JP2022052546A - サンドイッチパネルおよび壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い強度を有するサンドイッチパネルおよび壁構造を提供する。【解決手段】無機ボード層15および1枚以上の断熱ボード層13、14全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置が互いにずれた第1の部分P1を有し、第1の部分P1における継目のずれの大きさGは、断熱ボード層13、14の厚みD1に対して0.5D1以上3.0D1以下であることを特徴とする。【選択図】図1B

Description

本発明は、サンドイッチパネルおよび壁構造に関する。
従来、建築物の外壁や屋根、間仕切り等に用いられる建築用パネルとして、断熱ボードや無機ボードで構成された芯材の表面および裏面に、金属材からなる表面材および裏面材で挟み込んだサンドイッチパネルが知られている。
上記サンドイッチパネルを冷凍冷蔵倉庫の防火区画壁を構成する間仕切壁として使用する場合、建築基準法により1時間の耐火性能が必要とされている。昨今の物流需要の拡大により、冷凍冷蔵倉庫が大型化してきており、耐火性、断熱性を併せ持った上で、さらに当該間仕切壁は耐火性のある床から耐火性のある屋根まで連続させて階の中間位置に支持梁等を不要とした長尺のものが求められてきている。
こうした長尺のサンドイッチパネルでは、その芯材に用いられる断熱ボードや無機ボードは、単体での長さが表面材および裏面材の長さよりも短い。そのため、芯材は、断熱ボードや無機ボードを長尺方向に複数枚隣接して配置することによって、表面材および裏面材の長さに対応した長さに構成されるのが一般的である。
例えば、特許文献1には、断熱ボード層における長尺方向の継目の位置と無機ボード層における長尺方向の継目の位置が一致していないように積層されたサンドイッチパネルが記載されている。
また、特許文献2には、プラスチックフォームにより形成された断熱ボードに補強板を積層接着した積層板を、該補強板の板厚方向に垂直な端部を互いに対向させて複数枚連接してなる板状芯材の表面および裏面に、金属板で構成された表面材および裏面材を配置するとともに、隣接する一対の補強板の継目部分に、断熱ボードが配置される側から継目部分を跨いで剛板を接着した建築用パネルが記載されている。
特開2007-132102号公報 特開2016-94800号公報
しかし、特許文献1に記載されたサンドイッチパネルでは、パネルの強度が依然として不十分であり、倉庫業法で求められる荷崩れによる面外方向の荷重に耐えることが困難である。また、特許文献2に記載された建築用パネルでは、補強材として可撓性の低い無機ボードが使用され、パネルの表面材および裏面材に隣接して配置されている。そのため、パネルが面外荷重により曲げ変形を起こした際に、補強材のひび割れや損傷が早期に発生し、パネルの十分な強度を維持することができない。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い強度を有するサンドイッチパネルおよび壁構造を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、以下の通りである。
[1]表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間にそれぞれ配置された1枚以上の断熱ボード層とを備え、
前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
前記無機ボード層は、長尺方向に配置された複数枚の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された複数枚の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
前記無機ボード層および前記1枚以上の断熱ボード層全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置が互いにずれた第1の部分を有し、
前記第1の部分における継目のずれの大きさGは、前記断熱ボード層の厚みDに対して0.5D以上3.0D以下であることを特徴とするサンドイッチパネル。
[2]前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間の少なくとも一方に、複数枚の断熱ボード層が設けられている、前記[1]に記載のサンドイッチパネル。
[3]前記断熱ボードは、発泡プラスチックと、該発泡プラスチックの表面に配置された面材とを有し、前記第1の部分P1において隣接する前記無機ボード層と前記断熱ボード層との間、隣接する前記断熱ボード層間、もしくは両方で前記面材が設けられていない、前記[1]または[2]に記載のサンドイッチパネル。
[4]表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間にそれぞれ配置された1枚の断熱ボード層とを備え、
前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
前記無機ボード層は、長尺方向に配置された複数枚の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された複数枚の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
前記無機ボード層および前記断熱ボード層全体において、隣接する全ての層間で継目の長尺方向の位置が同一である第2の部分を有し、
前記無機ボード層と前記断熱ボード層との間において、前記断熱ボード層における継目を跨いで補強板が設けられていることを特徴とするサンドイッチパネル。
[5]表面材および裏面材と、
前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、
前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間に1枚以上配置された断熱ボード層であって、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間の少なくとも一方で複数枚配置されている断熱ボード層とを備え、
前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、前記複数枚の断熱ボード層間、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
前記無機ボード層は、長尺方向に配置された複数枚の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された複数枚の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
前記無機ボード層および前記断熱ボード層全体において、隣接する全ての層間で継目の長尺方向の位置が同一である第2の部分を有し、
複数枚の前記断熱ボード層間、前記断熱ボード層と前記無機ボード層との間、もしくはそれらの両方において、前記断熱ボード層における継目を跨いで補強板が設けられていることを特徴とするサンドイッチパネル。
[6]前記補強板は、前記無機ボード層の厚みと前記断熱ボード層の厚みとの和Dに対して、前記サンドイッチパネルの外表面から前記和Dの10%以上45%以下の位置に配置されている、前記[4]または[5]に記載のサンドイッチパネル。
[7]前記補強板の幅Wは、前記断熱ボード層の厚みDに対してD以上6D以下である、前記[4]~[6]のいずれか一項に記載のサンドイッチパネル。
[8]前記補強板に開孔が設けられており、前記補強板を挟む断熱ボード層と無機ボード層または隣接する断熱ボード層が前記開孔を介して接着されている、前記[4]~[7]のいずれか一項に記載のサンドイッチパネル。
[9]前記開孔は前記断熱ボード層を構成する断熱ボード間の継目を跨いで配置されていない、前記[8]に記載のサンドイッチパネル。
[10]表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間にそれぞれ配置された1枚以上の断熱ボード層とを備え、
前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
前記無機ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
前記無機ボード層および前記1枚以上の断熱ボード層全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置がずれた第1の部分と、全ての隣接する層間で継目の長尺方向の位置が同一である第2の部分とを有し、
前記第2の部分は長尺方向のより端部側に配置されていることを特徴とするサンドイッチパネル。
[11]前記第1の部分および第2の部分の少なくとも一方において、前記無機ボード層と前記断熱ボード層との間において、前記断熱ボード層における継目および無機ボード層における継目を跨いで補強板が設けられている、前記[10]に記載のサンドイッチパネル。
[12]表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間にそれぞれ配置された1枚の断熱ボード層とを備え、
前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
前記無機ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
前記無機ボード層および前記断熱ボード層全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置がずれた第1の部分を複数有し、
複数の前記第1の部分のうち、中央部側の第1の部分において、前記断熱ボード層と前記無機ボード層との間において前記断熱ボード層における継目を跨いで補強板が設けられていることを特徴とするサンドイッチパネル。
[13]表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間に1枚以上配置された断熱ボード層であって、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間の少なくとも一方で複数枚配置されている断熱ボード層と
を備え、
前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、前記複数枚の断熱ボード層間、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
前記無機ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
前記無機ボード層および前記断熱ボード層全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置がずれた第1の部分を複数有し、
複数の前記第1の部分のうち、中央部側の第1の部分において、複数枚の前記断熱ボード層間、前記断熱ボード層と前記無機ボード層との間、もしくはそれらの両方において前記断熱ボード層における継目を跨いで補強板が設けられていることを特徴とするサンドイッチパネル。
[14]前記第1の部分の層間に塗布される接着剤の単位面積当たりの量が、前記第1の部分以外の部分よりも多い、前記[1]~[3]、前記[10]~[13]のいずれか一項に記載のサンドイッチパネル。
[15]前記第1の部分における継目のずれの大きさGは、前記断熱ボード層の厚みDに対して0.5D以上3.0D以下である、前記[10]~[14]のいずれか一項に記載のサンドイッチパネル。
[16]表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間にそれぞれ配置された1枚の断熱ボード層とを備え、
前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
前記無機ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
前記無機ボード層および前記断熱ボード層全体において、隣接する全ての層間で継目の長尺方向の位置が同一である第2の部分を複数有し、
複数の前記第2の部分のうち、中央部側の第2の部分において、前記無機ボード層と前記断熱ボード層との間において前記断熱ボード層における継目を跨いで補強板が設けられていることを特徴とするサンドイッチパネル。
[17]表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間に1枚以上配置された断熱ボード層であって、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間の少なくとも一方で複数枚配置されている断熱ボード層と
を備え、
前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、前記複数枚の断熱ボード層間、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
前記無機ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
前記無機ボード層および前記断熱ボード層全体において、隣接する全ての層間で継目の長尺方向の位置が同一である第2の部分を複数有し、
複数の前記第2の部分のうち、中央部側の第2の部分において、複数枚の前記断熱ボード層間、前記断熱ボード層と前記無機ボード層との間、もしくはそれらの両方において前記断熱ボード層における継目を跨いで補強板が設けられていることを特徴とするサンドイッチパネル。
[18]前記無機ボード層を構成する無機ボードの小口面同士が接着固定されていない、前記[1]~[17]のいずれか一項に記載のサンドイッチパネル。
[19]前記表面材と前記断熱ボード層、および前記裏面材と前記断熱ボード層とが、多条ビード接着されている、前記[1]~[18]のいずれか一項に記載のサンドイッチパネル。
[20]建物の階間に架け渡され、その上下端で固定される縦張りの壁構造であって、
前記[1]~[19]のいずれか一項に記載のサンドイッチパネルが複数枚幅方向に隣接して配置されてなることを特徴とする壁構造。
本発明によれば、高い強度を有するサンドイッチパネルおよび壁構造を提供することができる。
本発明によるサンドイッチパネルの第1の態様の一例の全体図である。 図1Aに示したサンドイッチパネルの長尺方向断面図である。 図1Aに示したサンドイッチパネルの幅方向断面図の一部を示す図である。 複数の断熱ボードで構成された断熱ボード層を示す図である。 隣接する断熱ボード層を接着する好適な方法を説明する図である。 複数の無機ボードで構成された無機ボード層を示す図である。 断熱ボード層が複数層で構成されたサンドイッチパネルの一例を示す図である。 断熱ボード層が複数層で構成されたサンドイッチパネルの別の例を示す図である。 継目部分の面材が除去されたサンドイッチパネルを示す図である。 本発明によるサンドイッチパネルの第2の態様の一例の長尺方向断面図である。 開孔が設けられた補強板を示す図である。 図4Bに示した補強板が配置されたサンドイッチパネルを示す図である。 補強板として、2つの補強板が連結された連結金具を用いる場合の図である。 補強板として、2つの補強板が連結された連結金具を用いる場合の図である。 断熱ボード層が複数層で構成されたサンドイッチパネルの一例を示す図である。 断熱ボード層が複数層で構成され、図4Bに示した補強板が配置されたサンドイッチパネルを示す図である。 第1の態様のサンドイッチパネルに補強板を設けた図である。 本発明によるサンドイッチパネルの第3の態様の一例の長尺方向断面図である。 本発明によるサンドイッチパネルの第3の態様の別の例の長尺方向断面図である。 断熱ボード層が複数層で構成されたサンドイッチパネルの一例を示す図である。 本発明による間仕切壁の一例の全体図である。 図8Aに示した間仕切壁の鉛直方向断面図である。 図8Aに示した間仕切壁の幅方向断面図の全体図である。 図8Aに示した間仕切壁の幅方向断面図におけるパネル間の目地部分の拡大図である。 パネル間の目地構造の一例を示す図である。 パネル間の目地構造の別の例を示す図である。 パネル間の目地構造のさらに別の例を示す図である。 測定された曲げ強度を示す図である。 測定されたせん断力を示す図である。
(サンドイッチパネル)
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1Aは、本発明によるサンドイッチパネルの第1の態様の一例の全体図を示している。図1Bは、図1Aに示したサンドイッチパネルの長尺方向断面図を示しており、図1Cは、図1Aに示したサンドイッチパネルの幅方向断面図の一部を示している。図1A~図1Cに例示したサンドイッチパネルは、間仕切用パネルとして構成されている。
図1Aに示したサンドイッチパネル1は、表面材11および裏面材12と、表面材11と裏面材12との間に配置された無機ボード層15と、表面材11と無機ボード層15との間および裏面材12と無機ボード層15との間にそれぞれ配置された1枚以上の断熱ボード層13、14とを備える。表面材11と断熱ボード層13、裏面材12と断熱ボード層14、および断熱ボード層13(14)と無機ボード層15とは接着されている。
無機ボード層15は、図1Aおよび1Bに示すように、長尺方向に配置された複数枚の無機ボード15aを有して隣接する無機ボード15a間に継目15bを有する。また、断熱ボード層13(14)は、長尺方向に配置された複数枚の断熱ボード13a(14a)を有して隣接する断熱ボード13a(14a)間に継目13b(14b)を有する。
本発明によるサンドイッチパネル1は、図1Bに示すように、無機ボード層15および1枚以上の断熱ボード層13、14全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置が互いにずれた第1の部分P1を有する。そして、第1の部分P1における継目13b、14b、15bのずれの大きさGは、断熱ボード層13、14の厚みDに対して0.5D以上3.0D以下に構成されている。
本発明者は、倉庫業法で要求される荷崩れ荷重等の面外方向の荷重に対して高い強度を有するサンドイッチパネルを得るべく、鋭意検討を行った。表面材および裏面材により断熱ボード層および無機ボード層を挟み込んだサンドイッチパネルを構成する場合、特許文献2に記載されたパネルのように、表面材および裏面材に隣接して、補強板として可撓性の低い無機ボード層を配置すると、サンドイッチパネルの表面および裏面にはシーリングを打設する目地部を作る必要があるが、耐火性を担う無機ボード層が不連続となるため、当該目地部の内部側にもう一層無機ボード層を設ける等の措置が必要となる。通常、目地部は耐火性能確保の点から最も重要な部分であり、構成が極めて複雑となってしまい、パネル製作コストが高い上に、重量もかさみ、施工性に劣るものとなってしまう。従って、パネルの厚み方向の中央に無機ボード層を配置して連続させることが肝要である。
また、断熱ボード層および無機ボード層の継目の強度について、特許文献1に記載されたサンドイッチパネルのように、断熱ボード層における長尺方向の継目と無機ボード層における長尺方向の継目とをずらして設けることは、パネル強度の向上の点で有効である。しかし、本発明者の検討の結果、パネル強度の向上のためには、単に継目をずらせばよい訳ではなく、ずれの大きさGを適正化することが肝要であり、ずれの大きさGが0.5D以上であれば、サンドイッチパネルの曲げ強度およびせん断強度を向上させて、サンドイッチパネルの強度を向上させることができることを見出し、本発明を完成させたのである。
パネル強度の向上の点では、ずれの大きさGの上限は限定されないが、ずれの大きさGが3.0Dを超える場合には、パネル強度の向上効果が飽和するとともに、パネルの製作効率が低下する。そこで、本発明においては、ずれの大きさGは3.0D以下とする。
なお、表面材11および裏面材12は、図1Cに示すように、それらの周縁部が断熱ボード層13、14側に折り曲げられている。そして、折り曲げ部(第一折り曲げ部)11a、12aは、断熱ボード層13、14の周縁部に設けられた凹部D1に係合するように構成されている。表面材11(裏面材12)と断熱ボード層13(14)とは接着剤で固定されており、接着剤は、表面材11(裏面材12)と断熱ボード層13(14)との接着層16(17)を構成している。
ここで、サンドイッチパネル1を構成する表面材11および裏面材12、断熱ボード層13,14、無機ボード層15の構成について説明する。
-表面材および裏面材-
表面材11および裏面材12は、加熱された際に断熱ボード層13、14から剥離して、加熱側に大きく膨張して変形するように構成されている。表面材11および裏面材12は金属材からなることが好ましい。こうした表面材11および裏面材12は、金属材をプレス成形、押出成形、ロール成形等によって所定の断面形状に形成したものを使用することができる。金属材としては、例えば、溶融55%アルミニウム-亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、塗装溶融55%アルミニウム-亜鉛めっき鋼板(塗装:ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、アミノ・アルキド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂)、塗装溶融亜鉛めっき鋼板(塗装:ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、アミノ・アルキド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂)、塗装ステンレス鋼板(塗装:ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、アミノ・アルキド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂)、塩化ビニル樹脂フィルム張/金属板、高耐候性圧延鋼材(塗装:エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂)、両面ポリエステル樹脂系塗装/溶融アルミニウムめっき鋼板、フェライト系ステンレス鋼板、両面アクリル樹脂系塗装/亜鉛合金板などを用いることができる。なお、前記の金属板の塗装は表面だけでなく断熱ボード13a、14aと接着される面にも施されることが一般的であり、この場合には接着剤の常温時の接着性と加熱時の初期の燃焼性の点から樹脂を選択し、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂およびアクリル樹脂などを用いることが好ましい。
表面材11および裏面材12の寸法は、設計に応じて適切に設定することができ、例えば、長さは0.6~12m、幅は300~1000mmとすることができる。また、表面材11および裏面材12の厚みは、強度や重量、経済性の点で、0.3~1.6mmとすることが可能であるが、より好ましくは0.4~1.0mmである。
-断熱ボード層-
断熱ボード層13、14は、間仕切壁などの壁構造に断熱性を持たせるための層である。断熱ボード層13、14を構成する断熱ボード13a、14aは、断熱性の点から有機断熱ボードで構成されていることが好ましく、さらに耐火性の点からは、炭化して無機ボード層15を保護する効果のある熱硬化性樹脂からなるものがより好ましい。
--熱硬化性樹脂--
上記熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、イソシアヌレート樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド発泡体やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂発泡体などを用いることができる。中でも、高い難燃性を有することから、フェノール樹脂を用いることが好ましく、さらに加熱されて炭化する際に膨張性を有するものを選択するとなお好ましい。
断熱ボード層13、14は、熱硬化性樹脂や硬化剤、発泡剤などを一緒に混合して発泡して硬化し、得られた樹脂フォーム(発泡プラスチック)をボード状にしたものを用いることができる。また、断熱ボード層13、14は、成形上の都合や表面材11(裏面材12)や無機ボード層15との接着性などの点で、表裏面に面材を有するものを用いてもよい。
こうした樹脂フォームおよび面材を有する断熱ボード層13、14は、面材上に熱硬化性樹脂、硬化剤、発泡剤などを混合した混合物を一定速度で走行する面材上に混合物を吐き出させた後、硬化炉内のコンベア間でボード状に成形して形成することができる。また、断熱ボード層13、14は、予め表面材11、裏面材12および無機ボード層15を所定間隔の隙間をもって設置した後、当該隙間に有機樹脂材料を注入する方法で構成してもよい。この場合、上記有機樹脂材料を適切に選定すれば、その自己接着力により接着剤を兼用することができる。
上記面材としては、ポリエステル不織布、ポリプロピレン不織布、アルミニウム箔、不燃性の加工紙、およびこれらの材料を組み合わせたものなどを用いることができる。当該面材を介して断熱ボード層13、14を無機ボード層15に接着する場合には、耐火試験時に断熱ボード層13、14が無機ボード層15の表面から長時間脱落しないようにすることが肝要である。よって、不燃性の面材や耐熱性接着剤を用いることが耐火性能上最も有利であるが、これらはいずれも高価であるため、耐火性を損なわない範囲で有機系の面材を使ってもよい。また、耐火試験時に無機ボード層15から発生する水蒸気が面材と無機ボード層15との間に集積された際に生じる接着剥離等への対策も重要であり、透湿性を有する面材を使うことも好ましい。これらの点から、有機系の面材の中ではポリエステル不織布が価格、耐熱性、透湿性を総合した性能を有しており、好ましい。
断熱ボード層13、14の寸法は、サンドイッチパネル1の設計に応じて適切に設定することができる。断熱ボード層13(14)は、図2Aに示すように、長尺方向に複数枚の断熱ボード13a(14b)を並べて構成することができ、パネル1の長さを超える分については切断して長さを合わせることができる。また、断熱ボード層13(14)は、幅方向(短尺方向)に複数枚の断熱ボード13a(14a)を並べて構成することができ、パネル1の幅を超える分については切断して幅を合わせることができる。このように、断熱ボード層13(14)は、その面内方向に隣接する複数枚の断熱ボード13a(14a)で構成することができる。
表面材11(裏面材12)に断熱ボード層13(14)を接着させる場合に、断熱性、耐火性およびパネル強度など様々な点から、隣接する断熱ボード13a(14a)の小口面13c(14c)間に隙間が生じないように密着させるのが好ましい。パネル製作作業としては、断熱ボード13a(14a)を表面材11(裏面材12)に塗布した接着剤からなる接着層に接触させながら、小口面13c(14c)相互を密着させることになる。この場合、断熱ボード13a(14a)が面材を有していると、断熱ボード13a(14a)の樹脂フォーム部分は弾性を有しているため圧縮されるのに対して、面材は弾性を有していないため、小口面付近の面材が余剰となり、断熱ボード13a(14a)間に隙間が生じやすい。
そこで、図2Bに示すように、断熱ボード13a(14a)の小口面13c(14c)付近の角部を除去(すなわち、面取り)することが好ましい。これにより、小口面13c(14c)付近の面材13d(14d)が除去されるため、隣接する断熱ボード13a(14a)同士を押しつけた際に、小口面13c(14c)付近の面材13d(14d)が余剰にならず、さらに小口面13c(14c)同士を押し付けた際に、余って小口面13c(14c)の間に寄せられてきた接着剤の溜まり部を形成することにより、小口面13c(14c)同士の密着性を向上させることができる。
上記角部の除去の断面範囲は、接着剤の塗布量、粘性および小口面13c(14c)同士を押し付ける圧力などを考慮して適宜設定するが、一般的には半径が1mm~5mmの1/4円状や1辺が1mm~5mmの三角形状の部分について行えばよい。さらに、長さ方向には全長に亘って設けるのが一般的であるが、辺の端部など接着剤が溜まりやすい部分を大き目に除去するのも好ましい。
なお、上述のように、樹脂フォームは弾性を有しているため、断熱ボード13a(14a)同士の押しつけによって、小口面13c(14c)そのものの平坦度や上記角部の除去による寸法の誤差を吸収させることができる。
また、断熱性や強度、経済性の点で、断熱ボード層13、14の厚みは20~150mm、より好ましくは30~100mmとし、密度は20~80kg/m、より好ましくは25~50kg/mとする。
表面材11(裏面材12)と断熱ボード層13(14)とを接着する接着剤としては、例えば有機系接着剤を用いることが好ましい。表面材11(裏面材12)と断熱ボード層13(14)とを有機系接着剤を用いて接着することにより、表面材11(裏面材12)が加熱された際に、加熱処理(200~450℃程度)で有機系接着剤が燃焼して接着性が失われ、表面材11(裏面材12)と断熱ボード層13(14)とを良好に剥離させることができる。その結果、断熱ボード層13、14、無機ボード層15および裏面材12が表面材11の変形に追随することなく、これらに大きな変形、亀裂が入ったり、材料間もしくは材料内部の剥離が生じたりすることを防ぎ、これらの材料の一体性と平面性が維持され、耐火性を発揮することができる。
表面材11と断熱ボード層13、および裏面材12と断熱ボード層14とが、多条ビード接着されていることが好ましい。
有機系接着剤は、表面材11(裏面材12)が200~450℃程度に燃焼して接着剤としての機能を失うものであれば、特に限定されない。こうした有機系接着剤としては、ウレタン樹脂系(主成分:ウレタン樹脂、溶剤:エステル類、ケトン類)、エポキシ樹脂系(主成分:(主剤)エポキシ樹脂、(硬化剤)変性ポリアミン、変性ポリチオール、溶剤:エステル類、ケトン類、アルコール類)、酢酸ビニル樹脂系(主成分:酢酸ビニル樹脂、溶剤:アルコール類、エステル類、ケトン類)、変性シリコン系のものを用いることができる。中でも、低温下での使用に適することから、有機系接着剤としてウレタン樹脂系やエポキシ樹脂系のものを用いることが好ましい。
-無機ボード層-
無機ボード層15は、パネルとしての耐火性を発揮するために重要な層であり、軽量気泡コンクリート、石膏ボード、ケイカル板およびロックウールなどで構成することができる。中でも、無機ボード層15は、軽量気泡コンクリートで構成することが好ましい。軽量気泡コンクリートとしては、高温高圧養生され、内部を特殊防錆処理を施した鉄筋マットやメタルラス(スチール製の金網)などの不燃性の補強材で補強した比重0.3~0.7程度のものが好ましく、比重0.35程度のものが断熱性および軽量性がさらに優れ好ましい。また、軽量気泡コンクリートは、その製造方法の特徴から内部に容易にメタルラスや鉄筋マットを配置できる。
無機ボード層15を石膏ボードやケイカル板で構成する場合、これらの材料は結晶水が多く、従来防耐火の用途に多用されてきたが、結晶水が放出された後は反りや亀裂が大量に発生するため、厚みを大きくしたり、内部に不燃性の補強材を装填したりする必要がある。現在の成型方法では内部に補強材を装填することは困難なため、複数枚重ねてその間に挟むなどの方法を用いる必要がある。上記石膏ボード、ケイカル板の接着は、有機系接着剤を用いることもできるが、水ガラスやコロイダルシリカなどをバインダーとし、アルミナ等の酸化物をフィラーとする無機系接着剤を用いると、加熱時間中や加熱終了後も長く接着性を維持できるため好ましい。
また、上記不燃性の補強材としては、ガラスファイバーネットやメタルラスなどを用いることができる。
無機ボード層15の寸法は、サンドイッチパネル1の設計に応じて適切に設定することができる。無機ボード層15は、図2Cに示すように、長尺方向に複数枚の無機ボード15aを並べて構成することができ、パネル1の長さを超える分については切断して長さを合わせることができる。また、無機ボード層15は、幅方向に複数枚の無機ボード15aを並べて構成することができ、パネル1の幅を超える分については切断して幅を合わせることができる。このように、無機ボード層15は、その面内方向に隣接する複数枚の無機ボード15aで構成することができる。
なお、図2Cに示した無機ボード層15を構成する複数枚の無機ボード15aは、縦目地がずれるように配置されているが、縦目地が一直線に並ぶように配置してもよい。
無機ボード層15を複数枚の無機ボード15aで構成する場合、無機ボード15aの小口面同士が接着固定されていないことが好ましい。無機ボード15aは、可撓性が低い材料で構成されている場合が多いため、無機ボード15aの小口面同士が接着固定されていると、パネルに面外荷重が加わったり加熱されて変形したりした際に、無機ボード層15のクラックが先行して発生し、それをきっかけに断熱ボード13a、14aの破壊が連鎖的に生じるおそれがあるが、無機ボード15aの小口面同士が接着固定されていない場合には、無機ボード層15において先行して亀裂発生するのを抑制して、曲げ強度を向上させることができる。
上記小口面13c(14c)間には、熱膨張材を設けることが好ましい。熱膨張材としては、シート状や紐状の熱膨張材、あるいは耐火塗料などを使用することができる。熱膨張性シート材としては、150~200℃程度で膨張を開始し、300℃で5~15倍程度、600℃で10~30倍程度に膨張し、加熱温度である900℃程度でも消失しない無機材料を半分程度以上含むシート状に成形されたものを、所定寸法に加工して用いることができる。組成としては、例えば膨張層を形成するホウ酸等の無機充填材に膨張材である膨張黒鉛を加え、さらに鉱油、カーボンブラック等の添加剤とブチルゴム等のバインダーを加えて、シート状に成形したものなどを用いることができる。また、無機充填材としてホウ酸を用いる場合には、酸化アルミニウムをホウ酸に対して重量比で0.45以上1.5以下加え、かつケイ酸化合物、マグネシウム塩およびカルシウム塩の合計含有量をホウ酸に対して重量比で10%未満とすることにより、膨張後の熱膨張性シート材の形状保持能力を高めることができ、好ましい。
無機ボード層15と断熱ボード層13、14とを接着する接着剤については、加熱時に炭化した断熱ボード13a、14aをできるだけ脱落させないように材料を選択することが肝要である。無機系接着剤を用いることにより、耐火性は向上するが、パネル1としての製作に手間を要する。一方、有機系接着剤を用いる場合、耐火試験時には無機ボード層15の加熱側の表面温度が無機ボード層15の結晶水が蒸発する間、長く100℃に留まることを考慮し、少なくとも100℃で十分な接着力を維持し、さらに噴出する水蒸気により接着力の低下を招かない材料を選択する必要がある。このような性質を持つ材料として、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが好ましい。また、表面材11(裏面材12)と断熱ボード層13(14)との接着剤と同じものを用いると製作効率に優れ、好ましい。
また、接着剤の塗布量は、概ね一層当たり100~500g/mが好ましく、各々の接着層の母材の種類、表面の平坦さ、塗布後のプレスの圧力・時間およびサンドイッチパネルとしての目標性能に応じて決定する。
サンドイッチパネル1として大きな曲げ強度が求められる場合には、各々の接着層で接着される必要があり、接着剤の塗布量としては、表面材11(12)と断熱ボード層13(14)との間は100~300g/mが好ましく、断熱ボード層13、14相互間は100~300g/mが好ましく、断熱ボード層13(14)と無機ボード層15との間は150~500g/mが好ましいが、断熱ボード層13(14)と無機ボード層15との間の接着剤を塗布後プレスする際に接着剤を面内に均一に伸ばすようにすれば、300g/m以下でも、サンドイッチパネルとしての曲げ性能を得ることは可能である。各層ともプレスにより接着剤が全体に万遍なく広がるのが好ましく、接着剤の粘度と接着される材料の平坦さや接着剤の拡がり易さに応じて、接着剤の塗布量およびプレス圧を決定する。
なお、曲げ強度を確保する上では、継目の接着が特に重要であり、継目以外の部分は接着の程度を弱めてもパネル全体の曲げ強度にはほとんど影響しない。よって、継目とそれ以外の部分の接着剤の塗布量を変えることは製作コスト削減の上で重要である。
具体的には、第1の部分P1の層間に塗布される接着剤の単位面積当たりの量が、第1の部分P1以外の部分よりも多いことが好ましい。より具体的には、第1の部分P1の層間に塗布される接着剤の単位面積当たりの量が、第1の部分P1以外の部分の1.25倍から2.5倍とするのが好ましい。上記接着剤塗布量を適正量とする場合には、第1の部分P1以外を2~3割程度少なく、第1の部分P1の塗布量を安全を見て多めにする場合には、第1の部分P1以外の部分の塗布量を第1の部分P1に比べて4~6割程度少なくすることができる。
表面材11(裏面材12)と断熱ボード層13(14)との間の接着剤の塗布量が多すぎると、火災時に加熱された場合に剥離するまでの間の時間が長くなるため、接着剤の塗布量は300g/m以下が好ましい。
断熱ボード層13(14)相互間および断熱ボード層13(14)と無機ボード層15との間は、接着剤の塗布量が多すぎると、プレス時の層間からの接着剤のはみ出しが生じる観点から好ましくないが、強度上の安全をみて多めに塗布する場合には、はみ出しを考慮して塗布する範囲を決めればよい。
なお、本発明のような構成の場合、パネルとして長さ方向に曲げ変形が生じるような荷重を受けた場合、圧縮側の表面材11(裏面材12)が、断熱ボード層13(14)との接着が剥がれて座屈することによって破壊強度が決まることが多い。表面材11(裏面材12)は、幅方向の端部に折り曲げ部を有しており補強されているため、表面材11の幅方向両端部以外の部分で接着が剥がれることが破壊の起点となる。そのため、表面材11の幅方向両端部付近は、接着されていなくてもパネル曲げ強度への影響は低く、具体的には幅方向両端から10~50mm程度の範囲は接着剤を塗布しなくても、曲げ強度への影響は無視できる。
また、接着剤を用いて無機ボード層15と断熱ボード層13(14)とを接着させる際に、接着剤を塗布する前に、無機ボード層15の表面にプライマーを予め塗布しておくことが好ましい。これにより、プライマーを無機ボード層15に含浸させて、無機ボード層15と断熱ボード層13(14)との接着強度を向上させることができる。
プライマーを塗布することにより、接着剤の塗布量をその分減じても同等の接着強度を得ることができるばかりでなく、無機ボード層15の表面の粉じん等の清掃の手間を省いたり、無機ボード層15の含水状態の影響を受けにくくしたり、接着強度のバラツキを小さくしたりすることができる。さらに接着に関する材料費全体を圧縮することもできる。
上記プライマーとしては、エポキシ系、ウレタン系およびフェノール系などの熱硬化性樹脂を用いることにより、耐熱性を向上させることができる。一方、アクリル系のプライマーは熱可塑性ではあるが、比較的耐熱性は良好であり、作業性や価格面で特に優れるため、これらの性能を総合的に考慮して用いるのもよい。耐熱性の低いプライマーを大量に塗布すると、接着剤が消失する前にプライマーが消失して接着層として消失する場合もあるため注意を要するが、アクリル系プライマーを50~100g/mだけ塗布する場合には、消失温度に与える影響はほとんどない。
また、無機ボード層15の厚みが比較的小さい場合、上述のように接着剤を用いて無機ボード層15と断熱ボード層13(14)とを接着すると、火災などによって高温環境に置かれた際に接着が維持できないおそれがある。このような場合には、非加熱側の断熱ボード層14と無機ボード層15とを機械固定すれば、非加熱側の断熱ボード層14と無機ボード層15との接着が切れた後にも、無機ボード層15がすぐに脱落することなく耐火性を維持することができる。なお、上述の説明では断熱ボード層13を加熱側としているが、壁構造が間仕切壁であり、火災が断熱ボード層14側で発生する場合には、断熱ボード層13が非加熱側になるため、断熱ボード層13と無機ボード層15とについても機械固定する必要がある。
図3Aは、断熱ボード層が複数層で構成されているサンドイッチパネルの一例を示している。図3Aに示したサンドイッチパネル2は、表面材11と無機ボード層15との間および裏面材12と無機ボード層15との間に、それぞれ複数枚(図3Aにおいては、2枚)の断熱ボード層13A(14A)、13B(14B)が設けられており、間仕切用パネルとして構成されている。
図3Aに示したサンドイッチパネル2においても、無機ボード層15および1枚以上の断熱ボード層13、14全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置が互いにずれた第1の部分P1を有する。具体的には、表面材11(裏面材12)に隣接する第1の断熱ボード層13A(14A)と、無機ボード層15に隣接する第2の断熱ボード層13B(14B)との間で、継目13b(14b)の位置がずれている。また、無機ボード層15に隣接する断熱ボード層13B(14B)と無機ボード層15との間で、継目13b(14b)、15bの位置がずれている。そして、これらの第1の部分P1における継目13b、14b、15bのずれの大きさGは、断熱ボード層13、14の厚みDに対して0.5D以上3.0D以下に構成されている。これにより、図1A~図1Cに示したサンドイッチパネル1と同様に、サンドイッチパネル2の曲げ強度およびせん断強度を向上させて、パネル強度を向上させることができる。
なお、図3Aに示したサンドイッチパネル2においては、全ての層間で継目13b、14b、15bの位置がずれているが、必ずしもその必要はなく、第1の断熱ボード層13A(14A)と第2の断熱ボード層13B(14B)との間、あるいは、第2の断熱ボード層13B(14B)と無機ボード層15との間のいずれか一方においてのみ、継目13A(14A)、13B(14B)の位置がずれていればよい。
ただし、パネル強度の向上の点では、図3Bに示すように、表面材11または裏面材12に近い位置、すなわち、第1の断熱ボード層13A(14A)と第2の断熱ボード層13B(14B)との間に、継目13b(14b)の位置がずれた第1の部分P1が配置されていることが好ましいが、第1の部分P1の第1の断熱ボード層13A(14A)と第2の断熱ボード層13B(14B)との接着面には大きな負荷がかかるため、接着不良が生じないように注意を要する。
一方、第2の断熱ボード層13B(14B)と無機ボード層15との間にずれを設ける場合には、無機ボード層15自体にせん断耐力の高いものを用いるとともに、第1の部分P1の接着面で接着不良が生じないようにすることが肝要である。特に無機ボード層15を短辺方向(幅方向)に複数枚隣接させるような場合には、厚み誤差による不陸が生じないようにすることが肝要である。
また断熱ボード層13、14がそれぞれ複数層で構成されており、断熱ボード層13、14が発泡プラスチックで構成され、その表面に面材13d、14dを有する場合、図3Cに示すように、第1の部分P1において、隣接する無機ボード層15と断熱ボード層13(14)(すなわち、第2の断熱ボード層13B(14B))との間、隣接する断熱ボード層13A(14A)、13B(14B)間、もしくはそれらの両方で面材13d、14dが設けられていないことが好ましい。これにより、無機ボード層15と断熱ボード層13(14)(すなわち、第2の断熱ボード層13B(14B))との間、第1の断熱ボード層13A(14A)と第2の断熱ボード層13B(14B)との間、もしくはそれらの両方の接着強度を高めることができる。断熱ボード層13(14)間の小口が接着されていない場合、継目部分に曲げ変形によるせん断力が働くと、継目部分以外の部分に比し、接着層を剥そうとする力が大きく働く。断熱ボード13a(14a)の表面の面材13d(14d)の接着は、ボード製作時の樹脂硬化時の自己接着によるもので、比較的接着力が弱く、さらに自己接着の粗密によるムラが生じがちである。よって、第1の断熱ボード層13A(14A)と第2の断熱ボード層13B(14B)との間の接着強度を高めようとしても、樹脂の自己接着による樹脂と面材13d(14d)との接着強度より大きくすることは困難である。
さらに、継目部分の面材13d(14d)は、接着剤が含浸することによって、面材13d(14d)と接着剤とが一体化して剛直化し可撓性が低減するため、断熱ボード層13B(14B)に生じる撓みに追随できずに剥がれが生じやすくなっている。よって、継目部分に面材13d(14d)を設けないことにより、パネル曲げ強度を向上させることができる。
また、図3Cに示すように、断熱ボード層13(14)における継目13b(14b)と無機ボード層15の継目15bとの間の第1の部分P1においても、断熱ボード層13(14)の面材13d(14d)を設けないことによって、パネル曲げ強度を向上させることができる。
なお、当然ながら、断熱ボード層13Aと13Bもしくは断熱ボード層14Aと14Bは異なる種類、厚みのものを用いることができる。強度的には、断熱ボード層13B(14B)よりも断熱ボード層13A(13B)に強度の高いものを使うとより効果的である。断熱ボード層13Aと13Bもしくは断熱ボード層14Aと14Bとで厚みが異なる場合には、第1の部分P1における継目のずれの大きさGは、いずれか厚い方の厚みをDとして決定する。
また、図3A~3Cの説明においては、表面材11と無機ボード層15との間、および裏面材12と無機ボード層15との間の双方において、それぞれ複数枚(図3Aにおいては、2枚)の断熱ボード層13A(14A)、13B(14B)が設けられているが、必ずしもその必要はなく、表面材11と無機ボード層15との間、または裏面材12と無機ボード層15との間の一方のみに、複数枚の断熱ボード層13A、13B(14A、14B)が設けられていてもよい。
図4Aは、本発明によるサンドイッチパネルの第2の態様の一例を示しており、間仕切用パネルとして構成されている。なお、図4Aにおいて、図1A~図1Cに示したサンドイッチパネル1の構成と同じ構成には、同じ符号が付されている。図4Aに示したサンドイッチパネル3は、断熱ボード層13、14における継目13b(14b)の長尺方向の位置と、無機ボード層15における継目15bの長尺方向の位置とが同一である第2の部分P2を有する。また、表面材11と断熱ボード層13、裏面材12と断熱ボード層14、断熱ボード層13(14)と無機ボード層15とは接着されている。そして、無機ボード層15と断熱ボード層13(14)との間において、断熱ボード層13(14)における継目13b(14b)を跨いで補強板20が設けられている。これにより、図1A~1Cに示したサンドイッチパネル1と同様に、パネルの曲げ強度およびせん断強度を高めて、パネル強度を向上させることができる。
継目13b(14b)、15bにおいて、パネル3が曲げ荷重を受けた場合に、断熱ボード層13(14)および無機ボード層15にはせん断力が働くが、断熱ボード層13(14)および無機ボード層15の継目13b(14b)、15bにおいては、当該断熱ボード層13(14)および無機ボード層15はせん断力を負担できない。この分を補強板20に負担させることによって、パネル3の曲げ強度およびせん断強度を高めることができるのである。なお、補強板20の両面は、各々断熱ボード13a(14a)および無機ボード15aに強く接着されていることが肝要である。
補強板20は、ステンレス鋼板や溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板などで構成することができる。中でも、低コストであることから、溶融亜鉛メッキ鋼板で構成することが好ましい。
また、補強板20の幅(すなわち、長尺方向の長さ)Wは、断熱ボード層13、14の厚みDに対してD以上6D以下であることが好ましい。WがD未満の場合には、パネル強度の向上効果が不十分となる。一方、Wが6Dを超える場合には、パネル強度の向上効果が飽和し、パネルの施工性が低下する。そこで、WはD以上6D以下であることが好ましい。
また、補強板20の長さ(すなわち、短尺方向の長さ)は、長いほど負担できるせん断力が増し、パネル3の曲げ強度およびせん断強度が向上する。よって、パネル幅方向のほぼ全体に亘って配置するが好ましい。この場合、パネル幅方向に連続した一体ものでなく、複数に分けて配置してもよい。
補強板20の厚みは、0.27mm以上1.0mm以下とすることが好ましい。補強板20の厚みが0.27mm以上であれば、パネル3の曲げ強度およびせん断強度を高めてパネル強度を向上させることができる。また、補強板20の厚みが大きすぎると、芯材の段差がパネル表面の段差となってしまい、また可撓性が低減するため好ましくない。そこで、補強板20の厚みは1.0mm以下とすることが好ましい。
また、図4Bに示すように、補強板20には開孔20aが設けられ、補強板20を挟む断熱ボード層13(14)と無機ボード層15とが開孔20aを介して接着されている。なお、補強板20をパネル製作時の下のボード層の上に乗せた状態で接着剤を塗布すると、補強板20の上面には接着剤が塗布され、製作時の下面には接着剤が塗布されず、開孔20aにおいて補強板20の両側の断熱ボード13a(14a)と無機ボード15aとが直接接着される。このように構成することにより、パネル製作工程を短くしながら、補強板20とその両側の断熱ボード層13(14)と無機ボード層15とを一体化させ、補強板20に有効にせん断力を負担させることができる。
補強板20に開孔20aが設けられている場合、補強板20が負担できるせん断力は継目位置の補強板20の断面積により決まるため、図4Cに示すように、開孔20aが断熱ボード層13(14)を構成する断熱ボード13a(14a)間の継目13b(14b)を跨いで配置されていないことが好ましい。これにより、パネル強度をより向上させることができる。
開孔20の大きさは、小さいほど補強板20と両側のボード層との一体化が向上するため好ましいが、開孔20aに有効に接着剤が塗布される必要がある。接着剤を多条ビード方式で塗布する場合には、ビードピッチの3~10倍程度が好ましく、ビードピッチを5~10mmとする場合には、開孔20の大きさは15~100mmとすることが好ましい。また、大きさの異なる開孔20aを併用すると、接着面積が増えるため好ましい。
また、補強板20の厚みについても、前記同様に、接着剤塗布後に当該開孔20aに十分な接着剤が行きわたるように設計する必要がある。当該部分の接着剤の塗布量から求まる接着剤の平均厚みより2割程度以上薄いのが好ましが、厚い補強板20を用いる場合には、補強板20の部分だけ塗布量を多くするのが経済的である。具体的には、補強板20の厚みを0.3mm程度とした場合は、接着剤の塗布量は350~450g/m程度が好ましく、それより厚い補強板20を用いる場合には、少なくとも補強板20の部分は厚みに応じて接着剤の塗布量を上記した量よりも増やすことが好ましい。
さらに、サンドイッチパネル1の場合と同様に、無機ボード層15を構成する無機ボード15aの小口面同士が接着固定されていないことが好ましい。これにより、サンドイッチパネル5が加熱されて表面材11および裏面材12が変形した際に、無機ボード層15が破壊されるのを抑制することができる。パネル3に面外荷重が加わったり加熱されて変形したりした際に、無機ボード層15のクラックが先行して発生し、それをきっかけに断熱ボード13a、14aの破壊が連鎖的に生じるおそれがあるが、無機ボード15aの小口面同士が接着固定されていない場合には、無機ボード層15が先行して亀裂が発生するのを抑制して、曲げ強度を向上させることができる。
また、断熱ボード13、14の長尺方向の小口面13c(14c)が面取りされていることが好ましい。これにより、小口面13c(14c)付近の面材13d(14d)が除去されるため、隣接する断熱ボード13a(14a)同士を押しつけた際に、小口面13c(14c)付近の面材13d(14d)が余剰にならず、さらに小口面13c(14c)同士を押し付けた際に余って小口面13c(14c)の下方に集まった接着剤の溜まり部を形成することにより、小口面13c(14c)同士の密着性を向上させ、断熱性、耐火性およびパネル強度などを向上させることができる。
図4Dおよび図4Eは、図4Bに示したものとは異なる形態の補強板を用いた場合について示しており、説明のために、無機ボード層15付近の構成のみを示している。図4Eおよび図4Eに示すように、隣接する上部パネル15c(上側の無機ボード15a)と下部パネル15d(下側の無機ボード15a)との間には、2枚の補強板が連結された連結金具Fが装填されている、これにより、補強板に働くせん断力により、継目位置で補強板が局部変形するのを抑制することができ、好ましい。なお、隣接する上部パネル15c(上側の無機ボード15a)と下部パネル15d(下側の無機ボード15a)との間には熱膨張材21が装填されている。
連結金具Fは、例えば0.3mm厚のステンレス鋼板を折り曲げて作製することができる。例えば、図4Dおよび図4Eに示すように、連結金具Fは、無機ボード15aの表面側および裏面側に折り曲げられた上部パネル係止片Faと、無機ボード15aの表面側および裏面側に折り曲げられた下部パネル係止片Fbと、上部パネル係止片Faと下部パネル係止片Fbとを連結する連結片Fcとを有し、連結片Fcは上部パネル15bと下部パネル15cとの端面間に配置されている。
また、上部パネル係止片Faおよび下部パネル係止片Fbには穴Fhが設けられており、無機ボード15aの表面側から裏面側への熱の移動が低減されている。また、当該穴Fhの部分において、断熱ボード層13、14と無機ボード層15とが接着されている。
連結片Fcにも穴(図示せず)が設けられており、無機ボード15aの表面側から裏面側への熱の移動が低減されている。また、連結片Fcと上部パネル15bとの間に製作上の都合等で隙間が生じた場合、熱膨張材21が加熱され膨張する際に、当該穴(図示せず)から熱膨張材21を侵入させて隙間を塞ぎ、耐火性を向上させることができる。
図5Aは、断熱ボード層が複数層で構成されているサンドイッチパネルの一例を示している。なお、図4Aに示したサンドイッチパネル3と同じ構成には、同じ符号が付されている。図5Aに示したサンドイッチパネル4は、表面材11と無機ボード層15との間および裏面材12と無機ボード層15との間に、それぞれ複数枚(図5Aにおいては、2枚)の断熱ボード層13A、13B(14A、14B)が設けられている。また、表面材11と断熱ボード層13A、裏面材12と断熱ボード層14A、断熱ボード層13B(14B)と無機ボード層15、断熱ボード層13A(14A)と断熱ボード層13B(14B)とが接着されている。
図5Aに示したサンドイッチパネル4についても、断熱ボード層13(14)における断熱ボード13a(14a)間の継目13b(14b)の位置および無機ボード層15における無機ボード15a間の継目15bの位置が同一である第2の部分P2を有している。そして、第1の断熱ボード層13A(14A)と第2の断熱ボード層13B(14B)との間に補強板20が設けられている。これにより、サンドイッチパネル4の曲げ強度およびせん断強度を高めることができる。
なお、図5Aに示したサンドイッチパネル4においては、補強板20は、第1の断熱ボード層13A(14A)と第2の断熱ボード層13B(14B)との間に設けられているが、第2の断熱ボード層13B(14B)と無機ボード層15との間に設けられていてもよい。
上述のように、補強板20は、パネル強度の向上の点では、表面材11および裏面材12との距離および補強板相互間の距離を適切に配置する必要がある。これらの距離が近すぎると間に挟まれた断熱ボードおよび無機ボードに強いせん断力が働きクラックが生じてしまうので補強効果は限定的なものとなってしまう。具体的には、無機ボード層15の厚みと断熱ボード層13、14の厚みとの和Dに対して、サンドイッチパネルの外表面からDの10~45%の位置に配置すると、パネル強度が向上し、好ましい。
図5Bは、図4Bに示した、開孔20aが設けられた補強板20が配置されたサンドイッチパネルを示している。補強板20に開孔20aが設けられていることによって、補強板のセッティング作業を軽減することができる。
なお、隣接する層間において継目がずれた第1の部分P1を有する第1の態様のサンドイッチパネル1、2においても、補強板20を設けてもよい。この場合には、図5Cに示すように、サンドイッチパネル1、2の厚み方向に隣接する2つの継目を跨ぐように配置する。この場合には、各々の継目の両側に各々0.5D~3Dの範囲に補強板20を配置し、補強板20のWは1.5D以上9D以下とするのが好ましい。これにより、サンドイッチパネル1、2の強度をより向上させることができる。
なお、図5A、図5Bに示したサンドイッチパネル4においては、2枚の断熱ボード層13A、13B(14A、14B)の間に補強板20が設けられているが、無機ボード層15と断熱ボード層13(14)との間、もしくは2枚の断熱ボード層13A、13B(14A、14B)の間および無機ボード層15と断熱ボード層13(14)との間の両方に設けられていてもよい。
図6Aは、本発明によるサンドイッチパネルの第3の態様の一例の長尺方向断面図を示しており、間仕切用パネルとして構成されている。図6Aに示したサンドイッチパネル5は、図1A~1Cに示したサンドイッチパネル1における第1の部分P1および図4に示したサンドイッチパネル3の第2の部分P2の双方を備えるサンドイッチパネルである。
具体的には、サンドイッチパネル5は、表面材11および裏面材12と、表面材11と裏面材12との間に配置された無機ボード層15と、表面材11と無機ボード層15との間および裏面材12と無機ボード層15との間にそれぞれ配置された1枚以上の断熱ボード層13、14とを備える。また、表面材11と断熱ボード層13、裏面材12と断熱ボード層14、および断熱ボード層13(14)と無機ボード層15とが接着されている。無機ボード層15は、長尺方向に配置された3枚以上の無機ボード15aを有して、隣接する無機ボード間に継目15bを有する。また、断熱ボード層13(14)は、長尺方向に配置された3枚以上の断熱ボード13(14)を有して、隣接する断熱ボード13(14)間に継目13b(14b)を有する。
そして、無機ボード層15および1枚以上の断熱ボード層13、14全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置がずれた第1の部分P1を有し、断熱ボード層13(14)を構成する断熱ボード13a(14a)間の継目13b(14b)の長尺方向の位置と、無機ボード層15を構成する無機ボード15a間の継目15bの長尺方向の位置とが同一である第2の部分P2を有し、第2の部分P2は長尺方向のより端部側に配置されている。
図1A~1Cに示したサンドイッチパネル1では、無機ボード層15および1枚以上の断熱ボード層13、14全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置がずれた第1の部分P1を設けることによって、パネル強度を向上させている。しかし、こうした第1の部分P1を設けるのは難しく、パネルの施工性を低下させる。
パネル全体において、強度が最も必要となる部分はパネルの中央部付近である。そこで、本態様のサンドイッチパネル5においては、強度が最も必要とするパネル中央部付近においては、図1A~1Cに示したような、継目の位置がずれた第1の部分P1を配置し、パネルの中央部から離れた端部付近には、施工が容易な、継目の位置が同一である第2の部分を配置する。これにより、パネルの必要な部分に必要な強度を確保しつつ、パネルの施工性を向上させることができる。
図6Bは、断熱ボード層13(14)および無機ボード層15が、それぞれ4枚のボードで構成されたサンドイッチパネルを示している。図6Bに示したサンドイッチパネル5において、断熱ボード層13(14)および無機ボード層15は、それぞれ3つの継目13b、14b、15bを有している。
図6Bに示したサンドイッチパネル5においては、端部側に継目の位置が同一の第2の部分P2が2つ配置されており、中央部側に第1の部分P1が1つ配置されている。こうして、強度が必要な中央部付近のみに第1の部分P1を配置して、パネルの施工性を高めることができる。図には示さないが、断熱ボード層13(14)および無機ボード層15が4つの継目13b、14b、15bを有している場合には、端部側に2つの第2の部分P2を2つ配置し、中央部側に第1の部分P1を2つ配置すればよい。
図7は、断熱ボード層13、14が複数層で構成されたサンドイッチパネル6を示している。図7に示したサンドイッチパネル6は、5つの継目13b、14b、15bを有している。そして、パネル6の両端側には、2つの第2の部分P2を配置し、中央部側に3つの第1の部分P1を配置している。
そして、上記3つの第1の部分P1のうち、最も中央部側の1つについては、断熱ボード層13、14および無機ボード層15の各層間で継目の位置がずらして配置されており、より両端側の2つにおいては、第1の断熱ボード層13A(14A)と第2の断熱ボード層13B(14B)との間においてのみ継目がずらして配置されており、第2の断熱ボード層13B(14B)と無機ボード層15との間については、継目はずらして配置されていない。このように構成することにより、パネルの端部側から中央部側に向かって継目の強度を高めることができる。
なお、図6A、6Bおよび7に示したサンドイッチパネル6、7において、第1の部分P1および第2の部分P2の少なくとも一方において、図4A、4C、5A~5Cに示したように、中央部側の継目の無機ボード層15と断熱ボード層13(14)との間に断熱ボード層13(14)における継目および無機ボード層15における継目を跨いで補強板20が設けことが好ましい。これにより、パネル強度をより向上させることができる。
また、図6A、6Bおよび7に示したサンドイッチパネル6、7において、全ての継目を第1の部分P1もしくは第2の部分P2とし、中央部側の第1の部分P1または第2の部分P2において、複数枚の断熱ボード層13(14)間(すなわち、断熱ボード層13A(14A)と断熱ボード層13B(14B)との間)、無機ボード層15と断熱ボード層13(14)との間、もしくはそれらの両方において断熱ボード層13(14)における継目13b、14bを跨いで補強板20が設けることも有用である。これにより、パネル強度をより向上させることができる。
なお、上記サンドイッチパネル5、6についても、第1の部分P1の層間に塗布される接着剤の単位面積当たりの量が、第1の部分P1以外の部分よりも多いことが好ましい。これにより、
また、第1の部分P1における継目のずれの大きさGは、断熱ボード層13(14)の厚みDに対して0.5D以上3.0D以下であることが好ましい。これにより、パネルの強度をより向上させることができる。
(壁構造)
次に、本発明による壁構造について説明する。図8Aは、本発明による壁構造の好適な一例である間仕切壁の全体図を示している。また、図8Bは、図8Aに示した間仕切壁の鉛直方向断面図を示している。この図に示した壁構造100は、建物の階間、すなわち床スラブ22、23との間に架け渡され、その上下端で固定される縦張りの間仕切壁である。壁構造100は、床スラブの他に、天井や床に配される耐火被覆された鉄骨梁などに固定してもよい。また、床面にも断熱材を配置する必要のある用途の場合には、該間仕切壁の両面に床スラブ面から断熱材を積み上げた後、該断熱材上にコンクリートを打設して床面として仕上げることも多い。壁構造100は、上述した本発明によるサンドイッチパネル1が複数枚幅方向に隣接して配置されている。
図9Aおよび9Bは、本発明による壁構造100の幅方向断面図を示しており、図9Aは全体図、図9Bはパネル間の目地部分の拡大図である。上記複数枚のパネル1の目地には熱膨張材21が充填されていることが好ましい。該熱膨張材21は、パネル1の全厚に装填するのではなく、図9Bに示すように、加熱時間中および加熱後に強度を有しつつ、残存する無機ボード層15の部分のみに装填するのが最も効率がよい。さらに、熱膨張材21は、必ずしも無機ボード層15の全厚に装填する必要はなく、想定する無機ボード層15間の隙間と熱膨張材21の膨張率などを考慮して決めればよく、厚さは1~3mm、幅は15~50mm程度のものが好ましい。また、パネル1間の目地には、シーリング材28が打設されている。
壁構造100の下部は、下部留付材25aおよび下部アンカー材25bにより下部取付材25cを介して床スラブ23に固定されている。図示されていないが、壁構造100の上部も同様に、上部留付材24aおよび上部アンカー材24bにより上部取付材24cを介して床スラブ22に固定されている。また、壁構造100と床スラブ22との間の目地には上部目地材26が充填されており、壁構造100と床スラブ23との間の目地には、下部目地材27が充填されている。
上部アンカー材24bおよび下部アンカー材25bは、通常の間仕切壁の設計荷重である、地震時に働く1G程度の慣性力に耐えるものを選択するが、一般的には径がM8~10程度、埋め込み長さが30~70mm程度のコンクリート用アンカー材を、負担できる耐力に応じて必要本数配置する。また、アンカー材に代えて、打ち込み鋲を用いることもできる。
上記複数枚のパネル1間の目地に充填される熱膨張材21としては、上記無機ボード15aを複数枚並べる場合の目地に用いる熱膨張材21と同様のものを用いることができる。
また、上部目地材26および下部目地材27は、火災時に壁材に変位や回転が生じた場合に火炎や熱を貫通させる隙間を生じさせず、また壁材のファイヤーストップ材としての機能を損なう欠損や脱落を生じさせず、さらに平常時には熱貫流を小さくするための材料である。上部目地材26および下部目地材27としては、セラミックファイバー、アルカリアースシリケートブランケット(生体溶解性繊維)などを用いることができる。
図10Aは、パネル1間の目地構造の一例を示している。図10Aに示した目地構造においては、表面材11(裏面材12)は、断熱ボード層13(14)の凹部D1を区画する側壁に沿って1回折り曲げられて第一折り曲げ部11a、12aが形成され、隣接する第一折り曲げ部11a相互間の凹部Dにはシーリング材28が充填されている。
なお、シーリング材28はその底面が断熱ボード層13(14)に接着されるが、凹部Dにおいて面材が貼られていない樹脂層が露出した面であれば、シ-リングの自由変形を阻害することはない。
また、図10Bに示した目地構造においては、表面材11(裏面材12)は、断熱ボード層13(14)の凹部D1を区画する側壁および底面に沿って2回折り曲げられ、第一折り曲げ部11a、12aおよび第二折り曲げ部11b、12bが形成されている。第二折り曲げ部11b(12b)相互間を連結することにより、火災時にサンドイッチパネル1の目地部からの火熱の浸入が緩和されるとともに、隣接する第一折り曲げ部11a間からの加熱による熱の直射を避け、耐火性を向上させることができる。
第二折り曲げ部11b(12b)はパネル1の全長に亘って形成されている必要はなく、例えば第一折り曲げ部11a、12aに300~1500mm程度の間隔でリベット留めや溶接などの方法で固着されていてもよい。そして、表面材11(裏面材12)の互いに積層する部分がビスVで300~1500mm程度の間隔で連結されており、隣接する第一折り曲げ部11a相互間にはシーリング材28が充填されている。
上記連結により、目地部の動きが低減され、シーリングを高寿命化させることもできる。また、幅方向の最外部が金属材からなる表面材11または裏面材12で構成されることになるため、芯材である断熱ボード層13、14および無機ボード層15の小口面13c(14c)の損傷を防止することができる。さらに、間仕切壁としての建込時に、金属材からなる表面材11および裏面材12の出入り調節が容易になる。
なお、第二折り曲げ部11b(12b)の面外側にはシーリング材28の三面接着を防止するためのボンドブレーカー29が敷設されている。なお、ボンドブレーカー29の代わりに発泡樹脂製のバックアップ材を用いることも可能であるが、これらの材料は耐火試験における裏面温度の規定値である180+雰囲気温度付近で、収縮する性状を持つものが多く、加熱反対側でのシーリングの底面側からの付着切れを招き、耐火性を低下させるおそれがあるため、注意を要する。
図10Cは、図10Bに示した目地構造の好適な態様を示している。図10Bに示した壁構造においては、隣接するサンドイッチパネルのうちの一方(図10Bにおいては、左側のサンドイッチパネル)の第二折り曲げ部11bおよび12bの双方が、断熱ボード層13、14側に配置されている。
これに対して、図10Cに示した目地構造においては、隣接するサンドイッチパネル1a、1bのうちの1aの表面材11の第二折り曲げ部11biが断熱ボード層13側に配置されており、隣接するもう一方のサンドイッチパネル1bの第二折り曲げ部11boがビスV側に配置されている。また、サンドイッチパネル1aの裏面材12の第二折り曲げ部12boがビスV側に配置されており、もう一方のサンドイッチパネル1bの第二折り曲げ部12biが断熱ボード層14側に配置されている。
このように構成することにより、隣接するサンドイッチパネル1aの第二折り曲げ部11biと12boの間隔と、もう一方のサンドイッチパネル1bの第二折り曲げ部11boと12biの間隔に誤差がある場合にも容易に現場で建て込むことができる。すなわち、予め所定の位置に施工されたサンドイッチパネル1aに続いて次のサンドイッチパネル1bを施工する際に、各々のサンドイッチパネルの第二折り曲げ部11biと11boおよび12boと12biを厚み方向に少しずらした状態で幅方向を所定寸法になるように引き寄せた後に厚さ方向に所定位置まで押し込むことにより、第二折り曲げ部同士がぶつかることなく、容易に施工することができる。
また、図10Cに示した目地構造においては、ビスVの位置が、第一折り曲げ部11a(12a)側に寄せて配置されているとともに、断熱ボード層13、14に隣接する第二折り曲げ部11bi(12bi)の幅方向の長さが長い。これにより、ビスVの第二折り曲げ部11bo、11bi、12boおよび12biにねじ込んだビスVのへり空きを大きくすることができ、隣接するサンドイッチパネル同士の連結強度を向上させることができる。また、様々な要因により施工現場において設計値よりも目地幅を広げて施工する際にも、強度上必要なへり空きを確保しやすくなる。
さらに、図10Cに示した目地構造においては、熱膨張材21は、隣接するサンドイッチパネル1a、1bのうちの一方(図10Cでは1b)に寄せて配置されている。これにより、互いに隣接するサンドイッチパネル1a、1bの間に熱膨張材21を配置する際に、一方のサンドイッチパネルの無機ボード層15の幅を短くして凹部を設け、設けた凹部に熱膨張材21を充填すればよいため、施工性を大きく向上させることができる。なお、図10Cに示すように、無機ボード層15と熱膨張材21との間には、隙間(例えば、幅方向に1mm程度)が空いていてもよい。
こうして、高い強度を有する間仕切壁100を構成することができる。なお、上記説明においては、壁構造100は、図1A~1Cに示したサンドイッチパネル1を用いて構成されているが、図2~図7に示したサンドイッチパネル2~7を用いて構成してもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されない。
(発明例1)
図3Aに示したサンドイッチパネル2を作製した。まず、表面材11および裏面材12としての塗装ガルバリウム鋼板(登録商標)を2枚(寸法:3300mm×900mm、四周10mm幅の折り曲げ部付き、厚み:0.8mm)、断熱ボード層13、14としてのフェノールフォーム板を4枚(旭化成建材株式会社製ネオマフォーム(登録商標)、寸法:1820mm×900mm、厚み65mm、密度:40kg/m)、無機ボード層15としての軽量気泡コンクリートを3枚(旭化成建材株式会社製パワーボードNEXT、寸法:1820mm×606mm、厚み:37mm、密度35kg/m)それぞれ用意した。
次に、塗装ガルバリウム鋼板(登録商標)、フェノールフォーム板、軽量気泡コンクリート、フェノールフォーム板、塗装ガルバリウム鋼板(登録商標)をこの順で、ウレタン系接着剤(コニシ株式会社製KU554)を用いて積層接着した。その際、フェノールフォーム板は2層構造とし、各層における継目の長尺方向の位置を互いに130mmずらして積層した。接着剤の塗布量は、塗装ガルバリウム鋼板(登録商標)とフェノールフォーム板との間は225g/m、軽量気泡コンクリートとフェノールフォーム板との間は
450g/mとし、1t/mのプレスをかけた状態で1晩の養生を行った。こうして、サンドイッチパネル2を得た。
上述のように得られたサンドイッチパネル2を4枚、幅方向に隣接して配置し、各パネル2の上部および下部を上部取付材(L-65×40×t=3.2mm)および下部取付材(L-50×40×t=3.2mm)により天井および床にそれぞれ固定した。また、パネル2間の目地とパネル2内の軽量気泡コンクリート間の継目には熱膨張性シート材(CRK株式会社製ファイヤーシャットFST-A、厚さ2mm×幅30mm)を装填した。こうして、本発明による壁構造100を建物の階間に架け渡した。
(発明例2)
発明例1と同様に、サンドイッチパネル2を作製して、壁構造100を建物の階間に架け渡した。ただし、サンドイッチパネル2を作製する際に、軽量気泡コンクリートおよびフェノールフォーム板の各層における継目のずれの大きさを65mmとした。その他の構成は、発明例1と全て同じである。
(発明例3)
発明例1と同様に、本発明によるサンドイッチパネル2を作製して、壁構造100を建物の階間に架け渡した。ただし、サンドイッチパネル2としては、継目部分に面材が設けられていない、図3Cに示したサンドイッチパネル2とした。また、接着剤の塗布量は、軽量気泡コンクリートとフェノールフォーム板との間の接着剤の塗布量は225g/mとし、継目部分については接着剤の塗布量は450g/mとした。その他の構成は、発明例1と全て同じである。
(発明例4)
発明例1と同様に、本発明によるサンドイッチパネル2を作製して、壁構造100を建物の階間に架け渡した。ただし、サンドイッチパネル2としては、図3Bに示したサンドイッチパネル2とし、2層のフェノールフォーム板における継目の長尺方向の位置のみ、65mmずらして積層した。その他の構成は、発明例1と全て同じである。
(発明例5)
図4Aに示した、本発明によるサンドイッチパネル3を作製して、壁構造100を建物の階間に架け渡した。補強板としては、ステンレス鋼板製の110mm×880mm×0.3mmのものを用いた。
(比較例)
発明例5と同様に、サンドイッチパネルを作製して、壁構造を建物の階間に架け渡した。ただし、サンドイッチパネルにおいて補強板を設けなかった。その他の構成は、発明例5と全て同じである。
<曲げ強度およびせん断度の測定>
パネル曲げ試験機を用いて、発明例1~5および比較例のサンドイッチパネルに対して、曲げ試験を行った。具体的には、中央二線載荷で載荷ビーム間のピッチを450mmとした。
図11Aは、発明例1~5および比較例について測定された破壊時モーメント(曲げ強度)を示しており、図11Bはせん断力を示している。図11Aおよび11Bから、断熱ボード層と無機ボード層の各層間で継目の位置をずらした発明例1~3のサンドイッチパネルの方が、2層の断熱ボード層間でのみ継目の位置をずらした発明例4のサンドイッチパネルよりも、高い曲げ強度およびせん断強度を有している。また、発明例1と発明例2とを比較すると、その差はわずかであり、いずれもずれのない比較例に比して高い曲げ強度およびせん断強度を有している。また、継目部分の面材を除去していない発明例2よりも、面材を除去した発明例3の方が、高い曲げ強度およびせん断強度を有しており、目地のずれがより大きい発明例1を上回った。
一方、継目の位置がずれていない発明例5のサンドイッチパネルについては、比較例と比べると、補強板を設けたことによって、曲げ強度およびせん断強度ともに向上していることが分かる。
なお、図11Aおよび11Bにおいて、破線は倉庫業法基準の値を示しており、発明例1~3のサンドイッチパネルについては、曲げ強度およびせん断強度のいずれについても、倉庫業法基準を満たすことが分かる。
本発明によれば、高い強度を有するサンドイッチパネルおよび壁構造を提供することができる。
1,1a,1b,2,3,4,5,6 サンドイッチパネル
11 表面材
11a,12a 第一折り曲げ部
11b,12b,11bi,11bo,12bi,12bo 第二折り曲げ部
12 裏面材
13,14 断熱ボード層
13A,14A 第1の断熱ボード層
13B,14B 第2の断熱ボード層
13a,14a 断熱ボード
13b,14b,15b 継目
13c,14c 小口面
13d,14d 面材
15 無機ボード層
15a 無機ボード
15c 上部パネル
15d 下部パネル
16,17 接着層
20 補強板
20a 開孔
21 熱膨張材
22,23 床スラブ
24a 上部留付材
24b 上部アンカー材
24c 上部取付材
25a 下部留付材
25b 下部アンカー材
25c 下部取付材
26 上部目地材
27 下部目地材
28 シーリング材
29 ボンドブレーカー
100 壁構造
F 連結金具
Fa 上部パネル係止片
Fb 下部パネル係止片
Fc 連結片
Fh 穴
G ずれ
h アンカー材用長穴
P1 第1の部分
P2 第2の部分
V ビス

Claims (20)

  1. 表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間にそれぞれ配置された1枚以上の断熱ボード層とを備え、
    前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
    前記無機ボード層は、長尺方向に配置された複数枚の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
    前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された複数枚の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
    前記無機ボード層および前記1枚以上の断熱ボード層全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置が互いにずれた第1の部分を有し、
    前記第1の部分における継目のずれの大きさGは、前記断熱ボード層の厚みDに対して0.5D以上3.0D以下であることを特徴とするサンドイッチパネル。
  2. 前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間の少なくとも一方に、複数枚の断熱ボード層が設けられている、請求項1に記載のサンドイッチパネル。
  3. 前記断熱ボードは、発泡プラスチックと、該発泡プラスチックの表面に配置された面材とを有し、前記第1の部分P1において隣接する前記無機ボード層と前記断熱ボード層との間、隣接する前記断熱ボード層間、もしくは両方で前記面材が設けられていない、請求項1または2に記載のサンドイッチパネル。
  4. 表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間にそれぞれ配置された1枚の断熱ボード層とを備え、
    前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
    前記無機ボード層は、長尺方向に配置された複数枚の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
    前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された複数枚の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
    前記無機ボード層および前記断熱ボード層全体において、隣接する全ての層間で継目の長尺方向の位置が同一である第2の部分を有し、
    前記無機ボード層と前記断熱ボード層との間において、前記断熱ボード層における継目を跨いで補強板が設けられていることを特徴とするサンドイッチパネル。
  5. 表面材および裏面材と、
    前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、
    前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間に1枚以上配置された断熱ボード層であって、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間の少なくとも一方で複数枚配置されている断熱ボード層とを備え、
    前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、前記複数枚の断熱ボード層間、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
    前記無機ボード層は、長尺方向に配置された複数枚の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
    前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された複数枚の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
    前記無機ボード層および前記断熱ボード層全体において、隣接する全ての層間で継目の長尺方向の位置が同一である第2の部分を有し、
    複数枚の前記断熱ボード層間、前記断熱ボード層と前記無機ボード層との間、もしくはそれらの両方において、前記断熱ボード層における継目を跨いで補強板が設けられていることを特徴とするサンドイッチパネル。
  6. 前記補強板は、前記無機ボード層の厚みと前記断熱ボード層の厚みとの和Dに対して、前記サンドイッチパネルの外表面から前記和Dの10%以上45%以下の位置に配置されている、請求項4または5に記載のサンドイッチパネル。
  7. 前記補強板の幅Wは、前記断熱ボード層の厚みDに対してD以上6D以下である、請求項4~6のいずれか一項に記載のサンドイッチパネル。
  8. 前記補強板に開孔が設けられており、前記補強板を挟む断熱ボード層と無機ボード層または隣接する断熱ボード層が前記開孔を介して接着されている、請求項4~7のいずれか一項に記載のサンドイッチパネル。
  9. 前記開孔は前記断熱ボード層を構成する断熱ボード間の継目を跨いで配置されていない、請求項8に記載のサンドイッチパネル。
  10. 表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間にそれぞれ配置された1枚以上の断熱ボード層とを備え、
    前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
    前記無機ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
    前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
    前記無機ボード層および前記1枚以上の断熱ボード層全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置がずれた第1の部分と、全ての隣接する層間で継目の長尺方向の位置が同一である第2の部分とを有し、
    前記第2の部分は長尺方向のより端部側に配置されていることを特徴とするサンドイッチパネル。
  11. 前記第1の部分および第2の部分の少なくとも一方において、前記無機ボード層と前記断熱ボード層との間において、前記断熱ボード層における継目および無機ボード層における継目を跨いで補強板が設けられている、請求項10に記載のサンドイッチパネル。
  12. 表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間にそれぞれ配置された1枚の断熱ボード層とを備え、
    前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
    前記無機ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
    前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
    前記無機ボード層および前記断熱ボード層全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置がずれた第1の部分を複数有し、
    複数の前記第1の部分のうち、中央部側の第1の部分において、前記断熱ボード層と前記無機ボード層との間において前記断熱ボード層における継目を跨いで補強板が設けられていることを特徴とするサンドイッチパネル。
  13. 表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間に1枚以上配置された断熱ボード層であって、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間の少なくとも一方で複数枚配置されている断熱ボード層と
    を備え、
    前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、前記複数枚の断熱ボード層間、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
    前記無機ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
    前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
    前記無機ボード層および前記断熱ボード層全体において、隣接する層間で継目の長尺方向の位置がずれた第1の部分を複数有し、
    複数の前記第1の部分のうち、中央部側の第1の部分において、複数枚の前記断熱ボード層間、前記断熱ボード層と前記無機ボード層との間、もしくはそれらの両方において前記断熱ボード層における継目を跨いで補強板が設けられていることを特徴とするサンドイッチパネル。
  14. 前記第1の部分の層間に塗布される接着剤の単位面積当たりの量が、前記第1の部分以外の部分よりも多い、請求項1~3、10~13のいずれか一項に記載のサンドイッチパネル。
  15. 前記第1の部分における継目のずれの大きさGは、前記断熱ボード層の厚みDに対して0.5D以上3.0D以下である、請求項10~14のいずれか一項に記載のサンドイッチパネル。
  16. 表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間にそれぞれ配置された1枚の断熱ボード層とを備え、
    前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
    前記無機ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
    前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
    前記無機ボード層および前記断熱ボード層全体において、隣接する全ての層間で継目の長尺方向の位置が同一である第2の部分を複数有し、
    複数の前記第2の部分のうち、中央部側の第2の部分において、前記無機ボード層と前記断熱ボード層との間において前記断熱ボード層における継目を跨いで補強板が設けられていることを特徴とするサンドイッチパネル。
  17. 表面材および裏面材と、前記表面材と前記裏面材との間に配置された無機ボード層と、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間に1枚以上配置された断熱ボード層であって、前記表面材と前記無機ボード層との間および前記裏面材と前記無機ボード層との間の少なくとも一方で複数枚配置されている断熱ボード層と
    を備え、
    前記表面材と前記断熱ボード層、前記裏面材と前記断熱ボード層、前記複数枚の断熱ボード層間、および前記断熱ボード層と前記無機ボード層とは接着され、
    前記無機ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の無機ボードを有して隣接する無機ボード間に継目を有し、
    前記断熱ボード層は、長尺方向に配置された3枚以上の断熱ボードを有して隣接する断熱ボード間に継目を有し、
    前記無機ボード層および前記断熱ボード層全体において、隣接する全ての層間で継目の長尺方向の位置が同一である第2の部分を複数有し、
    複数の前記第2の部分のうち、中央部側の第2の部分において、複数枚の前記断熱ボード層間、前記断熱ボード層と前記無機ボード層との間、もしくはそれらの両方において前記断熱ボード層における継目を跨いで補強板が設けられていることを特徴とするサンドイッチパネル。
  18. 前記無機ボード層を構成する無機ボードの小口面同士が接着固定されていない、請求項1~17のいずれか一項に記載のサンドイッチパネル。
  19. 前記表面材と前記断熱ボード層、および前記裏面材と前記断熱ボード層とが、多条ビード接着されている、請求項1~18のいずれか一項に記載のサンドイッチパネル。
  20. 建物の階間に架け渡され、その上下端で固定される縦張りの壁構造であって、
    請求項1~19のいずれか一項に記載のサンドイッチパネルが複数枚幅方向に隣接して配置されてなることを特徴とする壁構造。
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