JPWO2019220497A1 - 飛行時間型質量分析装置 - Google Patents

飛行時間型質量分析装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2019220497A1
JPWO2019220497A1 JP2020519221A JP2020519221A JPWO2019220497A1 JP WO2019220497 A1 JPWO2019220497 A1 JP WO2019220497A1 JP 2020519221 A JP2020519221 A JP 2020519221A JP 2020519221 A JP2020519221 A JP 2020519221A JP WO2019220497 A1 JPWO2019220497 A1 JP WO2019220497A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
ambient temperature
flight
flight tube
target temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020519221A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6927426B2 (ja
Inventor
朋也 工藤
朋也 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Publication of JPWO2019220497A1 publication Critical patent/JPWO2019220497A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6927426B2 publication Critical patent/JP6927426B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/40Time-of-flight spectrometers
    • H01J49/405Time-of-flight spectrometers characterised by the reflectron, e.g. curved field, electrode shapes
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/62Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/0009Calibration of the apparatus
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/04Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components
    • H01J49/0468Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components with means for heating or cooling the sample
    • H01J49/0486Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components with means for heating or cooling the sample with means for monitoring the sample temperature
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/40Time-of-flight spectrometers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Abstract

フライトチューブ246は、中空状であり、イオン射出部から射出されたイオンが導入される。リフレクトロン244は、フライトチューブ246内に設けられ、環状に形成された複数の電極244A,244Bを同軸上に並べて構成される。真空チャンバ247は、分析時に真空状態となる真空室247Aが内部に形成され、真空室247A内にフライトチューブ246が設けられている。温調機構248は、フライトチューブ246を温調する。周囲温度センサ250は、真空チャンバ247の外側の周囲温度を検知する。周囲温度センサ250により検知される周囲温度に基づいて、温調機構248の目標温度が設定される。

Description

本発明は、イオン射出部から射出されたイオンが導入される中空状のフライトチューブを備えた飛行時間型質量分析装置に関するものである。
飛行時間型質量分析装置(TOFMS:Time of Flight Mass Spectrometer)においては、分析対象であるイオンがイオン射出部から射出され、そのイオンが中空状のフライトチューブ内を飛行した後、検出器で検出される。これにより、検出器に到達するまでのイオンの飛行時間が測定され、その飛行時間に基づいてイオンの質量電荷比m/zが算出される(例えば、下記特許文献1参照)。
フライトチューブは、金属により形成されている。したがって、フライトチューブの周囲の温度(周囲温度)が変化すると、フライトチューブが熱膨張又は熱収縮することにより、フライトチューブ内でのイオンの飛行時間が変動し、測定精度が悪くなるという問題がある。
そこで、フライトチューブを温調することにより、周囲温度が変化した場合であってもフライトチューブを一定温度に保つことが一般的に行われている。この場合、フライトチューブを温調する際の目標温度は一定温度(例えば45℃)に設定される。
特開2017−59385号公報
しかしながら、フライトチューブを一定の目標温度で温調した場合、例えば冬季のように周囲温度が低いときには、より多くの電力が必要になる。そのため、無駄な電力が必要となり、ランニングコストが高くなるという問題がある。
また、装置が設置される環境に応じて周囲温度が大きく変化する場合があるため、幅広い周囲温度に適用可能な高出力のヒータを用いる必要がある。そのため、製造コストが高くなるだけでなく、故障によりヒータが最大出力で駆動され続けた場合などには、火災の危険性があり、安全性が損なわれるという問題がある。
一方、上記のような問題を避けるために低出力のヒータを用いた場合には、狭い範囲の周囲温度にしか適用できない。この場合、空調により周囲温度を調整するなどの対応が必要となり、そのような空調を行うことができない環境においては、装置性能を十分に発揮することができないという問題がある。
また、冬季のように周囲温度が低いときには、装置を起動する際、フライトチューブの温度が目標温度で安定するまでに時間がかかるため、分析を開始するまでの待ち時間が長くなってしまう。このように、周囲温度に応じて、分析を開始するまでの待ち時間にばらつきが生じるという問題がある。
さらに、温調の目標温度と周囲温度との差が大きいほど、温調されるフライトチューブに生じる温度勾配(温度ムラ)が大きくなるという問題もある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ランニングコストを低減することができる飛行時間型質量分析装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、安全性を向上することができる飛行時間型質量分析装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、幅広い周囲温度に適用した場合でも、装置性能を十分に発揮することができる飛行時間型質量分析装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、分析を開始するまでの待ち時間にばらつきが生じにくい飛行時間型質量分析装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、温調されるフライトチューブに生じる温度勾配を小さくすることができる飛行時間型質量分析装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る飛行時間型質量分析装置は、イオン射出部と、フライトチューブと、リフレクトロンと、真空チャンバと、温調機構と、周囲温度センサとを備える。前記イオン射出部は、分析対象であるイオンを射出する。前記フライトチューブは、中空状であり、前記イオン射出部から射出されたイオンが導入される。前記リフレクトロンは、前記フライトチューブ内に設けられ、環状に形成された複数の電極を同軸上に並べて構成される。前記真空チャンバは、分析時に真空状態となる真空室が内部に形成され、当該真空室内に前記フライトチューブが設けられている。前記温調機構は、前記フライトチューブを温調する。前記周囲温度センサは、前記真空チャンバの外側の周囲温度を検知する。前記周囲温度センサにより検知される周囲温度に基づいて、前記温調機構の目標温度を設定可能である。
このような構成によれば、真空チャンバの外側の周囲温度を周囲温度センサにより検知し、その周囲温度に基づいて設定された目標温度でフライトチューブを温調することができる。したがって、周囲温度が低いときには目標温度も低く設定することにより、ランニングコストを低減することができる。
また、周囲温度に基づいて温調機構の目標温度が設定されるため、低出力のヒータであっても、幅広い周囲温度に装置を適用することができる。したがって、故障によりヒータが最大出力で駆動され続けた場合などであっても、火災の危険性が低く、安全性を向上することができる。
また、幅広い周囲温度に装置を適用した場合でも、空調により周囲温度を調整したりすることなく、低出力のヒータを用いて装置性能を十分に発揮することができる。
また、周囲温度に基づいて温調機構の目標温度が設定されるため、周囲温度が低いときには目標温度も低く設定することにより、フライトチューブの温度が目標温度で安定するまでの時間をほぼ一定にすることができる。これにより、分析を開始するまでの待ち時間にばらつきを生じにくくすることができる。
また、周囲温度によらず、周囲温度と温調機構の目標温度との差を小さくすることができるため、温調されるフライトチューブに生じる温度勾配を小さくすることができる。
(2)前記飛行時間型質量分析装置は、前記周囲温度センサにより検知される周囲温度に基づいて、前記温調機構の目標温度を自動設定する目標温度設定処理部をさらに備えていてもよい。
このような構成によれば、周囲温度に基づいて温調機構の目標温度が目標温度設定処理部により自動設定されるため、目標温度の設定ミスが生じるのを防止することができる。したがって、目標温度を常に適切な温度に設定することができる。
(3)前記目標温度設定処理部は、前記周囲温度センサにより検知される周囲温度に対して一定値を加算又は減算することにより、前記温調機構の目標温度を自動設定してもよい。
このような構成によれば、周囲温度と温調機構の目標温度との差が常に一定になるように、温調機構の目標温度が自動設定される。したがって、分析を開始するまでの待ち時間がほぼ一定となり、温調されるフライトチューブに生じる温度勾配もほぼ一定となる。
本発明によれば、周囲温度が低いときには目標温度も低く設定することにより、ランニングコストを低減することができる。
また、本発明によれば、故障によりヒータが最大出力で駆動され続けた場合などであっても、火災の危険性が低く、安全性を向上することができる。
また、本発明によれば、幅広い周囲温度に装置を適用した場合でも、空調により周囲温度を調整したりすることなく、低出力のヒータを用いて装置性能を十分に発揮することができる。
また、本発明によれば、フライトチューブの温度が目標温度で安定するまでの時間をほぼ一定にすることができるため、分析を開始するまでの待ち時間にばらつきを生じにくくすることができる。
また、本発明によれば、周囲温度によらず、周囲温度と温調機構の目標温度との差を小さくすることができるため、温調されるフライトチューブに生じる温度勾配を小さくすることができる。
本発明の一実施形態に係る飛行時間型質量分析装置を備えた液体クロマトグラフ質量分析装置の構成例を示す概略図である。 フライトチューブの周辺の具体的構成を示す概略図である。
1.液体クロマトグラフ質量分析装置の全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る飛行時間型質量分析装置を備えた液体クロマトグラフ質量分析装置の構成例を示す概略図である。この液体クロマトグラフ質量分析装置は、液体クロマトグラフ部1及び質量分析部2を備えている。
液体クロマトグラフ部1は、移動相容器10、ポンプ11、インジェクタ12及びカラム13などを備えている。移動相容器10には、移動相が貯留されている。ポンプ11は、移動相容器10内の移動相をインジェクタ12へと送り出す。インジェクタ12では、移動相容器10からの移動相に対して、所定量の試料が注入される。試料が注入された移動相はカラム13に導入され、カラム13を通過する過程で試料中の各成分が分離される。カラム13で分離された試料中の各成分は、質量分析部2に順次供給される。
質量分析部2は、飛行時間型質量分析装置(TOFMS:Time of Flight Mass Spectrometer)により構成されており、イオン化室20、第1中間室21、第2中間室22、第3中間室23及び分析室24などが内部に形成されている。イオン化室20内は、略大気圧となっている。第1中間室21、第2中間室22、第3中間室23及び分析室24は、それぞれ真空ポンプ(図示せず)の駆動により真空状態(負圧状態)とされる。イオン化室20、第1中間室21、第2中間室22、第3中間室23及び分析室24は、互いに連通しており、この順序に従って段階的に真空度が高くなるように構成されている。
イオン化室20には、例えばESI(Electro Spray Ionization)スプレーからなるスプレー201が設けられている。液体クロマトグラフ部1から供給される試料中の各成分を含む試料液は、スプレー201により、電荷が付与されながらイオン化室20内に噴霧される。これにより、試料中の各成分由来のイオンが生成される。ただし、質量分析部2で用いられるイオン化法は、ESIに限らず、例えばAPCI(Atmospheric Pressure Chemical Ionization)又はPESI(Probe Electro Spray Ionization)などの他のイオン化法が用いられてもよい。
第1中間室21は、小径の管からなる加熱キャピラリ202を介して、イオン化室20に連通している。また、第2中間室22は、小孔からなるスキマー212を介して、第1中間室21に連通している。第1中間室21及び第2中間室22には、それぞれイオンを収束させつつ後段へ送るためのイオンガイド211,221が設けられている。
第3中間室23には、例えば四重極マスフィルタ231及びコリジョンセル232などが設けられている。コリジョンセル232の内部には、アルゴン又は窒素などのCID(Collision Induced Dissociation)ガスが連続的又は間欠的に供給される。コリジョンセル232内には、多重極イオンガイド233が設けられている。
第2中間室22から第3中間室23に流入するイオンは、四重極マスフィルタ231により質量電荷比に応じて分離され、特定の質量電荷比を有するイオンのみが四重極マスフィルタ231を通過する。四重極マスフィルタ231を通過したイオンは、プリカーサイオンとしてコリジョンセル232内に導入され、CIDガスと接触して開裂されることにより、プロダクトイオンが生成される。生成されたプロダクトイオンは、多重極イオンガイド233により一時的に保持され、所定のタイミングでコリジョンセル232から放出される。
第3中間室23及び分析室24には、これらの室内を跨るようにトランスファー電極部240が設けられている。トランスファー電極部240は、第3中間室23に設けられた1つ又は複数の第1電極234と、分析室24に設けられた1つ又は複数の第2電極241とを含む。第1電極234及び第2電極241は、それぞれ環状に形成され、同軸上に並べて配置されている。コリジョンセル232から放出されたイオン(プロダクトイオン)は、トランスファー電極部240において複数の電極234,241の内側を通過することにより収束される。
分析室24には、上記第2電極241の他、直交加速部242、加速電極部243、リフレクトロン244、検出器245及びフライトチューブ246などが設けられている。フライトチューブ246は、例えば両端部が開放された中空状の部材であり、その内部にリフレクトロン244が配置されている。
直交加速部242には、トランスファー電極部240からイオンが入射する。直交加速部242は、互いに間隔を隔てて対向する1対の電極242A,242Bを備えている。1対の電極242A,242Bは、トランスファー電極部240からのイオンの入射方向に対して平行に延びており、これらの電極間には直交加速領域242Cが形成されている。
一方の電極242Bは、複数の開口を有するグリッド電極により構成されている。直交加速領域242Cに入射するイオンは、当該イオンの入射方向に対して直交方向に加速され、一方の電極242Bの開口を通過して、加速電極部243へと導かれる。本実施形態において、直交加速部242は、分析対象となるイオンを射出するイオン射出部を構成している。直交加速部242から射出されるイオンは、加速電極部243によりさらに加速され、フライトチューブ246内に導入される。
フライトチューブ246内に設けられたリフレクトロン244は、1つ又は複数の第1電極244Aと、1つ又は複数の第2電極244Bとを含む。第1電極244A及び第2電極244Bは、それぞれ環状に形成され、フライトチューブ246の軸線に沿って同軸上に並べて配置されている。第1電極244A及び第2電極244Bには、それぞれ異なる電圧が印加される。
フライトチューブ246内に導入されたイオンは、フライトチューブ246内に形成された飛行空間内に導かれ、当該飛行空間内を飛行した後に検出器245に入射する。具体的には、フライトチューブ246内に導入されたイオンは、第1電極244Aの内側に形成された第1領域(第1ステージ)244Cで減速された後、第2電極244Bの内側に形成された第2領域(第2ステージ)244Dで反射されることにより、U字状に折り返されて検出器245に入射する。
イオンが直交加速部242から射出された時点から、検出器245に入射するまでの飛行時間は、イオンの質量電荷比に依存する。したがって、直交加速部242から射出される各イオンの飛行時間に基づいて、各イオンの質量電荷比を算出し、マススペクトルを作成することができる。
2.フライトチューブの周辺の具体的構成
図2は、フライトチューブ246の周辺の具体的構成を示す概略図である。フライトチューブ246は、真空チャンバ247内に設けられている。真空チャンバ247内には、分析時に真空状態となる真空室247Aが形成されており、当該真空室247A内にフライトチューブ246が設けられている。本実施形態において、真空室247Aは、上述した分析室24である。
真空チャンバ247の壁面には、外側から温調機構248が取り付けられている。温調機構248は、例えばヒータ(図示せず)を備え、真空チャンバ247を外側から加熱することにより、真空室247A内を温調する。これにより、真空チャンバ247内のフライトチューブ246が間接的に温調される。ただし、温調機構248は、フライトチューブ246を間接的に加熱するだけでなく、冷却できるような構成であってもよい。また、温調機構248は、フライトチューブ246を間接的に温調するような構成に限らず、直接温調するような構成であってもよい。
真空チャンバ247の壁面には、外側から温度センサ249が取り付けられている。温度センサ249は、真空チャンバ247の壁面の温度を検知することにより、真空室247A内の温度、より具体的には真空室247A内のフライトチューブ246の温度を間接的に検知する。ただし、温度センサ249は、フライトチューブ246の温度を間接的に検知するような構成に限らず、直接検知するような構成であってもよい。
なお、フライトチューブ246には、高電圧が印加されている。そのため、フライトチューブ246に対して、温調機構248及び温度センサ249を直接取り付けることは困難である。したがって、本実施形態のように、温度センサ249によりフライトチューブ246の温度を間接的に検知し、温調機構248によりフライトチューブ246を間接的に温調するような構成が好ましい。
真空チャンバ247の外側には、真空チャンバ247には接触しない位置に周囲温度センサ250が設けられている。周囲温度センサ250は、液体クロマトグラフ質量分析装置が設置されている室内の温度を検知することにより、当該装置の周囲の温度(周囲温度)を検知する。周囲温度センサ250は、液体クロマトグラフ質量分析装置の近傍、特に質量分析部2の近傍に設けられていることが好ましい。
この液体クロマトグラフ質量分析装置には、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む制御部260が備えられている。制御部260は、CPUがプログラムを実行することにより、温調制御部261及び目標温度設定処理部262などとして機能する。
温調制御部261は、予め設定された目標温度に基づいて、温調機構248の動作を制御する。具体的には、温調機構248に備えられたヒータへの通電状態が温調制御部261により制御される。温調制御部261は、温度センサ249により検知される温度が目標温度に近付くように、温調機構248に対してフィードバック制御を行う。
目標温度設定処理部262は、周囲温度センサ250により検知される周囲温度に基づいて、温調機構248の目標温度を自動設定する。具体的には、目標温度設定処理部262は、周囲温度センサ250により検知される周囲温度に対して一定値を加算することにより、温調機構248の目標温度を自動設定する。これにより、温度センサ249により検知される温度が周囲温度に対して一定値だけ高い温度となるように、温調機構248の動作が制御される。上記一定値は、例えば16〜30℃の範囲内にあり、好ましくは20℃程度である。
このように、周囲温度センサ250により検知される周囲温度を基準にして目標温度が設定されるため、冬季のように周囲温度が低いときには目標温度が比較的低く設定され、夏季のように周囲温度が高いときには目標温度が比較的高く設定される。すなわち、周囲温度が低いほど目標温度が低く設定され、周囲温度が高いほど目標温度が高く設定されるようになっている。
ただし、周囲温度センサ250により検知される周囲温度に基づいて温調機構248の目標温度が設定されるような構成であれば、周囲温度に一定値を加算することにより目標温度が設定されるような構成に限らず、任意の演算により目標温度を設定可能である。なお、温調機構248がフライトチューブ246を冷却するような構成の場合には、目標温度設定処理部262は、周囲温度センサ250により検知される周囲温度から一定値を減算することにより目標温度を設定するなど、任意の演算により目標温度を設定可能である。
また、目標温度設定処理部262により目標温度が自動設定されるような構成に限らず、周囲温度センサ250により検知される周囲温度を確認したサービスエンジニアなどが、手動で目標温度を設定できるような構成であってもよい。この場合、周囲温度センサ250により検知される周囲温度を表示するための表示器と、温調機構248の目標温度を設定するための操作部が、液体クロマトグラフ質量分析装置に備えられていてもよい。
なお、温調機構248の目標温度が変更された状態でフライトチューブ246の温調が実行されると、当該フライトチューブ246が熱膨張又は熱収縮することにより、フライトチューブ246を飛行するイオンの飛行時間が変化する。通常、測定されたイオン飛行時間に基づく当該イオンの質量電荷比の算出は、予め作成された質量較正テーブルに基づいて実行される。本実施形態に係る液体クロマトグラフ質量分析装置には、質量較正テーブルを記憶する質量校正テーブル記憶部270が備えられている。
質量較正テーブルは、所定の質量電荷比のイオンが観測されることが分かっている標準試料を用いて予備測定を行うことにより作成される。予備測定では、標準試料から生成されるイオンの飛行時間が測定され、その測定された飛行時間と所定の質量電荷比を対応付けることで質量較正テーブルが作成される。
質量較正テーブル記憶部270には、設定された目標温度に応じた質量較正テーブルが記憶される。これにより、温調機構248の目標温度が変更された場合においても、その変更された目標温度に対応した質量較正テーブルを使用することで、TOFMSで観測されるイオンの質量電荷比が変化することを防止することができる。質量較正テーブル記憶部270は、1つの目標温度に対応した質量較正テーブルを記憶し、目標温度が変更される度に上記予備測定を行うことでその質量較正テーブルが更新されるようにしてもよいし、複数の目標温度において予備測定を行うことで複数の質量較正テーブルを予め作成しておき、それらの複数の質量較正テーブルを質量較正テーブル記憶部270に記憶させておいてもよい。
3.作用効果
(1)本実施形態では、真空チャンバ247の外側の周囲温度を周囲温度センサ250により検知し、その周囲温度に基づいて設定された目標温度でフライトチューブ246を温調することができる。したがって、周囲温度が低いときには目標温度も低く設定することにより、ランニングコストを低減することができる。
(2)また、周囲温度に基づいて温調機構248の目標温度が設定されるため、低出力のヒータであっても、幅広い周囲温度に装置を適用することができる。したがって、故障によりヒータが最大出力で駆動され続けた場合などであっても、火災の危険性が低く、安全性を向上することができる。
(3)また、幅広い周囲温度に装置を適用した場合でも、空調により周囲温度を調整したりすることなく、低出力のヒータを用いて装置性能を十分に発揮することができる。
(4)また、周囲温度に基づいて温調機構248の目標温度が設定されるため、周囲温度が低いときには目標温度も低く設定することにより、フライトチューブ246の温度が目標温度で安定するまでの時間をほぼ一定にすることができる。これにより、分析を開始するまでの待ち時間にばらつきを生じにくくすることができる。
(5)また、周囲温度によらず、周囲温度と温調機構248の目標温度との差を小さくすることができるため、温調されるフライトチューブ246に生じる温度勾配を小さくすることができる。
(6)本実施形態では、周囲温度に基づいて温調機構248の目標温度が目標温度設定処理部262により自動設定されるため、目標温度の設定ミスが生じるのを防止することができる。したがって、目標温度を常に適切な温度に設定することができる。
(7)また、本実施形態では、周囲温度と温調機構248の目標温度との差が常に一定になるように、温調機構248の目標温度が自動設定される。したがって、分析を開始するまでの待ち時間がほぼ一定となり、温調されるフライトチューブ246に生じる温度勾配もほぼ一定となる。
4.変形例
以上の実施形態では、分析対象であるイオンを射出するイオン射出部が、直交加速部242により構成される場合について説明した。しかし、本発明は、直交加速方式の飛行時間型質量分析装置に限らず、直線加速方式の飛行時間型分析装置にも適用可能である。
また、本発明に係る飛行時間型質量分析装置は、液体クロマトグラフ部1と接続されることにより液体クロマトグラフ質量分析装置として構成されるものに限らず、例えばMALDI(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization)を用いた構成などのように、液体クロマトグラフ部1と接続されない構成であってもよい。
1 液体クロマトグラフ部
2 質量分析部
242 直交加速部
244 リフレクトロン
244A 第1電極
244B 第2電極
246 フライトチューブ
247 真空チャンバ
247A 真空室
248 温調機構
249 温度センサ
250 周囲温度センサ
260 制御部
261 温調制御部
262 目標温度設定処理部
270 質量較正テーブル記憶部

Claims (4)

  1. 分析対象であるイオンを射出するイオン射出部と、
    前記イオン射出部から射出されたイオンが導入される中空状のフライトチューブと、
    前記フライトチューブ内に設けられ、環状に形成された複数の電極を同軸上に並べて構成されるリフレクトロンと、
    分析時に真空状態となる真空室が内部に形成され、当該真空室内に前記フライトチューブが設けられた真空チャンバと、
    前記フライトチューブを温調する温調機構と、
    前記真空チャンバの外側の周囲温度を検知する周囲温度センサとを備え、
    前記周囲温度センサにより検知される周囲温度に基づいて、前記温調機構の目標温度を設定可能であることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  2. 前記周囲温度センサにより検知される周囲温度に基づいて、前記温調機構の目標温度を自動設定する目標温度設定処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の飛行時間型質量分析装置。
  3. 前記目標温度設定処理部は、前記周囲温度センサにより検知される周囲温度に対して一定値を加算又は減算することにより、前記温調機構の目標温度を自動設定することを特徴とする請求項2に記載の飛行時間型質量分析装置。
  4. イオンの飛行時間と質量電荷比を対応付けた質量較正テーブルを記憶する質量較正テーブル記憶部をさらに備え、
    前記質量較正テーブルは、前記目標温度に対応付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の質量分析装置。
JP2020519221A 2018-05-14 2018-05-14 飛行時間型質量分析装置 Active JP6927426B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2018/018530 WO2019220497A1 (ja) 2018-05-14 2018-05-14 飛行時間型質量分析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019220497A1 true JPWO2019220497A1 (ja) 2021-02-12
JP6927426B2 JP6927426B2 (ja) 2021-08-25

Family

ID=68539713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020519221A Active JP6927426B2 (ja) 2018-05-14 2018-05-14 飛行時間型質量分析装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11257666B2 (ja)
EP (1) EP3796364A4 (ja)
JP (1) JP6927426B2 (ja)
CN (1) CN112088420A (ja)
WO (1) WO2019220497A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070071646A1 (en) * 2005-09-29 2007-03-29 Schoen Alan E System and method for regulating temperature inside an instrument housing
JP2008135192A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Jeol Ltd 飛行時間型質量分析装置
JP2008157671A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Shimadzu Corp 温度推定装置及び飛行時間型質量分析装置
WO2008146440A1 (ja) * 2007-05-30 2008-12-04 Shimadzu Corporation 飛行時間型質量分析装置
US20150014524A1 (en) * 2013-05-31 2015-01-15 Perkinelmer Health Sciences, Inc. Time of flight tubes and methods of using them
WO2017002176A1 (ja) * 2015-06-29 2017-01-05 株式会社島津製作所 真空装置、及び、これを備えた分析装置

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9525507D0 (en) * 1995-12-14 1996-02-14 Fisons Plc Electrospray and atmospheric pressure chemical ionization mass spectrometer and ion source
DE19827841C1 (de) * 1998-06-23 2000-02-10 Bruker Daltonik Gmbh Thermostabiles Flugzeitmassenspektrometer
US6700118B2 (en) * 2001-08-15 2004-03-02 Agilent Technologies, Inc. Thermal drift compensation to mass calibration in time-of-flight mass spectrometry
JP2005528756A (ja) * 2002-05-31 2005-09-22 サーモ フィニガン エルエルシー 精度の向上した質量分析装置
US6998607B1 (en) * 2004-08-31 2006-02-14 Thermo Finnigan Llc Temperature compensated time-of-flight mass spectrometer
JP4407486B2 (ja) * 2004-11-12 2010-02-03 株式会社島津製作所 飛行時間型質量分析装置
US7183543B1 (en) * 2006-01-17 2007-02-27 Agilent Technologies, Inc. Compensating for a measured variation in length of a flight tube of a mass spectrometer
JP5505224B2 (ja) * 2010-09-16 2014-05-28 株式会社島津製作所 飛行時間型質量分析装置
WO2016117053A1 (ja) * 2015-01-21 2016-07-28 株式会社島津製作所 質量分析装置
JP6536313B2 (ja) 2015-09-16 2019-07-03 株式会社島津製作所 質量分析装置用部材
EP3388826A1 (en) * 2015-10-16 2018-10-17 Shimadzu Corporation Method for correcting measurement error resulting from measurement device temperature displacement and mass spectrometer using said method
CN109643637B (zh) * 2016-08-22 2021-06-18 株式会社岛津制作所 飞行时间质谱分析装置
WO2019111290A1 (ja) * 2017-12-04 2019-06-13 株式会社島津製作所 飛行時間型質量分析装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070071646A1 (en) * 2005-09-29 2007-03-29 Schoen Alan E System and method for regulating temperature inside an instrument housing
JP2008135192A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Jeol Ltd 飛行時間型質量分析装置
JP2008157671A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Shimadzu Corp 温度推定装置及び飛行時間型質量分析装置
WO2008146440A1 (ja) * 2007-05-30 2008-12-04 Shimadzu Corporation 飛行時間型質量分析装置
US20150014524A1 (en) * 2013-05-31 2015-01-15 Perkinelmer Health Sciences, Inc. Time of flight tubes and methods of using them
WO2017002176A1 (ja) * 2015-06-29 2017-01-05 株式会社島津製作所 真空装置、及び、これを備えた分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019220497A1 (ja) 2019-11-21
EP3796364A1 (en) 2021-03-24
JP6927426B2 (ja) 2021-08-25
EP3796364A4 (en) 2021-12-22
US11257666B2 (en) 2022-02-22
US20210249248A1 (en) 2021-08-12
CN112088420A (zh) 2020-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6855924B2 (en) Orthogonal acceleration time-of-flight mass spectrometer
JP6179671B2 (ja) 質量分析装置
JP2007173228A (ja) タンデム型質量分析法のための分子活性化
WO2015015641A1 (ja) イオン化装置及び質量分析装置
WO2015033663A1 (ja) ハイブリッドイオン源及び質量分析装置
US11361956B2 (en) Time-of-flight mass spectrometer
Chien et al. The design and performance of an ion trap storage—reflectron time-of-flight mass spectrometer
JP6927426B2 (ja) 飛行時間型質量分析装置
JPH08304342A (ja) 液体クロマトグラフ質量分析装置
JP4407486B2 (ja) 飛行時間型質量分析装置
US20210125819A1 (en) Time-of-flight mass spectrometer
JP5451360B2 (ja) 質量分析装置及び質量分析方法
JP3659216B2 (ja) 飛行時間型質量分析装置
JP6536313B2 (ja) 質量分析装置用部材
JP6593243B2 (ja) イオントラップ質量分析装置
US11942313B2 (en) Mass spectrometer and mass spectrometry method
JP6962460B2 (ja) 飛行時間型質量分析装置
WO2019220552A1 (ja) ガスクロマトグラフ質量分析装置
JP3187299U (ja) イオン化室
JP7487846B2 (ja) 飛行時間型質量分析装置及び飛行時間型質量分析方法
JP2024002021A (ja) イオン化装置及びイオン化方法
JPWO2019049272A1 (ja) イオン源及びイオン分析装置
JP7140282B2 (ja) 質量分析装置
JPH10239298A (ja) 液体クロマトグラフ質量分析装置
JPH11108895A (ja) 液体クロマトグラフ質量分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210706

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210719

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6927426

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151