JPWO2020045277A1 - ロボット及びその原点位置調整方法 - Google Patents

ロボット及びその原点位置調整方法 Download PDF

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哲也 吉田
一 中原
一 中原
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Abstract

ロボットは、関節を介して連接された複数のリンクを有するロボットアームと、ロボットアームの先端に手首関節を介して連結されたエンドエフェクタと、撮像範囲に原点姿勢のエンドエフェクタ及びロボットアームの全体が含まれるようにエンドエフェクタ又はロボットアームに取り付けられた撮像装置と、ロボットアーム及び撮像装置の動作を制御するコントローラと、を備える。コントローラは、関節及び手首関節の回転位置を原点位置とさせ、撮像装置に撮像させてその撮像画像を取得し、原点姿勢基準画像と撮像画像とを比較することにより、エンドエフェクタ及びロボットアームの現在姿勢の原点姿勢からの偏差を求め、当該偏差に基づいて原点位置ズレの有無を判断する。

Description

本発明は、複数の関節を有するロボット及びその原点位置調整方法に関する。
一般に、産業用ロボットは、関節を介して連接された複数のリンクを有するロボットアームと、ロボットアームの先端に関節を介して連結されたエンドエフェクタと、ロボットアームを支持する基台と、ロボットアーム及びエンドエフェクタの動作を司るコントローラとを備える。
上記のようなロボットは所定の原点姿勢を有し、各関節について原点姿勢における回転位置が原点位置(即ち、0deg)とされる。ところが、ロボットアームやエンドエフェクタが他の物体と衝突したり、ロボットが長年使用されたりするうちに、関節の軸ずれが生じて、各関節を原点位置に復帰させてもロボットが原点姿勢とならないことがある。このような場合には、各関節の原点位置を調整する必要がある。
原点位置調整方法の一例として、例えば、特許文献1に開示される原点位置調整に専用の治具を用いる方法が知られている。この方法は、治具を用いてロボットアームやエンドエフェクタを原点姿勢に固定し、その状態の各関節の回転位置を原点位置として記憶するものである。
また、原点位置調整方法の一例として、例えば、特許文献2に開示される非接触式センサを使う方法が知られている。この方法は、基台に光源を設け、アームに受光器を設け、光源から照射された光束を受光器で検出できるときを原点姿勢とし、ロボットが原点姿勢にあるときの予め設定された原点位置からのアーム(関節)の回転位置の位置ズレ及び位置ずれ量を算出し、それに基づいてアームの原点位置を較正するものである。
特開平8−155866号公報 特開平8−90464号公報
例えば基板搬送ロボットのように、封止された筐体内で作業するロボットを原点位置調整する際に、上記特許文献1,2に記載されているように原点位置調整に専用の治具やセンサを用いるものにおいては、治具やセンサの着脱を行うために筐体を開放しなくてはならない。また、治具やセンサの着脱のために作業者がロボットに接触すると、そこが汚染される。とりわけ、基板搬送ロボットや医療作業ロボットなどのように汚染を回避すべきロボットにおいては、原点位置調整後の除染が煩雑となる。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、原点位置調整に専用の治具やセンサの着脱を要さずに、自動的に原点位置の調整を行うロボットを提供することにある。
本発明の一態様に係るロボットは、
関節を介して連接された複数のリンクを有するロボットアームと、
前記ロボットアームの先端に手首関節を介して連結されたエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームが所定の原点姿勢にあるときの前記関節及び前記手首関節の回転位置を原点位置とし、撮像範囲に前記原点姿勢の前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームの全体が含まれるように前記エンドエフェクタ又は前記ロボットアームに取り付けられた撮像装置と、
前記ロボットアーム及び前記撮像装置の動作を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記関節及び前記手首関節の回転位置を前記原点位置とさせ、前記撮像装置に撮像させてその撮像画像を取得し、前記原点姿勢の前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームを表した原点姿勢基準画像と前記撮像画像とを比較することにより、前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームの現在姿勢の前記原点姿勢からの偏差を求め、当該偏差に基づいて原点位置ズレの有無を判断することを特徴としている。
また、本発明の一態様に係るロボットの原点位置調整方法は、
関節を介して連接された複数のリンクを有するロボットアームと、前記ロボットアームの先端に手首関節を介して連結されたエンドエフェクタと、前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームが所定の原点姿勢にあるときの前記関節及び前記手首関節の回転位置を原点位置とし、撮像範囲に前記原点姿勢の前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームが含まれるように前記エンドエフェクタ又は前記ロボットアームに取り付けられた撮像装置とを備えたロボットの原点位置調整方法であって、
前記関節及び前記手首関節の回転位置を前記原点位置にすること、
前記撮像装置で撮像し、その撮像画像を取得すること、
前記原点姿勢の前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームを表した原点姿勢基準画像と前記撮像画像とを比較することにより、前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームの現在姿勢の前記原点姿勢からの偏差を求めること、及び、
前記偏差に基づいて原点位置ズレの有無を判断すること、を含むことを特徴としている。
上記ロボット及びその原点位置調整方法では、自身に搭載された撮像装置の撮像画像を利用してエンドエフェクタ及びロボットアームの現在姿勢の原点姿勢からの偏差を求める。そのため、原点位置調整に際し、専用の治具やセンサの着脱を要さず、作業者がロボットに接触する必要がない。よって、封止された空間に設置されたロボットにおいても、任意のタイミングで原点位置調整(原点位置の確認)を行うことができる。また、作業者の手を介さずに、自動的に原点位置の調整を行うことができる。
本発明によれば、ロボットにおいて、原点位置調整に専用の治具やセンサの着脱を要さずに、自動的に原点位置の調整を行うことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るロボットの概略構成を示す図である。 図2は、図1に示すロボットの制御系統の構成を示す図である。 図3は、関節の駆動装置の構成を示す図である。 図4は、原点姿勢基準画像の一例を示す図である。 図5は、原点位置調整処理のフローチャートである。
以下に本発明の実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。ここでは、本発明を清浄な空間で基板を搬送する基板搬送ロボットに適用して説明する。但し、本発明が適用されるロボットはこれに限定されず、水平多関節型ロボット及び垂直多関節型ロボットを含む、少なくとも1つの関節を有するロボットアームを備えるロボットに広く適用することができる。
〔ロボット7の構成〕
先ず、本実施形態に係るロボット7の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るロボット7の概略構成を示す図であり、図2は、図1に示すロボット7の制御系統の構成を示す図である。
図1及び図2に示すように、ロボット7は、ロボットアーム(以下、単に「アーム71」という)と、アーム71の手首部に連結されたエンドエフェクタとしての基板保持ハンド(以下、単に「ハンド72」という)と、アーム71を支持する基台73と、アーム71又はハンド72に取り付けられた撮像装置9と、コントローラ8とを備える。
アーム71は、関節J1,J2を介して連接された複数のリンク70,75,76を有する。複数のリンクは、基台73に昇降可能に支持された昇降リンク70と、少なくとも1本の水平なリンク75,76とを含む。本実施形態に係るアーム71では、昇降リンク70の上端に第1リンク75の基端が第1関節J1を介して連結され、第1リンク75の先端に第2リンク76の基端が第2関節J2を介して連結されている。第2リンク76の先端には、ハンド72の基端が手首関節J3を介して連結されている。第1関節J1、第2関節J2、及び手首関節J3は、2つの要素を垂直な軸線回りに回動可能に連接する関節である。
ハンド72は、アーム71の先端と連結されたハンド基部51と、ハンド基部51と結合されたブレード52とを備える。ブレード52には、基板6を保持するための保持装置(図示略)が設けられている。この保持装置は、ブレード52に載置された基板6を嵌合、吸着、挟持、又は他の態様でブレード52から落脱しないようにするものであってよい。
第1リンク75内には、第1関節J1を駆動する第1関節駆動装置61、及び、第2関節J2を駆動する第2関節駆動装置62が設けられている。第2リンク76内には手首関節J3を駆動する手首関節駆動装置63が設けられている。各関節J1〜J3の駆動装置61〜63は、実質的に同じ構造を有している。即ち、図3に示すように、関節J1〜J3の駆動装置61〜63は、コントローラ8から与えられる信号に従って角変位するサーボモータM1〜M3と、減速装置R1〜R3を含みサーボモータM1〜M3の動力をリンク75,76(又はハンド72)に伝達する動力伝達機構T1〜T3と、サーボモータM1〜M3の角変位を検出する位置検出器E1〜E3とを含む。なお、図3では、駆動装置61〜63を代表して駆動装置62が示されており、駆動装置61では図3中のM,R,T,Eに附帯する数字を1に読み替え、駆動装置63では図3中のM,R,T,Eに附帯する数字を3に読み替えることにより、各駆動装置61〜63の構成が示される。
また、基台73内には、昇降リンク70を昇降駆動する昇降駆動装置60が設けられている。昇降駆動装置60は、例えば、コントローラ8から与えられる信号に従って角変位するサーボモータM0と、減速装置R0を含みサーボモータの動力を直進力に変換して昇降リンク70へ伝達する動力伝達機構T0と、サーボモータM0の角変位を検出する位置検出器E0とを含む。
撮像装置9は、カメラ91と、カメラ91の撮像範囲に光を照射する照射装置92とを含む。撮像装置9は、その撮像範囲に、後述する原点姿勢のアーム71及びハンド72の全体が含まれるように、アーム71又はハンド72に取り付けられている。本実施形態では、アーム71や保持される基板6などと干渉しないように、撮像装置9はハンド72にステーを介して取り付けられているが、撮像装置9はアーム71に取り付けられていてもよい。また、撮像装置9は、後述する原点位置調整の際に、撮像範囲に原点姿勢のアーム71及びハンド72の全体が含まれるような位置へ撮像装置9を変位させるような可動式ステーに支持されていてもよい。
コントローラ8は、アーム71、ハンド72、及び撮像装置9の動作を制御する。コントローラ8は、ロボット制御部81、及び原点位置調整部82を含む。コントローラ8は、いわゆるコンピュータであって、例えば、マイクロコントローラ、CPU、MPU、PLC、DSP、ASIC又はFPGA等のプロセッサ8aと、ROM、RAM等のメモリ8bとを有する。メモリ8bには、原点位置調整プログラム80を含むプロセッサ8aが実行するプログラムが記憶されている。また、メモリ8bには、プロセッサ8aが行う処理に使用されるデータなどが格納されている。コントローラ8では、メモリ8bに記憶されたプログラムをプロセッサ8aが読み出して実行することにより、ロボット制御部81、原点位置調整部82として機能するための処理が行われる。なお、コントローラ8は単一のコンピュータによる集中制御により各処理を実行してもよいし、複数のコンピュータの協働による分散制御により各処理を実行してもよい。
コントローラ8のロボット制御部81は、ロボット7の動作を制御する。より詳細には、ロボット制御部81は、昇降駆動装置60、第1関節駆動装置61、第2関節駆動装置62、及び、第1手首関節駆動装置63と電気的に接続されている。ロボット制御部81は、これらの駆動装置60〜63に含まれる位置検出器E0〜E3からサーボモータM0〜M3の回転位置を取得し、それらの回転位置と対応するハンド72のポーズ(位置及び姿勢)と記憶された教示点データとに基づいて、目標ポーズを演算する。更に、ロボット制御部81は、ハンド72が目標ポーズとなるようにサーボアンプへ制御指令を出力する。サーボアンプは、制御指令に基づいて各サーボモータM0〜M3に対して駆動電力を供給することにより、ハンド72が目標ポーズへ移動する。
コントローラ8の原点位置調整部82は、ロボット7の原点位置を調整する。ロボット7は、所定の原点姿勢を有する。図4は、原点姿勢のロボット7のアーム71及びハンド72を撮像装置9で撮像して得た原点姿勢基準画像95である。なお、図4では撮像装置9を支持するステーは省略されている。図4に示すように、本実施形態において、ロボット7のアーム71及びハンド72の原点姿勢は、(i)基台73に規定された所定の水平な原点基準線Lと第1リンク75の長手方向と第2リンク76の長手方向とハンド72の長手方向とが平行であり、(ii)第1リンク75と第2リンク76とハンド72とが平面視で重複し、且つ、(iii)第1関節J1の回転軸線と第3関節J3の回転軸線とが同一直線上に配置される姿勢である。原点基準線Lは、基台73や基台73が設置された床にマークされていてよい。但し、ロボット7の原点姿勢は任意に定められてよい。
例えば工場出荷時のように各関節J1〜J3に軸ずれや疲労等が生じていない状態で、ロボット7のアーム71及びハンド72が原点姿勢にあるときに、コントローラ8は、撮像装置9にアーム71及びハンド72を撮像させ、それを原点姿勢基準画像95として記憶する。なお、原点姿勢基準画像95は、原点姿勢のアーム71及びハンド72を撮像装置9で撮像して得た画像を擬似的に表したものであってもよい。つまり、原点姿勢基準画像95は、撮像装置9で撮像して得た画像に限定されず、それを模して作成された画像や、特徴点(例えば輪郭など)の位置を表す画像などであってもよい。
また、各関節J1〜J3に軸ずれや疲労等が生じていない状態で、ロボット7のアーム71及びハンド72が原点姿勢にあるときに、コントローラ8は、各関節J1〜J3の回転位置を位置検出器E1〜E3から取得し、それらを各関節J1〜J3についての原点位置(初期原点位置)として記憶する。
前述の通り、各関節J1〜J3が原点位置にあるときに、ロボット7のアーム71及びハンド72が原点姿勢となるように調整されているが、アーム71やハンド72が物体と衝突したり、長期間にわたって継続使用したりすることで関節J1〜J3に軸ずれが発生し、各関節J1〜J3を原点位置としてもアーム71及びハンド72が原点姿勢とならないことがある。原点位置調整部82は、このような原点位置ズレを検出し、原点位置ズレの程度に応じて原点位置を調整する。以下、図5を参照しながら、原点位置調整方法を説明する。
〔原点位置調整方法〕
原点位置調整処理は、原点位置ズレの検出に係る処理と、原点位置ズレが検出された場合に原点位置ズレが解消されるように原点位置を調整する処理とを含む。図5に示すように、原点位置調整処理を開始したコントローラ8は、先ず、関節J1〜J3の回転位置が原点位置となるように各駆動装置61〜63を動作させる(ステップS1)。次に、コントローラ8は、撮像装置9に撮像させる(ステップS2)。撮像装置9の撮像範囲には、現在姿勢のアーム71及びハンド72が含まれる。
コントローラ8は、撮像装置9から撮像画像を取得し(ステップS3)、画像処理によって、撮像画像に含まれるアーム71及びハンド72の現在姿勢の、原点姿勢基準画像95に含まれるアーム71及びハンド72の原点姿勢からの偏差を求める(ステップS4)。ここで、例えば、コントローラ8は、公知の画像処理方法によって、撮像画像と原点姿勢基準画像95とを比較してそれらの差分を抽出し、抽出した差分に基づいて現在姿勢の原点姿勢からの偏差を求めてよい。また、例えば、コントローラ8は、画像処理によって、撮像画像に含まれるリンク75,76及びハンド72のプロファイルを抽出し、撮像画像中のリンク75,76及びハンド72の長手方向を特定し、それらの撮像画像中の原点基準線Lからの傾きを現在姿勢の原点姿勢からの偏差としてもよい。なお、現在姿勢の原点姿勢からの偏差は、各リンク及びハンドの各々について求められてよい。
コントローラ8は、求めた偏差と予め記憶された閾値とを比較し、偏差が閾値を超える場合には(ステップS5でYES)、「原点位置ズレ」が有ると判断し、偏差が閾値以下の場合には(ステップS5でNO)、「原点位置ズレ」が無いと判断して処理を終了する。
「原点位置ズレ」が検出された場合に(ステップS5でYES)、続いて原点位置を調整する処理が行われる。コントローラ8は、求めた偏差に基づいて、その偏差が解消されるように駆動装置61〜63を動作させることにより、アーム71及びハンド72の姿勢を変化させる(ステップS6)。コントローラ8は、撮像装置9に撮像させる(ステップS7)。撮像装置9の撮像範囲には、新たな現在姿勢のアーム71及びハンド72が含まれる。
コントローラ8は、撮像画像を取得し(ステップS8)、画像処理によって、撮像画像に含まれるアーム71及びハンド72の新たな現在姿勢の、原点姿勢基準画像95に含まれるアーム71及びハンド72の原点姿勢からの偏差を求める(ステップS9)。偏差の求め方は、前述の現在姿勢の原点姿勢からの偏差を求める方法と同様であってよい。
コントローラ8は、新たな現在姿勢の原点姿勢からの偏差が実質的にゼロとなるまで(ステップS10でYES)、ステップS6〜S9を繰り返す。なお、実質的にゼロには、ゼロと十分に小さな値とが含まれてよい。
コントローラ8は、新たな現在姿勢の原点姿勢からの偏差が実質的にゼロとなれば(ステップS10でYES)、そのときの関節J1〜J3の回転位置を位置検出器E1〜E3から取得し(ステップS11)、それらを新たな原点位置として記憶する(ステップS12)、処理を終了する。
以上に説明したように、本実施形態のロボット7は、関節J1,J2を介して連接された複数のリンク70,75,76を有するロボットアーム71と、ロボットアーム71の先端に手首関節J3を介して連結されたエンドエフェクタ72と、エンドエフェクタ72又はロボットアーム71に取り付けられた撮像装置9と、ロボットアーム71及び撮像装置9の動作を制御するコントローラ8とを備える。エンドエフェクタ72及びロボットアーム71が所定の原点姿勢にあるときの関節J1,J2及び手首関節J3の回転位置を原点位置とする。撮像装置9は、撮像範囲に原点姿勢のエンドエフェクタ72及びロボットアーム71の全体が含まれるように、エンドエフェクタ72又はロボットアーム71に取り付けられている。
上記コントローラ8は、原点位置調整プログラム80及び原点姿勢基準画像95を記憶したメモリ8bと、原点位置調整プログラム80を実行するプロセッサ8aとを備える。原点位置調整プログラムは、プロセッサ8aが、関節J1,J2及び手首関節J3の回転位置を原点位置とさせ、撮像装置9に撮像させてその撮像画像を取得し、原点姿勢基準画像95と撮像画像とを比較することにより、エンドエフェクタ72及びロボットアーム71の現在姿勢の原点姿勢からの偏差を求め、当該偏差に基づいて原点位置ズレの有無を判断するように構成されている。
つまり、上記のコントローラ8は、関節J1,J2及び手首関節J3の回転位置を原点位置とさせ、撮像装置9に撮像させてその撮像画像を取得し、原点姿勢のエンドエフェクタ72及びロボットアーム71を表した原点姿勢基準画像95と撮像画像とを比較することにより、エンドエフェクタ72及びロボットアーム71の現在姿勢の原点姿勢からの偏差を求め、当該偏差に基づいて原点位置ズレの有無を判断する。
また、本実施形態に係るロボット7の原点位置調整方法は、関節J1,J2及び手首関節J3の回転位置を原点位置にすること、撮像装置9で撮像し、その撮像画像を取得すること、原点姿勢のエンドエフェクタ72及びロボットアーム71を表した原点姿勢基準画像95と撮像画像とを比較することにより、エンドエフェクタ72及びロボットアーム71の現在姿勢の原点姿勢からの偏差を求めること、及び、偏差に基づいて原点位置ズレの有無を判断すること、を含む。
上記ロボット7及びその原点位置調整方法によれば、ロボット7は自身に搭載された撮像装置9の撮像画像を利用してエンドエフェクタ72及びロボットアーム71の現在姿勢(即ち、原点姿勢)の原点姿勢からの偏差を求める。そのため、原点位置調整に際し、ロボット7は専用の治具やセンサの着脱を要さず、作業者がロボット7に接触する必要がない。よって、例えば基板搬送ロボットのように、封止された空間に設置されたロボット7においても、メンテナンス時に限定されず任意のタイミングで原点位置調整(より詳細には、原点位置の確認)を行うことができる。更に、作業者の手を介さずに、自動的に原点位置の確認を行うことができる。
また、本実施形態に示されるように、上記ロボット7において原点位置調整プログラム80は、プロセッサ8aが、原点位置ズレが有ると判断した場合に、偏差が解消されるようにエンドエフェクタ72及びロボットアーム71の姿勢を変化させ、撮像装置9に撮像させてその撮像画像を取得し、撮像画像を原点姿勢基準画像95と比較することにより、新たな現在姿勢の原点姿勢からの偏差を求めることを、当該偏差が実質的にゼロになるまで繰り返し、偏差が実質的にゼロになったときの関節J1,J2及び手首関節J3の回転位置を新たな原点位置として記憶するように構成されていてよい。
つまり、上記ロボット7においてコントローラ8は、原点位置ズレが有ると判断した場合に、偏差が解消されるようにエンドエフェクタ72及びロボットアーム71の姿勢を変化させ、撮像装置9に撮像させてその撮像画像を取得し、撮像画像を原点姿勢基準画像95と比較することにより、新たな現在姿勢の原点姿勢からの偏差を求めることを、当該偏差が実質的にゼロになるまで繰り返し、偏差が実質的にゼロになったときの関節J1,J2及び手首関節J3の回転位置を新たな原点位置として記憶してよい。
同様に、上記ロボットの原点位置調整方法が、原点位置ズレが有ると判断された場合に、偏差が解消されるようにエンドエフェクタ72及びロボットアーム71の姿勢を変化させ、撮像装置9に撮像させてその撮像画像を取得し、撮像画像を原点姿勢基準画像95と比較することにより、新たな現在姿勢の原点姿勢からの偏差を求めることを、当該偏差が実質的にゼロになるまで繰り返すこと、及び、偏差が実質的にゼロになったときの関節J1,J2及び手首関節J3の回転位置を新たな原点位置として記憶すること、を更に含んでいてよい。
上記ロボット7及びその原点位置調整方法によれば、ロボット7は自身に搭載された撮像装置9の撮像画像を利用してエンドエフェクタ72及びロボットアーム71の現在姿勢が原点姿勢と一致するように関節J1,J2及び手首関節J3を動作させ、新たな原点位置(即ち、調整された原点位置)を得る。このように、原点位置調整に際し、ロボット7は専用の治具やセンサの着脱を要さず、作業者がロボットに接触する必要がない。よって、例えば基板搬送ロボットのように、封止された空間に設置されたロボット7においても、メンテナンス時に限定されず任意のタイミングで原点位置調整を行うことができる。更に、作業者の手を介さずに、自動的に原点位置の調整を行うことができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明の思想を逸脱しない範囲で、上記実施形態の具体的な構造及び/又は機能の詳細を変更したものも本発明に含まれ得る。
6 :基板
7 :ロボット
8 :コントローラ
8a :プロセッサ
8b :メモリ
9 :撮像装置
51 :ハンド基部
52 :ブレード
60〜63 :駆動装置
70,75,76 :リンク
71 :ロボットアーム
72 :ハンド(エンドエフェクタの一例)
73 :基台
80 :原点位置調整プログラム
81 :ロボット制御部
82 :原点位置調整部
91 :カメラ
92 :照射装置
E0〜E3 :位置検出器
J1〜J3 :関節
L :原点基準線
M0〜M3 :サーボモータ
R0〜R3 :減速装置
T0〜T3 :動力伝達機構

Claims (4)

  1. 関節を介して連接された複数のリンクを有するロボットアームと、
    前記ロボットアームの先端に手首関節を介して連結されたエンドエフェクタと、
    前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームが所定の原点姿勢にあるときの前記関節及び前記手首関節の回転位置を原点位置とし、撮像範囲に前記原点姿勢の前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームの全体が含まれるように前記エンドエフェクタ又は前記ロボットアームに取り付けられた撮像装置と、
    前記ロボットアーム及び前記撮像装置の動作を制御するコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、前記関節及び前記手首関節の回転位置を前記原点位置とさせ、前記撮像装置に撮像させてその撮像画像を取得し、前記原点姿勢の前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームを表した原点姿勢基準画像と前記撮像画像とを比較することにより、前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームの現在姿勢の前記原点姿勢からの偏差を求め、当該偏差に基づいて原点位置ズレの有無を判断する、
    ロボット。
  2. 前記コントローラは、
    前記原点位置ズレが有ると判断した場合に、前記偏差が解消されるように前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームの姿勢を変化させ、前記撮像装置に撮像させてその撮像画像を取得し、前記撮像画像を前記原点姿勢基準画像と比較することにより、新たな現在姿勢の前記原点姿勢からの偏差を求めることを、当該偏差が実質的にゼロになるまで繰り返し、前記偏差が実質的にゼロになったときの前記関節及び前記手首関節の回転位置を新たな原点位置として記憶する、
    請求項1に記載のロボット。
  3. 関節を介して連接された複数のリンクを有するロボットアームと、前記ロボットアームの先端に手首関節を介して連結されたエンドエフェクタと、前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームが所定の原点姿勢にあるときの前記関節及び前記手首関節の回転位置を原点位置とし、撮像範囲に前記原点姿勢の前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームが含まれるように前記エンドエフェクタ又は前記ロボットアームに取り付けられた撮像装置とを備えたロボットの原点位置調整方法であって、
    前記関節及び前記手首関節の回転位置を前記原点位置にすること、
    前記撮像装置で撮像し、その撮像画像を取得すること、
    前記原点姿勢の前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームを表した原点姿勢基準画像と前記撮像画像とを比較することにより、前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームの現在姿勢の前記原点姿勢からの偏差を求めること、及び、
    前記偏差に基づいて原点位置ズレの有無を判断すること、を含む、
    ロボットの原点位置調整方法。
  4. 前記原点位置ズレが有ると判断された場合に、前記偏差が解消されるように前記エンドエフェクタ及び前記ロボットアームの姿勢を変化させ、前記撮像装置に撮像させてその撮像画像を取得し、前記撮像画像を前記原点姿勢基準画像と比較することにより、新たな現在姿勢の前記原点姿勢からの偏差を求めることを、当該偏差が実質的にゼロになるまで繰り返すこと、及び、
    前記偏差が実質的にゼロになったときの前記関節及び前記手首関節の回転位置を新たな原点位置として記憶すること、を更に含む、
    請求項3に記載のロボットの原点位置調整方法。
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