JPWO2020013100A1 - 積層電子部品および積層電子部品の製造方法 - Google Patents

積層電子部品および積層電子部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020013100A1
JPWO2020013100A1 JP2020530157A JP2020530157A JPWO2020013100A1 JP WO2020013100 A1 JPWO2020013100 A1 JP WO2020013100A1 JP 2020530157 A JP2020530157 A JP 2020530157A JP 2020530157 A JP2020530157 A JP 2020530157A JP WO2020013100 A1 JPWO2020013100 A1 JP WO2020013100A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating layer
electronic component
layer
electrode
laminated body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020530157A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7205541B2 (ja
Inventor
一生 山元
一生 山元
敦信 岡▲崎▼
敦信 岡▲崎▼
裕希 浅野
裕希 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Publication of JPWO2020013100A1 publication Critical patent/JPWO2020013100A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7205541B2 publication Critical patent/JP7205541B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H7/00Multiple-port networks comprising only passive electrical elements as network components
    • H03H7/01Frequency selective two-port networks
    • H03H7/0115Frequency selective two-port networks comprising only inductors and capacitors
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H3/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/30Stacked capacitors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/40Structural combinations of fixed capacitors with other electric elements, the structure mainly consisting of a capacitor, e.g. RC combinations
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H1/00Constructional details of impedance networks whose electrical mode of operation is not specified or applicable to more than one type of network
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H1/00Constructional details of impedance networks whose electrical mode of operation is not specified or applicable to more than one type of network
    • H03H2001/0021Constructional details
    • H03H2001/0085Multilayer, e.g. LTCC, HTCC, green sheets

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

積層体の側面におけるシールド導体層に形成不良が発生しにくい積層電子部品を提供する。基体層1a〜1iが積層された、第1主面1Bと第2主面1Tと側面1Sとを含む外表面を有する積層体1と、内部電極(グランド電極2、コイル電極3、コンデンサ電極4、配線電極5)と、外部電極7と、外部電極7の表面に形成された第1メッキ層9と、を備え、少なくとも1つの内部電極の端部の少なくとも一部分が積層体1の側面1Sから露出されており、積層体1の側面1Sから露出した内部電極の端部を含むように、第2メッキ層10が積層体1の側面1Sに形成され、第2メッキ層10を含む積層体1の外表面に、シールド導体層11が形成され、第2メッキ層10の厚みが、シールド導体層11の厚みよりも小さくなるようにする。

Description

本発明は、複数の基体層が積層された積層体を備えた積層電子部品に関し、更に詳しくは、積層体の外表面にシールド導体層が形成された積層電子部品に関する。
また、本発明は、本発明の積層電子部品を製造するのに適した、積層電子部品の製造方法に関する。
積層電子部品は、外部電極の表面の酸化を防止するためや、外部電極の表面のはんだ濡れ性を向上させるために、外部電極の表面にメッキ層を形成する場合がある。たとえば、特許文献1(特開2007-48768号公報)には、外部電極(外部端子)の表面にメッキ層(めっき膜)を形成した積層電子部品が開示されている。
一方、近年、電子機器の小型化や高機能化が進み、電子機器の基板に、多数の電子部品を、高密度に実装することが必要になっている。この高密度化の要求は、ますます高まり、更に高い密度で基板に電子部品を実装することが望まれている。
特開2007-48768号公報
電子機器の基板に、複数の電子部品を高密度に実装しようとした場合、電子部品間のノイズによる干渉が問題になる。すなわち、ある電子部品が発生させたノイズが、隣接する他の電子部品に侵入し、その電子部品に悪い影響を与えることが問題になる。
そこで、本件出願人は、積層電子部品において、高密度に実装をしても、隣接する他の電子部品と干渉しないように、積層体の外表面にシールド導体層を形成することを検討した。すなわち、外部からノイズの浸入を受けず、また、外部にノイズを与えないように、積層体の外表面にシールド導体層を形成することを検討した。なお、シールド効果を確実にするためには、シールド導体層を、引出電極を介して、積層体の内部に形成されたグランド電極に接続し、シールド導体層にグランド電位をもたせることが望ましい。なお、シールド導体層は、引出電極を介さず、直接にグランド電極と接続してもよい。
このとき、積層体の側面には、引出電極の端部(あるいはグランド電極の端部)が露出することになる。したがって、外部電極の表面にメッキ層を形成する工程においては、積層体の側面から露出した引出電極の端部にも、メッキ層が形成されることになる。そして、シールド導体層は、そのメッキ層を含む積層体の外表面に形成されることになる。なお、グランド電極とシールド導体層とを引出電極で接続する場合は、このとき、所定のセラミックグリーンシートの主面に、引出電極を形成するための導電性ペーストを、所定の形状に塗布する。次に、セラミックグリーンシートを積層して一体化させ、焼成して積層体を作製する。次に、積層体の外表面に形成された外部電極の表面に、メッキ層を形成する。
ここで、工程の順番を変更し、シールド導体層を形成する工程を先にし、外部電極の表面にメッキ層を形成する工程を後にすることも考えられるが、この場合には、シールド導体層の表面にもメッキ層が形成されることになる。そして、シールド導体層の表面に形成されるメッキ層の分だけ、メッキ材料のコストが上昇することになる。したがって、上記のように、外部電極の表面にメッキ層を形成する工程を先にし、シールド導体層を形成する工程を後にする方が好ましい。
前述のように、引出電極の端部(あるいはグランド電極の端部)に形成されるメッキ層と、そのメッキ層に形成されるシールド導体層との関係に、何らの配慮を払うことなく、上記の工程によって、積層体の外表面に形成されたシールド導体層と、グランド電極とシールド導体層とを接続する引出電極と、を備えた積層電子部品を製造したところ、次のような問題が発生した。
まず、スパッタリングによってシールド導体層を形成する工程において、積層体の側面に露出した引出電極の端部に形成されたメッキ層が障害となって、シールド導体層に形成不良が発生する場合があった。すなわち、スパッタリングは、一般的に、被加工物である積層体を治具上に固定した上で、上方から金属の原子を飛ばしておこなうが、このとき積層体の側面(引出電極の端部)に形成されたメッキ層の陰になって、メッキ層の直ぐ下の部分の積層体の側面に、シールド導体層が形成されない部分が発生したり、形成されたシールド導体層の厚みが不十分な部分が発生したりする場合があった。
また、シールド導体層の形成不良の発生の有無にかかわらず、完成後に、積層体の側面(引出電極の端部)に形成されたメッキ層が、シールド導体層の張力によって引っ張られ、引出電極の端部から剥離してしまう場合があった。あるいは、完成した積層電子部品をパーツフィーダーに通している際などに、シールド導体層の上からメッキ層に外力(衝撃など)が加わり、メッキ層が引出電極の端部から剥離してしまう場合があった。そして、メッキ層が引出電極の端部から剥離することによって、シールド導体層とグランド電極との電気的な接続が不十分となり、シールド導体層のシールド機能が低下してしまう場合があった。
本発明は、上述した従来の問題を解決するためになされたものである。その手段として、本発明の一実施態様にかかる積層電子部品は、第1主面と、第2主面と、第1主面と第2主面とを繋ぐ少なくとも1つの側面とを含む外表面を有する積層体と、積層体の内部に形成された内部電極と、積層体の第1主面もしくは第2主面に形成された外部電極と、外部電極の表面に形成された第1メッキ層と、を備え、内部電極は、端部が積層体の側面から露出されており、積層体の側面から露出した内部電極の端部を含むように、第2メッキ層が積層体の側面に形成され、第2メッキ層が形成された側面を含む積層体の外表面に、シールド導体層が形成され、第2メッキ層の厚みが、シールド導体層の厚みよりも小さくなるようにする。
また、本発明の一実施態様にかかる積層電子部品の製造方法は、セラミックグリーンシートを用意する工程と、所定のセラミックグリーンシートに、ビア導体を形成するための貫通孔を形成し、貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、所定のセラミックグリーンシートの主面に、内部電極、外部電極の少なくとも1つを形成するために、導電性ペーストを所定の形状に塗布する工程と、セラミックグリーンシートを積層して、未焼成の積層体を作製する工程と、未焼成の積層体を所定のプロファイルで焼成して、第1主面と、第2主面と、第1主面と第2主面とを繋ぐ少なくとも1つの側面とを含む外表面を有し、内部に内部電極が形成され、第1主面もしくは第2主面に外部電極が形成され、前記内部電極の端部が側面から外部に露出された積層体を作製する工程と、外部電極に第1メッキ層を形成するとともに、積層体の側面から露出した内部電極の端部を含む、積層体の側面に第2メッキ層を形成する工程と、バレル装置によって、第2メッキ層を平坦化する工程と、第2メッキ層を含む積層体の所定の外表面にシールド導体層を形成する工程と、を備えたものとする。
本発明の積層電子部品は、積層体の側面に形成されたメッキ層が、シールド層を形成するときの障害になりにくく、積層体の側面におけるシールド導体層の形成不良が発生しにくい。また、本発明の積層電子部品は、積層体の側面に形成されたメッキ層が、内部電極の端部から剥離しにくい。
また、本発明の積層電子部品の製造方法によれば、本発明の積層電子部品を容易に製造することができる。
第1実施形態にかかる積層電子部品100を示す断面図である。 積層電子部品100を示す要部断面図である。 図3(A)は、積層電子部品100の基体層1bの平面図である。図3(B)は、積層電子部品100の積層体1の側面図である。 図4(A)、(B)は、それぞれ、積層電子部品100の製造方法の一例で実施される工程を示す断面図である。 図5(C)〜(E)は、図4(B)の続きであり、それぞれ、積層電子部品100の製造方法の一例で実施される工程を示す断面図である。 図6(A-1)〜(A-3)は、それぞれ、実施例にかかる試料110を示す説明図である。図6(B-1)、(B-2)は、それぞれ、比較例にかかる試料120を示す説明図である。 第2実施形態にかかる積層電子部品200の断面図である。 図8(A)〜(C)は、それぞれ、積層電子部品200の積層体1の側面図である。
以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。
なお、各実施形態は、本発明の実施の形態を例示的に示したものであり、本発明が実施形態の内容に限定されることはない。また、異なる実施形態に記載された内容を組合せて実施することも可能であり、その場合の実施内容も本発明に含まれる。また、図面は、明細書の理解を助けるためのものであって、模式的に描画されている場合があり、描画された構成要素または構成要素間の寸法の比率が、明細書に記載されたそれらの寸法の比率と一致していない場合がある。また、明細書に記載されている構成要素が、図面において省略されている場合や、個数を省略して描画されている場合などがある。
[第1実施形態]
(積層電子部品100の構造)
図1、図2、第1実施形態にかかる積層電子部品100を示す。ただし、図1は積層電子部品100の断面図である。図2は積層電子部品100の要部断面図である。
また、図3(A)に、積層電子部品100の基体層1bの平面図を示す。また、図3(B)に、積層電子部品100の積層体1の側面図を示す。ただし、図3(B)は、第1メッキ層9および第2メッキ層10が形成される前の積層電子部品100の積層体1のグランド電極2の端部が露出された側面1Sを示している。
本実施形態にかかる積層電子部品100は、内部にコイルとコンデンサとが形成され、所望の回路が構成されたLCフィルタである。ただし、本発明の積層電子部品は、LCフィルタには限られず、種々の種類の電子部品を構成することができる。
積層電子部品100は、積層体1を備えている。積層体1は、セラミックの基体層1a〜1iが積層されたものからなる。積層体1(基体層1a〜1i)の材質は任意であるが、たとえば、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics;低温焼成セラミックス)を使用することができる。また、基体層の層数は任意であり、必要に応じて増減させることができる。
積層体1は、直方体からなり、実装面である第1主面1Bと、天面である第2主面1Tと、第1主面1Bと第2主面1Tとを繋ぐ4つの側面1Sとからなる外表面を有している。なお、側面の数は4つには限られず任意であり、たとえば、積層体が円柱形状である場合には、側面の数は1つである。
積層体1の内部に、内部電極として、グランド電極2、コイル電極3、コンデンサ電極4、配線電極5が形成されている。グランド電極2、コイル電極3、コンデンサ電極4、配線電極5は、それぞれ、基体層1a〜1iの所定の層間に形成されている。グランド電極2、コイル電極3、コンデンサ電極4、配線電極5の平面形状、厚み、数などは、それぞれ任意である。
基体層1bの上側主面を示す図3(A)、積層体1の側面1Sを示す図3(B)から分かるように、本実施形態においては、グランド電極2の端部(図3(A)における左側の端部)が、積層体1の側面1Sから露出されている。グランド電極2の端部を積層体1の側面1Sから露出させたのは、後述する第2メッキ層10を介して、グランド電極2と、後述するシールド導体層11とを、電気的に接続するためである。なお、本実施形態においては、グランド電極2の図3(A)における左側の端部を積層体1の側面1Sから露出させたが、グランド電極2の他の端部、たとえば、図3(A)における右側の端部も、併せて積層体1の側面1Sから露出させてもよい。この場合には、グランド電極2とシールド導体層11との電気的な接続が確実になる。なお、グランド電極2の図3(A)における右側の端部を積層体1の側面1Sから露出させる場合には、グランド電極2と後述するビア導体8とが短絡してしまわないように、両者の間に電極のない領域を形成する必要がある。
積層体1の第1主面1Bに、外部電極7が形成されている。外部電極7の平面形状、厚み、数などは任意である。
基体層1a〜1hに、それぞれ、両主面間を貫通したビア導体8が形成されている。基体層1a〜1hにおける、ビア導体8の形成位置、数、径の形状、径の大きさなどは任意である。ビア導体8によって、グランド電極2、コイル電極3、コンデンサ電極4、配線電極5、外部電極7の間の必要な接続がおこなわれている。
本実施形態においては、グランド電極2、コイル電極3、コンデンサ電極4、配線電極5、外部電極7、ビア導体8の材質に、Cuを使用した。しかしながら、グランド電極2、コイル電極3、コンデンサ電極4、配線電極5、外部電極7、ビア導体8の材質は、それぞれ任意であり、Cuに代えて、たとえば、Cuの合金、Ag、Agの合金などを使用してもよい。
外部電極7の表面に、第1メッキ層9が形成されている。第1メッキ層9は、外部電極7の表面の酸化を防止する機能や、外部電極7の表面のはんだ濡れ性を向上させる機能を有している。本実施形態においては、第1メッキ層9を、Niの第1層と、Auの第2層とからなる2層構造に形成した。ただし、第1メッキ層9の構造(単層であるか多層であるかなど)、厚み、材質、形成方法(電解メッキであるか無電解メッキであるかなど)などは任意である。たとえば、Niの第1層、Auの第2層に代えて、Niの第1層、Snの第2層からなる2層構造に形成してもよい。なお、図1、図2においては、見やすいように、第1メッキ層9を1層に示している。
また、積層体1の側面1Sから露出したグランド電極2の端部を含む、積層体1の側面1Sに、第2メッキ層10が形成されている。第2メッキ層10は第1メッキ層9と同時に形成されたものであり、第1メッキ層9と同様に、Niの第1層と、Auの第2層とからなる2層構造に形成されている。ただし、第2メッキ層10の構造(単層であるか多層であるかなど)、厚み、材質、形成方法(電解メッキであるか無電解メッキであるかなど)などは任意である。たとえば、Niの第1層、Auの第2層に代えて、Niの第1層、Snの第2層からなる2層構造に形成してもよい。なお、図1、図2においては、見やすいように、第2メッキ層10を1層に示している。
第1メッキ層9および第2メッキ層10は、形成後に平坦化処理がおこなわれている。具体的には、第1メッキ層9および第2メッキ層10を形成した後の積層体1を、メディアとともに回転式バレル装置のポット内に収容し、所定の回転数で所定の時間回転させて、平坦化処理がおこなわれている。なお、バレル装置による平坦化処理は、ブラストによる平坦化処理に比べて、積層体1の外表面が損傷しにくいため好ましい。
第1メッキ層9および第2メッキ層10の総厚みは、それぞれ、平坦化処理の前の時点において、1μm以上、10μm以下程度であることが好ましい。第1メッキ層9、第2メッキ層10の総厚みが1μm未満であると、平坦化処理の際に、厚みの薄い部分ができたり、開口ができてカバレッジが低下したりする虞があるからである。第1メッキ層9、第2メッキ層10の総厚みが10μmを超えると、必要以上にメッキ材料を使うことになり、コストが上昇してしまうからである。
平坦化処理をおこなった後の第2メッキ層10の断面は、図2に示すように、外縁が、積層体1の側面1Sに接する内側辺10Aと、内側辺10Aに対向する外側辺10Bと、内側辺10Aと外側辺10Bとを接続する第1接続辺10Cおよび第2接続辺10Dからなる四角形を構成する。
第2メッキ層10は、バレル装置による平坦化処理をおこなったことによって、平面方向(積層体1の側面1Sの広がる方向)に伸ばされ、厚みが小さくなり、かつ、積層体1の側面1Sにアンカー効果によって食い込んでいる。そのため、第2メッキ層10は、積層体1の側面1Sに対する接合強度が高い。
また、第2メッキ層10は、バレル装置による平坦化処理をおこなったことにより、内側辺10Aと第1接続辺10Cとが形成する内角、および、内側辺10Aと第2接続辺10Dとが形成する内角が、それぞれ、小さくなっている。すなわち、第2めっき層の厚み方向を、グランド電極2が延びる方向とすると、当該厚み方向において、外側に向かって先細るテーパ状とされている。なお、内側辺10Aと第1接続辺10Cとが形成する内角と、内側辺10Aと第2接続辺10Dとが形成する内角とは、ほぼ同じ大きさになるため、両者を符号θで表わすことにする。図2に、内側辺10Aと第1接続辺10Cとが形成する内角θを、矢印で示す。
第2メッキ層10は、上記のように、平坦化処理により、平面方向に伸ばされ、厚みが小さくなり、積層体1の側面1Sにアンカー効果によって食い込み、更に、内側辺10Aと第1接続辺10Cとが形成する内角θ、および、内側辺10Aと第2接続辺10Dとが形成する内角θが、それぞれ、小さくなるものであるため、少なくとも1層が、AuやSnなどの展性の高い金属で形成されることが好ましい。
なお、第2メッキ層10は、グランド電極2と後述するシールド導体層11との材質の相性による接合性が低い場合には、両者を高い接合性で接合するための中間材としての役割を果たす場合がある。たとえば、グランド電極2がAgからなり、シールド導体層11の最下層がSUS(Steel Use Stainless;ステンレス鋼)からなる場合に、両者を直接に接合させると接合性が低くなるが、たとえば、間に、第1層がTi、第2層がAuからなる第2メッキ層10を中間材として形成することにより、グランド電極2とシールド導体層11とが順番に高い接合強度で接合されることになる。
第2メッキ層10が形成された側面1Sを含む積層体1の外表面に、シールド導体層11が形成されている。本実施形態においては、シールド導体層11は、積層体1の第2主面1Tと、4つの側面1Sに形成されている。なお、シールド導体層11は、第2メッキ層10の上に形成する必要があるが、その条件を満たせば、積層体1の外表面のどの領域に形成してもよい。ただし、シールド導体層11によって積層体1の外表面を広く覆うほど、シールド効果が向上する。
本実施形態においては、スパッタリングによって、シールド導体層11を、SUSの密着層と、Cuの導電層と、SUSの耐食層との3層構造に形成した。ただし、シールド導体層11の構造(単層であるか多層であるかなど)、厚み、材質、形成方法などは任意である。たとえば、密着層は、SUSに代えて、Ti、Cr、Ni、TiAlなどを使用してもよい。また、導電層は、Cuに代えて、Ag、Auなどを使用してもよい。また、耐食層は、SUSに代えて、Ti、Cr、Ni、TiAlなどを使用してもよい。なお、図1、図2においては、見やすいように、シールド導体層11を1層に示している。
以上の構造からなる積層電子部品100は、複数のコイル電極3がビア導体8によってスパイラル状に接続されてコイルLが形成され、コンデンサ電極4とコンデンサ電極4との間に発生する容量によってコンデンサCが形成され、コイルLとコンデンサCとによってLCフィルタが構成されている。
本実施形態にかかる積層電子部品100は、第2メッキ層10を経由してグランド電極2に接続され、グランド電位をもったシールド導体層11が形成されているため、高いシールド効果を備えている。すなわち、積層電子部品100は、外部から内部にノイズが侵入しにくく、内部から外部にノイズが放射されにくい。
また、積層電子部品100は、第2メッキ層10に対して、バレル装置による平坦化処理をおこなったことによって、第2メッキ層10の厚みが小さくなっている。図2に示すように、第2メッキ層10の厚みT10は、シールド導体層11の厚みT11よりも小さくなっている。そのため、積層電子部品100においては、スパッタリングによりシールド導体層11を形成する際に、第2メッキ層10が障害になりにくく、シールド導体層11に形成不良が発生しにくい。また、積層電子部品100は、第2メッキ層10の厚みが小さいため、完成後も(シールド導体層11の上から)第2メッキ層10に他の物体がぶつかりにくく、第2メッキ層10がグランド電極2の端部から剥離しにくい。なお、シールド導体層11を形成する際の障害になりにくく、完成後にグランド電極2の端部から剥離しにくくするためには、平坦化処理後の第2メッキ層10の厚みT10は、シールド導体層11の厚みT11に対して、可能であれば1/2以下であることがより好ましい。
また、積層電子部品100は、第2メッキ層10に対して、バレル装置による平坦化処理をおこなったことによって、第2メッキ層10が、平面方向に伸ばされ、かつ、積層体1の側面1Sにアンカー効果によって食い込んでいる。図2に示すように、第2メッキ層10の内側辺10Aの長さL10は、グランド電極2の厚みTよりも大きくなっている。本実施形態においては、第2メッキ層10の内側辺10Aの長さL10が、グランド電極2の厚みTの3.0倍程度になっている。積層電子部品100は、第2メッキ層10の内側辺10Aの長さL10がグランド電極2の厚みTより大きいため、第2メッキ層10の積層体1の側面1S(グランド電極2の端部を含む)に対する接合強度が高い。なお、第2メッキ層10の積層体1の側面1Sに対する接合強度を向上させるためには、第2メッキ層10の内側辺10Aの長さL10がグランド電極2の厚みTに対して、1.5倍を超えることがより好ましい。
また、積層電子部品100は、第2メッキ層10に対して、バレル装置による平坦化処理をおこなったことによって、第2メッキ層10の内側辺10Aと第1接続辺10Cとが形成する内角θ、および、内側辺10Aと第2接続辺10Dとが形成する内角θが、それぞれ、小さくなっている。そのため、積層電子部品100は、第2メッキ層10がシールド導体層11を形成する際の障害になりにくく、積層体1の側面1Sにおいてシールド導体層11に形成不良が発生しにくい。図2に示すように、本実施形態においては、第2メッキ層10の内側辺10Aと第1接続辺10C(第2接続辺10D)とが形成する内角θが、55°程度になっている。内側辺10Aと第1接続辺10C(第2接続辺10D)とが形成する内角θは、小さいほど、第2メッキ層10がシールド導体層11を形成する際の障害になりにくく、シールド導体層11に形成不良が発生しにくい。なお、第2メッキ層10がシールド導体層11を形成する際の障害になりにくく、シールド導体層11に形成不良が発生しにくくするためには、内側辺10Aと第1接続辺10C(第2接続辺10D)とが形成する内角θは、90°より小さいことが好ましく、60°より小さいことがより好ましい。
(積層電子部品100の製造方法の一例)
積層電子部品100は、たとえば、次の方法で製造することができる。
まず、図4(A)に示すように、セラミックの基体層1a〜1iを形成するためのセラミックグリーンシート1a’〜1i’を作製する。具体的には、まず、たとえばLTCCからなるセラミック粉末と、バインダーと、可塑剤とを、それぞれ任意の量で混合し、スラリーを作製する。次に、スラリーを、リップコーター、ドクターブレードなどを使用して、キャリアフィルム上に塗布し、セラミックグリーンシート1a’〜1i’を作製する。セラミックグリーンシート1a’〜1i’の厚みは任意であるが、たとえば、5μm〜100μmとする。セラミックグリーンシート1a’〜1i’は、それぞれ、複数のセラミックグリーンシート1a’〜1i’がマトリックス状に配置された、マザーセラミックグリーンシートとして用意する。
次に、同じく図4(A)に示すように、所定のセラミックグリーンシート1a’〜1i’の所定の位置に、ビア導体8を形成するための貫通孔を形成し、貫通孔に、導電性粉末とバインダーと可塑剤とを混合して作製した導電性ペースト8’を充填する。貫通孔は、たとえば、メカパンチ、COレーザー、UVレーザーなどを使用して形成する。貫通孔の直径は、たとえば、20μm〜200μmとする。導電性ペーストには、収縮率調整用の共素地(セラミック粉末)を添加してもよい。
次に、同じく図4(A)に示すように、所定のセラミックグリーンシート1a’〜1i’の主面の所定の位置に、グランド電極2、コイル電極3、コンデンサ電極4、配線電極5、外部電極7を形成するために、導電性粉末とバインダーと可塑剤とを混合して作製した導電性ペースト2’〜7’を所定の形状に塗布する。塗布には、たとえば、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷などの方法を使用することができる。導電性ペーストには、収縮率調整用の共素地(セラミック粉末)を添加してもよい。
次に、複数のセラミックグリーンシート1a’〜1i’がマトリックス状に配置されたマザーセラミックグリーンシートを、所定の順番に積層し、金型を使って加圧および加熱して一体化させ、未焼成のセラミックブロックを作製する。続いて、未焼成のセラミックブロックを、個々の未焼成の積層体に切断して、個片化する。切断は、たとえば、ダイサー、ギロチンカット、レーザー照射などの方法を使用することができる。このとき、グランド電極2が切断面から露出するように個片化する。そして、必要に応じて、切断後に、未焼成の積層体にバレル研磨をおこなう。
次に、図4(B)に示すように、未焼成の積層体を所定のプロファイルで焼成して、積層体1を作製する。焼成炉には、バッチ炉、ベルト炉などを使用することができる。焼成雰囲気は、使用した導電性ペーストによって異なるが、Cu系の導電性ペーストを使用した場合は、還元性雰囲気で焼成する。
次に、図5(C)に示すように、外部電極7の表面に第1メッキ層9を形成するとともに、積層体1の側面1Sから露出したグランド電極2の端部に第2メッキ層10を形成する。第1メッキ層9および第2メッキ層10の総厚みは、それぞれ、1μm以上、10μm以下程度であることが好ましい。総厚みが1μm未満であると、平坦化処理の際に、厚みの薄い部分ができたり、開口ができてカバレッジが低下したりする虞があるからである。また、総厚みが10μmを超えると、メッキ材料のコストが上昇してしまうからである。
次に、図5(D)に示すように、回転式バレル装置による平坦化処理をおこない、第2メッキ層10を平面方向(積層体1の側面1Sの広がる方向)に伸ばし、厚みを小さくし、かつ、積層体1の側面1Sにアンカー効果によって食い込ませる。具体的には、第1メッキ層9および第2メッキ層10を形成した積層体1を、メディアととともにポットに収容する。ポットの内部には、割れや欠けを防止するためにゴムがコーティングされていることが好ましい。メディアには、たとえば、ジルコニア製やアルミナ製のものを使用することができる。メディアの径の大きさは任意であるが、たとえば、φ2mm〜φ5mm程度のものを使用することができる。回転式バレル装置の回転数、処理時間は任意であるが、たとえば、回転数を50rpm〜200rpm、処理時間を5分〜30分とすることができる。回転式バレル装置に代えて、振動式バレル装置を使用してもよい。
次に、図5(E)に示すように、第2メッキ層10を含む積層体1の所定の外表面にシールド導体層11を形成する。具体的には、バレル装置による第2メッキ層10の平坦化処理を終えた複数の積層体1を、スパッタリング用のトレイに並べて配置する。積層体1の第1主面1B側にスパッタリングがなされないように、積層体1の第1主面1Bにペーストやテープを貼ってもよい。積層体1の間隔は任意であるが、たとえば、0.5mm〜5mm程度とする。スパッタリング装置は、たとえば、インライン型、バッチ型、枚葉型などを使用することができる。必要に応じて、スパッタリング前にドライエッチングをおこなう。ドライエッチングは、洗浄効果の他に、積層体1の外表面を粗面化させ、シールド導体層11を高い積層体1の外表面にアンカー効果によって高い接合強度で接合させる効果もある。
本実施形態においては、スパッタリングによって、シールド導体層11を、SUSの密着層と、Cuの導電層と、SUSの耐食層との3層構造に形成した。密着層の膜厚は任意であるが、積層体1の側面1Sにおいて、たとえば、0.01μm〜0.5μmとする。密着層は、SUSに代えて、Ti、Cr、Ni、TiAl、パーマロイなどを使用してもよい。導電層の膜厚は任意であるが、積層体1の側面1Sにおいて、たとえば、0.9μm〜3μmとする。導電層は、Cuに代えて、Ag、Auなどを使用してもよい。耐食層の膜厚は任意であるが、積層体1の側面1Sにおいて、たとえば、0.03μm〜1.5μmとする。耐食層は、SUSに代えて、Ti、Cr、Ni、TiAl、パーマロイなどを使用してもよい。なお、密着層や耐食層のSUSに代えて、Niやパーマロイなどの透磁率の高い材料を使用した場合には、磁界を遮る効果があるため、シールド導体層11全体として電磁界遮蔽効果が向上する。
以上の工程により、積層電子部品100が完成する。
積層電子部品100においては、バレル装置による平坦化処理をおこなった後の第2メッキ層10の厚みが、シールド導体層11の厚みよりも小さくなるように設計しているため、スパッタリングによりシールド導体層11を形成する際に、第2メッキ層10が障害になることがなく、シールド導体層11に形成不良は発生しなかった。
(実験)
本発明の有効性を確認するために、次の実験をおこなった。
実施例として、図6(A-3)に示す試料110を作製した。また、比較例として、図6(B-2)に示す試料120を作製した。
実施例にかかる試料110、比較例にかかる試料120は、どちらも、焼成により積層体1を作製し、積層体1の側面に露出したグランド電極2の端部に第2メッキ層10を形成するところまでは、上述した積層電子部品100の製造方法の一例で示した工程と同じ方法で作製した。図6(A-1)に、積層体1の側面に第2メッキ層10を形成した後の試料110を示し、図6(B-1)に、積層体1の側面に第2メッキ層10を形成した後の試料120を示す。試料110および試料120は、いずれも、積層体1の側面から測定した第2メッキ層10の厚みが、3〜5μm程度である。なお、試料110および試料120においては、第2メッキ層10の材質に、それぞれAuを使用した。
次に、図6(A-2)に示すように、実施例にかかる試料110だけ、回転バレル装置によって、第2メッキ層10の平坦化処理をおこなった。平坦化処理によって、試料110の積層体1の側面から測定した第2メッキ層10の厚みが、1μm程度まで小さくなった。
次に、図6(A-3)、(B-2)に示すように、実施例にかかる試料110、比較例にかかる試料120に、それぞれ、シールド導体層11を形成した。シールド導体層11は、SUSの密着層と、Cuの導電層と、SUSの耐食層の3層構造とし、3層の総厚みを2.5μm程度とした。
実施例にかかる試料110は、平坦化後の第2メッキ層10の厚みが1μm程度であり、シールド導体層11の総厚みの2.5μm程度よりも小さいため、図6(A-3)から分かるように、積層体1の側面にシールド導体層11が良好に形成された。
一方、比較例にかかる試料120は、第2メッキ層10の厚みが3〜5μm程度であり、シールド導体層11の総厚みの2.5μm程度よりも大きいため、第2メッキ層10がシールド導体層11をスパッタリングによって形成する際の障害(陰)になってしまい、図4(B-2)に示すように、積層体1の側面の第2メッキ層10の下の部分に、シールド導体層11の非形成部分NSが形成された。すなわち、比較例にかかる試料120においては、シールド導体層11に形成不良が発生した。
以上により、本発明の有効性が確認できた。
[第2実施形態]
図7に、第2実施形態にかかる積層電子部品200を示す。ただし、図7は積層電子部品200の断面図であり、基体層1bと基体層1cの界面の基体層1b側を示している。なお、図7においては、見やすくするために、第2メッキ層30とシールド導体層11とを省略して、破線で示している。
また、図8(A)〜(C)に、それぞれ、積層電子部品200の積層体1の側面図を示す。ただし、図8(A)は引出電極26の端部に第2メッキ層30を形成する前の状態、図8(B)は第2メッキ層30を形成した後の状態、図8(C)は第2メッキ層30を平坦化させた後の状態を、それぞれ示している。
積層電子部品200は、第1実施形態にかかる積層電子部品100の構成の一部に変更を加えた。具体的には、積層電子部品100では、グランド電極2の端部を積層体1の側面1Sから露出させ、グランド電極2の端部に第2メッキ層10を形成していた。積層電子部品200は、これに変更を加え、グランド電極2の端部を直接に積層体1の側面1Sから露出させるのではなく、グランド電極2から8つの引出電極26を引き出し、引出電極26の端部を積層体1の側面1Sから露出させた。すなわち、引き出し電極の端部を複数設けた。そして、積層体1の側面1Sから露出した引出電極26の端部に、第2メッキ層30を形成した。なお、図7では、複数の引き出し電極端部は、側面1Sの一部に設けられているが、側面1S全体に渡って設けられていてもよい。
引出電極26は、内部電極の1種である。
積層電子部品200の他の構成は、第1実施形態にかかる積層電子部品100の構成と同じにした。
図8(A)に示すように、積層体1の側面1Sの基体層1bと基体層1cの層間から、4つの引出電極26の端部が露出される。そして、図8(B)に示すように、露出した引出電極26端部に、それぞれ、第2メッキ層30が形成される。そして、図8(C)に示すように、第2メッキ層30に平坦化処理が施される。
積層電子部品200においては、図8(B)に示すように、第2メッキ層30どうしの間に間隔Gが形成されているため、第2メッキ層30の平坦化処理において、図8(C)に示すように、隣接する第2メッキ層30どうしが干渉せず、間隔Gが維持され、良好に平坦化処理がおこなわれる。すなわち、積層電子部品200においては、各第2メッキ層30が、基体層1a〜1iの積層方向のみならず、基体層1a〜1iの平面方向にも伸ばされるため、良好に平坦化処理がおこなわれる。
以上、第1実施形態にかかる積層電子部品100、第2実施形態にかかる積層電子部品200について説明した。しかしながら、本発明が上述した内容に限定されることはなく、発明の趣旨に沿って、種々の変更をなすことができる。
たとえば、積層電子部品100、200では、スパッタリングによってシールド導体層11を形成したが、シールド導体層11の形成方法はスパッタリングには限定されず、蒸着など、他の方法を使用してもよい。
また、積層電子部品100、200は、内部電極によってコイルLとコンデンサCとを形成したLCフィルタであったが、構成される電子部品はLCフィルタには限定されず、種々の種類の電子部品を構成することができる。
また、積層電子部品100では、グランド電極2の端部を積層体1の側面1Sから露出させ、グランド電極2の端部に第2メッキ層10を形成した。また、積層電子部品200では、引出電極26の端部を積層体1の側面1Sから露出させ、引出電極26の端部に第2メッキ層30を形成した。しかしながら、積層体1の側面1Sに露出される内部電極は、グランド電極2や引出電極26には限定されず、コイル電極3の端部やコンデンサ電極4の端部などを積層体1の側面1Sから露出させ、そこに第2メッキ層を形成するようにしてもよい。
本発明の一実施態様にかかる積層電子部品については、「課題を解決するための手段」の欄に記載したとおりである。この積層電子部品において、内部電極の積層体の側面からの露出部分を含む、基体層の積層方向に分断した積層体の断面を見たとき、第2メッキ層は、積層体の側面に接する内側辺の長さが、内部電極の厚みよりも大きくなるようにしてもよい。この場合には、第2メッキ層の積層体の側面に対する接合強度が向上する。
また、この場合において、内側辺の長さが、内部電極の厚みの1.5倍以上であるようにしてもよい。この場合には、第2メッキ層の積層体の側面に対する接合強度が更に向上する。
また、内部電極の積層体の側面からの露出部分を含む、基体層の積層方向に分断した積層体の断面を見たとき、第2メッキ層の断面の外縁が、積層体の側面に接する内側辺と、内側辺に対向する外側辺と、内側辺と外側辺とを接続する第1接続辺および第2接続辺と、を有し、内側辺と第1接続辺とが形成する内角、および、内側辺と第2接続辺とが形成する内角が、それぞれ、90°よりも小さくなるようにしてもよい。この場合には、たとえばスパッタリングによってシールド導体層を形成するときに、第2メッキ層が障害になりにくく、第2メッキ層の直ぐ下の部分の積層体の側面に、シールド導体層が形成されない部分や、形成されたシールド導体層の厚みが不十分である部分が発生しにくい。
また、この場合において、内側辺と第1接続辺とが形成する内角、および、内側辺と第2接続辺とが形成する内角が、それぞれ、60°よりも小さくなるようにしてもよい。この場合には、第2メッキ層が更に障害になりにくく、第2メッキ層の直ぐ下の部分の積層体の側面に、シールド導体層が形成されない部分や、形成されたシールド導体層の厚みが不十分である部分が更に発生しにくい。
また、一端が内部電極に接続されており、他端が積層体の側面から露出された引出電極を備えるようにしてもよい。なお、引出電極も、内部電極の1種である。
また、グランド電極を内部電極としてもよい。この場合には、シールド導体層にグランド電位をもたせることができ、シールド効果を向上させることができる。
また、内部電極が側面から露出している端部が複数あってもよい。この場合には、内部電極とシールド導体層の電気的な接続が確実になる。
また、第2メッキ層は、複数の層によって形成されてもよい。この場合には、高い機能をもった第2メッキ層を得ることができる。
また、シールド導体層は、複数の層によって形成されてもよい。この場合には、高い機能をもったシールド導体層を得ることができる。
たとえば、積層体の内部にコイルとコンデンサを形成し、LCフィルタを構成することができる。
また、本発明の一実施態様にかかる積層電子部品の製造方法については、「課題を解決するための手段」の欄に記載したとおりである。この積層電子部品の製造方法において、シールド導体層を形成する工程は、積層体の所定の外表面にスパッタリングを施す工程としてもよい。この場合には、品質の高いシールド導体層を形成することができる。
1・・・積層体
1B・・・第1主面(実装面)
1T・・・第2主面(天面)
1S・・・側面
1a〜1i・・・基体層
2・・・グランド電極(内部電極)
3・・・コイル電極(内部電極)
4・・・コンデンサ電極(内部電極)
5・・・配線電極(内部電極)
7・・・外部電極
8・・・ビア導体
9・・・第1メッキ層
10、30・・・第2メッキ層
10A・・・内側辺
10B・・・外側辺
10C・・・第1接続辺
10D・・・第2接続辺
11・・・シールド導体層
26・・・引出電極(内部電極)

Claims (13)

  1. 第1主面と、第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを繋ぐ少なくとも1つの側面とを含む外表面を有する、積層体と、
    前記積層体の内部に形成された内部電極と、
    前記積層体の前記第1主面もしくは前記第2主面に形成された外部電極と、
    前記外部電極の表面に形成された第1メッキ層と、を備え、
    前記内部電極は、端部が前記積層体の前記側面から露出されており、
    前記積層体の前記側面から露出した前記内部電極の端部を含むように、第2メッキ層が前記積層体の前記側面に形成され、
    前記第2メッキ層が形成された側面を含む前記積層体の前記外表面に、シールド導体層が形成され、
    前記第2メッキ層の厚みが、前記シールド導体層の厚みよりも小さい、積層電子部品。
  2. 前記内部電極の前記積層体の前記側面からの露出部分を含む、前記基体層の積層方向に分断した前記積層体の断面を見たとき、
    前記第2メッキ層における、前記積層体の前記側面に接する内側辺の長さが、前記内部電極の厚みよりも大きい、請求項1に記載された積層電子部品。
  3. 前記内側辺の長さが、
    前記内部電極の厚みの1.5倍以上である、請求項2に記載された積層電子部品。
  4. 前記内部電極の前記積層体の前記側面からの露出部分を含む、前記基体層の積層方向に分断した前記積層体の断面を見たとき、
    前記第2メッキ層の断面の外縁が、前記積層体の前記側面に接する内側辺と、前記内側辺に対向する外側辺と、前記内側辺と前記外側辺とを接続する第1接続辺および第2接続辺と、を有し、
    前記内側辺と前記第1接続辺とが形成する内角、および、前記内側辺と前記第2接続辺とが形成する内角が、それぞれ、90°よりも小さい、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された積層電子部品。
  5. 前記内側辺と前記第1接続辺とが形成する内角、および、前記内側辺と前記第2接続辺とが形成する内角が、それぞれ、60°よりも小さい、請求項4に記載された積層電子部品。
  6. 一端が前記内部電極に接続されており、他端が前記積層体の前記側面から露出された引出電極を備える、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の積層電子部品。
  7. 前記内部電極がグランド電極である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された積層電子部品。
  8. 前記内部電極が前記側面から露出している端部が複数ある、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された積層電子部品。
  9. 前記第2メッキ層が複数の層によって形成された、請求項1ないし8のいずれか1項に記載された積層電子部品。
  10. 前記シールド導体層が複数の層によって形成された、請求項1ないし9のいずれか1項に記載された積層電子部品。
  11. 前記積層体の内部にコイルとコンデンサが形成され、LCフィルタが構成された、請求項1ないし10のいずれか1項に記載された積層電子部品。
  12. セラミックグリーンシートを用意する工程と、
    所定の前記セラミックグリーンシートに、ビア導体を形成するための貫通孔を形成し、前記貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、
    所定の前記セラミックグリーンシートの主面に、内部電極、外部電極の少なくとも1つを形成するために、導電性ペーストを所定の形状に塗布する工程と、
    前記セラミックグリーンシートを積層して、未焼成の積層体を作製する工程と、
    前記未焼成の積層体を所定のプロファイルで焼成して、第1主面と、第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを繋ぐ少なくとも1つの側面とを含む外表面を有し、内部に前記内部電極が形成され、前記第1主面もしくは前記第2主面に前記外部電極が形成され、前記内部電極の端部が前記側面から外部に露出された積層体を作製する工程と、
    前記外部電極に第1メッキ層を形成するとともに、前記積層体の前記側面から露出した前記内部電極の端部を含む、前記積層体の前記側面に第2メッキ層を形成する工程と、
    バレル装置によって、前記第2メッキ層を平坦化する工程と、
    前記第2メッキ層を含む前記積層体の前記外表面にシールド導体層を形成する工程と、を備えた積層電子部品の製造方法。
  13. 前記シールド導体層を形成する工程が、前記積層体の所定の前記外表面にスパッタリングを施す工程である、請求項12に記載された積層電子部品の製造方法。
JP2020530157A 2018-07-13 2019-07-05 積層電子部品の製造方法 Active JP7205541B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018133407 2018-07-13
JP2018133407 2018-07-13
PCT/JP2019/026906 WO2020013100A1 (ja) 2018-07-13 2019-07-05 積層電子部品および積層電子部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020013100A1 true JPWO2020013100A1 (ja) 2021-07-08
JP7205541B2 JP7205541B2 (ja) 2023-01-17

Family

ID=69142430

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020530157A Active JP7205541B2 (ja) 2018-07-13 2019-07-05 積層電子部品の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11349449B2 (ja)
JP (1) JP7205541B2 (ja)
CN (1) CN112400211B (ja)
WO (1) WO2020013100A1 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011159786A (ja) * 2010-02-01 2011-08-18 Panasonic Corp モジュールとその製造方法
JP2012165028A (ja) * 2005-10-28 2012-08-30 Murata Mfg Co Ltd 積層型電子部品およびその製造方法
JP2016072411A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 太陽誘電株式会社 回路モジュール及びその製造方法
WO2017179325A1 (ja) * 2016-04-11 2017-10-19 株式会社村田製作所 高周波部品
WO2018159482A1 (ja) * 2017-02-28 2018-09-07 株式会社村田製作所 積層型電子部品および積層型電子部品の製造方法
WO2018221131A1 (ja) * 2017-06-01 2018-12-06 株式会社村田製作所 電子部品
JP2019114669A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 Tdk株式会社 電子部品

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02207531A (ja) * 1989-02-07 1990-08-17 Fujitsu Ltd 半導体装置の製造方法
JPH0521636A (ja) * 1991-07-11 1993-01-29 Nec Corp リードレスチツプキヤリア
JP4375402B2 (ja) * 2004-10-18 2009-12-02 株式会社村田製作所 積層型セラミック電子部品の製造方法および複合積層体
JP2007048768A (ja) 2005-08-05 2007-02-22 Ngk Spark Plug Co Ltd 積層電子部品及びその製造方法
EP2329909B1 (en) * 2008-07-11 2018-02-21 Primetals Technologies Japan, Ltd. Method and apparatus for bonding metal plates
CN102550140B (zh) 2009-10-01 2015-05-27 松下电器产业株式会社 组件及其制造方法
WO2017169102A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 株式会社村田製作所 電子部品
KR101825695B1 (ko) * 2016-05-16 2018-02-05 주식회사 모다이노칩 회로 보호 소자

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012165028A (ja) * 2005-10-28 2012-08-30 Murata Mfg Co Ltd 積層型電子部品およびその製造方法
JP2011159786A (ja) * 2010-02-01 2011-08-18 Panasonic Corp モジュールとその製造方法
JP2016072411A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 太陽誘電株式会社 回路モジュール及びその製造方法
WO2017179325A1 (ja) * 2016-04-11 2017-10-19 株式会社村田製作所 高周波部品
WO2018159482A1 (ja) * 2017-02-28 2018-09-07 株式会社村田製作所 積層型電子部品および積層型電子部品の製造方法
WO2018221131A1 (ja) * 2017-06-01 2018-12-06 株式会社村田製作所 電子部品
JP2019114669A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 Tdk株式会社 電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020013100A1 (ja) 2020-01-16
US20210126608A1 (en) 2021-04-29
US11349449B2 (en) 2022-05-31
JP7205541B2 (ja) 2023-01-17
CN112400211B (zh) 2022-06-14
CN112400211A (zh) 2021-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7206187B2 (en) Ceramic electronic component and its manufacturing method
CN110574131B (zh) 层叠型电子部件和层叠型电子部件的制造方法
WO2010143597A1 (ja) 回路基板の製造方法、及び、これにより製造される回路基板、及び、これに用いられる回路基板用母基板
JP2016072411A (ja) 回路モジュール及びその製造方法
US11006516B2 (en) Wiring board, semiconductor device, and method of manufacturing wiring board
US10770223B2 (en) High frequency component
CN111863450B (zh) 中介体及包括该中介体的电子组件
JP2006060147A (ja) セラミック電子部品及びコンデンサ
JPWO2020013100A1 (ja) 積層電子部品および積層電子部品の製造方法
CN109156080B (zh) 陶瓷电子部件
JP4712065B2 (ja) 多数個取り配線基板、配線基板、ならびに多数個取り配線基板および配線基板の製造方法
JP6884062B2 (ja) 配線基板
JP4520665B2 (ja) プリント配線板及びその製造方法並びに部品実装構造
JP5300698B2 (ja) 配線基板
US20230122767A1 (en) Electronic component
US20230119498A1 (en) Electronic component
JP2001077498A (ja) セラミック基板及びその製造方法
JP6631748B2 (ja) 電子回路モジュールの製造方法
US20230070168A1 (en) Coil component and method for manufacturing coil component
JP6773114B2 (ja) セラミック電子部品
JP6738690B2 (ja) セラミックス配線基板の製造方法
JP2023174139A (ja) 積層セラミック電子部品およびその製造方法
TW202121945A (zh) 陶瓷配線基板及陶瓷配線基板的製造方法
JP2007266112A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JP2003163443A (ja) セラミック配線基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210103

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7205541

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150