JP6454217B2 - 変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物、変性チオキサントン誘導体、光硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Description
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ね合わせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
また、従来の高感度の光重合開始剤や増感剤は、硬化性樹脂との相溶性が充分でなかったり、保存時に結晶化したりすることがあるという問題があった。
また、本発明2の変性チオキサントン誘導体は、上記式(2−1)又は(2−2)で表される化合物であるチオキサントン誘導体(以下、「本発明に係るチオキサントン誘導体」ともいう)を、本発明に係る単官能エポキシ化合物と反応させて得られる。
上記芳香族環又は上記脂肪族環の有する炭素数1以上の置換基としては、アルキル基が好ましい。
なかでも、シール剤中の硬化性樹脂との相溶性の観点から、本発明に係る単官能エポキシ化合物の分子量は300以下であることが好ましい。
本発明に係るジアルキルアミノ安息香酸系化合物と本発明に係る単官能エポキシ化合物との反応は、反応性の観点から、3価の有機リン酸化合物及び/又はアミン化合物の存在下で行うことが好ましい。
また、上記塩基性触媒は、ポリマーに担持させて、ポリマー担持塩基性触媒として使用することもできる。
本発明に係るチオキサントン誘導体と本発明に係る単官能エポキシ化合物との反応は、反応性の観点から、3価の有機リン酸化合物及び/又はアミン化合物の存在下で行うことが好ましい。
また、上記塩基性触媒は、ポリマーに担持させて、ポリマー担持塩基性触媒として使用することもできる。
硬化性樹脂と、本発明1の変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物及び/又は本発明2の変性チオキサントン誘導体とを含有する光硬化性樹脂組成物もまた、本発明の1つである。
本発明の光硬化性樹脂組成物が、本発明1の変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物と本発明2の変性チオキサントン誘導体との両方を組み合わせて含有する場合、本発明1の変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物と本発明2の変性チオキサントン誘導体との含有割合は、重量比で、本発明1の変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物:本発明2の変性チオキサントン誘導体=1:0.2〜1:1であることが好ましい。本発明1の変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物と本発明2の変性チオキサントン誘導体との含有割合がこの範囲であることにより、得られる光硬化性樹脂組成物が長波長の光による光硬化性に特に優れるものとなる。本発明1の変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物と本発明2の変性チオキサントン誘導体との含有割合は、重量比で、本発明1の変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物:本発明2の変性チオキサントン誘導体=1:0.4〜1:1であることがより好ましい。
上記アントラキノン誘導体としては、例えば、2−エチルアントラキノン、1−メチルアントラキノン、1,4−ジヒドロキシアントラキノン、2−(2−ヒドロキシエトキシ)−アントラキノン等が挙げられる。
上記クマリン誘導体としては、例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等が挙げられる。
上記チオキサントン誘導体としては、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン等が挙げられる。
上記フタロシアニン誘導体としては、例えば、フタロシアニン等が挙げられる。
また、上記その他の光重合開始剤として挙げたベンゾフェノン系化合物を上記その他の増感剤として用いることもできる。
上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル樹脂を含有することが好ましい。
上記(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、イソシアネート化合物に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル樹脂」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基(以下、併せて「(メタ)アクリロイル基」ともいう)を有する樹脂を意味する。また、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER 806、jER 4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER 630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鉄住金化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鉄住金化学社製)、エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鉄住金化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER 1031、jER 1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味し、例えば、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
また、上記(メタ)アクリル樹脂は、反応性の高さから分子中に(メタ)アクリロイル基を2〜3個有するものが好ましい。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等からなるものが挙げられる。なかでも、高分子アゾ化合物からなる開始剤(以下、「高分子アゾ開始剤」ともいう)が好ましい。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイル基を硬化反応させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
また、高分子アゾ開始剤以外のアゾ開始剤の例としては、例えば、V−65、V−501(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤としては、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記有機酸ヒドラジドのうち市販されているものとしては、例えば、SDH、ADH(いずれも大塚化学社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH(いずれも味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックは、1μmあたりの光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほどよく、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特にないが、通常は5以下となる。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の光硬化性樹脂組成物を液晶表示素子用シール剤として用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
なお、上記遮光剤の一次粒子径は、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)を用いて、上記遮光剤を溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物を用いてなる液晶表示素子用シール剤もまた、本発明の1つである。
式(1−1)で表される化合物として4−ジメチルアミノ安息香酸50重量部と、エポキシ化合物としてp−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(ADEKA社製、「ED−509S」)62重量部とを、塩基性触媒としてPS−PPH3(バイオタージ・ジャパン社製、ポリスチレン(PS)にトリフェニルホスフィンを担持した塩基性触媒)5.2重量部の存在下で、110℃で48時間撹拌しながら反応させることにより、変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物Aを得た。
なお、4−ジメチルアミノ安息香酸とp−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテルとの配合割合は、モル比で、4−ジメチルアミノ安息香酸:p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル=1:1である。
式(1−1)で表される化合物として4−ジメチルアミノ安息香酸50重量部と、エポキシ化合物として2−ノニルフェニルグリシジルエーテル83重量部とを、塩基性触媒としてPS−PPH3(バイオタージ・ジャパン社製、ポリスチレン(PS)にトリフェニルホスフィンを担持した塩基性触媒)5.2重量部の存在下で、110℃で48時間撹拌しながら反応させることにより、変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物Bを得た。
なお、4−ジメチルアミノ安息香酸と2−ノニルフェニルグリシジルエーテルとの配合割合は、モル比で、4−ジメチルアミノ安息香酸:2−ノニルフェニルグリシジルエーテル=1:1である。
式(1−1)で表される化合物として4−ジメチルアミノ安息香酸50重量部と、エポキシ化合物としてグリシジル2−メトキシフェニルエーテル(東京化成工業社製)54重量部とを、塩基性触媒としてPS−PPH3(バイオタージ・ジャパン社製、ポリスチレン(PS)にトリフェニルホスフィンを担持した塩基性触媒)5.2重量部の存在下で、110℃で48時間撹拌しながら反応させることにより、変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物Cを得た。
なお、4−ジメチルアミノ安息香酸とグリシジル2−メトキシフェニルエーテルとの配合割合は、モル比で、4−ジメチルアミノ安息香酸:グリシジル2−メトキシフェニルエーテル=1:1である。
式(1−2)で表される化合物として4−ジエチルアミノ安息香酸58重量部と、エポキシ化合物としてp−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(ADEKA社製、「ED−509S」)62重量部とを、塩基性触媒としてPS−PPH3(バイオタージ・ジャパン社製、ポリスチレン(PS)にトリフェニルホスフィンを担持した塩基性触媒)5.2重量部の存在下で、110℃で48時間撹拌しながら反応させることにより、変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物Dを得た。
なお、4−ジエチルアミノ安息香酸とp−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテルとの配合割合は、モル比で、4−ジエチルアミノ安息香酸:p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル=1:1である。
式(1−2)で表される化合物として4−ジエチルアミノ安息香酸58重量部と、エポキシ化合物として1−メチル−1,2−エポキシシクロヘキサン(東京化成工業社製)34重量部とを、塩基性触媒としてPS−PPH3(バイオタージ・ジャパン社製、ポリスチレン(PS)にトリフェニルホスフィンを担持した塩基性触媒)5.2重量部の存在下で、110℃で48時間撹拌しながら反応させることにより、変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物Eを得た。
なお、4−ジエチルアミノ安息香酸と1−メチル−1,2−エポキシシクロヘキサンとの配合割合は、モル比で、4−ジエチルアミノ安息香酸:1−メチル−1,2−エポキシシクロヘキサン=1:1である。
式(1−1)で表される化合物として4−ジメチルアミノ安息香酸50重量部と、エポキシ化合物としてフェニルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、「EX−141」)45重量部とを、塩基性触媒としてPS−PPH3(バイオタージ・ジャパン社製、ポリスチレン(PS)にトリフェニルホスフィンを担持した塩基性触媒)5.2重量部の存在下で、110℃で48時間撹拌しながら反応させることにより、変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物Fを得た。
なお、4−ジメチルアミノ安息香酸フェニルグリシジルエーテルの配合割合は、モル比で、4−ジメチルアミノ安息香酸:フェニルグリシジルエーテル=1:1である。
式(2−1)で表される化合物である2−(カルボキシメトキシ)−9H−チオキサンテン−9−オン87重量部と、エポキシ化合物としてp−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(ADEKA社製、「ED−509S」)62重量部とを、塩基性触媒としてPS−PPH3(バイオタージ・ジャパン社製、ポリスチレン(PS)にトリフェニルホスフィンを担持した塩基性触媒)5.2重量部の存在下で、110℃で48時間撹拌しながら反応させることにより、変性チオキサントン誘導体Aを得た。
なお、2−(カルボキシメトキシ)−9H−チオキサンテン−9−オンとp−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテルとの配合割合は、モル比で、2−(カルボキシメトキシ)−9H−チオキサンテン−9−オン:p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル=1:1である。
式(2−2)で表される化合物である2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン69重量部と、エポキシ化合物としてp−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(ADEKA社製、「ED−509S」)62重量部とを、塩基性触媒としてPS−PPH3(バイオタージ・ジャパン社製、ポリスチレン(PS)にトリフェニルホスフィンを担持した塩基性触媒)5.2重量部の存在下で、110℃で48時間撹拌しながら反応させることにより、変性チオキサントン誘導体Bを得た。
なお、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンとp−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテルとの配合割合は、モル比で、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン:p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル=1:1である。
式(2−1)で表される化合物である2−(カルボキシメトキシ)−9H−チオキサンテン−9−オン87重量部と、エポキシ化合物としてフェニルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、「EX−141」)45重量部とを、塩基性触媒としてPS−PPH3(バイオタージ・ジャパン社製、ポリスチレン(PS)にトリフェニルホスフィンを担持した塩基性触媒)5.2重量部の存在下で、110℃で48時間撹拌しながら反応させることにより、変性チオキサントン誘導体Cを得た。
なお、2−(カルボキシメトキシ)−9H−チオキサンテン−9−オンとフェニルグリシジルエーテルとの配合割合は、モル比で、フェニルグリシジルエーテル=1:1である。
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜14、比較例1〜4の各液晶表示素子用シール剤を調製した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
作製直後の実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤を観察し、光重合開始剤又は増感剤由来の結晶がシール剤中に析出していなかった場合を「○」、光重合開始剤又は増感剤由来の結晶がシール剤中にわずかに析出していた場合を「△」、光重合開始剤又は増感剤由来の結晶がシール剤中に多量に析出していた場合を「×」として、シール剤中の硬化性樹脂と光重合開始剤(及び増感剤)との相溶性を評価した。
なお、比較例1で得られた液晶表示素子用シール剤は、光重合開始剤及び増感剤を用いないものであるため、相溶性の評価は行わなかった。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤をガラス基板上に約5μm塗布し、その基板に同サイズのガラス基板を重ね合わせ、次に、メタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線(波長365nm)を10秒照射した。赤外分光装置(BIORAD社製、「FTS3000」)を用い、(メタ)アクリロイル基由来ピークの光照射前後での変化量を測定することで光硬化性の評価を行った。光照射後に(メタ)アクリロイル基由来のピークが93%以上減少した場合を「◎」、光照射後に(メタ)アクリロイル基由来のピークが85%以上93%未満減少した場合を「○」、光照射後に(メタ)アクリロイル基由来のピークが75%以上85%未満減少した場合を「△」、光照射後の(メタ)アクリロイル基由来のピークの減少が75%未満であった場合を「×」として光硬化性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部にスペーサ微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」)1重量部を分散させ、液晶表示素子用シール剤として、2枚のラビング済み配向膜及び透明電極付き基板の一方にシール剤の線幅が1mmになるようにディスペンサーで塗布した。
続いて液晶(チッソ社製、「JC−5004LA」)の微小滴を透明電極付き基板のシール剤の枠内全面に滴下塗布し、すぐにもう一方の透明電極付きカラーフィルター基板を貼り合わせ、シール剤部分にメタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線(波長365nm)を30秒照射して硬化させ、更に、120℃で1時間加熱して液晶表示素子を得た。
液晶表示素子は、ディスペンサーでシール剤の塗布位置をコントロールし、シール剤に完全に光が当たる液晶表示素子(遮光部なし)と、シール剤がカラーフィルター基板のブラックマトリックスに線幅の50%がかかるように塗布した液晶表示素子(遮光部あり)の2種類を作製した。図1は、実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤を用いて遮光部なしの状態で作製した液晶表示素子を模式的に示す断面図であり、図2は、実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤を用いて遮光部ありの状態で作製した液晶表示素子を模式的に示す断面図である。図1に示すように、シール剤1に遮光部がないものは完全にシール剤1が光に当たる状態であり、一方、シール剤1に遮光部がある液晶表示素子は、図2に示すように、液晶3と接する部分のシール剤1は、ブラックマトリックス2で遮蔽されて全く光が当たらない。
得られた液晶表示素子について、100時間動作試験を行った後、80℃で1000時間電圧印加状態とした後のシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。
配向乱れは表示部の色むらにより判断しており、色むらの程度に応じて、色むらが全くなかった場合を「◎」、色むらが微かにあった場合を「○」、色むらが少しあった場合を「△」、色むらがかなりあった場合を「×」として液晶汚染性を評価した。
なお、評価が「◎」、「○」の液晶表示素子は実用に全く問題のないレベルである。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤を−30℃で90日間保管した後、シール剤を観察した。光重合開始剤又は増感剤由来の結晶がシール剤中に析出していなかった場合を「○」、光重合開始剤又は増感剤由来の結晶がシール剤中にわずかに析出していた場合を「△」、光重合開始剤又は増感剤由来の結晶がシール剤中に多量に析出していた場合を「×」とした。
なお、比較例1で得られた液晶表示素子用シール剤は、光重合開始剤及び増感剤を用いないものであるため、低温保管性の評価は行わなかった。
2 ブラックマトリックス
3 液晶
Claims (7)
- 硬化性樹脂と、請求項1記載の変性ジアルキルアミノ安息香酸系化合物及び/又は請求項2記載の変性チオキサントン誘導体とを含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
- 遮光剤を含有することを特徴とする請求項3記載の光硬化性樹脂組成物。
- 請求項3又は4記載の光硬化性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする液晶表示素子用シール剤。
- 請求項5記載の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項5記載の液晶表示素子用シール剤、又は、請求項6記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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