JP2005272826A - ラジカル重合開始剤、重合性組成物、および重合物の製造方法。 - Google Patents

ラジカル重合開始剤、重合性組成物、および重合物の製造方法。 Download PDF

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Maki Sugano
真樹 菅野
Mare Tsushima
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Abstract

【課題】
増感剤を併用しなくとも、エネルギー線、特に300から450nmの波長領域の光に高い感度を有し、ラジカルを触媒とする重合反応、架橋反応などを利用した各種用途に効果的に使用しうる、ラジカル重合開始剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
下記一般式(1)で表記されるラジカル重合開始剤。
一般式(1)
【化1】
Figure 2005272826

(式中、R01〜R08は、水素原子などを表す。
ただし、R01〜R08のうち一つは、
【化2】
Figure 2005272826

であり、かつR01〜R08のうち少なくとも一つは、
【化3】
Figure 2005272826

を表す。
31はアルキル基などを表す。
11およびR12は、水素原子などを表す。
21およびR22は、アルキル基などを表す。
41はアルキル基などを表す。
は任意のアニオンを表す。)

Description

本発明は新規なラジカル重合開始剤、重合性組成物、および該重合性組成物を使用した重合物の製造方法に関する。さらに詳しくは、エネルギー線、特に光の照射によりフリーラジカルを効率よく発生し、発生したラジカルを利用した重合反応あるいは架橋反応により重合性組成物を短時間に確実に重合させて良好な物性を有する重合物を得ることが可能な材料と方法に関し、さらには、成形樹脂、注型樹脂、光造形用樹脂、封止剤、歯科用重合レジン、印刷インキ、塗料、印刷版用感光性樹脂、印刷用カラープルーフ、カラーフィルター用レジスト、ブラックマトリクス用レジスト、液晶用フォトスペーサー、リアプロジェクション用スクリーン材料、光ファイバー、プラズマディスプレー用リブ材、ドライフィルムレジスト、プリント基板用レジスト、半導体用フォトレジスト、マイクロエレクトロニクス用レジスト、マイクロマシン用部品製造用レジスト、絶縁材、ホログラム材料、導波路用材料、オーバーコート剤、接着剤、粘着剤、離型剤、光記録媒体、粘接着剤、剥離コート剤、各種デバイス等の分野において良好な物性を持った重合物を得るための新規なラジカル重合開始剤、重合性組成物および該重合性組成物を使用した重合物の製造方法に関する。
UV光の照射によって、アクリレート等の重合を引き起こす光重合開始剤は広い分野で用いられており、市販の光重合開始剤や併用可能な助剤については、フォトポリマー懇話会編、「感光材料リストブック」、55〜72頁、1996年(ぶんしん出版)などにまとめられている。
近年、これら市販の光重合開始剤を上回る高い感度を持った光重合開始剤の研究が活発に行われており、その例として、スルホニウムボレート錯体があげられる(非特許文献1から5、特許文献1、2)。これらのスルホニウムボレート錯体とミヒラーズケトン、チオキサントン、ケトクマリン等の増感剤とを併用した系に光照射をすると、スルホニウムカチオン、ボレートアニオン双方からフリーラジカルが発生し高い感度を示すといわれている(特許文献3から5参照)。
また、365nm付近に吸収を有するため増感剤を併用しなくても重合開始剤として機能しうる例として、分子内にクマリン構造やナフタレン構造を導入したスルホニウムイオン型重合開始剤が提案されている(特許文献6、7参照)。また、ベンゾチエニル基あるいはベンゾフリル基を導入したスルホニウムイオン型重合開始剤も提案されている(特許文献8参照)。
さらに、高感度スルホニウムイオン型重合開始剤の例として、ベンゼン環がアミノ基で置換されたフェナシル基を有するスルホニウムカチオンを含むことを特徴としたスルホニウムイオン型重合開始剤を含む重合性組成物が報告されている(特許文献9参照)。
Journal of Chemical Society, Chemical Communication、1977、675〜676 Macromolecules、1998、31、6022〜6029 Journal of Photoscience、1998、5、63〜67 Macromolecules、1999、32、6545〜6551 Journal of Photopolymer Science and Technology、1999、12、115〜120 特開平5−213861号公報 特開平5−255347号公報 特開平5−255421号公報 特開平6−157623号公報 特開2000−344812号公報 特開2001−213909号公報 特開2002−293816号公報 特開2001−261728号公報 特開2002−265512号公報
これらの重合開始剤を含む重合性組成物は、各種用途において使用され得る。しかし、コストダウンや生産性の向上の観点から、少ない添加量かつ少ない光照射エネルギーで硬化しうる材料、すなわち高感度な材料が求められるようになり、これらのラジカル重合開始剤では必ずしも十分とはいえず、更に高感度な重合開始剤が求められている。
光硬化技術を応用した分野においては様々な照射波長が用いられているが、メタルハライドランプや水銀ランプに代表されるような300nmから450nmの波長領域が最も良く用いられている。これらの照射波長に対して、高い重合感度を発現するには、重合性組成物中に含有される重合開始剤や増感剤が300nmから450nmの波長領域に好適な吸収を有することが求められる。しかしながら、この照射波長領域に好適な吸収を有する公知の材料は400nm付近あるいはそれより長波長側まで吸収を有することが多く、黄色に着色している。逆に、着色の少ない材料は300nmから450nmの波長領域に好適な吸収を有さないため重合感度が低い場合が多い。重合性組成物にこのような好適な吸収を有さない材料を使用して高感度化を図るには、重合開始剤や増感剤の添加量を増加しなければならず、結果的に着色してしまったり、低分子化合物を大量に添加したことで膜特性の低下の原因につながる場合が多い。
背景技術の冒頭に述べた公知のスルホニウムボレート型重合開始剤は300nmから450nmの波長領域に吸収をほとんど有さないため、多くの増感剤の中から最適な増感剤を見出して組成比を決定した上で、併用しなければならないという煩雑さがあった。また、ミヒラーズケトン、チオキサントン、ケトクマリン等の公知の増感剤は着色している場合が多く、光照射時に使用した増感剤の一部は分解するものの完全には消色することはないため、重合後の組成物の着色は避けられなかった。
また、分子内にクマリン構造やナフタレン構造、ベンゾチエニル基あるいはベンゾフリル基を導入したスルホニウムイオン型重合開始剤は、着色は少なく、増感剤を併用しなくても300nmから450nmの波長領域に吸収を有するため重合開始剤として機能しうる。しかし、300nmから450nmの波長領域の吸収は非常に小さく、コストダウンや生産性の向上の観点から、より短時間でより少ない光照射量で硬化し得る高感度な重合性組成物が求められている中にあっては、高価なボレート構造を導入していている割には実用的な感度として不十分であった。
また、高感度な重合性組成物として提案された、ベンゼン環がアミノ基で置換されたフェナシル基を有するスルホニウムカチオンを含むことを特徴としたスルホニウムイオン型重合開始剤を含む重合性組成物も、露光領域の大面積化に代表されるような、新しく提案される様々なプロセスに対応するには感度が十分とはいえず、重合開始剤のさらなる高感度化が求められている。
本発明者らは、上記の問題点を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち本発明は、下記一般式(1)で表記されるラジカル重合開始剤に関する。
一般式(1)
Figure 2005272826
(式中、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07およびR08はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、またはハロゲン原子を表す。
ただし、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07およびR08のうち一つは、
Figure 2005272826
であり、かつR01、R02、R03、R04、R05、R06、R07およびR08のうち少なくとも一つは、
Figure 2005272826
を表す。
31はアルキル基、アリール基、アシル基またはアルケニル基を表す。
11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシル基またはアルケニル基を表す。
21およびR22は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基またはアルケニル基を表す。
41はアルキル基、またはアリール基を表す(ただし、−CR1112−S+2122である場合を除く。)。
ただし、R01、R02、R03、R04、R05、R11、R21、R22、R12、R06、R07、R08およびR31は、一体となって、環を形成してもよい。
は任意のアニオンを表す。)
また、本発明は、R03またはR06が、
Figure 2005272826
である上記ラジカル重合開始剤に関する。
さらに、本発明は、Xが、下記一般式(2)で表記されるボレートである上記重合開始剤に関する。
一般式(2)
Figure 2005272826
(ただし、式中R51、R52、R53、およびR54は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、または置換基を有してもよい脂環基より選ばれる基を示す。
さらに、本発明は、上記ラジカル重合開始剤(A)と、ラジカル重合性化合物(B)とを含んでなる重合性組成物に関する。
さらに、本発明は、上記ラジカル重合開始剤(A)、ラジカル重合性化合物(B)および下記一般式(3)で表記されるN−フェニルグリシン誘導体(C)とを含んでなる重合性組成物に関する。
一般式(3)
Figure 2005272826
(ただし、式中、R61は水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。R62は水素原子またはアルキル基を表す。R63、R64、R65、R66およびR67はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシル基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシル基、またはハロゲン原子を表す。R68、R69はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す)。
さらに、本発明は、上記重合性組成物に300nmから450nmの波長領域の光を含むエネルギー線を照射して重合させる、重合物の製造方法に関する。
本発明のラジカル重合開始剤は、従来公知のフェナシルスルホニウムカチオンのベンゼン環部位を特定の置換基、すなわちN−アルキルカルバゾリル基、N−アリールカルバゾリル基、N−アルケニルカルバゾリル基またはN−アシルカルバゾリル基に置き替えることにより、エネルギー線、特に300nmから450nmの波長領域に良好な吸収特性を有するようになるとともに、該波長領域の光照射に対して、増感剤を併用しなくとも非常に高感度な光ラジカル発生剤として機能することが可能となっている。そのため、本発明の重合開始剤を使用すれば、従来公知のフェナシルスルホニウム塩系の重合開始剤から発生するラジカルを利用した重合反応、架橋反応などをより短時間に確実に実現することが可能となり、結果としてこれらの反応を応用した各種用途の大幅な高感度化や特性の向上を実現することが可能となる。
以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。
まず、本発明のラジカル重合開始剤について説明する。本発明のラジカル重合開始剤の特徴はカチオン部位に特定の構造を有することにより、エネルギー線、特に300nmから450nmの波長領域の光照射に対する大幅な高感度化を実現している。
本発明のラジカル重合開始剤は一般式(1)で表記される構造を有しており、フェナシルスルホニウムカチオンのベンゼン環部位をN位にアルキル基、アリール基、アルケニル基またはアシル基を有するカルバゾリル基に置き替えた特徴的な構造を有する。この置換基を導入することにより、スルホニウムカチオンに300nmから450nmの波長領域に好適な光の吸収特性を付与することができる。また、この構造を有することにより、本発明のスルホニウムカチオンは該波長領域の光照射に対して、増感剤を併用しなくとも非常に効率的に分解するため、その結果、多量のラジカルを効率的に発生する高感度な材料として機能することが可能となっている。
一般式(1)
Figure 2005272826
(式中、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07およびR08はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ハロゲン原子を表す。
ただし、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07およびR08のうち一つは、
Figure 2005272826
であり、かつR01、R02、R03、R04、R05、R06、R07およびR08のうち少なくとも一つは、
Figure 2005272826
を表す。
31はアルキル基、アリール基、アシル基またはアルケニル基を表す。
11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシル基またはアルケニル基を表す。
21およびR22は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基またはアルケニル基を表す。
41はアルキル基、アリール基を表す(ただし、−CR1112−S+2122である場合を除く。)。
ただし、R01、R02、R03、R04、R05、R11、R21、R22、R12、R06、R07、R08およびR31は、一体となって、環を形成してもよい。
は任意のアニオンを表す。)
本発明の、ラジカル重合開始剤の具体例の1つを化合物(1)として示した。
化合物(1)
Figure 2005272826
(上記化合物(1)において、Buはブチル基、Phはフェニル基を表す。以下、同表記を用いることにする。)
また、化合物(1)のアセトニトリル中の吸収スペクトルを図(1)に示した。また、比較化合物として従来のフェナシルスルホニウム系の化合物(2)の吸収スペクトルも併せて図(1)に示した。
化合物(2)
Figure 2005272826
図(1)からわかるように、化合物(2)は300nm以上の波長領域に好適な吸収を有していないが、化合物(1)は350nmにモル吸光係数28300の吸収極大を有し、300から450nmの波長領域に好適な吸収を有している。
また、本発明のラジカル重合開始剤である化合物(1)は、例えば水銀ランプの輝線の1つに相当する365nmにおいてはモル吸光係数が約10000である比較的透明な材料であるが、該波長の光を照射した場合、同一のアニオンを有する従来公知のフェナシルスルホニウム系ラジカル発生剤である化合物(2)を単独または増感剤を併用して使用した場合を大幅に凌駕するラジカル発生剤として革新的な機能を有する材料である。
現時点では、この光照射によるラジカル発生の反応機構の詳細は明らかではないが、ラジカル重合開始剤(A)に対して紫外線領域の光を照射すると、一般式(4)に示した構造中の硫黄原子と炭素原子Cの間の結合が高い選択性を持って効率的に解裂し、ラジカルを発生すると考えられ、発生したラジカルが、ラジカル重合性化合物(B)を攻撃することにより重合が進行して硬化すると考えられる。
一般式(4)
Figure 2005272826
本発明のラジカル重合開始剤からラジカルを発生するために使用するエネルギー線源は特に限定されないが、特に好適な感度を発現する300nmから450nmの波長領域の光を照射できる光源が好ましく、上記波長領域の光と同時に他のエネルギー線を発していても良い。特に好ましい光源としては、300nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源であり、具体例としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、パルス発光キセノンランプ等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、重水素ランプ、蛍光灯、Nd−YAG3倍波レーザー、He−Cdレーザー、窒素レーザー、Xe−Clエキシマレーザー、Xe−Fエキシマレーザー、半導体励起固体レーザー等の300nmから450nmの波長領域に発光波長を有するレーザーも好適なエネルギー線源として使用することができる。本発明のラジカル重合開始剤はいずれも300nmから450nmの波長領域に好適な吸収を有しており置換基によって吸収特性を調整して用いることができるが、上記した光源を適宜選択することにより、いずれも非常に高感度なラジカル重合開始剤として機能することが可能である。また、これらの光源は適宜、フィルター、ミラー、レンズ等の光学機器を介して照射することも可能である。
次に、本発明のラジカル重合開始剤の構造について詳細に説明する。
本発明のラジカル重合開始剤はその特性を阻害しない範囲において、一般式(1)に示したように、各種の置換基を導入することが可能である。置換基の導入により、本発明のラジカル重合開始剤は吸収極大波長や透過率などのエネルギー線の吸収特性、併用する樹脂や溶剤に対する溶解度を適当に調整して用いることができる。
一般式(1)における置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、またはハロゲン原子を表す。
一般式(1)中の置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中の置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるアリール基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1ーナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フラニル基、2−ピロリル基、9−フルオレニル基、2−フリル基、2−チエニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、6−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−アクリジニル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−フェノキサジニル基、3−チアントレニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中の置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられ、それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中の置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるアシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族基が結合したカルボニル基、あるいは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4から18の単環状あるいは縮合多環状芳香族が結合したカルボニル基が挙げられ、それらは構造中に不飽和結合を有していてもよく、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、シンナモイル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、スルホニウム基を有する下記のようなアシル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、スルホニウム基を有する下記のアシル基は、R03、またはR06に置換されていることが特に好ましい。
Figure 2005272826
一般式(1)中の置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるアルコキシル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルコキシル基があげられ、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中の置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるアリールオキシ基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中の置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるアシルオキシ基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族基が結合したカルボニルオキシ基、あるいは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4から18の単環状あるいは縮合多環状芳香族が結合したカルボニルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ミリストイルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、クロトノイルオキシ基、イソクロトノイルオキシ基、オレオイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、2−ナフトイルオキシ基、シンナモイルオキシ基、3−フロイルオキシ基、2−テノイルオキシ基、ニコチノイルオキシ基、イソニコチノイルオキシ基、9−アンスロイルオキシ基、5−ナフタセノイルオキシ基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中の置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるアルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数1から12の炭酸エステル基が挙げられ、具体例としてはtert−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ペンチルオキシカルボニルオキシ基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルオキシ基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルオキシ基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上述した一般式(1)中の置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるアルキル基、アリール基、アルケニル基、アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基は、さらに他の置換基で置換されていてもよく、そのような他の置換基としては、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシル基、ポリエーテル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基等を挙げることができる。特に、ポリエーテル基で置換されている場合、本発明のラジカル重合開始剤の溶解性や他の薬剤に対する相溶性が大幅に向上するため、好ましく重合性組成物として用いることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基などが挙げられる。
アリール基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1ーナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フラニル基、2−ピロリル基、9−フルオレニル基、2−フリル基、2−チエニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、6−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−アクリジニル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−フェノキサジニル基、3−チアントレニル基等が挙げられる。
アシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、あるいは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4から18の単環状あるいは縮合多環状芳香族が結合したカルボニル基が挙げられ、それらは構造中に不飽和結合を有していてもよく、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、シンナモイル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、9−アンスロイル基、5−ナフタセノイル基などを挙げられる。
アルコキシル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルコキシル基があげられ、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等を挙げることができる。
また、これらのアルコキシル基がさらに上記のアルコキシル基で置換された置換基、すなわち、ポリエーテル基をも挙げる事ができる。このような基としては、エトキシエトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。さらに、ポリエチレングリコール鎖、プロピレングリコール鎖も本発明のラジカル重合開始剤の溶解性や相溶性を大幅に向上させるポリエーテル系の置換基として特に好適に導入することができる。
アリールオキシ基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニルオキシ基、あるいは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4から18の単環状あるいは縮合多環状芳香族が結合したカルボニルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ミリストイルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、クロトノイルオキシ基、イソクロトノイルオキシ基、オレオイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、2−ナフトイルオキシ基、シンナモイルオキシ基、3−フロイルオキシ基、2−テノイルオキシ基、ニコチノイルオキシ基、イソニコチノイルオキシ基、9−アンスロイルオキシ基、5−ナフタセノイルオキシ基などを挙げることができる。
アルキルチオ基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基、2−フリルチオ基、2−チエニルチオ基、2−ピロリルチオ基、6−インドリルチオ基、2−ベンゾフリルチオ基、2−ベンゾチエニルチオ基、2−カルバゾリルチオ基、3−カルバゾリルチオ基、4−カルバゾリルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中の置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
一般式(1)中の置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるそれぞれの置換基は同一である必要は無く、上記した置換基を任意に組み合わせて用いることができる。置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08における、特に好ましい置換基としては水素原子、アルキル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基から選ばれる基が挙げられる。また、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08から選ばれる隣接する2つの置換基は、一体となって、環状構造を形成していてもよい。
次に、一般式(1)中の置換基−R31で表記される置換基について説明する。−R31で表記される置換基は一般式(1)のカルバゾール環のN位に置換した置換基であり、置換基R31はアルキル基、アリール基、アシル基またはアルケニル基を表す。
一般式(1)中の置換基−R31におけるアルキル基、アシル基およびアルケニル基としては、置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるアルキル基、アシル基およびアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができる。
一般式(1)中の置換基−R31におけるアリール基としては、置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができ、また、これらのアリール基は上記以外の置換位置で窒素原子と結合していてもよく、それらも本発明の−R31で表記される置換基の範疇に含まれる。
上記置換基のうち、R31としては合成の難易度の面や、ラジカル発生剤としての感度の点で、アルキル基が好ましく、特に炭素数1から8の直鎖状、環状、分岐鎖状のアルキル基が特に好ましい。
また、置換基R31は隣接する置換基R01またはR08と、一体となって、環状構造を形成していてもよい。
次に、一般式(1)中の置換基−R41で表記される置換基について説明する。置換基R41におけるアルキル基およびアリール基としては、置換基R31におけるアルキル基およびアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができる。ただし、−CR1112−S+2122である場合を除く。
一般式(1)中の置換基R11およびR12におけるアルキル基、アリール基、アルコキシル基およびアルケニル基、R21およびR22におけるアルキル基、アリール基およびアルケニル基としては、置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08におけるアルキル基、アリール基、アルコキシル基およびアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができる。
置換基R21およびR22は、R2122同士、あるいは、R11、R12、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08のいずれかと互いに結合し、環構造を形成していてもよい。また、置換基R11およびR12は、R21、R22、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08のいずれかと結合し、環構造を形成してもよい。
次に、一般式(1)中のアニオンXについて説明する。
一般式(1)中のXは、任意のアニオンを表す。このようなアニオンとしては、例えば、F、Cl、Br、I、HSO 、NO 、CHCOO、CHSO 等の求核性アニオンが挙げられる。
また、一般式(1)中のXとしては、p−トルエンスルホン酸やp−ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸に代表されるアルキルベンゼンスルホン酸イオンも用いることが可能である。
さらに、一般式(1)中のXとしては、非求核性アニオンも用いることができる。この例として、BF 、PF 、SbF 、AsF 、SbCl 、BiCl 、SnCl 、ClO 、ジチオカルバメートアニオン、SCN、CFSO 、CF(CF)SO 等が挙げられるがこれに限定されるものではない。また、一般式(2)で表されるボレートアニオンも本発明のアニオンXの範疇に含まれる。
一般式(1)中のXとしては、以下に説明する一般式(2)で示されるボレートアニオンも、比較的容易に合成でき、より高感度で、高い溶解度と高い安全衛生性を有するため、特に好ましく使用できる。一般式(2)中のR51、R52、R53およびR54はそれぞれ独立に、フッ素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよい脂環基より選ばれる基を表す。
このような置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が、
置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、メシチル基、クメニル基、o−クロロフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−シアノフェニル基等が、
置換基を有してもよいアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基等が、
置換基を有してもよいアルキニル基としては、エチニル基、1−ヘキシニル基、1−プロピニル基等が、置換基を有してもよい脂環基としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキセニル基、ノルボルニル基、ボルニル基、メンチル基、ピナニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
これらの基の水素原子はさらに他の置換基で置換されていてもよく、そのような置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基、メチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基等のアリール基等のほか、メシル基、p−トルエンスルホニル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
これら置換基R51、R52、R53およびR54は、好ましくは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基等が挙げられ、さらに好ましくはメチル基、エチル基、ブチル基、フェニル基、メシチル基、4−メチルフェニル基、3−フルオロフェニル基等が挙げられるが、本発明はこれらの例に限定されるわけではない。
これらホウ素に結合する4つの置換基のうち、1つが置換されてもよいアルキル基であり、3つが置換されてもよいアリール基である場合、ラジカル発生能が向上する場合があるため好ましい。
したがって、一般式(2)で表記されるボレートアニオンの構造として、具体的には、tert−ブチルトリエチルボレート、フェニルトリエチルボレート、トリブチルベンジルボレート、ジエチルジブチルボレート、ジブチルジフェニルボレート、メチルトリフェニルボレート、エチルトリフェニルボレート、プロピルトリフェニルボレート、イソプロピルトリフェニルボレート、ブチルトリフェニルボレート、sec−ブチルトリフェニルボレート、tert−ブチルトリフェニルボレート、ドデシルトリフェニルボレート、ベンジルトリフェニルボレート、ビニルトリフェニルボレート、エチニルトリフェニルボレート、ブチルトリメシチルボレート、ブチルトリス(p−メトキシフェニル)ボレート、ブチルトリス(p−フルオロフェニル)ボレート、ブチルトリス(p−ブロモフェニル)ボレート、sec―ブチルトリス(p−メトキシフェニル)ボレート、sec−ブチルトリス(p−フルオロフェニル)ボレート、tert−ブチルトリス(p−メトキシフェニル)ボレート、ブチルトリス[3、5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ブチルトリ(m−フルオロフェニル)ボレート、テトラフェニルボレート、ペンタフルオロフェニルトリフルオロボレート、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルトリフルオロボレート、ビス(ペンタフルオロフェニル)ジフルオロボレート、ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ジフルオロボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)フルオロボレート、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]フルオロボレート、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート等があげられるが、これに限定されるものではない。
この内、一般式(2)で表記されるアニオンとして特に好ましいものは、ブチルトリフェニルボレートである。
本発明の一般式(1)で表記されるラジカル重合開始剤は上記で例示したスルホニウムカチオンと各種アニオンの組み合わせからなる。
以下に具体的な構造を示すが、本発明のラジカル重合開始剤の構造はそれらに限定されるものではない。
Figure 2005272826
Figure 2005272826
Figure 2005272826
Figure 2005272826
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Figure 2005272826
Figure 2005272826
Figure 2005272826
Figure 2005272826
Figure 2005272826
ただし、上記構造式中のXはCl、Br、HSO 、NO 、CHCOO、CHSO −、p−トルエンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、BF 、PF 、SbF 、ClO 、CFSO 、CF(CF)SO 、tert―ブチルトリエチルボレート、フェニルトリエチルボレート、トリブチルベンジルボレート、ジエチルジブチルボレート、ジブチルジフェニルボレート、メチルトリフェニルボレート、エチルトリフェニルボレート、プロピルトリフェニルボレート、イソプロピルトリフェニルボレート、ブチルトリフェニルボレート、sec―ブチルトリフェニルボレート、tert―ブチルトリフェニルボレート、ドデシルトリフェニルボレート、ベンジルトリフェニルボレート、ビニルトリフェニルボレート、エチニルトリフェニルボレート、ブチルトリメシチルボレート、ブチルトリス(p−メトキシフェニル)ボレート、ブチルトリス(p−フルオロフェニル)ボレート、ブチルトリス(p−ブロモフェニル)ボレート、sec―ブチルトリス(p−メトキシフェニル)ボレート、sec―ブチルトリス(p−フルオロフェニル)ボレート、tert―ブチルトリス(p−メトキシフェニル)ボレート、ブチルトリス[3、5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラフェニルボレート、SCN等のアニオンが挙げられるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
本発明のラジカル重合開始剤を得るための合成方法は特に限定されず、従来公知の化学反応、後処理方法、精製方法および分析方法を適宜、組み合わせることにより、容易に合成して構造確認することが可能である。フェナシルスルホニウム塩の合成方法としては、Journal of Polymer Science :Part A :Polymer Chemistry誌 第38巻 1433−1442頁(2000年)、Macromolecules誌 第33巻 825−832頁(2000年)などに記載の方法等が挙げられ、これらに記載の合成に使用されている原料を適宜、置き換えることにより、本発明の感エネルギー線酸発生剤を合成することが可能である。
合成方法の一例を挙げると、アセチルカルバゾール誘導体を出発原料として合成する。適当なアシル基を有するアセチルカルバゾールが入手できない場合は、アシル基を有するカルバゾール誘導体に対するフリーデル−クラフツ反応によるアセチル化により、対応するアシル基を有するアセチルカルバゾール誘導体を得ることができる。上記したアシル基を有するアセチルカルバゾール誘導体のアセチル基を臭素などの臭素化試薬によって臭素化し、次いで、この誘導体とスルフィドを反応させることにより、本発明のラジカル重合開始剤のカチオン部位に相当する、スルホニウムのブロマイド塩を得ることができる。このようにして得られたスルホニウム・ブロマイド塩は、アニオンXを有する金属塩と容易にイオン交換を行うことができ、本発明のラジカル重合開始剤を得ることができる。
本発明のラジカル重合開始剤はエネルギー線、特に300nmから450nmの波長領域の光照射により、非常に高感度なラジカル重合開始剤として機能するため、従来公知のフェナシルスルホニウム塩系ラジカル重合開始剤を用いる重合反応、架橋反応などをより短時間に確実に実現することが可能となり、結果としてこれらの反応を応用した各種用途の大幅な高感度化や特性の向上を実現することが可能となる。以下に本発明のラジカル重合開始剤の利用方法について記述する。
本発明のラジカル重合開始剤(A)とラジカル重合性化合物(B)とを含む組成物はエネルギー線、特に300nmから450nmの波長領域の光の照射により、迅速かつ確実に硬化し、良好な特性を有する硬化物を得ることが可能な重合性組成物として使用することができる。
本発明の重合性組成物に用いるラジカル重合性化合物(B)について説明する。本発明におけるラジカル重合性化合物(B)とは、分子中にラジカル重合可能な骨格を少なくとも一つ以上を有する化合物を意味する。また、これらは、いずれも常温、常圧で液体ないし固体のモノマー、オリゴマーないしポリマーの化学形態を持つものである。
このようなラジカル重合性化合物(B)の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、およびそれらの塩、エステル、酸アミドや酸無水物があげられ、さらには、ウレタンアクリレート、アクリロニトリル、スチレン誘導体、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ポリウレタン等があげられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下に、本発明におけるラジカル重合性化合物(B)の具体例をあげる。
アクリレート類の例:
単官能アルキルアクリレート類の例:
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート。
単官能含ヒドロキシアクリレート類の例:
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
単官能含ハロゲンアクリレート類の例:
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加アクリレート。
単官能含エーテル基アクリレート類の例:
2−メトキシエチルアクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、クレジルポリエチレングリコールアクリレート、p−ノニルフェノキシエチルアクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、グリシジルアクリレート。
単官能含カルボキシルアクリレート類の例:
β−カルボキシエチルアクリレート、こはく酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能アクリレート類の例:
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、モルホリノエチルアクリレート、トリメチルシロキシエチルアクリレート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート。
二官能アクリレート類の例:
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート、ポリエチレングリコール#300ジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノベンゾエート、ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、水素化ビスフェノールAジアクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、PO変性ビスフェノールFジアクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート。
三官能アクリレート類の例:
グリセリンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のアクリレート類の例:
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルテトラアクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート。
メタクリレート類の例:
単官能アルキルメタクリレート類の例:
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート。
単官能含ヒドロキシメタクリレート類の例:
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
単官能含ハロゲンメタクリレート類の例:
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加メタクリレート。
単官能含エーテル基メタクリレート類の例:
2−メトキシエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、クレジルポリエチレングリコールメタクリレート、p−ノニルフェノキシエチルメタクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート。
単官能含カルボキシルメタクリレート類の例:
β−カルボキシエチルメタクリレート、こはく酸モノメタクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能メタクリレート類の例:
ジメチルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、トリメチルシロキシエチルメタクリレート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート。
二官能メタクリレート類の例:
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#300ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)エーテル、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノベンゾエート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性ビスフェノールAジメタクリレート、水素化ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性ビスフェノールFジメタクリレート、PO変性ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジメタクリレート。
三官能メタクリレート類の例:
グリセリンPO変性トリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリメタクリレート、1,3,5−トリメタクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のメタクリレート類の例:
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、オリゴエステルテトラメタクリレート、トリス(メタクリロイルオキシ)ホスフェート。
アリレート類の例:
アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリアリレート。
酸アミド類の例:
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン。
スチレン類の例:
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン。
他のビニル化合物の例:
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等。
上記のラジカル重合性化合物(B)は、以下に示すメーカーの市販品として、容易に入手することができる。例えば、共栄社油脂化学工業(株)社製の「ライトアクリレート」、「ライトエステル」、「エポキシエステル」、「ウレタンアクリレート」および「高機能性オリゴマー」シリーズ、新中村化学(株)社製の「NKエステル」および「NKオリゴ」シリーズ、日立化成工業(株)社製の「ファンクリル」シリーズ、東亞合成化学(株)社製の「アロニックスM」シリーズ、大八化学工業(株)社製の「機能性モノマー」シリーズ、大阪有機化学工業(株)社製の「特殊アクリルモノマー」シリーズ、三菱レイヨン(株)社製の「アクリエステル」および「ダイヤビームオリゴマー」シリーズ、日本化薬(株)社製の「カヤラッド」および「カヤマー」シリーズ、(株)日本触媒社製の「アクリル酸/メタクリル酸エステルモノマー」シリーズ、日本合成化学工業(株)社製の「NICHIGO−UV紫光ウレタンアクリレートオリゴマー」シリーズ、信越酢酸ビニル(株)社製の「カルボン酸ビニルエステルモノマー」シリーズ、(株)興人社製の「機能性モノマー」シリーズ等があげられる。
また以下に示す環状化合物もラジカル重合性化合物(B)としてあげられる。
三員環化合物の例:
ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第17巻、3169頁(1979年)記載のビニルシクロプロパン類、マクロモレキュラー・ケミー・ラピッド・コミュニケーション(Makromol.Chem.Rapid Commun.)、第5巻、63頁(1984年)記載の1−フェニル−2−ビニルシクロプロパン類、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第23巻、1931頁(1985年)およびジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第21巻、4331頁(1983年)記載の2−フェニル−3−ビニルオキシラン類、日本化学会第50春期年会講演予稿集、1564頁(1985年)記載の2,3−ジビニルオキシラン類。
環状ケテンアセタール類の例:
ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第20巻、3021頁(1982年)およびジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第21巻、373頁(1983年)記載の2−メチレン−1,3−ジオキセパン、ポリマー・プレプレプリント(Polym.Preprints)、第34巻、152頁(1985年)記載のジオキソラン類、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第20巻、361頁(1982年)、マクロモレキュラー・ケミー(Makromol.Chem.)、第183巻、1913頁(1982年)およびマクロモレキュラー・ケミー(Makromol.Chem.)、第186巻、1543頁(1985年)記載の2−メチレン−4−フェニル−1,3−ジオキセパン、マクロモレキュルズ(Macromolecules)、第15巻、1711頁(1982年)記載の4,7−ジメチル−2−メチレン−1,3−ジオキセパン、ポリマー・プレプレプリント(Polym.Preprints)、第34巻、154頁(1985年)記載の5,6−ベンゾ−2−メチレン−1,3−ジオセパン。
さらに、ラジカル重合性化合物(B)は、以下に示す文献に記載のものもあげることができる。例えば、山下晋三ら編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年、大成社)や加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」、(1985年、高分子刊行会)、ラドテック研究会編、赤松清編、「新・感光性樹脂の実際技術」、(1987年、シーエムシー)、遠藤剛編、「熱硬化性高分子の精密化」、(1986年、シーエムシー)、滝山榮一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)、ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、(2002年、シーエムシー)があげられる。
本発明のラジカル重合性化合物(B)は、ただ一種のみ用いても、所望とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合したものを用いても構わない。また本発明の重合開始剤(A)の添加量は特に限定されず、所望とする感度や硬化度を得るために適宜配合して使用することができるが、ラジカル重合性化合物(B)100重量部に対して0.01から60重量部の範囲で用いるのが好ましい。
本発明の重合性組成物は、成膜性を高めるため有機高分子重合体等のバインダーと混合し、ガラス板やアルミニウム板、その他の金属板、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン等のポリマーフィルムに塗布して使用することが可能である。
本発明の重合性組成物と混合して使用可能なバインダーとしては、ポリアクリレート類、ポリ−α−アルキルアクリレート類、ポリアミド類、ポリビニルアセタール類、ポリホルムアルデヒド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリスチレン類、ポリビニルエステル類等の重合体、共重合体があげられ、さらに具体的には、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセテート、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂その他、赤松清監修、「新・感光性樹脂の実際技術」、(シーエムシー、1987年)や「10188の化学商品」、657〜767頁(化学工業日報社、1988年)記載の業界公知の有機高分子重合体があげられる。
さらに本発明の重合性組成物は、いわゆるアルカリ現像型のフォトレジスト材料として画像形成用に用いる等の目的のために、下記に示すカルボキシル基含有ポリマー(D)を添加して用いても良い。カルボキシル基含有ポリマー(D)はアルカリ水溶液に対する溶解性を有するため、本発明の光重合性組成物を用いて作成した膜を部分的に硬化すれば、アルカリ水溶液に対する溶解度の違いから、いわゆるネガ型レジストのパターンを形成することが可能である。ここでカルボキシル基含有ポリマー(D)とは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとアクリル酸との共重合体、メタアクリル酸エステルとメタアクリル酸とこれらと共重合し得るビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。これらの共重合体は単独であるいは2種以上混合しても差し支えない。
ここで、メタアクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルへキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
メタアクリル酸エステルとメタアクリル酸とこれらと共重合し得るビニルモノマーとしては、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、テトラヒドリフルフリルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、アクリルアミド、スチレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
カルボキシル基含有ポリマー(D)は、ラジカル重合性化合物(B)100重量部に対して20から500重量部の範囲で用いるのが好ましい。
本発明の重合性組成物は、粘度調整をはじめとする塗工適正の向上等を目的として、必要に応じて溶媒を添加して使用することも可能である。本発明の重合性組成物に添加して使用することのできる溶媒は特に限定されず、本発明の重合性組成物と均一に混合することのできる溶媒であればいかなるものも使用可能である。例えば、アルコール系、ケトン系、エステル系、芳香族系、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系等の公知の溶媒等があげられるが、これらに限定されるものではない。具体例としてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、1,1,2,2−テトラクロロエタン、エチレンジクロライド、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルメトキシプロピオナート、エチルエトキシプロピオナート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、エチレングリコールモノエチルエ一テルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエ一テル、プロピレングリコールモノメチルエ一テルアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル、エトキシプロピオン酸エチル、N,N一ジメチルホルムアミド、N,N一ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどが好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
本発明の重合性組成物は感度や重合度をさらに向上させるために、重合促進剤や連鎖移動触媒などの添加剤を併用して用いることができる。そのような添加剤としては、USP第4414312号明細書や特開昭64−13144号公報記載のチオール類、特開平2−291561号公報記載のジスルフィド類、USP第3558322号明細書や特開昭64−17048号公報記載のチオン類、特開平2−291560号公報記載のO−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類、ジスルフィド類などが挙げられる。
また、アミン類も本発明の重合性組成物の感度や重合度を向上させるための添加剤として好適に用いることが可能である。アミン類の例としてはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンに代表されるエタノールアミン類、N,N−ジエチルアニリン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、ジメチルアミノアセトフェノンなどに代表される、芳香族アミン類、N−フェニルグリシンおよびその誘導体などがあげられる。
上記した添加剤の中で本発明の重合性組成物の添加剤として特に好ましい添加剤としては、アミン類が挙げられ、さらに好ましくは、下記一般式(3)で表されるN−フェニルグリシン誘導体(C)を挙げることができる。
一般式(3)
Figure 2005272826
(ただし、式中、R61は水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。R62は水素原子またはアルキル基を表す。R63、R64、R65、R66およびR67はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシル基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシル基、またはハロゲン原子を表す。R68、R69はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す)。
すなわち、本発明のラジカル重合開始剤(A)、ラジカル重合性化合物(B)および一般式(3)で表記されるN−フェニルグリシン誘導体(C)とを含んでなる重合性組成物は、非常に高感度な重合性組成物として機能することが可能であり、特に少ないエネルギー線量の照射においても十分な硬化を進行させることができる。また、N−フェニルグリシン誘導体(C)を併用することにより、本発明のラジカル重合開始剤(A)の添加量を大幅に低減しても十分な感度を有する重合性組成物を得ることができる。
現在のところ、作用機構は明らかではないが、本発明のラジカル重合開始剤(A)の光分解時における電子移動などの相互作用や、本発明のラジカル重合開始剤(A)の構造中のベンゾフェノン構造の水素引抜反応などをN−フェニルグリシン誘導体(C)が促進し、さらなる高感度化を実現していると考えられる。
尚、一般式(3)においてR61,R62、R63、R64、R65、R66、R67、68およびR69のすべてが水素原子を表すとき、一般式(3)はN−フェニルグリシンに相当するため、本発明においては、一般式(3)をN−フェニルグリシン誘導体と呼ぶこととした。
次に、一般式(3)で表されるN−フェニルグリシン誘導体(C)の構造について詳細に説明する。
一般式(3)中の置換基R61におけるアルキル基としては、炭素数1から12の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(3)中の置換基R61におけるアルケニル基としては、炭素数1から12の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられ、それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(3)中の置換基R61におけるアリール基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1ーナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フラニル基、2−ピロリル基、9−フルオレニル基、2−フリル基、2−チエニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、6−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−アクリジニル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−フェノキサジニル基、3−チアントレニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(3)中の置換基R61におけるアルキル基、アルケニル基、アリール基は先に詳細に述べた一般式(1)中の置換基と同様、さらに他の置換基で置換されていてもよく、そのような他の置換基としては、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基等を挙げることができる。
一般式(3)中の置換基R62におけるアルキル基としては、置換基R61におけるアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができる。
一般式(3)中のベンゼン環上の置換基R63、R64、R65、R66、およびR67における、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシル基、アシル基、ハロゲン原子としては、一般式(1)中の置換基R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08で述べたアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子と同様の置換基を挙げることができる。また、R63、R64、R65、R66、およびR67における置換基は隣接する置換基と結合して環構造を形成してもよい。
一般式(3)中の置換基R68、69におけるアルキル基としては、置換基R61におけるアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができる。
従って、一般式(3)で表されるN−フェニルグリシン誘導体の具体例としては、N−フェニルグリシン、N−(p−メチルフェニル)グリシン、N−(p−エチルフェニル)グリシン、N−(p−t−ブチルフェニル)グリシン、N−(p−アリルフェニル)グリシン、N−(p−メトキシフェニル)グリシン、N−(p−エトキシフェニル)グリシン、N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(p−ニトロフェニル)グリシン、N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N−(p−アセトキシフェニル)グリシン、N−(p−ヒドロキシフェニル)グリシン、N−(p−アセチルフェニル)グリシン、N−(p−ブチロイルフェニル)グリシン、N−(p−ベンゾイルフェニル)グリシン、N−フェニルアラニン、N−フェニルバリン、N−フェニルロイシン、N−フェニルイソロイシンおよび、これらのm−位、o−位置換の異性体、N−(2,4−ジメチルフェニル)グリシン、N−(3,5−ジメチルフェニル)グリシン、およびその異性体を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
さらに、N,N−ジフェニルグリシン、N−(2−メトキシエチル)−N−フェニルグリシン、N−ブチル−N−(p−トリル)グリシン、N−ブチル−N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N−ブチル−N−フェニルアラニン、N−ブチル−N−フェニルグリシン、N−(1−プロピル)−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(1−プロピル)−N−(p−クロロフェニル)アラニン、N−(1−プロピル)−N−(p−メチルフェニル)グリシン、N−(p−クロロフェニル)−N−フェニルグリシン、N,N−ジ(p−トリル)グリシン、N,N−ジ(p−メトキシフェニル)グリシン、N−エチル−N−(p−クロロフェニル)アラニン、N−エチル−N−(m−メチルフェニル)グリシン、N−エチル−N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N−エチル−N−フェニルアラニン、N−エチル−N−フェニルグリシン、N−メチル−N−(p−ヒドロキシフェニル)グリシン、N−メチル−N−(o−メチルフェニル)グリシン、N−メチル−N−(p−アセチルフェニル)グリシン、N−メチル−N−(p−メトキシフェニル)アラニン、N−ヘキシル−N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルバリン、N−メチル−N−フェニルロイシン、N−メチル−N−フェニルイソロイシン、N−(2−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル−N−フェニルグリシンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
さらに、N−(1−ナフチル)グリシン、N−(9−アントリル)グリシンおよび、その置換位置が異なる異性体をも挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
さらに、上記したN−フェニルグリシン誘導体のカルボン酸部位がエステル化された誘導体、すわち、上記例示化合物のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、sec−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、オクチルエステル、シクロヘキシルエステル、シクロペンチルエステル、アダマンチルエステル、ノルボルニルエステルをも挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
N−フェニルグリシン誘導体(C)の添加量は特に限定されないが、本発明のラジカル重合開始剤100重量部に対して、0.01から100重量部の比率で用いることが好ましい。
また、本発明の重合性組成物は他の増感剤を用いなくとも十分な感度を有しているが、さらに感度向上や硬化後の膜特性を向上させる目的で、増感剤や他の光重合開始剤と併用することが可能である。
本発明の重合性組成物と混合して併用可能な増感剤としては、ベンゾフェノン類、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体等が挙げられ、その他さらに具体例には大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す色素や増感剤が挙げられ、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。上記、増感剤の中でチオキサントン誘導体としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができ、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができ、クマリン類としては、クマリン1、クマリン338、クマリン102等を挙げることができ、ケトクマリン類としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の重合性組成物と混合して併用可能な他の重合開始剤としては、チバスペシャリテーケミカルズ光重合開始剤総合カタログ(1997年発行)記載のイルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー784、イルガキュアー261、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物公報、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−255347号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)ならびに特開昭61−24558号公報記載のオキシムエステル化合物等があげられ、これらの重合開始剤はラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物100重量部に対して0.01から10重量部の範囲で含有されるのが好ましい。
また、本発明の重合性組成物は保存時の重合を防止する目的で熱重合防止剤を添加することが可能である。
本発明の重合性組成物に添加可能な熱重合防止剤の具体例としては、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル置換ハイドロキノン、カテコール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジン等をあげることができ、これらの熱重合防止剤は、ラジカル重合性化合物(B)100重量部に対して0.001から5重量部の範囲で添加されるのが好ましい。
本発明の重合性組成物はさらに目的に応じて、染料、有機および無機顔料、ホスフィン、ホスホネート、ホスファイト等の酸素除去剤や還元剤、カブリ防止剤、退色防止剤、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、着色剤、増量剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、色素前駆体、紫外線吸収剤、発砲剤、防カビ剤、帯電防止剤、磁性体やその他種々の特性を付与する添加剤、希釈溶剤等と混合して使用しても良い。
本発明の重合性組成物は重合反応に際して、紫外線や可視光線、近赤外線等、電子線等によるエネルギーの付与により重合し、目的とする重合物を得ることが可能であるが、エネルギーの付与をする光源として、300nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源が好ましい。300nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源の例としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、パルス発光キセノンランプ、重水素ランプ、蛍光灯、Nd−YAG3倍波レーザー、He−Cdレーザー、窒素レーザー、Xe−Clエキシマレーザー、Xe−Fエキシマレーザー、半導体励起固体レーザー等の各種光源が挙げられる。
故に、バインダーその他とともに基板上に塗布して各種インキ、各種刷版材料、フォトレジスト、電子写真、ダイレクト刷版材料、光ファイバー、ホログラム材料等の感光材料やマイクロカプセル等の各種記録媒体、さらには接着剤、粘着剤、粘接着剤、剥離コート剤、封止剤および各種塗料に応用することが可能である。
(作用)
本発明のラジカル重合開始剤(A)は、300nmから450nmの波長領域の照射光に対して鋭敏なラジカル重合開始剤として機能する。その反応メカニズムについては以下のように考えられる。ラジカル重合開始剤(A)中のスルホニウム構造はそれ自身が、300nmから450nmの波長領域の照射光領域に好適な吸収を有しているため、増感機能を併せ持ったラジカル重合開始剤として機能する。すなわち、紫外線または近紫外線で光励起された場合、分子内で効率的な電子移動あるいはエネルギー移動を起こして、非常に速やかに光分解してラジカルを生成することが可能であるため高感度な重合開始剤として機能していると考えられる。またラジカル重合開始剤(A)中のスルホニウムイオンは電子受容性が高いため、光励起された際には自身の分解だけでなく、カウンターアニオンが電子供与性を有する場合にはさらに効率的に分解が進行すると考えられる。一般式(1)中のアニオンYが一般式(2)で表されるボレートアニオンの場合には、該ボレートアニオンは電子供与性が高いだけでなく、アニオン自身も分解してフリーラジカルを発生する。したがってこの場合、フリーラジカルは、スルホニウムカチオン、ボレートアニオン双方から発生するため極めて高い感度が得られる。さらに、N−フェニルグリシン誘導体を併用した場合、ラジカル発生が促進され、さらに高感度な重合性組成物を得ることが可能である。

以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに、なんら限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、例中、部とは重量部を示す。まず、実施例に先だって、上述した本発明のラジカル重合開始剤(A)の合成例のいくつかを示す。
Figure 2005272826
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合成例(1)
化合物(1)の合成
N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾールの合成
N−エチル−カルバゾール100.0gをベンゼン1280mlに溶解し、さらに塩化アルミニウム73.4gを添加して0℃にて攪拌下、ベンゾイルクロライド68.4gをベンゼン120mlに溶解した溶液を30分かけて添加した。添加終了後、25℃で4時間攪拌した。反応液を氷水4000gにあけ、ベンゼン4000mlにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥剤をろ過して溶媒を溜去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤:クロロホルム)で精製後、酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して、N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾールを93.6g得た(収率61%)。
N−エチル−3−ベンゾイル−6−アセチルカルバゾールの合成
N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾール58.0gを二硫化炭素800mlに溶解し、さらに塩化アルミニウム28.0gを添加して0℃にて攪拌下、アセチルクロライド15.0gを二硫化炭素100mlに溶解した溶液を30分かけて添加した。添加終了後、25℃で4時間攪拌した。反応液を氷水4000gにあけ、酢酸エチル2500mlにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥剤をろ過して溶媒を溜去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤:クロロホルム)で精製後、酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して、N−エチル−3−ベンゾイル−6−アセチルカルバゾールを24.0g得た(収率36%)。
N−エチル−3−ベンゾイル−6−ブロモアセチルカルバゾールの合成
N−エチル−3−ベンゾイル−6−アセチルカルバゾール20.0gをジクロロメタン200mlに溶解し、さらにテトラブチルアンモニウムトリブロマイド27.0gと、触媒として塩化アルミニウムを少量添加して、40℃で10時間攪拌した。反応液を水で抽出洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥剤をろ過して溶媒を溜去し、残留物をメタノールでリスラリー後、濾取することで、N−エチル−3−ベンゾイル−6−ブロモアセチルカルバゾールを20.0g得た(収率81%)。
ジメチル[2−(N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・ブロマイドの合成
N−エチル−3−ベンゾイル−6−ブロモアセチルカルバゾール18.0gをジクロロメタン200mlに溶解して、ジメチルスルフィド3.0gを添加し、室温にて24時間攪拌した。この溶液にジエチルエーテル200ml添加し、溶液中に析出した結晶をろ過し、得られた結晶をジエチルエーテルにて洗浄した後、乾燥し、白色結晶としてジメチル[2−(N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・ブロマイド9.0gを得た(収率41%)。
ジメチル[2−(N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・ブチルトリフェニルボレート(化合物(1))の合成
ジメチル[2−(N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・ブロマイド9.0gをイオン交換水1000mlとジメチルスホキシド1000mlからなる混合溶媒に溶解し、リチウム・ブチルトリフェニルボレート水溶液(重量濃度20%)28.0gを室温にて45分かけて滴下し、滴下終了後室温のまま2時間攪拌した。析出物をろ過し、得られた固体をメチルイソブチルケトン200mlに溶解して水にて抽出洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を除去後、0℃に冷却してヘキサン500mlを滴下した。生成した結晶をろ過し、ヘキサンで洗浄後、乾燥してジメチル[2−(N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・ブチルトリフェニルボレート(化合物(1))を白色結晶として9.3g得た(収率71%)。
(合成例2)
化合物(3)の合成
ジメチル[2−(N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート(化合物(3))の合成
遮光下、化合物(1)の合成の項で合成したN−エチル−3−ベンゾイル−6−ブロモアセチルカルバゾール18.0gをアセトン200mlに溶解し、ジメチルスルフィド3.0gを添加し0℃に冷却した。0℃のまま、この溶液に、AgSbF(ヘキサフルオロアンチモネートの銀塩)15.0gをアセトン100mlに加えた溶液を1時間かけて滴下し、室温まで昇温後、24時間遮光のまま攪拌した。生成した固体をろ過により除去し、得られた溶液の溶媒を溜去して固体を得た。この固体をアセトン−ヘキサンにて再沈し、白色結晶としてジメチル[2−(N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート(化合物(3))を15.0g得た(収率55%)。
(合成例3)
化合物(4)の合成
ジエチル[2−(N−エチル−3−(o−トルオイル)−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・ヘキサフルオロホスファート(化合物(4))の合成
(合成例1)の出発原料であるベンゾイルクロライドをo−トルオイルクロライドに置き替えた他は(合成例1)とほぼ同様の方法で、N−エチル−3−(o−トルオイル)−6−ブロモアセチルカルバゾールを良好な収率で得ることができた。このN−エチル−3−(o−トルオイル)−6−ブロモアセチルカルバゾール18.0gをジクロロメタン200mlに溶解した後、ジエチルエチルスルフィド4.1gを添加し0℃に冷却した。0℃のまま、この溶液に、AgPF(ヘキサフルオロホスファートの銀塩)10.5gをアセトン100mlに加えた溶液を1時間かけて滴下し、室温まで昇温後、24時間遮光のまま攪拌した。生成した固体をろ過により除去し、得られた溶液の溶媒を溜去して固体を得た。この固体をアセトン−ヘキサンにて再沈し、白色結晶としてジエチル[2−(N−エチル−3−(o−トルオイル)−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・ヘキサフルオロホスファート14.7g(化合物(4))を得た(収率60%)。
(合成例4)
化合物(6)の合成
ジメチル[2−(N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・パーフルオロブタンスルホネート(化合物(6))の合成
化合物(1)の合成の項で合成したジメチル[2−(N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・ブロマイド9.0gをイオン交換水4000mlに溶解し、室温にて攪拌下、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム6.2gをイオン交換水300mlに溶解した溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後の溶液を室温にてさらに6時間攪拌し、析出した結晶をろ過してイオン交換水でよく洗浄した。この結晶をメチルイソブチルケトン600mlに溶解し、イオン交換水に抽出洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥剤を除去後、ヘキサン2400mlを室温にて滴下し、得られた結晶をろ過し、ヘキサンで洗浄して乾燥することにより、ジメチル[2−(N−エチル−3−ベンゾイル−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・パーフルオロブタンスルホネート(化合物(6))を7.7g得た(収率59%)。
(合成例5)
化合物(8)の合成
ジエチル[2−(N−エチル−3−(o−トルオイル)−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・テトラフェニルボレート(化合物(8))の合成
(合成例1)の出発原料であるベンゾイルクロライドをo−トルオイルクロライドに置き替えた他は(合成例1)とほぼ同様の方法で、N−エチル−3−(o−トルオイル)−6−ブロモアセチルカルバゾールを良好な収率で得ることができた。このN−エチル−3−(o−トルオイル)−6−ブロモアセチルカルバゾール18.0gをジクロロメタン200mlに溶解した後、ジエチルスルフィド3.8gを添加して約35℃にて48時間攪拌した。この溶液にエーテル200mlを添加し、生成した結晶をろ過し、ジクロロメタンにて洗浄して乾燥することにより、ジエチル[2−(N−エチル−3−(o−トルオイル)−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・ブロマイド7.6gを得た(収率35%)。
このジエチル[2−(N−エチル−3−(o−トルオイル)−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・ブロマイド5.4gをイオン交換水300mlとジメチルスホキシド500mlからなる混合溶媒に溶解し、ナトリウム・テトラフェニルボレート水溶液(重量濃度10%)34.5gを室温にて30分かけて滴下した。析出物をメチルイソブチルケトン100mlにて抽出し、この有機層をさらにイオン交換水で抽出洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥して乾燥剤をろ過した後、ヘキサン500mlを室温にて滴下して白色結晶を得た。この結晶をろ過し、ヘキサンで洗浄後、乾燥し、白色結晶としてジエチル[2−(N−エチル−3−(o−トルオイル)−カルバゾール−6−イル)−2−オキソエチル]スルホニウム・テトラフェニルボレート(化合物(8))を4.7g得た(収率60%)。
(合成例6から合成例7)
上記した合成例1から合成例5の方法を応用することにより、本発明のラジカル重合開始剤である化合物(5)、化合物(7)も得ることができた。上記合成例1から合成例7で合成した本発明のラジカル重合開始剤の元素分析の結果を表1として示した。また、これらの合成法を応用することにより、化合物(14)、化合物(15)および化合物(26)も高純度で得ることができた。
Figure 2005272826
(実施例1)
本発明のラジカル重合開始剤である化合物(1)6重量部と、ラジカル重合性化合物としてペンタエリスリトールトリアクリレート100重量部と、バインダーとしてポリメチルメタクリレート100重量部と、溶剤としてシクロヘキサノン1600重量部とからなる重合性組成物を配合し、塗工液を調整した。この塗工液をスピンコーターを用いてステンレス板上に塗工し、オーブン中40℃で10分間乾燥した。乾燥により溶媒を除去した後の膜厚は約1.5μmであった。この塗工膜に、高圧水銀ランプの光を365nmの光のみを選択的に透過するバンドパスフィルターを介して光照射することにより、300mJ/cmのエネルギーを与えた。光照射後におけるステンレス板上の塗工膜のアクリル基の特性吸収に相当する810cm−1の吸収強度を、反射式のIRスペクトルにより測定した。光照射後における、光照射前の上記特性吸収の強度を基準とした場合のアクリルモノマー消費率を算出したところ、アクリルモノマー消費率25%で、非常に高い値であった。
(実施例2から実施例6、および比較例1から比較例8)
実施例1におけるラジカル重合開始剤(A)である化合物(1)6重量部を、表2に示したラジカル重合開始剤6重量部に置き替えた他は実施例1と全く同じ操作にて実験を行い、アクリルモノマーの消費率を算出した。結果も表2に併せて示した。
Figure 2005272826
本発明(実施例1から6)は、365nmの光照射により、増感剤を用いなくとも重合に関与するラジカルを発生し、アクリル基を消費させている。一方、比較例1から5は365nmの光照射を行っても、重合に関与していない。比較例6から8より、365nmに吸収を持つことが必ずしも十分な感度向上に結びつかない。比較例1から8より、同一アニオンを持つラジカル重合開始剤どうしを比較した場合、本発明のカチオンを持つラジカル重合開始剤の方がいずれの場合も重合能力が高い。
(実施例7から11および比較例9から28)
ラジカル重合性化合物としてペンタエリスリトールトリアクリレート100重量部と、バインダーとしてポリメチルメタクリレート100重量部と、溶剤としてシクロヘキサノン1600重量部と、表3に示したラジカル重合開始剤6重量部、および表3に示した増感剤を同表に示した重量部からなる重合性組成物を配合し、均一な塗工液を調整した。この塗工液をスピンコーターを用いてステンレス板上に塗工し、オーブン中40℃で10分間乾燥した。乾燥により溶媒を除去した後の膜厚は約1.5μmであった。この塗工膜に、高圧水銀ランプの光を365nmの光のみを選択的に透過するバンドパスフィルターおよび光量調節のためのNDフィルターを介して9.0mW/cmの強度にて照射した。この光照射の間、反射式のIRを使用して、ステンレス板上の塗工膜のアクリル基の特性吸収に相当する810cm−1の吸収強度をモニターした。この吸収強度の経時変化から、光照射前の上記特性吸収の強度を基準とした場合のアクリルモノマー消費率を算出した。結果を表3に示した。
Figure 2005272826
本発明(実施例7から11)は、365nmの光照射により、増感剤を用いなくとも重合に関与するラジカルを発生し、アクリル基を消費させている。一方、比較例9から13より、本発明以外のラジカル重合開始剤は、365nmの光照射による感度が本発明のラジカル重合開始剤に比べ、著しく劣る。比較例9から13より、吸収を持つことが必ずしも十分な感度向上に結びつかない。比較例14から23より、増感剤を用いることで、ラジカル重合を確認できるが、本発明には遠く及ばない。また、比較例24から28より、カルバゾールを増感剤として併用しても、本発明のようにスルホニウム構造に組み込んだ重合開始剤と比較して、結果は著しく劣る。よって本発明のラジカル重合開始剤は効果が大きい。
(実施例12〜実施例18)
ラジカル重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサ/ペンタアクリレート(東亜合成、アロニックスM402)100重量部と、バインダーとしてポリメチルメタクリレート100重量部と、溶剤としてシクロヘキサノン1600重量部と、表4に示したラジカル重合開始剤および添加剤を同表に示した重量部からなる重合性組成物を配合し、均一な塗工液を調整した。この塗工液をスピンコーターを用いてステンレス板上に塗工し、オーブン中40℃で10分間乾燥した。乾燥により溶媒を除去した後の膜厚は約2.0μmであった。この塗工膜に、200W高圧水銀ランプの光を、310nmより長波長の光のみ透過するカットフィルターを介して照射した。この光照射の間、反射式のIRを使用して、ステンレス板上の塗工膜のアクリル基の特性吸収に相当する810cm−1の吸収強度をモニターした。この吸収強度の経時変化から、光照射前の上記特性吸収の強度を基準とした場合のアクリルモノマー消費率を算出した。結果を表4に示した。

Figure 2005272826
本発明のラジカル重合開始剤を用いた場合、公知のスルホニウム錯体を重合開始剤として用いた場合よりも感度が向上していることがわかる。また、公知のスルホニウム錯体を増感剤と併用して重合開始剤として用いた場合よりも感度が向上していることがわかる。
本発明はエネルギー線の照射、特に300から450nmの光の照射に対して非常に高感度なラジカル発生剤として機能するラジカル重合開始剤とその使用方法を提供するものである。従って本発明のラジカル重合開始剤は、従来より用いられてきたエネルギー線の照射により発生するラジカルを触媒とした重合、架橋反応などを迅速かつ確実に進行させることができ、その結果として各種用途のエネルギー線に対する高感度化、あるいは反応が十分進行することによる各種用途の特性向上等が期待できる。本発明により、高感度化や特性向上が期待できる用途の例としては、重合あるいは架橋反応を利用した成形樹脂、注型樹脂、光造形用樹脂、封止剤、歯科用重合レジン、印刷インキ、塗料、印刷版用感光性樹脂、印刷用カラープルーフ、カラーフィルター用レジスト、ブラックマトリクス用レジスト、液晶用フォトスペーサー、リアプロジェクション用スクリーン材料、光ファイバー、プラズマディスプレー用リブ材、ドライフィルムレジスト、プリント基板用レジスト、半導体用フォトレジスト、マイクロエレクトロニクス用レジスト、マイクロマシン用部品製造用レジスト、絶縁材、ホログラム材料、導波路用材料、オーバーコート剤、接着剤、粘着剤、離型剤、光記録媒体、粘接着剤、剥離コート剤、各種デバイス等が挙げられる。
化合物(1)、化合物(2)の吸収スペクトル(アセトニトリル、10−5M)

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表記されるラジカル重合開始剤。
    一般式(1)
    Figure 2005272826
    (式中、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07およびR08はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、またはハロゲン原子を表す。
    ただし、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07およびR08のうち一つは、
    Figure 2005272826
    であり、かつR01、R02、R03、R04、R05、R06、R07およびR08のうち少なくとも一つは、
    Figure 2005272826
    を表す。
    31はアルキル基、アリール基、アシル基またはアルケニル基を表す。
    11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシル基またはアルケニル基を表す。
    21およびR22は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基またはアルケニル基を表す。
    41はアルキル基、またはアリール基を表す(ただし、−CR1112−S+2122である場合を除く。)。
    ただし、R01、R02、R03、R04、R05、R11、R21、R22、R12、R06、R07、R08およびR31は、一体となって、環を形成してもよい。
    は任意のアニオンを表す。)
  2. 03またはR06が、
    Figure 2005272826
    である請求項1記載のラジカル重合開始剤。
  3. が、下記一般式(2)で表記されるボレートである請求項1または2記載のラジカル重合開始剤。
    一般式(2)
    Figure 2005272826
    (ただし、式中R51、R52、R53、およびR54は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、または置換基を有してもよい脂環基より選ばれる基を示す。)
  4. 請求項1〜3いずれか記載のラジカル重合開始剤(A)とラジカル重合性化合物(B)とを含んでなる重合性組成物。
  5. 請求項1〜3いずれか記載のラジカル重合開始剤(A)、ラジカル重合性化合物(B)および下記一般式(3)で表記されるN−フェニルグリシン誘導体(C)とを含んでなる重合性組成物。
    一般式(3)
    Figure 2005272826
    (ただし、式中、R61は水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。R62は水素原子またはアルキル基を表す。R63、R64、R65、R66およびR67はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシル基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシル基、またはハロゲン原子を表す。R68、R69はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す)。
  6. 請求項4または請求項5記載の重合性組成物に300nmから450nmの波長領域の光を含むエネルギー線を照射して重合させる、重合物の製造方法。
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