対象の部品の全部について、部品Eの移載順序の変更が行われる。1基板分の吸着対象の部品Eの数よりもウェハWの残りの部品Eの数が少ない場合、1基板分の吸着対象の部品EのうちウェハWの残りの部品Eの数分の部品Eについて、部品Eの移載順序の変更が行われる。
そして、ステップS3において、ウェハWからの部品Eの吸着が行われる。
そして、ステップS4において、基板Pへの部品Eの実装が行われる。
そして、ステップS5において、基板Pに実装すべき部品Eがあるか否かが判断される。基板Pに実装すべき部品Eがあると判断された場合、ステップS6に進む。
そして、ステップS6において、ウェハWの部品Eがあるか否かが判断される。ウェハWの部品Eがあると判断された場合、ステップS3に進む。そして、ステップS3〜S6の処理を繰り返す。この際、後述するステップS9〜S12の処理も適宜繰り返す。
そして、ステップS5において、基板Pに実装すべき部品Eがないと判断された場合、基板Pへの部品Eの実装が完了したため、ステップS7に進む。
そして、ステップS7において、基板Pの搬出が行われる。
そして、ステップS8において、生産すべき基板Pがあるか否かが判断される。生産すべき基板Pがあると判断された場合、ステップS1に進む。そして、ステップS1において、新たな基板Pが搬入される。
また、ステップS6において、ウェハWの部品Eがないと判断された場合、部品Eを供給できないため、ステップS9に進む。
そして、ステップS9において、ウェハW(ウェハシートWS)の搬出が行われる。
そして、ステップS10において、新たなウェハWの搬入が行われる。
そして、ステップS11において、新たなウェハWのウェハマップWMの読込が行われる。
そして、ステップS12において、基板Pへの部品Eの移載順序の変更が行われる。この際、1基板分の吸着対象の部品Eのうち移載順序が未変更の残りの部品Eについて、部品Eの移載順序の変更が行われる。そして、ステップS3に進む。そして、ウェハWからの部品Eの吸着および基板Pへの部品Eの実装が継続される。
また、ステップS8において、生産すべき基板Pがないと判断された場合、生産すべき全部の基板Pの生産が完了したため、移載順序変更処理が終了される。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、制御部6を、ウェハWから部品Eを部品Eの並び順に吸着しつつ、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成する。これにより、ウェハWからの部品Eの吸着を行う際には、ウェハWから部品Eの並び順に部品Eが吸着されるので、吸着する部品Eの周りに他の部品Eが極力ない状態で部品Eを吸着することができる。その結果、ウェハWからの部品Eの吸着を行う際に、吸着する部品Eが吸着する部品Eの周りの他の部品Eに接触して、接触した部品E同士に傷がつくことを抑制することができるので、部品Eの品質の低下を抑制することができる。また、基板Pへの部品Eの実装を行う際には、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装される。これらの結果、部品Eの品質の低下を抑制することが可能で、かつ、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eを実装することが可能な部品実装装置100を提供することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部6を、ウェハWマップの良品の並び順にウェハWから部品Eを吸着しつつ、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成する。これにより、吸着時の傷に起因する良品の品質の低下を容易に抑制することができ、かつ、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの良品を容易に実装することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部6を、部品Eの実装先である基板Pが新たな基板Pに入れ替わる毎に、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成する。これにより、部品Eの実装先である基板Pが新たな基板Pに入れ替わる毎に、入れ替わった新たな基板Pに適した順序に部品Eの移載順序を変更することができるので、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eを確実に実装することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部6を、部品Eの吸着先であるウェハWが新たなウェハWに入れ替わる毎に、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成する。これにより、部品Eの吸着先であるウェハWが新たなウェハWに入れ替わる毎に、入れ替わった新たなウェハWにおける部品Eの並び順に適した順序に部品Eの移載順序を変更することができるので、部品Eの吸着先であるウェハWが新たなウェハWに入れ替わった場合にも、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eを確実に実装することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ヘッドユニット3を、部品Eを基板Pに実装する複数のヘッド31を含むように構成する。また、制御部6を、基板Pのパッケージ領域P1毎に、実装するヘッド31を割り当てる制御を行うように構成する。これにより、特定のヘッド31により特定のパッケージ領域P1に部品Eの実装を行うことができるので、パッケージ領域P1における部品Eの実装に関する品質を一定に保つことができる。また、ヘッド31を特定せずにパッケージ領域P1に部品Eの実装を行う場合に比べて、特定のパッケージ領域P1に対して実装を行ったヘッド31を容易に特定することができるので、トレーサビリティ(追跡可能性)を向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部6を、割り当てられたパッケージ領域P1に同じランクの部品Eが実装されるように、部品Eを吸着するように、ヘッド31を制御するように構成する。これにより、基板Pのパッケージ領域P1毎に実装するヘッド31が割り当てられている場合にも、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eを容易に実装することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部6を、割り当てられたパッケージ領域P1に部品Eが実装されている場合、実装されている部品Eと同じランクの部品Eが割り当てられたパッケージ領域P1に実装されるように、部品Eを吸着するように、ヘッド31を制御するように構成する。これにより、割り当てられたパッケージ領域P1に部品Eが実装されている場合に、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eを容易に実装することができる。
[第2実施形態]
次に、図1および図15〜図20を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、吸着グループ毎に基板への部品の移載順序を変更する例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
(部品実装装置の構成)
本発明の第2実施形態による部品実装装置200は、図1に示すように、制御部106を備える点で、上記第1実施形態による部品実装装置100と相違する。
第2実施形態では、図15および図16に示すように、制御部106は、予め決められた吸着グループG1毎に、予め決められた吸着グループG1の部品E(たとえば、20個の部品E)について、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。吸着グループG1は、1基板分の吸着対象(実装対象)の部品Eのうちの一部の部品Eからなるグループである。このため、制御部106は、1基板の生産中に、1基板分の吸着対象の部品Eについて複数回に分けて、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。なお、第2実施形態では、説明の便宜上、吸着グループG1(変更前の吸着グループ)が10個の部品Eからなるグループである例について説明する。しかしながら、吸着グループG1(変更前の吸着グループ)は、10個以外の複数の部品Eからなるグループであってもよい。また、予め決められた吸着グループG1が2グループである例について説明する。しかしながら、予め決められた吸着グループG1は、1グループまたは3グループ以上であってもよい。
また、図16に示す「搭載番号」、「X」、「Y」および「サブアドレス」は、基板Pにおける部品Eの実装位置を示している。具体的には、「搭載番号」は、基板Pにおける部品Eの実装位置の識別番号を示し、「X」は、基板Pにおけるパッケージ領域P1の列番号を示し、「Y」は、基板Pにおけるパッケージ領域P1の行番号を示し、「サブアドレス」は、パッケージ領域P1における部品Eの実装位置を示している。また、図16に示す「ヘッド」は、「搭載番号」(つまり、パッケージ領域P1)に割り当てられたヘッド31を示している。また、「吸着順序」は、ウェハWにおける部品Eの吸着順序を示している。
図16〜図19に示すように、制御部106は、ウェハマップWMの部品Eのランク情報に基づいて、予め決められた吸着グループG1の部品EについてウェハWにおける部品Eのランクの並び順を取得するとともに、ウェハWにおける部品Eのランクの並び順に応じて、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。また、この際、制御部106は、ウェハWにおける部品Eのランクの並び順に応じて、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、新たな吸着グループG2を設定するように構成されている。また、制御部106は、新たな吸着グループG2毎に、部品Eの実装を行うように、ヘッドユニット3のヘッド31を制御するように構成されている。なお、第2実施形態では、説明の便宜上、新たな吸着グループG2が3つ設定される例について説明する。しかしながら、新たな吸着グループG2は、3つ以外の複数設定されてもよい。また、吸着グループG2の作成の詳細については、後述する。
図15〜図19に示す例では、まず、図15に示すように、2つの吸着グループG1分の吸着対象の部品Eである20個の部品Eについて、基板Pへの部品Eの移載順序の変更が行われる。具体的には、ウェハWの右上の端の部品Eを1番目の部品Eとして、1番目の部品Eから部品Eの並び順に20番目の部品Eまでの部品Eについて、基板Pへの部品Eの移載順序の変更が行われる。この際、図16に示すように、ウェハマップWMの部品Eのランク情報に基づいて、移載順序の変更対象である部品E(20個の部品E)についてウェハWにおける部品Eのランクの並び順が取得され、取得されたウェハWにおける部品Eのランクの並び順に応じて、基板Pへの部品Eの移載順序の変更が行われる。また、この際、新たな3つの吸着グループG2が設定される。そして、ウェハWから部品Eを部品Eの並び順に吸着しつつ、変更された部品Eの移載順序に基づいて、図17〜図19に示すように、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々への部品Eの実装が行われる。
図17に示すように、1つ目の吸着グループG2の分の部品Eである8個の部品Eが実装された状態では、ウェハWから1番目〜8番目の部品Eが部品Eの並び順に吸着されている。また、1つ目の吸着グループG2の分の部品Eである8個の部品Eが実装された状態では、基板Pの1行目のパッケージ領域P1に部品Eが実装されている。また、図18に示すように、2つ目の吸着グループG2の分の部品Eである8個の部品Eが実装された状態では、ウェハWから9番目〜16番目の部品Eが部品Eの並び順に吸着されている。また、2つ目の吸着グループG2の分の部品Eである8個の部品Eが実装された状態では、基板Pの1行目のパッケージ領域P1に部品Eがさらに実装されている。
また、図19に示すように、3つ目の吸着グループG2の分の部品Eである4個の部品Eが実装された状態では、ウェハWから17番目〜20番目の部品Eが部品Eの並び順に吸着されている。また、3つ目の吸着グループG2の分の部品Eである4個の部品Eが実装された状態では、基板Pの1行目のパッケージ領域P1に部品Eがさらに実装されて、基板Pの1行目のパッケージ領域P1への部品Eの実装が完了されている。そして、次の2つの吸着グループG1分の吸着対象の部品Eである20個の部品Eについて、基板Pへの部品Eの移載順序の変更が同様に行われる。その後、基板Pの2行目のパッケージ領域P1について、部品Eの実装が同様に行われる。詳細な説明は省略するが、基板Pの3行目および4行目のパッケージ領域P1についても同様である。
(グループ作成処理)
次に、図20を参照して、第2実施形態の部品実装装置200によるグループ作成処理をフローチャートに基づいて説明する。フローチャートの各処理は、制御部106により行われる。
図20に示すように、まず、ステップS101において、グループ未割付の最小搭載番号の取得が行われる。図16に示す例では、最小搭載番号は、「1」である。
そして、ステップS102において、割付を実施する最大搭載番号の取得が行われる。図16に示す例では、最大搭載番号は、「20」である。
そして、ステップS103において、ウェハマップWMよりランク毎の部品Eの数の抽出が行われる。図15および図16に示す例では、ランク1の部品Eの数として12が抽出され、ランク2の部品Eの数として8が抽出される。
そして、ステップS104において、1グループあたりに割付可能なランク毎の部品Eの数の取得が行われる。割付可能な部品Eの数は、抽出された部品Eの数の半分である。図15および図16に示す例では、割付可能なランク1の部品Eの数として6が取得され、割付可能なランク2の部品Eの数として4が取得される。
そして、ステップS105において、ウェハアドレスの設定が行われる。図15および図16に示す例では、ウェハWの右上の端の部品E(1番目の部品E)がウェハアドレスとして設定される。
そして、ステップS106において、設定されたウェハアドレスの部品Eのランクの取得が行われる。図15および図16に示す例では、設定されたウェハアドレスの部品Eのランクとしてランク1が取得される。
そして、ステップS107において、割付カウント数+1が割付可能な部品Eの数を越えたか否かがランク毎に判断される。いずれのランクにおいても割付カウント数+1が割付可能な部品Eの数を越えていないと判断された場合、ステップS108に進む。
そして、ステップS108において、ステップS106において取得されたランクの割付カウント数のインクリメントが行われる。たとえば、ランク1の割付カウント数がインクリメントされる。
そして、ステップS109において、搭載番号カウント数のインクリメントが行われる。
そして、ステップS110において、搭載番号カウント数が最大搭載番号を越えたか否かが判断される。搭載番号カウント数が最大搭載番号を越えていないと判断された場合、ステップS111に進む。
そして、ステップS111において、グループiの登録の継続が行われる。
そして、ステップS112において、ウェハアドレスの更新が行われる。具体的には、ウェハWにおける部品Eの並び順に1つ隣りの部品Eがウェハアドレスとして設定される。図15および図16に示す例では、ウェハWの右上の端の部品E(1番目の部品E)の1つ隣りの部品E(2番目の部品E)がウェハアドレスとして設定される。そして、ステップS106に進み、次のウェハアドレスの部品Eのランクが取得される。
また、ステップS107において、いずれかのランクにおいて割付カウント数+1が割付可能な部品Eの数を越えたと判断された場合、ステップS113に進む。
そして、ステップS113において、割付カウント数の初期化が行われる。
そして、ステップS114において、グループiの登録の終了が行われるとともに、グループiのi+1への設定が行われる。図15および図16に示す例では、1つ目の吸着グループG2の登録の終了が行われるとともに、2つ目の吸着グループG2の設定が行われる。そして、ステップS106に進む。その後、新たなグループiの登録が行われる。
また、ステップS110において、搭載番号カウント数が最大搭載番号を越えたと判断された場合、グループの登録が完了したため、グループ作成処理が終了される。図15および図16に示す例では、搭載番号カウント数が最大搭載番号である20を超えたと判断された場合、3つの吸着グループG2の登録が完了するとともに、グループ作成処理が終了される。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、制御部106を、ウェハWから部品Eを部品Eの並び順に吸着しつつ、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成する。これにより、上記第1実施形態と同様に、部品Eの品質の低下を抑制することが可能で、かつ、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eを実装することが可能な部品実装装置200を提供することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、制御部106は、1基板分の吸着対象の部品Eのうちの一部の部品Eからなるグループであり、予め決められた吸着グループG1毎に、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。これにより、1基板分の吸着対象の部品Eの全部について部品Eの移載順序を変更する場合に比べて、一度に移載順序を変更する部品Eの数を少なくすることができるので、吸着ミスなどのエラーに起因して部品Eの移載順序の変更を要する場合にも、部品Eの移載順序を容易に変更し直すことができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図21〜図25を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態とは異なり、部品実装装置が中間ステージを備えている例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
(部品実装装置の構成)
本発明の第3実施形態による部品実装装置300は、図21に示すように、ウェハ収納部1と、ウェハ保持テーブル2と、ヘッドユニット203と、基板搬送部4と、記憶部5と、制御部206と、中間ステージ207とを備えている。
第3実施形態では、ヘッドユニット203は、ウェハ用ヘッドユニット203aと、中間ステージ用ヘッドユニット203bと、実装用ヘッドユニット203cとを含んでいる。ウェハ用ヘッドユニット203aは、ウェハ保持テーブル2に保持されたウェハWから部品Eを吸着し、吸着した部品Eを中間ステージ用ヘッドユニット203bに受け渡すように構成されている。また、ウェハ用ヘッドユニット203aは、ウェハWから部品Eを吸着するヘッド231aを含んでいる。ヘッド231aは、駆動部(図示せず)により駆動されることにより、水平方向に延びる回転軸線周りに回転可能に構成されている。ヘッド231aは、水平方向に延びる回転軸線周りに回転することにより、吸着した部品Eを反転(フリップ)させるように構成されている。また、ヘッド231aは、吸着した部品Eを反転させた状態で、中間ステージ用ヘッドユニット203bに受け渡すように構成されている。
中間ステージ用ヘッドユニット203bは、ウェハ用ヘッドユニット203aに保持された部品Eを吸着し、吸着した部品Eを中間ステージ207に移載するように構成されている。中間ステージ用ヘッドユニット203bは、駆動部(図示せず)により駆動されることにより、装置内で水平方向に移動可能に構成されている。これにより、中間ステージ用ヘッドユニット203bは、ウェハ用ヘッドユニット203aと、中間ステージ207との間を移動可能に構成されている。また、中間ステージ用ヘッドユニット203bは、部品Eを中間ステージ207に移載するヘッド231bを含んでいる。ヘッド231bは、駆動部(図示せず)により駆動されることにより、上下方向に移動可能に構成されている。ヘッド231bは、下降した状態で、ウェハ用ヘッドユニット203aから部品Eを吸着するように構成されている。また、ヘッド231bは、下降した状態で、吸着した部品Eを中間ステージ207に配置するように構成されている。
実装用ヘッドユニット203cは、中間ステージ207に配置された部品Eを吸着し、吸着した部品Eを基板Pに実装するように構成されている。実装用ヘッドユニット203cは、駆動部(図示せず)により駆動されることにより、装置内で水平方向に移動可能に構成されている。これにより、実装用ヘッドユニット203cは、中間ステージ207と、基板搬送部4により保持された基板Pとの間を移動可能に構成されている。また、実装用ヘッドユニット203cは、部品Eを基板Pに実装する複数のヘッド231cを含んでいる。ヘッド231cは、駆動部(図示せず)により駆動されることにより、上下方向に移動可能に構成されている。ヘッド231cは、下降した状態で、中間ステージ207から部品Eを吸着するように構成されている。また、ヘッド231cは、下降した状態で、吸着した部品Eを基板Pに実装するように構成されている。
また、ヘッド231a〜cは、共に、負圧源(図示せず)に接続されている。ヘッド231a〜cは、負圧源から供給された負圧により、先端に部品Eを吸着するように構成されている。また、ヘッド231a〜cは、負圧源からの負圧の供給が解除されることにより、先端に吸着した部品Eの吸着を解除するように構成されている。
中間ステージ207は、複数の部品Eを配置可能な配置台である。中間ステージ207は、複数(2つ)設けられている。また、中間ステージ207は、駆動部(図示せず)により駆動されることにより、装置内で水平方向に移動可能に構成されている。これにより、中間ステージ207は、ウェハ保持テーブル2に近い側の位置と、基板搬送部4(基板P)に近い側の位置との間を移動可能に構成されている。中間ステージ207は、中間ステージ用ヘッドユニット203bによる中間ステージ207への部品Eの移載が行われる際、ウェハ保持テーブル2に近い側の位置に位置するように構成されている。また、中間ステージ207は、実装用ヘッドユニット203cによる中間ステージ207からの部品Eの吸着が行われる際、基板搬送部4(基板P)に近い側の位置に位置するように構成されている。
ここで、第3実施形態では、図22および図23に示すように、制御部206は、ウェハWから部品Eを部品Eの並び順に吸着しつつ、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、中間ステージ207への部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部206は、ウェハマップWMの良品の並び順にウェハWから部品Eを吸着しつつ、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、中間ステージ207への部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。制御部206は、ウェハマップWMの部品Eの位置情報およびランク情報に基づいて、良品の並び順にウェハWから部品Eを吸着する制御を行うように構成されている。また、制御部206は、ウェハマップWMの部品Eのランク情報に基づいて、ウェハWにおける部品Eのランクの並び順を取得するとともに、ウェハWにおける部品Eのランクの並び順に応じて、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、中間ステージ207への部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。
図22に示すように、制御部206は、中間ステージ207に配置可能な数の部品E毎に、中間ステージ207に配置可能な部品E(たとえば、20個の部品E)について、中間ステージ207への部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。このため、制御部206は、1基板の生産中に、1基板分の吸着対象の部品Eについて複数回に分けて、基板Pへの部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。なお、第3実施形態では、説明の便宜上、中間ステージ207が10個の部品Eを配置可能に構成されている例について説明する。しかしながら、中間ステージ207は、10個以外の複数の部品Eを配置可能に構成されていてもよい。
図23に示すように、制御部206は、ウェハマップWMの部品Eのランク情報に基づいて、中間ステージ207に配置可能な数の部品EについてウェハWにおける部品Eのランクの並び順を取得するとともに、ウェハWにおける部品Eのランクの並び順に応じて、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、中間ステージ207への部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部206は、ウェハWにおける部品Eのランクの並び順に応じて、2つの中間ステージ207のそれぞれにランクの順序が同じになるように部品Eが配置されるように、中間ステージ207への部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。つまり、制御部206は、2つの中間ステージ207においてランクのペアが生成されるように部品Eが配置されるように、中間ステージ207への部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成されている。また、制御部206は、中間ステージ207に配置された順序で部品Eを吸着して、吸着した部品Eを基板Pに実装するように、実装用ヘッドユニット203cのヘッド231cを制御するように構成されている。このため、第3実施形態では、基板Pへの部品Eの移載順序は変更されない。
図22および図23に示す例では、まず、図22に示すように、2つの中間ステージ207に配置可能な分の吸着対象の部品Eである20個の部品Eについて、中間ステージ207への部品Eの移載順序の変更が行われる。具体的には、ウェハWの右上の端の部品Eを1番目の部品Eとして、1番目の部品Eから部品Eの並び順に20番目の部品Eまでの部品Eについて、中間ステージ207への部品Eの移載順序の変更が行われる。この際、ウェハマップWMの部品Eのランク情報に基づいて、移載順序の変更対象である部品E(20個の部品E)についてウェハWにおける部品Eのランクの並び順が取得され、取得されたウェハWにおける部品Eのランクの並び順に応じて、中間ステージ207への部品Eの移載順序の変更が行われる。この際、2つの中間ステージ207においてランクのペアが生成されるように、中間ステージ207への部品Eの移載順序の変更が行われる。そして、ウェハWから部品Eを部品Eの並び順に吸着しつつ、変更された部品Eの移載順序に基づいて、図23に示すように、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々への部品Eの実装が行われる。
図23に示すように、2つの中間ステージ207に配置可能な分の部品Eである20個の部品Eが移載された状態では、ウェハWから1番目〜20番目の部品Eが部品Eの並び順に吸着されている。また、2つの中間ステージ207に配置可能な分の部品Eである20個の部品Eが移載された状態では、2つの中間ステージ207においてランクのペアが生成されるように、2つの中間ステージ207に部品Eが移載されている。また、1つ目の中間ステージ207に配置可能な分の部品Eである10個の部品Eが実装された状態では、基板Pの1行目のパッケージ領域P1に部品Eが実装されている。また、2つ目の中間ステージ207に配置可能な分の部品Eである10個の部品Eが実装された状態では、基板Pの1行目のパッケージ領域P1に部品Eがさらに実装されて、基板Pの1行目のパッケージ領域P1への部品Eの実装が完了されている。そして、次の2つの中間ステージ207に配置可能な分の吸着対象の部品Eである20個の部品Eについて、中間ステージ207への部品Eの移載順序の変更が同様に行われる。その後、基板Pの2行目のパッケージ領域P1について、部品Eの実装が同様に行われる。詳細な説明は省略するが、基板Pの3行目および4行目のパッケージ領域P1についても同様である。
(移載順序変更処理)
次に、図24を参照して、第3実施形態の部品実装装置300による移載順序変更処理をフローチャートに基づいて説明する。フローチャートの各処理は、制御部206により行われる。
図24に示すように、まず、ステップS201において、中間ステージ207への部品Eの移載順序の変更が行われる。この際、2つの中間ステージ207に配置可能な分の吸着対象の部品Eについて、部品Eの移載順序の変更が行われる。
そして、ステップS202において、ウェハWからの部品Eの吸着が行われる。
そして、ステップS203において、中間ステージ207への部品Eの移載が行われる。
そして、ステップS204において、中間ステージ207に移載すべき部品Eがあるか否かが判断される。中間ステージ207に移載すべき部品Eがあると判断された場合、ステップS202に進む。そして、ステップS202およびS203の処理を繰り返す。
また、ステップS204において、中間ステージ207に移載すべき部品Eがないと判断された場合、ステップS205に進む。
そして、ステップS205において、基板Pに実装すべき部品Eがあるか否かが判断される。基板Pに実装すべき部品Eがあると判断された場合、ステップS201に進む。そして、ステップS201〜S204の処理が繰り返される。
また、ステップS205において、基板Pに実装すべき部品Eがないと判断された場合、基板Pへの部品Eの実装が完了したため、移載順序変更処理が終了される。
(部品実装処理)
次に、図25を参照して、第3実施形態の部品実装装置300による部品実装処理をフローチャートに基づいて説明する。フローチャートの各処理は、制御部206により行われる。
図25に示すように、まず、ステップS211において、2つの中間ステージ207のうち、部品Eの吸着が行われる中間ステージ207の決定が行われる。
そして、ステップS212において、中間ステージ207の準備が完了しているか否かが判断される。具体的には、中間ステージ207への部品Eの配置が完了しているか否かが判断される。中間ステージ207の準備が完了していないと判断された場合、ステップS212の処理を繰り返す。
また、ステップS212において、中間ステージ207の準備が完了していると判断された場合、ステップS213に進む。
そして、ステップS213において、中間ステージ207からの部品Eの吸着が行われる。
そして、ステップS214において、基板Pへの部品Eの実装が行われる。
そして、ステップS215において、基板Pに実装すべき部品Eがあるか否かが判断される。基板Pに実装すべき部品Eがあると判断された場合、ステップS211に進む。そして、ステップS211〜S214の処理が繰り返される。
また、ステップS215において、基板Pに実装すべき部品Eがないと判断された場合、基板Pへの部品Eの実装が完了したため、部品実装処理が終了される。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、制御部206を、ウェハWから部品Eを部品Eの並び順に吸着しつつ、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eが実装されるように、中間ステージ207への部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成する。これにより、上記第1実施形態と同様に、部品Eの品質の低下を抑制することが可能で、かつ、基板Pの複数のパッケージ領域P1の各々に同じランクの部品Eを実装することが可能な部品実装装置300を提供することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、制御部206を、中間ステージ207に配置可能な数の部品E毎に、中間ステージ207への部品Eの移載順序を変更する制御を行うように構成する。これにより、1基板分の吸着対象の部品Eの全部について部品Eの移載順序を変更する場合に比べて、一度に移載順序を変更する部品Eの数を少なくすることができるので、吸着ミスなどのエラーに起因して部品Eの移載順序の変更を要する場合にも、部品Eの移載順序を容易に変更し直すことができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、パッケージ領域において、複数の部品が互いに積層されないように実装される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、パッケージ領域において、複数の部品が互いに積層されるように実装されてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、制御部が、基板のパッケージ領域毎に、実装するヘッドを割り当てる制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部が、必ずしも基板のパッケージ領域毎に、実装するヘッドを割り当てる制御を行うように構成されていなくてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、部品実装装置が、中間ステージを備えていない例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記第1および第2実施形態において、部品実装装置が、中間ステージを備えていてもよい。この場合、1つの中間ステージのみを備えていてもよいし、2つ以上の中間ステージを備えていてもよい。また、この場合、ヘッドユニットが、ウェハ用ヘッドユニット、中間ステージ用ヘッドユニットおよび実装用ヘッドユニットを含んでいてもよい。
また、上記第3実施形態では、部品実装装置が中間ステージを備える構成において、ヘッドユニットが、ウェハ用ヘッドユニット、中間ステージ用ヘッドユニットおよび実装用ヘッドユニットの3つのヘッドユニットを含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品実装装置が中間ステージを備える構成において、ウェハ用ヘッドユニットが中間ステージ用ヘッドユニットを兼ねるように構成されていてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。