JPWO2020044645A1 - 磁気フィルタ装置 - Google Patents

Abstract

磁気分離操作によって、被処理液体から吸着分離されて、捕捉された、磁性体物質を、簡単な構造において、極めて容易に且つ効果的に、流路内から外部に取り出すことが出来るようにした磁気フィルタ装置を提供する。被処理液体の出入口２６，２８と被処理液体から分離された磁性体物質の排出口３６が設けられた処理容器１２を用い、その外周に装着された磁石装置２０により、処理容器１２の内壁面に、被処理液体から分離された磁性体物質を吸着する一方、かかる磁石装置２０による磁界の作用の解消によって、吸着された磁性体物質が、重力により、処理容器１２の下部に位置する取外し可能な捕集容器１４内に、連通路１５を介して、流入せしめられるように構成した。

Description

本発明は、磁気フィルタ装置に係り、特に、強磁性粉粒体の如き磁性体物質が混入した被処理液体中から、磁気を利用して、かかる磁性体物質を吸着分離する磁気フィルタ装置の改良された構造に関するものである。

従来より、エンジンや変速機、或いは各種の油圧システム等のように、潤滑油や作動油等の液体が内部を循環する構造を備えた装置や機器が、様々な用途で使用されているが、それらの装置や機器においては、その使用中に、金属部品の表面が徐々に摩耗するようになり、そのため、そのような金属部品の表面の摩耗により発生した金属粉粒体が、内部を循環する液体中に不可避的に混入し、懸濁するようになる。そして、その液体中の金属粉粒体は、金属部品表面の摩耗を更に促進させることとなる。また、ホーニング盤や研削盤等の工作機械においても、加工部に配置された工作物に対して、供給タンクに貯蔵された研削液、切削液等のクーラントを供給しながら、研削加工が行われることとなるが、その研削されたワークの細かな金属粉や金属砥粒、金属屑（切屑）等の金属粒子は、加工部から回収されるクーラント中に混入することとなるが、そのような金属粒子が混入したクーラントを、そのまま再使用することは困難である。

そこで、上記のようなエンジンや変速機、油圧システム等においては、摩耗する金属部品が鉄等の強磁性体からなるものであり、また工作機械においては、鉄等の強磁性体からなる工作物の研削加工等が行われるものであるところから、その使用済みの潤滑油や作動油、クーラント等には、そのような強磁性体の粉粒体が混入することとなり、そのために、それら液体は、それら液体の配管経路途中に配置されたフィルタ装置によってろ過されて、それらの液体に混入した微粒子が分離・回収除去されるようにした構成が採用され、そのためのフィルタ装置として、各種の構造のものが、提案されている。

そして、そのようなフィルタ装置の一つである、磁気エネルギを利用して、液体中に混入した強磁性粉粒体（金属粉粒体）を吸着、分離（ろ過）するようにした磁気フィルタ装置が、従来のろ過式フィルタを用いたフィルタ装置に比較して、目詰まりが生じ難いために、フィルタの定期的な洗浄や交換が必要でなく、ランニングコストを低減し得る等の特徴を有しているフィルタ装置として、注目を受けている。

例えば、特表２０００−５０１６４３号公報や特開２０１０−２２７８２５号公報等には、強磁性粉粒体の被処理流体の導入口と排出口とを備えたケーシング内に、磁気フィルタユニットが、１個又は複数個収容されてなる磁気フィルタ装置が、提案されている。そこにおいて、磁気フィルタユニットは、磁石と、その磁石を間に挟んだ状態で、磁石に対して部分的に接触して配置された一対の強磁性プレートとを有しており、また、その一対の強磁性プレートの磁石との非接触部位が、それぞれ、互いに異なる極性に着磁された磁極片部とされて、それら各強磁性プレートの磁極片部同士が互いに所定距離を隔てて対向配置されており、更に、そのような磁極片部の互いの対向部位に、被処理流体が通過可能な、切欠部や貫通孔等からなる流体通過部がそれぞれ設けられている。

また、そこでは、導入口からケーシング内に導入された被処理流体が、各強磁性プレートに設けられた流体通過部を通じて、一方の強磁性プレート側から他方の強磁性プレート側に流動させられ、その際に、被処理流体中から、強磁性粉粒体が、各強磁性プレートの磁極片部によって吸引されて、それらの磁極片部に吸着され、以て被処理流体中から、強磁性粉粒体が分離され得るようになっているのであるが、そのような磁極片部に吸着された強磁性粉粒体を除去するには、磁気フィルタ装置に導入される被処理流体の流れを一旦停止させた後、ケーシング内から磁気フィルタユニットを取り出し、装置外において、かかる磁気フィルタユニットの磁極片部から、強磁性粉粒体を除去せしめる必要があり、しかも、その際、強磁性粉粒体は、磁極片部に強く吸着されているところから、その除去作業は手間のかかる面倒なものとなり、その作業性において、大きな問題を内在するものであった。

さらに、実開平５−２７１３号公報、特開２０１１−１１２０５号公報、ＷＯ２０１４／０９８０４０等においては、被処理液体が流通せしめられる通路の外側に、永久磁石を配置して、かかる永久磁石の磁力によって、通路内を流通せしめられる被処理液体から強磁性粉粒体を磁気分離せしめる、マグネットフィルタ、或いは磁気インラインフィルタとも称される磁気フィルタ装置が提案されており、そこでは、磁石によって被処理液体から吸着除去されて、通路内に捕捉されている強磁性粉粒体を、かかる通路から取り出すために、磁石を通路に沿って移動せしめて、磁石の磁力が作用しない磁気遮断部位に位置せしめることにより、かかる磁石による吸着作用を解消して、被処理液体と共に排出するようにした構造が採用されている。

しかしながら、そのような流路外に配置された磁石にて捕捉されて、流路内に存在する強磁性粉粒体を、かかる流路から排出せしめるには、被処理液体の流通せしめられる流路とは別個に、排出流路を設ける必要がある等、その構造が比較的に複雑となることに加えて、通路内に捕捉されている強磁性粉粒体を、充分に流去せしめ得る被処理液体の使用量が多くなり、その強磁性粉粒体と共に排出された被処理液体の処理に、少なからず問題を惹起したり、また、かかる捕捉された強磁性粉粒体の排出が不充分となった場合には、磁気フィルタ装置から流出せしめられる磁気分離処理済みの被処理液体中に、流路内に存在する強磁性粉粒体が混入して、被処理液体の浄化効率乃至はろ過効率を低下せしめる等の問題を内在することとなり、そのために、磁気フィルタ装置の洗浄作業性乃至は清掃作業性において、未だ充分なものではなかったのである。

特表２０００−５０１６４３号公報 特開２０１０−２２７８２５号公報 実開平５−２７１３号公報 特開２０１１−１１２０５号公報 ＷＯ２０１４／０９８０４０

ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、磁気分離操作によって、被処理液体から吸着分離されて、捕捉された、強磁性粉粒体の如き磁性体物質を、簡単な構造において、極めて容易に且つ効果的に、流路内から外部に取り出すことが出来るようにした磁気フィルタ装置を提供することにある。

そして、本発明は、上述した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合わせにおいて、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載及び図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。

そこで、本発明は、先ず、上記せる如き課題を解決するために、（ａ）容器上部に、磁性体物質が混入した被処理液体を流入せしめるための流入口と、該磁性体物質が分離除去された被処理液体を流出せしめるための流出口とを有する一方、容器底部の中央部には、該被処理液体から分離された前記磁性体物質を排出せしめるための排出口が設けられた、該磁性体物質を磁気分離するための筒状の処理容器と、（ｂ）かかる処理容器の外周部に装着されて、該処理容器内に所定の磁界を作用せしめることにより、該処理容器の内壁面に前記被処理液体中の磁性体物質を吸着して、磁気分離する一方、かかる磁界の作用が選択的に解消せしめられ得るように構成して、そのような磁界の作用の解消によって、前記処理容器の内壁面に吸着された磁性体物質を、該内壁面から離脱させて、該処理容器内の下部に、重力により降下せしめる磁石手段と、（ｃ）前記処理容器の下方に位置して、該処理容器内において前記被処理液体から吸着分離され、そして降下せしめられた前記磁性体物質が、該処理容器から、重力により流入せしめられる取外し可能な捕集容器と、（ｄ）前記処理容器と該捕集容器とを連通せしめて、該処理容器内の磁性体物質を、該捕集容器内に導く連通路と、（ｅ）該連通路上に配設されて、該連通路の開閉を行い、その開作動によって、前記磁性体物質が前記処理容器内から前記捕集容器内に流入することを許容するバルブ手段とを、有していることを特徴とする磁気フィルタ装置を、その要旨とするものである。

なお、かかる本発明に従う磁気フィルタ装置の好ましい態様の一つによれば、前記処理容器内において、前記流入口に接続されて、該流入口から流入せしめられる前記被処理液体を該処理容器内の下部空間に導く導液路が、該処理容器の上部から下方に延びるように配設されている。

また、そのような本発明に従う磁気フィルタ装置の好ましい態様の他の一つによれば、前記導液路は、前記流入口から水平方向に延びる水平部と、該水平部から垂直方向下方に延びる垂直部とを有し、それら水平部と垂直部とによってＬ字形状を呈している。

さらに、かかる本発明に従う磁気フィルタ装置の別の好ましい態様の一つによれば、前記導液路を構成する前記垂直部の下端が閉塞せしめられている一方、該垂直部の下端部近傍の周壁部に、該導液路を通じて案内される被処理液体を前記処理容器内に吐出せしめる複数の吐出口が配設されている。

本発明に従う磁気フィルタ装置の望ましい態様の他の一つによれば、前記連通路に接続された導入管が、前記捕集容器の上部から下方に所定長さ延びるように、該捕集容器内に配設されて、該連通路を通じて導かれる前記磁性体物質が、該導入管を介して、該捕集容器内に流入せしめられるようになっている。

また、本発明に従う磁気フィルタ装置の望ましい別の態様の一つによれば、前記捕集容器が透明な容器にて構成されており、該捕集容器内に流入せしめられた前記磁性体物質の収容量が外部から把握され得るようになっている。

更にまた、本発明にあっては、好ましくは、前記捕集容器が、上部が開口部とされた容器本体と、該容器本体の上部開口部を閉塞すると共に、前記連通路が接続された蓋部材とを有し、それら容器本体と蓋部材とが締結部材にて締結せしめられている。

加えて、本発明にあっては、望ましくは、前記処理容器の底部がテーパ形状に形成されて、かかるテーパ形状の最小径部において前記排出口に接続されている。

そして、本発明に従う磁気フィルタ装置の望ましい態様の別の一つによれば、前記磁石手段が、前記処理容器の外周部に対して着脱可能に外装される筒状の磁石ケースと、該磁石ケースに対して周方向に所定間隔を隔てて取り付けられた複数個の永久磁石とを有し、該磁石ケースを該処理容器の外周部から取り外すことによって、該処理容器内への磁界の作用が解消せしめられ得るように構成されている。

また、本発明にあっては、有利には、前記磁石ケースが、その筒状形状の軸心を含んで軸心方向に延びる分割面によって二つの半割筒体に分割されてなる構造を有し、それら二つの半割筒体が、一方の相対向する端部において前記軸心に平行な回転軸回りに回転可能とされている一方、他方の相対向する端部においては、相互に離脱可能に構成されている。

さらに、本発明の好ましい他の態様によれば、前記二つの半割筒体に、それぞれ、前記永久磁石を収容し得る磁石収容ポケットが、該半割筒体の軸心方向に延びるように、且つ該半割筒体の軸心方向の一方の端面に開口せる形態において、設けられていると共に、かかる磁石収容ポケット内に前記永久磁石が収容されてなる形態において、該磁石収容ポケットの開口部が閉塞部材にて閉塞せしめられるように構成されている。

更にまた、本発明の望ましい別の態様の一つによれば、前記半割筒体が、前記処理容器の外周面に対向する内周面に開口するように、前記磁石収容ポケット部の窓部を有しており、かかる窓部を介して、前記永久磁石が該処理容器の外周面に直接に対向せしめられている。

加えて、本発明にあっては、好ましくは、前記処理容器の外周面に、少なくとも１つの突起が形成されており、かかる突起に、前記外装せしめられる磁石ケースが係止されることにより、該磁石ケースの位置決めと下方への移動が阻止されるようになっている。

このように、本発明に従う磁気フィルタ装置にあっては、磁気分離するための処理容器の外側に配設される磁石手段の磁気作用によって、かかる処理容器内を流通せしめられる被処理液体に混入する磁性体物質が、処理容器の内壁面に吸着されることによって、被処理液体から分離除去せしめられる一方、そのように分離除去されて、処理容器の内壁面に捕捉された磁性体物質は、かかる磁石手段による磁界の作用が解消せしめられることによって、処理容器内の下部に、重力により、換言すれば自重により、降下せしめられることとなるのである。

そして、処理容器には、その下方に位置するように、取外し可能な捕集容器が、連通路を介して連結せしめられているところから、かかる連通路に設けられたバルブ手段の開作動によって、処理容器内の下部に降下させられて、集合せしめられた磁性体物質は、重力により、即ち自重によって、捕集容器内に自動的に流れ込むこととなるのであり、従って、捕集容器内に磁性体物質の所定量が収容された段階において、バルブ手段の閉作動によって連通路を遮断するようにすれば、捕集容器を取り外して、そこに捕集された磁性体物質を外部に容易に排出することが出来ることとなるのであって、そのような磁性体物質の排出のために、処理容器内の被処理液体を同時に流出せしめる必要がないところから、かかる磁性体物質の排出処理が簡単且つ容易に実施され得ることとなるのであり、同時に排出される被処理液体の処理の問題も、全く解消され得るのである。

しかも、かかる本発明に従う磁気フィルタ装置にあっては、磁気分離を行う処理容器の下方に捕集容器を設けて、それら処理容器と捕集容器とを連通せしめる連通路上に設けたバルブ手段の開作動によって、捕捉された磁性体物質が、その自重によって、処理容器内から捕集容器内に流入せしめられ得るものであるところから、装置的にも、構造の簡単な構成となることに加えて、捕捉された磁性体物質の処理容器からの排出が効果的に行われ得ることとなることにより、かかる捕捉された磁性体物質が、処理容器内の被処理液体に再び混入して、その品質を低下せしめる問題も、有利に回避され得る特徴も発揮することとなる。

本発明に従う磁気フィルタ装置の一実施形態を示す斜視説明図である。 図１に示される磁気フィルタ装置の正面説明図である。 図２におけるＡ−Ａ断面説明図である。 図３における処理容器部分の拡大断面説明図である。 図３における捕集容器部分の拡大断面説明図である。 図１に示される磁気フィルタ装置に用いられている磁石装置の一例を示す説明図であって、（ａ）は、その平面形態説明図であり、（ｂ）は、その正面形態説明図である。 図６に示される磁石装置の一例における開口形態を示す説明図であって、（ａ）は、１８０度開口させた形態における正面説明図であり、（ｂ）は、（ａ）におけるＢ−Ｂ断面の端面拡大説明図であり、（ｃ）は、（ａ）におけるＣ−Ｃ断面の拡大部分説明図である。 図６に示される磁石装置の一例における磁石ケースのケース本体の半割筒体を示す説明図であって、（ａ）は、その平面説明図であり、（ｂ）は、その正面説明図であり、（ｃ）は、（ａ）におけるＤ−Ｄ断面の端面説明図である。 図８に示される磁石ケースのケース本体の半割筒体を示す拡大斜視説明図である。 図９に示されるケース本体の半割筒体のポケット部を閉塞するための閉塞部材を示す説明図であって、（ａ）は、その平面説明図であり、（ｂ）は、その正面説明図である。

以下、本発明の構成を更に具体的に明らかにするために、本発明の代表的な実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。

先ず、図１には、本発明に従う構造を有する磁気フィルタ装置の一実施形態として、内部を作動油が循環して、所定のアクチュエータを作動させる、油圧システムの配管途中に配設される磁気フィルタ装置が、斜視図の形態において示されており、また図２には、その正面形態が示され、更に図３には、図２におけるＡ−Ａ断面の形態が示されている。そこにおいて、本実施形態に係る磁気フィルタ装置１０は、筒状の処理容器１２と、この処理容器１２の下方に位置せしめられた捕集容器１４と、それら処理容器１２と捕集容器１４とを連結する、内部に連通路（１５）が設けられてなる連結部１６と、この連結部１６上に配設されて、その内部に形成されている連通路（１５）の開閉を行う開閉弁１８と、処理容器１２の外周部に装着されてなる、磁気手段としての磁石装置２０とから、構成されている。

より詳細には、処理容器１２は、図３、更には図４より明らかな如く、円筒状の容器本体２２を有しており、この容器本体２２の上部開口部を閉塞するように、有底円筒形状のキャップ部材２４が、かかる容器本体２２の開口端部に対して溶接によって固着せしめられている。そして、キャップ部材２４には、その対向する側壁部位に、流入口２６と流出口２８とが対称的に設けられており、そこにおいて、流入口２６には、油圧システムの配管の一部を構成する、図示しない流入管が螺合により接続せしめられて、鉄粉等の強磁性粉粒体からなる磁性体物質が混入した作動油が、被処理液体として流入せしめられるようになっている。一方、流出口２８には、油圧システムの配管の一部を構成する、図示しない流出管が螺合により接続されて、処理容器１２内において、磁性体物質が磁気分離されて、浄化された作動油が、処理容器１２から流出せしめられるようになっている。

また、かかるキャップ部材２４の内側空間には、エルボ型管継手としてのＬ字型管３０が、その一方の開口端部を流入口２６の内側開口部に接続されるように、溶接により固着せしめられて、配置されている。一方、Ｌ字型管３０の他方の開口端部には、所定長さの通液管３２が螺合により取り付けられて、容器本体２２内において、容器本体２２と同軸的に且つ容器本体２２の下部空間に至るように、配設されている。従って、キャップ部材２４の流入口２６から導入される、磁性体物質が混入した被処理液体は、Ｌ字型管３０を介して、通液管３２により、容器本体２２内の下部側部位（空間）に導かれた後、通液管３２の閉塞された下端部に近接して、９０度の位相差をもって設けられた４個の矩形の吐出口３４を通じて、容器本体２２内の下部空間に流出せしめられるようになっているのである。また、それらＬ字型管３０と通液管３２とによって、流入口２６から水平方向に延びる水平部と、この水平部から垂直方向下方に延びる垂直部とを有し、それら水平部と垂直部とによって、全体としてＬ字形状を呈する導液路が構成されている。

さらに、容器本体２２には、その底部の中央部に位置するように、被処理液体から分離される磁性体物質を排出せしめるための排出口３６が形成されていると共に、この排出口３６に接続されるように、容器本体２２の底部がテーパ形状に形成されて、そのテーパ形状の最小径となる端部（下端部）において、排出口３６が形成されてなる形態とされている。そして、かかる排出口３６に対して、捕集容器１４との連結部１６の一部を構成することとなる、所定長さの処理容器側の接続管３８が、下方に延びる形態において、溶接により固着せしめられている。なお、容器本体２２の下部側の外周面には、９０度の位相差をもって、４個の突起４０が、それぞれ、一体的に設けられており、それら４つの突起４０に、容器本体２２の外周部に装着される磁石装置２０の下端部が係止されるようにすることによって、かかる磁石装置２０の上下方向の位置決めと下方への移動が阻止され得るようになっている。

ここで、上述の如き処理容器１２を構成する各部材（２２〜４０）は、何れも、ＳＵＳ等の材質からなる金属製品にて構成されて、被処理液体に対する耐食性の確保や磁気分離操作の実施等に有利に寄与せしめられている。

従って、図３及び図４に示される処理容器１２においては、キャップ部材２４に設けられた流入口２６から流入せしめられる、磁性体物質が混入した被処理液体は、Ｌ字型管３０を介して、通液管３２に導かれた後、その下端部の周囲から、複数の吐出口３４を通じて、容器本体２２内の下部空間に吐出せしめられ、そこで、磁性体物質の中でも形状の大きな重量のある粒子は、被処理液体の流れから離脱して、容器本体２２内を自重により下方に降下して、テーパ形状の底部の底面に沿って案内され、そして排出口３６を通じて、処理容器側の接続管３８に導かれるようになっている。一方、通液管３２の吐出口３４から吐出せしめられる被処理液体は、通液管３２と容器本体２２との間の間隙を上方に向かって導かれることとなるが、そのような被処理液体の流れと共に、容器本体２２の上方に移動する残余の磁性体物質は、容器本体２２に外装される磁石装置２０によって発生せしめられる所定の磁界が、容器本体２２内に作用せしめられることにより、かかる容器本体２２の内壁面に吸着されて、磁気分離せしめられることとなるのであり、そして、そのようにして磁性体物質が磁気分離されて、清浄化された被処理液体は、キャップ部材２４の流出口２８を通じて流出せしめられて、油圧システムの配管に、浄化された作動油として、供給されるようになっている。

このように、通液管３２の存在によって、被処理液体が、通液管３２と容器本体２２との間の間隙を上方に流れるように構成することにより、流入口２６と吐出口３４との間を短絡することなく、磁石装置２０による磁界の作用を均等に受けることとなるのであり、以て有効な磁気分離操作が実施され得て、被処理液体からの磁性体物質の分離、除去が有利に行なわれ得ることとなるのである。

そして、磁気フィルタ装置１０における処理容器１２内に、磁性体物質が混入した被処理液体が、所定期間の間、流通せしめられて、容器本体２２の内壁面に吸着された磁性体物質が或る程度の量乃至は厚さとなったときに、かかる被処理液体の流通を停止した状態下において、後述せるように、取外し可能とされた磁石装置２０を容器本体２２の外周部から取り外して、そのような磁石装置２０による磁界の作用が、容器本体２２に対して解消せしめられるようにすることにより、容器本体２２の内壁面に吸着された磁性体物質は、重力によって下降して、下方に移動せしめられるようになるのであり、そして容器本体２２の底部に到達した後は、そのテーパ形状の底面に沿って排出口３６に導かれて、容器本体２２、ひいては処理容器１２から排出されることとなるのである。

また、処理容器１２の下方に位置せしめられる捕集容器１４は、図３及び図５から明らかな如く、透明な樹脂からなる容器本体４２と、この容器本体４２の上部開口部を覆蓋するＳＵＳ等の金属からなる蓋部材４４と、それら容器本体４２と蓋部材４４とを締結する締結部材たる、金属製の締結リング４６とから、構成されている。そこにおいて、締結リング４６は、Ｌ字の断面形状を有しており、そのＬ字の一辺にて、容器本体４２の上部外周部に一体的に形成されているリング状突起４２ａを係止した形態において、蓋部材４４の側部外周部に形成されているネジ部に螺合せしめられることによって、容器本体４２と蓋部材４４とが連結されるようになっていると共に、かかる締結リング４６の蓋部材４４に対する螺合の解除によって、容器本体４２は、蓋部材４４から取り外されるようになっている。このように、締結リング４６を用いることによって、樹脂製の容器本体４２と蓋部材４４とが耐久的に且つ堅固に締結され得ることとなるのであるが、勿論、そのような締結リング４６を用いることなく、直接に螺合等によって連結せしめられるようにすることも可能である。特に、容器本体４２と蓋部材４４の何れもが金属製とされている場合にあっては、そのような直接的な締結手段が好適に採用されることとなる。

なお、容器本体４２の上端外周部と蓋部材４４の内側角部との間には、Ｏ−リング４８が介挿されており、かかるＯ−リング４８の存在によって、容器本体４２が蓋部材４４に対して流体密に取り付けられ得るようになっている。また、蓋部材４４には、その中心部を貫通する貫通孔４４ａが形成されており、この貫通孔４４ａに対して、下方から、所定長さの導入管５０が螺合によって取り付けられて、容器本体４２内に、所定長さに亘って垂下せしめられている一方、かかる貫通孔４４ａに対して、上方から、連通路１５の一部を構成する捕集容器側の接続管５２が螺着せしめられて、上方に所定長さに亘って位置するように、配設せしめられている。

そして、上記した捕集容器１４とその上方に位置する前記処理容器１２とは、それぞれの接続管３８及び５２が、図２及び図３に示されるように、開閉弁１８の導管１８ａの上下の開口部に、それぞれ、螺合せしめられることによって、連結され、以て処理容器１２と捕集容器１４との連結部１６が形成されていると共に、かかる連結部１６を構成する上下の接続管３８，５２と導管１８ａとによって、それら処理容器１２と捕集容器１４とを連通せしめる連通路１５が、形成されるようになっている。なお、開閉弁１８は、導管１８ａ内の通路を遮断又は開孔せしめ得る弁体（図示せず）を、蝶型つまみ１８ｂにて、回転作動せしめ得るようにした公知の構造のものであって、かかる蝶型つまみ１８ｂによる図示しない弁体の回転作動によって、導管１８ａ内を連通状態として、処理容器１２側から、その底部に降下せしめられた磁性体物質が、更に連通路１５を通じて、重力により、捕集容器１４内に導き入れられるようになっている。このように、開閉弁１８としては、導管１８ａ内を遮断若しくは開孔せしめ得る機能を有している手段であれば、公知の如何なるバルブ手段をも用いることが出来ることは勿論、他の公知の開閉手段を採用することも可能である。また、この開閉弁１８は、処理容器１２における磁気分離操作中においても、一般に、開作動されて、連通路１５は連通状態とされており、これによって、処理容器１２内を流通せしめられる被処理液体から重力により降下した磁性体物質が、処理容器１２の底部の排出口３６から、連通路１５を通じて、捕集容器１４内に収容され得るようになっている。

従って、上述の如くして、処理容器１２と捕集容器１４とが、連結部１６を介して、連結せしめられてなる構造の磁気フィルタ装置１０にあっては、処理容器１２において、流入せしめられた被処理液体から磁気分離された磁性体物質は、処理容器１２の外周部に装着された磁石装置２０の取外しによる磁界作用の解消によって、処理容器１２における容器本体２２の内周面から、大きな集合物として、重力により降下せしめられた後、容器本体２２のテーパ形状に傾斜した底部から、排出口３６を通じて、処理容器１２側の接続管３８内に導かれ、そして、開閉弁１８の開作動により連通状態下にある連通路１５（導管１８ａ）を通じて、更に重力により、下方に降下せしめられて、捕集容器側の接続管５２から、更には導入管５０を通じて、捕集容器１４の容器本体４２内に集積せしめられることとなる。

そこにおいて、容器本体４２は透明な容器とされているところから、かかる容器本体４２内への磁性体物質の収容量（集積量）は、目視にて観察することが出来ることとなり、それによって、容器本体４２内の磁性体物質の収容量が規定された量に到達した段階において、開閉弁１８を閉じて、連通路１５を遮断した後、捕集容器１４が取り外されて、そこに収容された磁性体物質が外部に排出せしめられることとなるのである。具体的には、捕集容器１４における締結リング４６が、蓋部材４４から螺脱されて、取り外されることにより、容器本体４２も、蓋部材４４から取り外されることとなるのであり、以て、そのような容器本体４２内に収容された規定量の磁性体物質が、容易に外部に排出せしめられ得ることとなるのである。

なお、その際、容器本体４２内には、開閉弁１８よりも下方の連通路１５内に存在する被処理液体や磁性体物質が流れ込むこととなるのであるが、蓋部材４４から下方に延びる導入管５０が設けられているところから、それらが容器本体４２から溢れ出すようなことが、良好に回避され得ることとなる。けだし、容器本体４２内における液面は、導入管５０の存在によって、かかる導入管５０の略下端面位置に制限され、それ以上の液面の上昇は、容器本体４２内に閉じ込められた空気の存在によって、阻止され得るようになっているからである。要するに、そのような空気の存在により、所定の空間が形成されることによって、容器本体４２の上部に形成される空間内に、開閉弁１８から下の連通路１５内に存在する被処理液体や磁性体物質が流入したところで、容器本体４２から溢れることはないのであり、また容器本体４２内に流入する被処理液体の量自体も低減せしめられることとなり、以て磁性体物質と共に外部に排出せしめられる被処理液体量の低減に寄与し得るのである。

また、かくの如く、容器本体４２を、蓋部材４４から取り外して、そこに収容された磁性体物質を外部に排出せしめた後、再び、容器本体４２を、蓋部材４４に対して締結リング４６にて取り付け、そして開閉弁１８を開作動させて、連通路１５の遮断を解消するようにすれば、かかる連通路１５を通じて、処理容器１２内の被処理液体が、捕集容器１４の容器本体４２内に流れ込むこととなるが、そのような被処理液体の流入によっても、容器本体４２内の液面は、導入管５０の略下端面位置に保持されて、その上方に空気が閉じ込められてなる空間が、形成されることとなるのである。

ところで、上述の如き磁気フィルタ装置１０において、処理容器１２を構成する容器本体２２の外周部に着脱可能に装着される磁石手段としての磁石装置２０は、ここでは、図６〜図１０に示される如き構造を有しているものである。具体的には、磁石装置２０は、外装せしめられる容器本体２２の外径に略等しい内径を有する、全体として円筒形状を呈する樹脂製の磁石ケース６０と、この磁石ケース６０に対して、周方向に所定間隔を隔てて取り付けられた、後述する複数個の永久磁石（７０）とを有し、それら永久磁石（７０）によって、処理容器１２の容器本体２２内に磁界が形成されるようになっている一方、かかる磁石ケース６０を処理容器１２（容器本体２２）から取り外すことによって、かかる処理容器１２内への磁界の作用が解消せしめられ得るように構成されている。

そこにおいて、磁石ケース６０は、図６及び図７から明らかなように、その円筒形状における軸心を含んで、かかる軸心方向に延びる分割面によって、二つの半割筒体６０ａ，６０ｂに分割されてなる構造を有している。そして、それら二つの半割筒体６０ａ，６０ｂは、同一構造において、その二つの相対向する端部の一方において、磁石ケース６０の軸心に平行な回転軸周りに回転可能とされている。一方、他方の相対向する端部においては、相互に離脱可能とされて、大きく開口せしめられて、容器本体２２から取り外され得るようになっている。なお、図７（ａ）には、それら二つの半割筒体６０ａ，６０ｂが、その二つの相対向する端部の一方において回動させられて、１８０度の開き角において開口せしめられてなる形態が、示されている。

より具体的には、磁石ケース６０を構成する二つの半割筒体６０ａ，６０ｂは、それぞれ、所定の樹脂にて形成されて、図８及び図９に示される如き構造とされているのである。即ち、各半割筒体６０ａ，６０ｂには、ここでは、それぞれ、その半円形状の両端部のうちの一方に、高さ方向において略上半分の部位に位置するように、蝶番用上側円筒部６２が、一体的に形成されている一方、他方の端部には、その高さ方向の略下半分の部位に位置するように、蝶番用下側円筒部６４が、一体的に形成されている。更に、各半割筒体６０ａ（６０ｂ）には、その筒壁内に位置するように、長手矩形形状を呈する磁石収容ポケット６６の複数（ここでは５個）が、周方向に所定間隔を隔てて設けられていると共に、それら磁石収容ポケット６６は、永久磁石７０の挿入のために、半割筒体６０ａ（６０ｂ）の上端面に開口するようにして、設けられている。また、それぞれの磁石収容ポケット６６には、半割筒体６０ａ（６０ｂ）の半円筒形状の内面に開口し、軸方向に延びる矩形形状の窓部６８が設けられており、この窓部６８を介して、磁石収容ポケット６６内に収容された永久磁石７０（図７参照）が、処理容器１２の容器本体２２の外周面に、直接に、対向して近接位置せしめられ得るようになっている。

そして、そのような構成の二つの半割筒体６０ａ，６０ｂが、それぞれの両端部を突き合わせて、蝶番用の上側円筒部６２と下側円筒部６４とを上下に、同軸的に、位置せしめた状態下において、図６（ｂ）に示される如く、連結ピン７２を挿通して、その先端のネジ部にナット７４を螺合せしめるようにすれば、二つの半割筒体６０ａ，６０ｂは、蝶番構造において、その二つの端部にてそれぞれ連結せしめられて、各連結ピン７２の周りに回動可能となるように構成されている。また、それと共に、一方の連結ピン７２に対するナット７４の螺合を解消して、連結ピン７２を引き抜くことにより、その引き抜かれた端部から、二つの半割筒体６０ａ，６０ｂを、図７（ａ）に示される如く、大きく開口せしめることが可能となるのである。

また、処理容器１２の内部に磁力を作用させて、磁界を形成せしめる永久磁石７０は、一般に、ネオジム磁石の如き強力な磁石であって、図７（ａ）〜（ｃ）に示される如く、磁石収容ポケット６６の窓部６８よりも広幅において、軸方向に延びる長手の板状形状を呈しており、これによって、それぞれの磁石収容ポケット６６に収容された永久磁石７０は、窓部６８から容易に抜け出し得ないようになっている。更にまた、それぞれの半割筒体６０ａ，６０ｂの上端面に取り付けられて、磁石収容ポケット６６の開口部を覆蓋するように閉塞せしめる樹脂製の閉塞部材７６ａ，７６ｂは、図１０（ａ）及び（ｂ）に示される如き半円形状を呈しており、それら閉塞部材７６ａ，７６ｂが、磁石ケース６０の対応する半割筒体６０ａ，６０ｂの上端面に載置された状態において、それら閉塞部材７６ａ，７６ｂに設けられたネジ孔７８を通じて、頭部に六角穴が設けられた固定ネジ８０を用いて、図６に示される如く、それぞれの半割筒体６０ａ，６０ｂに固定せしめられるようになっている。

このような構成の磁石装置２０を、処理容器１２、具体的には、容器本体２２の外周部に装着するに際しては、図７（ａ）に示される如く、二つの半割筒体６０ａ，６０ｂを、一方の相対向する端部における連結ピン７２の周りに回動せしめて、大きく開口させた形態において、容器本体２２の周りに配置した後、かかる開口を閉じるように、それら二つの半割筒体６０ａ，６０ｂを逆方向に回動させて、容器本体２２の外周面上に重ね合わせ、そして他方の相対向する端部を連結ピン７２にて連結せしめることにより、それぞれの半割筒体６０ａ，６０ｂに内蔵せしめた複数の永久磁石７０によって、容器本体２２の外周面に吸着されるようになるのであるが、その際、容器本体２２の外周面には、９０度の位相差をもって、４個の突起４０が形成されているところから、それら突起４０に、磁石装置２０、具体的には半割筒体６０ａ，６０ｂの下端部を係止させることによって、磁石装置２０の処理容器１２に対する位置決めが容易に行われ得ることとなると共に、振動や下方への荷重乃至は力等が作用したときに、磁石装置２０が下方に移動することが効果的に阻止されることとなる。そして、これによって、磁石装置２０が、所定の位置に固定的に保持され得て、処理容器１２内の所定位置において、被処理液体に混入した磁性体物質の磁気分離操作が、有利に実施され得るのである。

また、そのような磁気分離操作を中断すべく、磁石装置２０による磁界の作用を解消せしめるに際しては、磁石ケース６０を構成する二つの半割筒体６０ａ，６０ｂの二つの相対向する端部のうちの一方を連結せしめる連結ピン７２を、上下に配列された上側円筒部６２及び下側円筒部６４から引き抜いて、他方の相対向する端部を連結せしめている連結ピン７２の周りに、それぞれの半割筒体６０ａ，６０ｂを回動せしめることによって、開口させて、磁石ケース６０が処理容器１２の容器本体２２から取り外されることとなる。これにより、処理容器１２内における被処理液体中の磁性体物質の吸着除去操作が停止せしめられる一方、容器本体２２の内壁面に吸着されて、捕捉、蓄積された磁性体物質は、被処理液体の流通が停止された状態下において、重力の作用乃至は自重により、下方に降下せしめられ、そして開閉バルブ１８の開作動によって、連通状態にある連通路１５を通じて、捕集容器１４内に導かれるようになっている。

このように、処理容器１２の容器本体２２の内周面に吸着される磁性体物質の捕捉量（蓄積量）を考慮して、定期的に、容器本体２２の外周部から磁石装置２０を取り外して、その捕捉（蓄積）された磁性体物質を、下降させて、順次、捕集容器１４内に収容せしめるようにすることによって、磁性体物質の外部への排出に際し、処理容器１２の容器本体２２内を流通せしめられる被処理液体を、かかる捕捉された磁性体物質と共に、外部に排出されるようなことがないところから、そのような被処理液体の減少（損失）を顧慮することなく、捕集容器１４内に磁性体物質を漸次蓄積させることが、有利に可能となるのである。

なお、上述の如き磁石装置２０においては、磁石ケース６０を構成する二つの半割筒体６０ａ，６０ｂの相対向する端部の二つのうちの何れにも、連結ピン７２を用いた蝶番構造が形成されているが、そのような相対向する端部の少なくとも何れか一方に、蝶番構造が採用されておれば充分であり、また、各半割筒体６０ａ，６０ｂが、それらに内蔵された永久磁石７０の磁力によって、処理容器１２の容器本体２２の外周面にしっかりと吸着され得るものであれば、蝶番構造が設けられた側とは異なる他方の相対向する端部の連結構造自体も、不要とすることが可能であり、更には、蝶番構造自体を不要とすることも、可能である。

また、上記した実施形態においては、磁石装置２０による処理容器１２内への所定の磁界の作用の解消のために、かかる磁石装置２０を処理容器１２から取り外し得るようにした構成が、採用されているのであるが、これに代えて、処理容器１２が大型化することは避けられないものの、従来の如く、処理容器１２の軸心方向の異なる部位に、磁気作用位置と磁気非作用位置とを設けて、それら二つの位置に対して、磁石装置２０を選択的に移動せしめて、磁界の作用及びその解消を図るようにすることも可能である。

さらに、例示の実施形態においては、所望の磁界を発生させるために、磁石装置２０には、永久磁石７０の複数が組み込まれているが、そのような永久磁石７０に代えて、通電により磁気（磁力）を発生せしめる電磁石を用いることも可能であり、その場合にあっては、そのような電磁石に対する電流のＯＮ／ＯＦＦによって、磁気の発生、消滅を制御することが出来るところから、処理容器１２から磁石装置２０を手作業にて取り外したり、或いは磁石装置２０を移動せしめたりする必要がなく、そのために、装置のコンパクト化や磁性体物質の磁気分離・除去作業の自動化、簡略化等を有利に図り得る利点を享受することが出来る。

以上、本発明の代表的な実施形態に基づいて、その構成や変形例について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態や変形例に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。

例えば、磁石装置２０において用いられる永久磁石７０としては、ネオジム磁石の如き磁力の強い希土類磁石が好適に用いられることとなるが、これに限定されるものではなく、公知の各種の永久磁石を用いることが可能である。

また、容器本体４２は、その全体が透明とされていたが、収容される磁性体物質の収容量が把握し得る程度において、部分的に透明とされていてもよく、例えば容器本体４２の深さ方向に延びるスリット状の透明な窓部を設けてなる構造を採用することが出来、更には容器本体４２の全体を不透明な構造としたり、或いは金属製としたりすることも可能である。

何れにしても、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることが理解されるべきである。

１０ 磁気フィルタ装置 １２ 処理容器
１４ 捕集容器 １５ 連通路
１６ 連結部 １８ 開閉弁
２０ 磁石装置 ２２ 容器本体
２４ キャップ部材 ２６ 流入口
２８ 流出口 ３２ 通液管
３４ 吐出口 ３６ 排出口
３８ 接続管 ４０ 突起
４２ 容器本体 ４４ 蓋部材
４６ 締結リング ５０ 導入管
５２ 接続管 ６０ 磁石ケース
６０ａ，６０ｂ 半割筒体 ６２ 上側円筒部
６４ 下側円筒部 ６６ 磁石収容ポケット
６８ 窓部 ７０ 永久磁石
７２ 連結ピン ７４ ナット
７６ａ，７６ｂ 閉塞部材 ８０ 固定ネジ

Claims (13)

1. 容器上部に、磁性体物質が混入した被処理液体を流入せしめるための流入口と、該磁性体物質が分離除去された被処理液体を流出せしめるための流出口とを有する一方、容器底部の中央部には、該被処理液体から分離された前記磁性体物質を排出せしめるための排出口が設けられた、該磁性体物質を磁気分離するための筒状の処理容器と、
   かかる処理容器の外周部に装着されて、該処理容器内に所定の磁界を作用せしめることにより、該処理容器の内壁面に前記被処理液体中の磁性体物質を吸着して、磁気分離する一方、かかる磁界の作用が選択的に解消せしめられ得るように構成して、そのような磁界の作用の解消によって、前記処理容器の内壁面に吸着された磁性体物質を、該内壁面から離脱させて、該処理容器内の下部に、重力により降下せしめる磁石手段と、
   前記処理容器の下方に位置して、該処理容器内において前記被処理液体から吸着分離され、そして降下せしめられた前記磁性体物質が、該処理容器から、重力により流入せしめられる取外し可能な捕集容器と、
   前記処理容器と該捕集容器とを連通せしめて、該処理容器内の磁性体物質を、該捕集容器内に導く連通路と、
   該連通路上に配設されて、該連通路の開閉を行い、その開作動によって、前記磁性体物質が前記処理容器内から前記捕集容器内に流入することを許容するバルブ手段とを、
   有していることを特徴とする磁気フィルタ装置。
2. 前記処理容器内において、前記流入口に接続されて、該流入口から流入せしめられる前記被処理液体を該処理容器内の下部空間に導く導液路が、該処理容器の上部から下方に延びるように配設されている請求項１に記載の磁気フィルタ装置。
3. 前記導液路が、前記流入口から水平方向に延びる水平部と、該水平部から垂直方向下方に延びる垂直部とを有し、それら水平部と垂直部とによってＬ字形状を呈している請求項１又は請求項２に記載の磁気フィルタ装置。
4. 前記導液路を構成する前記垂直部の下端が閉塞せしめられている一方、該垂直部の下端部近傍の周壁部に、該導液路を通じて案内される被処理液体を前記処理容器内に吐出せしめる複数の吐出口が配設されている請求項１乃至請求項３の何れか１項に記載の磁気フィルタ装置。
5. 前記連通路に接続された導入管が、前記捕集容器の上部から下方に所定長さ延びるように、該捕集容器内に配設されて、該連通路を通じて導かれる前記磁性体物質が、該導入管を介して、該捕集容器内に流入せしめられるようになっている請求項１乃至請求項４の何れか１項に記載の磁気フィルタ装置。
6. 前記捕集容器が透明な容器にて構成されており、該捕集容器内に流入せしめられた前記磁性体物質の収容量が外部から把握され得るようになっている請求項１乃至請求項５の何れか１項に記載の磁気フィルタ装置。
7. 前記捕集容器が、上部が開口部とされた容器本体と、該容器本体の上部開口部を閉塞すると共に、前記連通路が接続された蓋部材とを有し、それら容器本体と蓋部材とが締結部材にて締結せしめられていることを特徴とする請求項１乃至請求項６の何れか１項に記載の磁気フィルタ装置。
8. 前記処理容器の底部がテーパ形状に形成されて、かかるテーパ形状の最小径部において前記排出口に接続されている請求項１乃至請求項７の何れか１項に記載の磁気フィルタ装置。
9. 前記磁石手段が、前記処理容器の外周部に対して着脱可能に外装される筒状の磁石ケースと、該磁石ケースに対して周方向に所定間隔を隔てて取り付けられた複数個の永久磁石とを有し、該磁石ケースを該処理容器の外周部から取り外すことによって、該処理容器内への磁界の作用が解消せしめられ得るように構成されている請求項１乃至請求項８の何れか１項に記載の磁気フィルタ装置。
10. 前記磁石ケースが、その筒状形状の軸心を含んで軸心方向に延びる分割面によって二つの半割筒体に分割されてなる構造を有し、それら二つの半割筒体が、一方の相対向する端部において前記軸心に平行な回転軸回りに回転可能とされている一方、他方の相対向する端部においては、相互に離脱可能に構成されている請求項９に記載の磁気フィルタ装置。
11. 前記二つの半割筒体に、それぞれ、前記永久磁石を収容し得る磁石収容ポケットが、該半割筒体の軸心方向に延びるように、且つ該半割筒体の軸心方向の一方の端面に開口せる形態において、設けられていると共に、かかる磁石収容ポケット内に前記永久磁石が収容されてなる形態において、該磁石収容ポケットの開口部が閉塞部材にて閉塞せしめられるように構成されている請求項１０に記載の磁気フィルタ装置。
12. 前記半割筒体が、前記処理容器の外周面に対向する内周面に開口するように、前記磁石収容ポケット部の窓部を有しており、かかる窓部を介して、前記永久磁石が該処理容器の外周面に直接に対向せしめられている請求項１１に記載の磁気フィルタ装置。
13. 前記処理容器の外周面に、少なくとも１つの突起が形成されており、かかる突起に、前記外装せしめられる磁石ケースが係止されることにより、該磁石ケースの位置決めと下方への移動が阻止されるようになっている請求項７乃至請求項１２の何れか１項に記載の磁気フィルタ装置。

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