JPWO2019211891A1 - 繊維状カーボンナノホーン集合体の精製 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、高い導電性を有する炭素混合物を提供することにある。本発明の炭素混合物は、長さが1μm以上の繊維状カーボンナノホーン集合体を20重量%以上の量で含むことを特徴とする。

Description

本発明は、繊維状カーボンナノホーン集合体を含む炭素混合物および繊維状カーボンナノホーン集合体の分離精製方法に関する。
単層カーボンナノホーンはグラフェンシートが巻かれた構造の先端が先端角約20°の角(ホーン)状に尖った、円錐型の形状の炭素構造体である。特許文献1は、単層カーボンナノホーンについて記載している。特許文献1に記載される通り、通常、単層カーボンナノホーンは円錐状の先端部を外側にして放射状に集合し、直径約100nm程度の球状カーボンナノホーン集合体を形成している。特許文献1の図3には、球状カーボンナノホーン集合体のTEM写真が示されており、その構造を確認できる。
単層カーボンナノホーンは、グラフェンシート1つで形成され、導電性が高いと考えられる。球状カーボンナノホーン集合体は単層カーボンナノホーンが部分的に化学的に結合しており、同様に、導電性が高いと考えられる。しかし、球状カーボンナノホーン集合体同士の接触抵抗が大きく、球状カーボンナノホーン集合体では十分な導電性を得ることができない。
針状構造を持つカーボンナノチューブ等の炭素材料は、数μm程度の導電パスを形成できることから導電性付与の効果が高いが、分散性が悪く、材料として使用しにくい。また、使用する場合に強い超音波等で分散させると、欠陥が増加し導電性が落ちる課題がある。
近年、球状のカーボンナノホーン集合体とは異なり、単層カーボンナノホーンが放射状に集合し、且つ、繊維状に伸びた構造を有する繊維状カーボンナノホーン集合体が発見された。特許文献2は、繊維状カーボンナノホーン集合体について記載している。繊維状カーボンナノホーン集合体は、直径が30nm〜200nmであり、長さが1μm〜100μmである繊維状の炭素構造体である。繊維状カーボンナノホーン集合体の表面には、直径1nm〜5nm、長さが30nm〜100nmの単層カーボンナノホーンの突起を有している。導電性が高い単層カーボンナノホーンが繊維状に繋がり、長い導電性パスを持つ構造を特徴とするため、繊維状カーボンナノホーン集合体は高い導電性を有する。更に、繊維状カーボンナノホーン集合体は、高い分散性を併せ持っており、材料としての導電性付与の効果が高い。
特開2001−64004号公報 特許第6179678号公報
繊維状カーボンナノホーン集合体は、特許文献2に記載される通り、不活性ガスまたは窒素ガス中で触媒含有炭素ターゲットを回転させながら、触媒含有炭素ターゲットをレーザーアブレーションにより蒸発させることによって調製される。この生成物は、繊維状カーボンナノホーン集合体、球状カーボンナノホーン集合体、グラファイトを含む炭素混合物である。
炭素混合物中、繊維状カーボンナノホーン集合体が少なく、球状カーボンナノホーン集合体やグラファイトが多いと、繊維状カーボンナノホーン集合体の長い導電性パスが少なくなる。即ち、繊維状カーボンナノホーン集合体が少ないと炭素混合物の導電性が低くなり、繊維状カーボンナノホーン集合体が多いと炭素混合物の導電性は高くなる。繊維状カーボンナノホーン集合体の含有量を調整することができれば、所望の導電性を得ることができる。
しかし、特許文献2に記載される方法により得られる炭素混合物における繊維状カーボンナノホーン集合体の含有量は数重量%と少なかった。更に、これまでに炭素混合物における繊維状カーボンナノホーン集合体の含有量を高める方法は開示されていなかった。このため、高い導電性を有する炭素混合物を得ることができなかった。
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、高い導電性を有する炭素混合物を提供することにある。
本発明の第1の炭素材料は、長さが1μm以上の繊維状カーボンナノホーン集合体を20重量%以上の量で含むことを特徴とする。
本発明によれば、高い導電性を有する炭素混合物を提供できる。
本実施形態に係る方法の工程フロー図である。 レーザーアブレーションで得られた未精製炭素混合物のSEM写真である。 レーザーアブレーションで得られた未精製炭素混合物のSEM写真である。 グラファイト除去後の炭素混合物の動的光散乱法による粒度分布測定結果である。 精製炭素混合物の動的光散乱法による粒度分布測定結果である。 精製炭素混合物のSEM写真である。 精製炭素混合物の動的光散乱法による粒度分布測定結果である。
以下に本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。
<炭素混合物>
本明細書において、用語「炭素混合物」は、繊維状カーボンナノホーン集合体、球状カーボンナノホーン集合体、グラファイト等の炭素材料を主成分とする混合物を表す。通常、このような炭素混合物は、触媒含有炭素ターゲットを回転させながらレーザーアブレーションにより蒸発させることによって得られ、例えば、触媒等その他の成分を含んでもよい。炭素混合物における繊維状カーボンナノホーン集合体、球状カーボンナノホーン集合体、およびグラファイトの総量は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上であり、100重量%であってもよい。本実施形態に係る方法によれば、炭素混合物を精製し、炭素混合物における繊維状カーボンナノホーン集合体の含有量を高めることができる。本明細書において、レーザーアブレーション後、特段の処理をしていない炭素混合物を「未精製炭素混合物」と呼び、本実施形態に係る方法により精製された炭素混合物を「精製炭素混合物」と呼ぶ。
繊維状カーボンナノホーン集合体は、複数の単層カーボンナノホーンが繊維状に繋がって形成される。ここで、単層カーボンナノホーンは、管状の単層カーボンナノチューブの先端部が角(ホーン)状に尖った円錐形状を有し、カーボンナノチューブと同様に主にグラファイト構造の炭素原子面から構成されている。なお、繊維状カーボンナノホーン集合体を構成している各単層カーボンナノホーンは、球状カーボンナノホーン集合体を構成する単層カーボンナノホーンと同じである。球状カーボンナノホーン集合体および繊維状カーボンナノホーン集合体は、ともに単層カーボンナノホーンの各々が角(ホーン)を外側に放射状に集合している。また、とくに、繊維状カーボンナノホーン集合体では、単層カーボンナノホーンの各々が先端を外側に放射状に集合しながら一次元方向に繊維状につながっている。また、この際、繊維状カーボンナノホーン集合体は、種型の集合構造、つぼみ型の集合構造、ダリア型の集合構造、ペタル型(数枚のグラフェンシート構造)の集合構造、ペタルダリア型(ペタル型とダリア型が混在した状態)の集合構造のうち少なくとも1種類のカーボンナノホーン集合体で形成される。種型は、球状の表面に角状の突起がほとんどみられないか、あるいは全くみられない形状である。また、つぼみ型は、球状の表面に角状の突起が多少みられる形状である。ダリア型は、球状の表面に角状の突起が多数みられる形状である。ペタル型は、球状の表面に花びら状の突起がみられる形状である。ペタルダリア型は、ダリア型とペタル型の中間的な構造である。
図2と図3は、レーザーアブレーションによって生成された繊維状カーボンナノホーン集合体を含む未精製炭素混合物のSEM写真である。図2のように、繊維状カーボンナノホーン集合体は、直径が30nm〜200nm程度で、長さが1μm〜100μm程度である。このように、繊維状カーボンナノホーン集合体は、1μm以上の長さを有する。図2に多く観察される球状カーボンナノホーン集合体は直径30nm〜200nm程度でほぼ均一なサイズである。このように、球状カーボンナノホーン集合体は、1μm未満の長さを有する。図3に示すように、未精製炭素混合物にはグラファイトが含まれており、その大きさは1μm〜数十μm(例えば、50μm以下)である。
<繊維状カーボンナノホーンの分離精製方法>
本実施形態に係る方法によれば、炭素混合物、特には未精製炭素混合物、から繊維状カーボンナノホーン集合体を高濃度で含む炭素混合物(精製炭素混合物)を得ることができる。本実施形態に係る方法は、工程1〜工程3を含む。工程2および工程3は、連続して行われるが、工程1は工程2の前に実施しても、工程3の後に実施してもよい。本実施形態に係る方法は、更に工程4〜工程6の少なくとも1つの工程を含んでもよい。
<工程1>
工程1では、炭素混合物からグラファイトを取り除く。具体的には、炭素混合物を有機溶媒に分散させ、グラファイトを沈降分離する。有機溶媒に炭素混合物を分散させると、グラファイトは沈降する。その一方で、繊維状カーボンナノホーン集合体や球状カーボンナノホーン集合体は密度が低いため浮遊する。浮遊している固形分とともに分散液の上澄み液を回収することにより、グラファイトとカーボンナノホーン集合体(繊維状カーボンナノホーン集合体および球状カーボンナノホーン集合体)とを分離することができる。他の工程での更なる処理のため、好ましくは、回収した上澄み液から溶媒を除去する。溶媒の除去方法は、特に限定されず、例えば、熱により溶媒を除去してよい。
有機溶媒は、グラファイトより密度の低いものが好ましい。有機溶媒の密度は、好ましくは1g/cm未満、より好ましくは0.8g/cm未満である。このような有機溶媒としては、例えば、エタノールや2−プロパノール等が挙げられる。水系溶媒のように密度が比較的高い溶媒ではグラファイトを分離することが困難となる。また、グラファイトは1μm〜100μmの大きさで、繊維状カーボンナノホーン集合体と同程度の大きさであることから、これらをフィルターでは分離することができない。分散液は、例えば、超音波分散により調製できる。得られた分散液を静置または遠心分離することによってグラファイトのみを沈降させ、分散液に浮遊している固形分を回収すると、グラファイトが取り除かれた炭素混合物が得られる。
<工程2>
工程2では、界面活性剤溶液に炭素混合物を分散させ、分散液を調製する。炭素混合物を界面活性剤溶液に分散させると、単分散した繊維状カーボンナノホーン集合体や球状カーボンナノホーン集合体の周囲に界面活性剤が付着し、ミセルを形成する。球状カーボンナノホーン集合体と繊維状カーボンナノホーン集合体は界面活性剤溶液に分散され、沈殿するものはほぼない。
界面活性剤は、カーボンナノホーン集合体の凝集を防止するためにカーボンナノホーン集合体上に膜状に広がるものであればよい。界面活性剤としては、例えば、Polyoxyethylene stearyl ether(Brij)等の非イオン性界面活性剤、およびドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム(SDBS)、コール酸ナトリウム(SC)、デオキシコール酸ナトリウム(DOC)等のイオン性界面活性剤等が挙げられる。溶媒は特には限定されないが、水または水を含む混合溶媒が好ましい。
<工程3>
工程3では、工程2で作製した分散液から繊維状カーボンナノホーン集合体をフィルターで分離する。即ち、分散液に分散している球状カーボンナノホーン集合体および繊維状カーボンナノホーン集合体をフィルターで分離する。直径100nm程度の球状カーボンナノホーン集合体はフィルターを通り抜け、1μm以上の長さを有する繊維状カーボンナノホーン集合体やグラファイトはフィルターを通り抜けない。これにより、球状カーボンナノホーン集合体と、繊維状カーボンナノホーン集合体および存在する場合グラファイトとを分離できる。工程3のフィルター分離は工程2で形成した界面活性剤で覆われた炭素混合物に対しては有効である。しかしながら、界面活性剤で処理しない場合、フィルター上で炭素混合物が凝集し、球状カーボンナノホーン集合体がフィルターを通過せず、これを分離することができない。
フィルターとしては、例えば、メンブレンフィルター、濾紙等が挙げられる。フィルターをモジュールに組み込み、クロスフィルターやシリンジフィルター等の形態で使用してもよい。フィルターの孔径は、好ましくは0.1μm〜1μm、より好ましくは0.2μm〜0.7μmである。このような孔径を有するフィルターは、球状カーボンナノホーン集合体と繊維状カーボンナノホーン集合体との分離に好適である。フィルターは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。異なる孔径のフィルターを組み合わせて用いてもよい。
フィルター上の残留物は、繊維状カーボンナノホーン集合体を高濃度で含む炭素混合物であるが、球状カーボンナノホーン集合体も含み得る。繊維状カーボンナノホーン集合体の比率を更に高めるために残留物を再度フィルター分離してもよい。フィルターとともに残留物を界面活性剤溶液中で超音波照射することにより、フィルター上から残留物を溶液中に再度分散できる。分散液は再度フィルター分離される。このように、複数回フィルター分離を行うことによって繊維状カーボンナノホーン集合体の比率を上げることができる。
工程3では最終的に得られる精製炭素混合物中の繊維状カーボンナノホーン集合体の比率を使用目的に応じて調整できる。例えば、フィルター分離の時間、フィルター分離の回数、およびフィルター孔径等によって、精製炭素混合物中の繊維状カーボンナノホーン集合体の比率を制御することができる。これにより、精製炭素混合物中の繊維状カーボンナノホーン集合体と球状カーボンナノホーン集合体の重量比または体積比を上げることができる。精製炭素混合物中の繊維状カーボンナノホーン集合体と球状カーボンナノホーン集合体の重量比または体積比(繊維状カーボンナノホーン集合体/球状カーボンナノホーン集合体)は、好ましくは1/5以上、より好ましくは1/4以上、更に好ましくは1/2以上である。
<工程4>
本実施形態に係る方法は、工程3で得られた繊維状カーボンナノホーン集合体から界面活性剤を除去する工程4を更に含んでよい。工程4は、工程3の後に実施され、好ましくは工程3の直後に実施される。工程3で得られる繊維状カーボンナノホーン集合体を高濃度で含む精製炭素混合物は、界面活性剤で覆われており、繊維状カーボンナノホーン集合体の導電性を活用するためには、これを除去することが好ましい。界面活性剤を除去する方法としては、例えば、有機溶媒による洗浄や熱分解が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、2−プロパノール等が挙げられる。工程4を経ることにより、界面活性剤に覆われていない繊維状カーボンナノホーン集合体を高濃度で含む精製炭素混合物を得ることができる。精製炭素混合物は、用途に応じて、エタノール等の溶媒に再分散してもよい。
<工程5>
本実施形態に係る方法は、炭素混合物、特には繊維状カーボンナノホーン集合体、から触媒を除去する工程5を更に含んでよい。工程5を実施するタイミングは特に限定されず、例えば、全ての工程に先立って実施してもよく、また、全ての工程が完了した後に実施してもよい。工程5を行うことで、触媒(例えば、Fe、Ni、Co等の金属)を除去した精製炭素混合物を得ることができる。触媒除去には、硝酸、硫酸、塩酸等の酸を用いることができ、これらの中で扱いが容易な塩酸が特に適している。触媒を十分に除去するためには70℃以上に加熱して行うことが望ましい。触媒が炭素被膜で覆われている場合には、例えば250℃〜450℃程度の空気中で炭素混合物を加熱する前処理を行うことが望ましい。
<工程6>
本実施形態に係る方法は、繊維状カーボンナノホーン集合体を開孔する工程6を更に含んでよい。工程6を実施するタイミングは特に限定されず、例えば、全ての工程に先立って実施してもよく、また、全ての工程が完了した後に実施してもよい。酸もしくは酸素中での加熱等で、繊維状カーボンナノホーン集合体の表面にダングリングボンドを持つ欠陥や官能基がついた欠陥等の複数の欠陥をつけることができる。これらの欠陥は、繊維状カーボンナノホーン集合体を親水性にする、あるいはその他の物質の担持を容易にする等の効果がある。酸としては、例えば、過酸化水素や硝酸等が挙げられる。加熱温度は、室温〜100℃の範囲内が好ましい。
カーボンナノチューブに欠陥を生じさせると、カーボンナノチューブの導電性が低下する問題が起こる。一方、繊維状カーボンナノホーン集合体では、ナノホーン部分に傷をつけることによってそのグラフェンシートに欠陥が生じても、放射状の構造からナノホーン部分の表面積が大きいため、全体の導電性への影響は小さい。
<精製炭素混合物>
本実施形態に係る方法により得られる精製炭素混合物では、繊維状カーボンナノホーン集合体の含有量が著しく増加し、球状カーボンナノホーン集合体とグラファイトの含有量が大幅に減少している。本実施形態において、精製炭素混合物中の繊維状カーボンナノホーン集合体の含有量は20体積%以上または20重量%以上である。繊維状カーボンナノホーン集合体の含有量を20体積%以上または20重量%以上とすることで、導電性効果を大きく改善できる。精製炭素混合物中の繊維状カーボンナノホーン集合体の含有量は、好ましくは50体積%以上または50重量%以上、より好ましくは70体積%以上または70重量%以上であり、100体積%(100重量%)であってもよい。本実施形態において、精製炭素混合物中の球状カーボンナノホーン集合体の含有量は、好ましくは50体積%以下または50重量%以下、より好ましくは30体積%以下または30重量%以下、更に好ましくは10体積%以下または10重量%以下であり、0体積%(0重量%)であってもよい。本実施形態において、精製炭素混合物中のグラファイトの含有量は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下であり、0重量%であってもよい。工程5を実施した場合、触媒の含有量を低減できる。本実施形態において、精製炭素混合物中の触媒の含有量は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下であり、0重量%であってもよい。分析方法によっては含有量を体積%で表す場合がある。体積比率は構成成分の密度を基に重量比率に換算できる。繊維状カーボンナノホーン集合体と球状カーボンナノホーン集合体は密度がほぼ同じである。触媒の密度は両カーボンナノホーン集合体の6倍程度である。グラファイトの密度は両カーボンナノホーン集合体の1.6倍程度である。
グラファイトの含有量は、例えば、熱重量分析やSEM観察で分析することができる。熱重量分析において、グラファイトは、繊維状および球状カーボンナノホーン集合体よりも燃焼温度が高い。
繊維状カーボンナノホーン集合体と球状カーボンナノホーン集合体の含有比率は、動的光散乱法による粒度分布測定により分析することができる。球状カーボンナノホーン集合体は100nm〜600nmの領域に粒度分布を有する。繊維状カーボンナノホーン集合体は1〜10μmの領域に粒度分布を有する。グラファイトも粒度分布測定では1〜10μmの領域に検出される。粒度分布測定では、炭素混合物の分散液を測定試料とする。分散液の濃度が濃いと、繊維状カーボンナノホーン集合体が検出されないことがあり、分散液の固形分濃度は0.01mg/ml以下が好ましい。
繊維状カーボンナノホーン集合体は高濃度であっても分散性が高い。繊維状カーボンナノホーン集合体を高濃度で含む炭素混合物では、長い導電パスが増加し、導電性付与効果を劇的に高めることができる。
本実施形態に係る方法は、種型、つぼみ型、ダリア型、ペタル型の、いずれの繊維状カーボンナノホーン集合体や球状カーボンナノホーン集合体に有効であり、同様の方法で分離精製が可能である。
以下に実施例を示し、更に具体的に本発明について説明する。ただし、以下の例によって発明が限定されることはない。
(実施例1)
<未精製炭素混合物の調製>
窒素雰囲気下のチャンバー内で、鉄を含有した炭素ターゲットをCOレーザーアブレーションすることで未精製炭素混合物を作製した。詳細には、鉄を1重量%含有するグラファイトターゲットを、2rpmで回転させて、これにCOレーザーを連続的に照射した。COレーザーのエネルギー密度は、50kW/cmであった。チャンバー内の温度は室温とし、チャンバー内に供給する窒素の流量を10L/minになるように調整した。チャンバー内の圧力は933.254〜1266.559hPa(700〜950Torr)に制御した。
図2はレーザーアブレーションで生成された未精製炭素混合物のSEM写真である。繊維状の物質(繊維状カーボンナノホーン集合体)は、直径が30〜100nm程度で、長さが数μm〜数10μmであった。球状の物質(球状カーボンナノホーン集合体)は、直径が30〜200nm程度の範囲でほぼ均一なサイズのものが多くを占めていた。SEM写真から、繊維状カーボンナノホーン集合体は存在するものの、大部分が球状カーボンナノホーン集合体であることが観察された。この未精製炭素混合物には、図3に示すように、グラファイトが含まれており、その大きさは1μm〜数十μmであった。
得られた未精製炭素混合物の熱重量分析を行った。繊維状カーボンナノホーン集合体と球状カーボンナノホーン集合体は約560℃で燃焼し、グラファイトは約640℃で燃焼した。熱重量分析の結果、未精製炭素混合物中のグラファイトの量は20重量%程度であることが分かった。
<工程1>
未精製炭素混合物をエタノールに超音波分散し、その分散液を1日静置し、上澄み液約50%を回収した。上澄み液を150℃のオーブンで乾燥し、グラファイトを除去した溶媒不含の炭素混合物を得た。表1に、未精製炭素混合物およびグラファイトを除去した炭素混合物の熱重量分析結果を示す。上澄み液を回収することで、未精製炭素混合物からグラファイトが除去されていることを確認できた。グラファイトを除去した炭素混合物をSEM観察すると、グラファイトは観察されず、多量の球状カーボンナノホーン集合体と少量の繊維状カーボンナノホーン集合体が観察された。
Figure 2019211891
図4は、上澄み液を動的光散乱法による粒度分布測定した結果である。上澄み液を0.01mg/mlの濃度に薄め、これを用いて測定した。その結果、100nm〜600nmの領域と8μm〜10μmの領域のサイズ分布が検出された。SEM写真からこのサンプルには球状カーボンナノホーン集合体と繊維状カーボンナノホーン集合体しか観察されていないため、100nm〜600nmの領域が球状カーボンナノホーン集合体、8〜10μmの領域が繊維状カーボンナノホーン集合体であることが分かった。
このサイズ分布領域から、球状カーボンナノホーン集合体と繊維状カーボンナノホーン集合体はエタノール中でほぼ単分散あるいは数個程度の凝集体で分散している状態であることが分かった。
また、この粒度分布測定結果から、グラファイト除去後の炭素混合物には、球状カーボンナノホーン集合体が94体積%、繊維状カーボンナノホーン集合体が6体積%の比率で含まれていることが分かった。
<工程2>
グラファイトを除去した炭素混合物をPolyoxyethylene stearyl ether(Brij)を1重量%含む水溶液に超音波分散した。球状カーボンナノホーン集合体と繊維状カーボンナノホーン集合体は共に界面活性剤溶液に分散され、沈殿しなかった。
<工程3>
分散液を、孔径0.2μm〜0.65μmのメンブレンフィルター(親水性デュラポメンブレン、材質ポリフッ化ビニリデン(PVDF))を用いて濾過した。フィルター上の残留物を再分散し、再度同様に濾過する操作を数回繰り返し行った。再分散は界面活性剤溶液中でフィルターとともに残留物に超音波を照射する方法で行った。濾過と分散を繰り返すことによって、繊維状カーボンナノホーン集合体の含有比率が大きくなった。濾過と分散の回数によって繊維状カーボンナノホーン集合体の比率を自由に制御することができた。
<工程4>
残留物をフィルター上で2−プロパノール、純水、エタノールを用いて洗浄することにより、界面活性剤を除去した。エタノール中でフィルターとともに界面活性剤を除去した残留物に超音波を照射し、エタノールに残留物を分散させた。
図5は、エタノール分散液の粒度分布測定結果である。100nm〜600nmの領域と8μm〜10μmの領域のサイズ分布が確認された。繊維状カーボンナノホーン集合体の比率が90体積%以上に増加し、球状カーボンナノホーン集合体の比率が数体積%に減少したことが分かった。
エタノール分散液を150℃オーブンで乾燥し、精製炭素混合物を得た。図6は、精製炭素混合物のSEM写真である。繊維状カーボンナノホーン集合体が主に観察され、球状カーボンナノホーン集合体の量が図2よりも大幅に減少していることが観察された。
エタノール分散液をシリコン基板上に滴下し、乾燥させて、膜厚約0.5μmの精製炭素混合物の薄膜を作製した。四探針測定により薄膜の抵抗率測定を行った。比較のために、本実施例で用いた未精製炭素混合物の薄膜も作製し、抵抗率測定を行った。抵抗率は、未精製炭素混合物は3.5Ωcm、精製炭素混合物は0.3Ωcmであった。この結果から、繊維状カーボンナノホーン集合体の導電性を損なわずに繊維状カーボンナノホーン集合体の比率を上げ、高い導電性を有する炭素混合物を得られることが確認された。
(実施例2)
工程2におけるメンブレンフィルターでの濾過の回数を変更した以外は実施例1と同様にして、繊維状カーボンナノホーン集合体の含有比率が異なる、様々な精製炭素混合物を作製した。実施例1と同様に、粒度分布測定と抵抗率測定を行った。表2に測定結果を示す。この結果から、繊維状カーボンナノホーン集合体は含有比率が20体積%以上で導電性に大きな効果があり、20体積%未満では効果が小さいことが確認された。
Figure 2019211891
(比較例1)
実施例1の未精製炭素混合物をエタノールに超音波分散し、その分散液を1日静置し、上澄み液約50%を回収した。上澄み液を孔径0.65μmのメンブレンフィルター(親水性デュラポメンブレン、材質PVDF)を用いて濾過した。エタノールのみがフィルターを通過し、フィルター上に固形分が全て残留した。
(比較例2)
実施例1の未精製炭素混合物を、Polyoxyethylene stearyl ether (Brij)を1重量%含む水溶液に超音波分散し、その分散液を1日静置した。分散液の上澄み液約50%を回収した。超音波分散直後の分散液と、静置後に採取した上澄み液について動的光散乱法による粒度分布測定を行うと、両方共同様に100nm〜600nmの領域と8〜10μmの領域にサイズ分布が検出され、グラファイトの分離はされていないことが分かった。
分散液をメンブレンフィルター上で2−プロパノール、純水、エタノールを用いて洗浄することにより界面活性剤を除去した。得られた炭素混合物をSEM観察すると、図3と同様にグラファイトが多く観察され、グラファイトは除去されていないことが分かった。
(実施例3)
実施例1の未精製炭素混合物をエタノールに超音波分散し、分散液を約100gで10分間遠心分離し、上澄み液約50%を回収した。次に、上澄み液を150℃のオーブンで乾燥し、得られた炭素混合物をドデシルベンゼン硫酸ナトリウム(SDBS)を1重量%含む水溶液に超音波分散した。球状カーボンナノホーン集合体と繊維状カーボンナノホーン集合体は共に界面活性剤溶液に分散され、沈殿するものはなかった。
この分散液を、0.2〜0.65μmの孔径を持つ中空糸フィルター(Spectrum Laboratories, Inc.製、mPES中空糸フィルターモジュール)を用いて繰り返しクロスフィルター循環させ、中空糸フィルターの孔を通過した分散液と、通過しなかった分散液とを得た。
中空糸フィルターの孔を通過しなかった分散液をメンブレンフィルター上で2−プロパノール、純水、エタノールを用いて洗浄することにより、界面活性剤を除去した。界面活性剤を除去したフィルター上の残留物にエタノール中で超音波を照射し、エタノールに残留物を分散させた。
図7は、このエタノール分散液の粒度分布測定結果である。繊維状カーボンナノホーン集合体の比率が90体積%以上に増加し、球状カーボンナノホーン集合体の比率が数体積%に減少したことが分かった。
このエタノール分散液を150℃のオーブンで乾燥し、得られた精製炭素混合物をSEM観察した。繊維状カーボンナノホーン集合体が主に観察され、球状カーボンナノホーン集合体の量が大幅に減少していることが観察された。
また、クロスフィルター循環の回数や時間を変更すると、繊維状カーボンナノホーン集合体の比率を変えることができた。
(実施例4)
実施例1の未精製炭素混合物10mgを過酸化水素水(30%)200mlに分散させ、スターラーで300rpmで撹拌しながら、ウォーターバスで70℃、3時間加熱した。加熱後、分散液を孔径0.2μmのフィルターでろ過し、フィルター上の残留物を純水で2回洗った。その後残留物を100℃のオーブンで48時間乾燥した。この処理により、未精製炭素混合物に含まれる繊維状カーボンナノホーン集合体および球状カーボンナノナノホーン集合体の表面に小さな孔や欠陥をつけることができた。
この欠陥を作製した繊維状カーボンナノホーン集合体を含む炭素混合物から実施例1と同様にグラファイトを除去した。その後、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を1重量%含む水溶液に、得られた炭素混合物を超音波分散し、フィルター分離した。炭素混合物中の繊維状カーボンナノホーン集合体の比率を大幅に上げることができた。
(実施例5)
実施例1の未精製炭素混合物10mgを空気中400℃で加熱した後、70℃に加熱した塩酸200ml中で1時間の撹拌を2回行い、含有する鉄触媒を除去した。
触媒を除去した炭素混合物から実施例1と同様にグラファイトを除去した。その後、コール酸ナトリウム(SC)を1重量%含む水溶液に、得られた炭素混合物を超音波分散し、フィルター分離した。炭素混合物中の繊維状カーボンナノホーン集合体の比率を大幅に上げることができた。
(比較例3)
実施例1の未精製炭素混合物をエタノールに超音波分散し、実施例1と同様に上澄み液約50%を回収した。次に、上澄み液を2つに別け、それぞれ約500g、約1000gでの遠心分離を30分間行い、沈殿物を回収した。沈殿物を乾燥して得られた炭素混合物をSEM観察すると、両サンプル共に繊維状カーボンナノホーン集合体と球状カーボンナノホーン集合体が遠心分離前と同様に観察された。遠心分離では、繊維状カーボンナノホーン集合体と球状カーボンナノホーン集合体とを効率よく分離できないことが分かった。
(比較例4)
実施例1の未精製炭素混合物をエタノールに超音波分散し、実施例1と同様に上澄み液約50%を回収した。次に、上澄み液を3つに別け、3種類のゲル(Sephacryl S−300、S−500、S−1000)を用いてゲル濾過クロマトグラフィーを行った。分散液はいずれのゲル濾過クロマトグラフィーによってもほとんど分離されず、同時に落下した。ゲル濾過された分散液を乾燥して、得られた炭素混合物をSEM観察すると、いずれも繊維状カーボンナノホーン集合体と球状カーボンナノホーン集合体がゲル濾過クロマトグラフィー前と同様に観察された。ゲル濾過クロマトグラフィーでは、繊維状カーボンナノホーン集合体と球状カーボンナノホーン集合体とを効率よく分離できないことが分かった。
(実施例6)
実施例1の未精製炭素混合物を、Polyoxyethylene stearyl ether(Brij)を1重量%含む水溶液に超音波分散した。この分散液を、実施例1と同様に孔径0.2μm〜0.65μmのメンブレンフィルターを用い、濾過と分散を数回繰り返した。濾過と分散を繰り返すことによって、繊維状カーボンナノホーン集合体の比率が大きくなった。フィルター上に繊維状カーボンナノホーン集合体だけでなく、グラファイトも残るため、フィルターが目詰まりし易く、繊維状カーボンナノホーン集合体の比率を同程度にするためには実施例1よりも濾過の回数が増加した。
残留物をフィルター上で2−プロパノール、純水、エタノールを用いて洗浄することにより、界面活性剤を除去した。界面活性剤を除去したフィルター上の残留物にエタノール中で超音波を照射し、エタノールに残留物を分散させた。
この分散液を1日静置し、上澄み液約50%を回収した。実施例1と同様に、粒度分布測定を行った。また、上澄み液を乾燥し、精製炭素混合物を得た。これをSEM観察した。粒度分布測定およびSEM観察の結果は実施例1と同様であった。
以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
本実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
(付記1)
長さが1μm以上の繊維状カーボンナノホーン集合体を20重量%以上の量で含む炭素混合物。
(付記2)
長さが1μm以上の繊維状カーボンナノホーン集合体を20体積%以上の量で含む炭素混合物。
(付記3)
長さが1μm以上の繊維状カーボンナノホーン集合体と長さが1μm未満の球状カーボンナノホーン集合体とを含み、前記繊維状カーボンナノホーン集合体と前記球状カーボンナノホーン集合体の重量比が1/5以上である炭素混合物。
(付記4)
グラファイトの量が10重量%以下である、付記1〜3のいずれか1項に記載の炭素混合物。
(付記5)
触媒を含まない、付記1〜4のいずれか1項に記載の炭素混合物。
(付記6)
前記繊維状カーボンナノホーン集合体が開孔している、付記1〜5のいずれか1項に記載の炭素混合物。
(付記7)
付記1〜6のいずれか1項に記載の炭素混合物を含む電極。
(付記8)
炭素混合物から長さが1μm以上の繊維状カーボンナノホーン集合体を分離精製する方法であって、
前記炭素混合物からグラファイトを取り除く工程1と、
界面活性剤溶液に前記炭素混合物を分散させ、分散液を調製する工程2と、
前記分散液から前記繊維状カーボンナノホーン集合体をフィルターで分離する工程3と、
を含む方法。
(付記9)
前記工程1が、前記炭素混合物を有機溶媒に分散し、前記グラファイトを沈降分離する工程である、付記8に記載の方法。
(付記10)
前記有機溶媒が、前記グラファイトより密度の低い有機溶媒である、付記9に記載の方法。
(付記11)
前記工程1が、前記有機溶媒を除去する工程を含む、付記9または10に記載の方法。
(付記12)
前記フィルターの孔径が、0.1μm〜1μmである、付記8〜11のいずれか1項に記載の方法。
(付記13)
前記工程3で分離した前記繊維状カーボンナノホーン集合体から前記界面活性剤を除去する工程4を更に含む、付記8〜12のいずれか1項に記載の方法。
(付記14)
前記工程4が、有機溶媒または熱により前記界面活性剤を除去する工程である、付記13に記載の方法。
(付記15)
前記繊維状カーボンナノホーン集合体から触媒を除去する工程5を更に含む、付記8〜14のいずれか1項に記載の方法。
(付記16)
前記繊維状カーボンナノホーン集合体を開孔する工程6を更に含む、付記8〜15のいずれか1項に記載の方法。
本実施形態に係る炭素混合物は導電性が高く、且つ分散性、吸着性、比表面積が高い材料である。本実施形態に係る炭素混合物を、導電性粒子、硬化性樹脂、硬化剤等と混合して、導電性ペーストを作製できる。また、本実施形態に係る炭素混合物は、電極材料、複合材料、導電膜材料、アクチュエータ、キャパシタ、担持材料として用いることができる。

Claims (10)

  1. 長さが1μm以上の繊維状カーボンナノホーン集合体を20重量%以上の量で含む炭素混合物。
  2. 長さが1μm以上の繊維状カーボンナノホーン集合体を20体積%以上の量で含む炭素混合物。
  3. グラファイトの量が10重量%以下である、請求項1または2に記載の炭素混合物。
  4. 触媒を含まない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素混合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭素混合物を含む電極。
  6. 炭素混合物から長さが1μm以上の繊維状カーボンナノホーン集合体を分離精製する方法であって、
    前記炭素混合物からグラファイトを取り除く工程1と、
    界面活性剤溶液に前記炭素混合物を分散させ、分散液を調製する工程2と、
    前記分散液から前記繊維状カーボンナノホーン集合体をフィルターで分離する工程3と、
    を含む方法。
  7. 前記工程1が、前記炭素混合物を有機溶媒に分散し、前記グラファイトを沈降分離する工程である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記工程3で分離した前記繊維状カーボンナノホーン集合体から前記界面活性剤を除去する工程4を更に含む、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記繊維状カーボンナノホーン集合体から触媒を除去する工程5を更に含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記繊維状カーボンナノホーン集合体を開孔する工程6を更に含む、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法。
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