JPWO2020021671A1 - エレベータ装置 - Google Patents

エレベータ装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020021671A1
JPWO2020021671A1 JP2019501736A JP2019501736A JPWO2020021671A1 JP WO2020021671 A1 JPWO2020021671 A1 JP WO2020021671A1 JP 2019501736 A JP2019501736 A JP 2019501736A JP 2019501736 A JP2019501736 A JP 2019501736A JP WO2020021671 A1 JPWO2020021671 A1 JP WO2020021671A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dynamic vibration
pulley
rotation
spokes
resonance frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019501736A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6525369B1 (ja
Inventor
渡辺 誠治
誠治 渡辺
英一 齊藤
英一 齊藤
大輔 中澤
大輔 中澤
大樹 福井
大樹 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP6525369B1 publication Critical patent/JP6525369B1/ja
Publication of JPWO2020021671A1 publication Critical patent/JPWO2020021671A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B7/00Other common features of elevators
    • B66B7/06Arrangements of ropes or cables
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B7/00Other common features of elevators
    • B66B7/06Arrangements of ropes or cables
    • B66B7/08Arrangements of ropes or cables for connection to the cars or cages, e.g. couplings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/02Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/12Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon
    • F16F15/121Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon using springs as elastic members, e.g. metallic springs

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Lift-Guide Devices, And Elevator Ropes And Cables (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)

Abstract

本発明は、簡単な構成で制振対象とする基準共振周波数の経年変化に対応できる動吸振器を備えるエレベータ装置を提供する。本発明のエレベータ装置は、昇降路内を昇降するかごと、かごと連動して昇降する釣合おもりと、かごと釣合おもりとを吊り下げる懸架手段と、懸架手段を巻掛け、回転中心部11と、回転中心部11から径方向に伸長する複数のスポーク13と、スポーク13によって支持される外周部12と、をそれぞれ有する、かごに搭載されるかご吊り滑車、および、釣合おもりに搭載される釣合おもり吊り滑車のうちに少なくとも一つの滑車6におけるスポーク13間に配置され、一端が滑車の回転中心部11に固定される固定端をなし、他端が径方向に伸長する自由端をなす板状部材37からなり、板状部材37の固定端から自由端に至るいずれかの位置におもり18が固定され、滑車6の回転方向に振動可能な動吸振器15とを備える。

Description

本発明は、回転振動の抑制が可能な動吸振器が設けられた滑車を備えたエレベータ装置に関する。
従来のロープ式エレベータでは、巻上機でロープを駆動する綱車と呼ばれる滑車以外に、吊り滑車と返し滑車などの滑車がロープに介在してかごを昇降させる。かごが昇降中に巻上機からの回転速度に起因した電動機のトルクリップルが発生すると、これらの滑車が共振してかごが大きく加振され、かごの縦振動として乗り心地を悪化させることがある。
これに対して、一定周波数の加振力に対しては、加振源とかごとの間に、加振力と同じ共振周波数を持つ動吸振器を滑車に設置することにより、回転振動を抑制する方法が提案されている。例えば、特許文献1では、返し滑車である頂部プーリにねじりダンパーを設置したアクティブ動吸振器を設置している。
特開2011−111303号公報
このような、エレベータに用いられるアクティブ動吸振器にあっては、機器が大型化するため、取り付けスペースも大きくなる。また、かかる動吸振器は特定の回転周波数に対して効果が高いものの、ロープの経年変化で回転系の固有振動数がわずかに変化すると振動抑制効果が大幅に低減してしまう課題がある。したがって、ロープの経年変化による回転系の共振周波数の変化が判明した場合でも、対策し難いという問題があった。
また、従来のアクティブ動吸振器を返し滑車に設置する場合に、回転系の固有振動数の変化に対して、能動的に制御することで振動を抑制し続けることが可能であるものの、アクチュエータやセンサを設置する必要があり、更なる機器の大型化を招くとともに、コストが増大する問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、予め回転系の制振対象となる基準共振周波数の経年変化に対応できる動吸振器を滑車に装着することにより、簡単な構成で制振性能が低減することがない動吸振器を備えるエレベータ装置を得ることを目的とする。
本発明のエレベータ装置は、昇降路内を昇降するかごと、昇降路内に配置され、かごと連動して昇降する釣合おもりと、かごと釣合おもりとを吊り下げる懸架手段と、懸架手段を巻掛け、回転中心部と、回転中心部から径方向に伸長する複数のスポークと、スポークによって支持される外周部と、をそれぞれ有する、かごに搭載されるかご吊り滑車、および、釣合おもりに搭載される釣合おもり吊り滑車と、かご吊り滑車と釣合おもり吊り滑車の少なくとも一つの滑車におけるスポーク間に配置され、一端が滑車の回転中心部に固定される固定端をなし、他端が径方向に伸長する自由端をなし滑車の回転方向に弾性を有する板状部材からなり、板状部材の固定端から自由端に至るいずれかの位置におもりが固定され、滑車の回転方向に振動可能な動吸振器とを備える。
本発明のエレベータ装置によれば、滑車内に配置される複数の動吸振器について、異なる共振周波数の組み合わせを容易に設定できるので、懸架手段の剛性に対する経年変化で生じる回転系の基準共振周波数の変化に対して事前に調整可能なため、簡単な装置構成で、滑車に生じる回転振動を安定して抑制できる動吸振器を備えるエレベータ装置が得られる。
本発明の実施の形態1にかかるエレベータ装置の構成図である。 エレベータ装置の3種類の回転振動モードに対応する動吸振器の設置滑車を示す図である。 エレベータ装置の3種類の回転振動モードにおけるかごの昇降位置と共振周波数との関係を示す説明図である。 返し滑車が存在するエレベータ装置の構成図である。 エレベータ装置の滑車の構成を示す説明図である。 エレベータ装置の滑車に設置される動吸振器の設置状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態1の動吸振器の構成図である。 本発明の実施の形態1における動吸振器の板バネと取付板の固定例を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における動吸振器の板バネと取付板を一体成形した一例の展開図である。 本発明の実施の形態1における動吸振器の板バネと取付板を一体成形した一例の展開図である。 本発明の実施の形態1における動吸振器の一体成形された板バネと取付板を滑車の回転中心部に締結する例を示す説明図である。 本発明の実施の形態1によるエレベータ装置の滑車にスポーク数が偶数の場合における共振周波数の異なる偶数の動吸振器の設置状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態1によるエレベータ装置の滑車にスポーク数が偶数の場合における滑車の偏荷重を抑制する外周部に調整質量の配置状態を示す説明図である。 滑車における振り子式の動吸振器の構成図である。 本発明の実施の形態2によるエレベータ装置の滑車にスポーク数が奇数の場合における共振周波数の異なる奇数の動吸振器の設置状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態2によるエレベータ装置の滑車にスポーク数が奇数の場合における滑車の偏荷重を抑制する外周部に調整質量の配置状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態3における動吸振器の構成図である。 本発明の実施の形態3によるエレベータ装置の滑車にスポーク数が偶数の場合における共振周波数の異なる複数の動吸振器の設置状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態4によるエレベータ装置の滑車にスポーク数が偶数の場合における共振周波数の異なる複数の動吸振器の設置状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態5によるエレベータ装置の滑車にスポーク数が偶数の場合における共振周波数の異なる複数の動吸振器の設置状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態6によるエレベータ装置の滑車にスポーク数が偶数の場合における共振周波数の異なる複数の動吸振器の設置状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態7によるエレベータ装置の滑車にスポーク数が偶数の場合における共振周波数の異なる複数の動吸振器の設置状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態8によるエレベータ装置の滑車のスポークに取り付けられる動吸振器の設置状態を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるエレベータ装置の構成図である。図1の綱車5を昇降路1の上部に設置した2:1ローピング方式のエレベータ装置において、昇降路1内に、かご2と釣合おもり3が設置されている。かご2とかご2と連動して昇降する釣合おもり3は、懸架手段4によって、かご2に搭載されるかご吊り滑車6、かご吊り滑車7、および釣合おもり吊り滑車8などの滑車に巻掛けられることにより、接続されている。懸架手段4として、複数本のロープまたは複数本のベルトが用いられている。懸架手段4の両端部には、それぞれかご側の綱止め9と釣合おもり側の綱止め10が取り付けられている。かご2は、巻上機に駆動された綱車5に巻きかけられた懸架手段4によって、昇降路1を上下に走行する。
昇降路1内には、かご2の昇降を案内する一対のかごガイドレール(図示せず)と、釣合おもり3の昇降を案内する一対の釣合おもりガイドレール(図示せず)とが設置されている。また、昇降路1の底部には、かご2の昇降路底部への衝突を緩衝するかご緩衝器(図示せず)と、釣合おもり3の昇降路底部への衝突を緩衝する釣合おもり緩衝器(図示せず)とが設置されている。
次に、エレベータ装置の回転モードに対して、かご吊り滑車、おもり吊り滑車など複数の滑車において動吸振器の設置態様について説明する。
図2は、エレベータ装置の3種類の回転振動モードを示す図である。図2の(a)はモード1、(b)はかご最下階でのモード2、(c)はかご最上階でのモード2の状態である。それぞれのモードにおいて、加振力の影響が最も大きく、対応する動吸振器を設置すべき滑車を網掛けで図示する。図3は、エレベータ装置の回転振動に対するかご位置および共振周波数の関係を模式的に表す図である。なお、図3において、縦軸は回転周波数(eigen frequency)を表し、横軸は昇降路におけるかご位置(car position、昇降路の最下階(bottom floor)から最上階(top floor))を表す。
図2(a)は、昇降途中のロープの進行方向に対して、全ての滑車(綱車5、かご吊り滑車6,7、釣合おもり吊り滑車8)が同じ方向で回転振動するモード(モード1)であり、かご吊り滑車6、7、および釣合おもり吊り滑車8の回転周波数は図3において、f1で示す通りであり、かご位置によらずほぼ一定の値となる。図2(b)は、かごが最下階近傍でかご吊り滑車6、7と綱車5が互いに逆方向に回転するモード(モード2)であり、かご吊り滑車6、7の回転振動が最も大きく、回転周波数は図3においてf2の最下階側で示す。図2(c)は、かごが最上階近傍で釣合おもり吊り滑車8と綱車5が互いに逆方向に回転するモード(モード2)であり、釣合いおもり吊り滑車8の回転振動が最も大きく、回転周波数は図3においてf2の最上階側で示す。
一方、巻上機で生じるトルクリップルの振動周波数は、回転速度に応じて変化するため、図3においてf4で示すような回転速度に依存した台形状の波形となる。このf4と、f1、f2、f3が交差する位置、すなわち、図3中の共振周波数A、B、C、Dにおいて回転系の共振が発生し、滑車に大きな回転振動が発生する。なお、共振周波数のAとDは同値である。
そこで、上述の3種類の振動モードにおける最も影響が大きい共振を低減するため、図2に示すように、2つのかご吊り滑車6、7のうち、何れか一つの吊り滑車、例えば図2(a)の網掛けで図示したかご吊り滑車6において、f1との共振周波数A(Dと同値)に対応した動吸振器を設定する。それと共に、もう一つの吊り滑車、例えば図2(b)の網掛けで図示したかご吊り滑車7において、f2との共振周波数Bに対応した動吸振器を設定する。さらに、釣合おもり吊り滑車8が共振周波数Cに対応するように、図2(c)の網掛けで図示した釣合おもり吊り滑車8に動吸振器を設定する。
これにより、上述の3種類の振動モードにおける加振力の影響が最も大きい3つの吊り滑車において、それぞれの制振対象となる共振周波数(例えば、図3に示す同値の共振周波数AとD、共振周波数B、C)を基準共振周波数として、この基準共振周波数に対して、周波数を増加または減少するようにして、異なる共振周波数に設定される複数の動吸振器を配置することで、主要な3つの回転振動を効果的に抑制可能となる。
以上の動吸振器の設置態様についての説明は、図1に示す、綱車5を昇降路1の上部に設置した2:1ローピング方式を使用するエレベータ装置、および、図4に示す、綱車5を昇降路1の下部に設置し、昇降路1の上部にかご返し滑車26と釣合おもり返し滑車27を設置する2:1ローピングのエレベータ装置にも当てはまる。なお、図4のエレベータ装置においては、動吸振器をかご返し滑車26、または釣合おもり返し滑車27に設置しても良い。
また、本発明に係るエレベータ装置における動吸振器の設置態様は、釣合おもり3の上部の釣合おもり吊り滑車のように、かご2の上部にかご吊り滑車6を1つ設置するエレベータ装置に対しても適用できる。
次に、一台の滑車内における複数の動吸振器の設置態様および動吸振器の構成例を説明する。
図5に、滑車の一例であるかご吊り滑車6の基本的な構成を示す。かご吊り滑車6は、回転中心となる回転中心部11、懸架手段4が巻きかけられる外周部12、および回転中心部11と外周部12を接続する複数のスポーク13で構成される。スポーク13の間には、かご吊り滑車の軽量化のために空隙14が設けられている。
かご吊り滑車の回転軸方向に、かご吊り滑車を支持するための梁材が近接して配置されているため、梁材とかご吊り滑車の間の隙間はほとんどない。また、かご吊り滑車の外周部より外側の径方向には、懸架手段4や懸架手段4の外れ止め(図示せず)が設置されるため、追加の部材を設置することは困難である。したがって、かご吊り滑車の回転振動を抑制するための動吸振器を設置する場合、動吸振器の小型化も鑑みると、かご吊り滑車の空隙14内に収納することが望ましい。釣合おもり吊り滑車も同様である。
図6に、かご吊り滑車6における偶数個の動吸振器15の設置状態を示す。図6に示すように、かご吊り滑車6には、円周方向に等間隔に設けられた4個のスポーク13と、スポーク間で等間隔に4個の動吸振器15が配置されている。動吸振器15は、板状部材37で支持されたおもり18で構成されており、かご吊り滑車6のスポーク13間の空隙14内に設置され、一端が回転中心部11に固定され、滑車の回転方向に弾性を有して振動可能である。
図7に、動吸振器15の構成を示す。図7(a)にかご吊り滑車6の側面からみた回転中心部11に固定されている動吸振器を示し、図7(b)にかご吊り滑車6の正面からみた動吸振器を示す。図7(a)に示すように、動吸振器15の板状部材37として、弾性を有する片持ち支持の板バネ17が用いられる。板バネ17の径方向に伸長する自由端側には、おもり18が取り付けられている。かご吊り滑車6の回転中心部11に、取付板16がボルト19で固定され、動吸振器15の板バネ17の固定端は、取付板16に固定されている。板バネ17には径方向に長穴20が設けられている。図7(b)に示すように、おもり18がボルト21とナット22によって、板バネ17の長穴20を通して固定されている。おもり18の径方向の位置は、長穴20の範囲内で調整することができる。
図8に、動吸振器15の板バネ17と取付板16の他の固定例を示す。板バネ17と取付板16の固定方法としては、溶接でも良いし、図8(a)に示すように、分割した取付板16で板バネ17を挟み込み、ボルト28とナット29で固定する方法でも良い。また、図8(b)に示すように、板バネ17をL字状に折り曲げて、ボルト30で取付板16に固定しても良い。
図9および図10に、弾性を有する板状部材を折り曲げることで板バネ17と取付板16を一体成形した動吸振器15の構成例を示す。板バネ17と取付板16を一体成形することで、従来の振り子構成の動吸振器に比べて、小型化できるとともに、部品点数も削減できる。
図9の動吸振器15の構成例では、取付板16部分の破線を山折り、一点鎖線を谷折りすることで、図7の構成例と同じ形状を実現できる。取付板16部分には複数のネジ穴23が設けられている。
図10の動吸振器15の構成例では、取付板16部分の破線を山折り、一点鎖線を谷折りする。回転中心部11との締結状態を図11に示す。取付板16部分には複数のネジ穴31が設けられている。図11の構成例では、取付板16を折り曲げて回転中心部11を挟み込んだ部分を、ボルト32とナット33で締結する。
なお、図9と図10に示す動吸振器15の構成例において、板バネ17には長穴20が設けられ、おもり18は板バネ17の長穴20を通してボルト21とナット22で固定されている。
このような動吸振器15の構成により、動吸振器15は滑車の空隙14内に設置することができ、かかる動吸振器15の作用によって、滑車の回転振動を抑制することができる。また、動吸振器15の取付板16は、滑車の回転中心部11に固定されるので、おもり18が、より外周部12側に設置されやすくなるため、おもり18で生じる回転慣性力が大きく働く結果、従来に比べて小さなおもり質量でも大きな制振効果が得られ、動吸振器15が小型化できる。さらに、板状部材37に用いられる板バネ17は、回転中心部11から径方向に長く設定できるので、長穴20も径方向に長くできるため、おもり18の位置を調整する調整幅も大きく設定することが可能となる。これにより、動吸振器の共振周波数の設定範囲を広く取ることができる。
図12は、エレベータ装置の滑車内における、共振周波数が異なる複数の動吸振器の設置状態を表す説明図である。図12に示す滑車内の動吸振器15の構成例では、1台の滑車内に4つの動吸振器15a、15b、15c、15dが配置されている。各動吸振器のおもり18の設置位置が異なっている。懸架手段4の経年変化による制振対象とする基準共振周波数の変化を予め想定して、おもり18の位置をそれぞれ異なるように調整された複数の動吸振器15a、15b、15c、15dを設置することで、予測される懸架手段4の経年変化による基準共振周波数の変化の影響を最小限に抑えることができる。
図12に示す滑車内の動吸振器15の構成例では、破線で示す円周が、制振対象とする基準共振周波数に対応するおもりの基準位置である。滑車の回転中心部に対して対称に配置された動吸振器15aと15cは、基準位置に対して、おもり18の位置を回転中心部寄り、すなわち、第1の距離38にずらしている。このため、動吸振器15aと15cの共振周波数は、制振対象とする回転系の共振周波数よりも高い値となる。一方、滑車の回転中心部に対して対称に配置された一組の動吸振器15bと15dは、基準位置に対して、おもり18の位置を外周部寄り、すなわち、第2の距離39にずらしている。このため、動吸振器15bと15dの共振周波数は、制振対象とする回転系の共振周波数よりも低い値となる。
一端が回転中心部11に支持された板バネの他端におもりがある場合の動吸振器15の固有振動数f(単位:Hz)は、
Figure 2020021671
である。ここで,EI(Eはヤング率、Iは断面2次モーメント)は板バネ17の曲げ剛性を表し、Mはおもりの質量である。Lは板バネ17の支持点からおもり18までの距離であり、おもり18の設置位置を表す。式(1)により,制振対象とする基準共振周波数fに対して,おもり18の設置位置Lは、
Figure 2020021671
である。懸架手段4の経年劣化により、基準共振周波数がfから共振周波数f+Δf(Δfは共振周波数の変化量)に変化すると、共振周波数の変化に対応するおもり18の設置位置L+ΔL(ΔLはおもりの設置位置の移動量)は、
Figure 2020021671
である。よって,予め一台の滑車に複数の動吸振器15のおもり18の設置位置をLからL+ΔLの間で均等に配置すれば,懸架手段4の経年劣化に対して、動吸振器15を再調整する必要もなく,継続的に回転系の共振が抑制できる。
板バネ17に長穴20が設けられていて、長穴20に沿っておもり18の設置位置が容易に調整できるため、動吸振器15の共振周波数の設定と調整が容易である。1台の滑車内において、基準共振周波数よりも高い共振周波数の一組の動吸振器15を滑車の回転中心部に対して対称に配置すると共に、基準共振周波数よりも低い共振周波数の他の一組の動吸振器15を滑車の回転中心部に対して対称に配置することで、滑車の回転中心部に対して対称に配置するおもり18の設置位置を相対的に同じようにするため、おもり18の位置の違いによる慣性力で生じる滑車の偏荷重を防止できるとともに、一つの滑車内に設けられた共振周波数が異なる動吸振器15の組み合わせにより、懸架手段4の経年変化による基準共振周波数の変化にも対応した制振効果が得られる。
1台の滑車内において、滑車の回転中心部に対して対称に配置する2つの動吸振器15のおもりを回転中心部から同距離にずらした場合には、滑車の偏荷重は発生しない。滑車の回転中心部に対して対称に配置するおもり18の設置位置からずらした距離が同距離ではない場合は、おもり位置の違いによる滑車の偏荷重が発生する。この場合、図13に示すように、おもり位置の違いで発生する偏荷重を打ち消すため、調整質量36a、36bを滑車の外周部12に設けることにより、滑車に作用する偏荷重を完全に打ち消すことができる。
また、図14の滑車内の動吸振器の構成例に示すように、動吸振器15の板状部材37部分は板バネ17の代わりに、金属板を用い、弾性バネ35で支持された回転支点34を中心に回転する振り子式の構成に置き換えて、板状部材37におけるおもり18の設置位置を変更することにより、同様に一台の滑車に共振周波数の異なる動吸振器を設置できる。
以上、実施の形態1のエレベータ装置における滑車内の動吸振器によれば、エレベータ装置の各滑車において、それぞれの制振対象とする基準共振周波数に対応する動吸振器15を設置できる。さらに、滑車に偏荷重が作用することなく、動吸振器15のおもりの設置位置が調整可能であるため、一台の滑車に共振周波数の異なる動吸振器を予め設置することにより、制振対象とする基準共振周波数の経年変化に対応して制振性能を保つエレベータ装置が得られる。
実施の形態2.
図15に本発明の実施の形態2のエレベータ装置における滑車内にスポーク数が奇数で、奇数個の動吸振器15が取り付けられる構成例を示す。図15においては、かご吊り滑車6の円周方向に等間隔に設けられた5個のスポーク13とスポーク間で等間隔に配置された5個の動吸振器15を有する。
なお、実施の形態2以降の各実施の形態に係るエレベータ装置の回転モードの構成およびエレベータ装置における複数の滑車内の動吸振器15の設置態様は、実施の形態1に係るエレベータ装置と同一であるため、説明を省略する。
図12および図13の滑車内の動吸振器の構成例は、滑車のスポークの数が偶数の場合であり、この場合、動吸振器を滑車の回転中心部に対して対称に配置することができる。一方、スポークの数が奇数の場合、例えば、図15に示すスポークの数が5本の場合は、各スポーク間に等間隔に動吸振器15a、15b、15c、15d、15eが設置されている。一つの動吸振器15dのおもり18が、破線円周で示す基準位置Lから外周部側へL+ΔLのところに設置される場合に、滑車の回転中心部に対して対向する位置に隣接する動吸振器15a、15bのおもり18も外周部側よりに設置される。一方、動吸振器15dの両側に隣接する動吸振器15c、15eは、滑車に偏荷重が作用しないように、おもり18を回転中心部側寄りに設置する。
各動吸振器のおもり18の設置位置については、具体的には、動吸振器15dのおもりの設置位置がL+ΔLに設定された場合は、動吸振器15a、15bのおもりの設置位置を、L、動吸振器15c、15eのおもりの設置位置を、L−(1/2)×ΔLとする。
これらの設置半径により、おもり位置の違いによる滑車の偏荷重を打ち消すことともに、各動吸振器の共振周波数を異なるように設定可能となる。なお、上記の設定でも,滑車に作用する偏荷重を完全に打ち消すことは困難である。完全に偏荷重を打ち消すために、図16の滑車内の動吸振器の構成例に示すように調整質量36a、36b、36c、36d、36eを滑車の外周部12に取り付けても良い。
このように、滑車のスポークの数が奇数の場合であっても、複数の動吸振器で、共振周波数が異なるように設置しつつ、動吸振器15のおもりによる慣性力によって生じる滑車の偏荷重を抑制することができる。
また、図14の滑車内の動吸振器の構成例に示すように、動吸振器15の板状部材37部分は板バネ17の代わりに、金属板を用い、弾性バネ35で支持された回転支点34を中心に回転する振り子式の構成に置き換えても良い。
以上、実施の形態2のエレベータ装置における滑車内の動吸振器によれば、一台の滑車内に奇数の動吸振器を設置しても、滑車に偏荷重が作用することなく、動吸振器15のおもりの設置位置が調整可能であるため、一台の滑車に共振周波数の異なる動吸振器を予め設置することにより、制振対象とする基準共振周波数の経年変化に対応して制振性能を保つエレベータ装置が得られる。
実施の形態3.
図17に本発明の実施の形態3のエレベータ装置に用いられる動吸振器15の構成を示し、図18に滑車内の動吸振器15の設置状態を示す。実施の形態1と2では、おもり18の設置位置を調整することによって、動吸振器15の共振周波数を設定しているが、実施の形態3では、おもり18の質量を変更することにより共振周波数を設定する。
図17において、動吸振器15の板バネ17に長穴20は設けられておらず、板バネ17の特定の位置、すなわち回転中心部から同一距離におもり18が固定される。図17に示すように、おもり18には質量調整用の調整おもり24が複数配置される。調整おもり24の数(または質量)を変更することにより、所望の共振周波数に設定することができる。
懸架手段4の経年変化による制振対象とする基準共振周波数の変化に対して、調整おもり24の数(または質量)が変更できる複数の動吸振器15a、15b、15c、15dを適用することにより、対応可能となる。調整おもり24の数(または質量)を減らすことで、基準の共振周波数より高い周波数に設定される一組の動吸振器15b、15dを滑車の回転中心部に対して対称に配置すると共に、調整おもり24の数(または質量)を増やすことで、基準の共振周波数より低い周波数に設定される他の一組の動吸振器15a、15cを滑車の回転中心部に対して対称に配置する。動吸振器15a、15cはおもりの質量が同一であり、動吸振器15b、15dはおもりの質量が同一であり、かつ、動吸振器15a、15cと動吸振器15b、15dのおもりの質量とも異なる。
すなわち、実施の形態1と同様に、1台の滑車内において、基準共振周波数よりも高い共振周波数の一組の動吸振器15を滑車の回転中心部に対して対称に配置すると共に、基準共振周波数よりも低い共振周波数の他の一組の動吸振器15を滑車の回転中心部に対して対称に配置することで、滑車の回転中心部に対して対称に配置するおもり18の質量を相対的に同じように設定するため、おもり質量の違いによる慣性力で生じる滑車の偏荷重を防止できるとともに、共振周波数が異なる動吸振器15の組み合わせにより、懸架手段4の経年変化による基準共振周波数の変化にも対応した制振効果が得られる。
一方、上記の構成例では、スポークの数が偶数の例を説明したが、実施の形態2と同様に、スポークの数が奇数で奇数の動吸振器の場合においても、それぞれのおもりの質量調整を行い、滑車に偏荷重が作用しないように共振周波数の異なる動吸振器の組み合わせを設置できる。
また、実施の形態3でも、図14に示すように、動吸振器15の板状部材37部分は板バネ17の代わりに、金属板を用い、弾性バネ35で支持された回転支点34を中心に回転する振り子式の構成に置き換えても良い。
以上、実施の形態3のエレベータ装置における滑車内の動吸振器によれば、滑車に偏荷重が作用することなく、一台の滑車に共振周波数の異なる動吸振器を予め設置することにより、制振対象とする基準共振周波数の経年変化に対応して制振性能を保つエレベータ装置が得られる。
実施の形態4.
図19に本発明の実施の形態4のエレベータ装置における滑車内の動吸振器の設置状態を示す。実施の形態4では、動吸振器15の板バネ17の板厚を変更することにより、動吸振器15の共振周波数の変動量が大きく調整できる。かつ、おもり18の設置位置を微調整することにより、動吸振器15の共振周波数を所定の値に設定できる。実施の形態4では、動吸振器15の板バネ17には長穴20が設けられており、おもり18の設置位置を調整可能となっている。
図19において、かご吊り滑車6には、懸架手段4の経年変化によって、生じると予測される制振対象とする基準共振周波数の変化に対して、板バネ17の板厚を変更した複数の動吸振器15a、15b、15c、15dを設置することにより、広い範囲の共振周波数の変動に対応できる。なお、最終的な周波数設定は、おもり18の位置の微調整によって実施する。実施の形態4では、おもり18の設置位置の調整量を少なくすることができるため、動吸振器により滑車に作用する慣性力の影響も小さい。
おもり18の設置位置の調整については、実施の形態1と同様に、おもり18を回転中心部側に設置した一組の動吸振器15a、15cを滑車の回転中心部に対して対称に配置すると共に、おもり18を外周部側に設置した他の一組の動吸振器15b、15dを滑車の回転中心部に対して対称に配置する。これにより、おもり18の設置位置による滑車への偏荷重を防止できる。
また、おもり18の設置位置の調整の代わりに、実施の形態3と同様に、おもり18の質量を調整しても同様の効果が得られる。
以上、実施の形態4のエレベータ装置における滑車内の動吸振器によれば、滑車に偏荷重が作用することなく、一台の滑車に共振周波数の異なる動吸振器を予め設置することにより、予測される制振対象とする基準共振周波数の経年変化に対応して制振性能を保つエレベータ装置が得られる。
実施の形態5.
図20は、本発明の実施の形態5のエレベータ装置における滑車内の動吸振器の設置状態を表す説明図である。実施の形態5では、実施の形態4と同様に、動吸振器15の板バネ17の板厚を変更することにより、動吸振器15の共振周波数の変動量を調整している。また、板バネ17に長穴は設置されておらず、特定の位置におもり18が固定される。経年変化による制振対象とする基準共振周波数の変化に対しては、板バネ17の板厚を変更した複数の動吸振器15a、15b、15c、15dを設置することで対応可能となる。
図20に示すように、滑車に動吸振器15a、15b、15c、15dのおもり18の設置位置を破線で示す滑車の回転中心部から同一距離上に配置し、かつ、全てのおもり18を同質量にしている。これにより、動吸振器により滑車に作用する慣性力が完全に打ち消され、滑車に偏荷重が作用することはない。なお、板バネ17の厚み差による質量差はおもりに比べて微量であるため、滑車に作用する偏荷重の影響は考慮しなくて良い。
したがって、実施の形態4の場合とは異なり、板厚のより厚い、またはより薄い板バネを有する動吸振器同士を必ずしも滑車の回転中心部に対して対称に配置する必要はなく、互いに隣接させて配置しても良い。例えば、図20に示す動吸振器の配置のように、動吸振器15aと15bの板バネの板厚がより厚く(太線で表示される17aと17b)、動吸振器15cと15dの板バネの板厚がより薄い(細線で表示される17cと17d)ような態様でも許容される。
以上、実施の形態5のエレベータ装置における滑車内の動吸振器では、おもりの設置位置の変動で生じる滑車の偏荷重を配慮せずに動吸振器を任意の位置に配置できるため、動吸振器の設置手段を簡素化することができる。同様に、滑車に偏荷重が作用することなく、一台の滑車に共振周波数の異なる動吸振器を予め設置することにより、予測される制振対象とする基準共振周波数の経年変化に対応して制振性能を保つエレベータ装置が得られる。
実施の形態6.
図21は、本発明の実施の形態6のエレベータ装置における滑車内の動吸振器の設置状態を表す説明図である。動吸振器は、上述の図14と同様に、弾性バネ35で支持された回転支点34を中心に回転する振り子式の構成となっている。
実施の形態5と同様に、実施の形態6では、滑車に動吸振器15a、15b、15c、15dのおもり18の設置位置を破線で示す滑車の回転中心部から同一距離に配置し、全てのおもり18を同質量にしている。
一方、実施の形態5では、動吸振器の板バネ17の板厚を変更することにより、動吸振器15の共振周波数の変動量を調整しているが、実施の形態6では、動吸振器に取り付ける弾性バネ35の剛性の強さを変えることにより、動吸振器15の共振周波数を変更している。
すなわち、図21において、滑車の回転中心部に対して対称に配置する一組の動吸振器15b、15dに取り付ける弾性バネ35b、35dをより強いバネ定数のものとするのに対して、他の一組の動吸振器15a、15cに取り付ける弾性バネ35a、35cを相対的に弱いバネ定数のものとする。
また、全てのおもり18を滑車の回転中心部から同一距離に配置しているため、動吸振器により滑車に作用する慣性力を完全に打ち消し、滑車に偏荷重が作用することはない。したがって、弾性バネの剛性がより強い、またはより弱い動吸振器同士が必ずしも滑車の回転中心部に対して対称に配置する必要はなく、隣接に配置しても良い。
以上、実施の形態6のエレベータ装置における滑車内の動吸振器では、おもりの設置位置の変動で生じる滑車の偏荷重を配慮せずに動吸振器を配置することができるため、動吸振器の設置手段を簡素化することができる。同様に、滑車に偏荷重が作用することなく、一台の滑車に共振周波数の異なる動吸振器を予め設置することにより、予測される制振対象とする基準共振周波数の経年変化に対応して制振性能を保つエレベータ装置が得られる。
実施の形態7.
図22は、本発明の実施の形態7のエレベータ装置における滑車内の動吸振器の設置状態を表す説明図である。実施の形態7では、図21に示す実施の形態6と同様に、動吸振器が回転支点34を中心に回転する振り子式の構成となっている。また、図21に示す実施の形態6と同様に、動吸振器15a、15b、15c、15dのおもり位置を破線で示す滑車の回転中心部から同一距離に配置し、全てのおもり18を同質量にしている。
一方、実施の形態6とは異なり、実施の形態7では、バネ35は全て同じバネ定数とし、回転支点34に対してバネ35を径方向に離れた位置に変えることにより、動吸振器15の共振周波数を変更している。
すなわち、図22において、動吸振器15a、15cのバネの固定位置をより外周部側に、動吸振器15b、15dのバネの固定位置をより回転中心部側に配置している。
また、全てのおもり18が滑車の回転中心部から同一距離に配置されているため、動吸振器により滑車に作用する慣性力が完全に打ち消され、滑車に偏荷重が作用することはない。
以上、実施の形態7のエレベータ装置における滑車内の動吸振器では、おもりの設置位置の変動で生じる滑車の偏荷重を配慮せずに動吸振器を配置することができるため、動吸振器の設置手段を簡素化することができる。同様に、滑車に偏荷重が作用することなく、一台の滑車に共振周波数の異なる動吸振器を予め設置することにより、予測される制振対象とする基準共振周波数の経年変化に対応して制振性能を保つエレベータ装置が得られる。
実施の形態8.
図23は、本発明の実施の形態8のエレベータ装置における滑車内の動吸振器の設置状態を表す説明図である。実施の形態8では、滑車の中心部における動吸振器15の取り付け態様が、ほかの実施の形態とは異なる。滑車の回転中心部11に動吸振器15を取り付けるスペースが限られるため、設置が困難となる場合があり得る。この場合、回転中心部11に板バネ17の一端を固定する代わりに、スポーク13の回転中心部側の部位に取付板25を設置し、取付板25を介して板バネ17の一端を固定する。板バネ17は外周部方向に伸長する自由端をなし、滑車の回転方向に弾性を有する。板バネ17の固定端から自由端に至るいずれかの位置におもりが固定され、滑車の回転方向に振動できる。
以上、実施の形態8のエレベータ装置における滑車内の動吸振器によっても、限られた滑車の回転中心部11のスペースに影響を受けずに、動吸振器を設置することができる。同様に、滑車に偏荷重が作用することなく、一台の滑車に共振周波数の異なる動吸振器を予め設置することにより、予測される制振対象とする基準共振周波数の経年変化に対応して制振性能を保つエレベータ装置が得られる。
1 昇降路、2 かご、3 釣合おもり、4 懸架手段、5 綱車、6 かご吊り滑車、7 かご吊り滑車、8 釣合おもり吊り滑車、9 かご側綱止め、10 釣合おもり側綱止め、11 回転中心部、12 外周部、13 スポーク、14 空隙、15 動吸振器、16 取付板、17 板バネ、18 おもり、19 ボルト、20 長穴、21 ボルト、22 ナット、23 ネジ穴、24 調整おもり、25 取付板、26 かご返し滑車、27 釣合おもり返し滑車、28 ボルト、29 ナット、30 ボルト、31 ネジ穴、32 ボルト、33 ナット、34 回転支点、35 バネ、36 調整質量、37 板状部材、38 第1の距離、39 第2の距離

Claims (14)

  1. 昇降路内を昇降するかごと、
    前記昇降路内に配置され、前記かごと連動して昇降する釣合おもりと、
    前記かごと前記釣合おもりとを吊り下げる懸架手段と、
    前記懸架手段が巻掛けられ、回転中心部と、前記回転中心部から径方向に伸長する複数のスポークと、前記スポークによって支持される外周部と、をそれぞれ有する、前記かごに搭載されるかご吊り滑車、および、前記釣合おもりに搭載される釣合おもり吊り滑車と、
    前記かご吊り滑車と前記釣合おもり吊り滑車の少なくとも一つの滑車における前記スポーク間に配置され、一端が前記滑車の回転中心部に固定される固定端をなし、他端が径方向に伸長する自由端をなし前記滑車の回転方向に弾性を有する板状部材からなり、前記板状部材の固定端から自由端に至るいずれかの位置におもりが固定され、前記滑車の回転方向に振動可能な動吸振器と、
    を備えるエレベータ装置。
  2. 前記動吸振器の前記板状部材は、片持ち支持の板バネが用いられることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. 前記板バネは、前記滑車の回転中心部に取り付ける取付板と一体であることを特徴とする請求項2に記載のエレベータ装置。
  4. 前記動吸振器は、前記板状部材の固定端の円周方向に沿った両側に弾性バネが取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  5. 前記滑車のうち少なくとも一つが円周方向に等間隔に設けられた偶数個の前記スポークと前記スポーク間で等間隔に配置された前記動吸振器を有し、前記複数の動吸振器のうち前記回転中心部に対して対称に配置された一組の前記動吸振器の共振周波数が前記滑車の基準共振周波数に対して増加するように調整され、他の一組の前記動吸振器の共振周波数が前記基準共振周波数に対して減少するように調整されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のエレベータ装置。
  6. 前記滑車のうち少なくとも一つが円周方向に等間隔に設けられた5以上で奇数個の前記スポークと前記スポーク間で等間隔に配置された前記動吸振器を有し、前記複数の動吸振器のうち、一つの前記動吸振器の共振周波数が前記滑車の基準共振周波数に対して増加、前記一つの前記動吸振器の円周方向の両側に隣接する2つの前記動吸振器からなる一組の前記動吸振器の共振周波数が前記基準共振周波数に対して減少、前記一つの前記動吸振器が前記回転中心部に対して対向する位置に隣接する他の2つの前記動吸振器からなる他の一組の動吸振器の共振周波数が前記基準共振周波数に対して増加するようにそれぞれ調整されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のエレベータ装置。
  7. 前記一組の動吸振器のおもりが前記回転中心部からそれぞれ第1の距離に設置され、前記他の一組の動吸振器のおもりが前記回転中心部からそれぞれ第2の距離に設置され、前記第1の距離と前記第2の距離は異なることを特徴とする請求項5に記載のエレベータ装置。
  8. 前記スポーク数が5個である前記滑車における、前記スポーク間に配置される5つの前記動吸振器のうち一つの前記動吸振器の前記おもりの設置位置を、前記基準共振周波数に対する前記おもりの設置位置をL、前記Lに対する移動量をΔLとした場合に、
    前記回転中心部からL+ΔLとし、かつ、
    前記一つの前記動吸振器に隣接する2つの前記動吸振器の前記おもりの設置を前記回転中心部からL−(1/2)×ΔLとし、
    前記一つの前記動吸振器と前記回転中心部に対して対向する位置に隣接する他の2つの前記動吸振器の前記おもりの前記設置位置は前記回転中心部からLとすることを特徴とする請求項6に記載のエレベータ装置。
  9. 前記滑車の外周部側に調整質量を配置することにより、滑車の偏荷重を打ち消すことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のエレベータ装置。
  10. 前記滑車における複数の前記動吸振器の前記おもりが前記回転中心部から同一距離に配置され、前記一組の動吸振器のおもりの質量が同一であり、前記他の一組の動吸振器のおもりの質量が同一で、かつ、前記一組の動吸振器のおもりの質量とは異なることを特徴とする請求項5に記載のエレベータ装置。
  11. 前記板バネの板厚が互いに異なる動吸振器が含まれること特徴とする請求項2に記載のエレベータ装置。
  12. 前記弾性バネの剛性が互いに異なる動吸振器が含まれること特徴とする請求項4に記載のエレベータ装置。
  13. 前記滑車における複数の前記動吸振器の前記弾性バネが前記回転中心部からの固定位置を異ならせることを特徴とする請求項4に記載のエレベータ装置。
  14. 昇降路内を昇降するかごと、
    前記昇降路内に配置され、前記かごと連動して昇降する釣合おもりと、
    前記かごと前記釣合おもりとを吊り下げる懸架手段と、
    前記懸架手段を巻掛け、回転中心部と、前記回転中心部から径方向に伸長する複数のスポークと、前記スポークによって支持される外周部と、をそれぞれ有する、前記かごに搭載されるかご吊り滑車、および、前記釣合おもりに搭載される釣合おもり吊り滑車と、
    前記かご吊り滑車と前記釣合おもり吊り滑車の少なくとも一つの滑車における前記スポーク間に配置され、一端が前記スポークの前記回転中心部側の部位に取り付けられる固定端をなし、他端が前記外周部方向に伸長する自由端をなし前記滑車の回転方向に弾性を有する板状部材からなり、前記板状部材の固定端から自由端に至るいずれかの位置におもりが固定され、前記滑車の回転方向に振動可能な動吸振器と、
    を備えるエレベータ装置。
JP2019501736A 2018-07-26 2018-07-26 エレベータ装置 Expired - Fee Related JP6525369B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2018/028056 WO2020021671A1 (ja) 2018-07-26 2018-07-26 エレベータ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6525369B1 JP6525369B1 (ja) 2019-06-05
JPWO2020021671A1 true JPWO2020021671A1 (ja) 2020-08-06

Family

ID=66730621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019501736A Expired - Fee Related JP6525369B1 (ja) 2018-07-26 2018-07-26 エレベータ装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6525369B1 (ja)
WO (1) WO2020021671A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112591585A (zh) * 2020-11-24 2021-04-02 日立电梯(中国)有限公司 一种直角开门轿底架配重安装结构

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61149635A (ja) * 1984-12-21 1986-07-08 Hitachi Ltd 内燃機関用クランクプ−リ
JPS6421894U (ja) * 1987-07-31 1989-02-03
DE4340293C2 (de) * 1993-11-26 1996-05-23 Freudenberg Carl Fa Drehschwingungstilger
JP3664615B2 (ja) * 1999-07-26 2005-06-29 本田技研工業株式会社 バランスウェイト取り付け構造及び取り付け方法
JP4522530B2 (ja) * 2000-03-31 2010-08-11 三菱電機株式会社 回転体の動吸振装置及び同装置を用いたエレベータ
JP2013107755A (ja) * 2011-11-22 2013-06-06 Mitsubishi Electric Corp エレベータ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6525369B1 (ja) 2019-06-05
WO2020021671A1 (ja) 2020-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1727764B1 (en) Balancing apparatus for elevator
KR101835237B1 (ko) 현수식 엘리베이터
JP2013095570A (ja) 制振装置を備えたエレベーター
KR101169011B1 (ko) 엘리베이터 시스템 및 흔들림 제어방법
JP3428042B2 (ja) エレベータの振動防止装置
JP5636193B2 (ja) ダブルデッキエレベーター
JP2006513942A (ja) エレベータ
JP2000086123A (ja) エレベータ装置
JP6525369B1 (ja) エレベータ装置
CN107021406B (zh) 电梯装置
JP2015174719A (ja) エレベーター及びそれに用いるコンペンプーリ
JP2016204089A (ja) エレベーター
JP2015105154A (ja) エレベータ
JP2003118949A (ja) エレベータ装置
JP2760676B2 (ja) 高速エレベータ
JPWO2005080250A1 (ja) 機械室レスエレベータ
EP1604937B1 (en) Elevator rope holding structure
JPWO2006021996A1 (ja) エレベータ装置
JP5285583B2 (ja) エレベータ乗りかご用縦振動抑制装置
WO2013088507A1 (ja) アクティブ動減衰器およびエレベータの振動制御方法
JP2001247263A (ja) エレベータの振動抑制装置
JP2001280412A (ja) 回転体の動吸振装置及び同装置を用いたエレベータ
JPH04144891A (ja) エレベータ
CN110709343A (zh) 电梯用主绳索止振装置
JP6767680B2 (ja) エレベータ用釣合い錘及びそれを備えるエレベータ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190111

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190111

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190111

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6525369

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees