JPWO2019244883A1 - 塩類が除去されたポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

塩類が除去されたポリシロキサンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリシロキサン中に不純物として含まれる塩類を活性炭により除去して、塩類等の濃度が低下されたポリシロキサンの製造方法を提供する。本発明は半導体関連の分野に適用可能である。【解決手段】有機溶剤中でポリシロキサンを活性炭と接触させる工程(1)、その後ポリシロキサンを分離する工程(2)を含む、塩類が除去されたポリシロキサンの製造方法。ポリシロキサンはポリシロキサンと有機溶剤の合計質量に基づいて20〜90質量%の割合で、活性炭はポリシロキサンの質量に基づいて3〜100質量%の割合で適用され得る。工程(1)において活性炭との接触温度は5〜50℃の範囲に調整され得る。有機溶剤は無極性有機溶剤を採用し得、芳香族炭化水素として、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が、脂肪族炭化水素として、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等が挙げられる。活性炭は3〜200ミクロンメートルの平均粒子径を有し得る。【選択図】 なし

Description

本発明は、塩類が除去されたポリシロキサンの製造方法に関する。詳細には、ポリシロキサンを有機溶剤中で活性炭と接触させ、ポリシロキサン中に混入してなる塩類を除去する方法に関する。
ポリシロキサンは電気、機械、食品等の様々な分野で使用される。使用される用途によっては、ポリシロキサン中の不純物の混入を望まない分野がある。例えば電気分野、特に半導体関連の分野では、ポリシロキサン中に含まれる塩類が電気物性に悪影響を及ぼすことがあり、塩類の含有量は極めて低濃度であることが望まれている。
ポリシロキサン類は、代表例としてハロゲン化シランの加水分解と重縮合によって製造される。すなわち、ハロゲン化シランのハロゲン化シリル基を加水分解してシラノールを生成させ、ハロゲン化シランとしてクロロシランを用いた場合には加水分解時に塩酸が副生するため、これを酸触媒としてシラノールを重縮合させることにより、ポリシロキサンが生成される。このとき、副生した塩酸を中和するためにアルカリ(例えば水酸化ナトリウム)が使われるが、生成したポリシロキサン中に、中和により生じた塩化ナトリウム等の塩類が不純物として取り込まれて存在し、上述した問題を生じ得る。ポリシロキサンはケイ素に結合する置換基の種類にもよるが、一般的に疎水性の傾向があり、一方塩類は親水性であり、疎水性物質(ポリシロキサン)中に取り込まれた親水性物質(塩類)の除去には、プロセス的に難しい点もある。
不純物の除去にあたり、従来から活性炭を使った精製技術がある。
例えば、貝殻、卵殻等を用いたカルシウム含有組成物に活性炭等を含有させたガス吸着剤をホルマリン等の吸着に利用する発明がある(特許文献1参照)。
ピロロキノリンキノン類を含む水性媒体を活性炭と接触させる工程を含む高純度ピロロキノリンキノン類の製造方法の発明がある(特許文献2参照)。
また活性炭を用いて有機溶剤中の金属を除去する吸着剤が開示されている(特許文献3参照)。
特開2014−005195号公報 特開2014−193838号公報 特開2017−177047号公報
水性媒体中でポリシロキサンと活性炭を接触させた場合、上述したとおり一般的にポリシロキサンは疎水性の傾向があることから、ポリシロキサンの内部にまで水性媒体が浸透せず、ポリシロキサンの内部に活性炭が到達し難いこと、また、ポリシロキサン表面において水性媒体が浸透した部分では、水性媒体によって塩類がイオン化されてカチオンとアニオンを形成し、これらイオン形態は活性炭では吸着することが難しいと考えられる。
また、分液操作による除去や、イオン交換樹脂を用いた除去方法では、半導体分野等で求められる塩類の極少量レベル(例えば10ppm以下)までの精製を実現することは難しい。
本願発明はポリシロキサン中に不純物として含まれる塩類を活性炭により除去して、塩類等の濃度が低下されたポリシロキサンの製造方法を提供する。
本願発明は第1観点として、有機溶剤中でポリシロキサンを活性炭と接触させる工程(1)、その後ポリシロキサンを分離する工程(2)を含む、塩類が除去されたポリシロキサンの製造方法、
第2観点として、ポリシロキサンは、ポリシロキサンと有機溶剤の合計質量に基づいて20〜90質量%の割合で適用する、第1観点に記載の製造方法、
第3観点として、活性炭は、ポリシロキサンの質量に基づいて3〜100質量%の割合で適用する、第1観点又は第2観点に記載の製造方法、
第4観点として、工程(1)において、活性炭との接触温度は、5〜50℃の範囲に調整される、第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載の製造方法、
第5観点として、有機溶剤が無極性有機溶剤である、第1観点乃至第4観点のいずれか一つに記載の製造方法、及び
第6観点として、活性炭は、3〜200ミクロンメートルの平均粒子径を有する、第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の製造方法である。
本願発明では有機溶剤中でポリシロキサンを活性炭と接触させることによりポリシロキサン中の塩類を除去し、塩類が除去されたポリシロキサンを得ることができる。
有機溶剤中でポリシロキサンと活性炭を接触させた場合、水性媒体中のポリシロキサンとは異なり、ポリシロキサンの内部まで有機溶剤が浸透する、又はポリシロキサンが有機溶剤に溶解し、ポリシロキサン中の塩類はイオン化されずに粒子状塩類として存在することができる。そしてこの微少な粒子状塩類を活性炭に吸着させた後、ポリシロキサンを塩類が吸着された活性炭と分離することで、ポリシロキサン中の塩類を除去できると考えられる。
本願発明は有機溶剤中でポリシロキサンを活性炭と接触させる工程(1)、その後ポリシロキサンを分離する工程(2)を含む、塩類が除去されたポリシロキサンの製造方法である。
本願発明の工程(1)で用いられる原料となるポリシロキサンは特に限定されず、種々の製法で得られた、また種々の官能基を有するポリシロキサンを使用することができる。
例えば、クロロシランを塩酸で加水分解し重縮合してポリシロキサンを製造する際、生じた塩酸をアルカリ(例えば水酸化ナトリウム)水溶液で中和する工程を経て得られたポリシロキサンを、工程(1)のポリシロキサンに用いることができる。上記中和に用いるアルカリは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。
また上記ポリシロキサンは、有機官能基を含むクロロシランを加水分解し重縮合したポリシロキサンを用いることができる。なお、ここでいう有機官能基とは、典型的には塩素原子以外の有機基を意味し、メチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基等のアルケニル基、フェニル基、1−ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
クロロシランはケイ素原子に結合する塩素原子数によって4官能、3官能、2官能、1官能のクロロシランに分類され、本発明は何れの官能数のクロロシランも使用可能である。ここでいう官能数とは、ケイ素原子に結合する塩素原子数である。
4官能シランとしてテトラクロロシランが挙げられる。
3官能シランとしてトリクロロシラン、アルキルトリクロロシラン、アルケニルトリクロロシラン、アリールトリクロロシラン等が挙げられる。
2官能シランとしてジクロロシラン、ジアルキルジクロロシラン、ジアルケニルジクロロシラン、ジアリールジクロロシラン、アルキルアルケニルジクロロシラン、アルキルアリールジクロロシラン、アルケニルアリールジクロロシラン等が挙げられる。
また1官能シランとしてはクロロシラン、トリアルキルクロロシラン、トリアルケニルクロロシラン、トリアリールクロロシラン、ジアルキルアルケニルクロロシラン、ジアルキルアリールクロロシラン、ジアルケニルアルキルクロロシラン、ジアルケニルアリールクロロシラン、ジアリールアルキルクロロシラン、ジアリールアルケニルクロロシラン等が挙げられる。
また、ポリシロキサンを製造する時の原料シランは、単一シランを用いる場合と、複数のシランの組み合わせによるシランを用いる場合がある。
単一シランを用いる場合、例えば上記4官能シラン、3官能シラン、2官能シラン、1官能シランを単独で用いる場合がある。
また、複数のシランを組み合わせて用いる場合は、例えば上記4官能シランと1官能シランの組み合わせ、3官能シランと1官能シランの組み合わせ、2官能シランと1官能シランの組み合わせ、4官能シランと3官能シランと1官能シランの組み合わせ、3官能シランと2官能シランと1官能シランの組み合わせ、4官能シランと3官能シランと2官能シランと1官能シランの組み合わせによるシランを用いることができる。
先に例示したシランに含まれるアルキル基としては炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基等が挙げられる。
上記シランに含まれるアルケニル基としては炭素原子数2〜10のアルケニル基が挙げられ、例えばビニル基、プロペニル基(アリル基)等が挙げられる。
上記シランに含まれるアリール基としては炭素原子数6〜40のアリール基が挙げられ、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
これらのアルキル基、アルケニル基、アリール基はそれぞれ組み合わせて用いることもできる。また、アルキル基、アルケニル基、アリール基はハロゲン基、ヒドロキシ基、ニトロ基、スルホン基、アミノ基等によって置換されていてもよい。
上記ポリシロキサンは、シラン中のシラノール基(−Si−OH)が全て縮合したシロキサン結合(−Si−O−Si−)の状態、シラノール基の一部又は全部が縮合せずにシラノール基として存在している状態、又はこれらが混在している状態のポリシロキサンを用いることができる。
また上記ポリシロキサンは構造中に架橋構造を有していてもよい。
工程(1)で用いられるポリシロキサンの分子量は特に定めはないが、例えば重量平均分子量で100〜1,000,000、又は1,000〜100,000の範囲のポリシロキサンを用いることができる。
なお、重量平均分子量は、例えば、GPC装置(東ソー(株)製EcoSEC,HLC−8320GPC)及びGPCカラム(昭和電工(株)製Shodex(登録商標),KF−803L、KF−802及びKF−801)を用い、カラム温度を40℃とし、溶離液(溶出溶媒)としてテトラヒドロフランを用い、流量(流速)を1.0mL/分とし、標準試料としてポリスチレン(シグマアルドリッチ社製)を用いて、測定することができる。
工程(1)で用いられるポリシロキサンに含まれる塩類の含有量は特に定めはないが、通常はナトリウム等のカチオンとして100ppm以上、又は200ppm以上、又は400ppm以上であり、塩素等のアニオンとして100ppm以上、又は200ppm以上、又は400ppm含まれているものを用いることができる。むろんこれ以外の範囲で塩類を含有するポリシロキサンを用いてもよい。通常、処理するのに適する上限は1000ppm程度である。
なお、塩類の含有量として勘定されるこれらイオンには、遊離状態で存在するイオンは含まれず、ポリシロキサンに吸着等で取り込まれ、洗浄等によっても除去できないイオン(塩類)が含まれる。
本願発明に用いられる活性炭は、粉末状乃至粒状の活性炭を用いることができる。活性炭の粒度としては平均粒子径で3〜400ミクロンメートル、又は3〜200ミクロンメートルの範囲で用いることができる。なお、ここでいう平均粒子径は、活性炭を水に分散させた分散液を用いて、株式会社堀場製作所製 レーザ回折/散乱式粒度分布測定器LA−920で測定して得られる値である。
活性炭は市販品を用いることができる。例えば、大阪ガスケミカル株式会社製、商品名:特製白鷺、味の素株式会社製、商品名:SD等が挙げられる。
本願発明に用いられる有機溶剤は、工程(1)で用いられる原料の(すなわち未精製の、あるいは精製不足の)ポリシロキサンと親和性を示すか、又はポリシロキサンを溶解する溶剤が好ましい。上記有機溶剤は、中でも、無極性有機溶剤であることが好ましい。
上記有機溶剤としては芳香族又は脂肪族の炭化水素、又はシロキサン系溶剤を用いることができる。
芳香族炭化水素の例として、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。
また脂肪族炭化水素の例として、例えば飽和炭化水素を挙げることができ、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等が挙げられる。
シロキサン系溶剤としてはヘキサメチルジシロキサンを例示することができる。
上記有機溶剤には水分を極力含まないことが好ましいが、5.0体積%未満の水分を含有することは可能である。
有機溶剤として無極性有機溶剤(例えば疎水性の炭化水素)を用いることや、水分を含まないことが好ましい理由は、ポリシロキサン中に含まれる塩類が親水性溶剤や水の存在によってイオン化することにより、活性炭で除去することが難しくなるためである。
工程(1)において、ポリシロキサンは、ポリシロキサンと有機溶剤の合計質量に基づいて5〜95質量%、又は20〜90質量%、又は40〜90質量%、又は50〜80質量%で適用することができる。すなわち、ポリシロキサンと有機溶剤からなる液において、ポリシロキサンを上述の濃度で分散又は溶解させることができる。
また活性炭は、ポリシロキサンの質量に基づいて、1〜200質量%、1.5〜175質量%、2.0〜150質量%、1.5〜125質量%、又は3〜100質量%の割合で適用することができる。無論、これを超える量で活性炭を適用することも可能であるが、続く工程(2)で活性炭の分離に時間を要することになり、効率的でない。また、このような範囲内の量の活性炭を適用することで、精製度の高いポリシロキサンを再現性よく得ることができる。
工程(1)において、有機溶剤中におけるポリシロキサンの活性炭との接触温度は、例えば通常5〜50℃、又は10〜40℃の範囲に調整することができる。この温度範囲外にて接触温度を調整することも可能であるが、使用する有機溶剤の融点や沸点、また蒸気圧等を考慮に入れる必要がある。
有機溶剤中におけるポリシロキサンの活性炭との接触時間は、0.001〜20時間、又は0.1〜10時間程度に調整することが好ましい。
ポリシロキサンの活性炭との接触は、バッチ式でも連続式でも可能である。バッチ式の場合は撹拌装置の付いた容器を用い、有機溶剤中でポリシロキサンを活性炭と接触することができる。
工程(2)はポリシロキサンを分離する工程である。まず、ろ過等により活性炭を分離してポリシロキサンの有機溶剤溶液を得た後、更に有機溶剤を蒸留等で留去する方法で分離することで、塩類が除去されたポリシロキサンを製造することができる。
活性炭を分離してポリシロキサンの有機溶剤溶液を得るには、例えば孔径が1μm以下の濾紙もしくはメンブレンフィルタを付けた濾過器を通過させる方法が有効である。この方法により濾紙上に活性炭が残り、濾液としてポリシロキサンの有機溶剤溶液を分離することができる。上記有機溶剤溶液の通過は重力式でも可能であるが、空気や不活性ガス(例えば窒素ガス)の圧力で加圧することで通過させることが可能である。ポリシロキサンが空気との接触で変性する可能性のある場合は不活性ガスを用いることが好ましい。
活性炭の分離後、ポリシロキサンの有機溶剤溶液から蒸留等により有機溶剤を留去する方法で有機溶剤を除去し、ポリシロキサンを回収することができる。使用した有機溶剤にもよるが、常圧乃至減圧下(例えば50Pa)で有機溶剤を除去することができる。
本願発明により得られたポリシロキサンは、ポリシロキサン中におけるナトリウム等のカチオンとしての含有量が10ppm以下、例えば0.1〜10ppmの範囲であり、塩素等のアニオンとしての含有量が10ppm以下、例えば0.1〜10ppmの範囲である、塩類の含有量が低減されたポリシロキサンとすることが可能である。
上述したとおり、本願発明では塩類の一例として塩化ナトリウムの低減を示したが、同様に有機溶剤中で粒子形状となる塩類、例えばハロゲン化金属、硫化金属、水酸化金属等も除去することが可能である。これらの金属としては銀、コバルト、クロム、銅、リチウム、マンガン、ニッケル、鉛、カリウム、白金、スズ、アルミニウム、カルシウム、鉄、マンガン、亜鉛等が挙げられる。
なお、本願発明では活性炭で塩類を除去するものであるが、塩類が何らかの理由によりイオン化して活性炭で除去することができない形態にある塩類は、活性炭処理の後に陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を交互に接触させる方法で更に塩類を低減することが可能である。
<ポリシロキサン中の塩類(カチオン、アニオン)の分析方法>
カチオンは誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)を使用して分析した。
アニオンはイオンクロマト分析で測定した。
<使用材料等>
PS1:ポリシロキサン材料1(市販のシリコーン樹脂、成分はポリジメチルシロキサン、重量平均分子量9,000、Naを130ppm、Clを220ppm含有する)
PS2:ポリシロキサン材料2(市販のシリコーン樹脂、成分はポリジメチルシロキサン、重量平均分子量7,300、Naを250ppm、Clを400ppm含有する)
AC1:活性炭1(大阪ガスケミカル社製、商品名:特製白鷺、平均粒子径72μm)
AC2:活性炭2(味の素株式会社製、商品名:SD、平均粒子径75μm)
AC3:活性炭3(味の素株式会社製、商品名:ZN、平均粒子径75μm)
AC4:活性炭4(フタムラ化学株式会社製、商品名:太閤Y、平均粒子径35μm)
AC5:活性炭5(フタムラ化学株式会社製、商品名:太閤K、平均粒子径35μm)
S1:溶剤1(トルエン、市販品)
S2:溶剤2(エクソンモービル社製、商品名Isopar−E、主成分はオクタンとノナンの混合物)
S3:溶剤3(ヘキサメチルジシロキサン、市販品)
S4:溶剤4(メチルブチルカルビノール、市販品)
(実施例1)
表1に示す材料・濃度等に従い、300mlのビーカーに所定量のポリシロキサン材料と有機溶剤を添加しポリシロキサン溶液を作成し、更に活性炭を加え、スターラーで所定温度、所定時間の撹拌を行った。
その後、活性炭を濾紙(孔径:0.5μm)でろ過し、活性炭ろ過後のポリシロキサン溶液から有機溶剤を蒸留で除去して、ポリシロキサンを得た。
得られたポリシロキサン中の塩類(カチオン、アニオン)の含有量(残存Na量、残存Cl量)を分析した。結果を表2に示す。
(実施例2〜18、例19)
実施例1と同様に、表1に示す材料等を用いて実施例2〜18、及び例19を実施し、得られたポリシロキサン中の塩類(カチオン、アニオン)の含有量(残存Na量、残存Cl量)を分析した。結果を表2に示す。
表1中、「ポリシロキサン材料」欄の「種類」は上記ポリシロキサン材料1〜2の種類(PS1又はPS2)であり、「濃度」とはポリシロキサン材料と有機溶剤の合計質量に対するポリシロキサン材料の濃度(質量%)を示す。
「有機溶剤」は上記溶剤1〜3の種類(S1、S2、又はS3)である。
「活性炭」欄の「種類」は上記活性炭1〜5の種類(AC1、AC2、AC3、AC4又はAC5)であり、「添加量」はポリシロキサン材料(質量)に対する添加量(質量%)である。
また温度と時間は、有機溶剤中でポリシロキサン材料を活性炭と接触させる温度(℃)及び時間(h)である。
Figure 2019244883
Figure 2019244883
(比較例1:分液処理を用いた操作(1))
上記ポリシロキサン材料1(PS1)とトルエン(S1)を混合して50質量%ポリシロキサン溶液を作成し、300mlの分液ロートに添加した。続いて、10質量%の硫酸水溶液を、質量比でポリシロキサン溶液:硫酸水溶液=50:50になるように分液ロートに加えて分液処理を行い、ポリシロキサン溶液を回収した。この操作(硫酸水溶液の添加及び分液処理)を5回繰り返した。
5回操作後、得られたポリシロキサン溶液から有機溶剤を蒸留で除去してポリシロキサンを得、ポリシロキサン中の塩類(カチオン、アニオン)の含有量(残存Na量、残存Cl量)を分析した。結果を表3に示す。
(比較例2:分液処理を用いた操作(2))
比較例1の分液操作(硫酸水溶液の添加及び分液処理)を10回繰り返した。10回操作後、得られたポリシロキサン溶液から有機溶剤を蒸留で除去してポリシロキサンを得、ポリシロキサン中の塩類(カチオン、アニオン)の含有量(残存Na量、残存Cl量)を分析した。結果を表3に示す。
(比較例3:分液処理を用いた操作(3))
比較例1の分液操作(硫酸水溶液の添加及び分液処理)を15回繰り返した。15回操作後、得られたポリシロキサン溶液から有機溶剤を蒸留で除去してポリシロキサンを得、ポリシロキサン中の塩類(カチオン、アニオン)の含有量(残存Na量、残存Cl量)を分析した。結果を表3に示す。
(比較例4:イオン交換樹脂を用いた操作(1))
200mlのビーカーに30gの上記ポリシロキサン材料1(PS1)と30gのメチルブチルカルビノール(S4)を添加し50質量%のポリシロキサン溶液を作成した。
これに6gの陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、商品名アンバーリスト15JS−HG・Dry)を加え、ミックスローターにて、100rpm、室温(23℃)条件で、4時間撹拌した。ろ過にて陽イオン交換樹脂を分離しポリシロキサン溶液を得た。
得られたポリシロキサン溶液に6gの陰イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、商品名アンバーリストB20−HG・Dry)を加え、ミックスローターにて、100rpmで室温(23℃)条件にて、4時間撹拌した。ろ過にて、陰イオン交換樹脂を分離し、ポリシロキサン溶液を得た。
得られたポリシロキサン溶液から有機溶剤を蒸留で除去してポリシロキサンを得た。得られたポリシロキサン中の塩類(カチオン、アニオン)の含有量(残存Na量、残存Cl量)を分析した。結果を表3に示す。
(比較例5:イオン交換樹脂を用いた操作(2))
比較例4において、陽イオン交換樹脂の添加量を6gから12gに変更し、陰イオン交換樹脂の添加量を6gから12gに変更した以外は、比較例4と同様に行い、ポリシロキサンを得、ポリシロキサン中の塩類(カチオン、アニオン)の含有量(残存Na量、残存Cl量)を分析した。結果を表3に示す。
Figure 2019244883
ポリシロキサンは電気、機械、食品等の様々な分野で使用される。使用される用途によってはポリシロキサン中の不純物の混入を望まない分野がある。例えば電気分野、特に半導体関連の分野ではポリシロキサン中に含まれる塩類が電気物性に悪影響を及ぼすことがあり、極めて低濃度の含有量が望まれている。本発明では塩類の含有量が極めて低い分野に適用するポリシロキサンを提供することができる。

Claims (6)

  1. 有機溶剤中でポリシロキサンを活性炭と接触させる工程(1)、その後ポリシロキサンを分離する工程(2)を含む、塩類が除去されたポリシロキサンの製造方法。
  2. ポリシロキサンは、ポリシロキサンと有機溶剤の合計質量に基づいて20〜90質量%の割合で適用する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 活性炭は、ポリシロキサンの質量に基づいて3〜100質量%の割合で適用する、請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. 工程(1)において、活性炭との接触温度は、5〜50℃の範囲に調整される、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 有機溶剤が無極性有機溶剤である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 活性炭は、3〜200ミクロンメートルの平均粒子径を有する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の製造方法。
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