JPH04231536A - コンクリートパネルの取付構造及び取付金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はコンクリートパネル、
特に、軽量気泡コンクリート製の床用パネルまたは屋根
用パネルを、建物の梁に取付けるための取付構造及び取
付金具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のコンクリートパネルの取
付構造として、例えば、実開昭６３−２７６１０号、実
公昭６３−２８２５８号、特開昭６３−２８０１４０号
、実開平１−１７０７１７号の各公報に掲載された技術
が知られている。実開昭６３−２７６１０号公報に開示
された取付構造は、隣接するパネルの隅部を蝶板により
連結して、梁に対するパネルの取付角度を調節できるよ
うに構成されている。実公昭６３−２８２５８号及び特
開昭６３−２８０１４０号の公報の取付構造においては
、隣接するパネルの隅部上面に凹部を形成し、この凹部
に嵌合した取付金具をねじで梁に固定して、各パネルを
上方から押えた状態で取付けるように構成されている。

【０００３】また、実開平１−１７０７１７号公報に開
示された取付構造は図１１に示すように構成されている
。ここでは、パネル４１の隅部に斜断部４２が形成され
るとともに、取付金具４３には前記斜断部４２に係合す
る係合部４４が凹設されている。そして、斜断部４２に
より形成された空所に係合部４４を嵌合して、取付金具
４３をボルト４５により梁４６に締結することにより、
各パネル４１の隅部を前後左右に位置決めした状態で取
付けできるように構成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、実開昭６３
−２７６１０号公報の取付構造によると、各パネルの隅
部に蝶板を取付ける手間がかかるうえ、蝶板取付後に重
いパネルを動かして角度調節する必要もあり、施工が大
変面倒であった。また、実公昭６３−２８２５８号及び
特開昭６３−２８０１４０号公報の取付構造によると、
パネルの隅部上面に凹部を形成するという特別な加工が
必要で、そのうえ、凹部は取付金具が露出しない程度に
浅く形成されているため、取付金具は実質的にパネルの
浮き上がりを規制する機能しか備えず、パネルを前後左
右に位置決めできないという不都合があった。これに対
し、実開平１−１７０７１７号公報の取付構造によると
、取付金具４３の係合部４４で各パネル４１を前後左右
に位置決めできるが、その機能を得るためにパネル４１
の隅部に斜断部４２を形成する必要があり、これをパネ
ル４１の成形時に形成する場合には、それ専用の成形型
を用意しなければならず、また、施工時に加工する場合
には、工数が増えて施工に手間取るという問題があった
。

【０００５】そこで、この発明の課題は、パネルを特別
に加工する必要がなく、通常仕様のパネルを汎用でき、
これを簡単かつ正確に梁上に取付けることができるコン
クリートパネルの取付構造及び取付金具を提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明のコンクリートパネルの取付構造は、矩
形状にかつその矩形の内部を跨ぐ部分を有するように架
設された梁の上に、多数枚のコンクリート製のパネルを
二列以上となるように敷設し、最外列のパネルの隅部に
、該隅部上面に当接する上面当接部と該パネルの隅部小
口面に当接する小口面当接部とを備えた一隅取付金具を
配設し、その一隅取付金具を固定具により梁に固定し、
梁の上で隣接する最外列の二枚のパネルの接続部に、該
二枚のパネルの隅部上面に当接する上面当接部と該二枚
のパネルの隅部小口面に当接する小口面当接部と該二枚
のパネルの対向小口面間に挿入される挿入部とを備えた
二隅取付金具を配設し、その二隅取付金具を固定具によ
り梁に固定し、梁の上で隣接する四枚のパネルの接続部
に、該四枚のパネルの隅部上面に当接する上面当接部と
該四枚のパネルの対向小口面間に挿入される挿入部とを
備えた四隅取付金具を配設し、その四隅取付金具を固定
具により梁に固定することとした。

【０００７】また、この発明のコンクリートパネルの取
付金具は、梁の上で隣接する四枚のコンクリート製のパ
ネルの隅部上面に当接する上面当接部と、四枚のパネル
の対向小口面間に挿入されるように前記上面当接部に一
体形成した挿入部と、その挿入部の近傍において上面当
接部に穿設した固定具挿通孔とから構成される。ここで
、好ましくは、前記上面当接部及び挿入部が一枚の金属
板から板金プレス加工によって折曲形成される。

【０００８】

【作用】この発明のコンクリートパネルの取付構造によ
れば、最外列のパネルの隅部が一隅取付金具を介して梁
に固定され、その一隅取付金具に形成した上面当接部及
び小口面当接部によりパネルの隅部が上下、前後、左右
に位置決めされる。梁の上で隣接する最外列の二枚のパ
ネルの接続部は二隅取付金具を介して梁に固定され、そ
の二隅取付金具に形成した上面当接部、小口面当接部及
び挿入部により二枚のパネルの隅部が上下、前後、左右
に位置決めされる。また、梁の上で隣接する四枚のパネ
ルの接続部は四隅取付金具を介して梁に固定され、その
四隅取付金具に形成した上面当接部及び挿入部により四
枚のパネルの隅部が上下、前後、左右に位置決めされる
。したがって、多数枚のパネルが各取付金具により梁上
に正確な位置でかつ簡単に取付けられる。特に、二隅取
付金具及び四隅取付金具の挿入部がパネルの対向小口面
間に挿入されるように形成されているので、パネルの隅
部を切除するなどの特別な加工が不要となり、通常仕様
のパネルを汎用できてコスト及び施工能率の点で有利で
ある。

【０００９】また、この発明のコンクリートパネルの取
付金具は前記取付構造における四隅取付金具として使用
でき、この場合も、通常仕様のパネルを汎用できるとと
もに、取付金具の上面当接部及び挿入部により四枚のパ
ネルの隅部を上下、前後、左右に正確に位置決めして、
各パネルの接合ラインを整然と形成できる。そのうえ、
固定具挿通孔が挿入部の近傍に穿設されているので、固
定具を隣接するパネルの対向小口面間に形成された狭い
隙間に挿入でき、もって、各パネルを適正な隙間を介し
て敷設できる。

【００１０】

【実施例】以下、この発明を具体化した実施例を図面に
基づいて説明する。図１は本発明の一実施例によるコン
クリートパネルの取付構造を全体的に示す平面図、図２
は図１のＡ部分を拡大して示す一部破断平面図、図３は
図２の一隅取付金具を示す斜視図、図４は図１のＢ部分
を拡大して示す一部破断平面図、図５は図４の二隅取付
金具を示す斜視図、図６は図１のＣ部分を拡大して示す
一部破断平面図、図７は図６の四隅取付金具を示す斜視
図、図８は図７の四隅取付金具の展開形状を示す平面図
である。

【００１１】図１において、建物の床または屋根には矩
形状に組まれた木材または鉄骨からなる第一梁１が設け
られ、該第一梁１の内側には第一梁１と同一材料の第二
梁２が該第一梁１の矩形の内部を跨ぐように設けられて
いる。前記第一梁１及び第二梁２の上には軽量気泡コン
クリートにより長四角形状に成形された多数枚のパネル
３がそれぞれ同一の方向で二列に敷設されている。この
パネル３としては、四隅が直角な通常仕様のものを使用
できる。そして、第一梁１の隅部に位置する最外列のパ
ネル３の隅部には一隅取付金具４が配設され、第一梁１
の上で隣接する最外列の二枚のパネル３の接続部には二
隅取付金具５が配設され、また、第二梁２の上で隣接す
る四枚のパネル３の接続部には四隅取付金具６が配設さ
れている。

【００１２】前記一隅取付金具４は金属板を板金プレス
加工して図２及び図３に示す形状に成形されている。こ
の一隅取付金具４には、パネル３の隅部上面に当接する
上面当接部８、パネル３の小口面に当接する断面鍵形の
小口面当接部９、及び、第一梁１に接合する取付部１０
が一体に折曲形成されている。前記取付部１０には固定
具挿通孔１１が穿設され、これを介して固定具１２を第
一梁１に打込むことにより、一隅取付金具４が第一梁１
の上に固定されている。なお、固定具１２としては、第
一梁１が木製である場合、釘またはコーチスクリュー等
が使用され、第一梁１が鉄骨製であればボルト及びナッ
トが使用される。

【００１３】前記二隅取付金具５は金属板を板金プレス
加工して図４及び図５に示す形状に成形されている。こ
の二隅取付金具５には、隣接する二枚のパネル３の隅部
上面に跨がって当接する上面当接部１４、各パネル３の
小口面に跨がって当接する小口面当接部１５、各パネル
３の対向小口面間に挿入される挿入部１６、及び、第一
梁１に接合する取付部１７が一体に折曲形成されている
。前記挿入部１６は小口面当接部１５の中央部分を内方
へ切り起こして形成されている。取付部１７には一対の
固定具挿通孔１８が穿設され、これらを介して前記と同
様の固定具１２を第一梁１に打込むことにより、二隅取
付金具５が第一梁１上に固定されている。また、上面当
接部１４には、これを必要に応じて各パネル３に固定す
るためのカットネイル等の釘（図示略）が打込まれる釘
孔１９が形成されている。

【００１４】前記四隅取付金具６には、図６及び図７に
示すように、隣接する四枚のパネル３の隅部上面に跨が
って当接する上面当接部２１と、各パネル３の対向小口
面間に挿入される四枚の挿入部２２とが一体に折曲形成
されている。この四隅取付金具６は、図８に示すような
一枚の正方形の金属板２３に板金プレス加工により四本
の切込み２４を形成し、折曲線２５で折曲げて成形され
る。これにより、図７に示すように、上面当接部２１に
その中心線より一側方へ広がる四枚の突出片２１ａが形
成されるとともに、各突出片２１ａの中心線側の縁に四
枚の挿入部２２が直角に折曲され、その結果、各挿入部
２２が上面当接部２１の中心線を含む相直交する二平面
の外側部分に設けられる。そして、これらの挿入部２２
の近傍において、上面当接部２１の中心線上には四個の
固定具挿通孔２６が穿設され、そのうち一方の中心線上
に位置する一対の固定具挿通孔２６に前記と同様の固定
具１２を挿通し、それを隣接するパネル３の隙間を介し
て第二梁２に打込むことにより、四隅取付金具５が第二
梁２の上に固定されている。

【００１５】上記のように構成したコンクリートパネル
の取付構造において、次に、パネル３の施工方法につい
て説明する。まず、図１に示すように、建物の床または
屋根に第一梁１及び第二梁２を組付け、次いで、第一梁
１及び第二梁２の上に多数枚のパネル３を二列に敷設す
る。次に、第一梁１の隅部に位置するパネル３の隅部に
一隅取付金具４を、第一梁１の上で隣接する二枚のパネ
ル３の接続部には二隅取付金具５を、また、第二梁２の
上で隣接する四枚のパネル３の接続部には四隅取付金具
６をそれぞれ配設し、各取付金具４，５，６を固定具１
２で第一梁１及び第二梁２に固定する。

【００１６】こうすれば、図２に示すように、一隅取付
金具４に形成した上面当接部８及び小口面当接部９によ
りパネル３の隅部が上下、前後、左右に位置決めされる
。また、図４に示すように、二隅取付金具５に形成した
上面当接部１４、小口面当接部１５及び挿入部１６によ
り隣接する二枚のパネル３の隅部が上下、前後、左右に
位置決めされる。更に、図６に示すように、四隅取付金
具６に形成した上面当接部２１及び挿入部２２により隣
接する四枚のパネル３の隅部が上下、前後、左右に位置
決めされる。したがって、多数枚のパネル３を各取付金
具４，５，６により第一梁１及び第二梁２の上に正確な
位置でかつ簡単に取付けることができる。この場合、二
隅取付金具５の挿入部１６及び四隅取付金具６の挿入部
２２が各パネル３の対向小口面間に挿入されるように形
成されているので、従来とは異なり、パネル３の隅部を
切除するなどの特別な加工が不要となり、通常仕様のパ
ネルを汎用できて、コストを削減できるうえに、施工能
率も向上する。

【００１７】また、四隅取付金具６においては、固定具
１２で上面当接部２１を第二梁２の所定位置に固定すれ
ば、四枚の挿入部２２が各パネル３の前後、左右の位置
を正確に決定するので、至って簡単な作業でパネル３の
接合ラインを一直線に沿って整然と形成できる。そのう
え、四隅取付金具６の固定具挿入孔２６が挿入部２２の
近傍において上面当接部２１の中心線上に穿設されてい
るので、固定具１２を隣接するパネル３の対向小口面間
に形成された狭い隙間に挿入でき、もって、各パネル３
を適正な隙間を介して敷設できる。しかも、この実施例
の四隅取付金具６の形状によれば、上面当接部２１及び
挿入部２２を一枚の金属板２３から折曲形成して、製作
コストを削減できる。

【００１８】なお、この発明は上記実施例の構成に限定
されるものではなく、例えば以下のように、本発明の趣
旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変
更して実施することも可能である。 （１）四隅取付金具６を図９及び図１０に示すように構
成してもよい。図９の四隅取付金具６においては、正方
形の上面当接部２１の裏面に十字状の挿入部２２が溶接
等の適宜の手段により固着されている。図１０の四隅取
付金具６においては、円形の上面当接部２１の裏面に十
字状の挿入部２２が固着されている。いずれの場合も、
固定具挿通孔２６は挿入部２２に極めて接近した位置に
穿設されている。これらの変形例によると、溶接等の固
着手段が必要となるため製作コストの点で幾分不利であ
るが、その他の点では前記実施例とほぼ同様の作用効果
が得られる。 （２）第二梁２を二本以上架設し、多数枚のパネル３を
三列以上となるように敷設してもよい。 （３）また、この発明は軽量気泡コンクリート製のパネ
ル３のみに限定されるものではなく、鉄筋コンクリート
製のパネルの取付構造及び取付金具に適用して具体化す
ることもできる。

【００１９】

【発明の効果】以上に詳述したように、請求項１記載の
発明によれば、多数枚のパネルを一隅取付金具、二隅取
付金具及び四隅取付金具により梁の上に正確な位置でか
つ簡単に取付けできるとともに、二隅取付金具及び四隅
取付金具の挿入部をパネルの対向小口面間に挿入するこ
とにより、パネルの加工が不要となり、通常仕様のパネ
ルを汎用してコスト及び施工能率を改善できるという優
れた効果を奏する。

【００２０】請求項２記載の発明によれば、梁の上で隣
接する四枚のパネルの隅部を取付金具の上面当接部及び
挿入部により上下、前後、左右に正確に位置決めして、
各パネルの接合ラインを整然と形成できるとともに、固
定具挿通孔を挿入部の近傍に穿設することにより、固定
具を隣接するパネルの対向小口面間に形成された狭い隙
間に挿入でき、もって、各パネルを適正な隙間を介して
敷設できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例によるコンクリートパネルの
取付構造を全体的に示す平面図である。

【図２】図１のＡ部分を拡大して示す一部破断平面図で
ある。

【図３】図２の一隅取付金具を示す斜視図である。

【図４】図１のＢ部分を拡大して示す一部破断平面図で
ある。

【図５】図４の二隅取付金具を示す斜視図である。

【図６】図１のＣ部分を拡大して示す一部破断平面図で
ある。

【図７】図６の四隅取付金具を示す斜視図である。

【図８】図７の四隅取付金具の展開形状を示す平面図で
ある。

【図９】四隅取付金具の変形例を示す一部破断平面図で
ある。

【図１０】四隅取付金具の更に異なる変形例を示す一部
破断平面図である。

【図１１】従来のコンクリートパネルの取付構造を示す
平面図である。

【符号の説明】

１　　第一梁　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　２　　第二梁３　　パネル　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　４　　一隅取付金具
５　　二隅取付金具　　　　　　　　　　　　　　　　
　　６　　四隅取付金具８　　一隅取付金具の上面当接
部　　　　　　９　　一隅取付金具の小口面当接部 １２　　固定具　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　１４　　二隅取付金具の上面当接部 １５　　二隅取付金具の小口面当接部　　１６　　二隅
取付金具の挿入部 ２１　　四隅取付金具の上面当接部　　　　２２　　四
隅取付金具の挿入部 ２６　　固定具挿通孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　矩形状にかつその矩形の内部を跨ぐ部
   分を有するように架設された梁（１，２）の上に、多数
   枚のコンクリート製のパネル（３）を二列以上となるよ
   うに敷設し、最外列のパネル（３）の隅部に、該隅部上
   面に当接する上面当接部（８）と該パネル（３）の隅部
   小口面に当接する小口面当接部（９）とを備えた一隅取
   付金具（４）を配設し、その一隅取付金具（４）を固定
   具（１２）により梁（１）に固定し、梁（１）の上で隣
   接する最外列の二枚のパネル（３）の接続部に、該二枚
   のパネル（３）の隅部上面に当接する上面当接部（１４
   ）と該二枚のパネル（３）の隅部小口面に当接する小口
   面当接部（１５）と該二枚のパネル（３）の対向小口面
   間に挿入される挿入部（１６）とを備えた二隅取付金具
   （５）を配設し、その二隅取付金具（５）を固定具（１
   ２）により梁（１）に固定し、梁（２）の上で隣接する
   四枚のパネル（３）の接続部に、該四枚のパネル（３）
   の隅部上面に当接する上面当接部（２１）と該四枚のパ
   ネル（３）の対向小口面間に挿入される挿入部（２２）
   とを備えた四隅取付金具（６）を配設し、その四隅取付
   金具（６）を固定具（１２）により梁（２）に固定する
   ことを特徴とするコンクリートパネルの取付構造。
2. 【請求項２】　　梁（２）の上で隣接する四枚のコンク
   リート製のパネル（３）の接続部を梁（２）に取付ける
   取付金具であって、前記四枚のパネル（３）の隅部上面
   に当接する上面当接部（２１）と、四枚のパネル（３）
   の対向小口面間に挿入されるように前記上面当接部（２
   １）に一体形成した挿入部（２２）と、前記挿入部（２
   ２）の近傍において前記上面当接部（２１）に穿設した
   固定具挿通孔（２６）とを具備することを特徴とするコ
   ンクリートパネルの取付金具。