JPH09137539A - Ａｌｃ床パネルの取付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】木製のパネル支持部材上に乾式によってＡＬＣ
床パネルを取り付ける際、パネルのズレと浮き上がりを
同時に防止でき、しかも取付け作業が簡単であるＡＬＣ
床パネルの取付け構造を提供する。 【解決手段】木製のパネル支持部材上にＡＬＣ床パネル
Ｐを連結金具を固定して取付ける構造において、連結金
具が板状の菱形連結金具であって、その菱形の一対の角
が短辺小口面側の目地部に沿うように位置しており、他
の一対の角部が下向きに折り曲げられて折曲片が形成さ
れて、その折曲片がＡＬＣパネルに食い込んでいるとと
もに、さらにタッピングネジが菱形連結金具の表面から
木製のパネル支持部材に打ち込まれているＡＬＣ床パネ
ルの取付け構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は木製のパネル支持部
材上に乾式によってＡＬＣ床パネルを取り付ける際、パ
ネルのズレと浮き上がりを同時に防止できるＡＬＣ床パ
ネルの取付け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】木製のパネル支持部材上にＡＬＣ床パネ
ルを取り付けための取付け構造は、モルタルと取り付け
金具を用いる湿式方法が一般的に採用されている。この
ような湿式方法は遮音性等において優れている半面、施
工時間や施工作業性の面で難点がある。したがって、近
年はＡＬＣの床パネルといえども、モルタル等を用いな
い乾式によるＡＬＣ床パネルの取付け構造が種々提案さ
れるようになってきた。

【０００３】その一つとして特開昭６４−５８７４２号
公報で提案されている構造がある。この構造は、図５
（イ）（ロ）に示すように、下向きに形成された側片を
持った矩形板のコ型連結金具を用いるとともに、ＡＬＣ
床パネル内にコ型連結金具の側片を係合させるための内
側に傾斜した狭い縦型溝を予め形成させておいて、その
縦型溝に側片を係合させてＡＬＣパネルの長辺小口面同
士を引き寄せる構造である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭６４−
５８７４２号公報の上記構造は、ＡＬＣ床パネルの長辺
小口面の目地部にのみ連結金具を用いる構造であるた
め、長辺小口面側のズレは防止可能であるがＡＬＣ床パ
ネルが浮き上がるという問題点がある。また、ＡＬＣパ
ネル内面に狭い縦型溝を形成する必要があり、この作業
はかなり困難で手数がかかるという問題点もある。

【０００５】したがって、本発明の目的はＡＬＣ床パネ
ルＰを木製のパネル支持部材上に乾式によって取り付け
る際、そのパネルのズレと浮き上がりを同時に防止で
き、しかも取付け作業が簡単であるＡＬＣ床パネルの取
付け構造を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成さ
せるための本発明のＡＬＣ床パネルの取付け構造は、木
製のパネル支持部材上にＡＬＣ床パネルＰが互いにその
短辺小口面同士相対するように載置され、その短辺小口
面側の目地部に連結金具が固定されているＡＬＣ床パネ
ルの取付け構造において、連結金具が板状の菱形連結金
具であって、その菱形の一対の角が目地部に沿うように
位置しており、他の一対の角部が下向きに折り曲げられ
て折曲片が形成されていて、その折曲片がＡＬＣ床パネ
ルに食込んでいるとともに、タッピングネジが菱形連結
金具の表面から木製のパネル支持部材に打ち込まれてい
る構成とした取付け構造である。

【０００７】本発明のＡＬＣ床パネルの取付け構造は、
上記のように構成されているため次のように作用する。
先ず、菱形連結金具の一対の角部が下向きに折り曲げら
れて折曲片が形成され、その折曲片がＡＬＣ床パネル内
に食い込んでいるため、ＡＬＣ床パネルのズレが防止さ
れる。しかも、その折曲片は三角形を形成していて先端
が鋭角であるため、ＡＬＣ床パネルに対して容易に食い
込ませることができる。また、タッピングネジが菱形連
結金具の表面から木製のパネル支持部材に打ち込まれて
いるため、ＡＬＣ床パネルの浮き上りが防止される。従
って、ＡＬＣ床パネルのズレと浮き上がりを同時に無く
すことができる。

【０００８】さらに、その菱形連結金具の取付け時は菱
形連結金具を押さえてタッピングネジを木製のパネル支
持部材に打ち込むだけであるため、取付け作業は簡単で
熟練も必要としない。その上、連結金具は菱形を形成し
ているためそれを製作する際、円形、矩形、正方形等の
他の形状に比較して材料のムダがなく、かつ円形等の形
状に比して面積を小さくできるため、その分だけ軽くな
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図１〜図４に示す本発明の
１実施例に基づいて実施の形態を説明する。ＡＬＣ床パ
ネルＰは、図４に示すように、木製のパネル支持部材１
上にそのＡＬＣ床パネルＰの短辺小口面２同士が相対す
るように載置されている。そして、それらの短辺小口面
２によって形成された目地部３に菱形連結金具４が取り
付けられている。その際、菱形連結金具４は菱形の一対
の角が目地部３に沿うように位置している。また、菱形
連結金具４は、ＡＬＣ床パネルＰ表面の目地部３に削ら
れた円形の座堀部５に装着されている。

【００１０】なお、図１〜図４の実施例では菱形連結金
具４は各目地部３に各１個づつ取り付けられているが、
ＡＬＣ床パネルＰの幅に応じて複数個取り付けても構わ
ない。また、本発明においては、菱形連結金具４はその
厚さが２．３ｍｍ〜４．５ｍｍ、菱形の対角線の一辺が
５０ｍｍ〜１５０ｍｍで、ステンレス板または鋼鉄板に
より形成されたものが好適である。

【００１１】上記のように、菱形連結金具４は、図１に
示すように、菱形の一対の角が目地部３に沿うように位
置しているが、他の一対の角の一部が折り曲げられて折
曲片６が形成されており、その折曲片６は、図３に示す
ように、ＡＬＣ床パネルＰ内に食い込んでいる。この折
曲片６は菱形連結金具４の角の一部が折り曲げられて形
成されるため三角形の片と成り、その先端は鋭角を形成
するようになる。なお、折曲片６の高さは、ＡＬＣ床パ
ネルＰのズレ防止をより確実にするという点から５ｍｍ
〜２０ｍｍの範囲であることが好ましい。さらに、本発
明においては、菱形連結金具４の表面から木製のパネル
支持部材１に目地部３を通してタッピングネジ７が打ち
込まれている。このタッピングネジ７はセルフタッピン
グタイプのネジであれば良く、その種類等は特に限定さ
れない。

【００１２】菱形連結金具４の取り付け方法は、まずＡ
ＬＣ床パネルＰの目地部３に菱形連結金具４の厚みより
もやや深い円形の座堀部５を形成させ、次に菱形連結金
具４の折曲片６を持たない方の一対の角を目地部３に合
わせる。しかる後に、折曲片６をＡＬＣ床パネルＰ内に
食い込ませてタッピングネジ７を目地部３を通して打ち
込むようにする。タッピングネジ７を打ち込む際、以上
のように折曲片６をパネルＰ内に食い込ませた後に打ち
込むため、菱形連結金具４が回転したりすることもない
く、打ち込み易くなる。また、本発明に適用される菱形
連結金具４は、正方形または長方形の大きいステンレス
板または鋼鉄板から打ち抜かれて製作される。したがっ
て、形状が菱形のためステンレス板等のロスが少ない。
なお、本発明における木造のパネル支持部材とは、２階
の大梁や小梁、また１階の大引等を意味する。

【００１３】

【発明の効果】本発明の乾式によるＡＬＣ床パネルの取
付け構造によれば、菱形連結金具に形成された折曲片に
よってＡＬＣ床パネルのズレが防止され、また菱形連結
金具の表面から木製のパネル支持部材に打ち込まれたタ
ッピングネジによって、ＡＬＣ床パネルの浮き上がりも
同時に防止される。さらに、連結金具の取付け時は菱形
連結金具を押さえてタッピングネジを打ち込むだけであ
るため、取付け作業は簡単で熟練も必要としない。その
上、菱形連結金具の製作が容易でコストも安く、かつそ
の材料のムダも無い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例の部分拡大平面図。

【図２】本発明に適用される菱形連結金具の１実施例の
側面図．

【図３】本発明の１実施例の断面図。

【図４】本発明に係る菱形連結金具の取り付け位置の概
略説明図。

【図５】（イ）（ロ）従来のＡＬＣ床パネルの乾式施工
による取付け構造の一実施例を示す平面図および断面
図。

【符号の説明】

Ｐ・・ＡＬＣ床パネル １・・木製のパネル支持部材 ２・・短辺小口面 ３・・目地部 ４・・菱形連結金具 ５・・座堀部 ６・・折曲片 ７・・タッピングネジ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】木製のパネル支持部材上にＡＬＣ床パネル
   Ｐが互いにその短辺小口面同士相対するように載置さ
   れ、その短辺小口面側の目地部に連結金具が固定されて
   いるＡＬＣ床パネルの取付け構造において、 連結金具が板状の菱形連結金具であって、その菱形の一
   対の角が目地部に沿うように位置しており、他の一対の
   角部が下向きに折り曲げられて折曲片が形成されてい
   て、その折曲片がＡＬＣ床パネル内に食い込んでいると
   ともに、さらにタッピングネジが菱形連結金具の表面か
   ら木製のパネル支持部材に打ち込まれていることを特徴
   とするＡＬＣ床パネルの取付け構造。