JP2019113246A - 空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】室内機での結露を防ぎつつ短時間で均圧が行える空気調和装置を提供する。【解決手段】空気調和装置1は、冷房運転時に圧縮機21を停止させたときに、まずは冷房運転を行っていた室内機に対応する膨張弁の開度を、圧縮機21を停止した時点から第1所定時間tp1の間、冷房運転時の開度に維持する。次に、第1所定時間tp1が経過した時点で、冷房運転を行っていた室内機に対応する膨張弁の開度を全開としこの状態を第2所定時間tp2が経過するまで維持する。そして、第2所定時間tp2が経過した時点で、停止している室内機に対応する膨張弁を開いてその開度を全開とする。【選択図】図2
Description
本発明は空気調和装置に関わり、特に圧縮機の停止後に実行される均圧処理に関する。
空気調和装置が冷房運転または暖房運転を行っているときに、運転中に室内機で検出する室内温度と設定温度との温度差が所定値、例えば1℃以下となってサーモオフとなれば、室外機に搭載されている圧縮機の運転を停止する。そして、圧縮機停止後に検出した室内温度と設定温度との温度差が上述した所定値より大きくなって室内機がサーモオンとなれば、圧縮機を再起動して冷房運転または暖房運転を再開する。
圧縮機を再起動する際に、圧縮機の吐出側(以降、高圧側と記載する場合がある)の冷媒圧力と吸入側(以降、低圧側と記載する場合がある)の冷媒圧力との圧力差が大きいと、圧縮機に過負荷が加わってスムーズに再起動できない場合がある。このような問題を解決するためには、高圧側と低圧側との圧力差が所定値、例えば0.2MPa以下となる(以降、均圧と記載する場合がある)まで待って圧縮機を再起動すればよいが、この均圧にかかる時間が短くなれば、圧縮機停止から短時間で圧縮機を再起動できる。
特許文献1には、室外機に複数台の室内機が接続されて、全ての室内機で暖房運転あるいは冷房運転が行える空気調和装置で、全ての室内機がサーモオフとなって圧縮機を停止した後の均圧方法が記載されている。具体的には、圧縮機が停止した後に、全ての室内機に対応する膨張弁の開度を一旦ある開度まで小さくし、所定時間経過後に全ての膨張弁の開度を全開とする。これにより、圧縮機停止から短時間で均圧が行えるので、圧縮機の再起動を短時間で行える。
ところで、特許文献1に記載の空気調和装置のように複数台の室内機を有するものでは、暖房運転中あるいは冷房運転中に停止している室内機が存在する場合がある。この場合、停止している室内機に対応する膨張弁は、暖房運転時は最小開度とされ、冷房運転時は全閉とされる。しかし、前述したように、圧縮機が停止した後の均圧時には、全ての膨張弁が開かれるので、運転を停止していた室内機にも均圧時に冷媒が流れ込む。そして、冷房運転時の均圧処理では、停止している室内機に室外熱交換器で凝縮した低温の冷媒が流れ込み、室内熱交換器やその周辺の筐体等が冷却されて、室内熱交換器やその周辺の筐体等に結露が発生する恐れがある。
特に、室外機と停止室内機とを接続する冷媒配管が短い場合は、冷媒配管が長い場合と比べて低温の冷媒が流入するため、室内熱交換器やその周辺の筐体等に結露が発生する可能性が高くなり、また,発生する結露の量も多くなる恐れがあった。
本発明は以上述べた問題点を解決するものであって、冷房運転を停止している室内機での結露の発生を抑制できる空気調和装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の空気調和装置は、複数台の室内機と、圧縮機と四方弁と室外熱交換器と複数台の室内機の台数に対応した数の膨張弁を有する室外機と、各膨張弁の開度を調整する制御手段とを有する。制御手段は、室外熱交換器を凝縮器として機能させて冷房運転を行っているときに、複数台の室内機のうち少なくとも1台の室内機が停止している場合は、当該停止している室内機に対応する膨張弁を閉じる。制御手段は、停止している室内機と運転している室内機が混在する状態から全ての室内機が停止する状態に移行したときは圧縮機を停止し、圧縮機を停止した時点から予め定められた第1所定時間が経過するまでは、圧縮機が停止するまで運転していた室内機に対応する膨張弁の開度を運転中の開度に維持し、第1所定時間が経過すれば、圧縮機が停止するまで運転していた室内機に対応する膨張弁の開度を運転中の開度より大きくする。そして、制御手段は、圧縮機を停止した時点から第1所定時間より長い予め定められた第2所定時間が経過するまでは、圧縮機が停止する前に停止していた室内機に対応する膨張弁が閉じた状態を維持し、第2所定時間が経過すれば、圧縮機が停止する前に停止していた室内機に対応する膨張弁を開く。
上記のように構成した本発明の空気調和装置は、圧縮機が停止するまで冷房運転を行っていた室内機に対応する膨張弁を先に開け、その後に圧縮機が停止する前に運転を停止していた室内機に対応する膨張弁を開ける。先に圧縮機が停止するまで冷房運転を行っていた室内機に対応する膨張弁を開けることによって高圧側と低圧側との圧力差を小さくしたうえで、圧縮機が停止する前に運転を停止していた室内機に対応する膨張弁を開ける。これにより、膨張弁を全開とした時に圧縮機が停止する前に運転を停止していた室内機に流入する冷媒量を低減できるので、当該室内機で結露が発生することを抑制できる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施形態としては、1台の室外機に3台の室内機が冷媒配管で並列に接続され、全ての室内機で同時に冷房運転あるいは暖房運転が行える空気調和装置を例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
<空気調和装置の構成>
図1(A)に示すように、本実施形態における空気調和装置1は、1台の室外機2と、3台の室内機5a〜5cとを有し、これらが3本の液管8aおよび3本のガス管9aで接続されている。
図1(A)に示すように、本実施形態における空気調和装置1は、1台の室外機2と、3台の室内機5a〜5cとを有し、これらが3本の液管8aおよび3本のガス管9aで接続されている。
具体的には、室内機5aの液管接続部52aと室外機2の液側閉鎖弁27aとが液管8aで接続されている。また、室内機5bの液管接続部52bと室外機2の液側閉鎖弁27bとが液管8bで接続されている。また、室内機5cの液管接続部52cと室外機2の液側閉鎖弁27cとが液管8cで接続されている。
また、室内機5aのガス管接続部53aと室外機2のガス側閉鎖弁28aとがガス管9aで接続されている。また、室内機5bのガス管接続部53bと室外機2のガス側閉鎖弁28bとがガス管9bで接続されている。また、室内機5cのガス管接続部53cと室外機2のガス側閉鎖弁28cとがガス管9cで接続されている。
以上のように、室外機2に室内機5a〜5cが液管8a〜8cおよびガス管9a〜9cでそれぞれ接続されて、空気調和装置1の冷媒回路10が構成されている。
<室外機の構成>
室外機2は、圧縮機21と、四方弁22と、室外熱交換器23と、3個の膨張弁24a〜24cと、アキュムレータ25と、室外ファン26と、3個の液側閉鎖弁27a〜27cと、3個のガス側閉鎖弁28a〜28cと、室外機制御手段200とを備えている。そして、室外ファン26および室外機制御手段200を除くこれら各装置が、以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路10の一部をなす室外機冷媒回路20を構成している。
室外機2は、圧縮機21と、四方弁22と、室外熱交換器23と、3個の膨張弁24a〜24cと、アキュムレータ25と、室外ファン26と、3個の液側閉鎖弁27a〜27cと、3個のガス側閉鎖弁28a〜28cと、室外機制御手段200とを備えている。そして、室外ファン26および室外機制御手段200を除くこれら各装置が、以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路10の一部をなす室外機冷媒回路20を構成している。
圧縮機21は、インバータにより回転数が制御される図示しないモータによって駆動されることで、運転能力を可変できる能力可変型圧縮機である。圧縮機21の冷媒吐出口と四方弁22のポートaとが吐出管41で接続されている。また、圧縮機21の冷媒吸入側とアキュムレータ25の冷媒流出側とが吸入管42で接続されている。
四方弁22は、冷媒の流れる方向を切り換えるための弁であり、a、b、c、dの4つのポートを備えている。上述したように、ポートaと圧縮機21の冷媒吐出口とが吐出管41で接続されている。ポートbと室外熱交換器23の一方の冷媒出入口とが冷媒配管43で接続されている。ポートcとアキュムレータ25の冷媒流入側とが冷媒配管46で接続されている。そして、ポートdには室外機ガス管45の一端が接続されている。
室外機ガス管45の他端には、3本の室外機ガス分管45a〜45cの各々の一端が接続されている。室外機ガス分管45aの他端はガス側閉鎖弁28aに接続されている。室外機ガス分管45bの他端はガス側閉鎖弁28bに接続されている。室外機ガス分管45cの他端はガス側閉鎖弁28cに接続されている。
室外熱交換器23は、室外ファン26の回転により図示しない吸込口から室外機2の内部に取り込まれた外気と冷媒を熱交換させる。上述したように、室外熱交換器23の一方の冷媒出入口と四方弁22のポートbとが冷媒配管43で接続されている。また、室外熱交換器23の他方の冷媒出入口には室外機液管44の一端が接続されている。室外熱交換器23は、冷媒回路10が冷房サイクルとなる場合は凝縮器として機能し、冷媒回路10が暖房サイクルとなる場合は蒸発器として機能する。
室外機液管44の他端には、3本の室外機液分管44a〜44cの各々の一端が接続されている。室外機液分管44aの他端は液側閉鎖弁27aに接続されている。室外機液分管44bの他端は液側閉鎖弁27bに接続されている。室外機液分管44cの他端は液側閉鎖弁27cに接続されている。
3個の膨張弁24a〜24cは、各々が図示しないパルスモータにより駆動される電子膨張弁であり、パルスモータに与えられるパルス数によって開度が調整される。膨張弁24aは室外機液分管44aに設けられる。膨張弁24bは室外機液分管44bに設けられる。膨張弁24cは室外機液分管44cに設けられる。膨張弁24a〜24cの開度は、各室内機5a~5cで要求される暖房能力や冷房能力に応じてそれぞれ調整される。尚、均圧制御時の膨張弁24a〜24cの開度の調整については、後述する。
アキュムレータ25は、上述したように、冷媒流入側と四方弁22のポートcとが冷媒配管46で接続され、冷媒流出側と圧縮機21の冷媒吸入口とが吸入管42で接続されている。アキュムレータ25は、流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離し、ガス冷媒のみを吸入管42を介して圧縮機21に吸入させる。
室外ファン26は、室外熱交換器23の近傍に配置される樹脂材で形成されたプロペラファンである。室外ファン26が図示しないファンモータによって回転することで、室外機2に設けられた図示しない吸込口から室外機2の内部に外気が取り込まれて室外熱交換器23へと流れ、室外熱交換器23を流れる冷媒と熱交換した外気が、室外機2に設けられた図示しない吹出口から室外機2の外部へ放出される。室外ファン26の回転数は、暖房運転時や冷房運転時は圧縮機21の回転数に応じた回転数とされる。
以上説明した構成の他に、室外機2には各種のセンサが設けられている。図1(A)に示すように、吐出管41には、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力を検出する高圧センサ31と、圧縮機21から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサ33が設けられている。冷媒配管46におけるアキュムレータ25の冷媒流入側近傍には、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力を検出する低圧センサ32と、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を検出する吸入温度センサ34が設けられている。
室外熱交換器23には、室外熱交換器23の温度を検出する室外熱交温度センサ35が設けられている。また、室外機2の図示しない吸込口付近には、室外機2の内部に流入する外気の温度、すなわち外気温度を検出する外気温度センサ38が設けられている。
室外機液分管44aにおける膨張弁24aと液側閉鎖弁27aの間には、室外機液分管44aを流れる冷媒の温度を検出する液側温度センサ36aが設けられている。室外機液分管44bにおける膨張弁24bと液側閉鎖弁27bの間には、室外機液分管44bを流れる冷媒の温度を検出する液側温度センサ36bが設けられている。室外機液分管44cにおける膨張弁24cと液側閉鎖弁27cの間には、室外機液分管44cを流れる冷媒の温度を検出する液側温度センサ36cが設けられている。
室外機ガス分管45aには、室外機ガス分管45aを流れる冷媒の温度を検出するガス側温度センサ37aが設けられている。室外機ガス分管45bには、室外機ガス分管45bを流れる冷媒の温度を検出するガス側温度センサ37bが設けられている。室外機ガス分管45cには、室外機ガス分管45cを流れる冷媒の温度を検出するガス側温度センサ37cが設けられている。
また、室外機2には、本発明の制御手段である室外機制御手段200が備えられている。室外機制御手段200は、室外機2の図示しない電装品箱に格納された制御基板に搭載されており、図1(B)に示すように、CPU210と、記憶部220と、通信部230と、センサ入力部240とを備えている。
記憶部220は、例えばフラッシュメモリで構成されており、室外機2の制御プログラムや各種センサからの検出信号に対応した検出値、圧縮機21や室外ファン26の駆動状態、室内機5a〜5cの各々から送信される運転情報(運転/停止情報、冷房/暖房等の運転モード、後述する室内機5a〜5cに備えられた室内熱交温度センサ62a〜62cの検出値、等を含む)等を記憶する。通信部230は、各室内機5a〜5cとの通信を行うインターフェイスである。センサ入力部240は、室外機2の各種センサでの検出結果を取り込んでCPU210に出力する。
CPU210は、センサ入力部240を介して各種センサでの検出値を定期的(例えば、30秒毎)に取り込むとともに、室内機5a〜5cから送信される運転情報を含む信号が通信部230を介して入力される。CPU210は、これら入力された各種情報に基づいて、膨張弁24a〜24cの開度調整、圧縮機21や室外ファン26の駆動制御を行う。
<各室内機の構成>
次に、室内機5a〜5cについて説明する。室内機5a〜5cは、室内熱交換器51a〜51cと、液管接続部52a〜52cと、ガス管接続部53a〜53cと、室内ファン54a〜54cを備えている。そして、室内ファン54a〜54cを除くこれら各構成装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路10の一部をなす室内機冷媒回路50a〜50cを構成している。
次に、室内機5a〜5cについて説明する。室内機5a〜5cは、室内熱交換器51a〜51cと、液管接続部52a〜52cと、ガス管接続部53a〜53cと、室内ファン54a〜54cを備えている。そして、室内ファン54a〜54cを除くこれら各構成装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路10の一部をなす室内機冷媒回路50a〜50cを構成している。
室内機5a〜5cは全て同じ構成を有するため、以下の説明では室内機5aについてのみ各構成の説明を行い、室内機5b、5cの各構成については説明を省略する。尚、図1(A)では、室内機5aの各構成装置に付与した各番号の末尾をaからbあるいはcにそれぞれ変更したものが、室内機5aの各構成装置と対応する室内機5b、5cの各構成装置となる。
室内熱交換器51aは、冷媒と、室内ファン54aの回転により室内機5aに備えられた図示しない吸込口から室内機5aの内部に取り込まれた室内空気を熱交換させるものである。室内熱交換器51aの一方の冷媒出入口と液管接続部52aとが室内機液管71aで接続されている。室内熱交換器51aの他方の冷媒出入口とガス管接続部53aとが室内機ガス管72aで接続されている。室内熱交換器51aは、室内機5aが冷房運転を行う場合は蒸発器として機能し、室内機5aが暖房運転を行う場合は凝縮器として機能する。尚、液管接続部52aやガス管接続部53aには、各冷媒配管が溶接やフレアナット等によって接続されている。
室内ファン54aは、室内熱交換器51aの近傍に配置される樹脂材で形成されたクロスフローファンであり、図示しないファンモータによって回転することで、図示しない吸込口から室内機5aの内部に室内空気が取り込まれ、室内熱交換器51aにおいて冷媒と熱交換した室内空気が、室内機5aに備えられた図示しない吹出口から室内へ供給される。室内ファン54aの回転数は、暖房運転時や冷房運転時は使用者の指示した風量に応じた回転数とされる。
以上説明した構成の他に、室内機5aには2つの温度センサが設けられている。室内機5aの図示しない吸込口付近には、室内機5aの内部に流入する室内空気の温度、すなわち室内温度を検出する室内温度センサ61aが備えられている。室内熱交換器51aには、室内熱交換器51aの温度(以降、室内熱交温度と記載する)を検出する室内熱交温度検出手段である室内熱交温度センサ62aが設けられている。
<冷媒回路10の動作>
次に、本実施形態の空気調和装置1が空調運転を行うときの冷媒回路10における冷媒の流れや各部の動作を、図1(A)を用いて説明する。尚、以下の説明では、まず、室内機5a〜5cが暖房運転を行う場合について説明し、次に、室内機5a〜5cが冷房運転を行う場合について説明する。尚、図1(A)における実線矢印は、冷媒回路10における暖房運転時の冷媒の流れを示している。また、図1(A)における破線矢印は、冷媒回路10における冷房運転時の冷媒の流れを示している。
次に、本実施形態の空気調和装置1が空調運転を行うときの冷媒回路10における冷媒の流れや各部の動作を、図1(A)を用いて説明する。尚、以下の説明では、まず、室内機5a〜5cが暖房運転を行う場合について説明し、次に、室内機5a〜5cが冷房運転を行う場合について説明する。尚、図1(A)における実線矢印は、冷媒回路10における暖房運転時の冷媒の流れを示している。また、図1(A)における破線矢印は、冷媒回路10における冷房運転時の冷媒の流れを示している。
<暖房運転>
空気調和装置1が暖房運転を行う場合、室外機制御手段200のCPU210は、四方弁22を図1(A)に実線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートdとが連通するように、また、ポートbとポートcとが連通するように切り換える。これにより、冷媒回路10が図1(A)に実線矢印で示す方向に冷媒が流れる状態となり、室外熱交換器23が蒸発器として機能するとともに、室内熱交換器51a〜51cがそれぞれ凝縮器として機能する暖房サイクルとなる。
空気調和装置1が暖房運転を行う場合、室外機制御手段200のCPU210は、四方弁22を図1(A)に実線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートdとが連通するように、また、ポートbとポートcとが連通するように切り換える。これにより、冷媒回路10が図1(A)に実線矢印で示す方向に冷媒が流れる状態となり、室外熱交換器23が蒸発器として機能するとともに、室内熱交換器51a〜51cがそれぞれ凝縮器として機能する暖房サイクルとなる。
冷媒回路10を暖房サイクルとした後、CPU210は、圧縮機21を起動しその回転数を各室内機5a〜5cで要求される暖房能力に応じた回転数とする。圧縮機21が駆動すると、圧縮機21から吐出された高圧の冷媒が吐出管41から四方弁22に流入し、四方弁22から室外機ガス管45を流れて室外機ガス分管45a〜45cに分流する。室外機ガス分管45a〜45cに分流した冷媒は、ガス側閉鎖弁28a〜28cを介してガス管9a〜9cに流入する。
ガス管9aを流れる冷媒は、室内機5aのガス管接続部53aを介して室内機5aに流入する。室内機5aに流入した冷媒は、室内機ガス管72aを流れて室内熱交換器51aに流入し、室内ファン54aの回転により室内機5aの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。また、ガス管9bを流れる冷媒は、室内機5bのガス管接続部53bを介して室内機5bに流入する。室内機5bに流入した冷媒は、室内機ガス管72bを流れて室内熱交換器51bに流入し、室内ファン54bの回転により室内機5bの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。そして、ガス管9cを流れる冷媒は、室内機5cのガス管接続部53cを介して室内機5cに流入する。室内機5cに流入した冷媒は、室内機ガス管72cを流れて室内熱交換器51cに流入し、室内ファン54cの回転により室内機5cの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。
このように、室内熱交換器51a〜51cがそれぞれ凝縮器として機能し、室内熱交換器51a〜51cで冷媒と熱交換を行った室内空気が図示しない室内機5a〜5cの吹出口から室内に吹き出されることによって、室内機5a〜5cが設置された各部屋の暖房が行われる。
室内熱交換器51aから流出した冷媒は室内機液管71aを流れ、液管接続部52aを介して液管8aに流出する。液管8aを流れる冷媒は、液側閉鎖弁27aを介して室外機2に流入し、液側閉鎖弁27aから室外機液分管44aに流入する。また、室内熱交換器51bから流出した冷媒は室内機液管71bを流れ、液管接続部52bを介して液管8bに流出する。液管8bを流れる冷媒は、液側閉鎖弁27bを介して室外機2に流入し、液側閉鎖弁27bから室外機液分管44bに流入する。また、室内熱交換器51cから流出した冷媒は室内機液管71cを流れ、液管接続部52cを介して液管8cに流出する。液管8cを流れる冷媒は、液側閉鎖弁27cを介して室外機2に流入し、液側閉鎖弁27cから室外機液分管44cに流入する。
室外機液分管44a〜44cを流れる冷媒は、CPU210によって各室内機5a〜5cで要求される暖房能力に応じた開度とされている膨張弁24a〜24cによりそれぞれ減圧されて室外機液管44で合流する。室外機液管44で合流した冷媒は、室外機液管44を流れて室外熱交換器23に流入する。室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外ファン26の回転により室外機2の内部に取り込まれた外気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器23から冷媒配管43に流出した冷媒は、四方弁22、冷媒配管46、アキュムレータ28、吸入管42の順に流れ、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
<冷房運転>
空気調和装置1が冷房運転を行う場合、CPU210は、四方弁22を図1(A)に破線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートbとが連通するように、また、ポートcとポートdとが連通するように切り換える。これにより、冷媒回路10が図1(A)に破線矢印で示す方向に冷媒が流れる状態となり、室外熱交換器23が凝縮器として機能するとともに、室内熱交換器51a〜51cがそれぞれ蒸発器として機能する冷房サイクルとなる。
空気調和装置1が冷房運転を行う場合、CPU210は、四方弁22を図1(A)に破線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートbとが連通するように、また、ポートcとポートdとが連通するように切り換える。これにより、冷媒回路10が図1(A)に破線矢印で示す方向に冷媒が流れる状態となり、室外熱交換器23が凝縮器として機能するとともに、室内熱交換器51a〜51cがそれぞれ蒸発器として機能する冷房サイクルとなる。
冷媒回路10を冷房サイクルとした後、CPU210は圧縮機21が起動しその回転数を各室内機5a〜5cで要求される冷房能力に応じた回転数とする。圧縮機21が駆動すると、圧縮機21から吐出された高圧の冷媒が吐出管41から四方弁22に流入し、四方弁22から冷媒配管43を流れて室外熱交換器23に流入する。室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外ファン26の回転により室外機2の内部に取り込まれた外気と熱交換を行って凝縮する。
室外熱交換器23から室外機液管44に流出した冷媒は、室外機液分管44a〜44cに分流する。室外機液分管44aに流入した冷媒は、CPU210によって室内機5aで要求される冷房能力に応じた開度とされている膨張弁24aを通過して減圧され、閉鎖弁27aを介して液管8aに流入する。室外機液分管44bに流入した冷媒は、CPU210によって室内機5bで要求される冷房能力に応じた開度とされている膨張弁24bを通過して減圧され、閉鎖弁27bを介して液管8bに流入する。室外機液分管44cに流入した冷媒は、CPU210によって室内機5cで要求される冷房能力に応じた開度とされている膨張弁24cを通過して減圧され、閉鎖弁27cを介して液管8cに流入する。
液管8aを流れる冷媒は、室内機5aの液管接続部52aを介して室内機5aに流入する。液管8bを流れる冷媒は、室内機5bの液管接続部52bを介して室内機5bに流入する。液管8cを流れる冷媒は、室内機5cの液管接続部52cを介して室内機5cに流入する。
室内機5aに流入した冷媒は、室内機液管71aを流れて室内熱交換器51aに流入し、室内ファン54aの回転により室内機5aの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って蒸発する。また、室内機5bに流入した冷媒は、室内機液管71bを流れて室内熱交換器51bに流入し、室内ファン54bの回転により室内機5bの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って蒸発する。また、室内機5cに流入した冷媒は、室内機液管71cを流れて室内熱交換器51cに流入し、室内ファン54cの回転により室内機5cの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って蒸発する。
このように、室内熱交換器51a〜51cがそれぞれ蒸発器として機能し、室内熱交換器51a〜51cで冷媒と熱交換を行った室内空気が図示しない室内機5a〜5cの吹出口から室内に吹き出されることによって、室内機5a〜5cが設置された各部屋の冷房が行われる。
室内熱交換器51aから流出した冷媒は室内機ガス管72aを流れ、ガス管接続部53aを介してガス管9aに流出する。ガス管9aを流れる冷媒は、ガス側閉鎖弁28aを介して室外機2に流入し、ガス側閉鎖弁28aから室外機ガス分管45aに流入する。また、室内熱交換器51bから流出した冷媒は室内機ガス管72bを流れ、ガス管接続部53bを介してガス管9bに流出する。ガス管9bを流れる冷媒は、ガス側閉鎖弁28bを介して室外機2に流入し、ガス側閉鎖弁28bから室外機ガス分管45bに流入する。そして、室内熱交換器51cから流出した冷媒は室内機ガス管72cを流れ、ガス管接続部53cを介してガス管9cに流出する。ガス管9cを流れる冷媒は、ガス側閉鎖弁28cを介して室外機2に流入し、ガス側閉鎖弁28cから室外機ガス分管45cに流入する。
室外機ガス分管45a〜45cを流れる冷媒は、室外機ガス管45で合流する。室外機ガス管45を流れる冷媒は、四方弁22、冷媒配管46、アキュムレータ28、吸入管42の順に流れ、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
<均圧制御>
次に、以上説明した空気調和装置1の冷房運転中に、運転している室内機と停止している室内機とが混在している状態から、全ての室内機5a〜5cがサーモオフとなって圧縮機21が停止したときに、室外機制御手段200のCPU210が、圧縮機21の吐出側の冷媒圧力と吸入側の冷媒圧力との圧力差を所定値、例えば0.2MPa以下とする均圧制御について、図2乃至図5を用いて説明する。尚、以下の説明では、図3に示すように、室内機5aおよび室内機5bが冷房運転を行うとともに、室内機5cが停止しているときに、室内機5aおよび室内機5bがともにサーモオフとなることで、室外機2の圧縮機21が停止された場合を例に挙げて説明する。
次に、以上説明した空気調和装置1の冷房運転中に、運転している室内機と停止している室内機とが混在している状態から、全ての室内機5a〜5cがサーモオフとなって圧縮機21が停止したときに、室外機制御手段200のCPU210が、圧縮機21の吐出側の冷媒圧力と吸入側の冷媒圧力との圧力差を所定値、例えば0.2MPa以下とする均圧制御について、図2乃至図5を用いて説明する。尚、以下の説明では、図3に示すように、室内機5aおよび室内機5bが冷房運転を行うとともに、室内機5cが停止しているときに、室内機5aおよび室内機5bがともにサーモオフとなることで、室外機2の圧縮機21が停止された場合を例に挙げて説明する。
図3に示すように、停止している室内機5cに対応する膨張弁24cは全閉とされている(図3では、全閉状態を黒塗りで表している)。また、冷房運転を行っている室内機5aと室内機5bとにそれぞれ対応する膨張弁24aと膨張弁24bとは、各々が室内機5aや室内機5bで要求される冷房能力に応じた開度とされている。尚、図3では、上記のように空気調和装置1が冷房運転を行っているときの冷媒回路10における冷媒の流れを矢印で示しているが、停止している室内機5cを除いて前述した冷房運転時の冷媒の流れや各部の動作と同じであるため、詳細な説明を省略する。
図2は、空気調和装置1が冷房運転を行っているときに、室内機5aと室内機5bとが運転し室内機5cが運転している状態から、室内機5aと室内機5bとがサーモオフとなって全ての室内機5a〜5cが運転を停止したときの、圧縮機21の停止後にCPU210が行う均圧制御に関する処理の流れを示すものである。図2においてSTはステップを表し、これに続く数字はステップ番号を表している。尚、図2では本発明に関わる処理を中心に説明しており、これ以外の処理、例えば、使用者の要求する冷房能力に応じた圧縮機21の回転数制御や、使用者が要求する風量に応じた室内ファン54a〜54cの回転数制御、などといった、空気調和装置1に関わる一般的な処理については説明を省略している。また、圧縮機21が停止してからの経過時間をt(単位:秒)としている。また、空気調和装置1が起動するまで、つまり、室内機5a〜5cが全て停止しているときは、各膨張弁24a〜24cの開度は全て全閉とされている。
まず、CPU210は、使用者の運転指示が冷房運転指示であるか否かを判断する(ST1)。冷房運転指示でなければ(ST1−No)、CPU210は、暖房運転の開始処理である暖房運転開始処理を実行する(ST13)。ここで、暖房運転開始処理とは、CPU210が四方弁22を操作して冷媒回路10を暖房サイクルとすることであり、空気調和装置1が停止している状態から暖房運転を開始するとき、もしくは、冷房運転から暖房運転に切り替えられる際に行われる処理である。
そして、CPU210は、暖房運転の制御を開始し(ST15)、ST11に処理を進める。具体的には、CPU210は、圧縮機21や室外ファン27を室内機5a〜5cで要求された暖房能力に応じた回転数で起動するとともに、膨張弁24a〜24cのそれぞれを室内機5a〜5cで要求された暖房能力に応じた開度とする。また、CPU210は、通信部230を介して室内機5a〜5cに対し室内ファン54a〜54cの駆動制御を行うよう指示する。
ST1において、冷房運転指示であれば(ST1−Yes)、CPU210は、冷房運転開始処理を実行する(ST2)。ここで、冷房運転開始処理とは、CPU210が四方弁22を操作して冷媒回路10を図1(A)に示す状態、つまり、冷媒回路10を冷房サイクルとすることであり、空気調和装置1が停止している状態から冷房運転を開始するとき、もしくは、暖房運転から冷房運転に切り替えられる際に行われる処理である。
次に、CPU210は、冷房運転制御を開始する(ST3)。具体的には、CPU210は、冷房運転を行う室内機5aと室内機5bからの要求能力に応じた回転数で圧縮機21や室外ファン26を起動する。また、CPU210は、冷房運転を行う室内機5aと室内機5bにそれぞれ対応する膨張弁24aと膨張弁24bの開度のそれぞれを、室内機5aや室内機5bで要求される冷房能力に応じた開度とする。また、冷房運転を停止する(行わない)室内機5cに対応する膨張弁24cは全閉のままとする。これにより、空気調和装置1の冷媒回路10が、図3に示す状態となる。
次に、CPU210は、冷房運転を行っている室内機5aと室内機5bとが両方ともサーモオフとなっているか否かを判断する(ST4)。具体的には、CPU210は、室内機5aや室内機5bからサーモオフとなったことを示す信号を通信部230を介して受信しているか否かで、室内機5aと室内機5bとが両方ともサーモオフとなっているか否かを判断する。
室内機5aと室内機5bとが両方ともサーモオフとなっていなければ(ST4−No)、つまり、室内機5aあるいは室内機5bのうちのいずれか一方が冷房運転を継続していれば、CPU210は、ST11に処理を進める。室内機5aと室内機5bとが両方ともサーモオフとなっていれば(ST4−Yes)、つまり、全ての室内機5a〜5cが運転停止となれば、CPU210は、圧縮機21を停止するとともに、タイマー計測を開始する(ST5)。尚、室内機5aと室内機5bとにそれぞれ対応する膨張弁24aと膨張弁24bと各々の開度は、冷房運転を行っていたときの開度が維持されている。
次に、CPU210は、ST5でタイマー計測を開始してから第1所定時間(以降、第1所定時間tp1と記載する)が経過したか否かを判断する(ST6)。CPU210は、第1所定時間tp1が経過していなければ(ST6−No)、ST6に処理を戻し、第1所定時間tp1が経過していれば(ST6−Yes)、冷房運転を行っている室内機5aと室内機5bにそれぞれ対応する膨張弁24aと膨張弁24bの開度のそれぞれを全開とする(ST7)。このとき、冷媒回路10は図4に示す状態となる。
ここで、第1所定時間tp1は、予め試験などを行って求められて記憶部220に記憶されているものであり、例えば、90秒である。膨張弁24aの開度を冷房運転時の開度に第1所定時間tp1の間維持することによって、第1所定時間tp1の間に膨張弁24aを1点鎖線の矢印で示すように冷媒が流れることで、膨張弁24aの室外熱交換器23側の冷媒圧力と、膨張弁24aの液側閉鎖弁27a側の冷媒圧力との圧力差が、圧縮機21が停止した時点での圧力差と比べて小さくなる。これにより、第1所定時間tp1の経過後に膨張弁24aを全開としたときに膨張弁24aを流れる冷媒により発生する冷媒音が、圧縮機21の停止後に直ちに膨張弁24aを全開とする場合と比べて小さい、予め試験などを行って求めた所定の大きさとなる、つまり、人が気にならない程度の冷媒音の大きさとなる。また、膨張弁24bの開度を冷房運転時の開度に第1所定時間tp1の間維持することによって、第1所定時間tp1の間に膨張弁24bを1点鎖線の矢印で示すように冷媒が流れることで、膨張弁24bの室外熱交換器23側の冷媒圧力と、膨張弁24bの液側閉鎖弁27b側の冷媒圧力との圧力差が、圧縮機21が停止した時点での圧力差と比べて小さくなる。これにより、第1所定時間tp1の経過後に膨張弁24bを全開としたときに膨張弁24bを流れる冷媒により発生する冷媒音が、圧縮機21の停止後に直ちに膨張弁24aを全開とする場合と比べて小さくなる。尚、膨張弁24aと膨張弁24bのそれぞれの開度を第1所定時間tp1が経過した後に全開とすることで、均圧に要する時間を短くできる。
ST7の処理を終えたCPU210は、ST5でタイマー計測を開始してから第1所定時間tp1より長い第2所定時間(以降、第2所定時間tp2と記載する)が経過したか否かを判断する(ST8)。CPU210は、第2所定時間tp2が経過していなければ(ST8−No)、ST8に処理を戻し、第2所定時間tp2が経過していれば(ST8−Yes)、冷房運転中も停止していた室内機5cに対応する膨張弁24cの開度を全開とする(ST9)。このとき、冷媒回路10は図5に示す状態となる。
ここで、第2所定時間tp2は、予め試験などを行って求められて記憶部220に記憶されているものであり、例えば、150秒である。圧縮機21が停止した時点から第2所定時間tp2が経過するまでの間に、前述したように膨張弁24aと膨張弁24bの開度が、それぞれ冷房運転時の開度から全開まで大きくされている。この場合、圧縮機21の吐出側の冷媒圧力と吸入側の冷媒圧力との圧力差が、第1所定時間tp1の経過時点での圧力差と比べて小さくなる。これにより、停止していた室内機5cに対応する膨張弁24cの開度を全開としても、膨張弁24cの室外熱交換器23側の冷媒圧力と液側閉鎖弁27c側の冷媒圧力との圧力差が小さく、図5に1点鎖線の矢印で示す室内機5cへと流入する冷媒量が、室内機5cの室内熱交換器51cやその周辺の図示しない筐体で発生する結露量をわずかな量に抑えることができる、予め試験などを行って求めた所定量となる。尚、膨張弁24cの開度を第2所定時間tp2が経過した後に全開とすることで、均圧に要する時間をさらに短くできる。
ST9の処理を終えたCPU210は、ST5でタイマー計測を開始してから第2所定時間tp2より長い第3所定時間(以降、第3所定時間tp3と記載する)が経過したか否かを判断する(ST10)。CPU210は、第3所定時間tp3が経過していなければ(ST10−No)、ST10に処理を戻し、第3所定時間tp3が経過していれば(ST10−Yes)、ST11に処理を進める。
ここで、第3所定時間tp3は、予め試験などを行って求められて記憶部220に記憶されているものであり、例えば、180秒である。圧縮機21が停止した時点から第2所定時間tp2が経過した時点で、全ての膨張弁24a〜24cが全開とされているので、第2所定時間tp2が経過した以降は、圧縮機21の吐出側の冷媒圧力と吸入側の冷媒圧力との圧力差が、第2所定時間tp2が経過する前と比べて早く小さくなる。そして、圧縮機21が停止した時点から第3所定時間tp3が経過すれば、圧縮機21の吐出側の冷媒圧力と吸入側の冷媒圧力との圧力差が、例えば0.2MPa以下となる、すなわち、冷媒回路10が均圧する。
ST10あるいはST15の処理を終えたCPU210は、使用者による運転モード切替指示があるか否かを判断する(ST11)。ここで、運転モード切替指示とは、現在の運転(冷房運転)から別の運転(暖房運転)への切替を指示するものである。運転モード切替指示がある場合は(ST11−Yes)、CPU210は、ST1に処理を戻す。運転モード切替指示がない場合は(ST11−No)、CPU210は、使用者による運転停止指示があるか否かを判断する(ST12)。運転停止指示とは、全ての室内機5a〜5cが運転を停止することを指示すものである。
運転停止指示があれば(ST12−Yes)、CPU210は、運転停止処理を実行し(ST13)、処理を終了する。運転停止処理では、CPU210は、圧縮機21や室外ファン26を停止するとともに膨張弁24a〜24cをそれぞれ全閉とする。また、CPU210は、室内機5a〜5cに対し通信部230を介して運転を停止する旨の運転停止信号を送信する。運転停止信号を通信部530a〜530cを介して受信した室内機5a〜5cは、室内ファン54a〜54cを停止する。
ST12において運転停止指示がなければ(ST12−No)、CPU210は、現在の運転が冷房運転であるか否かを判断する(ST16)。現在の運転が冷房運転でなければ(ST16−No)、つまり、現在の運転が暖房運転であれば、CPU210は、ST15に処理を戻す。現在の運転が冷房運転であれば(ST16−Yes)、CPU210は、室内機5a〜室内機5cのうちのいずれかがサーモオンとなったか否かを判断する(ST17)。具体的には、CPU210は、室内機5a〜室内機5cのうちのいずれかがサーモオンとなったことを示す信号を通信部230を介して受信しているか否かで、室内機5aあるいは室内機5bのうち少なくとも一方がサーモオンとなっているか否かを判断する。
室内機5a〜室内機5cのいずれもがサーモオンとなっていなければ(ST17−No),CPU210は、ST11に処理を戻す。室内機5a〜室内機5cのうちのいずれかがサーモオンとなっていれば(ST17−Yes)、CPU210は、圧縮機21を停止前の回転数で再起動するとともに、タイマーをリセットして(ST18)、ST3に処理を戻す。
以上説明したように、本発明の空気調和装置1は、冷房運転時に圧縮機21を停止させたときに、まずは冷房運転を行っていた室内機に対応する膨張弁の開度を、圧縮機21を停止した時点から第1所定時間tp1の間、冷房運転時の開度に維持する。次に、第1所定時間tp1が経過した時点で、冷房運転を行っていた室内機に対応する膨張弁の開度を全開としこの状態を第2所定時間tp2が経過するまで維持する。そして、第2所定時間tp2が経過した時点で、停止している室内機に対応する膨張弁を開いてその開度を全開とする。
停止している室内機に対応する膨張弁を全開とする第2所定時間tp2が経過した時点では、第2所定時間tp2が経過するまでに冷房運転を行っていた室内機に対応する膨張弁の開度が全開とされていることによって、圧縮機21の吐出側の冷媒圧力と吸入側の冷媒圧力との圧力差が小さくなっている。これにより、第2所定時間tp2が経過した時点で停止している室内機に対応する膨張弁を全開としても、停止している室内機に流入する冷媒量が僅かとなって、当該室内機で結露が発生することを抑制できる。また、第1所定時間tp1が経過した時点で運転している室内機5a、5bに対応する膨張弁24a、24bを全開とされ、第2所定時間tp2が経過した時点で停止している室内機5cに対応する膨張弁24cが全開とされるので、圧縮機21を停止してから、圧縮機21の吐出側の冷媒圧力と吸入側の冷媒圧力とが均圧するまでの時間が短くなる。
尚、以上説明した実施形態では、圧縮機21を停止してから第1所定時間tp1が経過すれば、運転していた室内機に対応する膨張弁の開度を全開とした。しかし、これに限られるものではなく、全開より小さくかつ運転時の開度より大きな開度としてもよい。つまり、圧縮機21を停止してから第2所定時間tp2が経過した時点で停止室内機に対応する膨張弁を開いたときに、当該室内機に流入する冷媒量を少なくできる程度の高圧側と低圧側との圧力差となる開度であればよい。
また、以上説明した実施形態では、圧縮機21を停止してから第2所定時間tp2が経過すれば、停止している室内機に対応する脳長弁の開度を全開とした。しかし、これに限られるものではなく、全開より小さい開度としてもよい。つまり、圧縮機21を停止してから第3所定時間tp3が経過した時点で、圧縮機21が再起動できる高圧側と低圧側との圧力差となる開度であればよい。尚、各膨張弁の開度を全開より小さい開度とする場合は、第2所定時間tp2が経過した時点から第3所定時間tp3が経過するまでの間に、各膨張弁の開度を大きくしてもよい。
1 空気調和装置
2 室外機
5a〜5c 室内機
21 圧縮機
22 四方弁
23 室外熱交換器
24a〜24c 膨張弁
51a〜51c 室内熱交換器
200 室外機制御部
210 CPU
220 記憶部
tp1 第1所定時間
tp2 第2所定時間
tp3 第3所定時間
2 室外機
5a〜5c 室内機
21 圧縮機
22 四方弁
23 室外熱交換器
24a〜24c 膨張弁
51a〜51c 室内熱交換器
200 室外機制御部
210 CPU
220 記憶部
tp1 第1所定時間
tp2 第2所定時間
tp3 第3所定時間
Claims (3)
- 複数台の室内機と、
圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、前記複数台の室内機の台数に対応した数の膨張弁を有する室外機と、
前記各膨張弁の開度を調整する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記室外熱交換器を凝縮器として機能させて冷房運転を行っているときに、前記複数台の室内機のうち少なくとも1台の室内機が停止している場合は、当該停止している室内機に対応する膨張弁を閉じ、
前記停止している室内機と運転している室内機が混在する状態から、全ての前記室内機が停止する状態に移行したとき、前記圧縮機を停止し、
前記圧縮機を停止した時点から予め定められた第1所定時間が経過するまでは、前記圧縮機が停止するまで運転していた室内機に対応する膨張弁の開度を運転中の開度に維持し、前記第1所定時間が経過すれば、前記圧縮機が停止するまで運転していた室内機に対応する膨張弁の開度を前記運転中の開度より大きくし、
前記圧縮機を停止した時点から前記第1所定時間より長い予め定められた第2所定時間が経過するまでは、前記圧縮機が停止する前に運転を停止していた室内機に対応する膨張弁が閉じた状態を維持し、前記第2所定時間が経過すれば、前記圧縮機が停止する前に運転を停止していた室内機に対応する膨張弁を開く、
ことを特徴とする空気調和装置。 - 前記制御手段は、
前記前記第2所定時間より長い予め定められた第3所定時間が経過するまでは、前記圧縮機が停止するまで運転していた室内機に対応する膨張弁の開度を、前記第1所定時間が経過した時点での開度に維持するとともに、前記圧縮機が停止する前に運転を停止していた室内機に対応する膨張弁の開度を前記第2所定時間が経過した時点での開度に維持する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。 - 前記第1所定時間は、前記圧縮機の冷媒吐出側と冷媒吸入側との圧力差が、前記圧縮機が停止するまで運転していた室内機に対応する膨張弁を全開としても、当該膨張弁を冷媒が流れる際に発生する冷媒音が所定の大きさとなる圧力差となるのに必要な時間であり、
前記第2所定時間は、前記圧縮機の冷媒吐出側と冷媒吸入側との圧力差が、前記圧縮機が停止する前に運転を停止していた室内機に対応する膨張弁を全開としても、当該室内機に流入する冷媒量が所定量となる圧力差となるのに必要な時間である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の空気調和装置。
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JP (1) | JP2019113246A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110553339A (zh) * | 2019-09-19 | 2019-12-10 | 宁波奥克斯电气股份有限公司 | 一种多联机空调防热聚集控制方法、装置及空调器 |
CN110567128A (zh) * | 2019-09-23 | 2019-12-13 | 宁波奥克斯电气股份有限公司 | 一种多联机空调及其控制方法 |
-
2017
- 2017-12-22 JP JP2017246798A patent/JP2019113246A/ja active Pending
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