JPWO2019198631A1 - 光重合開始剤、表示素子用シール剤、上下導通材料、表示素子、及び、化合物 - Google Patents

光重合開始剤、表示素子用シール剤、上下導通材料、表示素子、及び、化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、長波長の光に対する反応性に優れる光重合開始剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該光重合開始剤を含有し、長波長の光に対する硬化性に優れ、液晶表示素子に用いた場合に低液晶汚染性にも優れる表示素子用シール剤、並びに、該表示素子用シール剤を用いてなる上下導通材料及び表示素子を提供することを目的とする。更に、本発明は、該光重合開始剤を構成する化合物を提供することを目的とする。本発明は、水酸基で置換されていてもよいチオキサントニル基とアミノ基とを有する化合物であり、かつ、濃度が0.1mg/mLとなるようにアセトニトリルに溶解させたときの、波長420nmにおける吸光度が0.10以上である光重合開始剤である。

Description

本発明は、長波長の光に対する反応性に優れる光重合開始剤に関する。また、本発明は、該光重合開始剤を含有し、長波長の光に対する硬化性に優れ、液晶表示素子に用いた場合に低液晶汚染性にも優れる表示素子用シール剤、並びに、該表示素子用シール剤を用いてなる上下導通材料及び表示素子に関する。更に、本発明は、該光重合開始剤を構成する化合物に関する。
近年、液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法としては、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、特許文献1、特許文献2に開示されているような光熱併用硬化型のシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式が用いられている。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより枠状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を貼り合わせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
ところで、携帯電話、携帯ゲーム機等、各種液晶パネル付きモバイル機器が普及している現代において、装置の小型化は最も求められている課題である。装置の小型化の手法としては、液晶表示部の狭額縁化が挙げられ、例えば、シール部の位置をブラックマトリックス下に配置することが行われている(以下、狭額縁設計ともいう)。
しかしながら、狭額縁設計ではシール剤がブラックマトリックスの直下に配置されるため、滴下工法を行うと、シール剤を光硬化させる際に照射した光が遮られ、シール剤の内部まで光が到達せず硬化が不充分となるという問題があった。このようにシール剤の硬化が不充分となると、未硬化のシール剤成分が液晶中に溶出し、溶出したシール剤成分による硬化反応が液晶中において進行することで液晶汚染が発生するという問題があった。
また、通常、シール剤を光硬化させる方法として紫外線の照射が行われているが、特に液晶滴下工法おいては、液晶を滴下した後にシール剤を硬化させるため、紫外線を照射することによって液晶が劣化するという問題があった。そこで、紫外線による液晶の劣化を防止するため、カットフィルター等を介した可視光領域の長波長の光により光硬化させることが行われている。長波長の光によりシール剤を光硬化させる方法としては、長波長の光に対する感度の高い増感剤を光重合開始剤と組み合わせて用いる方法が考えられる。例えば、特許文献3及び特許文献4には、光重合開始剤と増感剤とを組み合わせて配合した光硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、これらの光硬化性樹脂組成物を液晶表示素子用シール剤として用いた場合、長波長の光により充分に光硬化させるために光重合開始剤と増感剤との合計量が多量になることにより液晶汚染が発生することがあるという問題があった。
特開2001−133794号公報 国際公開第02/092718号 特開2017−125033号公報 国際公開第2017/130594号
本発明は、長波長の光に対する反応性に優れる光重合開始剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該光重合開始剤を含有し、長波長の光に対する硬化性に優れ、液晶表示素子に用いた場合に低液晶汚染性にも優れる表示素子用シール剤、並びに、該表示素子用シール剤を用いてなる上下導通材料及び表示素子を提供することを目的とする。更に、本発明は、該光重合開始剤を構成する化合物を提供することを目的とする。
本発明は、水酸基で置換されていてもよいチオキサントニル基とアミノ基とを有する化合物であり、かつ、濃度が0.1mg/mLとなるようにアセトニトリルに溶解させたときの、波長420nmにおける吸光度が0.10以上である光重合開始剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、水酸基で置換されていてもよいチオキサントニル基とアミノ基とを有する化合物であり、かつ、420nmにおいて高い吸光度を有する化合物が、可視光領域の長波長の光に対する反応性に優れ、かつ、光照射後に液晶汚染の原因となる残渣をほとんど発生しないことを見出した。そこで本発明者は、該化合物を光重合開始剤として用いることにより、長波長の光に対する硬化性に優れ、液晶表示素子に用いた場合に低液晶汚染性にも優れる表示素子用シール剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の光重合開始剤は、水酸基で置換されていてもよいチオキサントニル基とアミノ基とを有する化合物である。
上記水酸基で置換されていてもよいチオキサントニル基とアミノ基とを有する化合物であり、かつ、後述する吸光度を示すものであることにより、本発明の光重合開始剤は、少量配合した場合でも硬化性樹脂組成物が優れた光硬化性を有するものとなる。そのため、該硬化性樹脂組成物を液晶表示素子用シール剤として用いた場合に低液晶汚染性に優れるものとなる。
本発明の光重合開始剤において上記チオキサントニル基は、光照射により水素引き抜きや開裂等を行ってラジカルを発生し、重合性化合物の重合反応を促進する役割を有する。また、本発明の光重合開始剤において上記アミノ基は、光照射によりエネルギー移動等を行って上記チオキサントニル基に対して増感効果を発揮する役割を有する。
なお、本明細書において上記「チオキサントニル基」は、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基を意味する。
上記アミノ基としては、長波長の光に対する反応性により優れるものとなることから、第1級アミノ基又はジアルキルアミノ基が好ましく、ジアルキルアミノ基がより好ましく、ジメチルアミノ基が更に好ましい。
また、本発明の光重合開始剤は、上記ジアルキルアミノ基を含む基として4−(N,N−ジアルキルアミノ)ベンゾイルオキシ基を有することが好ましく、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾイルオキシ基を有することがより好ましい。
本発明の光重合開始剤は、低液晶汚染性の観点から、水酸基を有することが好ましく、1分子中に水酸基を2以上有することがより好ましい。
本発明の光重合開始剤は、低液晶汚染性の観点から、分子量が200以上であることが好ましく、400以上であることがより好ましい。
本発明の光重合開始剤の分子量の好ましい上限は特にないが、実質的な上限は3万となる。
なお、本明細書において上記「分子量」は、分子構造が特定される化合物については、構造式から求められる分子量であるが、重合度の分布が広い化合物及び変性部位が不特定な化合物については、数平均分子量を用いて表す場合がある。また、本明細書において上記「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
本発明の光重合開始剤は、濃度が0.1mg/mLとなるようにアセトニトリルに溶解させたときの、波長420nmにおける吸光度が0.10以上である。上記波長420nmにおける吸光度が0.10以上であることにより、本発明の光重合開始剤は、可視光領域の長波長の光で硬化させる表示素子用シール剤等に好適に用いることができる。
上記吸光度は0.15以上であることがより好ましい。
上記吸光度は、分光光度計を用いて光路長1cmの条件で測定することができる。上記分光光度計としては、例えば、U−3900(日立ハイテクサイエンス社製)等が挙げられる。
本発明の光重合開始剤は、具体的には、下記式(1−1)又は(1−2)で表される化合物であることが好ましく、下記式(2−1)、(2−2)、又は、(2−3)で表される化合物であることがより好ましい。下記式(2−1)、(2−2)、又は、(2−3)で表される化合物もまた、本発明の1つである。
Figure 2019198631
式(1−1)及び(1−2)中、Rは、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキレン基、又は、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20の(ポリ)アルキレンオキシ基であり、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はアミノ基であり、少なくとも1つのRは、アミノ基である。
上記Rで表されるアミノ基としては、第1級アミノ基、ジメチルアミノ基、又は、ジエチルアミノ基が好ましい。
Figure 2019198631
硬化性樹脂と本発明の光重合開始剤とを含有する表示素子用シール剤もまた、本発明の1つである。
本発明の表示素子用シール剤は、本発明の光重合開始剤を含有するため、長波長の光に対する硬化性に優れるものとなり、液晶表示素子に用いた場合に低液晶汚染性にも優れるものとなる。即ち、本発明の表示素子用シール剤は、液晶表示素子用シール剤として液晶表示素子に好適に用いられる。
本発明の表示素子用シール剤における本発明の光重合開始剤の含有量としては、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が5重量部である。本発明の光重合開始剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる表示素子用シール剤が長波長の光に対する硬化性により優れるものとなり、液晶表示素子に用いた場合に長波長の光に対する硬化性及び低液晶汚染性を両立する効果により優れるものとなる。本発明の光重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明の表示素子用シール剤は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル化合物を含有することが好ましい。
上記(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。また、上記(メタ)アクリル化合物は、反応性の観点から分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有するものが好ましい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル化合物」とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味し、上記「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。また、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。更に、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち単官能のものとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち2官能のものとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち3官能以上のものとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られるもの等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノール型エポキシ化合物、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、スルフィド型エポキシ化合物、ジフェニルエーテル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、オルトクレゾールノボラック型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、アルキルポリオール型エポキシ化合物、ゴム変性型エポキシ化合物、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、jER828EL、jER1004(いずれも三菱ケミカル社製)、エピクロン850CRP(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、jER806、jER4004(いずれも三菱ケミカル社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、jER YX−4000H(三菱ケミカル社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(日鉄ケミカル&マテリアル社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(日鉄ケミカル&マテリアル社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(日鉄ケミカル&マテリアル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、jER630(三菱ケミカル社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(日鉄ケミカル&マテリアル社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも日鉄ケミカル&マテリアル社製)、エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ化合物のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも日鉄ケミカル&マテリアル社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER1031、jER1032(いずれも三菱ケミカル社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、ダイセル・オルネクス社製のエポキシ(メタ)アクリレート、新中村化学工業社製のエポキシ(メタ)アクリレート、共栄社化学社製のエポキシ(メタ)アクリレート、ナガセケムテックス社製のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ダイセル・オルネクス社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3708、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYL RDX63182等が挙げられる。
上記新中村化学工業社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020等が挙げられる。
上記共栄社化学社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA等が挙げられる。
上記ナガセケムテックス社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、イソシアネート化合物に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記イソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネート化合物としては、ポリオールと過剰のイソシアネート化合物との反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレート、二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記二価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記三価のアルコールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、東亞合成社製のウレタン(メタ)アクリレート、ダイセル・オルネクス社製のウレタン(メタ)アクリレート、根上工業社製のウレタン(メタ)アクリレート、新中村化学工業社製のウレタン(メタ)アクリレート、共栄社化学社製のウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記東亞合成社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600等が挙げられる。
上記ダイセル・オルネクス社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、EBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL1290、EBECRYL2220、EBECRYL4827、EBECRYL4842、EBECRYL4858、EBECRYL5129、EBECRYL6700、EBECRYL8402、EBECRYL8803、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260等が挙げられる。
上記根上工業社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、アートレジンUN−330、アートレジンSH−500B、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−9000H等が挙げられる。
上記新中村化学工業社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、U−2HA、U−2PHA、U−3HA、U−4HA、U−6H、U−6HA、U−6LPA、U−10H、U−15HA、U−108、U−108A、U−122A、U−122P、U−324A、U−340A、U−340P、U−1084A、U−2061BA、UA−340P、UA−4000、UA−4100、UA−4200、UA−4400、UA−5201P、UA−7100、UA−7200、UA−W2A等が挙げられる。
上記共栄社化学社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、AH−600、AI−600、AT−600、UA−101I、UA−101T、UA−306H、UA−306I、UA−306T等が挙げられる。
上記硬化性樹脂は、得られる表示素子用シール剤の接着性を向上させること等を目的として、エポキシ化合物を含有することが好ましい。上記エポキシ化合物としては、例えば、上述したエポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物や、部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基とをそれぞれ1つ以上有する化合物を意味し、例えば、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物の一部のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記硬化性樹脂として上記(メタ)アクリル化合物と上記エポキシ化合物とを含有する場合、又は、上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物を含有する場合、上記硬化性樹脂中の(メタ)アクリロイル基とエポキシ基との合計中における(メタ)アクリロイル基の比率を30モル%以上95モル%以下になるようにすることが好ましい。上記(メタ)アクリロイル基の比率がこの範囲であることにより、得られる表示素子用シール剤が、液晶表示素子に用いた場合に液晶汚染の発生を抑制しつつ、接着性により優れるものとなる。
上記硬化性樹脂は、液晶汚染を抑制する等の観点から、−OH基、−NH−基、−NH基等の水素結合性のユニットを有するものが好ましい。
上記硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
本発明の表示素子用シール剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で、熱重合開始剤を含有してもよい。
上記熱重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。なかでも、高分子アゾ化合物が好ましい。
上記熱重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
なお、本明細書において上記「高分子アゾ化合物」とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
上記高分子アゾ化合物の数平均分子量の好ましい下限は1000、好ましい上限は30万である。上記高分子アゾ化合物の数平均分子量がこの範囲であることにより、得られる表示素子用シール剤を液晶表示素子に用いた場合に液晶汚染を抑制しつつ、硬化性樹脂と容易に混合することができる。上記高分子アゾ化合物の数平均分子量のより好ましい下限は5000、より好ましい上限は10万であり、更に好ましい下限は1万、更に好ましい上限は9万である。
上記高分子アゾ化合物としては、例えば、アゾ基を介してポリアルキレンオキサイドやポリジメチルシロキサン等のユニットが複数結合した構造を有するものが挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ化合物としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。
上記高分子アゾ化合物としては、具体的には例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記高分子アゾ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも富士フイルム和光純薬社製)等が挙げられる。
また、高分子ではないアゾ化合物としては、例えば、V−65、V−501(いずれも富士フイルム和光純薬社製)等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記熱重合開始剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が10重量部である。上記熱重合開始剤の含有量が0.05重量部以上であることにより、本発明の表示素子用シール剤が熱硬化性により優れるものとなる。上記熱重合開始剤の含有量が10重量部以下であることにより、本発明の表示素子用シール剤が保存安定性により優れるものとなり、液晶表示素子に用いた場合に低液晶汚染性にもより優れるものとなる。上記熱重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の表示素子用シール剤は、熱硬化剤を含有してもよい。
上記熱硬化剤としては、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記熱硬化剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記有機酸ヒドラジドとしては、例えば、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
上記有機酸ヒドラジドのうち市販されているものとしては、例えば、大塚化学社製の有機酸ヒドラジド、味の素ファインテクノ社製の有機酸ヒドラジド等が挙げられる。
上記大塚化学社製の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、SDH、ADH等が挙げられる。
上記味の素ファインテクノ社製の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH、アミキュアUDH−J等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が50重量部である。上記熱硬化剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる表示素子用シール剤の塗布性等を悪化させることなく、熱硬化性により優れるものとすることができる。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい上限は30重量部である。
本発明の表示素子用シール剤は、粘度の向上、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善等を目的として充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤としては、無機充填剤や有機充填剤を用いることができる。
上記無機充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、ガラスビーズ、石綿、石膏、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、セリサイト、活性白土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、硫酸バリウム、珪酸カルシウム等が挙げられる。
上記有機充填剤としては、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
上記充填剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
本発明の表示素子用シール剤100重量部中における上記充填剤の含有量の好ましい下限は10重量部、好ましい上限は70重量部である。上記充填剤の含有量がこの範囲であることにより、塗布性等を悪化させることなく、接着性の改善等の効果により優れるものとなる。上記充填剤の含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は60重量部である。
本発明の表示素子用シール剤は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、主にシール剤と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらは、基板等との接着性を向上させる効果に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより、得られる表示素子用シール剤を液晶表示素子に用いた場合に液晶中への硬化性樹脂の流出を抑制することができる。
上記シランカップリング剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
本発明の表示素子用シール剤100重量部中における上記シランカップリング剤の含有量の好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。上記シランカップリング剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる表示素子用シール剤を液晶表示素子に用いた場合に液晶汚染の発生を抑制しつつ、接着性を向上させる効果により優れるものとなる。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の表示素子用シール剤は、遮光剤を含有してもよい。上記遮光剤を含有することにより、本発明の表示素子用シール剤は、遮光シール剤として好適に用いることができる。
本発明の表示素子用シール剤は、長波長の光に対する反応性に優れる本発明の光重合開始剤を含有するため、上記遮光剤を含有した場合でも長波長の光に対する硬化性に優れるものとなる。
上記遮光剤としては、例えば、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。なかでも、絶縁性の高い物質が好ましく、チタンブラックがより好ましい。
上記チタンブラックは、表面処理されていないものでも充分な効果を発揮するが、表面がカップリング剤等の有機成分で処理されているものや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されているもの等、表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。なかでも、有機成分で処理されているものは、より絶縁性を向上できる点で好ましい。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の表示素子用シール剤を用いて製造した表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する表示素子を実現することができる。
上記チタンブラックのうち市販されているものとしては、例えば、12S、13M、13M−C、13R−N、14M−C(いずれも三菱マテリアル社製)、ティラックD(赤穂化成社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックの比表面積の好ましい下限は13m/g、好ましい上限は30m/gであり、より好ましい下限は15m/g、より好ましい上限は25m/gである。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
上記遮光剤の一次粒子径は、表示素子の基板間の距離以下であれば特に限定されないが、好ましい下限は1nm、好ましい上限は5000nmである。上記遮光剤の一次粒子径がこの範囲であることにより、得られる表示素子用シール剤の描画性等を悪化させることなく遮光性により優れるものとすることができる。上記遮光剤の一次粒子径のより好ましい下限は5nm、より好ましい上限は200nm、更に好ましい下限は10nm、更に好ましい上限は100nmである。
なお、上記遮光剤の一次粒子径は、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)を用いて、上記遮光剤を溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。
本発明の表示素子用シール剤100重量部中における上記遮光剤の含有量の好ましい下限は5重量部、好ましい上限は80重量部である。上記遮光剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる表示素子用シール剤の基板に対する接着性や硬化後の強度や描画性を低下させることなくより優れた遮光性を発揮することができる。上記遮光剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は70重量部であり、更に好ましい下限は30重量部、更に好ましい上限は60重量部である。
本発明の表示素子用シール剤は、更に、必要に応じて、反応性希釈剤、揺変剤、スペーサー、硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の表示素子用シール剤を製造する方法としては、例えば、混合機を用いて、硬化性樹脂と、光重合開始剤と、必要に応じて添加するシランカップリング剤等とを混合する方法等が挙げられる。
上記混合機としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等が挙げられる。
本発明の表示素子用シール剤に導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。本発明の表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子としては、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の表示素子用シール剤又は本発明の上下導通材料を用いてなる表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明の表示素子としては、液晶表示素子が好ましく、狭額縁設計の液晶表示素子がより好ましい。具体的には、液晶表示部の周囲の枠部分の幅が2mm以下であることが好ましい。
また、本発明の表示素子として狭額縁設計の液晶表示素子を製造する際の本発明の表示素子用シール剤の塗布幅は1mm以下であることが好ましい。
本発明の表示素子として液晶表示素子を製造する方法としては、液晶滴下工法が好適に用いられ、具体的には例えば、以下の各工程を有する方法等が挙げられる。
まず、ITO薄膜等の電極及び配向膜を有する2枚の透明基板の一方に、本発明の表示素子用シール剤をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により塗布して枠状のシールパターンを形成する工程を行う。次いで、本発明の表示素子用シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を基板のシールパターンの枠内に滴下塗布し、真空下で他方の透明基板を重ね合わせる工程を行う。その後、本発明の表示素子用シール剤のシールパターン部分にカットフィルター等を介して長波長の光を照射することにより、シール剤を光硬化させる工程を行う方法により、液晶表示素子を得ることができる。また、上記シール剤を光硬化させる工程に加えて、シール剤を加熱して熱硬化させる工程を行ってもよい。
本発明によれば、長波長の光に対する反応性に優れる光重合開始剤を提供することができる。また、本発明によれば、該光重合開始剤を含有し、長波長の光に対する硬化性に優れ、液晶表示素子に用いた場合に低液晶汚染性にも優れる表示素子用シール剤、並びに、該表示素子用シール剤を用いてなる上下導通材料及び表示素子を提供することができる。更に、本発明によれば、該光重合開始剤を構成する化合物を提供することができる。
図1は、合成例1で得られた式(2−1)で表される化合物のH−NMRスペクトルである。 図2は、合成例1で得られた式(2−1)で表される化合物の吸収スペクトルである。 図3は、実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤を用いて遮光部なしの状態で作製した液晶表示素子を模式的に示す断面図である。 図4は、実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤を用いて遮光部ありの状態で作製した液晶表示素子を模式的に示す断面図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(合成例1)
(式(2−1)で表される化合物の作製)
ジクロロメタン100重量部に、4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルクロリド10重量部と、触媒であるピリジン0.5重量部とを加えて、0℃の環境下にてグリシドール1重量部を滴下し、放冷後、室温にて終夜撹拌した。得られた反応液からジクロロメタンを除去することにより反応生成物を得た。
N,N−ジメチルホルムアミド100重量部に、得られた反応生成物10重量部と、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン5重量部とを添加し、塩基性触媒として炭酸カリウム存在下で、120℃で48時間撹拌しながら反応させた。得られた反応液からN,N−ジメチルホルムアミドを除去し、カラムクロマトグラフィで精製することにより、上記式(2−1)で表される化合物を得た。
なお、得られた上記式(2−1)で表される化合物の構造は、H−NMR、13C−NMR、及び、FT−IRにより確認した。得られた式(2−1)で表される化合物のH−NMRスペクトルを図1に示した。
また、得られた式(2−1)で表される化合物を、濃度が0.1mg/mLとなるようにアセトニトリルに溶解させた。得られたアセトニトリル溶液について分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、「U−3900」)を用いて、光路長1cmの条件で300nm以上800nm以下の範囲の吸収スペクトルを測定した。その結果、式(2−1)で表される化合物は、420nmにおける吸光度が0.10以上であることを確認した。得られた式(2−1)で表される化合物の吸収スペクトルを図2に示した。
(合成例2)
(式(2−2)で表される化合物の作製)
2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンを2、7−ジヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンに変更したこと以外は合成例1と同様にして、上記式(2−2)で表される化合物を得た。
なお、得られた上記式(2−2)で表される化合物の構造は、H−NMR、13C−NMR、及び、FT−IRにより確認した。
また、得られた式(2−2)で表される化合物を、濃度が0.1mg/mLとなるようにアセトニトリルに溶解させた。得られたアセトニトリル溶液について分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、「U−3900」)を用いて、光路長1cmの条件で300nm以上800nm以下の範囲の吸収スペクトルを測定した。その結果、式(2−2)で表される化合物は、420nmにおける吸光度が0.10以上であることを確認した。
(合成例3)
(式(2−3)で表される化合物の作製)
4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルクロリドを3,5−ビス−(ジメチルアミノ)ベンゾイルクロリドに変更したこと以外は合成例1と同様にして、上記式(2−3)で表される化合物を得た。
なお、得られた上記式(2−3)で表される化合物の構造は、H−NMR、13C−NMR、及び、FT−IRにより確認した。
また、得られた式(2−3)で表される化合物を、濃度が0.1mg/mLとなるようにアセトニトリルに溶解させた。得られたアセトニトリル溶液について分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、「U−3900」)を用いて、光路長1cmの条件で300nm以上800nm以下の範囲の吸収スペクトルを測定した。その結果、式(2−3)で表される化合物は、420nmにおける吸光度が0.10以上であることを確認した。
(実施例1〜7及び比較例1〜4)
表1に記載された配合比に従い、各材料を遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜7及び比較例1〜4の表示素子用シール剤を調製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(光硬化性)
実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤100重量部にスペーサ微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」)1重量部を分散させた。次いで、シール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行ってから、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)にてガラス基板上に塗布した。その基板に真空貼り合わせ装置にて5Paの減圧下にて同サイズのガラス基板を貼り合わせた。貼り合わせたガラス基板のシール剤部分にメタルハライドランプを用いて100mW/cmの光を10秒照射した。光照射は、波長400nm以下の光をカットするカットフィルター(400nmカットフィルター)を介して行った。
赤外分光装置(BIORAD社製、「FTS3000」)を用いてシール剤のFT−IR測定を行い、(メタ)アクリロイル基由来ピークの光照射前後での変化量を測定した。光照射後に(メタ)アクリロイル基由来のピークが85%以上減少した場合を「◎」、70%以上85%未満減少した場合を「○」、60%以上70%未満減少した場合を「△」、光照射後の(メタ)アクリロイル基由来のピークの減少が60%未満であった場合を「×」として光硬化性を評価した。
(低液晶汚染性)
実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤100重量部にスペーサ微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」)1重量部を分散させた。次いで、スペーサ微粒子を分散させたシール剤を、ラビング済み配向膜及び透明電極付き基板に線幅が1mmになるようにディスペンサーで塗布した。
続いて液晶(チッソ社製、「JC−5004LA」)の微小滴を透明電極付き基板のシール剤の枠内全面に滴下塗布し、すぐに透明電極付きカラーフィルター基板を貼り合わせた。その後、シール剤部分にメタルハライドランプを用いて100mW/cmの光を30秒照射して硬化させ、更に、120℃で1時間加熱して液晶表示素子を得た。光照射は、波長400nm以下の光をカットするカットフィルター(400nmカットフィルター)を介して行った。
液晶表示素子は、ディスペンサーでシール剤の塗布位置をコントロールし、シール剤に完全に光が当たる液晶表示素子(遮光部なし)と、シール剤がカラーフィルター基板のブラックマトリックスに線幅の50%がかかるように塗布した液晶表示素子(遮光部あり)の2種類を作製した。図3は、実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤を用いて遮光部なしの状態で作製した液晶表示素子を模式的に示す断面図であり、図4は、実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤を用いて遮光部ありの状態で作製した液晶表示素子を模式的に示す断面図である。図3に示すように、シール剤1上に遮光部なしの状態ものは完全にシール剤1が光に当たる状態であり、一方、シール剤1上に遮光部ありの状態のものは、図4に示すように、液晶3と接する部分のシール剤1には、ブラックマトリックス2で遮蔽されて光がほとんど届かない。
得られた液晶表示素子について、100時間動作試験を行った後、80℃で1000時間電圧印加状態とした後の液晶配向乱れ(表示むら)を目視にて確認した。
液晶表示素子に表示むらが全く見られなかった場合を「◎」、液晶表示素子のシール剤付近(周辺部)に少し薄い表示むらが見えた場合を「○」、周辺部にはっきりとした濃い表示むらがあった場合を「△」、はっきりとした濃い表示むらが周辺部のみではなく、中央部まで広がっていた場合を「×」として低液晶汚染性を評価した。
なお、評価が「◎」、「○」の液晶表示素子は実用に全く問題のないレベルであり、「△」の液晶表示素子は表示設計によっては問題になる可能性があるレベルであり、「×」の液晶表示素子は実用に耐えないレベルである。
Figure 2019198631
本発明によれば、長波長の光に対する反応性に優れる光重合開始剤を提供することができる。また、本発明によれば、長波長の光に対する硬化性に優れ、液晶表示素子に用いた場合に低液晶汚染性にも優れる表示素子用シール剤、並びに、該表示素子用シール剤を用いてなる上下導通材料及び表示素子を提供することができる。更に、本発明によれば、該光重合開始剤を構成する化合物を提供することができる。
1 シール剤
2 ブラックマトリックス
3 液晶
本発明は、硬化性樹脂と、水酸基で置換されていてもよいチオキサントニル基とアミノ基とを有する化合物であり、かつ、濃度が0.1mg/mLとなるようにアセトニトリルに溶解させたときの、波長420nmにおける吸光度が0.10以上である光重合開始剤とを含有し、前記光重合開始剤は、下記式(2−2)又は(2−3)で表される化合物である表示素子用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
図1は、合成例1で得られた式(2−1)で表される化合物のH−NMRスペクトルである。 図2は、合成例1で得られた式(2−1)で表される化合物の吸収スペクトルである。 図3は、参考例、実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤を用いて遮光部なしの状態で作製した液晶表示素子を模式的に示す断面図である。 図4は、参考例、実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤を用いて遮光部ありの状態で作製した液晶表示素子を模式的に示す断面図である。
参考例1〜5、実施例6、及び比較例1〜4)
表1に記載された配合比に従い、各材料を遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより参考例1〜5、実施例6、及び比較例1〜4の表示素子用シール剤を調製した。
<評価>
参考例、実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(光硬化性)
参考例、実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤100重量部にスペーサ微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」)1重量部を分散させた。次いで、シール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行ってから、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)にてガラス基板上に塗布した。その基板に真空貼り合わせ装置にて5Paの減圧下にて同サイズのガラス基板を貼り合わせた。貼り合わせたガラス基板のシール剤部分にメタルハライドランプを用いて100mW/cmの光を10秒照射した。光照射は、波長400nm以下の光をカットするカットフィルター(400nmカットフィルター)を介して行った。
赤外分光装置(BIORAD社製、「FTS3000」)を用いてシール剤のFT−IR測定を行い、(メタ)アクリロイル基由来ピークの光照射前後での変化量を測定した。光照射後に(メタ)アクリロイル基由来のピークが85%以上減少した場合を「◎」、70%以上85%未満減少した場合を「○」、60%以上70%未満減少した場合を「△」、光照射後の(メタ)アクリロイル基由来のピークの減少が60%未満であった場合を「×」として光硬化性を評価した。
(低液晶汚染性)
参考例、実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤100重量部にスペーサ微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」)1重量部を分散させた。次いで、スペーサ微粒子を分散させたシール剤を、ラビング済み配向膜及び透明電極付き基板に線幅が1mmになるようにディスペンサーで塗布した。
続いて液晶(チッソ社製、「JC−5004LA」)の微小滴を透明電極付き基板のシール剤の枠内全面に滴下塗布し、すぐに透明電極付きカラーフィルター基板を貼り合わせた。その後、シール剤部分にメタルハライドランプを用いて100mW/cmの光を30秒照射して硬化させ、更に、120℃で1時間加熱して液晶表示素子を得た。光照射は、波長400nm以下の光をカットするカットフィルター(400nmカットフィルター)を介して行った。
液晶表示素子は、ディスペンサーでシール剤の塗布位置をコントロールし、シール剤に完全に光が当たる液晶表示素子(遮光部なし)と、シール剤がカラーフィルター基板のブラックマトリックスに線幅の50%がかかるように塗布した液晶表示素子(遮光部あり)の2種類を作製した。図3は、参考例、実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤を用いて遮光部なしの状態で作製した液晶表示素子を模式的に示す断面図であり、図4は、参考例、実施例及び比較例で得られた各表示素子用シール剤を用いて遮光部ありの状態で作製した液晶表示素子を模式的に示す断面図である。図3に示すように、シール剤1上に遮光部なしの状態ものは完全にシール剤1が光に当たる状態であり、一方、シール剤1上に遮光部ありの状態のものは、図4に示すように、液晶3と接する部分のシール剤1には、ブラックマトリックス2で遮蔽されて光がほとんど届かない。
得られた液晶表示素子について、100時間動作試験を行った後、80℃で1000時間電圧印加状態とした後の液晶配向乱れ(表示むら)を目視にて確認した。
液晶表示素子に表示むらが全く見られなかった場合を「◎」、液晶表示素子のシール剤付近(周辺部)に少し薄い表示むらが見えた場合を「○」、周辺部にはっきりとした濃い表示むらがあった場合を「△」、はっきりとした濃い表示むらが周辺部のみではなく、中央部まで広がっていた場合を「×」として低液晶汚染性を評価した。
なお、評価が「◎」、「○」の液晶表示素子は実用に全く問題のないレベルであり、「△」の液晶表示素子は表示設計によっては問題になる可能性があるレベルであり、「×」の液晶表示素子は実用に耐えないレベルである。
Figure 2019198631

Claims (8)

  1. 水酸基で置換されていてもよいチオキサントニル基とアミノ基とを有する化合物であり、かつ、濃度が0.1mg/mLとなるようにアセトニトリルに溶解させたときの、波長420nmにおける吸光度が0.10以上であることを特徴とする光重合開始剤。
  2. 下記式(1−1)又は(1−2)で表される化合物である請求項1記載の光重合開始剤。
    Figure 2019198631
    式(1−1)及び(1−2)中、Rは、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキレン基、又は、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20の(ポリ)アルキレンオキシ基であり、Rは、それぞれ独立して、水素原子又はアミノ基であり、少なくとも1つのRは、アミノ基である。
  3. 下記式(2−1)、(2−2)、又は、(2−3)で表される化合物である請求項2記載の光重合開始剤。
    Figure 2019198631
  4. 硬化性樹脂と請求項1、2又は3記載の光重合開始剤とを含有する表示素子用シール剤。
  5. 液晶表示素子に用いられる請求項4記載の表示素子用シール剤。
  6. 請求項4又は5記載の表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料。
  7. 請求項4若しくは5記載の表示素子用シール剤又は請求項6記載の上下導通材料を用いてなる表示素子。
  8. 下記式(2−1)、(2−2)、又は、(2−3)で表されることを特徴とする化合物。
    Figure 2019198631
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