JP2015117854A - 空気調和装置 - Google Patents

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亮 下谷
賢一 宮路
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浩史 平野
Hiroshi Hirano
浩史 平野
隆志 木村
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Abstract

【課題】複数の室内機の設置位置に高低差がある場合でも、暖房運転時に各室内機で十分な暖房能力を発揮できる空気調和装置を提供する。
【解決手段】目標過冷却度テーブルを用い、室内機5a〜5cの高低差が大きくなる程目標過冷却度を大きくすることで、高低差Hに起因するガス冷媒の偏流を抑制して一番低い位置に設置されている室内機5cで暖房能力が発揮できるようにしている。例えば、目標過冷却度テーブルを参照すると、高低差Hが15mであるときの目標過冷却度は8℃であり、室内機5a、5bでの過冷却度を目標過冷却度とするために室内膨張弁の開度が、目標過冷却度が4℃である場合と比べて小さくなる。この結果、室内機5a、5bに流入するガス冷媒量が減少しその分室内機5cに流入するガス冷媒量が増える。
【選択図】図2

Description

本発明は、少なくとも1台の室外機に複数の室内機が冷媒配管で接続された空気調和装置に関する。
従来、少なくとも1台の室外機に複数の室内機が冷媒配管で接続された空気調和装置において、室外機の設置場所と各室内機の設置場所との高低差や、各室内機間の高低差を考慮して冷媒回路を制御することで、各室内機で十分な空調能力を発揮できるようにしたものが提案されている。
例えば、特許文献1に記載の空気調和装置は、圧縮機と四方弁と室外熱交換器と室外ファンと室外膨張弁とを備えた室外機を地上に設置する一方、室内熱交換器と室内膨張弁と室内ファンとを備えた2台の室内機が高低差をもって(特許文献1では、建物の1階に1台の室内機が、4階にもう1台の室内機が各々)設置され、これらと室外機とを冷媒配管で接続して冷媒回路を形成している。
この空気調和装置で冷房運転を行うとき、室外機で凝縮した液冷媒は、重力に逆らって各室内機に流れるので、高い位置に設置された室内機の室内膨張弁の上流側(室外機側)における液冷媒の圧力は、低い位置に設置された室内機の室内膨張弁の上流側における液冷媒の圧力よりも低くなる。このため、高い位置に設置された室内機の室内膨張弁の上流側の冷媒圧力と下流側(室内熱交換器側)の冷媒圧力との圧力差が、低い位置に設置された室内機の室内膨張弁の上流側の冷媒圧力と下流側(室内熱交換器側)の冷媒圧力との圧力差に比べて小さくなる。室内膨張弁の上流側と下流側との圧力差が小さいほど室内膨張弁を流れる冷媒量が少なくなるので、低い位置に設置された室内機に多くの冷媒が流れて高い位置に設置された室内機に流れる冷媒量が減少して十分な冷房能力が得られない虞がある。
そこで、特許文献1の空気調和装置では、低い位置に設置された室内機の室内膨張弁の開度を、高い位置に設置された室内機の室内膨張弁の開度より所定開度小さくすることで、低い位置に設置された室内機における冷媒流量を少なくし、高い位置に設置された室内機における冷媒流量を増やしている。これにより、室外機を地上に設置する一方、2台の室内機が高低差をもって設置されている空気調和装置であっても、高い位置に設置された室内機で十分な冷房能力を発揮できるようにしている。
特開平6−159843号公報
ところで、特許文献1の空気調和装置において、各室内機が高低差をもって設置され、かつ、室外機が少なくとも1台の室内機より高い位置に設置されている場合に、空気調和装置で暖房運転を行ったときは、以下のような問題があった。
暖房運転では、圧縮機から吐出されたガス冷媒は、各室内機の室内熱交換器に流入して凝縮するが、室外機より低い位置に設置されている室内機では、室内熱交換器で凝縮した液冷媒が、高い位置に設置された室外機に向かい重力に逆らって流れることとなる。従って、室外機より低い位置に設置されている室内機の室内膨張弁の下流側(室外機側)における液冷媒の圧力は、他の室内機の室内膨張弁の下流側における液冷媒の圧力よりも高くなる。このため、室外機より低い位置に設置されている室内機の室内膨張弁の上流側(室内熱交換器側)の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との圧力差が、他の室内機の室内膨張弁の上流側の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との圧力差に比べて小さくなる。
室内膨張弁の上流側の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との圧力差が小さいほど室内膨張弁を流れる冷媒量が少なくなるので、他の室内機に多くの冷媒が流れて、室外機より低い位置に設置された室内機に流れる冷媒量が減少して十分な暖房能力が得られない虞がある。そこで、特許文献1の空気調和装置と同様の思想で、室外機より低い位置に設置されている室内機の室内膨張弁の開度を、他の室内機の室内膨張弁の開度よりも常に大きくなるように制御することが考えられる。これにより、室外機より低い位置に設置されている室内機の室内膨張弁の上流側の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との圧力差が小さくなり、室外機より低い位置に設置されている室内機における冷媒流量が増加して暖房能力を向上する。
ここで、室外機より低い位置に設置されている室内機と他の室内機との高低差が大きい程、両者の室内膨張弁の下流側における液冷媒の圧力の差が大きくなり、室外機より低い位置に設置されている室内機の室内膨張弁の上流側の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との圧力差が小さくなる。そのため、室外機より低い位置に設置されている室内機の室内膨張弁の開度は、室外機より低い位置に設置されている室内機と他の室内機との高低差に応じた開度とする必要がある。つまり、室外機より低い位置に設置されている室内機と他の室内機との高低差が大きくなる程、室外機より低い位置に設置されている室内機の室内膨張弁の開度を大きくする必要がある。しかし、室外機より低い位置に設置されている室内機と他の室内機との高低差が大きい場合は、室外機より低い位置に設置されている室内機の室内膨張弁の開度が全開となっても、室外機より低い位置に設置されている室内機における冷媒流量が不足して、当該室内機の室内熱交換器の冷媒出口における過冷却度が大きくなり、暖房能力が低下するという問題があった。
本発明は以上述べた問題点を解決するものであって、複数の室内機の設置位置に高低差がある場合でも、暖房運転時に各室内機で十分な暖房能力を発揮できる空気調和装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の空気調和装置は、圧縮機と流路切換手段と室外熱交換器とを有する室外機と、室内熱交換器とこの室内熱交換器を流れる冷媒流量を調整する室内流量調整手段とを有する複数の室内機と、室外機や複数の室内機を運転制御する制御手段とを有し、室外機には、複数の室内機が冷媒配管で並列に接続され、複数の室内機が高低差をもって設置されるものである。そして、制御手段は、複数の室内機の高低差の大きさに応じて大きくなるように設定された、室内熱交換器の冷媒出口側における冷媒過冷却度の目標値となる目標過冷却度を記憶しており、空気調和装置が暖房運転を行うとき、冷媒過冷却度が目標過冷却度となるように、室内流量調整手段を制御するものである。
また、本発明の空気調和装置は、圧縮機と流路切換手段と室外熱交換器と圧縮機から吐出される冷媒の圧力である吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段とを有する室外機と、室内熱交換器とこの室内熱交換器を流れる冷媒流量を調整する室内流量調整手段とを有する複数の室内機と、室外機や複数の室内機を運転制御する制御手段とを有し、室外機には、複数の室内機が冷媒配管で並列に接続され、複数の室内機が高低差をもって設置されるものである。そして、制御手段は、室内熱交換器の冷媒出口側における冷媒過冷却度の目標値となる目標過冷却度を記憶しているとともに、複数の室内機の高低差の大きさに応じて大きくなるように設定された減算値を記憶しており、空気調和装置が暖房運転を行うとき、吐出圧力検出手段で検出した吐出圧力を用いて高圧飽和温度を算出し、算出した高圧飽和温度から減算値を減じて補正高圧飽和温度を求め、求めた補正高圧飽和温度を用いて冷媒過冷却度を求め、求めた冷媒過冷却度が目標過冷却度となるように、室内流量調整手段を制御するものである。
上記のように構成した本発明の空気調和装置によれば、暖房運転時に、室内機の設置位置の高低差が大きくなるのに応じて、室内機の室内熱交換器の冷媒出口における過冷却度の目標値である目標過冷却度や、室外機から各室内機に送信する高圧飽和温度から減じる減算値を大きくするので、複数の室内機の設置位置に高低差がある場合でも、暖房運転時に各室内機での冷媒偏流が抑制され、各室内機で十分な暖房能力を発揮できる。
本発明の実施形態における、空気調和装置の説明図であり、(A)は冷媒回路図、(B)は室外機制御手段および室内機制御手段のブロック図である。 本発明の実施形態における、室内機および室外機の設置図である。 本発明の実施形態における、制御のためのテーブルあり、(A)は目標過冷却度テーブル、(B)は飽和温度減算値テーブルである。 本発明の実施形態における、室外機制御部での処理を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施形態における、室外機制御部での処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施形態としては、建物の屋上に設置される1台の室外機に、建物の各階に設置される3台の室内機が並列に接続され、全ての室内機で同時に冷房運転あるいは暖房運転が行える空気調和装置を例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
図1(A)および図2に示すように、本実施例における空気調和装置1は、建物の屋上に設置される1台の室外機2と、建物の各階に設置され、室外機2に液管8およびガス管9で並列に接続された3台の室内機5a〜5cとを備えている。詳細には、液管8は、一端が室外機2の閉鎖弁25に、他端が分岐して室内機5a〜5cの各液管接続部53a〜53cに、それぞれ接続されている。また、ガス管9は、一端が室外機2の閉鎖弁26に、他端が分岐して室内機5a〜5cの各ガス管接続部54a〜54cに、それぞれ接続されている。以上により、空気調和装置1の冷媒回路100が構成されている。
まずは、室外機2について説明する。室外機2は、圧縮機21と、流路切換手段である四方弁22と、室外熱交換器23と、室外膨張弁24と、液管8の一端が接続された閉鎖弁25と、ガス管9の一端が接続された閉鎖弁26と、室外ファン27とを備えている。そして、室外ファン27を除くこれら各装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路100の一部をなす室外機冷媒回路20を構成している。
圧縮機21は、インバータにより回転数が制御される図示しないモータによって駆動されることで、運転容量を可変できる能力可変型圧縮機である。圧縮機21の冷媒吐出側は、後述する四方弁22のポートaに吐出管41で接続されており、また、圧縮機21の冷媒吸入側は、後述する四方弁22のポートcに吸入管42で接続されている。
四方弁22は、冷媒の流れる方向を切り換えるための弁であり、a、b、c、dの4つのポートを備えている。ポートaは、上述したように圧縮機21の冷媒吐出側に吐出管41で接続されている。ポートbは、室外熱交換器23の一方の冷媒出入口と冷媒配管43で接続されている。ポートcは、上述したように圧縮機21の冷媒吸入側と吸入管42で接続されている。そして、ポートdは、閉鎖弁26と室外機ガス管45で接続されている。
室外熱交換器23は、冷媒と、後述する室外ファン27の回転により室外機2内部に取り込まれた外気とを熱交換させるものである。室外熱交換器23の一方の冷媒出入口は、上述したように四方弁22のポートbに冷媒配管43で接続され、他方の冷媒出入口は室外機液管44で閉鎖弁25に接続されている。
室外膨張弁24は、室外機液管44に設けられている。室外膨張弁24は電子膨張弁であり、その開度が調整されることで、室外熱交換器23に流入する冷媒量、あるいは、室外熱交換器23から流出する冷媒量を調整する。室外膨張弁24の開度は、空気調和装置1が冷房運転を行っている場合は全開とされる。また、空気調和装置1が暖房運転を行っている場合は、後述する吐出温度センサ33で検出した圧縮機21の吐出温度に応じてその開度を制御することで、吐出温度が性能上限値を超えないようにしている。
室外ファン27は樹脂材で形成されており、室外熱交換器23の近傍に配置されている。室外ファン27は、図示しないファンモータによって回転することで図示しない吸込口から室外機2内部へ外気を取り込み、室外熱交換器23において冷媒と熱交換した外気を図示しない吹出口から室外機2外部へ放出する。
以上説明した構成の他に、室外機2には各種のセンサが設けられている。図1(A)に示すように、吐出管41には、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力を検出する吐出圧力検出手段である高圧センサ31と、圧縮機21から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサ33が設けられている。吸入管42には、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力(吸入圧力)を検出する低圧検出手段である低圧センサ32と、圧縮機21に吸入される冷媒の温度(吸入温度)を検出する吸入温度検出手段である吸入温度センサ34とが設けられている。
室外機液管44における室外熱交換器23と室外膨張弁24との間には、室外熱交換器23に流入する冷媒の温度あるいは室外熱交換器23から流出する冷媒の温度を検出するための熱交温度センサ35が設けられている。そして、室外機2の図示しない吸込口付近には、室外機2内に流入する外気の温度、すなわち外気温度を検出する外気温度センサ36が備えられている。
また、室外機2には、室外機制御手段200が備えられている。室外機制御手段200は、室外機2の図示しない電装品箱に格納されている制御基板に搭載されている。図1(B)に示すように、室外機制御手段200は、タイマー計測機能を有するCPU210と、記憶部220と、通信部230と、センサ入力部240とを備えている。
記憶部220は、ROMやRAMで構成されており、室外機2の制御プログラムや各種センサからの検出信号に対応した検出値、圧縮機21や室外ファン27の制御状態、後述する室外ファン制御テーブル300や室外ファン回転数テーブル400、等を記憶している。通信部230は、室内機5a〜5cとの通信を行うインターフェイスである。センサ入力部240は、室外機2の各種センサでの検出結果を取り込んでCPU210に出力する。
CPU210は、前述した室外機2の各センサでの検出結果をセンサ入力部240を介して取り込む。また、CPU210は、室内機5a〜5cから送信される制御信号を通信部230を介して取り込む。CPU210は、取り込んだ検出結果や制御信号に基づいて、圧縮機21や室外ファン27の駆動制御を行う。また、CPU210は、取り込んだ検出結果や制御信号に基づいて、四方弁22の切り換え制御を行う。さらには、CPU210は、取り込んだ検出結果や制御信号に基づいて、室外膨張弁24の開度調整を行う。
さらには、室外機2には、設置情報入力部250が備えられている。設置情報入力部250は、例えば、室外機2の図示しない筐体側面に配置されており、外部から操作可能とされている。設置情報入力部250は、図示は省略するが、設定ボタンと決定ボタンと表示部とからなる。設定ボタンは、例えばテンキーで構成され、冷媒配管長の長さや後述する各室内機5a〜5cの設置位置の高低差等、空気調和装置1の制御に関わる設置条件を入力するためのものである。決定ボタンは、設定ボタンの操作により入力した情報を確定するためのものである。表示部は、入力した各種情報や現在の室外機2の運転情報等を表示するものである。尚、設置情報入力部250は上記に限るものではなく、例えば、設定ボタンがディップスイッチやダイヤルスイッチ等であってもよい。また、設置条件は、室内機5a〜5cを遠隔操作する図示しないリモコンを操作して入力できるようにしてもよい。
次に、3台の室内機5a〜5cについて説明する。3台の室内機5a〜5cは、室内熱交換器51a〜51cと、室内流量調整手段である室内膨張弁52a〜52cと、分岐した液管8の他端が接続された液管接続部53a〜53cと、分岐したガス管9の他端が接続されたガス管接続部54a〜54cと、室内ファン55a〜55cとを備えている。そして、室内ファン55a〜55cを除くこれら各装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路100の一部をなす室内機冷媒回路50a〜50cを構成している。
尚、室内機5a〜5cの構成は全て同じであるため、以下の説明では、室内機5aの構成についてのみ説明を行い、その他の室内機5b、5cについては説明を省略する。また、図1では、室内機5aの構成装置に付与した番号の末尾をaからbおよびcにそれぞれ変更したものが、室外機5aの構成装置と対応する室内機5b、5cの構成装置となる。
室内熱交換器51aは、冷媒と後述する室内ファン55aにより図示しない吸込口から室内機5a内部に取り込まれた室内空気とを熱交換させるものであり、一方の冷媒出入口が液管接続部53aに室内機液管71aで接続され、他方の冷媒出入口がガス管接続部54aに室内機ガス管72aで接続されている。室内熱交換器51aは、室内機5aが冷房運転を行う場合は蒸発器として機能し、室内機5aが暖房運転を行う場合は凝縮器として機能する。
尚、液管接続部53aやガス管接続部54aは、各冷媒配管が溶接やフレアナット等により接続されている。
室内膨張弁52aは、室内機液管71aに設けられている。室内膨張弁52aは電子膨張弁であり、室内熱交換器51aが蒸発器として機能する場合は、その開度が室内熱交換器51aの冷媒出口(ガス管接続部54a側)での過熱度が目標過熱度となるように調整され、室内熱交換器51aが凝縮器として機能する場合は、その開度が室内熱交換器51aの冷媒出口(液管接続部53a側)での過冷却度が目標過冷却度となるように調整される。ここで、目標過熱度および目標過冷却度は、室内機5aで十分な暖房能力あるいは冷房能力が発揮されるための過熱度および過冷却度である。
室内ファン55aは樹脂材で形成されており、室内熱交換器51aの近傍に配置されている。室内ファン55aは、図示しないファンモータによって回転することで、図示しない吸込口から室内機5a内に室内空気を取り込み、室内熱交換器51aにおいて冷媒と熱交換した室内空気を図示しない吹出口から室内へ供給する。
以上説明した構成の他に、室内機5aには各種のセンサが設けられている。室内機液管71aにおける室内熱交換器51aと室内膨張弁52aとの間には、室内熱交換器51aに流入あるいは室内熱交換器51aから流出する冷媒の温度を検出する液側温度センサ61aが設けられている。室内機ガス管72aには、室内熱交換器51aから流出あるいは室内熱交換器51aに流入する冷媒の温度を検出するガス側温度センサ62aが設けられている。そして、室内機5aの図示しない吸込口付近には、室内機5a内に流入する室内空気の温度、すなわち室内温度を検出する室内温度センサ63aが備えられている。
また、室内機5aには、室内機制御手段500aが備えられている。室内機制御手段500aは、室内機5aの図示しない電装品箱に格納された制御基板に搭載されており、図1(B)に示すように、CPU510aと、記憶部520aと、通信部530aと、センサ入力部540aとを備えている。
記憶部520aは、ROMやRAMで構成されており、室内機5aの制御プログラムや各種センサからの検出信号に対応した検出値、使用者による空調運転に関する設定情報等を記憶する。通信部530aは、室外機2および他の室内機5b、5cとの通信を行うインターフェイスである。センサ入力部540aは、室内機5aの各種センサでの検出結果を取り込んでCPU510aに出力する。
CPU510aは、前述した室内機5aの各センサでの検出結果をセンサ入力部540aを介して取り込む。また、CPU510aは、使用者が図示しないリモコンを操作して設定した運転情報やタイマー運転設定等を含んだ信号を図示しないリモコン受光部を介して取り込む。CPU510aは、取り込んだ検出結果やリモコンから送信された信号に基づいて、室内膨張弁52aの開度調整や、室内ファン55aの駆動制御を行う。また、CPU510aは、運転開始/停止信号や運転情報(設定温度や室内温度等)を含んだ制御信号を、通信部530aを介して室外機2に送信する。
尚、以上説明した室外機制御手段200と室内機制御手段500a〜500cとで、本発明の制御手段が構成される。
以上説明した空気調和装置1が、図2に示す建物600に設置されている。具体的には、室外機2が屋上(RF)に配置されており、室内機5aが3階、室内機5bが2階、室内機5cが1階に、それぞれ設置されている。そして、室外機2と室内機5a〜5cとは、上述した液管8とガス管9とで相互に接続されており、これら液管8とガス管9とは、図示しない建物600の壁面内や天井裏に埋設されている。
尚、図2では、最上階(3階)に設置されている室内機5aと最下階(1階)に設置されている室内機5cとの高低差をHで表している。本実施形態では、この高低差Hの最大値を15mとして以下の説明を行う。
次に、本実施形態における空気調和装置1の空調運転時の冷媒回路100における冷媒の流れや各部の動作について、図1(A)を用いて説明する。尚、以下の説明では、室内機5a〜5cが暖房運転を行う場合について説明し、冷房/除霜運転を行う場合については詳細な説明を省略する。また、図1(A)における矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示している。
図1(A)に示すように、室内機5a〜5cが暖房運転を行う場合、室外機制御手段200は、四方弁22を実線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートdとが連通するよう、また、ポートbとポートcとが連通するよう、切り換える。これにより、室外熱交換器23が蒸発器として機能するとともに、室内熱交換器51a〜51cが凝縮器として機能する。
圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、吐出管41を流れて四方弁22に流入し、四方弁22から室外機ガス管45、ガス管9、ガス管接続部54a〜54cを流れて室内機5a〜5cに流入する。室内機5a〜5cに流入した冷媒は、室内機ガス管72a〜72cを流れて室内熱交換器51a〜51cに流入し、室内ファン55a〜55cの回転により室内機5a〜5c内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。このように、室内熱交換器51a〜51cが凝縮器として機能し、室内熱交換器51a〜51cで冷媒と熱交換を行った室内空気が図示しない吹出口から室内に吹き出されることによって、室内機5a〜5cが設置された室内の暖房が行われる。
室内熱交換器51a〜51cから流出した冷媒は室内機液管71a〜71cを流れ、室内膨張弁52a〜52cを通過して減圧される。減圧された冷媒は、室内機液管71a〜71c、液管接続部53a〜53cを流れて液管8に流入する。
液管8、閉鎖弁25を流れて室外機2に流入した冷媒は、室外機液管44を流れ、吐出温度センサ33で検出した圧縮機21の吐出温度に応じた開度とされた室外膨張弁24を通過するときにさらに減圧される。室外機液管44から室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外ファン27の回転により室外機2内部に取り込まれた外気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器23から流出した冷媒は、冷媒配管43、吸入管42を流れ、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
以上説明したように冷媒回路100を冷媒が循環することで、空気調和装置1の暖房運転が行われる。
尚、室内機5a〜5cが冷房/除霜運転を行う場合、室外機制御手段200は、四方弁22が破線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートbとが連通するよう、また、ポートcとポートdとが連通するよう、切り換える。これにより、室外熱交換器23が凝縮器として機能するとともに、室内熱交換器51a〜51cが蒸発器として機能する。
次に、図1、図2、図3(A)、および、図4を用いて、本実施形態の空気調和装置1において、本発明に関わる冷媒回路の動作やその作用、および、効果について説明する。
室外機2の室外機制御部200に備えられている記憶部220には、図3(A)に示す目標過冷却度テーブル300aが予め記憶されている。目標過冷却度テーブル300aは、空気調和装置1が暖房運転を行うときに、室内機5a〜5cの室内熱交換器51a〜51cの冷媒出口(室内膨張弁52a〜52c側)における過冷却度の目標値となる目標過冷却度Sct(単位:℃)を設置された室内機間の高低差H(単位:m)に応じて定めたものである。
具体的には、高低差Hが5m未満である場合の目標過冷却度Sctを4℃、高低差Hが5m以上10m未満である場合の目標過冷却度Sctを6℃、高低差Hが10m以上15m以下である場合の目標過冷却度Sctを8℃、としている。つまり、高低差Hが大きくなる程目標過冷却度Sctを大きくしている。
尚、目標過冷却度Sctは、予め試験によって求められたものであり、高低差Hで室内機5a〜5cが設置された場合に一番低い位置に設置されている室内機5cにおいても暖房能力が発揮できることが確認されている値である。
ここで、目標過冷却度テーブル300aにおいて、高低差Hが大きくなるのに応じて目標過冷却度Sctを大きくしている理由について説明する。図2に示すように、本実施形態の空気調和装置1では、室外機2が建物600の屋上に設置されるとともに室内機5a〜5cが各階に設置されている。つまり、室外機2が室内機5a〜5cより高い位置に設置されるとともに、室内機5a〜5cの設置場所にも高低差Hがある設置となっている。この場合に、空気調和装置1で暖房運転を行ったときは、以下のような問題がある。
暖房運転では、圧縮機21から吐出されたガス冷媒は、吐出管41から四方弁22を介して室外機ガス管45を流れて室外機2から流出し、室内機5a〜5cの室内熱交換器51a〜51cに流入して凝縮する。このとき、室外機2が室内機5a〜5cより高い位置に設置されているために、室内熱交換器51a〜51cで凝縮した液冷媒は、重力に逆らって室外機2に向かって流れることになる。
このとき、1階に設置されている室内機5cの室内膨張弁52cの下流側(室外機2側)における液冷媒の圧力は、他の階に設置されている室内機5a、5bの室内膨張弁52a、52bの下流側における液冷媒の圧力よりも高くなる。このため、室内機5cの室内膨張弁52cの上流側(室内熱交換器51c側)の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との圧力差が、室内機5a、5bの室内膨張弁52a、52bの上流側の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との圧力差に比べて小さくなる。
上記のような冷媒回路100の状態では、室内膨張弁52a〜52cの上流側の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との圧力差が小さいほど、室内膨張弁52a〜52cを流れる冷媒流量が少なくなる。従って、1階に設置された室内機5cにおける冷媒流量は、他の室内機5a、5bにおける冷媒流量と比べて少なくなる。このことは、1階(一番低い位置)に設置された室内機5cと3階(一倍高い位置)に設置された室内機5aとの高低差Hが大きくなる程、顕著になる。
一方、暖房運転では、上述したように、各室内機5a〜5cの室内熱交換器51a〜51cの冷媒出口における過冷却度が目標過冷却度Sctとなるように、各室内膨張弁52a〜52cの開度が制御される。具体的には、現在の過冷却度が目標過冷却度Sctより大きいときは、室内膨張弁52a〜52cの開度を大きくして、室内熱交換器51a〜51cに流入する冷媒量を増加させることで、現在の過冷却度を小さくする。また、現在の過冷却度が目標過冷却度Sctより小さいときは、室内膨張弁52a〜52cの開度を小さくして、室内熱交換器51a〜51cに流入する冷媒量を減少させることで、現在の過冷却度を大きくする。
以上のことから、室内機5a〜5cの高低差Hが大きく(例えば、高低差Hが15m)、かつ、目標過冷却度Sctが小さい(例えば、4℃)場合は、室内膨張弁52a〜52cの開度が、目標過冷却度Sctが大きい場合と比べて大きくなっていることに加え、室内機5cの室内膨張弁52cの上流側の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との圧力差が、室内機5a、5bの室内膨張弁52a、52bの上流側の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との圧力差に比べて小さくなっていることに起因して、室内機5cにおける冷媒流量が室内機5a、5bにおける冷媒流量と比べて少なくなる。
上記の問題を解決するために、室内機5a、5bと比べて室内膨張弁52cの開度をより大きくすることが考えられるが、小さい目標過冷却度Sctが設定されており、かつ、高低差Hが大きい場合は、室内機5cにおける冷媒流量が室内機5a、5bにおける冷媒流量と比べて極端に少なくなっているので、室内膨張弁5cを全開としても、目標過冷却度Sctが得られない、つまり、室内機5cにおける冷媒流量を増加させることができず、室内機5cで暖房能力が発揮できない虞あった。
そこで、本発明では、目標過冷却度テーブル300aを用い、室内機5aと室内機5cとの高低差Hが大きくなるにつれて目標過冷却度Sctを大きくすることで、一番低い位置に設置されている室内機5cにおける冷媒流量を確保して、室内機5cでも暖房能力が発揮できるようにしている。例えば、目標過冷却度テーブル300aによると、高低差Hが15mであるときの目標過冷却度Sctは8℃であり、室内機5a〜5cでの過冷却度を目標過冷却度Sctとするための室内膨張弁52a〜52cの開度が、目標過冷却度Sctが4℃である場合と比べて小さくなる。
この結果、室内機5a、5bに流入するガス冷媒量が少なくなるとともに、室内機5cの室内膨張弁52cの下流側における液冷媒の圧力が小さくなって室内機5cの室内膨張弁52cの上流側の冷媒圧力と下流側の冷媒圧力との圧力差が小さくなる。これにより、室内機5cに流入するガス冷媒量が増えるので、室内機5cにおいて、室内膨張弁52cの開度調整により目標過冷却度Sctが達成できる冷媒流量となり、室内機5cにおける暖房能力が確保できる。
次に、図1、図2、図3(A)、および、図4を用いて、本実施形態の空気調和装置1における暖房運転時の制御について説明する。図4は、空気調和装置1が暖房運転を行う場合の、室外機制御部200のCPU210が行う制御に関する処理の流れを示すものである。図4において、STはステップを表し、これに続く数字はステップ番号を表している。尚、図4では本発明に関わる処理を中心に説明しており、これ以外の処理、例えば、使用者の指示した設定温度や風量等の運転条件に対応した冷媒回路の制御、といった、空気調和装置1に関わる一般的な処理については説明を省略している。
最初に、CPU210は、使用者の運転指示が暖房運転指示であるか否かを判断する(ST1)。
暖房運転指示でなければ(ST1−No)、CPU210は、冷房運転時もしくは除湿運転時の制御を行い(ST13)、ST1に処理を戻す。ここで、冷房運転時もしくは除湿運転時の制御とは、四方弁22を操作して室外熱交換器23が凝縮器として機能するように冷媒回路100を切り換える制御や、冷房運転時または除湿運転時における室内機5a〜5cからの要求能力に応じた回転数で圧縮機21や室外ファン27を起動する、等、冷房運転時または除湿運転時の一般的な制御のことである。
ST1において、暖房運転指示であれば(ST1−Yes)、CPU210は、図1(A)に示すように、四方弁22を操作して室外熱交換器23が蒸発器として機能するように冷媒回路100を切り換え、室内機5a〜5cからの要求能力に応じた回転数で圧縮機21や室外ファン27を起動する。
次に、CPU210は、記憶部220に記憶している高低差Hを読み出す(ST2)。ここで、記憶部220から読み出す高低差Hは、設置されている室内機のうち、一番高い位置に設置されている室内機と一番低い位置に設置されている室内機との高低差(本実施形態では、前述したように、3階に設置されている室内機5aと1階に設置されている室内機5cとの高低差)であり、空気調和装置1の設置時に、施工者が設置情報入力部250を操作することによって入力されて記憶部220に記憶されていたものである。
次に、CPU210は、記憶部220に記憶している目標過冷却度テーブル300aを参照し、読み出した高低差Hに応じた目標過冷却度Sctを抽出する(ST3)。そして、CPU210は、抽出した目標過冷却度Sctを室内機5a〜5cに送信する(ST4)。具体的には、CPU210は、目標過冷却度Sctを用いて送信用信号を生成し、この送信用信号を通信部230を介して室内機5a〜5cに送信する。尚、通信部530a〜530cを介して室外機2からの送信用信号を受信した室内機5a〜5cのCPU510a〜510cは、受信した信号に含まれる目標過冷却度Sctを記憶部520a〜520cに記憶する。
ST4の処理を終えたCPU210は、タイマー計測を開始し(ST5)、高圧センサ31で検出した圧縮機21の吐出圧力Phをセンサ入力部240を介して取り込む(ST6)。次に、CPU210は、取り込んだ吐出圧力Phを用いて高圧飽和温度Tshを算出する(ST7)。
次に、CPU210は、算出した高圧飽和温度Tshを室内機5a〜5cに送信する(ST8)。具体的には、CPU210は、高圧飽和温度Tshを用いて送信用信号を生成し、この送信用信号を通信部230を介して室内機5a〜5cに送信する。
尚、通信部530a〜530cを介して室外機2からの送信用信号を受信した室内機5a〜5cのCPU510a〜510cは、受信した信号に含まれる高圧飽和温度Tshを記憶部520a〜520cに記憶する。そして、CPU510a〜510cは、液側温度センサ61a〜61cで検出した冷媒温度をセンサ入力部540a〜540cを介して取り込み、これと記憶部520a〜520cに記憶した高圧飽和温度Tshとを用いて室内熱交換器51a〜51cの冷媒出口における過冷却度を算出し、算出した過冷却度と記憶部520a〜520cに記憶している目標過冷却度Sctとの差に応じて室内膨張弁52a〜52cの開度調整を行う。
ST8の処理を終えたCPU210は、使用者による運転モード切替指示があるか否かを判断する(ST9)。ここで、運転モード切替指示とは、現在の運転(ここでは暖房運転)から別の運転(冷房運転/除湿運転)への切替を指示するものである。運転モード切替指示がある場合は(ST9−Yes)、CPU210は、ST1に処理を戻す。運転モード切替指示がない場合は(ST9−No)、CPU210は、使用者による運転停止指示があるか否かを判断する(ST10)。ここで、運転停止指示とは、全ての室内機5a〜5cが運転を停止することを示すものである。
運転停止指示があれば(ST10−Yes)、CPU210は、圧縮機21や室外ファン27を停止して室外機2を停止させ、処理を終了する。運転停止指示がなければ(ST10−No)、CPU210は、ST5でタイマー計測を開始してから所定時間(例えば、1分)が経過したか否かを判断する(ST11)。
所定時間が経過していなければ(ST11−No)、CPU210は、ST9に処理を戻す。所定時間が経過していれば(ST11−Yes)、CPU210は、タイマーをリセットして(ST12)、ST5に処理を戻す。以降、ST9やST10で、使用者から運転モードの切替指示や運転停止指示がなければ、CPU210は、ST5からST12までの処理を繰り返し、所定時間毎に室内機5a〜5cに高圧飽和温度Tshを送信する。
次に、本発明の空気調和装置1の第2の実施形態について、図1、図2、図3(B)、および、図5を用いて説明する。尚、本実施形態では、空気調和装置1の構成や設置状態、運転動作については、第1の実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。第1の実施形態と異なるのは、目標過冷却度テーブル300aに代えて、室外機2の記憶部220に図3(B)に示す飽和温度減算値テーブル300bを記憶し、この飽和温度減算値テーブル300bを用いて、空気調和装置1の暖房運転時の制御を行っていることである。
室外機2の室外機制御部200に備えられている記憶部220には、図3(B)に示す飽和温度減算値テーブル300bが予め記憶されている。飽和温度減算値テーブル300bは、空気調和装置1が暖房運転を行うときに、室内機5a〜5cにおいて室内熱交換器51a〜51cの冷媒出口(室内膨張弁52a〜52c側)における過冷却度を算出する際に使用する高圧飽和温度Tshを、設置された室内機間の高低差H(単位:m)に応じて補正するための減算値Tsub(単位:℃)を定めたものである。
具体的には、高低差Hが5m未満である場合の減算値Tsubを0℃、高低差Hが5m以上10m未満である場合の減算値Tsubを2℃、高低差Hが10m以上15m以下である場合の減算値Tsubを4℃、としている。つまり、高低差Hが大きくなる程減算値Tsubを大きくしている。
尚、減算値Tsubは、予め試験によって求められたものであり、高圧飽和温度Tshから減算値Tsubを減じて求める補正高圧飽和温度Tshcを用いて室内機5a〜5cにおける過冷却度を制御することで、高低差Hで室内機5aと室内機5cとが設置された場合に全ての室内機で暖房能力が十分に発揮できることが確認されている値である。
第1の実施形態では、暖房運転時の室内機5a〜5cにおける目標過冷却度Sctを高低差Hに応じて異ならせた目標過冷却度テーブル300aを用い、高低差Hに応じて抽出した目標過冷却度Sctを室外機2から送信し、これを受信した室内機5a〜5cは現在の過冷却度が目標過冷却度Sctとなるように室内膨張弁52a〜52cの開度調整を行った。
これに対し、第2の実施形態では、室内機5a〜5cにおける目標過冷却度Sctを所定値(例えば、4℃)に固定し、高低差Hに応じた減算値Tsubを用いて高圧飽和温度Tshを補正した補正高圧飽和温度Tshcを室外機2から室内機5a〜5cに送信し、室内機5a〜5cでは、受信した補正高圧飽和温度Tshcを用いて算出した現在の過冷却度が目標過冷却度Sctとなるように室内膨張弁52a〜52cの開度調整を行うことで、第1の実施形態で説明した高低差Hに応じた目標過冷却度Sctを用いて制御するのと同等の効果を得ている。
尚、第2の実施形態では、固定された目標過冷却度Sctは、室内機5a〜5cの記憶部520a〜520cに予め記憶されている。
次に、図1、図2、図3(B)、および、図5を用いて、本実施形態の空気調和装置1における暖房運転時の制御について説明する。図5は、空気調和装置1が暖房運転を行う場合の、室外機制御部200のCPU210が行う制御に関する処理の流れを示すものである。図5において、STはステップを表し、これに続く数字はステップ番号を表している。尚、図5で示す処理のうち、ST21、22については、図4に示す第1の実施形態におけるST1、2と同じであり、また、ST29〜33については、図4に示す第1の実施形態におけるST9〜13と同じである。従って、これらについての説明は省略し、第1の実施形態と処理が異なるST23〜28についてのみ説明する。
ST22の処理を終えたCPU210は、記憶部220に記憶している飽和温度減算値テーブル300bを参照し、読み出した高低差Hに応じた減算値Tsubを抽出する(ST23)。次に、CPU210は、タイマー計測を開始し(ST24)、高圧センサ31で検出した圧縮機21の吐出圧力Phをセンサ入力部240を介して取り込む(ST25)。次に、CPU210は、取り込んだ吐出圧力Phを用いて高圧飽和温度Tshを算出する(ST26)。
次に、CPU210は、算出した高圧飽和温度TshからST23で抽出した減算値Tsubを減じて補正高圧飽和温度Tshcを算出する(ST27)。そして、CPU210は、算出した補正高圧飽和温度Tshcを室内機5a〜5cに送信する(ST28)。具体的には、CPU210は、補正高圧飽和温度Tshcを用いて送信用信号を生成し、この送信用信号を通信部230を介して室内機5a〜5cに送信する。尚、通信部530a〜530cを介して室外機2からの送信用信号を受信した室内機5a〜5cのCPU510a〜510cは、受信した信号に含まれる補正高圧飽和温度Tshcを記憶部520a〜520cに記憶する。そして、CPU510a〜510cは、液側温度センサ61a〜61cで検出した冷媒温度をセンサ入力部540a〜540cを介して取り込み、これと記憶部520a〜520cに記憶した補正高圧飽和温度Tshcとを用いて室内熱交換器51a〜51cの冷媒出口における過冷却度を算出し、算出した過冷却度と記憶部520a〜520cに記憶している目標過冷却度Sctとの差に応じて室内膨張弁52a〜52cの開度調整を行う。
尚、ST29やST30で、使用者から運転モードの切替指示や運転停止指示がなければ、CPU210は、ST24からST32までの処理を繰り返し、所定時間毎に室内機5a〜5cに補正高圧飽和温度Tshcを送信する。
以上説明したように、本発明の空気調和装置は、暖房運転時に、室内機の設置位置の高低差が大きくなるのに応じて、室内機の室内熱交換器の冷媒出口における過冷却度の目標値である目標過冷却度や、室外機から各室内機に送信する高圧飽和温度から減じる減算値を大きくするので、複数の室内機の設置位置に高低差がある場合でも、暖房運転時に各室内機での冷媒偏流が抑制され、各室内機で十分な暖房能力を発揮できる。
尚、以上説明した各実施形態では、いずれの室内機よりも高い位置に室外機が配置されている場合を例に挙げて説明したが、複数の室内機のうち少なくともいずれか1台の室内機より高い位置に室外機が設置されている場合であっても、本発明の奏する効果を得ることができる。
1 空気調和装置
2 室外機
5a〜5c 室内機
21 圧縮機
23 室外熱交換器
24 室外膨張弁
27 室外ファン
31 吐出圧力センサ
51a〜51c 室内熱交換器
52a〜52c 室内膨張弁
61a〜61c 液側温度センサ
100 冷媒回路
200 室外機制御部
210 CPU
220 記憶部
240センサ入力部
250 設置情報入力部
300a 目標過冷却度テーブル
300b 飽和温度減算値テーブル
510a〜510c CPU
520a〜520c 記憶部
540a〜540c センサ入力部
Sct 目標過冷却度
Tsh 高圧飽和温度
Tshc 補正高圧飽和温度
Tsub 減算値
Ph 吐出圧力
H 高低差

Claims (2)

  1. 圧縮機と、流路切換手段と、室外熱交換器とを有する室外機と、
    室内熱交換器と、同室内熱交換器を流れる冷媒流量を調整する室内流量調整手段とを有する複数の室内機と、
    前記室外機や複数の前記室内機を運転制御する制御手段と、を有し、
    前記室外機には、複数の前記室内機が冷媒配管で並列に接続され、
    複数の前記室内機が高低差をもって設置される、
    空気調和装置であって、
    前記制御手段は、
    複数の前記室内機の高低差の大きさに応じて大きくなるように設定された、前記室内熱交換器の冷媒出口側における冷媒過冷却度の目標値となる目標過冷却度を記憶しており、
    前記空気調和装置が暖房運転を行うとき、前記冷媒過冷却度が前記目標過冷却度となるように、前記室内流量調整手段を制御すること、
    を特徴とする空気調和装置。
  2. 圧縮機と、流路切換手段と、室外熱交換器と、前記圧縮機から吐出される冷媒の圧力である吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段とを有する室外機と、
    室内熱交換器と、同室内熱交換器を流れる冷媒流量を調整する室内流量調整手段とを有する複数の室内機と、
    前記室外機や複数の前記室内機を運転制御する制御手段と、を有し、
    前記室外機には、複数の前記室内機が冷媒配管で並列に接続され、
    複数の前記室内機が高低差をもって設置される、
    空気調和装置であって、
    前記制御手段は、
    前記室内熱交換器の冷媒出口側における冷媒過冷却度の目標値となる目標過冷却度を記憶しているとともに、複数の前記室内機の高低差の大きさに応じて大きくなるように設定された減算値を記憶しており、
    前記空気調和装置が暖房運転を行うとき、前記吐出圧力検出手段で検出した前記吐出圧力を用いて高圧飽和温度を算出し、前記高圧飽和温度から前記減算値を減じて補正高圧飽和温度を求め、求めた前記補正高圧飽和温度を用いて前記冷媒過冷却度を求め、求めた前記冷媒過冷却度が前記目標過冷却度となるように、前記室内流量調整手段を制御すること、
    を特徴とする空気調和装置。
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