JP2006516890A - 磁気分離器 - Google Patents

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Abstract

本発明は、試験試料の異なる成分を磁気分離するための磁気分離器に関する。当該磁気分離器は、細胞を分離するために用いることができる。

Description

本発明は、磁気分離器、および磁気分離器を使用して細胞を分離する方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、磁気分離器および一方の性を決定する精子を他方の性の精子から分離する方法に関するものである。
農場主および他の畜産業者は長年、選択された性の子孫を得る確率を高めることが望ましいことを認めている。過去に、X染色体担持精子細胞またはY染色体担持精子細胞の割合を高め、雌または雄の子孫を得る可能性を高くするための方法が提案されている。
従来の方法は、例えば密度沈降に基づく方法を含んでいる(例えばBrandriff,B.F.ら、「Sex Chromosome Patios Determined by Karyotypic Analysis in Albumin−Isolated Human Sperm],Fertil.Steril.,46,pp.678−685(1986)を参照のこと)。
Van Den Bovenkampの米国特許第3,687,806号は、X担持精子またはY担持精子のいずれかと反応する抗体を使用し、結合抗体を無影響抗体から分離する凝集ステップを利用することによって、哺乳類の子孫の性をコントロールするための免疫学的方法を開示している。
Bryantの米国特許第4,191,749号は、固相免疫吸収材に結合された雄性特異的抗体を使用して、雄性決定精子を選択的に結合する一方、雌性決定精子を上清中に結合しないまま残すことによって、いずれかの性の哺乳類の子孫の割合を高めるための方法を開示している。
Spauldingの米国特許第5,021,244号は、DNA含量、特に精子集団に基づいて生細胞を選別し、性関連膜タンパク質およびそのようなタンパク質に特異的な抗体によって、XまたはY精子が豊富な亜集団を生成するための方法を開示している。
しかし、これらの方法はしばしばXおよびY精子の不充分な分離に終わり、しばしば精子を損傷し、よってその運動性および受精成功率を低減する。
本願と同一出願人に譲渡された米国特許第6,153,373号および第6,489,092号では、磁性粒子に結合した抗体を用いて精子を分離する改善された方法が提供されている。これらの方法は、精子集団を緩徐に分離できるものであるが、磁性粒子に結合しない、よって磁界に保持されない上清の吸引または傾瀉を必要とする、装置による磁気分離を用いるものである。
他の磁気分離器もまた、使用者が分離器から試料を吸引または傾瀉する必要があり、試料が、磁気ビーズと結合して分離した細胞と混ざってしまう傾向がある。磁気分離器装置のなかには、非結合試料が分離器から除去されるときに混合が起きないように、高い磁界強度の磁界を印加して、磁性粒子によって結合された細胞を分離器の壁に保持することによって、混合の問題を解消するよう試みられてきたものもある。この手法は、磁界強度の高い外部磁界を印加することの難しさ、および高強度の磁界が細胞に与える影響、特に高強度の内部磁界を生成するために使用される装置(例えばスチールウール)の影響を含め欠点を有する。
したがって、細胞を損傷することなく、細胞を効率的に分離することのできる磁気分離装置が必要である。
(発明の要約)
本発明は、従来の磁気分離装置に於ける非効率的な分離および分離した細胞の損傷といった問題点を克服する、磁気分離器を提供するものである。本発明はまた、当該磁気分離器を使用して細胞を分離する方法、分離された細胞集団、および分離された細胞集団を使用する受精方法も提供する。本発明はまた、分離過程に於ける予想外の臨界時間および臨界温度に基づいて、射精精液を分画する方法も提供する。
本発明の一態様では、磁性成分および非磁性成分を含む試験試料から磁性成分を分離するための磁気分離器を提供する。磁気分離器は、入口および出口を含み入口を通して試験試料を受容するように構成かつ配設された容器と、試験試料内の磁性成分に作用して磁性成分および非磁性成分を相互に実質的に分離する磁界を容器内に発生するように適応された少なくとも一つの磁石と、容器の出口に連結されて容器の出口からの非磁性成分の流量を調節する調節器とを含む。
態様によっては、調節器は、出口からの非磁性成分の流量を制御するために閉位置と開位置との間で作動可能である。調節器は、出口からの非磁性成分の流量を変化させるように作動可能であることが好ましい。別の態様では、調節器は弁を含む。弁は止栓を含むことが好ましい。
さらなる態様では、出口は入口の下に配置される。容器の出口は容器の底に設けることが好ましい。容器の底は実質的に円錐形状を持つことがさらに好ましい。
さらに他の態様では、容器の少なくとも一部分は、容器内の試験試料が容器の外から見えるように実質的に透明である。
本発明のある態様では、少なくとも一つの磁石は棒磁石を含み、および/又は容器を中心に間隔をおいて配置された一対の磁石を含む。磁石は容器を中心に実質的に等間隔に配置することが好ましく、磁石は容器を中心に約180°離して配置することがさらに好ましい。磁石は、一部の態様では、ネオジム鉄ホウ素、サマリウムコバルト、アルニコ、およびフェライトから成る群から選択された材料から形成される。他の態様では、磁石は少なくとも一つの電磁石を含む。
本発明は、さらに他の態様では、容器を磁石に隣接して保持するように構成かつ配設された、少なくとも一つの保持器を含む。少なくとも一つの保持器は容器を摺動自在に保持することが好ましい。別の好ましい態様では、少なくとも一つの保持器は、容器の外面の一部分を保持するように構成かつ配設された溝を含む。
本発明の別の態様では、磁性成分および非磁性成分を含む試験試料から磁性成分を分離するための磁気分離器を提供する。当該磁気分離器は、試験試料を受容するように適応された容器を受容するように構成かつ配設された容器受容領域と、容器受容領域内に磁界を発生するように適応され、容器受容領域を中心に間隔をおいて配置された少なくとも二つの磁石と、容器を容器受容領域内で各磁石から実質的に等距離に配置するように構成かつ配設されたガイドとを含む。
一態様では、ガイドは、容器を保持するように構成かつ配設された少なくとも一つの保持器を含み、および/又はガイドは容器の外面の少なくとも一部分を受容するように構成かつ配設された少なくとも一つの溝を含み、および/又はガイドは容器を摺動自在に受容するように構成かつ配設され、又はスナップ式構造によって容器を受容するように構成かつ配設される。
別の態様では、磁石は容器受容領域を中心に実質的に等距離に配置される。磁石は、ある態様では、ネオジム鉄ホウ素、サマリウムコバルト、アルニコ、およびフェライトから成る群から選択された材料から形成される。さらに他の態様では、磁気分離器は、ガイドによって各磁石から実質的に等距離に容器受容領域に配置される容器と組み合わせて提供される。
本発明のさらなる態様では、磁性成分および非磁性成分を含む試験試料から磁性成分を分離するための磁気分離器を提供する。本発明のこの態様では、分離器は、試験試料を受容するように適応された容器を受容するように構成かつ配設された容器受容領域と、試験試料中の磁性成分に作用する磁界を容器受容領域内に発生するように適応され、容器受容領域に隣接して配置された少なくとも一つの磁石と、容器からの試験試料の非磁性成分を捕捉するように適応された槽を容器受容領域の下に受容するように構成かつ配設された槽受容領域の上に容器受容領域を支持する基台とを含む。
ある態様では、基台は、容器受容領域を持ち上げるように適応された複数の脚を含み、および/又は基台は表面に固定可能である。他の態様の磁気分離器は、容器を容器受容領域に保持するように構成かつ配設された少なくとも一つの保持器をも含む。保持器は、容器受容領域から距離をおいて配置された磁石を維持することが好ましい。
さらなる態様では、少なくとも一つの磁石は、容器受容領域を中心に実質的に等距離に配置された一対の磁石を含む。さらに他の態様では、少なくとも一つの磁石は棒磁石を含む。磁石は、さらに他の態様では、ネオジム鉄ホウ素、サマリウムコバルト、アルニコ、およびフェライトから成る群から選択された材料から形成される。磁石は少なくとも一つの電磁石を含むことができる。
態様によっては、磁気分離器は、容器受容領域に配置され試験試料を受容するように適応された容器と組み合わせて提供される。これらの態様の一部では、磁気分離器は、槽受容領域に配置され容器からの非磁性成分を捕捉するように適応された槽と組み合わせて提供される。容器は、非磁性成分を出口から容器の外に流出させるように構成かつ配設された出口を含むことが好ましい。これら好ましい態様の一部では、槽は容器の出口からの非磁性成分の流れを受容するように設けられ、および/又は出口は、容器の出口からの非磁性成分の流量を調節する調節器を含む。
本発明のさらに別の態様では、生物学的試料から選択された細胞集団を磁気分離するための方法を提供する。当該方法は、選択された細胞集団を選択的に結合させる複数の結合剤分子に、容器内の生物学的試料を、結合剤分子が細胞を結合させるのに充分な時間接触させることを含み、ここで結合剤分子は磁性粒子に付着して、生物学的試料の磁性成分を形成する。当該方法はさらに、容器に外部磁界を印加して、生物学的試料の非磁性成分から磁性成分を分離すること、および生物学的試料の非磁性成分を容器から排出して、選択された細胞集団を生物学的流体試料の非磁性成分から分離することを含む。これらの方法の幾つかにおいては、生物学的試料は第二細胞集団を含み、生物学的流体試料の非磁性成分は第二細胞集団を含む。
ある態様では、結合剤分子は抗体またはその抗原結合性フラグメントである。抗体はY担持精子またはX担持精子に特異的であることが好ましい。他の態様では、抗体は、中間リンク化合物を介して磁性粒子に付着される。中間リンク化合物はタンパク質Aであることが好ましい。さらに他の態様では、結合剤分子はファージディスプレイ結合分子、レクチン、又は細胞上の分子の結合パートナーである。
さらなる態様では、磁性粒子は非多孔性磁気ビーズ支持体であり、好ましくは0.1〜2ミクロンの直径を有し、より好ましくは0.1〜0.5ミクロンの直径を有するものである。上述の態様の一部では、磁性粒子は結合剤分子に共有結合される。
本発明の方法では、選択された細胞集団は、一方の性を決定する精子であることが好ましい。
上述の方法の一部では、磁界は磁性粒子を容器の表面に保持するのには不充分である。ある好ましい態様では、磁性粒子に結合された選択された細胞集団は、生物学的流体試料の残部とは分離した相を形成し、および/又は磁性粒子に結合された選択された細胞集団は、排液後、容器の内面から突起する塊を形成する。
他の好ましい態様では、磁性粒子は、磁界の影響の下で容器の壁に単層の粒子を形成するには数が多すぎる。さらなる態様では、選択された細胞集団中の細胞の数は約1×10個/mlより多い。
当該方法はまた、ある態様では、容器から選択された細胞集団を除去することをも含む。好ましい態様では、容器から選択された細胞集団を排出するステップは、重力によって、好ましくは弁、又は止栓の開いたり任意選択的に閉めて調節することによって、又はドレンに取り付けられたポンプの動作を調節することによって、容器から液を排出することを含む。代替の態様では、容器から選択された細胞集団を排出するステップは、濃厚流体を容器内に圧送し、生物学的試料の非磁性成分を容器から排除することを含む。
本発明のさらなる態様では、受精の方法を提供する。当該方法は、本願で記載する方法のいずれかに従って精子集団を得ること、および当該精子集団で哺乳類を受精させることを含む。
本発明の別の態様では、生物学的試料から選択された細胞集団を磁気分離するための方法を提供する。当該方法は、選択された細胞集団を選択的に結合させる複数の結合剤分子に、生物学的流体試料を、結合剤分子が選択された細胞集団を結合させて反応混合物を形成するのに充分な時間接触させ、ここで結合剤分子は磁性粒子に付着されること、反応混合物を分離容器に移すこと、分離容器に外部磁界を印加して磁性粒子を生物学的流体試料から分離すること、および容器から生物学的流体試料の非磁性成分を排出して、選択された細胞集団を生物学的流体試料の非磁性成分から分離することを含む。
一部の態様では、生物学的試料は第二細胞集団を含み、生物学的流体試料の非磁性成分は第二細胞集団を含む。
ある態様では、結合剤分子は抗体またはその抗原結合性フラグメントである。抗体またはその抗原結合性フラグメントはY担持精子またはX担持精子に特異的であることが好ましい。他の好ましい態様では、抗体は、中間リンク化合物を介して磁性粒子に付着される。中間リンク化合物はタンパク質Aであることが好ましい。他の態様では、結合剤分子はファージディスプレイ結合分子、レクチン、または細胞上の分子の結合パートナーである。
当該方法で使用する磁性粒子は、好ましくは0.1〜2ミクロンの直径を有し、より好ましくは0.1〜0.5ミクロンの直径を有する、非多孔性磁気ビーズ支持体である。上述の態様の一部では、磁性粒子は結合剤分子に共有結合される。
特に好ましい態様では、選択された細胞集団は、一方の性を決定する精子である。
一部の態様の磁界は、磁性粒子を容器の表面に保持するのには不充分である。これらの態様の一部では、磁性粒子に結合された選択された細胞集団は、生物学的流体試料の残部とは分離した相を形成し、および/又は排液後、容器の内面から突起する塊を形成する。これらの態様の他の一部では、磁性粒子は、磁界の影響の下で容器の壁に単層の粒子を形成するには数が多すぎる。
本発明の方法は、細胞集団の効率的かつ静穏な分離をもたらす。当該方法の一部では、選択された細胞集団中の細胞の数は約1×10個/mlより多い。
さらなる態様では、当該方法は、容器から選択された細胞集団を除去することをも含む。一部の態様では、容器から選択された細胞集団を除去することは、容器から選択された細胞集団を排出するステップを含む。排出のステップは好ましくは、重力によって容器から液を排出することを含む。ある好ましい態様では、排出のステップは、弁または止栓を開いたり任意選択的に閉めることによって、および/又はドレンに取り付けられたポンプの動作を調節することによって調節される。代替の態様では、容器から選択された細胞集団を排出するステップは、濃厚流体を容器内に圧送し、生物学的試料の非磁性成分を容器から排除することを含む。
本発明のさらに別の態様では、受精の方法を提供する。当該方法は、細胞集団を分離する上述の方法を使用して精子集団を得ること、および精子集団により哺乳類を受精させることを含む。
本発明の別の態様では、いずれかの性の哺乳類の子孫の割合を高める方法を提供する。当該方法は、一方の性を決定する精子を選択的に結合させる複数の結合剤分子に、容器内の生物学的試料を、結合剤分子が一方の性を決定する精子を結合させるのに充分な時間接触させることによって、両方の性を決定する精子を含む生物学的試料から一方の性を決定する精子を磁気分離することを含む。結合剤分子は磁性粒子に付着する。当該方法はまた、容器に外部磁界を印加して、他方の性を決定する精子を含む生物学的流体試料の残部から磁性粒子を分離すること、および重力によって生物学的流体試料の残部を容器から排出して、一方の性を決定する精子を、他方の性を決定する精子を含む生物学的流体試料の残部から分離することをも含む。他方の性を決定する精子は次いで、雌性の哺乳類の生殖管に投与される。他方の性を決定する精子は任意選択的に、雌性の哺乳類の生殖管に当該精子を投与する前に洗浄される。ある態様では、投与のステップは人工受精である。哺乳類はウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、イヌ、またはネコのうちの一つであるが、霊長類および外来種を含め、他の哺乳類を当該方法の対象とすることができる。
本発明の好ましい態様では、「高用量」の精子が雌性の哺乳類に投与される。そのような態様では、投与される精子の数は少なくとも約一千万個、好ましくは少なくとも約二千万個、より好ましくは少なくとも約三千万個、より好ましくは少なくとも四千万個、さらに好ましくは少なくとも約五千万個である。
当該方法のある好適な態様では、「低用量」の精子が雌性の哺乳類に投与される。そのような態様では、投与される精子の数は約一千万個未満、好ましくは約百万個未満、より好ましくは五十万個未満である。
これらの方法の一部では、生物学的試料は約1×10個/mlを超える細胞を含む。
上述の方法の一部では、一方の性を決定する精子を選択的に結合させる結合剤分子は抗体である。結合剤分子の結合の選択性は、精子における抗原の差次的発現(発現の量によるか、または発現の時間による)、又は一方の性を決定する精子を選択的に結合させる他の特性を反映することができる。したがって、一部の態様では、抗体はY担持精子に特異的であるか、あるいはX担持精子に特異的である。好ましい態様では、抗体はH−Y抗原に特異的である。抗体はモノクローナル抗体であることが好ましい。レクチン、ファージディスプレイ結合分子、および一方の性を決定する精子上の分子の結合パートナーのような他の選択的結合剤分子も使用することができる。、
これらの方法で使用される磁性粒子は、好ましくは0.1〜2ミクロンの直径を有し、より好ましくは0.1〜0.5ミクロンの直径を有する、非多孔性磁気ビーズ支持体である。上述の態様の一部では、磁性粒子は結合剤分子に共有結合される。
本発明のさらに別の態様では、哺乳類の全射精精液を単一工程で分画する方法をも提供する。当該方法は、射精精液を得ること、射精精液に上述した分画方法を適用することを含む。好ましい方法では、射精精液は、少なくとも約55%、少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の効率で分画される。
本発明の別の態様では、受精の方法を提供する。当該方法は、哺乳類の射精精液を得ること、上述の方法に従って射精精液を分画して精子集団を得ること、および当該精子集団で哺乳類を受精させることを含む。好ましい態様では、当該受精の結果得られる子孫の受胎率は、非分画精子を使用して得られた受胎率の少なくとも約50%である。より好ましくは受胎率は少なくとも約70%であり、さらに好ましくは少なくとも約80%であり、さらにいっそう好ましくは、少なくとも約90%であり、最も好ましくは、非分画精子を使用して得られる受胎率の少なくとも約95%である。
本発明のさらなる態様では、哺乳類の子孫の性の偏りを形成するための方法を提供する。当該方法は、本願で開示した方法に従って分画した射精精液から精子集団を得ること、および当該精子集団で哺乳類を受精させることを含む。好ましい方法では、射精精液は約2時間未満に、より好ましくは約1時間未満に分画される。
本発明の別の態様では、運動性の実質的損失無く哺乳類の精子を分画するための方法を提供する。当該方法は、精子を含む射精精液を得ること、および当該射精精液に本願で開示する分画の方法を適用することを含む。ある態様では、分画精子の運動性は非処理精子の少なくとも約50%である。分画精子の移動性は、非処理精子の少なくとも約60%であることが好ましく、より好ましくは非処理精子の少なくとも約70%であり、より好ましくは非処理精子の少なくとも約80%であり、より好ましくは非処理精子の少なくとも約90%であり、さらにいっそう好ましくは非処理精子の少なくとも約95%であり、さらになお好ましくは非処理精子の少なくとも約97%であり、より好ましくは非処理精子の少なくとも約98%であり、最も好ましくは非処理精子の少なくとも約99%である。
本願に開示する発明の方法を使用することによって、非分画精子に匹敵する機能を有する分画集団の精子を得ることができる。したがって、本発明の別の態様では、一方の性を決定する分画精子集団が提供される。一方の性を決定する精子集団では、精子の少なくとも約50%が運動型である。好ましくは精子の少なくとも約60%が運動型であり、より好ましくは精子の少なくとも約70%が運動型であり、より好ましくは精子の少なくとも約80%が運動型であり、より好ましくは精子の少なくとも約85%が運動型であり、より好ましくは精子の少なくとも約90%が運動型であり、さらにいっそう好ましくは精子の少なくとも約95%が運動型であり、なおいっそう好ましくは精子の少なくとも約97%が運動型であり、より好ましくは精子の少なくとも約98%が運動型であり、最も好ましくは精子の少なくとも約99%が運動型である。
少なくともある場合においては、射精精液の捕集後に、射精精液をより効果的に一方の性を決定する精子に分画することのできるタイムウインドウがあるということも発見された。したがって、本発明のさらなる態様では、射精精液を得ること、そして捕集後約2時間から約24時間の間にその射精精液を分画することを含む、哺乳類の射精精液を分画するための方法を提供する。
好ましい態様では、分画は射精精液の捕集後約2時間から約12時間の間に行われる。より好ましくは、分画は射精精液の捕集後約4時間から約8時間の間に行われる。さらに好ましくは、分画は射精精液の捕集から約6時間後に行われる。
また、少なくともある場合においては、射精精液の保存温度が、結果的に、射精精液を一方の性を決定する精子へより効果的に分画することができることも発見された。したがって、本発明のさらなる態様では、哺乳類の射精精液を分画するための方法を提供する。当該方法は、射精精液を得ること、および当該射精精液を約20℃未満で保存した後に当該射精精液を分画することを含む。好ましくは射精精液は約16℃未満で保存し、より好ましくは約12℃未満で、さらにいっそう好ましくは約8℃未満で、なおいっそう好ましくは約4℃未満で保存することである。
本発明のこれらおよび他の態様について、以下でさらに詳細に説明する。
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は、試験試料の様々な成分を磁気分離するための磁気分離器に関する。一般的に、試験試料は磁性成分および非磁性成分の混合物として調製することができる。磁性成分は、磁界の印加によって混合物内で操作されたり制御されるなど、影響を及ぼすことができる。使用者が望ましい特性を得るために成分の一方または両方を使用することを可能にするために、混合成分を相互に分離することが望ましいかもしれない。
磁気分離器は、細胞の細胞表面特性に従って細胞を精製または単離することを含め、細胞を分離するための特定の用途を有し、好適な用途は、性決定因子に基づいて精子を分離することである。例えば、磁性成分は一方の性の精子を実質的に決定することができ、非磁性成分は他方の性の精子を実質的に決定することができるので、使用者は、哺乳類の人工授精に使用において望ましい性の子孫を生成する目的で、分離された精子プールのいずれか一方を選択することができる。
磁気分離器は、磁性成分を非磁性成分から分離するために磁界を発生する、以下で「磁石」と呼ぶ磁気源または磁気発生器を使用する。磁石は、磁性成分を分離器の望ましい領域の方向に近づけ、かつ非磁性成分から遠ざける移動を制御するように構成することができる。分離が行われると、非磁性成分は磁気分離器から除去し、非磁性成分と磁性成分の最小限の再混合により磁性成分から実質的に分離することができる。
磁気分離器は、試験試料を保持するために容器を受容するように構成された容器受容領域を含むことができる。磁石は、容器内の試験試料に作用するように分離器の容器受容領域内に外部磁界を発生させるために分離器内に配置することができる。各試験試料を一定の磁界にさらすように、容器を磁石に対して容器受容領域内の予め定められた位置に配置するためにガイドを設けることができる。容器を磁石に対して望ましい位置に保持するために一つまたはそれ以上の保持器を設けることができる。
分離器は、望ましい磁界を発生させるために、容器受容領域を中心に予め定められた位置に配置される一つまたはそれ以上の磁石を含むことができる。例えば、分離器は、一対の磁石が容器受容領域の両側に約180°離して配置される双極子配置を利用することができる。しかし、三個または四個(四極子)の等間隔に配置された磁石または複数の不均等間隔に配置された磁石など、任意の適切な磁石配置を分離器に組み込むことができる。各磁石は、任意の適切な磁性材料から形成された棒磁石とすることができる。また、電磁石のような、他の適切な磁気源または磁気発生器を磁石として利用することができることも考えられる。
磁気分離器は、分離中に試験試料を磁界内に保持し、次いで分離後に非磁性成分を排除させるように構成された容器を含むことができる。これに関し、容器は、試験試料を受容するための入口と、分離後に非磁性成分を放出することのできる出口とを有することができる。出口は、容器からの重力流を可能にするために、容器の下方部分に配置することができる。しかし、入口および出口は、容器の任意の適切な位置に配置することができる。加えて、非磁性成分は、ポンプのような任意の適切な装置を使用して容器から除去することができる。
容器からの非磁性粒子の流量を調節するために、容器の出口に調節器を連結することができる。調節器は、止栓のようなクランプまたは弁をはじめとする出口からの流量を調節する任意の適切な装置とすることができる。
磁気分離器は、比較的高濃度の磁性および非磁性成分を有する試験試料を分離するのに特に適するかもしれない。これに関し、試験試料は、成分の分離を可能にするのに充分な時間、容器によって磁界内に保持することができる。分離が行われると、磁性成分が非磁性成分と再混合されて、非磁性成分と共に容器から排出される可能性を低減する制御された速度で、容器から非磁性成分を放出させるように調節器を作動させることができる。非磁性成分に対する磁性成分の移動を制御することによって、磁気分離器は、磁性成分の移動の防止に依存して分離するための分離器と比較して、磁性および非磁性成分の再混合を最小化または回避することができる。
磁気分離器は、容器から放出された非磁性成分を捕捉するための槽を受容するように構成された、槽受容領域の上に容器受容領域を支持する基台を含むことができる。
非磁性成分の放出前に試験試料の適切な分離が行なわれることを確実にするために、使用者が分離の量を視覚的に監視することができるように、容器は窓を含むか、あるいは透明な材料から形成することができる。試験試料が分離されると、使用者は、非磁性成分が容器から放出されるときに、試験試料を監視して、磁性成分が偶発的に非磁性成分と共に容器から放出される可能性を低減することもできる。
図1〜3に示す一つの例示的態様では、磁気分離器20は、試験試料T(図4A参照)を受容かつ保持するために容器22を受容するように構成された容器受容領域42と、試験試料内の磁性成分に作用する磁界を容器22内に発生して、試料の非磁性成分Nから磁性成分Mを実質的に分離する磁石28とを含む。容器22は、試験試料を受容するための入口24と、分離された非磁性成分を放出することのできる出口26とを含む。
図2および3に示す通り、入口24は容器の頂部に設けられ、出口26は入口の下に配置され、出口からの非磁性成分の重力流が可能になる。容器から流出するこのとできる非磁性成分の量を最大にするために、出口は容器の底32に設けられる。しかし、入口24および出口26は容器における任意の適切な位置に設けることができ、当業者には明らかであるように、任意の適切なサイズまたは形状を持つことができることを理解されたい。図示した態様では、容器の底は、容器からの流出を促進するように実質的に円錐形状を有する。しかし、容器の底は平坦な形状を含め、任意の適切な形状を持つことができることを理解されたい。
磁性成分が偶発的に容器から放出される可能性を低減するように、非磁性成分の容器からの流量を調節することが望ましいかもしれない。図2および3に示す一つの例示的態様では、容器の出口からの流量を調節するために、調節器30が出口26に連結される。図示するように、調節器30は、ルアーロック接続を使用して出口に取り付けられる止栓を含む。しかし、出口を一時的に閉止するために設けられるクランプ、または弁をはじめ、任意の適切な調節器を利用して容器からの非磁性成分の流量を制御することができることを理解されたい。加えて、調節器は任意の適切な接続によって容器の出口に接続することができる。
調節器を使用して出口からの流れを停止または開始させることができるように、調節器は、少なくとも閉位置と開位置との間で作動可能とすることができる。調節器はまた、出口からの流速を変化させるために、一つまたはそれ以上の中間位置に作動可能とすることもできる。例えば、流速を落とすかまたは高めることができる。調節器を使用して、磁性および非磁性成分を容器で相互に実質的に分離させることができる充分な時間、出口からの流れを停止させることができる。この構成は、高濃度の磁性成分を有する試験試料に特に適しているかもしれない。また、出口からの急速な流れによって生じる再混合の可能性を低減することによって、非磁性成分の流れが磁性成分を実質的に含まない状態を維持するように、出口からの非磁性成分の流れを調節することができる。例えば非磁性成分が実質的に全て容器から流出し、磁性粒子が出口から流出しないうちに使用者が流れを停止したい場合、使用者は調節器を使用して、出口からの流れを停止させることができる。調節器の使用は特定の利点をもたらすが、磁気分離器の他の態様は、容器22の出口26に調節器30を含まなくてもよいことを理解されたい。
一態様では、容器22は30mlの標準シリンジ外筒を含む。しかし、磁気分離器は任意の望ましいサイズのシリンジ外筒、例えば20、40、50、または60mlのシリンジ外筒を収容するように構成することができる。また、磁気分離器は任意の適切なサイズまたは形状を有する容器を利用して構成することができることも理解されたい。
試験試料の適切な分離が行なわれていることを確実にするために、容器22の少なくとも一部分は、容器内の試験試料を容器の外側から見ることができるように、実質的に透明にすることができる。例えば、容器全体を透明な材料から形成することができ、あるいは試験試料の少なくとも一部分を観察する窓を容器に設けるなど、容器の一部分を透明にすることができる。容器の少なくとも一部分の透明性は、使用者が磁性および非磁性成分の分離を監視し、かつ実質的に非磁性成分だけが出口から流出できることを確実にすることを可能にする。しかし、容器は試験試料の視認性を可能にするように構成する必要はないことを理解されたい。例えば容器は不透明とすることができ、あるいは磁石が容器内の試験試料の観察を遮るかもしれない。容器は金属またはプラスチックのような、任意の適切な材料から形成することができることは理解されるであろう。
場合によっては、試験試料が容器から出るときに試験試料を目で確認できるように、出口26に管を接続させることが望ましいかもしれない。例えば、磁石が容器内の試験試料の観察を実質的に遮るときに、管は特に有用であるかもしれない。管は出口または調節器に直接連結することができる。
磁気分離器の例示的態様は重力流システムとして構成されているが、出口からの非磁性成分の放出を助けるために、ポンプ(図示せず)を設けることができることも理解されるであろう。ポンプは、蠕動ポンプ、シリンジ、および類似物を含め、当業者には明らかな任意の適切なポンプとすることができる。.
磁性成分を非磁性成分から分離する工程の一つの例示的態様を図4A〜4Dに示す。しかし、記載した工程は単なる模範例であって、磁気分離器は、当業者には明白な他の工程を行うために使用することができることを理解されたい。
図4Aは、分離器の容器22内に配置された、磁性成分Mおよび非磁性成分Nの混合物を含む試験試料Tを示す。磁石28は、試験試料内の磁性成分Mに作用する磁界を容器内に発生して、磁性成分および非磁性成分Nを実質的に分離させる。.
充分な時間量磁界にさらされると、磁性成分は、図4Bに示すように、容器22の内面38に引き付けられ、その方向に移動する。高濃度の磁性成分を有する試験試料の場合、分離工程中に容器の内面に沿って、複数層の磁性成分を形成することができる。分離中に、磁性成分は、非磁性成分から分離される磁気位相を試験試料に形成することができる。
分離が行われると、非磁性成分Nは、図4Cに示すように容器の出口26を通して 、かつ出口から放出された成分を捕捉するように構成された別個の槽内へ、放出することができる。非磁性成分Nが容器から放出されるときに、磁性成分Mの一部分が除去され、結集して、試験試料の頂部に磁性成分の塊を形成する。非磁性成分は容器から実質的に別個に流れることが一般的に望ましいが、幾らかの最小限の量の磁性成分が再混合し、偶発的に非磁性成分と共に出口26から流れるかもしれないことを理解されたい。
容器内の非磁性成分の量が減少するにつれて、磁性成分Mの塊は、図4Dに示すように、出口により近づいていく。実質的に全ての非磁性成分が容器から放出されると、使用者は出口26を閉止して、磁性成分が容器から放出される可能性を低減することができる。非磁性成分が容器から排出されると、非磁性成分とは別個に磁性成分を容器から別の槽内へ洗い流すことが望ましい。.
磁石28は、容器内に磁界を発生させる任意の適切な磁気源または発生器を含むことができる。図1〜3に示す一つの例示的態様では、磁石は、磁気分離器用に双極子または多極構成で容器の両側に相互に平行に位置合わせされた二つの棒磁石34および36を含む。各棒磁石は北(N)極および南(S)極を含む極性を有する。棒磁石は、例えば北(N)が南(S)と対面するなど、棒磁石の反対の極が相互に対面する状態に向け、棒磁石を相互に引き付けさせることができる。代替的に、棒磁石は、例えば北(N)が北(N)、または南(S)が南(S)と対面するなど、棒磁石の同じ極が相互に対面する状態に向け、棒磁石を相互に反発させることができる。各棒磁石は、長手方向に相互に積み重ねられて棒磁石を形成する複数の磁石を含むことができる。
図示するように、棒磁石は容器を中心に等間隔に配置することができる。磁石28は容器を中心に約180度離して配置された二個の棒磁石を持つように図示されているが、棒磁石は容器を中心に任意の適切な位置に配置することができることは理解されるであろう。加えて、二個の棒磁石が示されているが、二個未満または二個を超える任意の個数を使用することができる。
図3に示した一つの例示的態様では、棒磁石は容器から距離Xだけ離して配置される。この間隔は、容器を容器受容領域内に配置したりそこから取り出すことを容易にするため望ましいかもしれない。しかし、棒磁石は容器の外面40に直接接触することができることは理解されるであろう。
例示的態様では、棒磁石は、容器の長手軸Yと実質的に並ぶ方向に延びる。図示するように、各々の棒磁石は、実質的に容器全体にわたって磁界を発生するように、実質的に容器と同じ長さLを持つ。しかし、磁気分離器は任意の適切な向き、サイズまたは形状を有する磁石を利用することができることを理解されたい。例えば磁石は、容器の少なくとも一部分をその長手軸Yを中心に取り囲み、かつ容器の長さの少なくとも一部分に沿って延びることができる。これに関し、磁石は、磁石が容器およびその長手軸を中心に嵌合するように環状の形状を持つことができる。
磁石28は一対の棒磁石34および36を持つように図示されているが、他の構成が考えられることを理解されたい。別の態様では四極子構成で四個の棒磁石を容器を中心に等間隔に配置することができる。二個以上の磁石を設ける場合、磁石は容器を中心に等間隔に配置することができ、あるいは容器を中心に無作為に配置することができることを理解されたい。さらに、各磁石は容器から離して配置するか、または容器の外面に直接接触することができる。
磁石28は、当業者には明白な任意の適切な材料から形成することができる。例えば磁石は、ネオジム鉄ホウ素、サマリウムコバルト、アルニコ、およびフェライトの一つまたはそれ以上から形成することができる。磁石はまた、ビニル担持体内のフェライトから形成られるような可撓性磁石を含むこともできる。望ましい強さの磁界を発生するように、任意の適切な材料を磁石に使用することができる。さらに、当業者には明白であるように、容器内における望ましい磁界の発生を助長するために、磁極片を含めることができる。同様に、当業界で理解される通り、磁石が磁石鉄鋼材によって相互に接続されて望ましい磁界を発生するように、複数の磁石を連結することができる。
別の態様では、磁石28は、磁界を発生するために選択的に作動させることのできる、一つまたはそれ以上の電磁石を含むことができる。例えば一つまたはそれ以上の電磁石は、容器から離して、または容器と接触して設けることができる。二個以上の電磁石 を設ける場合、それらは、上述したように、等間隔にまたは無作為の間隔に配置することができる。
一部の用途では、容器内に閉じた磁界を発生させることが望ましいかもしれない。一態様では、磁石28と相互作用して閉じた磁界を形成する、スチールウールのような鉄鋼材を容器22内に設けることができる。試験試料の生物学的成分と鉄鋼材との間の直接接触を防止するために、当業者には明白な方法で、鉄鋼材を被覆することができる。しかし、必要に応じて非被覆鉄鋼材を使用することができることを理解されたい。
上述の通り、磁石28は、容器受容領域42内に磁界を発生させるように配設される。図示するように、容器22を容器受容領域内に受容するために、少なくとも一つのガイド46を設けることができる。また、容器を磁石に隣接して保持するために、少なくとも一つの保持器44を設けることができる。図3に示すように、ガイドは各磁石34および36から実質的に等距離Xに容器を容器受容領域に配置する。保持器およびガイドは任意の適切な構成を持つことができ、かつそれらは一体的に、または別個の部品として形成することができる。
図1〜3に示すように、分離器は、容器受容領域42を画定しかつ磁石28を容器受容領域に隣接して保持するハウジング48を含む。ハウジングは、上述の通り、容器受容領域から距離X離して配置された磁石を設けることができる。ハウジングは、容器の外面40の一部分を受容し、かつ容器を磁石に隣接して保持するようにガイド46または保持器44を含むことができる。例示的態様では、ハウジングは、容器受容領域に容器を受容かつ保持するように、容器受容領域の両側に配置された一対のガイド46を含む。ガイド46は、容器の外面の少なくとも一部分を受容する溝50を画定する。ガイドは、容器を上から容器受容領域内に摺動させることによって、例えばハウジングの最上部から摺動自在に容器を受容することができ、あるいは容器を側部から容器受容領域内に挿入するなど、スナップフィット構成によって容器を受容することができる。
ハウジング48は、棒磁石を容器受容領域に隣接して保持かつ維持するように構成された、磁石組立体52を含むことができる。図5および6に示す一つの例示的態様では、各磁石組立体は一つまたはそれ以上の磁石を含み、棒磁石34および36を形成する。磁石組立体は、容器受容領域を中心に実質的に等間隔に配置され、したがって、容器受容領域内に配置されたときに容器を中心に実質的に等間隔に配置された状態で示される。しかし、それらは容器を中心に非等間隔に配置することができることは理解されるであろう。.
図5および6に示す例示的態様では、各磁石組立体52は、単数または複数の磁石を受容するためにレセプタクル54を含む。各磁石組立体は、磁石カバー58から延びる一対の磁石保持器56を含む。各磁石保持器は、磁石カバーの表面60に、その両縁62および64に隣接して固定される。磁石保持器は相互に平行であり、かつ相互に間隔をおいて配置され、磁石を受容するレセプタクル54を形成する。図示する通り、磁石組立体は、ねじのような任意の適切な固定具72を使用して、一つに固定された別個の部品から構成される。しかし、磁石組立体は単一の部品として形成することができ、あるいは複数の部品から形成して、任意の適切な方法で一つに固定することができる。
図示する通り、各磁石保持器は、磁石組立体のレセプタクル54内に磁石を確実に保持するために、磁石カバーから間隔をおいて配置されたリップ68を有する。リップ68の外面70は、容器の外面40の少なくとも一部分を受容かつ保持するために、ガイド46および/又は保持器44を形成するように構成される。例えば、磁石組立体の各リップの外面70は、それらの間に設けられた溝50と共に、容器の外面の少なくとも一部分を受容することができる。
磁石組立体52の特定の態様を図示しかつ説明したが、磁石組立体は、磁石を受容し、および/またはガイドとして働いて、容器を容器受容領域内に受容するように、任意の適切な形状または構成とすることができることは理解されるであろう。
図1〜3に示すように、ハウジング48は、ねじのような任意の適切な固定具82を使用して磁石組立体の両端78および80に固定された頂板74および底板76を含む。板は、溶接および接着剤をはじめ、他の適切な手段によって磁石組立体に固定することができることは理解されるであろう。板は、磁石組立体の端をブロックすることによって、磁石を磁石組立体内に固定するように作用する。ハウジングの頂板および底板の特定の態様を図示しかつ説明したが、それらは任意の適切な構成を持つことができる。
図示するように、各板は容器を収容するための開口84および86を有する。例えば、容器は頂板の頂部開口84から挿入し、ガイド46によって受容することができる。容器の底は、出口26が遮蔽されないように、底板の底部開口86を貫通して延びることができる。代替的に、容器は、容器が頂部および底部開口内にあることによって頂板の上および底板の下に延びるように、例えばスナップフィットによって側部から保持器および開口内に挿入することができる。開口は開いた側面を持つように図示されているが、開口は、開いた側面の無い実質的に円形など、任意の適切な形状を持つことができる。
ハウジング48の様々な部品は、アルミニウムのような金属またはプラスチック材をはじめ、任意の適切な材料から形成することができる。さらに、ハウジングの構成部品は、異なる材料から形成することができる。さらに、ハウジングは単一の部品として、または適切に一つに固定された複数の部品から形成することができる。
図1〜3に示すように、磁気分離器は、容器受容領域42を支持するための基台88を含む。一つの例示的態様では、基台は、容器22の出口26から流出する非磁性成分を捕捉するように、容器受容領域の下に槽92(図2)を受容するための槽受容領域90を有する。.基台88の特定の態様を図示しかつ説明するが、基台は、槽受容領域を設ける任意の適切な構成とすることができ、その構成によって、槽を槽受容領域に配置して非磁性成分が容器から流出するときにそれらを受け取ることができる。例えば、基台は、容器受容領域の下に槽を受容するためにくりぬき開口を持つ中実構造とすることができる。.
例示的態様では、基台88は、上端102をハウジング48の底板76に固定され、かつ下端106をベースプレート108に固定された、四つの直立脚94、96、98、および100を含む。脚は容器受容領域42を槽受容領域90の上に持ち上げる。 図示するように、脚は相互に実質的に平行である。脚は任意の適切なサイズまたは形状とすることができることは理解されるであろう。例えば、脚は小さい円形断面を有するように図示されているが、それらは矩形断面を有することができ、かつ任意の適切なサイズとすることができる。また、四つの脚が図示されているが、一つまたはそれ以上の脚を使用して、容器受容領域を持ち上げかつ支持することができることも理解されるであろう。.
ベースプレートは磁気分離器を表面上に実質的に自由に立設させることを可能にする。追加的な支持材用に、必要に応じて、ベースプレートは、解除可能な固定具(図示せず)を使用して基台88を表面に固定するためのアパーチャ110を含むことができる。しかし、基台は任意の適切な手段を使用して表面に固定することができることは理解されるであろう。
基台は単一の構造物として、または適切に一つに固定することができる複数の部品から形成することができる。基台は、ざまざまな金属およびプラスチックをはじめ、任意の適切な材料から形成することができる。
図2に示す通り、槽92は、容器22の出口26から流れる非磁性成分を受容するために、頂部114に開口112を有する。槽は、容器の出口から流れる非磁性成分を受容かつ保持するのに適した任意の容器とすることができる。槽受容領域は、非磁性成分を捕捉するために、槽受容領域内に槽を配置しかつそこから取り出すことが容易にできるように構成することができる。さらに、槽は出口から直接、または調節器または配管のような何らかの他の装置を介して非磁性成分を受容することができることは理解されるであろう。
本発明はまた、上述した装置を使用して生物学的試料から選択された細胞集団を磁気分離するための方法を提供する。生物学的試料とは何らかの生物学的成分、この場合は分離される細胞を含む試料である。当該方法は、細胞を破壊するおそれのある、および/または細胞の生物学的特性を損傷するおそれのある、過度の力(例えば遠心力)または有害な環境(例えば化学物質、スチールウールのような物質との接触)を適用することなく、細胞の大集団を分離するのに特に有用である。好ましい態様では、細胞はそれらの表面の特性、例えば細胞の表面にあるかまたは細胞の表面から突起しているタンパク質、脂質または炭水化物分子に基づいて分離される。
工程中、当該方法は、選択された細胞集団を選択的に結合する複数の結合剤分子に、容器内の生物学的試料を、結合剤分子が細胞を結合して生物学的試料の磁性成分を形成するのに充分な時間接触させるステップを含む。次いで外部磁界が容器に印加され(つまり磁気分離装置を使用して)、生物学的試料の磁性成分が非磁性成分から分離される。生物学的試料の非磁性成分は次いで容器から除去され、生物学的流体試料の非磁性成分から選択された細胞集団が分離される。一般的に、容器からの非磁性成分の除去は、容器の底から非磁性成分を排出することによる。
代替の態様では、選択された細胞集団を選択的に結合する結合剤に、生物学的流体試料を、結合剤が選択された細胞集団を結合するのに充分な時間接触させることによって、反応混合物が形成される。反応混合物は次いで分離容器に移送され、そこで外部磁界が印加されて、磁性粒子が生物学的流体試料から分離される。次いで、選択された細胞集団を生物学的流体試料の非磁性成分から分離するために、生物学的流体試料の非磁性成分は容器から除去される。
結合剤分子は、生物学的試料に添加されたときに、磁性粒子と非リンク状態となるか、または磁性粒子とリンク状態となることができる。非リンク結合剤を使用する場合、結合剤は、選択された細胞集団を結合するのに充分な時間、生物学的試料と接触する。その後、結合剤分子を磁性粒子にリンクするために、リンク化合物を含む磁性粒子が添加される。結合剤分子の磁性粒子へのリンクについては以下でさらに述べる。
一般的に、容器からの非磁性成分の除去は、非磁性成分を容器の底から排出することによって行われる。容器から非磁性成分を除去することは、これらの化合物を吸引によって除去するより重要である。なぜならば、吸引では、渦巻および他の擾乱流体移動が発生することにより液体が混合する傾向にあるためである。特に、印加される磁界が必ずしも磁化成分を容器の壁に不動に保持しない本発明の方法と同様の細胞分離のような方法では、擾乱流体移動を最小限に維持することが重要である。これは、試料の再混合を制限する層流を使用して、容器の底から流体を除去することによって達成することが好ましい。したがって、好ましい態様では、容器から選択された細胞集団を排出するステップは、容器を重力によって排液することによって行われる。他の方法を使用して、ポンプまたは調節圧力などによって容器を排液することもできる。典型的な用途では、排液のステップは、容器からの非磁性成分の流れを調節するために、弁または止栓を開いたり任意選択的に閉めることによって調節される。ポンプを使用する場合には、分離器の容器のドレンに取り付けられたポンプの動作を調節することで同じ効果がもたらされる。
細胞の分離を妨害することなく容器から選択された細胞集団を除去するための別の方法は、濃厚流体(つまり除去しようとする非磁性成分より高濃度である)を容器内に圧送して、生物学的試料の非磁性成分を容器から排除することを含む。この方法を使用すると、非磁性成分は、底から排出するのではなく、容器の頂部から除去することができる。
本願に記載する方法によって、多種多様な細胞を分離することができる。本願で使用する場合、細胞は真核細胞(哺乳類の細胞、有核細胞、除核細胞等)、細胞フラグメント、原核細胞、ウィルス粒子等を含む。亜集団に分離するための好適な細胞集団は精子であり、一方の性を決定する精子が望ましい。
ある用途では、生物学的試料は、結合剤分子によって認識かつ結合されない、第二の細胞集団を含む。これらの非認識細胞は結合剤によって結合されず、したがって分離工程で使用される磁性粒子と物理的に関連付けられないので、第二の選択された細胞集団(非認識細胞)は生物学的流体試料の非磁性成分である。
磁気分離器の使用の特徴の一つは、分離された細胞集団を、分離後にほとんど無駄なく装置から回収することができることである。一例として精子を使用すると(リンパ球のような他の細胞集団にも同等に適用可能であるが)、磁性粒子に付着したY担持精子に特異的なモノクローナル抗体を使用して、細胞を分画することができる。この例では、磁気分離器は、抗体によって認識されたY担持精子を「引き」出し、X担持精子(今は生物学的試料の非磁性成分)は磁気分離器から排出することができる。磁気分離器は、ほとんど全ての非磁性成分を分離容器から除去することができるように構成される。残りは、望ましい細胞集団だけが回収されることを確実にするために残される。工程上、このことは、分液漏斗の底相を除去するのに似ている。非磁性成分を除去した後、少量の非磁性成分は(分液漏斗の相間の界面と同様に)除去される。これにより、磁性成分、つまり結合剤(例えば抗体)に結合された細胞が分離容器内に残る。これらの細胞もまた回収することができ、こうして精子の二つの集団(XおよびY担持)の分離および単離が達成される。磁性成分の回収は、分離容器を磁気分離器から取り外し、次いで容器を排液させることによって容易に行われる。
磁気分離器を使用する分離方法は、細胞をさらに精製するために(例えば細胞またはその亜集団をも認識する同一または異なる結合剤を使用して)、単一の細胞集団に対し連続して繰り返すことができ、あるいは、幾つかの異なる細胞集団を回収するために、異なる細胞集団に結合する結合剤分子を使用して、混合細胞集団に対し連続して繰り返すことができる。
細胞の大集団を分離する磁気分離器装置の所定の工程において、磁界は磁性粒子を容器の表面に、つまり外部から印加される磁界に近位して保持するのに不充分である。ある場合においては、細胞および細胞に結合される磁性粒子の個数が多いため、磁界の影響下で容器の壁に単層の粒子を形成できない。つまり、粒子の個数は表面積に対して大きすぎる。これは、高電界に依存して磁性粒子を分離器の壁に保持する他の磁気分離装置とは対照的である。
場合によっては、試料の磁性成分(例えば磁気ビーズおよび結合細胞)および試料の非磁性成分は、明確に分離した相を形成することができ、相の一方を分離容器から除去することによって簡便に分離される。分離器装置は、上述の通り、生物学的試料の非磁性成分の流出を調節することのできるドレンを設けることによって、上述した除去を促進する。特定の理論に結びつけることは望まないが、相分離は、磁性成分が小量に制限された(したがって高い誘導粘度を有する)状態で、分離器装置で磁界にさらされたときの試料の磁性成分相および試料の非磁性成分相の誘導粘度の相違によるものと考えられる。ある条件下で、磁性粒子に結合された選択された細胞集団は、容器の内面から突起する「塊」を形成することができる。これは、試料の非磁性成分の排出後に最も頻繁に見られる。ある場合においては、塊は、分離容器の中央で交わるのに充分なまでに側部から延びることがあるが、非磁性成分とは区別され分離されたままである。
細胞認識特性による望ましい細胞集団を分離するのに有用な特定の結合剤分子は、当業者には周知であろう。結合剤分子は、分離手順中に結合された状態が維持されるように、充分な親和性および/または結合活性で細胞を結合する任意の種類とすることができる。模範的な結合剤分子として、抗体、レクチン分子、ファージディスプレイ分子(または他の組合せ結合分子)、細胞表面分子の結合パートナー(例えばCD4−CD4レセプタのようなリガンド−レセプタ対、炭水化物または炭水化物含有分子(グリコプロテインなど)、および細胞表面上の炭水化物レセプタの一つ)が挙げられる。
一部の好ましい態様では、当該方法で試用される結合剤分子は、抗体またはその抗原結合フラグメントである。特定の抗体および他の結合剤分子は、それらが密接に関連する細胞集団を区別する能力を有するため好適である。例えば、精子を分離するために、Y担持精子をX担持精子から区別することを可能にする細胞表面分子を結合する抗体は有用である。これらの抗体は、X担持精子とY担持精子との間で、種類、クリプティシティ(crypticity)、または他の特性が異なる細胞表面分子を結合する。実施例で使用されるH−Y抗原を認識する抗体(Hammerlingらの米国特許第4,680,258号参照)、またはBlecherらによって記載された精子膜上の性染色体特異的タンパク質に結合する性特異的抗体(Theriogenology 52(8):1309−1321、1999;米国特許第5,840,504号)など、様々な抗体が当業者には周知である。.
したがって、本発明は、例えばポリペプチド、炭水化物、または他の細胞表面分子に選択的に結合する能力を有する抗体または抗体のフラグメントとすることのできる、ペプチド結合剤を包含する。抗体は、従来の方法論に従って調製されたポリクローナルおよびモノクローナル抗体を含む。モノクローナル抗体は、本願に記載する方法に使用するのに好適である。
注目すべきことは、当業界で周知の通り、抗体分子のごく小部分、つまりパラトープが、抗体のそのエピトープへの結合に関与していることである(一般的に、Clark,W.R.(1986)The Experimental Foundations of Modern Immunology、 Wiley & Sons,Inc.,New York;Roitt,I.(1991)Essential Immunology、7版、Blackwell Scientific Publications、Oxford参照)。例えばpFc'およびFc領域は補体カスケードのエフェクタであるが、抗原の結合には関与しない。pFc'領域がそこから酵素分割された抗体、またはpFc'領域無しに生成され、F(ab')フラグメントと呼ばれる抗体は、無傷の抗体の抗原結合部位を両方とも保持する。同様に、Fc領域がそこから酵素分割された抗体、またはFc領域無しに生成され、Fabフラグメントと呼ばれる抗体は、無傷の抗体分子の抗原結合部位の一つを維持する。さらに、Fabフラグメントは共有結合抗体軽鎖およびFdと表わされる抗体重鎖の一部分から構成される。Fdフラグメントは、抗体の特異性の主要な決定因子であり(単一のFdフラグメントは、抗体特異性を変化させることなく、最高10個までの異なる軽鎖を随伴することができる)、Fdフラグメントは単離におけるエピトープ結合能力を維持する。
当業界で周知の通り、抗体の抗原結合部分には、抗原のエピトープと直接相互作用する相補性決定領域(CDRs)、およびパラトープの三次構造を維持するフレームワーク領域(FRs)がある(一般的には、Clark、1986;Roitt、1991参照)。IgG免疫グロブリンの重鎖Fdフラグメントおよび軽鎖の両方に、それぞれ三つの相補性決定領域(CDR1からCDR3)によって分離された、四つのフレームワーク領域(FR1からFR4)がある。CDR、特にCDR3領域、そして更に重鎖CDR3は、抗体の特異性を決定する大きな要因となる。
哺乳類の抗体の非CDR領域は、元の抗体のエピトープ特異性を維持しながら、同種または異種特異的な抗体の同様の領域と置換することができることは、今では当業界で周知である。これは、ヒト由来でないCDRsをヒトFRおよび/またはFc/pFc'領域と共有結合させて機能的抗体を生成する、「ヒト型」抗体の開発および使用に最も明瞭に示されている。例えば米国特許第号4,816,567号、第5,225,539号、第5,585,089号、第5,693,762号、および第5,859,205号参照。
完全なヒトモノクローナル抗体も、ヒト免疫グロブリンの重鎖座および軽鎖座の大部分の遺伝子導入マウスを免疫化することによって調製することができる。例えば米国特許第5,545,806号、第6,150,584号、およびそこに引用された文献を参照されたい。これらのマウス(例えばXenoMouse(Abgenix)、HuMAbマウス(Medarex/GenPharm))の免疫化後に、標準ハイブリドーマ技術に従って、モノクローナル抗体を調製することができる。これらのモノクローナル抗体は、ヒト免疫グロブリンアミノ酸配列を持つ。
したがって、当業者には明白であるように、本発明は、F(ab')、Fab、Fv、およびFdフラグメント;Fcおよび/又はFRおよび/又はCDR1および/又はCDR2および/又は軽鎖CDR3領域が相同的ヒトまたはヒト由来でない配列と置換されたキメラ抗体;FRおよび/又はCDR1および/又はCDR2および/又は軽鎖CDR3領域が相同的ヒトまたはヒト由来でない配列と置換されたキメラF(ab')フラグメント; FRおよび/またはCDR1および/またはCDR2および/または軽鎖CDR3領域が相同的ヒトまたはヒト由来でない配列と置換されたキメラFabフラグメント;ならびにFRおよび/又はCDR1および/又はCDR2領域が相同的ヒトまたはヒト由来でない配列と置換されたキメラFdフラグメントの分離方法においても使用できる。本発明はまた、いわゆる単鎖抗体の使用も含む。
したがって、本発明は、ポリペプチド、炭水化物、脂質、およびそれらの組合せをはじめ、細胞表面分子に特異的に結合する多数のサイズおよび種類のポリペプチドを含む。これらのポリペプチドは、抗体技術以外の源からも誘導することができる。例えば、そのようなポリペプチド結合剤は、溶液中で固定化された形で、またはファージディスプレイライブラリとして容易に調製することのできる変性ペプチドライブラリによって提供することができる。組合せライブラリもまた、一つまたはそれ以上のアミノ酸を含むペプチドから合成することができる。ライブラリはさらに、ペプトイドおよび非ペプチド合成部分から合成することができる。
ファージディスプレイは、本発明に従って有用な結合ペプチドを同定するのに特に効果的である。簡単に言うと、(例えばm13、fd、またはラムダファージを使用して)ファージライブラリを調製し、従来の手順を用いて4個ないし約80個のアミノ酸残基からインサートをディスプレイする。インサートは、例えば完全に変性またはバイアスした配列を表わすことができる。次いで、磁気分離器を用いて分離される特定の細胞型に結合するファージ担持インサートを選択することができる。この工程は、特定の細胞型に結合するファージの再選択を数回行い繰り返すことができる。繰返しにより、ファージ担持特定配列が濃縮される。DNA配列分析を行い、発現したポリペプチドの配列を同定することができる。特定の細胞型に結合する配列の最小直鎖部分を決定することができる。最小直鎖部分の一部または全部、さらに、その上流または下流にある一つまたはそれ以上の追加的変性残基を含むインサートを含むバイアスライブラリを使用して、当該手順を繰り返すことができる。酵母ツーハイブリッドスクリーニング法を使用して、特定の細胞型に結合するポリペプチドを同定することもできる。
抗体および他の結合剤分子は、当業者には周知である手順を使用して、磁性粒子(本願で磁気ビーズとも呼ぶ)に結合される。抗体および他の結合剤分子は磁性粒子に直接共有結合することができ、あるいは中間リンク化合物を介して磁性粒子に付着させることができる。一般的に、リンク化合物は、ビーズの製造中に磁気ビーズに付着される。次いで抗体は、例えば1ml当たり約1mgの鉄のビーズを1mg/mlのタンパク質で精製された抗体と混合することによって、ビーズ上のリンク化合物によって結合される。抗体がビーズに結合された後、ビーズは洗浄されるので、付着した抗体だけが残る。当業者には公知の更なる手順は、例えば米国特許第4,018,886号、米国特許第3,970,518号、米国特許第4,855,045号、および米国特許第4,230,685号に記載されている。.
抗体のための中間リンク化合物の例として、抗Fc抗体、抗IgG抗体、または抗IgM抗体のような、他の抗体を結合する抗体をはじめ、抗体、レクチン、レセプタ、および類似物を特異的に結合する、タンパク質A、タンパク質G、および他のタンパク質がある。タンパク質Aは、付着抗体による捕捉の効率を大きく高める好適なリンク化合物である(Forsgrenら、(1977)、J.Immunol、99:19)。タンパク質AはIgGサブクラス抗体のFc部分に付着し、こうしてこれらの抗体のFab部分を延長し、提示する。結果的に得られる抗体の正しい配向、および磁性粒子から遠ざかる延長は、結合抗体とそれらの標的との間の非常に効果的な相互作用を導く。
タンパク質Aを磁性粒子に付着する方法は、当業者が利用可能な幾つかの工程のいずれかによって行われる。一つのそのような手順において、直径約1マイクロメータの酸化磁鉄粒子は、第一に3アミノプロピルトリエトキシシラン、次いでグルタルアルデヒドとの反応によって化学的に誘導体化される。誘導体化された磁性粒子は次いでタンパク質Aと混合され、結果的にタンパク質Aが共有結合された磁性粒子が得られる。次いで抗体は、タンパク質A磁性粒子に加えられ、短いインキュベーション後に、タンパク質A抗体複合体が形成される(Weetall,H.H.(1976)、Meth.Enzymol.44:134−48)。
磁性粒子は非多孔性磁気ビーズであることが好ましい。好ましくは、ビーズの直径は約10ミクロン未満であり、より好ましくは約5ミクロン未満である。望ましい細胞集団の最適な回収をもたらす特定のビーズ磁性粒子は、本願に記載する磁気分離器を使用して本発明の方法を行い、様々なサイズおよび特性の粒子を試験することによって、当業者が選択することができる。特に好ましい態様では、磁気ビーズは0.1ないし2ミクロンの直径を有し、より好ましくは0.1ないし0.5ミクロンの直径を有する。更なる有用な磁気ビーズは、例えば米国特許第5,071,076号、米国特許第5,108,933号、 米国特許第4,795,698号、およびPCT公開第W091/09678号に記載。.
上述の通り、本発明の磁気装置を使用する細胞分離方法は、細胞の大集団を分離するのに特に有用である。これらの態様では、生物学的試料は、約1×10個を超える細胞、約1×10個を超える細胞、約1×10個を超える細胞、約1×10個を超える細胞、約1×10個を超える細胞、またはそれ以上を含む。当該分離器装置は、大量の細胞の迅速かつ静穏な分離が可能であることを含め、幾つかの点で他の細胞分離装置とは異なる。対照的に、蛍光活性化細胞選別のような周知の方法は、一回で多数の細胞を分離することはできず、むしろ長時間かかり、細胞を厳しい条件にさらす。ある態様では、当該分離装置を使用して分離される選択された細胞集団中の細胞数は約1×10個/mlを超える。約5×10個/mlを超え、約1×10個/mlを超え、約2×10個/mlを超え、約1×10個/mlを超え、かつ約1×10個/mlを超える集団のような、より大きい細胞集団が容易に分離される。
多数の細胞を効率的かつ迅速に分離する能力により、人工授精用途、特に大規模な受精事業へのサービス提供のために多くの射精精液を分離しなければならない農業用に、細胞分離が可能になる。したがって、動物の射精精液からの精子を一方の性を決定する精子に分離することは、当該分離器装置の好適な用途である。また、多数の細胞を効率的に分離する能力により、望ましい精子型を廃棄することなく全射精精液の分離が可能になる。したがって、望ましい精子の一部分が処理手順中に廃棄されたり浪費される既存の方法とは対照的に、全射精精液を効率的に使用することができる。
本発明の磁気分離器を使用する細胞分離の効率性および静穏性により、磁気分離器を使用して得られた精子集団を哺乳類の受精に使用する人工授精への機会が提供される。分離された精子を標準伸展組成物(例えば卵黄および様々な他の成分を含む)と組み合わせること、分離された精子をストローに詰めてそれらを任意選択的に保存すること、および分離された精子で動物を受精させることをはじめ、当業界で周知の人工授精の標準的方法を使用することができる。磁性粒子、つまり磁性粒子に結合された選択された細胞集団からさらに精製すること無しに、当該分離方法の磁性成分を使用することも可能である。
したがって、当該分離器装置およびそれを使用する方法は、哺乳類の子孫のいずれかの性の割合を高める方法を提供する。当該方法は、当該磁気分離器装置を使用するための本願に記載する方法を行うことによって、両方の性を決定する精子を含む生物学的試料から一方の性を決定する精子を磁気分離することを含む。一方の性を決定する精子が、他方の性を決定する精子を含む生物学的流体試料の残部から分離されると、分離された精子のいずれかの集団を、好ましくは人工授精技術を使用して、雌性動物、好ましくは哺乳類の生殖管に投与することができる。精子を雌性動物の生殖管に投与する前に、単離され分離された精子を洗浄するなど、さらなるステップを行うこともできる。本願で使用する場合、「哺乳類」とはウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、霊長類または他の哺乳類を含む。
人工授精技術は、「高用量」法または「低用量」法のいずれかを使用することができる 。(受精に使用される精子の相対的量を反映する。本発明の方法は任意の量の精子で適用可能である(つまり、高用量法および低用量法の両方を含む))。本発明の装置を使用して分離された精子を使用する方法のある態様では、比較的高用量が使用され、例えば約一千万個を超える細胞が受精に使用される。これらの態様では、投与される精子の数は、好ましくは少なくとも約二千万個であり、より好ましくは少なくとも約三千万個であり、さらに好ましくは少なくとも約四千万個であり、さらにいっそう好ましくは少なくとも約五千万個である。本発明の装置を使用して分離された精子を使用する方法の他の態様では、比較的低用量が使用され、例えば約一千万個未満の細胞が受精に使用される。これら後者の態様では、投与される精子の数は、好ましくは約五百万個未満であり、より好ましくは約百万個未満であり、さらに好ましくは五十万個未満である。
当該磁気分離器の使用により、それが多数の細胞を低細胞損失で効率的かつ静穏に分離することができるので、哺乳類の全射精精液を一回の工程で分画する能力をも提供する。一回の工程での分画は、蛍光活性化細胞選別(FACS)のような現行の細胞分離の方法を使用して達成することはできない。FACSは一般的に、入力細胞の90%を超える損失を生じる。低細胞損失で多数の細胞を分離する本発明の方法の能力は、人工授精事業および多くの射精精液を処理する他の組織にとって有利である。全射精精液を分画する能力は、より小規模の組織、および自身が所有する群れのみから精子を分離する個人農家にとっても有利である。
全射精精液を分画するために、一方の性を決定する精子に選択性のある磁性粒子および結合剤分子、好ましくはモノクローナル抗体と組み合わされ、次いで上述の通り磁気分離器を使用して分離が行われる。一部の態様では、射精精液は少なくとも約 55%の効率で分画されるが、より高い効率で、例えば少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%で、一方の性を決定する精子集団への高効率の分画を行うことが好ましい。他の細胞型も同様の高効率で分離することができる。
射精精液の分画に続いて、動物(好ましくは哺乳類)に、一方の性を決定する精子集団を受精させることができる。当該磁気分離器を使用する分画および細胞分離の方法は効率的であり、かつ精子のような破損しやすい細胞に優しいので、当該方法を使用して単離された細胞は、非分画細胞と比較して、それらの活動性の全ではないが大部分を維持する。精子の場合、このことは、分画された細胞を受精させた動物の受胎率が、非分画細胞を使用した場合と同様のレベルに維持されることを意味する。対照的に、従来の細胞分離の方法は、レーザ光、色素分子(FACS)、剪断力等へさらされ、厳しい条件が適用されるため、精子の運動性および受精能力をしばしば弱める。よって、そのような分離精子を利用する受精は、複雑かつ高価な技術を必要とし、受胎効率は低下する。したがって、本発明の磁気分離器を使用して精子を分離し、次いでそれを標準受精手順に使用すると、受精の結果得られる受胎率は、好ましい態様では、非分画精子を使用して得られる受胎率の少なくとも約50%である。より好ましい態様では、受胎率はより高く、非分画精子を使用して見られる受胎率に近づく(例えば、非分画精子を使用して得られる受胎率の少なくとも約70%、80%、90%、または95%)。したがって、これらの方法は、IVF、胚移植、または他の高価な手順を使用することなく、哺乳類の子孫の性の偏りを生み出すのに有用である。
本発明の磁気分離器を使用して行われる分離の別の特徴は、多数の細胞を迅速に分画するその能力であり、それは、生物活性をできるだけ維持しなければならない場合の細胞の分離に特に有用である。例えば、全射精精液を約2時間未満で分画することができる。全射精精液を約1時間未満で分画することが好ましい。これは、FACS法と対照的であり、FACS法では、多数の細胞を処理するのにより多くの時間を必要とし低収率(例えばストロー約7〜10本/日)であり、よって分画の間、細胞を長時間染色化合物に、および長い保存時間にさらす。
本願に記載する方法に従って磁気分離器を使用することによって、哺乳類の精子を迅速にかつ機能性の実質的損失無く分画することができる。機能性は運動性、漸進的運動性、先体の完全性、解凍後の運動性、および形態を含むが、それらに限定されない。したがって、これらの方法を使用して分画された精子の機能性は、非処理精子の少なくとも約50%である。好ましくは、分画精子の機能性は、非処理精子の少なくとも約60%、非処理精子の少なくとも約70%、非処理精子の少なくとも約80%、または非処理精子の少なくとも約90%である。より好ましくは、分画された精子の機能性は、非処理精子の少なくとも約95%であり、さらに好ましくは非処理精子の少なくとも約97%であり、さらにいっそう好ましくは非処理精子の少なくとも約98%であり、最も好ましくは非処理精子の少なくとも約99%である。非処理精子に対して上記レベルの機能性を有する、一方の性を決定する分画された精子集団も提供される。
本発明の別の態様では、分離工程のある態様における予想外の臨界時間および臨界温度に基づいて、射精精液を分画するための方法を提供する。射精精液の捕集後の時間および射精精液が保存されおよび/または取り扱われる温度は、雄性または雌性の子孫を決定する精子の効率的な分離に予想外に重要であることが発見された。これらの精子型の効率的な分離には時間のウインドウ(window of time)があることが突き止められた。効率的な分離のための時間のウインドウは、射精精液の捕集後約2時間で「開き」、射精精液の捕集後約24時間で「閉じる」。これは、抗体がこのタイムウインドウ内でY染色体担持精子に優先的に結合する能力(例えばX染色体担持精子に結合するより大きい結合力を持つ)によって、かつ有利なタイムウインドウ内または有利なタイムウインドウ外のいずれかで分離された精子による動物の受精の結果によっても示された。これらの結果は、以下の実施例で報告する。したがって、本発明は、射精精液の捕集後約2時間から約24時間の間に、つまり射精精液の捕集から約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間後に射精精液を分画することによる、射精精液を分画する(または雄性または雌性の子孫を決定する精子を分離する)方法を提供する。好ましくは、分画は射精精液の捕集後約2時間から約12時間の間に行われる。より好ましくは、分画は射精精液の捕集後約4時間から約8時間の間に行われる。さらに好ましくは、分画は射精精液の捕集から約6時間後に行われる。
これらの実験中に、射精精液または精子集団が捕集から分離(分離までおよび分離工程を含む)の間に保存される温度が、Y染色体担持精子に優先的に結合する抗体の能力に対し予想外の影響を持つことも突き止められた。実験が行なわれた条件の観察に基づくと、室温は分画前の射精精液の保存に対しあまり有利ではないかもしれない。したがって、本発明は、約20℃未満で射精精液を保存した後に射精精液を分画を行う、射精精液を分画する(または雄性または雌性の子孫を決定する精子を分離する)方法を提供する。好ましくは、射精精液は約19℃、18℃、17℃、または16℃未満で保存され、より好ましくは約15℃、14℃、13℃、または12℃未満、さらに好ましくは約11℃、10℃、9℃、または8℃未満、さらにいっそう好ましくは約7℃、6℃、5℃、または4℃未満で保存される。
したがって、この情報を使用した方法を提供する。これらの時間および/または温度を考慮して射精精液を分画するための方法は、本願に記載した磁気分離器装置および様々な方法を使用して行うことができる。精子のこれらの予想外の特性は本願に記載する磁気分離技術に限定されないので、時間および/または温度を考慮して射精精液を分画するための方法は、他の分離技術を用いて行うこともできる。本発明のこの態様は、時間および温度の予想外の特性を理解して分離される精子集団、そのような精子集団を使用する人工授精のための方法、および本願により詳細に記載する他の方法および生成物をも提供する。
(実施例)
磁気分離器を使用した精子の分離
共沈法によって生成され、タンパク質Aを被覆した磁気ビーズを使用した。「架橋結合ビーズ」を調製するために、ビーズを過剰のウサギの抗マウスIgM架橋抗体に2時間結合させ、5回磁気洗浄し、リン酸緩衝食塩水(PBS)中に再懸濁させた。磁気洗浄は、磁気ビーズの懸濁液を5分間双極子磁気分離器に掛けてビーズを管の壁に引き付け、管から透明な上清を吸引し、磁気ビーズを10mlのPBS中に再懸濁させることによって行われた。
新たに捕集された射精精液の一定分量(790μl)をPBSで8.0mlに希釈し、次いで10分間900×gの遠心分離による沈殿によって2回洗浄し、PBS中に再懸濁させた。
洗浄した細胞を6mlのPBS中に再懸濁させ、360μgの一次雌雄鑑別抗体を添加した(Kooら、Hum.Genet.58(1):18−20、1981;Hammerlingらの米国特許第4,680,258号 )。一次雌雄鑑別抗体は、雄性(Y染色体担持)精子に顕著に現れる表面マーカを認識する。試料を室温で静穏に混合することにより30分間結合させた。結合した細胞を、10分間900×gの遠心分離による沈殿によって1回洗浄した。
洗浄した細胞を6.0mlのPBS中に再懸濁させ、1.2mlの架橋結合した磁気ビーズを加えて、ビーズ0.2mg/mlの溶液を得た。試料を室温で静穏混合により30分間結合させた。
次いで試料を本発明の磁気分離器に掛けて、ビーズを10分間引き付けた。
止栓を開き、制御された流量で排液することによって、雌性細胞(X染色体担持精子)を装置の底から回収した。
次いで、磁気分離器装置から溶出した細胞の細胞数および運動性を測定することによって、細胞を特徴付けた。磁気分離器装置による処理前および処理後の細胞数および運動性の要約を、以下の表1に提示する。
Figure 2006516890
捕集された細胞を次いで、卵黄増量剤を使用して伸展させた。使用可能な市販の増量剤として、Biladyl(登録商標)、Triladyl(登録商標)、およびBiociphos Plus(登録商標)がある。次いで細胞をストローに移し、標準凍結技術を用いて凍結させた。
凍結したストローを、凍結から約2ヵ月後に解凍し、当該精液を使用して体外受精により109 個の胚を産生した。
XおよびY染色体それぞれのZFXおよびZFY領域のPCR増幅によって、各個別胚の性を決定した。KirkpatrickおよびMonson、J.Reprod. Fertil.98:335−340 (1993)に記載されている胚PCRプロトコルを少し修飾して使用した。
全ての胚(8細胞から胚盤胞孵化期まで)は、体外受精(IVF)によって産生された。少数の胚細胞をこれらの胚から抽出し、5μlの溶解緩衝液(2%の2メルカプトエタノール、0.01%のSDS、10mMのEDTA、10mMのトリスpH8.3、プロテイナーゼK、222μg/ml)を含む250μlのPCR管に入れた。全ての胚細胞を55℃で2時間溶解させ、プロテイナーゼKを98℃で10分間不活化した。これにより試料をPCR雌雄鑑別する準備が整った。
第一ラウンドのPCRは、ZFXおよびZFY遺伝子の両方を補完するプライマを使用して行った(フォワードプライマ:ATAATCACATGGAGAGCCACAAGCT(配列番号1);リバースプライマ:GCACTTCTTTGGTATCTGAGAAAGT(配列番号2)。ネステッドPCRを使用し、対立遺伝子特異的プライマ((ZFXの場合、フォワードプライマ:GACAGCTGAACAAGTGTTACTG(配列番号3)、リバースプライマ:AATGTCACACTTGAATCGCATC(配列番号4);ZFYの場合、フォワードプライマ:GAAGGCCTTCGAATGTGATAAC(配列番号5)、リバースプライマ:CTGACAAAAGGTGGCGATTTCA(配列番号6)を使用して、ZFXまたはZFY遺伝子を特異的に増幅した。ネステッドPCRのプライマを使用して、ZFXまたはZFYいずれかの遺伝子の非重複領域を増幅し、247bp(ZFX)および167bp(ZFY)の生成物を発生させた。PCR反応は、50μlの反応量で1×GeneAmp(登録商標) PCR Gold緩衝液(15mMのトリスーHCl、pH8.0、50mMのKCl)、2.5mMのMgCl、45μMの各dNTP、250nMの各プライマ、および1単位のAmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ(カリフォルニア州フォスターシティ、Applied Biosystems)から構成された。第一ラウンドのPCRは、94℃で10分間のホットスタートの後、94℃で1分間の変性、及び55℃で1分間の徐冷、及び72℃で1分間の伸展を5サイクル、さらに続いて94℃で20秒間の変性、及び55℃で20秒間の徐冷、及び72℃で30秒間の伸展、及び72℃で10分間の最終伸展を25サイクルによって行った。
第一ラウンドのPCR生成物の一定量2μlをネステッドPCRに使用した。ZFXおよびZFYを別個の管で増幅し、循環プロトコルを二段階に分けて異なる徐冷温度で行った。最初の5回のPCRサイクルの徐冷温度は52℃であり、残りの25回のPCRサイクルは60℃であった。ネステッドPCRもまた、94℃で10分間のホットスタートと、94℃で1分間の変性、及び上述した温度で45秒間の徐冷、及び72℃で1分間の伸展の三段階サイクルを合計で30回と、5分間の最終伸展とによって行った。増幅に続いて、一定量7μlのPCR生成物を2μlの添加緩衝液(pH8の0.1MのNa2EDTA中に20%のFicoll400、1%のSDS、および0.25%のキシレンシアノール)と混合し、臭化エチジウム(0.5μg/ml)を含有する1.5%(W/V)のNuSieveアガロースゲル上に添加した。PCR生成物をトリス酢酸EDTA緩衝液中で電気泳動によって82Vで45分間溶解し、カメラを搭載したUV透視装置によって可視化した。
IVF胚のPCR雌雄鑑別決定の結果は、85個の雌性胚および24個の雄性胚があり雌性が優位の78%の明らかな性の偏りがあることを示した。
分離効率に対する時間および温度の影響
多数の射精精液の分画を行ううちに、子孫の性の偏りに変動性が認められた。一部の実験では、(実施例1の場合のように)性の偏りは雌性が非常に優位であったが、他の実験では、性の偏りは雌性がわずかに優位であるにすぎなかった。
どの要因が性の大きな偏りに有利に働くのかを決定するために、射精精液の捕集、保存、出荷、および精子の分離を含め、射精精液分画の全工程の様々なパラメータを評価した。
驚くべきことに、射精精液の捕集と分画との間の時間が、分画の実質的な相違および結果として得られる子孫の雌性の偏りを生じることが明らかになった。当該技術分野の常法に従って、捕集後できるだけ早く射精精液を使用および/または処理した。様々な分画実験中に、捕集と処理との間の時間は変化した。最短時間差においては結果的に最小限の分画を生じること、つまり全射精製液から分離されるX染色体担持精子の量が最小限になることが突き止められた。加えて、24時間後には、染色体の内容に関係なく、抗体がほとんどすべての細胞に結合するので、精子はうまく分画しないことが観察された。
分画結果を単細胞PCRによって、かつ分画された精子を使用した人工授精からの妊娠の超音波によって分析した。捕集後約1時間未満で行われた分画の超音波データは、性の偏りを示さなかった。超音波データは、捕集から2.5時間後に行われた分画における雌性が60〜65%という性の偏りを示唆した。PCRおよびIVFからのデータは、捕集約6時間後に行われた分画からの精子を使用して、71%の雌性の偏りを示した。
したがって、X染色体およびY染色体担持精子の分画の明確な驚くべき増加が、射精精液の捕集後のタイムウインドウにおいて観察された。特定の理論に固執はしないが、保存による分画の差は、おそらく細胞表面上の抗原に対する抗体の到達度の増加によって、抗原を認識するために使用される抗体の能力が増加したことを表すものと考えられる。したがって、優先的な分離のウインドウは、精子の細胞表面上の抗原に対する抗体の到達度の変化を表わすと考えられる。この理論によると、ウインドウ内における抗体の抗原への到達度は、Y担持精子の方がX担持精子の場合より大きい。他の抗原は、同じ時間依存性を持つと考えられる。分画の「ウインドウ」は、約2時間後に開き、約24時間までに閉じるようである。精子の優先的な分離に於けるウインドウの概念は、磁気を用いない細胞分離の方法にも適用可能であることに注目されたい。
加えて、射精精液が保存される温度もまた、分画および性の偏りにおける予想外の要因であった。分離方法の試行中に、精液試料を最初は冷温で輸送した。後で、分離方法の試験中に精液試料を室温で輸送し始めたところ、この段階では分離はさらに悪化し、性の偏りはほとんどまたは全く観察されなかった。
一般的に、精液分画に対する時間および温度の影響に基づき、時間、温度、および/又は他のパラメータは、効率的な分離に必要な表面抗原の到達度および/又は認識の増加をもたらすようである。
本発明の範囲内での修飾および改良は、当業者であれば当然のことであり、本明細書の記載は例示に過ぎない。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびそれらの均等物によってのみ規定されるものである。
本明細書で開示された引用特許および文献は全て、参照することにより本明細書に取り込まれる。
本発明の態様の目的、利点、および特徴は、添付された図面に照らした上記の詳細な説明から、いっそう明確に理解されるであろう。図面では、同様の構成要素に対し同様の符号が使用される。
図1は、本発明の一例示的態様に係る磁気分離器の斜視図である。 図2は、試験試料を保持するための容器および試験試料の分離された部分を受容するために容器の下に設けられた槽を含む図1の磁気分離器の正面図である。 図3は、図1の線3−3に沿って切り取った磁気分離器の断面図である。 図4の図4A〜図4Dは、本発明の一例示的態様に係る試験試料の分離工程を示す概略図である。 図5は、図1の磁気分離器用の磁石組立体の斜視図である。 図6は、図5の磁石組立体の端面図である。

Claims (157)

  1. 磁性成分および非磁性成分を含む試験試料から磁性成分を分離するための磁気分離器であって、
    入口および出口を含み、入口を介して試験試料を受容するように構成かつ配設された容器と、
    磁性および非磁性成分を相互に実質的に分離するように試料内の磁性成分に作用する磁界が、容器内に発生するように適応された少なくとも一つの磁石と、
    容器の出口に連結されて容器の出口からの非磁性成分の流れを調節する調節器と、
    を備えた磁気分離器。
  2. 調節器が、出口からの非磁性成分の流れを制御するように、閉位置と開位置との間で作動可能である、請求項1に記載の磁気分離器。
  3. 調節器が、出口からの非磁性成分の流量を変化させるように作動可能である、請求項2に記載の磁気分離器。
  4. 調節器が、弁を含む、請求項1に記載の磁気分離器。
  5. 弁が、止栓を含む、請求項4に記載の磁気分離器。
  6. 出口が、入口の下に配置される、請求項1に記載の磁気分離器。
  7. 容器の出口が、容器の底に設けられる、請求項6に記載の磁気分離器。
  8. 容器の底が、実質的に円錐形状を有する、請求項7に記載の磁気分離器。
  9. 容器の少なくとも一部分が、容器内の試験試料を容器の外側から観察できるように実質的に透明である、請求項1に記載の磁気分離器。
  10. 少なくとも一つの磁石が、棒磁石を含む、請求項1に記載の磁気分離器。
  11. 少なくとも一つの磁石が、容器を中心に間隔をおいて配置される一対の磁石を含む、請求項1に記載の磁気分離器。
  12. 磁石が、容器を中心に実質的に等間隔に配置される、請求項11に記載の磁気分離器。
  13. 磁石が、容器を中心に約180°離して配置される、請求項12に記載の磁気分離器。
  14. 磁石が、ネオジム鉄ホウ素、サマリウムコバルト、アルニコ、およびフェライトから成る群から選択された材料から形成される、請求項1に記載の磁気分離器。
  15. 磁石が、少なくとも一つの電磁石を含む、請求項1に記載の磁気分離器。
  16. 容器を磁石に隣接して保持するように構成かつ配設された少なくとも一つの保持器をさらに備える、請求項1に記載の磁気分離器。
  17. 少なくとも一つの保持器が、容器を摺動自在に受容する、請求項16に記載の磁気分離器。
  18. 少なくとも一つの保持器が、容器の外面の一部分を受容するように構成かつ配設された溝を含む、請求項16に記載の磁気分離器。
  19. 磁性成分および非磁性成分を含む試験試料から磁性成分を分離するための磁気分離器であって、
    試験試料を受容するように適応された容器を受容するように構成かつ配設された容器受容領域と、
    容器受容領域を中心に間隔をおいて配置され、容器受容領域内に磁界を発生するように適応された少なくとも二つの磁石と、
    容器受容領域内に各磁石から実質的に等距離に容器を配置するように構成かつ配設されたガイドとを備えた磁気分離器。
  20. ガイドが、容器を保持するように構成かつ配設された少なくとも一つの保持器を含む、請求項19に記載の磁気分離器。
  21. ガイドが、容器の外面の少なくとも一部分を受容するように構成かつ配設された少なくとも一つの溝を含む、請求項19に記載の磁気分離器。
  22. 磁石が、容器受容領域を中心に実質的に等間隔に配置される、請求項19に記載の磁気分離器。
  23. ガイドが、容器を摺動自在に受容するように構成かつ配設される、請求項19に記載の磁気分離器。
  24. ガイドが、スナップフィット構造によって容器を受容するように構成かつ配設される、請求項19に記載の磁気分離器。
  25. 磁石が、ネオジム鉄ホウ素、サマリウムコバルト、アルニコ、およびフェライトから成る群から選択された材料から形成される、請求項19に記載の磁気分離器。
  26. ガイドによって容器受容領域内で各磁石から実質的に等距離の位置に配置される容器と組み合わされる、請求項19に記載の磁気分離器。
  27. 磁性成分および非磁性成分を含む試験試料から磁性成分を分離するための磁気分離器であって、
    試験試料を受容するように適応された容器を受容するように構成かつ配設された容器受容領域と、
    容器受容領域に隣接して配置され、試験試料の磁性成分に作用する磁界を容器受容領域内に発生するように適応された少なくとも一つの磁石と、
    容器からの試験試料の非磁性成分を捕捉するように適応された槽を、容器受容領域の下に受容するように構成かつ配設された槽受容領域の上に容器受容領域を支持する基台と、
    を備えた磁気分離器。
  28. 基台が、容器受容領域を持ち上げるように適応された複数の脚を含む、請求項27に記載の磁気分離器。
  29. 基台が、表面に固定可能である、請求項27に記載の磁気分離器。
  30. 容器受容領域に容器を保持するように構成かつ配設された少なくとも一つの保持器をさらに備えた、請求項27に記載の磁気分離器。
  31. 保持器が、磁石を容器受容領域から距離をおいて配置された状態に維持する、請求項30に記載の磁気分離器。
  32. 少なくとも一つの磁石が、容器受容領域を中心に実質的に等間隔に配置された一対の磁石を含む、請求項27に記載の磁気分離器。
  33. 少なくとも一つの磁石が、棒磁石を含む、請求項27に記載の磁気分離器。
  34. 磁石が、ネオジム鉄ホウ素、サマリウムコバルト、アルニコ、およびフェライトから成る群から選択された材料から形成される、請求項27に記載の磁気分離器。
  35. 磁石が、少なくとも一つの電磁石を含む、請求項27に記載の磁気分離器。
  36. 容器受容領域に配置され、試験試料を受容するように適応された容器と組み合わされる、請求項27に記載の磁気分離器。
  37. 槽受容領域に配置され、容器からの非磁性成分を捕捉するように適応された槽と組み合わされる、請求項36に記載の磁気分離器。
  38. 容器が、非磁性成分を出口から容器の外に流出させるように構成かつ配設された出口を含む、請求項37に記載の磁気分離器。
  39. 槽が、容器の出口からの非磁性成分の流れを受容するように設けられる、請求項38に記載の磁気分離器。
  40. 出口が、容器の出口からの非磁性成分の流れを調節する調節器を含む、請求項38に記載の磁気分離器。
  41. 生物学的試料から選択された細胞集団を磁気分離するための方法であって、
    選択された細胞集団を選択的に結合させる複数の結合剤分子に、容器内の生物学的試料を、結合剤分子が細胞を結合させるのに充分な時間接触させ、ここで結合剤分子が磁性粒子に付着して生物学的試料の磁性成分を形成するようにしたこと、
    容器に外部磁界を印加して、生物学的試料の非磁性成分から磁性成分を分離すること、および
    生物学的試料の非磁性成分を容器から排出して、選択された細胞集団を生物学的流体試料の非磁性成分から分離すること、
    を含む方法。
  42. 生物学的試料が、第二の細胞集団を含み、生物学的流体試料の非磁性成分が、第二の細胞集団を含む、請求項41に記載の方法。
  43. 結合剤分子が、抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項41に記載の方法。
  44. 抗体が、Y担持精子に特異的である、請求項43に記載の方法。
  45. 抗体が、X担持精子に特異的である、請求項43に記載の方法。
  46. 抗体が、中間リンク化合物を介して磁性粒子に付着するものである、請求項43に記載の方法。
  47. 中間リンク化合物が、タンパク質Aである、請求項46に記載の方法。
  48. 結合剤分子が、ファージディスプレイ結合分子である、請求項41に記載の方法。
  49. 結合剤分子が、レクチンである、請求項41に記載の方法。
  50. 結合剤分子が、細胞上の分子の結合パートナーである、請求項41に記載の方法。
  51. 磁性粒子が、0.1〜2ミクロンの直径を有する非多孔性磁気ビーズ支持体である、請求項41に記載の方法。
  52. 磁性粒子が、結合剤分子に共有結合される、請求項41または51に記載の方法。
  53. 選択された細胞集団が、一方の性を決定する精子である、請求項41に記載の方法。
  54. 磁界が、磁性粒子を容器の表面に保持するには不充分なものである、請求項41に記載の方法。
  55. 磁性粒子に結合された選択された細胞集団が、生物学的流体試料の残部とは別個の相を形成する、請求項54に記載の方法。
  56. 磁性粒子に結合された選択された細胞集団が、排液後、容器の内面から突起する塊を形成する、請求項54に記載の方法。
  57. 磁性粒子が、磁界の影響下で容器の壁に単層の粒子を形成するには数が多すぎるものである、請求項41に記載の方法。
  58. 選択された細胞集団中の細胞の数が、約1×10個/mlより多いものである、請求項41に記載の方法。
  59. 選択された細胞集団を容器から除去することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
  60. 選択された細胞集団を容器から排出するステップが、容器を重力によって排液させることを含む、請求項59に記載の方法。
  61. 排液ステップが、弁または止栓を開けたり任意選択的に閉めることによって、またはドレンに取り付けられたポンプの動作を調節することによって、調節される、請求項60に記載の方法。
  62. 選択された細胞集団を容器から排出するステップが、濃厚流体を容器内に圧送して、生物学的試料の非磁性成分を容器から排除することを含む、請求項59に記載の方法。
  63. 請求項53の方法に従って精子集団を得ること、および精子集団で哺乳類を受精させること、
    を含む受精の方法。
  64. 生物学的試料から選択された細胞集団を磁気分離するための方法であって、
    選択された細胞集団を選択的に結合させる結合剤に、生物学的流体試料を、結合剤が選択された細胞集団を結合して反応混合物を形成するのに充分な時間接触させ、ここで結合剤が磁性粒子に付着するようにしたこと、
    反応混合物を分離容器に移すこと、
    分離容器に外部磁界を印加して、生物学的流体試料から磁性粒子を分離させること、および
    生物学的試料の非磁性成分を容器から排出して、選択された細胞集団を生物学的流体試料の非磁性成分から分離すること、
    を含む方法。
  65. 生物学的試料が、第二の細胞集団を含み、生物学的流体試料の非磁性成分が、第二の細胞集団を含む、請求項64に記載の方法。
  66. 結合剤分子が、抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項64に記載の方法。
  67. 抗体が、Y担持精子に特異的である、請求項66に記載の方法。
  68. 抗体が、X担持精子に特異的である、請求項66に記載の方法。
  69. 抗体が、中間リンク化合物を介して磁性粒子に付着するものである、請求項66に記載の方法。
  70. 中間リンク化合物が、タンパク質Aである、請求項69に記載の方法。
  71. 結合剤分子が、ファージディスプレイ結合分子である、請求項64に記載の方法。
  72. 結合剤分子が、レクチンである、請求項64に記載の方法。
  73. 結合剤分子が、細胞上の分子の結合パートナーである、請求項64に記載の方法。
  74. 磁性粒子が、0.1〜2ミクロンの直径を有する非多孔性磁気ビーズ支持体である、請求項64に記載の方法。
  75. 磁性粒子が、結合剤分子に共有結合される、請求項64または74に記載の方法。
  76. 選択された細胞集団が、一方の性を決定する精子である、請求項64に記載の方法。
  77. 磁界は磁性粒子を容器の表面に保持するには不充分である、請求項64に記載の方法。
  78. 磁性粒子に結合された選択された細胞集団が、生物学的流体試料の残部とは別個の相を形成する、請求項77に記載の方法。
  79. 磁性粒子に結合された選択された細胞集団が、排液後、容器の内面から突起する塊を形成するものである、請求項77に記載の方法。
  80. 磁性粒子が、磁界の影響下で容器の壁に単層の粒子を形成するには数が多すぎるものである、請求項64に記載の方法。
  81. 選択された細胞集団中の細胞の数が、約1×10個/mlより多いものである、請求項64に記載の方法。
  82. 選択された細胞集団を容器から除去することをさらに含む、請求項64に記載の方法。
  83. 選択された細胞集団を容器から排出するステップが、容器を重力によって排液させることを含むものである、請求項82に記載の方法。
  84. 排液ステップが、弁または止栓を開けたり任意選択的に閉めることによって、またはドレンに取り付けられたポンプの動作を調節することによって調節されるものである、請求項83に記載の方法。
  85. 選択された細胞集団を容器から排出するステップが、濃厚流体を容器内に圧送して、生物学的試料の非磁性成分を容器から排除することを含むものである、請求項82に記載の方法。
  86. 請求項76に記載の方法にしたがって精子集団を得ること、および
    精子集団で哺乳類を受精させることを含む受精の方法。
  87. いずれかの性の哺乳類の子孫の割合を高めるための方法であって、
    (a)一方の性を決定する精子を選択的に結合する複数の結合剤分子に、容器内の生物学的流体試料を、結合剤分子が一方の性を決定する精子を結合させるのに充分な時間接触させ、ここで結合剤分子が磁性粒子に付着するようにしたこと、
    (b)容器に外部磁界を印加して、もう一方の性を決定する精子を含む生物学的流体試料の残部から磁性粒子を分離すること、および
    (c)生物学的流体試料の残部を容器から重力により排出して、もう一方の性を決定する精子を含む生物学的流体試料の残部から一方の性を決定する精子を分離すること、
    によって両方の性を決定する精子を含む生物学的試料から一方の性を決定する精子を磁気分離すること、次いで
    もう一方の性を決定する精子を雌性哺乳類の生殖管に投与すること、
    を含む方法。
  88. もう一方の性を決定する精子を雌性哺乳類の生殖管に投与する前に、もう一方の性を決定する精子を洗浄することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
  89. 投与のステップが、人工授精である、請求項87又は88に記載の方法。
  90. 哺乳類が、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、イヌ、およびネコから成る群から選択される、請求項87又は88に記載の方法。
  91. 投与される精子の数が、少なくとも約一千万個である、請求項87又は88に記載の方法。
  92. 投与される精子の数が、少なくとも約二千万個である、請求項91に記載の方法。
  93. 投与される精子の数が、少なくとも約三千万個である、請求項92に記載の方法。
  94. 投与される精子の数が、少なくとも約四千万個である、請求項93に記載の方法。
  95. 投与される精子の数が、少なくとも約五千万個である、請求項94に記載の方法。
  96. 投与される精子の数が、約一千万個未満である、請求項87又は88に記載の方法。
  97. 投与される精子の数が、約百万個未満である、請求項96に記載の方法。
  98. 投与される精子の数が、約五十万個未満である、請求項97に記載の方法。
  99. 生物学的試料は約1×10個/mlを超える細胞を含む、請求項87に記載の方法。
  100. 一方の性を決定する精子を選択的に結合する結合剤分子が、抗体である、請求項87に記載の方法。
  101. 抗体が、Y担持精子に特異的である、請求項87に記載の方法。
  102. 抗体が、H−Y抗原に特異的である、請求項101に記載の方法。
  103. 抗体が、X担持精子に特異的である、請求項87に記載の方法。
  104. 抗体が、モノクローナル抗体である、請求項101または103に記載の方法。
  105. 磁性粒子が、0.1〜0.5ミクロンの直径を有するものである、請求項87に記載の方法。
  106. 射精精液を得ること、および
    射精精液に請求項53又は76に記載の方法を適用すること
    を含む、哺乳類の全射精精液を一回の工程で分画するための方法。
  107. 射精精液が、少なくとも約55%の効率で分画される、請求項106に記載の方法。
  108. 射精精液が、少なくとも約56%の効率で分画される、請求項107に記載の方法。
  109. 射精精液が、少なくとも約57%の効率で分画される、請求項108に記載の方法。
  110. 射精精液は少なくとも約58%の効率で分画される、請求項109に記載の方法。
  111. 射精精液が、少なくとも約60%の効率で分画される、請求項110に記載の方法。
  112. 射精精液が、少なくとも約65%の効率で分画される、請求項111に記載の方法。
  113. 射精精液が、少なくとも約70%の効率で分画される、請求項112に記載の方法。
  114. 射精精液が、少なくとも約75%の効率で分画される、請求項113に記載の方法。
  115. 射精精液が、少なくとも約80%の効率で分画される、請求項114に記載の方法。
  116. 射精精液が、少なくとも約85%の効率で分画される、請求項115に記載の方法。
  117. 射精精液が、少なくとも約90%の効率で分画される、請求項116に記載の方法。
  118. 射精精液が、少なくとも約95%の効率で分画される、請求項117に記載の方法。
  119. 射精精液が、少なくとも約99%の効率で分画される、請求項118に記載の方法。
  120. 哺乳類の射精精液を得ること、
    請求項53又は76に記載の方法に従って射精精液を分画して精子集団を得ること、および
    精子集団で哺乳類を受精させること、
    を含む受精の方法。
  121. 受精の結果得られる子孫の受胎率が、非分画精子を使用して得られる受胎率の少なくとも約50%である、請求項120に記載の方法。
  122. 受精の結果得られる子孫の受胎率が、非分画精子を使用して得られる受胎率の少なくとも約70%である、請求項120に記載の方法。
  123. 受精の結果得られる子孫の受胎率が、非分画精子を使用して得られる受胎率の少なくとも約80%である、請求項120に記載の方法。
  124. 受精の結果得られる子孫の受胎率が、非分画精子を使用して得られる受胎率の少なくとも約90%である、請求項120に記載の方法。
  125. 受精の結果得られる子孫の受胎率が、非分画精子を使用して得られる受胎率の少なくとも約95%である、請求項120に記載の方法。
  126. 哺乳類の子孫に性の偏りを生み出すための方法であって、
    請求項106に記載の方法に従って分画された射精精液から精子集団を得ること、および
    精子集団で哺乳類を受精させること、
    を含む方法。
  127. 射精精液が約2時間未満で分画される、請求項106に記載の方法。
  128. 射精精液が約1時間未満で分画される、請求項127に記載の方法。
  129. 運動性の実質的な損失無く哺乳類の精子を分画するための方法であって、
    精子を含む射精精子を得ること、および
    射精精子に請求項53又は76に記載の方法を適用すること、
    を含む方法。
  130. 分画された精子の運動性が、非処理精子の少なくとも約50%である、請求項129に記載の方法。
  131. 分画された精子の運動性が、非処理精子の少なくとも約60%である、請求項130に記載の方法。
  132. 分画された精子の運動性が、非処理精子の少なくとも約70%である、請求項131に記載の方法。
  133. 分画された精子の運動性が、非処理精子の少なくとも約80%である、請求項132に記載の方法。
  134. 分画された精子の運動性が、非処理精子の少なくとも約90%である、請求項133に記載の方法。
  135. 分画された精子の運動性が、非処理精子の少なくとも約95%である、請求項134に記載の方法。
  136. 分画された精子の運動性が、非処理精子の少なくとも約97%である、請求項135に記載の方法。
  137. 分画された精子の運動性が、非処理精子の少なくとも約98%である、請求項136に記載の方法。
  138. 分画された精子の運動性が、非処理精子の少なくとも約99%である、請求項137に記載の方法。
  139. 精子の少なくとも約50%が運動型である、一方の性を決定する分画された精子集団。
  140. 精子の少なくとも約60%が運動型である、請求項139に記載の分画された精子集団。
  141. 精子の少なくとも約70%が運動型である、請求項140に記載の分画された精子集団。
  142. 精子の少なくとも約80%が運動型である、請求項141に記載の分画された精子集団。
  143. 精子の少なくとも約85%が運動型である、請求項142に記載の分画された精子集団。
  144. 精子の少なくとも約90%が運動型である、請求項143に記載の分画された精子集団。
  145. 精子の少なくとも約95%が運動型である、請求項144に記載の分画された精子集団。
  146. 精子の少なくとも約97%が運動型である、請求項145に記載の分画された精子集団。
  147. 精子の少なくとも約98%が運動型である、請求項146に記載の分画された精子集団。
  148. 精子の少なくとも約99%が運動型である、請求項147に記載の分画された精子集団。
  149. 哺乳類の射精精子を分画するための方法であって、
    射精精子を得ること、および
    射精精子の捕集後約2時間から約24時間の間に射精精子を分画すること、
    を含む、哺乳類の射精精子を分画するための方法。
  150. 分画が、射精精子の捕集後約2時間から約12時間の間に行われる、請求項149に記載の方法。
  151. 分画が、射精精子の捕集後約4時間から約8時間の間に行われる、請求項150に記載の方法。
  152. 分画が、射精精子の捕集から約6時間後に行われる、請求項151に記載の方法。
  153. 哺乳類の射精精子を分画するための方法であって、
    射精精子を得ること、および
    射精精子を約20℃未満で保存した後に射精精子を分画すること、
    を含む、哺乳類の射精精子を分画するための方法。
  154. 分画が、射精精子を約16℃未満で保存した後に行われる、請求項153に記載の方法。
  155. 分画が、射精精子を約12℃未満で保存した後に行われる、請求項154に記載の方法。
  156. 分画が、射精精子を約8℃未満で保存した後に行われる、請求項155に記載の方法。
  157. 分画が、射精精子を約4℃未満で保存した後に行われる、請求項156に記載の方法。
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