JPWO2019189226A1 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、エポキシ樹脂特有の高弾性率を維持しつつ、可撓性を付与することで耐衝撃性と機械強度を両立することができ、更に、混合による増粘を低減して、耐熱性、貯蔵安定性、耐溶剤性にも優れるエポキシ樹脂組成物を提供する。本発明は、酸変性基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂、反応性希釈剤、及び、エポキシ樹脂を含有し、硬化させた後に海島相分離構造を有するエポキシ樹脂組成物である。

Description

本発明は、エポキシ樹脂特有の高弾性率を維持しつつ、可撓性を付与することで耐衝撃性と機械強度を両立することができ、更に、混合による増粘を低減して、耐熱性、貯蔵安定性、耐溶剤性にも優れるエポキシ樹脂組成物に関する。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールを原料として合成される樹脂であり、側鎖にアセチル基と水酸基、そしてアセタール基を有することによって、優れた強靭性、接着性、架橋性、吸湿性を発現することができる。また、側鎖基の比率を変化させることによって樹脂物性を変化させることが可能となる。このような特性を利用して自動車用合わせガラス中間膜やセラミックグリーンシート等幅広い用途に使用されている。
現在、ポリビニルアセタール樹脂の側鎖に、アセチル基、水酸基、アセタール基以外の官能基を導入することによって、樹脂物性の向上を図ることや、新たな機能発現を目指す試みが進められている。
しかしながら、ポリビニルアセタール樹脂は、金属材料との接着力が充分ではないという問題があった。また、硬化時の加熱処理を行った際に、金属材料との収縮率の差により、反りや剥離等が生じる原因となっていた。
これに対して、特許文献1及び2には、ポリビニルアセタール樹脂とエポキシ樹脂を用いた接着剤が記載されているが、これらの接着剤は、金属との接着性を向上させることができるものの、ポリビニルアセタール樹脂はエポキシ樹脂と混合すると完全に相溶して増粘してしまい、作業性が悪化する原因となっていた。また、ポリビニルアセタール樹脂とエポキシ樹脂との相分離構造が制御しにくく、得られる硬化物の耐衝撃性が不充分であるという問題があった。
特開2016−188272号公報 特開2016−191046号公報
本発明は、上記現状に鑑み、エポキシ樹脂特有の高弾性率を維持しつつ、可撓性を付与することで耐衝撃性と機械強度を両立することができ、更に、混合による増粘を低減して、耐熱性、貯蔵安定性、耐溶剤性にも優れるエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、酸変性基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂、反応性希釈剤、及び、エポキシ樹脂を含有し、硬化させた後に海島相分離構造を有するエポキシ樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、酸変性基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂、反応性希釈剤及びエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物であって、硬化後に特定の構造を形成する樹脂組成物とすることにより、ポリビニルアセタール樹脂とエポキシ樹脂との相溶性を抑えることができることを見出した。その結果、ポリビニルアセタール樹脂がエポキシ樹脂中に分散した構造とすることができ、樹脂組成物の増粘が抑制できるとともに、得られる硬化物の高い機械強度を維持しつつ、耐衝撃性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、酸変性基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
このような変性ポリビニルアセタール樹脂を含有することで、エポキシ樹脂と併用した場合に、エポキシ樹脂との間で架橋構造を形成することができる。このため、硬化後に得られる架橋体は、エポキシ樹脂特有の高弾性率を低下させることがないため、高い機械的強度を有しつつ、可撓成分であるポリビニルアセタール樹脂からなる島成分が応力緩和性を発揮して高い耐衝撃性を有するものとなる。更に、エポキシ樹脂との併用した場合の粘度の増加を抑制することができるとともに、架橋構造による耐熱性の向上も期待できる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、酸変性基を有する構成単位を有する。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂が上記酸変性基を有する構成単位を有することにより、高い耐衝撃性と機械的強度を実現することができる。
上記酸変性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、マレイン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、及び、それらの塩等が挙げられる。なかでも、カルボキシル基が好ましい。
上記酸変性基を有する構成単位は、主鎖を構成する炭素に側鎖としての酸変性基が直接結合した構造であってもよく、主鎖を構成する炭素にアルキレン基を介して酸変性基が結合した構造であってもよい。
上記酸変性基を有する構成単位は、主鎖を構成する同一の炭素に2つの酸変性基が結合した立体構造を有してもよく、主鎖を構成する炭素に酸変性基が1つ結合した立体構造であってもよい。また、主鎖を構成する隣り合う炭素に酸変性基が1つずつ結合した立体構造であってもよく、主鎖を構成する隣り合う炭素のどちらか一方のみに酸変性基が結合した構造であってもよい。なかでも、主鎖を構成する同一の炭素に2つの酸変性基が結合した立体構造、又は、主鎖を構成する隣り合う炭素に酸変性基が1つずつ結合した立体構造を有することが好ましい。更に、立体障害を大きくして、エポキシ樹脂との組み合わせにより得られる架橋体の網目構造を広くすることができ、その結果、得られる硬化物の柔軟性を向上させることができることから、主鎖を構成する同一の炭素に2つの酸変性基が結合した立体構造を有することがより好ましい。
また、酸変性基を有する構成単位は、主鎖を構成する炭素に酸変性基が同一方向に結合したイソタクチック配置である立体構造を有してもよく、主鎖を構成する炭素に酸変性基が交互に反対側に結合したシンジオタクチック配置である立体構造を有してもよい。更に、上記酸変性基がランダムに結合したアタクチック配置である立体構造を有してもよい。
上記酸変性基を有する構成単位が、主鎖を構成する炭素にアルキレン基を介して酸変性基が結合した構造を有する場合、上記アルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることが更に好ましい。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、直鎖状アルキレン基、分岐鎖状アルキレン基、環状アルキレン基が挙げられる。
上記直鎖状アルキレン基としては、メチレン基、ビニレン基、n−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
上記分岐鎖状アルキレン基としては、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等が挙げられる。
上記環状アルキレン基としてはシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。
なかでも、直鎖状アルキレン基が好ましく、メチレン基、ビニレン基、n−プロピレン基がより好ましく、メチレン基、ビニレン基が更に好ましい。
上記カルボキシル基を有する構成単位としては、例えば、下記式(1−1)で表される構成単位、下記式(1−2)で表される構成単位、下記式(1−3)で表される構成単位、及び、下記式(1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2019189226
上記式(1−1)中、Rは、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基、Xは水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記Rとしては、単結合、又は、炭素数1〜5のアルキレン基であることが好ましく、単結合、又は、炭素数1〜3のアルキレン基であることがより好ましい。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、直鎖状アルキレン基、分岐鎖状アルキレン基、環状アルキレン基が挙げられる。
上記直鎖状アルキレン基としては、メチレン基、ビニレン基、n−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
上記分岐鎖状アルキレン基としては、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等が挙げられる。
上記環状アルキレン基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。
なかでも、直鎖状アルキレン基が好ましく、メチレン基、ビニレン基、n−プロピレン基がより好ましく、メチレン基、ビニレン基が更に好ましい。
上記金属原子としては、ナトリウム原子、リチウム原子、カリウム原子等が挙げられる。なかでも、ナトリウム原子が好ましい。
上記式(1−2)中、R及びRはそれぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基、X及びXはそれぞれ独立して、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、上記式(1−1)中、Rと同様のものが挙げられる。
上記金属原子としては、上記式(1−1)中、Xと同様のものが挙げられる。
上記式(1−3)中、R及びRはそれぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基、X及びXはそれぞれ独立して、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、上記式(1−1)中、Rと同様のものが挙げられる。
上記金属原子としては、上記式(1−1)中、Xと同様のものが挙げられる。
上記式(1−4)中、R及びRはそれぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基、X及びXはそれぞれ独立して、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、上記式(1−1)中、Rと同様のものが挙げられる。
上記金属原子としては、上記式(1−1)中、Xと同様のものが挙げられる。
なかでも、立体障害が大きくなり、エポキシ樹脂との間で形成される架橋構造の網目構造を広くすることができ、その結果、得られる硬化物の耐衝撃性をより向上させることができることから、上記式(1−2)〜(1−4)の構造を有することが好ましく、上記式(1−4)の構造を有することがより好ましい。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂において、上記酸変性基は、変性ポリビニルアセタール樹脂の主鎖を構成する炭素に直接結合してもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
また、上記酸変性基を有する構成単位を側鎖に有していてもよい。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、酸変性基を有する構成単位の含有量の好ましい下限が0.01モル%、好ましい上限が20.0モル%である。
上記酸変性基を有する構成単位の含有量が0.01モル%以上であると、エポキシ樹脂との硬化性に優れたものとすることができる。上記酸変性基を有する構成単位の含有量が20.0モル%以下であると、貯蔵安定性を向上させることができる。上記酸変性基を有する構成単位の含有量のより好ましい下限は0.12モル%、更に好ましい下限が0.55モル%、より好ましい上限が15.5モル%、更に好ましい上限が13.0モル%である。上記酸変性基を有する構成単位の含有量は、例えば、NMRにより測定することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、下記式(2−1)で表されるアセタール基を有する構成単位、下記式(2−2)で表される水酸基を有する構成単位及び下記式(2−3)で表されるアセチル基を有する構成単位を有する。
Figure 2019189226
上記式(2−1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
上記Rとしては、水素原子、又は、炭素数1〜12のアルキル基が好ましい。
上記炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。なかでも、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記アセタール基を有する構成単位の含有量(以下、アセタール基量ともいう)の好ましい下限が60モル%、好ましい上限が90モル%である。上記アセタール基量が60モル%以上であると、沈殿法による合成工程において変性ポリビニルアセタール樹脂を充分に析出させることができる。また、アセタール基量が90モル%以下であると、エポキシ樹脂との相溶性を良好なものとすることができる。上記アセタール基量は、より好ましい下限が65モル%、より好ましい上限が85モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂における上記アセトアセタール基量と上記ブチラール基量との比は、6:4〜10:0であることが好ましく、8:2〜10:0であることがより好ましく、9:1〜10:0であることが更に好ましい。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記水酸基を有する構成単位の含有量(以下、水酸基量ともいう)の好ましい下限が15モル%、好ましい上限が35モル%である。上記水酸基量が15モル%以上であると、変性ポリビニルアセタール樹脂の強靱性を充分に高めることができ、得られる架橋体の強度が良好なものとなる。また、上記水酸基量が35モル%以下であると、変性ポリビニルアセタール樹脂の極性が高くなりすぎることがなく、得られる架橋体のひび割れ等の不具合を抑制して、剥離性を良好なものとすることができる。上記水酸基量のより好ましい下限は17モル%、より好ましい上限が30モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記アセチル基を有する構成単位の含有量(以下、アセチル基量ともいう)の好ましい下限が0.1モル%、好ましい上限が25モル%、より好ましい上限が15モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は特に限定されないが、好ましい下限が200、好ましい上限が4000である。上記変性ポリビニルアセタール樹脂の重合度が200以上であると、充分な粘度を有するエポキシ樹脂組成物を得ることができ、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の重合度が4000以下であると、塗工して使用する用途で塗工性を良好なものとしてハンドリングを向上することができる。また、接着力をより向上させることができる。
上記平均重合度は、より好ましい下限が250、より好ましい上限が3000である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂を作製する方法としては、例えば、酸変性基を有する単量体と酢酸ビニルとを共重合させることによって得られたポリ酢酸ビニルをケン化し得られたポリビニルアルコールを、従来公知の方法によりアセタール化する方法が挙げられる。また、未変性のポリビニルアルコールを、従来公知の方法によりアセタール化して得られたポリビニルアセタール樹脂を後変性させることで酸変性基を導入してもよい。
すなわち、上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、酸変性基を有するポリビニルアルコールのアセタール化物であってもよく、無変性のポリビニルアルコールのアセタール化物に酸変性基を導入したものであってもよい。
上記酸変性基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、オレイン酸等のモノカルボン酸、メチレンマロン酸、イタコン酸、2−メチレングルタル酸、2−メチレンアジピン酸、2−メチレンセバシン酸等のジカルボン酸、無水マレイン酸等やその金属塩が挙げられる。
上記アセタール化は、公知の方法を用いることができ、水溶媒中、水と水との相溶性のある有機溶媒との混合溶媒中、あるいは有機溶媒中で行うことが好ましい。
上記水との相溶性のある有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶剤を用いることができる。
上記有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶剤、芳香族有機溶剤、脂肪族エステル系溶剤、ケトン系溶剤、低級パラフィン系溶剤、エーテル系溶剤、アミン系溶剤等が挙げられる。
上記アルコール系有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等が挙げられる。
上記芳香族有機溶剤としては、例えば、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、安息香酸メチル等が挙げられる。
上記脂肪族エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等が挙げられる。
上記ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等が挙げられる。
上記低級パラフィン系溶剤としては、ヘキサン、ペンタン、オクタン、シクロヘキサン、デカン等が挙げられる。
上記エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
上記アミド系溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルテセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトアニリド等が挙げられる。
上記アミン系溶剤としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、ジn−ブチルアミン、トリn−ブチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン等が挙げられる。
これらは、単体で用いることもできるし、2種以上の溶媒を混合で用いることもできる。これらのなかでも、樹脂に対する溶解性及び精製時の簡易性の観点から、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランが特に好ましい。
上記アセタール化は、酸触媒の存在下において行うことが好ましい。
上記酸触媒は特に限定されず、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の鉱酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸や、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いられてもよく、2種以上の化合物を併用してもよい。なかでも、塩酸、硝酸、硫酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
上記アセタール化に用いられるアルデヒドとしては、炭素数1〜10の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基又は芳香族基を有するアルデヒドが挙げられる。これらのアルデヒドとしては、従来公知のアルデヒドを使用できる。上記アセタール化反応に用いられるアルデヒドは、特に限定されるものではなく、例えば、脂肪族アルデヒド、芳香族アルデヒド等が挙げられる。
上記脂肪族アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、アミルアルデヒド等が挙げられる。
上記芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。
これらのアルデヒドは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルデヒドとしては、なかでも、アセタール化反応性に優れ、生成する樹脂に充分な内部可塑効果をもたらし、結果として良好な柔軟性を付与することができるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、n−ノニルアルデヒドが好ましい。また、耐衝撃性及び金属との接着性に特に優れる樹脂組成物を得られることから、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒドがより好ましい。
上記アルデヒドの添加量としては、目的とする変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量にあわせて適宜設定することができる。上記アルデヒドの添加量としては、目的とする変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量にあわせて適宜設定すればよい。特に、ポリビニルアルコール100モル%に対して、60〜95モル%、好ましくは65〜90モル%とすると、アセタール化反応が効率よく行われ、未反応のアルデヒドも除去しやすいため好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、好ましい下限が0.5重量%、好ましい上限が50重量%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量が0.5重量%以上であると、接着剤として用いた際に高い強靭性を発揮することができる。上記含有量が50重量%以下であると、高い接着性を発揮することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、より好ましい下限が1.0重量%、更に好ましい下限が10重量%、より好ましい上限が40重量%、更に好ましい上限が30重量%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、上記エポキシ樹脂及び上記反応性希釈剤の合計100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が50重量部である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量が0.1重量部以上であると、エポキシ樹脂と架橋することで耐衝撃性を向上させることができる。上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量が50重量部以下であると、増粘及び貯蔵安定性の悪化を低減することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、より好ましい下限が10重量部、より好ましい上限が30重量部である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、反応性希釈剤を含有する。
上記反応性希釈剤としては、25℃で液体であり、かつ、25℃における粘度が10.0〜300mPa・s、より好ましくは20.0〜100mPa・sであるものが好ましく用いられる。
上記反応性希釈剤としては、脂肪族アルコールのグリシジルエーテル、多価脂肪酸のグリシジルエステル等の分子内にグリシジル基を有する非環式脂肪族化合物が挙げられる。上記反応性希釈剤としては、分子内にグリシジル基を1〜3個有するものが好ましい。
脂肪族アルコールのグリシジルエーテルとしては、炭素数2〜25のアルキレン構造を有するグリシジルエーテル、炭素数2〜25のアルキレンオキサイド構造を有するジグリシジルエーテル等が挙げられる。また、アルキレンオキサイド構造の繰り返し数(n)は1〜25が好ましく、2〜10がより好ましい。具体的には、ブチルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。なかでも、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルが好ましい。
多価脂肪酸のグリシジルエステルとしては、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート等が挙げられる。
上記分子内にグリシジル基を有する反応性希釈剤は、エポキシ当量(エポキシ基1つ当たりの分子量)の好ましい下限が120、好ましい上限が800である。
上記反応性希釈剤の分子量は、好ましい下限が120、好ましい上限が1500である。
本発明のエポキシ樹脂組成物中、エポキシ樹脂及び上記反応性希釈剤の合計に対して上記反応性希釈剤の含有量は、好ましい下限が1重量%、好ましい上限が50重量%である。
上記反応性希釈剤の含有量が、上記好ましい下限以上、かつ、上記好ましい上限以下であると、硬化後に海島相分離構造が形成されやすいものとすることができる。
上記反応性希釈剤の含有量は、より好ましい下限が5重量%、より好ましい上限が30重量%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量と上記反応性希釈剤の含有量との比(変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量/反応性希釈剤の含有量)は、好ましい下限が0.1、より好ましい下限が0.4、好ましい上限が2、より好ましい上限が1である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含有する。
上記エポキシ樹脂を含有することで、加熱等によりエネルギーを印加することで架橋させることが可能となり、高い接着性を実現することができる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、芳香族系エポキシ樹脂及び脂環式系エポキシ樹脂、複素環系エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記芳香族系エポキシ樹脂としては、多価フェノール類のグリシジルエーテル及びグリシジルエステル、グリシジル芳香族ポリアミン等が挙げられる。
上記多価フェノール類のグリシジルエーテルとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記多価フェノール類のグリシジルエステルとしては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
上記グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。
上記複素環系エポキシ樹脂としては、トリグリシジルイソシアネート、トリグリシジルメラミン等が挙げられる。
上記脂環式系エポキシ樹脂としては、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添フタル酸ジグリシジルエステル、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのエポキシ樹脂のなかでも、接着力を向上させる観点から、芳香族系エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
上記エポキシ樹脂のエポキシ当量(エポキシ基1つ当たりの分子量)は、好ましい下限が90、好ましい上限が700である。
上記エポキシ当量が上記好ましい下限以上であると、硬化不良を起こしにくく、機械的強度を充分に向上させることができる。上記エポキシ当量が上記好ましい上限以下であると、架橋点間分子量が低下し、耐熱性を向上させることができる。
上記エポキシ当量のより好ましい下限は100、より好ましい上限は600である。
上記エポキシ樹脂の分子量は、好ましい下限が100、好ましい上限が5500である。
上記分子量が100以上であると、架橋体の機械的強度や耐熱性を充分に向上させることができる。上記分子量が5500以下であると、架橋体が剛直になりすぎることがなく、充分な強度を有するものとすることができる。
上記分子量は200〜1000であることがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記エポキシ樹脂の含有量は、好ましい下限が0.5重量%、好ましい上限が99.5重量%である。
上記エポキシ樹脂の含有量が0.5重量%以上であると、接着性をより向上させることができる。上記含有量が99.5重量%以下であると、強靭性を向上させることができる。
上記エポキシ樹脂の含有量は、より好ましい下限が1.0重量%、より好ましい上限が90.0重量%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記変性ポリビニルアセタール樹脂に含まれる酸変性基の数、及び、エポキシ基の数の比率(酸変性基の数/エポキシ基の数)は、好ましい下限が0.001、好ましい上限が0.25である。
また、より好ましい下限が0.004、更に好ましい下限が0.005、より好ましい上限が0.23、更に好ましい上限が0.2である。
上記酸変性基の数とエポキシ基の数の比率が上記好ましい下限以上、かつ、上記好ましい上限以下であると、得られるエポキシ樹脂組成物の硬化物の耐衝撃性を向上させることができる。
上記反応性希釈剤の含有量と上記エポキシ樹脂の含有量との比(反応性希釈剤の含有量:エポキシ樹脂の含有量)は、1:99〜50:50であることが好ましく、5:95〜30:70であることがより好ましい。
上記反応性希釈剤の含有量と上記エポキシ樹脂の含有量との比、上記好ましい下限以上、かつ、上記好ましい上限以下であると、硬化後に海島相分離構造が形成されやすいものとして、難被着ポリマーに対する接着性をより向上させることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物中、上記エポキシ樹脂の含有量は、好ましい下限が10重量%、好ましい上限が70重量%である。
上記エポキシ樹脂の含有量が、上記好ましい下限以上、かつ、上記好ましい上限以下であると、難被着ポリマーに対する接着性をより向上させることができる。
上記エポキシ樹脂の含有量は、より好ましい下限が30重量%、より好ましい上限が50重量%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量と上記エポキシ樹脂の含有量との比(ポリビニルアセタール樹脂の含有量/エポキシ樹脂の含有量)は、好ましい下限が2/9、より好ましい下限が2/7、好ましい上限が2、より好ましい上限が1である。
本発明のエポキシ樹脂組成物中、上記反応性希釈剤と上記エポキシ樹脂との合計含有量は、好ましい下限が50重量%、より好ましい下限が60重量%、好ましい上限が90重量%、より好ましい上限が80重量%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ硬化剤を含有することが好ましい。
上記エポキシ硬化剤としては、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、グアニジン系硬化剤、チオール系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が挙げられる。なかでも、イミダゾール系硬化剤が好ましい。
なお、エポキシ硬化剤がエポキシを重合させる前にラジカル重合性硬化剤を用いて反応させた場合には、ラジカル重合開始剤により反応性希釈剤に含まれる(メタ)アクリル基のラジカル重合反応が先に進行するために、硬化後に海島相分離構造を形成されなくなる。
上記アミン系硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリエチレンポリアミン類;1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、メタキシリレンジアミン、ノルボルナンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、又は2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の含環アミン類等が挙げられる。
上記イミダゾール系硬化剤としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、又は1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類等が挙げられる。
上記グアニジン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、ビグアニド、又はn−ブチルグアニジン、グアニルチオウレア等が挙げられる。
上記チオール系硬化剤としては、例えば、トリス(3−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールエタン(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリスブタンジオールビスチオグリコレート、ヘキサンジオールチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、又はペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート等が挙げられる。
上記フェノール樹脂系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等が挙げられる。
上記酸無水物系硬化剤としては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニルコハク酸無水物等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物中、上記エポキシ硬化剤の含有量は、上記ポリビニルアセタール樹脂、上記反応性希釈剤及び上記エポキシ樹脂の合計100重量部に対する好ましい下限が4.5重量部、好ましい上限が20重量部である。
上記エポキシ硬化剤の含有量が4.5重量部以上であると、硬化後に海島相分離構造が形成されやすいものとすることができ、島成分の分散径を好適な範囲に調整しやすいものとすることができる。
上記エポキシ硬化剤の含有量は、より好ましい下限が8重量部、より好ましい上限が15重量部である。
本発明のエポキシ樹脂組成物中、上記エポキシ硬化剤の含有量は好ましい下限が5重量%、より好ましい下限が7重量%、好ましい上限が15重量%、より好ましい上限が13重量%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記ポリビニルアセタール樹脂、上記反応性希釈剤、上記エポキシ樹脂、上記エポキシ硬化剤の他に、更に、無機フィラー、架橋剤、有機溶剤等を含んでいてもよい。
通常、エポキシ樹脂組成物を硬化させた場合、硬化時の加熱により粘度が著しく低下し、流動性が上がることで島成分の偏りが起こりやすくなる。無機フィラーを含むことにより、粘度保持性が向上し、流動性を適切に保持することで、島成分の偏りを防止して、好適な海島相分離構造を形成することが可能となる。
上記無機フィラーとしては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の金属窒化物、酸化ケイ素、タルク等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物中、上記無機フィラーの含有量は、上記エポキシ樹脂及び上記反応性希釈剤の合計100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が30重量部である。
上記架橋剤としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等のハロヒドリン化合物;1,2−ジクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン等のハロゲン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド化合物;尿素、チオ尿素等の尿素化合物;グアニジン、ジグアニド等のグアニジン化合物;シュウ酸、アジピン酸等のジカルボン酸化合物;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸化合物;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ブチル等の不飽和カルボン酸エステル化合物;グリオキサール、グルタルアルデヒド、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、アジピンアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のジアルデヒド類を含むアルデヒド化合物等が挙げられる。これらは単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。これら架橋剤は、必要であれば、水やアルコールなどの有機溶媒に溶かして使用することもできる。
上記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等のエステル類、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテート等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記有機溶剤の含有量は特に限定されないが、10.0重量%以下であることが好ましく、0重量%であることがより好ましい。
有機溶剤の含有量が10.0重量%以下であることにより、硬化阻害を起こしにくくすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、分散剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、せん断速度1/s時の粘度の好ましい下限が150Pa・s、好ましい上限が650Pa・sである。
上記粘度は、レオメーターを用いて25℃の条件で測定することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、チキソトロピックインデックス(TI値)の好ましい下限が2.0、より好ましい下限が3.0、好ましい上限が10.0、より好ましい上限が7.0である。
上記TI値が上記好ましい範囲内であると、エポキシ樹脂組成物を塗工した際の液だれを防止することができる。また、ハンドリング性を向上させて塗工性に優れたものとすることができる。
上記TI値は、25℃、せん断速度1/sの条件で測定した粘度を、25℃、せん断速度10/sの条件で測定した粘度で割ることによって求めることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化させた後に海島相分離構造を有する。
上記海島相分離構造が形成されることで、高い弾性率を保持したまま、耐衝撃性に優れた接着剤を得ることができる。上記硬化は、160℃、1時間の条件で加熱することにより行う。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物も本発明の1つである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、変性ポリビニルアセタール樹脂中のアセトアセタール基量とブチラール基量との比や酸変性基を有する構成単位の含有量を調整することや、変性ポリビニルアセタール樹脂や反応性希釈剤の含有量を調整することにより、硬化させた後に海島相分離構造を形成することができる。
なお、上記海島相分離構造とは、連続相としての反応性希釈剤及びエポキシ樹脂の重合物中に、分散相としてのポリビニルアセタール樹脂が分散した構造を意味する。
また、上記エポキシ樹脂組成物を硬化させた後の硬化物が海島相分離構造を有することは、例えば、得られた硬化物をカミソリ刃やミクロトーム等を用いて切断し、切断面を透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡等の電子顕微鏡や原子間力顕微鏡を用いて観察する方法により確認することができる。また、示差走査熱量計によって得られるT重量部ピーク、動的粘弾性測定によって得られるtanδピークが2峰となって現れること等により確認することができる。
上記硬化させる方法は、加熱による方法が挙げられる。
加熱により熱硬化させる場合、加熱温度は特に限定されないが、120〜220℃であることが好ましい。加熱温度が120℃以上であると、架橋を充分に進行させて強度を良好なものとすることができる。また、加熱温度が220℃以下であると、硬化物の熱劣化が起こることがなく、充分な特性を発揮することができる。上記加熱温度のより好ましい下限は140℃、より好ましい上限は200℃である。
また、加熱時間も特に限定されないが、好ましい下限は20分間、好ましい上限は2時間である。加熱時間が20分間以上であると架橋を充分に進行させて、充分な強度を得ることができる。また、加熱時間が2時間以下であると上記硬化物の熱劣化が起こることがなく、充分な特性を発揮することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させた後に形成される海島相分離構造において、島成分の平均分散径は、上限が5.0μmである。
上記島成分の平均分散径が5.0μm以下であると、耐衝撃性向上及び弾性率を維持することができる。
上記島成分の平均分散径は、好ましい下限が0.05μm、好ましい上限が2.0μmである。
なお、上記島成分の平均分散径は、例えば、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡等の電子顕微鏡観察により測定することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させた後に形成される海島相分離構造において、島成分の扁平率は0〜0.5であることが好ましく、0〜0.25であることがより好ましい。
上記扁平率が上記好ましい範囲であると、応力分散性に優れたものとすることができる。
なお、上記扁平率は、島線分の長径(a)に対する長径(a)と短径(b)の差の割合(1−(b/a))であり、例えば、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡等の電子顕微鏡観察により測定することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させた後に形成される海島相分離構造において、10μm×10μm当たりの島成分の数は、50〜1000個であることが好ましく、500〜950個であることがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させた後に形成される海島相分離構造において、海成分と島成分との体積比は、9:1〜5:5であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、昇温速度6℃/minの条件で測定したtanδの好ましい下限が0.36、より好ましい下限が0.41、更に好ましい下限が0.47、好ましい上限が0.68、より好ましい上限が0.62、更に好ましい上限が0.57である。
tanδ(損失正接)とは、動的粘弾性測定による貯蔵弾性率(G’)に対する損失弾性率(G’’)の比(損失弾性率G’’/貯蔵弾性率G’)をいう。
上記tanδは、例えば、動的粘弾性測定装置により測定することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物中、上記変性ポリビニルアセタール樹脂を除いた組成物を硬化させた硬化物のtanδに対する上記tanδの変化率は、0〜30%であることが好ましく、0〜20%であることがより好ましく、0〜10%であることが更に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物のヘイズ値は、25%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましく、45%以上であることが更に好ましい。
上記ヘイズ値は、ヘイズメーターにより測定することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、通常のポリビニルアセタール樹脂が使用されている用途に好適に用いることができ、例えば、セラミック成形体、金属ペースト、熱現像性感光材料、塗料、インキ、反射シート等を製造するための塗工溶液を得ることができる。また、ディスプレイ向けフィルム用接着剤、セラミック積層体の層間接着剤、自動車、建築物等の構造接着剤等の接着剤に使用することができる。
本発明によれば、エポキシ樹脂特有の高弾性率を維持しつつ、可撓性を付与することで耐衝撃性と機械強度を両立することができ、更に、混合による増粘を低減して、耐熱性、貯蔵安定性、耐溶剤性にも優れるエポキシ樹脂組成物を提供できる。
実施例1で得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物の切断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物の切断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75g、ブチルアルデヒド10gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度1500、鹸化度98.8モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子)を1.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:1.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂20重量部、反応性希釈剤20重量部、エポキシ樹脂80重量部、硬化剤としてジシアンジアミド3.0重量部、イミダゾール化合物2.0重量部、無機フィラー20.0重量部を混合し、エポキシ樹脂組成物を作製した。
なお、原料としては、以下のものを用いた。
(エポキシ樹脂)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER828、三菱化学社製、エポキシ当量190、分子量370)
(反応性希釈剤)
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(EX920、ナガセケムテックス社製、エポキシ当量176、分子量350)
(硬化剤)
ジシアンジアミド(DICY7、三菱化学社製)
イミダゾール化合物(jERキュアEMI24、三菱化学社製)
(無機フィラー)
炭酸カルシウム(ホワイトンP−30、白石カルシウム社製)
(実施例2)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150重量部とアセトアルデヒド75g、ブチルアルデヒド10gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2600、鹸化度98.8モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子)を1.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:1.0モル%)を有することが確認できた。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例3)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75g、ブチルアルデヒド10gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度1500、鹸化度98.8モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子)を2.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:2.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例4)
ポリビニルアルコール200重量部を純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75g、ブチルアルデヒド10gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度1500、鹸化度98.8モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子)を10.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:10.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例5)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド80gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度1500、鹸化度98.8モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子)を1.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:1.0モル%)を有することが確認できた。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例6〜9)
実施例1で得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用い、ポリビニルアセタール樹脂の添加量、反応性希釈剤の種類及び添加量を表1に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
なお、実施例8における反応性希釈剤としては、以下のものを用いた。
(反応性希釈剤)
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(EX212、ナガセケムテックス社製、エポキシ当量151、分子量300)
(実施例10)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド70gとブチルアルデヒド8gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度1500、鹸化度98.8モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子)を18.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:18.0モル%)を有することが確認できた。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例11)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド50gとブチルアルデヒド50gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度1500、鹸化度98.8モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子)を1.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:1.0モル%)を有することが確認できた。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例12)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとブチルアルデヒド10gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度320、鹸化度98.8モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子)を0.05モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:0.05モル%)を有することが確認できた。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例13)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとブチルアルデヒド10gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度1500、鹸化度98.8モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子)を23.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:23.0モル%)を有することが確認できた。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例14及び15)
実施例1で得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用い、ポリビニルアセタール樹脂の添加量、反応性希釈剤の種類及び添加量を表1に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(比較例1)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75g、ブチルアルデヒド10gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度1500、鹸化度98.8モル%のポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、酸変性基を有する構成単位を有することが確認できなかった。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(比較例2)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド150gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度1500、鹸化度98.8モル%のポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、酸変性基を有する構成単位を有することが確認できなかった。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(比較例3)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド25g、ブチルアルデヒド80gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度1500、鹸化度98.8モル%のポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、酸変性基を有する構成単位を有することが確認できなかった。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(比較例4〜6)
比較例1で得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用い、ポリビニルアセタール樹脂の添加量、反応性希釈剤の種類及び添加量を表1に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
なお、比較例5における反応性希釈剤としては、以下のものを用いた。
(反応性希釈剤)
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(EX521、ナガセケムテックス社製、エポキシ当量183、分子量900)
<評価>
実施例及び比較例で得られたエポキシ樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(粘度及びチキソトロピックインデックス(TI値)の測定)
得られたエポキシ樹脂組成物について、コーンプレート型粘度計Gemini(Bohlin Instruments製)を用いて、25℃の条件で粘度を測定し、せん断速度1/s時の粘度をせん断速度10/s時の粘度で割ることでTI値を求めた。
(海島相分離構造の確認)
エポキシ樹脂組成物を160℃で1時間加熱して硬化させ、硬化物を作製した。
得られた硬化物を、クライオミクロトーム(LEICA社製:UC7)を用いて厚さ70nmとなるように切り出し、測定サンプルとして用いた。具体的には、硬化物をトリミングした小片を2%オスミウム酸水溶液で、60℃で12時間染色した後に洗浄した。その後、硬化物の小片の温度を−20℃とし、厚さ方向の中央部分を、厚さ方向とは垂直方向に、クライオミクロトームを用いて切断し、更に厚さ70nmとなるように切り出して測定サンプルを作製した。得られた測定サンプルの切断面を電子顕微鏡で観察し、連続相としての反応性希釈剤及びエポキシ樹脂の重合物中に、分散相としてのポリビニルアセタール樹脂が分散した構造を確認することにより、海島相分離構造の有無を確認した。
なお、実施例1で得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物の切断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真を図1及び2に示す。
(島成分の平均分散径の測定)
(海島相分離構造の確認)で得られた硬化物の切断面を透過型電子顕微鏡で観察し、島成分(分散相)200個のフェレー粒径を測定し、平均値を算出することにより、平均分散径を測定した。
(島成分の扁平率の測定)
(海島相分離構造の確認)で得られた硬化物の切断面を透過型電子顕微鏡で観察し、島成分(分散相)200個の長径に対する短径の割合を求め、平均値を算出することにより、扁平率を測定した。
(島成分の数の確認)
(海島相分離構造の確認)で得られた硬化物の切断面を透過型電子顕微鏡で観察し、10μm×10μm当たりの島成分の数を確認した。
(tanδ変化率の測定)
(海島相分離構造の確認)で得られた硬化物について、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製:DVA−200)によりtanδを測定した。
また、各実施例及び比較例で得られたエポキシ樹脂組成物においてポリビニルアセタール樹脂を添加せずに樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物を160℃で1時間加熱して硬化させ、硬化物を作製し、得られた硬化物(PVB無添加系)について、同様にtanδを測定し、以下の式によりtanδ変化率(%)を求めた。
tanδ変化率=(硬化物のtanδ/硬化物(PVB無添加系)のtanδ)×100
(耐衝撃性)
得られた樹脂組成物を型に流し込み、160℃で1時間加熱することにより樹脂硬化物を得た。得られた樹脂硬化物について、JIS K 7111に準拠した方法により、デジタル衝撃試験機DG−UB型(東洋精機製作所社製)を用いてシャルピー衝撃試験を行い、樹脂硬化物を破壊させたときのシャルピー衝撃値(kJ/m)を測定することにより、耐衝撃性を評価した。
(破断時伸び、弾性率)
得られたエポキシ樹脂組成物を離型処理されたテフロン(登録商標)製の試験片型に流し込み、160℃で1時間加熱することによりダンベル状1号形(JIS K 7161)試験片を作製した。
得られた試験片について、JIS K 7161に準拠した方法により、AUTOGRAPH(AGS−J、島津製作所社製)を用いて引張速度5mm/min条件にて破断時伸び(%)及び弾性率(MPa)を測定した。
(T字剥離強度)
JIS K 6854−3に準拠した方法により、得られた樹脂組成物をSPCC鋼板に塗工し、SPCC鋼板2枚を樹脂組成物により貼り合わせ、160℃で1時間加熱して樹脂組成物を硬化させた後、剥離角度180度、剥離速度200mm/minの条件で、T字剥離強度(N/25mm)を測定した。
(初期粘度)
得られたエポキシ樹脂組成物について、コーンプレート型粘度計Gemini(Bohlin Instruments製)を用いて、25℃、せん断速度20s−1における粘度(Pa・s)を測定し、以下の基準で評価した。
◎:粘度が2.0以上、3.0Pa・s未満
○:粘度が3.0以上、5.0Pa・s未満
△:粘度が5.0以上、7.0Pa・s未満
×:粘度が7.0Pa・s以上
(貯蔵安定性)
得られたエポキシ樹脂組成物を40℃のオーブン中に放置し、作製直後と30日後の粘度(Pa・s)をコーンプレート型粘度計Gemini(Bohlin Instruments製)を用いて測定し、粘度の変化率(%)を確認し、以下の基準で評価した。
◎:粘度変化率が5%未満
△:粘度変化率が5%以上、30%未満
×:粘度変化率が30%以上
(耐熱性)
JIS K 6854−3に準拠した方法により、得られた樹脂組成物をSPCC鋼板に塗工し、SPCC鋼板2枚を樹脂組成物により貼り合わせ、160℃で1時間加熱して樹脂組成物を硬化させT字剥離強度試験片を得た。その後、80℃のオーブン中に放置し、作製直後と30日後の試験片について、剥離角度180度、剥離速度200mm/minの条件で、T字剥離強度(N/25mm)を測定し、T字剥離強度の変化率(%)を確認し、以下の基準で評価した。
◎:T字剥離強度の変化率が10%未満
△:T字剥離強度の変化率が10%以上、20%未満
×:T字剥離強度の変化率が20%以上
(耐溶剤性)
得られた樹脂組成物をアルミシート上に塗布することで、厚み50μmのシートを作製した。得られたシートをエタノール/トルエン混合溶剤(重量比1:1)に24時間浸漬した際の浸漬前の重量からの重量変化率[(浸漬後の重量/浸漬前の重量)×100](%)を算出し、以下の基準で評価した。
◎:重量変化率が95%以上
〇:重量変化率が85%以上、95%未満
△:重量変化率が75%以上、85%未満
×:重量変化率が75%未満
Figure 2019189226
本発明によれば、エポキシ樹脂特有の高弾性率を維持しつつ、可撓性を付与することで耐衝撃性と機械強度を両立することができ、更に、混合による増粘を低減して、耐熱性、貯蔵安定性、耐溶剤性にも優れるエポキシ樹脂組成物を提供できる。

Claims (11)

  1. 酸変性基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂、反応性希釈剤、及び、エポキシ樹脂を含有し、
    硬化させた後に海島相分離構造を有するエポキシ樹脂組成物。
  2. 海島相分離構造中の島成分の平均分散径が5.0μm以下であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 変性ポリビニルアセタール樹脂における、酸変性基を有する構成単位の含有量が0.01〜20.0モル%であることを特徴とする請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール基量が60〜90モル%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基量が0.1〜25モル%であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 変性ポリビニルアセタール樹脂における、アセトアセタール基量とブチラール基量との比が6:4〜10:0であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量が、反応性希釈剤及びエポキシ樹脂の合計量100重量部に対して、0.1〜50重量部であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 反応性希釈剤の含有量が、エポキシ樹脂及び反応性希釈剤の合計に対して1〜50重量%であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 反応性希釈剤は、分子内に1〜3個のグリシジル基を有する非環式脂肪族化合物であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 反応性希釈剤の含有量とエポキシ樹脂の含有量との比が1:99〜50:50であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載のエポキシ樹脂組成物。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させたものである硬化物。
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