JPWO2020036228A1 - 間仕切用パネル、間仕切壁および部屋構造 - Google Patents

間仕切用パネル、間仕切壁および部屋構造 Download PDF

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Abstract

高い耐火性と断熱性とを兼ね備えた間仕切用パネル、更にはそれを長尺で使用した間仕切壁および部屋構造を提供する。本発明による好適な間仕切用パネル1は、金属材からなる表面材11および裏面材12と、表面材11と裏面材12との間に配置された、複数枚の有機断熱ボード層13、14と該複数枚の有機断熱ボード層13、14との間に挟まれた無機ボード層15とを有し、複数枚の有機断熱ボード層のうちの表面材11に隣接するものと表面材11、および複数枚の有機断熱ボード層のうちの裏面材12に隣接するものと裏面材12とが、それぞれ有機系接着剤により接着されていることを特徴とする。

Description

本発明は、間仕切用パネル、間仕切壁および部屋構造に関する。
従来、建築物においては、所定の面積毎(面積区画)に、あるいは倉庫と荷捌き室との境界といった用途の異なる部屋の境界(異種用途区画)に防火区画が設けられ、火災時の内部延焼の防止が図られている。建築物を構成する壁のうち、防火区画壁を構成する間仕切壁については、建築基準法により1時間の耐火性能が必要とされている。
ところで、昨今の物流需要の拡大により、冷凍冷蔵倉庫が大型化してきているが、これらの建築物も防火区画の対象となるため、間仕切壁によって区画する必要がある。しかし、耐火性、断熱性を併せ持った上で、さらに当該間仕切壁は耐火性のある床から耐火性のある屋根まで連続させるために長尺である必要があることも、材料の選定をますます困難なものとしていた。従って、従来は一旦耐火性のある軽量気泡コンクリート等の間仕切壁で区画した上で、当該壁の両側に各々金属サンドイッチパネル等の断熱パネルを用いて冷凍冷蔵倉庫となる部屋を構成していた。
しかし、この場合、断熱パネルと防火区画となる間仕切壁との間は空調温度が異なる空間となるため、断熱パネルの表面において結露が生じやすく、さらにこれらの空間は狭く清掃な困難なことから、カビや虫の害が生じやすい問題がある。よって、こうした害を抑制するために、耐火性と高い断熱性とを併せ持ち、さらに長尺で使用可能な間仕切壁が求められてきた。
従来、建築用パネルとして、ロックウールからなる芯材を金属板で挟んで接着したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、ロックウールを芯材とする建築用パネルは、高い耐火性を有しているものの、冷凍冷蔵倉庫の間仕切壁としては断熱性能が不十分である。
ロックウールを芯材とする間仕切壁を冷凍冷蔵倉庫として用いるためには、ロックウールの有する断熱性では壁厚が極端に厚いものとなるばかりか、ロックウールは水蒸気や気体の透過性が高く、さらに大きな吸湿性と吸水性を有する。そのため、内部結露が生じやすく、一旦壁体内に入った水蒸気や水分が壁体内を自由に移動してしまい、被害が大きくさらに修復を困難なものとしていた。
また、特許文献2には、無機材が添加されたフェノール樹脂フォームからなる芯材を金属材からなる表面材と裏面材とで挟み込んだ耐火パネルが提案されている。しかしながら、耐火パネルの耐火性は、間仕切壁として使用するには依然として不十分であり、また構造的に長尺の間仕切壁として用いることは困難であった。
そこで、特許文献3には、金属材からなる表面材と裏面材との間に、有機断熱ボード層および無機ボード層を積層接着した断熱耐火サンドイッチパネルが提案されている。
特許第3657692号公報 特許第3306439号公報 特開2007−132102号公報
しかしながら、特許文献3に記載された断熱耐火サンドイッチパネルを以てしても、間仕切壁としての耐火性が依然として不十分であり、上記1時間耐火性能を満足することができないことが問題となっていた。
そこで、本発明の目的は、高い耐火性と断熱性とを兼ね備えた間仕切用パネル、更にはそれを長尺で使用した間仕切壁および部屋構造を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、以下の通りである。
[1]金属材からなる表面材および裏面材と、
前記表面材と前記裏面材との間に配置された、複数枚の有機断熱ボード層と該複数枚の有機断熱ボード層との間に挟まれた無機ボード層とを有し、
前記複数枚の有機断熱ボード層のうちの前記表面材に隣接するものと前記表面材、および前記複数枚の有機断熱ボード層のうちの前記裏面材に隣接するものと前記裏面材とが、それぞれ有機系接着剤により接着されていることを特徴とする間仕切用パネル。
[2]前記無機ボード層は軽量気泡コンクリートからなる、前記[1]に記載の間仕切用パネル。
[3]前記無機ボード層に不燃性の補強材を有する、前記[1]または[2]に記載の間仕切用パネル。
[4]前記複数枚の有機断熱ボード層のうちの前記無機ボード層に隣接するものと前記無機ボード層とが機械固定されている、前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の間仕切用パネル。
[5]前記無機ボード層はその面内方向に隣接する複数枚の無機ボードで構成されており、前記複数枚の無機ボードの小口面が互いに耐火接着剤により接着されている、前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の間仕切用パネル。
[6]前記無機ボード層はその面内方向に隣接する複数枚の無機ボードで構成されており、前記複数枚の無機ボードの小口面間に熱膨張性シート材が装填されている、前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の間仕切用パネル。
[7]前記無機ボード層はその面内方向に隣接する複数枚の無機ボードで構成されており、前記複数枚の無機ボードが連結金具によって面外方向、面内方向、または面外方向および面内方向の動きに対して互いに固定されている、前記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の間仕切用パネル。
[8]前記複数枚の有機断熱ボード層の枚数は2枚である、前記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の間仕切用パネル。
[9]前記有機断熱ボード層の各々を構成する樹脂が熱硬化性樹脂からなる、前記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の間仕切用パネル。
[10]建物の階間に架け渡され、その上下端で固定される縦張りの間仕切壁であって、
前記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の間仕切用パネルが複数枚幅方向に隣接して配置されてなることを特徴とする間仕切壁。
[11]前記複数枚の間仕切用パネル間の目地に熱膨張性シート材が充填されている、前記[10]に記載の間仕切壁。
[12]互いに隣接する間仕切用パネルについて、前記表面材の幅方向端部および前記裏面材の幅方向端部同士がそれぞれ重ね合わされて連結されている、前記[10]または[11]に記載の間仕切壁。
[13]前記間仕切用パネルの上下端が前記建物の躯体に固定された取付材により前記間仕切用パネルの面外方向に拘束され、さらに留付材を、前記取付材の穴を介して前記無機ボード層を貫通しないように前記表面材および前記裏面材に締結することによって固定されている、前記[10]〜[12]のいずれか一項に記載の間仕切壁。
[14]屋根、床および外壁で構成された建物の内部が前記[10]〜[13]のいずれか一項に記載の間仕切壁によって仕切られ、さらに当該間仕切壁の中間位置に高断熱性の天井材が接続されることにより、少なくとも当該間仕切壁の一方に、当該間仕切壁と当該天井材および壁材、床材により仕切られた部屋を有し、当該部屋は高断熱性の床材および壁材と、前記間仕切壁および前記天井材とで区画されていることを特徴とする部屋構造。
本発明によれば、高い耐火性と断熱性とを兼ね備えた間仕切用パネル、更にはそれを長尺で使用した間仕切壁および部屋構造を提供することができる。
本発明による間仕切用パネルの一例の全体図である。 本発明による間仕切用パネルの一例の幅方向断面図の一部を示す図である。 複数のボードで構成された有機断熱ボード層を示す図である。 隣接する有機断熱ボード層を接着する好適な方法を説明する図である。 複数のボードで構成された無機ボード層を示す図である。 有機断熱ボード層の横目地および無機ボード層における横目地の好適な配置関係を示す図である。 有機断熱ボード層が二層構造を有する場合に、アンカー材を用いて有機断熱ボード層と無機ボード層とを機械固定する方法を説明する図である。 有機断熱ボード層が二層構造を有する場合に、ビスを用いて有機断熱ボード層と無機ボード層とを機械固定する方法を説明する図である。 有機断熱ボード層が一層構造を有する場合に、ビスを用いて有機断熱ボード層と無機ボード層とを機械固定する方法を説明する図である。 本発明による間仕切壁の好適な一例の全体図である。 図4Aに示した間仕切壁の鉛直方向断面図である。 本発明による間仕切壁の幅方向断面図の全体図である。 本発明による間仕切壁の幅方向断面図におけるパネル間の目地部分の拡大図である。 パネル間の目地構造の一例を示す図である。 パネル間の目地構造の別の例を示す図である。 パネル間の目地構造のさらに別の例を示す図である。 本発明による部屋構造の一例を示す図である。 従来の部屋構造の一例を示す図である。 本発明による間仕切壁と断熱材との接続部分の拡大図である。 図9Aの間仕切壁の有機断熱ボード層と無機ボード層とを入れ替えた間仕切壁について、断熱材との接続部分の拡大図である。 耐火試験中における本発明による間仕切壁の挙動を説明する図である。 耐火試験における時間と間仕切壁の炉内温度(加熱時間中は加熱温度)との関係を示す図である。 耐火試験における時間と間仕切壁の裏面温度との関係を示す図である。
(間仕切用パネル)
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1Aは、本発明による間仕切用パネルの一例の全体図を示しており、図1Bは幅方向断面図の一部を示している。図1Aに示した間仕切用パネル1は、金属材からなる表面材11および裏面材12と、表面材11と裏面材12との間に配置された、2枚の有機断熱ボード層13、14と該2枚の有機断熱ボード層13、14との間に挟まれた無機ボード層15とを有する。ここで、上記2枚の有機断熱ボード層の一方13と表面材11、および上記2枚の有機断熱ボード層の他方14と裏面材12とが、それぞれ有機系接着剤により接着されており、上記2枚の有機断熱ボード層13、14の各々を構成する樹脂が熱硬化性樹脂からなることを特徴とする。
本実施形態においては、図1Bに示すように、表面材11および裏面材12は、それらの周縁部が有機断熱ボード層13、14側に折り曲げられている。そして、折り曲げ部(第一折り曲げ部)11a、12aは、有機断熱ボード層13、14の周縁部に設けられた凹部13a、14aに係合するように構成されている。表面材11(裏面材12)と有機断熱ボード層13(14)との間には、有機系接着剤で構成された接着剤層16(17)が形成されており、有機系接着剤の一部が第一折り曲げ部11a(12a)と有機断熱ボード層13、14との間に入り込み、表面材11(裏面材12)と有機断熱ボード層13(14)との一体性を向上させている。
−表面材および裏面材−
表面材11および裏面材12は、加熱された際に有機断熱ボード層13、14から剥離して、加熱側に大きく膨張して変形するように構成されている。表面材11および裏面材12は金属材からなり、金属材をプレス成形、押出成形、ロール成形等によって所定の断面形状に形成したものを使用することができる。金属材としては、例えば、溶融55%アルミニウム−亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、塗装溶融55%アルミニウム−亜鉛めっき鋼板(塗装:ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、アミノ・アルキド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂)、塗装溶融亜鉛めっき鋼板(塗装:ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、アミノ・アルキド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂)、塗装ステンレス鋼板(塗装:ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、アミノ・アルキド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂)、塩化ビニル樹脂フィルム張/金属板、高耐候性圧延鋼材(塗装:エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂)、両面ポリエステル樹脂系塗装/溶融アルミニウムめっき鋼板、フェライト系ステンレス鋼板、両面アクリル樹脂系塗装/亜鉛合金板などを用いることができる。なお、前記の金属板の塗装は表面だけでなく有機断熱ボードと接着される面にも施されることが一般的であり、この場合には接着剤の常温時の接着性と加熱時の初期の燃焼性の点から樹脂を選択し、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂およびアクリル樹脂などを用いることが好ましい。
表面材11および裏面材12の寸法は、設計に応じて適切に設定することができ、例えば、長さは0.6〜12m、幅は300〜1000mmとすることができる。また、表面材11および裏面材12の厚みは、強度や重量、経済性の点で、0.3〜1.6mmとすることが可能であるが、より好ましくは0.4〜1.0mmである。
−有機断熱ボード層−
有機断熱ボード層13、14は間仕切壁に断熱性を持たせるための層であり、有機断熱ボード層13、14は、無機ボード層15を厚くして裏面側の有機断熱ボード層14の温度が上昇しないようにしてさらに耐熱性の高いものであれば、材料は限定されない。こうした有機断熱ボード層を構成する樹脂としては、ポリイミド発泡体やPET樹脂発泡体などを用いることができる。ただし、無機ボード層15を極力薄くして軽量化を図る場合には、加熱側の無機ボード層15の被覆効果、非加熱側有機断熱ボード層14の耐熱性の点から、有機断熱ボード層13、14としては、構成する樹脂が熱硬化性樹脂からなる有機断熱ボード層を用いることが好ましい。これにより、表面材11(裏面材12)が加熱された際に、表面材11(裏面材12)と有機断熱ボード層13(14)とが剥離した後、有機断熱ボード層13(14)を無機ボード層15の表面に留めておくことができる。
なお、図1Aおよび図1Bにおいては、有機断熱ボード層を2枚で構成し、これらの間に無機ボード層15が挟まれているが、有機断熱ボード層は3枚以上で構成することができる。例えば、有機断熱ボード層を4枚で構成し、2枚目と3枚目の間に無機ボード層15を挟み込むことができる。
−−熱硬化性樹脂−−
上記熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、イソシアヌレート樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。中でも、高い難燃性を有することから、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を用いることが好ましく、さらに加熱されて炭化する際に膨張性を有するものを選択するとなお好ましい。
有機断熱ボード層13、14は、熱硬化性樹脂や硬化剤、発泡剤などを一緒に混合して発泡して硬化し、得られた樹脂フォームをボード状にしたものを用いることができる。また、有機断熱ボード層13、14は、成形上の都合や表面材11(裏面材12)や無機ボード層15との接着性などの点で、表裏面に面材を有するものを用いてもよい。
こうした樹脂フォームおよび面材を有する有機断熱ボード層13、14は、面材上に熱硬化性樹脂、硬化剤、発泡剤などを混合した混合物を一定速度で走行する面材上に混合物を吐き出させた後、硬化炉内のコンベア間でボード状に成形して形成することができる。
また、有機断熱ボード層13、14は、予め表面材11、裏面材12および無機ボード層15を所定間隔の隙間をもって設置した後、当該隙間に有機樹脂材料を注入する方法で構成してもよい。この場合、上記有機樹脂材料を適切に選定すれば、その自己接着力により接着剤を兼用することができる。
上記面材としては、ポリエステル不織布、ポリプロピレン不織布、アルミニウム箔、不燃性の加工紙、およびこれらの材料を組み合わせたものなどを用いることができる。当該面材を介して有機断熱ボード層13、14を無機ボード層15に接着する場合には、耐火試験時に有機断熱ボード層13、14が無機ボード層15の表面から長時間脱落しないようにすることが肝要である。よって、不燃性の面材や耐熱性接着剤を用いることが耐火性能上最も有利であるが、これらはいずれも高価であるため、耐火性を損なわない範囲で有機系の面材を使ってもよい。また、耐火試験時に無機ボード層15から発生する水蒸気が面材と無機ボード層15との間に集積された際に生じる接着剥離等への対策も重要であり、透湿性を有する面材を使うことも好ましい。これらの点から、有機系の面材の中ではポリエステル不織布が価格、耐熱性、透湿性を総合した性能を有しており、好ましい。
有機断熱ボード層13、14の寸法は、間仕切用パネル1の設計に応じて適切に設定することができる。有機断熱ボード層13、14は、図2Aに示すように、長さ方向に複数枚の有機断熱ボード13b(14b)を並べて構成することができ、パネル1の長さを超える分については切断して長さを合わせることができる。また、有機断熱ボード層13、14は、幅方向に複数枚の有機断熱ボード13b(14b)を並べて構成することができ、パネル1の幅を超える分については切断して幅を合わせることができる。このように、有機断熱ボード層13、14は、その面内方向に隣接する複数枚の有機断熱ボード13b(14b)で構成することができる。
これら隣接する有機断熱ボード13b(14b)の小口間は接着してもよいが、特に炭化時に膨張する特性のある樹脂を用いる場合には省略しても耐火性が低下することはなく、パネルとしての曲げ強度、せん断強度および製造上の都合で決めればよい。また、隣接する有機断熱ボード13b(14b)の小口間に隙間を設けて配置してもよい。この場合、有機断熱ボード13b(14b)と表面材11(裏面材12)とを有機系接着剤を用いて接着する際に表面材11と裏面材12とをプレスすると、有機系接着剤が上記隙間に入り込み、隣接する有機断熱ボード13b(14と)が強固に固定され、パネル1の強度性能を向上させることができる。有機断熱ボード13b(14b)が薄い場合には、小口全面に接着剤を塗布して接着するのと大きく変わらない強度を得ることができる。
なお、有機断熱ボード13b(14b)を上述した樹脂フォームと面材とで構成し、隣接する有機断熱ボード13b(14b)の小口間を接着する場合、小口面に接着剤を塗布して有機断熱ボード13b(14b)同士を押しつける。その際、樹脂フォーム部分は弾性を有しているため圧縮されるのに対して、面材は弾性を有していないため、小口面付近の面材が余剰となり、小口面の密着性が低下して有機断熱ボード13b(14b)間の接着性が低下する。
そこで、図2Bに示すように、有機断熱ボード13b(14b)の小口面付近の角部を除去することが好ましい。これにより、小口面付近の面材13cが除去されるため、隣接する有機断熱ボード13b(14b)同士を押しつけた際に、小口面付近の面材13cが余剰にならず、さらに小口面同士を押し付けた際に余って小口面の下方に集まった接着剤の溜まり部を形成することにより、小口面の密着性を向上させることができる。こうして、有機断熱ボード13b(14b)間の接着強度を向上させることができる。上記角部の除去の断面範囲は、接着剤の塗布量、粘性および小口面を押し付ける圧力などを考慮して適宜設定するが、一般的には半径が1mm〜5mmの1/4円状や1辺が1mm〜5mmの三角形状の部分について行えばよい。さらに、長さ方向には全長に亘って設けるのが一般的であるが、辺の端部など接着剤が溜まりやすい部分を大き目に除去するのも好ましい。
なお、上述のように、樹脂フォーム13dは弾性を有しているため、有機断熱ボード13b(14b)同士の押しつけによって、小口面そのものの平坦度や上記角部の除去による寸法の誤差を吸収させることができる。
また、断熱性や強度、経済性の点で、有機断熱ボード層13、14の厚みは20〜150mm、より好ましくは30〜100mmとし、密度は20〜80、より好ましくは25〜50kg/mとする。
−有機系接着剤−
本発明においては、表面材11(裏面材12)と有機断熱ボード層13(14)とが有機系接着剤により接着されていることが肝要である。これにより、表面材11(裏面材12)が加熱された際に、250〜400℃程度で有機系接着剤が燃焼して接着性が失われ、表面材11(裏面材12)と有機断熱ボード層13(14)とを良好に剥離させることができる。その結果、有機断熱性ボード層13、14、無機ボード層15および裏面材12が表面材11の変形に追随することなく、これらに大きな変形、亀裂が入ったり、材料間もしくは材料内部の剥離が生じたりすることを防ぎ、これらの材料の一体性と平面性が維持され、耐火性を発揮することができる。
有機系接着剤は、表面材11(裏面材12)が加熱初期に燃焼して接着剤としての機能を失うものであれば、特に限定されない。こうした有機系接着剤としては、ウレタン樹脂系(主成分:ウレタン樹脂、溶剤:エステル類、ケトン類)、エポキシ樹脂系(主成分:(主剤)エポキシ樹脂、(硬化剤)変性ポリアミン、変性ポリチオール、溶剤:エステル類、ケトン類、アルコール類)、酢酸ビニル樹脂系(主成分:酢酸ビニル樹脂、溶剤:アルコール類、エステル類、ケトン類)、変性シリコン系のものを用いることができる。中でも、低温下での使用に適することから、有機系接着剤としてウレタン樹脂系やエポキシ樹脂系のものを用いることが好ましい。
−無機ボード層−
無機ボード層15は、パネルとしての耐火性を発揮するために重要な層であり、軽量気泡コンクリート、石膏ボード、ケイカル板などで構成することができる。中でも、無機ボード層15は、軽量気泡コンクリートで構成することが好ましい。軽量気泡コンクリートとしては、高温高圧養生され、内部を特殊防錆処理を施した鉄筋マットやメタルラス(スチール製の金網)で補強した比重0.5程度のものが好ましく、比重0.35程度のものが断熱性および軽量性がさらに優れ好ましい。また、軽量気泡コンクリートは、その製造方法の特徴から内部に容易にメタルラスや鉄筋マットを配置できる。
無機ボード層15を石膏ボードやケイカル板で構成する場合、これらの材料は結晶水が多く、従来防耐火の用途に多用されてきたが、結晶水が放出された後は反りや亀裂が大量に発生するため、厚みを大きくしたり、内部に不燃性の補強材を装填したりする必要がある。現在の成型方法では内部に補強材を装填することは困難なため、複数枚重ねてその間に挟むなどの方法を用いる必要がある。上記石膏ボード、ケイカル板の接着は、有機系接着剤を用いることもできるが、水ガラスやコロイダルシリカなどをバインダーとし、アルミナ等の酸化物をフィラーとする無機系接着剤を用いると、加熱時間中や加熱終了後も長く接着性を維持できるため好ましい。
また、上記不燃性の補強材としては、ガラスファイバーネットやメタルラスなどを用いることができる。
無機ボード層15の寸法は、間仕切用パネル1の設計に応じて適切に設定することができる。無機ボード層15は、図2Cに示すように、長さ方向に複数枚の無機ボード15aを並べて構成することができ、パネル1の長さを超える分については切断して長さを合わせることができる。また、無機ボード層15は、幅方向に複数枚の無機ボード15aを並べて構成することができ、パネル1の幅を超える分については切断して幅を合わせることができる。このように、無機ボード層15は、その面内方向に隣接する複数枚の無機ボード15aで構成することができる。
なお、図2Cに示した無機ボード層15を構成する複数枚の無機ボード15aは、縦目地がずれるように配置されているが、縦目地が一直線に並ぶように配置してもよい。
無機ボード層15を複数枚の無機ボード15aで構成する場合、複数枚の無機ボード15aの小口面を互いに耐火接着剤により接着するか、複数枚の無機ボード15aの小口面間に熱膨張性シート材を装填するか、複数枚の無機ボード15aを連結金具によって面外方向、面内方向、または面外方向および面内方向の動きに対して互いに固定するか、これらの手段を併用することが好ましい。
耐火接着剤としては、ケイ酸ナトリウムを主成分とし、シリカ、カオリン、タルク、粘土鉱物などの無機成分を加えたものや、さらにスチレン・ブタジエン共重合体などの有機系の添加剤を加えて作業性を改善させたものを用いることができる。他には、セメント系材料に適宜バインダーを加えたものも用いることができる。
また、熱膨張性シート材としては、150〜200℃程度で膨張を開始し、300℃で5〜15倍程度、600℃で10〜30倍程度に膨張し、加熱温度である900℃程度でも消失しない無機材料を半分程度以上含むシート状に成形されたものを、所定寸法に加工して用いることができる。組成としては、例えば膨張層を形成するホウ酸等の無機充填材に膨張材である膨張黒鉛を加え、さらに鉱油、カーボンブラック等の添加剤とブチルゴム等のバインダーを加えて、シート状に成形したものなどを用いることができる。また、無機充填材としてホウ酸を用いる場合には、酸化アルミニウムをホウ酸に対して重量比で0.45以上1.5以下加え、かつケイ酸化合物、マグネシウム塩およびカルシウム塩の合計含有量をホウ酸に対して重量比で10%未満とすることにより、膨張後の熱膨張性シート材の形状保持能力を高めることができ、好ましい。
2枚の有機断熱ボード層13、14の間に無機ボード層15を配置する際に、図2Dに示すように、有機断熱ボード層13、14における横目地および無機ボード層15における横目地が、長さ方向にずれていることが好ましい。これにより、間仕切用パネル1の強度を向上させることができる。このずれは、有機断熱ボード層13、14の厚みの1〜3倍程度とすることが好ましい。また、耐火性や断熱性の点からも同程度のずれを設けることが好ましい。
無機ボード層15と有機断熱ボード層13、14との接着については、耐火試験時に炭化した有機断熱ボードをできるだけ脱落させないように材料を選択する事が肝要である。無機系接着剤を用いることにより、耐火性は向上するが、パネル1としての製作に手間を要する。有機系接着剤を用いる場合、耐火試験時には無機ボードの加熱側表面温度が無機ボード層15の結晶水が蒸発する間長く100℃に留まることを考慮し、少なくとも100℃で十分な接着力を維持し、さらに噴出する水蒸気により接着力の低下を招かない材料を選択する必要がある。このような性質を持つ材料として、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが好ましい。また、表面材11(裏面材12)と有機断熱ボード層13(14)との接着剤と同じものを用いると製作効率に優れ、好ましい。
また、接着剤の塗布量は概ね一層当たり100〜500g/mが好ましく、各々の接着剤層の母材の種類・表面の平坦さ、塗布後のプレスの圧力・時間および間仕切用パネルとしての目標性能に応じて決定する。
間仕切用パネル1として大きな曲げ荷重が求められる場合には、各々の接着剤層で母材破壊が生じるまで強固に接着される必要があり、接着剤の塗布量としては、表面材11(12)と有機断熱ボード層13(14)との間は100〜300g/mが好ましく、有機断熱ボード層13、14相互間は100〜300g/mが好ましく、有機断熱ボード層13(14)と無機ボード層15との間は200〜500g/mが好ましい。
表面材11(裏面材12)と有機断熱ボード層13(14)との間の塗布量が多すぎると、火災時に加熱された場合に剥離するまでの間の時間を考慮すると100〜500g/mが好ましい。各層ともプレスにより接着剤が全体に万遍なく広がるのが好ましく、接着剤の粘度と接着される材料の平坦さ・接着剤の拡がり易さに応じて、接着剤の塗布量とプレス圧を決定する。有機断熱ボード層13(14)相互間および有機断熱ボード層13(14)と無機ボード層15との間は塗布量が多すぎると、プレス時の層間からの接着剤はみ出防止(外観)の観点から100〜500g/mが好ましい。
なお、接着剤を用いて無機ボード層15と有機断熱ボード層13、14とを接着させる際に、接着剤を塗布する前に、無機ボード層15の表面にプライマーを予め塗布しておくことが好ましい。これにより、プライマーを無機ボード層15に含浸させて、無機ボード層15と有機断熱ボード層13、14との接着強度を向上させることができる。
プライマーを塗布することにより、接着剤の塗布量をその分減じても同等の接着強度を得ることができるばかりでなく、無機ボード層15の表面の粉じん等の清掃の手間を省いたり、無機ボード層15の含水状態の影響を受けにくくしたり、接着強度のバラツキを小さくすることができる。さらに接着に関する材料費全体を圧縮することもできる。
上記プライマーとしては、エポキシ系、ウレタン系およびフェノール系などの熱硬化性樹脂を用いることにより、耐熱性を向上させることができる。一方、アクリル系のプライマーは熱可塑性ではあるが、比較的耐熱性は良好であり、作業性や価格面で特に優れるため、これらの性能を総合的に考慮して用いるのもよい。
また、無機ボード層15の厚みが比較的小さい場合、上述のように接着剤を用いて無機ボード層15と有機断熱ボード層13、14とを接着すると、火災などによって高温環境に置かれた際に接着が維持できないおそれがある。このような場合には、非加熱側の有機断熱ボード層14と無機ボード層15とを機械固定すれば、非加熱側の有機断熱ボード層14と無機ボード層15との接着が切れた後にも、無機ボード層15がすぐに脱落することなく耐火性を維持することができる。なお、上述の説明では有機断熱ボード層13を加熱側としているが、火災が間仕切壁の反対側で発生する場合には加熱側が非加熱側になるため、有機断熱ボード層13と無機ボード層15も機械固定する必要がある。
具体的には、図3Aに示すようなアンカー材Aや、図3Bに示すようなビスVなどを用いて、有機断熱ボード層13、14と無機ボード層15とを機械固定することができる。これにより、高温環境に置かれた際に非加熱側の有機耐火性を維持することができる。
アンカー材Aとしては、先端拡張型のアンカーや、先端拡張型の釘を用いることができる。これらは、無機ボード層15を有機断熱ボード層13(14)に固定するためのものである。無機ボード層15が積み上げられており、その自重は下段に伝えられ、最終的には下部目地材を介して床スラブに伝えられるため、一体化のために所要の引抜耐力があればよいが、安全のために、一枚一枚の無機ボード層15の自重を各々のアンカー材Aで負担できるようにすると、より好ましい。引抜耐力を確保するためには、アンカー材Aの頭部の軸方向に直交する断面の面積が重要であるが、鉛直方向に働く自重を支持するためには、アンカー材Aの軸方向断面が有機断熱ボード層13(14)と接触する面積が重要である。その場合、軸部が径5〜8φ程度のものを用いることが好ましい。
また、ビスVの場合にも、上記アンカー材Aと同様に考えればよいが、有機断熱ボード層13(14)に配置される部分は、ネジを設けずに線状のままにすると、鉛直方向の荷重負担のための接触状態がより好ましい。また、ビスVの頭部の形状も、軸方向に直交する面積だけでなく、サラ頭やなべ形状にして、軸方向の断面積を大きくするのが好ましい。
さらに、有機断熱ボード層13(14)として、表面に不織布等の面材がついたものを用いた場合には、面材を極力残した状態でビスVを装着すると、引抜方向の頭部陥没強度ばかりでなく、鉛直方向の耐力も向上するため、好ましい。
図3Aおよび図3Bに示したように、有機断熱ボード層13(14)が2層構造を有する場合、すなわち、有機断熱ボード層13(14)を無機ボード層15の片側に2枚重ねで用いる場合には、無機ボード層15側の有機断熱ボード層13(14)の裏面側の表面に頭部の裏側形状が平坦ななべ形状のものを用いることが好ましい。
一方、図3Cに示すように、有機断熱ボード層13(14)が1層構造を有する場合、すなわち、有機断熱ボード層13(14)を無機ボード層15の片側に1枚だけ用いる場合は、裏面材12と接触しないように頭部全体を少し沈ませる必要があるが、その場合には、ビスVは、サラ頭として面材ごと沈み込ませると、より好ましい。なお、図3Cにおいては、無機ボード層15の小口面間に熱膨張性シート材21が充填されている。
また、特に有機断熱ボード層13(14)を1枚だけ用いる場合で、ビス頭を沈み込ませて施工する場合、ビス頭と裏面材12とが接着剤により接着されるようにすると、ビス頭の鉛直方向のズレや回転が生じにくくなり、鉛直方向の耐力が向上する。この場合、ビス頭は1〜5mm程度の沈み込みとするのが、裏面材12と有機断熱ボード層14とを接着剤で貼り合せる場合に、接着剤が行きわたり易いため好ましい。しかし、裏面材12と有機断熱ボード層14との貼り合せの際のプレスにより、有機断熱ボード層14にプレス圧による変形が生じるため、この分を考慮して、ビス頭を沈み込ませる量を決めるのが好ましい。
また、ビス頭が過剰に沈み込んだ場合には、有機断熱ボード層14に裏面材12を接着する前に、ビス頭が沈んだ部分に予め接着剤を充填しておくとよい。また、万が一、裏面材12とビス頭の接着が剥がれた際にも、せん断抵抗として作用させるために、ビス頭を緩やかな曲面状にしたり、大きめの溝をつけたりすることが好ましい。また、ビス頭表面を裏面材12より粗面にすることによっても、ビス頭側に接着剤が残り、せん断抵抗として働くため有効である。
一方、表面材11および裏面材12が薄い場合は、ビス頭の細かな挙動により、表面材11および裏面材12にゆがみがでにくくするために、あえてビス頭と表面材および裏面材が接着されないように設計することもある。
引抜方向の頭部陥没強度を過度に大きくせずに、鉛直方向の耐力を向上させるためには、ビス頭の径を過度に大きくせずに厚くすることが肝要である。
これらを考慮すると、なべ頭のビスは、軸部径4〜7φ、頭部径9〜15φ、頭部厚さ4〜9mm程度のものを用いることが好ましく、サラ頭の場合には、軸部径4〜6φ、頭部径9〜15φ、サラ頭の角度が30〜60°程度のものを用いると好ましい。またアンカー材AおよびビスVは、表面材11側と裏面材12側の両方から打たれるが、これらが干渉しないように、無機ボード層厚さの1.5倍以上離して打つのが好ましく、2倍以上離して打つとさらに好ましい。なお、ビスVを用いると、打設時の無機ボード層15に与える打撃等によるダメージが生じず、アンカー材AおよびビスVを打つ間隔を小さくしたい場合には好ましい。
ここで、間仕切用パネル1で構成された間仕切壁(図4Aおよび図4Bに示した本発明による間仕切壁2参照)が1時間の加熱および3時間の後追いによる耐火試験に合格するための手段について説明する。間仕切壁2を表面材11側から加熱する場合、表面材11は加熱初期に大きく変形し、加熱側の有機断熱ボード層13は、1時間の加熱時間中に炭化した後、消失する。その後、無機ボード層15、非加熱側の有機断熱ボード層14および裏面材12の3層が最後までその位置関係を崩すことなく、火炎や熱の貫通を防ぐことが必要である。
当該3層は、まず床スラブ22、23等の躯体に上部アンカー材24bおよび下部アンカー材25bにより上部取付材24cおよび下部取付材25c(以下、上部取付材24cおよび下部取付材25cを合わせて、単に「取付材」と呼ぶことがある。)が固定され、上部取付材24cおよび下部取付材25cで間仕切用パネル1が面外方向に拘束される。上部取付材24cおよび下部取付材25cに上部留付材24aおよび下部留付材25a(以下、上部留付材24aおよび下部留付材25aを合わせて、単に「留付材」と呼ぶことがある。)をそれぞれ用いて裏面材12に締結される。次に裏面材12に非加熱側の有機断熱ボード層14が有機系接着剤により固定される。最後に有機断熱ボード層14に無機ボード層15が有機系接着剤および機械固定手段を用いて固定される。
上部取付材24cおよび下部取付材25cは、ステンレス鋼板や溶融亜鉛メッキ鋼板が用いられ、想定する地震力や火災時の熱による変形を考慮して設計され、上部取付材24cとしては、厚さ2〜6mmで鉛直方向40〜100mm、水平方向30〜60mm程度の断面のもの、下部取付材25cとしては、厚さ2〜6mmで鉛直方向40〜100mm、水平方向30〜60mm程度の断面のものがよく用いられる。上部取付材24cおよび下部取付材25cの長さは、施工方法に応じて設計されるが、施工する際の一方の側に1.8〜5.4m程度のもの、他方の側に0.1〜0.9m程度のものを用いると、施工する際にまず長いものに建てかけて、短いもので倒れないように押さえ込むような施工ができるため、好都合である。
上部取付材24cおよび下部取付材25cは、アンカー材施工用の貫通穴と、留付材施工用の貫通穴とを備える。上部取付材24cおよび下部取付材25cに留付材施工用の貫通穴を予め設けることにより、表面材11および裏面材12を固定するために薄鋼板用のタッピンビスを用いることが可能となる。これらは、径が4〜5φ、長さが15〜30mm、ねじ山高さが0.4〜1.0、ねじピッチが0.5〜1.0程度であり、小型なわりに薄鋼板に施工した場合のせん断力、引抜きに関する耐力および破壊までの変形能力に優れるため、好ましい。
火災時に前記3層が自立するために、非加熱側の上部留付材24aのみで裏面材12と裏面材12に固着された有機断熱ボード層14および無機ボード層15の重量の自重を鉛直方向に支持する。壁材は、通常時は両面より取付材により挟み込まれており倒れることはないが、火災時には壁材断面の加熱側の有機断熱ボード層13が消失し、大きく変形をする。そのため、非加熱側の上部留付材24aに裏面材12を介して裏面材12と裏面材12に固着された有機断熱ボード層14および無機ボード層15の重量に応じたせん断力と、熱による変形により発生した偏心に応じた引抜力が発生するため、これらを十分に考慮して設計する必要がある。
当該3層は3時間の後追い試験の終盤には面外に大きく湾曲するため、湾曲時の影響を考慮して設計されなければならない。さらに上部留付材24aに鉛直方向の変位および回転が生じた場合、本発明の構造では、留付材は裏面材12および有機断熱ボード層14内に配置される。
無機ボード層15は、小さな局部荷重でも割れが生じ易いが、上部留付材24aの変位および回転の影響を受けることがなく、ファイヤーストップ材としての機能を損なうことがない。一方、有機断熱ボード層14は柔らかい材料で構成されているため、上部留付材24aの変位および回転の影響により裏面材12に容易に熱を伝えてしまうような耐火性を損なう欠損および脱落等が生じることもない。
上部留付材24aが前記3層の自重を支持するためには、上部留付材24aが貫通する上部取付材24cの穴は、鉛直方向に大きな遊びがあってはならず、丸穴もしくは長径が10〜20mm程度の長穴とすることが好ましい。なお、下部取付材25cに設ける下部留付材25aの貫通用穴は丸穴でもよいが、前記の鉛直方向の自重により壁材に生じる変位を吸収するため、長径を20〜40mm程度とすることが好ましい。
上述のように、図3Aおよび図3Bにおいては、無機ボード層15の両面にそれぞれ2層の有機断熱ボード層13、14が配置されており、無機ボード層15に隣接する有機断熱ボード層13が無機ボード層15に機械固定されている。この場合には、アンカー材AおよびビスVの頭部は隣接する有機断熱ボード層13に埋没するため問題ない。
一方、図3Cに示したように、無機ボード層15の両面にそれぞれ1層の有機断熱ボード層13が配置され、有機断熱ボード層13、14を無機ボード層15に固定する場合には、アンカー材AおよびビスVの頭部は金属材からなる表面材11および裏面材12に接触してしまう。そのため、アンカー材AおよびビスVの頭部を収容する凹部を有機断熱ボード層13、14の表面材11および裏面材12側の表面に設けることが好ましい。
ただし、アンカー材AやビスVの頭部の形状を比較的薄くし、さらに頭部裏面側を打ち込み時に有機断熱ボード層13、14に埋没しやすい形状とすれば、上記凹部を予め設けておく必要はない。
また、アンカー材AやビスVの頭部の有機断熱ボード13、14のめり込み強度を無機ボード層15への固定強度よりも小さく設計しておくと、アンカー材やビスVに引張力が働いた時にも無機ボード15が損傷するのを防ぐことができ、耐火性の点からより好ましい。
(間仕切壁)
次に、本発明による間仕切壁について説明する。図4Aは、本発明による間仕切壁の好適な一例の全体図を示している。また、図4Bは、図4Aに示した間仕切壁の鉛直方向断面図を示している。この図に示した間仕切壁2は、建物の階間、すなわち床スラブ22、23との間に架け渡され、その上下端で固定される縦張りの間仕切壁である。間仕切壁2は、床スラブの他に、天井や床に配される耐火被覆された鉄骨梁などに固定してもよい。また、床面にも断熱材を配置する必要のある用途の場合には、該間仕切壁の両面に床スラブ面から断熱材を積み上げた後、該断熱材上にコンクリートを打設して床面として仕上げることも多い。間仕切壁2は、上述した本発明による間仕切用パネル1が複数枚幅方向に隣接して配置されている。
図5は、本発明による間仕切壁2の幅方向断面図を示しており、図5Aは全体図、図5Bはパネル間の目地部分の拡大図である。上記複数枚のパネル1の小口間には熱膨張性シート材21が充填されていることが好ましい。該熱膨張性シート材21は、パネル1の全厚に装填するのではなく、図5Bに示すように、加熱時間中および加熱後に強度を有しつつ、残存する無機ボード層15の部分のみに装填するのが最も効率がよい。さらに、熱膨張性シート剤21は、必ずしも無機ボード層15の全厚に装填する必要はなく、想定する無機ボード層15間の隙間と熱膨張性シート材21の膨張率などを考慮して決めればよく、厚さは1〜3mm、幅は15〜50mm程度のものが好ましい。また、パネル1間の目地には、シーリング材28が打設されている。
間仕切壁2の下部は、下部留付材25aおよび下部アンカー材25bにより下部取付材25cを介して床スラブ23に固定されている。図示されていないが、間仕切壁2の上部も同様に、上部留付材24aおよび上部アンカー材24bにより上部取付材24cを介して床スラブ22に固定されている。また、間仕切壁2と床スラブ22との間の目地には上部目地材26が充填されており、間仕切壁2と床スラブ23との間の目地には、下部目地材27が充填されている。
上部アンカー材24bおよび下部アンカー材25bは、通常の間仕切壁の設計荷重である、地震時に働く1G程度の慣性力に耐えるものを選択するが、一般的には径がM8〜10程度、埋め込み長さが30〜70mm程度のコンクリート用アンカー材を、負担できる耐力に応じて必要本数配置する。
上記複数枚のパネル1間の目地に充填される熱膨張性シート材21としては、上記無機ボード層15を複数枚並べる場合の目地に用いる熱膨張性シート材と同様のものを用いることができる。
また、上部目地材26および下部目地材27は、火災時に壁材に変位や回転が生じた場合に火炎や熱を貫通させる隙間を生じさせず、また壁材のファイヤーストップ材としての機能を損なう欠損や脱落を生じさせず、さらに平常時には熱貫流を小さくするための材料である。上部目地材26および下部目地材27としては、セラミックファイバー、アルカリアースシリケートブランケット(生体溶解性繊維)などを用いることができる。
図6は、パネル1間の目地構造の例を示している。図6Aに示した目地構造においては、表面材11(裏面材12)は、有機断熱ボード層13(14)の凹部13a(14a)を区画する側壁に沿って1回折り曲げられて第一折り曲げ部11a、12aが形成され、隣接する第一折り曲げ部11a相互間にはシーリング材28が充填されている。
なお、シーリング材28はその底面が有機断熱ボード層13(14)に接着されるが、凹部13a(14a)において面材が貼られていない樹脂層が露出した面であれば、シ−リングの自由変形を阻害することはない。
また、図6Bに示した目地構造においては、表面材11(裏面材12)は、有機断熱ボード層13(14)の凹部13a(14a)を区画する側壁および底面に沿って2回折り曲げられ、第一折り曲げ部11a、12aおよび第二折り曲げ部11b、12bが形成されている。第二折り曲げ部11b(12b)相互間を連結することにより、火災時に間仕切用パネル1の目地部からの火熱の浸入が緩和されるとともに、隣接する表面材11a間からの加熱による熱の直射を避け、耐火性を向上させることができる。
第二折り曲げ部11b(12b)はパネル1の全長に亘って形成されている必要はなく、例えば第一折り曲げ部11a、12aに300〜1500mm程度の間隔でリベット留めや溶接などの方法で固着されていてもよい。そして、表面材11(裏面材12)の互いに積層する部分がビスVで300〜1500mm程度の間隔で連結されており、隣接する第一折り曲げ部11a相互間にはシーリング材28が充填されている。
上記連結により、目地部の動きが低減され、シーリングを高寿命化させることもできる。また、幅方向の最外部が金属材からなる表面材11または裏面材12で構成されることになるため、芯材である有機断熱ボード層13、14および無機ボード層15の小口の損傷を防止することができる。さらに、間仕切壁としての建込時に、金属材からなる表面材11および裏面材12の出入り調節が容易になる。
なお、第二折り曲げ部11b(12b)の面外側にはシーリング材28の三面接着を防止するためのボンドブレーカー29が敷設されている。なお、ボンドブレ−カー29の代わりに発泡樹脂製のバックアップ材を用いることも可能であるが、これらの材料は耐火試験における裏面温度の規定値である180+雰囲気温度付近で、収縮する性状を持つものが多く、加熱反対側でのシーリングの底面側からの付着切れを招き、耐火性を低下させるおそれがあるため、注意を要する。
図6Cは、図6Bに示した目地構造の好適な態様を示している。図6Bに示した間仕切壁においては、隣接する間仕切用パネルのうちの一方(図6Bにおいては、左側の間仕切用パネル)の第二折り曲げ部11bおよび12bの双方が、有機断熱ボード層13、14側に配置されている。
これに対して、図6Cに示した目地構造においては、隣接する間仕切用パネル1a、1bのうちの1aの表面材11の第二折り曲げ部11biが有機断熱ボード層13側に配置されており、隣接するもう一方の間仕切用パネル1bの第二折り曲げ部11boがビスV側に配置されている。また、間仕切用パネル1aの裏面材12の第二折り曲げ部12boがビスV側に配置されており、もう一方の間仕切用パネル1bの第二折り曲げ部12biが有機断熱ボード層14側に配置されている。
このように構成することにより、隣接する間仕切用パネル1aの第二折り曲げ部11biと12boの間隔と、もう一方の間仕切用パネル1bの第二折り曲げ部11boと12biの間隔に誤差がある場合にも容易に現場で建て込むことができる。すなわち、予め所定の位置に施工された間仕切用パネル1aに続いて次の間仕切用パネル1bを施工する際に、各々の間仕切用パネルの第二折り曲げ部11biと11boおよび12boと12biを厚み方向に少しずらした状態で幅方向を所定寸法になるように引き寄せた後に厚さ方向に所定位置まで押し込むことにより、第二折り曲げ部同士がぶつかることなく、容易に施工することができる。
また、図6Cに示した目地構造においては、ビスVの位置が、第一折り曲げ部11a(12a)側に寄せて配置されているとともに、有機断熱ボード層13、14に隣接する第二折り曲げ部11bi(12bi)の幅方向の長さが長い。これにより、ビスVの第二折り曲げ部11bo、11bi、12boおよび12biにねじ込んだビスVのへり空きを大きくすることができ、隣接する間仕切用パネル同士の連結強度を向上させることができる。また、様々な要因により施工現場において設計値よりも目地幅を広げて施工する際にも、強度上必要なへり空きを確保しやすくなる。
さらに、図6Cに示した目地構造においては、熱膨張性シート材21は、隣接する間仕切用パネル1a、1bのうちの一方(図6Cでは1b)に寄せて配置されている。これにより、互いに隣接する間仕切用パネル1a、1bの間に熱膨張性シート材21を配置する際に、一方の間仕切用パネルの無機ボード層15の幅を短くして凹部を設け、設けた凹部に熱膨張性シート材21を充填すればよいため、施工性を大きく向上させることができる。なお、図6Cに示すように、無機ボード層15と熱膨張性シート材21との間には、隙間(例えば、幅方向に1mm程度)が空いていてもよい。
上述のように、本発明による間仕切壁2は、その上下端で躯体に固定されるため、間仕切壁2の表面材11(裏面材12)が加熱された際に、表面材11(裏面材12)が膨張して、表面材11(裏面材12)と有機断熱ボード層13(14)とを剥離させることができ、ボード層13、14、15が変形して破損することなく、間仕切壁2の耐火性を保持できる。このように、本発明による間仕切壁2は、高い耐火性と断熱性とを兼ね備えたものである。
(部屋構造)
続いて、本発明による部屋構造について説明する。図7は本発明による部屋構造の一例を示している。この図に示した部屋構造3は、屋根31、床32および外壁33で構成された建物の内部が上述した本発明による間仕切壁2によって仕切られており、さらに当該間仕切壁2の中間位置に高断熱性の天井材34a(35a)が接続されることにより、少なくとも当該間仕切壁2の一方に、当該間仕切壁2と当該天井材34a(35a)および壁材34c(35c)、床材34b(35b)により仕切られた部屋34(35)を有している。そして、当該部屋34(35)は、高断熱性の床材34b(35b)および壁材34c(35c)と、間仕切壁2および天井材34a(35a)とで区画されている。上記部屋34(35)は、例えば冷凍冷蔵庫である。
また、建物の屋根31、床32、外壁33は、例えばコンクリートや軽量気泡コンクリート等で構成されている。なお、当該間仕切壁2の上部は屋根31ではなく、建物構造によっては上階の床や耐火被覆された鉄骨や鉄筋コンクリート製の梁に固定されてもよい。また、図6では床32の上に、床材34b、35bを設けているが、断熱材を床32の下側に配置することにより、床面の強度が向上し、荷物運搬車両等の走行には好都合である。
図8に示すように、従来の冷凍冷蔵倉庫の部屋構造30においては、耐火性を有する軽量気泡コンクリート等の間仕切壁20が使用されており、冷凍冷蔵庫などの部屋36(37)が、高断熱性の天井材36a(37a)、床材36b(37b)および壁材36c(37c)によって区画されていた。しかし、壁材36c(37c)と防火区画となる間仕切壁20との間は空調温度が異なる空間となるため、断熱パネルの表面において結露が生じやすく、さらにこれらの空間は狭く清掃な困難なことから、カビや虫の害が生じやすい問題があった。
これに対して、本発明による部屋構造3においては、高い断熱性および耐熱性を兼ね備える間仕切壁2が、部屋34(35)の壁の一部を構成している。このように構成することにより、従来の部屋構造30に存在したような、壁材34c(35c)と間仕切壁2との間に隙間が存在しない。その結果、間仕切壁2において結露が生じにくく、カビや虫による害を抑制することができる。
また、図9Aに図7に示した間仕切壁2と断熱材34a、34bとの接続部分の拡大図を示すように、間仕切壁2においては、熱伝導率が比較的高い無機ボード層15が間仕切壁2(間仕切用パネル1)の中央に配置されており、熱伝導率が比較的低い有機断熱ボード層13、14が外側に配置されている。そのため、部屋34(35)の内外を貫通するパネルの表層部を伝わる熱量が少なくなり、熱橋は生じづらい。これに対して、図9Bに示すような、有機断熱ボード層13、14と無機ボード層15とを入れ替えた間仕切壁を用いた場合には、表層部近くが熱を伝えやすい材料で構成されるため、図9Aの構造より大きな熱橋が生じる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されない。
(発明例1)
本発明による間仕切用パネル1を作製した。まず、表面材11および裏面材12としての塗装ガルバリウム鋼板(登録商標)を2枚(寸法:3200mm×890mm、四周10mm幅の折り曲げ部付き、厚み:0.4mm)、有機断熱ボード層13、14としてのフェノールフォーム板を4枚(旭化成建材株式会社製ネオマフォーム(登録商標)、寸法:1820mm×900mm、厚み32.5mm、密度:40kg/m)、無機ボード層15としての軽量気泡コンクリートを3枚(旭化成建材株式会社製パワーボードNEXT、寸法:1820mm×606mm、厚み:36mm、密度350kg/m)それぞれ用意した。
次に、塗装ガルバリウム鋼板(登録商標)、フェノールフォーム板、軽量気泡コンクリート、フェノールフォーム板、塗装ガルバリウム鋼板(登録商標)をこの順で、ウレタン系接着剤(コニシ株式会社製KU570)を用いて積層接着した。接着剤の塗布量は、塗装ガルバリウム鋼板(登録商標)とフェノールフォーム板との間は150〜200g/m、軽量気泡コンクリートとフェノールフォーム板との間は200〜300g/mとし、1t/mのプレスをかけた状態で1晩の養生を行った。こうして、間仕切用パネル1を得た。
上述のように得られた間仕切用パネル1を4枚、幅方向に隣接して配置し、各パネル1の上部および下部を上部取付材(L−65×40×t=3.2mm)および下部取付材(L−50×40×t=3.2mm)により天井および床にそれぞれ固定した。また、パネル1間の目地とパネル1内の軽量気泡コンクリート間の継ぎ目には熱膨張性シート材(CRK株式会社製ファイヤーシャットFST−A、厚さ2mm×幅30mm)を装填した。こうして、本発明による間仕切壁2を建物の階間に架け渡した。
<耐火試験>
上述のように用意した発明例1について、建築基準方法に定める方法に則って、間仕切壁耐火1時間の試験を行った。以下、耐火試験における発明例1による間仕切壁2の挙動について説明する。
まず、図10(a)に示すように、間仕切壁(間仕切用パネル1)の表面材11をバーナーで加熱すると、図10(b)に示すように、加熱開始直後(開始から5分程度)から、表面材11が加熱側に大きく膨張し始めた。その際、パネル1においては、表面材11と有機断熱ボード層13とは、有機系接着剤で接着されているため、(300〜400℃程度)加熱開始後数分で有機系接着剤が燃焼して消失し、表面材11と有機断熱ボード層13とが剥離して、表面材11が加熱側に変形した。
加熱を継続すると、有機断熱ボード層13が無機ボード層15に接着された状態で炭化した。その際、表面材11は加熱側に膨らんでいるため、有機断熱ボード層13は、炭化の際にパネル1の厚み方向に自由に膨張し、その結果、厚い断熱層が形成され、その結果、無機ボード層15に入る熱が有効に遮断された。そして、60分の加熱の時間内に、図10(c)に示すように、有機断熱ボード層13のほぼ全てが炭化した。
加熱開始から60分が経過した際に加熱を停止した。その直後、パネル1が面する耐火炉内の酸素濃度が急激に増加し、図10(d)に示すように、炭化した有機断熱ボード層13が再度一定時間炎上した。本発明によるパネル1においては、有機断熱ボード層13が炭化する際に、表面材11が膨らんでいるため、有機断熱ボード層13の表面が完全に密閉されず、低酸素の状態で炭化される。そのため、表面材11と有機断熱ボード13とが剥離せず、有機断熱ボード層13が無酸素状態で炭化された場合よりも、上記再炎上の際の発生熱量や炎上時間が小さかった。
その後、図10(e)に示すように、炭化した有機断熱ボード層13が徐々に無機ボード層15の表面から脱落した。脱落した部分では、露出した無機ボード層15の表面が直接熱影響を受けて脱水が進行し、図10(f)に示すように、無機ボード層15の表面に亀裂Cが発生した。
そして、図10(g)に示すように、炭化した有機断熱ボード層13の無機ボード層15から脱落すると、脱水に伴う収縮と温度低下によって、無機ボード層15に多くの亀裂Cが発生した。脱落部分が増えるのに伴い、無機ボード層15には多くの亀裂が発生した。続いて、脱落と亀裂の発生が収まると、炉内温度の低下により無機ボード層15の温度が低下し、温度変化による収縮が始まった。しかしこの状態においても無機ボード層15は倒壊することなく間仕切壁2の耐火性能は確保できていた。さらに、本発明例1のパネル1では内部に補強材が装填されているため、亀裂はやや広がるがパネル全体としての寸法変化は小さくなり、パネル間の目地が大きく拡がることを防ぐことができた。よって、無機ボード層15内の亀裂、1枚のパネル内の無機ボード15a間の目地、隣接するパネル間の目地のいずれも大きくならなかった。その結果として、無機ボード15aが部分的に炭化されただけで済み、また非加熱側の有機断熱ボード層14についても、図10(h)に示すように、部分的炭化部Pが形成された程度で済んで、全体として耐火性能を満足することができた。
図11は、耐火試験における時間と間仕切壁の温度との関係を示す図であり、図11Aは加熱温度(炉内温度)、図11Bは裏面温度であり、15個の熱電対による測定結果を示している。図11Aから、加熱温度(炉内温度)は、加熱開始直後から急激に上昇し、加熱開始後1時間で930℃程度まで上昇し、加熱を停止すると、温度が急激に低下し、加熱停止から3時間後には180℃程度まで低下することが分かる。
これに対して、図11Bから、裏面温度は、加熱開始後徐々に上昇し、加熱開始後1時間経過しても100℃まで到達しない。しかし、加熱終了後に温度が一定時間上昇し、最大で120℃程度まで上昇する。その後、温度が徐々に低下し、加熱停止から3時間後には70℃程度まで低下することが分かる。このように、耐火試験の間、裏面温度は最大値が180℃+雰囲気温度(25℃)未満に維持され、平均温度は140℃+雰囲気温度(25℃)未満であった。
本発明によれば、高い耐火性と耐熱性とを兼ね備えた間仕切用パネル、更にはそれを長尺で使用した間仕切壁および部屋構造を提供することができる。
1,1a,1b 間仕切用パネル
2,20 間仕切壁
3,30 部屋構造
11 表面材
11a,12a 第一折り曲げ部
11b,12b,11bi,11bo,12bi,12bo 第二折り曲げ部
12 裏面材
13,14 有機断熱ボード層
13a,14a 凹部
13b,14b 有機断熱ボード
13c,14c 面材
13d,14d 樹脂フォーム
15 無機ボード層
15a 無機ボード
16,17 接着剤層
21 熱膨張性シート材
22,23 床スラブ
24a 上部留付材
24b 上部アンカー材
24c 上部取付材
25a 下部留付材
25b 下部アンカー材
25c 下部取付材
26 上部目地材
27 下部目地材
28 シーリング材
29 ボンドブレーカー
31 屋根
32 床
33 外壁
34,35,36,37 部屋
34a,35a,36a,37a 天井材
34b,35b,36b,37b 床材
34c,35c,36c,37c 壁材
A アンカー材
C 亀裂
h アンカー材用長穴
P 部分的炭化部
V ビス

Claims (14)

  1. 金属材からなる表面材および裏面材と、
    前記表面材と前記裏面材との間に配置された、複数枚の有機断熱ボード層と該複数枚の有機断熱ボード層との間に挟まれた無機ボード層とを有し、
    前記複数枚の有機断熱ボード層のうちの前記表面材に隣接するものと前記表面材、および前記複数枚の有機断熱ボード層のうちの前記裏面材に隣接するものと前記裏面材とが、それぞれ有機系接着剤により接着されていることを特徴とする間仕切用パネル。
  2. 前記無機ボード層は軽量気泡コンクリートからなる、請求項1に記載の間仕切用パネル。
  3. 前記無機ボード層に不燃性の補強材を有する、請求項1または2に記載の間仕切用パネル。
  4. 前記複数枚の有機断熱ボード層のうちの前記無機ボード層に隣接するものと前記無機ボード層とが機械固定されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の間仕切用パネル。
  5. 前記無機ボード層はその面内方向に隣接する複数枚の無機ボードで構成されており、前記複数枚の無機ボードの小口面が互いに耐火接着剤により接着されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の間仕切用パネル。
  6. 前記無機ボード層はその面内方向に隣接する複数枚の無機ボードで構成されており、前記複数枚の無機ボードの小口面間に熱膨張性シート材が装填されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の間仕切用パネル。
  7. 前記無機ボード層はその面内方向に隣接する複数枚の無機ボードで構成されており、前記複数枚の無機ボードが連結金具によって面外方向、面内方向、または面外方向および面内方向の動きに対して互いに固定されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の間仕切用パネル。
  8. 前記複数枚の有機断熱ボード層の枚数は2枚である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の間仕切用パネル。
  9. 前記有機断熱ボード層の各々を構成する樹脂が熱硬化性樹脂からなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の間仕切用パネル。
  10. 建物の階間に架け渡され、その上下端で固定される縦張りの間仕切壁であって、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の間仕切用パネルが複数枚幅方向に隣接して配置されてなることを特徴とする間仕切壁。
  11. 前記複数枚の間仕切用パネル間の目地に熱膨張性シート材が充填されている、請求項10に記載の間仕切壁。
  12. 互いに隣接する間仕切用パネルについて、前記表面材の幅方向端部および前記裏面材の幅方向端部同士がそれぞれ重ね合わされて連結されている、請求項10または11に記載の間仕切壁。
  13. 前記間仕切用パネルの上下端が前記建物の躯体に固定された取付材により前記間仕切用パネルの面外方向に拘束され、さらに留付材を、前記取付材の穴を介して前記無機ボード層を貫通しないように前記表面材および前記裏面材に締結することによって固定されている、請求項10〜12のいずれか一項に記載の間仕切壁。
  14. 屋根、床および外壁で構成された建物の内部が請求項10〜13のいずれか一項に記載の間仕切壁によって仕切られ、さらに当該間仕切壁の中間位置に高断熱性の天井材が接続されることにより、少なくとも当該間仕切壁の一方に、当該間仕切壁と当該天井材および壁材、床材により仕切られた部屋を有し、当該部屋は高断熱性の床材および壁材と、前記間仕切壁および前記天井材とで区画されていることを特徴とする部屋構造。
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