以下、発明の実施の形態に係る空気調和装置について、図面などを参照しながら説明する。以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。また、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。特に構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することができる。また、圧力および温度の高低については、特に絶対的な値との関係で高低が定まっているものではなく、装置などにおける状態、動作などにおいて相対的に定まるものとする。また、同様の機能を有する複数の装置から、一の装置を区別して説明する場合には英小文字の添字を付して説明する。例えば室内機300a、300bはそれぞれ同様の機能を有する装置であるので、説明が共通する場合は室内機300と表記し、区別して説明する場合は室内機300a、300bと表記する。さらに、便宜上、添字a、bを用いるが、数量がこれに限定されるものではなく、例えば室内機300及び室内機300の構成部品の数量は1又は2以上であっても構わない。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る空気調和装置の構成を示す概略図である。図2は実施の形態1に係る空気調和装置の制御に関するブロック図である。実施の形態1の空気調和装置100について説明する。空気調和装置100は、熱源機200と、複数の室内機300(室内機300a、室内機300b)と、を備えている。また、後述する熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒循環回路Aが熱源機200には構成されている。また、熱源機200と各室内機300とは第一の熱媒体配管5と第二の熱媒体配管6で接続されている。熱源機200と、室内機300と、第一の熱媒体配管5と、第二の熱媒体配管6とによって、後述する熱媒体を循環させる熱媒体循環回路Bが空気調和装置100には構成されている。また、空気調和装置100は、例えば建築物内の部屋など空気調和対象空間の空気を冷却する冷房運転モードと、空気調和対象空間の空気を加熱する暖房運転モードと、の二種類の運転モードを有している。
熱源側冷媒循環回路Aを循環する熱源側冷媒としては、後述する室外熱交換器13及び後述する熱媒体熱交換器20において気化又は凝縮するような冷媒が用いられる。たとえば、R−22若しくはR−134aなどの単一冷媒、R−410A若しくはR−404Aなどの擬似共沸混合冷媒、又はR−407Cなどの非共沸混合冷媒を熱源側冷媒として用いることができる。また、化学式内に二重結合を含むCF3CF=CH2などの地球温暖化係数が比較的小さい値とされている冷媒、その混合物、又はCO2若しくはプロパンなどの自然冷媒などを熱源側冷媒として用いることもできる。
熱媒体循環回路Bを循環する熱媒体としては、後述する熱媒体熱交換器20及び後述する室内熱交換器30において液体の状態のまま熱交換を行うような熱媒体が用いられる。たとえば、ブライン(不凍液)、水、ブラインと水との混合液、又は防食効果が高い添加剤と水との混合液などを熱媒体として用いることができる。
次に実施の形態1の熱源機200について説明する。熱源機200は、室外機1と、中継機2と、を備えている。室外機1と中継機2とは第一の熱源側冷媒配管7と第二の熱源側冷媒配管8で接続されている。
次に実施の形態1の室外機1について説明する。室外機1は、筐体内に、圧縮機10と、流路切替装置11と、絞り装置12と、室外熱交換器13と、アキュムレータ14と、室外送風機15と、を有する。また、圧縮機10と、流路切替装置11と、絞り装置12と、室外熱交換器13と、アキュムレータ14とは室外機配管16で配管接続されている。
圧縮機10は、熱源側冷媒を吸入し、圧縮して、高温高圧のガス状態にして吐出する。ここで、圧縮機10は、例えば容量制御可能なインバータ圧縮機などで構成すると良い。流路切替装置11は、冷房運転モード又は暖房運転モードに応じて、熱源側冷媒の流路を切り替える。具体的に、流路切替装置11は、冷房運転モードでは図1の破線の流路に切り替え、暖房運転モードでは図1の実線の流路に切り替える。絞り装置12は、膨張弁として機能し、絞り装置12を通過する熱源側冷媒を減圧して膨張させる。ここで、絞り装置12は、例えば開度を任意の大きさに制御して熱源側冷媒の流量を任意に調整することができる電子膨張弁などで構成すると良い。室外熱交換器13は、室外空間の空気と熱源側冷媒との間で熱交換を行わせる。アキュムレータ14は、冷房運転モードと暖房運転モードとで用いられる冷媒量の違い、又は運転モードが変化する時の過渡期などに生じる余剰冷媒を蓄える。室外送風機15は、室外熱交換器13に室外空間の空気を供給する。
室外機1は、第一の室外機配管接続部17と、第二の室外機配管接続部18を有する。また、第一の室外機配管接続部17は第一の熱源側冷媒配管7と接続される。さらに、第二の室外機配管接続部18は第二の熱源側冷媒配管8と接続される。
室外機1は、室外機制御装置81を有する。室外機制御装置81は圧縮機10の容量の制御、流路切替装置11の流路の制御、絞り装置12の開度の制御、及び室外送風機15の送風量の制御を行う。
次に実施の形態1の中継機2について説明する。中継機2は、筐体内に、熱媒体熱交換器20と、ポンプ21とを有する。
熱媒体熱交換器20は、熱源側冷媒と熱媒体との間で熱交換を行う。ポンプ21は熱媒体を吸引し、加圧して、熱媒体循環回路Bに熱媒体を循環させる。ここでポンプ21は、容量制御を行うことができ、熱媒体循環回路Bを循環する熱媒体の流量を調整することができる。
中継機2は、第一の中継機冷媒配管接続部26と、第二の中継機冷媒配管接続部27と、第一の中継機熱媒体配管接続部28と、第二の中継機熱媒体配管接続部29を有する。第一の中継機冷媒配管接続部26は、第一の熱源側冷媒配管7と接続され、第一の中継機冷媒配管22を介して熱媒体熱交換器20と繋がっている。第二の中継機冷媒配管接続部27は、第二の熱源側冷媒配管8と接続され、第二の中継機冷媒配管23を介して熱媒体熱交換器20と繋がっている。第一の中継機熱媒体配管接続部28は、第一の熱媒体配管5と接続され、第一の中継機熱媒体配管24を介して熱媒体熱交換器20と繋がっている。第二の中継機熱媒体配管接続部29は、第二の熱媒体配管6と接続され、第二の中継機熱媒体配管25を介して熱媒体熱交換器20と繋がっている。第二の中継機熱媒体配管25の途中にはポンプ21が設けられている。
中継機2は、中継機制御装置82を有する。中継機制御装置82は、ポンプ21の容量制御を行う。
次に実施の形態1の室内機300について説明する。室内機300は、室内機本体3と、流量調整装置4と、接続配管9と、を備えている。室内機本体3と流量調整装置4とは接続配管9で接続されている。
実施の形態1の室内機本体3について説明する。室内機本体3は、熱交換器筐体50内に、室内熱交換器30と、室内送風機31と、を有する。
室内熱交換器30は、例えば空調対象空間の空気と熱媒体との間で熱交換を行わせる。室内送風機31は、空調対象空間の空気を吸引し、吸引した空気が室内熱交換器30を通過し、室内熱交換器30を通過した空気が空調対象空間に吹き出される空気の流れを生成する。
なお、室内熱交換器30が、第一の発明に係る流量調整装置、第二の発明に係る室内機、及び第三の発明に係る空気調和装置における熱交換器に相当する。
室内機本体3は、第一の熱交換器配管接続部32と、第二の熱交換器配管接続部35を有する。また、第一の熱交換器配管接続部32は、第一の熱媒体配管5と接続され、熱交換器入口配管33を介して室内熱交換器30と繋がっている。また、第二の熱交換器配管接続部35は、接続配管9の一方の端部と接続され、熱交換器出口配管34を介して室内熱交換器30と繋がっている。
室内機本体3は、室内機制御装置83を有する。室内機制御装置83は、同じ室内機本体3の室内送風機31の送風量の制御を行う。また、室内機制御装置83は、対応する流量調整装置4の流量調整弁40の開度の制御と、対応する流量調整装置4の入口側圧力センサ41並びに出口側圧力センサ42がそれぞれ検出した圧力を取得する。ここで対応する流量調整装置4とは、熱媒体循環回路Bにおいて室内機本体3と直列に接続されている流量調整装置4のことを指す。つまり、室内機本体3aであれば流量調整装置4aが、室内機本体3bであれば流量調整装置4bが、それぞれ対応する流量調整装置4である。
また、図2に示すとおり、室外機制御装置81と、中継機制御装置82と、複数の室内機制御装置83とは、それぞれ無線又は有線で通信可能に接続されている。このため、室外機制御装置81と、中継機制御装置82と、複数の室内機制御装置83とは、各種データを含む信号を通信することができる。
実施の形態1の流量調整装置4について説明する。流量調整装置4は、流量調整装置筐体60内に流量調整弁40と、入口側圧力センサ41と、出口側圧力センサ42と、を有する。
流量調整弁40は、室内熱交換器30を通過する熱媒体の流量の調整を行う。流量調整弁40は、例えば、弁の開度を制御することができる二方弁などで構成され、流量調整弁40の弁の開度を調整することによって室内熱交換器30を通過する熱媒体の流量の調整が行われる。入口側圧力センサ41は流量調整弁40に流入する熱媒体の圧力を検出する。出口側圧力センサ42は流量調整弁40より流出した熱媒体の圧力を検出する。また、後述するように流量調整弁40の入口側と出口側の差圧に基づき流量調整弁を通過する熱媒体の流量を算出できる。このため、入口側圧力センサ41が検出した熱媒体の圧力並びに出口側圧力センサ42が検出した熱媒体の圧力はそれぞれ流量調整弁40を通過する熱媒体の流量に関する情報であり、入口側圧力センサ41並びに出口側圧力センサ42は流量調整弁40を通過する熱媒体の流量に関する情報を検出する流量情報検出手段に該当する。
流量調整装置4は、第一の流量調整装置配管接続部43と、第二の流量調整装置配管接続部46を有する。また、第一の流量調整装置配管接続部43は、接続配管9の他方の端部と接続され、流量調整装置入口配管44を介して流量調整弁40と繋がっている。また、第二の流量調整装置配管接続部46は、第二の熱媒体配管6と接続され、流量調整装置出口配管45を介して流量調整弁40と繋がっている。さらに、流量調整装置入口配管44の途中には入口側圧力センサ41が設けられ、流量調整装置出口配管45の途中には出口側圧力センサ42が設けられている。
次に実施の形態1の熱源側冷媒循環回路Aを循環する熱源側冷媒の流れについて説明する。熱源側冷媒循環回路Aを循環する熱源側冷媒の流れは、空気調和装置100の運転モードによって変わる。
空気調和装置100が暖房運転モードの場合では、流路切替装置11は図1の実線の流路に切り替わる。このため、圧縮機10より吐出された高温高圧のガス状態の熱源側冷媒は、第一の室外機配管接続部17と、第一の熱源側冷媒配管7と、第一の中継機冷媒配管接続部26と、第一の中継機冷媒配管22とを通過して、熱媒体熱交換器20に流入する。この際に、熱媒体熱交換器20は凝縮器として機能し、熱源側冷媒は熱媒体へ放熱して低温高圧の液状態となり、熱媒体熱交換器20より流出する。熱媒体熱交換器20より流出した熱媒体は、第二の中継機冷媒配管23と、第二の中継機冷媒配管接続部27と、第二の熱源側冷媒配管8と、第二の室外機配管接続部18とを通過して、絞り装置12に流入する。絞り装置12に流入した熱源側冷媒は、減圧され低温低圧の気液二相状態となり、絞り装置12より流出する。絞り装置12より流出した熱源側冷媒は室外熱交換器13に流入する。この際に、室外熱交換器13は蒸発器として機能し、熱源側冷媒は室外の空気より吸熱してガス状態となり、室外熱交換器13より流出する。室外熱交換器13を流出した熱源側冷媒はアキュムレータ14を通過して、圧縮機10に吸引されて、再び高温高圧のガス状態となって吐出される。
空気調和装置100が冷房運転モードの場合では、流路切替装置11は図1の破線の流路に切り替わる。このため、圧縮機より吐出された高温高圧のガス状態の熱源側冷媒は室外熱交換器13に流入する。この際に室外熱交換器13は凝縮器として機能し、熱源側冷媒は室外の空気へ放熱して低温高圧の液状態となり、室外熱交換器13より流出する。室外熱交換器13より流出した熱源側冷媒は絞り装置12に流入し、減圧され低温低圧の気液二相状態となり、絞り装置12より流出する。絞り装置12より流出した熱源側冷媒は、第二の室外機配管接続部18と、第二の熱源側冷媒配管8と、第二の中継機冷媒配管接続部27と、第二の中継機冷媒配管23とを通過して熱媒体熱交換器20に流入する。この際に、熱媒体熱交換器20は蒸発器として機能し、熱源側冷媒は熱媒体より吸熱してガス状態となり、熱媒体熱交換器20より流出する。熱媒体熱交換器20より流出した熱源側冷媒は、第一の中継機冷媒配管22と、第一の中継機冷媒配管接続部26と、第一の熱源側冷媒配管7と、第一の室外機配管接続部17と、アキュムレータ14とを通過して、圧縮機10に吸引されて、再び高温高圧のガス状態となって吐出される。
次に実施の形態1の熱媒体循環回路Bを循環する熱媒体の流れについて説明する。まず、ポンプ21によって加圧された熱媒体は熱媒体熱交換器20に流入する。熱媒体熱交換器20に流入した熱媒体は、冷房運転モードの場合では熱源側冷媒によって冷却され、暖房運転モードの場合では熱源側冷媒によって加熱され、熱媒体熱交換器20より流出する。熱媒体熱交換器20を流出した熱媒体は、第一の中継機熱媒体配管24と、第一の中継機熱媒体配管接続部28とを通過し、第一の熱媒体配管5に流入する。第一の熱媒体配管5は、途中で、室内機300aに繋がる配管と、室内機300bに繋がる配管に分かれている。このため、熱媒体も室内機300aへ流れる熱媒体と、室内機300bへ流れる熱媒体と、に分かれる。
実施の形態1の室内機300aへ流れる熱媒体の流れを説明する。室内機300aへ流れる熱媒体は、第一の熱交換器配管接続部32aと、熱交換器入口配管33aとを通過し、室内熱交換器30aに流入する。室内熱交換器30aに流入した熱媒体は、冷房運転モードの場合では室内熱交換器30aを通過する空気を冷却し、暖房運転モードの場合には室内熱交換器30aを通過する空気を加熱し、室内熱交換器30aから流出する。室内熱交換器30aを流出した熱媒体は、熱交換器出口配管34aと、第二の熱交換器配管接続部35aと、接続配管9aと、を通過して流量調整装置4aへ流入する。流量調整装置4aに流入した熱媒体は、第一の流量調整装置配管接続部43aと、流量調整装置入口配管44aと、流量調整弁40aと、流量調整装置出口配管45aと、第二の流量調整装置配管接続部46aと、を通過して第二の熱媒体配管6へ流入する。
なお、実施の形態1の室内機300bへ流れる熱媒体の流れの説明は、前述の室内機300aへ流れる熱媒体の説明で示した各構成の添字がaからbに変わるだけであるため、省略する。
第二の熱媒体配管6は、途中で、室内機300aに繋がる配管と、室内機300bに繋がる配管が合流している。このため、熱媒体も室内機300aより流出した熱媒体と、室内機300bより流出した熱媒体と、が合流する。合流した熱媒体は、第二の中継機熱媒体配管接続部29と、第二の中継機熱媒体配管25とを通過し、ポンプ21に吸引されて、再び加圧される。
室内熱交換器30aへ流れる熱媒体の流量と室内熱交換器30bへ流れる熱媒体の流量との割合は、流量調整弁40aの開度と流量調整弁40bの開度との割合によって決まる。つまり、流量調整弁40aの開度が流量調整弁40bの開度よりも大きければ、室内熱交換器30aへ流れる熱媒体の流量が室内熱交換器30bへ流れる熱媒体の流量よりも多くなる。逆に、流量調整弁40aの開度が流量調整弁40bの開度よりも小さければ、室内熱交換器30aへ流れる熱媒体の流量が室内熱交換器30bへ流れる熱媒体の流量よりも少なくなる。従って、流量調整弁40の開度を調整することによって室内熱交換器30に流れる流量を調整することができる。
次に流量調整装置4の流量調整弁40と、入口側圧力センサ41と、出口側圧力センサ42と、で室内熱交換器30を流れる熱媒体の流量を算出する方法について説明する。熱媒体循環回路Bの構成より室内熱交換器30を流れる流量は流量調整弁40に流れる熱媒体の流量と等しい。従って、流量調整弁40に流れる熱媒体の流量を算出すれば、室内熱交換器30に流れる熱媒体の流量を算出することになる。
流量調整弁40に流れる熱媒体の流量は、以下の数1の式によって算出できる。ここで数1において使用している記号を定義する。Qは、流量調整弁40を通過する熱媒体の流量(単位はm3/h)である。Cvは流量調整弁40の容量係数であるCv値(無次元数)である。Cv値は流量調整弁40の種類と開度によって決まり、流量調整弁40の各開度に対応したCv値が室内機制御装置83に記憶されている。ΔPは流量調整弁40の入口側と出口側の差圧(単位はPa)である。ΔPは入口側圧力センサ41と、出口側圧力センサ42との検出値によって決まる。ρは流量調整弁40を通過する熱媒体の密度(単位はkg/m3)である。ρは熱媒体の種類によって決まり、ρの値は室内機制御装置83に記憶されている。ρwは水の密度(単位はkg/m3)である。ρwは1000kg/m3で定数である。
ここで、直膨形室内機に圧力センサと流量調整弁が収容されていない理由について説明する。第1の理由は、圧力センサと流量調整弁を収容しても室内機を流れる冷媒の流量を算出することが困難なためである。直膨形室内機において、室内機を流れる冷媒の状態はガスの状態と液体の状態と気液二相状態との複数の状態の場合があり、それぞれの状態で冷媒の密度が異なるため、室内機を流れる冷媒の密度は一定ではない。よって、数1のρの値が一定ではなく、数1を用いても冷媒の流量を算出することが困難である。第2の理由は、直膨形室内機では冷媒の流量を絞り装置で調整できるため、別途に流量調整弁を設けて流量調整弁で流量を制御する必要は無かったためである。
直膨形室内機に対して、実施の形態1の空気調和装置100の熱媒体循環回路Bを循環する熱媒体は常に液体の状態である。このため、数1のρの値が一定であり、数1を用いて熱媒体の流量を高い精度で算出することができる。また、算出した流量を用い、個々の室内機300の運転状態を把握することができる。把握した運転状態に基づいて、室外機制御装置81による圧縮機10の容量の制御、中継機制御装置82によるポンプ21の容量の制御、又は室内機制御装置83による流量調整弁40の開度の制御のいずれかによって、熱媒体により室内熱交換器30へ搬送される熱量を制御することができる。
図3は実施の形態1に係る室内機を下方から見た斜視図である。図4は実施の形態1に係る室内機の上方から見た平面図である。図5は実施の形態1に係る室内機の図3における領域Cの拡大図である。次に実施の形態1の室内機300の詳細な構造を説明する。室内機本体3の室内熱交換器30と、室内送風機31とは、熱交換器筐体50に覆われている。また、室内熱交換器30と熱交換器筐体50との間には発泡プラスチックなどの熱伝導率が低い材料で形成されたインナーカバー(図示省略)が設けられている。
熱交換器筐体50は、側面部51と、天面部52と、パネル53とを有する。側面部51は室内熱交換器30と室内送風機31の側方を覆っている。天面部52は室内熱交換器30と室内送風機31の上方を覆っている。側面部51と天面部52は室内機300が設置される際には空調対象空間の天井裏に設置される。パネル53は室内熱交換器30と室内送風機31の下方を覆っている。パネル53は、室内機300が設置される際には空調対象空間の天井から露出するように設置される。パネル53は吸込口部54と複数の吹出口部55とを有する。吸込口部54と吹出口部55は熱交換器筐体50の内部で連通している。室内送風機31が運転を開始すると、吸込口部54より空調対象空間の空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、室内熱交換器30で加熱又は冷却され、吹出口部55より空調対象空間へと吹き出される。
側面部51には複数の固定金具56が設けられている。空調対象空間の天井裏に吊り下げられている吊りボルトをそれぞれ固定金具56に固定することにより、室内機300が空調対象空間の天井裏に吊り下げられる。また、側面部51にはエア抜き弁カバー57が設けられている。エア抜き弁カバー57はエア抜き弁(図示省略)を保護するためのカバーである。エア抜き弁は熱媒体循環回路Bに熱媒体を充填する作業時に熱媒体循環回路B内の空気を抜く弁として用いられる。また、側面部51は後述の図7に示すように複数の熱交換器筐体側取り付け部58を有しており、熱交換器筐体側取り付け部58にはねじ穴が開けられている。また、熱交換器筐体側取り付け部58のねじ穴と後述する流量調整装置筐体側取り付け部65の長穴とが流量調整装置筐体60を熱交換器筐体50に取り付けた際に連通する位置に熱交換器筐体側取り付け部58は設けられている。なお、熱交換器筐体側取り付け部58は、例えば室内熱交換器30で冷却又は加熱した空気を室内機本体3とは離れた場所から吹き出すための分ダクトのフランジ部など既存の別売部品を取り付けるために設けられた穴でも良い。
第一の熱交換器配管接続部32と第二の熱交換器配管接続部35は同一の側面部51にて熱交換器筐体50より露出している。第二の熱交換器配管接続部35は接続配管9とフレアナットなど既存の配管接続方法で接続可能である。また、第一の熱交換器配管接続部32は第一の熱媒体配管5と既存の配管接続方法で接続可能である。ここで、接続配管9と第一の熱媒体配管5は、熱交換器筐体50に覆われていないため、熱交換器筐体50の外部の配管に相当する。
流量調整装置4は後述する流量調整装置筐体側取り付け部65により熱交換器筐体50の側面部51の外面に取り付けられている。流量調整装置4の流量調整弁40と、入口側圧力センサ41と、出口側圧力センサ42とは、流量調整装置筐体60に覆われている。
また、第一の流量調整装置配管接続部43と、第二の流量調整装置配管接続部46とは流量調整装置筐体60の同一の側面から露出している。第一の流量調整装置配管接続部43は接続配管9とフレアナットなど既存の配管接続方法で接続可能である。また、第二の流量調整装置配管接続部46は第二の熱媒体配管6と既存の配管接続方法で接続可能である。ここで、接続配管9と第二の熱媒体配管6は、流量調整装置筐体60に覆われていないため、流量調整装置筐体60の外部の配管に相当する。
図6は実施の形態1に係る流量調整装置の分解斜視図である。流量調整装置入口配管44と流量調整弁40、並びに流量調整装置出口配管45と流量調整弁40は、それぞれファスナー90によって接続されている。
流量調整装置出口配管45はU字型に折り曲がった形状である。また、流量調整装置出口配管45は流量調整弁40と入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42よりも下方に位置している。
流量調整装置筐体60は、ケース61と、カバー62と、二個のインナーカバー63と、ドレンパン64とを有する。二個のインナーカバー63は、流量調整弁40と、入口側圧力センサ41と、出口側圧力センサ42と、流量調整装置入口配管44と、流量調整装置出口配管45とを両側から挟持して覆う。また、ドレンパン64は、インナーカバー63の下部に設けられており、流量調整装置出口配管45などで発生する結露水を受ける。ケース61とカバー62は、インナーカバー63とドレンパン64とを覆い固定する。ここで、インナーカバー63とドレンパン64は流量調整装置入口配管44と流量調整装置出口配管45よりも熱伝導率が低い材料を用いると良い。例えば、流量調整装置入口配管44と流量調整装置出口配管45に金属材料を用いる場合、インナーカバー63とドレンパン64は発泡プラスチックなど金属材料より熱伝導率が低い材料が用いられる。
また、ケース61には、流量調整装置筐体側取り付け部65と、信号線取り出し口部66を有している。流量調整装置筐体側取り付け部65には、それぞれ長穴が形成されており、後述する取り付け方法によって流量調整装置筐体60を熱交換器筐体50へ取り付け可能に構成されている。また、信号線取り出し口部66は、室内機制御装置83と流量調整弁40を通信可能に接続する信号線、室内機制御装置83と入口側圧力センサ41を通信可能に接続する信号線、及び室内機制御装置83と出口側圧力センサ42を通信可能に接続する信号線を、流量調整装置筐体60の外へ取り出すために設けられている。
なお、流量調整装置筐体側取り付け部65が、第一の発明に係る流量調整装置、第二の発明に係る室内機、及び第三の発明に係る空気調和装置における取り付け部に相当する。
図7は実施の形態1に係る室内機本体と流量調整装置の取り付け時を表した斜視図である。次に流量調整装置4の取り付け方法について説明する。まず、ねじ溝が形成されたねじ70の軸部をそれぞれ流量調整装置筐体側取り付け部65の長穴に挿入する。挿入後、ねじ70の軸部をねじ穴が開けられた熱交換器筐体側取り付け部58にそれぞれねじ嵌めすることで、流量調整装置筐体側取り付け部65はねじ70の頭部と側面部51に挟み込まれ、流量調整装置筐体60が熱交換器筐体50に取り付けられる。
以上のように実施の形態1に係る流量調整装置4は、流量調整弁40と流量情報検出手段に該当する入口側圧力センサ41並びに出口側圧力センサ42とを覆う流量調整装置筐体60と、流量調整装置筐体60に設けられ熱交換器筐体50の外面に流量調整装置筐体60を取り付け可能に構成された流量調整装置筐体側取り付け部65と、を備えた構成である。この構成より、容易に流量調整弁40と流量情報検出手段を室内機300に追加することができる効果を奏する。特に直膨形室内機であっても当該構成の流量調整装置4を備えることで、熱交換器筐体50と室内機本体のインナーカバーの再設計を行わず、容易に熱媒体形空気調和装置に適用させることができる。
さらに、任意的構成として前述の実施の形態1に係る流量調整装置4の構成に、流量調整装置筐体60は、流量調整弁40に接続される信号線と、流量情報検出手段に該当する入口側圧力センサ41並びに出口側圧力センサ42に接続される信号線と、を流量調整装置筐体60の外部へ取り出すための信号線取り出し口部66を、備える構成を付加しても良い。この付加された構成によって、室内機制御装置83が流量調整弁40を通過する熱媒体の流量に関する情報を取得し、取得した情報に基づき流量調整弁40の開度を調整することができる効果を奏する。室内熱交換器30へ搬送される熱量を制御することができ、個々の室内機を最適で無駄の無い運転を行うことができ、空調装置全体の省エネ化を実現することができる。
さらに、任意的構成として前述の実施の形態1に係る流量調整装置4の構成に、流量調整装置筐体60に覆われ流量調整弁40に流入する熱媒体が流れる流量調整装置入口配管44と、流量調整装置筐体60に覆われ流量調整弁40より流出した熱媒体が流れる流量調整装置出口配管45と、を備え、流量調整装置筐体60は、流量調整装置入口配管44及び流量調整装置出口配管45よりも熱伝導率が低い材料で形成されたインナーカバー63を有し、流量調整装置入口配管44と前記流量調整装置出口配管45と流量調整弁40は、インナーカバー63で覆われる構成を付加しても良い。この付加された構成によって、流量調整装置4を流れる熱媒体が流量調整装置4の外部に放熱又は吸熱することを抑制する効果を奏する。
さらに、任意的構成として前述の実施の形態1に係る流量調整装置4の構成に、流量調整弁40を通過した熱媒体が流れる流量調整装置出口配管45を備え、流量調整装置出口配管45は流量調整弁40と流量情報検出手段に該当する入口側圧力センサ41並びに出口側圧力センサ42よりも下方に位置する構成を付加しても良い。この付加された構成によって、流量調整装置出口配管45に生じる結露が流量調整弁40と入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42に滴下せず、機器の劣化を抑制することができる効果を奏する。
実施の形態1に係る室内機300は、室内熱交換器30を覆う熱交換器筐体50と、前述の実施の形態1に係る構成の流量調整装置4と、を備えた構成である。この構成によって、前述の実施の形態1に係る構成の流量調整装置4と同じく、容易に流量調整弁40と流量情報検出手段を室内機に追加することができる効果を奏する。さらに室内機本体3と流量調整装置4を一体化して出荷することが可能となり、現場での作業工程の複雑化や作業工数の増加を防ぐことができる効果を奏する。
さらに、任意的構成として前述の実施の形態1に係る室内機300の構成に、熱交換器筐体50の外部の配管と接続可能であり室内熱交換器30と繋がる熱交換器配管接続部である第二の熱交換器配管接続部35と、流量調整装置筐体60の外部の配管と接続可能であり流量調整弁40と繋がる流量調整装置配管接続部である第一の流量調整装置配管接続部43と、一方の端部が熱交換器配管接続部に接続され、他方の端部が流量調整装置配管接続部に接続される接続配管9と、を備える構成を付加しても良い。この付加された構成によって、流量調整装置筐体60の配置の自由度が増す効果を奏する。
実施の形態1に係る空気調和装置100は、前述の実施の形態1に係る室内機300と、熱媒体を加熱又は冷却する熱源機200と、を備えた構成である。この構成によって、前述の実施の形態1に係る室内機300と同じく、容易に流量調整弁40と入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42を室内機に追加することができる効果を奏する。
なお、実施の形態1に係る空気調和装置100では、流量調整装置筐体60はねじ70によって熱交換器筐体50に取り付け可能に構成されているが、この構成に限らず、他の既存の取り付け方式で取り付け可能にする構成でも良い。例えば、ねじ70の代わりにリベットを流量調整装置筐体側取り付け部65の長穴と熱交換器筐体側取り付け部58の穴に挿入し、リベットをかしめることで流量調整装置筐体60を熱交換器筐体50に取り付けても良い。また、流量調整装置筐体側取り付け部65は長穴が形成されていない突起であり、熱交換器筐体50に流量調整装置筐体側取り付け部65が挿入される挿入穴(熱交換器筐体側取り付け部58に該当)が形成され、流量調整装置筐体側取り付け部65を当該挿入穴に挿入することで流量調整装置筐体60を熱交換器筐体50に取り付ける構造でも良い。
さらに、実施の形態1に係る空気調和装置100では、熱交換器筐体50に熱交換器筐体側取り付け部58が形成されている構成であるが、熱交換器筐体側取り付け部58は必須の構成では無い。例えば、熱交換器筐体50の一部が鉄などの磁性材料であり、流量調整装置筐体60に磁石を設けて、磁力によって流量調整装置筐体60を熱交換器筐体50に取り付ける構成でも良い。この場合、流量調整装置筐体側取り付け部65は磁石となる。また、流量調整装置筐体60に接着剤又は両面テープなどの接着部材を付加し、接着部材による接着力で流量調整装置筐体60を熱交換器筐体50に取り付ける構成でも良い。この場合、流量調整装置筐体側取り付け部65は接着部材となる。
また、実施の形態1に係る空気調和装置100では、熱交換器筐体50の側面部51に流量調整装置筐体60を取り付ける構成であるが、この構成に限らない。例えば、天面部52又はパネル53に流量調整装置筐体60が取り付けられる構成など、室内熱交換器30を覆う熱交換器筐体50の外面に流量調整装置筐体60が取り付けられる構成であればよい。
ただし、熱交換器筐体50の側面部51には、例えば分ダクトのフランジ部など既存の別売部品を取り付けるために穴が設けられることが多い。このため、任意的構成として前述の実施の形態1に係る室内機300の構成に、側面部51に流量調整装置筐体60を取り付ける構成を付加しても良い。この付加された構成によって既存の別売部品を取り付けるために設けられた穴を熱交換器筐体側取り付け部58に流用することができる効果を奏する。
また、実施の形態1に係る空気調和装置100では、流量情報検出手段として入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42を用いた構成であるが、この構成に限らない。例えば、流量調整弁40を流れる熱媒体の流量を直接検出できる流量計などの他の流量情報検出手段を用いる構成でも良い。
ただし、一般的に流量計は圧力センサ二つと比較してコストが高い。このため、任意的構成として前述の実施の形態1に係る流量調整装置4の構成に、流量情報検出手段として入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42を用いる構成を付加しても良い。この付加された構成によって低コストで流量調整弁40を流れる熱媒体の流量を検出することができる効果を奏する。
また、実施の形態1に係る空気調和装置100では、室内熱交換器30より流出した熱媒体が流量調整弁40に流入する構成であるが、この構成に限らない。例えば、第一の流量調整装置配管接続部43と第一の熱媒体配管5とを接続し、第二の流量調整装置配管接続部46と第一の熱交換器配管接続部32とを接続配管9を介して繋げ、第二の熱交換器配管接続部35と第二の熱媒体配管6とを接続する構成など、流量調整弁40から流出した熱媒体が室内熱交換器30に流入する構成でも良い。
ただし、室内熱交換器30に流入する熱媒体の温度は、室内熱交換器30より流出する熱媒体の温度と比較して、冷房運転モードの場合は低く、暖房運転モードの場合は高い。従って、室内熱交換器30に流入する熱媒体が、室内熱交換器30よりも先に流量調整装置4に流入すると、室内熱交換器30で熱交換を行う前の低温又は高温の熱媒体によって流量調整装置4の劣化が早まってしまう。このため、任意的構成として前述の実施の形態1に係る室内機300の構成に、室内熱交換器30より流出した熱媒体が流量調整装置4に流入する構成を付加しても良い。この付加された構成によって、流量調整装置4から流出した熱媒体が室内熱交換器30に流入する構成よりも、低温又は高温の熱媒体による流量調整装置4の劣化を抑えることができる効果を奏する。特に、流量調整弁40の例として挙げた二方弁には一般的にOリングなどの耐熱性の低いゴム部品が用いられていることがあり、室内熱交換器30より流出した熱媒体が流量調整弁40に流入する構成とすることによって、高温の熱媒体によるゴム部材の劣化を抑えることができる。
実施の形態2.
実施の形態2の空気調和装置100について説明する。実施の形態2の空気調和装置100は、実施の形態1の空気調和装置100と比較して、室内機300の構造が異なる。なお、実施の形態2の空気調和装置100は、熱源機200、第一の熱媒体配管5及び第二の熱媒体配管6の構造と、空気調和装置100の制御に関するブロック図については、実施の形態1の空気調和装置100と同様であり、説明を割愛する。
図8は実施の形態2に係る空気調和装置の構成を示す概略図である。実施の形態2の室内機300について説明する。実施の形態2の室内機300は、実施の形態1の室内機と比較して接続配管9を備えていない点が異なる。
実施の形態2の室内機本体3は、実施の形態1の室内機本体3と比較して、熱交換器筐体50内に入口側圧力センサ41を備える点と、第一の熱交換器配管接続部32と第二の熱交換器配管接続部35とを備えていない点と、熱交換器入口配管33と熱交換器出口配管34が熱交換器筐体50の外部へ出ている点と、が異なる。なお、室内熱交換器30と、室内送風機31と、室内機制御装置83と、は実施の形態1と同様であり、説明を割愛する。
実施の形態2の流量調整装置4は、実施の形態1の流量調整装置4と比較して、入口側圧力センサ41と流量調整装置入口配管44を備えていない点と、熱交換器入口配管33と熱交換器出口配管34が流量調整装置筐体60の内部まで延長されている点と、第一の流量調整装置配管接続部43が第一の熱媒体配管5と接続される点が異なる。なお、流量調整弁40と、出口側圧力センサ42と、は実施の形態1と同様であり説明を割愛する。
実施の形態2の室内機300では、第一の流量調整装置配管接続部43は第一の熱媒体配管5と接続され、流量調整装置筐体60の内部まで延長された熱交換器入口配管33を介して室内熱交換器30と繋がっている。また、室内熱交換器30は、流量調整装置筐体60の内部まで延長された熱交換器出口配管34を介して流量調整弁40と繋がっている。さらに、流量調整弁40は流量調整装置出口配管45を介して第二の流量調整装置配管接続部46と繋がっている。また、熱交換器出口配管34の途中に入口側圧力センサ41が設けられ、入口側圧力センサ41は流量調整弁40に流入する熱媒体の圧力を検出する。さらに、流量調整装置出口配管45の途中には出口側圧力センサ42が設けられ、出口側圧力センサ42は流量調整弁40より流出した熱媒体の圧力を検出する。従って、入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42とによって流量調整弁40の入口側と出口側の差圧を検出することができる。
実施の形態2の室内機300aへ流れる熱媒体の流れを説明する。室内機300aへ流れる熱媒体は、第一の熱媒体配管5より第一の流量調整装置配管接続部43aと、熱交換器入口配管33aとを通過し、室内熱交換器30aに流入する。室内熱交換器30aに流入した熱媒体は、冷房運転モードの場合では室内熱交換器30aを通過する空気を冷却し、暖房運転モードの場合には室内熱交換器30aを通過する空気を加熱し、室内熱交換器30aから流出する。室内熱交換器30aを流出した熱媒体は、熱交換器出口配管34aを流れ、流量調整装置4aへ流入する。流量調整装置4aを流れる熱媒体は、流量調整装置4aの中の熱交換器出口配管34aと、流量調整弁40aと、流量調整装置出口配管45aと、第二の流量調整装置配管接続部46aと、を通過して第二の熱媒体配管6へ流入する。
なお、室内機300bへ流れる熱媒体の流れの説明は、前述の室内機300aへ流れる熱媒体の説明で示した各構成の添字がaからbに変わるだけであるため、省略する。
図9は実施の形態2に係る室内機を上方から見た斜視図である。図10は実施の形態2に係る室内機の流量調整装置の内部を示した斜視図である。図11は実施の形態2に係る室内機の図10における領域Dの拡大図である。次に実施の形態2の室内機300の詳細な構造を説明する。
実施の形態2の室内機本体3は、実施の形態1の室内機本体3と比較して、側面部51がエア抜き弁カバー57を有していない点と、開口部59を有している点と、熱交換器筐体側取り付け部58の位置が変更された点と、が異なっている。
開口部59は側面部51に形成されており、開口部59によって、熱交換器筐体50の内部と外部とが連通している。また、開口部59を介して、熱交換器入口配管33と熱交換器出口配管34とエア抜き弁36とが熱交換器筐体50の外部に出ている。熱交換器入口配管33と熱交換器出口配管34において、室内熱交換器30に接続されている端部から開口部59より外部に出るまでの部分は熱交換器筐体50に覆われている。
また、室内機制御装置83と流量調整弁40を通信可能に接続する信号線、及び室内機制御装置83と出口側圧力センサ42を通信可能に接続する信号線は、開口部59より熱交換器筐体50の内部に引き込まれている(図示省略)。
また、熱交換器筐体側取り付け部58は側面部51に設けられ、ねじ穴が開けられている。さらに流量調整装置筐体60を熱交換器筐体50に取り付けた際に、熱交換器筐体側取り付け部58のねじ穴と流量調整装置筐体側取り付け部65の穴とが連通する位置に熱交換器筐体側取り付け部58は設けられている。
開口部59は、実施の形態1の熱交換器筐体50の側面部51の第一の熱交換器配管接続部32と第二の熱交換器配管接続部35が露出している箇所と、当該箇所に対応するインナーカバーと、を取り除くことで形成することができる。また、熱交換器筐体50の内部に設けられる入口側圧力センサ41は、インナーカバーを取り除くことによって生じた空間に収納することができる。
実施の形態2の流量調整装置4は、実施の形態1の流量調整装置4と比較して、流量調整装置筐体60が開口部59と、熱交換器入口配管33と、熱交換器出口配管34と、エア抜き弁36と、を覆う点が異なる。
第一の流量調整装置配管接続部43と、第二の流量調整装置配管接続部46とは流量調整装置筐体60の同一の側面から露出している。熱交換器出口配管34と流量調整弁40、並びに流量調整装置出口配管45と流量調整弁40は、それぞれファスナー90によって接続されている。また、流量調整装置筐体60は、ケース61と、カバー62と、箱型のインナーカバー63を有する。インナーカバー63は、開口部59と、熱交換器入口配管33と、熱交換器出口配管34と、エア抜き弁36と、流量調整弁40と、出口側圧力センサ42と、流量調整装置出口配管45と、を覆う。特に、インナーカバー63は、熱交換器入口配管33において第一の流量調整装置配管接続部43を有する端部から開口部59より熱交換器筐体50の外部に出た部分までを覆っており、熱交換器出口配管34において開口部59より熱交換器筐体50の外部に出た部分から流量調整弁40に接続される端部までを覆っている。さらに、ケース61とカバー62はインナーカバー63を覆う。ここで熱交換器入口配管33は流量調整弁40と入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42よりも下方に位置している。
ケース61には、流量調整装置筐体側取り付け部65を有しており、流量調整装置筐体側取り付け部65には穴が設けられている。実施の形態1と同様に、ねじの軸部を流量調整装置筐体側取り付け部65の穴に挿入し、ねじの軸部をねじ穴が開けられた熱交換器筐体側取り付け部58にそれぞれねじ嵌めすることで、流量調整装置筐体60が熱交換器筐体50に取り付けられる。
以上のように実施の形態2に係る室内機300は、室内熱交換器30と、室内熱交換器30を覆う熱交換器筐体50と、流量調整弁40と流量情報検出手段である出口側圧力センサ42とを覆う流量調整装置筐体60と、流量調整装置筐体60に設けられ熱交換器筐体50の外面に流量調整装置筐体60を取り付け可能に構成された流量調整装置筐体側取り付け部65と、を備えた構成である。この構成によって、容易に流量調整弁40と流量情報検出手段を室内機に追加することができる効果を奏する。さらに室内機本体3と流量調整装置4を一体化して出荷することが可能となり、現場での作業工程の複雑化や作業工数の増加を防ぐことができる効果を奏する。
さらに、任意的構成として前述の実施の形態2に係る室内機300の構成に、室内熱交換器30に流入する熱媒体が流れる流入配管と、室内熱交換器30より流出する熱媒体が流れる流出配管を備え、流量調整装置筐体60は少なくとも流入配管の一部と流出配管の一部を覆う構成を付加しても良い。なお、実施の形態2において熱交換器入口配管33が流入配管に相当し、熱交換器出口配管34並びに流量調整装置出口配管45が流出配管に相当する。この構成により、熱交換器筐体50より熱媒体が流入及び流出する箇所の近傍に流量調整装置4を取り付けることができ、室内機300を小型化することができる効果を奏する。また、室内機300を小型化することにより、現場での据付作業性の向上、梱包体積の減少又は充填する熱媒体の量の減少の少なくともいずれかの効果を奏する。
また、任意的構成として前述の流量調整装置筐体60は流入配管の一部と流出配管の一部を覆う室内機300の構成に加え、流入配管は流量調整弁40と流量情報検出手段である入口側圧力センサ41並びに出口側圧力センサ42よりも下方に位置する構成を付加しても良い。冷房運転モード時において流入配管には熱源機200で冷却された熱媒体が流れ、流入配管に結露が生じ易い状態になっている。従って、付加された構成により、流入配管に生じる結露が流量調整弁40と入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42に滴下せず、機器の劣化を抑制することができる効果を奏する。
また、任意的構成として前述の実施の形態2の室内機300の構成に、熱交換器筐体50は開口部59を有し、開口部59を流量調整装置筐体60が覆う構成を付加しても良い。この付加された構成により、開口部59を有することで新たに熱交換器筐体50内に形成された空間に入口側圧力センサ41を配置することができ、より室内機300を小型化することができる効果を奏する。また、開口部59は熱交換器筐体50で覆っているため、室内熱交換器30で冷却又は加熱された空気が空調対象空間以外に漏れることを抑制する効果を奏する。また、開口部59は熱交換器筐体50の一部とインナーカバーの一部を取り除くことで形成され、熱交換器筐体とインナーカバーを再設計する必要は無い。
また、任意的構成として前述の熱交換器筐体50が開口部59を有する室内機300の構成に、流入配管である熱交換器入口配管33の一部と流出配管である熱交換器出口配管34の一部は熱交換器筐体50に覆われ、熱交換器入口配管33の他の一部と熱交換器出口配管34の他の一部は開口部59から熱交換器筐体50の外部に出ており流量調整装置筐体60に覆われる構成を付加しても良い。この付加された構成により、第一の熱交換器配管接続部32などの室内機本体3と流量調整装置4とを接続する構成部品が少なくすることができる効果を奏する。
実施の形態2に係る空気調和装置100は、前述の実施の形態2に係る室内機300と、熱媒体を加熱又は冷却する熱源機200と、を備えた構成である。この構成によって、前述の実施の形態2に係る室内機300と同じく、容易に流量調整弁40と入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42を室内機に追加することができる効果を奏する。
なお、実施の形態2の空気調和装置100では、熱交換器筐体50が入口側圧力センサ41を覆う構成であるが、この構成に限らない。例えば、実施の形態1と同様に流量調整装置筐体60が入口側圧力センサ41を覆う構成であっても構わない。
また、実施の形態2の空気調和装置100では、室内機制御装置83と、流量調整弁40、並びに出口側圧力センサ42をそれぞれ通信可能に接続する信号線は開口部59より熱交換器筐体50の内部に引き込まれている構成であるが、この構成に限らない。例えば、実施の形態1と同様に流量調整装置筐体60に信号線取り出し口部を備え、信号線取り出し口部より各種信号線を取り出す構成であっても構わない。
また、実施の形態2の空気調和装置100では入口側圧力センサ41を熱交換器出口配管34に設け、入口側圧力センサ41は室内熱交換器30より流出した熱媒体の圧力を検出する構成であるが、この構成に限らない。例えば、入口側圧力センサ41を熱交換器入口配管33に設ける構成など、入口側圧力センサ41は室内熱交換器30に流入する熱媒体の圧力を検出する構成であっても良い。この構成では、入口側圧力センサ41の配置の自由度が上がり、更なる流量調整装置4の小型化が可能となる効果を奏する。なお、熱交換器入口配管33を流れる熱媒体は、室内熱交換器30を通過してから流量調整弁40に流入するため、流量調整弁40に流入する熱媒体に該当する。
ただし、空気調和装置100には室内熱交換器30を通過する際の圧力損失が存在する。従って、入口側圧力センサ41は室内熱交換器30に流入する熱媒体の圧力を検出する構成では、入力側圧力センサ41で検出した圧力と出口側圧力センサ42で検出した圧力との差圧には室内熱交換器30を通過する際の圧力損失が含まれる。このため、任意的構成として前述の実施の形態2に係る室内機300の構成に、入口側圧力センサ41は室内熱交換器30を流出してから流量調整弁40に流入するまでの間の熱媒体の圧力を検出する構成を付加しても良い。この付加された構成により、より正確に流量調整弁40に流れる熱媒体の流量を算出することができる効果を奏する。
また、実施の形態2の空気調和装置100では、流量情報検出手段として入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42を用いた構成であるが、この構成に限らず、実施の形態1で説明したように流量計などの他の流量情報検出手段として用いた構成でも良い。
さらに、流量計のように流量情報検出手段が一つの機器である構成の場合、開口部59を設け、流量情報検出手段を熱交換器筐体50のみが覆い、流量情報検出手段を流量調整装置筐体60が覆わない構成でも良い。この構成では、流量情報検出手段の配置の自由度が上がり、更に流量調整装置4の小型化が可能となる効果を奏する。
ただし、実施の形態1で説明したように、流量情報検出手段として入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42を用いる構成を付加することで、低コストで流量調整弁40を流れる熱媒体の流量を検出することができる効果を奏する。
また、実施の形態2の空気調和装置100では、室内熱交換器30より流出した熱媒体が流量調整弁40に流入する構成になっているが、これに限らない。例えば、第一の流量調整装置配管接続部43と室内熱交換器30とが流量調整弁40を介して繋がる構成など、流量調整弁40から流出した熱媒体が室内熱交換器30に流入する構成でも良い。さらにこの構成に、開口部59を備え、流量調整装置筐体60は流量調整弁40と入口側圧力センサ41を覆い、熱交換器筐体50は出口側圧力センサ42を覆う構成を付加しても良い。この付加された構成によって、開口部59を有することで新たに熱交換器筐体50内に形成された空間に出口側圧力センサ42を配置することができ、より室内機300を小型化することができる効果を奏する。
ただし、実施の形態1で説明したように、室内熱交換器30より流出した熱媒体が流量調整弁40に流入する構成を付加することによって、低温又は高温による流量調整弁40の劣化を抑えることができる効果を奏する。
また、実施の形態1で説明したように、他の既存の取り付け方式で流量調整装置4を室内機本体3に取り付ける構成でも良い点と、熱交換器筐体側取り付け部58は必須の構成では無い点と、流量調整装置4を側面部51以外の熱交換器筐体50の外面に設ける構成でも良い点と、については実施の形態2の空気調和装置100にも適用できる。
実施の形態3.
図12は実施の形態3に係る空気調和装置の構成を示す図である。図13は実施の形態3に係る室内機の外観図である。次に実施の形態3の空気調和装置について説明する。実施の形態3の空気調和装置100は、実施の形態1の空気調和装置100と比較して、室内機本体3と流量調整装置4の構造が異なる。なお、実施の形態3の空気調和装置100は、熱源機200、第一の熱媒体配管5及び第二の熱媒体配管6の構造と、空気調和装置100の制御に関するブロック図については、実施の形態1の空気調和装置100と同様であり、説明を割愛する。
実施の形態3の室内機本体3について説明する。実施の形態3の室内機本体3は、熱交換器筐体側取り付け部(図示省略)の位置が実施の形態2の室内機本体3と同様の位置に変更された点を除き、実施の形態1の室内機本体3と同様である。実施の形態3の熱交換器筐体側取り付け部は、側面部51に設けられ、ねじ穴が開けられている。さらに、流量調整装置筐体60を熱交換器筐体50に取り付けた際に、熱交換器筐体側取り付け部のねじ穴と流量調整装置筐体側取り付け部65の穴とが連通する位置に熱交換器筐体側取り付け部は設けられている。
実施の形態3の流量調整装置4について説明する。実施の形態3の流量調整装置4は、実施の形態1の流量調整装置4と比較して、第三の流量調整装置配管接続部47と第四の流量調整装置配管接続部49とを有している点と、第三の流量調整装置配管接続部47と第四の流量調整装置配管接続部49とを繋ぐ連結配管48を有している点が異なる。なお、流量調整弁40と、入口側圧力センサ41と、出口側圧力センサ42と、は実施の形態1と同様であり、説明を割愛する。
第三の流量調整装置配管接続部47は第一の熱媒体配管5と接続され、第四の流量調整装置配管接続部49と連結配管48を介して繋がっている。第四の流量調整装置配管接続部49は第一の熱交換器配管接続部32と接続されている。また、第一の流量調整装置配管接続部43は第二の熱交換器配管接続部35と接続され、流量調整装置入口配管44を介して流量調整弁40と繋がっている。また、第二の流量調整装置配管接続部46は第二の熱媒体配管6と接続され、流量調整装置出口配管45を介して流量調整弁40と繋がっている。
実施の形態3の室内機300aへ流れる熱媒体の流れを説明する。室内機300aへ流れる熱媒体は、第三の流量調整装置配管接続部47aと、連結配管48aと、第四の流量調整装置配管接続部49aと、第一の熱交換器配管接続部32aと、熱交換器入口配管33aとを通過し、室内熱交換器30aに流入する。室内熱交換器30aに流入した熱媒体は、冷房運転モードの場合では室内熱交換器30aを通過する空気を冷却し、暖房運転モードの場合には室内熱交換器30aを通過する空気を加熱し、室内熱交換器30aから流出する。室内熱交換器30aを流出した熱媒体は、熱交換器出口配管34aと、第二の熱交換器配管接続部35aと、を通過して流量調整装置4aへ流入する。流量調整装置4aに流入した熱媒体は、第一の流量調整装置配管接続部43aと、流量調整装置入口配管44aと、流量調整弁40aと、流量調整装置出口配管45aと、第二の流量調整装置配管接続部46aと、を通過して第二の熱媒体配管6へ流入する。
なお、室内機300bへ流れる熱媒体の流れの説明は、前述の室内機300aへ流れる熱媒体の説明で示した各構成の添字がaからbに変わるだけであるため、省略する。
第一の流量調整装置配管接続部43と第四の流量調整装置配管接続部49とは、流量調整装置筐体60の同一の側面から露出している。また、第二の流量調整装置配管接続部46と第三の流量調整装置配管接続部47とは、第一の流量調整装置配管接続部43が露出している側面と逆側の流量調整装置筐体60の側面から露出している。
第一の流量調整装置配管接続部43は第二の熱交換器配管接続部35を介して熱交換器出口配管34と、第二の流量調整装置配管接続部46は第二の熱媒体配管6と、第三の流量調整装置配管接続部47は第一の熱媒体配管5と、第四の流量調整装置配管接続部49は第一の熱交換器配管接続部32を介して熱交換器入口配管33と、それぞれ既存の配管接続方法で接続可能である。ここで、第一の熱媒体配管5と、第二の熱媒体配管6と、熱交換器入口配管33と、熱交換器出口配管34とは、熱交換器筐体50に覆われていないため、熱交換器筐体50の外部の配管に相当する。
流量調整装置筐体60は、ケース61と、カバー62と、箱型のインナーカバー(図示省略)とを有する。箱型のインナーカバーは、流量調整弁40と、入口側圧力センサ41と、出口側圧力センサ42と、流量調整装置入口配管44と、流量調整装置出口配管45と、連結配管48と、を覆う(図示省略)。さらに、インナーカバーは流量調整装置入口配管44と、流量調整装置出口配管45と、連結配管48よりも熱伝導率が低い材料を用いると良い。また、ケース61とカバー62によりインナーカバーを覆う。ここで、連結配管48は、流量調整弁40と入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42よりも下方に位置している。
ケース61には、流量調整装置筐体側取り付け部65と、信号線取り出し口部66を有している。流量調整装置筐体側取り付け部65には穴が設けられている。実施の形態1と同様に、ねじの軸部を流量調整装置筐体側取り付け部65の穴に挿入し、ねじの軸部をねじ穴が開けられた熱交換器筐体側取り付け部にそれぞれねじ嵌めすることで、流量調整装置筐体60が熱交換器筐体50に取り付けられる。なお、信号線取り出し口部66については実施の形態1の信号線取り出し口部66と同様の構成のため、説明を割愛する。
以上のように実施の形態3に係る流量調整装置4は、流量調整弁40と流量情報検出手段である入口側圧力センサ41並びに出口側圧力センサ42とを覆う流量調整装置筐体60と、流量調整装置筐体60に設けられ熱交換器筐体50の外面に流量調整装置筐体60を取り付け可能に構成された流量調整装置筐体側取り付け部65と、を備えた構成である。この構成の流量調整装置4により、容易に流量調整弁40と流量情報検出手段を室内機に追加することができる効果を奏する。
さらに、任意的構成として前述の実施の形態3の流量調整装置4の構成に、流量調整装置筐体60に覆われた連結配管48と、それぞれ流量調整装置筐体60の外部の配管に接続可能である第一の流量調整装置配管接続部43と、第二の流量調整装置配管接続部46と、第三の流量調整装置配管接続部47と、第四の流量調整装置配管接続部49と、を備え、第一の流量調整装置配管接続部43と第二の流量調整装置配管接続部46とは流量調整弁40を介して繋がり、第三の流量調整装置配管接続部47と第四の流量調整装置配管接続部49とは連結配管48を介して繋がる構成を付加しても良い。この付加された構成によって、実施の形態2の室内機300のように熱交換器筐体50に開口部59を設けずに小型化された流量調整装置4を取り付けることができる効果を奏する。
また、任意的構成として前述の実施の形態3に係る流量調整装置4の構成に、流量調整装置入口配管44と、流量調整装置出口配管45と、連結配管48とを備え、流量調整装置筐体60は、流量調整装置入口配管44、流量調整装置出口配管45、及び連結配管48よりも熱伝導率が低い材料で形成されたインナーカバーを有し、流量調整装置入口配管44と前記流量調整装置出口配管45と連結配管48と流量調整弁40は、インナーカバーで覆われる構成を付加しても良い。この付加された構成によって、流量調整装置4を流れる熱媒体が流量調整装置4の外部に放熱又は吸熱することを抑制する効果を奏する。
また、任意的構成として前述の実施の形態3に係る流量調整装置4の構成に、室内熱交換器30に流入する熱媒体が流れる流入配管と、室内熱交換器30より流出する熱媒体が流れる流出配管を備え、流量調整装置筐体60は流入配管と流出配管を覆う構成を付加しても良い。なお、実施の形態3において連結配管48が流入配管に相当し、流量調整装置入口配管44並びに流量調整装置出口配管45が流出配管に相当する。この構成により、熱交換器筐体50より熱媒体が流入及び流出する箇所の近傍に流量調整装置4を取り付けることができ、室内機300を小型化することができる効果を奏する。
また、任意的構成として前述の実施の形態3に係る流量調整装置4の構成に、室内熱交換器30に流入する熱媒体が流れる流入配管である連結配管48を備え、連結配管48は流量調整弁40と入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42よりも下方に位置する構成を付加しても良い。この付加された構成により、連結配管48に生じる結露が流量調整弁40と入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42に滴下せず、機器の劣化を抑制することができる効果を奏する。
実施の形態3に係る室内機300は、室内熱交換器30と、室内熱交換器30を覆う熱交換器筐体50と、前述の実施の形態1に係る構成の流量調整装置4と、を備えた構成である。この構成によって、前述の実施の形態3に係る構成の流量調整装置4と同じく、容易に流量調整弁40と入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42を室内機に追加することができる効果を奏する。
実施の形態3に係る空気調和装置100は、前述の実施の形態3に係る室内機300と、熱媒体を加熱又は冷却する熱源機200と、を備えた構成である。この構成によって、前述の実施の形態3に係る室内機300と同じく、容易に流量調整弁40と入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42を室内機に追加することができる効果を奏する。
なお、実施の形態3に係る空気調和装置100は、入口側圧力センサ41は室内熱交換器30から流出した熱媒体の圧力を検出する構成であるが、この構成に限らない。例えば、入口側圧力センサ41を連結配管48に設ける構成など、入口側圧力センサ41は室内熱交換器30に流入する熱媒体の圧力を検出する構成であっても良い。この構成では、入口側圧力センサ41の配置の自由度が上がり、更なる流量調整装置4の小型化が可能となる効果を奏する。なお、連結配管48を流れる熱媒体も、室内熱交換器30を通過してから流量調整弁40に流入するため、流量調整弁40に流入する熱媒体に該当する。
ただし、実施の形態2で説明したように、室内熱交換器30を通過する際の圧力損失が存在するため、入口側圧力センサ41は室内熱交換器30から流出してから流量調整弁40に流入するまでの熱媒体の圧力を検出する構成を付加することで、より正確に流量調整弁40に流れる熱媒体の流量を算出することができる効果を奏する。
また、実施の形態3に係る空気調和装置100は、流量情報検出手段として入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42を用いた構成であるが、この構成に限らず、実施の形態1で説明したように流量計などの他の流量情報検出手段として用いた構成でも良い。
ただし、実施の形態1で説明したように、流量情報検出手段として入口側圧力センサ41と出口側圧力センサ42を用いる構成を付加することで、低コストで流量調整弁40を流れる熱媒体の流量を検出することができる効果を奏する。
また、実施の形態3の空気調和装置100では、室内熱交換器30より流出した熱媒体が流量調整弁40に流入する構成になっているが、これに限らない。例えば、第一の流量調整装置配管接続部43と第二の流量調整装置配管接続部46とが連結配管48を介して繋がり、第三の流量調整装置配管接続部47と第四の流量調整装置配管接続部49とが流量調整弁40を介して繋がる構成など、流量調整弁40から流出した熱媒体が室内熱交換器30に流入する構成でも良い。
ただし、実施の形態1で説明したように、室内熱交換器30より流出した熱媒体が流量調整弁40に流入する構成を付加することで、低温又は高温による流量調整弁40の劣化を抑えることができる効果を奏する。
また、実施の形態1で説明したように、流量調整装置4を熱交換器筐体50の外面に設ける構成でも良い点と、他の既存の取り付け方式で流量調整装置4を室内機本体3に取り付ける構成でも良い点と、熱交換器筐体側取り付け部は必須の構成では無い点と、については実施の形態3の室内機300にも適用できる。