JPWO2020012644A1 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

電動パワーステアリング装置の制御装置は、同期モータに流れる三相電流をd軸電流およびq軸電流に変換し、d軸電流指令とd軸電流との偏差に対して比例積分制御を行うことでd軸電圧指令を演算し、q軸電流指令とq軸電流との偏差に対して比例積分制御を行うことでq軸電圧指令を演算し、d軸電圧指令およびq軸電圧指令を変換することで得られる三相電圧指令に基づいてインバータを制御する。q軸比例ゲインをKpqとし、q軸電流制御系の時定数をτqとし、q軸インダクタンスまたはd軸インダクタンスをLとし、0よりも大きく1未満である定数をKqとしたとき、q軸比例ゲインは、以下の演算式、すなわち、Kpq=Kq/τq×Lに従って設定される。

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置の制御装置に関するものである。
従来において、電動パワーステアリング装置用のアシストモータとして、永久磁石を有する回転子を備えた永久磁石同期モータが使用されている。永久磁石同期モータは、ブラシレスモータと呼ばれることもある。永久磁石同期モータを制御する方法としては、ベクトル制御が一般に用いられている。ベクトル制御は、回転子の磁極位置の方向をd軸とし、d軸に対して電気角で90度の位相差を持つ軸をq軸としたとき、d軸およびq軸のそれぞれの軸に対して電流制御を行う制御である。
上述のベクトル制御では、永久磁石同期モータに流れる電流の指令値である電流指令と、永久磁石同期モータに流れる電流の検出値である検出電流との偏差に対して、比例積分制御、すなわちPI制御が行われる。これにより、永久磁石同期モータに印加する電圧の指令値である電圧指令が演算される。
ここで、電流制御系の応答角周波数をωcとし、d軸インダクタンスをLdとし、q軸インダクタンスをLqとしたとき、以下のような比例ゲイン設計が行われることが望ましいことが知られている(例えば、非特許文献1および2参照)。すなわち、比例ゲイン設計として、d軸比例ゲインは、ωc×Ldに設定され、q軸比例ゲインは、ωc×Lqに設定される。応答角周波数ωcは、電流制御系の時定数τcとほぼ逆数の関係にある。
また、磁気飽和によるd軸インダクタンスおよびq軸インダクタンスの変動に合わせて、比例ゲインを変動させることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、電動パワーステアリング装置では、電流制御系の時定数を事前に設計した設計値どおりにすることが非常に重要である。実際の時定数が設計値よりも小さいと、電流制御系において、上述の検出電流に含まれるノイズ成分がフィードバックされるので、電動パワーステアリング装置から異音が生じる。その結果、車両の乗務員に不快感を与える。一方、実際の時定数が設計値よりも大きいと、操舵トルクに対して、永久磁石同期モータが発生させるトルク、すなわち操舵をアシストするトルクの応答遅れが生じる。その結果、車両の運転者が感じるハンドル操舵感が悪化する。
特開2001−275381号公報
省エネモータの原理と設計法、科学情報出版株式会社、2013年7月発行(例えば、p.101:式(4−9)参照) ACドライブシステムのセンサレスベクトル制御、株式会社オーム社、電気学会・センサレスベクトル制御の整理に関する調査専門委員会偏、2016年9月発行(例えば、p.102:式(2−39)参照)
ここで、マイコン(microcomputer)、DSP(Digital Signal Processor)などの演算器による離散時間制御で上述したベクトル制御が実現される場合、ベクトル制御の演算が或る周期毎に行われることに伴って、電圧指令の更新もその周期毎に行われる。
このような場合、電圧指令が更新される周期が電流制御系の時定数と比べて十分に小さくなければ、上述した比例ゲイン設計が行われても、電流制御系の時定数が設計値どおりにならない。
つまり、離散時間制御で上述したベクトル制御が実現される場合、電圧指令が更新される周期が電流制御系の時定数と比べて十分に小さくなければ、上述した比例ゲイン設計が行われても、設計値に対して実際の時定数がずれてしまう。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、離散時間制御でベクトル制御が実現される場合であっても、電流制御系の実際の時定数と設計値との間のずれを抑制することのできる電動パワーステアリング装置の制御装置を得ることを目的とする。
本発明における電動パワーステアリング装置の制御装置は、直流電圧を出力する直流電源と、直流電源によって出力される直流電圧を交流電圧に変換し、交流電圧を同期モータに印加するインバータと、同期モータに流れる三相電流をd軸電流およびq軸電流に変換し、d軸電流がd軸電流指令に追従するようにd軸電流指令とd軸電流との偏差に対して比例積分制御を行うことでd軸電圧指令を演算し、q軸電流がq軸電流指令に追従するようにq軸電流指令とq軸電流との偏差に対して比例積分制御を行うことでq軸電圧指令を演算し、d軸電圧指令およびq軸電圧指令を三相電圧指令に変換し、三相電圧指令に基づいてインバータを制御する制御器と、を備え、q軸電流指令とq軸電流との偏差に対して比例積分制御が行われる際に用いられるq軸比例ゲインをKpqとし、q軸電流制御系の時定数をτqとし、q軸インダクタンスまたはd軸インダクタンスをLとし、0よりも大きく1未満である定数をKqとしたとき、q軸比例ゲインは、以下の演算式、すなわち、Kpq=Kq/τq×Lに従って設定されるものである。
本発明によれば、離散時間制御でベクトル制御が実現される場合であっても、電流制御系の実際の時定数と設計値との間のずれを抑制することのできる電動パワーステアリング装置の制御装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1における電動パワーステアリング装置の制御装置を備えた電動パワーステアリング装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態1におけるPWM信号生成器によって生成されるスイッチング信号Gup〜Gwnを示す図である。 本発明の実施の形態1における制御器によって三相電圧指令vu〜vwが演算されるタイミングと、制御器によってスイッチング信号Gup〜Gwnが出力されるタイミングとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態1における電流制御系を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における電圧指令更新周期Tvおよび応答周波数(ωcq/2π)をそれぞれ変動させた場合の定数Kqの計算結果を示す表である。 本発明の実施の形態1における伝達特性Gq(s)のボード線図である。 本発明の実施の形態1における伝達特性Gq(s)のステップ応答を示す図である。 本発明の実施の形態2におけるq軸磁束φqとq軸電流iqとの関係を表すφq−iq特性を示す図である。 本発明の実施の形態2における「dφq/diq」とq軸電流iqとの関係を表す「dφq/diq」−iq特性を示す図である。 本発明の実施の形態2における「dφd/did」とd軸電流idとの関係を表す「dφd/did」−id特性を示す図である。
以下、本発明による電動パワーステアリング装置の制御装置を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一部分または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における電動パワーステアリング装置の制御装置を備えた電動パワーステアリング装置を示す構成図である。
図1において、電動パワーステアリング装置は、同期モータ1と、磁極位置検出器2と、電流検出器3と、直流電源4、インバータ5および制御器6を有する電動パワーステアリング装置の制御装置と、ギア14と、トルク検出器15とを備える。
図1に示す電動パワーステアリング装置が搭載される車両の運転者は、ハンドル12を左右に回転させることで前輪13を操舵する。トルク検出器15は、ステアリング系の操舵トルクTsを検出し、検出した操舵トルクTsを制御器6に出力する。
同期モータ1は、ギア14を介して、操舵トルクを補助するトルクを発生させる。同期モータ1は、U相巻線、V相巻線およびW相巻線を有する固定子と、永久磁石を有する回転子とを備える。この回転子は、ギア14に接続される。
ここで、同期モータ1は、永久磁石を有する回転子を備えたモータに限定されることなく、固定子から生じる回転磁界と回転子とが同期して回転するモータであってもよい。同期モータ1は、具体的には、巻線界磁形同期モータであってもよい。
磁極位置検出器2は、同期モータ1の回転子の磁極位置θを検出し、検出した磁極位置θを制御器6に出力する。
以下、回転子の磁極位置の方向をd軸とし、d軸に対して電気角で90度の位相差を持つ軸をq軸とする。ここで、磁極位置θを取得する具体的な技術として、図1に示すように磁極位置θを検出する磁極位置検出器2が用いられる場合を例示しているが、磁極位置θを推定する公知の技術が用いられてもよい。磁極位置θを推定する公知の技術が用いられる場合、図1に示す電動パワーステアリング装置は、磁極位置検出器2を備えて構成されていなくても構わない。
電流検出器3は、同期モータ1のU相巻線、V相巻線およびW相巻線にそれぞれ流れるU相電流iu、V相電流ivおよびW相電流iwを検出する。電流検出器3は、検出した三相電流iu〜iw、すなわちU相電流iu、V相電流ivおよびW相電流iwを制御器6に出力する。
直流電源4は、インバータ5に直流電圧Vdcを出力する。インバータ5は、直流電源4によって出力される直流電圧Vdcを交流電圧に変換し、その交流電圧を同期モータ1に印加する。具体的には、インバータ5は、制御器6から出力される後述するスイッチング信号Gup〜Gwn、すなわちスイッチング信号Gup、Gvp、Gwp、Gun、GvnおよびGwnに従って、直流電源4によって出力される直流電圧Vdcを交流電圧に変換する。
インバータ5は、スイッチング素子Sup〜Swn、すなわちスイッチング素子Sup、Svp、Swp、Sun、SvnおよびSwnを備える。スイッチング素子Sup〜Swnとして、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、バイポーラトランジスタ、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの半導体スイッチング素子が用いられる。
スイッチング素子Sup〜Swnは、それぞれ、スイッチング信号Gup〜Gwnに応じて動作する。具体例を挙げて述べると、スイッチング信号Gupが、オン指令に相当する「1」である場合、スイッチング素子Supがオンする。一方、スイッチング信号Gupが、オフ指令に相当する「0」である場合、スイッチング素子Supがオフする。スイッチング素子Sup以外の他のスイッチング素子Svp、Swp、Sun、SvnおよびSwnも同様である。
スイッチング信号Gup〜Gwnは、後述するように、三相電圧指令vu〜vw、すなわちU相電圧指令vu、V相電圧指令vvおよびW相電圧指令vwに基づいて生成される。したがって、インバータ5は、三相電圧指令vu〜vwに基づいて、交流電圧を同期モータ1に印加するともいえる。
制御器6は、マイコン、DSPなどの、離散時間制御を行う演算器によって構成される。制御器6は、トルク検出器15から入力される操舵トルクTsと、電流検出器3から入力される三相電流iu〜iwと、磁極位置検出器2から入力される磁極位置θとに基づいて、スイッチング信号Gup〜Gwnを決定して出力する。
以下、制御器6の構成について詳細に述べる。電流指令演算器7は、トルク検出器15から入力される操舵トルクTsに基づいて、d軸電流指令id_refおよびq軸電流指令iq_refを演算する。
一例を挙げると、電流指令演算器7は、以下の式(1−1)および(1−2)に従って、d軸電流指令id_refおよびq軸電流指令iq_refを演算する。
Figure 2020012644
すなわち、式(1−1)および(1−2)から分かるように、電流指令演算器7は、d軸電流指令id_refを0としつつ、q軸電流指令iq_refを操舵トルクTsのKa倍とする。Kaは、車両の走行速度に応じたゲインである。
なお、電流指令演算器7は、MTPA(Max Torque per Ampere)制御、弱め磁束制御などの公知の技術に基づいて、d軸電流指令id_refおよびq軸電流指令iq_refを演算するように構成されていてもよい。
座標変換器8は、磁極位置検出器2から入力される磁極位置θに基づいて、電流検出器3から入力される三相電流iu〜iwを座標変換することで、回転二軸上、すなわちdq軸上のd軸電流idおよびq軸電流iqを演算する。
電流制御器9は、電流指令演算器7から入力されるd軸電流指令id_refおよびq軸電流指令iq_refと、座標変換器8から入力されるd軸電流idおよびq軸電流iqとに基づいて、回転二軸上のd軸電圧指令vdおよびq軸電圧指令vqを演算する。
座標変換器10は、磁極位置検出器2から入力される磁極位置θに基づいて、電流制御器9から入力されるd軸電圧指令vdおよびq軸電圧指令vqを座標変換することで、三相座標上の三相電圧指令vu〜vwを演算する。
PWM信号生成器11は、座標変換器10から入力される三相電圧指令vu〜vwに基づいて、スイッチング信号Gup〜Gwnを生成する。
次に、PWM信号生成器11がスイッチング信号Gup〜Gwnを生成する動作について、図2を参照しながら述べる。図2は、本発明の実施の形態1におけるPWM信号生成器11によって生成されるスイッチング信号Gup〜Gwnを示す図である。
図2に示すように、PWM信号生成器11は、電流制御器9から入力される三相電圧指令vu〜vwのそれぞれを、搬送波Cと比較する。搬送波Cの周期はTcであり、搬送波Cの周波数はfcである。
PWM信号生成器11は、上述の比較の結果、U相電圧指令vuが搬送波Cよりも大きい場合には、スイッチング信号Gupを「1」にし、スイッチング信号Gunを「0」にする。一方、PWM信号生成器11は、U相電圧指令vuが搬送波Cよりも小さい場合には、スイッチング信号Gupを「0」にし、スイッチング信号Gunを「1」にする。なお、上述したとおり、「1」はオン指令に相当し、「0」はオフ指令に相当する。
同様に、PWM信号生成器11は、上述の比較の結果、V相電圧指令vvが搬送波Cよりも大きい場合には、スイッチング信号Gvpを「1」にし、スイッチング信号Gvnを「0」にする。一方、PWM信号生成器11は、V相電圧指令vvが搬送波Cよりも小さい場合には、スイッチング信号Gvpを「0」にし、スイッチング信号Gvnを「1」にする。
同様に、PWM信号生成器11は、上述の比較の結果、W相電圧指令vwが搬送波Cよりも大きい場合には、スイッチング信号Gwpを「1」にし、スイッチング信号Gwnを「0」にする。一方、PWM信号生成器11は、W相電圧指令vwが搬送波Cよりも小さい場合には、スイッチング信号Gwpを「0」にし、スイッチング信号Gwnを「1」にする。
なお、インバータ5の上アーム側および下アーム側のスイッチング素子が同時にオンすることがないように、短絡防止時間、すなわちデッドタイムが設けられていてもよいことは言うまでもない。
このように、制御器6は、同期モータ1に流れる三相電流iu〜iwをd軸電流idおよびq軸電流iqに変換する。制御器6は、d軸電流idがd軸電流指令id_refに追従するようにd軸電流指令id_refとd軸電流idとの偏差に対して比例積分制御を行うことでd軸電圧指令vdを演算する。制御器6は、q軸電流iqがq軸電流指令iq_refに追従するようにq軸電流指令iq_refとq軸電流iqとの偏差に対して比例積分制御を行うことでq軸電圧指令vqを演算する。制御器6は、d軸電圧指令vdおよびq軸電圧指令vqを三相電圧指令vu〜vwに変換し、三相電圧指令vu〜vwに基づいてインバータ5を制御する。
ここで、電動パワーステアリング装置の騒音を低減する観点から、搬送波Cの周波数fcは、例えば、18kHz以上20kHz以下に設定される。以下の説明においては、搬送波Cの周波数fcの具体的な数値例として、周波数fcが20kHzである場合を想定する。この場合、周波数fcは、周期Tcの逆数、すなわち1/Tcに等しいので、搬送波Cの周期Tcが50μsである。
次に、制御器6によって三相電圧指令vu〜vwが演算されるタイミングと、制御器6によってスイッチング信号Gup〜Gwnが出力されるタイミングとについて、図3を参照しながら述べる。図3は、本発明の実施の形態1における制御器6によって三相電圧指令vu〜vwが演算されるタイミングと、制御器6によってスイッチング信号Gup〜Gwnが出力されるタイミングとの関係を示す図である。
図3に示すように、時刻t(n)において、三相電流iu(n)〜iw(n)が電流検出器3によって検出され、磁極位置θ(n)が磁極位置検出器2によって検出され、これらの検出値が座標変換器8に入力される。
時刻t(n)以降から時刻t(n+1)までの間に、座標変換器8、電流制御器9および座標変換器10のそれぞれによって行われる上述の演算が完了し、三相電圧指令vu(n)〜vw(n)が得られる。続いて、時刻t(n+1)において、演算された三相電圧指令vu(n)〜vw(n)は、PWM信号生成器11に入力される。つまり、時刻t(n+1)において、スイッチング信号Gup〜Gwnを生成するのに用いられる三相電圧指令vu〜vwは、三相電圧指令vu(n)〜vw(n)に更新される。
時刻t(n+1)において、PWM信号生成器11は、更新後の三相電圧指令vu(n)〜vw(n)を用いて生成したスイッチング信号Gup(n)〜Gwn(n)を出力する。また、時刻t(n+1)において、三相電流iu(n+1)〜iw(n+1)が電流検出器3によって検出され、磁極位置θ(n+1)が磁極位置検出器2によって検出され、これらの検出値が座標変換器8に入力される。
時刻t(n+1)以降から時刻t(n+2)までの間に、座標変換器8、電流制御器9および座標変換器10のそれぞれによって行われる上述の演算が完了し、三相電圧指令vu(n+1)〜vw(n+1)が得られる。続いて、時刻t(n+2)において、演算された三相電圧指令vu(n+1)〜vw(n+1)は、PWM信号生成器11に入力される。つまり、時刻t(n+2)において、スイッチング信号Gup〜Gwnを生成するのに用いられる三相電圧指令vu〜vwは、三相電圧指令vu(n)〜vw(n)から、三相電圧指令vu(n+1)〜vw(n+1)に更新される。
時刻t(n+2)において、PWM信号生成器11は、更新後の三相電圧指令vu(n+1)〜vw(n+1)を用いて生成したスイッチング信号Gup(n+1)〜Gwn(n+1)を出力する。また、時刻t(n+2)において、三相電流iu(n+2)〜iw(n+2)が電流検出器3によって検出され、磁極位置θ(n+2)が磁極位置検出器2によって検出され、これらの検出値が座標変換器8に入力される。
時刻t(n+2)以降から時刻t(n+3)までの間に、座標変換器8、電流制御器9および座標変換器10のそれぞれによって行われる上述の演算が完了し、三相電圧指令vu(n+2)〜vw(n+2)が得られる。時刻t(n+3)以降も、同様に、上述した演算が繰り返される。
図3に示すように、制御器6によって三相電圧指令vu〜vwが更新される周期はTvである。以下、この周期Tvを電圧指令更新周期Tvと称す。また、三相電流iu〜iwと磁極位置θとが検出されてから、これらの検出値が三相電圧指令vu〜vwに反映されてスイッチング信号Gup〜Gwnが出力されるまでの間に、Tvの時間遅れが生じる。
ここで、先の図2から分かるように、実施の形態1では、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって、同期モータ1に印加される電圧が生成される。そのため、電圧指令更新周期Tvは、搬送波Cの周期Tcの半分未満に設定されても意味がない。つまり、周期Tcの半分未満の電圧指令更新周期Tvで、三相電圧指令vu〜vwが更新されても意味がない。
したがって、電圧指令更新周期Tvは、Tc/2以上の周期であり、かつ、Tc/2の整数倍の周期に設定される。上述したように周期Tcが50μsである場合には、電圧指令更新周期Tvは、25μs以上の周期であり、かつ、25μsの整数倍の周期に設定される。
次に、電流制御器9について詳細に述べる。先の図1に示すように、電流制御器9は、d軸電圧指令vdを演算する電流制御器9dと、q軸電圧指令vqを演算する電流制御器9qとを含んで構成される。
電流制御器9dには、d軸電流指令id_refと、d軸電流idとの偏差が入力される。電流制御器9dは、入力されたその偏差に基づいて、以下の式(1−3)に従って、d軸電圧指令vdを演算する。
Figure 2020012644
なお、式(1−3)において、「id_ref−id」の部分は、上述の偏差、すなわち、d軸電流指令id_refと、d軸電流idとの偏差を意味する。式(1−3)に示されるように、この偏差にKpdを乗算することは「比例制御」に相当し、この偏差にKid/sを乗算することは「積分制御」に相当する。ただし、Kpdは、d軸比例ゲインであり、Kidは、d軸積分ゲインであり、sは、ラプラス演算子である。
d軸比例ゲインKpdおよびd軸積分ゲインKidは、それぞれ、以下の式(1−4)および(1−5)に従って設定される。
Figure 2020012644
ただし、Kdは、0よりも大きく1未満の定数であり、τdは、d軸電流制御系の時定数であり、Ldは、d軸インダクタンスであり、Rは、巻線抵抗である。
電流制御器9qには、q軸電流指令iq_refと、q軸電流iqとの偏差が入力される。電流制御器9qは、入力されたその偏差に基づいて、以下の式(1−6)に従って、q軸電圧指令vqを演算する。
Figure 2020012644
なお、式(1−6)において、「iq_ref−iq」の部分は、上述の偏差、すなわち、q軸電流指令iq_refと、q軸電流iqとの偏差を意味する。式(1−6)に示されるように、この偏差にKpqを乗算することは「比例制御」に相当し、この偏差にKiq/sを乗算することは「積分制御」に相当する。ただし、Kpqは、q軸比例ゲインであり、Kiqは、q軸積分ゲインであり、sは、ラプラス演算子である。
q軸比例ゲインKpqおよびq軸積分ゲインKiqは、それぞれ、以下の式(1−7)および(1−8)に従って設定される。
Figure 2020012644
ただし、Kqは、0よりも大きく1未満の定数であり、τqは、q軸電流制御系の時定数であり、Lqは、同期モータ1の基準動作点におけるq軸インダクタンスである。基準動作点以外の同期モータ1の動作点では、磁気飽和を考慮し、その動作点に応じたq軸インダクタンスを用いて、式(1−7)に従って、q軸比例ゲインKpqが設定されるようにすればよい。
ここで、q軸比例ゲインKpqおよびq軸積分ゲインKiqの設定について説明する。上述したように、式(1−7)および式(1−8)において、時定数τq、定数Kq、q軸インダクタンスLqおよび巻線抵抗Rが用いられる。q軸インダクタンスLqおよび巻線抵抗Rは、以下のように設定される。なお、時定数τqおよび定数Kqの設定については後述する。
一例として、q軸インダクタンスLqおよび巻線抵抗Rがオフラインで事前に計測される場合には、その計測結果を用いて式(1−7)および式(1−8)に従って計算された結果が設計者によって予め制御器6に組み込まれる。別例として、q軸インダクタンスLqおよび巻線抵抗Rが電磁界解析によって事前に計算される場合には、その計算結果を用いて式(1−7)および式(1−8)に従って計算された結果が設計者によって予め制御器6に組み込まれる。
制御器6がq軸インダクタンスLqおよび巻線抵抗Rをオンラインで同定するためのプログラムが設計者によって予め制御器6に組み込まれている場合、制御器6は、q軸インダクタンスLqおよび巻線抵抗Rをオンラインで同定する。制御器6は、その同定結果を用いて、式(1−7)および式(1−8)に従ってq軸比例ゲインKpqおよびq軸積分ゲインKiqを演算する。
次に、電流制御器9を含む電流制御系について、図4を参照しながら詳細に述べる。図4は、本発明の実施の形態1における電流制御系を示すブロック図である。なお、図4に示す電流制御系は、先の図1に対して、電流指令演算器7、座標変換器8、座標変換器10およびPWM信号生成器11が省略された状態で表現されている。
図4に示す電流制御系は、減算器、電流制御器9qおよびブロック100qを有するq軸電流制御部6qと、ブロック101qとを含んで構成されている。
ブロック101qの伝達関数は、同期モータ1のq軸に関する伝達関数である。この伝達関数は、巻線抵抗Rおよびq軸インダクタンスLqを用いた一次遅れ系で表される。このブロック101qは、q軸電圧指令vqを入力として、その伝達関数に従って、q軸電流iqを出力する。
同期モータ1のq軸電圧に関する電圧方程式は、以下の式(1−9)によって表される。ブロック101qの伝達関数、すなわち、同期モータ1のq軸に関する伝達関数は、式(1−9)に示される電圧方程式において、回転角速度ω=0とおくことで、容易に得られる。つまり、式(1−9)では、ωを含む項は、外乱とみなされて無視されている。
Figure 2020012644
ただし、φは、磁束鎖交数である。
q軸電流制御部6qは、q軸電流指令iq_refとq軸電流iqとを入力として、q軸電圧指令vqを出力する。電流制御器9qは、上述した式(1−6)に従った演算を行う。ブロック100qの伝達関数は、q軸上の演算無駄時間を表現した伝達関数である。
ここで、先の図3に示すように、三相電流iu〜iwと磁極位置θとが検出されてから、これらの検出値が三相電圧指令vu〜vwに反映されてスイッチング信号Gup〜Gwnが出力されるまでの間に、Tvの時間遅れが生じる。したがって、q軸電流制御部6qについて、この時間遅れを考慮する必要がある。そのため、ブロック100qの伝達関数は、Tvの伝達特性exp(−s×Tv)を一次のパデ近似で近似して表現されている。
続いて、図4から分かるように、q軸電流指令iq_refから、q軸電流iqまでの伝達特性Gq(s)は、以下の式(1−10)のように表される。
Figure 2020012644
ここで、時定数τqと応答角周波数ωcqとの関係について、ωcq=1/τqが成立する。応答角周波数ωcqは、式(1−10)における折点周波数に等しい。式(1−10)のゲインは、−3dBである。よって、以下の式(1−11)が成立する。
Figure 2020012644
さらに、式(1−10)を、式(1−11)に代入し、定数Kqについて解くことで、以下の式(1−12)が得られる。
Figure 2020012644
ただし、式(1−12)におけるA、BおよびCは、それぞれ、以下の式(1−13)、式(1−14)および式(1−15)によって表される。
Figure 2020012644
次に、電圧指令更新周期Tvおよび応答周波数(ωcq/2π)をそれぞれ変動させて式(1−12)に従って定数Kqが計算された場合の定数Kqの計算結果について、図5を参照しながら述べる。図5は、本発明の実施の形態1における電圧指令更新周期Tvおよび応答周波数(ωcq/2π)をそれぞれ変動させた場合の定数Kqの計算結果を示す表である。
なお、この計算では、R=10mΩとし、Lq=50μHとしている。ただし、Rの値およびLqの値が変動しても、Kqの値がほぼ変動することなく、ωcqの値に応じてKqの値が変動する。図5に示される数値は、RおよびLqの値が様々な値を取り得る同期モータに対して適用可能である。また、Lqの値の代わりに、実施の形態2で後述する「dφq/diq」の値を用いてもよい。
図5に示すように、電圧指令更新周期Tvは、25μsの整数倍としている。また、応答周波数(ωcq/2π)は、操舵トルクへの追従性を考慮して、100Hz以上1000Hz以下としている。応答周波数(ωcq/2π)を時定数τqに換算すると、時定数τqは、159μs以上1592μs以下としていることとなる。
図5から分かるように、定数Kqの計算結果について、定数Kqの値は、0よりも大きく1未満となっている。つまり、上述した従来の比例ゲイン設計とは異なり、定数Kqの値が1に一致していないことが分かる。
ここで、電動パワーステアリング装置では、電流制御系の時定数を事前に設計した設計値どおりにすることが非常に重要である。また、離散時間制御でベクトル制御が実現されるように制御器6が構成される場合、時定数τqに対して、電圧指令更新周期Tvは、無視できるほどに小さくない。
そこで、実施の形態1では、上述した従来の比例ゲイン設計とは異なり、定数Kqの値が1ではなく、定数Kqの値が0よりも大きく1未満に設定される。時定数τqに対して、電圧指令更新周期Tvが大きくなるほど、定数Kqの値は小さくなる。
図5に示す計算結果より、電圧指令更新周期Tvが25μs以上500μs以下に設定され、時定数τqが159μs以上1592μs以下に設定され、定数Kqの値は、0よりも大きく1未満に設定される。より具体的には、定数Kqの値は、0.4482以上0.9747以下に設定される。なお、時定数τqを応答周波数(ωcq/2π)に換算すると、時定数τqが159μs以上1592μs以下に設定されることは、応答周波数(ωcq/2π)が100Hz以上1000Hz以下に設定されることと等価である。
このような設定によって、離散時間制御でベクトル制御が実現されるように制御器6が構成される場合、電流制御系の実際の時定数を設計値に一致させることが可能となる。
ここで、図5に示す太枠部分は、q軸電流指令iq_refをステップ入力した場合のq軸電流iqの応答に対してオーバシュートがステップ幅の10%未満となる定数Kqの値の領域を示す。電動パワーステアリング装置では、このようなオーバシュートが可能な限り小さいことが望ましい。
その理由は、オーバシュートが発生すると、操舵トルクに応じたq軸電流指令iq_refに対して、q軸電流iqが大きくなるからである。この場合、同期モータ1が発生させるトルクが、操舵トルクから決定される同期モータ1への要求トルクよりも大きくなる。その結果、車両の運転者が感じるハンドル操舵感が悪化する。さらに、ハンドルが切り戻される場合などにおいて、ハンドルを操作する速度が急変すると、オーバシュートによって、数百Hz〜数kHzといった高周波数の異音が生じる。その結果、車両の乗務員に不快感を与える。
上述の点を考慮して、時定数τqが159μs以上1592μs以下に設定され、電圧指令更新周期Tvが25μs以上500μs以下に設定され、定数Kqの値が0.4827以上0.9747以下に設定される。これにより、図5から分かるように、上述のオーバシュートを10%未満に抑えることができる。
また、上述の設定に対して、電圧指令更新周期Tvが25μs以上300μs以下に設定される。これにより、上述のオーバシュートが10%を超える場合の定数Kqの最高値を、0.5758から0.5098にまで下げられる。
さらに、上述の設定に対して、電圧指令更新周期Tvが25μs以上150μs以下に設定される。これにより、時定数τqの値によらず、上述のオーバシュートを10%未満に抑えることができる。
また、上述の設定に対して、定数Kqの値が0.5758よりも大きく0.9747以下に設定される。これにより、電圧指令更新周期Tvおよび時定数τqによらず、上述のオーバシュートを10%未満に抑えることができる。
次に、電圧指令更新周期Tv、時定数τqおよび定数Kqの設定について説明する。電圧指令更新周期Tvおよび時定数τqは、設計者によって予め設計されて設定されるパラメータであり、制御器6に組み込まれる。
同期モータ1のパラメータがオンラインで同定される場合には、定数Kqは、一例として、その同定結果を用いて、式(1−12)、式(1−13)、式(1−14)および式(1−15)に従って、制御器6によってオンラインで演算されて設定される。同期モータ1のパラメータがオフラインで同定できている場合には、定数Kqは、別例として、その同定結果を用いて、式(1−12)、式(1−13)、式(1−14)および式(1−15)に従って予め計算され、その計算結果が制御器6に組み込まれる。
次に、実施の形態1において、電圧指令更新周期Tv、時定数τqおよび定数Kqが設定される場合に、設計値どおりの時定数τqが得られる理由について、図6および図7を参照しながら説明する。
図6は、本発明の実施の形態1における伝達特性Gq(s)のボード線図である。図7は、本発明の実施の形態1における伝達特性Gq(s)のステップ応答を示す図である。なお、図6および図7では、式(1−10)に示される伝達特性Gq(s)のボード線図およびステップ応答の一例がそれぞれ図示されている。
図6および図7に示すように、伝達特性Gq(s)は、基本的には、一次遅れ系の特性を示す。一次遅れ系では、ステップ応答の時定数の逆数で表される角周波数にて、ボード線図のゲイン特性が−3dBとなる。したがって、一次遅れ系では、ボード線図のゲインが−3dBとなる周波数を2πで乗算した角周波数の逆数は、ステップ応答の時定数となる。
ここで、例えば、応答周波数(ωcq/2π)が600Hzであるときにゲインが−3dBとなるように、電圧指令更新周期Tv、時定数τqおよび定数Kqは、式(1−11)、式(1−12)、式(1−13)、式(1−14)および式(1−15)に従って設定される場合を考える。
この場合、図6に示すように、応答周波数(ωcq/2π)が600Hzであるときにゲインが−3dBとなる。また、図7に示すように、伝達特性Gq(s)のステップ応答では、応答角周波数ωcqの逆数に相当する時間、すなわち、1/(2π×600)=265μsにて、定常値1の約0.6倍となっている。このことから、設計値どおりの時定数τqが得られることが分かる。
以上、q軸に関する電流制御器9qについて述べたが、d軸に関する電流制御器9dについても同様の考え方を適用すれば、電流制御系の実際の時定数τdを設計値に一致させることが可能となる。すなわち、上述した手法によって、電圧指令更新周期Tvおよび時定数τdに応じて、定数Kdが演算される。その定数Kdをd軸比例ゲインKpdに反映させることで、電流制御系の実際の時定数τdを設計値に一致させることが可能となる。
なお、上述の式(1−7)では、インダクタンスLとして、q軸インダクタンスLqが用いられているが、q軸インダクタンスLqとd軸インダクタンスLdとの差異が小さい場合には、Lqの代わりに、Ldが用いられてもよい。
以上、本実施の形態1によれば、電動パワーステアリング装置の制御装置において、q軸電流指令とq軸電流との偏差に対して比例積分制御が行われる際に用いられるq軸比例ゲインKpqとし、q軸電流制御系の時定数をτqとし、q軸インダクタンスまたはd軸インダクタンスをLとし、0よりも大きく1未満である定数をKqとしたとき、以下の演算式、すなわち、Kpq=Kq/τq×Lによって設定される。
これにより、離散時間制御でベクトル制御が実現される場合であっても、電流制御系の実際の時定数と設計値とのずれを抑制することができる。また、電動パワーステアリング装置において、所望の電流応答を実現することが可能となり、結果として、電動パワーステアリング装置から異音が生じることを抑制することができるとともに、ハンドル操舵をアシストするトルクの応答遅れを抑制することができる。さらに、同期モータ、インバータおよび制御回路が一体化されて構成される電動パワーステアリング装置においても、所望の電流応答を実現することが可能となる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、先の実施の形態1に対して電流制御器9qの構成が異なる電動パワーステアリング装置の制御装置について説明する。なお、実施の形態2では、先の実施の形態1と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
電流制御器9qは、q軸電流指令iq_refとq軸電流iqとの偏差に基づいて、以下の式(2−1)に従って、q軸電圧指令vqを演算する。
Figure 2020012644
ただし、Kpq’は、q軸比例ゲインである。q軸比例ゲインKpq’は、以下の式(2−2)に従って設定される。q軸積分ゲインKiqは、先の実施の形態1と同様に、式(1−8)に従って設定される。
Figure 2020012644
ただし、dφqは、基準動作点におけるq軸微小磁束であり、diqは、基準動作点におけるq軸微小電流である。Kqおよびτqは、先の実施の形態1と同様である。
ここで、q軸比例ゲインKpq’の設定について説明する。上述したように、式(2−2)において、時定数τq、定数Kqおよび「dφq/diq」が用いられる。「dφq/diq」は、以下のように設定される。なお、時定数τqおよび定数Kqの設定については、先の実施の形態1と同様である。
一例として、q軸インダクタンスLq、「dφq/diq」および巻線抵抗Rがオフラインで事前に計測される場合には、その計測結果を用いて式(2−2)に従って計算された結果が設計者によって予め制御器6に組み込まれる。別例として、q軸インダクタンスLq、「dφq/diq」および巻線抵抗Rが電磁界解析によって事前に計算される場合には、その計算結果を用いて式(2−2)に従って計算された結果が設計者によって予め制御器6に組み込まれる。
制御器6がq軸インダクタンスLq、「dφq/diq」および巻線抵抗Rをオンラインで同定するためのプログラムが設計者によって予め制御器6に組み込まれている場合、制御器6は、q軸インダクタンスLq、「dφq/diq」および巻線抵抗Rをオンラインで同定する。制御器6は、その同定結果を用いて、式(2−2)に従ってq軸比例ゲインKpq’を演算する。
以下、式(2−2)に示される「dφq/diq」を演算する方法について詳細に述べる。図8は、本発明の実施の形態2におけるq軸磁束φqとq軸電流iqとの関係を表すφq−iq特性を示す図である。なお、図8では、同期モータ1として、埋込磁石同期モータ、換言すると、IPM(Interior Permanent Magnet)モータが使用された場合に得られるφq−iq特性が示されている。
まず、図8に示すように、1点の基準動作点が定められる。なお、図8では、基準動作点として、iq=1.3[p.u.]が定められる場合が例示されている。続いて、図8に示すように、その基準動作点におけるq軸微小電流diqおよびq軸微小磁束dφqが求められ、求められたこれらの値から「dφq/diq」が演算される。このように演算された「dφq/diq」は、式(2−2)に反映される。
基準動作点は、設計者が事前に予め定めた動作点であり、同期モータ1のパラメータが解析、あるいはオフライン計測またはオンライン計測によって同定が可能な動作点に設定される。同期モータ1のパラメータは、q軸インダクタンスLq、「dφq/diq」および巻線抵抗Rを含む。
なお、基準動作点は、1点に限らず、複数点定められていてもよい。この場合、複数点の基準動作点に対して、それぞれ対応する「dφq/diq」が演算される。その後、2点の基準動作点における「dφq/diq」から線形補完等が用いられる形で、基準動作点以外の動作点における「dφq/diq」が演算される。このように演算された「dφq/diq」は、式(2−2)に反映される。基準動作点以外の動作点におけるq軸比例ゲインKpq’は、基準動作点におけるq軸比例ゲインKpq’に係数を乗じることで得られる値に設定される。この係数は、動作点における「dφq/diq」に基づいて設定される。
なお、同期モータ1のパラメータを解析あるいはオフライン計測によって事前に把握できている場合には、基準動作点以外の動作点におけるq軸比例ゲインKpq’は、設計者によって予め制御器6に組み込まれていてもよい。同期モータ1のパラメータをオンライン計測によって同定する場合には、制御器6は、その同定結果を用いて、式(2−2)に従って、基準動作点以外の動作点におけるq軸比例ゲインKpq’をオンラインで演算してもよい。
これにより、同期モータ1として、埋込磁石同期モータが使用された場合において、同期モータ1の基準動作点以外の動作点についても、所望の電流応答が得られる。
次に、q軸電流iqに対する「dφq/diq」の特性について、図9を参照しながら述べる。図9は、本発明の実施の形態2における「dφq/diq」とq軸電流iqとの関係を表す「dφq/diq」−iq特性を示す図である。なお、図9に示される縦軸は、dL1を基準として、その倍数次ごとに目盛りが入れられている。
例えば、図9において、iq=0.05から1.35までの範囲で「dφq/diq」が同定可能な場合、その範囲内の任意の点が基準動作点として定められる。
以下、基準動作点として、iq=0.05[p.u.]が定められる場合を例に挙げて述べる。基準点動作点におけるq軸比例ゲインKpq’は、式(2−2)に従って設定される。
基準動作点に相当するiq=0.05[p.u.]における「dφq/diq」は、図9から分かるように、7L1である。また、基準動作点以外の動作点を、例えば、iq=0.55[p.u.]とすると、その動作点における「dφq/diq」は、図9から分かるように、5L1である。
したがって、この動作点におけるq軸比例ゲインKpq’は、上述の基準動作点におけるq軸比例ゲインKpq’に係数を乗じることで得られる値に設定される。この係数として、5L1/7L1が設定される。このように、基準動作点におけるq軸比例ゲインKpq’に乗じる係数として、動作点における「dφq/diq」を、基準動作点における「dφq/diq」で除した値が設定される。
なお、同期モータ1に流れる電流が規定値よりも小さい場合には、「dφq/diq」は、q軸インダクタンスLqとほぼ等しい。そこで、「dφq/diq」がq軸インダクタンスLqとほぼ等しい状況である場合には、基準動作点におけるq軸比例ゲインKpq’は、先の実施の形態1で述べた式(1−7)に従って設定されるようにしてもよい。この場合、基準動作点以外におけるq軸比例ゲインKpq’に乗じる係数は、動作点における「dφq/diq」に応じて変動させる。
以下、実施の形態2における電流制御器9qの構成によって得られる効果について述べる。ここで、図8に示されるφq−iq特性は、磁気飽和の影響によって、直線的に変化するのではなく、その特性の傾きがq軸電流iqに応じて変化している。特に、q軸電流iqが大きい領域では、この特性の傾きの絶対値が小さくなっている、すなわち、「dφq/diq」の絶対値が小さくなっている。
次に、「dφq/diq」と、q軸比例ゲインKpq’との関係について述べる。同期モータ1の電圧方程式としては、上述した式(1−9)が一般的である。ただし、この方程式を、q軸電流iqに応じて「dφq/diq」の大きさが変わるモータに適用することは、最適でない。ここで、式(1−9)の右辺第2項をq軸方向の磁束で表現すると、以下の式(2−3)のように表される。
Figure 2020012644
φq=Lqiqの関係式が成立するので、この関係式を式(2−3)に代入すると、以下の式(2−4)のように表される。
Figure 2020012644
Lqが一定とみなせる場合、すなわち、磁気飽和が発生しないとみなせる場合には、式(2−4)の右辺第2項は、以下の式(2−5)のように表される。
Figure 2020012644
この式(2−5)は、s=d/dtであることを考慮すると、式(1−9)と等価である。したがって、一般的に用いられる式(1−9)は、Lqが変動しない、すなわち磁気飽和が発生しない同期モータに対しての適用が有効である。しかしながら、式(1−9)は、Lqが変動する、すなわち磁気飽和が発生する同期モータに対して適用されると、演算されるq軸電圧指令vqに誤差が生じる。
そこで、式(2−4)は、以下の式(2−6)のように変更される。この式(2−6)と式(2−5)との違いとして、式(2−6)では、式(2−4)におけるLqが「dφq/diq」に置き換えられている。
Figure 2020012644
以上を踏まえ、実施の形態2におけるq軸比例ゲインKpq’の設計では、式(1−7)のLqが「dφq/diq」に置き換えられることで得られる式(2−2)が用いられる。式(2−2)に示されるように、q軸比例ゲインKpq’は、「dφq/diq」に応じて設定される。このような設定によって、図8に示されるように磁気飽和の影響によってφq−iq特性がヒステリシス状の波形となる場合であっても、電流制御系の実際の時定数τqを設計値に一致させることが可能となる。その結果、同期モータ1として、埋込磁石同期モータ、インセット型永久磁石同期モータなどの磁気飽和が発生する同期モータが使用された場合であっても、所望の電流応答が得られる。
以上のように、実施の形態2では、q軸比例ゲインKpq’が「dφq/diq」に基づいて設定されることによって、同期モータ1に電流を通電した場合であっても、所望の時定数τqが得られる。
さらに、図9に示される「dφq/diq」−iq特性では、iqが0.05[p.u.]である場合の「dφq/diq」が7L1である。つまり、同期モータ1に流れる電流が零近傍である場合には、「dφq/diq」が7L1となる。
一方、この特性では、iqが1.35[p.u.]である場合の「dφq/diq」が3L1を下回っている。つまり、同期モータ1に電流を通電した場合には、「dφq/diq」が3L1を下回ることとなる。
このように、同期モータ1は、同期モータ1に流れるq軸電流iqが増加するのに従って「dφq/diq」が減少する特性を有する。具体的には、同期モータ1に電流を通電した場合の「dφq/diq」は、同期モータ1に流れる電流が零近傍である場合の「dφq/diq」に対して、3L1/7L1=3/7≒43%未満に低下していることとなる。実施の形態2では、同期モータ1に流れる電流が零近傍である場合に対して、同期モータ1に電流を通電した場合に「dφq/diq」が50%未満に低下する特性を有する同期モータ1についても、所望の電流応答が得られる。
次に、電流制御器9dについて述べる。電流制御器9dは、d軸電流指令id_refとd軸電流idとの偏差に基づいて、以下の式(2−7)に従って、d軸電圧指令vdを演算する。
Figure 2020012644
ただし、Kpd’は、d軸比例ゲインである。d軸比例ゲインKpd’は、以下の式(2−8)に従って設定される。d軸積分ゲインKidは、先の実施の形態1と同様に、式(1−5)に従って設定される。
Figure 2020012644
ただし、dφdは、基準動作点におけるd軸微小磁束であり、didは、基準動作点におけるd軸微小電流である。Kdおよびτdは、先の実施の形態1と同様である。式(2−8)に示されるd軸比例ゲインKpd’は、上述したq軸比例ゲインKpq’と同様の方法によって設定される。
次に、d軸電流idに対する「dφd/did」の特性について、図10を参照しながら述べる。図10は、本発明の実施の形態2における「dφd/did」とd軸電流idとの関係を表す「dφd/did」−id特性を示す図である。なお、図10に示される縦軸は、先の図9と同様に、dL1を基準として、その倍数次ごとに目盛りが入れられている。
図10に示されるd軸電流idに対する「dφd/did」の変化量は、先の図9に示されるq軸電流iqに対する「dφq/diq」の変化量よりも小さい。ここで、同期モータ1に流れる電流が規定値よりも小さい場合には、「dφq/diq」>「dφd/did」の関係式が成立する一方、同期モータ1に流れる電流がその規定値よりも大きい場合には、「dφq/diq」<「dφd/did」の関係式が成立する。
したがって、式(2−2)および(2−8)に従って、同期モータ1に流れる電流が規定値よりも小さい場合には、d軸比例ゲインKpd’がq軸比例ゲインKpq’よりも小さく設定され、同期モータ1に流れる電流が規定値よりも大きい場合には、d軸比例ゲインKpd’がq軸比例ゲインKpq’よりも大きく設定される。このような設定によって、同期モータ1として、埋込磁石同期モータ、インセット型永久磁石同期モータなどの磁気飽和が発生する同期モータが使用された場合であっても、所望の電流応答が得られる。
以上、本実施の形態2によれば、電動パワーステアリング装置の制御装置において、q軸電流指令とq軸電流との偏差に対して比例積分制御が行われる際に用いられるq軸比例ゲインをKpq’とし、q軸電流制御系の時定数をτqとし、q軸微小磁束をdφqとし、q軸微小電流をdiqとし、0よりも大きく1未満である定数をKqとしたとき、q軸比例ゲインは、以下の演算式、すなわち、Kpq’=Kq/τq×dφq/diqに従って設定される。このような場合であっても、先の実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、本発明の実施例として実施の形態1および2を説明したが、本発明は実施の形態1および2の各構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態1および2の各構成を適宜組み合わせたり、各構成に一部変形を加えたり、各構成を一部省略したりすることが可能である。
1 同期モータ、2 磁極位置検出器、3 電流検出器、4 直流電源、5 インバータ、6 制御器、6q q軸電流制御部、7 電流指令演算器、8 座標変換器、9 電流制御器、9d 電流制御器、9q 電流制御器、10 座標変換器、11 PWM信号生成器、12 ハンドル、13 前輪、14 ギア、15 トルク検出器、100q ブロック、101q ブロック。

Claims (9)

  1. 直流電圧を出力する直流電源と、
    前記直流電源によって出力される前記直流電圧を交流電圧に変換し、前記交流電圧を同期モータに印加するインバータと、
    前記同期モータに流れる三相電流をd軸電流およびq軸電流に変換し、前記d軸電流がd軸電流指令に追従するように前記d軸電流指令と前記d軸電流との偏差に対して比例積分制御を行うことでd軸電圧指令を演算し、前記q軸電流がq軸電流指令に追従するように前記q軸電流指令と前記q軸電流との偏差に対して比例積分制御を行うことでq軸電圧指令を演算し、前記d軸電圧指令および前記q軸電圧指令を三相電圧指令に変換し、前記三相電圧指令に基づいて前記インバータを制御する制御器と、
    を備え、
    前記q軸電流指令と前記q軸電流との前記偏差に対して前記比例積分制御が行われる際に用いられるq軸比例ゲインをKpqとし、q軸電流制御系の時定数をτqとし、q軸インダクタンスまたはd軸インダクタンスをLとし、0よりも大きく1未満である定数をKqとしたとき、
    前記q軸比例ゲインは、以下の演算式に従って設定される
    Kpq=Kq/τq×L
    電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 直流電圧を出力する直流電源と、
    前記直流電源によって出力される前記直流電圧を交流電圧に変換し、前記交流電圧を同期モータに印加するインバータと、
    前記同期モータに流れる三相電流をd軸電流およびq軸電流に変換し、前記d軸電流がd軸電流指令に追従するように前記d軸電流指令と前記d軸電流との偏差に対して比例積分制御を行うことでd軸電圧指令を演算し、前記q軸電流がq軸電流指令に追従するように前記q軸電流指令と前記q軸電流との偏差に対して比例積分制御を行うことでq軸電圧指令を演算し、前記d軸電圧指令および前記q軸電圧指令を三相電圧指令に変換し、前記三相電圧指令に基づいて前記インバータを制御する制御器と、
    を備え、
    前記q軸電流指令と前記q軸電流との前記偏差に対して前記比例積分制御が行われる際に用いられるq軸比例ゲインをKpq’とし、q軸電流制御系の時定数をτqとし、q軸微小磁束をdφqとし、q軸微小電流をdiqとし、0よりも大きく1未満である定数をKqとしたとき、
    前記q軸比例ゲインは、以下の演算式に従って設定される
    Kpq’=Kq/τq×dφq/diq
    電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記同期モータの基準動作点以外の動作点における前記q軸比例ゲインは、前記基準動作点における前記q軸比例ゲインに係数を乗じることで得られる値に設定され、
    前記係数は、前記動作点におけるdφq/diqに基づいて設定される
    請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記同期モータは、前記同期モータに流れる前記q軸電流が増加するのに従ってdφq/diqが減少する特性を有する
    請求項2または3に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記d軸電流指令と前記d軸電流との前記偏差に対して前記比例積分制御が行われる際に用いられるd軸比例ゲインは、
    前記同期モータに流れる前記q軸電流が規定値よりも小さい場合には、前記q軸比例ゲインよりも小さく設定され、前記同期モータに流れる前記q軸電流が前記規定値よりも大きい場合には、前記q軸比例ゲインよりも大きく設定される
    請求項2から4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  6. 前記時定数は、159μs以上1592μs以下に設定され、
    前記制御器によって前記三相電圧指令が更新される電圧指令更新周期は、25μs以上500μs以下に設定され、
    前記定数は、0.4827以上0.9747以下に設定される
    請求項1から5のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  7. 前記電圧指令更新周期は、25μs以上300μs以下に設定される
    請求項6に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  8. 前記電圧指令更新周期は、25μs以上150μs以下に設定される
    請求項6に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  9. 前記定数は、0.5758よりも大きく0.9747以下に設定される
    請求項6から8のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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