JP5094801B2 - 冷凍サイクル装置及び空気調和装置 - Google Patents

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本発明は、冷凍サイクル装置及び空気調和装置に関するものである。特に冷媒回路における接続配管の高低差判定に関するものである。
例えば、空気調和装置、冷凍装置等の冷凍サイクルを利用した冷凍サイクル装置では、基本的に、圧縮機、凝縮器(熱交換器)、膨張弁(減圧装置)及び蒸発器(熱交換器)が配管接続され、各種冷媒を循環させる冷媒回路を構成している。そして、冷媒が、蒸発、凝縮時に、熱交換対象となる空気等に対して吸熱、放熱することを利用し、管内を通過する冷媒の圧力を変化させながら空調運転、冷却運転等を行っている。以下、冷凍サイクル装置の代表例として空気調和装置を中心に説明する。
従来の空気調和装置としては、圧縮機等を有する熱源ユニットと室内熱交換器等を有する利用ユニットとを接続配管を介して接続することにより、冷媒回路を構成したセパレートタイプの空気調和装置がある。セパレートタイプの空気調和装置としては、例えば、ルームエアコン、パッケージエアコン等がある。
このようなセパレートタイプの空気調和装置では、例えば熱源ユニットと利用ユニットとを設置する位置において、接続配管の、鉛直方向における高低差(以下、高低差という)を有している場合がある。このような場合、冷媒回路を流れる冷媒は、接続配管を上昇する際に、接続配管の高低差によってヘッド差による圧力降下が生じる。
例えば、凝縮器となる熱交換器と減圧装置との間は、基本的に冷媒状態が液相の冷媒(以下、液冷媒という)が流れることになる。液冷媒は冷媒密度が高いため、ヘッド差による圧力降下(液ヘッドによる圧力降下)も大きくなる。このため、接続配管を上昇中に、冷媒の状態が、液相から気液二相に相変化する場合がある。
ここで、減圧装置にて冷媒を減圧する場合、減圧装置に流入する冷媒状態が気液二相状態では冷媒密度の変化が大きくなるため、冷媒の圧力がハンチングするとともに、冷媒音発生の原因となる。ハンチングは空気調和装置の安定な運転を阻害する。また、冷媒音の発生は空調対象となる室内において騒音の原因となるため、利用者に不快感を与える可能性がある。
このため、従来の装置では、減圧装置に気液二相状態の冷媒が入力しないように、十分に過冷却度をとるような制御を行っていた。
このとき、例えば、設定した接続配管の高低差に基づいて過冷却度の目標値を決定するようにしていた(例えば特許文献1参照)。
また、過冷却装置で過冷却する冷媒回路のバイパス流量を制御する技術において、減圧装置の制御に用いる圧縮機の吐出温度目標を、接続配管の高低差を入力することで決定していた(例えば特許文献2参照)。
また、正常時と故障時の冷凍サイクル特性を比較することにより、機器の故障診断を判定する方法があるが、この時に接続配管の高低差を入力していた(例えば特許文献3参照)。
特許第3541394号公報 特許第4036288号公報 特開2001−133011号公報
しかしながら、基本的には、接続配管の高低差がわからないことが多いため、装置に設定されている保証範囲の最長を高低差として入力することとなる。
このような場合、接続配管の液ヘッドによる圧力降下を過大に見積もることとなり、不必要に冷媒の高圧側圧力を高くしなければならなくなる。これにより、圧縮機の動力を余分に消費するため、冷凍サイクル装置(空気調和装置)の運転効率が悪くなる。
また、高低差として誤った値を入力してしまう可能性がある。高低差として過大な値を入力すると、効率の悪い運転になる。逆に、過小な値を入力すると、減圧装置におけるハンチング及び冷媒音発生の原因となり、装置の信頼性を損なってしまう。
また、装置が有しているサービス機能で、接続配管の高低差を利用して行うものについては、接続配管の高低差を未知のままにすると、適切に機能実行させることができないため、使用することができなくなる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、熱源ユニット(特に凝縮器)と利用ユニット(特に減圧装置)との高低差をより正確に把握し、高圧側圧力の制御等を行うことができる空気調和装置を得ることを目的とする。
冷媒を圧縮する圧縮機と、熱交換により冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮に係る冷媒の圧力調整をするための減圧装置と、熱交換により減圧に係る冷媒を蒸発させる蒸発器とを配管接続して冷媒回路を構成する冷凍サイクル装置であって、少なくとも、圧縮機の吐出側と減圧装置の冷媒流入口との間の圧力である高圧側圧力と、減圧装置の冷媒流出口と圧縮機の吸入側との間の圧力である低圧側圧力と、圧縮機の駆動周波数と、減圧装置の開度に基づいて導かれる流量係数とからなる、運転において得られる運転状態量に基づいて、凝縮器と減圧装置との鉛直方向における高低差を演算する演算手段と、演算手段の演算に係る高低差に基づいて、運転制御を行う制御手段とを備えるものである。
この発明に関わる冷凍サイクル装置は、演算手段が、運転状態量に基づいて凝縮器と減圧装置との鉛直方向における高低差を演算するようにしたので、その装置における高低差をより正確に把握することができる。このため、通常運転を行う際に、減圧装置でのハンチング及び冷媒音を抑制し、かつ、効率の良い運転状態を得ることができる。
この発明の実施の形態1の空気調和装置の設置例の概略を表す図である。 この発明の実施の形態1を示す空気調和装置の構成図である。 この発明の実施の形態1の接続配管高低差判定運転時の冷媒状態を表した図である。 この発明の実施の形態1の減圧装置6a,6bにおける減圧装置開度と流量係数との関係を表した図である。 この発明の実施の形態1の摩擦による圧力損失を考慮した場合の接続配管高低差判定運転時の冷媒状態を表した図である。 この発明の実施の形態1の具体的な実施方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1の高圧圧力低減効果を表した図である。 この発明の実施の形態2の空気調和装置の設置時の概略図である。 この発明の実施の形態2を示す空気調和装置の構成図である。 この発明の実施の形態3を示す空気調和装置の構成図である。 この発明の実施の形態1と実施の形態3の効果の関係を表した図である。
実施の形態1.
<装置構成>
ここでは、実施の形態1の空気調和装置(冷凍サイクル装置)について説明する。ここで、以下では、数式に使用する記号で初めて文中にでてくるものには、[ ]の中にその記号の単位を書くことにする。そして、無次元(単位なし)の場合は、[−]と表記する。また、冷媒回路における圧力の高低については、基準となる圧力との関係ではなく、圧縮機等の圧縮、冷媒流量制御等による減圧により生じる相対的な圧力の高低を表すものとする。また、温度の高低についても同様であるものとする。また、添字を付した手段等については、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字を省略して記載する場合もある。
図1はこの発明の実施の形態1にかかる接続配管高低差判定処理運転を行う空気調和装置の設置例の概略を表す図である。本実施の形態の空気調和装置は、熱源ユニット301と、利用ユニット302a,302bと、冷媒連絡配管としての液接続配管5及びガス接続配管9とを備えている。ここで、液接続配管5は、液冷媒(暖房モードにおいては気液二相冷媒の場合もある)が流れる配管であり、ガス接続配管9は気相の冷媒(以下、ガス冷媒という)が流れる配管である。
本実施の形態の空気調和装置では、熱源ユニット301は、利用ユニット302a,302bに対して鉛直方向に対して下方の位置に設置されており、これにより高低差が存在するものとする。ここで、本実施の形態においては、熱源ユニット301と利用ユニット302a,302bにおける高低差が同じであるものとする。
本実施の形態では、1台の熱源ユニット301及び2台の利用ユニット302a,302bを備えた空気調和装置を例に示して説明するが、これに限定しない。それぞれ任意の台数の熱源ユニット301、利用ユニット302を配管接続して空気調和装置を構成するようにしてもよい。
図2はこの発明の実施の形態1にかかる空気調和装置の構成を表す図である。図2では、熱源ユニット301と、利用ユニット302a,302bとを、液接続配管5及びガス接続配管9で配管接続して冷媒を循環させる冷媒回路を構成する。そして、本実施の形態の空気調和装置は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、空調対象空間(室内)の冷暖房を可能とする。
ここで、本実施の形態の空気調和装置に用いる冷媒は特に限定しないが、例えば、R410A、R407C、R404AなどのHFC冷媒、R22、R134aなどのHCFC冷媒、もしくは炭化水素、ヘリウムのような自然冷媒などを用いることができる。
<利用ユニット302a,302b>
利用ユニット302a,302bは、屋内等の天井への埋め込み、吊り下げ等、壁面への壁掛け等により室内の空気調和を行うために設置されている。利用ユニット302a,302bは、液接続配管5及びガス接続配管9を介して、並列となるように熱源ユニット301に接続されており、それぞれ冷媒回路の一部を構成する装置を有する。
利用ユニット302a,302bは、冷媒回路の一部を構成する装置等を備えている。利用ユニット302a,302bは、それぞれ、減圧装置6a,6bと、利用側熱交換器としての室内熱交換器7a,7bと、室内熱交換器7a,7bの冷媒と熱交換した後の調和空気を室内に供給するための室内送風機8a,8bとを備える。
ここで、本実施の形態において、減圧装置6a,6bは、冷媒回路内を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、室内熱交換器7a,7bに対して液接続配管5側に接続されている。
また、本実施の形態において、室内熱交換器7a,7bは、例えば、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室内熱交換器7a,7bは、冷房モードにおいては冷媒の蒸発器として機能して室内の空気を冷却し、暖房モードにおいては冷媒の凝縮器として機能して室内の空気を加熱する。
そして、本実施の形態において、室内送風機8a,8bは、ユニット内に室内空気を吸入して、室内空気を室内熱交換器7a,7bと熱交換した後に、調和空気として室内に供給するために備えられており、室内空気と室内熱交換器7a,7bを流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。
室内送風機8a,8bは、遠心ファンや多翼ファン等のファンと、このファンを駆動する、例えば、DCファンモータからなるモータとを備えている。そして、室内熱交換器7a,7bに熱交換させる空気を供給する。このとき、供給する空気の流量を変化させることが可能である。
また、利用ユニット302a,302bには、物理量を検知するためのセンサ(検出手段)を設けている。本実施の形態では、室内熱交換器7a,7bの液冷媒流入出側において、冷房モード時に蒸発温度Te [℃]、暖房モード時に液温度Tl [℃]を検出するための室内液側温度センサ(サーミスタ)203a,203bを設けている。
ここで、減圧装置6a,6b及び室内送風機8a,8bの動作制御については制御部103が行うものとする。
<熱源ユニット301>
熱源ユニット301は、屋外等の空調対象空間外に設置されており、液接続配管5及びガス接続配管9を介して利用ユニット302a,302bと接続し、冷媒回路の一部を構成している。
熱源ユニット301は、冷媒を圧縮する圧縮機1と、冷媒の流れる方向を切り換えるための四方弁2と、熱源側熱交換器としての室外熱交換器3と、室外熱交換器3に送風を行う室外送風機4と、アキュムレータ10とを備えている。
本実施の形態において、圧縮機1は、運転容量を変化させることが可能であり、例えば、インバータ回路により制御されるモータ(図示せず)によって駆動される容積式圧縮機であるものとする。本実施の形態では圧縮機1は1台のみであるが、これに限定されず、利用ユニット302の接続台数等に応じて、2台以上の圧縮機1を液接続配管5及びガス接続配管9に対して接続するようにしてもよい。
四方弁2は、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。冷房モードでは、室外熱交換器3を圧縮機1において圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、室内熱交換器7a,7bを室外熱交換器3において凝縮される冷媒の蒸発器として機能させる。このため、圧縮機1の吐出側と室外熱交換器3のガス側とを接続するとともに圧縮機1の吸入側とガス接続配管9側とを接続する(図2の四方弁2の実線を参照)。
一方、暖房モードでは、室内熱交換器7a,7bを圧縮機1において圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、室外熱交換器3を室内熱交換器7a,7bにおいて凝縮される冷媒の蒸発器として機能させる。このため、圧縮機1の吐出側(下流側)とガス接続配管9側とを接続するとともに圧縮機1の吸入側と室外熱交換器3のガス側とを接続することが可能である(図2の四方弁2の破線を参照)。
本実施の形態において、室外熱交換器3は、例えば、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室外熱交換器3は、冷房モードでは冷媒の凝縮器として機能し、暖房モードでは冷媒の蒸発器として機能する。室外熱交換器3は、ガス流入出側が四方弁2に接続され、液流入出側が液接続配管5に接続されている。
本実施の形態において、熱源ユニット301は、ユニット内に室外空気を吸入して、室外空気を室外熱交換器3にて熱交換した後に、室外に排出するための室外送風機4を備えており、室外空気と室外熱交換器3を流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。
室外送風機4は、室外熱交換器3に供給する室外空気の流量を変化させることが可能なものであり、プロペラファン等のファンと、このファンを駆動する、例えば、DCファンモータからなるモータとを備えている。
本実施の形態において、アキュムレータ10は、空気調和装置に異常が発生したとき、運転制御の変更の際に伴う運転状態の過渡応答時において、液冷媒を貯留して圧縮機1への液冷媒の混入を防ぐために、圧縮機1の吸入側に接続されている。
また、熱源ユニット301には、以下に示す各種センサ(検出手段)を設けている。
(1)圧縮機1の吐出側に設けられ、吐出圧力Pd[MPa]を検出するための吐出圧力センサ201(高圧検出装置)。
(2)室外熱交換器3の液流入出側に設けられ、冷房モードでは液温度Tl 、暖房モードでは蒸発温度Te を検出するための室外液側温度センサ202。
また、測定部101には、熱源ユニット301、利用ユニット302a,302bに設けた各温度センサ、圧力センサが検出した各諸量(物理量)が信号として入力される。演算部102は、後述する接続配管高低差判定処理運転においては、接続配管の高低差等を算出して記憶部104に記憶させる処理を行う。また、通常の運転においては、高低差に基づいて、例えば過冷却度の目標値を補正する等の処理を行う。制御部103は、演算部102が演算処理した結果に基づいて、圧縮機1、四方弁2、室外送風機4、減圧装置6a,6b、室内送風機8a,8b等の動作制御を行う。
ここで、演算部102が演算して算出する接続配管の高低差については、例えば適正な過冷却度の目標値等を算出するためのパラメータとなる値として算出するものである。このため、熱源ユニット301、利用ユニット302における現実の高低差と必ずしも一致しない可能性もある。例えば複数の利用ユニット302において、高低差が異なる、熱交換に係る容量が異なる等の場合には、利用ユニット302の高低差の平均値、冷媒の流量が多い方の利用ユニット302の高低差等が、接続配管の高低差として算出される場合もある(パラメータの値としては正確である)。
以上のように、熱源ユニット301と利用ユニット302a,302bとが液接続配管5とガス接続配管9を介して接続され、空気調和装置の冷媒回路が構成されている。そして、制御部103が冷媒回路を構成する装置の動作を制御する。
次に、本実施の形態の空気調和装置の動作について説明する。本実施の形態の空気調和装置の運転として、通常運転と接続配管高低差判定処理運転とがあるものとする。
通常運転では、利用ユニット302a,302bの運転負荷に応じて熱源ユニット301及び利用ユニット302a,302bの各機器の制御を行う。通常運転は、さらに冷房モードの場合と暖房モードの場合とに分かれる。
一方、接続配管高低差判定処理運転では接続配管の高低差が保障範囲の最長であるとして、熱源ユニット301及び利用ユニット302a,302bの各機器の制御を行う。ここで、冷媒回路において冷媒の流れる方向は、通常運転における冷房モードの流れと同様にする。以下、空気調和装置の各運転モードにおける動作について説明する。
<通常運転>
まず、冷房モードにおける通常運転について、図2を用いて説明する。冷房モードにおいては、四方弁2は、圧縮機1の吐出側が室外熱交換器3のガス側に接続され、かつ、圧縮機1の吸入側が室内熱交換器7a,7bのガス側に接続された状態(図2において実線で示される状態となる)となっている。切り替え制御は制御部103が行う。
また、減圧装置6a,6bは、室外熱交換器3の液冷媒流入出側における冷媒の過冷却度が所定値(目標値)になるような開度になっている。開度制御は制御部103が行う。
本実施の形態における室外熱交換器3の液冷媒流入出側における冷媒の過冷却度は、演算部102が、吐出圧力センサ201により検出される圧縮機1の吐出圧力Pdに基づいて冷媒の凝縮温度Tc を演算する。そして、凝縮温度Tc から室外液側温度センサ202により検出される冷媒の液温度Tl を差し引くことによって求める。なお、室外熱交換器3に温度センサを設け、直接的に凝縮温度Tc を検出し、冷媒の液温度Tl を差し引くことによって、冷媒の過冷却度を求めるようにしてもよい。
次に、冷媒の流れに基づいて運転中の各機器の動作について説明する。圧縮機1、室外送風機4及び室内送風機8a,8bを起動すると、低圧のガス冷媒は、圧縮機1に吸入され、圧縮されて高圧のガス冷媒となる。その後、高圧のガス冷媒は、四方弁2を経由して室外熱交換器3に流入し、室外送風機4によって供給される室外空気と熱交換により凝縮して高圧の液冷媒となる。
高圧の液冷媒は、液接続配管5を経由して、利用ユニット302a,302bに流入する。そして、減圧装置6a,6bによって減圧されて低温低圧の気液二相冷媒となり、さらに室内熱交換器7a,7bで室内空気との熱交換により蒸発して、低圧のガス冷媒となる。
ここで、減圧装置6a,6bは、室外熱交換器3における過冷却度が所定値になるような開度となっており、室内熱交換器7a,7bを流れる冷媒の流量も制御している。このため、減圧装置6a,6bに流入する高圧の液冷媒は、所定の過冷却度を有する状態となる。そして、このように、室内熱交換器7a,7bには、利用ユニット302a,302bが設置された空調空間において要求される運転負荷に応じた流量の冷媒が流れる。
この低圧のガス冷媒は、ガス接続配管9を経由して熱源ユニット301に流入し、四方弁2を経由して、アキュムレータ10を通過した後、再び圧縮機1に吸入される。
次に、暖房モードについて説明する。暖房モードにおいては、四方弁2は、圧縮機1の吐出側が室内熱交換器7a,7bのガス側に接続され、かつ、圧縮機1の吸入側が室外熱交換器3のガス側に接続された状態(図2において破線で示される状態となる)となっている。切り替え制御は制御部103が行う。
また、減圧装置6a,6bは、室内熱交換器7a,7bの液冷媒流入出側における冷媒の過冷却度が所定値になるような開度になっている。開度制御は制御部103が行う。
実施の形態1において、室内熱交換器7a,7bの液冷媒流入出側における冷媒の過冷却度は、演算部102が、吐出圧力センサ201により検出される圧縮機1の吐出圧力Pdに基づいて冷媒の凝縮温度Tc を演算する。そして、室内液側温度センサ203a,203bにより検出される冷媒の液温度Tl を差し引くことによって求められる。
次に、運転動作について冷媒の流れに基づいて説明する。圧縮機1、室外送風機4及び室内送風機8を起動すると、低圧のガス冷媒は、圧縮機1に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となり、四方弁2及びガス接続配管9を経由して、利用ユニット302a,302bに流入する。
そして、利用ユニット302a,302bに送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器7a,7bにおいて、室内空気との熱交換により凝縮して高圧の液冷媒となった後、減圧装置6a,6bによって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となる。
低圧の気液二相状態の冷媒は、液接続配管5を経由して、熱源ユニット301の室外熱交換器3に流入する。そして、室外熱交換器3に流入した低圧の気液二相状態の冷媒は、室外送風機4によって供給される室外空気との熱交換により蒸発して低圧のガス冷媒となり、四方弁2を経由して、アキュムレータ10を通過後に、再び圧縮機1に吸入される。
ここで、減圧装置6a,6bは、室内熱交換器7a,7bの液冷媒流入出側における冷媒の過冷却度が所定値になるように室内熱交換器7a,7bを流れる冷媒の流量を制御しているため、室内熱交換器7a,7bにおいて凝縮された高圧の液冷媒は、所定の過冷却度を有する状態となる。このように、室内熱交換器7a,7bには、利用ユニット302a,302bが設置された空調空間において要求される運転負荷に応じた流量の冷媒が流れている。
以上のようにして、冷房モード及び暖房モードを含む通常運転を行う通常運転制御手段として機能する制御部103により、上記の冷房モード及び暖房モードを含む通常運転処理が行われる。
また、通常運転では、制御部103において、凝縮器(冷房モードでは室外熱交換器3、暖房モードでは室内熱交換器7a,7b)下流側(液冷媒流出側)における冷媒の過冷却度はいずれも0度より大きくなるように目標値を設定し、制御を行う。過冷却度の目標値は、試験、シミュレーション等に基づいてあらかじめ決定し、設定する。
<接続配管高低差判定処理運転>
次に接続配管高低差判定処理運転(以下、高低差判定処理運転という)について説明する。実施の形態1の冷房モードでは、液冷媒が液接続配管5を上昇することとなる。
そのため、液接続配管5にて、液ヘッドによる圧力降下が生じ、減圧装置6a,6bに流入する冷媒の状態が液相から気液二相に変化する可能性がある。
冷房モードにおいて、減圧装置6a,6bに気液二相冷媒が流入するのを防ぐために、接続配管の高低差を把握し、圧力降下を適切に見積もる必要がある。
したがって、実施の形態1では接続配管高低差判定運転を冷房モードにて行うようにする。高低差判定処理運転は装置の施工(設置)終了後に行う。
高低差判定処理運転は、液接続配管5の液ヘッドによる圧力降下が最も大きい場合を想定し、接続配管の高低差が保証範囲の最長分あるものとして行う。具体的には、高低差が最長の場合の圧力降下を想定し、余分に高圧側圧力が高くなるように、圧縮機1の運転周波数を高く設定する。このように運転することで、保証範囲内であれば、接続配管に如何なる高低差があっても、減圧装置6a,6bの流入口における冷媒を液冷媒とすることができる。運転状態が定常となったら接続配管高低差の判定を行う。
ここで、凝縮圧力を高くするために圧縮機1を制御して行うものとして説明するが、これに限定するものではない。例えば、減圧装置6a,6bの開度を制御して行ってもよいし、室外送風機4のファン回転数を制御するようにしてもよい。
例えば、減圧装置6a,6bの開度により凝縮圧力を制御する場合は、液ヘッドによる圧力降下に対して高圧側が上昇するように、減圧装置6a,6bの開度を小さく制御し、減圧装置6a,6bの差圧を大きくする。
また、例えば室外送風機4にて制御する場合は、液ヘッドによる圧力降下に対して高圧側が上昇するように、室外送風機4の風量を少なく制御する。
ここで、冷房モードであるため、利用ユニット302a,302bの室内熱交換器7a,7bは蒸発器として機能し、熱源ユニット301の室外熱交換器3は凝縮器として機能する。
<接続配管高低差演算方法>
次に、物理量の測定値に基づいて、演算部102が行う高低差を判定するための演算手順について説明する。図3は接続配管高低差判定処理運転時における冷媒回路における冷媒の状態を概念的に表した概略図である。
ここで、本来であれば、圧縮機1の下流側から室内熱交換器7a,7b上流側までに摩擦等による圧力損失が生じることになる。ただ、圧縮機1の下流側から減圧装置6a,6b上流側までは冷媒は圧力が高く、密度が大きい。また、減圧装置6a,6b下流側から室内熱交換器7a,7b上流側までは配管長が短い。そのため、ここでは圧力損失を無視するものとする。
冷媒は循環量Gr [kg/h]にて圧縮機1より押し出される。そして、室外熱交換器3を通過後、液接続配管5にて液ヘッドの圧力降下ΔPhead[MPa]の大きさ分、圧力が減少する。その後、減圧装置6a,6bの圧力差ΔPLEV [MPa]の大きさ分だけさらに圧力が減少し、室内熱交換器7a,7bへと流入する。
このため、圧縮機1の吐出部から蒸発器となる室内熱交換器7a,7bの入口までの高低圧力差ΔP[MPa]は液接続配管5の液ヘッドの圧力降下ΔPheadと減圧装置6a,6bの圧力差ΔPLEV の和として次式(1)にて表される。
ΔP=ΔPhead+ΔPLEV …(1)
また、吐出圧力センサ201から得られる高圧側圧力Phigh[MPa]と、室内液側温度センサ203a,203bから検出される飽和温度Te により得られる低圧側圧力Plow [MPa]とに基づいて、高低圧力差ΔPを次式(2)により演算することができる。
ΔP=Phigh−Plow …(2)
液ヘッドの圧力降下ΔPheadは、次式(3)のように、液密度ρl [kg/m3 ]と、重力加速度g[m/s2 ]と、液接続配管5(接続配管)の高低差H[m]とで表すことができる。
ΔPhead=ρlgH …(3)
ここで、液密度ρlは液接続配管5の密度として表され、室外液側温度センサ202の温度Tl に基づいて演算することができる。また、接続配管の高低差Hは演算による算出対象(解)であるため未知数である。
一方、減圧装置6a,6bの圧力差ΔPLEV は、冷媒循環量Gr と、流量係数Cv [m2 ]と、液密度ρl とを用いて次式(4)にて表される。
ΔPLEV =(Gr/86.5Cv1/2/ρl …(4)
冷媒循環量Gr は、圧縮機周波数F[Hz]と高圧側圧力Phighと、室内液側温度センサ203a,203bから検出される飽和温度Te にて求められる低圧側圧力Plow とに基づいて演算することができる。ここで、圧縮機1の吸入側に圧力センサを設け、その検出に係る値を冷媒循環量Gr を演算する際に、低圧側圧力Plow の代わりに使用することで、より高精度に冷媒循環量Gr を演算することができる。
図4は減圧装置6a,6bにおける減圧装置開度Sj [pulse]と流量係数Cv との関係を示す図である。流量係数Cv は、図4にて示されるように減圧装置開度Sj に対するパフォーマンスデータから求めることができる。
ここで、利用ユニットを複数台並列に設置している場合には、各減圧装置6の減圧装置開度Sj から流量係数Cv をそれぞれ求め、次式(5)に基づいて、合成した流量係数Cv を演算する。
Figure 0005094801
このような手法にて合成した流量係数Cvを演算することによって各減圧装置6を通過する冷媒の合計は冷媒循環量Gr となるため、各利用ユニット302a,302bへの冷媒の分配の偏在による影響を排除することができる。
以上のようにして、接続配管の高低差H以外の運転状態量(パラメータ)をすべて求めることができるため、高低差Hを算出することができる。
ここで、高低圧力差ΔPが大きい運転状態になるように、圧縮機1又は減圧装置6a,6b又は室外送風機4を制御すれば、液ヘッドの圧力降下ΔPheadの値が大きくなるため、接続配管の高低差Hをより高精度に演算することができる。
また、上記の例では、高圧側圧力Phighは吐出圧力センサ201の検出に係る値を用いたが、例えば室外熱交換器3の熱交換部分に凝縮温度を検出する手段(温度センサ)を設置して検出した凝縮温度Tc に基づいて算出するようにしてもよい。また、低圧側圧力Plow は、室内液側温度センサ203a,203bから検出される飽和温度Te に基づいて算出するようにしたが、例えば圧縮機1の吸入側(上流側)に低圧を検出する手段(圧力センサ)を設置して検出した値を用いるようにしてもよい。
ここで、液接続配管5の上流側(冷房モードにおいては室外熱交換器3の液冷媒流入出側)に近い位置で高圧側圧力Phighを検出し、減圧装置6a,6bの下流側に近い点にて低圧側圧力Plow を検出する方が、摩擦による圧力損失の影響を低減することができるため、より正確な接続配管の高低差Hを得ることができる。
図5は摩擦による圧力損失を考慮した場合の接続配管高低差判定運転時における冷媒回路における冷媒の状態を概念的に表した概略図である。上記では圧力損失を無視して演算を行った。しかし、室外熱交換器3及び液接続配管5の摩擦による圧力損失が大きくて無視できない場合がある。このような場合には、次式(6)を用いて、さらに精度が高い高低圧力差ΔP’[MPa]を求める。
ΔP’=ΔPhead+ΔPLEV+α×Gr 2 …(6)
ここで、αは摩擦による圧力損失に関する係数[kg-1-1]であり、未知数となる。また、Grは冷媒循環量である。
高低圧力差ΔP’は高低圧力差ΔPと同様に次式(7)に基づいて算出することができる。
ΔP’=Phigh−Plow …(7)
圧力損失を考慮する場合、接続配管の高低差Hだけでなく、摩擦による圧力損失に関する係数αの二つが未知数となるため、2種類の運転により状態を計測する。
この手法で選定する運転は、高低圧力差ΔP’にて接続配管の高低差Hを演算する場合と同様に、液接続配管5の液ヘッドによる圧力降下が最も大きいと想定し、減圧装置6a,6bの上流側の冷媒状態が液相となるほど、凝縮圧力を大きくするように、圧縮機1又は減圧装置6a,6b又は室外送風機4を制御した運転状態である。
<具体的な運転動作例>
図6は実施の形態1の空気調和装置の係る運転までの具体的な流れの一例を表す図である。まず、ステップS11にて、熱源ユニット301及び利用ユニット302a,302bを液接続配管5及びガス接続配管9にて接続して、空気調和装置を設置する。
設置した後、ステップS12にて、上述した接続配管高低差判定処理運転にて運転を行い、接続配管の高低差Hを演算するために必要な運転状態量を計測等により導く。ここで、運転状態量は通常1組であるが、上述したように、室外熱交換器3及び接続配管の摩擦による圧力損失の影響を考慮して接続配管の高低差Hを演算する場合には、条件が異なる2回以上の運転を行って、2組以上の運転状態量を得るようにする。
次に、ステップS13にて、検出した運転状態量に基づいて、演算部102が接続配管の高低差Hを演算する。
そして、ステップS14にて接続配管の高低差Hの値をデータとして記憶部104に記憶する。以上の処理は、空気調和装置設置後に一度行えばよい。そして、以後、接続配管の高低差Hに基づく通常運転を行う。
以上の動作を行うことにより、接続配管高低差判定処理運転によって得られた運転状態量に基づいて、未知数である接続配管の高低差Hを演算することが可能となり、通常運転にて接続配管の高低差の影響を考慮した運転ができる。
図7は実施の形態1に係る空気調和装置の効果を表すための図である。本実施の形態の空気調和装置では、空気調和装置を設置した後、接続配管高低差判定処理運転を行い、また、空気調和装置に合わせた接続配管の高低差Hを演算により得るようにしたので、例えば冷房モードにおける液接続配管5での液ヘッドによる圧力降下に対して適切に対処することが可能となる。そのため、例えば、圧縮機1の運転周波数を接続配管の高低差Hに合った適切な運転に制御することができるようになり、減圧装置6a,6bに液冷媒が流入する状態を維持しつつ、高圧側の圧力を極力低くして運転を行うことができる。そのため、冷媒回路内において、高圧圧力を必要以上に高くすることなく、効率の良い運転を行うことができる。
また、圧縮機1の制御に加えて、算出した接続配管の高低差Hに基づいて、室外熱交換器3の液冷媒流入出側における過冷却度の目標値を設定して制御を行うことで、液密度ρlを所定値にすることができ、液ヘッドの圧力降下ΔPheadを制御することができる。この制御により、液ヘッドの圧力降下ΔPheadを高圧側圧力に応じた適切な値にすることができる。
以上のようにして、減圧装置6a,6bにおけるハンチング及び冷媒音を抑制し、かつ、圧縮機動力の余分な消費を回避した効率の高い運転を行うことができる。
また、装置が有しているサービス機能にて、接続配管の高低差を利用するものがある場合に、高低差が未知であっても、適切に動作させることができる。
実施の形態2.
<装置構成>
次に、本発明の実施の形態2の空気調和装置について図8及び図9を参照して説明するが、実施の形態1と構造、処理的に同様となる機器等については同一符号を付す。
図8はこの発明の実施の形態2にかかる接続配管高低差判定処理を行うことができる空気調和装置の設置例の概略を表す図である。本実施の形態の空気調和装置も実施の形態1と同様に、熱源ユニット301と、利用ユニット302a,302bと、冷媒連絡配管としての液接続配管5及びガス接続配管9とを備えている。
ここで、本実施の形態の空気調和装置では、熱源ユニット301は、利用ユニット302a,302bに対して鉛直方向に対して上方の位置に設置されており、これにより高低差が存在するものとする。
図9はこの発明の実施の形態2にかかる接続配管高低差判定処理を採用した空気調和装置の構成を表す図である。実施の形態2における空気調和装置は、冷媒回路において、減圧装置6を、熱源ユニット301の室外熱交換器3の液流入出側に設けている点で実施の形態1の空気調和装置とは異なる。室外液側温度センサ202は、実施の形態1と同様に、室外熱交換器3と減圧装置6との間に設けている。
本実施の形態では、熱源ユニット301が利用ユニット302a,302bに対して上方に設置されているため、暖房モードにより高低差判定処理運転を行う。そこで、四方弁2は、室内熱交換器7を圧縮機1において圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、室外熱交換器3を室内熱交換器7において凝縮される冷媒の蒸発器として機能させるようにする。このため、圧縮機1の吐出側とガス接続配管9側とを接続するとともに圧縮機1の吸入側と室外熱交換器3のガス側とを接続することが可能である(図9の四方弁2の破線を参照)。
<接続配管高低差判定処理運転>
次に実施の形態2における接続配管高低差判定処理運転について説明する。実施の形態2では、暖房モードにおいて液相の冷媒が液接続配管5を上昇することになる。
そのため、液接続配管5にて、液ヘッドによる圧力降下が生じ、減圧装置6に流入する冷媒が気液二相冷媒となる可能性がある。
暖房モードにおいて減圧装置6に流入する冷媒の状態が液冷媒となるように、接続配管の高低差Hを正確に算出することで、圧力降下を適切に見積もる必要がある。
以上により、実施の形態2では接続配管高低差判定運転を暖房モードにて行う。なお、装置の施工終了後に起動する。ここで、実施の形態1のように接続配管高低差判定運転を冷房モードで行うか、本実施の形態のように暖房モードで行うかについては、制御部103に自動的に設定させるようにすることもできるが、ここでは、例えば設置者が手動で設定するものとする。
<接続配管高低差演算方法>
実施の形態2においても、演算部102は、実施の形態1と同様の手法により、接続配管の高低差Hをあらかじめ演算により決定することが可能である。ここで、本実施の形態では、室内熱交換器7が凝縮器として機能し、室外熱交換器3が蒸発器として機能しているため、蒸発温度Te を室外液側温度センサ202が検出し、液温度Tl を室内液側温度センサ203a,203bが検出することになる。
以上のように、実施の形態2においても、実施の形態1と同様の動作にて実施することができ、接続配管の高低差Hを運転状態量から演算することが可能となる。したがって、通常運転にて接続配管の高低差の影響を適切に考慮することができる。
このようにして、例えば、圧縮機1の運転周波数を接続配管の高低差に合った適切な運転に制御することができるようになり、減圧装置6a,6b上流側の冷媒状態が液相である状態を維持しつつ、高圧側圧力を極力低くして運転を行うことが可能となり、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態3.
<装置構成>
次に、本発明の実施の形態3の空気調和装置について図10を参照して説明するが、実施の形態1と構造、処理的に同様となる機器等については同一符号を付す。実施の形態3の空気調和装置は、実施の形態1と同様に、熱源ユニット301は、利用ユニット302a,302bに対して下方に位置している。
図2はこの発明の実施の形態1にかかる接続配管高低差判定処理を採用した空気調和装置の構成を表す図である。実施の形態3の空気調和装置は、熱交換部11及びバイパス減圧装置12を有している点で、実施の形態1の空気調和装置と異なる。
熱交換部11は、例えば冷房モードにおいて、室外熱交換器3から流出した液冷媒とバイパス減圧装置12により減圧等された気液二相冷媒との間で熱交換させて、利用ユニット302a,302bに供給する(液接続配管5を通過する)液冷媒を過冷却する。過冷却された液冷媒は、液接続配管5側と第2の減圧装置12側とに分岐する。
また、バイパス減圧装置12は、流量調整により液冷媒を減圧して、低温低圧の気液二相冷媒にする。バイパス減圧装置12を介して流れる液体は、熱交換部11における熱交換により加熱され、バイパス配管によるバイパス路(分配回路)を介してアキュムレータ10に戻される。ここで、室外液側温度センサ202は、熱交換部11によって過冷却された後の冷媒の温度を検出するために、熱交換部11の下流側(液接続配管5側)に設けるようにする。
実施の形態3では、冷房モードにおいて、室外熱交換器3を通過した液冷媒を熱交換部11が過冷却する。
熱交換部11を設けることにより、冷房モードにおいて、室外熱交換器3を通過した液冷媒がさらに冷却される。このため、実施の形態1の場合よりも液接続配管5に流入する液冷媒の温度を低くすることができる。
接続配管高低差判定運転、接続配管高低差演算方法及び具体的な動作方法については、実施の形態1と同様の動作等を行う。
以上のように、実施の形態3の空気調和装置によれば、熱交換部11を設け、室外熱交換器3を通過した液冷媒をさらに過冷却することで液接続配管5を通過する液冷媒の温度を低くすることができる。そのため、過冷却度を増加させることができ、冷媒回路における高圧側の圧力を更に低くするように圧縮機1を駆動することができる。このため、減圧装置6でのハンチング及び冷媒音を抑えつつ、効率の良い運転を行うことができる。
本発明を利用すれば、接続配管の高低差が未知の空気調和装置においても、高低差を運転状態量から演算し、演算した高低差を用いて運転状態を制御することによって、減圧装置でのハンチング、冷媒音を抑制し、かつ、効率の良い運転状態を実現することができる。
1 圧縮機、2 四方弁 、3 室外熱交換器、4 室外送風機、5 液接続配管、6a,6b 減圧装置、7a,7b 室内熱交換器、8a,8b 室内送風機、9 ガス接続配管、10 アキュムレータ、11 熱交換部、12 バイパス減圧装置、101 測定部、102 演算部、103 制御部、104 記憶部、201 吐出圧力センサ、202 室外液側温度センサ、203a,203b 室内液側温度センサ、301 熱源ユニット、302a,302b 利用ユニット。

Claims (9)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、熱交換により前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮に係る冷媒の圧力調整をするための減圧装置と、熱交換により減圧に係る前記冷媒を蒸発させる蒸発器とを配管接続して冷媒回路を構成する冷凍サイクル装置であって、
    少なくとも、前記圧縮機の吐出側と前記減圧装置の冷媒流入口との間の圧力である高圧側圧力と、前記減圧装置の冷媒流出口と前記圧縮機の吸入側との間の圧力である低圧側圧力と、前記圧縮機の駆動周波数と、前記減圧装置の開度に基づいて導かれる流量係数とからなる、運転において得られる運転状態量に基づいて、前記凝縮器と前記減圧装置との鉛直方向における高低差を演算する演算手段を備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記演算手段は、前記高圧側圧力と前記低圧側圧力との圧力差が、前記高低差による圧力降下と、前記冷媒回路における冷媒循環量及び前記減圧装置の流量係数に基づいて算出する前記減圧装置の差圧との和であるものとして、前記高低差を演算することを特徴とする請求項に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記演算手段は、前記高圧側圧力と前記低圧側圧力との圧力差が、前記高低差による圧力降下と、前記冷媒回路における冷媒循環量及び前記減圧装置の流量係数に基づいて算出する前記減圧装置の差圧と、流路の摩擦による圧力損失との和であるものとして、前記高低差を演算することを特徴とする請求項に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 複数の減圧装置を並列に配管接続している回路構成においては、
    前記演算手段は、各減圧装置における前記流量係数の和に基づいて、前記高低差を演算することを特徴とする請求項のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記演算手段が前記高低差により演算した結果に基づいて、運転制御を行う制御手段をさらに備え、
    前記演算手段が前記高低差により算出した前記冷媒回路内の高圧側の目標とする圧力に基づいて、前記制御手段は、前記圧縮機又は前記凝縮器に前記冷媒と熱交換させるための空気を送り込む送風機の駆動を制御することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記凝縮器から流出する冷媒の温度を検出する液温度検出手段と、
    前記演算手段が前記高低差により演算した結果に基づいて、運転制御を行う制御手段をさらに備え、
    通常運転において、前記演算手段は、前記高圧側圧力と前記液温度検出手段の検出に係る温度とに基づいて、前記凝縮器から流出する冷媒の過冷却度を演算し、また、該過冷却度と前記高低差とに基づいて、前記過冷却度の目標範囲を算出し、
    前記制御手段は、前記過冷却度が前記目標範囲に収まるように、前記減圧装置の開度を制御することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記凝縮器と前記減圧装置との間に、
    前記凝縮器から流出した冷媒を過冷却するための冷媒間熱交換部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  8. 冷媒回路構成した後に、接続配管の高低差があらかじめ定められた高低差の上限値であるものとして、通常運転を行う前の前記演算手段が前記高低差を演算するための高低圧差判定処理運転を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の冷凍サイクル装置を備えることを特徴とする空気調和装置。
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