JP2016197301A - タッチパネル用層間充填材料及び積層体 - Google Patents

タッチパネル用層間充填材料及び積層体 Download PDF

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賞純 岡林
深谷 重一
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重一 深谷
亮祐 海老名
Ryosuke Ebina
亮祐 海老名
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Abstract

【課題】携帯情報端末の製造等においてタッチパネルと他の部材との層間又はタッチパネル内部の層間を充填するために用いられ、層間の充填時(貼合時)の加飾印刷部段差又は配線段差への追従性及び層間の充填時(貼合時)に巻き込まれた気泡又は段差付近に残った気泡の脱泡性に優れ、打ち抜き加工時に打ち抜き刃に対して糊残りが少なく、無機材料にも有機材料にも、充分な接着性を有するタッチパネル用層間充填材料を提供する。また、該タッチパネル用層間充填材料を用いて製造された積層体を提供する。【解決手段】タッチパネルと他の部材との層間又は前記タッチパネル内部の層間を充填するために用いられるタッチパネル用層間充填材料であって、イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有するタッチパネル用層間充填材料。【選択図】なし

Description

本発明は、携帯情報端末の製造等においてタッチパネルと他の部材との層間又はタッチパネル内部の層間を充填するために用いられるタッチパネル用層間充填材料に関する。また、本発明は、該タッチパネル用層間充填材料を用いて製造された積層体に関する。
タッチパネルは様々な分野で用いられており、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯情報端末においては、ガラス等からなる表面保護パネルの下にタッチパネルが配置されており、続いて、偏光フィルム、ディスプレイがこの順で設けられている。
このような携帯情報端末においては、表面保護パネルとタッチパネルとの層間、及び、タッチパネルと偏光フィルムとの層間を、空気と比較してこれらの部材との屈折率差が小さい充填材料で埋めることにより、表示画面の透明性、輝度、コントラスト等を改善し、視認性を向上させることが行われている。
タッチパネル用層間充填材料としては、透明性、粘着性、塗工性等の観点から、アクリル系粘着剤又は粘着テープが多用されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、充填材料としてアクリル系粘着剤又は粘着テープを貼合した場合、貼合時に気泡の巻き込みが発生し、表面保護パネルと充填材料との間に気泡が残存することがあり、視認性又は耐久性を低下させる問題がある。また、表面保護パネルの裏側にはマスキング等を目的として周縁部に印刷部が形成されており、このような印刷部により形成された段差、又は、タッチパネルに形成されている配線の段差の境界部に気泡が残存し、視認性又は耐久性を低下させることが問題となっている。特に、近年、携帯情報端末の小型化、薄型化又は軽量化に伴って薄い充填材料が望まれており、従来のアクリル系粘着剤又は粘着テープでは、薄さと、段差に充分に追従して気泡を残存させない性質(段差追従性)とを両立することは難しかった。
また、特許文献1に記載されているようなアクリル系粘着剤又は粘着テープは、タッチパネルの形状に打ち抜く加工において、打ち抜き刃にアクリル系粘着剤が付着してしまい(糊残り)、打ち抜き刃の洗浄に時間がかかるという問題があった。
また、近年タッチパネルは様々な種類の構成を取るようになっていることから、タッチパネル用層間充填材料は、様々な種類の被着体に対して充分な接着性を有することが求められている。例えば、ガラスやITO(indium tin oxide、インジウムスズ酸化物)のような無機材料により表面が形成される層を持つ被着体や、偏光フィルムやアクリル板のような有機材料が表面にある層を持つ被着体がある。そのため、被着体によってタッチパネル用層間充填材料を使い分ける必要があり、無機材料表面が形成される層を持つ被着体だけでなく、有機材料が表面にある層を持つ被着体にも、充分な接着性を有する充填材料が望まれている。
特開2013−119604号公報
本発明は、携帯情報端末の製造等においてタッチパネルと他の部材との層間又はタッチパネル内部の層間を充填するために用いられ、層間の充填時(貼合時)の加飾印刷部段差又は配線段差への追従性及び層間の充填時(貼合時)に巻き込まれた気泡又は段差付近に残った気泡の脱泡性に優れ、打ち抜き加工時に打ち抜き刃に対して糊残りが少なく、無機材料にも有機材料にも、充分な接着性を有するタッチパネル用層間充填材料を提供することを目的とする。また、本発明は、該タッチパネル用層間充填材料を用いて製造された積層体を提供することを目的とする。
本発明は、タッチパネルと他の部材との層間又は前記タッチパネル内部の層間を充填するために用いられるタッチパネル用層間充填材料であって、イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有するタッチパネル用層間充填材料である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、タッチパネルと他の部材との層間又はタッチパネル内部の層間を充填するために用いられるタッチパネル用層間充填材料において、従来多用されてきたアクリル系粘着剤に代わる材料として、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する樹脂が有効であることを見出した。
本発明者は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有するタッチパネル用層間充填材料は、アクリル系粘着剤に比べて常温(20℃付近)での貯蔵弾性率及び損失弾性率が高い一方、層間の充填時(貼合時)には加熱(70℃付近)することで貯蔵弾性率及び損失弾性率が大きく低下し、たとえ薄い充填材料であっても加飾印刷部段差又は配線段差に充分に追従して、段差の境界部に残存する気泡を除去できることを見出した。また、本発明者は、このようなタッチパネル用層間充填材料は、打ち抜き加工時に打ち抜き刃に対して糊残りが少ないことも見出した。更に、本発明者は、ポリビニルアセタール樹脂のなかでも特にイミン変性ポリビニルアセタール樹脂を配合することにより、無機材料にも、有機材料にも充分な接着性を有するタッチパネル用層間充填材料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のタッチパネル用層間充填材料は、タッチパネルと他の部材との層間又は上記タッチパネル内部の層間を充填するために用いられるものである。
上記タッチパネルは特に限定されず、例えば、ガラス板、樹脂板、樹脂フィルム、タッチパネル配線付きガラス板、タッチパネル配線付き樹脂フィルム等の複数の層を有するタッチパネル等の、携帯情報端末、平面型又はフレキシブル画像表示装置等に通常使用されるものを用いることができる。上記タッチパネルの構成は特に限定されず、例えば、アウトセル型、インセル型、オンセル型、カバーガラス一体型、カバーシート一体型等が挙げられる。上記タッチパネルの方式も特に限定されず、例えば、抵抗膜式、静電容量式、光学式、超音波式等が挙げられる。
上記樹脂板として、例えば、ポリカーボネート板、アクリル板等が挙げられる。上記樹脂フィルムとして、例えば、PETフィルム等が挙げられる。上記タッチパネル配線として、例えば、ITO等からなる透明導電膜からなるものが挙げられる。
上記他の部材は特に限定されないが、表面保護パネル、偏光フィルムが好ましい。即ち、本発明のタッチパネル用層間充填材料は、表面保護パネルとタッチパネルとの層間、及び/又は、タッチパネルと偏光フィルムとの層間を充填するために用いられることが好ましい。
上記表面保護パネルは特に限定されず、例えば、ガラス板、ポリカーボネート板、アクリル板等の、携帯情報端末、平面型又はフレキシブル画像表示装置等に通常使用されるものを用いることができる。上記偏光フィルムとしても特に限定されず、携帯情報端末、平面型又はフレキシブル画像表示装置等に通常使用されるものを用いることができる。
本発明のタッチパネル用層間充填材料の被着体として、無機材料はガラス板、ITO等が挙げられ、有機材料としては、偏光フィルム、アクリル板、ポリカーボネート板、PETフィルム等が挙げられる。特に汎用的に用いられる、ガラス板、ITO、偏光フィルム、アクリル板が被着体であることが好ましい。従って、本発明のタッチパネル用層間充填材料は、無機材料としてはガラス板、ITO、有機材料としては偏光フィルム、アクリル板に対して高い接着性を持つことが好ましい。
本発明のタッチパネル用層間充填材料は、イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する。本明細書中、イミン変性ポリビニルアセタール樹脂とは側鎖中にイミン構造を有するポリビニルアセタール樹脂である。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤とを含有することにより、本発明のタッチパネル用層間充填材料は、アクリル系粘着剤に比べて常温(20℃付近)での貯蔵弾性率及び損失弾性率が高い一方、層間の充填時(貼合時)には加熱(70℃付近)することで貯蔵弾性率及び損失弾性率が大きく低下し、たとえ薄い充填材料であっても加飾印刷部段差又は配線段差に充分に追従して、段差の境界部に残存する気泡を除去することができる。
また、本発明のタッチパネル用層間充填材料は、層間の充填時(貼合時)には層間に挟んでから70℃付近で加熱圧着すれば容易に層間を充填することができ、取扱い性にも優れる。
また、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤とを含有することにより、本発明のタッチパネル用層間充填材料は、打ち抜き加工時に打ち抜き刃に対して糊残りが少ないものとなる。更に、ポリビニルアセタール樹脂のなかでも特に上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂を含有することにより、本発明のタッチパネル用層間充填材料は、無機材料にも、有機材料にも充分な接着性を有することができる。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のイミン構造は、側鎖中に存在していれば、主鎖に直接結合していてもよいし、例えば途中にアルキル等が導入されている等により主鎖に直接接合していなくてもよい。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂において、側鎖中に存在するイミン構造が占める割合をイミン変性度と呼称する。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂は、例えば、アミノ基を有するポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られたアミノ基を有するポリビニルアルコールに、触媒存在下でアルデヒドを添加することにより、上記アミノ基を有するポリビニルアルコールの水酸基をアセタール化し、かつ、アミノ基をイミノ化することにより調製することができる。上記アミノ基を有するポリビニルアルコールの鹸化度は特に限定されないが、一般に70〜99.9モル%の範囲内にあり、鹸化度70〜99.8モル%が好ましく、80〜99.8モル%がより好ましい。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の原料のアミノ基を有するポリビニルアルコールは、単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の原料のアミノ基を有するポリビニルアルコールは、全体としてアミノ基を有していれば、アミノ基を有さないポリビニルアルコールを含有していてもよい。アミノ基の有無に関わらず複数のポリビニルアルコールを併用することによって、合成するイミン変性ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度及び鹸化度に加えてイミン変性度を操作することができる。
上記アミノ基を有するポリビニルアルコールに触媒存在下でアルデヒドを添加する際には、上記アミノ基を有するポリビニルアルコールを含む溶液を用いてもよい。上記アミノ基を有するポリビニルアルコールを含む溶液に用いられる溶媒として、例えば、水等が挙げられる。
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般的には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。
上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
即ち、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂は、イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(上記アルデヒドがn−ブチルアルデヒドである場合、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂をイミン変性ポリビニルブチラール樹脂という)であることが好ましい。上記イミン変性ポリビニルブチラール樹脂を用いることにより、タッチパネル用層間充填材料のガラスに対する接着力が適切に発現し、耐光性、耐候性等が向上する。また、必要に応じて2種以上のイミン変性ポリビニルアセタール樹脂を併用してもよい。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のイミン変性度を調整する方法として、例えば、上記アミノ基を有するポリ酢酸ビニルのアミノ基量を調整する方法が挙げられる。上記アミノ基の含有量を少なくすれば上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のイミン変性度は低くなり、上記アルデヒドの添加量を多くすれば上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は高くなる。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のイミン変性度は特に限定されないが、好ましい下限が0.1モル%、好ましい上限が50モル%である。上記イミン変性度が0.1モル%未満であると、変性基由来(イミン構造由来)の接着性が発現しにくく、無機材料又は有機材料に対する接着性が低下することがある。上記イミン変性度が50モル%より大きいと、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の色相の黄みが強くなることがある。上記イミン変性度は、より好ましくは下限が0.3モル%、上限が30モル%であり、更に好ましくは下限が0.5モル%、上限が20モル%である。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のイミン変性度はNMR等で測定可能である。例えば、13C−NMRにより、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のイミン構造を同定し、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の未反応のアミノ基を極性かつ非プロトン性溶媒を重溶媒として用いたH−NMRの積分強度から定量し、原料となるアミノ基を有するポリビニルアルコールのアミノ基量から減算することにより算出することができる。または、あらかじめイミン変性度の分かっているイミン変性度が異なる複数のイミン変性ポリビニルアセタール樹脂を用いてイミン構造由来の13C−NMRの積分強度を測定し得られた結果から検量線を作成し、測定した上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のイミン変性度を求めることができる。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は特に限定されないが、好ましい下限が200、好ましい上限が4500である。上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が200未満であると、充分な粘度を有するイミン変性ポリビニルアセタール樹脂が得られないことがあり、また、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の機械的強度が低下し、携帯情報端末が破損した場合に破片の飛散を充分に抑制できない(飛散防止性が低下する)ことがある。上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が4500より大きいと、原料となるアミノ基を有するポリビニルアルコールの水への溶解性が低下したり、水溶液の粘度が高くなり過ぎたりするため、アセタール化が困難となることがあり、また、タッチパネル用層間充填材料の成形が困難になることがある。上記平均重合度のより好ましい下限は600、より好ましい上限は3800であり、更に好ましい下限は800、更に好ましい上限は3600である。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率(水酸基量)の好ましい下限は16モル%、好ましい上限は45モル%である。上記水酸基量が16モル%以上であれば、タッチパネル用層間充填材料のガラスに対する接着力が向上する。上記水酸基量が45モル%以下であれば、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の柔軟性が高くなって取扱い性が向上し、また、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤との相溶性が高くなり、タッチパネル用層間充填材料の段差追従性が向上する。上記水酸基量のより好ましい下限は18モル%、更に好ましい下限は20モル%、特に好ましい下限は22モル%であり、より好ましい上限は40モル%、更に好ましい上限は38モル%、更により好ましい上限は36モル%、特に好ましい上限は35モル%である。
なお、イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により求めることができる。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度(アセチル基量)の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は30モル%である。上記アセチル基量が0.1モル%以上であれば、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤との相溶性が高くなり、タッチパネル用層間充填材料の段差追従性が向上する。上記アセチル基量が30モル%以下であれば、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の耐湿性が向上する。また、上記アセチル基量が30モル%を超えると、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂を製造する際の反応効率が低下することがある。上記アセチル基量のより好ましい下限は0.2モル%、更に好ましい下限は0.3モル%であり、より好ましい上限は24モル%、更に好ましい上限は20モル%、更により好ましい上限は19.5モル%、特に好ましい上限は15モル%である。
なお、イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量を上記範囲に調整する方法として、例えば、上記アミノ基を有するポリビニルアルコールの鹸化度を調整する方法が挙げられる。即ち、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は、上記アミノ基を有するポリビニルアルコールの鹸化度に依存するものであり、鹸化度が低いアミノ基を有するポリビニルアルコールを用いれば上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は大きくなり、鹸化度が高いアミノ基を有するポリビニルアルコールを用いれば上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は小さくなる。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は50モル%、好ましい上限は85モル%である。上記アセタール化度が50モル%以上であれば、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が85モル%以下であれば、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間を短縮できる。上記アセタール化度のより好ましい下限は54モル%、更に好ましい下限は58モル%、特に好ましい下限は60モル%である。上記アセタール化度のより好ましい上限は82モル%、更に好ましい上限は79モル%、特に好ましい上限は77モル%である。
なお、イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル基量とビニルアルコール量(水酸基の含有率)とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、次いで、100モル%からアセチル基量とビニルアルコール量とを差し引くことにより算出されうる。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度を調整する方法として、例えば、上記アルデヒドの添加量を調整する方法が挙げられる。上記アルデヒドの添加量を少なくすれば上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は低くなり、上記アルデヒドの添加量を多くすれば上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は高くなる。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂は、全体としてイミン構造を有していれば、イミン構造を有さないポリビニルアセタール樹脂を含有していてもよい。
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機酸エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジピバレート(3GT)、又は、ジ−(2−ブトキシエチル)アジペート(DBEA)が好ましい。近年、タッチパネル用層間充填材料が無機材料としてのITOに接触している場合、高温高湿下に晒されるとITOが劣化することが問題となっているのに対して、これらの可塑剤を含有するタッチパネル用層間充填材料は、ITOの劣化を抑制することができる。
上記可塑剤のなかでも、タッチパネル用層間充填材料の段差追従性が優れていることから、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)が特に好ましい。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂に対する上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する好ましい下限は5重量部、好ましい上限は75重量部である。上記含有量が上記範囲であれば、層間の充填時(貼合時)に段差に気泡が残存することを抑制しやすくなる。
上記含有量が5重量部未満であると、タッチパネル用層間充填材料の成形性が低下することがある。上記含有量が75重量部を超えると、タッチパネル用層間充填材料の透明性が低下したり、上記可塑剤がブリードアウトしたりすることがある。上記可塑剤のより好ましい下限は10重量部、更に好ましい下限は15重量部、特に好ましい下限は20重量部であり、より好ましい上限は65重量部、更に好ましい上限は55重量部、特に好ましい上限は45重量部である。
なお、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂によって凝集力を発生させているため、上記可塑剤の含有量は少ないほうが好ましい。即ち、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤との相溶性を高めて、上記可塑剤の含有量を低下させることが好ましい。これにより、飛散防止性を向上させることができる。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤との相溶性を高める方法として、例えば、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度を大きくする方法、アセチル基量を高くする方法が好ましい。また、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂の水酸基のブロック性を落とす方法も好ましい。水酸基のブロック化を抑制する方法として、熟成温度を下げる方法が好ましい。
本発明のタッチパネル用層間充填材料中、上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤とを合わせた含有量は50重量%以上であることが好ましい。上記含有量が50重量%未満であると、携帯情報端末が破損した場合に破片の飛散を充分に抑制できなかったり、層間の充填時(貼合時)に段差に気泡が残存したりすることがある。上記含有量のより好ましい下限は60重量%、更に好ましい下限は70重量%、更により好ましい下限は80重量%、特に好ましい下限は90重量%である。
上記イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤とを合わせた含有量の上限は特に限定されず、100重量%であってもよい。
本発明のタッチパネル用層間充填材料は、必要に応じて、透明性を損なわず本発明の効果を妨げない範囲内で、接着力調整剤、粘着付与樹脂、可塑剤、乳化剤、軟化剤、微粒子、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、酸化防止剤、界面活性剤、ワックス等の公知の添加剤を含有してもよい。
本発明のタッチパネル用層間充填材料の形状は特に限定されず、例えば、シート状、フィルム状、液状(分散液状、エマルション状)等が挙げられるが、シート状が好ましい。本発明のタッチパネル用層間充填材料は、たとえ薄い充填材料であっても加飾印刷部段差又は配線段差に充分に追従して、段差の境界部に残存する気泡を除去することができる。
シート状の場合、本発明のタッチパネル用層間充填材料の厚みは特に限定されず、用途によって設定されるが、好ましい下限が5μm、好ましい上限が800μmである。上記厚みが5μm未満であると、層間の充填時(貼合時)に段差に気泡が残存しやすくなることがある。上記厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は400μmであり、更に好ましい下限は25μm、更に好ましい上限は300μmであり、更により好ましい下限は50μm、更により好ましい上限は200μmであり、特に好ましい下限は75μm、特に好ましい上限は100μmである。
本発明のタッチパネル用層間充填材料の製造方法は特に限定されず、シート状の場合、例えば、イミン変性ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤及び必要に応じて配合される添加剤を含有する組成物を、押し出し法、塗工法、キャスティング法、カレンダー法、プレス法等の通常の製膜法によりシート状に製膜する方法が挙げられる。
本発明のタッチパネル用層間充填材料の用途は特に限定されないが、例えば、携帯情報端末(例えば、スマートフォン、タブレット)、LCD、EL、PDP等の画像表示パネルを用いた平面型又はフレキシブル画像表示装置(例えば、電子ペーパー、PDA、TV、ゲーム機)等において、表面保護パネルとタッチパネルとの層間、タッチパネルと偏光フィルムとの層間、及び、タッチパネル内部の層間からなる群から選択される少なくとも1種の層間に用いられることが好ましい。
上述したように、上記タッチパネルは特に限定されず、例えば、ガラス板、樹脂板、樹脂フィルム、タッチパネル配線付きガラス板、タッチパネル配線付き樹脂フィルム等の複数の層を有するタッチパネル等の、携帯情報端末、平面型又はフレキシブル画像表示装置等に通常使用されるものを用いることができる。上記表面保護パネルは特に限定されず、例えば、ガラス板、ポリカーボネート板、アクリル板等の、携帯情報端末、平面型又はフレキシブル画像表示装置等に通常使用されるものを用いることができる。上記偏光フィルムとしても特に限定されず、携帯情報端末、平面型又はフレキシブル画像表示装置等に通常使用されるものを用いることができる。
ガラス板、樹脂板、樹脂フィルム、タッチパネル配線付きガラス板及びタッチパネル配線付き樹脂フィルムからなる群から選択される少なくとも1種の被着体と、本発明のタッチパネル用層間充填材料とが積層されている積層体もまた、本発明の1つである。
本発明のタッチパネル用層間充填材料を層間に挟んでから70℃付近で加熱圧着すれば容易に層間を充填することができる。なお、常圧にて本発明のタッチパネル用層間充填材料を層間に挟んでから加熱と同時に加圧を行うオートクレーブ(ACV)処理を行ってもよい。また、本発明のタッチパネル用層間充填材料を層間に挟んで70℃付近に加熱して付着させた後、更に真空ラミネータにて例えば1気圧にて70℃30分の予備加熱圧着を行ってから、加熱と同時に加圧を行うオートクレーブ(ACV)処理を、85℃、0.5MPa以上で30分行うことで、気泡をより容易に除去することができる。また、真空ラミネータにて、例えば5気圧にて70℃30分の熱圧着を行って層間を充填してもよい。また、真空中にて圧子で押さえて圧着した後、例えば1気圧にて70℃30分の熱圧着を行って層間を充填してもよい。
図1は、本発明のタッチパネル用層間充填材料の使用方法の一例を模式的に示す断面図である。図1においては、表面保護パネル3とタッチパネル2との層間、及び、タッチパネル2と偏光フィルム4との層間が、本発明のタッチパネル用層間充填材料1で充填されている。
図1においては、表面保護パネル3の裏側にはマスキング等を目的として周縁部に加飾印刷部5が形成されているが、本発明のタッチパネル用層間充填材料1は、このような加飾印刷部5により形成された段差にも、タッチパネル2に形成されている配線の段差(図示しない)にも充分に追従して、層間の充填時(貼合時)に段差の境界部に残存する気泡を除去することができる。また、図1においては、表面保護パネル3、タッチパネル2、偏光フィルム4はそれぞれ様々な材料からなるものであるが、本発明のタッチパネル用層間充填材料1は、無機材料にも、有機材料にも充分な接着性を有することができる。
本発明によれば、携帯情報端末の製造等においてタッチパネルと他の部材との層間又はタッチパネル内部の層間を充填するために用いられ、層間の充填時(貼合時)の加飾印刷部段差又は配線段差への追従性及び層間の充填時(貼合時)に巻き込まれた気泡又は段差付近に残った気泡の脱泡性に優れ、打ち抜き加工時に打ち抜き刃に対して糊残りが少なく、無機材料にも有機材料にも、充分な接着性を有するタッチパネル用層間充填材料を提供することができる。また、本発明によれば、該タッチパネル用層間充填材料を用いて製造された積層体を提供することができる。
本発明のタッチパネル用層間充填材料の使用方法の一例を模式的に示す断面図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1〜9、比較例1、2)
(イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(1)の製造)
平均重合度800、鹸化度99モル%、アミノ基量3.5モル%のアミノ基を有するポリビニルアルコール250gを純水1800gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸170gとn−ブチルアルデヒド130gとを添加し、液温を20℃に下げてこの温度を保持してアセタール化及びイミノ化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を40℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、イミン変性ポリビニルブチラール樹脂の粉末を得た。得られたイミン変性ポリビニルブチラール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてブチラール化度及びイミン変性度を測定したところ、ブチラール化度は70モル%、イミン変性度は3.5モル%であった(表1に示した)。なお、得られたイミン変性ポリビニルブチラール樹脂の平均重合度、アセチル基量、水酸基量についても表1に示した。
(イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(2)の製造)
平均重合度800、鹸化度99モル%、アミノ基量6.6モル%のアミノ基を有するポリビニルアルコール260g、n−ブチルアルデヒド130gを用いて、イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(1)と同様の方法によりイミン変性ポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたイミン変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は70モル%、イミン変性度は6.6モル%であった。
(イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(3)の製造)
平均重合度800、鹸化度98モル%、アミノ基量9.0モル%のアミノ基を有するポリビニルアルコール250g、n−ブチルアルデヒド150gを用いて、イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(1)と同様の方法によりイミン変性ポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたイミン変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は70モル%、イミン変性度は9.0モル%であった。
(イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(4)の製造)
平均重合度800、鹸化度99モル%、アミノ基量1.0モル%のアミノ基を有するポリビニルアルコール240g、n−ブチルアルデヒド130gを用いて、イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(1)と同様の方法によりイミン変性ポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたイミン変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は70モル%、イミン変性度は1.0モル%であった。
(イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(5)の製造)
平均重合度800、鹸化度99.5モル%、アミノ基量15.0モル%のアミノ基を有するポリビニルアルコール250g、n−ブチルアルデヒド150gを用いて、イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(1)と同様の方法によりイミン変性ポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたイミン変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は70モル%、イミン変性度は15.0モル%であった。
(イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(6)の製造)
平均重合度800、鹸化度99.5モル%、アミノ基量20.0モル%のアミノ基を有するポリビニルアルコール250g、n−ブチルアルデヒド150gを用いて、イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(1)と同様の方法によりイミン変性ポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたイミン変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は70モル%、イミン変性度は20.0モル%であった。
(イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(7)の製造)
平均重合度600、鹸化度99.5モル%、アミノ基量10.0モル%のアミノ基を有するポリビニルアルコール250g、n−ブチルアルデヒド150gを用いて、イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(1)と同様の方法によりイミン変性ポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたイミン変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は70モル%、イミン変性度は10.0モル%であった。
(イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(8)の製造)
平均重合度1600、鹸化度99.5モル%、アミノ基量10.0モル%のアミノ基を有するポリビニルアルコール250g、n−ブチルアルデヒド150gを用いて、イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(1)と同様の方法によりイミン変性ポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたイミン変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は70モル%、イミン変性度は10.0モル%であった。
(イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(9)の製造)
平均重合度2500、鹸化度99.5モル%、アミノ基量10.0モル%のアミノ基を有するポリビニルアルコール250g、n−ブチルアルデヒド150gを用いて、イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(1)と同様の方法によりイミン変性ポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたイミン変性ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は70モル%、イミン変性度は10.0モル%であった。
(ポリビニルブチラール樹脂(10)の製造)
平均重合度800、鹸化度99.3モル%のポリビニルアルコールを300g投入し、n−ブチルアルデヒド150gを用いて、イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(1)と同様の方法によりポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は69モル%、イミン変性度は0.0モル%であった。
(ポリビニルブチラール樹脂(11)の製造)
平均重合度1600、鹸化度99.3モル%のポリビニルアルコールを300g投入し、n−ブチルアルデヒド150gを用いて、イミン変性ポリビニルブチラール樹脂(1)と同様の方法によりポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は69モル%、イミン変性度は0.0モル%であった。
(シート状層間充填材料の製造)
得られたイミン変性ポリビニルブチラール樹脂(1)〜(9)、ポリビニルブチラール樹脂(10)、(11)を用いて、表2に示すシート状層間充填材料の配合にて以下の製膜を実施した。
得られたイミン変性ポリビニルブチラール樹脂又はポリビニルブチラール樹脂(表1に示したブチラール化度(Bu化度)、水酸基量、アセチル基量、イミン変性度を有する)100重量部に対して、可塑剤を表2に示す種類及び配合量で添加し、充分に混練し、混練物を得た。得られた混練物をプレス成型機でプレス成型してシート状に製膜し、表2に示す膜厚のシート状層間充填材料を得た。
<評価1>
実施例、比較例で得られたシート状層間充填材料について、下記の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)脱泡性
76mm×52mm、厚み1.0〜1.2mmの白板ガラス(松浪硝子社製S9112)に白板ガラスと同サイズにカットしたシート状層間充填材料の片面を貼付し、シート状層間充填材料のもう一方の面を白板ガラスと同サイズにカットしたITO−PETフィルム(ITOをコーティングしたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)に貼付し、ガラス/シート状層間充填材料/ITO−PETフィルム構成体を作製した。このとき、ガラスとシート状層間充填材料との界面に気泡を封入した。次いで、この構成体を70℃、1atmの真空ラミネータで30分、予備加熱圧着し、次いで70℃、0.5MPaのオートクレーブに入れて30分加熱し、ガラスとITO−PETフィルムとの層間がシート状層間充填材料で充填されている積層体を得た。
得られた積層体をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)にて観察し、気泡が残存していないものを「○」と、気泡が残存したものを「×」とした。
(2)段差追従性
76mm×52mm、厚み1.0〜1.2mmの白板ガラス(松浪硝子社製S9112)に、外枠76mm×52mm、内枠56mm×32mmのロの字型の額縁状の厚み20μmの片面粘着剤を貼付し段差を作製した。
シート状層間充填材料を76mm×52mmにカットし、白板ガラスのロの字型の額縁状段差を貼付している面に貼付し、シート状層間充填材料のもう一方の面を別途用意した厚み1.0〜1.2mmの白板ガラス(松浪硝子社製S9112)に貼付した。それぞれ貼合する際にはできる限り気泡が入らないようにした。70℃で30分、1atmで真空ラミネータを用いて圧着してから、70℃、0.5MPaのオートクレーブで30分処理し、30℃以下にしてから解圧して、積層体を得た。
得られた積層体をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)にて観察し、段差の境界部での気泡の残存のなかったものを「○」とし、気泡の残存が確認されたものを「×」とした。
(3)糊残り性
シート状層間充填材料を50mm×50mmのトムソン刃で50回打ち抜いたときに、トムソン刃へのシート状層間充填材料の付着(糊残り)発生の有無を目視により確認した。
トムソン刃に糊残りが発生しなかったものを「○」とし、糊残りが発生したものを「×」とした。
(4)接着性
シート状層間充填材料を幅25mm及び長さ100mmに裁断した。次に、シート状層間充填材料の片面をガラス板に貼付し、シート状層間充填材料のもう一方の面を次に示す被着体に貼付した。70℃で30分、1atmで真空ラミネータを用いて圧着してから、70℃、0.5MPaのオートクレーブで30分処理し、30℃以下にしてから解圧して、積層体を得た。
被着体としては、無機材料としてガラス板、ITO−PETフィルム(ITOをコーティングしたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)を、有機材料として偏光フィルム、アクリル板、ポリカーボネート板を用いた。
得られた積層体について、シート状層間充填材料の被着体に対する剥離接着力(接着力)を、剥離角度90度で引き剥がして評価した。
被着体からシート状層間充填材料が強く引き剥がそうとしても剥がれなかったものを「◎」とし、被着体からシート状層間充填材料が強く引き剥がそうとうすれば剥がれたものを「○」とし、被着体からシート状層間充填材料が直ぐに剥がれたであったものを「△」とし、被着体とシート状層間充填材料が接着しなかったものを「×」とした。
Figure 2016197301
Figure 2016197301
(比較例3)
(アクリル共重合体(樹脂(12))の製造)
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート65.0重量部、メチルメタクリレート26.0重量部、エチルアクリレート4.0重量部、ヒドロキシエチルアクリレート1.0重量部、アクリル酸4.0重量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2重量部とを酢酸エチル100重量部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合してアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、測定サンプルを調製した。この測定サンプルをゲルパーミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、アクリル共重合体のポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)を求めた。得られたアクリル共重合体の重量平均分子量は65.0万であった。
カラムとしてはGPC LF−804(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
(透明接着剤の製造)
得られたアクリル共重合体100重量部を酢酸エチルで希釈し樹脂固形分45%の粘着剤溶液を得た。上記粘着剤溶液100重量部に対し、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製コロネートL−45、固形分45%)を1.0重量部添加し15分攪拌後、厚み50μmの離型PETフィルムの離型処理面に乾燥後の厚さが200μmになるように塗工して、80℃で15分間乾燥した。更に得られた粘着剤層の上に、離型処理面が粘着剤層に接するようにして新たに用意した離型PETフィルムを重ね合わせて積層体を得た。その後積層体を23℃で5日間養生し、離型PETフィルムが両面に貼り付けられた透明接着剤(厚み200μm)を得た。
<評価2>
比較例で得られた透明接着剤について、上記<評価1>と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
Figure 2016197301
Figure 2016197301
本発明によれば、携帯情報端末の製造等においてタッチパネルと他の部材との層間又はタッチパネル内部の層間を充填するために用いられ、層間の充填時(貼合時)の加飾印刷部段差又は配線段差への追従性及び層間の充填時(貼合時)に巻き込まれた気泡又は段差付近に残った気泡の脱泡性に優れ、打ち抜き加工時に打ち抜き刃に対して糊残りが少なく、無機材料にも有機材料にも、充分な接着性を有するタッチパネル用層間充填材料を提供することができる。また、本発明によれば、該タッチパネル用層間充填材料を用いて製造された積層体を提供することができる。
1 タッチパネル用層間充填材料
2 タッチパネル
3 表面保護パネル
4 偏光フィルム
5 加飾印刷部

Claims (4)

  1. タッチパネルと他の部材との層間又は前記タッチパネル内部の層間を充填するために用いられるタッチパネル用層間充填材料であって、イミン変性ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有することを特徴とするタッチパネル用層間充填材料。
  2. イミン変性ポリビニルアセタール樹脂のイミン変性度が0.1〜30モル%であることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル用層間充填材料。
  3. イミン変性ポリビニルアセタール樹脂がイミン変性ポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載のタッチパネル用層間充填材料。
  4. ガラス板、樹脂板、樹脂フィルム、タッチパネル配線付きガラス板及びタッチパネル配線付き樹脂フィルムからなる群より選択される少なくとも1種の被着体と、請求項1、2、又は3記載のタッチパネル用層間充填材料とが積層されていることを特徴とする積層体。

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