JP2018115805A - 空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】いかなる能力の室内機が接続されている場合でも、暖房運転開始時の高圧の過昇を抑制できる空気調和装置を提供する。【解決手段】室内機能力判定運転では、圧縮機21を能力判定時回転数Rjで駆動して室内機5a〜5cを1台ずつ暖房運転したときの高圧Phsを高圧センサ31から取り込み、取り込んだ高圧Phsが閾圧力Pth未満である室内機は小能力Aと判定し、取り込んだ高圧Phsが閾圧力Pth以上である室内機は大能力Bと判定する。暖房運転を行う室内機が小能力Aと判定されたもののみである場合は、起動時回転数パターンRpとして小能力時起動パターンRpaが採用される。一方、暖房運転を行う室内機のうち少なくとも1台が大能力Bと判定されたものである場合は、起動時回転数パターンRpとして大能力時起動パターンRpbが採用される。【選択図】図2

Description

本発明は、室外機と室内機が冷媒配管で接続された空気調和装置に関する。
従来、空気調和装置としては、例えば1台の室外機に複数台の室内機が液管およびガス管で接続され、複数台の室内機で同時に冷房運転あるいは暖房運転を行うことが可能であるものが知られている。このような空気調和装置では、空調運転の開始時の圧縮機回転数(以降、起動時回転数と記載)が予め定められている。
上記のような空気調和装置で、暖房運転を開始するときに外気温度が高い場合は、蒸発器として機能する室外熱交換器における蒸発能力が過剰となって低圧が上昇し、これに伴って高圧も上昇して圧縮機の補償上限値を超える恐れがある。そして、高圧が補償上限値を超えると圧縮機が保護停止するため、暖房運転が中断されるという問題がある。
以上のような問題を解決するものとして、特許文献1に記載の空気調和装置では、暖房運転開始時に検出した外気温度が予め定められた基準外気温度より高い場合は、圧縮機の起動時回転数を低くしている。これにより、室外熱交換器において蒸発能力が過剰となることを抑制できるので、高圧が過昇することを防ぐことができる。
特開平8−219530号公報
ところで、空気調和装置では、室外機に接続される室内機の能力(主に、各室内機に設けられる室内熱交換器の大きさで決まる)が様々であり、ある能力の室内機が1台のみ接続される場合や、異なる能力の室内機が複数台接続されることがある。このような空気調和装置で、室外機に能力の小さい室内機が1台だけ接続されている場合や、大小様々な能力の室内機が接続されているものの運転開始時には能力の小さい室内機のみが運転するような場合は、室外機の能力(主に、室外機に設けられる室外熱交換器の大きさで決まる)と室内機側の能力の差が大きくなる。
上記のように室内機側の能力が小さくて室外機の能力と室内機側の能力の差が大きい空気調和装置で暖房運転を開始した場合は、凝縮器として機能する室内熱交換器における凝縮能力に比べて室外熱交換器における蒸発能力が過剰となる。そして、室内熱交換器における凝縮能力に比べて室外熱交換器における蒸発能力が過剰となる場合は、能力の大きい室内機を1台運転する場合や、複数台の室内機を運転することで室外機の能力が大きくなる場合のように室外機の能力と室内機側の能力の差が小さくなる場合と比べて、低圧が上昇しこれに伴って高圧も上昇する。
従って、室内機側の能力が小さくて室外機の能力と室内機側の能力の差が大きくなる場合に、室外機の能力と室内機側の能力の差が小さくなる場合と同じ起動時回転数で圧縮機を起動すれば、高圧が過昇して圧縮機の補償上限値を超える恐れがあった。
尚、室内機側の能力が小さくて室外機の能力と室内機側の能力の差が大きくなる空気調和装置で暖房運転を開始するときに、特許文献1に記載の技術を応用しても、検出した外気温度が予め定められた基準外気温度より高くない場合のように圧縮機の起動時回転数を低くしないときは、高圧の過昇を防ぐことができない。また、検出した外気温度が予め定められた基準外気温度より高くて圧縮機の起動時回転数を低くしても、室内機側の能力が小さくて室外機の能力と室内機側の能力の差が大きくなる場合は、高圧の過昇を十分に抑制できない恐れがあった。
本発明は以上述べた問題点を解決するものであって、いかなる能力の室内機が接続されている場合でも、暖房運転開始時の高圧の過昇を抑制できる空気調和装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の空気調和装置は、圧縮機と圧縮機から吐出された冷媒の圧力である高圧を検出する高圧検出手段を有する室外機と、室内機と、室外機と室内機を接続する液管およびガス管と、圧縮機を駆動制御する制御手段を有するものであって、制御手段は、室内機の能力を判定する室内機能力判定運転を実行し、判定した室内機の能力に基づいて、圧縮機の起動時の回転数を制御して暖房運転を開始する。
また、本発明の空気調和装置は、圧縮機と圧縮機から吐出された冷媒の圧力である高圧を検出する高圧検出手段を有する室外機と、複数台の室内機と、室外機と複数台の室内機を接続する複数の液管および複数のガス管で接続された冷媒回路と、圧縮機を駆動制御する制御手段を有するものであって、制御手段は、複数台の室内機のそれぞれの能力を判定する室内機能力判定運転を実行し、判定した複数台の室内機のそれぞれの能力に基づいて、圧縮機の起動時の回転数を制御して暖房運転を開始する。
上記のように構成した本発明の空気調和装置は、暖房運転を行う室内機の能力に応じて、暖房運転開始時の圧縮機の起動時の回転数を異ならせる。これにより、暖房運転開始時の高圧の過昇を抑制できる。
本発明の実施形態である空気調和装置の説明図であり、(A)が冷媒回路図、(B)が室外機制御手段のブロック図である。 本発明の実施形態における、起動時回転数パターン決定テーブルである。 起動時回転数パターンである小能力起動時パターンおよび大能力起動時パターンを示すタイムチャートである。 本発明の実施形態における、室内機能力判定運転に関わる処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における、暖房運転開始時の制御に関わる処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施形態としては、1台の室外機に3台の室内機が冷媒配管で並列に接続され、全ての室内機で同時に冷房運転あるいは暖房運転が行える空気調和装置を例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
図1(A)に示すように、本実施形態における空気調和装置1は、3個の液側閉鎖弁27a〜27cと3個のガス側閉鎖弁28a〜28cを有する1台の室外機2と、3台の室内機5a〜5cの合計3台の室内機を有する。詳細は後述するが、室内機5a〜5cの能力はいずれも室外機2の能力より小さく、室内機5bと室内機5cは能力が同じであり、室内機5aは室内機5bおよび室内機5cより能力が小さい。そして、室外機2に室内機5a〜5cが、3本の液管8a、8b、8cと3本のガス管9a、9b、9cで並列に接続されている。
具体的には、液管8aの一端は室内機5aの液管接続部52aに接続され、液管8aの他端は室外機2の液側閉鎖弁27aに接続されている。また、液管8bの一端は室内機5bの液管接続部52bに接続され、液管8bの他端は室外機2の液側閉鎖弁27bに接続されている。そして、液管8cの一端は室内機5cの液管接続部52cに接続され、液管8cの他端は室外機2の液側閉鎖弁27cに接続されている。
ガス管9aの一端は室内機5aのガス管接続部53aに接続され、ガス管9aの他端は室外機2のガス側閉鎖弁28aに接続されている。また、ガス管9bの一端は室内機5bのガス管接続部53bに接続され、ガス管9bの他端は室外機2のガス側閉鎖弁28bに接続されている。そして、ガス管9cの一端は室内機5cのガス管接続部53cに接続され、ガス管9cの他端は室外機2のガス側閉鎖弁28cに接続されている。
以上のように、室外機2に室内機5a〜5cが液管8a〜8cおよびガス管9a〜9cでそれぞれ接続されて、空気調和装置1の冷媒回路10が構成されている。
<室外機2の構成>
室外機2は、圧縮機21と、四方弁22と、室外熱交換器23と、3個の膨張弁24a〜24cと、アキュムレータ25と、室外ファン26と、上述した3個の液側閉鎖弁27a〜27cおよび3個のガス側閉鎖弁28a〜28cと、室外機制御手段200を備えている。そして、室外ファン26および室外機制御手段200を除くこれら各装置が、以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路10の一部をなす室外機冷媒回路20を構成している。
圧縮機21は、インバータにより回転数が制御される図示しないモータによって駆動されることで運転容量を可変できる能力可変型圧縮機である。圧縮機21の冷媒吐出口と四方弁22のポートaが吐出管41で接続されている。また、圧縮機21の冷媒吸入側とアキュムレータ25の冷媒流出側が吸入管42で接続されている。
四方弁22は、冷媒の流れる方向を切り換えるための弁であり、a、b、c、dの4つのポートを備えている。上述したように、ポートaと圧縮機21の冷媒吐出口が吐出管41で接続されている。ポートbと室外熱交換器23の一方の冷媒出入口が冷媒配管43で接続されている。ポートcとアキュムレータ25の冷媒流入側が冷媒配管46で接続されている。そして、ポートdには室外機ガス管45の一端が接続されている。
室外機ガス管45の他端には、3本の室外機ガス分管45a〜45cの各々の一端が接続されている。室外機ガス分管45aの他端はガス側閉鎖弁28aに接続されている。室外機ガス分管45bの他端はガス側閉鎖弁28bに接続されている。室外機ガス分管45cの他端はガス側閉鎖弁28cに接続されている。
室外熱交換器23は、室外ファン26の回転により図示しない吸込口から室外機2の内部に取り込まれた外気と冷媒を熱交換させる。上述したように、室外熱交換器23の一方の冷媒出入口と四方弁22のポートbが冷媒配管43で接続されている。また、室外熱交換器23の他方の冷媒出入口には室外機液管44の一端が接続されている。室外熱交換器23は、冷媒回路10が冷房サイクルとなる場合は凝縮器として機能し、冷媒回路10が暖房サイクルとなる場合は蒸発器として機能する。
室外機液管44の他端には、3本の室外機液分管44a〜44cの各々の一端が接続されている。室外機液分管44aの他端は液側閉鎖弁27aに接続されている。室外機液分管44bの他端は液側閉鎖弁27bに接続されている。室外機液分管44cの他端は液側閉鎖弁27cに接続されている。
3個の膨張弁24a〜24cは、図示しないパルスモータにより駆動される電子膨張弁であり、パルスモータに与えられるパルス数によって開度が調整される。膨張弁24aは室外機液分管44aに設けられる。膨張弁24bは室外機液分管44bに設けられる。膨張弁24cは室外機液分管44cに設けられる。膨張弁24a〜24cの開度をそれぞれ調整することによって、室内機5a〜室内機5cに流れる冷媒量がそれぞれ調整される。
アキュムレータ25は、上述したように、冷媒流入側と四方弁22のポートcが冷媒配管46で接続され、冷媒流出側と圧縮機21の冷媒吸入口が吸入管42で接続されている。アキュムレータ25は、流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離し、ガス冷媒のみを吸入管42を介して圧縮機21に吸入させる。
室外ファン26は、室外熱交換器23の近傍に配置される樹脂材で形成されたプロペラファンであり、図示しないファンモータによって室外ファン26が回転することで、室外機2に設けられた図示しない吸込口から室外機2の内部に外気を取り込み、室外熱交換器23を流れる冷媒と熱交換した外気を室外機2に設けられた図示しない吹出口から室外機2の外部へ放出する。
以上説明した構成の他に、室外機2には各種のセンサが設けられている。図1(A)に示すように、吐出管41には、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力(以降、高圧と記載)を検出する高圧検出手段である高圧センサ31と、圧縮機21から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサ33が設けられている。
冷媒配管46におけるアキュムレータ25の冷媒流入側近傍には、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力(以降、低圧と記載)を検出する低圧センサ32と、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を検出する吸入温度センサ34が設けられている。
室外機液管44における室外熱交換器23の近傍には、室外熱交換器23が蒸発器として機能する際に室外熱交換器23に流入する冷媒の温度を検出する冷媒温度センサ35が設けられている。また、室外機2の図示しない吸込口付近には、室外機2の内部に流入する外気の温度、すなわち外気温度を検出する外気温度センサ38が設けられている。
室外機液分管44aにおける膨張弁24aと液側閉鎖弁27aの間には、室外機液分管44aを流れる冷媒の温度を検出する液側温度センサ36aが設けられている。室外機液分管44bにおける膨張弁24bと液側閉鎖弁27bの間には、室外機液分管44bを流れる冷媒の温度を検出する液側温度センサ36bが設けられている。室外機液分管44cにおける膨張弁24cと液側閉鎖弁27cの間には、室外機液分管44cを流れる冷媒の温度を検出する液側温度センサ36cが設けられている。
室外機ガス分管45aには、室外機ガス分管45aを流れる冷媒の温度を検出するガス側温度センサ37aが設けられている。室外機ガス分管45bには、室外機ガス分管45bを流れる冷媒の温度を検出するガス側温度センサ37bが設けられている。室外機ガス分管45cには、室外機ガス分管45cを流れる冷媒の温度を検出するガス側温度センサ37cが設けられている。
また、室外機2には、本発明の制御手段である室外機制御手段200が備えられている。室外機制御手段200は、室外機2の図示しない電装品箱に格納された制御基板に搭載されており、図1(B)に示すように、CPU210と、記憶部220と、通信部230と、センサ入力部240とを備えている。
記憶部220は、ROMやRAMで構成されており、室外機2の制御プログラムや各種センサからの検出信号に対応した検出値、圧縮機21や室外ファン26の駆動状態、室内機5aや室内機5b、5cから送信される運転情報(運転/停止情報や設定温度情報等を含む)等を記憶する。通信部230は、各室内機との通信を行うインターフェイスである。センサ入力部240は、室外機2の各種センサでの検出結果を取り込んでCPU210に出力する。CPU210は、センサ入力部240を介して各種センサでの検出値を定期的(例えば、30秒毎)に取り込むとともに、室内機5a〜5cから送信される運転開始/停止を示す運転状態や運転情報(設定温度や室内温度等)を含んだ信号が通信部230を介して入力される。CPU210は、これら入力された各種情報に基づいて、膨張弁24a〜24cの開度調整、圧縮機21や室外ファン26の駆動制御を行う。
<室内機5a〜5cの構成>
次に、室内機5a〜5cについて説明する。室内機5a〜5cは、室内熱交換器51a〜51cと、液管接続部52a〜52cと、ガス管接続部53a〜53cと、室内ファン54a〜54cを備えている。そして、室内ファン54a〜54cを除くこれら各構成装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路10の一部をなす室内機冷媒回路50a〜50cを構成している。
ここで、室内機5a〜5cの能力はいずれも室外機2の能力より小さく、かつ、室内機5bと室内機5cは能力が同じであり室内機5aは室内機5bおよび室内機5cより能力が小さい。具体的には、各室内熱交換器51a〜51cは室外熱交換器23より小さく、室内熱交換器51aは室内熱交換器51bおよび室内熱交換器51cより小さい。
尚、上述した能力の違いを除いて、室内機5a〜5cは全て同じ構成を有するため、以下の説明では室内機5aについてのみ構成の説明を行い、室内機5b、5cの構成については説明を省略する。尚、図1(A)では、室内機5aの構成装置に付与した番号の末尾をaからbあるいはcにそれぞれ変更したものが、室内機5aの構成装置と対応する室内機5b、5cの構成装置となる。
室内熱交換器51aは、冷媒と、室内ファン54aの回転により室内機5aに備えられた図示しない吸込口から室内機5aの内部に取り込まれた室内空気を熱交換させるものである。室内熱交換器51aの一方の冷媒出入口と液管接続部52aが室内機液管71aで接続されている。室内熱交換器51aの他方の冷媒出入口とガス管接続部53aが室内機ガス管72aで接続されている。尚、液管接続部52aやガス管接続部53aには、各冷媒配管が溶接やフレアナット等によって接続されている。
室内熱交換器51aは、室内機5aが冷房運転を行う場合は蒸発器として機能し、室内機5aが暖房運転を行う場合は凝縮器として機能する。
室内ファン54aは、室内熱交換器51aの近傍に配置される樹脂材で形成されたクロスフローファンであり、図示しないファンモータによって回転することで、図示しない吸込口から室内機5aの内部に室内空気を取り込み、室内熱交換器51aにおいて冷媒と熱交換した室内空気を室内機5aに備えられた図示しない吹出口から室内へ供給する。また、室内機5aの図示しない吸込口付近には、室内機5aの内部に流入する室内空気の温度、すなわち室内温度を検出する室内温度センサ61aが備えられている。
<冷媒回路10の動作>
次に、本実施形態の空気調和装置1が空調運転を行うときの冷媒回路10における冷媒の流れや各部の動作を、図1(A)を用いて説明する。尚、以下の説明では、室内機5a〜5cが暖房運転を行う場合について説明し、空気調和装置1が冷房運転を行う場合については詳細な説明を省略する。また、図1(A)における矢印は、冷媒回路10における暖房運転時の冷媒の流れを示している。
空気調和装置1が暖房運転を行う場合、四方弁22が図1(A)に実線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートdが連通するように、また、ポートbとポートcが連通するように切り換えられる。これにより、冷媒回路10が図1(A)に矢印で示す方向に冷媒が流れる状態となり、室外熱交換器23が蒸発器として機能するとともに、室内熱交換器51a〜51cがそれぞれ凝縮器として機能する暖房サイクルとなる。
上記のような冷媒回路10の状態で圧縮機21が起動すると、圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は吐出管41から四方弁22に流入し、四方弁22から室外機ガス管45を流れて室外機ガス分管45a〜45cに分流する。室外機ガス分管45a〜45cに分流した冷媒は、ガス側閉鎖弁28a〜28cを介してガス管9a〜9cに流入する。
ガス管9aを流れる冷媒は、室内機5aのガス管接続部53aを介して室内機5aに流入する。室内機5aに流入した冷媒は、室内機ガス管72aを流れて室内熱交換器51aに流入し、室内ファン54aの回転により室内機5aの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。また、ガス管9bを流れる冷媒は、室内機5bのガス管接続部53bを介して室内機5bに流入する。室内機5bに流入した冷媒は、室内機ガス管72bを流れて室内熱交換器51bに流入し、室内ファン54bの回転により室内機5bの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。そして、ガス管9cを流れる冷媒は、室内機5cのガス管接続部53cを介して室内機5cに流入する。室内機5cに流入した冷媒は、室内機ガス管72cを流れて室内熱交換器51cに流入し、室内ファン54cの回転により室内機5cの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。
このように、室内熱交換器51a〜51cがそれぞれ凝縮器として機能し、室内熱交換器51a〜51cで冷媒と熱交換を行った室内空気が図示しない室内機5a〜5cの吹出口から室内に吹き出されることによって、室内機5a〜5cが設置された各部屋の暖房が行われる。
室内熱交換器51aから流出した冷媒は室内機液管71aを流れ、液管接続部52aを介して液管8aに流出する。液管8aを流れる冷媒は、液側閉鎖弁27aを介して室外機2に流入し、液側閉鎖弁27aから室外機液分管44aに流入する。また、室内熱交換器51bから流出した冷媒は室内機液管71bを流れ、液管接続部52bを介して液管8bに流出する。液管8bを流れる冷媒は、液側閉鎖弁27bを介して室外機2に流入し、液側閉鎖弁27bから室外機液分管44bに流入する。そして、室内熱交換器51cから流出した冷媒は室内機液管71cを流れ、液管接続部52cを介して液管8cに流出する。液管8cを流れる冷媒は、液側閉鎖弁27cを介して室外機2に流入し、液側閉鎖弁27cから室外機液分管44cに流入する。
室外機液分管44a〜44cのそれぞれを流れる冷媒は、膨張弁24a〜24cによりそれぞれ減圧されて室外機液管44で合流する。室外機液管44で合流した冷媒は、室外機液管44を流れて室外熱交換器23に流入する。室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外ファン26の回転により室外機2の内部に取り込まれた外気と熱交換を行って蒸発する。
室外熱交換器23から冷媒配管43に流出した冷媒は、四方弁22、冷媒配管46、アキュムレータ28、吸入管42の順に流れ、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
尚、空気調和装置1が冷房運転を行う場合、CPU210は、四方弁22を破線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートbが連通するよう、また、ポートcとポートdが連通するように切り換える。これにより、冷媒回路100は、室外熱交換器23が凝縮器として機能するとともに室内熱交換器51a〜51cがそれぞれ蒸発器として機能する冷房サイクルとなる。
<室内機能力判定運転と起動時制御>
上記のように冷媒回路10を暖房サイクルとして空気調和装置1で暖房運転を開始するとき、運転する室内機が例えば能力の小さい室内機5aのみである場合は、凝縮器として機能する室内熱交換器51aにおける凝縮能力に比べて室外熱交換器23における蒸発能力が過剰となる。そして、室内熱交換器51aにおける凝縮能力に比べて室外熱交換器23における蒸発能力が過剰となる場合は、能力の大きい室内機(室内機5bや室内機5c)を1台運転する場合や、複数台の室内機を運転することで室内機側の能力が大きくなる場合と比べて、低圧(低圧センサ32で検出する圧力)が上昇しこれに伴って高圧(高圧センサ31で検出する圧力)も上昇する。
上記のような場合に、能力の大きい室内機(室内機5bや室内機5c)を1台運転する場合や、複数台の室内機を運転することで室内機側の能力が大きくなる場合と同じ起動時回転数で圧縮機21を起動すれば、高圧が過昇して圧縮機21の補償上限値を超える恐れがある。
そこで、本発明の空気調和装置1では、空気調和装置1の設置後に室外機2に接続されている室内機5a〜5cの能力を判定する室内機能力判定運転を実行し、暖房運転開始時に室内機能力判定運転で判定した運転する室内機5a〜5cの能力に応じて圧縮機21の起動時回転数を決定しこの回転数で暖房運転開始時の圧縮機21の回転数制御を行う起動時制御を実行する。
以下、図1に加えて図2〜図5を用いて、室内機能力判定運転と起動時制御について、詳細に説明する。
尚、以下の説明では、高圧センサ31で検出する高圧をPhs(単位:MPa、室内機5a〜5c個別に言及する必要がある場合は、Phsa〜Phscと記載)、室内機5a〜5cの能力を判定する際に使用する閾圧力をPth(単位:MPa)、圧縮機21の回転数をRs(単位:rps)、室内機5a〜5cの能力を判定する際に使用する圧縮機21の回転数である能力判定時回転数をRj(単位:rps)、能力の判定結果をAおよびB(A:小能力、B:大能力)、圧縮機21の起動時回転数パターンをRp、小能力Aのときに適用される起動時回転数パターンである小能力起動時パターンをRpa、大能力Bのときに適用される起動時回転数パターンである大能力起動時パターンをRpbとする。
ここで、能力判定時回転数Rjは、予め試験等を行って求められて室外機制御手段200の記憶部220に記憶されているものであり、室内機能力判定運転を実行する際に圧縮機21の高圧保護動作や低圧保護動作で圧縮機21が停止しないことが確認できている回転数である。また、起動時回転数パターンRpを構成する小能力起動時パターンをRpaと大能力起動時パターンRpbは、予め試験等を行って求められて室外機制御手段200の記憶部220に記憶されているものであり、いずれも起動時回転数パターンRpで圧縮機21を起動しても高圧過昇とならないことが確認できているものである。
まず、図2に示す起動時回転数パターン決定テーブル300について説明する。起動時回転数パターン決定テーブル300は、室外機制御手段200の記憶部220に記憶されているものであり、室内機能力判定運転を行った際の結果および運転状態(運転/停止)を室内機5a〜5c毎に記憶するとともに、暖房運転開始時に採用される起動時回転数パターンRpを記憶したものである。
具体的には、起動時回転数パターン決定テーブル300には、室内機5a〜5c毎に、検出高圧Phs/判定結果/起動時回転数パターンRp/運転状態がそれぞれ記憶されるとともに、1つの採用パターンが記憶されている。これらのうち、検出高圧Phsと判定結果と起動時回転数パターンRpが、以下に説明する室内機能力判定運転を実行することで決定される項目である。
室内機能力判定運転とは、空気調和装置1の設置後に室外機2に接続されている室内機5a〜5cのそれぞれの能力が小能力Aであるか大能力Bであるかを判定するために行われるものである。具体的には、冷媒回路10を暖房サイクルとしたうえで圧縮機21を予め定められて記憶部220に記憶されている能力判定時回転数Rjで駆動し、室内機5a〜5cを1台ずつ暖房運転したときに高圧センサ31で検出した高圧Phsと予め定められて記憶部220に記憶されている閾圧力Pthを比較して、室内機5a〜5cの能力が小能力Aであるか大能力Bであるかを判定する。尚、室内機能力判定運転のために室内機5a〜5cを暖房運転するとき、各室内ファン54a〜54cによる風量を、例えば「強」(弱→中→強)と変更できる場合)とする。
圧縮機21を能力判定時回転数Rjで駆動して室内機5a〜5cを1台ずつ暖房運転したときに検出する高圧Phsは、運転している室内機の能力が小さい程高い値となる。これは、凝縮器として機能する室内熱交換器における凝縮能力は、室内熱交換器の能力が小さい程小さくなり、室外機2の室外熱交換器23における蒸発能力に対して室内機の室内熱交換器における凝縮能力が小さい程低圧が上昇し、これに伴って高圧Phsも上昇するためである。
そこで、室内機能力判定運転では、上記のように圧縮機21を能力判定時回転数Rjで駆動して室内機5a〜5cを1台ずつ暖房運転したときの高圧Phsを高圧センサ31から取り込み、取り込んだ高圧Phsが閾圧力Pth未満である室内機は小能力Aと判定し、取り込んだ高圧Phsが閾圧力Pth以上である室内機は大能力Bと判定する。
図2では一例として、能力判定時回転数Rjを45rpsとして圧縮機21を駆動したときの、室内機5aのみ暖房運転したときに検出した高圧Phsaが2.5MPa、室内機5bのみ暖房運転したときに検出した高圧Phsbが3.5MPa、室内機5cのみ暖房運転したときに検出した高圧Phscが3.8MPaとそれぞれなっている。そして、閾圧力Pthを3.0MPaとして、室内機5aでは高圧Phsa:2.5MPa<閾圧力Pth:3.0MPaであるので小能力Aと判定され、室内機5bでは高圧Phsb:3.5MPa>閾圧力Pth:3.0MPaであるので大能力Bと判定され、室内機5cでは高圧Phsc:3.8MPa>閾圧力Pth:3.0MPaであるので大能力Bと判定されている。
尚、ここでは閾圧力Pthを3.0MPaとしているが、閾圧力Pthは室内機5a〜5cが設置される部屋の室内温度に応じて定められ、例えば、室内温度:20℃のときは閾圧力Pth:3.0PMa、室内温度:25℃のときは閾圧力Pth:3.2PMa、室内温度:15℃のときは閾圧力Pth:2.8PMaとされて、予め記憶部220に記憶されている。具体的には、室内温度センサ61a〜61cで検出する室内温度に応じて閾圧力Pthが選択される。このように、室内温度に応じて閾圧力Pthを選択することで、室内機5a〜5cの周囲環境の違いに左右されずに室内機5a〜5cのそれぞれの能力を正確に判定することができる。
そして、室内機5a〜5cの能力の判定結果に応じて、暖房運転時の起動時回転数パターンRpが選択される。この起動時回転数パターンRpは、図3に示すように、暖房運転開始時に運転する室内機が小能力Aである場合の小能力時起動パターンRpaと、運転する室内機が大能力Bである場合の大能力時起動パターンRpbの2つのパターンで構成される。尚、前述したように、小能力起動時パターンをRpaと大能力起動時パターンRpbは、予め記憶部220に記憶されている。
これら各起動時パターンは、圧縮機21の回転数Rsを3段階で上昇させるものである。具体的には、小能力時起動パターンRpaでは、まず回転数Rsを小能力時第1回転数Rpa1(一例として28rps)として一定時間Tp(一例として3分間)駆動し、次に回転数Rsを小能力時第2回転数Rpa2(一例として42rps)に上げて一定時間Tp駆動し、最後に回転数Rsを小能力時第3回転数Rpa3(一例として65rps)に上げて一定時間Tp駆動する。
また、大容量時起動パターンRpbでは、まず回転数Rsを大容量時第1回転数Rpb1(>小容量時第1回転数Rpa1。一例として30rps)として一定時間Tp駆動し、次に回転数Rsを大容量時第2回転数Rpb2(>小容量時第2回転数Rpa2。一例として53rps)に上げて一定時間Tp駆動し、最後に回転数Rsを大容量時第3回転数Rpb3(>小容量時第3回転数Rpa3。一例として82rps)に上げて一定時間Tp駆動する。
尚、図2では、一例として室内機5aが小容量Aと判定されているので、暖房運転開始時に室内機5aのみ運転する場合の起動時回転数パターンRpとして小容量時起動パターンRpaとされている。一方、室内機5bおよび室内機5cがそれぞれ大容量Bと判定されているので、暖房運転開始時に室内機5bのみあるいは室内機5cのみ運転する場合の起動時回転数パターンRpは大容量時起動パターンRpbとされている。
また、小能力時起動パターンRpaと大能力時起動パターンRpbにおいて、圧縮機21の回転数Rsを3段階で上昇させている理由は以下の通りである。暖房運転開始後に暖房能力を早く立ち上げるためには、起動時の圧縮機21の回転数を高くすることが望ましい。しかし、外気温度が低いなどの理由で圧縮機21の温度が低くて冷媒寝込みが発生している場合に高い回転数で圧縮機21を起動すると、冷凍機油の吐出量が多くなって圧縮機21で潤滑不良が起こる恐れがある。そこで、圧縮機21の温度が低い起動直後は低い回転数で起動し、圧縮機21の温度が高くなる(ことで冷媒寝込みが解消する)につれて回転数を上げていくことで、冷凍機油の吐出量を抑えつつ立ち上がりの早い運転とできる。
一方、起動時回転数パターン決定テーブル300に記憶されている項目のうち、運転状態と採用パターンは、暖房運転開始時に決定されるものである。まず、運転状態について説明する。空気調和装置1が暖房運転を開始するときは、暖房運転を要求する室内機5a〜5cの少なくとも1台から運転開始要求が出される。これにより、暖房運転を行う室内機と行わない室内機が特定できるので、暖房運転を行う室内機の運転状態が「運転」とされ、暖房運転を行わない室内機の運転状態が「停止」とされる。尚、図2では一例として、室内機5aのみが暖房運転を行う場合を示しており、室内機5aの運転状態が「運転」、室内機5b、5cの運転状態がそれぞれ「停止」となっている。
次に、採用パターンについて説明する。設置時に実行した室内機能力判定運転で室内機5a〜5cのそれぞれの能力と、室内機5a〜5cが暖房運転開始時に単独で運転する場合の起動時回転数パターンRpが判明しており、また、暖房運転開始時に室内機5a〜5cのうちどの室内機が暖房運転を行うかが判明している。そこで、これらの判定結果を使用して、暖房運転開始時に採用する起動時回転数パターンRpが決定される。
具体的には、暖房運転を行う室内機が小能力Aと判定された室内機のみである場合は、起動時回転数パターンRpとして小能力時起動パターンRpaが採用される。一方、暖房運転を行う室内機のうち少なくとも1台が大能力Bと判定されたもの(大能力Bと判定された室内機が1台だけ運転、あるいは、大能力Bを含む2台以上の室内機が運転する場合が該当)である場合は、起動時回転数パターンRpとして大能力時起動パターンRpbが採用される。尚、図2では、暖房運転を行うのが小能力Aと判定された室内機Aのみであるため、起動時回転数パターンRpとして小能力時起動パターンRpaが採用されている。
以上説明したように、本発明の空気調和装置1が暖房運転を開始するとき、空気調和装置1の設置時に実行する室内機能力判定運転で室内機5a〜5cの能力を判定しこの結果に応じて室内機5a〜5c毎に起動時回転数パターンRpを決定し、暖房運転開始時は暖房運転を行う室内機の能力に応じた起動時回転数パターンRpで圧縮機21の駆動制御を行う。このため、暖房運転を開始するときに室内機側の能力が小さい場合であっても、高圧Phsの過昇を抑制できる。
次に、図4を用いて、空気調和装置1の設置後に実行する室内機能力判定運転に関わる処理について、また、図5を用いて暖房運転開始時の起動時制御に関わる処理についてそれぞれ説明する。まずは、図4を用いて室内機能力判定運転に関わる処理について説明し、次に、図5を用いて起動時制御に関わる処理について説明する。尚、図4および図5において、STは処理のステップを表し、これに続く数字はステップ番号を表している。また、図4および図5では、本発明に関わる処理を中心に説明しており、これ以外の処理、例えば主に室外機2(の室外機制御手段200)が行う冷媒回路10の圧力や温度に関わる制御といった空気調和装置1の一般的な制御に関わる処理については説明を省略する。
<室内機能力判定運転>
空気調和装置1が設置された後、作業者が室外機2に設けられた図示しない操作部を操作して、あるいは、室内機5a〜5cの図示しないリモコンを操作して、室外機2に接続された室内機5a〜5cの室内機能力判定運転を指示する。室内機能力判定運転の指示を受けた室外機制御手段200のCPU210は、四方弁21を切り換えて冷媒回路10を図1(A)に示す状態、つまり、暖房サイクルとする(ST1)。
次に、CPU210は、圧縮機21を能力判定時回転数Rjで起動する(ST2)。次に、CPU210は、室内機5a〜5cのうち室内機5aのみ暖房運転を開始する(ST3)。具体的には、CPU210は、暖房運転を開始する旨を含む信号を通信部230を介して室内機5aに送信し、この信号を受信した室内機5aは、室内ファン54aを駆動する。
次に、CPU210は、センサ入力部240を介して高圧センサ31で検出した高圧Phsaを取り込む(ST4)。CPU210は、高圧Phsaを定期的(例えば、30秒毎)に取り込み、取り込んだ高圧Phsaを記憶部220に時系列で記憶する。
次に、CPU210は、高圧Phsaと閾圧力Pthを記憶部220から読み出して、高圧Phsaが閾圧力Pth未満であるか否かを判断する(ST5)。具体的には、CPU210は、例えば1分間つまり直近に取り込んで記憶した高圧Phsaとその一つ前に取り込んだ高圧Phsaの差が0.1MPa以内であれば、高圧Phsaが安定したと判断し、直近に取り込んで記憶した高圧Phsaと閾圧力Pthを比較する。
ST5において高圧Phsaが閾圧力Pth未満であれば(ST5−Yes)、CPU210は、室内機5aの能力は小能力Aと判定するとともに、室内機5aのみが暖房運転を開始するときの起動時回転数パターンRpを小能力起動時パターンRpaとし(ST6)、ST8に処理を進める。
一方、ST5において高圧Phsaが閾圧力Pth未満でなければ(ST5−No)、CPU210は、室内機5aの能力は大能力Bと判定するとともに、室内機5aのみが暖房運転を開始するときの起動時回転数パターンRpを大能力起動時パターンRpbとし(ST)、ST8に処理を進める。
尚、CPU210は、ST5で能力の判定に用いた高圧Phsaと、ST6もしくはST7で判定および決定した判定能力と起動時回転数パターンRpを、図2に示す起動時回転数パターン決定テーブル300の室内機5aに対応させて記憶する。
ST8以降、CPU210は、以上説明したST3〜ST7までと同じ処理を室内機5bについて実行し(ST8〜ST12が該当する処理)、その次にST3〜ST7までと同じ処理を室内機5cについて実行する(ST13〜ST17が該当する処理)。各室内機5b、5cについての処理は、室内機5aの場合と同じであるため、説明を省略する。尚、室内機5b、5cについても、能力の判定に用いた高圧Phsaと、判定および決定した判定能力と起動時回転数パターンRpを、図2に示す起動時回転数パターン決定テーブル300の室内機5bもしくは室内機5cに対応させて記憶する。
ST16もしくはST17の処理を終えたCPU210は、室内機能力判定運転に関わる処理を終了する。
<暖房運転開始時の起動時制御>
次に、図5を用いて、暖房運転時の起動時制御に関わる処理について説明する。使用者による空調運転開始指示があれば、CPU210は、使用者の運転指示が暖房運転指示であるか否かを判断する(ST21)。暖房運転指示でなければ(ST21−No)、CPU210は、冷房運転もしくは除湿運転の開始処理である冷房/除湿運転開始処理を実行する(ST31)。ここで、冷房/除湿運転開始処理とは、CPU210が四方弁22を操作して冷媒回路10を冷房サイクルとすることであり、空気調和装置1が停止している状態から冷房運転もしくは除湿運転を開始するとき、もしくは、暖房運転から冷房運転もしくは除湿運転に切り替えられる際に行われる処理である。
そして、CPU210は、圧縮機21や室外ファン26を所定の回転数で起動するとともに、冷房/除湿運転を行う室内機5a〜5cに対応する膨張弁24a〜24cを全開として冷房/除湿運転制御を開始し(ST32)、ST28に処理を進める。
ST21において、暖房運転指示であれば(ST21−Yes)、CPU210は、暖房運転開始処理を実行する(ST22)。ここで、暖房運転開始処理とは、CPU210が四方弁22を操作して冷媒回路10を図1(A)に示す状態、つまり、冷媒回路10を暖房サイクルとすることであり、空気調和装置1が停止している状態から暖房運転を開始するとき、もしくは、冷房運転もしくは除湿運転から暖房運転に切り替えられる際に行われる処理である。
次に、CPU210は、室内機5a〜5bのうち暖房運転を行う室内機を判定する(ST23)。室内機5a〜5cのうち暖房運転を要求する室内機から運転開始要求が出され、CPU210はこの運転開始要求を取り込んで暖房運転を行う室内機と行わない室内機を特定できる。そして、CPU210は、起動時回転数パターン決定テーブル300において、暖房運転を行う室内機の運転状態を「運転」、暖房運転を行わない室内機の運転状態を「停止」とする。
次に、CPU210は、起動時回転数パターンRpを決定する(ST24)。前述したように、CPU210は、起動時回転数決定テーブル300を参照し、暖房運転を行う室内機が小能力Aと判定されたもののみである場合は、起動時回転数パターンRpとして小能力時起動パターンRpaを選択し、暖房運転を行う室内機のうち少なくとも1台が大能力Bと判定されたものである場合は、起動時回転数パターンRpとして大能力時起動パターンRpbを選択する。そして、CPU210は、選択した起動時回転数パターンRpを起動時回転数パターン決定テーブル300の「採用パターン」に記憶する。
次に、CPU210は、ST24で決定した起動時回転数パターンRpに則って圧縮機21を起動して起動時制御を開始する(ST25)。具体的には、CPU210は、小能力時起動パターンRpaを採用しているのであれば、圧縮機21を小能力時第1回転数Rpa1で起動し、小能力時第1回転数Rpa1を一定時間tp維持した後、圧縮機21の回転数を小能力時第2回転数Rpa2に上昇させる。そして、小能力時第2回転数Ppa2を一定時間tp維持した後、圧縮機21の回転数を小能力時第3回転数Rpa3に上昇させる。
一方、CPU210は、大能力時起動パターンRpbを採用しているのであれば、圧縮機21を大能力時第1回転数Rpb1で起動し、大能力時第1回転数Rpb1を一定時間tp維持した後、圧縮機21の回転数を大能力時第2回転数Rpb2に上昇させる。そして、大能力時第2回転数Rpb2を一定時間tp維持した後、圧縮機21の回転数を大能力時第3回転数Rpb3に上昇させる。
次に、CPU210は、起動時制御を終了するか否かを判断する(ST26)。ここで、CPU210は、小能力時起動パターンRpaを採用して起動時制御を実行しているときに、圧縮機21の回転数Rsを小能力時第3回転数Rpa3としている時間が一定時間Tpとなれば、起動時制御を終了する。また、CPU210は、大能力時起動パターンRpbを採用して起動時制御を実行しているときに、圧縮機21の回転数Rsを大能力時第3回転数Rpb3としている時間が一定時間Tpとなれば、起動時制御を終了する。
ST26において起動時制御を終了しないのであれば(ST26−No)、CPU210は、ST26に処理を戻して起動時制御を継続する。一方、起動時制御を終了するのであれば(ST26−Yes)、CPU210は、暖房運転時の通常制御を実行する(ST27)。
ここで通常制御とは、圧縮機21の回転数を、暖房運転を行う室内機で設定された設定温度と当該室内機で検出された室内温度の温度差に応じて室内機から要求される能力に応じた回転数として圧縮機21を駆動することである。CPU210は、図3に示す時点t1、つまり、小能力時起動パターンRpaで圧縮機21の回転数を小能力時第3回転数Ppa3で維持する時間が一定時間tp経過した時点、あるいは、大能力時起動パターンRpbで圧縮機21の回転数を大能力時第3回転数Ppa3で維持する時間が一定時間tp経過した時点で、通常制御に移行する。
ST27もしくはST32の処理を終えたCPU210は、使用者による運転モード切替指示があるか否かを判断する(ST28)。ここで、運転モード切替指示とは、現在の運転(ここでは暖房運転)から別の運転(冷房運転あるいは除湿運転)への切替を指示するものである。運転モード切替指示がある場合は(ST28−Yes)、CPU210は、ST21に処理を戻す。運転モード切替指示がない場合は(ST28−No)、CPU210は、使用者による運転停止指示があるか否かを判断する(ST29)。ここで運転停止指示とは、全ての室内機5a〜5cが運転を停止することを示すものである。
運転停止指示があれば(ST29−Yes)、CPU210は、運転停止処理を実行し(ST30)、処理を終了する。運転停止処理では、CPU210は、圧縮機21や室外ファン26を停止するとともに膨張弁24a〜24cを全閉とする。また、CPU210は、室内機5a〜5cのうち運転していた室内機に対し通信部230を介して運転を停止する旨の運転停止信号を送信する。運転停止信号を受信した室内機5a〜5cは、各々の室内ファン54a〜54cを停止する。
ST29において運転停止指示がなければ(ST29−No)、CPU210は、現在の運転が暖房運転であるか否かを判断する(ST33)。現在の運転が暖房運転であれば(ST33−Yes)、CPU210は、ST27に処理を戻す。現在の運転が暖房運転でなければ(ST33−No)、つまり、現在の運転が冷房運転もしくは除湿運転であれば、CPU210は、ST32に処理を戻す。
以上説明したように、本発明の空気調和装置1では、空気調和装置1の設置後に室内機能力判定運転を実行して、室外機2に接続されている室内機5a〜5cの各能力を判定し、これら各室内機5a〜5cが暖房運転開始時に単独で運転される場合に適用する起動時回転数パターンRpを決定する。そして、暖房運転を開始するときは、室内機5a〜5cのうち暖房運転を行う室内機に対応する起動時回転数パターンRpで圧縮機21を駆動制御する。これにより、暖房運転を行う室内機の能力が小さい場合であっても、暖房運転開始時の高圧の過昇を抑制できる。
尚、以上説明した実施形態では、室外機2に3台の室内機5a〜5cが接続されている空気調和装置1を例に挙げて説明したが、室外機に室内機が1台のみ接続されている場合であっても、本発明を適用できる。但しこの場合は、暖房運転開始時は、室内機能力判定運転を実行して決定した起動時回転数パターンで圧縮機21を起動することとなる。
また、本実施形態では、図3に示す各起動時回転数パターンRpにおける各段階での圧縮機21の回転数を維持する一定時間tpが全て同じである場合を説明したが、空気調和装置1の動作環境に応じて各段階での圧縮機21の回転数を維持する時間を異ならせてもよい。例えば、外気温度が低いときの小能力時起動パターンRpaに採用時においては、小能力時第1回転数Rpa1に維持する時間<小能力時第2回転数Ppa2に維持する時間<小能力時第3回転数Ppa3に維持する時間、というように、回転数が高くなるにつれてその回転数を維持する時間を長くすることで、圧縮機21の温度が上昇して冷媒寝込みが解消されるので、圧縮機21の起動時に吐出される冷凍機油量を極力少なくすることができる。
さらには、本実施形態では、室内機能力判定運転を空気調和装置1の設置時に実行し、暖房運転開始時に暖房運転を行う室内機の能力に応じて起動時回転数パターンを決定する場合を説明したが、設置時に室外機2に接続される室内機の全ての運転パターン(本実施形態の場合、室内機5a〜5cのいずれかのみ運転、室内機5a〜5cのいずれか2台を同時に運転、室内機5a〜5c全てを同時に運転)について室内機側の能力を求めて起動時回転数パターンを決定しておいてもよい。
1 空気調和装置
2 室外機
5a~5c 室内機
21 圧縮機
23 室外熱交換器
24a〜24c 膨張弁
32 低圧センサ
51 室内熱交換器
200 室外機制御部
210 CPU
220 記憶部
240 センサ入力部
300 起動時回転数パターン決定テーブル
A 小能力
B 大能力
Phs(Phsa〜Phsc) 高圧
Pth 閾圧力
Rs 圧縮機回転数
Rpa 小能力起動時パターン
Rpb 大能力起動時パターン
Rpa1〜Rpa3 小能力起動時パターンにおける圧縮機回転数
Rpb1〜Rpb3 大能力起動時パターンにおける圧縮機回転数
Rj 能力判定時回転数
t 時間
t1 起動時制御−通常制御切り換え時点
tp 回転数維持時間

Claims (6)

  1. 圧縮機と同圧縮機から吐出された冷媒の圧力である高圧を検出する高圧検出手段を有する室外機と、室内機と、前記室外機と前記室内機を接続する液管およびガス管と、前記圧縮機を駆動制御する制御手段を有する空気調和装置であって、
    前記制御手段は、
    前記室内機の能力を判定する室内機能力判定運転を実行し、判定した前記室内機の能力に基づいて、前記圧縮機の起動時の回転数を制御して暖房運転を開始する、
    ことを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記室内機能力判定運転を実行する際の前記圧縮機の回転数である能力判定時回転数と、前記室内機能力判定運転を実行する際に使用する閾圧力を予め記憶しており、
    前記室内機能力判定運転では、前記圧縮機を能力判定時回転数で駆動して暖房運転を行って前記高圧検出手段で検出した高圧を取り込み、取り込んだ同高圧と前記閾圧力を比較した結果に基づいて、前記室内機の能力を判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記室内機の能力に応じて前記圧縮機の回転数を段階的に上昇させる起動時回転数パターンを予め記憶しており、
    前記空気調和装置で暖房運転を開始するとき、記憶した前記室内機の能力に対応する起動時回転数パターンで前記圧縮機の起動時の回転数を制御する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和装置。
  4. 圧縮機と同圧縮機から吐出された冷媒の圧力である高圧を検出する高圧検出手段を有する室外機と、複数台の室内機と、前記室外機と前記複数台の室内機を接続する複数の液管および複数のガス管で接続された冷媒回路と、前記圧縮機を駆動制御する制御手段を有する空気調和装置であって、
    前記制御手段は、
    前記複数台の室内機のそれぞれの能力を判定する室内機能力判定運転を実行し、判定した前記複数台のそれぞれの室内機の能力に基づいて、前記圧縮機の起動時の回転数を制御して暖房運転を開始する、
    ことを特徴とする空気調和装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記室内機能力判定運転を実行する際の前記圧縮機の回転数である能力判定時回転数と、前記室内機能力判定運転を実行する際に使用する閾圧力を予め記憶しており、
    前記室内機能力判定運転では、前記圧縮機を能力判定時回転数で駆動して前記複数台の室内機を1台ずつ暖房運転し、その都度前記高圧検出手段で検出した高圧を取り込み、取り込んだ同各高圧と前記閾圧力をそれぞれ比較した結果に基づいて、現在運転している室内機の能力を判定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の空気調和装置。
  6. 前記制御手段は、
    前記室内機の能力に応じて前記圧縮機の回転数を段階的に上昇させる起動時回転数パターンを予め記憶しており、
    前記空気調和装置で暖房運転を開始するとき、暖房運転を行う室内機の能力に対応する起動時回転数パターンで前記圧縮機の起動時の回転数を制御する、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の空気調和装置。
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