JPWO2020066592A1 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高い耐湿性を発現することができ、高温高湿下での接着力の低下を低減することができるエポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明は、水素結合性基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂とエポキシ樹脂とを含有し、前記変性ポリビニルアセタール樹脂は、40℃、90%RHの条件で7日間放置した際の赤外線水分計で測定した平衡吸水率が5〜20重量%であるエポキシ樹脂組成物である。

Description

本発明は、高い耐湿性を発現することができ、高温高湿下での接着力の低下を低減することができるエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂と硬化剤とを主成分とするエポキシ接着剤組成物は、接着性、耐熱性、耐薬品性、電気特性等に優れる代表的な接着剤組成物として、自動車等の車両、航空機、建築物、電子部品等の部材の接着等、種々の分野で用いられている。
例えば、特許文献1には、ブチラール樹脂と、ジフェニルプロパンノボラック型樹脂及びエピクロルヒドリン・ビスフェノール型樹脂との混合物であるエポキシ樹脂と、フェノールノボラック樹脂オリゴマーと、イミダゾール系化合物とを含む接着剤組成物が高い耐熱性を有することが記載されている。
また、特許文献2には、エポキシ化合物、アミン硬化剤及びヒドロキシ置換法構造化合物からなる構造用接着剤組成物が高い耐熱性を発揮し得ることが記載されている。
特許文献3には、第一のエポキシ樹脂、第二のエポキシ樹脂及びアミン化合物を含む二成分エポキシ接着剤組成物は、予備硬化なしでも洗い落とされにくく、未硬化の状態で貯蔵できることが記載されている。
特許文献4には、エポキシ樹脂とコアシェル型ゴム粒子と硬化剤とを含む構造用接着剤組成物は、洗浄処理水の流水圧によって破壊されにくいことが記載されている。
特開平02−4888号公報 特開平6−212138号公報 特表2008−531817号公報 特開2015−108077号公報
しかしながら、これらのエポキシ接着剤組成物は吸水性が高く、基材等の被着体に塗布した状態で保管すると水分を吸ってしまい、硬化剤との反応性が低下して接着力が不充分となるという問題がある。そのため、自動車等の車体の組み立て等において、接着剤組成物を塗布した状態で工程が停止したり、接着剤組成物を塗布した部品を輸送して組み立てたりした場合、接着性が不充分となり、接着の信頼性が低下するという問題がある。
本発明は、高い耐湿性を発現することができ、高温高湿下での接着力の低下を低減することができるエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、水素結合性基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂とエポキシ樹脂とを含有し、前記変性ポリビニルアセタール樹脂は、40℃、90%RHの条件で7日間放置した際の赤外線水分計で測定した平衡吸水率が5〜20重量%であるエポキシ樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、鋭意検討の結果、水素結合性基を有する構成単位を有し、平衡吸水率が所定値以上である変性ポリビニルアセタール樹脂を添加することで、変性ポリビニルアセタール樹脂がエポキシ樹脂よりも優先的に水分を補足、吸収し、エポキシ樹脂の硬化反応性の低下を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、水素結合性基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
このような変性ポリビニルアセタール樹脂を含有することで、エポキシ樹脂と併用した場合に、優先的に水分を補足、吸収して、エポキシ樹脂の硬化反応性の低下を抑制することができる。また、エポキシ樹脂との間で架橋構造を形成して、得られる硬化物の機械的強度を向上させつつ、適度な弾性を付与することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、水素結合性基を有する構成単位を有する。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂が上記水素結合性基を有する構成単位を有することにより、高温環境下での高い吸水性を発揮して、エポキシ樹脂の吸水を抑制することができる。
上記水素結合性基とは、水酸基以外の官能基であって、水素結合が可能な官能基を意味し、また、上記水素結合性基を有する構成単位とは、上記水素結合性基を側鎖に有するユニットを意味する。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記水素結合性基を有する構成単位のSP値(溶解度パラメータ)が11.0〜18.5であることが好ましく、14.0〜16.5であることがより好ましい。
上記構成単位のSP値が11.0〜18.5であることで、変性ポリビニルアセタール樹脂の吸水性をより向上させて、エポキシ樹脂の吸水を抑制することができる。
上記SP値は、例えば、山本秀樹著「SP値基礎・応用と計算方法」第66〜67頁(2005年、株式会社情報機構発行)に記載の「Fedorの推算法」に基づき算出することができる。
「上記水素結合性基を有する構成単位」としては、例えば、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミド基、リン酸基、ピロリドン環基、エチレンオキサイド基等を有する構成単位が挙げられる。なかでも、アミノ基、カルボキシル基を有する構成単位が好ましい。
上記水素結合性基を有する構成単位は、主鎖を構成する炭素に側鎖としての水素結合性基が直接結合した構造であってもよく、主鎖を構成する炭素にアルキレン基を有する構造を介して水素結合性基が結合した構造であってもよい。
上記水素結合性基を有する構成単位は、主鎖を構成する同一の炭素に2つの水素結合性基が結合した立体構造を有してもよく、主鎖を構成する炭素に水素結合性基が1つ結合した立体構造であってもよい。また、主鎖を構成する隣り合う炭素に水素結合性基が1つずつ結合した立体構造であってもよく、主鎖を構成する隣り合う炭素のどちらか一方のみに水素結合性基が結合した構造であってもよい。なかでも、主鎖を構成する同一の炭素に2つの水素結合性基が結合した立体構造、又は、主鎖を構成する隣り合う炭素に水素結合性基が1つずつ結合した立体構造を有することが好ましい。
また、上記水素結合性基を有する構成単位は、主鎖を構成する炭素に水素結合性基が同一方向に結合したイソタクチック配置である立体構造を有してもよく、主鎖を構成する炭素に水素結合性基が交互に反対側に結合したシンジオタクチック配置である立体構造を有してもよい。更に、上記水素結合性基がランダムに結合したアタクチック配置である立体構造を有してもよい。
上記水素結合性基を有する構成単位が、主鎖を構成する炭素にアルキレン基を介して水素結合性基が結合した構造を有する場合、上記アルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることが更に好ましい。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、直鎖状アルキレン基、分岐鎖状アルキレン基、環状アルキレン基が挙げられる。
上記直鎖状アルキレン基としては、メチレン基、ビニレン基、n−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
上記分岐鎖状アルキレン基としては、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等が挙げられる。
上記環状アルキレン基としてはシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。
なかでも、直鎖状アルキレン基が好ましく、メチレン基、ビニレン基、n−プロピレン基がより好ましく、メチレン基、ビニレン基が更に好ましい。
上記カルボキシル基を有する構成単位としては、例えば、下記式(1−1)で表される構成単位、下記式(1−2)で表される構成単位、下記式(1−3)で表される構成単位、及び、下記式(1−4)で表される構成単位、下記式(1−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2020066592
上記式(1−1)中、Rは、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基、Xは水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記Rとしては、単結合、又は、炭素数1〜5のアルキレン基であることが好ましく、単結合、又は、炭素数1〜3のアルキレン基であることがより好ましい。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、直鎖状アルキレン基、分岐鎖状アルキレン基、環状アルキレン基が挙げられる。
上記直鎖状アルキレン基としては、メチレン基、ビニレン基、n−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
上記分岐鎖状アルキレン基としては、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等が挙げられる。
上記環状アルキレン基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。
なかでも、直鎖状アルキレン基が好ましく、メチレン基、ビニレン基、n−プロピレン基がより好ましく、メチレン基、ビニレン基が更に好ましい。
上記金属原子としては、ナトリウム原子、リチウム原子、カリウム原子等が挙げられる。なかでも、ナトリウム原子が好ましい。
上記式(1−2)中、R及びRはそれぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基、X及びXはそれぞれ独立して、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、上記式(1−1)中、Rと同様のものが挙げられる。
上記金属原子としては、上記式(1−1)中、Xと同様のものが挙げられる。
上記式(1−3)中、R及びRはそれぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基、X及びXはそれぞれ独立して、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、上記式(1−1)中、Rと同様のものが挙げられる。
上記金属原子としては、上記式(1−1)中、Xと同様のものが挙げられる。
上記式(1−4)中、R及びRはそれぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基、X及びXはそれぞれ独立して、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、上記式(1−1)中、Rと同様のものが挙げられる。
上記金属原子としては、上記式(1−1)中、Xと同様のものが挙げられる。
上記式(1−5)中、Rは、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基、Xは、水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、上記式(1−1)中、Rと同様のものが挙げられる。
上記金属原子としては、上記式(1−1)中、Xと同様のものが挙げられる。
なかでも、水分を補足、吸収する効果をより向上させることができることから、上記式(1−3)、(1−4)の構造を有することが好ましく、上記式(1−3)の構造を有することがより好ましい。
また、上記アミノ基を有する構成単位としては、下記式(2)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2020066592
上記式(2)中、Rは、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、上記式(1−1)中、Rと同様のものが挙げられる。
また、スルホン酸基を有する構成単位としては、下記式(3)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2020066592
上記式(3)中、R10は、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、上記式(1−1)中、Rと同様のものが挙げられる。
また、上記式(3)中、Xは水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記金属原子としては、上記式(1−1)中、Xと同様のものが挙げられる。
エチレンオキサイド基を有する構成単位としては、下記式(4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2020066592
上記式(4)中、R11は、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、上記式(1−1)中、Rと同様のものが挙げられる。
また、上記式(4)中、nは1〜20の整数を表し、X10は水素原子、金属原子又はメチル基を表す。
上記金属原子としては、上記式(1−1)中、Xと同様のものが挙げられる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、水素結合性基を有する構成単位の含有量(以下、水素結合性基量ともいう)の好ましい下限が5.1モル%、好ましい上限が30.0モル%である。
上記水素結合性基量が5.1モル%以上であると、高温環境下での高い吸水性を発揮して、エポキシ樹脂との硬化性の低下を抑制することができる。上記水素結合性基量が30.0モル%以下であると、貯蔵安定性を向上させることができる。上記水素結合性基量のより好ましい下限は5.5モル%、より好ましい上限が15.0モル%である。上記水素結合性基量は、例えば、NMRにより測定することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂1分子中の上記水素結合性基の数は、好ましい下限が7.0、より好ましい下限が112.5、更に好ましい下限が121.5、好ましい上限が648.0、より好ましい上限が329.0である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂1分子中の上記水素結合性基の数は、変性ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度、上記水素結合性基を有する構成単位の含有量、及び、上記水素結合性基を有する構成単位に含まれる水素結合性基の数に基づいて算出することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、下記式(5−1)で表されるアセタール基を有する構成単位、下記式(5−2)で表される水酸基を有する構成単位及び下記式(5−3)で表されるアセチル基を有する構成単位を有する。
Figure 2020066592
上記式(5−1)中、R12は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
上記R12としては、水素原子、又は、炭素数1〜12のアルキル基が好ましい。
上記炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。なかでも、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記アセタール基を有する構成単位の含有量(以下、アセタール基量ともいう)の好ましい下限が35.0モル%、好ましい上限が85.0モル%である。上記アセタール基量が35.0モル%以上であると、合成工程において変性ポリビニルアセタール樹脂を充分に析出させることができる。また、アセタール基量が85.0モル%以下であると、エポキシ樹脂への分散性を良好なものとすることができる。上記アセタール基量は、より好ましい下限が38.0モル%、より好ましい上限が72.0モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記水酸基を有する構成単位の含有量(以下、水酸基量ともいう)の好ましい下限が10.0モル%、好ましい上限が50.0モル%である。上記水酸基量が10.0モル%以上であると、変性ポリビニルアセタール樹脂の強靱性を充分に高めることができ、得られる架橋体の強度が良好なものとなる。また、上記水酸基量が50.0モル%以下であると、変性ポリビニルアセタール樹脂の極性が高くなりすぎることがなく、得られる架橋体のひび割れ等の不具合を抑制して、剥離性を良好なものとすることができる。上記水酸基量のより好ましい下限は20.0モル%、より好ましい上限が45.0モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記アセチル基を有する構成単位の含有量(以下、アセチル基量ともいう)の好ましい下限が0.1モル%、好ましい上限が20.0モル%である。上記アセチル基量が0.1モル%以上であると、エポキシ樹脂に添加した際の増粘を抑制するものとすることができる。上記アセチル基量が20.0モル%以下であると、エポキシ樹脂との分散性を良好なものとすることができる。上記アセチル基量のより好ましい下限は0.5モル%、より好ましい上限は10.0モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記水酸基量と上記水素結合性基量との合計の好ましい下限が15.1モル%、好ましい上限が65.0モル%である。上記合計含有量が15.1モル%以上であると、得られる接着剤の耐湿性及び接着力保持率を良好なものとすることができる。上記合計含有量が65.0モル%以下であると、エポキシ樹脂への分散性及び耐湿性を良好なものとすることができる。上記合計含有量は、より好ましい下限が25.1モル%、より好ましい上限が60.0モル%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、好ましい下限が150、好ましい上限が6000である。上記変性ポリビニルアセタール樹脂の重合度が150以上であると、充分な粘度を有するエポキシ樹脂組成物を得ることができ、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の重合度が6000以下であると、塗工して使用する用途で塗工性を良好なものとしてハンドリングを向上することができる。また、接着力をより向上させることができる。
上記平均重合度は、より好ましい下限が400、より好ましい上限が4000である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、平衡吸水率の下限が5重量%、上限が20重量%である。平衡吸水率とは、変性ポリビニルアセタール樹脂を真空オーブンにて乾燥させ、水分含有率を0.5重量%以下にした後、40℃、90%RHの条件で7日間放置した後に測定した水分含有率を意味する。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の平衡吸水率が5重量%以上であると、エポキシ樹脂組成物の高湿・高温環境下での接着力保持率を向上することができる。上記変性ポリビニルアセタール樹脂の平衡吸水率が20重量%以下であると、エポキシ樹脂の硬化阻害を抑制し、剥離及びせん断接着力の低下を抑制することができる。上記平衡吸水率の好ましい下限は7.0重量%、より好ましい下限が10.0重量%、好ましい上限が15.0重量%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の平衡吸水率は、例えば、変性ポリビニルアセタール樹脂中の親水性ユニットと疎水性ユニットのモル比、及び反応時間によって調整することができる。
なお、本明細書中、親水性ユニットとは上記水酸基を有する構成単位及びSP値が11.0〜18.5である水素結合性基を有する構成単位であり、疎水性ユニットとはアセタール基を有する構成単位、アセチル基を有する構成単位及びSP値が11.0未満である変性基を有する構成単位である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の親水性ユニットと疎水性ユニットのモル比(親水性ユニット/疎水性ユニット)は、好ましい下限が0.35、好ましい上限が0.50である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、吸水速度の好ましい下限が0.0020g/g/h、より好ましい下限が0.0034g/g/h、更に好ましい下限が0.0050g/g/h、好ましい上限が0.0120g/g/h、より好ましい上限が0.0080g/g/hである。
なお、上記吸水速度とは、平衡吸水率に達するまでの水分の吸収量であって、変性ポリビニルアセタール樹脂1gが1時間当たりに吸収する水分の量(g)を意味する。上記吸水速度は、変性ポリビニルアセタール樹脂を真空オーブンにて乾燥させ、含水率を0.5重量%以下にした後、40℃、90%RHの条件で放置した際の平衡吸水率に達するまでの時間(h)と平衡吸水率に達した際の変性ポリビニルアセタール樹脂1g当たりが吸収した水分の量(g/g)により算出することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、エタノールとトルエンとの1:1混合溶剤に溶解した5重量%溶液を、溶液温度が20℃の条件でB型粘度計を用いて測定した場合の溶液粘度の好ましい下限が10.0mPa・s、好ましい上限が500.0mPa・sである。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、フィルム化した際の引張弾性率の好ましい下限が800N/mm、好ましい上限が2000N/mmである。
上記引張弾性率は25℃及び引張速度10mm/minの条件で引張試験を行うこと等により測定することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂を作製する方法としては、例えば、水素結合性基を有する単量体と酢酸ビニルとを共重合させることによって得られたポリ酢酸ビニルをケン化し得られたポリビニルアルコールを、従来公知の方法によりアセタール化する方法が挙げられる。また、未変性のポリビニルアルコールを、従来公知の方法によりアセタール化して得られたポリビニルアセタール樹脂を後変性させることで水素結合性基を導入してもよい。
すなわち、上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、水素結合性基を有するポリビニルアルコールのアセタール化物であってもよく、無変性のポリビニルアルコールのアセタール化物に水素結合性基を導入したものであってもよい。
上記水素結合性基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、オレイン酸等のモノカルボン酸、メチレンマロン酸、イタコン酸、2−メチレングルタル酸、2−メチレンアジピン酸、2−メチレンセバシン酸等のジカルボン酸、無水マレイン酸等やその金属塩が挙げられる。
上記アセタール化は、公知の方法を用いることができ、水溶媒中、水と水との相溶性のある有機溶媒との混合溶媒中、あるいは有機溶媒中で行うことが好ましい。
上記水との相溶性のある有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶剤を用いることができる。
上記有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶剤、芳香族有機溶剤、脂肪族エステル系溶剤、ケトン系溶剤、低級パラフィン系溶剤、エーテル系溶剤、アミン系溶剤等が挙げられる。
上記アルコール系有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等が挙げられる。
上記芳香族有機溶剤としては、例えば、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、安息香酸メチル等が挙げられる。
上記脂肪族エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等が挙げられる。
上記ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等が挙げられる。
上記低級パラフィン系溶剤としては、ヘキサン、ペンタン、オクタン、シクロヘキサン、デカン等が挙げられる。
上記エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
上記アミド系溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルテセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトアニリド等が挙げられる。
上記アミン系溶剤としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、ジn−ブチルアミン、トリn−ブチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン等が挙げられる。
これらは、単体で用いることもできるし、2種以上の溶媒を混合で用いることもできる。これらのなかでも、樹脂に対する溶解性及び精製時の簡易性の観点から、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランが特に好ましい。
上記アセタール化は、酸触媒の存在下において行うことが好ましい。
上記酸触媒は特に限定されず、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の鉱酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸や、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いられてもよく、2種以上の化合物を併用してもよい。なかでも、塩酸、硝酸、硫酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
上記アセタール化に用いられるアルデヒドとしては、炭素数1〜10の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基又は芳香族基を有するアルデヒドが挙げられる。これらのアルデヒドとしては、従来公知のアルデヒドを使用できる。上記アセタール化反応に用いられるアルデヒドは、特に限定されるものではなく、例えば、脂肪族アルデヒド、芳香族アルデヒド等が挙げられる。
上記脂肪族アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、アミルアルデヒド等が挙げられる。
上記芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。
これらのアルデヒドは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルデヒドとしては、なかでも、アセタール化反応性に優れ、生成する樹脂に充分な内部可塑効果をもたらし、結果として良好な柔軟性を付与することができるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、n−ノニルアルデヒドが好ましい。また、耐衝撃性及び金属との接着性に特に優れる樹脂組成物を得られることから、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒドがより好ましい。
上記アルデヒドの添加量としては、目的とする変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量にあわせて適宜設定することができる。上記アルデヒドの添加量としては、目的とする変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量にあわせて適宜設定すればよい。特に、ポリビニルアルコール100モル%に対して、60〜95モル%、好ましくは65〜90モル%とすると、アセタール化反応が効率よく行われ、未反応のアルデヒドも除去しやすいため好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、好ましい下限が0.5重量%、好ましい上限が50重量%である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量が0.5重量%以上であると、接着剤として用いた際に高い強靭性を発揮することができる。また、高い吸水性を発揮して、エポキシ樹脂の吸水を抑制し、硬化反応性の低下を抑制することができる。上記含有量が50重量%以下であると、高い接着性を発揮することができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、より好ましい下限が1.0重量%、更に好ましい下限が10重量%、より好ましい上限が40重量%、更に好ましい上限が30重量%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含有する。
上記エポキシ樹脂を含有することで、加熱等によりエネルギーを印加することで架橋させることが可能となり、高い接着性を実現することができる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、芳香族系エポキシ樹脂、複素環系エポキシ樹脂及び脂肪族系エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記芳香族系エポキシ樹脂としては、多価フェノール類のグリシジルエーテル及びグリシジルエステル、グリシジル芳香族ポリアミン等が挙げられる。
上記多価フェノール類のグリシジルエーテルとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記多価フェノール類のグリシジルエステルとしては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
上記グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。
複素環系エポキシ樹脂としては、トリグリシジルイソシアネート、トリグリシジルメラミン等が挙げられる。
脂肪族系エポキシ樹脂としては、脂肪族アルコールのグリシジルエーテル、多価脂肪酸のグリシジルエステル等が挙げられる。
脂肪族アルコールのグリシジルエーテルとしては、ブチルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価脂肪酸のグリシジルエステルとしては、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのエポキシ樹脂のなかでも、接着力を向上させる観点から、芳香族系エポキシ樹脂を用いることが好ましく、芳香族系エポキシ樹脂と脂肪族系エポキシ樹脂とを用いることがより好ましい。
上記エポキシ樹脂のエポキシ当量(エポキシ基1つ当たりの分子量)は、好ましい下限が90、好ましい上限が700である。
上記エポキシ当量が上記好ましい下限以上であると、硬化不良を起こしにくく、機械的強度を充分に向上させることができる。上記エポキシ当量が上記好ましい上限以下であると、架橋点間分子量が低下し、耐熱性を向上させることができる。
上記エポキシ当量のより好ましい下限は100、より好ましい上限は600である。
上記エポキシ樹脂の分子量は、好ましい下限が100、好ましい上限が5500である。
上記分子量が100以上であると、架橋体の機械的強度や耐熱性を充分に向上させることができる。上記分子量が5500以下であると、架橋体が剛直になりすぎることがなく、充分な強度を有するものとすることができる。
上記分子量は200〜1000であることがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記エポキシ樹脂の含有量は、好ましい下限が0.5重量%、好ましい上限が99.5重量%である。
上記エポキシ樹脂の含有量が0.5重量%以上であると、接着性をより向上させることができる。上記含有量が99.5重量%以下であると、強靭性を向上させることができる。
上記エポキシ樹脂の含有量は、より好ましい下限が1.0重量%、より好ましい上限が90.0重量%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂100重量部に対する上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が50重量部である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量が0.1重量部以上であると、強靭性を充分なものとすることができる。上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量が50重量部以下であると、接着性を充分なものとすることができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、より好ましい下限が5重量部、より好ましい上限が30重量部である。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記変性ポリビニルアセタール樹脂に含まれる水酸基の数と水素結合性基の数との合計、及び、上記エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基の数の比率(水酸基の数+水素結合性基の数/エポキシ基の数)は、好ましい下限が0.01、より好ましい下限が0.10、好ましい上限が1.00、より好ましい下限が0.50である。上記水酸基及び水素結合性基の数とエポキシ基の数の比率が上記好ましい下限以上、かつ、上記好ましい上限以下であると、変性ポリビニルアセタール樹脂が充分な吸水性を発揮して、エポキシ樹脂の硬化反応の反応性の低下を充分に抑制することができる。
なお、上記「水酸基の数」「水素結合性基の数」は、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量、分子量及び上記変性ポリビニルアセタール樹脂1モル中の水酸基及び水素結合性基の数に基づいて算出することができる。また、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の分子量は、変性ポリビニルアセタール樹脂の重合度、各構成単位の含有量、及び、各構成単位の分子量に基づいて算出することができる。
また、上記「エポキシ基の数」は、上記エポキシ樹脂の含有量及びエポキシ当量から算出することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記変性ポリビニルアセタール樹脂に含まれる水素結合性基の数、及び、上記エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基の数の比率(水素結合性基の数/エポキシ基の数)は、好ましい下限が0.025、より好ましい下限が0.05、好ましい上限が0.50、より好ましい上限が0.30である。上記水素結合性基の数とエポキシ基の数との比率が上記好ましい下限以上、かつ、上記好ましい上限以下であると、変性ポリビニルアセタール樹脂が充分な吸水性を発揮して、エポキシ樹脂の硬化反応の反応性の低下を充分に抑制することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、有機溶剤の含有量が10.0重量%以下であり、0重量%以上であることが好ましい。
有機溶剤の含有量が10.0重量%以下であることにより、硬化阻害を起こしにくくすることができる。
上記有機溶剤としては、従来公知の各種有機溶剤、例えば、アルコール類、ケトン類、酢酸エステル類、カルビトール類、芳香族炭化水素等の他、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
上記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記酢酸エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等が挙げられる。
上記カルビトール類としては、例えば、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、更に、上記変性ポリビニルアセタール樹脂、上記エポキシ樹脂の他に架橋剤を含んでもよい。
上記架橋剤としては、例えば、ハロヒドリン化合物、ハロゲン化合物、イソシアネート化合物、ビスアクリルアミド化合物、尿素化合物、グアニジン化合物、ジカルボン酸化合物、不飽和カルボン酸化合物、不飽和カルボン酸エステル化合物、アルデヒド化合物等が挙げられる。
上記ハロヒドリン化合物としては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。
上記ハロゲン化合物としては、例えば、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン等が挙げられる。
上記イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
上記ビスアクリルアミド化合物としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
上記尿素化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素等が挙げられる。
上記グアニジン化合物としては、例えば、グアニジン、ジグアニド等が挙げられる。
上記ジカルボン酸化合物としては、例えば、シュウ酸、アジピン酸等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸エステル化合物としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。
上記アルデヒド化合物としては、例えば、グリオキサール、グルタルアルデヒド、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、アジピンアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のジアルデヒド類等が挙げられる。
これらは単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。これら架橋剤は、必要であれば、水やアルコールなどの有機溶媒に溶かして使用することもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、更に、硬化剤、硬化促進剤を含んでもよい。
上記硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物、芳香族アミン化合物、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等が挙げられる。なかでも、ジシアンジアミドが好ましい。
硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物、リン化合物、アミン化合物及び有機金属化合物等が挙げられる。なかでも、イミダゾール化合物が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物中の上記硬化剤の含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.5重量部、より好ましい下限が1.0重量部、好ましい上限が100重量部、より好ましい上限が50重量部である。
本発明のエポキシ樹脂組成物中の上記硬化促進剤の含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.5重量部、より好ましい下限が1.0重量部、好ましい上限が30重量部、より好ましい上限が10重量部である。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記硬化剤の含有量と上記硬化促進剤の含有量との比(硬化剤の含有量/硬化促進剤の含有量)は、好ましい下限が1/18、より好ましい下限が1/8、好ましい上限が1/0.05、より好ましい上限が1/0.125である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、更に、無機フィラーを含んでもよい。
上記無機フィラーとしては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン等の金属水酸化物や金属酸化物、亜鉛等の金属粉末、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、マイカ、タルク、ベントナイト、ゼオライト、シリカゲル、酸化アルミニウム、ガラスパウダー等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物中の上記無機フィラーの含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、より好ましい下限が5重量部、好ましい上限が30重量部、より好ましい上限が15重量部である。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、分散剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物を架橋させる方法は、加熱による方法が挙げられる。加熱により熱硬化させる場合、加熱温度は特に限定されないが、50〜170℃であることが好ましい。加熱温度が50℃以上であると、架橋を充分に進行させて強度を良好なものとすることができる。また、加熱温度が170℃以下であると、上記変性ポリビニルアセタール樹脂の熱劣化が起こることがなく、充分な特性を発揮することができる。上記加熱温度のより好ましい下限は60℃、より好ましい上限は150℃である。
また、加熱時間も特に限定されないが、好ましい下限は5分間、好ましい上限は10時間である。加熱時間が5分間以上であると架橋を充分に進行させて、充分な強度を得ることができる。また、加熱時間が10時間以下であると上記変性ポリビニルアセタール樹脂の熱劣化が起こることがなく、充分な特性を発揮することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、通常のポリビニルアセタール樹脂が使用されている用途に好適に用いることができ、例えば、セラミック成形体、金属ペースト、熱現像性感光材料、塗料、インキ、反射シート等を製造するための塗工溶液を得ることができる。また、ディスプレイ向けフィルム用接着剤、セラミック積層体の層間接着剤、自動車、建築物等の構造接着剤等の接着剤に使用することができる。
本発明によれば、高い耐湿性を発現することができ、高温高湿下での接着力の低下を低減することができるエポキシ樹脂組成物を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.1モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.1モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂20重量部、エポキシ樹脂100重量部、硬化剤3重量部、硬化促進剤2重量部、無機フィラー10重量部を添加してエポキシ樹脂組成物を作製した。
なお、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機フィラーとしては、以下のものを用いた。
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER 828、エポキシ当量190、分子量370)
プロピレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、デナコール EX−920、エポキシ当量176、分子量350)
硬化剤:ジシアンジアミド(三菱化学社製、DICY7)
硬化促進剤:イミダゾール化合物(三菱化学社製、jERキュアEMI24)
無機フィラー:炭酸カルシウム
(実施例2)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を25.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:25.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例3)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を10.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:10.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例4)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド60gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を7.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:7.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例5)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−5)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−5)中、Rが単結合、Xが水素原子、構成単位のSP値14.1)を5.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−5)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例6)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(2)で表されるアミノ基を有する構成単位(式(2)中、Rが単結合、構成単位のSP値12.1)を5.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(2)で表されるアミノ基を有する構成単位(含有量:5.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例7)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度200、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例8)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度450、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例9)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度3800、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例10)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度5000、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例11)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド85gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.1モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.1モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例12)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド60gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を14.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:14.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例13)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド85gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.1モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.1モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例14)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド60gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を15.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:15.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例15)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド90gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.1モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.1モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例16)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド85gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.1モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.1モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例17)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド60gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を10.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:10.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例18)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド60gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を13.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:13.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例19)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用い、変性ポリビニルアセタール樹脂の添加量を表4に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例20〜22)
実施例19で得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用い、変性ポリビニルアセタール樹脂の添加量表4に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例23)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド60gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を20.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:20.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用い、変性ポリビニルアセタール樹脂の添加量を表4に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例24)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド90gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.2モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.2モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用い、変性ポリビニルアセタール樹脂の添加量を表4に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例25)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド70gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(3)で表されるスルホン酸基を有する構成単位(式(3)中、R10が単結合、Xが水素原子、構成単位のSP値20.2)を5.1モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)で表されるスルホン酸基を有する構成単位(含有量:5.1モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例26)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド70gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(4)で表されるエチレンオキサイド基を有する構成単位(式(4)中、R11がメチレン基、X10が水素原子、nが5、構成単位のSP値10.9)を5.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(4)で表されるエチレンオキサイド基を有する構成単位(含有量:5.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例27)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド120gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を6.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:6.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例28)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド50gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例29)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を3.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:3.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例30)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を33.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:33.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例31)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド120gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を5.1モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:5.1モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例32)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド70gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を32.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:32.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(実施例33)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド120gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を3.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:3.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
(比較例1)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75g、ブチルアルデヒド10gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%のポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(比較例2)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド50gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を15.0モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:15.0モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(比較例3)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド120gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(式(1−4)中、Rが単結合、Xが水素原子、Rがメチレン基、Xが水素原子、構成単位のSP値15.1)を0.4モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(1−4)で表されるカルボキシル基を有する構成単位(含有量:0.4モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
(比較例4)
ポリビニルアルコール200gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間撹拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸150gとアセトアルデヒド75gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度2500、鹸化度97.9モル%、下記式(6)で表されるtert−ブチル基を有する構成単位(式(6)中、R13がエチレン基、構成単位のSP値8.1)を5.5モル%含有するポリビニルアルコールを用いた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−D(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、下記式(6)で表されるtert−ブチル基を有する構成単位(含有量:5.5モル%)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール基量、アセチル基量、水酸基量を表2に示す。
Figure 2020066592
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を作製した。
Figure 2020066592
Figure 2020066592
Figure 2020066592
Figure 2020066592
<評価>
実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表5及び6に示した。
(1)平衡吸水率
実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂を、真空オーブンにて乾燥させ、含水率を0.5%以下にした後、40℃、90%RHの環境下に7日間暴露した後のポリビニルアセタール樹脂の重量変化を吸水量とみて吸水率を算出し、平衡吸水率(重量%)とした。なお、通常の含水率とは異なるものである。
(2)吸水速度
得られたポリビニルアセタール樹脂を、真空オーブンにて乾燥させ、含水率を0.5%以下にした後、40℃、90%RHの環境下に7日間暴露した。平衡吸水率に達するまでのポリビニルアセタール樹脂1gあたりの吸水量(g/g)を平衡吸水率に達するまでの時間(h)で割ることで吸水速度(g/g/h)を算出した。
(3)5%樹脂粘度
得られたポリビニルアセタール樹脂を、エタノールとトルエンとの1:1混合溶剤に溶解して5重量%溶液を作製した。得られた溶液について、溶液温度20℃の条件でB型粘度計を用いて粘度を測定した。
(4)弾性率
実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂をエタノールとトルエンとの1:1混合溶剤に30重量%の濃度で溶解してポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液を厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布した。得られたポリビニルアセタールフィルムをポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離し、これを1×5cm角に切り取り、AUTOGRAPH(AGS−J、島津製作所社製)を用いて、25℃及び引張速度30mm/minの条件にて弾性率(MPa)を測定した。
(5)ゲル分率
得られたエポキシ樹脂組成物をアルミフィルム上に乾燥後の厚みが100μmになるように塗布した。160℃で30分間加熱し硬化して得られたエポキシ樹脂シート約0.1g(w1)に、トルエンとエタノールを重量比1:1で混合した溶媒40gを加え、24時間撹拌した後、あらかじめ質量を測定した200メッシュのステンレス金網(w2)で固液分離を行う。その後ステンレス金網を取り出し、100℃、1時間真空乾燥して質量(w3)を測定し、以下の計算式でゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)={(w3−w2)/w1}×100
(6)貯蔵安定性
得られたエポキシ樹脂組成物について、B型粘度計を用いて、作製直後と一か月後の粘度を測定し、粘度の変化率を確認し、以下の基準で評価した。
○:10%未満
△:10%以上、25%未満
×:25%以上
(7)引張伸度
得られたエポキシ樹脂組成物を型に流し込み160℃で30分間加熱し硬化させることで、ダンベル状試験片を作製した。得られたダンベル状試験片を用いて、JIS K7161に準拠した25℃及び引張速度5mm/minの条件で引張試験を行うことにより、引張伸度(%)を測定した。
(8)せん断接着力
得られたエポキシ樹脂組成物を接着面積が300mm、硬化後のエポキシ樹脂組成物の厚みが100μmになるようにSPCC鋼板に塗布し、貼り合わせることで試験片を作製した。得られた試験片を160℃で30分間加熱することにより硬化させ、JIS K 6850に準拠した方法により、測定温度25℃、引張速度5mm/minの条件でせん断接着力(MPa)を測定した。
(9)剥離接着力
得られたエポキシ樹脂組成物を硬化後のエポキシ樹脂組成物の厚みが200μmになるようにSPCC鋼板に塗布し、貼り合わせることでT字剥離試験片を作製した。得られた試験片を160℃で30分間加熱することにより硬化させ、JIS K 6854に準拠した方法により、測定温度25℃、引張速度100mm/minの条件で剥離接着力(N/25mm)を測定した。
(10)耐湿性(高温高湿環境での剥離接着力及び接着力保持率)
(9)剥離接着力と同様にして、T字剥離試験片を作製した。得られた試験片を温度85℃、湿度85%RHの環境下に7日間暴露した後、(9)剥離接着力と同様にして、高温高湿環境での剥離接着力(N/25mm)を測定した。また、(9)剥離接着力に対する高温高湿環境での剥離接着力の割合を算出することにより、接着力保持率(%)を評価した。
(11)耐衝撃性(シャルピー衝撃値)
得られたエポキシ樹脂組成物を型に流し込み、160℃で30分間加熱することによりシャルピー衝撃試験片を得た。得られた試験片について、JIS K 7111に準拠した方法により、デジタル衝撃試験機DG−UB型(東洋精機製作所社製)を用いてシャルピー衝撃試験を行い、樹脂硬化物を破壊させたときのシャルピー衝撃値(kJ/m)を測定することにより、耐衝撃性を評価した。
Figure 2020066592
Figure 2020066592
本発明によれば、高い耐湿性を発現することができ、高温高湿下での接着力の低下を低減することができるエポキシ樹脂組成物を提供できる。

Claims (9)

  1. 水素結合性基を有する構成単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂とエポキシ樹脂とを含有し、
    前記変性ポリビニルアセタール樹脂は、40℃、90%RHの条件で7日間放置した際の赤外線水分計で測定した平衡吸水率が5〜20重量%である、
    エポキシ樹脂組成物。
  2. 変性ポリビニルアセタール樹脂は、水素結合性基を有する構成単位のSP値が11.0〜18.5である、請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 変性ポリビニルアセタール樹脂は、水酸基量が10.0〜50.0モル%である、請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 変性ポリビニルアセタール樹脂は、水素結合性基を有する構成単位の含有量が5.1〜30.0モル%である、請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 変性ポリビニルアセタール樹脂は、水酸基量と水素結合性基を有する構成単位の含有量との合計が15.1〜65.0モル%である、請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 変性ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が150〜6000である、請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール基量が35.0〜85.0モル%である、請求項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基量が0.1〜20.0モル%である、請求項1〜7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部である、請求項1〜8のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
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