JP6714061B2 - 変性ポリビニルアセタール樹脂 - Google Patents
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Description
また、特許文献1〜3には、ポリビニルアセタール樹脂の特性を向上させる技術の一例として、エポキシ樹脂等のような架橋剤と併用することによって、ポリビニルアセタール樹脂の水酸基との架橋を促進させて架橋体を形成する方法が開示されている。
以下に本発明を詳述する。
このような変性ポリビニルアセタール樹脂を含有することで、樹脂単独での自己架橋、又は、架橋剤と併用した場合に、架橋剤との間で架橋構造を形成することができる。このため、架橋後に得られる架橋体は高い機械的強度を有しつつ、適度な弾性を有するものとなる。
上記イミン構造を有する構成単位としては、例えば、下記式(1)に示す構成単位が挙げられる。
上記芳香族系炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、t−ブチルフェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記イミン構造を有する構成単位の含有量が0.1モル%未満であると、経時粘度安定性が悪化することがあり、20.0モル%を超えると、アセタール化が困難となることがある。上記イミン構造を有する構成単位の含有量のより好ましい下限は1.0モル%、より好ましい上限は15.0モル%である。
本発明では、上記アミノ基又はアミド構造を側鎖に有することが好ましい。また、上記アミノ基又はアミド構造は、変性ポリビニルアセタール樹脂の主鎖を構成する炭素に直接結合してもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。更に、上記アミノ基は第一級アミンでもよく、第二級アミンでもよい。
特に、上記アミノ基は、−NH2であることが好ましい。
なお、本発明において、アミド構造とは、−C(=O)−NH2を有する構造をいう。
なかでも、上記アミノ基を有する構成単位は、下記式(3)に示す構造であることが好ましい。
また、上記アミド基を有する構成単位は、下記式(4)に示す構造であることが好ましい。
上記アミノ基又はアミド構造を有する構成単位の含有量が0.1モル%未満であると、付加特性が発現しにくくなることがあり、上記含有量が20モル%を超えると、溶解性が上がりすぎることから沈殿法による変性ポリビニルアセタール樹脂粉末の取り出しが難しくなることがある。上記含有量のより好ましい下限は0.5モル%、より好ましい上限は10モル%である。なお、上記アミノ基又はアミド構造を有する構成単位の含有量はNMR等で測定可能である。
また、上記アミノ基又はアミド構造を有する構成単位と、イミン構造を有する構成単位とを合計した含有量の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は20モル%である。上記含有量のより好ましい下限は0.5モル%、より好ましい上限は10モル%である。
更に、未変性のポリビニルアセタール樹脂を後変性させることでイミン構造を導入してもよい。
これらのなかでは、アミノ基又はアミド構造を有する構成単位を有するポリビニルアルコールをアセタール化してなることでイミン構造を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を得る方法が好ましい。特に、このような方法を用いる場合、アセタール化に使用するアルデヒド、酸触媒の量を過剰に添加することでイミン構造を得ることが出来る。
例えば、酸触媒を全体の1.0重量%以上添加することが好ましい。
なお、このような方法を用いる場合において、アミノ基又はアミド構造を有する構成単位、及び、イミン構造を有する構成要件を確認する方法としては、例えば、FT−IRを用いて、アミノ基のスペクトル(1600cm−1付近)を確認する方法や、13C−NMRを用いてイミン構造のスペクトル(160〜170ppm)を確認する方法等が挙げられる。
上記水との相溶性のある有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶剤を用いることが出来る。
上記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系有機溶剤;キシレン、トルエン、エチルベンゼン、安息香酸メチル等の芳香族有機溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等の脂肪族エステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶剤;ヘキサン、ペンタン、オクタン、シクロヘキサン、デカン等の低級パラフィン系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルテセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトアニリド等のアミド系溶剤、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、ジn−ブチルアミン、トリn−ブチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン等のアミン系溶剤等が挙げられる。これらは、単体で用いることもできるし、2種以上の溶媒を混合で用いることもできる。これらのなかでも、樹脂に対する溶解性および、精製時の簡易性の観点から、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランが特に好ましい。
上記酸触媒は特に限定されず、塩酸等のハロゲン化水素や、硝酸、硫酸等の鉱酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸や、メタンスルホン酸、 エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸や、リン酸等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いられても よく、2種以上の化合物を併用してもよい。なかでも、塩酸、硝酸、硫酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂組成物は、架橋剤を含有する。上記架橋剤を含有することで、UV照射、加熱等によりエネルギーを印加することで架橋させることが可能となる。
また、加熱時間も特に限定されないが、好ましい下限は5分間、好ましい上限は10時間である。加熱時間が5分間より短いと架橋が不充分となるため、充分な強度が得られない可能性がある。また、加熱時間が10時間より長いと上記変性ポリビニルアセタール樹脂が熱劣化を起こし、充分な特性が得られない可能性がある。
更に、本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂組成物に使用されるイミン構造を有する変性ポリビニルアセタールは、自己架橋性に優れるため、高い強度を有する成形体を製造することが出来る。
また、本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂組成物は、特に樹脂との密着性に優れ、接着しにくい樹脂への接着に好適に使用することができるともに、長期間保存した場合でも粘度の変化が少なく、安定性に優れたものとすることができる。
更に、変性ポリビニルアセタール樹脂組成物を用いて得られる成形体は、耐溶剤性に優れたものとなる。
重合度800、鹸化度99モル%、上記式(3)に示すアミノ基(−NH2)を有する構成単位を3.5モル%含有するポリビニルアルコール250gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170gとn−ブチルアルデヒド130gとを添加し、液温を40℃に保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を40℃のまま3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の粉末を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.5モル%)、及び、下記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:3.0モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液に架橋剤としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(jER 807、三菱ケミカル社製)9gを同じくトルエンとエタノールを重量比1:1で混合した溶媒41gに溶解させたエポキシ溶液とを作製し、ポリビニルアセタール樹脂溶液とエポキシ溶液を重量比5:1で混合した樹脂組成物を作製した。
得られた混合溶液を離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗工し、125℃で乾燥することで樹脂シートを作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度800、鹸化度99モル%、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位を6.6モル%含有するポリビニルアルコール260gに変更した以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.6モル%)、及び、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:6.0モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液、樹脂組成物及び樹脂シートを作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度600、鹸化度98モル%、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位を9モル%含有するポリビニルアルコール250gに変更し、n−ブチルアルデヒドの添加量を150gとした以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.7モル%)、及び、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:8.3モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液、樹脂組成物及び樹脂シートを作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度800、鹸化度99モル%、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位を1モル%含有するポリビニルアルコール240gに変更した以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.3モル%)、及び、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:0.7モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液、樹脂組成物及び樹脂シートを作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度600、鹸化度99.5モル%、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位を15モル%含有するポリビニルアルコール250gに変更し、n−ブチルアルデヒドの添加量を250gとした以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.8モル%)、及び、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:14.2モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液、樹脂組成物及び樹脂シートを作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度800、鹸化度99.5モル%、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位を20モル%含有するポリビニルアルコール250gに変更し、n−ブチルアルデヒドの添加量を150gとした以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.9モル%)、及び、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:19.1モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液、樹脂組成物及び樹脂シートを作製した。
架橋剤としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(jER 807、三菱ケミカル社製)9gに代えて、シュウ酸(三菱ケミカル社製)9gを用いた以外は、実施例1〜6と同様にして樹脂組成物及び樹脂シートを作製した。
架橋剤としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(jER 807、三菱ケミカル社製)9gに代えて、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工社製)を用いた以外は、実施例1〜6と同様にして樹脂組成物及び樹脂シートを作製した。
架橋剤を添加しなかった以外は、実施例1〜6と同様にして樹脂組成物及び樹脂シートを作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度600、鹸化度99モル%、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール240gに変更し、n−ブチルアルデヒドの添加量を275gとした以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.2モル%)、及び、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:1.5モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液を作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度600、鹸化度99モル%、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位を0.2モル%含有するポリビニルアルコール240gに変更し、n−ブチルアルデヒドの添加量を275gとした以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:0.2モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液を作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度1700、鹸化度99モル%、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール240gに変更し、n−ブチルアルデヒドの添加量を275gとした以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.2モル%)、及び、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:1.5モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液を作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度3300、鹸化度99モル%、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール240gに変更し、n−ブチルアルデヒドの添加量を275gとした以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.2モル%)、及び、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:1.5モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液を作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度300、鹸化度99モル%、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール240gに変更し、n−ブチルアルデヒドの添加量を275gとした以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.2モル%)、及び、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:1.5モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液を作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度600、鹸化度99モル%、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール240gに変更し、n−ブチルアルデヒドの添加量を135gとした以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.2モル%)、及び、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:1.5モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液を作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度600、鹸化度85モル%、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位を1.7モル%含有するポリビニルアルコール240gに変更し、n−ブチルアルデヒドの添加量を150gとした以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(3)に示すアミノ基を有する構成単位(含有量:0.2モル%)、及び、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:1.5モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液を作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度600、鹸化度99モル%、上記式(4)に示すアミド基を有する構成単位(R5は水素原子)を1.7モル%含有するポリビニルアルコール240gに変更し、n−ブチルアルデヒドの添加量を275gとした以外は、実施例1と同様の方法により変性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、上記式(4)に示すアミド基を有する構成単位(含有量:1.0モル%、R5は水素原子)、及び、上記式(5)に示すイミン構造を有する構成単位(含有量:0.7モル%、R3及びR4はメチル基)を有することが確認できた。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液を作製した。
ポリビニルアルコールを、重合度570、鹸化度98モル%のポリビニルアルコール140gと、重合度790、鹸化度98モル%のポリビニルアルコール50gと重合度1700、鹸化度99%のポリビニルアルコール60gとの混合物に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて分析したところ、アミノ基を有する構成単位、及び、イミン構造を有する構成単位を有することが確認できなかった。
なお、13C−NMRを用いて測定したアセタール化度、アセチル基量、水酸基量を表1に示す。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液、樹脂組成物及び樹脂シートを作製した。
架橋剤としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(jER 807、三菱ケミカル社製)9gに代えて、シュウ酸(三菱ケミカル社製)9gを用いた以外は、比較例1と同様にして樹脂組成物及び樹脂シートを作製した。
架橋剤としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(jER 807、三菱ケミカル社製)9gに代えて、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工社製)9gを用いた以外は、比較例1と同様にして樹脂組成物及び樹脂シートを作製した。
実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂溶液、樹脂組成物、樹脂シートについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液を各種プラスチック基材に塗工した後、125℃で乾燥することで樹脂積層体を作製した。
得られた樹脂積層体について、JIS K 6829に準拠して、TENSILON(ORIENTEC社製)を用い、引張速度20mm/分の条件にて応力(N/25mm)の測定を行った。
なお、表中のPETはポリエチレンテレフタレート、PCはポリカーボネート、COPはシクロオレフィンポリマー、ACはアクリルポリマー(ポリメチルメタクリレート)を表す。
トルエンとエタノールを重量比1:1で混合した溶媒90gに樹脂組成物10gを加え溶解し、溶液サンプルを作製する。得られた溶液サンプルについて、B型粘度計を用いて、溶液サンプル作製直後と一か月後の粘度を測定し、溶液粘度の変化率を確認し、以下の基準で評価した。
◎:10%未満
○:10%以上、20%未満
△:20%以上、30%未満
×:30%以上
得られた樹脂シートについて、JIS K 7113に準拠して、TENSILON(ORIENTEC社製)を用い、引張速度20mm/分の条件にて上降伏点応力(N/mm2)の測定を行った。
なお、比較例1で得られたシートの上降伏点応力を1.0として規格化して「規格化変換効率」を求めた。
◎:規格化変換効率が1.1以上
○:規格化変換効率が1.0以上1.1未満
×:規格化変換効率が1.0未満
樹脂シートのサンプル約0.1g(w1)に、トルエンとエタノールを重量比1:1で混合した溶媒40gを加え、24時間撹拌させることによって、再溶解させ、あらかじめ質量を測定した200メッシュのステンレス金網(w2)で固液分離を行う。その後ステンレス金網を取り出し、100℃、1時間真空乾燥して質量(w3)を測定し,以下の計算式でゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)={(w3−w2)/w1}×100
得られたゲル分率について、以下の基準で評価した。
◎:80%以上
○:40%以上、80%未満
△:10%以上、40%未満
×:10%未満
得られた樹脂シート上にエタノールとトルエンを重量比1:1で混合した溶媒をスポイドにて一滴(約0.02g)滴下し、60℃で5分乾燥した後、樹脂シートの状態を目視にて観察し、以下の手順で評価した。
◎:シートの形状に変化なく、穴あきのいずれも観察されなかった。
○:シートに膨潤はみられるが、穴あきは観察されなかった。
×:シートに穴あきが観察された。
Claims (14)
- 変性ポリビニルアセタール樹脂及び架橋剤を含有し、
前記変性ポリビニルアセタール樹脂は、イミン構造を有する構成単位と、アミノ基又はアミド構造を有する構成単位とを含み、前記イミン構造を有する構成単位と、前記アミノ基又はアミド構造を有する構成単位との含有量の比率(イミン構造を有する構成単位/アミノ基又はアミド構造を有する構成単位)が0.5/99.5〜99.5/0.5である
ことを特徴とする変性ポリビニルアセタール樹脂組成物。 - 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アミノ基又はアミド構造を側鎖に有することを特徴とする請求項1記載の変性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
- 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アミノ基又はアミド構造を有する構成単位と、イミン構造を有する構成単位とを合計した含有量が0.1〜20モル%であることを特徴とする請求項1又は2記載の変性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
- 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール化度が60〜90モル%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の変性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
- 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アミノ基又はアミド構造を有する構成単位を有するポリビニルアルコールをアセタール化してなるものである請求項1、2、3又は4記載の変性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
- 架橋剤は、エポキシ化合物、ハロヒドリン化合物、イソシアネート化合物、ビスアクリルアミド化合物、グアニジン化合物、不飽和カルボン酸エステル化合物及びアルデヒド化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の変性ポリビニルアセタール樹脂組成物。
- 請求項1、2、3、4、5又は6記載の変性ポリビニルアセタール樹脂組成物を含むことを特徴とする塗工溶液。
- 変性ポリビニルアセタール樹脂を含有し、
前記変性ポリビニルアセタール樹脂は、イミン構造を有する構成単位と、アミノ基又はアミド構造を有する構成単位とを含み、前記イミン構造を有する構成単位と、前記アミノ基又はアミド構造を有する構成単位との含有量の比率(イミン構造を有する構成単位/アミノ基又はアミド構造を有する構成単位)が0.5/99.5〜99.5/0.5である
ことを特徴とする接着剤。 - 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アミノ基又はアミド構造を側鎖に有することを特徴とする請求項8記載の接着剤。
- 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アミノ基又はアミド構造を有する構成単位と、イミン構造を有する構成単位とを合計した含有量が0.1〜20モル%であることを特徴とする請求項8又は9記載の接着剤。
- 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール化度が60〜90モル%であることを特徴とする請求項8、9又は10記載の接着剤。
- 変性ポリビニルアセタール樹脂は、アミノ基又はアミド構造を有する構成単位を有するポリビニルアルコールをアセタール化してなるものである請求項8、9、10又は11記載の接着剤。
- 架橋剤を更に含有することを特徴とする請求項8、9、10、11又は12記載の接着剤。
- 架橋剤は、エポキシ化合物、ハロヒドリン化合物、イソシアネート化合物、ビスアクリルアミド化合物、グアニジン化合物、不飽和カルボン酸エステル化合物及びアルデヒド化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項13記載の接着剤。
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