JPWO2020017326A1 - 樹脂凹版印刷版、その製造方法および印刷方法 - Google Patents

樹脂凹版印刷版、その製造方法および印刷方法 Download PDF

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Abstract

画像部端部の直線性が優れた印刷物を得ることができる、樹脂凹版印刷版および樹脂凹版印刷版の製造方法を提供することを課題とするものであり、印刷版の表面に、網点を有する画像部が形成された樹脂凹版印刷版であって、画像部端部と画像部端部の最も近傍に位置する網点との最小距離が20μm以上300μm以下である樹脂凹版印刷版であることを本旨とする。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂凹版印刷版に関する。
凹版印刷版を用いるパッド印刷は、版面上にインクを載せ、金属製のドクター刃で掻き取ること、もしくは、ドクター刃の役割をするリング状のセラミックス製または特殊金属製エッジ付きインクカップの中にインクを入れて版面上をインクカップで掻き取ることによって、凹版印刷版の凹部にインクを充填し、そのインクをシリコーンゴムなどの柔軟なパッド面に転写させ、該パッドのインク付着面を被印刷体に圧着することによって印刷するオフセット印刷の一種である。また、凹版印刷版はグラビア印刷にも使用されている。(例えば特許文献1)。
通常、凹版印刷版は、凹部の深度、形状が印刷物の外観に大きく影響を与える。凹部の深度調節は、感光性樹脂印刷版原版上にポジティブの原画フィルムを密着させ、紫外線照射させた後、網点スクリーンフィルムを密着させ、紫外線照射することによって、凹部に網点を形成して凹部の深さが適切になるように調整するのが一般的である。
特開平5−165200号公報
ところで、上記網点スクリーンを用いた方法で凹部の深度調節を行うと、ある確率で原画フィルムの画像部端部に、網点スクリーンの網点が重なるため、それによって画像部端部の直線性が悪化する不具合が発生していた。
そこで、本発明は、画像部端部の直線性が優れた印刷物を得ることができる、樹脂凹版印刷版および樹脂凹版印刷版の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、版材の表面に網点を有する画像部が形成された樹脂凹版印刷版であって、画像部端部と画像部端部の最も近傍に位置する網点との最小距離が20μm以上300μm以下である樹脂凹版印刷版である。
また本発明は、感光性樹脂印刷版原版に、露光工程および現像工程をこの順に行う、樹脂凹版印刷版を製造する方法であって、前記露光工程が、原画部と該原画部の内側に網点とを有する原画フィルムを用いて行う工程を含む、樹脂凹版印刷版の製造方法である。
また本発明は、版材の表面に、網点を有する画像部が形成された樹脂凹版印刷版を用いて印刷する印刷方法であって、画像部端部との距離が20μm以下となる領域以外の領域に網点を形成する工程と、前記画像部に記録材を充填する充填工程と、前記画像部に充填された記録材を転写体に転写する第1転写工程と、前記転写体に転写された記録材を被印刷物に転写し印刷物を形成する第2転写工程とを有することを特徴とする印刷方法である。
本発明に係る樹脂凹版印刷版を用いることにより、画像部端部の直線性に優れた印刷物を提供することができる。
画像部端部と画像部端部の最も近傍に位置する網点との最小距離を示す模式図。 印刷物の画像部端部の写真。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明において、画像部端部とは、樹脂凹版印刷版に形成された画像部の最も外側の部分を指す。具体的には図1で示すように、画像部4と非画像部3との境界線のことである。
本発明に係る樹脂凹版印刷版は、画像部端部と画像部端部の最も近傍に位置する網点との最小距離が20μm以上300μm以下であることが必要である。最小距離は、光学顕微鏡であるデジタルマイクロスコープ“VHX−2000”((株)キーエンス製)を用い、レンズZ250、倍率250倍の条件で測定する。画像部端部の最も近傍に位置する網点、すなわち画像部4と非画像部3との境界線から最も近い網点は、光学顕微鏡で測定する際に画面上に映し出される網点のうち、画像部端部(画像部4と非画像部3との境界線)と網点との距離が最も小さい網点のことをいう。ここで、画像部端部と網点との最小距離は、図1で示す網点1の円周上の点Pと画像部端部の点Qとを結んだ直線PQの距離dのことである。具体的には、網点1の円周上の点Pの接線2を引き、直線PQと点Pについての接線との角度が90°となり、かつ、直線PQと画像部端部との角度が90°となる直線PQの距離を測定することで求めることができる。
すなわち、本発明においては網点が画像部端部から20μm以内の領域には存在しておらず、かつ画像部端部から300μm以上の範囲の領域には網点が必ず存在している。また隣接する、すなわち最も近い網点までの距離は好ましくは60μm〜170μmである。
画像部端部と画像部端部の最も近傍に位置する網点との最小距離dは、画像部端部の直線性を良好にする観点から、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上である。また、画像部の深度を変え、印刷時のインク量を調整する観点から、最小距離dは好ましくは300μm以下であり、より好ましくは150μm以下、さらに好ましくは80μm以下である。
画像部内に存在する網点は、画像部の深度を変え、印刷時のインク量を調整することが可能となる観点から、その直径が、好ましくは5.0μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。画像部端部の直線性を向上させることができる観点から、網点の直径は、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは40μm以下である。
また、樹脂凹版印刷版の画像部に設けられた印刷版の表面と、印刷版面に設けられた凹部のうち、網点間に存在する凹部の最深部との高低差が10〜40μmであることが好ましい。ここで最深部は、画像部内の画像端部を除いた部分における最深部と定義する。10μm以上であることで、インクの転移量が十分な濃度となり、印刷した際にかすれのない直線性の良い印刷物を得ることができ、40μm以下であることで、印刷物が滲むことによる直線性の悪化を防止することができる。印刷版の表面と凹部の最深部との高低差はレーザー顕微鏡“VK−X250”((株)キーエンス製)を用い、倍率20倍で観察し、測定する。高低差は、紫外線照射時間、ポジフィルムの網点直径や網点面積割合などで調整することができる。
本発明の樹脂凹版印刷版を構成する感光性樹脂組成物に含まれる、バインダーポリマーは(A)脂肪族環を分子主鎖に有するポリアミド、前記一般式(1)で表される骨格を有するポリアミドおよび炭素数8以上のメチレン鎖を有するポリアミドの中から選択される少なくとも1つ以上のポリアミド(以下、「ポリアミド(A)」という。)を用いることが好ましく、固体状態での形態を保持するための担体樹脂としての機能を有する。また、ポリアミド(A)は、感光性樹脂層へ低級アルコールを含む溶液による現像性を付与するために使用される。また、バインダーポリマーとして他のポリマーを併用することができる。
ポリアミド(A)は水に不溶のため、ポリアミド(A)を含有する感光性樹脂組成物から得られた印刷版は、高湿度の環境下で使用しても水による影響を受けず、良好な耐摩耗性を有する。
ポリアミド(A)の数平均分子量は10,000〜1,000,000であることが好ましい。10,000以上であることで、感光性樹脂組成物を固体状態での形態を保持するための担体樹脂としての機能を有し、1,000,000以下であることで、感光性樹脂層を画像様に紫外光で露光し、選択的に硬化させて、未硬化部を現像で除去する際に、低級アルコールを含む現像液で速やかに除去することが可能となる。なお、低級アルコールとは分子内に炭素数が5つ以下であるアルコールを言う。ポリアミド(A)の数平均分子量は、より好ましくは2,000以上、さらに好ましくは30,000以上、またより好ましくは1,000,000以下、さらに好ましくは200,000以下であるとよい。本明細書において、ポリアミド(A)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の数平均分子量にすることができる。
ポリアミド(A)の含有量は、感光性樹脂組成物の20〜80質量%含まれることが好ましい。20質量%以上含有することで、溶媒を除去した際の感光性樹脂組成物を固形状態にして形態を保持することが可能となる。また、80質量%以下含有することでレリーフ画像の形成が容易となる。ポリアミド(A)の含有量は、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であるとよい。またポリアミド(A)の含有量は、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下であるとよい。
ポリアミド(A)において、脂肪族環を分子主鎖に有するポリアミドは、ポリアミドを重合する際に、脂肪族環を有するジアミンおよび/またはジカルボン酸ならびにその誘導体を共縮重合することによって得ることができる。脂肪族環として、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環式化合物が挙げられる。ポリアミド(A)は、これら脂環式化合物の2価の残基を分子主鎖に有する。なかでもシクロヘキサンの残基が好ましく、例えば4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンアジペート骨格残基を有するポリアミド(A)が好ましい。
このようなポリアミドとしては、例えば、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンアジピン酸塩を少なくとも含む重縮合物が知られている。また特許文献1に示すような4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンアジピン酸塩と、ε−カプロラクタム、ヘキサメチレンジアンモニウムアジピン酸塩との共重縮合物が知られている。 これら脂肪族環を含有する単量体成分は、全ポリアミド構成成分、すなわちアミノカルボン酸単位(原料としてラクタムの場合を含む)、ジカルボン酸単位およびジアミン単位の和100モル%に対して、10〜100モル%であることが好ましく、10〜80モル%であることがより好ましい。これら脂肪族環を含有する単量体成分の含有量が10モル%以上であると、感光性樹脂組成物を感光性樹脂層としたときの低級アルコールに対する溶解性が向上する。その結果、感光性樹脂層を画像様に紫外光で露光し、選択的に硬化させて、未硬化部を現像で除去する際に、低級アルコールを含む現像液で速やかに除去することが可能となる。80モル%以下であると、結晶性ポリマーとしての耐薬品性が良好に維持される。
またポリアミド(A)の別の例は、分子主鎖に脂肪族環を有しまたは有さずに、下記の一般式(1)で表される骨格を有する。
Figure 2020017326
前記一般式(1)で表される骨格を有するポリアミド(A)は、ポリアミドのアミド結合の水素とホルムアルデヒドとメタノールを反応させ、アミド結合をN−メトキシメチル化することで得ることができる。
また、分子中のアミド結合の水素は10〜50%をメトキシメチル化することが好ましい。メトキシメチル化を10%以上とすることで、低級アルコールによる溶解性が高くなるため、感光性樹脂層を画像様に紫外光で露光し、選択的に硬化させて、未硬化部を現像で除去する際に、低級アルコールを含む現像液で速やかに除去することができる。また、メトキシメチル化を50%以下とすることで、ポリマーの耐摩耗性を保持できる。アミド結合の水素のメトキシメチル化は、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上であるとよい。またメトキシメチル化は、より好ましくは80%以下、さらに好ましくは70%以下であるとよい。なお、アミド結合の水素のメトキシメチル化率は、ホルムアミドとメタノールの添加量、反応温度、反応時間により制御することが可能である。
このようなポリアミドとしては、たとえば、6−ナイロンのアミド結合の30%が前記一般式(1)で表される骨格に変性された、数平均分子量が40,000である“トレジン”(登録商標) MF−30(ナガセケムテックス株式会社製)が挙げられる。
またポリアミド(A)として、脂肪族環を分子主鎖に有するポリアミドと前記一般式(1)で表される骨格を有するポリアミドを混合して使用することも可能である。
さらに、ポリアミド(A)の別の例は、炭素数8以上のメチレン鎖を有するポリアミドを挙げることができる。例えばナイロン6、ナイロン66にナイロン610、ナイロン11、ナイロン12等の炭素数8以上のメチレン鎖を有するモノマーを共重合させたいわゆる共重合体ナイロンを用いることも可能である。炭素数8以上のメチレン鎖を有するモノマーをポリアミド中のモノマーの重量比率で15〜60重量%含むことで低級アルコールに溶解可能となる。また、メチレン鎖の炭素数が8以上のとき低級アルコールに溶解可能となるため好ましく、炭素数が12以下のとき経済的に有利であるため好ましい。このような炭素数8以上のメチレン鎖を有するポリアミドとしては、例えば、ナイロン6/66/610/12を共重合した“アミラン”(登録商標)CM8000(東レ株式会社製)が挙げられる。
また、ポリアミド(A)として、炭素数8以上のメチレン鎖を有するポリアミドに、脂肪族環を分子主鎖に有するポリアミドおよび/または一般式(1)で表せる骨格を有するポリアミドを混合して使用することも可能である。
感光性樹脂組成物に使用される(B)エチレン性二重結合含有化合物の具体的な例としては、国際公開第2018/−123773号に記載されているような、エチレン性二重結合を1個だけ有する化合物(B−1)や、エチレン性二重結合と活性水素を持つ化合物とを付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、不飽和エポキシ化合物と活性水素を有する化合物とを付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、多価(メタ)アクリルアミドおよび多価ビニル化合物などの2つ以上のエチレン性二重結合を有する化合物(B−2)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。感光性樹脂組成物は、エチレン性二重結合を有する化合物を含有する。
好ましく使用される(B)エチレン性二重結合含有化合物として具体的な例としては、次のようなものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、ネオペンチルグリコール−(メタ)アクリル酸−安息香酸エステル、(メタ)アクリロイルモルフォリン、スチレン及びその誘導体、ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、N−フェニルマレイミド及びその誘導体、N−(メタ)アクリルオキシコハク酸イミド、(メタ)アクリル酸−2−ナフチル、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素、ビニルカプロラクタム、ビニルカルバゾル、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、(2−メチル−エチルジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、イミドアクリレート、(2−オキシ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−(オキシジイミダゾリジン−1−イル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、2、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのエチレン性二重結合を1個だけ有する化合物、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコールなどのエチレン性二重結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどの多価(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼンなどの多価ビニル化合物、などの2つ以上のエチレン性二重結合を有する化合物、などが挙げられる。
これらのエチレン性二重結合含有化合物のうち、1つ以上の水酸基を有するものが好ましい。そのような化合物は、ポリアミド(A)との相溶性がよく、また、抽出水のpHが5.5〜8.5の範囲の無機微粒子(D)の分散性も良好となり感光性樹脂組成物に配合した際に、均一な組成物の作製が可能である。このような(B)エチレン性二重結合含有化合物としては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、[4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
さらに、2つ以上の水酸基を有する(B)エチレン性二重結合含有化合物がより好ましい。そのような化合物は、水酸基の水素結合により、パッド印刷に用いられるインクの有機溶剤による樹脂凹版印刷版の膨潤を抑制できる。このような化合物としては、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。
これら(B)エチレン性二重結合含有化合物の含有量はポリアミド(A)100質量部に対して、5〜200質量部であることが好ましい。5質量部以上であると、インクを用いて印刷する際に、印刷版が膨潤することなく使用することができ、200質量部以下であると感光性樹脂組成物の成形が容易となるため好ましい。(B)エチレン性二重結合含有化合物は、ポリアミド(A)100質量部に対しより好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上含有するとよい。また(B)エチレン性二重結合含有化合物の含有量は、より好ましくは150質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下であるとよい。
(B)エチレン性二重結合含有化合物は、アクリロイル基とメタアクリロイル基の両方を含む場合が好ましく、(B)エチレン性二重結合含有化合物におけるメタアクリロイル基の数がアクリロイル基の数よりも多いことが好ましい。一般に、メタアクリロイル基は、アクリロイル基よりも反応速度が遅い。そのため、ポジフィルムを介して紫外線照射した場合、メタアクリロイル基の数が多いと、レリーフの凹部が深くなるため、300線90%などの網点スクリーンフィルムを密着させ、紫外線照射し、形成したスクリーン目により、凹部の深度調整が容易となる。
感光性樹脂組成物に用いられる(C)光重合開始剤としては、光によって重合性の炭素−炭素不飽和基を重合させることができるものであれば全て使用できる。なかでも、光吸収によって、自己分解や水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ましく用いられる。(C)光重合開始剤として例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類などがある。
(C)光重合開始剤の配合量としては、ポリアミド(A)100質量部に対して0.1〜20質量部の範囲が好ましい。0.1質量部以上であればレリーフ画像の形成性が向上し、20質量部以下であれば光重合開始剤の析出を抑制することが可能となる。(C)光重合開始剤の配合量は、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であるとよい。また(C)光重合開始剤の配合量は、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは8質量部以下であるとよい。
また、本発明の感光性樹脂凹版印刷版において、耐摩耗性に優れかつパッド印刷機のブレードでスキージした際の版表面のインクの掻き取り性を向上させる目的で、感光性樹脂組成物に無機微粒子(D)を配合してもよい。好ましい無機微粒子としては、平均粒子径が0.5μm以上4μm以下であって、真球度が0.90以上の無機微粒子をあげることができる。
無機微粒子(D)は、平均粒子径が0.5μm以上であることで、パッド印刷機のブレードした際の耐摩耗性を確保でき、4μm以下であることで、パッド印刷機のブレードで版表面のインクを掻き取ることができる。無機微粒子(D)の平均粒子径は、好ましくは0.8μm以上、より好ましくは1.0μm以上であるとよい。また平均粒子径は、好ましくは4.0μm以下、より好ましくは3.0μm以下であるとよい。さらに、無機微粒子(D)の真球度が0.90以上、好ましくは0.90〜1.0であることで、印刷版の表面粗さが小さくなるため、さらに良好なインクの掻き取り性を達成できる。なお、本発明において、無機微粒子(D)の平均粒子径とは、レーザー回折散乱法で測定したメジアン径である。また真球度とは、走査型電子顕微鏡により、無機微粒子(D)50個の形状観察を行い、個々の無機微粒子の最短径/最長径の比率を求め、50個の相加平均値としたものである。
このような無機微粒子(D)としては、金属単体無機微粒子、無機酸化物粒子、無機塩無機微粒子、有機成分および無機成分で構成される無機微粒子などが挙げられる。このうち、感光性樹脂組成物に光を照射し、光硬化させる際の紫外光の散乱を抑制する観点から、感光性樹脂組成物に含まれる有機成分である(A)ポリアミド、(B)エチレン性二重結合を有する化合物、(C)光重合開始剤および界面活性剤との屈折率が比較的近いシリカ粒子が好ましい。さらに、安全に取り扱うことという観点から非晶質シリカがより好ましい。一方、ブレードで版面を掻き取る際の耐摩耗性を向上させるためには、シリカ粒子よりもビッカース硬度の大きいアルミナを用いることでき、シリカ粒子とアルミナを混合して使用することも可能である。
このような真球度が0.90以上の非晶質シリカおよびアルミナの製造方法としては、特に限定されるものではないが、特開昭58−145613号公報および特開2006−36915号公報に示すように、シリカ粒子またはアルミナ粒子を火炎中で溶融する方法、特開2006−36915号公報に示すように、VMC(Vaperized Metal Combustion)法により、シリコン粉末または金属アルミニウムを燃焼して製造する方法などが知られている。
無機微粒子(D)は比表面積が10m/g以下であることが好ましい。10m/g以下であると、感光性樹脂組成物のレベリング性が良好で、平坦な版面の形成が容易となる。無機微粒子(D)の比表面積は、より好ましくは9m/g以下、さらに好ましくは8m/g以下であるとよい。本明細書において、無機微粒子(D)の比表面積は、JIS Z8830:2013に記載された方法に基づき測定することができる。
一方、無機微粒子(D)は最大粒子径が好ましくは20.0μm以下である。最大粒子径が20.0μm以下である場合は、パッド印刷機のブレードでスキージした際のインク残りが低減される。無機微粒子(D)の最大粒子径はより好ましくは、10.0μm以下である。なお、最大粒子径は無機微粒子を該当する大きさの篩を通過させることで設定した。
さらに、無機微粒子(D)は抽出水のpHが5.5〜8.5の範囲に含まれることが好ましい。この範囲であることで、本発明で用いるその他の成分への分散性が良好で、無機微粒子の凝集が抑制される。抽出水のpHは6.0〜8.0の範囲に含まれることがより好ましい。また、樹脂凹版印刷版原版またはパッド印刷版原版に用いられる感光性樹脂組成物を作製する際に、保管中に無機微粒子(D)が沈降し、凝集しても、静電引力が小さいために攪拌などで再分散が容易であり、取り扱い性に優れる。無機微粒子(D)の抽出水のpHは、無機微粒子の粉末を蒸留水に10質量%混合し、30分間攪拌した後の上澄み水をpHメーターで測定することができる。なお、無機微粒子のpHは活性抑制剤を無機微粒子が有する活性な水酸基に作用させることで調整することができる。活性抑制剤の例としては、有機フォスフィン化合物、スルフィド化合物、メルカプタン化合物、ケトン化合物、およびアミド化合物から選ばれる一種以上を用いればよいがこの限りではない。なお、これら活性抑制剤は無機微粒子(D)と混合し、90〜180℃の温度で、4〜24時間加熱して用いることができる。
このような無機微粒子(D)を用いると、ポリアミド(A)、(B)エチレン性二重結合を有する化合物と配合した際に、無機微粒子(D)の凝集、再凝集が抑制され、パッド印刷機のブレードで版表面のインクを良好に掻き取れる。
無機微粒子(D)は、耐摩耗性を付与するために、感光性樹脂組成物に3質量%以上含まれることが好ましく、感光性樹脂層の形成を可能とするため70質量%以下とすることが好ましい。無機微粒子(D)の含有量は、より好ましくは8質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上30質量%以下であるとよい。
無機微粒子(D)の表面に、表面修飾剤を用いてエチレン性二重結合を導入することも可能である。このような修飾剤としては、例えば、(3−アクロイルプロピル)トリメトキシシラン、メタクロイルプロピルトリメトキシシラン、メタクロイルプロピルトリエトキシシラン、メタクロイルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクロイルオキシメチルトリメトキシシランなどが挙げられるが、この限りではない。無機微粒子(D)にエチレン性二重結合を表面修飾することにより、ポリアミド(A)、(B)エチレン性二重結合を有する化合物に混合するとき分散性が良好となり凝集、再凝集を抑制することができる。
感光性樹脂組成物には、相溶性、柔軟性を高めるための相溶助剤としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン及びその誘導体、トリメチロールプロパン及びその誘導体、トリメチロールエタンおよびその誘導体、ペンタエリスリトールおよびその誘導体などの多価アルコール類を添加することも可能である。これらの多価アルコールは、感光性樹脂組成物全体に対して、30質量%以下を添加することか好ましい。特に相溶性が向上することで、樹脂組成物の濁り、低分子量成分のブリードアウトを抑制できる。
また、感光性樹脂組成物を用いた感光性樹脂印刷版原版より形成される樹脂凹版印刷版において、形状が良好な凹部を形成するために、感光性樹脂層中での光の散乱を抑制する目的で紫外線吸収剤を配合してもよい。好ましい紫外吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系の化合物が挙げられ、これらを1種類以上使用することが可能である。なお、紫外線吸収剤の配合量は、全感光性樹脂組成物に対して、0.001〜5質量%の範囲で使用することが好ましい。
さらに、感光性樹脂組成物の熱安定性を高くするために、従来公知の(E)重合禁止剤を添加することができる。好ましい(E)重合禁止剤としては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類、N−ニトロソアミン誘導体などが挙げられる。これらの配合量は、全感光性樹脂組成物に対して、0.001〜5の範囲で使用することが好ましい。
また、感光性樹脂組成物には他の成分として、有機溶剤、染料、顔料、界面活性剤、消泡剤、香料などを添加することができる。
次に感光性樹脂積層体について説明する。
感光性樹脂積層体は、少なくとも支持体(F)上に、接着層(G)、感光性樹脂組成物より形成された層、および保護層がこの順に積層されている。そして、感光性樹脂印刷版原版は、当該感光性樹脂積層体を用いて形成される。すなわち、感光性樹脂印刷版原版は、少なくとも支持体上(F)に、接着層(G)、感光性樹脂組成物より形成される感光性樹脂層(H)、保護層が順次積層されてなる。
支持体(F)としては、ポリエステルなどのプラスチックシートやスチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴムシート、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属板を使用することができるが、パッド印刷では特に、版面上にインクを載せ、金属製のドクター刃で掻き取るため、もしくは、ドクター刃の役割をするリング状のセラミックス製または特殊金属製エッジ付きインクカップの中にインクを入れて版面上をインクカップで掻き取るため、掻き取る際の力で支持体が変形しないよう金属板を用いることが好ましい。
支持体(F)の形状は板、ロールなどを使用することができるが、印刷方法によって適宜選択することが好ましい。
支持体(F)の厚さは特に限定されないが、取扱性の観点から100〜500μmの範囲が好ましい。100μm以上であれば支持体が変形することが抑制され、500μm以下であれば取り扱い性が向上する。
支持体(F)は、感光性樹脂層(H)との接着性を向上させる目的で、易接着処理されていることが好ましい。易接着処理の方法としては、サンドブラストなどの機械的処理、コロナ放電などの物理的処理、コーティングなどによる化学的処理などが例示できるが、コーティングにより接着層(G)を設けることが接着性の観点から好ましい。
接着層(G)は、支持体(F)および感光性樹脂層(H)の接着性を向上させるものであれば特に制限されない。接着層(G)は、好ましくは感光性樹脂層(H)に含まれる構成単位のうち少なくとも一部分を含有することにより、さらに接着性が向上する。このような共通する構成単位として、低級アルコールを含む溶液に可溶性を有する高分子化合物が例示される。また可溶性高分子化合物として、ε−カプロラクタムの単位を含むポリアミド樹脂を好ましく挙げることができる
感光性樹脂層(H)は、上記の感光性樹脂組成物より形成される。感光性樹脂層(H)の厚さは、十分なレリーフ深度を有し印刷適性を向上させる観点から、0.01mm以上が好ましく、0.02mm以上がより好ましい。一方、感光性樹脂層(H)の厚さはコスト、省資源の観点から1mm以下が好ましく、0.7mm以下がより好ましい。
感光性樹脂印刷版原版は、表面保護、異物等の付着防止の観点から、感光性樹脂層(H)上に保護層としてカバーフィルム(I)を有することが好ましい。感光性樹脂層(H)はカバーフィルム(I)と直接接していてもよいし、感光性樹脂層(H)とカバーフィルム(I)の間に1層または複数の層を有していてもよい。感光性樹脂層(H)とカバーフィルム(I)の間の層としては、例えば、感光性樹脂層表面の粘着を防止する目的で設けられる剥離補助層(J)などが挙げられる。
カバーフィルム(I)の材質は特に限定されないが、ポリエステル、ポリエチレンなどのプラスチックシートが好ましく使用される。カバーフィルム(I)の厚さは特に限定されないが、10〜150μmの範囲が取扱性、コストの観点から好ましい。またカバーフィルム表面は、原画フィルムの密着性向上を目的として粗面化されていてもよい。
次に、感光性樹脂凹版印刷版原版の製造方法について説明する。例えば、ポリアミド(A)をアルコールを主成分とする混合溶媒に加熱溶解した後に、(B)エチレン性二重結合含有化合物、(C)光重合開始剤および必要に応じて、無機微粒子、可塑剤その他の添加剤等を添加し、撹拌して十分に混合し、感光性樹脂組成物溶液を得る。
感光性樹脂組成物を含んでなる感光性樹脂層(H)は、上述の方法によって得られた感光性樹脂組成物溶液を、接着層(G)を有する支持体(F)に流延し、乾燥することで得ることができる。その後、任意に剥離補助層(J)を塗布したカバーフィルム(I)を感光性樹脂層(H)上に密着させることで感光性樹脂印刷版原版を得ることができる。また、乾燥製膜により感光性樹脂シートを作製し、支持体(F)とカバーフィルム(I)で感光性シートを挟み込むようにラミネートすることでも感光性樹脂印刷版原版を得ることができる。さらに、無機微粒子(D)を含まない感光性樹脂組成物を、接着層(G)と感光性樹脂層(H)の間に設けることも可能である。
感光性樹脂印刷版原版が剥離補助層(J)を有する場合、剥離補助層(J)の形成方法は特に限定されないが、薄膜形成の簡便さから、剥離補助層(J)成分を溶媒に溶解した溶液をカバーフィルム(I)上に塗布し、溶媒を除去する方法が特に好ましく行われる。溶媒の除去方法としては、例えば熱風乾燥、遠赤外線乾燥、自然乾燥などを挙げることができる。剥離補助層(J)成分を溶解する溶媒は特に限定されないが、水やアルコール、または水とアルコールの混合物が好ましく使用される。
次に、感光性樹脂印刷版原版を用いて形成される本発明の樹脂凹版印刷版の製造方法について説明する。本発明の印刷版は、感光性樹脂印刷版原版に、露光および現像をこの順に行うことにより得られる。そして、露光工程が、原画部と該原画部の内側に網点とを有する原画フィルムを用いて行う工程を含む。原画部と該原画部の内側に網点を有する原画フィルムは、次の方法で得ることができる。まず、画像処理ソフト例えば“Adobe Illustrator”(Adobe Systems製)に原画部画像を取り込む。次に原画部を選択しオブジェクトタブの、パスのオフセットからオフセット値を−0.020mm〜−0.30mmに設定し、原画部を縁取りする。その後、縁取りした部分のカラー濃度をK100%とし、縁取りした部分以外の原画部のカラー濃度をK100%以外に設定することで原画部と該原画部の内側に網点を有する原画フィルムを得ることができる。以下、その製造方法の一例を説明するが、本発明の樹脂凹版印刷版の製造方法はこれに限られるものではない。
まず使用するポジティブの原画フィルム中の原画部端部を縁取りする。なお、原画部とは、凹版印刷版の画像部に対応する領域である。縁取りは網点を画像部端部から避けるように設けるのに有効であり、縁取りした部分以外の原画部に網点スクリーンを形成することで、原画部端部に対応する凹版印刷版の画像部の直線性が向上する。原画部の縁取り部分の幅は、印刷物における画像部端部の直線性を良好にする観点から、20μm以上であることが好ましく、30μm以上がより好ましく、40μm以上がさらに好ましい。また、画像部の深度を変え、印刷時のインク量を調整する観点から、300μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、80μm以下がより好ましい。
次に原画部の縁取り部分以外に網点スクリーンを形成し、原画部・網点スクリーン一体型ポジフィルムを作製する。なお、網点は少なくとも原画部の内側に含まれていればよい。
原画部内に存在する網点は、網点面積割合が原画部面積を100%とした場合に3%以上20%以下であることが好ましい。網点面積割合とは原画部に存在する網点の面積割合のことであり、その面積割合は原画部面積に対する白抜き面積割合で表される。原画フィルムには、黒地の原画部に、白抜きの網点が存在している。網点面積割合は、ポジフィルムの原画部上で任意の10点を選択し、選択した点についてオルソクロマチックフィルターを用いてマクベス透過濃度計「TR−927」(コルモルゲンインスツルメンツ(Kollmorgen Instruments Corp.)社製)を用いて測定できる。本発明において、前記10点の測定結果の平均値を網点面積割合とする。網点面積割合は、樹脂凹版印刷版の表面に存在する余分なインクをドクター刃などで掻き取る際に、ドクター刃の凹部への落ち込みによるインクの掻き取りムラをなくす観点から、好ましくは3%以上であり、より好ましくは5%以上である。樹脂凹版印刷版の深度を深くし印刷時のインク量を調整する観点から、好ましくは20%以下であり、より好ましくは15%以下である。
その後、感光性樹脂印刷版原版がカバーフィルム(I)を具備する場合はこれを剥離し、感光性樹脂層(H)上に前記一体型ポジフィルムを密着させ、紫外線照射することによって、凹版印刷版に画像部を形成しつつ、また網点を形成することで凹部の深度を調整できる。また原画部端部に縁取りすることで、網点が画像部端部にかかることがなくなるため、印刷物における画像部端部に意図しない切り込み部分が発生せず、印刷物の画像部端部の直線性が向上する。紫外線照射は、通常300〜400nmの波長を照射できる高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル灯などを用いて行うことができる。
次に、感光性樹脂印刷版原版を現像液に浸漬し、未硬化部分をブラシで擦りだして除去するブラシ式現像装置により基板上にレリーフ像を形成する。また、ブラシ式現像装置の他にスプレー式現像装置を使用することも可能である。現像液は低級アルコールを含む溶液またはさらに界面活性剤を含むものを用いることができる。
なお、現像時の液温は15〜40℃が好ましい。レリーフ像形成後、50〜70℃において10分間程度乾燥し、必要に応じて後露光工程として大気中ないし真空中で活性光線処理を行い樹脂凹版印刷版を得ることができる。
なお、感光性樹脂組成物は、樹脂凹版印刷用特にパッド印刷用の感光性樹脂印刷版原版に用いることが最も適しているが、平版印刷用、凸版印刷用、孔版印刷用、フォトレジストとして使用することも可能である。
なお、支持体がプラスチックフィルムである樹脂凹版印刷版は、金属を支持体とする樹脂凹版印刷版よりも軽量であり取り扱いが容易である。このような支持体がプラスチックフィルムである樹脂凹版印刷版をパッド印刷機に固定する方法としては、樹脂凹版印刷版の支持体に両面テープを貼り付け、両面テープの片側をパッド印刷機の版台に固定する方法があるが、支持体が金属、特に鉄板からなる樹脂凹版印刷版を磁石で版台に固定するのに比べて、支持体に強密着するため、樹脂凹版印刷版の装脱着に時間がかかり、貼り直し作業(交換作業)(リワーク性)の観点から使用しにくいことがある。
また、パッド印刷においては、ブレードによって印刷版表面のインクが掻き取られるが、支持体がプラスチックフィルムである樹脂凹版印刷版が用いられると、ブレードによるインクの掻き取り時に、支持体が変形し、良好なパッド印刷を行えないことがある。
したがって、パッド印刷において、支持体がプラスチックフィルムである樹脂凹版印刷版が用いられる場合は、交換しやすく(リワーク性に優れ)、加えて、ブレードによるインクの掻き取り時においても支持体が変形しづらくするための部材(プレートや構成体)が用いられることが好ましい。
かかるプレートは、基材の少なくとも片側に粘着層を有するものであることが好ましい。粘着層は最外層に位置することが好ましい。
基材としては、金属およびプラスチック、木材、ガラス、セラミックスなどいずれも採用できる。金属としては鉄またはアルミニウムが好ましく、プラスチックとしてはポリエステルなどが好ましい。このうち、鉄は、パッド印刷機の版台に磁石が用いられている場合は、版台への固定が容易であり、特に好適に用いられる。
基材の厚みとしては、200μm以上1cm以下であることが好ましい。200μm以上であることで機械的強度があり、版面上にインクを載せ、金属製のドクター刃で掻き取ること、もしくは、ドクター刃の役割をするリング状のセラミックス製または特殊金属製エッジ付きインクカップの中にインクを入れて版面上をインクカップで掻き取ることが良好にできる。すなわち、ブレードによるインクの掻き取り時における、支持体の変形を抑制することができる。また基材は、1cm以下であることで印刷機への取り付けおよびコストの観点から好ましい。
粘着層は自己粘着性を有する層であり、例えば日本国特開2014−122285号公報に記載の粘着層などを用いることが可能であるが、この限りではない。
粘着層の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜75μmであることがより好ましい。1μm以上とすることにより被着体に対し十分な粘着力を確保でき、100μm以下とすることにより、粘着層の形成時の加工が容易となる。
かかるプレートは、プレートの接着層を介して、樹脂凹版印刷版の支持体に固定化せしめられる。粘着層の被着体である樹脂凹版印刷版の支持体との密着力は、0.015N〜0.1N/25mmの範囲であることが好ましい。0.015N/25mm以上であることで、樹脂凹版印刷版の版面上にインクを載せ、金属製のドクター刃で掻き取ること、もしくは、ドクター刃の役割をするリング状のセラミックス製または特殊金属製エッジ付きインクカップの中にインクを入れて版面上をインクカップで掻き取ることが良好にできる。すなわち、ブレードによるインクの掻き取り時における、支持体の変形を抑制することができる。また、貼り直し作業(リワーク性)の観点から、0.1N/25mm以下であることが好ましい。
次に、基材上への粘着層の形成方法であるが、第1の例としては、基材上に粘着層の成分を塗布する方法、第2の例としては、粘着層が形成されたフィルムを用意し、当該フィルムの粘着層が形成された側の面とは反対側の面に接着剤と塗布し、当該接着剤を介して基材と貼り合わせる方法、第3の例は、フィルムの片面に粘着層、もう一方の面に基材と接着できる接着層が形成されたフィルムを用い、当該フィルムを、接着層を介して基材に貼り合わせる方法などが挙げられるが、この限りではない。
また、かかるプレートの大きさは印刷機の版台に取り付けできる大きさであることが好ましい。
かかるプレートを用いることにより、支持体がプラスチックフィルムである樹脂凹版印刷版が用いられても、交換しやすく(リワーク性に優れ)、加えて、ブレードによるインクの掻き取り時における、支持体の変形を抑制することができる。
かかるプレートは、パッド印刷による印刷物の製造する際に用いられる。かかるプレートを用いた、パッド印刷による印刷物の製造方法は、以下の工程をその順に含むことが好ましい。
工程1)樹脂凹版印刷版の支持体を、プレートの接着層を介して、プレートに固定化せしめ、構成体を得る工程。
工程2)当該構成体をパッド印刷機に装着する工程。
上記の方法を用いることにより、支持体がプラスチックフィルムである樹脂凹版印刷版が用いられても、交換しやすく(リワーク性に優れ)、加えて、ブレードによるインクの掻き取り時における、支持体の変形を抑制することができる。その結果、パッド印刷の印刷性を高めることができる。
また、本発明では、樹脂凹版印刷版の支持体を、プレートの接着層を介して、プレートに固定化(一体化)せしめた、構成体が用いられても良い。
すなわち、当該構成体とは、凹部を有する樹脂層、支持体、粘着層、および基材をその順に有する構成体である。
かかる構成体は、パッド印刷による印刷物の製造する際に用いることができる。かかる構成体を用いた、パッド印刷による印刷物の製造方法は、当該構成体をパッド印刷機に装着する工程を含むことが好ましい。
かかる構成体や方法を用いることにより、支持体がプラスチックフィルムである樹脂凹版印刷版が用いられても、交換しやすく(リワーク性に優れ)、加えて、ブレードによるインクの掻き取り時における、支持体の変形を抑制することができる。その結果、パッド印刷の印刷性を高めることができる。
なお、プレート、構成体、およびそれらを用いた方法に関しては、日本国特許出願の特願2017−120049の明細書に記載の技術を適用することができる。
本発明の樹脂凹版印刷版を用いて印刷を行うことができる対象物には特に制限はなく、例えば紙、プラスチック、布帛、ガラス、金属、セラミックス等を挙げることができる。これらの中でも、本発明の樹脂凹版印刷版は、特にプラスチック、ガラス、金属、セラミックスなどのインクを吸収しない、いわゆる非吸収性原反への印刷に用いられることが好ましく、例えば電極回路等を直接、プラスチック、ガラス、金属、セラミックスに印刷する方式への適用があげられる。電極回路は細かいパターンにおいても断線しないために、高い直線性を要求されるが、本発明を用いることで、画像部端部の直線性が優れた断線のない印刷物を提供することができる。
以下、本発明を実施例で詳細に説明する。
<接着層(G)を有する支持体(F)の作製>
“ビニトール”(登録商標)#284(名古屋油化(株)製)66質量部およびヘキサメチレンテトラミン(関東化学(株)製)2質量部をジメチルホルムアミド16質量部とキシレン16質量部の溶媒に混合した溶液に、ビスフェノールA“jER”(登録商標)834(三菱化学(株)製)90質量部をジメチルホルムアミド30質量部とキシレン30質量部の溶媒に混合した溶液を添加し、接着層(G)用塗工液1を得た。
“アミラン”(登録商標)CM833(東レ(株)製)20質量部、“CJPARL”(オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社製)10質量部をエタノール50質量部、水10質量部、ジメチルホルムアミド10質量部、およびベンジルアルコール50質量部の混合溶媒中70℃で2時間混合し、溶解した。その後、25℃でビスフェノールA“jER”(登録商標)834(三菱化学(株)製)5質量部、ジシアノジアミド(関東化学(株)製)0.3質量部を添加し、接着層(G)用塗工液2を得た。
支持体(F)である厚さ250μmの鉄板(新日鐵住金(株)製)上に接着層(G)用塗工液1を乾燥後膜厚が10μmになるようにバーコーターで塗布し、180℃のオーブンで3分間加熱して溶媒を除去した後、その上に接着層(G)用塗工液2を乾燥膜厚が10μmとなるようにバーコーターで塗布し、160℃のオーブンで3分間加熱して、接着層(G)を有する支持体(F)を得た。
<カバーフィルム(I)>
厚さ100μmの“ルミラー”(登録商標)S10(ポリエステルフィルム、東レ(株)製)をカバーフィルム(I)として使用した。
<感光性樹脂印刷版原版>
感光性樹脂印刷版原版で使用した材料を以下に示す。
ポリアミド(A):
脂肪族環を分子主鎖に有するポリアミド:
ε−カプロラクタム、ヘキサメチレンジアンモニウムアジピン酸塩および4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンアジピン酸塩がほぼ同量重縮合された、数平均分子量が85,000であるポリアミド1(東レ(株)製)80質量部を用いた。
(B)エチレン性二重結合含有化合物
水酸基を1個有するエチレン性二重結合を有する化合物
・グリセロールジメタクリレート(共栄社化学(株)製ライトエステルG101P)20質量部
・2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社化学(株)製ライトエステルHOP)60質量部
(C)光重合開始剤
・2,2−ジメトキシ−1,1−ジフェニルエタン−1−オン (BASF社製“IRGACURE” (登録商標)651)3質量部。
その他の成分
・無機微粒子(D):SC-2500SQ((株)アドマテックス製、球状シリカ、真球度0.95、平均粒子径0.5μm)20質量部
・重合禁止剤:N−(アンモニウムオキシ)−N−ニトロソフェニルアミン(関東化学(株)製クペロン)0.01質量部
・紫外線吸収剤:2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロ−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール(BASF社製“TINUVIN” (登録商標)326)0.01質量部。
撹拌用ヘラおよび冷却管を取り付けた3つ口フラスコ中に、前記ポリアミド(A)、水/エタノール=10/90(重量比)の混合溶剤180質量部を混合した後、撹拌しながら80℃で2時間加熱し、ポリアミド(A)を溶解させた。40℃に冷却した後、前記(B)、(C)、その他成分を添加し、混合、さらに連続型メディア分散機(NANO GRAIN MILL、浅田鉄工(株)製)を用いて分散し、感光性樹脂組成物を得た。得られた感光性樹脂組成物を、前記接着層(G)を有する支持体(F)にバーコーターで塗布し、60℃で2.5時間乾燥した。このとき乾燥後の版厚(鉄板+感光性樹脂層)が0.5mmとなるよう調節した。このようにして得られた感光性樹脂層(H)上に、水/エタノール=10/90(重量比)の混合溶剤を塗布し、表面にカバーフィルム(I)を圧着し、感光性樹脂印刷版原版を得た。
<ポジフィルム>
ブラックカーボンフィルムTK100((株)タカノ機械製作所製)を赤外線に発光領域を有するファイバーレーザーを備えた外面ドラム型プレートセッター“CDI SPARK”(エスコ・グラフィックス(株)製)に、基材側がドラムに接するように装着し、レーザー出力9kW、ドラム回転数400rpmの条件で、表1に示す画像部と網点に対応するテストパターンを描画し、ポジフィルム1〜10を作製した。なお、樹脂凹版印刷版の表面と、印刷版面に設けられた凹部のうち網点間に存在する凹部の最深部との高低差は、ポジフィルムの網点直径を変えることで調節した。
[評価方法]
各実施例および比較例における評価は、次の方法で行った。
(1)樹脂凹版印刷版の表面と、印刷版面に設けられた凹部のうち、網点間に存在する凹部の最深部との高低差
樹脂凹版印刷版の表面と表面の凹部に設けられた網点間に存在する最深部の高低差をレーザー顕微鏡“VK−X250”((株)キーエンス製)を用い、倍率20倍で観察し、10点の測定結果の平均値を印刷版の表面と網点間に存在する凹部の最深部との高低差とした。
(2)画像部の端部の直線性
樹脂凹版印刷版を、hermetic6−12 universal(TAMPOPRINT社製)に装着し、インクにPAD−PLV−1インク白(ナビタス社製)を用いて、1回スキージ後、パッドに転写し、PETフィルムに印刷をした。得られた印刷物の画像部端部をデジタルマイクロスコープ“VHX−2000”((株)キーエンス製)を用い、レンズZ250、倍率250倍で観察し、図2で示す印刷物における端部形状の振幅sを測定した。振幅sとは、印刷物の画像部端部に発生した、原画フィルムには存在しない切り込み部分によって切り取られた部分において、本来の画像部端部5から最大の切り込み点6までの深さをいう。図2において、線9は、点6が最大の深さであることを確認するための補助線である。デジタルマイクロスコープで測定した際、画面上に映し出された振幅のうち、最大の深さを有するものを振幅sとした。
評価基準として、振幅sが30μm以上である場合は、直線性が悪く、印刷物の端部形状がギザギザとなり印刷不具合が発生するため不合格と判断した。振幅が30μm未満であれば合格と判断し、20μm以内であれば良、10μm以内であれば優良と判断した。
実施例1
7cm×14cmの感光性樹脂印刷版原版からカバーフィルム(I)のポリエステルフィルムのみを剥離し(剥離後の感光性樹脂印刷版原版の最表面は乾燥膜厚1μmの剥離補助層)、表1のポジフィルム1を真空密着させ、ケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)でグレースケール感度13±1段となる条件で露光し(主露光)、7cm×14cmの感光性樹脂層の全面を光硬化した。その後、液温25℃のエタノール水溶液(エタノール/水=80/20)でブラシ式現像装置により1分間現像し、60℃で10分間乾燥した後、さらにケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)で主露光と同条件で後露光し、樹脂凹版印刷版を得た。実施例1の樹脂凹版印刷版には、画像と網点が表1に記載の最小距離を有するように形成されていた。実施例1の評価結果を表2に示す。
実施例2〜7
製版部材であるポジフィルムを表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして実施例2〜7の樹脂凹版印刷版を作製した。評価結果を表2に示す。
比較例1および2
製版部材であるポジフィルムを表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にして感光性樹脂印刷版原版および比較例1および2の樹脂凹版印刷版を作製した。評価結果を表2に示す。
比較例3
表2記載のポジフィルムを真空密着させ、ケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)でグレースケール感度13±1段となる条件で露光し(主露光)、7cm×14cmの感光性樹脂層の全面を光硬化した。次に300線90%の網点スクリーンフィルムを密着させ、スクリーン露光した。その後、液温25℃のエタノール水溶液(エタノール/水=80/20)でブラシ式現像装置により1分間現像し、60℃で10分間乾燥した後、さらにケミカル灯FL20SBL−360 20ワット(三菱電機オスラム(株)製)で主露光と同条件で後露光し、比較例3の樹脂凹版印刷版を得た。評価結果を表2に示す。
Figure 2020017326
Figure 2020017326
1 網点
2 接線
3 非画像部
4 画像部
5 本来の画像部端部
6 最大の切り込み点
7 印刷物の非画像部
8 印刷物の画像部
9 補助線
d 画像部端部と網点との最小距離
s 振幅
P 接点
Q 画像部端部上の点

Claims (13)

  1. 版材の表面に、網点を有する画像部が形成された樹脂凹版印刷版であって、画像部端部と画像部端部の最も近傍に位置する網点との最小距離が20μm以上300μm以下である樹脂凹版印刷版。
  2. 前記網点の直径が、5.0μm以上50μm以下である請求項1に記載の樹脂凹版印刷版。
  3. 前記樹脂凹版印刷版の表面と、印刷版面に設けられた凹部のうち、網点間に存在する凹部の最深部との高低差が10〜40μmである請求項1または2記載の樹脂凹版印刷版。
  4. 前記樹脂凹版印刷版が、少なくともバインダーポリマー、エチレン性不飽和化合物、および光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物で形成される感光性樹脂層を有する感光性樹脂積層体である、請求項1〜3いずれかに記載の樹脂凹版印刷版。
  5. 前記バインダーポリマーが、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンアジペート骨格を有するポリアミドである請求項4に記載の樹脂凹版印刷版。
  6. 前記樹脂凹版印刷版は感光性樹脂層を有し、該感光性樹脂層に平均粒子径が0.5μm以上4.0μm以下である無機微粒子を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂凹版印刷版。
  7. 前記無機微粒子が、真球度が0.90以上である請求項6に記載の樹脂凹版印刷版。
  8. 前記無機微粒子が、非晶質シリカである請求項6または7のいずれかに記載の樹脂凹版印刷版。
  9. 前記無機微粒子が、前記感光性樹脂層中に該感光性樹脂層の質量を100質量%としたとき3質量%以上30質量%以下含まれる請求項6〜8のいずれかに記載の樹脂凹版印刷版。
  10. パッド印刷用である、請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂凹版印刷版。
  11. 非吸収性原反印刷用である、請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂凹版印刷版。
  12. 感光性樹脂印刷版原版に露光工程および現像工程をこの順に行う、樹脂凹版印刷版を製造する方法であって、前記露光工程が、原画部と該原画部の内側に網点とを有する原画フィルムを用いて行う工程を含む、樹脂凹版印刷版の製造方法。
  13. 版材の表面に、網点を有する画像部が形成された樹脂凹版印刷版を用いて印刷する印刷方法であって、画像部端部との距離が20μm以下となる領域以外の領域に網点を形成する工程と、前記画像部に記録材を充填する充填工程と、前記画像部に充填された記録材を転写体に転写する第1転写工程と、前記転写体に転写された記録材を被印刷物に転写し印刷物を形成する第2転写工程とを有することを特徴とする印刷方法。
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