JP2019020090A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換器において、冷媒回路を循環する冷媒とポンプにより送液される流体との間で熱交換が行われる冷凍装置であって、エネルギー消費を抑制した効率の良いシステムを実現可能な冷凍装置を提供する。
【解決手段】空気調和装置10は、冷媒が循環する冷媒回路50と、水回路510と、制御部430と、を備える。冷媒回路は、圧縮機110と、冷媒が内部を流れる熱源側熱交換器140及び利用側熱交換器310と、冷媒の圧力を降下させる膨張機構150,320とを含む。水回路には、熱源側熱交換器において冷媒と熱交換を行う水が、ポンプによって循環する。制御部は、空気調和装置の能力を確保しつつ、圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機の容量とポンプの容量とを調整する、調整制御を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷凍装置、特には熱交換器において冷媒回路を循環する冷媒とポンプにより送液される流体との間で熱交換が行われる冷凍装置に関する。
従来、特許文献1(国際公開第2015/114839号公報)のように、冷媒回路が有する熱交換器において、冷媒回路を循環する冷媒とポンプにより送液される流体との間で熱交換が行われる冷凍装置が知られている。
このような冷凍装置においてポンプにより送液される流体の流量を一定とすると、運転条件によっては流体の流量の過不足が生じる可能性がある。
これに対し、特許文献1(国際公開第2015/114839号公報)の冷凍装置では、熱交換器を通過する流体の入口−出口の温度差をモニタリングし、温度差が所定範囲に収まるように流体の流量を調整する弁の開度を自動調整することで、流体の流量を適正化することが開示されている。
しかし、特許文献1(国際公開第2015/114839号公報)の冷凍装置では、システムの主な動力機器である圧縮機及びポンプの消費エネルギー削減に着目した制御は特に行われておらず、効率化の観点から改善の余地がある。
本発明の課題は、冷媒回路が有する熱交換器において、冷媒回路を循環する冷媒とポンプにより送液される流体との間で熱交換が行われる冷凍装置であって、エネルギー消費を抑制した効率の良いシステムを実現可能な冷凍装置を提供することにある。
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、第1流体が循環する第1回路と、第2回路とを備える。第1回路は、圧縮機と、第1熱交換器及び第2熱交換器と、膨張機構と、を含む。圧縮機は、冷媒としての第1流体を圧縮する。第1熱交換器及び第2熱交換器には、第1流体が内部を流れる。膨張機構は、第1熱交換器から第2熱交換器へと、又は、第2熱交換器から第1熱交換器へと流れる第1流体の圧力を降下させる。第2回路には、第1熱交換器において第1流体と熱交換を行う第2流体が、ポンプによって循環する。冷凍装置は、更に制御部を備える。制御部は、冷凍装置の能力を確保しつつ、圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機の容量とポンプの容量とを調整する、調整制御を行う。
ここで、冷凍装置の能力とは、冷凍装置の制御対象(例えば、冷凍装置が空気調和装置であれば空調対象空間の空気、冷凍装置が給湯装置であれば温度調整対象の水)に対する冷却/加熱能力を意味する。また、ここでは、圧縮機の容量及びポンプの容量は、圧縮機及びポンプの能力を意味する。限定するものではないが、例えば、圧縮機の容量は、圧縮機のモータの回転数である。また、限定するものではないが、例えば、ポンプの容量は、ポンプから吐出される第2流体の流量である。
本冷凍装置では、冷凍装置の能力を確保しつつ、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計が低減されるように圧縮機及びポンプの容量が調整される。そのため、本冷凍装置では、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を実現できる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置であって、制御部は、調整制御の際、圧縮機の容量及びポンプの容量の調整の前後で第1熱交換器における第1流体と第2流体との間の熱交換量が維持されるように、圧縮機の容量及びポンプの容量を調整する。
ここでは、第1熱交換器における流体間の熱交換量を維持することで、冷凍装置の能力を確保しつつ、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を実現できる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置は、第1観点又は第2観点に係る冷凍装置であって、調整制御は、予測型調整制御を含む。制御部は、予測型調整制御の処理の一部として、ポンプの容量又は圧縮機の容量を変化させた場合の圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計の変化を演算し、演算結果に基づき圧縮機の容量及びポンプの容量の調整の実行/非実行を決定する。
ここでは、圧縮機又はポンプの容量を変化させた場合の圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計の変化を演算した上で、圧縮機及びポンプの容量の調整の実行/非実行を決定できる。つまり、ここでは、圧縮機又はポンプの容量を変化させることで消費エネルギーの合計が減ると予想される場合には圧縮機及びポンプの容量の調整を行い、逆に圧縮機又はポンプの容量を変化させることで消費エネルギーの合計が増えると予想される場合には圧縮機及びポンプの容量の調整を行なわないという決定をできる。そのため、本冷凍装置では、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を行うことが容易である。
本発明の第4観点に係る冷凍装置は、第3観点に係る冷凍装置であって、受付部を更に備える。受付部は、ポンプの消費エネルギーとポンプの吐出量との関係に関するポンプ特性情報を受け付ける。制御部は、圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計の変化を、ポンプ特性情報に基づいて導出する。
ここでは、現場毎にポンプが選定される場合であっても、ポンプの消費エネルギーと吐出量との関係をポンプ特性情報に基づいて把握し、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算し、これに基づいて圧縮機及びポンプの容量の調整の実行/非実行を決定することができる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置は、第3観点又は第4観点に係る冷凍装置であって、制御部は、ポンプの容量又は圧縮機の容量を変化させた場合の第1熱交換器における第1流体の凝縮温度又は蒸発温度を予測し、予測結果に基づいて、圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計の変化を演算する。
ここでは、ポンプの容量又は圧縮機の容量を変化させた場合の第1熱交換器における第1流体の予測凝縮温度又は予測蒸発温度に基づいて、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計の変化を演算できる。そのため、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算した上で、圧縮機及びポンプの容量の調整の実行/非実行を決定することができる。
本発明の第6観点に係る冷凍装置は、第3観点から第5観点のいずれかに係る冷凍装置であって、第1温度センサと、第2温度センサと、第3温度センサと、第4温度センサと、第1循環量算出部と、第2循環量算出部と、を更に備える。第1温度センサは、第1流体の第1熱交換器への入口における温度を計測する。第2温度センサは、第1流体の第1熱交換器からの出口における温度を計測する。第3温度センサは、第2流体の第1熱交換器への入口における温度を計測する。第4温度センサは、第2流体の第1熱交換器からの出口における温度を計測する。第1循環量算出部は、圧縮機の容量から、第1回路における第1流体の循環量を算出する。第2循環量算出部は、第1温度センサ、第2温度センサ、第3温度センサ、及び第4温度センサの計測結果と、第1循環量算出部の算出結果と、に基づいて、第2回路における第2流体の循環量を算出する。制御部は、圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計の変化を、第2循環量算出部が算出する第2流体の循環量に基づいて演算する。
ここでは、第2流体の流量を直接測定しない(できない)場合であっても、現在の第2流体の流量を把握し、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算した上で、圧縮機及びポンプの容量の調整の実行/非実行を決定できる。
本発明の第7観点に係る冷凍装置は、第1観点から第6観点のいずれかに係る冷凍装置であって、第1計測部と、第2計測部と、を更に備える。第1計測部は、圧縮機の消費エネルギーに関する量を計測する。第2計測部は、ポンプの消費エネルギーに関する量を計測する。調整制御は、実測型調整制御を含む。制御部は、実測型調整制御として、ポンプの容量又は圧縮機の容量を増加又は減少させる第1容量調整を行い、第1容量調整の実行後の第1計測部及び第2計測部による計測結果に基づき圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計が増加したか否かを判断し、増加していると判断された場合に、第1容量調整とは逆の第2容量調整を行う。
なお、第2容量調整は、例えば第1容量調整がポンプの容量を増加させる制御である場合には、ポンプの容量を減少させる制御であり、第1容量調整がポンプの容量を減少させる制御である場合には、ポンプの容量を増加させる制御である。また、第2容量調整は、例えば第1容量調整が圧縮機の容量を増加させる制御である場合には、圧縮機の容量を減少させる制御であり、第1容量調整が圧縮機の容量を減少させる制御である場合には、圧縮機の容量を増加させる制御である。
ここでは、調整制御としてポンプ又は圧縮機の容量を増減させた場合に、圧縮機及びポンプの実測された消費エネルギーの合計に基づいて実際に合計の消費エネルギーが減少したか否かが判断され、消費エネルギーが却って増加した場合にはポンプの容量に関し逆の調整が行われる。そのため、効率の高い運転を実現することが特に容易である。
本発明の第1観点に係る冷凍装置では、冷凍装置の能力を確保しつつ、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計が低減されるように圧縮機及びポンプの容量が調整される。そのため、本冷凍装置では、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を実現できる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置では、冷凍装置の能力を確保しつつ、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を実現できる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置では、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を行うことが容易である。
本発明の第4観点から第6観点に係る冷凍装置では、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算し、これに基づいて圧縮機及びポンプの容量の調整の実行/非実行を決定することができる。
本発明の第7観点に係る冷凍装置では、効率の高い運転を実現することが特に容易である。
本発明の冷凍装置の第1実施形態に係る空気調和装置を模式的に示すブロック図である。 図1の空気調和装置の冷媒回路を概略的に示した図である。 図1の空気調和装置において2台の利用ユニットが共に冷房運転を行う場合の、冷媒回路における冷媒の流れを説明するための図である。 図1の空気調和装置において2台の利用ユニットが共に暖房運転を行う場合の、冷媒回路における冷媒の流れを説明するための図である。 図1の空気調和装置において1台の利用ユニットが冷房運転を行い、他の1台の利用ユニットが暖房運転を行う場合であって、蒸発負荷が主体である時の、冷媒回路における冷媒の流れを説明するための図である。 図1の空気調和装置において1台の利用ユニットが冷房運転を行い、他の1台の利用ユニットが暖房運転を行う場合であって、放熱負荷が主体である時の、冷媒回路における冷媒の流れを説明するための図である。 図1の空気調和装置の水側ユニットのポンプの水量とポンプの消費エネルギー量との関係を概念的に示すグラフである。 図1の空気調和装置の水側ユニットのポンプの水量を変化させた場合の(a)冷凍サイクルにおける凝縮温度の変化(熱源側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する場合)及び(b)冷凍サイクルにおける蒸発温度の変化(熱源側熱交換器が冷媒の吸熱器(蒸発器)として機能する場合)を概念的に示すグラフである。 図1の空気調和装置の冷媒回路において凝縮温度/蒸発温度が変化する場合の圧縮機の消費エネルギー量の変化を概念的に示すグラフである。(a)は熱源側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する場合の凝縮温度の変化に対する圧縮機の消費エネルギー量の変化を、(b)は熱源側熱交換器が冷媒の吸熱器(蒸発器)として機能する場合の蒸発温度の変化に対する圧縮機の消費エネルギー量の変化を、概念的に示すグラフである。 図1の空気調和装置の制御ユニットによる調整制御(予測型調整制御)の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の冷凍装置の第2実施形態に係る空気調和装置を模式的に示すブロック図である。 図8の空気調和装置の冷媒回路を概略的に示した図である。 図8の空気調和装置の制御ユニットによる調整制御(実測型調整制御)の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の冷凍装置の第3実施形態に係るチラーの構成を模式的に示した図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る冷凍装置について説明する。なお、以下の実施形態及び変形例は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
<第1実施形態>
(1)全体構成
図1は、本発明に係る冷凍装置の一実施形態としての空気調和装置10の概略構成図である。図2は、空気調和装置10の概略の冷媒回路図である。
空気調和装置10は、蒸気圧縮方式の冷凍サイクル運転を行うことで、対象空間(例えばビルの室内等)を冷房/暖房する装置である。なお、本発明に係る冷凍装置は、空気調和装置に限定されるものではなく、冷蔵庫・冷凍庫や、給湯装置等であってもよい。
空気調和装置10は、主として、1台の熱源ユニット100と、複数の利用ユニット300(300A,300B)と、複数の接続ユニット200(200A,200B)と、冷媒連絡管32,34,36と、接続管42,44と、水側ユニット500と、制御ユニット400と、を備えている(図1参照)。接続ユニット200Aは、利用ユニット300Aへの冷媒の流れを切り換えるユニットである。接続ユニット200Bは、利用ユニット300Bへの冷媒の流れを切り換えるユニットである。冷媒連絡管32,34,36は、熱源ユニット100と接続ユニット200とを接続する冷媒配管である。冷媒連絡管32,34,36には、液冷媒連絡管32と、高低圧ガス冷媒連絡管34と、低圧ガス冷媒連絡管36とを含む。接続管42,44は、接続ユニット200と利用ユニット300とを接続する冷媒配管である。接続管42,44には、液接続管42及びガス接続管44を含む。熱源ユニット100と接続ユニット200とが冷媒連絡管32,34,36で接続され、接続ユニット200と利用ユニット300とが接続管42,44で接続されることで、冷媒回路50が構成される。制御ユニット400は、後述する熱源ユニット100の熱源ユニット制御部190、利用ユニット300の利用ユニット制御部390及び接続ユニット200の接続ユニット制御部290と協働して、空気調和装置10の動作を制御するユニットである。水側ユニット500は、熱源ユニット100が熱源として利用する水(後述する熱源ユニット100の熱源側熱交換器140において、冷媒回路50を循環する冷媒と熱交換を行う水)が循環する水回路510を有するユニットである。
なお、図1で示した熱源ユニット100、利用ユニット300及び接続ユニット200の台数は、例示であり、本発明を限定するものではない。例えば、熱源ユニット100の台数は複数であり、並列に接続されてもよい。また、熱源ユニット100が複数ある場合には、1つの水回路510に複数の熱源ユニット100が並列で接続されてもよいし、熱源ユニット100毎に水回路510が設けられてもよい。また、利用ユニット300及び接続ユニット200の台数は、1台であっても、3台以上(例えば10台以上の多数)であってもよい。また、ここでは、各利用ユニット300に対応して、個別に1台の接続ユニット200が設けられるが、これに限定されるものではなく、以下で説明する複数の接続ユニットが1台のユニットにまとめられていてもよい。
本空気調和装置10では、利用ユニット300のそれぞれが、他の利用ユニット300とは独立して冷房運転又は暖房運転を行うことが可能である。つまり、本空気調和装置10では、一部の利用ユニット(例えば利用ユニット300A)がその利用ユニットの空調対象空間を冷却する冷房運転を行っている時に、他の利用ユニット(例えば利用ユニット300B)がその利用ユニットの空調対象空間を加熱する暖房運転を行うことが可能である。本空気調和装置10では、暖房運転を行う利用ユニット300から冷房運転を行う利用ユニット300へと冷媒を送ることで、利用ユニット300間で熱回収を行うことが可能に構成されている。空気調和装置10では、上記の熱回収も考慮した利用ユニット300全体の熱負荷に応じて、熱源ユニット100の熱負荷をバランスさせるように構成されている。
(2)詳細構成
(2−1)熱源ユニット
熱源ユニット100について、図2を参照しながら説明する。
熱源ユニット100は、設置場所を限定するものではないが、空気調和装置10が設置されるビルの機械室(室内)に設置されている。ただし、熱源ユニット100は、屋外に設置されていてもよい。
本実施形態では、熱源ユニット100は、水を熱源として利用する。つまり、熱源ユニット100では、冷媒を加熱又は冷却するため、水回路510を循環する水との間で熱交換が行われる。
熱源ユニット100は、冷媒連絡管32,34,36、接続ユニット200、及び接続管42,44を介して利用ユニット300と接続され、利用ユニット300と共に冷媒回路50を構成している(図2参照)。空気調和装置10の運転時に、冷媒回路50内を冷媒が循環する。
なお、本実施形態で用いられ第1流体の一例としての冷媒は、冷媒回路50内において、液体の状態で周囲から熱を吸収して気体となり、気体の状態で周囲に熱を放出して液体となる物質である。例えば、冷媒は、種類を限定するものではないが、フルオロカーボン系の冷媒である。
熱源ユニット100は、図2のように、冷媒回路50の一部を構成する熱源側冷媒回路50aを主に有している。熱源側冷媒回路50aは、圧縮機110と、主熱交換器としての熱源側熱交換器140と、熱源側流量調節弁150とを含む。また、熱源側冷媒回路50aは、第1流路切換機構132と、第2流路切換機構134とを含む。また、熱源側冷媒回路50aは、油分離器122と、アキュムレータ124とを含む。また、熱源側冷媒回路50aは、レシーバ180と、ガス抜き管流量調節弁182とを含む。また、熱源側冷媒回路50aは、過冷却熱交換器170と、吸入戻し弁172とを含む。また、熱源側冷媒回路50aは、バイパス弁128を含む。また、熱源側冷媒回路50aは、液側閉鎖弁22と、高低圧ガス側閉鎖弁24と、低圧ガス側閉鎖弁26とを含む。
また、熱源ユニット100は、圧力センサP1,P2と、温度センサT1,T2,T3,T4,Tdと、熱源ユニット制御部190と、を有する(図2参照)。
以下では、熱源側冷媒回路50aの各種構成と、圧力センサP1,P2と、温度センサT1,T2,T3,T4,Tdと、熱源ユニット制御部190とについて更に説明する。
(2−1−1)熱源側冷媒回路
(2−1−1−1)圧縮機
圧縮機110は、冷媒を圧縮する機器である。タイプを限定するものではないが、圧縮機110は、例えばスクロール方式やロータリ方式などの容積式の圧縮機である。圧縮機110は、図示しない圧縮機用モータを内蔵する密閉式の構造を有する。圧縮機110は、圧縮機モータをインバータ制御することで運転容量を変更可能な圧縮機である。
圧縮機110の吸入口(図示省略)には、吸入配管110aが接続されている(図2参照)。圧縮機110は、吸入口を介して吸入した低圧の冷媒を圧縮した後、吐出口(図示省略)から吐出する。圧縮機110の吐出口には、吐出配管110bが接続されている(図2参照)。
(2−1−1−2)油分離器
油分離器122は、圧縮機110が吐出するガスから潤滑油を分離する機器である。油分離器122は、吐出配管110bに設けられている。油分離器122で分離された潤滑油は、キャピラリ126を介して圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)へと戻される(図2参照)。
(2−1−1−3)アキュムレータ
アキュムレータ124は、吸入配管110aに設けられる(図2参照)。アキュムレータ124は、圧縮機110に吸入される低圧の冷媒を一時的に貯留し気液分離するための容器である。アキュムレータ124の内部では、気液二相状態の冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離され、圧縮機110には主にガス冷媒が流入する。
(2−1−1−4)第1流路切換機構
第1流路切換機構132は、熱源側冷媒回路50aを流れる冷媒の流れ方向を切り替える機構である。第1流路切換機構132は、例えば、図2のように四路切換弁で構成されている。なお、第1流路切換機構132として用いられる四路切換弁では、1の冷媒流路の冷媒の流れが遮断されるように構成されており、事実上、三方弁として機能する。
熱源側熱交換器140を、熱源側冷媒回路50aを流れる冷媒の放熱器(凝縮器)として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」と呼ぶ場合がある)には、第1流路切換機構132は、圧縮機110の吐出側(吐出配管110b)と熱源側熱交換器140のガス側とを接続する(図2の第1流路切換機構132の実線を参照)。一方、熱源側熱交換器140を、熱源側冷媒回路50aを流れる冷媒の吸熱器(蒸発器)として機能させる場合(以下、「吸熱運転状態」と呼ぶ場合がある)には、第1流路切換機構132は、吸入配管110aと熱源側熱交換器140のガス側とを接続する(図2の第1流路切換機構132の破線を参照)。
(2−1−1−5)第2流路切換機構
第2流路切換機構134は、熱源側冷媒回路50aを流れる冷媒の流れ方向を切り替える機構である。第2流路切換機構134は、例えば、図2のように四路切換弁で構成されている。なお、第2流路切換機構134として用いられる四路切換弁では、1の冷媒流路の冷媒の流れが遮断されるように構成されており、事実上、三方弁として機能する。
圧縮機110から吐出された高圧のガス冷媒を高低圧ガス冷媒連絡管34へと送る場合(以下、「放熱負荷運転状態」と呼ぶ場合がある)には、第2流路切換機構134は、圧縮機110の吐出側(吐出配管110b)と高低圧ガス側閉鎖弁24とを接続する(図2の第2流路切換機構134の破線を参照)。一方、圧縮機110から吐出された高圧のガス冷媒を高低圧ガス冷媒連絡管34には送らない場合(以下、「蒸発負荷運転状態」と呼ぶ場合がある)には、第2流路切換機構134は、高低圧ガス側閉鎖弁24と圧縮機110の吸入配管110aとを接続する(図2の第2流路切換機構134の実線を参照)。
(2−1−1−6)熱源側熱交換器
第1熱交換器の一例としての熱源側熱交換器140では、内部を流れる冷媒と、内部を流れる熱源としての液流体(本実施形態では水回路510を循環する冷却水や温水)との間で熱交換が行われる。熱源側熱交換器140は、例えばプレート式熱交換器である。熱源側熱交換器140は、冷媒のガス側が第1流路切換機構132と配管を介して接続され、冷媒の液側が熱源側流量調節弁150と配管を介して接続されている(図2参照)。
(2−1−1−7)熱源側流量調節弁
熱源側流量調節弁150は、熱源側熱交換器140を流れる冷媒の流量の調節等を行う弁である。熱源側流量調節弁150は、熱源側熱交換器140から利用側熱交換器310へと、又は、利用側熱交換器310から熱源側熱交換器140へと流れる冷媒の圧力を降下させる膨張機構の一例である。
熱源側流量調節弁150は、熱源側熱交換器140の液側(熱源側熱交換器140と液側閉鎖弁22とを結ぶ配管)に設けられる(図2参照)。言い換えれば、熱源側流量調節弁150は、熱源側熱交換器140と利用ユニット300の利用側熱交換器310とを結ぶ配管に設けられる。熱源側流量調節弁150は、例えば開度調節が可能な(開度可変の)電動膨張弁である。
(2−1−1−8)レシーバ及びガス抜き管流量調節弁
レシーバ180は、熱源側熱交換器140と利用ユニット300との間を流れる冷媒を一時的に溜める容器である。レシーバ180は、熱源側熱交換器140の液側と利用ユニット300とを結ぶ配管の、熱源側流量調節弁150と液側閉鎖弁22との間に配置されている(図2参照)。レシーバ180の上部にはレシーバガス抜き管180aが接続されている(図2参照)。レシーバガス抜き管180aは、レシーバ180の上部と圧縮機110の吸入側とを結ぶ配管である。
レシーバガス抜き管180aには、レシーバ180からガス抜きされる冷媒の流量調節等を行うために、ガス抜き管流量調節弁182が設けられている。ガス抜き管流量調節弁182は、例えば開度調節が可能な電動膨張弁である。
(2−1−1−9)過冷却熱交換器及び吸入戻し流量調節弁
熱源側冷媒回路50aには、レシーバ180と液側閉鎖弁22とを結ぶ配管から分岐部B1において分岐し、圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に接続される吸入戻し管170aが設けられている(図2参照)。吸入戻し管170aには、吸入戻し弁172が設けられている(図2参照)。吸入戻し弁172は、開度調節が可能な電動膨張弁である。
また、レシーバ180と液側閉鎖弁22とを結ぶ配管であって、分岐部B1より液側閉鎖弁22側には、過冷却熱交換器170が設けられている。過冷却熱交換器170では、レシーバ180と液側閉鎖弁22とを結ぶ配管を流れる冷媒と、吸入戻し管170aを流れる冷媒との間で熱交換が行われ、レシーバ180と液側閉鎖弁22とを結ぶ配管を流れる冷媒が冷却される。過冷却熱交換器170は、例えば、二重管熱交換器である。
(2−1−1−10)バイパス弁
バイパス弁128は、圧縮機110の吐出配管110b(ここでは吐出配管110bに設けられた油分離器122)と圧縮機110の吸入配管110aとの間を接続するバイパス管128aに設けられる弁である(図2参照)。バイパス弁128は、開閉制御可能な電磁弁である。バイパス弁128が開くように制御されることで、圧縮機110が吐出した冷媒の一部が吸入配管110aへと流入する。
バイパス弁128の開閉は、空気調和装置10の運転状況に応じて適宜制御される。例えば、圧縮機モータをインバータ制御して圧縮機110の運転容量を低減してもなお能力が過剰な場合に、バイパス弁128を開くことで、冷媒回路50における冷媒の循環量を低減できる。また、バイパス弁128は、所定時に開くことで、圧縮機110の吸入側の過熱度を上昇させ、液圧縮を防止できる。
(2−1−1−11)液側閉鎖弁、高低圧ガス側閉鎖弁、及び低圧ガス側閉鎖弁
液側閉鎖弁22、高低圧ガス側閉鎖弁24、及び低圧ガス側閉鎖弁26は、冷媒の充填やポンプダウン等の際に開閉される手動の弁である。
液側閉鎖弁22は、一端が液冷媒連絡管32に接続され、他端がレシーバ180を介して熱源側流量調節弁150へと延びる冷媒配管に接続されている(図2参照)。
高低圧ガス側閉鎖弁24は、一端が高低圧ガス冷媒連絡管34に接続され、他端が第2流路切換機構134まで延びる冷媒配管に接続されている(図2参照)。
低圧ガス側閉鎖弁26は、一端が低圧ガス冷媒連絡管36に接続され、他端が吸入配管110aへと延びる冷媒配管に接続されている(図2参照)。
(2−1−2)圧力センサ
熱源ユニット100は、冷媒の圧力を測定するための複数の圧力センサを有する。圧力センサには、高圧圧力センサP1と、低圧圧力センサP2と、を含む。
高圧圧力センサP1は、吐出配管110bに配置される(図2参照)。高圧圧力センサP1は、圧縮機110から吐出される冷媒の圧力を測定する。つまり、高圧圧力センサP1は、冷凍サイクルにおける高圧の圧力を測定する。
低圧圧力センサP2は、吸入配管110aに配置される(図2参照)。低圧圧力センサP2は、圧縮機110に吸入される冷媒の圧力を測定する。つまり、低圧圧力センサP2は、冷凍サイクルにおける低圧の圧力を測定する。
(2−1−3)温度センサ
熱源ユニット100は、冷媒の温度を測定するための複数の温度センサを有する。
冷媒の温度を測定するための温度センサには、例えば、レシーバ180と液側閉鎖弁22とを接続する配管に設けられる液冷媒温度センサT1を含む(図2参照)。また、冷媒の温度を測定するための温度センサには、例えば、吸入配管110aの、アキュムレータ124よりも上流側に設けられる吸入冷媒温度センサT2を含む(図2参照)。また、冷媒の温度を測定するための温度センサには、例えば、圧縮機110の吐出配管110bに設けられる吐出温度センサTdを含む。また、冷媒の温度を測定するための温度センサには、例えば、吸入戻し管170aの冷媒の流れ方向において過冷却熱交換器170の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた図示されない温度センサを含む。
また、冷媒の温度を測定するための温度センサには、熱源側熱交換器140のガス側に設けられたガス側温度センサT3と、熱源側熱交換器140の液側に設けられた液側温度センサT4とを含む(図2参照)。熱源側熱交換器140が放熱器(凝縮器)として機能する時、ガス側温度センサT3は冷媒の熱源側熱交換器140への入口における温度を計測するセンサ(第1温度センサ)として機能し、液側温度センサT4は冷媒の熱源側熱交換器140からの出口における温度を計測するセンサ(第2温度センサ)として機能する。また、熱源側熱交換器140が吸熱器(蒸発器)として機能する時、液側温度センサT4は冷媒の熱源側熱交換器140への入口における温度を計測するセンサ(第1温度センサ)として機能し、ガス側温度センサT3は冷媒の熱源側熱交換器140からの出口における温度を計測するセンサ(第2温度センサ)として機能する。
(2−1−4)熱源ユニット制御部
熱源ユニット制御部190は、熱源ユニット100の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有している。熱源ユニット制御部190は、圧力センサP1,P2及び温度センサT1,T2,T3,T4,Tdを含む各種センサと電気的に接続されている。なお、図2では、熱源ユニット制御部190とセンサとの接続については描画を省略している。また、熱源ユニット制御部190は、接続ユニット200A,200Bの接続ユニット制御部290及び利用ユニット300A,300Bの利用ユニット制御部390と電気的に接続され、接続ユニット制御部290及び利用ユニット制御部390との間で制御信号等のやり取りを行う。また、熱源ユニット制御部190は、空気調和装置10の動作を制御する制御ユニット400と接続されている。熱源ユニット制御部190が各種センサから受信する信号(測定値を示す信号)は、熱源ユニット制御部190を介して制御ユニット400に対しても送信可能に構成される。なお、制御ユニット400は、利用ユニット300の各種センサと直接接続され、各種センサから制御ユニット400に対して直接送信されてくる信号を受信してもよい。
(2−2)利用ユニット
利用ユニット300Aについて、図2を参照しながら説明する。利用ユニット300Bは、利用ユニット300Aと同様の構成を有しているため、説明の重複を避けるために利用ユニット300Bの説明は省略する。
利用ユニット300Aは、例えば図1のように、ビル等の室内の天井に埋め込まれる天井埋め込み型のユニットである。ただし、利用ユニット300Aのタイプは、天井埋め込み型に限定されるものではなく、天井吊り下げ型、室内の壁面に設置される壁掛け型等であってもよい。また、利用ユニット300Aのタイプと、利用ユニット300Bのタイプとは同一でなくてもよい。
利用ユニット300Aは、接続管42,44、接続ユニット200A、及び冷媒連絡管32、34、36を介して熱源ユニット100に接続されている。利用ユニット300Aは、熱源ユニット100と共に冷媒回路50を構成している。
利用ユニット300Aは、冷媒回路50の一部を構成している利用側冷媒回路50bを有している。利用側冷媒回路50bは、主として、膨張機構の一例としての利用側流量調節弁320と、第2熱交換器の一例としての利用側熱交換器310とを有している。また、利用ユニット300Aは、温度センサと、利用ユニット制御部390と、を有している。
(2−2−1)利用側冷媒回路
(2−2−1−1)利用側流量調節弁
利用側流量調節弁320は、利用側熱交換器310を流れる冷媒の流量の調節等を行う弁である。利用側流量調節弁320は、熱源側熱交換器140から利用側熱交換器310へと、又は、利用側熱交換器310から熱源側熱交換器140へと流れる冷媒の圧力を降下させる膨張機構の一例である。利用側流量調節弁320は、利用側熱交換器310の液側に設けられる(図2参照)。利用側流量調節弁320は、例えば開度調節が可能な電動膨張弁である。
(2−2−1−2)利用側熱交換器
利用側熱交換器310では、内部を流れる冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。利用側熱交換器310は、例えば、複数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。なお、利用ユニット300Aは、利用ユニット300A内に室内空気を吸入して利用側熱交換器310に供給し、利用側熱交換器310で熱交換された後に室内に供給するための室内ファン(図示せず)を有している。室内ファンは、図示しない室内ファンモータによって駆動される。
(2−2−2)温度センサ
利用ユニット300Aは、冷媒の温度を測定するための複数の温度センサを有する。冷媒の温度を測定するための温度センサには、利用側熱交換器310の液側に配置され、利用側熱交換器310の液側の冷媒の温度を検出する液側温度センサを含む(図示省略)。また、冷媒の温度を測定するための温度センサには、利用側熱交換器310のガス側に配置され、利用側熱交換器310のガス側の冷媒の温度を検出するガス側温度センサ(図示省略)を含む。
また、利用ユニット300Aは、利用ユニット300Aの温度調節の対象の空間(空調対象空間)の室内の温度を測定するための、空間温度センサ(図示省略)を有する。
(2−2−3)利用ユニット制御部
利用ユニット300Aの利用ユニット制御部390は、利用ユニット300Aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有している。利用ユニット300Aの利用ユニット制御部390は、温度センサを含む各種センサと電気的に接続されている。また、利用ユニット300Aの利用ユニット制御部390は、熱源ユニット100の熱源ユニット制御部190及び接続ユニット200Aの接続ユニット制御部290と電気的に接続され、熱源ユニット制御部190と接続ユニット制御部290との間で制御信号等のやり取りを行う。また、利用ユニット制御部390は、空気調和装置10の動作を制御する制御ユニット400と接続されている。利用ユニット制御部390が各種センサから受信する信号(測定値を示す信号)は、利用ユニット制御部390を介して制御ユニット400に対しても送信可能に構成される。なお、制御ユニット400は、熱源ユニット100の各種センサと直接接続され、各種センサから制御ユニット400に対して直接送信されてくる信号を受信してもよい。
(2−3)接続ユニット
接続ユニット200Aについて、図2を参照しながら説明する。なお、接続ユニット200Bは、接続ユニット200Aと同様の構成を有しているため、説明の重複を避けるために接続ユニット200Bの説明は省略する。
接続ユニット200Aは、利用ユニット300Aと共に設置されている。例えば、接続ユニット200Aは、室内の天井裏の、利用ユニット300Aの近傍に設置されている。
接続ユニット200Aは、冷媒連絡管32,34,36を介して熱源ユニット100と接続されている。また、接続ユニット200Aは、接続管42,44を介して利用ユニット300Aと接続されている。接続ユニット200Aは、冷媒回路50の一部を構成している。接続ユニット200Aは、熱源ユニット100と利用ユニット300Aとの間に配設され、熱源ユニット100及び利用ユニット300Aへ流入する冷媒の流れを切り換える。
接続ユニット200Aは、冷媒回路50の一部を構成している接続側冷媒回路50cを有している。接続側冷媒回路50cは、主として、液冷媒配管250と、ガス冷媒配管260と、を有している。また、接続ユニット200Aは、接続ユニット制御部290と、を有している。
(2−3−1)接続側冷媒回路
(2−3−1−1)液冷媒配管
液冷媒配管250は、主液冷媒配管252と、分岐液冷媒配管254と、主に含む。
主液冷媒配管252は、液冷媒連絡管32と、液接続管42とを接続している。分岐液冷媒配管254は、主液冷媒配管252と、後述するガス冷媒配管260の低圧ガス冷媒配管264とを接続している。分岐液冷媒配管254には、分岐配管調節弁220が設けられている。分岐配管調節弁220は、例えば開度調節が可能な電動膨張弁である。また、主液冷媒配管252の、分岐液冷媒配管254が分岐する部分より液接続管42側には、過冷却熱交換器210が設けられている。利用ユニット300Aの利用側熱交換器310を液側からガス側に冷媒が流れる時に分岐配管調節弁220が開かれることで、過冷却熱交換器210では、主液冷媒配管252を流れる冷媒と、分岐液冷媒配管254を主液冷媒配管252側から低圧ガス冷媒配管264へと流れる冷媒との間で熱交換が行われ、主液冷媒配管252を流れる冷媒が冷却される。過冷却熱交換器210は、例えば、二重管熱交換器である。
(2−3−1−2)ガス冷媒配管
ガス冷媒配管260は、高低圧ガス冷媒配管262と、低圧ガス冷媒配管264と、合流ガス冷媒配管266と、を有している。高低圧ガス冷媒配管262は、一端が高低圧ガス冷媒連絡管34に、他端が合流ガス冷媒配管266に接続される。低圧ガス冷媒配管264は、一端が低圧ガス冷媒連絡管36に、他端が合流ガス冷媒配管266に接続される。合流ガス冷媒配管266の一端は、高低圧ガス冷媒配管262及び低圧ガス冷媒配管264と接続され、合流ガス冷媒配管266の他端は、ガス接続管44と接続される。高低圧ガス冷媒配管262には、高低圧側弁230が設けられている。低圧ガス冷媒配管264には、低圧側弁240が設けられている。高低圧側弁230及び低圧側弁240は、例えば電動弁である。
(2−3−2)接続ユニット制御部
接続ユニット制御部290は、接続ユニット200Aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有している。接続ユニット制御部290は、熱源ユニット100の熱源ユニット制御部190及び利用ユニット300Aの利用ユニット制御部390と電気的に接続され、熱源ユニット制御部190と利用ユニット制御部390との間で制御信号等のやり取りを行う。また、接続ユニット制御部290は、空気調和装置10の動作を制御する制御ユニット400と接続されている。
(2−3−3)接続ユニットによる冷媒の流路の切り換え
接続ユニット200Aは、利用ユニット300Aが冷房運転を行う際には、低圧側弁240を開けた状態にして、液冷媒連絡管32から主液冷媒配管252に流入する冷媒を、液接続管42を介して、利用ユニット300Aの利用側冷媒回路50bの利用側流量調節弁320を通じて利用側熱交換器310に送る。また、接続ユニット200Aは、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310において室内空気と熱交換して蒸発し、ガス接続管44へと流入した冷媒を、合流ガス冷媒配管266及び低圧ガス冷媒配管264を通じて、低圧ガス冷媒連絡管36へと送る。
また、接続ユニット200Aは、利用ユニット300Aが暖房運転を行う際には、低圧側弁240を閉じ、かつ、高低圧側弁230を開けた状態にして、高低圧ガス冷媒連絡管34を通じて高低圧ガス冷媒配管262に流入する冷媒を、合流ガス冷媒配管266及びガス接続管44を介して、利用ユニット300Aの利用側冷媒回路50bの利用側熱交換器310に送る。また、接続ユニット200Aは、利用側熱交換器310において室内空気と熱交換して放熱し、利用側流量調節弁320を通過して液接続管42へと流入した冷媒を、主液冷媒配管252を通じて、液冷媒連絡管32へと送る。
(2−4)水側ユニット
水側ユニット500は、熱源側熱交換器140において冷媒と熱交換を行う第2流体の一例としての水が循環する水回路510を主に有する。水回路510は、ポンプ520によって第2流体が循環する第2回路の一例である。なお、ここでは、第2流体は水であるが、第2流体は水に限定されるものではない。第2流体は、他の液体状の熱媒体(例えば、ブラインや、水和物スラリのような蓄熱媒体)であってもよい。
水回路510には、ポンプ520と、流量調節弁530とが配置されている(図1参照)。また、水回路510には、図示しない水を冷却/加熱するための機器(例えば、水を冷却する冷却塔や、水を冷却/加熱する熱交換器)等が設けられている。
また、水側ユニット500は、温度センサTwi,Twoを有する(図1及び図2参照)。
以下では、水回路510と、温度センサTwi,Twoと、について更に説明する。
(2−4−1)水回路
水回路510は、ポンプ520と、流量調節弁530と、熱源側熱交換器140(水側)と、図示しない水を冷却/加熱するための機器等を配管によって接続した回路である。
(2−4−1−1)ポンプ
ポンプ520は、送液装置である。ポンプ520が運転されることで、水回路510内を水が循環する。タイプを限定するものではないが、ポンプ520は、例えば渦巻きポンプなどの遠心式のポンプである。ポンプ520は、ポンプモータ(図示せず)をインバータ制御することで運転容量を変更可能なポンプである。
ポンプ520は、制御ユニット400と電気的に接続されている。制御ユニット400は、ポンプモータの運転/停止や回転数を制御する。
(2−4−1−2)水量調節弁
流量調節弁530は、水回路510を流れる水量の調節等を行う弁である。流量調節弁530は、水回路510内を水が流れる方向において、ポンプ520より下流側、かつ、熱源側熱交換器140より上流側に設けられる(図2参照)。ただし、これに限定されるものではなく、流量調節弁530は、水回路510内を水が流れる方向において、熱源側熱交換器140より下流流側、かつ、ポンプ520より上流側に設けられてもよい(図2参照)。流量調節弁530は、例えば開度調節が可能な(開度可変の)電動弁である。
流量調節弁530は、制御ユニット400と電気的に接続されている。制御ユニット400は、流量調節弁530の開閉や開度を制御する。
(2−4−2)温度センサ
水側ユニット500は、水の温度を測定するための複数の温度センサを有する。
水の温度を測定するための温度センサには、例えば、水の熱源側熱交換器140への入口における温度を計測する水入口温度センサTwiを含む。水入口温度センサTwiは、第3温度センサの一例である。また、水の温度を測定するための温度センサには、例えば、水の熱源側熱交換器140からの出口における温度を計測する水出口温度センサTwoを含む。水出口温度センサTwoは、第4温度センサの一例である。水入口温度センサTwi及び水出口温度センサTwoを含む水側ユニット500の温度センサは、制御ユニット400と電気的に接続されている。制御ユニット400は、水側ユニット500の送信されてくる信号(測定値)を受信する。
(2−5)制御ユニット
制御ユニット400は、主に、図示しないマイクロコンピュータやメモリから構成される制御装置である。制御ユニット400は、熱源ユニット100の熱源ユニット制御部190、利用ユニット300の利用ユニット制御部390及び接続ユニット200の接続ユニット制御部290と協働して、空気調和装置10の動作を制御する。なお、以下では、空気調和装置10の制御を行う制御ユニット400、熱源ユニット制御部190、利用ユニット制御部390及び接続ユニット制御部290をまとめて、空調コントローラと呼ぶ場合がある。
制御ユニット400は、空気調和装置10の動作の制御の1つとして、調整制御を行う機能を有する。調整制御は、空気調和装置10の能力を確保しつつ、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機110の容量とポンプ520の容量とを調整する制御である。ここで、空気調和装置10の能力とは、空気調和装置10の制御対象である空調対象空間の空気に対する冷却/加熱能力を意味する。また、ここでは、圧縮機110の容量及びポンプ520の容量とは、圧縮機110及びポンプ520の能力(例えばモータの回転数)を意味する。
なお、ここでは、制御ユニット400は、熱源ユニット制御部190、接続ユニット制御部290及び利用ユニット制御部390とは物理的に独立したユニットであるが、これに限定されるものではない。例えば、熱源ユニット制御部190が、ここで説明する制御ユニット400と同様の機能を有してもよい。
制御ユニット400は、制御ユニット400のメモリ等に記憶されたプログラムを、制御ユニット400のマイクロコンピュータが実行することで、熱源ユニット制御部190、接続ユニット制御部290及び利用ユニット制御部390と協働して空気調和装置10の動作を制御する。
空調コントローラ(つまり、制御ユニット400、熱源ユニット制御部190、接続ユニット制御部290及び利用ユニット制御部390)は、空気調和装置10の各種センサの測定値や、図示しない操作部(例えば、リモコン)に入力されるユーザの指令や設定に基づいて、熱源ユニット100、接続ユニット200、利用ユニット300及び水側ユニット500の各種構成機器の動作を制御する。空調コントローラの動作の制御対象の機器には、熱源ユニット100の圧縮機110、熱源側流量調節弁150、第1流路切換機構132、第2流路切換機構134、ガス抜き管流量調節弁182、吸入戻し弁172、及びバイパス弁128を含む。また、空調コントローラの動作の制御対象の機器には、利用ユニット300の利用側流量調節弁320及び室内ファンを含む。また、空調コントローラの動作の制御対象の機器には、接続ユニット200の分岐配管調節弁220、高低圧側弁230、及び低圧側弁240を含む。また、空調コントローラの動作の制御対象の機器には、水側ユニット500のポンプ520及び流量調節弁530を含む。
空気調和装置10の冷房運転時(利用ユニット300A,300Bの両方が冷房運転を行う時)、暖房運転時(利用ユニット300A,300Bの両方が暖房運転を行う時)、及び冷暖房同時運転時(一方の利用ユニット300が冷房運転を,他方の利用ユニット300が暖房運転を行う時)の、空調コントローラによる空気調和装置10の各種構成機器の制御の概要については、後ほど説明する。空調コントローラは、センサの計測値や設定温度等に基づいて、適切な運転条件が実現されるように(例えば、蒸発温度(冷房時)、凝縮温度(暖房時)、過冷却度、過熱度等の値のいずれか又は複数が目標値となるように)、圧縮機110の容量(回転数)を調節すると共に、熱源側流量調節弁150や利用側流量調節弁320等の弁の開度を調整する。
ここでは、制御ユニット400による、調整制御に関し、更に説明する。
制御ユニット400は、調整制御に関わる機能部として、操作部410、記憶部420、制御部430、及び算出部440を有する。制御ユニット400のマイクロコンピュータは、記憶部420に記憶された調整制御のためのプログラムを実行することで、制御部430及び算出部440として機能する。
(2−5−1)操作部
操作部410は、ユーザ等が制御ユニット400に対する各種指令や各種情報を入力する機器である。例えば、操作部410はタッチパネル式のディスプレイである。
操作部410は、受付部の一例であり、ポンプ520の消費エネルギーとポンプ520の吐出量との関係に関するポンプ特性情報を受け付ける。ポンプ特性情報には、例えば、ポンプ520の最大流量と、ポンプ520を最大流量で運転した時のポンプ520のモータの消費エネルギー(消費電力)とを含む。ただし、ポンプ特性情報は、このような情報に限定されるものではなく、例えば、ポンプ520の運転可能範囲内の任意の流量と、その流量で運転した時のポンプ520のモータの消費エネルギーとであってもよい。また、ポンプ特性情報は、ポンプ520の複数の任意の流量と、それぞれの流量で運転した時のポンプ520のモータの消費エネルギーとであってもよい。また、ポンプ特性情報は、ポンプ520の流量と消費エネルギーとの関係を表す式中のパラメータの値等であってもよい。
制御ユニット400がポンプ特性情報を受け付ける操作部410を有することで、ポンプ520の仕様が規格化されておらず、空気調和装置10の設置条件等に応じてポンプ520の仕様が決定される場合や、空気調和装置10の設置前から存在した既存のポンプがポンプ520として利用される場合でも、容易に調整制御を行うことができる。
なお、制御ユニット400は、操作部410に代えて、ユーザの使用する情報携帯端末(例えばスマートフォン)等から送信される各種指令や、ポンプ特性情報を含む各種情報を受信する通信部を受付部として有してもよい。
(2−5−2)記憶部
記憶部420には、制御ユニット400のマイクロコンピュータが後述する制御部430及び算出部440として機能するために実行するプログラムが記憶されている。
また、記憶部420には、操作部410から入力されたポンプ特性情報から制御ユニット400により導出される情報が記憶される。ポンプ特性情報から導出される情報は、図4のようなポンプ520の水量とポンプ520の消費エネルギー量との関係を示した情報である。ポンプ520の水量とポンプ520の消費エネルギー量との間には、一般に、水量が多くなると消費エネルギー量が増加するという関係がある。ポンプ特性情報から導出される情報は、例えば、水量とポンプ520の消費エネルギー量との関係を示した表であってもよいし、水量とポンプ520の消費エネルギー量との関係を示した数式であってもよい。
また、記憶部420には、図5(a)のような、水回路510における水の循環量(ポンプ520が吐出し、熱源側熱交換器140を通過する水量)と、凝縮温度(熱源側熱交換器140が冷媒の放熱器として機能する場合)との関係を示した情報が予め記憶されている。水回路510における水量と凝縮温度との間には、一般に、水量が多くなると凝縮温度が下がるという関係がある。また、記憶部420には、図5(b)のような、水回路510における水の循環量と、蒸発温度(熱源側熱交換器140が冷媒の蒸発器として機能する場合)との関係を示した情報が予め記憶されている。水回路510における水量と蒸発温度との間には、一般に、水量が多くなると蒸発温度が上がるという関係がある。なお、これらの情報は、例えば、表の形式であってもよいし、数式の形式であってもよい。また、熱源側熱交換器140に供給される冷却水や温水の温度が空気調和装置10の設置場所によって異なる可能性がある場合には、これらの情報は、冷却水や温水の温度別に設けられてもよい。
また、記憶部420には、図6(a)のような、熱源側熱交換器140における冷媒の凝縮温度と、圧縮機110の消費エネルギー量との関係を示した情報が予め記憶されている。凝縮温度と圧縮機110の消費エネルギー量との間には、一般には、凝縮温度が高くなると圧縮機110の消費エネルギー量が大きくなるという関係がある。また、記憶部420には、図6(b)のような、熱源側熱交換器140における冷媒の蒸発温度と、圧縮機110の消費エネルギー量との関係を示した情報が予め記憶されている。蒸発温度と圧縮機110の消費エネルギー量との間には、一般には、蒸発温度が高くなると圧縮機110の消費エネルギー量が下がるという関係がある。なお、これらの情報は、例えば、表の形式であってもよいし、数式の形式であってもよい。
また、記憶部420には、圧縮機110の容量(圧縮機モータの回転数)と、圧縮機110の消費エネルギーとの関係が記憶されている。
(2−5−3)制御部
制御部430は、主には調整制御を行う。つまり、制御部430は、主な機能として、空気調和装置10の能力を確保しつつ、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機110の容量とポンプ520の容量とを調整する制御を実行する。制御部430は、調整制御の際、圧縮機110の容量及びポンプ520の容量の調整の前後で熱源側熱交換器140における冷媒と水との間の熱交換量が維持されるように、圧縮機110の容量及びポンプ520の容量を調整する。
ここでは、制御部430は、調整制御として、予測型調整制御を実行する。
予測型調整制御は、ポンプ520の容量を変化させた場合の圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を事前に演算し、合計が減少すると演算される場合に、実際にポンプ520の容量を変化させる制御である(その結果、圧縮機110の容量も変化し、圧縮機110の容量とポンプ520の容量とが調整される)。
制御部430の実行する予測型調整制御の処理には、ポンプ520の容量を変化させた場合の圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を演算し、演算結果に基づき圧縮機110の容量及びポンプ520の容量の調整の実行/非実行を決定する処理を含む。
制御部430は、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を、操作部410が受け付けたポンプ特性情報に基づいて導出する。また、制御部430は、ポンプ520の容量又は圧縮機110の容量を変化させた場合の熱源側熱交換器140における冷媒の凝縮温度又は蒸発温度を予測し、予測結果に基づいて、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を演算する。また、制御部430は、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を、後述する水循環量算出部440bが算出する水の循環量(熱源側熱交換器140を通過している水量)に基づいて演算する。
制御部430の実行する処理の詳細については後述する。
(2−5−4)算出部
算出部440は、冷媒循環量算出部440aと、水循環量算出部440bと、を含む。冷媒循環量算出部440aは、第1循環量算出部の一例である。水循環量算出部440bは、第2循環量算出部の一例である。
(2−5−4−1)冷媒循環量算出部
冷媒循環量算出部440aは、圧縮機110の容量(回転数)に基づいて、冷媒回路50における冷媒の循環量(熱源側熱交換器140を通過する冷媒の流量)を算出する。冷媒循環量算出部440aは、例えば、記憶部420に記憶されている、圧縮機110の容量と膨張機構(熱源側流量調節弁150及び利用側流量調節弁320)の弁の開度と冷媒回路50における冷媒の循環量との関係に関する情報と、現在の圧縮機110の容量及び膨張機構としての流量調節弁150,320の開度と、に基づいて、冷媒回路50における冷媒の循環量を算出する。
(2−5−4−2)水循環量算出部
水循環量算出部440bは、熱源ユニット100のガス側温度センサT3及び液側温度センサT4、水入口温度センサTwi、及び水出口温度センサTwoの計測結果と、冷媒循環量算出部440aの算出結果と、に基づいて、水回路510における水の循環量((熱源側熱交換器140を通過する水の流量)を算出する。
水循環量算出部440bは、式(1)を用いて、水回路510における水の循環量を算出する。
Gw=Q÷(Cw×ΔTw)=(Gr×Δh)÷(Cw×ΔTw) (1)
なお、ここで、各記号は、以下の量を意味する。
Gw:水回路510の水量[kg/h]
Q:熱源側熱交換器140において冷媒と水との間で熱交換される熱量[J/h]
Cw:水の比熱[J/kg・K]
ΔTw:水入口温度センサTwiの計測結果から水出口温度センサTwoの計測結果を差し引いた、熱源側熱交換器140における水の入口と出口との温度差の絶対値[K]
Gr:冷媒循環量算出部440aにより算出される冷媒回路50における冷媒の循環量[kg/h]
Δh:ガス側温度センサT3及び液側温度センサT4の計測結果から求められる熱源側熱交換器140における冷媒の入口と出口との比エンタルピ差の絶対値[J/kg]
(3)空気調和装置の運転
利用ユニット300A及び利用ユニット300Bが共に冷房運転を行う場合、利用ユニット300A及び利用ユニット300Bが共に暖房運転を行う場合、利用ユニット300Aが冷房運転を利用ユニット300Bが暖房運転を行う場合の空気調和装置10の運転について以下に説明する。
まず、水側ユニット500のポンプ520及び流量調節弁530の動作の制御について説明する。
空調コントローラは、空気調和装置10の運転中、流量調節弁530の開度を常に全開に調節する。ただし、これに限定されるものではなく、流量調節弁530の開度は、全開以外の所定の開度に調節されてもよい。
また、空調コントローラは、空気調和装置10の運転が開始されると、ポンプ520を予め決定された所定容量(所定流量)で運転する。所定流量は、例えば、利用ユニット300A,300Bが共に冷房運転を行う場合、利用ユニット300A,300Bが共に暖房運転を行う場合、及び利用ユニット300Aが冷房運転を利用ユニット300Bが暖房運転を行う場合でそれぞれ変更されてもよいし、いずれの場合にも同じであってもよい。その後、空調コントローラ(特に制御部430)は、所定のタイミングで、調整制御を開始し、ポンプ520の容量(ポンプ520の吐出する水の量)を変更する。例えば、制御部430は、空気調和装置10の運転が安定した時点で(具体的には、例えば、圧縮機110の起動制御後、圧縮機110の容量(圧縮機モータの回転数)が一定の状態が所定時間以上続いた時点で)、調整制御を開始する。また、例えば、制御部430は、空気調和装置10の運転開始から所定時間が経過した時点で、調整制御を開始してもよい。調整制御中のポンプ520の容量の制御については後述する。
以下では、冷媒回路50側の構成機器の動作について説明する。なお、ここで説明する空気調和装置10の動作は例示であって、利用ユニット300A,300Bが冷房/暖房という所望の機能を発揮可能な範囲で適宜変更されてもよい。
(3−1)運転される利用ユニットが全て冷房運転を行う場合
利用ユニット300A及び利用ユニット300Bが共に冷房運転を行う場合、つまり、利用ユニット300A及び利用ユニット300Bの利用側熱交換器310が冷媒の吸熱器(蒸発器)として機能し、熱源側熱交換器140が冷媒の放熱器(凝縮器)として機能する場合について説明する。
この時、制御ユニット400は、第1流路切換機構132を放熱運転状態(図2の第1流路切換機構132の実線で示された状態)に切り換えることで、熱源側熱交換器140を冷媒の放熱器として機能させる。また、制御ユニット400は、第2流路切換機構134を蒸発負荷運転状態(図2の第2流路切換機構134の実線で示された状態)に切り換えている。また、制御ユニット400は、熱源側流量調節弁150及び吸入戻し弁172を適宜開度調節する。また、制御ユニット400は、ガス抜き管流量調節弁182を全閉状態に制御する。また、制御ユニット400は、接続ユニット200A,200Bにおいて、分岐配管調節弁220を閉状態にすると共に、高低圧側弁230及び低圧側弁240を開状態にし、利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310を冷媒の蒸発器として機能させる。制御ユニット400が高低圧側弁230及び低圧側弁240を開状態にすることで、利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310と熱源ユニット100の圧縮機110の吸入側とが高低圧ガス冷媒連絡管34及び低圧ガス冷媒連絡管36を介して接続された状態になる。また、制御ユニット400は、利用ユニット300A,300Bの利用側流量調節弁320のそれぞれを適宜開度調節する。
上記のように制御ユニット400が空気調和装置10の各部を動作させることによって、冷媒回路50内には、図3Aに矢印で示しているように冷媒が循環する。
つまり、圧縮機110で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、第1流路切換機構132を通じて、熱源側熱交換器140に送られる。熱源側熱交換器140に送られた高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器140において熱源としての水と熱交換を行うことによって放熱し、凝縮する。そして、熱源側熱交換器140において放熱した冷媒は、熱源側流量調節弁150において流量調節された後、レシーバ180に送られる。レシーバ180に送られた冷媒は、レシーバ180内に一時的に溜められた後に流出し、その一部は分岐部B1から吸入戻し管170aに流れ、残りは液冷媒連絡管32に向かって流れる。レシーバ180から液冷媒連絡管32へと流れる冷媒は、過冷却熱交換器170で吸入戻し管170aを圧縮機110の吸入配管110aに向かって流れる冷媒と熱交換して冷却された後に、液側閉鎖弁22を通って液冷媒連絡管32へと流入する。液冷媒連絡管32に送られた冷媒は、2方に分かれて、各接続ユニット200A,200Bの主液冷媒配管252に送られる。接続ユニット200A,200Bの主液冷媒配管252に送られた冷媒は、それぞれ、液接続管42を通って、利用ユニット300A,300Bの利用側流量調節弁320に送られる。利用側流量調節弁320に送られた冷媒は、利用側流量調節弁320において流量調節された後、利用側熱交換器310において、図示しない室内ファンによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給される。利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310から流出する低圧のガス冷媒は、それぞれ、接続ユニット200A,200Bの合流ガス冷媒配管266に送られる。合流ガス冷媒配管266に送られた低圧のガス冷媒は、高低圧ガス冷媒配管262を通じて高低圧ガス冷媒連絡管34に、低圧ガス冷媒配管264を通じて低圧ガス冷媒連絡管36に送られる。そして、高低圧ガス冷媒連絡管34に送られた低圧のガス冷媒は、高低圧ガス側閉鎖弁24及び第2流路切換機構134を通じて圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に戻される。低圧ガス冷媒連絡管36に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁26を通じて圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に戻される。
(3−2)運転される利用ユニットが全て暖房運転を行う場合
利用ユニット300A及び利用ユニット300Bが共に暖房運転を行う場合、つまり、利用ユニット300A及び利用ユニット300Bの利用側熱交換器310が冷媒の放熱器(凝縮器)として機能し、熱源側熱交換器140が冷媒の吸熱器(蒸発器)として機能する場合について説明する。
この時、制御ユニット400は、第1流路切換機構132を蒸発運転状態(図2の第1流路切換機構132の破線で示された状態)に切り換えることで、熱源側熱交換器140を冷媒の吸熱器(蒸発器)として機能させる。また、制御ユニット400は、第2流路切換機構134を放熱負荷運転状態(図2の第2流路切換機構134の破線で示された状態)に切り換えている。また、制御ユニット400は、熱源側流量調節弁150を適宜開度調節する。また、制御ユニット400は、接続ユニット200A,200Bにおいて、分岐配管調節弁220及び低圧側弁240を閉状態にし、高低圧側弁230を開状態にし、利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310を冷媒の放熱器(凝縮器)として機能させる。制御ユニット400が高低圧側弁230を開状態にすることで、圧縮機110の吐出側と利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310とが高低圧ガス冷媒連絡管34を介して接続された状態となる。また、制御ユニット400は、利用ユニット300A,300Bの利用側流量調節弁320のそれぞれを適宜開度調節する。
上記のように制御ユニット400が空気調和装置10の各部を動作させることによって、冷媒回路50内には、図3Bに矢印で示しているように冷媒が循環する。
つまり、圧縮機110で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、第2流路切換機構134及び高低圧ガス側閉鎖弁24を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管34に送られる。高低圧ガス冷媒連絡管34に送られた高圧のガス冷媒は、分岐して各接続ユニット200A,200Bの高低圧ガス冷媒配管262に流入する。高低圧ガス冷媒配管262に流入した高圧のガス冷媒は、高低圧側弁230、合流ガス冷媒配管266及びガス接続管44を通じて、利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310に送られる。利用側熱交換器310に送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器310において、室内ファンによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱し、凝縮する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給される。利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310において放熱した冷媒は、利用ユニット300A,300Bの利用側流量調節弁320において流量調節された後、液接続管42を通じて、接続ユニット200A,200Bの主液冷媒配管252に送られる。主液冷媒配管252に送られた冷媒は、液冷媒連絡管32に送られ、液側閉鎖弁22を通じて、レシーバ180に送られる。レシーバ180に送られた冷媒は、レシーバ180内に一時的に溜められた後に流出し、熱源側流量調節弁150に送られる。そして、熱源側流量調節弁150に送られた冷媒は、熱源側熱交換器140において、熱源としての水と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、第1流路切換機構132に送られる。そして、第1流路切換機構132に送られた低圧のガス冷媒は、圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に戻される。
(3−3)冷房/暖房同時運転が行われる場合
(a)蒸発負荷が主体の場合
冷暖同時運転の運転であって、かつ、利用ユニット300の蒸発負荷の方が多い場合について、空気調和装置10の運転を説明する。利用ユニット300の蒸発負荷の方が多い場合とは、例えば、多数ある利用ユニットの大部分が冷房運転を行い、少数が暖房運転を行っているような場合に発生する。ここでは、利用ユニット300が2台しかなく、その利用側熱交換器310が冷媒の蒸発器として機能する利用ユニット300Aの冷房負荷が、その利用側熱交換器310が冷媒の放熱器として機能する利用ユニット300Bの暖房負荷よりも大きい場合を例にして以下の説明を行う。
この時、制御ユニット400は、第1流路切換機構132を放熱運転状態(図2の第1流路切換機構132の実線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器140を冷媒の放熱器として機能させる。また、制御ユニット400は、第2流路切換機構134を放熱負荷運転状態(図2の第2流路切換機構134の破線で示された状態)に切り換えている。また、制御ユニット400は、熱源側流量調節弁150及び吸入戻し弁172を適宜開度調節する。また、制御ユニット400は、ガス抜き管流量調節弁182を全閉状態に制御する。また、制御ユニット400は、接続ユニット200Aにおいて、分岐配管調節弁220及び高低圧側弁230を閉状態にすると共に、低圧側弁240を開状態にし、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310を冷媒の蒸発器として機能させる。また、制御ユニット400は、接続ユニット200Bにおいて、分岐配管調節弁220及び低圧側弁240を閉状態にすると共に、高低圧側弁230を開状態にし、利用ユニット300Bの利用側熱交換器310を冷媒の放熱器として機能させる。上記のように接続ユニット200Aの弁が制御されることで、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310と熱源ユニット100の圧縮機110の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管36を介して接続された状態になる。また、上記のように接続ユニット200Bの弁が制御されることで、熱源ユニット100の圧縮機110の吐出側と利用ユニット300Bの利用側熱交換器310とが高低圧ガス冷媒連絡管34を介して接続された状態になる。また、制御ユニット400は、利用ユニット300A,300Bの利用側流量調節弁320のそれぞれを適宜開度調節する。
上記のように制御ユニット400が空気調和装置10の各部を動作させることによって、冷媒回路50内には、図3Cに矢印で示しているように冷媒が循環する。
つまり、圧縮機110で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、その一部が、第2流路切換機構134及び高低圧ガス側閉鎖弁24を通じて高低圧ガス冷媒連絡管34に送られ、残りが、第1流路切換機構132を通じて熱源側熱交換器140に送られる。
高低圧ガス冷媒連絡管34に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット200Bの高低圧ガス冷媒配管262に送られる。高低圧ガス冷媒配管262に送られた高圧のガス冷媒は、高低圧側弁230及び合流ガス冷媒配管266を通じて、利用ユニット300Bの利用側熱交換器310に送られる。利用ユニット300Bの利用側熱交換器310に送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器310において、室内ファンによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱し、凝縮する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給される。利用ユニット300Bの利用側熱交換器310において放熱した冷媒は、利用ユニット300Bの利用側流量調節弁320において流量調節された後、接続ユニット200Bの主液冷媒配管252に送られる。接続ユニット200Bの主液冷媒配管252に送られた冷媒は、液冷媒連絡管32に送られる。
また、熱源側熱交換器140に送られた高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器140において、熱源としての水と熱交換を行うことによって放熱し、凝縮する。そして、熱源側熱交換器140において放熱した冷媒は、熱源側流量調節弁150において流量調節された後、レシーバ180に送られる。レシーバ180に送られた冷媒は、レシーバ180内に一時的に溜められた後に流出し、その一部は分岐部B1から吸入戻し管170aに流れ、残りは液冷媒連絡管32に向かって流れる。レシーバ180から液冷媒連絡管32へと流れる冷媒は、過冷却熱交換器170で吸入戻し管170aを圧縮機110の吸入配管110aに向かって流れる冷媒と熱交換して冷却された後に、液側閉鎖弁22を通って液冷媒連絡管32へと流入する。液側閉鎖弁22を通って液冷媒連絡管32へと流入する冷媒は、接続ユニット200Bの主液冷媒配管252から流入する冷媒と合流する。
液冷媒連絡管32の冷媒は、接続ユニット200Aの主液冷媒配管252に送られる。接続ユニット200Aの主液冷媒配管252に送られた冷媒は、利用ユニット300Aの利用側流量調節弁320に送られる。利用ユニット300Aの利用側流量調節弁320に送られた冷媒は、利用側流量調節弁320において流量調節された後、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310において、室内ファンによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給される。利用ユニット300Aの利用側熱交換器310から流出する低圧のガス冷媒は、接続ユニット200Aの合流ガス冷媒配管266に送られる。接続ユニット200Aの合流ガス冷媒配管266に送られた低圧のガス冷媒は、接続ユニット200Aの低圧ガス冷媒配管264を通じて低圧ガス冷媒連絡管36に送られる。低圧ガス冷媒連絡管36に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁26を通じて、圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に戻される。
(b)放熱負荷が主体の場合
冷暖同時運転の運転であって、かつ、利用ユニット300の放熱負荷の方が多い場合について、空気調和装置10の運転を説明する。利用ユニット300の放熱負荷の方が多い場合とは、例えば、多数ある利用ユニットの大部分が暖房運転を行い、少数が冷房運転を行っているような場合に発生する。ここでは、利用ユニット300が2台しかなく、その利用側熱交換器310が冷媒の放熱器として機能する利用ユニット300Bの暖房負荷が、その利用側熱交換器310が冷媒の蒸発器として機能する利用ユニット300Aの冷房負荷よりも大きい場合を例にして以下の説明を行う。
この時、制御ユニット400は、第1流路切換機構132を蒸発運転状態(図2の第1流路切換機構132の破線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器140を冷媒の蒸発器として機能させる。また、制御ユニット400は、第2流路切換機構134を放熱負荷運転状態(図2の第2流路切換機構134の破線で示された状態)に切り換えている。また、制御ユニット400は、熱源側流量調節弁150を適宜開度調節する。また、制御ユニット400は、接続ユニット200Aにおいて、高低圧側弁230を閉状態にすると共に、低圧側弁240を開状態にし、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310を冷媒の蒸発器として機能させる。また、制御ユニット400は、接続ユニット200Aにおいて、分岐配管調節弁220を適宜開度調節する。また、制御ユニット400は、接続ユニット200Bにおいて、分岐配管調節弁220及び低圧側弁240を閉状態にすると共に、高低圧側弁230を開状態にし、利用ユニット300Bの利用側熱交換器310を冷媒の放熱器として機能させる。上記のように接続ユニット200A,200Bの弁が制御されることで、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310と熱源ユニット100の圧縮機110の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管36を介して接続された状態になる。また、上記のように接続ユニット200A,200Bの弁が制御されることで、熱源ユニット100の圧縮機110の吐出側と利用ユニット300Bの利用側熱交換器310とが高低圧ガス冷媒連絡管34を介して接続された状態になる。また、制御ユニット400は、利用ユニット300A,300Bの利用側流量調節弁320のそれぞれを適宜開度調節する。
上記のように制御ユニット400が空気調和装置10の各部を動作させることによって、冷媒回路50内には、図3Dに矢印で示しているように冷媒が循環する。
つまり、圧縮機110で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、第2流路切換機構134及び高低圧ガス側閉鎖弁24を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管34に送られる。高低圧ガス冷媒連絡管34に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット200Bの高低圧ガス冷媒配管262に送られる。高低圧ガス冷媒配管262に送られた高圧のガス冷媒は、高低圧側弁230及び合流ガス冷媒配管266を通じて、利用ユニット300Bの利用側熱交換器310に送られる。利用ユニット300Bの利用側熱交換器310に送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器310において、室内ファンによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱し、凝縮する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給される。利用ユニット300Bの利用側熱交換器310において放熱した冷媒は、利用ユニット300Bの利用側流量調節弁320において流量調節された後、接続ユニット200Bの主液冷媒配管252に送られる。接続ユニット200Bの主液冷媒配管252に送られた冷媒は、液冷媒連絡管32に送られる。液冷媒連絡管32の冷媒は、その一部が、接続ユニット200Aの主液冷媒配管252に送られ、残りが、液側閉鎖弁22を通じて、レシーバ180に送られる。
そして、接続ユニット200Aの主液冷媒配管252に送られた冷媒は、その一部が分岐液冷媒配管254に流れ、残りは利用ユニット300Aの利用側流量調節弁320に向かって流れる。主液冷媒配管252を利用側流量調節弁320へと流れる冷媒は、過冷却熱交換器210で分岐液冷媒配管254を低圧ガス冷媒配管264に向かって流れる冷媒と熱交換して冷却された後に、利用側流量調節弁320へと流入する。利用ユニット300Aの利用側流量調節弁320に送られた冷媒は、利用ユニット300Aの利用側流量調節弁320において流量調節された後、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310において、室内ファンによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給される。そして、利用側熱交換器310から流出する低圧のガス冷媒は、接続ユニット200Aの合流ガス冷媒配管266に送られる。合流ガス冷媒配管266に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス冷媒配管264へと流入し、分岐液冷媒配管254から流入する冷媒と合流し、低圧ガス冷媒連絡管36に送られる。低圧ガス冷媒連絡管36に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁26を通じて、圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に戻される。
一方、液冷媒連絡管32からレシーバ180に送られた冷媒は、レシーバ180内に一時的に溜められた後に流出し、熱源側流量調節弁150に送られる。そして、熱源側流量調節弁150に送られた冷媒は、熱源側熱交換器140において、熱源としての水と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、第1流路切換機構132に送られる。そして、第1流路切換機構132に送られた低圧のガス冷媒は、圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に戻される。
(4)調整制御(予測型調整制御)
図7のフローチャートを参照しながら、制御部430による調整制御(予測型調整制御)を説明する。
前述のように、空調コントローラは、空気調和装置10の運転が開始されると、ポンプ520を予め決定された所定容量(所定流量)で運転する。その後、制御部430は、所定のタイミングで、調整制御を開始し、ポンプ520の容量(ポンプ520の吐出する水の量)を変更する。
調整制御が開始されると、水循環量算出部440bが、上記のような方法で熱源側熱交換器140を通過している水量Gw1(水回路510の水循環量)を算出する(ステップS1)。
次に、制御部430は、ステップS1で算出された水量と、記憶部420に記憶されたポンプ特性情報から導出される情報(図4のようなポンプ520の水量とポンプの消費エネルギーとの関係)とに基づいて、現在のポンプ520の消費エネルギー(ポンプ520に対する入力電力)を算出する(ステップS2)。
次に、制御部430は、記憶部420に記憶されたポンプ特性情報から導出される情報に基づいて、現在の水量Gw1から、(ポンプ520の能力から見て実現可能な範囲で)水量を所定量だけ増減させた場合のポンプ520の消費エネルギーを算出する(ステップS3)。例えば、制御部430は、記憶部420に記憶されたポンプ特性情報から導出される情報に基づいて、現在の水量から所定割合だけ(例えば5%だけ)水量を増加させた場合(水量をGw2とした場合)のポンプ520の消費エネルギーと、現在の水量から所定割合だけ(例えば5%だけ)水量を減少させた場合(水量をGw3とした場合)のポンプ520の消費エネルギーとを、それぞれ算出する。さらに制御部430は、水量を現在の水量から所定量だけ増減させた場合のポンプ520の消費エネルギーから、(ステップS2で算出されている)現在のポンプ520の消費エネルギーを差し引いて、水回路510の流量増減時のポンプ520の消費エネルギーの増減量を算出する。
次に、ステップS4では、制御部430は、熱源側熱交換器140が放熱運転中であれば、記憶部420に記憶されている、図5(a)のような水回路510における水量と凝縮温度との関係に基づいて、水回路510における水量をGw2とした場合の凝縮温度Tc2と、水回路510における水量をGw3とした場合の凝縮温度Tc3と、を算出する。また、ステップS4では、制御部430は、熱源側熱交換器140が吸熱運転中であれば、記憶部420に記憶されている、図5(b)のような水回路510における水量と蒸発温度との関係に基づいて、水回路510における水量をGw2とした場合の蒸発温度Te2と、水回路510における水量をGw3とした場合の蒸発温度Te3と、を算出する。
次に、ステップS5では、制御部430は、ステップS4で凝縮温度が算出された場合には、記憶部420に記憶されている、図6(a)のような冷媒の凝縮温度と圧縮機110の消費エネルギー量との関係を示した情報に基づいて、凝縮温度Tc2,Tc3に対する圧縮機110の消費エネルギーを算出する。また、ステップS5では、制御部430は、ステップS5で蒸発温度が算出された場合には、記憶部420に記憶されている、図6(b)のような冷媒の蒸発温度と圧縮機110の消費エネルギーとの関係を示した情報に基づいて、蒸発温度Te2,Te3に対する圧縮機110の消費エネルギーを算出する。さらに、制御部430は、水回路510における水量をGw2,Gw3とした場合の圧縮機110の消費エネルギー(言い換えれば、凝縮温度Tc2,Tc3に対する圧縮機110の消費エネルギー、又は、蒸発温度Te2,Te3に対する圧縮機110の消費エネルギー)から、現在の圧縮機110の容量から算出される圧縮機110の消費エネルギーを差し引いて、水回路510の流量増減時の圧縮機110の消費エネルギーの増減量を算出する。
次に、ステップS6では、制御部430は、ステップS3及びステップS5の算出結果に基づいて、水回路510の流量増減時の、全体の消費エネルギーの増減量(ポンプ520の消費エネルギーの増減量と圧縮機110の消費エネルギーの増減量との合計)を算出する。ここでは、水回路510の流量を流量Gw2に増加させる時の全体の消費エネルギーの増減量をΔE1とし、水回路510の流量を流量Gw3に減少させる時の全体の消費エネルギーの増減量をΔE2とする。
次に、ステップS7では、制御部430が、ステップS6で算出された水回路510の流量増減時の全体の消費エネルギーの増減量にマイナスの値があるか(水回路510の流量増減時に、全体の消費エネルギーが現在よりも減少する場合があるか)を判定する。水回路510の流量増減時の全体の消費エネルギーの増減量にマイナスの値がなければステップS8に進む。一方、水回路510の流量増減時の全体の消費エネルギーの増減量にマイナスの値があれば、ステップS9に進む。
ステップS8では、ステップS7の処理の実行後に、所定時間(例えば数十秒)が経過したか否かが判定される。所定時間が経過したと判定されるとステップS1に戻る。ステップS8の処理は、所定時間が経過したと判定されるまで繰り返し判定される。
ステップS9では、ステップS6で算出された水回路510の流量を流量Gw2に増加させた時の全体の消費エネルギーの増減量ΔE1が、ステップS6で算出された水回路510の流量を流量Gw3に減少させた時の全体の消費エネルギーの増減量ΔE2より小さいか否かが判定される。水回路510の流量を流量Gw2に増加させた時の全体の消費エネルギーの増減量ΔE1が、水回路510の流量を流量Gw3に減少させた時の全体の消費エネルギーの増減量ΔE2より小さければ(水回路510の流量を増加させた方が、水回路510の流量を減少させるよりも全体の消費エネルギーが小さくなると演算されれば)、ステップS10に進む。一方、水回路510の流量を流量Gw2に増加させた時の全体の消費エネルギーの増減量ΔE1が、水回路510の流量を流量Gw3に減少させた時の全体の消費エネルギーの増減量ΔE2以上であれば、ステップS11に進む。
ステップS10では、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させ、水回路510の流量を流量Gw2に増加させる。水回路510の流量Gw2に増加させた結果、空気調和装置10のシステムが安定するように(空気調和装置10で所望の冷房運転、暖房運転、冷暖房同時運転が実現されるように)、圧縮機110の容量が調整される。その結果、通常、ポンプ520及び圧縮機110の消費エネルギーが低減される。なお、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させると同時に、(各種センサの計測値等に基づいて圧縮機110の容量が変化するのを待つのではなく)ポンプ520の容量の変化に対応するようにステップS5で算出した消費エネルギーに圧縮機110に対する入力エネルギーを変化させることで、圧縮機110の容量を調整してもよい。ステップS10の実行後、ステップS8に進む。
ステップS11では、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させ、水回路510の流量を流量Gw3に減少させる。水回路510の流量Gw3に減少させた結果、空気調和装置10のシステムが安定するように(空気調和装置10で所望の冷房運転、暖房運転、冷暖房同時運転が実現されるように)、圧縮機110の容量が調整される。その結果、通常、ポンプ520及び圧縮機110の消費エネルギーが低減される。なお、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させると同時に、(各種センサの計測値等に基づいて圧縮機110の容量が変化するのを待つのではなく)ポンプ520の容量の変化に対応するようにステップS5で算出した消費エネルギーに圧縮機110に対する入力エネルギーを変化させることで、圧縮機110の容量を調整してもよい。ステップS11の実行後、ステップS8に進む。
なお、ここでは、ステップS6において、水回路510の流量増加時及び流量減少時の両方について全体の消費エネルギーの増減量が算出されるが、これに限定されるものではない。例えば、制御部430は、先ず、水回路510の流量増加時の全体の(ポンプ520及び圧縮機110の)消費エネルギーの増減量を算出してもよい。そして、制御部430は、全体の消費エネルギーが減少すると判断する場合には、水回路510の流量減少時の全体の消費エネルギーの増減量は算出せずに、水回路510の流量を増加させてもよい。一方、水回路510の流量増加時に全体の消費エネルギーが増加すると判断される場合には、制御部430は、水回路510の流量減少時の全体の消費エネルギーの増減量を算出し、全体の消費エネルギーが減少すると判断される場合に、水回路510の流量を減少させてもよい。なお、ここで例示した方法とは逆に、制御部430は、先に水回路510の流量減少時の全体の消費エネルギーの増減量を算出し、その後、水回路510の流量増加時の全体の消費エネルギーの増減量を算出してもよい。
(5)特徴
(5−1)
上記実施形態に係る冷凍装置の一例としての空気調和装置10は、第1流体としての冷媒が循環する冷媒回路50と、水回路510とを備える。冷媒回路50は、第1回路の一例であり、水回路510は、第2回路の一例である。冷媒回路50は、圧縮機110と、熱源側熱交換器140及び利用側熱交換器310と、流量調節弁150,320と、を含む。熱源側熱交換器140は第1熱交換器の一例であり、利用側熱交換器310は第2熱交換器の一例である。熱源側流量調節弁150及び利用側流量調節弁320は、膨張機構の一例である。圧縮機110は、冷媒を圧縮する。熱源側熱交換器140及び利用側熱交換器310には、冷媒が内部を流れる。流量調節弁150,320は、熱源側熱交換器140から利用側熱交換器310へと、又は、利用側熱交換器310から熱源側熱交換器140へと流れる冷媒の圧力を降下させる。水回路510には、熱源側熱交換器140において冷媒と熱交換を行う水が、ポンプ520によって循環する。空気調和装置10は、更に制御部430を備える。制御部430は、空気調和装置10の能力を確保しつつ、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機110の容量とポンプ520の容量とを調整する、調整制御を行う。
本空気調和装置10では、空気調和装置10の能力を確保しつつ、圧縮機110及びポンプ520の消費エネルギーの合計が低減されるように圧縮機110及びポンプ520の容量が調整される。そのため、本空気調和装置10では、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を実現できる。
(5−2)
上記実施形態に係る空気調和装置10では、制御部430は、調整制御の際、圧縮機110の容量及びポンプ520の容量の調整の前後で熱源側熱交換器140における冷媒と水との間の熱交換量が維持されるように、圧縮機110の容量及びポンプ520の容量を調整する。
ここでは、熱源側熱交換器140における流体間の熱交換量を維持することで、空気調和装置10の能力を確保しつつ、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を実現できる。
(5−3)
上記実施形態に係る空気調和装置10では、調整制御は、予測型調整制御を含む。制御部430は、予測型調整制御の処理の一部として、ポンプ520の容量を変化させた場合の圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を演算し、演算結果に基づきポンプ520の容量の調整の実行/非実行を決定する。
ここでは、ポンプ520の容量を変化させた場合の圧縮機110及びポンプ520の消費エネルギーの合計の変化を演算した上で、ポンプ520の容量の調整の実行/非実行を決定できる。つまり、ここでは、ポンプ520の容量を変化させることで消費エネルギーの合計が減ると予想される場合には圧縮機110及びポンプ520の容量の調整を行い、逆にポンプ520の容量を変化させることで消費エネルギーの合計が増えると予想される場合には圧縮機110及びポンプ520の容量の調整を行なわないという決定をできる。そのため、本空気調和装置10では、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を行うことが容易である。
(5−4)
上記実施形態に係る空気調和装置10は、受付部の一例としての操作部410を備える。操作部410は、ポンプ520の消費エネルギーとポンプ520の吐出量との関係に関するポンプ特性情報を受け付ける。制御部430は、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を、ポンプ特性情報に基づいて導出する。
ここでは、現場毎にポンプが選定される場合であっても、ポンプの消費エネルギーと吐出量との関係をポンプ特性情報に基づいて把握し、圧縮機110及びポンプ520の消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算し、これに基づいて圧縮機110及びポンプ520の容量の調整の実行/非実行を決定することができる。
(5−5)
上記実施形態に係る空気調和装置10では、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させた場合の熱源側熱交換器140における冷媒の凝縮温度又は蒸発温度を予測し、予測結果に基づいて、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を演算する。
ここでは、ポンプ520の容量を変化させた場合の熱源側熱交換器140における冷媒の予測凝縮温度又は予測蒸発温度に基づいて、圧縮機110及びポンプ520の消費エネルギーの合計の変化を演算できる。そのため、圧縮機110及びポンプ520の消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算した上で、圧縮機110及びポンプ520の容量の調整の実行/非実行を決定することができる。
(5−6)
上記実施形態に係る空気調和装置10は、第1温度センサ及び第2温度センサの一例としてのガス側温度センサT3及び液側温度センサT4と、第3温度センサの一例としての水入口温度センサTwiと、第4温度センサの一例としての水出口温度センサTwoと、第1循環量算出部の一例としての冷媒循環量算出部440aと、第2循環量算出部の一例としての水循環量算出部440bと、を備える。ガス側温度センサT3及び液側温度センサT4は、一方が冷媒の熱源側熱交換器140への入口における温度を計測し、他方が冷媒の熱源側熱交換器140からの出口における温度を計測する。水入口温度センサTwiは、水の熱源側熱交換器140への入口における温度を計測する。水出口温度センサTwoは、水の熱源側熱交換器140からの出口における温度を計測する。冷媒循環量算出部440aは、圧縮機110の容量から、冷媒回路50における冷媒の循環量を算出する。水循環量算出部440bは、ガス側温度センサT3と、液側温度センサT4と、水入口温度センサTwiと、水出口温度センサとの計測結果と、冷媒循環量算出部440aの算出結果と、に基づいて、水回路510における水の循環量を算出する。制御部430は、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を、水循環量算出部440bが算出する水の循環量に基づいて演算する。
ここでは、水の流量を直接測定しない場合や、水の流量を直接測定できない場合であっても、現在の水の流量を把握し、圧縮機110及びポンプ520の消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算した上で、圧縮機110及びポンプ520の容量の調整の実行/非実行を決定できる。
(6)変形例
以下に、第1実施形態の変形例を示す。なお、変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わされてもよい。
(6−1)変形例1A
第1実施形態の制御部430の調整制御(予測型調整制御)の処理フローは一例に過ぎず、上述したフローに限定されるものではない。例えば、他の形態では、制御部430は、以下のような方法で調整制御を実行してもよい。
例えば、空気調和装置は、ポンプ520に供給される電流を計測する電力計を有してもよい。電力計は、制御ユニット400と電気的に接続され、制御ユニット400に対し測定した電力値を送信するように構成されることが好ましい。そして、制御部430は、水循環量算出部440bが算出した水回路510を流れる水の流量に基づいてポンプ520の消費エネルギーを算出する代わりに、電力計の実測値をポンプ520の消費エネルギーとしてもよい。
また、例えば、水回路510には、ポンプ520の送水量を測定する流量計が設けられてもよい。流量計は、制御ユニット400と電気的に接続され、制御ユニット400に対し測定した電力値を送信するように構成されることが好ましい。そして、制御部430は、水循環量算出部440bが算出した水回路510を流れる水の流量に基づいてポンプ520の消費エネルギーを算出する代わりに、流量の実測値に基づいてポンプ520の消費エネルギーを算出してもよい。
また、例えば、空気調和装置10の運転開始時のポンプ520の流量が既知である場合には、制御部430は、初回のステップS2において、水循環量算出部440bが算出した水回路510を流れる水の流量に基づいてポンプ520の消費エネルギーを算出する代わりに、既知である空気調和装置10の運転開始時のポンプ520の流量に基づいて、ポンプ520の消費エネルギーを算出してもよい。また、流量の増減時にどれだけ水量を増減させたかを把握しておけば、ポンプ520の容量の増減後も、水循環量算出部440bにより計測しなくても、ポンプ520の流量を把握することができる。
また、上記実施形態において、水回路510を流れる水の流量がステップS1において水循環量算出部440bにより一旦算出された後は、増減時にどれだけ水量を増減させたかを把握しておけば、再び水循環量算出部440bにより算出しなくても、ポンプ520の流量を把握することができる。
(6−2)変形例1B
第1実施形態では、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させた場合の圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を事前に演算し、合計が減少すると演算される場合にポンプ520の容量を変化させるが、本願発明の冷凍装置は、このような態様に限定されるものではない。
制御部430は、同様の手法を用いて、逆に圧縮機110の容量(回転数)を変化させた場合の圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を事前に演算し、合計が減少すると演算される場合に圧縮機110の容量を変化させてもよい。なお、この場合には、ポンプ520の容量は、例えば、水入口温度センサTwi及び水出口温度センサTwoの測定値に基づいて調整されればよい。
(6−3)変形例1C
第1実施形態では、空気調和装置10は、接続ユニット200を備え、一部の利用ユニット300で冷房運転を、他の一部の利用ユニット300で暖房運転を実行できる装置であるが、これに限定されるものではない。例えば、本願発明に係る冷凍装置の一例としての空気調和装置は、冷暖房同時運転を実行することのできない装置であってもよい。
また、例えば、空気調和装置10は冷房運転専用、又は、暖房運転専用の装置であってもよい。
(6−4)変形例1D
第1実施形態では、空気調和装置10に用いられる冷媒は、相変化を伴う冷媒であるが、これに限定されるものではない。空気調和装置10に用いられる冷媒は、相変化を伴わない、例えば二酸化炭素等の冷媒であってもよい。
(6−5)変形例1E
第1実施形態では、ポンプ520のモータをインバータ制御することでポンプ520の容量が調整されるが、これに限定されるものではない。
例えば、ポンプ520の容量は、並列に接続された複数のポンプの運転台数を変更することで調整されてもよい。
また、例えば、ポンプ520は定流量のポンプであって、流量調節弁530の開度を調節して流量を変更することで、ポンプの容量(熱源側熱交換器140を通過する水量)を調整し、これにより消費エネルギー(ポンプに対して入力されるエネルギー)を変動させるようにしてもよい。ただし、一般に、流量調節弁530の開度を小さくすることで低減される消費エネルギーは、ポンプ520を回転数可変のポンプとする場合と比較すると小さいため、ポンプ520のモータはインバータ制御可能であることが好ましい。
(6−6)変形例1F
第1実施形態では、空気調和装置10がポンプ520及び流量調節弁530を有するが、これに限定されるものではない。例えば、ポンプ520や流量調節弁530は空気調和装置10とは別の装置であって、制御部430が、ポンプ520や流量調節弁530を上記実施形態のように制御できるよう信号を送信可能に構成されてもよい。
<第2実施形態>
図8は、本発明に係る冷凍装置の第2実施形態としての空気調和装置10Aの概略構成図である。図9は、空気調和装置10Aの概略の冷媒回路図である。
空気調和装置10Aは、制御ユニット400の代わりに、制御ユニット400Aを備える(図8参照)。制御ユニット400Aは、物理的に制御ユニット400と同様の構成を有する。制御ユニット400Aは、調整制御として予備型調整制御を実行する制御部430ではなく、調整制御として実測型調整制御を実行する制御部430Aを有する。実測型調整制御を行う第2実施形態の制御ユニット400Aは、第1実施形態の制御ユニット400の算出部440を有さなくてもよい。
また、空気調和装置10Aは、第1実施形態の空気調和装置10の構成に加え、圧縮機110に供給される電流の値を計測する第1電流計C1と、ポンプ520に供給される電流の値を計測する第2電流計C2と、を備える(図8及び図9参照)。第1電流計C1は、第1計測部の一例である。第2電流計C2は、第2計測部の一例である。第1電流計C1及び第2電流計C2は、制御ユニット400Aと電気的に接続されている。なお、空気調和装置10Aは、電流計C1,C2に代えて、電力計を有していてもよい。
ここでは、空気調和装置10Aについて、主に制御部430Aの実行する実測型調整制御について説明する。その他の点については、空気調和装置10Aは第1実施形態の空気調和装置10同様であるため、説明を省略する。
(1)実測型調整制御
実測型調整制御は、ポンプ520の容量を(実際に)変化させた後、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとを実測することで、ポンプ520の容量の変化前後の圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を算出して、ポンプ520の容量を変化させた是非を判断する制御である。なお、実測型調整制御では、ポンプ520の容量を変化させた結果、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加している場合には、ポンプ520の容量を逆向きに変化させる。言い換えれば、実測型調整制御では、ポンプ520の容量を増加させた結果、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加している場合には、ポンプ520の容量が減少させられる。また、実測型調整制御では、ポンプ520の容量を減少させた結果、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加している場合には、ポンプ520の容量が増加させられる。
つまり、制御ユニット400Aの制御部430Aは、ポンプ520の容量を増加又は減少させる第1容量調整を行い、第1容量調整の実行後の第1電流計C1及び第2電流計C2による計測結果に基づき圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加したか否かを判断し、増加していると判断された場合に、第1容量調整とは逆の第2容量調整を行う。
図10のフローチャートを参照しながら、制御部430Aによる調整制御(実測型調整制御)を説明する。
第1実施形態と同様に、空調コントローラは、空気調和装置10Aの運転が開始されると、ポンプ520を予め決定された所定容量(所定流量)で運転する。その後、制御部430Aは、所定のタイミングで、調整制御を開始し、ポンプ520の容量(ポンプ520の流量)を変更する。
調整制御が開始されると、制御部430Aは、第1電流計C1の測定値と、第2電流計C2の測定値とから、圧縮機110及びポンプ520の電流の合計(合計電流値A1)を算出する(ステップS101)。算出された電流の合計の値は、記憶部420に合計電流値Mとして記憶される。
なお、圧縮機110及びポンプ520の電流の合計は、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計に対応している。ここでは、圧縮機110及びポンプ520の電流の合計が増加/減少することと、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加/減少することとを、同じ意味合いで用いている。
次に、制御部430Aは、ポンプ520の容量を所定量だけ増加させる(ポンプ520の水量(水回路510の循環量)を所定量増加させる(ステップS102)。例えば、制御部430Aは、現在の水量から所定割合だけ(例えば5%だけ)水量を増加させる。水回路510の流量を増加させた結果、空気調和装置10Aのシステムが安定するように(空気調和装置10Aで所望の冷房運転、暖房運転、冷暖房同時運転が実現されるように)、圧縮機110の容量が調整される。なお、制御部430Aは、ポンプ520の容量を変化させると同時に、(各種センサの計測値等に基づいて圧縮機110の容量が変化するのを待つのではなく)ポンプ520の容量の変化に対応するように圧縮機110の容量を調整してもよい。
次に、ステップS103では、ステップS102の処理の実行後に、所定時間(例えば数十秒)が経過したか否かが判定される。所定時間が経過したと判定されるとステップS104に進む。ステップS103の処理は、所定時間が経過したと判定されるまで繰り返し判定される。
次に、ステップS104では、制御部430Aは、第1電流計C1の測定値と、第2電流計C2の測定値とから、圧縮機110及びポンプ520の電流の合計(合計電流値A2)を算出する。
次に、ステップS105では、制御部430Aは、算出された合計電流値A2が記憶部420に記憶された合計電流値Mより大きいか否かを判断する。合計電流値A2が合計電流値Mより大きい場合には、ステップS107に進む。合計電流値A2が合計電流値M以下である場合には、ステップS106に進む。
ステップS106では、ステップS104で算出された合計電流値A2が、合計電流値Mとして記憶部420に記憶される。その後ステップS102に戻る。
ステップS107では、ステップS104で算出された合計電流値A2が、合計電流値Mとして記憶部420に記憶される。その後、ステップS108に進む。
次に、制御部430Aは、ポンプ520の容量を所定量だけ減少させる(ポンプ520の水量(水回路510の循環量))を所定量減少させる(ステップS108)。例えば、制御部430Aは、現在の水量から所定割合だけ(例えば5%だけ)水量を減少させる。水回路510の流量を減少させた結果、空気調和装置10Aのシステムが安定するように(空気調和装置10Aで所望の冷房運転、暖房運転、冷暖房同時運転が実現されるように)、圧縮機110の容量が調整される。なお、制御部430Aは、ポンプ520の容量を変化させると同時に、(各種センサの計測値等に基づいて圧縮機110の容量が変化するのを待つのではなく)ポンプ520の容量の変化に対応するように圧縮機110の容量を調整してもよい。
次に、ステップS109では、ステップS108の処理の実行後に、所定時間(例えば数十秒)が経過したか否かが判定される。所定時間が経過したと判定されるとステップS110に進む。ステップS109の処理は、所定時間が経過したと判定されるまで繰り返し判定される。
次に、ステップS110では、制御部430Aは、第1電流計C1の測定値と、第2電流計C2の測定値とから、圧縮機110及びポンプ520の電流の合計(合計電流値A3)を算出する。
次に、ステップS111では、制御部430Aは、算出された合計電流値A3が記憶部420に記憶された合計電流値Mより大きいか否かを判断する。合計電流値A3が合計電流値Mより大きい場合には、ステップS112に進む。合計電流値A3が合計電流値M以下である場合には、ステップS113に進む。
ステップS112では、ステップS110で算出された合計電流値A3が、合計電流値Mとして記憶部420に記憶される。その後ステップS102に戻る。
ステップS113では、ステップS110で算出された合計電流値A3が、合計電流値Mとして記憶部420に記憶される。その後、ステップS108に戻る。
空気調和装置10Aでは、調整制御としてポンプ520又は圧縮機110の容量を増減させた場合に、圧縮機110及びポンプ520の実測された消費エネルギーの合計に基づいて実際に合計の消費エネルギーが減少したか否かが判断され、消費エネルギーが却って増加した場合にはポンプの容量に関し逆の調整が行われる。そのため、効率の高い運転を実現することが特に容易である。
第2実施形態の空気調和装置10Aも、第1実施形態の空気調和装置10の(5−1),(5−2)の特徴と同様の特徴を有する。
(2)変形例
第2実施形態の構成は、互いに矛盾しない範囲で第1実施形態の構成と適宜組み合わされてもよい。例えば、空気調和装置の制御部は、予測型調整制御と実測型調整制御とを両方実行するものであってもよい。例えば、制御部は、予測型調整制御を実行した上で、更に圧縮機110及びポンプ520に供給される電流値を測定し、ポンプ520の容量を調整(第1容量調整)することで、全体(圧縮機110及びポンプ520)の消費エネルギーが増加してしまった場合には、第1容量調整とは逆の第2容量調整を行うように構成されてもよい。
以下に、その他の第2実施形態の変形例を示す。なお、変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わされてもよい。また、第1実施形態の変形例についても、矛盾がない範囲で第2実施形態に適用されてもよい。
(2−1)変形例2A
上記実施形態では、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させ、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加したか否かを判断するが、これに限定されるものではない。
制御部430は、逆に圧縮機110の容量を変化させ、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加したか否かを判断してもよい。なお、この場合には、ポンプ520の容量は、例えば、水入口温度センサTwi及び水出口温度センサTwoの測定値に基づいて調整されればよい。
<第3実施形態>
上記の第1及び第2実施形態では熱源側熱交換器140において、冷媒と水回路510をポンプ520により循環させられる液流体(例えば水)との間で熱交換が行われ、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機110の容量とポンプ520の容量とを調整する調整制御が行われる。しかし、本願発明の態様は上記の第1及び第2実施形態に限定されるものではない。
例えば、本願発明の冷凍装置は、図11のように、冷媒を圧縮する圧縮機610と、冷媒が内部を流れる利用側熱交換器620及び熱源側熱交換器630と、膨張機構(流量調節弁)640と、を含み、冷媒が循環する冷媒回路650と、利用側熱交換器620において冷媒と熱交換を行う液流体の一例としての水がポンプ660によって循環する水回路680と、を備えたチラー600であってもよい。水回路680には、流量調節弁670が設けられる。なお、水回路680に設けられる負荷側機器(ラジエーター等)については図示を省略している。チラー600では、図示しない制御ユニットの制御部により、上記の第1及び第2実施形態と同様の方法で、チラー600の能力を確保しつつ、圧縮機610の消費エネルギーとポンプ660の消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機610の容量とポンプ660の容量とを調整する調整制御が行われる。第3実施形態のチラー600には、矛盾しない範囲で、第1及び第2実施形態の構成や、それらの変形例の構成が適用される。
なお、ここでは利用側熱交換器620において液流体を冷却するチラーを例に説明したが、本願発明の冷凍装置は、利用側熱交換器620において液流体を加熱する装置であってもよい。
また、熱源側熱交換器630の熱源は、水回路680とは別の流体回路を循環する液流体であってもよいし、空気等の気体であってもよい。なお、熱源側熱交換器630の熱源を液流体とする場合には、熱源側熱交換器630側についても、上記の第1及び第2実施形態と同様の調整制御が行われてもよい。
本発明は、冷凍装置に広く適用でき有用である。
10 空気調和装置(冷凍装置)
50 冷媒回路(第1回路)
110 圧縮機
140 熱源側熱交換器(第1熱交換器)
150 熱源側流量調節弁(膨張機構)
310 利用側熱交換器(第2熱交換器)
320 利用側流量調節弁(膨張機構)
410 操作部(受付部)
430,430A 制御部
440a 冷媒循環量算出部(第1循環量算出部)
440b 水循環量算出部(第2循環量算出部)
510 水回路(第2回路)
520 ポンプ
600 チラー(冷凍装置)
610 圧縮機
620 利用側熱交換器(第1熱交換器)
630 熱源側熱交換器(第2熱交換器)
640 膨張機構
650 冷媒回路(第1回路)
660 ポンプ
670 流量調節弁
680 水回路(第2回路)
C1 第1電流計(第1計測部)
C2 第2電流計(第2計測部)
T3 ガス側温度センサ(第1温度センサ、第2温度センサ)
T4 液側温度センサ(第1温度センサ、第2温度センサ)
Twi 水入口温度センサ(第3温度センサ)
Two 水出口温度センサ(第4温度センサ)
国際公開第2015/114839号公報
本発明は、冷凍装置、特には熱交換器において冷媒回路を循環する冷媒とポンプにより送液される流体との間で熱交換が行われる冷凍装置に関する。
従来、特許文献1(国際公開第2015/114839号公報)のように、冷媒回路が有する熱交換器において、冷媒回路を循環する冷媒とポンプにより送液される流体との間で熱交換が行われる冷凍装置が知られている。
このような冷凍装置においてポンプにより送液される流体の流量を一定とすると、運転条件によっては流体の流量の過不足が生じる可能性がある。
これに対し、特許文献1(国際公開第2015/114839号公報)の冷凍装置では、熱交換器を通過する流体の入口−出口の温度差をモニタリングし、温度差が所定範囲に収まるように流体の流量を調整する弁の開度を自動調整することで、流体の流量を適正化することが開示されている。
しかし、特許文献1(国際公開第2015/114839号公報)の冷凍装置では、システムの主な動力機器である圧縮機及びポンプの消費エネルギー削減に着目した制御は特に行われておらず、効率化の観点から改善の余地がある。
本発明の課題は、冷媒回路が有する熱交換器において、冷媒回路を循環する冷媒とポンプにより送液される流体との間で熱交換が行われる冷凍装置であって、エネルギー消費を抑制した効率の良いシステムを実現可能な冷凍装置を提供することにある。
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、第1流体が循環する第1回路と、第2回路とを備える。第1回路は、圧縮機と、第1熱交換器及び第2熱交換器と、膨張機構と、を含む。圧縮機は、冷媒としての第1流体を圧縮する。第1熱交換器及び第2熱交換器には、第1流体が内部を流れる。膨張機構は、第1熱交換器から第2熱交換器へと、又は、第2熱交換器から第1熱交換器へと流れる第1流体の圧力を降下させる。第2回路には、第1熱交換器において第1流体と熱交換を行う第2流体が、ポンプによって循環する。冷凍装置は、更に制御部を備える。制御部は、冷凍装置の能力を確保しつつ、圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機の容量とポンプの容量とを調整する、調整制御を行う。
ここで、冷凍装置の能力とは、冷凍装置の制御対象(例えば、冷凍装置が空気調和装置であれば空調対象空間の空気、冷凍装置が給湯装置であれば温度調整対象の水)に対する冷却/加熱能力を意味する。また、ここでは、圧縮機の容量及びポンプの容量は、圧縮機及びポンプの能力を意味する。限定するものではないが、例えば、圧縮機の容量は、圧縮機のモータの回転数である。また、限定するものではないが、例えば、ポンプの容量は、ポンプから吐出される第2流体の流量である。
本冷凍装置では、冷凍装置の能力を確保しつつ、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計が低減されるように圧縮機及びポンプの容量が調整される。そのため、本冷凍装置では、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を実現できる。
さらに、本発明の第1観点に係る冷凍装置では、調整制御は、予測型調整制御を含む。制御部は、予測型調整制御の処理の一部として、ポンプの容量又は圧縮機の容量を変化させた場合の圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計の変化を演算し、演算結果に基づき圧縮機の容量及びポンプの容量の調整の実行/非実行を決定する。
ここでは、圧縮機又はポンプの容量を変化させた場合の圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計の変化を演算した上で、圧縮機及びポンプの容量の調整の実行/非実行を決定できる。つまり、ここでは、圧縮機又はポンプの容量を変化させることで消費エネルギーの合計が減ると予想される場合には圧縮機及びポンプの容量の調整を行い、逆に圧縮機又はポンプの容量を変化させることで消費エネルギーの合計が増えると予想される場合には圧縮機及びポンプの容量の調整を行なわないという決定をできる。そのため、本冷凍装置では、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を行うことが容易である。
他の観点に係る冷凍装置、制御部は、調整制御の際、圧縮機の容量及びポンプの容量の調整の前後で第1熱交換器における第1流体と第2流体との間の熱交換量が維持されるように、圧縮機の容量及びポンプの容量を調整する。
ここでは、第1熱交換器における流体間の熱交換量を維持することで、冷凍装置の能力を確保しつつ、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を実現できる
発明の第観点に係る冷凍装置は、第観点に係る冷凍装置であって、受付部を更に備える。受付部は、ポンプの消費エネルギーとポンプの吐出量との関係に関するポンプ特性情報を受け付ける。制御部は、圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計の変化を、ポンプ特性情報に基づいて導出する。
ここでは、現場毎にポンプが選定される場合であっても、ポンプの消費エネルギーと吐出量との関係をポンプ特性情報に基づいて把握し、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算し、これに基づいて圧縮機及びポンプの容量の調整の実行/非実行を決定することができる
本発明の第観点に係る冷凍装置は、第観点又は第観点に係る冷凍装置であって、制御部は、ポンプの容量又は圧縮機の容量を変化させた場合の第1熱交換器における第1流体の凝縮温度又は蒸発温度を予測し、予測結果に基づいて、圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計の変化を演算する。
ここでは、ポンプの容量又は圧縮機の容量を変化させた場合の第1熱交換器における第1流体の予測凝縮温度又は予測蒸発温度に基づいて、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計の変化を演算できる。そのため、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算した上で、圧縮機及びポンプの容量の調整の実行/非実行を決定することができる。
発明の第観点に係る冷凍装置は、第観点から第観点のいずれかに係る冷凍装置であって、第1温度センサと、第2温度センサと、第3温度センサと、第4温度センサと、第1循環量算出部と、第2循環量算出部と、を更に備える。第1温度センサは、第1流体の第1熱交換器への入口における温度を計測する。第2温度センサは、第1流体の第1熱交換器からの出口における温度を計測する。第3温度センサは、第2流体の第1熱交換器への入口における温度を計測する。第4温度センサは、第2流体の第1熱交換器からの出口における温度を計測する。第1循環量算出部は、圧縮機の容量から、第1回路における第1流体の循環量を算出する。第2循環量算出部は、第1温度センサ、第2温度センサ、第3温度センサ、及び第4温度センサの計測結果と、第1循環量算出部の算出結果と、に基づいて、第2回路における第2流体の循環量を算出する。制御部は、圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計の変化を、第2循環量算出部が算出する第2流体の循環量に基づいて演算する。
ここでは、第2流体の流量を直接測定しない(できない)場合であっても、現在の第2流体の流量を把握し、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算した上で、圧縮機及びポンプの容量の調整の実行/非実行を決定できる。
本発明の第観点に係る冷凍装置は、第1観点から第観点のいずれかに係る冷凍装置であって、第1計測部と、第2計測部と、を更に備える。第1計測部は、圧縮機の消費エネルギーに関する量を計測する。第2計測部は、ポンプの消費エネルギーに関する量を計測する。調整制御は、実測型調整制御を含む。制御部は、実測型調整制御として、ポンプの容量又は圧縮機の容量を増加又は減少させる第1容量調整を行い、第1容量調整の実行後の第1計測部及び第2計測部による計測結果に基づき圧縮機の消費エネルギーとポンプの消費エネルギーとの合計が増加したか否かを判断し、増加していると判断された場合に、第1容量調整とは逆の第2容量調整を行う。
なお、第2容量調整は、例えば第1容量調整がポンプの容量を増加させる制御である場合には、ポンプの容量を減少させる制御であり、第1容量調整がポンプの容量を減少させる制御である場合には、ポンプの容量を増加させる制御である。また、第2容量調整は、例えば第1容量調整が圧縮機の容量を増加させる制御である場合には、圧縮機の容量を減少させる制御であり、第1容量調整が圧縮機の容量を減少させる制御である場合には、圧縮機の容量を増加させる制御である。
ここでは、調整制御としてポンプ又は圧縮機の容量を増減させた場合に、圧縮機及びポンプの実測された消費エネルギーの合計に基づいて実際に合計の消費エネルギーが減少したか否かが判断され、消費エネルギーが却って増加した場合にはポンプの容量に関し逆の調整が行われる。そのため、効率の高い運転を実現することが特に容易である。
本発明の第1観点に係る冷凍装置では、冷凍装置の能力を確保しつつ、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計が低減されるように圧縮機及びポンプの容量が調整される。そのため、本冷凍装置では、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を実現できる。
また、本発明の第1観点に係る冷凍装置では、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を行うことが容易である。
他の観点に係る冷凍装置では、冷凍装置の能力を確保しつつ、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を実現できる。
本発明の第観点から第観点に係る冷凍装置では、圧縮機及びポンプの消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算し、これに基づいて圧縮機及びポンプの容量の調整の実行/非実行を決定することができる。
本発明の第観点に係る冷凍装置では、効率の高い運転を実現することが特に容易である。
本発明の冷凍装置の第1実施形態に係る空気調和装置を模式的に示すブロック図である。 図1の空気調和装置の冷媒回路を概略的に示した図である。 図1の空気調和装置において2台の利用ユニットが共に冷房運転を行う場合の、冷媒回路における冷媒の流れを説明するための図である。 図1の空気調和装置において2台の利用ユニットが共に暖房運転を行う場合の、冷媒回路における冷媒の流れを説明するための図である。 図1の空気調和装置において1台の利用ユニットが冷房運転を行い、他の1台の利用ユニットが暖房運転を行う場合であって、蒸発負荷が主体である時の、冷媒回路における冷媒の流れを説明するための図である。 図1の空気調和装置において1台の利用ユニットが冷房運転を行い、他の1台の利用ユニットが暖房運転を行う場合であって、放熱負荷が主体である時の、冷媒回路における冷媒の流れを説明するための図である。 図1の空気調和装置の水側ユニットのポンプの水量とポンプの消費エネルギー量との関係を概念的に示すグラフである。 図1の空気調和装置の水側ユニットのポンプの水量を変化させた場合の(a)冷凍サイクルにおける凝縮温度の変化(熱源側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する場合)及び(b)冷凍サイクルにおける蒸発温度の変化(熱源側熱交換器が冷媒の吸熱器(蒸発器)として機能する場合)を概念的に示すグラフである。 図1の空気調和装置の冷媒回路において凝縮温度/蒸発温度が変化する場合の圧縮機の消費エネルギー量の変化を概念的に示すグラフである。(a)は熱源側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する場合の凝縮温度の変化に対する圧縮機の消費エネルギー量の変化を、(b)は熱源側熱交換器が冷媒の吸熱器(蒸発器)として機能する場合の蒸発温度の変化に対する圧縮機の消費エネルギー量の変化を、概念的に示すグラフである。 図1の空気調和装置の制御ユニットによる調整制御(予測型調整制御)の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の冷凍装置の第2実施形態に係る空気調和装置を模式的に示すブロック図である。 図8の空気調和装置の冷媒回路を概略的に示した図である。 図8の空気調和装置の制御ユニットによる調整制御(実測型調整制御)の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の冷凍装置の第3実施形態に係るチラーの構成を模式的に示した図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る冷凍装置について説明する。なお、以下の実施形態及び変形例は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
<第1実施形態>
(1)全体構成
図1は、本発明に係る冷凍装置の一実施形態としての空気調和装置10の概略構成図である。図2は、空気調和装置10の概略の冷媒回路図である。
空気調和装置10は、蒸気圧縮方式の冷凍サイクル運転を行うことで、対象空間(例えばビルの室内等)を冷房/暖房する装置である。なお、本発明に係る冷凍装置は、空気調和装置に限定されるものではなく、冷蔵庫・冷凍庫や、給湯装置等であってもよい。
空気調和装置10は、主として、1台の熱源ユニット100と、複数の利用ユニット300(300A,300B)と、複数の接続ユニット200(200A,200B)と、冷媒連絡管32,34,36と、接続管42,44と、水側ユニット500と、制御ユニット400と、を備えている(図1参照)。接続ユニット200Aは、利用ユニット300Aへの冷媒の流れを切り換えるユニットである。接続ユニット200Bは、利用ユニット300Bへの冷媒の流れを切り換えるユニットである。冷媒連絡管32,34,36は、熱源ユニット100と接続ユニット200とを接続する冷媒配管である。冷媒連絡管32,34,36には、液冷媒連絡管32と、高低圧ガス冷媒連絡管34と、低圧ガス冷媒連絡管36とを含む。接続管42,44は、接続ユニット200と利用ユニット300とを接続する冷媒配管である。接続管42,44には、液接続管42及びガス接続管44を含む。熱源ユニット100と接続ユニット200とが冷媒連絡管32,34,36で接続され、接続ユニット200と利用ユニット300とが接続管42,44で接続されることで、冷媒回路50が構成される。制御ユニット400は、後述する熱源ユニット100の熱源ユニット制御部190、利用ユニット300の利用ユニット制御部390及び接続ユニット200の接続ユニット制御部290と協働して、空気調和装置10の動作を制御するユニットである。水側ユニット500は、熱源ユニット100が熱源として利用する水(後述する熱源ユニット100の熱源側熱交換器140において、冷媒回路50を循環する冷媒と熱交換を行う水)が循環する水回路510を有するユニットである。
なお、図1で示した熱源ユニット100、利用ユニット300及び接続ユニット200の台数は、例示であり、本発明を限定するものではない。例えば、熱源ユニット100の台数は複数であり、並列に接続されてもよい。また、熱源ユニット100が複数ある場合には、1つの水回路510に複数の熱源ユニット100が並列で接続されてもよいし、熱源ユニット100毎に水回路510が設けられてもよい。また、利用ユニット300及び接続ユニット200の台数は、1台であっても、3台以上(例えば10台以上の多数)であってもよい。また、ここでは、各利用ユニット300に対応して、個別に1台の接続ユニット200が設けられるが、これに限定されるものではなく、以下で説明する複数の接続ユニットが1台のユニットにまとめられていてもよい。
本空気調和装置10では、利用ユニット300のそれぞれが、他の利用ユニット300とは独立して冷房運転又は暖房運転を行うことが可能である。つまり、本空気調和装置10では、一部の利用ユニット(例えば利用ユニット300A)がその利用ユニットの空調対象空間を冷却する冷房運転を行っている時に、他の利用ユニット(例えば利用ユニット300B)がその利用ユニットの空調対象空間を加熱する暖房運転を行うことが可能である。本空気調和装置10では、暖房運転を行う利用ユニット300から冷房運転を行う利用ユニット300へと冷媒を送ることで、利用ユニット300間で熱回収を行うことが可能に構成されている。空気調和装置10では、上記の熱回収も考慮した利用ユニット300全体の熱負荷に応じて、熱源ユニット100の熱負荷をバランスさせるように構成されている。
(2)詳細構成
(2−1)熱源ユニット
熱源ユニット100について、図2を参照しながら説明する。
熱源ユニット100は、設置場所を限定するものではないが、空気調和装置10が設置されるビルの機械室(室内)に設置されている。ただし、熱源ユニット100は、屋外に設置されていてもよい。
本実施形態では、熱源ユニット100は、水を熱源として利用する。つまり、熱源ユニット100では、冷媒を加熱又は冷却するため、水回路510を循環する水との間で熱交換が行われる。
熱源ユニット100は、冷媒連絡管32,34,36、接続ユニット200、及び接続管42,44を介して利用ユニット300と接続され、利用ユニット300と共に冷媒回路50を構成している(図2参照)。空気調和装置10の運転時に、冷媒回路50内を冷媒が循環する。
なお、本実施形態で用いられ第1流体の一例としての冷媒は、冷媒回路50内において、液体の状態で周囲から熱を吸収して気体となり、気体の状態で周囲に熱を放出して液体となる物質である。例えば、冷媒は、種類を限定するものではないが、フルオロカーボン系の冷媒である。
熱源ユニット100は、図2のように、冷媒回路50の一部を構成する熱源側冷媒回路50aを主に有している。熱源側冷媒回路50aは、圧縮機110と、主熱交換器としての熱源側熱交換器140と、熱源側流量調節弁150とを含む。また、熱源側冷媒回路50aは、第1流路切換機構132と、第2流路切換機構134とを含む。また、熱源側冷媒回路50aは、油分離器122と、アキュムレータ124とを含む。また、熱源側冷媒回路50aは、レシーバ180と、ガス抜き管流量調節弁182とを含む。また、熱源側冷媒回路50aは、過冷却熱交換器170と、吸入戻し弁172とを含む。また、熱源側冷媒回路50aは、バイパス弁128を含む。また、熱源側冷媒回路50aは、液側閉鎖弁22と、高低圧ガス側閉鎖弁24と、低圧ガス側閉鎖弁26とを含む。
また、熱源ユニット100は、圧力センサP1,P2と、温度センサT1,T2,T3,T4,Tdと、熱源ユニット制御部190と、を有する(図2参照)。
以下では、熱源側冷媒回路50aの各種構成と、圧力センサP1,P2と、温度センサT1,T2,T3,T4,Tdと、熱源ユニット制御部190とについて更に説明する。
(2−1−1)熱源側冷媒回路
(2−1−1−1)圧縮機
圧縮機110は、冷媒を圧縮する機器である。タイプを限定するものではないが、圧縮機110は、例えばスクロール方式やロータリ方式などの容積式の圧縮機である。圧縮機110は、図示しない圧縮機用モータを内蔵する密閉式の構造を有する。圧縮機110は、圧縮機モータをインバータ制御することで運転容量を変更可能な圧縮機である。
圧縮機110の吸入口(図示省略)には、吸入配管110aが接続されている(図2参照)。圧縮機110は、吸入口を介して吸入した低圧の冷媒を圧縮した後、吐出口(図示省略)から吐出する。圧縮機110の吐出口には、吐出配管110bが接続されている(図2参照)。
(2−1−1−2)油分離器
油分離器122は、圧縮機110が吐出するガスから潤滑油を分離する機器である。油分離器122は、吐出配管110bに設けられている。油分離器122で分離された潤滑油は、キャピラリ126を介して圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)へと戻される(図2参照)。
(2−1−1−3)アキュムレータ
アキュムレータ124は、吸入配管110aに設けられる(図2参照)。アキュムレータ124は、圧縮機110に吸入される低圧の冷媒を一時的に貯留し気液分離するための容器である。アキュムレータ124の内部では、気液二相状態の冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離され、圧縮機110には主にガス冷媒が流入する。
(2−1−1−4)第1流路切換機構
第1流路切換機構132は、熱源側冷媒回路50aを流れる冷媒の流れ方向を切り替える機構である。第1流路切換機構132は、例えば、図2のように四路切換弁で構成されている。なお、第1流路切換機構132として用いられる四路切換弁では、1の冷媒流路の冷媒の流れが遮断されるように構成されており、事実上、三方弁として機能する。
熱源側熱交換器140を、熱源側冷媒回路50aを流れる冷媒の放熱器(凝縮器)として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」と呼ぶ場合がある)には、第1流路切換機構132は、圧縮機110の吐出側(吐出配管110b)と熱源側熱交換器140のガス側とを接続する(図2の第1流路切換機構132の実線を参照)。一方、熱源側熱交換器140を、熱源側冷媒回路50aを流れる冷媒の吸熱器(蒸発器)として機能させる場合(以下、「吸熱運転状態」と呼ぶ場合がある)には、第1流路切換機構132は、吸入配管110aと熱源側熱交換器140のガス側とを接続する(図2の第1流路切換機構132の破線を参照)。
(2−1−1−5)第2流路切換機構
第2流路切換機構134は、熱源側冷媒回路50aを流れる冷媒の流れ方向を切り替える機構である。第2流路切換機構134は、例えば、図2のように四路切換弁で構成されている。なお、第2流路切換機構134として用いられる四路切換弁では、1の冷媒流路の冷媒の流れが遮断されるように構成されており、事実上、三方弁として機能する。
圧縮機110から吐出された高圧のガス冷媒を高低圧ガス冷媒連絡管34へと送る場合(以下、「放熱負荷運転状態」と呼ぶ場合がある)には、第2流路切換機構134は、圧縮機110の吐出側(吐出配管110b)と高低圧ガス側閉鎖弁24とを接続する(図2の第2流路切換機構134の破線を参照)。一方、圧縮機110から吐出された高圧のガス冷媒を高低圧ガス冷媒連絡管34には送らない場合(以下、「蒸発負荷運転状態」と呼ぶ場合がある)には、第2流路切換機構134は、高低圧ガス側閉鎖弁24と圧縮機110の吸入配管110aとを接続する(図2の第2流路切換機構134の実線を参照)。
(2−1−1−6)熱源側熱交換器
第1熱交換器の一例としての熱源側熱交換器140では、内部を流れる冷媒と、内部を流れる熱源としての液流体(本実施形態では水回路510を循環する冷却水や温水)との間で熱交換が行われる。熱源側熱交換器140は、例えばプレート式熱交換器である。熱源側熱交換器140は、冷媒のガス側が第1流路切換機構132と配管を介して接続され、冷媒の液側が熱源側流量調節弁150と配管を介して接続されている(図2参照)。
(2−1−1−7)熱源側流量調節弁
熱源側流量調節弁150は、熱源側熱交換器140を流れる冷媒の流量の調節等を行う弁である。熱源側流量調節弁150は、熱源側熱交換器140から利用側熱交換器310へと、又は、利用側熱交換器310から熱源側熱交換器140へと流れる冷媒の圧力を降下させる膨張機構の一例である。
熱源側流量調節弁150は、熱源側熱交換器140の液側(熱源側熱交換器140と液側閉鎖弁22とを結ぶ配管)に設けられる(図2参照)。言い換えれば、熱源側流量調節弁150は、熱源側熱交換器140と利用ユニット300の利用側熱交換器310とを結ぶ配管に設けられる。熱源側流量調節弁150は、例えば開度調節が可能な(開度可変の)電動膨張弁である。
(2−1−1−8)レシーバ及びガス抜き管流量調節弁
レシーバ180は、熱源側熱交換器140と利用ユニット300との間を流れる冷媒を一時的に溜める容器である。レシーバ180は、熱源側熱交換器140の液側と利用ユニット300とを結ぶ配管の、熱源側流量調節弁150と液側閉鎖弁22との間に配置されている(図2参照)。レシーバ180の上部にはレシーバガス抜き管180aが接続されている(図2参照)。レシーバガス抜き管180aは、レシーバ180の上部と圧縮機110の吸入側とを結ぶ配管である。
レシーバガス抜き管180aには、レシーバ180からガス抜きされる冷媒の流量調節等を行うために、ガス抜き管流量調節弁182が設けられている。ガス抜き管流量調節弁182は、例えば開度調節が可能な電動膨張弁である。
(2−1−1−9)過冷却熱交換器及び吸入戻し流量調節弁
熱源側冷媒回路50aには、レシーバ180と液側閉鎖弁22とを結ぶ配管から分岐部B1において分岐し、圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に接続される吸入戻し管170aが設けられている(図2参照)。吸入戻し管170aには、吸入戻し弁172が設けられている(図2参照)。吸入戻し弁172は、開度調節が可能な電動膨張弁である。
また、レシーバ180と液側閉鎖弁22とを結ぶ配管であって、分岐部B1より液側閉鎖弁22側には、過冷却熱交換器170が設けられている。過冷却熱交換器170では、レシーバ180と液側閉鎖弁22とを結ぶ配管を流れる冷媒と、吸入戻し管170aを流れる冷媒との間で熱交換が行われ、レシーバ180と液側閉鎖弁22とを結ぶ配管を流れる冷媒が冷却される。過冷却熱交換器170は、例えば、二重管熱交換器である。
(2−1−1−10)バイパス弁
バイパス弁128は、圧縮機110の吐出配管110b(ここでは吐出配管110bに設けられた油分離器122)と圧縮機110の吸入配管110aとの間を接続するバイパス管128aに設けられる弁である(図2参照)。バイパス弁128は、開閉制御可能な電磁弁である。バイパス弁128が開くように制御されることで、圧縮機110が吐出した冷媒の一部が吸入配管110aへと流入する。
バイパス弁128の開閉は、空気調和装置10の運転状況に応じて適宜制御される。例えば、圧縮機モータをインバータ制御して圧縮機110の運転容量を低減してもなお能力が過剰な場合に、バイパス弁128を開くことで、冷媒回路50における冷媒の循環量を低減できる。また、バイパス弁128は、所定時に開くことで、圧縮機110の吸入側の過熱度を上昇させ、液圧縮を防止できる。
(2−1−1−11)液側閉鎖弁、高低圧ガス側閉鎖弁、及び低圧ガス側閉鎖弁
液側閉鎖弁22、高低圧ガス側閉鎖弁24、及び低圧ガス側閉鎖弁26は、冷媒の充填やポンプダウン等の際に開閉される手動の弁である。
液側閉鎖弁22は、一端が液冷媒連絡管32に接続され、他端がレシーバ180を介して熱源側流量調節弁150へと延びる冷媒配管に接続されている(図2参照)。
高低圧ガス側閉鎖弁24は、一端が高低圧ガス冷媒連絡管34に接続され、他端が第2流路切換機構134まで延びる冷媒配管に接続されている(図2参照)。
低圧ガス側閉鎖弁26は、一端が低圧ガス冷媒連絡管36に接続され、他端が吸入配管110aへと延びる冷媒配管に接続されている(図2参照)。
(2−1−2)圧力センサ
熱源ユニット100は、冷媒の圧力を測定するための複数の圧力センサを有する。圧力センサには、高圧圧力センサP1と、低圧圧力センサP2と、を含む。
高圧圧力センサP1は、吐出配管110bに配置される(図2参照)。高圧圧力センサP1は、圧縮機110から吐出される冷媒の圧力を測定する。つまり、高圧圧力センサP1は、冷凍サイクルにおける高圧の圧力を測定する。
低圧圧力センサP2は、吸入配管110aに配置される(図2参照)。低圧圧力センサP2は、圧縮機110に吸入される冷媒の圧力を測定する。つまり、低圧圧力センサP2は、冷凍サイクルにおける低圧の圧力を測定する。
(2−1−3)温度センサ
熱源ユニット100は、冷媒の温度を測定するための複数の温度センサを有する。
冷媒の温度を測定するための温度センサには、例えば、レシーバ180と液側閉鎖弁22とを接続する配管に設けられる液冷媒温度センサT1を含む(図2参照)。また、冷媒の温度を測定するための温度センサには、例えば、吸入配管110aの、アキュムレータ124よりも上流側に設けられる吸入冷媒温度センサT2を含む(図2参照)。また、冷媒の温度を測定するための温度センサには、例えば、圧縮機110の吐出配管110bに設けられる吐出温度センサTdを含む。また、冷媒の温度を測定するための温度センサには、例えば、吸入戻し管170aの冷媒の流れ方向において過冷却熱交換器170の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた図示されない温度センサを含む。
また、冷媒の温度を測定するための温度センサには、熱源側熱交換器140のガス側に設けられたガス側温度センサT3と、熱源側熱交換器140の液側に設けられた液側温度センサT4とを含む(図2参照)。熱源側熱交換器140が放熱器(凝縮器)として機能する時、ガス側温度センサT3は冷媒の熱源側熱交換器140への入口における温度を計測するセンサ(第1温度センサ)として機能し、液側温度センサT4は冷媒の熱源側熱交換器140からの出口における温度を計測するセンサ(第2温度センサ)として機能する。また、熱源側熱交換器140が吸熱器(蒸発器)として機能する時、液側温度センサT4は冷媒の熱源側熱交換器140への入口における温度を計測するセンサ(第1温度センサ)として機能し、ガス側温度センサT3は冷媒の熱源側熱交換器140からの出口における温度を計測するセンサ(第2温度センサ)として機能する。
(2−1−4)熱源ユニット制御部
熱源ユニット制御部190は、熱源ユニット100の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有している。熱源ユニット制御部190は、圧力センサP1,P2及び温度センサT1,T2,T3,T4,Tdを含む各種センサと電気的に接続されている。なお、図2では、熱源ユニット制御部190とセンサとの接続については描画を省略している。また、熱源ユニット制御部190は、接続ユニット200A,200Bの接続ユニット制御部290及び利用ユニット300A,300Bの利用ユニット制御部390と電気的に接続され、接続ユニット制御部290及び利用ユニット制御部390との間で制御信号等のやり取りを行う。また、熱源ユニット制御部190は、空気調和装置10の動作を制御する制御ユニット400と接続されている。熱源ユニット制御部190が各種センサから受信する信号(測定値を示す信号)は、熱源ユニット制御部190を介して制御ユニット400に対しても送信可能に構成される。なお、制御ユニット400は、利用ユニット300の各種センサと直接接続され、各種センサから制御ユニット400に対して直接送信されてくる信号を受信してもよい。
(2−2)利用ユニット
利用ユニット300Aについて、図2を参照しながら説明する。利用ユニット300Bは、利用ユニット300Aと同様の構成を有しているため、説明の重複を避けるために利用ユニット300Bの説明は省略する。
利用ユニット300Aは、例えば図1のように、ビル等の室内の天井に埋め込まれる天井埋め込み型のユニットである。ただし、利用ユニット300Aのタイプは、天井埋め込み型に限定されるものではなく、天井吊り下げ型、室内の壁面に設置される壁掛け型等であってもよい。また、利用ユニット300Aのタイプと、利用ユニット300Bのタイプとは同一でなくてもよい。
利用ユニット300Aは、接続管42,44、接続ユニット200A、及び冷媒連絡管32、34、36を介して熱源ユニット100に接続されている。利用ユニット300Aは、熱源ユニット100と共に冷媒回路50を構成している。
利用ユニット300Aは、冷媒回路50の一部を構成している利用側冷媒回路50bを有している。利用側冷媒回路50bは、主として、膨張機構の一例としての利用側流量調節弁320と、第2熱交換器の一例としての利用側熱交換器310とを有している。また、利用ユニット300Aは、温度センサと、利用ユニット制御部390と、を有している。
(2−2−1)利用側冷媒回路
(2−2−1−1)利用側流量調節弁
利用側流量調節弁320は、利用側熱交換器310を流れる冷媒の流量の調節等を行う弁である。利用側流量調節弁320は、熱源側熱交換器140から利用側熱交換器310へと、又は、利用側熱交換器310から熱源側熱交換器140へと流れる冷媒の圧力を降下させる膨張機構の一例である。利用側流量調節弁320は、利用側熱交換器310の液側に設けられる(図2参照)。利用側流量調節弁320は、例えば開度調節が可能な電動膨張弁である。
(2−2−1−2)利用側熱交換器
利用側熱交換器310では、内部を流れる冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。利用側熱交換器310は、例えば、複数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。なお、利用ユニット300Aは、利用ユニット300A内に室内空気を吸入して利用側熱交換器310に供給し、利用側熱交換器310で熱交換された後に室内に供給するための室内ファン(図示せず)を有している。室内ファンは、図示しない室内ファンモータによって駆動される。
(2−2−2)温度センサ
利用ユニット300Aは、冷媒の温度を測定するための複数の温度センサを有する。冷媒の温度を測定するための温度センサには、利用側熱交換器310の液側に配置され、利用側熱交換器310の液側の冷媒の温度を検出する液側温度センサを含む(図示省略)。また、冷媒の温度を測定するための温度センサには、利用側熱交換器310のガス側に配置され、利用側熱交換器310のガス側の冷媒の温度を検出するガス側温度センサ(図示省略)を含む。
また、利用ユニット300Aは、利用ユニット300Aの温度調節の対象の空間(空調対象空間)の室内の温度を測定するための、空間温度センサ(図示省略)を有する。
(2−2−3)利用ユニット制御部
利用ユニット300Aの利用ユニット制御部390は、利用ユニット300Aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有している。利用ユニット300Aの利用ユニット制御部390は、温度センサを含む各種センサと電気的に接続されている。また、利用ユニット300Aの利用ユニット制御部390は、熱源ユニット100の熱源ユニット制御部190及び接続ユニット200Aの接続ユニット制御部290と電気的に接続され、熱源ユニット制御部190と接続ユニット制御部290との間で制御信号等のやり取りを行う。また、利用ユニット制御部390は、空気調和装置10の動作を制御する制御ユニット400と接続されている。利用ユニット制御部390が各種センサから受信する信号(測定値を示す信号)は、利用ユニット制御部390を介して制御ユニット400に対しても送信可能に構成される。なお、制御ユニット400は、熱源ユニット100の各種センサと直接接続され、各種センサから制御ユニット400に対して直接送信されてくる信号を受信してもよい。
(2−3)接続ユニット
接続ユニット200Aについて、図2を参照しながら説明する。なお、接続ユニット200Bは、接続ユニット200Aと同様の構成を有しているため、説明の重複を避けるために接続ユニット200Bの説明は省略する。
接続ユニット200Aは、利用ユニット300Aと共に設置されている。例えば、接続ユニット200Aは、室内の天井裏の、利用ユニット300Aの近傍に設置されている。
接続ユニット200Aは、冷媒連絡管32,34,36を介して熱源ユニット100と接続されている。また、接続ユニット200Aは、接続管42,44を介して利用ユニット300Aと接続されている。接続ユニット200Aは、冷媒回路50の一部を構成している。接続ユニット200Aは、熱源ユニット100と利用ユニット300Aとの間に配設され、熱源ユニット100及び利用ユニット300Aへ流入する冷媒の流れを切り換える。
接続ユニット200Aは、冷媒回路50の一部を構成している接続側冷媒回路50cを有している。接続側冷媒回路50cは、主として、液冷媒配管250と、ガス冷媒配管260と、を有している。また、接続ユニット200Aは、接続ユニット制御部290と、を有している。
(2−3−1)接続側冷媒回路
(2−3−1−1)液冷媒配管
液冷媒配管250は、主液冷媒配管252と、分岐液冷媒配管254と、主に含む。
主液冷媒配管252は、液冷媒連絡管32と、液接続管42とを接続している。分岐液冷媒配管254は、主液冷媒配管252と、後述するガス冷媒配管260の低圧ガス冷媒配管264とを接続している。分岐液冷媒配管254には、分岐配管調節弁220が設けられている。分岐配管調節弁220は、例えば開度調節が可能な電動膨張弁である。また、主液冷媒配管252の、分岐液冷媒配管254が分岐する部分より液接続管42側には、過冷却熱交換器210が設けられている。利用ユニット300Aの利用側熱交換器310を液側からガス側に冷媒が流れる時に分岐配管調節弁220が開かれることで、過冷却熱交換器210では、主液冷媒配管252を流れる冷媒と、分岐液冷媒配管254を主液冷媒配管252側から低圧ガス冷媒配管264へと流れる冷媒との間で熱交換が行われ、主液冷媒配管252を流れる冷媒が冷却される。過冷却熱交換器210は、例えば、二重管熱交換器である。
(2−3−1−2)ガス冷媒配管
ガス冷媒配管260は、高低圧ガス冷媒配管262と、低圧ガス冷媒配管264と、合流ガス冷媒配管266と、を有している。高低圧ガス冷媒配管262は、一端が高低圧ガス冷媒連絡管34に、他端が合流ガス冷媒配管266に接続される。低圧ガス冷媒配管264は、一端が低圧ガス冷媒連絡管36に、他端が合流ガス冷媒配管266に接続される。合流ガス冷媒配管266の一端は、高低圧ガス冷媒配管262及び低圧ガス冷媒配管264と接続され、合流ガス冷媒配管266の他端は、ガス接続管44と接続される。高低圧ガス冷媒配管262には、高低圧側弁230が設けられている。低圧ガス冷媒配管264には、低圧側弁240が設けられている。高低圧側弁230及び低圧側弁240は、例えば電動弁である。
(2−3−2)接続ユニット制御部
接続ユニット制御部290は、接続ユニット200Aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有している。接続ユニット制御部290は、熱源ユニット100の熱源ユニット制御部190及び利用ユニット300Aの利用ユニット制御部390と電気的に接続され、熱源ユニット制御部190と利用ユニット制御部390との間で制御信号等のやり取りを行う。また、接続ユニット制御部290は、空気調和装置10の動作を制御する制御ユニット400と接続されている。
(2−3−3)接続ユニットによる冷媒の流路の切り換え
接続ユニット200Aは、利用ユニット300Aが冷房運転を行う際には、低圧側弁240を開けた状態にして、液冷媒連絡管32から主液冷媒配管252に流入する冷媒を、液接続管42を介して、利用ユニット300Aの利用側冷媒回路50bの利用側流量調節弁320を通じて利用側熱交換器310に送る。また、接続ユニット200Aは、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310において室内空気と熱交換して蒸発し、ガス接続管44へと流入した冷媒を、合流ガス冷媒配管266及び低圧ガス冷媒配管264を通じて、低圧ガス冷媒連絡管36へと送る。
また、接続ユニット200Aは、利用ユニット300Aが暖房運転を行う際には、低圧側弁240を閉じ、かつ、高低圧側弁230を開けた状態にして、高低圧ガス冷媒連絡管34を通じて高低圧ガス冷媒配管262に流入する冷媒を、合流ガス冷媒配管266及びガス接続管44を介して、利用ユニット300Aの利用側冷媒回路50bの利用側熱交換器310に送る。また、接続ユニット200Aは、利用側熱交換器310において室内空気と熱交換して放熱し、利用側流量調節弁320を通過して液接続管42へと流入した冷媒を、主液冷媒配管252を通じて、液冷媒連絡管32へと送る。
(2−4)水側ユニット
水側ユニット500は、熱源側熱交換器140において冷媒と熱交換を行う第2流体の一例としての水が循環する水回路510を主に有する。水回路510は、ポンプ520によって第2流体が循環する第2回路の一例である。なお、ここでは、第2流体は水であるが、第2流体は水に限定されるものではない。第2流体は、他の液体状の熱媒体(例えば、ブラインや、水和物スラリのような蓄熱媒体)であってもよい。
水回路510には、ポンプ520と、流量調節弁530とが配置されている(図1参照)。また、水回路510には、図示しない水を冷却/加熱するための機器(例えば、水を冷却する冷却塔や、水を冷却/加熱する熱交換器)等が設けられている。
また、水側ユニット500は、温度センサTwi,Twoを有する(図1及び図2参照)。
以下では、水回路510と、温度センサTwi,Twoと、について更に説明する。
(2−4−1)水回路
水回路510は、ポンプ520と、流量調節弁530と、熱源側熱交換器140(水側)と、図示しない水を冷却/加熱するための機器等を配管によって接続した回路である。
(2−4−1−1)ポンプ
ポンプ520は、送液装置である。ポンプ520が運転されることで、水回路510内を水が循環する。タイプを限定するものではないが、ポンプ520は、例えば渦巻きポンプなどの遠心式のポンプである。ポンプ520は、ポンプモータ(図示せず)をインバータ制御することで運転容量を変更可能なポンプである。
ポンプ520は、制御ユニット400と電気的に接続されている。制御ユニット400は、ポンプモータの運転/停止や回転数を制御する。
(2−4−1−2)水量調節弁
流量調節弁530は、水回路510を流れる水量の調節等を行う弁である。流量調節弁530は、水回路510内を水が流れる方向において、ポンプ520より下流側、かつ、熱源側熱交換器140より上流側に設けられる(図2参照)。ただし、これに限定されるものではなく、流量調節弁530は、水回路510内を水が流れる方向において、熱源側熱交換器140より下流流側、かつ、ポンプ520より上流側に設けられてもよい(図2参照)。流量調節弁530は、例えば開度調節が可能な(開度可変の)電動弁である。
流量調節弁530は、制御ユニット400と電気的に接続されている。制御ユニット400は、流量調節弁530の開閉や開度を制御する。
(2−4−2)温度センサ
水側ユニット500は、水の温度を測定するための複数の温度センサを有する。
水の温度を測定するための温度センサには、例えば、水の熱源側熱交換器140への入口における温度を計測する水入口温度センサTwiを含む。水入口温度センサTwiは、第3温度センサの一例である。また、水の温度を測定するための温度センサには、例えば、水の熱源側熱交換器140からの出口における温度を計測する水出口温度センサTwoを含む。水出口温度センサTwoは、第4温度センサの一例である。水入口温度センサTwi及び水出口温度センサTwoを含む水側ユニット500の温度センサは、制御ユニット400と電気的に接続されている。制御ユニット400は、水側ユニット500の送信されてくる信号(測定値)を受信する。
(2−5)制御ユニット
制御ユニット400は、主に、図示しないマイクロコンピュータやメモリから構成される制御装置である。制御ユニット400は、熱源ユニット100の熱源ユニット制御部190、利用ユニット300の利用ユニット制御部390及び接続ユニット200の接続ユニット制御部290と協働して、空気調和装置10の動作を制御する。なお、以下では、空気調和装置10の制御を行う制御ユニット400、熱源ユニット制御部190、利用ユニット制御部390及び接続ユニット制御部290をまとめて、空調コントローラと呼ぶ場合がある。
制御ユニット400は、空気調和装置10の動作の制御の1つとして、調整制御を行う機能を有する。調整制御は、空気調和装置10の能力を確保しつつ、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機110の容量とポンプ520の容量とを調整する制御である。ここで、空気調和装置10の能力とは、空気調和装置10の制御対象である空調対象空間の空気に対する冷却/加熱能力を意味する。また、ここでは、圧縮機110の容量及びポンプ520の容量とは、圧縮機110及びポンプ520の能力(例えばモータの回転数)を意味する。
なお、ここでは、制御ユニット400は、熱源ユニット制御部190、接続ユニット制御部290及び利用ユニット制御部390とは物理的に独立したユニットであるが、これに限定されるものではない。例えば、熱源ユニット制御部190が、ここで説明する制御ユニット400と同様の機能を有してもよい。
制御ユニット400は、制御ユニット400のメモリ等に記憶されたプログラムを、制御ユニット400のマイクロコンピュータが実行することで、熱源ユニット制御部190、接続ユニット制御部290及び利用ユニット制御部390と協働して空気調和装置10の動作を制御する。
空調コントローラ(つまり、制御ユニット400、熱源ユニット制御部190、接続ユニット制御部290及び利用ユニット制御部390)は、空気調和装置10の各種センサの測定値や、図示しない操作部(例えば、リモコン)に入力されるユーザの指令や設定に基づいて、熱源ユニット100、接続ユニット200、利用ユニット300及び水側ユニット500の各種構成機器の動作を制御する。空調コントローラの動作の制御対象の機器には、熱源ユニット100の圧縮機110、熱源側流量調節弁150、第1流路切換機構132、第2流路切換機構134、ガス抜き管流量調節弁182、吸入戻し弁172、及びバイパス弁128を含む。また、空調コントローラの動作の制御対象の機器には、利用ユニット300の利用側流量調節弁320及び室内ファンを含む。また、空調コントローラの動作の制御対象の機器には、接続ユニット200の分岐配管調節弁220、高低圧側弁230、及び低圧側弁240を含む。また、空調コントローラの動作の制御対象の機器には、水側ユニット500のポンプ520及び流量調節弁530を含む。
空気調和装置10の冷房運転時(利用ユニット300A,300Bの両方が冷房運転を行う時)、暖房運転時(利用ユニット300A,300Bの両方が暖房運転を行う時)、及び冷暖房同時運転時(一方の利用ユニット300が冷房運転を,他方の利用ユニット300が暖房運転を行う時)の、空調コントローラによる空気調和装置10の各種構成機器の制御の概要については、後ほど説明する。空調コントローラは、センサの計測値や設定温度等に基づいて、適切な運転条件が実現されるように(例えば、蒸発温度(冷房時)、凝縮温度(暖房時)、過冷却度、過熱度等の値のいずれか又は複数が目標値となるように)、圧縮機110の容量(回転数)を調節すると共に、熱源側流量調節弁150や利用側流量調節弁320等の弁の開度を調整する。
ここでは、制御ユニット400による、調整制御に関し、更に説明する。
制御ユニット400は、調整制御に関わる機能部として、操作部410、記憶部420、制御部430、及び算出部440を有する。制御ユニット400のマイクロコンピュータは、記憶部420に記憶された調整制御のためのプログラムを実行することで、制御部430及び算出部440として機能する。
(2−5−1)操作部
操作部410は、ユーザ等が制御ユニット400に対する各種指令や各種情報を入力する機器である。例えば、操作部410はタッチパネル式のディスプレイである。
操作部410は、受付部の一例であり、ポンプ520の消費エネルギーとポンプ520の吐出量との関係に関するポンプ特性情報を受け付ける。ポンプ特性情報には、例えば、ポンプ520の最大流量と、ポンプ520を最大流量で運転した時のポンプ520のモータの消費エネルギー(消費電力)とを含む。ただし、ポンプ特性情報は、このような情報に限定されるものではなく、例えば、ポンプ520の運転可能範囲内の任意の流量と、その流量で運転した時のポンプ520のモータの消費エネルギーとであってもよい。また、ポンプ特性情報は、ポンプ520の複数の任意の流量と、それぞれの流量で運転した時のポンプ520のモータの消費エネルギーとであってもよい。また、ポンプ特性情報は、ポンプ520の流量と消費エネルギーとの関係を表す式中のパラメータの値等であってもよい。
制御ユニット400がポンプ特性情報を受け付ける操作部410を有することで、ポンプ520の仕様が規格化されておらず、空気調和装置10の設置条件等に応じてポンプ520の仕様が決定される場合や、空気調和装置10の設置前から存在した既存のポンプがポンプ520として利用される場合でも、容易に調整制御を行うことができる。
なお、制御ユニット400は、操作部410に代えて、ユーザの使用する情報携帯端末(例えばスマートフォン)等から送信される各種指令や、ポンプ特性情報を含む各種情報を受信する通信部を受付部として有してもよい。
(2−5−2)記憶部
記憶部420には、制御ユニット400のマイクロコンピュータが後述する制御部430及び算出部440として機能するために実行するプログラムが記憶されている。
また、記憶部420には、操作部410から入力されたポンプ特性情報から制御ユニット400により導出される情報が記憶される。ポンプ特性情報から導出される情報は、図4のようなポンプ520の水量とポンプ520の消費エネルギー量との関係を示した情報である。ポンプ520の水量とポンプ520の消費エネルギー量との間には、一般に、水量が多くなると消費エネルギー量が増加するという関係がある。ポンプ特性情報から導出される情報は、例えば、水量とポンプ520の消費エネルギー量との関係を示した表であってもよいし、水量とポンプ520の消費エネルギー量との関係を示した数式であってもよい。
また、記憶部420には、図5(a)のような、水回路510における水の循環量(ポンプ520が吐出し、熱源側熱交換器140を通過する水量)と、凝縮温度(熱源側熱交換器140が冷媒の放熱器として機能する場合)との関係を示した情報が予め記憶されている。水回路510における水量と凝縮温度との間には、一般に、水量が多くなると凝縮温度が下がるという関係がある。また、記憶部420には、図5(b)のような、水回路510における水の循環量と、蒸発温度(熱源側熱交換器140が冷媒の蒸発器として機能する場合)との関係を示した情報が予め記憶されている。水回路510における水量と蒸発温度との間には、一般に、水量が多くなると蒸発温度が上がるという関係がある。なお、これらの情報は、例えば、表の形式であってもよいし、数式の形式であってもよい。また、熱源側熱交換器140に供給される冷却水や温水の温度が空気調和装置10の設置場所によって異なる可能性がある場合には、これらの情報は、冷却水や温水の温度別に設けられてもよい。
また、記憶部420には、図6(a)のような、熱源側熱交換器140における冷媒の凝縮温度と、圧縮機110の消費エネルギー量との関係を示した情報が予め記憶されている。凝縮温度と圧縮機110の消費エネルギー量との間には、一般には、凝縮温度が高くなると圧縮機110の消費エネルギー量が大きくなるという関係がある。また、記憶部420には、図6(b)のような、熱源側熱交換器140における冷媒の蒸発温度と、圧縮機110の消費エネルギー量との関係を示した情報が予め記憶されている。蒸発温度と圧縮機110の消費エネルギー量との間には、一般には、蒸発温度が高くなると圧縮機110の消費エネルギー量が下がるという関係がある。なお、これらの情報は、例えば、表の形式であってもよいし、数式の形式であってもよい。
また、記憶部420には、圧縮機110の容量(圧縮機モータの回転数)と、圧縮機110の消費エネルギーとの関係が記憶されている。
(2−5−3)制御部
制御部430は、主には調整制御を行う。つまり、制御部430は、主な機能として、空気調和装置10の能力を確保しつつ、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機110の容量とポンプ520の容量とを調整する制御を実行する。制御部430は、調整制御の際、圧縮機110の容量及びポンプ520の容量の調整の前後で熱源側熱交換器140における冷媒と水との間の熱交換量が維持されるように、圧縮機110の容量及びポンプ520の容量を調整する。
ここでは、制御部430は、調整制御として、予測型調整制御を実行する。
予測型調整制御は、ポンプ520の容量を変化させた場合の圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を事前に演算し、合計が減少すると演算される場合に、実際にポンプ520の容量を変化させる制御である(その結果、圧縮機110の容量も変化し、圧縮機110の容量とポンプ520の容量とが調整される)。
制御部430の実行する予測型調整制御の処理には、ポンプ520の容量を変化させた場合の圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を演算し、演算結果に基づき圧縮機110の容量及びポンプ520の容量の調整の実行/非実行を決定する処理を含む。
制御部430は、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を、操作部410が受け付けたポンプ特性情報に基づいて導出する。また、制御部430は、ポンプ520の容量又は圧縮機110の容量を変化させた場合の熱源側熱交換器140における冷媒の凝縮温度又は蒸発温度を予測し、予測結果に基づいて、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を演算する。また、制御部430は、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を、後述する水循環量算出部440bが算出する水の循環量(熱源側熱交換器140を通過している水量)に基づいて演算する。
制御部430の実行する処理の詳細については後述する。
(2−5−4)算出部
算出部440は、冷媒循環量算出部440aと、水循環量算出部440bと、を含む。冷媒循環量算出部440aは、第1循環量算出部の一例である。水循環量算出部440bは、第2循環量算出部の一例である。
(2−5−4−1)冷媒循環量算出部
冷媒循環量算出部440aは、圧縮機110の容量(回転数)に基づいて、冷媒回路50における冷媒の循環量(熱源側熱交換器140を通過する冷媒の流量)を算出する。冷媒循環量算出部440aは、例えば、記憶部420に記憶されている、圧縮機110の容量と膨張機構(熱源側流量調節弁150及び利用側流量調節弁320)の弁の開度と冷媒回路50における冷媒の循環量との関係に関する情報と、現在の圧縮機110の容量及び膨張機構としての流量調節弁150,320の開度と、に基づいて、冷媒回路50における冷媒の循環量を算出する。
(2−5−4−2)水循環量算出部
水循環量算出部440bは、熱源ユニット100のガス側温度センサT3及び液側温度センサT4、水入口温度センサTwi、及び水出口温度センサTwoの計測結果と、冷媒循環量算出部440aの算出結果と、に基づいて、水回路510における水の循環量((熱源側熱交換器140を通過する水の流量)を算出する。
水循環量算出部440bは、式(1)を用いて、水回路510における水の循環量を算出する。
Gw=Q÷(Cw×ΔTw)=(Gr×Δh)÷(Cw×ΔTw) (1)
なお、ここで、各記号は、以下の量を意味する。
Gw:水回路510の水量[kg/h]
Q:熱源側熱交換器140において冷媒と水との間で熱交換される熱量[J/h]
Cw:水の比熱[J/kg・K]
ΔTw:水入口温度センサTwiの計測結果から水出口温度センサTwoの計測結果を差し引いた、熱源側熱交換器140における水の入口と出口との温度差の絶対値[K]
Gr:冷媒循環量算出部440aにより算出される冷媒回路50における冷媒の循環量[kg/h]
Δh:ガス側温度センサT3及び液側温度センサT4の計測結果から求められる熱源側熱交換器140における冷媒の入口と出口との比エンタルピ差の絶対値[J/kg]
(3)空気調和装置の運転
利用ユニット300A及び利用ユニット300Bが共に冷房運転を行う場合、利用ユニット300A及び利用ユニット300Bが共に暖房運転を行う場合、利用ユニット300Aが冷房運転を利用ユニット300Bが暖房運転を行う場合の空気調和装置10の運転について以下に説明する。
まず、水側ユニット500のポンプ520及び流量調節弁530の動作の制御について説明する。
空調コントローラは、空気調和装置10の運転中、流量調節弁530の開度を常に全開に調節する。ただし、これに限定されるものではなく、流量調節弁530の開度は、全開以外の所定の開度に調節されてもよい。
また、空調コントローラは、空気調和装置10の運転が開始されると、ポンプ520を予め決定された所定容量(所定流量)で運転する。所定流量は、例えば、利用ユニット300A,300Bが共に冷房運転を行う場合、利用ユニット300A,300Bが共に暖房運転を行う場合、及び利用ユニット300Aが冷房運転を利用ユニット300Bが暖房運転を行う場合でそれぞれ変更されてもよいし、いずれの場合にも同じであってもよい。その後、空調コントローラ(特に制御部430)は、所定のタイミングで、調整制御を開始し、ポンプ520の容量(ポンプ520の吐出する水の量)を変更する。例えば、制御部430は、空気調和装置10の運転が安定した時点で(具体的には、例えば、圧縮機110の起動制御後、圧縮機110の容量(圧縮機モータの回転数)が一定の状態が所定時間以上続いた時点で)、調整制御を開始する。また、例えば、制御部430は、空気調和装置10の運転開始から所定時間が経過した時点で、調整制御を開始してもよい。調整制御中のポンプ520の容量の制御については後述する。
以下では、冷媒回路50側の構成機器の動作について説明する。なお、ここで説明する空気調和装置10の動作は例示であって、利用ユニット300A,300Bが冷房/暖房という所望の機能を発揮可能な範囲で適宜変更されてもよい。
(3−1)運転される利用ユニットが全て冷房運転を行う場合
利用ユニット300A及び利用ユニット300Bが共に冷房運転を行う場合、つまり、利用ユニット300A及び利用ユニット300Bの利用側熱交換器310が冷媒の吸熱器(蒸発器)として機能し、熱源側熱交換器140が冷媒の放熱器(凝縮器)として機能する場合について説明する。
この時、制御ユニット400は、第1流路切換機構132を放熱運転状態(図2の第1流路切換機構132の実線で示された状態)に切り換えることで、熱源側熱交換器140を冷媒の放熱器として機能させる。また、制御ユニット400は、第2流路切換機構134を蒸発負荷運転状態(図2の第2流路切換機構134の実線で示された状態)に切り換えている。また、制御ユニット400は、熱源側流量調節弁150及び吸入戻し弁172を適宜開度調節する。また、制御ユニット400は、ガス抜き管流量調節弁182を全閉状態に制御する。また、制御ユニット400は、接続ユニット200A,200Bにおいて、分岐配管調節弁220を閉状態にすると共に、高低圧側弁230及び低圧側弁240を開状態にし、利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310を冷媒の蒸発器として機能させる。制御ユニット400が高低圧側弁230及び低圧側弁240を開状態にすることで、利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310と熱源ユニット100の圧縮機110の吸入側とが高低圧ガス冷媒連絡管34及び低圧ガス冷媒連絡管36を介して接続された状態になる。また、制御ユニット400は、利用ユニット300A,300Bの利用側流量調節弁320のそれぞれを適宜開度調節する。
上記のように制御ユニット400が空気調和装置10の各部を動作させることによって、冷媒回路50内には、図3Aに矢印で示しているように冷媒が循環する。
つまり、圧縮機110で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、第1流路切換機構132を通じて、熱源側熱交換器140に送られる。熱源側熱交換器140に送られた高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器140において熱源としての水と熱交換を行うことによって放熱し、凝縮する。そして、熱源側熱交換器140において放熱した冷媒は、熱源側流量調節弁150において流量調節された後、レシーバ180に送られる。レシーバ180に送られた冷媒は、レシーバ180内に一時的に溜められた後に流出し、その一部は分岐部B1から吸入戻し管170aに流れ、残りは液冷媒連絡管32に向かって流れる。レシーバ180から液冷媒連絡管32へと流れる冷媒は、過冷却熱交換器170で吸入戻し管170aを圧縮機110の吸入配管110aに向かって流れる冷媒と熱交換して冷却された後に、液側閉鎖弁22を通って液冷媒連絡管32へと流入する。液冷媒連絡管32に送られた冷媒は、2方に分かれて、各接続ユニット200A,200Bの主液冷媒配管252に送られる。接続ユニット200A,200Bの主液冷媒配管252に送られた冷媒は、それぞれ、液接続管42を通って、利用ユニット300A,300Bの利用側流量調節弁320に送られる。利用側流量調節弁320に送られた冷媒は、利用側流量調節弁320において流量調節された後、利用側熱交換器310において、図示しない室内ファンによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給される。利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310から流出する低圧のガス冷媒は、それぞれ、接続ユニット200A,200Bの合流ガス冷媒配管266に送られる。合流ガス冷媒配管266に送られた低圧のガス冷媒は、高低圧ガス冷媒配管262を通じて高低圧ガス冷媒連絡管34に、低圧ガス冷媒配管264を通じて低圧ガス冷媒連絡管36に送られる。そして、高低圧ガス冷媒連絡管34に送られた低圧のガス冷媒は、高低圧ガス側閉鎖弁24及び第2流路切換機構134を通じて圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に戻される。低圧ガス冷媒連絡管36に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁26を通じて圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に戻される。
(3−2)運転される利用ユニットが全て暖房運転を行う場合
利用ユニット300A及び利用ユニット300Bが共に暖房運転を行う場合、つまり、利用ユニット300A及び利用ユニット300Bの利用側熱交換器310が冷媒の放熱器(凝縮器)として機能し、熱源側熱交換器140が冷媒の吸熱器(蒸発器)として機能する場合について説明する。
この時、制御ユニット400は、第1流路切換機構132を蒸発運転状態(図2の第1流路切換機構132の破線で示された状態)に切り換えることで、熱源側熱交換器140を冷媒の吸熱器(蒸発器)として機能させる。また、制御ユニット400は、第2流路切換機構134を放熱負荷運転状態(図2の第2流路切換機構134の破線で示された状態)に切り換えている。また、制御ユニット400は、熱源側流量調節弁150を適宜開度調節する。また、制御ユニット400は、接続ユニット200A,200Bにおいて、分岐配管調節弁220及び低圧側弁240を閉状態にし、高低圧側弁230を開状態にし、利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310を冷媒の放熱器(凝縮器)として機能させる。制御ユニット400が高低圧側弁230を開状態にすることで、圧縮機110の吐出側と利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310とが高低圧ガス冷媒連絡管34を介して接続された状態となる。また、制御ユニット400は、利用ユニット300A,300Bの利用側流量調節弁320のそれぞれを適宜開度調節する。
上記のように制御ユニット400が空気調和装置10の各部を動作させることによって、冷媒回路50内には、図3Bに矢印で示しているように冷媒が循環する。
つまり、圧縮機110で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、第2流路切換機構134及び高低圧ガス側閉鎖弁24を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管34に送られる。高低圧ガス冷媒連絡管34に送られた高圧のガス冷媒は、分岐して各接続ユニット200A,200Bの高低圧ガス冷媒配管262に流入する。高低圧ガス冷媒配管262に流入した高圧のガス冷媒は、高低圧側弁230、合流ガス冷媒配管266及びガス接続管44を通じて、利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310に送られる。利用側熱交換器310に送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器310において、室内ファンによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱し、凝縮する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給される。利用ユニット300A,300Bの利用側熱交換器310において放熱した冷媒は、利用ユニット300A,300Bの利用側流量調節弁320において流量調節された後、液接続管42を通じて、接続ユニット200A,200Bの主液冷媒配管252に送られる。主液冷媒配管252に送られた冷媒は、液冷媒連絡管32に送られ、液側閉鎖弁22を通じて、レシーバ180に送られる。レシーバ180に送られた冷媒は、レシーバ180内に一時的に溜められた後に流出し、熱源側流量調節弁150に送られる。そして、熱源側流量調節弁150に送られた冷媒は、熱源側熱交換器140において、熱源としての水と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、第1流路切換機構132に送られる。そして、第1流路切換機構132に送られた低圧のガス冷媒は、圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に戻される。
(3−3)冷房/暖房同時運転が行われる場合
(a)蒸発負荷が主体の場合
冷暖同時運転の運転であって、かつ、利用ユニット300の蒸発負荷の方が多い場合について、空気調和装置10の運転を説明する。利用ユニット300の蒸発負荷の方が多い場合とは、例えば、多数ある利用ユニットの大部分が冷房運転を行い、少数が暖房運転を行っているような場合に発生する。ここでは、利用ユニット300が2台しかなく、その利用側熱交換器310が冷媒の蒸発器として機能する利用ユニット300Aの冷房負荷が、その利用側熱交換器310が冷媒の放熱器として機能する利用ユニット300Bの暖房負荷よりも大きい場合を例にして以下の説明を行う。
この時、制御ユニット400は、第1流路切換機構132を放熱運転状態(図2の第1流路切換機構132の実線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器140を冷媒の放熱器として機能させる。また、制御ユニット400は、第2流路切換機構134を放熱負荷運転状態(図2の第2流路切換機構134の破線で示された状態)に切り換えている。また、制御ユニット400は、熱源側流量調節弁150及び吸入戻し弁172を適宜開度調節する。また、制御ユニット400は、ガス抜き管流量調節弁182を全閉状態に制御する。また、制御ユニット400は、接続ユニット200Aにおいて、分岐配管調節弁220及び高低圧側弁230を閉状態にすると共に、低圧側弁240を開状態にし、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310を冷媒の蒸発器として機能させる。また、制御ユニット400は、接続ユニット200Bにおいて、分岐配管調節弁220及び低圧側弁240を閉状態にすると共に、高低圧側弁230を開状態にし、利用ユニット300Bの利用側熱交換器310を冷媒の放熱器として機能させる。上記のように接続ユニット200Aの弁が制御されることで、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310と熱源ユニット100の圧縮機110の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管36を介して接続された状態になる。また、上記のように接続ユニット200Bの弁が制御されることで、熱源ユニット100の圧縮機110の吐出側と利用ユニット300Bの利用側熱交換器310とが高低圧ガス冷媒連絡管34を介して接続された状態になる。また、制御ユニット400は、利用ユニット300A,300Bの利用側流量調節弁320のそれぞれを適宜開度調節する。
上記のように制御ユニット400が空気調和装置10の各部を動作させることによって、冷媒回路50内には、図3Cに矢印で示しているように冷媒が循環する。
つまり、圧縮機110で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、その一部が、第2流路切換機構134及び高低圧ガス側閉鎖弁24を通じて高低圧ガス冷媒連絡管34に送られ、残りが、第1流路切換機構132を通じて熱源側熱交換器140に送られる。
高低圧ガス冷媒連絡管34に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット200Bの高低圧ガス冷媒配管262に送られる。高低圧ガス冷媒配管262に送られた高圧のガス冷媒は、高低圧側弁230及び合流ガス冷媒配管266を通じて、利用ユニット300Bの利用側熱交換器310に送られる。利用ユニット300Bの利用側熱交換器310に送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器310において、室内ファンによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱し、凝縮する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給される。利用ユニット300Bの利用側熱交換器310において放熱した冷媒は、利用ユニット300Bの利用側流量調節弁320において流量調節された後、接続ユニット200Bの主液冷媒配管252に送られる。接続ユニット200Bの主液冷媒配管252に送られた冷媒は、液冷媒連絡管32に送られる。
また、熱源側熱交換器140に送られた高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器140において、熱源としての水と熱交換を行うことによって放熱し、凝縮する。そして、熱源側熱交換器140において放熱した冷媒は、熱源側流量調節弁150において流量調節された後、レシーバ180に送られる。レシーバ180に送られた冷媒は、レシーバ180内に一時的に溜められた後に流出し、その一部は分岐部B1から吸入戻し管170aに流れ、残りは液冷媒連絡管32に向かって流れる。レシーバ180から液冷媒連絡管32へと流れる冷媒は、過冷却熱交換器170で吸入戻し管170aを圧縮機110の吸入配管110aに向かって流れる冷媒と熱交換して冷却された後に、液側閉鎖弁22を通って液冷媒連絡管32へと流入する。液側閉鎖弁22を通って液冷媒連絡管32へと流入する冷媒は、接続ユニット200Bの主液冷媒配管252から流入する冷媒と合流する。
液冷媒連絡管32の冷媒は、接続ユニット200Aの主液冷媒配管252に送られる。接続ユニット200Aの主液冷媒配管252に送られた冷媒は、利用ユニット300Aの利用側流量調節弁320に送られる。利用ユニット300Aの利用側流量調節弁320に送られた冷媒は、利用側流量調節弁320において流量調節された後、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310において、室内ファンによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給される。利用ユニット300Aの利用側熱交換器310から流出する低圧のガス冷媒は、接続ユニット200Aの合流ガス冷媒配管266に送られる。接続ユニット200Aの合流ガス冷媒配管266に送られた低圧のガス冷媒は、接続ユニット200Aの低圧ガス冷媒配管264を通じて低圧ガス冷媒連絡管36に送られる。低圧ガス冷媒連絡管36に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁26を通じて、圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に戻される。
(b)放熱負荷が主体の場合
冷暖同時運転の運転であって、かつ、利用ユニット300の放熱負荷の方が多い場合について、空気調和装置10の運転を説明する。利用ユニット300の放熱負荷の方が多い場合とは、例えば、多数ある利用ユニットの大部分が暖房運転を行い、少数が冷房運転を行っているような場合に発生する。ここでは、利用ユニット300が2台しかなく、その利用側熱交換器310が冷媒の放熱器として機能する利用ユニット300Bの暖房負荷が、その利用側熱交換器310が冷媒の蒸発器として機能する利用ユニット300Aの冷房負荷よりも大きい場合を例にして以下の説明を行う。
この時、制御ユニット400は、第1流路切換機構132を蒸発運転状態(図2の第1流路切換機構132の破線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器140を冷媒の蒸発器として機能させる。また、制御ユニット400は、第2流路切換機構134を放熱負荷運転状態(図2の第2流路切換機構134の破線で示された状態)に切り換えている。また、制御ユニット400は、熱源側流量調節弁150を適宜開度調節する。また、制御ユニット400は、接続ユニット200Aにおいて、高低圧側弁230を閉状態にすると共に、低圧側弁240を開状態にし、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310を冷媒の蒸発器として機能させる。また、制御ユニット400は、接続ユニット200Aにおいて、分岐配管調節弁220を適宜開度調節する。また、制御ユニット400は、接続ユニット200Bにおいて、分岐配管調節弁220及び低圧側弁240を閉状態にすると共に、高低圧側弁230を開状態にし、利用ユニット300Bの利用側熱交換器310を冷媒の放熱器として機能させる。上記のように接続ユニット200A,200Bの弁が制御されることで、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310と熱源ユニット100の圧縮機110の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管36を介して接続された状態になる。また、上記のように接続ユニット200A,200Bの弁が制御されることで、熱源ユニット100の圧縮機110の吐出側と利用ユニット300Bの利用側熱交換器310とが高低圧ガス冷媒連絡管34を介して接続された状態になる。また、制御ユニット400は、利用ユニット300A,300Bの利用側流量調節弁320のそれぞれを適宜開度調節する。
上記のように制御ユニット400が空気調和装置10の各部を動作させることによって、冷媒回路50内には、図3Dに矢印で示しているように冷媒が循環する。
つまり、圧縮機110で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、第2流路切換機構134及び高低圧ガス側閉鎖弁24を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管34に送られる。高低圧ガス冷媒連絡管34に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット200Bの高低圧ガス冷媒配管262に送られる。高低圧ガス冷媒配管262に送られた高圧のガス冷媒は、高低圧側弁230及び合流ガス冷媒配管266を通じて、利用ユニット300Bの利用側熱交換器310に送られる。利用ユニット300Bの利用側熱交換器310に送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器310において、室内ファンによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱し、凝縮する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給される。利用ユニット300Bの利用側熱交換器310において放熱した冷媒は、利用ユニット300Bの利用側流量調節弁320において流量調節された後、接続ユニット200Bの主液冷媒配管252に送られる。接続ユニット200Bの主液冷媒配管252に送られた冷媒は、液冷媒連絡管32に送られる。液冷媒連絡管32の冷媒は、その一部が、接続ユニット200Aの主液冷媒配管252に送られ、残りが、液側閉鎖弁22を通じて、レシーバ180に送られる。
そして、接続ユニット200Aの主液冷媒配管252に送られた冷媒は、その一部が分岐液冷媒配管254に流れ、残りは利用ユニット300Aの利用側流量調節弁320に向かって流れる。主液冷媒配管252を利用側流量調節弁320へと流れる冷媒は、過冷却熱交換器210で分岐液冷媒配管254を低圧ガス冷媒配管264に向かって流れる冷媒と熱交換して冷却された後に、利用側流量調節弁320へと流入する。利用ユニット300Aの利用側流量調節弁320に送られた冷媒は、利用ユニット300Aの利用側流量調節弁320において流量調節された後、利用ユニット300Aの利用側熱交換器310において、室内ファンによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給される。そして、利用側熱交換器310から流出する低圧のガス冷媒は、接続ユニット200Aの合流ガス冷媒配管266に送られる。合流ガス冷媒配管266に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス冷媒配管264へと流入し、分岐液冷媒配管254から流入する冷媒と合流し、低圧ガス冷媒連絡管36に送られる。低圧ガス冷媒連絡管36に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁26を通じて、圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に戻される。
一方、液冷媒連絡管32からレシーバ180に送られた冷媒は、レシーバ180内に一時的に溜められた後に流出し、熱源側流量調節弁150に送られる。そして、熱源側流量調節弁150に送られた冷媒は、熱源側熱交換器140において、熱源としての水と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、第1流路切換機構132に送られる。そして、第1流路切換機構132に送られた低圧のガス冷媒は、圧縮機110の吸入側(吸入配管110a)に戻される。
(4)調整制御(予測型調整制御)
図7のフローチャートを参照しながら、制御部430による調整制御(予測型調整制御)を説明する。
前述のように、空調コントローラは、空気調和装置10の運転が開始されると、ポンプ520を予め決定された所定容量(所定流量)で運転する。その後、制御部430は、所定のタイミングで、調整制御を開始し、ポンプ520の容量(ポンプ520の吐出する水の量)を変更する。
調整制御が開始されると、水循環量算出部440bが、上記のような方法で熱源側熱交換器140を通過している水量Gw1(水回路510の水循環量)を算出する(ステップS1)。
次に、制御部430は、ステップS1で算出された水量と、記憶部420に記憶されたポンプ特性情報から導出される情報(図4のようなポンプ520の水量とポンプの消費エネルギーとの関係)とに基づいて、現在のポンプ520の消費エネルギー(ポンプ520に対する入力電力)を算出する(ステップS2)。
次に、制御部430は、記憶部420に記憶されたポンプ特性情報から導出される情報に基づいて、現在の水量Gw1から、(ポンプ520の能力から見て実現可能な範囲で)水量を所定量だけ増減させた場合のポンプ520の消費エネルギーを算出する(ステップS3)。例えば、制御部430は、記憶部420に記憶されたポンプ特性情報から導出される情報に基づいて、現在の水量から所定割合だけ(例えば5%だけ)水量を増加させた場合(水量をGw2とした場合)のポンプ520の消費エネルギーと、現在の水量から所定割合だけ(例えば5%だけ)水量を減少させた場合(水量をGw3とした場合)のポンプ520の消費エネルギーとを、それぞれ算出する。さらに制御部430は、水量を現在の水量から所定量だけ増減させた場合のポンプ520の消費エネルギーから、(ステップS2で算出されている)現在のポンプ520の消費エネルギーを差し引いて、水回路510の流量増減時のポンプ520の消費エネルギーの増減量を算出する。
次に、ステップS4では、制御部430は、熱源側熱交換器140が放熱運転中であれば、記憶部420に記憶されている、図5(a)のような水回路510における水量と凝縮温度との関係に基づいて、水回路510における水量をGw2とした場合の凝縮温度Tc2と、水回路510における水量をGw3とした場合の凝縮温度Tc3と、を算出する。また、ステップS4では、制御部430は、熱源側熱交換器140が吸熱運転中であれば、記憶部420に記憶されている、図5(b)のような水回路510における水量と蒸発温度との関係に基づいて、水回路510における水量をGw2とした場合の蒸発温度Te2と、水回路510における水量をGw3とした場合の蒸発温度Te3と、を算出する。
次に、ステップS5では、制御部430は、ステップS4で凝縮温度が算出された場合には、記憶部420に記憶されている、図6(a)のような冷媒の凝縮温度と圧縮機110の消費エネルギー量との関係を示した情報に基づいて、凝縮温度Tc2,Tc3に対する圧縮機110の消費エネルギーを算出する。また、ステップS5では、制御部430は、ステップS5で蒸発温度が算出された場合には、記憶部420に記憶されている、図6(b)のような冷媒の蒸発温度と圧縮機110の消費エネルギーとの関係を示した情報に基づいて、蒸発温度Te2,Te3に対する圧縮機110の消費エネルギーを算出する。さらに、制御部430は、水回路510における水量をGw2,Gw3とした場合の圧縮機110の消費エネルギー(言い換えれば、凝縮温度Tc2,Tc3に対する圧縮機110の消費エネルギー、又は、蒸発温度Te2,Te3に対する圧縮機110の消費エネルギー)から、現在の圧縮機110の容量から算出される圧縮機110の消費エネルギーを差し引いて、水回路510の流量増減時の圧縮機110の消費エネルギーの増減量を算出する。
次に、ステップS6では、制御部430は、ステップS3及びステップS5の算出結果に基づいて、水回路510の流量増減時の、全体の消費エネルギーの増減量(ポンプ520の消費エネルギーの増減量と圧縮機110の消費エネルギーの増減量との合計)を算出する。ここでは、水回路510の流量を流量Gw2に増加させる時の全体の消費エネルギーの増減量をΔE1とし、水回路510の流量を流量Gw3に減少させる時の全体の消費エネルギーの増減量をΔE2とする。
次に、ステップS7では、制御部430が、ステップS6で算出された水回路510の流量増減時の全体の消費エネルギーの増減量にマイナスの値があるか(水回路510の流量増減時に、全体の消費エネルギーが現在よりも減少する場合があるか)を判定する。水回路510の流量増減時の全体の消費エネルギーの増減量にマイナスの値がなければステップS8に進む。一方、水回路510の流量増減時の全体の消費エネルギーの増減量にマイナスの値があれば、ステップS9に進む。
ステップS8では、ステップS7の処理の実行後に、所定時間(例えば数十秒)が経過したか否かが判定される。所定時間が経過したと判定されるとステップS1に戻る。ステップS8の処理は、所定時間が経過したと判定されるまで繰り返し判定される。
ステップS9では、ステップS6で算出された水回路510の流量を流量Gw2に増加させた時の全体の消費エネルギーの増減量ΔE1が、ステップS6で算出された水回路510の流量を流量Gw3に減少させた時の全体の消費エネルギーの増減量ΔE2より小さいか否かが判定される。水回路510の流量を流量Gw2に増加させた時の全体の消費エネルギーの増減量ΔE1が、水回路510の流量を流量Gw3に減少させた時の全体の消費エネルギーの増減量ΔE2より小さければ(水回路510の流量を増加させた方が、水回路510の流量を減少させるよりも全体の消費エネルギーが小さくなると演算されれば)、ステップS10に進む。一方、水回路510の流量を流量Gw2に増加させた時の全体の消費エネルギーの増減量ΔE1が、水回路510の流量を流量Gw3に減少させた時の全体の消費エネルギーの増減量ΔE2以上であれば、ステップS11に進む。
ステップS10では、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させ、水回路510の流量を流量Gw2に増加させる。水回路510の流量Gw2に増加させた結果、空気調和装置10のシステムが安定するように(空気調和装置10で所望の冷房運転、暖房運転、冷暖房同時運転が実現されるように)、圧縮機110の容量が調整される。その結果、通常、ポンプ520及び圧縮機110の消費エネルギーが低減される。なお、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させると同時に、(各種センサの計測値等に基づいて圧縮機110の容量が変化するのを待つのではなく)ポンプ520の容量の変化に対応するようにステップS5で算出した消費エネルギーに圧縮機110に対する入力エネルギーを変化させることで、圧縮機110の容量を調整してもよい。ステップS10の実行後、ステップS8に進む。
ステップS11では、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させ、水回路510の流量を流量Gw3に減少させる。水回路510の流量Gw3に減少させた結果、空気調和装置10のシステムが安定するように(空気調和装置10で所望の冷房運転、暖房運転、冷暖房同時運転が実現されるように)、圧縮機110の容量が調整される。その結果、通常、ポンプ520及び圧縮機110の消費エネルギーが低減される。なお、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させると同時に、(各種センサの計測値等に基づいて圧縮機110の容量が変化するのを待つのではなく)ポンプ520の容量の変化に対応するようにステップS5で算出した消費エネルギーに圧縮機110に対する入力エネルギーを変化させることで、圧縮機110の容量を調整してもよい。ステップS11の実行後、ステップS8に進む。
なお、ここでは、ステップS6において、水回路510の流量増加時及び流量減少時の両方について全体の消費エネルギーの増減量が算出されるが、これに限定されるものではない。例えば、制御部430は、先ず、水回路510の流量増加時の全体の(ポンプ520及び圧縮機110の)消費エネルギーの増減量を算出してもよい。そして、制御部430は、全体の消費エネルギーが減少すると判断する場合には、水回路510の流量減少時の全体の消費エネルギーの増減量は算出せずに、水回路510の流量を増加させてもよい。一方、水回路510の流量増加時に全体の消費エネルギーが増加すると判断される場合には、制御部430は、水回路510の流量減少時の全体の消費エネルギーの増減量を算出し、全体の消費エネルギーが減少すると判断される場合に、水回路510の流量を減少させてもよい。なお、ここで例示した方法とは逆に、制御部430は、先に水回路510の流量減少時の全体の消費エネルギーの増減量を算出し、その後、水回路510の流量増加時の全体の消費エネルギーの増減量を算出してもよい。
(5)特徴
(5−1)
上記実施形態に係る冷凍装置の一例としての空気調和装置10は、第1流体としての冷媒が循環する冷媒回路50と、水回路510とを備える。冷媒回路50は、第1回路の一例であり、水回路510は、第2回路の一例である。冷媒回路50は、圧縮機110と、熱源側熱交換器140及び利用側熱交換器310と、流量調節弁150,320と、を含む。熱源側熱交換器140は第1熱交換器の一例であり、利用側熱交換器310は第2熱交換器の一例である。熱源側流量調節弁150及び利用側流量調節弁320は、膨張機構の一例である。圧縮機110は、冷媒を圧縮する。熱源側熱交換器140及び利用側熱交換器310には、冷媒が内部を流れる。流量調節弁150,320は、熱源側熱交換器140から利用側熱交換器310へと、又は、利用側熱交換器310から熱源側熱交換器140へと流れる冷媒の圧力を降下させる。水回路510には、熱源側熱交換器140において冷媒と熱交換を行う水が、ポンプ520によって循環する。空気調和装置10は、更に制御部430を備える。制御部430は、空気調和装置10の能力を確保しつつ、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機110の容量とポンプ520の容量とを調整する、調整制御を行う。
本空気調和装置10では、空気調和装置10の能力を確保しつつ、圧縮機110及びポンプ520の消費エネルギーの合計が低減されるように圧縮機110及びポンプ520の容量が調整される。そのため、本空気調和装置10では、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を実現できる。
(5−2)
上記実施形態に係る空気調和装置10では、制御部430は、調整制御の際、圧縮機110の容量及びポンプ520の容量の調整の前後で熱源側熱交換器140における冷媒と水との間の熱交換量が維持されるように、圧縮機110の容量及びポンプ520の容量を調整する。
ここでは、熱源側熱交換器140における流体間の熱交換量を維持することで、空気調和装置10の能力を確保しつつ、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を実現できる。
(5−3)
上記実施形態に係る空気調和装置10では、調整制御は、予測型調整制御を含む。制御部430は、予測型調整制御の処理の一部として、ポンプ520の容量を変化させた場合の圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を演算し、演算結果に基づきポンプ520の容量の調整の実行/非実行を決定する。
ここでは、ポンプ520の容量を変化させた場合の圧縮機110及びポンプ520の消費エネルギーの合計の変化を演算した上で、ポンプ520の容量の調整の実行/非実行を決定できる。つまり、ここでは、ポンプ520の容量を変化させることで消費エネルギーの合計が減ると予想される場合には圧縮機110及びポンプ520の容量の調整を行い、逆にポンプ520の容量を変化させることで消費エネルギーの合計が増えると予想される場合には圧縮機110及びポンプ520の容量の調整を行なわないという決定をできる。そのため、本空気調和装置10では、システムの主動力機器のエネルギー消費を抑制した効率のよい運転を行うことが容易である。
(5−4)
上記実施形態に係る空気調和装置10は、受付部の一例としての操作部410を備える。操作部410は、ポンプ520の消費エネルギーとポンプ520の吐出量との関係に関するポンプ特性情報を受け付ける。制御部430は、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を、ポンプ特性情報に基づいて導出する。
ここでは、現場毎にポンプが選定される場合であっても、ポンプの消費エネルギーと吐出量との関係をポンプ特性情報に基づいて把握し、圧縮機110及びポンプ520の消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算し、これに基づいて圧縮機110及びポンプ520の容量の調整の実行/非実行を決定することができる。
(5−5)
上記実施形態に係る空気調和装置10では、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させた場合の熱源側熱交換器140における冷媒の凝縮温度又は蒸発温度を予測し、予測結果に基づいて、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を演算する。
ここでは、ポンプ520の容量を変化させた場合の熱源側熱交換器140における冷媒の予測凝縮温度又は予測蒸発温度に基づいて、圧縮機110及びポンプ520の消費エネルギーの合計の変化を演算できる。そのため、圧縮機110及びポンプ520の消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算した上で、圧縮機110及びポンプ520の容量の調整の実行/非実行を決定することができる。
(5−6)
上記実施形態に係る空気調和装置10は、第1温度センサ及び第2温度センサの一例としてのガス側温度センサT3及び液側温度センサT4と、第3温度センサの一例としての水入口温度センサTwiと、第4温度センサの一例としての水出口温度センサTwoと、第1循環量算出部の一例としての冷媒循環量算出部440aと、第2循環量算出部の一例としての水循環量算出部440bと、を備える。ガス側温度センサT3及び液側温度センサT4は、一方が冷媒の熱源側熱交換器140への入口における温度を計測し、他方が冷媒の熱源側熱交換器140からの出口における温度を計測する。水入口温度センサTwiは、水の熱源側熱交換器140への入口における温度を計測する。水出口温度センサTwoは、水の熱源側熱交換器140からの出口における温度を計測する。冷媒循環量算出部440aは、圧縮機110の容量から、冷媒回路50における冷媒の循環量を算出する。水循環量算出部440bは、ガス側温度センサT3と、液側温度センサT4と、水入口温度センサTwiと、水出口温度センサとの計測結果と、冷媒循環量算出部440aの算出結果と、に基づいて、水回路510における水の循環量を算出する。制御部430は、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を、水循環量算出部440bが算出する水の循環量に基づいて演算する。
ここでは、水の流量を直接測定しない場合や、水の流量を直接測定できない場合であっても、現在の水の流量を把握し、圧縮機110及びポンプ520の消費エネルギーの合計の変化を比較的精度良く演算した上で、圧縮機110及びポンプ520の容量の調整の実行/非実行を決定できる。
(6)変形例
以下に、第1実施形態の変形例を示す。なお、変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わされてもよい。
(6−1)変形例1A
第1実施形態の制御部430の調整制御(予測型調整制御)の処理フローは一例に過ぎず、上述したフローに限定されるものではない。例えば、他の形態では、制御部430は、以下のような方法で調整制御を実行してもよい。
例えば、空気調和装置は、ポンプ520に供給される電流を計測する電力計を有してもよい。電力計は、制御ユニット400と電気的に接続され、制御ユニット400に対し測定した電力値を送信するように構成されることが好ましい。そして、制御部430は、水循環量算出部440bが算出した水回路510を流れる水の流量に基づいてポンプ520の消費エネルギーを算出する代わりに、電力計の実測値をポンプ520の消費エネルギーとしてもよい。
また、例えば、水回路510には、ポンプ520の送水量を測定する流量計が設けられてもよい。流量計は、制御ユニット400と電気的に接続され、制御ユニット400に対し測定した電力値を送信するように構成されることが好ましい。そして、制御部430は、水循環量算出部440bが算出した水回路510を流れる水の流量に基づいてポンプ520の消費エネルギーを算出する代わりに、流量の実測値に基づいてポンプ520の消費エネルギーを算出してもよい。
また、例えば、空気調和装置10の運転開始時のポンプ520の流量が既知である場合には、制御部430は、初回のステップS2において、水循環量算出部440bが算出した水回路510を流れる水の流量に基づいてポンプ520の消費エネルギーを算出する代わりに、既知である空気調和装置10の運転開始時のポンプ520の流量に基づいて、ポンプ520の消費エネルギーを算出してもよい。また、流量の増減時にどれだけ水量を増減させたかを把握しておけば、ポンプ520の容量の増減後も、水循環量算出部440bにより計測しなくても、ポンプ520の流量を把握することができる。
また、上記実施形態において、水回路510を流れる水の流量がステップS1において水循環量算出部440bにより一旦算出された後は、増減時にどれだけ水量を増減させたかを把握しておけば、再び水循環量算出部440bにより算出しなくても、ポンプ520の流量を把握することができる。
(6−2)変形例1B
第1実施形態では、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させた場合の圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を事前に演算し、合計が減少すると演算される場合にポンプ520の容量を変化させるが、本願発明の冷凍装置は、このような態様に限定されるものではない。
制御部430は、同様の手法を用いて、逆に圧縮機110の容量(回転数)を変化させた場合の圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を事前に演算し、合計が減少すると演算される場合に圧縮機110の容量を変化させてもよい。なお、この場合には、ポンプ520の容量は、例えば、水入口温度センサTwi及び水出口温度センサTwoの測定値に基づいて調整されればよい。
(6−3)変形例1C
第1実施形態では、空気調和装置10は、接続ユニット200を備え、一部の利用ユニット300で冷房運転を、他の一部の利用ユニット300で暖房運転を実行できる装置であるが、これに限定されるものではない。例えば、本願発明に係る冷凍装置の一例としての空気調和装置は、冷暖房同時運転を実行することのできない装置であってもよい。
また、例えば、空気調和装置10は冷房運転専用、又は、暖房運転専用の装置であってもよい。
(6−4)変形例1D
第1実施形態では、空気調和装置10に用いられる冷媒は、相変化を伴う冷媒であるが、これに限定されるものではない。空気調和装置10に用いられる冷媒は、相変化を伴わない、例えば二酸化炭素等の冷媒であってもよい。
(6−5)変形例1E
第1実施形態では、ポンプ520のモータをインバータ制御することでポンプ520の容量が調整されるが、これに限定されるものではない。
例えば、ポンプ520の容量は、並列に接続された複数のポンプの運転台数を変更することで調整されてもよい。
また、例えば、ポンプ520は定流量のポンプであって、流量調節弁530の開度を調節して流量を変更することで、ポンプの容量(熱源側熱交換器140を通過する水量)を調整し、これにより消費エネルギー(ポンプに対して入力されるエネルギー)を変動させるようにしてもよい。ただし、一般に、流量調節弁530の開度を小さくすることで低減される消費エネルギーは、ポンプ520を回転数可変のポンプとする場合と比較すると小さいため、ポンプ520のモータはインバータ制御可能であることが好ましい。
(6−6)変形例1F
第1実施形態では、空気調和装置10がポンプ520及び流量調節弁530を有するが、これに限定されるものではない。例えば、ポンプ520や流量調節弁530は空気調和装置10とは別の装置であって、制御部430が、ポンプ520や流量調節弁530を上記実施形態のように制御できるよう信号を送信可能に構成されてもよい。
<第2実施形態>
図8は、本発明に係る冷凍装置の第2実施形態としての空気調和装置10Aの概略構成図である。図9は、空気調和装置10Aの概略の冷媒回路図である。
空気調和装置10Aは、制御ユニット400の代わりに、制御ユニット400Aを備える(図8参照)。制御ユニット400Aは、物理的に制御ユニット400と同様の構成を有する。制御ユニット400Aは、調整制御として予備型調整制御を実行する制御部430ではなく、調整制御として実測型調整制御を実行する制御部430Aを有する。実測型調整制御を行う第2実施形態の制御ユニット400Aは、第1実施形態の制御ユニット400の算出部440を有さなくてもよい。
また、空気調和装置10Aは、第1実施形態の空気調和装置10の構成に加え、圧縮機110に供給される電流の値を計測する第1電流計C1と、ポンプ520に供給される電流の値を計測する第2電流計C2と、を備える(図8及び図9参照)。第1電流計C1は、第1計測部の一例である。第2電流計C2は、第2計測部の一例である。第1電流計C1及び第2電流計C2は、制御ユニット400Aと電気的に接続されている。なお、空気調和装置10Aは、電流計C1,C2に代えて、電力計を有していてもよい。
ここでは、空気調和装置10Aについて、主に制御部430Aの実行する実測型調整制御について説明する。その他の点については、空気調和装置10Aは第1実施形態の空気調和装置10同様であるため、説明を省略する。
(1)実測型調整制御
実測型調整制御は、ポンプ520の容量を(実際に)変化させた後、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとを実測することで、ポンプ520の容量の変化前後の圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計の変化を算出して、ポンプ520の容量を変化させた是非を判断する制御である。なお、実測型調整制御では、ポンプ520の容量を変化させた結果、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加している場合には、ポンプ520の容量を逆向きに変化させる。言い換えれば、実測型調整制御では、ポンプ520の容量を増加させた結果、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加している場合には、ポンプ520の容量が減少させられる。また、実測型調整制御では、ポンプ520の容量を減少させた結果、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加している場合には、ポンプ520の容量が増加させられる。
つまり、制御ユニット400Aの制御部430Aは、ポンプ520の容量を増加又は減少させる第1容量調整を行い、第1容量調整の実行後の第1電流計C1及び第2電流計C2による計測結果に基づき圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加したか否かを判断し、増加していると判断された場合に、第1容量調整とは逆の第2容量調整を行う。
図10のフローチャートを参照しながら、制御部430Aによる調整制御(実測型調整制御)を説明する。
第1実施形態と同様に、空調コントローラは、空気調和装置10Aの運転が開始されると、ポンプ520を予め決定された所定容量(所定流量)で運転する。その後、制御部430Aは、所定のタイミングで、調整制御を開始し、ポンプ520の容量(ポンプ520の流量)を変更する。
調整制御が開始されると、制御部430Aは、第1電流計C1の測定値と、第2電流計C2の測定値とから、圧縮機110及びポンプ520の電流の合計(合計電流値A1)を算出する(ステップS101)。算出された電流の合計の値は、記憶部420に合計電流値Mとして記憶される。
なお、圧縮機110及びポンプ520の電流の合計は、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計に対応している。ここでは、圧縮機110及びポンプ520の電流の合計が増加/減少することと、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加/減少することとを、同じ意味合いで用いている。
次に、制御部430Aは、ポンプ520の容量を所定量だけ増加させる(ポンプ520の水量(水回路510の循環量)を所定量増加させる(ステップS102)。例えば、制御部430Aは、現在の水量から所定割合だけ(例えば5%だけ)水量を増加させる。水回路510の流量を増加させた結果、空気調和装置10Aのシステムが安定するように(空気調和装置10Aで所望の冷房運転、暖房運転、冷暖房同時運転が実現されるように)、圧縮機110の容量が調整される。なお、制御部430Aは、ポンプ520の容量を変化させると同時に、(各種センサの計測値等に基づいて圧縮機110の容量が変化するのを待つのではなく)ポンプ520の容量の変化に対応するように圧縮機110の容量を調整してもよい。
次に、ステップS103では、ステップS102の処理の実行後に、所定時間(例えば数十秒)が経過したか否かが判定される。所定時間が経過したと判定されるとステップS104に進む。ステップS103の処理は、所定時間が経過したと判定されるまで繰り返し判定される。
次に、ステップS104では、制御部430Aは、第1電流計C1の測定値と、第2電流計C2の測定値とから、圧縮機110及びポンプ520の電流の合計(合計電流値A2)を算出する。
次に、ステップS105では、制御部430Aは、算出された合計電流値A2が記憶部420に記憶された合計電流値Mより大きいか否かを判断する。合計電流値A2が合計電流値Mより大きい場合には、ステップS107に進む。合計電流値A2が合計電流値M以下である場合には、ステップS106に進む。
ステップS106では、ステップS104で算出された合計電流値A2が、合計電流値Mとして記憶部420に記憶される。その後ステップS102に戻る。
ステップS107では、ステップS104で算出された合計電流値A2が、合計電流値Mとして記憶部420に記憶される。その後、ステップS108に進む。
次に、制御部430Aは、ポンプ520の容量を所定量だけ減少させる(ポンプ520の水量(水回路510の循環量))を所定量減少させる(ステップS108)。例えば、制御部430Aは、現在の水量から所定割合だけ(例えば5%だけ)水量を減少させる。水回路510の流量を減少させた結果、空気調和装置10Aのシステムが安定するように(空気調和装置10Aで所望の冷房運転、暖房運転、冷暖房同時運転が実現されるように)、圧縮機110の容量が調整される。なお、制御部430Aは、ポンプ520の容量を変化させると同時に、(各種センサの計測値等に基づいて圧縮機110の容量が変化するのを待つのではなく)ポンプ520の容量の変化に対応するように圧縮機110の容量を調整してもよい。
次に、ステップS109では、ステップS108の処理の実行後に、所定時間(例えば数十秒)が経過したか否かが判定される。所定時間が経過したと判定されるとステップS110に進む。ステップS109の処理は、所定時間が経過したと判定されるまで繰り返し判定される。
次に、ステップS110では、制御部430Aは、第1電流計C1の測定値と、第2電流計C2の測定値とから、圧縮機110及びポンプ520の電流の合計(合計電流値A3)を算出する。
次に、ステップS111では、制御部430Aは、算出された合計電流値A3が記憶部420に記憶された合計電流値Mより大きいか否かを判断する。合計電流値A3が合計電流値Mより大きい場合には、ステップS112に進む。合計電流値A3が合計電流値M以下である場合には、ステップS113に進む。
ステップS112では、ステップS110で算出された合計電流値A3が、合計電流値Mとして記憶部420に記憶される。その後ステップS102に戻る。
ステップS113では、ステップS110で算出された合計電流値A3が、合計電流値Mとして記憶部420に記憶される。その後、ステップS108に戻る。
空気調和装置10Aでは、調整制御としてポンプ520又は圧縮機110の容量を増減させた場合に、圧縮機110及びポンプ520の実測された消費エネルギーの合計に基づいて実際に合計の消費エネルギーが減少したか否かが判断され、消費エネルギーが却って増加した場合にはポンプの容量に関し逆の調整が行われる。そのため、効率の高い運転を実現することが特に容易である。
第2実施形態の空気調和装置10Aも、第1実施形態の空気調和装置10の(5−1),(5−2)の特徴と同様の特徴を有する。
(2)変形例
第2実施形態の構成は、互いに矛盾しない範囲で第1実施形態の構成と適宜組み合わされてもよい。例えば、空気調和装置の制御部は、予測型調整制御と実測型調整制御とを両方実行するものであってもよい。例えば、制御部は、予測型調整制御を実行した上で、更に圧縮機110及びポンプ520に供給される電流値を測定し、ポンプ520の容量を調整(第1容量調整)することで、全体(圧縮機110及びポンプ520)の消費エネルギーが増加してしまった場合には、第1容量調整とは逆の第2容量調整を行うように構成されてもよい。
以下に、その他の第2実施形態の変形例を示す。なお、変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わされてもよい。また、第1実施形態の変形例についても、矛盾がない範囲で第2実施形態に適用されてもよい。
(2−1)変形例2A
上記実施形態では、制御部430は、ポンプ520の容量を変化させ、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加したか否かを判断するが、これに限定されるものではない。
制御部430は、逆に圧縮機110の容量を変化させ、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計が増加したか否かを判断してもよい。なお、この場合には、ポンプ520の容量は、例えば、水入口温度センサTwi及び水出口温度センサTwoの測定値に基づいて調整されればよい。
<第3実施形態>
上記の第1及び第2実施形態では熱源側熱交換器140において、冷媒と水回路510をポンプ520により循環させられる液流体(例えば水)との間で熱交換が行われ、圧縮機110の消費エネルギーとポンプ520の消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機110の容量とポンプ520の容量とを調整する調整制御が行われる。しかし、本願発明の態様は上記の第1及び第2実施形態に限定されるものではない。
例えば、本願発明の冷凍装置は、図11のように、冷媒を圧縮する圧縮機610と、冷媒が内部を流れる利用側熱交換器620及び熱源側熱交換器630と、膨張機構(流量調節弁)640と、を含み、冷媒が循環する冷媒回路650と、利用側熱交換器620において冷媒と熱交換を行う液流体の一例としての水がポンプ660によって循環する水回路680と、を備えたチラー600であってもよい。水回路680には、流量調節弁670が設けられる。なお、水回路680に設けられる負荷側機器(ラジエーター等)については図示を省略している。チラー600では、図示しない制御ユニットの制御部により、上記の第1及び第2実施形態と同様の方法で、チラー600の能力を確保しつつ、圧縮機610の消費エネルギーとポンプ660の消費エネルギーとの合計を低減するように、圧縮機610の容量とポンプ660の容量とを調整する調整制御が行われる。第3実施形態のチラー600には、矛盾しない範囲で、第1及び第2実施形態の構成や、それらの変形例の構成が適用される。
なお、ここでは利用側熱交換器620において液流体を冷却するチラーを例に説明したが、本願発明の冷凍装置は、利用側熱交換器620において液流体を加熱する装置であってもよい。
また、熱源側熱交換器630の熱源は、水回路680とは別の流体回路を循環する液流体であってもよいし、空気等の気体であってもよい。なお、熱源側熱交換器630の熱源を液流体とする場合には、熱源側熱交換器630側についても、上記の第1及び第2実施形態と同様の調整制御が行われてもよい。
本発明は、冷凍装置に広く適用でき有用である。
10 空気調和装置(冷凍装置)
50 冷媒回路(第1回路)
110 圧縮機
140 熱源側熱交換器(第1熱交換器)
150 熱源側流量調節弁(膨張機構)
310 利用側熱交換器(第2熱交換器)
320 利用側流量調節弁(膨張機構)
410 操作部(受付部)
430,430A 制御部
440a 冷媒循環量算出部(第1循環量算出部)
440b 水循環量算出部(第2循環量算出部)
510 水回路(第2回路)
520 ポンプ
600 チラー(冷凍装置)
610 圧縮機
620 利用側熱交換器(第1熱交換器)
630 熱源側熱交換器(第2熱交換器)
640 膨張機構
650 冷媒回路(第1回路)
660 ポンプ
670 流量調節弁
680 水回路(第2回路)
C1 第1電流計(第1計測部)
C2 第2電流計(第2計測部)
T3 ガス側温度センサ(第1温度センサ、第2温度センサ)
T4 液側温度センサ(第1温度センサ、第2温度センサ)
Twi 水入口温度センサ(第3温度センサ)
Two 水出口温度センサ(第4温度センサ)
国際公開第2015/114839号公報

Claims (7)

  1. 冷媒としての第1流体を圧縮する圧縮機(110,610)と、前記第1流体が内部を流れる第1熱交換器(140,620)及び第2熱交換器(310,630)と、前記第1熱交換器から前記第2熱交換器へと、又は、前記第2熱交換器から前記第1熱交換器へと流れる前記第1流体の圧力を降下させる膨張機構(150,320,640)と、を含み、前記第1流体が循環する第1回路(50,650)と、
    前記第1熱交換器において前記第1流体と熱交換を行う第2流体がポンプ(520,660)によって循環する第2回路(510,680)と、
    を備えた冷凍装置であって、
    前記冷凍装置の能力を確保しつつ、前記圧縮機の消費エネルギーと前記ポンプの消費エネルギーとの合計を低減するように、前記圧縮機の容量と前記ポンプの容量とを調整する、調整制御を行う制御部(430,430A)を更に備える、
    冷凍装置(10,600)。
  2. 前記制御部は、前記調整制御の際、前記圧縮機の容量及び前記ポンプの容量の調整の前後で前記第1熱交換器における前記第1流体と前記第2流体との間の熱交換量が維持されるように、前記圧縮機の容量及び前記ポンプの容量を調整する、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記調整制御は、予測型調整制御を含み、
    前記制御部(430)は、前記予測型調整制御の処理の一部として、前記ポンプの容量又は前記圧縮機の容量を変化させた場合の前記圧縮機の消費エネルギーと前記ポンプの消費エネルギーとの合計の変化を演算し、演算結果に基づき前記圧縮機の容量及び前記ポンプの容量の調整の実行/非実行を決定する、
    請求項1又は2に記載の冷凍装置。
  4. 前記ポンプの消費エネルギーと前記ポンプの吐出量との関係に関するポンプ特性情報を受け付ける受付部(410)を更に備え、
    前記制御部は、前記圧縮機の消費エネルギーと前記ポンプの消費エネルギーとの合計の変化を、前記ポンプ特性情報に基づいて導出する、
    請求項3に記載の冷凍装置。
  5. 前記制御部は、前記ポンプの容量又は前記圧縮機の容量を変化させた場合の前記第1熱交換器における前記第1流体の凝縮温度又は蒸発温度を予測し、予測結果に基づいて、前記圧縮機の消費エネルギーと前記ポンプの消費エネルギーとの合計の変化を演算する、
    請求項3又は4に記載の冷凍装置。
  6. 前記第1流体の前記第1熱交換器への入口における温度を計測する第1温度センサ(T3,T4)と、
    前記第1流体の前記第1熱交換器からの出口における温度を計測する第2温度センサ(T4,T3)と、
    前記第2流体の前記第1熱交換器への入口における温度を計測する第3温度センサ(Twi)と、
    前記第2流体の前記第1熱交換器からの出口における温度を計測する第4温度センサ(Two)と、
    前記圧縮機の容量から、前記第1回路における前記第1流体の循環量を算出する第1循環量算出部(440a)と、
    前記第1温度センサ、前記第2温度センサ、前記第3温度センサ、及び前記第4温度センサの計測結果と、前記第1循環量算出部の算出結果と、に基づいて、前記第2回路における前記第2流体の循環量を算出する第2循環量算出部(440b)と、
    を更に備え、
    前記制御部は、前記圧縮機の消費エネルギーと前記ポンプの消費エネルギーとの合計の変化を、前記第2循環量算出部が算出する前記第2流体の循環量に基づいて演算する、
    請求項3から5のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  7. 前記圧縮機の消費エネルギーに関する量を計測する第1計測部(C1)と、
    前記ポンプの消費エネルギーに関する量を計測する第2計測部(C2)と、
    を更に備え、
    前記調整制御は、実測型調整制御を含み、
    前記制御部(430A)は、前記実測型調整制御として、前記ポンプの容量又は前記圧縮機の容量を増加又は減少させる第1容量調整を行い、前記第1容量調整の実行後の前記第1計測部及び前記第2計測部による計測結果に基づき前記圧縮機の消費エネルギーと前記ポンプの消費エネルギーとの合計が増加したか否かを判断し、増加していると判断された場合に、前記第1容量調整とは逆の第2容量調整を行う、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の冷凍装置。
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