JP2021036060A - エポキシ樹脂系接着剤組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂系接着剤組成物 Download PDF

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Shiori Tateno
栞 立野
貴之 前田
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貴之 前田
山内 健司
Kenji Yamauchi
健司 山内
幸雄 落谷
Yukio Ochitani
幸雄 落谷
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Abstract

【課題】本発明は、貯蔵安定性に優れ、高い強度及び優れた接着性を有し、異種材料の接着に用いた際の剥がれを抑制することができ、耐久性に優れた構造体を得ることが可能なエポキシ樹脂系接着剤組成物を提供することを目的とする。また、用いるポリビニルアセタール樹脂がエポキシ樹脂との相溶性に優れることから、溶剤を用いない用途での改質剤としても利用可能なエポキシ樹脂系接着剤組成物を提供することを目的とする。【解決手段】アリール基を含むアセタール基を有する構成単位を含有するポリビニルアセタール樹脂と、エポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂系接着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、貯蔵安定性に優れ、高い強度及び優れた接着性を有し、異種材料の接着に用いた際の剥がれを抑制することができ、耐久性に優れた構造体を得ることが可能なエポキシ樹脂系接着剤組成物に関する。また、用いるポリビニルアセタール樹脂がエポキシ樹脂との相溶性に優れることから、溶剤を用いない用途での改質剤としても利用可能なエポキシ樹脂系接着剤組成物に関する。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールを原料として合成される樹脂であり、側鎖にアセチル基と水酸基、そしてアセタール基を有することによって、優れた強靭性、接着性、架橋性、吸湿性を発現することができる。また、側鎖基の比率を変化させることによって樹脂物性を変化させることが可能となる。このような特性を利用して自動車用合わせガラス中間膜やセラミックグリーンシート等幅広い用途に使用されている。
現在、ポリビニルアセタール樹脂の側鎖に、アセチル基、水酸基、アセタール基以外の官能基を導入することによって、樹脂物性の向上を図ることや、新たな機能発現を目指す試みが進められている。
しかしながら、ポリビニルアセタール樹脂は、金属材料との接着力が充分ではないという問題があった。また、硬化時の加熱処理を行った際に、金属材料との収縮率の差により、反りや剥離等が生じる原因となっていた。
また、特許文献1〜4には、エポキシ樹脂を用いた接着剤が記載されているが、これらの接着剤は、樹脂の強度が不充分であり、金属材料との接着力が不充分となったりするという問題があった。
また、従来のポリビニルアセタール樹脂は、エポキシ樹脂との相溶性が悪く、無溶剤の組成物の分離や硬化阻害が生じ、溶剤を用いない用途での改質剤として利用できないという問題があった。
特表2008−531817号公報 特表2002−517595号公報 特開2015−108077号公報 特開平6−212138号公報
本発明は、上記現状に鑑み、貯蔵安定性に優れ、高い強度及び優れた接着性を有し、異種材料の接着に用いた際の剥がれを抑制することができ、耐久性に優れた構造体を得ることが可能なエポキシ樹脂系接着剤組成物を提供することを目的とする。また、用いるポリビニルアセタール樹脂がエポキシ樹脂との相溶性に優れることから、溶剤を用いない用途での改質剤としても利用可能なエポキシ樹脂系接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、アリール基を含むアセタール基を有する構成単位を含有するポリビニルアセタール樹脂とエポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂系接着剤組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、アリール基を含むアセタール基を有する構成単位を含有するポリビニルアセタール樹脂は、エポキシ樹脂との相溶性が高く、エポキシ樹脂と併用した場合、優れた架橋性を発現することができ、充分な強度を有する架橋体が得られることを見出した。また、異種材料の接着に用いた際に、反りや剥がれを抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物は、アリール基を含むアセタール基を有する構成単位を含有するポリビニルアセタール樹脂を含有する。
このようなポリビニルアセタール樹脂を含有することで、エポキシ樹脂と併用した場合に、エポキシ樹脂との相溶性を向上させて、組成物の分離を抑制することができる。また、アリール基を含むアセタール基を有する構成単位を含有するポリビニルアセタール樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂等の芳香族系エポキシ樹脂との相溶性を特に向上させることができる。更に、架橋後に得られる架橋体は、高い機械的強度を有しつつ、適度な弾性を有するものとなり、異種材料の接着に用いた際、接着部分の剥離を抑制して、耐久性に優れたものとすることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アリール基を含むアセタール基を有する構成単位を含有する。
上記アリール基としては、単環式でもよく、多環式でもよい。また、上記アリール基は、1個又は2個以上の水素原子が、アルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基、ハロゲン、ニトロ基、リン酸基、アシル基又は、それらの塩等によって置換されたものであってもよい。更に、上記アリール基は、環構成原子として酸素原子、窒素原子又は硫黄原子等のヘテロ原子を含むものであってもよい。
上記アリール基がアルキル基によって置換されている場合、上記アルキル基としては、炭素数1〜12であるものが好ましく、1〜5であるものがより好ましい。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
上記アリール基の炭素数は4〜14であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。
上記単環式のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、o−プロピルフェニル基、m−プロピルフェニル基、p−プロピルフェニル基、o−イソプロピルフェニル基、m−イソプロピルフェニル基、p−イソプロピルフェニル基等のアルキルフェニル基等が挙げられる。
上記多環式のアリール基としては、環集合式のアリール基であってもよく、縮合多環式のアリール基であってもよい。上記環集合式のアリール基としては、ビフェニル基、メチルビフェニル基、ジメチルビフェニル基、トリメチルビフェニル基、テトラメチルビフェニル基、エチルビフェニル基、ジエチルビフェニル基、トリエチルビフェニル基、テトラエチルビフェニル基のアルキルビフェニル基等が挙げられる。上記縮合多環式のアリール基としては、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のアルキルナフチル基等が挙げられる。
上記アリール基を含むアセタール基を有する構成単位としては、例えば、下記式(1)に示す構成単位が挙げられる。
Figure 2021036060
式(1)中、Rは、単結合、又は、アルキレン基を表し、Rは、アリール基を表す。
上記式(1)中、Rがアルキレン基である場合、該アルキレン基の炭素数の好ましい下限は1、好ましい上限は12である。上記アルキレン基の炭素数が12を超えると、最適な強度が得られないことがある。上記Rがアルキレン基である場合、上記アルキレン基の炭素数のより好ましい上限は5である。
上記式(1)中、Rがアルキレン基である場合、該アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等の直鎖状アルキレン基、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等の分岐状アルキレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロヘキシレン基等の環状アルキレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基等の直鎖状アルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基がより好ましい。
上記Rで表されるアリール基は、炭素数の好ましい下限が4、より好ましい下限が6、好ましい上限が14、より好ましい上限が12、更に好ましい上限が10である。
上記ポリビニルアセタール樹脂において、上記アリール基を含むアセタール基を有する構成単位は、式(1)中、Rが単結合、Rが炭素数4〜14のアリール基であることが好ましく、Rが単結合、Rが単環式のアリール基であることがより好ましく、Rが単結合、Rがフェニル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基であることが更に好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アリール基を含むアセタール基を有する構成単位の含有量の好ましい下限が0.05モル%、好ましい上限が65.0モル%である。
上記アリール基を含むアセタール基を有する構成単位の含有量が0.05モル%以上であると、ポリビニルアセタール樹脂とエポキシ樹脂との相溶性を充分なものとすることができる。上記アリール基を含むアセタール基を有する構成単位の含有量が65.0モル%以下であると、アセタール化を充分に進行させることができる。上記アリール基を含むアセタール基を有する構成単位の含有量のより好ましい下限は0.10モル%、更に好ましい下限は0.20モル%、特に好ましい下限は0.50モル%、より好ましい上限は50.0モル%、更に好ましい上限は40.0モル%、特に好ましい上限は30.0モル%である。
上記アリール基を含むアセタール基を有する構成単位の含有量はNMR等で測定可能である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、下記式(2)で表される水酸基を有する構成単位、下記式(3)で表されるアセチル基を有する構成単位、下記式(4)で表されるアセタール基を有する構成単位を有するものであることが好ましい。
Figure 2021036060
式(4)中、Rは水素原子、または、炭素数1〜20のアルキル基を表す。
上記炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、上記式(4)で表されるアセタール基を有する構成単位の含有量の好ましい下限が60.0モル%、より好ましい下限が65.0モル%、好ましい上限が80.0モル%、より好ましい上限が75.0モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基を有する構成単位の含有量(以下、全アセタール基量ともいう)は、単独アルデヒド、混合アルデヒドのいずれのアセタール化を用いる場合でも、好ましい下限が60モル%、好ましい上限は90モル%である。全アセタール基量が60モル%以上であると、沈殿法による合成工程においてポリビニルアセタール樹脂を充分に析出させることができる。また、全アセタール基量が90モル%以下であると、エポキシ樹脂との相溶性を良好なものとすることができる。上記全アセタール基量は、より好ましい下限が65モル%、より好ましい上限が85モル%である。上記ポリビニルアセタール樹脂の全アセタール基量はNMR等で測定可能である。
上記ポリビニルアセタール樹脂における、上記全アセタール基量に対する上記アリール基を含むアセタール基を有する構成単位の含有量の割合(モル%)([アリール基を含むアセタール基を有する構成単位の含有量/全アセタール基量]×100)は、好ましい下限が0.70モル%、より好ましい下限が7.5モル%、好ましい上限が71.4モル%、より好ましい上限が16.1モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、水酸基を有する構成単位の含有量(以下、水酸基量ともいう)の好ましい下限が10モル%、好ましい上限が50モル%である。上記水酸基量が10モル%以上であると、ポリビニルアセタール樹脂の強靱性を充分に高めることができ、得られる架橋体の強度が良好なものとなる。また、上記水酸基量が50モル%以下であると、ポリビニルアセタール樹脂の極性が高くなりすぎることがなく、得られる架橋体のひび割れ等の不具合を抑制して、剥離性を良好なものとすることができる。上記水酸基量は、より好ましい下限が15モル%、更に好ましい下限が17モル%、より好ましい上限が35モル%、更に好ましい上限が30モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基を有する構成単位の含有量(以下、アセチル基量ともいう)の好ましい下限が0.05モル%、より好ましい下限が0.1モル%、更に好ましい下限が0.5モル%、好ましい上限が30.0モル%、より好ましい上限が15.0モル%、更に好ましい上限が5.0モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂の重合度は特に限定されないが、好ましい下限が150、好ましい上限が4000であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂の重合度が150以上であると、充分な粘度を有するエポキシ樹脂系接着剤組成物を得ることができ、上記ポリビニルアセタール樹脂の重合度が4000以下であると、塗工して使用する用途で塗工性を良好なものとしてハンドリングを向上することができる。また、接着力をより向上させることができる。上記重合度は、より好ましい下限が200、更に好ましい下限が400、より好ましい上限が1000、更に好ましい上限が800である。
上記ポリビニルアセタール樹脂を作製する方法としては、例えば、アリール基を有するアルデヒドを用いてポリビニルアルコールをアセタール化する方法等が挙げられる。
上記アリール基を有するアルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、ジメチルベンズアルデヒド、トリメチルベンズアルデヒド、テトラメチルベンズアルデヒド、ペンタメチルベンズアルデヒド、o−エチルベンズアルデヒド、m−エチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、ジエチルベンズアルデヒド、トリエチルベンズアルデヒド、o−プロピルベンズアルデヒド、m−プロピルベンズアルデヒド、p−プロピルベンズアルデヒド、o−イソプロピルベンズアルデヒド、m−イソプロピルベンズアルデヒド、p−イソプロピルベンズアルデヒド(クミンアルデヒド)等のアルキルベンズアルデヒド、ビフェニルアルデヒド、メチルビフェニルアルデヒド、ジメチルビフェニルアルデヒド、トリメチルビフェニルアルデヒド、テトラメチルビフェニルアルデヒド、エチルビフェニルアルデヒド、ジエチルビフェニルアルデヒド、トリエチルビフェニルアルデヒド、テトラエチルビフェニルアルデヒド等のアルキルビフェニルアルデヒド、ナフチルアルデヒド、メチルナフチルアルデヒド、エチルナフチルアルデヒド、ジメチルナフチルアルデヒド、ジエチルナフチルアルデヒド等のアルキルナフチルアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アセタール化は、公知の方法を用いることが出来、水溶媒中、水と水との相溶性のある有機溶媒との混合溶媒中、あるいは有機溶媒中で行うことが好ましい。
上記水との相溶性のある有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶剤を用いることが出来る。
上記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系有機溶剤;キシレン、トルエン、エチルベンゼン、安息香酸メチル等の芳香族有機溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等の脂肪族エステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶剤;ヘキサン、ペンタン、オクタン、シクロヘキサン、デカン等の低級パラフィン系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルテセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトアニリド等のアミド系溶剤、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、ジn−ブチルアミン、トリn−ブチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン等のアミン系溶剤等が挙げられる。これらは、単体で用いることもできるし、2種以上の溶媒を混合で用いることもできる。これらのなかでも、樹脂に対する溶解性および、精製時の簡易性の観点から、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランが特に好ましい。
上記アセタール化は、酸触媒の存在下において行うことが好ましい。
上記酸触媒は特に限定されず、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の鉱酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸や、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いられてもよく、2種以上の化合物を併用してもよい。なかでも、塩酸、硝酸、硫酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
また、上記アセタール化の際に上記アリール基を有するアルデヒド以外のアルデヒド(以下、他のアルデヒドともいう)を併用してもよい。上記他のアルデヒドは、特に限定されるものではなく、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクテルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、アミルアルデヒド等の脂肪族アルデヒドが挙げられる。これらのアルデヒドは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アセタール化の際に、アリール基を有するアルデヒドと他のアルデヒドとを併用する場合、全アルデヒドの添加量に対するアリール基を有するアルデヒドの添加量の割合(モル%)([アリール基を有するアルデヒドの添加量/全アルデヒドの添加量]×100)は、0.4〜90.0モル%であることが好ましい。上記アリール基を有するアルデヒドの添加量の割合を上記好ましい範囲内とすることにより、得られるポリビニルアセタール樹脂におけるアリール基を含むアセタール基を有する構成単位の割合を好適な範囲として、エポキシ樹脂との相溶性を特に向上させることができる。
上記アセタール化の際に、アリール基を有するアルデヒドと他のアルデヒドとを併用する場合、得られるポリビニルアセタール樹脂のエポキシ樹脂との相溶性を向上させることができることから、全アルデヒドを同時に添加する方法が好ましい。
上記全アルデヒドの添加量としては、目的とするポリビニルアセタール樹脂の全アセタール基量にあわせて適宜設定する事が出来る。特に、ポリビニルアルコール100モル%に対して、60〜95モル%、好ましくは70〜90モル%とすると、アセタール化反応が効率よく行われ、未反応のアルデヒドも除去しやすいため好ましい。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物において、上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、エポキシ樹脂100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が50重量部である。
上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量が1重量部以上であると、接着剤として用いた際に高い強靭性を発揮することができる。上記含有量が50重量部以下であると、高い接着性を発揮することができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、より好ましい下限が5重量部、より好ましい上限が30重量部である。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物は、エポキシ樹脂を含有する。
上記エポキシ樹脂を含有することで、加熱等によりエネルギーを印加することで架橋させることが可能となり、高い接着性を実現することができる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、芳香族系エポキシ樹脂、複素環系エポキシ樹脂及び脂肪族系エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記芳香族系エポキシ樹脂としては、多価フェノール類のグリシジルエーテル及びグリシジルエステル、グリシジル芳香族ポリアミン等が挙げられる。
上記多価フェノール類のグリシジルエーテルとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記多価フェノール類のグリシジルエステルとしては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
上記グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。
複素環系エポキシ樹脂としては、トリグリシジルイソシアネート、トリグリシジルメラミン等が挙げられる。
脂肪族系エポキシ樹脂としては、脂肪族アルコールのグリシジルエーテル、多価脂肪酸のグリシジルエステル等が挙げられる。
脂肪族アルコールのグリシジルエーテルとしては、ブチルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価脂肪酸のグリシジルエステルとしては、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのエポキシ樹脂のなかでも、接着力を向上させる観点から、芳香族系エポキシ樹脂を用いることが好ましく、芳香族系エポキシ樹脂と脂肪族系エポキシ樹脂とを用いることがより好ましい。
上記エポキシ樹脂のエポキシ当量(エポキシ基1つ当たりの分子量)は、好ましい下限が90、好ましい上限が700である。
上記エポキシ当量が上記好ましい下限以上であると、硬化不良を起こしにくく、機械的強度を充分に向上させることができる。上記エポキシ当量が上記好ましい上限以下であると、架橋点間分子量が低下し、耐熱性を向上させることができる。
上記エポキシ当量のより好ましい下限は100、より好ましい上限は600である。
上記エポキシ樹脂の分子量は、好ましい下限が100、好ましい上限が5500である。
上記分子量が100以上であると、架橋体の機械的強度や耐熱性を充分に向上させることができる。上記分子量が5500以下であると、架橋体が剛直になりすぎることがなく、充分な強度を有するものとすることができる。
上記分子量のより好ましい下限は200、より好ましい上限は1000である。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物において、上記エポキシ樹脂の含有量は、好ましい下限が0.5重量%、好ましい上限が99.5重量%である。
上記エポキシ樹脂の含有量が0.5重量%以上であると、接着性をより向上させることができる。上記含有量が99.5重量%以下であると、強靭性を向上させることができる。
上記エポキシ樹脂の含有量は、より好ましい下限が1.0重量%、より好ましい上限が90.0重量%である。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物において、上記芳香族系エポキシ樹脂の含有量と上記脂肪族系エポキシ樹脂の含有量との比(芳香族系エポキシ樹脂の含有量/脂肪族系エポキシ樹脂の含有量)は、50/50〜99/1であることが好ましく、80/20〜95/5であることがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物は、更に、上記ポリビニルアセタール樹脂、上記エポキシ樹脂の他に架橋剤を含んでもよい。
上記架橋剤としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等のハロヒドリン化合物;1,2−ジクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン等のハロゲン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド化合物;尿素、チオ尿素等の尿素化合物;グアニジン、ジグアニド等のグアニジン化合物;シュウ酸、アジピン酸等のジカルボン酸化合物;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸化合物;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ブチル等の不飽和カルボン酸エステル化合物;グリオキサール、グルタルアルデヒド、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、アジピンアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のジアルデヒド類を含むアルデヒド化合物等が挙げられる。これらは単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。これら架橋剤は、必要であれば、水やアルコールなどの有機溶媒に溶かして使用することもできる。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物は、更に、硬化剤、硬化促進剤、有機溶剤を含んでもよい。
上記硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物、芳香族アミン化合物、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等が挙げられる。なかでも、ジシアンジアミドが好ましい。
硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物、リン化合物、アミン化合物及び有機金属化合物等が挙げられる。なかでも、イミダゾール化合物が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物中の上記硬化剤の含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.5重量部、より好ましい下限が1.0重量部、好ましい上限が100重量部、より好ましい上限が50重量部である。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物中の上記硬化促進剤の含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.5重量部、より好ましい下限が1.0重量部、好ましい上限が30重量部、より好ましい上限が10重量部である。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物において、上記硬化剤の含有量と上記硬化促進剤の含有量との比(硬化剤の含有量/硬化促進剤の含有量)は、0.5/2〜20/2であることが好ましく、3/2〜8/2であることがより好ましい。
上記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等のエステル類、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテート等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物中の上記有機溶剤の含有量は、好ましい上限が5.0重量%であり、0重量%であることが特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、分散剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物を架橋させる方法は、加熱による方法が挙げられる。加熱により熱硬化させる場合、加熱温度は特に限定されないが、50〜170℃であることが好ましい。加熱温度が50℃以上であると、架橋を充分に進行させて強度を良好なものとすることができる。また、加熱温度が170℃以下であると、上記ポリビニルアセタール樹脂の熱劣化が起こることがなく、充分な特性を発揮することができる。上記加熱温度のより好ましい下限は60℃、より好ましい上限は150℃である。
また、加熱時間も特に限定されないが、好ましい下限は5分間、好ましい上限は10時間である。加熱時間が5分間以上であると架橋を充分に進行させて、充分な強度を得ることができる。また、加熱時間が10時間以下であると上記ポリビニルアセタール樹脂の熱劣化が起こることがなく、充分な特性を発揮することができる。
本発明のエポキシ樹脂系接着剤組成物は、従来公知の方法により成形体、硬化体とすることにより、電気部品・電子機器及びその材料の接着剤、その他、航空機部材、自動車部材、建築部材等の接着剤として好適に用いることができる。
本発明によれば、貯蔵安定性に優れ、高い強度及び優れた接着性を有し、異種材料の接着に用いた際の剥がれを抑制することができ、耐久性に優れた構造体を得ることが可能なエポキシ樹脂系接着剤組成物を提供することができる。また、用いるポリビニルアセタール樹脂がエポキシ樹脂との相溶性に優れることから、溶剤を用いない用途での改質剤としても利用可能なエポキシ樹脂系接着剤組成物を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度1000、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてベンズアルデヒド7g及びアセトアルデヒド100gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(フェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は0.5モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂10gに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER 828、エポキシ当量190、分子量370)90g、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、EX−920、エポキシ当量176)10g、硬化剤としてジシアンジアミド(三菱化学社製、DICY)3g、硬化促進剤としてイミダゾール化合物(三菱化学社製、jERキュアEMI24)2gを添加し、エポキシ樹脂系接着剤組成物を作製した。
得られたエポキシ樹脂系接着剤組成物を離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、乾燥後の膜厚が20μmになるように塗工し、160℃で乾燥することで樹脂シートを作製した。
(実施例2)
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)において、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に代えて、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER 807、エポキシ当量170、分子量350)を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例3〜6)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてベンズアルデヒド7g及びアセトアルデヒド100gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(フェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は0.5モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例7〜10)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてベンズアルデヒド20g及びアセトアルデヒド100gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(フェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は5.0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例11及び12)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてベンズアルデヒド40g及びアセトアルデヒド95gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(フェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は10.0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例13及び14)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてベンズアルデヒド50g及びアセトアルデヒド90gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(フェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は20.0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例15及び16)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてベンズアルデヒド65g及びアセトアルデヒド85gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(フェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は30.0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例17)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてクミンアルデヒド10g及びアセトアルデヒド100gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(p−イソプロピルフェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は0.5モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例18)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてクミンアルデヒド30g及びアセトアルデヒド100gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(p−イソプロピルフェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は5.0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例19)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてクミンアルデヒド60g及びアセトアルデヒド95gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(p−イソプロピルフェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は10.0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例20)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてクミンアルデヒド75g及びアセトアルデヒド90gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(p−イソプロピルフェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は20.0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例21)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてクミンアルデヒド90g及びアセトアルデヒド85gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(p−イソプロピルフェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は30.0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例22及び23)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度250、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてベンズアルデヒド7g及びアセトアルデヒド100gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(フェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は0.5モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例24及び25)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度250、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてベンズアルデヒド20g及びアセトアルデヒド100gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(フェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は5.0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例26)
実施例22で得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例27)
実施例24で得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(実施例28)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてベンズアルデヒド250gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は65.0モル%、アリール基(フェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は65.0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は32.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(比較例1)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度1200、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてアセトアルデヒド100gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
(比較例2)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてアセトアルデヒド100gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
(エポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートの作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用い、表1に示す通りにポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系接着剤組成物及び樹脂シートを作製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂系接着剤組成物、樹脂シートについて以下の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)貯蔵安定性
トルエン及びエタノールを重量比1:1で混合した溶媒90gにエポキシ樹脂系接着剤組成物10gを加え溶解し、溶液サンプルを作製した。得られた溶液サンプルについて、レオメーター(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、HAAKE RheoStress3000)を用いて、溶液サンプル作製直後と一か月後の25℃での粘度を測定し、溶液粘度の変化率を確認し、以下の基準で評価した。
◎:変化率が10%未満
○:変化率が10%以上、20%未満
△:変化率が20%以上、30%未満
×:変化率が30%以上
(2)引張弾性率、伸度、降伏点応力
得られた樹脂シートをPETフィルムから剥離し、剥離したシートについて、JIS K 7113に準拠した方法により、AUTOGRAPH(AGS−J、島津製作所社製)を用いて引張速度30mm/分の条件にて引張弾性率(N/mm)、伸度(%)、降伏点応力(MPa)を測定した。
(3)せん断接着力
得られたエポキシ樹脂系接着剤組成物を各種金属基材に塗工し、170℃で30分間加熱することによりエポキシ樹脂系接着剤組成物を硬化させ、JIS K 6850に準拠した方法により、測定温度25℃、引張速度5mm/minの条件でせん断接着力を測定した。
金属基材としては、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS304)、SPCC鋼板を用いた。
なお、せん断接着力が高い場合、外力がかかった際にも剥がれにくく、耐久性に優れているといえる。
(4)粘度
各実施例及び比較例において、硬化剤及び硬化促進剤を添加せずにポリビニルアセタール樹脂とエポキシ樹脂との混合物を作製した。得られた混合物について、レオメーター(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、HAAKE RheoStress3000)を用いて、25℃の条件で粘度を測定した。
(5)ヘイズ値
「(4)粘度」と同様にして混合物を作製した。得られた混合物について、分光光度計(日立製作所社製、U4000)を用いて、ヘイズ値を測定した。
Figure 2021036060
Figure 2021036060
本発明によれば、貯蔵安定性に優れ、高い強度及び優れた接着性を有し、異種材料の接着に用いた際の剥がれを抑制することができ、耐久性に優れた構造体を得ることが可能なエポキシ樹脂系接着剤組成物を提供することができる。また、用いるポリビニルアセタール樹脂がエポキシ樹脂との相溶性に優れることから、溶剤を用いない用途での改質剤としても利用可能なエポキシ樹脂系接着剤組成物を提供することができる。
参考例3〜4、実施例〜6)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてベンズアルデヒド7g及びアセトアルデヒド100gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(フェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は0.5モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
参考例7〜8、実施例〜10)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度400、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてベンズアルデヒド20g及びアセトアルデヒド100gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(フェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は5.0モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
参考例22及び23)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
重合度250、鹸化度97.6モル%のポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170g、アルデヒドとしてベンズアルデヒド7g及びアセトアルデヒド100gを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、全アセタール基量は72.0モル%、アリール基(フェニル基)を含むアセタール基を有する構成単位の含有量は0.5モル%、アセチル基量は2.3モル%、水酸基量は25.7モル%であった。
<評価>
実施例、参考例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂系接着剤組成物、樹脂シートについて以下の評価を行った。結果を表2に示した。
(4)粘度
各実施例、参考例及び比較例において、硬化剤及び硬化促進剤を添加せずにポリビニルアセタール樹脂とエポキシ樹脂との混合物を作製した。得られた混合物について、レオメーター(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、HAAKE RheoStress3000)を用いて、25℃の条件で粘度を測定した。
Figure 2021036060
Figure 2021036060

Claims (7)

  1. アリール基を含むアセタール基を有する構成単位を含有するポリビニルアセタール樹脂と、エポキシ樹脂とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂系接着剤組成物。
  2. ポリビニルアセタール樹脂は、全アセタール基量が60〜90モル%であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂系接着剤組成物。
  3. ポリビニルアセタール樹脂における、アリール基を含むアセタール基を有する構成単位の含有量が0.05〜65.0モル%であることを特徴とする請求項1又は2記載のエポキシ樹脂系接着剤組成物。
  4. ポリビニルアセタール樹脂は、重合度が150〜4000であることを特徴とする請求項1、2、3記載のエポキシ樹脂系接着剤組成物。
  5. ポリビニルアセタール樹脂は、水酸基量が10〜50モル%であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のエポキシ樹脂系接着剤組成物。
  6. ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基の含有量が0.05〜30.0モル%であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のエポキシ樹脂系接着剤組成物。
  7. ポリビニルアセタール樹脂の含有量が、エポキシ樹脂100重量部に対して1〜50重量部であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のエポキシ樹脂系接着剤組成物。
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