JP2017031323A - スラリーの製造方法及び複合樹脂材料の製造方法 - Google Patents

スラリーの製造方法及び複合樹脂材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】界面活性剤を実質的に含有せず、繊維状炭素ナノ構造体の分散性に優れたスラリーを提供する。
【解決手段】本発明のスラリーの製造方法は、フッ素樹脂、繊維状炭素ナノ構造体、及び分散媒を含むスラリーの製造方法であって、体積平均粒子径が5μm以上250μm以下のフッ素樹脂粒子と、繊維状炭素ナノ構造体と、分散媒とを混合して混合液を得る混合工程と、混合液を湿式ジェットミルにより分散させる分散工程と、を含み、界面活性剤を実質的に使用しないことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、スラリーの製造方法及び複合樹脂材料の製造方法に関し、特には、フッ素樹脂と、繊維状炭素ナノ構造体とを含有するスラリーの製造方法及び複合樹脂材料の製造方法に関するものである。
カーボンナノチューブ(以下「CNT」と称することがある。)などの繊維状炭素ナノ構造体は、導電性、熱伝導性、摺動特性、機械特性等に優れるため、幅広い用途への応用が検討されている。
そこで、近年、繊維状炭素ナノ構造体の優れた特性を活かし、樹脂材料と繊維状炭素ナノ構造体とを複合化することで、加工性や強度といった樹脂の特性と、導電性などの繊維状炭素ナノ構造体の特性とを併せ持つ複合樹脂材料を提供する技術の開発が進められている。
具体的には、従来、粒子状の樹脂材料(以下「樹脂粒子」と称することがある)の表面に繊維状炭素ナノ構造体を分散保持させてなる複合樹脂材料が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。特許文献1に記載の複合樹脂材料は、界面活性剤などの存在下、亜臨界或いは超臨界状態の二酸化炭素内において膨潤軟化させた樹脂粒子の表面に、超音波を用いて繊維状炭素ナノ構造体を混合する工程を含む製造方法により製造される。かかる製造方法によれば、繊維状炭素ナノ構造体が超音波および界面活性剤の作用により樹脂粒子の表面のほぼ全体に分散され、さらに、樹脂粒子の表面から内部に向かって強固に埋め込まれる。
また、特許文献2に記載の複合樹脂材料は、界面活性剤を利用して分散させた繊維状炭素ナノ構造体及び樹脂粒子の混合液を、亜臨界或いは超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で穏やかに攪拌することにより、膨潤軟化させた樹脂粒子の表面に繊維状炭素ナノ構造体を吸着させる工程を含む製造方法により製造される。かかる製造方法によれば、繊維状炭素ナノ構造体を分断することなく、複合樹脂粒子を製造することができる。
特許第5603059号公報 国際公開第2012/107991号
ここで、例えば、集積回路用トレー、ウエハキャリア、薬液ホース及びシール材などの清浄性や導電性が求められる部材の形成に用いられる複合樹脂材料には、繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させると共に、複合樹脂材料中に含まれている成分に起因したガスの発生等を抑制することが求められている。
しかし、特許文献1及び2に記載の製造方法では、粒子状の樹脂材料の表面に繊維状炭素ナノ構造体を配置しており、樹脂材料と繊維状炭素ナノ構造体とを複合化する際に樹脂材料に粒子状態を維持させる必要があった。そのため、特許文献1及び2に記載の製造方法では、樹脂材料と繊維状炭素ナノ構造体との複合化の際に比較的穏やかな混合条件を採用する必要があった。このため、従来の技術には、得られた複合樹脂材料中における繊維状炭素ナノ構造体の分散性に改善の余地があった。また、特許文献1及び2に記載の製造方法では、界面活性剤を利用して繊維状炭素ナノ構造体及び樹脂粒子を分散させているため、製造される複合樹脂材料中に界面活性剤が混入し、得られた複合樹脂材料から界面活性剤の分解などに起因したガスの発生が起こるという問題もあった。
そこで、本発明は、界面活性剤を実質的に含有せず、且つ、繊維状炭素ナノ構造体の分散性に優れたスラリーの製造方法及び複合樹脂材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた。そして、本発明者は、複合樹脂材料を製造するためのスラリーを調製する際に、樹脂材料として所定のフッ素樹脂を採用し、所定の条件で繊維状炭素ナノ構造体と複合化させることで、界面活性剤を使用しなくても得られたスラリー中における繊維状炭素ナノ構造体の分散性を改善しうることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のスラリーの製造方法は、フッ素樹脂、繊維状炭素ナノ構造体、及び分散媒を含むスラリーの製造方法であって、体積平均粒子径が5μm以上250μm以下の前記フッ素樹脂粒子と、前記繊維状炭素ナノ構造体と、前記分散媒とを混合して混合液を得る混合工程と、前記混合液を湿式ジェットミルにより分散させる分散工程と、を含み、界面活性剤を実質的に使用しないことを特徴とする。このように、樹脂材料として所定の粒子径を有するフッ素樹脂粒子を採用し、所定の方法で混合液を分散処理する工程を含むスラリーの製造方法により得られたスラリーは、界面活性剤を使用しなくても、繊維状炭素ナノ構造体の分散性が高い。さらに、スラリーの製造工程において界面活性剤を実質的に使用しないことで、スラリーが界面活性剤を実質的に含有しないようにすることができ、かかるスラリーから得られた複合樹脂材料及びその成形体等におけるガス発生を低減することができる。
なお、本発明においてフッ素樹脂粒子の「体積平均粒子径」は、乾式レーザー回折法により測定された粒度分布(体積基準)において、小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径を表す。
また、本明細書において、「界面活性剤を実質的に使用しない」とは、不純物等として不可避的に混入する界面活性剤以外の界面活性剤を添加しないことを意味する。
また、本明細書において「界面活性剤を実質的に含有しない」とは、スラリー中の全固形分に対する界面活性剤の含有量が0.01質量%未満、好ましくはゼロであることを意味する。
ここで、本発明のスラリーの製造方法では、前記分散工程は、前記フッ素樹脂粒子の少なくとも一部の形状を繊維状に変形させて繊維状フッ素樹脂とすることを含むことが好ましい。フッ素樹脂粒子の少なくとも一部の形状を繊維状に変形させて繊維状フッ素樹脂としてスラリー中に分散させることで、繊維状炭素ナノ構造体の分散性を一層向上させることができるからである。
また、本発明のスラリーの製造方法では、前記繊維状フッ素樹脂は、粒子状部から繊維状部が放射状に伸びた構造を備えることが好ましい。このように、スラリー中においてフッ素樹脂が、粒子状部から繊維状部が放射状に伸びた構造を有していれば、繊維状炭素ナノ構造体の分散性が一層良好になる。
さらに、本発明のスラリーの製造方法では、前記繊維状炭素ナノ構造体はカーボンナノチューブを含み、該カーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体の数平均直径が1nm以上60nm以下であり、数平均長さが10μm以上であることが好ましい。このようなサイズのカーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体を配合することで、得られたスラリーにおけるカーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体の分散性を向上させることができる。さらに、得られたスラリーを成形してなる複合樹脂材料やその成形体について、少ない添加量のカーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体で安定的に導電性を付与することができる。
なお、カーボンナノチューブの数平均直径は、透過型電子顕微鏡(TEM)画像上で、例えば、20本のカーボンナノチューブについて直径を測定し、個数平均値を算出することで求めることができる。さらに、カーボンナノチューブの数平均長さは、走査型電子顕微鏡(SEM)画像上で、例えば、20本のカーボンナノチューブについて長さを測定し個数平均値を算出することで求めることができる。
さらに、本発明のスラリーの製造方法では、前記分散媒は非極性溶媒であることが好ましい。分散媒として非極性溶媒を用いることで、湿式ジェットミルのノズル及び逆止弁に生じうる目詰まりを低減することができる。
また、この発明は上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の複合樹脂材料の製造方法は、上述した何れかのスラリーの製造方法により得られたスラリーから、分散媒を除去する工程を含むことを特徴とする。かかる複合樹脂材料の製造方法によれば、繊維状炭素ナノ構造体の分散性の良好な複合樹脂材料を得ることができる。
さらに、本発明の複合樹脂材料の製造方法は、ろ過以外の方法により前記分散媒を除去することが好ましい。かかる複合樹脂材料の製造方法によれば、高効率で繊維状炭素ナノ構造体の分散性の良好な複合樹脂材料を得ることができる。
本発明によれば、界面活性剤を実質的に含有せず、且つ、繊維状炭素ナノ構造体の分散性に優れたスラリー及び複合樹脂材料が得られる。
本発明に従うスラリーの製造方法により得られたスラリーの電子顕微鏡画像である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明のスラリーの製造方法により得られるスラリーはフッ素樹脂と、繊維状炭素ナノ構造体とを含有し、界面活性剤を実質的に含有しない。そして、かかる製造方法により得られたスラリーを用いた、本発明の複合樹脂材料の製造方法は、分散媒を除去する工程を含む。
(スラリーの製造方法)
本発明によるスラリーの製造方法は、フッ素樹脂、繊維状炭素ナノ構造体、及び分散媒を含むスラリーの製造方法である。特に、本発明によるスラリーの製造方法は体積平均粒子径が5μm以上250μm以下のフッ素樹脂粒子と、繊維状炭素ナノ構造体と、分散媒とを混合して混合液を得る混合工程と、混合液を湿式ジェットミルにより分散させる分散工程と、を含むことを大きな特徴の一つとする。さらに、本発明のスラリーの製造方法は、界面活性剤を実質的に使用しないことも大きな特徴の一つとする。
<混合工程>
混合工程では、既知の混合方法により、体積平均粒子径が5μm以上250μm以下のフッ素樹脂粒子、繊維状炭素ナノ構造体、及び分散媒を混合して混合液を調製する。例えば、フッ素樹脂粒子に対して分散媒を添加し攪拌したところに、繊維状炭素ナノ構造体をさらに添加して、界面活性剤の不存在下で軽く攪拌することにより、混合液を調製することができる。
<分散工程>
分散工程では、上述のようにして得られた混合液を、界面活性剤の不存在下で湿式ジェットミルにより分散する。繊維状炭素ナノ構造体を十分に分散させるためには、適度に強いせん断力を印加する必要があるからである。さらに、湿式ジェットミルによる混合液の分散にあたり印加する圧力は5MPa以上が好ましく、10MPa以上がより好ましく、15MPa以上がさらに好ましく、200MPa以下が好ましく、105MPa以下がより好ましく、50MPa以下がさらに好ましく、35MPa以下が特に好ましい。さらに、処理回数(パス回数)は1回以上であり、2回以上が好ましく、3回以上がより好ましく、20回以下が好ましく、10回以下がより好ましく、5回以下がさらに好ましい。混合液中には、体積平均粒子径が5μm以上250μm以下のフッ素樹脂粒子と繊維状炭素ナノ構造体とが共存するため、かかる条件の下で湿式ジェットミルによる分散処理を実施することで、湿式ジェットミルのノズル及び逆止弁の目詰まりを防止すると共に、界面活性剤を使用しなくても繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させることができるからである。さらに、分散処理の温度は、0℃以上が好ましく、5℃以上がより好ましく、15℃以上がさらに好ましく、80℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましく、35℃以下がさらに好ましい。
ここで、分散工程は、フッ素樹脂粒子の少なくとも一部の形状を繊維状に変形させて繊維状フッ素樹脂とすることを含むことが好ましい。フッ素樹脂粒子の少なくとも一部の形状を繊維状に変形させて繊維状フッ素樹脂としてスラリー中に分散させることで、繊維状炭素ナノ構造体の分散性を一層向上させることができるからである。フッ素樹脂粒子は、適度な大きさのせん断力が印加されることにより形状が繊維状に変形されて繊維状フッ素樹脂となる特性を有する。以下、フッ素樹脂粒子の少なくとも一部の形状を繊維状に変化させることを、「フィブリル化」ともいう。本発明者らは、湿式ジェットミルを用いてスラリーを調製するに当たり、繊維状炭素ナノ構造体を分散させると同時にフッ素樹脂をフィブリル化することで、界面活性剤を使用しなくても繊維状炭素ナノ構造体の分散性を更に向上させることができるという点を新たに見出した。繊維状炭素ナノ構造体の分散処理とフッ素樹脂粒子のフィブリル化とを同時に行うことにより、スラリー中における繊維状炭素ナノ構造体の分散性を更に向上させることができる機構は明らかではないが、以下のような機構が推察される。すなわち、繊維状炭素ナノ構造体を分散させる際に繊維状フッ素樹脂粒子をフィブリル化させることで、分散された繊維状炭素ナノ構造体がフッ素樹脂の繊維状部分においてトラップされるため、スラリー中における繊維状炭素ナノ構造体の凝集を予防することができる。したがって、界面活性剤を使用しなくても、フッ素樹脂および繊維状炭素ナノ構造体が十分に良好に分散したスラリーが得られる。
また、フッ素樹脂粒子として、体積平均粒子径が上記範囲のフッ素樹脂粒子を採用し、さらに、湿式ジェットミルによる分散処理時の各種条件を上述の範囲内とすることで、比較的少ない分散処理回数でフッ素樹脂粒子を効率的にフィブリル化させ、さらに、フッ素樹脂の形状を繊維状態に維持して繊維状炭素ナノ構造体の分散性を向上させると共に、繊維状炭素ナノ構造体の切断を抑制して、清浄性を向上させることができる。
ここで、分散工程においてフッ素樹脂粒子を繊維状フッ素樹脂とする場合、元の形状が粒子状であるフッ素樹脂粒子が、せん断力の印加により、粒子状部から繊維状部が放射状に伸びた構造をとなっていることが好ましい。このように、スラリー中においてフッ素樹脂が、粒子状部から繊維状部が放射状に伸びた構造を有していれば、スラリー中における繊維状炭素ナノ構造体の分散性が一層良好になる。さらに、繊維状フッ素樹脂は、スラリー中に分散した際に、網目構造を形成しうる。かかる網目構造によれば、繊維状炭素ナノ構造体をより良好にトラップすることができ、スラリー中における繊維状炭素ナノ構造体の分散性を一層向上させることができる。
なお、本発明の分散工程において使用可能な湿式ジェットミルとしては、「ナノヴェイタ」(吉田機械興業社製)、「BERYU SYSTEM PRO」(株式会社美粒製)、超高圧湿式微粒化装置(吉田工業社製)、「ナノマイザー」(ナノマイザー社製)、及び「スターバースト」(スギノマシン社製)等が挙げられる。なお、湿式ジェットミルの最小流路径は、目詰まり抑制の観点から、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上であり、効果的に加圧分散する観点から、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、さらに好ましくは300μm以下である。
以下、本発明によるスラリーの製造方法にて配合する各種成分についてより詳細に説明する。
[フッ素樹脂]
フッ素樹脂とは、フッ素含有単量体単位を含む重合体である。なお、本明細書において「単量体単位を含む」とは、「その単量体を用いて得た重合体中に単量体由来の繰り返し単位が含まれている」ことを意味する。
本発明のスラリーの製造方法において配合する材料としてのフッ素樹脂粒子は、体積平均粒子径が5μm以上250μm以下である。以下、材料としてのフッ素樹脂を「フッ素樹脂粒子」ともいう。ここで、本明細書においてフッ素樹脂が「粒子状」であるとは、フッ素樹脂粒子の長径/短径で求められる比率であるアスペクト比が1以上3未満であることを意味する。特に、フッ素樹脂粒子の体積平均粒子径は、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、150μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましい。フッ素樹脂粒子の体積平均粒子径をかかる範囲内とすることで、湿式ジェットミルを用いた混合液の分散工程において、界面活性剤を使用しなくても繊維状炭素ナノ構造体を良好に分散させることができる。また、フッ素樹脂粒子の体積平均粒子径を250μm以下とすることで、湿式ジェットミルが目詰まりするのを抑制することができる。なお、上述した体積平均粒子径のフッ素樹脂粒子は、効率的に繊維状フッ素樹脂に変形させ易いという点においても優れている。
例えば、本発明のスラリーの製造方法において配合する材料としてのフッ素樹脂粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロピルビレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレンエチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、及びポリビニルフルオライド(PVF)のような結晶性フッ素樹脂が挙げられる。好ましくは、フッ素樹脂粒子は、PTFE又はPFAであり、特に、PTFEが好ましい。フッ素樹脂のフィブリル化は、C−F結合の分極率が小さく、分子間力が弱い場合に起こり易いと考えられ、(CF−CFn構造を有するPTFEは湿式ジェットミルで分散処理した際にフィブリル化し易いからである。フッ素樹脂粒子がフィブリル化することにより、繊維状炭素ナノ構造体が再凝集することを抑制し、分散性を高めることができる。また、上記フッ素樹脂は1種を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
さらに、材料としてのフッ素樹脂粒子は結晶化度が10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、80%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。フッ素樹脂粒子の結晶化度は、例えば、X線回折法により測定することができる。フッ素樹脂粒子の結晶化度がかかる範囲内であれば、せん断力の印加によりフッ素樹脂粒子をフィブリル化させ易い。
また、本発明のスラリーの製造方法では、材料としてのフッ素樹脂粒子を、スラリー中の全固形分に対して70質量%以上配合することが好ましく、90質量%以上、更に好ましくは99質量%以上配合することがより好ましい。
[繊維状炭素ナノ構造体]
本発明のスラリーの製造方法にて配合される繊維状炭素ナノ構造体としては、特に限定されることなく、導電性を有する繊維状炭素ナノ構造体を用いることができる。具体的には、繊維状炭素ナノ構造体としては、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)等の円筒形状の炭素ナノ構造体や、炭素の六員環ネットワークが扁平筒状に形成されてなる炭素ナノ構造体等の非円筒形状の炭素ナノ構造体を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
そして、上述した中でも、繊維状炭素ナノ構造体としては、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を用いることがより好ましい。CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を使用すれば、少ない配合量であっても本発明のスラリーの製造方法にて製造したスラリーから得られる複合樹脂材料などに効率的に導電性を付与することができるからである。
ここで、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、CNTのみからなるものであってもよいし、CNTと、CNT以外の繊維状炭素ナノ構造体との混合物であってもよい。
そして、繊維状炭素ナノ構造体中のCNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。カーボンナノチューブの層数が少ないほど、配合量が少量であっても本発明のスラリーの製造方法にて製造したスラリーから得られる複合樹脂材料などの導電性が向上するからである。
また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の数平均直径は、1nm以上であることが好ましく、60nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の数平均直径が1nm以上であれば、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の分散性を高め、本発明のスラリーの製造方法にて製造したスラリーから得られる複合樹脂材料などに安定的に導電性を付与することができる。また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の数平均直径が60nm以下であれば、少ない配合量であっても本発明のスラリーの製造方法にて製造したスラリーから得られる複合樹脂材料などに効率的に導電性を付与することができる。
また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体としては、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満のCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を用いることが好ましく、3σ/Avが0.25超のCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を用いることがより好ましく、3σ/Avが0.40超のCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を用いることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満のCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を使用すれば、本発明のスラリーの製造方法にて製造したスラリーから得られる複合樹脂材料などの性能を更に向上させることができる。
なお、「CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)」および「CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の直径の標準偏差(σ:標本標準偏差)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択したCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体100本の直径(外径)を測定して求めることができる。そして、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
そして、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体としては、前述のようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
更に、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層カーボンナノチューブのみからなる繊維状炭素ナノ構造体のラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が0.5以上5.0以下であることが好ましい。G/D比が0.5以上5.0以下であれば、本発明のスラリーの製造方法にて製造したスラリーから得られる複合樹脂材料などの性能を更に向上させることができる。
なお、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、特に限定されることなく、アーク放電法、レーザーアブレーション法、化学的気相成長法(CVD法)などの既知のCNTの合成方法を用いて製造することができる。具体的には、CNTは、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に原料化合物およびキャリアガスを供給し、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)に準じて、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
そして、スーパーグロース法により製造された繊維状炭素ナノ構造体は、SGCNTのみから構成されていてもよいし、SGCNTに加え、例えば、非円筒形状の炭素ナノ構造体等の他の炭素ナノ構造体も含みうる。
CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、平均長さが、10μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、80μm以上であることがさらに好ましく、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。平均長さが10μm以上であれば、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の分散性を高め、本発明のスラリーの製造方法にて製造したスラリーにおける繊維状炭素ナノ構造体の分散性を向上させることができ、少ない配合量でスラリーから得られる複合樹脂中において導電パスを形成できる。そして、平均長さが300μm以下であれば、本発明のスラリーの製造方法にて製造したスラリーから得られる複合樹脂材料の導電性を安定化させることができる。
また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、BET比表面積が、200m/g以上であることが好ましく、400m/g以上であることがより好ましく、600m/g以上であることがさらに好ましく、2000m/g以下であることが好ましく、1600m/g以下であることがより好ましく、1300m/g以下であることがさらに好ましい。CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が200m/g以上であれば、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の分散性を高め、少ない配合量で本発明のスラリーの製造方法にて製造したスラリーから得られる複合樹脂材料などの導電性を十分に高めることができる。また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が2000m/g以下であれば、本発明のスラリーの製造方法にて製造したスラリーから得られる複合樹脂材料などの導電性を安定化させることができる。
なお、本発明において、「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示すことが好ましい。なお、「t−プロット」は、窒素ガス吸着法により測定されたCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の吸着等温線において、相対圧を窒素ガス吸着層の平均厚みt(nm)に変換することにより得ることができる。すなわち、窒素ガス吸着層の平均厚みtを相対圧P/P0に対してプロットした、既知の標準等温線から、相対圧に対応する窒素ガス吸着層の平均厚みtを求めて上記変換を行うことにより、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体のt−プロットが得られる(de Boerらによるt−プロット法)。
ここで、表面に細孔を有する物質では、窒素ガス吸着層の成長は、次の(1)〜(3)の過程に分類される。そして、下記の(1)〜(3)の過程によって、t−プロットの傾きに変化が生じる。
(1)全表面への窒素分子の単分子吸着層形成過程
(2)多分子吸着層形成とそれに伴う細孔内での毛管凝縮充填過程
(3)細孔が窒素によって満たされた見かけ上の非多孔性表面への多分子吸着層形成過程
そして、上に凸な形状を示すt−プロットは、窒素ガス吸着層の平均厚みtが小さい領域では、原点を通る直線上にプロットが位置するのに対し、tが大きくなると、プロットが当該直線から下にずれた位置となる。かかるt−プロットの形状を有するCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の全比表面積に対する内部比表面積の割合が大きく、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を構成する炭素ナノ構造体に多数の開口が形成されていることを示している。
なお、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体のt−プロットの屈曲点は、0.2≦t(nm)≦1.5を満たす範囲にあることが好ましく、0.45≦t(nm)≦1.5の範囲にあることがより好ましく、0.55≦t(nm)≦1.0の範囲にあることが更に好ましい。繊維状炭素ナノ構造体のt−プロットの屈曲点がかかる範囲内にあれば、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の分散性を高め、少ない配合量で本発明のスラリーの製造方法にて製造したスラリーから得られる複合樹脂材料などの導電性を高めることができる。具体的には、屈曲点の値が0.2未満であれば、繊維状炭素ナノ構造体が凝集し易く分散性が低下し、屈曲点の値が1.5超であれば繊維状炭素ナノ構造体同士が絡み合いやすくなり分散性が低下する虞がある。
なお、「屈曲点の位置」は、前述した(1)の過程の近似直線Aと、前述した(3)の過程の近似直線Bとの交点である。
更に、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、t−プロットから得られる全比表面積S1に対する内部比表面積S2の比(S2/S1)が0.05以上0.30以下であるのが好ましい。CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体のS2/S1の値がかかる範囲内であれば、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の分散性を高め、少ない配合量で本発明のスラリーの製造方法にて製造したスラリーから得られる複合樹脂材料などの導電性を高めることができる。
ここで、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の全比表面積S1および内部比表面積S2は、そのt−プロットから求めることができる。具体的には、まず、(1)の過程の近似直線の傾きから全比表面積S1を、(3)の過程の近似直線の傾きから外部比表面積S3を、それぞれ求めることができる。そして、全比表面積S1から外部比表面積S3を差し引くことにより、内部比表面積S2を算出することができる。
因みに、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の吸着等温線の測定、t−プロットの作成、および、t−プロットの解析に基づく全比表面積S1と内部比表面積S2との算出は、例えば、市販の測定装置である「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を用いて行うことができる。
そして、本発明のスラリーの製造方法では、フッ素樹脂(100質量%)に対する繊維状炭素ナノ構造体の配合比率が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下となるように繊維状炭素ナノ構造体を配合することが好ましい。フッ素樹脂に対する繊維状炭素ナノ構造体の配合比率を0.01質量%以上とすることで、導電性を一層良好なものとすることができる。また、フッ素樹脂に対する繊維状炭素ナノ構造体の配合比率を1.0質量%以下とすることで、複合樹脂材料のコストを低減することができる。さらに、繊維状炭素ナノ構造体の含有率をかかる上限値以下とすることで、複合樹脂材料の表面に繊維状炭素ナノ構造体が露出しないようにして、複合樹脂材料からの繊維状炭素ナノ構造体の脱離を防ぐことにより、複合樹脂材料の清浄性を一層向上させることができるとともに、複合樹脂材料中における繊維状炭素ナノ構造体の分散性を一層向上させることができる。
[分散媒]
本発明のスラリーの製造方法にて使用可能な分散媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、水、メチルエチルケトン(MEK)などのケトン類、及びエタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール類等の極性溶媒、並びに、例えば、シクロヘキサン、トルエンを含む炭化水素系溶媒等の非極性溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。特に、本発明のスラリーの製造方法では、非極性溶媒を用いることが好ましい。さらに、非極性溶媒の中でも、炭化水素系溶媒を用いることが特に好ましい。一般に湿式ジェットミルを用いた分散処理においは極性溶媒を用いることが良いとされてきたが、驚くべきことに、分散媒として非極性溶媒を用いた分散処理では、湿式ジェットミルのノズル及び逆止弁の目詰まりを低減することができるからである。
<スラリーの性状>
[固形分沈降度]
上述したような本発明のスラリーの製造方法により得られるスラリーは、固形分沈降度が0.5以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.95以下であることが好ましく、0.90以下であることがより好ましい。このように、固形分沈降度が0.5以上であるスラリーでは、繊維状炭素ナノ構造体の分散性が一層良好である。さらに、固形分沈降度が0.95超となると、フッ素樹脂が粉砕された状態となり、繊維状炭素ナノ構造体の分散性が低下する虞がある。
ここで、「固形分沈降度」は、固形分濃度が15質量%となるようにスラリーを希釈または濃縮して分散液を得て、得られた分散液を所定の容器に注いだ時点から1時間後における分散液全体の高さに占める、固形分層の高さの比率である。「分散液全体の高さ」は、(固形分層の高さ+液層高さ)であり、上記固形分沈降度の値は、(固形分層の高さ/分散液全体の高さ)で算出することができる。なお、分散液は静置すると、外見上、上述の固形分層と、固形分層の上部にいわゆる「上澄み」のように存在する液層とに分離するが、固形分層は黒色に、液層は無色透明となるため、目視で固形分層と液層の境界を判断することができる。また、所定の容器とは、例えば、底面積6.6cmの100mlメスシリンダーである。また、スラリーを希釈するための分散媒は、上述したいずれの分散媒であっても良い。また、「無色透明」な液層の光線透過率は、例えば、波長500nmで90%以上である。
なお、分散工程においてフッ素樹脂粒子をフィブリル化する場合、形成される繊維状フッ素樹脂の割合が多いと、固形分沈降度の値は、ある程度までは大きくなる傾向がある。さらに、フッ素樹脂のフィブリル化が不十分であり、すなわち粒子状又はそれに近い形状のフッ素樹脂の割合が多くなると、固形分沈降度の値が小さくなるだけでなく、繊維状フッ素樹脂によりトラップされない、遊離した炭素ナノ構造体が液層中に浮遊し、液層の光線透過率が下がる傾向がある。
[繊維状の網目構造の占有率]
さらに、本発明のスラリーの製造方法により得られるスラリーにおいて、フッ素樹脂が、数平均最大線径10μm以下、線径対線長で規定されるアスペクト比が3以上の繊維状フッ素樹脂を含んで構成される繊維状の網目構造を、全体積中の30質量%以上含有することが好ましい。フッ素樹脂がかかる割合で繊維状の網目構造を有することで、スラリー中における繊維状炭素ナノ構造体の分散性を一層向上させることができる。
例えば、繊維状フッ素樹脂の「数平均最大線径」は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて視野内の20本のフィブリル化したフッ素樹脂を観察してそれぞれの最大線径を測定して算出した個数平均値である。
なお、本発明において、繊維状の網目構造の占有割合は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)用いた観察において視野内にて線径対線長が3以上の構造を特定して、視野内におけるフッ素樹脂の全面積に対する線径対線長が3以上の構造の占める割合を算出し、かかる観察を10視野について繰り返して算出した平均値である。このようにして求めた繊維状の網目構造の占有割合が30%以上であれば、フッ素樹脂の全体積中における繊維状の網目構造の占有割合も30%であるとする。
(複合樹脂材料の製造方法)
本発明の複合樹脂材料の製造方法は、上述したスラリーの製造方法により得られたスラリーから分散媒を除去する工程を含むことを大きな特徴の一つとする。
上述したスラリーの製造方法により得られたスラリーは、界面活性剤を実質的に含有しない。ここで、スラリー中における繊維状炭素ナノ構造体の分散性を向上させるためには、一般的に界面活性剤が用いられうるが、かかる界面活性剤が複合樹脂材料中に残留すれば、ガス発生(アウトガス)の原因となりうる。よって、スラリーの製造工程において界面活性剤を使用した場合には、得られたスラリーを用いて複合樹脂材料を製造するにあたり、界面活性剤を除去する工程を実施することが一般的である。しかし、本発明によるスラリーの製造方法は、界面活性剤を実質的に使用しない。このため、本発明によるスラリーの製造方法により得られたスラリーから複合樹脂材料を製造するにあたり、界面活性剤を除去するための工程を経ることなく、直接、分散媒を除去する工程を実施することができる。
分散媒の除去方法としては、特に限定されることなく、ろ過、遠心分離、および乾燥を用いることができる。中でも、繊維状炭素ナノ構造体の分散性を確保しつつ分散媒を効率的に除去する観点からは、ろ過以外の方法を用いることが好ましく、スラリーを直接乾燥することが好ましい。
ここで、乾燥方法としては、スプレードライ方式による乾燥、真空乾燥、不活性ガスの流通による乾燥などなどの既知の乾燥方法を使用することができる。また、分散媒を除去した後に、例えば、ミルミキサーなどの一般的な破砕方法による破砕工程と、破砕して得られた樹脂粉末を所定のふるいにかける工程とを任意に実施することにより、複合樹脂材料を得ることができる。得られた複合樹脂材料は、特に限定されることなく、例えば、集積回路用トレー、ウエハキャリア、薬液ホース及びシール材などの清浄性や導電性が求められる部材などを形成する際に用いることができる。
そして、得られた複合樹脂材料における各成分の含有比率は、上述したスラリー中に含まれている各固形分比率と同様であり得る。さらに、本発明の複合樹脂材料の製造方法により得られた複合樹脂材料は、フッ素樹脂及び繊維状炭素ナノ構造体を含む複合樹脂材料であって、フッ素樹脂の含有率が70質量%以上であると共に、フッ素樹脂の量を基準(100質量%)とした際の繊維状炭素ナノ構造体の含有率が0.01質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
<複合樹脂材料の性状>
本発明の複合樹脂材料の製造方法により得られた複合樹脂材料は、炭素ナノ構造体の分散性が高い。具体的には、かかる複合樹脂材料は以下の性状を有することが好ましい。
[凝集体の個数]
本発明の複合樹脂材料の製造方法により得られた複合樹脂材料は、厚さが50μmのシート状に成形してなる成形体を一辺が30mmの視野で光学顕微鏡観察した際に観察される、繊維状炭素ナノ構造体を主成分とする直径300μm以上の凝集体の数が、3個以下であることが好ましい。このような条件を満たす複合樹脂材料は、繊維状炭素ナノ構造体の分散性が一層良好であるとともに、高い清浄性が要求される用途に好適に使用することができる。
凝集体が「繊維状炭素ナノ構造体を主成分とする」ものであるか否かは、例えば、元素分析及び顕微ラマン分光法によるG/D比に基づいて判定することができる。例えば、凝集体を元素分析した結果、炭素量が70%以上であり、顕微ラマン分光法によるG/D比が使用した繊維状炭素ナノ構造体のG/D比を含む所定の数値範囲内、例えば、0.5以上5以下である場合に、分析対象とした凝集体は、繊維状炭素ナノ構造体を主成分とする凝集体であると同定することができる。元素分析に加えて、顕微ラマン分光法により取得したG/D比の値を測定することで、凝集体が繊維状炭素ナノ構造体を主成分とするものであるか否かについて、元素分析の結果のみに基づいて判定した場合よりも確実に判定することができる。さらに、例えば、カーボンブラック等の繊維状炭素ナノ構造体とは異なる他の炭素化合物が複合樹脂材料中に存在する場合にも、元素分析結果とG/D比の値の測定結果とを併用することで、凝集体が繊維状炭素ナノ構造体を主成分とするものであるか否かを判定することができる。
また、本発明において、凝集体の直径は、成形体を顕微鏡観察した際の視野内にて、対象とする凝集体を構成する繊維状炭素ナノ構造体の全てを包含する真円を設定し、その直径として求めた。
(複合樹脂材料成形体)
本発明の製造方法により得られた複合樹脂材料を成形することにより、複合樹脂材料成形体を得ることができる。具体的には、複合樹脂材料成形体は、上述した複合樹脂材料を、所望の成形品形状に応じた成形機、例えば圧縮機、押出機、射出成形機、ロール機等により成形して得ることができる。
そして、上述のようにして得られた複合樹脂材料成形体は、繊維状炭素ナノ構造体の分散性に優れており、機能性に優れる。なお、かかる複合樹脂材料成形体は、特に限定されることなく、集積回路用トレー、ウエハキャリア、薬液ホース及びシール材などの清浄性や導電性が求められる部材等の材料として用いることができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
実施例及び比較例において、固形分沈降度、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量は、それぞれ以下の方法により測定又は評価した。
<固形分沈降度>
実施例、比較例で得られたスラリーを、固形分濃度が15質量%となるように分散媒であるシクロヘキサンで希釈した分散液とした。この分散液は、測定直前にマグネチックスターラーにより800rpmで10分間撹拌した。分散液を100mlメスシリンダー(底面積6.6cm)に100ml注いだ時点から1時間後における、分散液全体の高さに占める固形分層の高さの割合を、スラリーの固形分沈降度として求めた。
<凝集体の個数>
実施例、比較例で製造した複合樹脂材料成形体から、旋盤を用いて50μm厚みのシートを切り出し試験片を得た。得られた試験片について30mm×30mmの視野をデジタルマイクロスコープ(装置名「VHX−500」、キーエンス社製)により観察(倍率:100倍)して、直径300μm以上の凝集体の数を数えた。
なお、凝集体が、繊維状炭素ナノ構造体に由来するものであることは、元素分析、顕微ラマン分光法によるG/D比により確認した。凝集体を元素分析した結果、炭素量が90%以上であり、顕微ラマン分光法によるG/D比が0.5〜5.0の間である場合に、分析対象とした凝集体は、繊維状炭素ナノ構造体を主成分とする凝集体であると同定した。
<体積抵抗率>
実施例、比較例で製造した複合樹脂材料成形体を試験片として、表面低抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、製品名「ロレスタ(登録商標)MCP−T610」)を用い、JIS K7194に準拠した方法で測定サンプルの体積導電率を測定した。具体的には、測定サンプルを絶縁ボードの上に固定し、測定サンプル上の任意の5個所にプローブを押し当て、最大90Vの電圧をかけて体積抵抗率を測定した。そして、測定値の平均値を求めて、複合樹脂材料の体積抵抗率とした。なお、低抵抗率計の四端針プローブには、PSPプローブを選択した。
<清浄性>
実施例、比較例で製造した複合樹脂材料成形体を5mm×5mm×3mm厚さにカットした試験片を0.1M/Lの塩酸液に24時間入れた後、水洗いした試験片の表面に白色の濾紙(「ろ紙5A」、アドバンテック社製)をあて、濾紙の上から500gの荷重をかけ、試験片を固定した状態で濾紙を3往復動かした。濾紙上に黒色の転写痕が残ったかを目視にて判定した。そして、濾紙上に黒色の転写痕が残らない場合に複合樹脂材料成形体の清浄性が「良好」であり、濾紙上に黒色の転写痕が残る場合に複合樹脂材料成形体の清浄性が「不良」である、と評価した。
<ガス発生量>
パージ&トラップ−ガスクロマトグラフ質量分析法(ダイナミックアウトガス測定)によりアウトガスの発生量を求めた。
実施例、比較例で製造した成形体を1mm×1mm×2.5mmに裁断したサンプル200mgを内径4mmのガラスチューブに入れた。次に、その容器に不活性ガスとしてヘリウムを流量30mL/分で流しつつ、温度250℃で60分間加熱し、容器から流出する気体を液体窒素で−130℃に冷却した熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計(Agilent社製、製品名「GC5973N」及び「MSD 6890N」を備えるシステム)のトラップ管に連続的に捕集した。次いで、捕集した気体を、熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計を用いて分析し、HP5msカラム(膜厚0.25μm×内径0.25mm×長さ30m)を用い、40℃で3分間保持した後、10℃/分で昇温し280℃で10分間保持した条件(ガス流量1.0mL/分)でのリテンションタイム25分までに出てくる有機物の総量を、n−ヘキサデカンを標準とし、質量ppm(μg有機物/g樹脂)の単位で示した。得られた測定値について以下の通りに評価した。
A:0.01ppm未満
B:0.01ppm以上0.05ppm以下
C:0.05ppm超
なお、実施例及び比較例において、熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計により得られたマススペクトルから、分散媒として用いたシクロヘキサン又はメチルエチルケトン由来のスペクトルは検出されなかった。
(実施例1)
<繊維状炭素ナノ構造体の調製>
アルミニウム化合物であるアルミニウムトリ−sec−ブトキシド1.9gを有機溶剤としての2−プロパノール100mLに溶解させた。さらに、安定剤としてトリイソプロパノールアミン0.9gを加えて溶解させて、触媒担持層形成用の塗工液Aを調製した。
また、鉄化合物である酢酸鉄174mgを有機溶剤としての2−プロパノール100mLに溶解させた。さらに、安定剤としてトリイソプロパノールアミン190mgを加えて溶解させて、触媒層形成用の塗工液Bを調製した。
基材としてのFe−Cr合金SUS430基板(JFEスチール株式会社製、40mm×100mm、厚さ0.3mm、Cr18%、算術平均粗さRa≒0.59μm)の表面に、室温25℃、相対湿度50%の環境下で、スピンコーティングにより上述の塗工液Aを塗布した。具体的には、0.1mLの塗工液Aを基材上に滴下した後、500rpmで10秒間、次いで、2000rpmで20秒間回転させた。その後、5分間風乾し、更に、300℃の空気環境下で30分間加熱した後、室温まで冷却することにより、基材上にアルミナ薄膜(触媒担持層)を形成した。
次いで、室温25℃、相対湿度50%の環境下で、基材に設けられたアルミナ薄膜の上に、スピンコーティングにより上述の塗工液Bを塗布した。具体的には、アルミナ薄膜を備える基材に0.1mLの塗工液Bを滴下した後、500rpmで10秒間、次いで、2000rpmで20秒間回転させた。その後、5分間風乾(乾燥温度30℃)することにより、鉄薄膜(触媒層)を形成した。このようにして、基材の上に、アルミナ薄膜、鉄薄膜をこの順に有してなる触媒基材を得た。
<炭素ナノ構造体集合物の合成>
作製した触媒基材を、炉内温度:750℃、炉内圧力:1.02×105Paに保持された回分式の製造装置の反応炉内に設置し、この反応炉内に、N2:100sccmおよびH2:800sccmの混合ガスを10分間導入した。次いで、炉内温度:750℃、炉内圧力:1.02×105Paに保持された状態の反応炉内に、N2:850sccm、エチレン:100sccmおよびH2O含有N2(相対湿度23%):50sccmの混合ガスを10分間供給した。
その後、反応炉内にN2:1000sccmを供給し、残余の原料ガスおよび触媒賦活物質を排除した。これにより、触媒基材上に繊維状炭素ナノ構造体の集合物が得られた。そして、作製した繊維状炭素ナノ構造体の集合物を触媒基材から剥離し、繊維状炭素ナノ構造体Aを得た。
得られた繊維状炭素ナノ構造体Aを評価および分析したところ、BET比表面積は800m2/g、平均直径(Av)は2.7nm、3σ/Avは0.42、平均繊維長100μm以上、炭素純度は99.9%であった。また、ラマン分光光度計での測定において、単層CNTに特長的な100〜300cm−1の低波数領域にラジアルブリージングモード(RBM)のスペクトルが観察された。また、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)は2.4であった。 更に、繊維状炭素ナノ構造体Aのt−プロットは、上に凸な形状で屈曲していた。そして、S2/S1は0.24であり、屈曲点の位置のtは0.6nmであった。
<スラリーの製造>
フッ素樹脂として体積平均粒子径50μmのPTFE粒子(「M−12」、ダイキン社製)150gに、分散媒としてシクロヘキサン850gを入れ攪拌したところに、繊維状炭素ナノ構造体A0.12gを入れて軽く撹拌して混合液を調整した。フッ素樹脂に対する繊維状炭素ナノ構造体の割合は0.08質量%であった。なお、この際に、界面活性剤は用いなかった。
直径200μmと直径230μmのストレートノズルを出口側から直径230μm、直径200μmの順に備えた湿式ジェットミル(吉田機械興業社製、「ナノヴェイダ」)を用いて上記混合液を、15℃で、処理条件20MPaで4回分散処理し、スラリーAを得た。なお、上記湿式ジェットミルは、混合液中の固形分が分離しないようにするための攪拌装置を備え、さらに、逆止弁に大径のジルコニアビーズを使用するなどして、逆止弁が閉塞し難い構造とした。
スラリーA中のフッ素樹脂について、透過型電子顕微鏡(TEM)観察(加速電圧100kV、1000倍)を実施した。その結果、繊維状フッ素樹脂が存在し、さらに、かかる繊維状フッ素樹脂が、粒子状部から繊維状部が放射状に伸びた構造を備えることを確認した(図1)。
また、得られたスラリーAを固形分濃度が15質量%となるようにシクロヘキサンにより希釈して得られた分散液の固形分沈降度は0.87であった。なお、前記沈降度の測定における液層を、シクロヘキサンをリファレンスとして光路長10mm石英セルで測定した波長500nmでの光線透過率は97%であった。
また、TEM観察において20本の繊維状炭素ナノ構造体について長さを測定して得られた数平均長さは100μm以上であった。
<複合樹脂材料及び複合樹脂材料成形体の製造>
スラリーAを24時間風乾した後に170℃で24時間真空乾燥を行い、その後20000rpmのミルミキサーで粉砕処理し、93メッシュの標準ふるいを通して複合樹脂材料Aを得た。
複合樹脂材料Aを、51mm×51mm×5.1mmの金型に入れ、30℃、15MPaで圧縮成形を行った。なお、金型の昇降速度は5mm/分とした。得られた成形体はオーブンに入れ、50℃/時間の昇温速度で370℃に加温し、1.5時間焼成処理を行った後、50℃/時間の降温速度で25℃まで冷却し、約50mm×50mm×5mm厚みの複合樹脂材料成形体Aを得た。複合樹脂材料成形体Aの密度は2.1g/cmであった。
得られた複合樹脂材料成形体Aを用いて、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
用いた繊維状炭素ナノ構造体Aの量を0.045gとして、フッ素樹脂に対する繊維状炭素ナノ構造体の量を0.03質量%とした以外は実施例1と同様にして、スラリーB、複合樹脂材料B、及び複合樹脂材料成形体Bを得た。
また、実施例1と同様にして、繊維状炭素ナノ構造体の数平均長さ、固形分沈降度、繊維状フッ素樹脂の有無、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価し、その結果を表1に示した。
(実施例3)
用いた繊維状炭素ナノ構造体Aの量を0.45gとして、フッ素樹脂に対する繊維状炭素ナノ構造体の量を0.3質量%とした以外は実施例1と同様にして、スラリーC、複合樹脂材料C、及び複合樹脂材料成形体Cを得た。
また、実施例1と同様にして、繊維状炭素ナノ構造体の数平均長さ、固形分沈降度、繊維状フッ素樹脂の有無、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価し、その結果を表1に示した。
(実施例4)
用いた繊維状炭素ナノ構造体Aに替えて、多層カーボンナノチューブ(「JC142」、JEIO社製:4層、平均直径15nm、平均繊維長100μm以上、BET比表面積230m/g、G/D比0.6)である繊維状炭素ナノ構造体Bを用いた以外は実施例1と同様にして、スラリーD、複合樹脂材料D、及び複合樹脂材料成形体Dを得た。
また、実施例1と同様にして、固形分沈降度、繊維状フッ素樹脂の有無、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価し、その結果を表1に示した。
また、実施例1と同様にして測定したスラリーD中の繊維状炭素ナノ構造体の数平均長さは70μmであった。
(実施例5)
用いたフッ素樹脂を、体積平均粒子径42μmのポリテトラフルオロエチレン(PFA)粒子に替えた以外は実施例1と同様にして、スラリーE、複合樹脂材料E、及び複合樹脂材料成形体Eを得た。尚、前記PFA粒子は、市販のPFAペレット(「AP−210」、ダイキン社製)を、液体窒素を用いた凍結粉砕により微粉化し330メッシュ(目開き45μm)の標準ふるいでふるい分けしたものである。
また、実施例1と同様にして、繊維状炭素ナノ構造体の数平均長さ、固形分沈降度、繊維状フッ素樹脂の有無、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価し、その結果を表1に示した。
(実施例6)
湿式ジェットミルを用いた分散処理を40MPaで4回行った以外は、実施例1と同様にして、スラリーF、複合樹脂材料F、及び複合樹脂材料成形体Fを得た。
また、実施例1と同様にして、繊維状炭素ナノ構造体の数平均長さ、固形分沈降度、繊維状フッ素樹脂の有無、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価し、その結果を表1に示した。
(実施例7)
ジェットミルのノズルを出口側から直径200μm、直径180μmのストレートノズルに替えて、混合液を処理条件100MPaで20回分散処理した以外は、実施例1と同様にして、スラリーG、複合材料G、及び複合樹脂材料成形体Gを得た。
また、実施例1と同様にして、固形分沈降度、繊維状フッ素樹脂の有無、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価し、その結果を表1に示した。特に、スラリーG中では繊維状フッ素樹脂が確認され、粒子状部から繊維状部が放射状に伸びた構造が確認された。また、実施例1と同様にして測定したスラリーG中における繊維状炭素ナノ構造体の数平均長さは、45μmであり、分散前の繊維状炭素ナノ構造体の数平均長さ100μmと比較して短くなっていることが確認され、分散工程において繊維状炭素ナノ構造体が分断されていることが分かった。
(比較例1)
<スラリーの製造>
[繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造]
分散媒としてMEK(メチルエチルケトン)994gに界面活性剤(「アジスパーPB821」、味の素ファインテクノ社製)を5g(繊維状炭素ナノ構造体の5倍量)入れ、溶解させた後に繊維状炭素ナノ構造体Aを1.0g加え、ホモジナイザーを用いて予備分散処理を行った後に、180μmと200μm径のストレートノズルを備えたジェットミル(吉田機械興業社製、「ナノヴェイダ」)を用いて100MPaで5回分散処理を行うことで1000gの繊維状炭素ナノ構造体分散液Aを得た。
[フッ素樹脂分散液の製造]
フッ素樹脂として体積平均粒子径25μmのPTFE粒子(「M−18F」、ダイキン社製)150gを、メチルエチルケトンに質量比1:5で混ぜた溶液を得た。そして、この溶液と、上述のようにして調製した繊維状炭素ナノ構造体分散液A75(繊維状炭素ナノ構造体は0.075g)gを添加しビーカにて混合し、マグネチックスターラーを用いて室温にて回転数800rpmで60分間撹拌を実施してスラリーHを得た。なお、スラリーH中のフッ素樹脂には、繊維状フッ素樹脂は確認されなかった。また、実施例1と同様にして測定したスラリーH中の繊維状炭素ナノ構造体の数平均長さは100μm以上であった。また、実施例1と同様にして測定したスラリーHの固形分沈降度は0.3であった。
<複合樹脂材料及び複合樹脂材料成形体の製造>
得られたスラリーHを静置して分離した上澄み液をスポイトで分取した後、残りを真空乾燥機にて一晩(12時間)乾燥を実施した。その後20000rpmのミルミキサーで粉砕処理し、93メッシュの標準ふるいを通して複合樹脂材料Hを得た。
複合樹脂材料Hを、51mm×51mm×5.1mmの金型に入れ、30℃、15MPaで圧縮成形を行った。なお、金型の昇降速度は5mm/分とした。得られた成形体はオーブンに入れ、50℃/時間の昇温速度で370℃に加温し、1.5時間焼成処理を行った後、50℃/時間の降温速度で25℃まで冷却し、約50mm×50mm×5mm厚みの成形体Hを得た。
得られた成形体Hを用いて、凝集物、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価し、その結果を表1に示した。なお、ガス発生量の評価の際に熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計により得られたマススペクトルから、界面活性剤および界面活性剤の分解物に起因するマススペクトルのピークが確認された。
(比較例2)
<スラリーの製造>
撹拌機付きの容器に対して、比較例1にて調製した繊維状炭素ナノ構造体分散液A100g(繊維状炭素ナノ構造体含有量0.1g)にメチルエチルケトンを900g加えた溶液を満たした後、撹拌機を動かしながら5分間掛けて、ゆっくりとフッ素樹脂として体積平均粒径25μmのPTFE粒子(「M−18F」、ダイキン社製)200gを添加して、カーボンナノチューブ分散液とフッ素樹脂との混合スラリーを作製した。
次に、撹拌機付きの耐圧容器内に、スラリーポンプを使用して、作製した混合スラリー120gを充填した後、撹拌機を動かしながら、液化炭酸を10g/分の速度で11分間、合計約100gを充填した。ここで、耐圧容器に付随されている排圧弁を調整することにより、ガス化した炭酸を排出しながら液化炭酸の充填を行った。
液化炭酸の充填が終了した後、耐圧容器に付随の撹拌機を動かした状態で、耐圧容器を囲んだヒーターボックスに入電して、耐圧容器内の温度が65℃になるように調整し、耐圧容器内部の炭酸を超臨界状態した。この時、耐圧容器内の圧力は、約25MPaであった。
次いで、耐圧容器内の温度が65℃になった時点で、撹拌機を動かしながら、さらに液化炭酸の充填を開始し、1g/分の充填速度で2時間継続した。ここで、耐圧容器に付随されている排圧弁を調整することにより、ガス化した炭酸と炭酸中に溶け込んだ分散溶液(溶媒+分散剤)とが混ざった気液混合ガスを排出しながら液化炭酸の充填を行った。
2時間経過後、液化炭酸の供給を停止し、耐圧容器内の圧力が大気圧になるまで排圧弁から耐圧容器内の気液混合ガスを排出してスラリーIを得た。なお、スラリーI中のフッ素樹脂には、繊維状フッ素樹脂は確認されなかった。また、実施例1と同様にして測定したスラリーI中の繊維状炭素ナノ構造体の数平均長さは100μm以上であった。また、実施例1と同様にして測定したスラリーJの固形分沈降度は0.35であった。
<複合樹脂材料及び複合樹脂材料成形体の製造>
得られたスラリーIをろ過フィルター(MILLIPORE社製、メンブレンフィルター、直径47mm、孔径0.1μm)にてろ過した。回収された固形分を真空乾燥機にて一晩(12時間)乾燥した。その後20000rpmのミルミキサーで粉砕処理し、93メッシュの標準ふるいを通して複合樹脂材料Iを得た。
複合樹脂材料Jを、51mm×51mm×5.1mmの金型に入れ、30℃、15MPaで圧縮成形を行った。なお、金型の昇降速度は5mm/分とした。得られた成形体はオーブンに入れ、50℃/時間の昇温速度で370℃に加温し、1.5時間焼成処理を行った後、50℃/時間の降温速度で25℃まで冷却し、約50mm×50mm×5mm厚みの成形体Hを得た。
得られた成形体Iを用いて、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価し、その結果を表1に示した。なお、比較例1と同様に、界面活性剤および界面活性剤の分解物に起因するマススペクトルのピークが確認された。
(比較例3)
実施例1において、スラリーの製造を下記のようにした以外は、実施例1と同様にして、スラリーJ、複合樹脂材料J、及び複合樹脂材料成形体Jを得た。
また、実施例1と同様にして、固形分沈降度、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価し、その結果を表1に示した。なお、ガス発生量の評価の際に熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計により得られたマススペクトルでは、界面活性剤および界面活性剤の分解物に起因するマススペクトルのピークが確認された。
なお、スラリーJ中では繊維状フッ素樹脂が確認され、特に粒子状部から繊維状部が放射状に伸びた構造が確認された。実施例1と同様にして測定したスラリーJ中の繊維状炭素ナノ構造体の数平均長さは100μm以上であった。
<スラリーの製造>
[フッ素樹脂分散液の製造]
分散媒としてMEK100gに体積平均粒径50μmのPTFE粒子(ダイキン社製M−12)を100g入れ、混合液を調製した。その後、混合液を発振周波数42kHzの超音波洗浄機(BRANSON社5510)中において0℃で30分間、超音波処理を行いフッ素樹脂分散液Aを得た 。
[混合分散液の製造]
フッ素樹脂分散液Aを40g(フッ素樹脂量は20g)に、比較例1と同様にして得た繊維状炭素ナノ構造体分散液Aを16g(繊維状炭素構造体量は0.016g、界面活性剤量は0.08g)を加えた後、撹拌して混合液を得た。その後、薄膜旋回式分散機(「フィルミックス56−50型」、PRIMIX社製)を用いて30m/sで1分間分散処理を行うことでスラリーJを得た。
(比較例4)
実施例1において、スラリーの製造を下記のようにした以外は、実施例1と同様にして、スラリーK、複合材料K、及び複合樹脂材料成形体Kを得た。また、実施例1と同様にして、固形分沈降度、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価し、その結果を表1に示した。なお、スラリーK中には繊維状フッ素樹脂が確認され、特に粒子状部から繊維状部が放射状に伸びた構造が確認された。また、スラリーK中の繊維状炭素ナノ構造体の平均繊維長を観察すると40μmであった。なお、ガス発生量の評価の際に熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計により得られたマススペクトルでは、界面活性剤および界面活性剤の分解物に起因するマススペクトルのピークが確認された。
<スラリーの製造>
[繊維状炭素ナノ構造体分散液の製造]
分散媒としてMEK(メチルエチルケトン)19.88gに、分散剤として界面活性剤(「アジスパーPB821」、味の素ファインテクノ社製)を0.1g(繊維状炭素ナノ構造体の5倍量)入れ、溶解させた後に、繊維状炭素ナノ構造体Aを0.02g加えて混合液を得た。その後、混合液を発振周波数42kHzの超音波洗浄機(「5510」、BRANSON社製)中において0℃で30分間、超音波処理し、繊維状炭素ナノ構造体分散液Bを得た。この段階にて、TEM観察により20本の繊維状炭素ナノ構造体の繊維長を測定し個数平均値を算出して得た繊維状炭素ナノ構造体の数平均長さは40μmであり、超音波処理により繊維状炭素ナノ構造体の切断が起こっていることが確認された。
[混合分散液の製造]
比較例3と同様にして調製したフッ素樹脂分散液Aを40g(フッ素樹脂量は20g)に、繊維状炭素ナノ構造体分散液Bを16g(繊維状炭素ナノ構造体量は0.016g)を加えた後、撹拌して混合液を得た。その後、薄膜旋回式分散機(「フィルミックス56−50型」、PRIMIX社製)を用いて30m/sで1分間分散処理を行うことでスラリーKを得た。
(比較例5)
実施例1において、スラリーの製造を下記のようにした以外は、実施例1と同様にして、スラリーL、複合樹脂材料L、及び複合樹脂材料成形体Lを得た。
また、実施例1と同様にして、固形分沈降度、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価し、その結果を表1に示した。なお、ガス発生量の評価の際に熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計により得られたマススペクトルでは、界面活性剤および界面活性剤の分解物に起因するマススペクトルのピークが確認された。
なお、スラリーK中では、繊維化の程度は低いが、繊維状フッ素樹脂が確認され、特に粒子状部から繊維状部が放射状に伸びた構造が確認された。実施例1と同様にして測定した混合分散液中の繊維状炭素ナノ構造体の数平均長さは100μm以上であった。
(スラリーの製造)
フッ素樹脂として平均粒径50μmのPTFE粒子(「M−12」、ダイキン社製)150gに、分散媒としてシクロヘキサン850g、分散剤として界面活性剤(「アジスパーPB821」、味の素ファインテクノ社製)を0.6gを入れ攪拌したところに、繊維状炭素ナノ構造体A0.12gを入れて軽く撹拌して混合液を調整した。フッ素樹脂に対する繊維状炭素ナノ構造体の割合は0.08質量%であった。
得られた混合液を、発振周波数42kHzの超音波洗浄機(「5510」、BRANSON社製)中において、0℃で200分間、超音波処理し、スラリーLを得た。
(比較例6)
用いたフッ素樹脂を、体積平均粒径2μmのPTFE粒子に替えた以外は実施例1と同様にして、スラリーM、複合材料Mを得た。なお、スラリーM中には繊維状フッ素樹脂が確認されなかった。また、スラリーM中の繊維状炭素ナノ構造体の平均繊維長を観察すると100μm以上であった。また、実施例1と同様にして、固形分沈降度、凝集体の個数、体積抵抗率、清浄性、及びガス発生量を評価し、その結果を表1に示した。
(比較例7)
用いたフッ素樹脂を、体積平均粒径350μmのPTFE粒子に替えた以外は実施例1と同様にして、スラリーNの製造を試みたが、湿式ジェットミルを用いた分散処理を行う際に、ノズルが詰まり、スラリーNは得ることが出来なかった。
以下に示す表1において、
「PTFE」は、ポリテトラフルオロエチレンを、
「PFA」は、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を、
「SWCNT」は、単層カーボンナノチューブを、
「MWCNT」は、多層カーボンナノチューブを、
示す。
表1より、体積平均粒子径が5μm以上250μm以下のフッ素樹脂粒子と、繊維状炭素ナノ構造体と、分散媒とを混合して混合液を得る混合工程と、混合液を湿式ジェットミルにより分散させる分散工程と、を含み界面活性剤を実質的に使用しない、スラリーの製造方法を経て製造された実施例1〜7の複合樹脂材料は、繊維状炭素ナノ構造体の分散性に優れ、ガス発生量が少なく、さらに、導電性及び清浄性にも優れる。
本発明によれば、繊維状炭素ナノ構造体の分散性に優れるスラリー及び複合樹脂材料を提供することができる。

Claims (7)

  1. フッ素樹脂、繊維状炭素ナノ構造体、及び分散媒を含むスラリーの製造方法であって、
    体積平均粒子径が5μm以上250μm以下のフッ素樹脂粒子と、前記繊維状炭素ナノ構造体と、前記分散媒とを混合して混合液を得る混合工程と、
    前記混合液を湿式ジェットミルにより分散させる分散工程と、を含み
    界面活性剤を実質的に使用しない、スラリーの製造方法。
  2. 前記分散工程は、前記フッ素樹脂粒子の少なくとも一部の形状を繊維状に変形させて繊維状フッ素樹脂とすることを含む、請求項1に記載のスラリーの製造方法。
  3. 前記繊維状フッ素樹脂は、粒子状部から繊維状部が放射状に伸びた構造を備える、請求項2に記載のスラリーの製造方法。
  4. 前記繊維状炭素ナノ構造体はカーボンナノチューブを含み、該カーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体の数平均直径が1nm以上60nm以下であり、数平均長さが10μm以上である、請求項1〜3の何れか一項に記載のスラリーの製造方法。
  5. 前記分散媒は非極性溶媒である、請求項1〜4の何れか一項に記載のスラリーの製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載のスラリーの製造方法により得られたスラリーから、分散媒を除去する工程を含む、複合樹脂材料の製造方法。
  7. ろ過以外の方法により前記分散媒を除去する、請求項6に記載の複合樹脂材料の製造方法。
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