JP2018197314A - 充填接合材、光学デバイス用積層体及び光学デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】部材を貼り合わせつつ部材間を充填するために好適に用いることができ、高温高湿環境下であっても高い接着力を発揮する充填接合材を提供する。また、該充填接合材を含む光学デバイス用積層体及び光学デバイスを提供する。【解決手段】可塑化ポリビニルアセタールとシランカップリング剤とを含有し、前記シランカップリング剤は、エポキシ基、(メタ)アクリル基又はアミノ基を有する充填接合材。【選択図】なし
Description
本発明は、部材を貼り合わせつつ部材間を充填するために好適に用いることができ、高温高湿環境下であっても高い接着力を発揮する充填接合材に関する。また、本発明は、該充填接合材を含む光学デバイス用積層体及び光学デバイスに関する。
光学デバイスにおいて部材を貼り合わせつつ、それら部材間を充填する透明粘着シート等が知られている。例えば、ディスプレイモジュールやタッチパネルモジュールと、ガラス等からなる表面保護パネルとの間を充填するアクリル粘着剤が広く用いられている(例えば、特許文献1)。このようなデバイスにおいては、部材間の空隙を、部材との屈折率差が小さい透明粘着シート等で埋めることにより、光学的品質(透明性、輝度、コントラスト等)を改善し、視認性を向上させることが行われている。
しかしながら、従来の薄膜シート状のアクリル粘着剤は、貼合時に気泡の巻き込みが発生し、表面保護パネルとアクリル粘着剤との間に気泡が残存することがあり、視認性又は耐久性を低下させる恐れがあった。また、表面保護パネルの裏側にはマスキング等を目的として周縁部に印刷部が形成されている場合があり、このような印刷部により形成された段差、又は、電気的配線の段差の境界部に気泡が残存し、視認性又は耐久性を低下させる恐れがあった。
更に、近年、光学デバイスは、車輌の電装、工業用機器等にも搭載されるようになり、高温高湿度の厳しい環境下であっても耐久性を有することが望まれている。従来の薄膜シート状のアクリル粘着剤は、高温高湿環境下では接着力が低下し、剥離したり気泡が生じたりして、視認性又は耐久性を低下させる恐れがあった。
更に、近年、光学デバイスは、車輌の電装、工業用機器等にも搭載されるようになり、高温高湿度の厳しい環境下であっても耐久性を有することが望まれている。従来の薄膜シート状のアクリル粘着剤は、高温高湿環境下では接着力が低下し、剥離したり気泡が生じたりして、視認性又は耐久性を低下させる恐れがあった。
本発明は、部材を貼り合わせつつ部材間を充填するために好適に用いることができ、高温高湿環境下であっても高い接着力を発揮する充填接合材を提供することを目的とする。また、本発明は、該充填接合材を含む光学デバイス用積層体及び光学デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、可塑化ポリビニルアセタールとシランカップリング剤とを含有し、前記シランカップリング剤は、エポキシ基、(メタ)アクリル基又はアミノ基を有する充填接合材である。
以下、本発明を詳述する。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、従来の薄膜シート状のアクリル粘着剤に代わる材料として、可塑化ポリビニルアセタールを含有する充填接合材を検討してきた。このような充填接合材は、被接合部材と積層させた状態で熱及び圧力をかけて一定時間保持することで、被接合部材を強く接合させることができる。
可塑化ポリビニルアセタールを用いることにより、段差追従性(発泡防止性)や飛散防止性(光学デバイス等が破損した場合に破片の飛散を防止する性能)に優れた充填接合材とすることができる。また、従来の薄膜シート状のアクリル粘着剤のようないわゆる粘着剤を用いた場合とは異なり、被接合部材への汚染が少なく、充填接合材のリワークも可能となる。
更に、本発明者らは、可塑化ポリビニルアセタールを含有する充填接合材にシランカップリング剤を配合することで、高温高湿環境下であっても高い接着力を維持させることを検討した。その結果、本発明者らは、充填接合材にシランカップリング剤を配合しないか又は配合したとしてもそのシランカップリング剤の末端官能基の種類によっては、高温高湿環境下での充填接合材の接着力が低下することを見出した。被接合部材の材質によっては接着力の低下がみられない場合もあったが、特に被接合部材がガラスである場合には、顕著な接着力の低下がみられた。そして、本発明者らは、特定の末端官能基を有するシランカップリング剤を用いることにより、高温高湿環境下での充填接合材の接着力、特にガラスに対する接着力を向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
可塑化ポリビニルアセタールを用いることにより、段差追従性(発泡防止性)や飛散防止性(光学デバイス等が破損した場合に破片の飛散を防止する性能)に優れた充填接合材とすることができる。また、従来の薄膜シート状のアクリル粘着剤のようないわゆる粘着剤を用いた場合とは異なり、被接合部材への汚染が少なく、充填接合材のリワークも可能となる。
更に、本発明者らは、可塑化ポリビニルアセタールを含有する充填接合材にシランカップリング剤を配合することで、高温高湿環境下であっても高い接着力を維持させることを検討した。その結果、本発明者らは、充填接合材にシランカップリング剤を配合しないか又は配合したとしてもそのシランカップリング剤の末端官能基の種類によっては、高温高湿環境下での充填接合材の接着力が低下することを見出した。被接合部材の材質によっては接着力の低下がみられない場合もあったが、特に被接合部材がガラスである場合には、顕著な接着力の低下がみられた。そして、本発明者らは、特定の末端官能基を有するシランカップリング剤を用いることにより、高温高湿環境下での充填接合材の接着力、特にガラスに対する接着力を向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の充填接合材は、可塑化ポリビニルアセタールとシランカップリング剤とを含有する。このような充填接合材は、被接合部材と積層させた状態で熱及び圧力をかけて一定時間保持することで、被接合部材を強く接合させることができる。
本明細書中、充填接合材とは、被接合部材との界面に接着剤又は粘着剤を介さずに、それ自身で被接合部材同士を貼り合せることが可能であり、かつ、被接合部材同士の空間(空隙)を充填することができる材料を意味する。
本明細書中、充填接合材とは、被接合部材との界面に接着剤又は粘着剤を介さずに、それ自身で被接合部材同士を貼り合せることが可能であり、かつ、被接合部材同士の空間(空隙)を充填することができる材料を意味する。
本明細書中、可塑化ポリビニルアセタールとは、ポリビニルアセタールと可塑剤とを含有する樹脂を意味する。
上記可塑化ポリビニルアセタールを用いることにより、段差追従性(発泡防止性)や飛散防止性(光学デバイス等が破損した場合に破片の飛散を防止する性能)に優れた充填接合材とすることができる。また、従来の薄膜シート状のアクリル粘着剤のようないわゆる粘着剤を用いた場合とは異なり、被接合部材への汚染が少なく、充填接合材のリワークも可能となる。
上記可塑化ポリビニルアセタールを用いることにより、段差追従性(発泡防止性)や飛散防止性(光学デバイス等が破損した場合に破片の飛散を防止する性能)に優れた充填接合材とすることができる。また、従来の薄膜シート状のアクリル粘着剤のようないわゆる粘着剤を用いた場合とは異なり、被接合部材への汚染が少なく、充填接合材のリワークも可能となる。
上記ポリビニルアセタールは、例えば、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られたポリビニルアルコールを、触媒存在下でアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。上記ポリビニルアルコールの鹸化度は特に限定されないが、一般に70〜99.9モル%の範囲内にあり、鹸化度70〜99.8モル%が好ましく、80〜99.8モル%がより好ましい。
上記ポリビニルアルコールの平均重合度は特に限定されないが、より優れた飛散防止性を得る観点からは分子量の大きなポリビニルアセタールが好適であるため、平均重合度の高いポリビニルアルコールを用いることが好ましい。上記ポリビニルアルコールの平均重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は4000である。上記平均重合度が200以上であると、上記可塑化ポリビニルアセタールの機械的強度及び飛散防止性の低下を防止することができる。上記平均重合度が4000以下であれば、上記ポリビニルアルコールをアセタール化する際に溶液粘度が異常に高くなることがなくアセタール化や充填接合材の成形を適切に行うことができる。上記平均重合度のより好ましい下限は600、より好ましい上限は3800であり、更に好ましい下限は800、更に好ましい上限は3600である。
また、上記平均重合度を2000以下とすることで、可塑剤の含有量の調整等により、残留応力を低減することができる。上記平均重合度のより好ましい上限は1800、更に好ましい上限は1500、特に好ましい上限は900である。
また、上記平均重合度を2000以下とすることで、可塑剤の含有量の調整等により、残留応力を低減することができる。上記平均重合度のより好ましい上限は1800、更に好ましい上限は1500、特に好ましい上限は900である。
上記ポリビニルアルコールを触媒存在下でアルデヒドによりアセタール化する際には、上記ポリビニルアルコールを含む溶液を用いてもよい。上記ポリビニルアルコールを含む溶液に用いられる溶媒として、例えば、水等が挙げられる。
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般的には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。
上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
即ち、上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラール(上記アルデヒドがn−ブチルアルデヒドである場合、上記ポリビニルアセタールをポリビニルブチラールという)を含有することが好ましい。上記ポリビニルブチラールを用いることにより、充填接合材のガラスに対する接着力が適切に発現し、耐光性、耐候性等が向上する。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタールを併用してもよい。
上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
即ち、上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラール(上記アルデヒドがn−ブチルアルデヒドである場合、上記ポリビニルアセタールをポリビニルブチラールという)を含有することが好ましい。上記ポリビニルブチラールを用いることにより、充填接合材のガラスに対する接着力が適切に発現し、耐光性、耐候性等が向上する。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタールを併用してもよい。
段差追従性及び発泡防止性に優れることから、上記ポリビニルアセタールは、分子間架橋が少ないことが好ましい。上記ポリビニルアセタールの分子間架橋が少なければ、上記ポリビニルアセタールの分子量、アセチル基量、アセタール化度等が同じであっても、より段差追従性及び発泡防止性に優れた充填接合材を得ることができる。更に上記ポリビニルアセタールの分子量が大きければ、より優れた飛散防止性を得ることができる。
このような分子間架橋の少ないポリビニルアセタールを得る方法として、例えば、隣接するポリビニルアルコールの主鎖を架橋させないように、上記アルデヒドによるアセタール化反応の前又は途中で上記アルデヒドを過剰に投入しないようにする方法が好ましい。アセタール化に必要な量を超えて上記アルデヒドを投入すると、架橋の度合いが高くなる。
このような分子間架橋の少ないポリビニルアセタールを得る方法として、例えば、隣接するポリビニルアルコールの主鎖を架橋させないように、上記アルデヒドによるアセタール化反応の前又は途中で上記アルデヒドを過剰に投入しないようにする方法が好ましい。アセタール化に必要な量を超えて上記アルデヒドを投入すると、架橋の度合いが高くなる。
上記ポリビニルアセタールの水酸基の含有率(水酸基量)の好ましい下限は16モル%、好ましい上限は45モル%である。上記水酸基量が16モル%以上であれば、充填接合材のガラスに対する接着力が向上する。上記水酸基量が45モル%以下であれば、上記ポリビニルアセタールの柔軟性が高くなって取扱い性が向上し、また、上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性が高くなり、充填接合材の段差追従性が向上する。上記水酸基量のより好ましい下限は18モル%、更に好ましい下限は20モル%、特に好ましい下限は22モル%であり、より好ましい上限は40モル%、更に好ましい上限は38モル%、更により好ましい上限は36モル%、特に好ましい上限は35モル%である。
なお、ポリビニルアセタールの水酸基量は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により求めることができる。
なお、ポリビニルアセタールの水酸基量は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により求めることができる。
上記ポリビニルアセタールのアセチル化度(アセチル基量)の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は30モル%である。上記アセチル基量が0.1モル%以上であれば、上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性が高くなり、充填接合材の段差追従性が向上する。上記アセチル基量が30モル%以下であれば、上記ポリビニルアセタールの耐湿性が向上する。また、上記アセチル基量が30モル%以下であれば、上記ポリビニルアセタールを製造する際の反応効率の低下を抑制することができる。上記アセチル基量のより好ましい下限は0.2モル%、更に好ましい下限は0.3モル%であり、より好ましい上限は24モル%、更に好ましい上限は20モル%、更により好ましい上限は19.5モル%、特に好ましい上限は15モル%である。
なお、ポリビニルアセタールのアセチル基量は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
なお、ポリビニルアセタールのアセチル基量は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記ポリビニルアセタールのアセチル基量を上記範囲に調整する方法として、例えば、上記ポリビニルアルコールの鹸化度を調整する方法が挙げられる。即ち、上記ポリビニルアセタールのアセチル基量は、上記ポリビニルアルコールの鹸化度に依存するものであり、鹸化度が低いポリビニルアルコールを用いれば上記ポリビニルアセタールのアセチル基量は大きくなり、鹸化度が高いポリビニルアルコールを用いれば上記ポリビニルアセタールのアセチル基量は小さくなる。
上記ポリビニルアセタールのアセタール化度の好ましい下限は50モル%、好ましい上限は85モル%である。上記アセタール化度が50モル%以上であれば、上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が85モル%以下であれば、上記ポリビニルアセタールを製造するために必要な反応時間を短縮できる。上記アセタール化度のより好ましい下限は54モル%、更に好ましい下限は58モル%、特に好ましい下限は60モル%である。上記アセタール化度のより好ましい上限は82モル%、更に好ましい上限は79モル%、特に好ましい上限は77モル%である。
なお、ポリビニルアセタールのアセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル基量とビニルアルコール量(水酸基の含有率)とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、次いで、100モル%からアセチル基量とビニルアルコール量とを差し引くことにより算出されうる。
なお、ポリビニルアセタールのアセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル基量とビニルアルコール量(水酸基の含有率)とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、次いで、100モル%からアセチル基量とビニルアルコール量とを差し引くことにより算出されうる。
上記ポリビニルアセタールのアセタール化度を調整する方法として、例えば、上記アルデヒドの添加量を調整する方法が挙げられる。上記アルデヒドの添加量を少なくすれば上記ポリビニルアセタールのアセタール化度は低くなり、上記アルデヒドの添加量を多くすれば上記ポリビニルアセタールのアセタール化度は高くなる。
上記可塑剤は特に限定されず、従来公知の可塑剤を用いることができ、単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。上記可塑剤として、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機酸エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機酸エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤は、液状可塑剤であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸と、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールとの反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとの反応によって得られたエステル化合物等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとの反応によって得られたエステル化合物等が挙げられる。
上記有機酸エステル可塑剤は、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。上記ジエステル可塑剤を用いることにより、充填接合材の成形性が向上する。
R1−CO−(−R3−O−)p−CO−R2 (1)
式(1)中、R1及びR2はそれぞれ炭素数5〜10(好ましくは炭素数6〜10)の有機基を表し、R3はエチレン基、イソプロピレン基又はn−プロピレン基を表し、pは3〜10の整数を表す。
上記有機酸エステル可塑剤は、具体的には例えば、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、ジヘキシルアジペート、ジオクチルアジペート、ヘキシルシクロヘキシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ヘプチルノニルアジペート、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル等が挙げられる。
R1−CO−(−R3−O−)p−CO−R2 (1)
式(1)中、R1及びR2はそれぞれ炭素数5〜10(好ましくは炭素数6〜10)の有機基を表し、R3はエチレン基、イソプロピレン基又はn−プロピレン基を表し、pは3〜10の整数を表す。
上記有機酸エステル可塑剤は、具体的には例えば、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、ジヘキシルアジペート、ジオクチルアジペート、ヘキシルシクロヘキシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ヘプチルノニルアジペート、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル等が挙げられる。
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤のなかでも、ジヘキシルアジペート(DHA)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(4GH)、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(4G7)及びトリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(3G7)からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(3G7)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)がより好ましい。トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートが更に好ましい。
上記ポリビニルアセタールに対する上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール100重量部に対する好ましい下限は5重量部、好ましい上限は75重量部である。上記含有量が上記範囲であれば、充填接合材の飛散防止性と段差追従性とを両立しやすくなる。
上記含有量が5重量部未満であると、充填接合材の成形性が低下することがある。上記含有量が75重量部を超えると、充填接合材の透明性が低下したり、上記可塑剤がブリードアウトしたりすることがある。上記可塑剤のより好ましい下限は10重量部、更に好ましい下限は15重量部、特に好ましい下限は20重量部であり、より好ましい上限は65重量部、更に好ましい上限は55重量部、特に好ましい上限は45重量部である。
上記含有量が5重量部未満であると、充填接合材の成形性が低下することがある。上記含有量が75重量部を超えると、充填接合材の透明性が低下したり、上記可塑剤がブリードアウトしたりすることがある。上記可塑剤のより好ましい下限は10重量部、更に好ましい下限は15重量部、特に好ましい下限は20重量部であり、より好ましい上限は65重量部、更に好ましい上限は55重量部、特に好ましい上限は45重量部である。
なお、上記ポリビニルアセタールによって凝集力を発生させているため、上記可塑剤の含有量は少ないほうが好ましい。即ち、上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性を高めて、上記可塑剤の含有量を低下させることが好ましい。これにより、飛散防止性を向上させることができる。
上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性を高める方法として、例えば、上記ポリビニルアセタールのアセタール化度を大きくする方法、アセチル基量を高くする方法が好ましい。また、上記ポリビニルアセタールの水酸基のブロック性を落とす方法も好ましい。水酸基のブロック化を抑制する方法として、熟成温度を下げる方法が好ましい。
上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性を高める方法として、例えば、上記ポリビニルアセタールのアセタール化度を大きくする方法、アセチル基量を高くする方法が好ましい。また、上記ポリビニルアセタールの水酸基のブロック性を落とす方法も好ましい。水酸基のブロック化を抑制する方法として、熟成温度を下げる方法が好ましい。
本発明の充填接合材中、上記可塑化ポリビニルアセタールの含有量は50重量%以上であることが好ましい。上記含有量が50重量%以上であると、充填接合材の飛散防止性と段差追従性とを両立しやすくなる。上記含有量のより好ましい下限は60重量%、更に好ましい下限は70重量%、特に好ましい下限は80重量%、最も好ましい下限は90重量%である。
上記可塑化ポリビニルアセタールの含有量の上限は特に限定されず、100重量%であってもよい。
上記可塑化ポリビニルアセタールの含有量の上限は特に限定されず、100重量%であってもよい。
上記シランカップリング剤は、エポキシ基、(メタ)アクリル基又はアミノ基を有する。
本発明者らは、充填接合材にシランカップリング剤を配合しないか又は配合したとしてもそのシランカップリング剤の末端官能基の種類によっては、高温高湿環境下での充填接合材の接着力が低下することを見出した。被接合部材の材質によっては接着力の低下がみられない場合もあったが、特に被接合部材がガラスである場合には、顕著な接着力の低下がみられた。
本発明の充填接合材は、上記末端官能基(即ち、エポキシ基、(メタ)アクリル基又はアミノ基)を有するシランカップリング剤を含有することにより、高温高湿環境下であっても被接合部材(ガラスを含む)に対して高い接着力を発揮することができる。これらの末端官能基は単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、高温高湿環境下で高い接着力を発揮する効果が大きいことから、エポキシ基、(メタ)アクリル基が好ましく、エポキシ基が特に好ましい。
本発明者らは、充填接合材にシランカップリング剤を配合しないか又は配合したとしてもそのシランカップリング剤の末端官能基の種類によっては、高温高湿環境下での充填接合材の接着力が低下することを見出した。被接合部材の材質によっては接着力の低下がみられない場合もあったが、特に被接合部材がガラスである場合には、顕著な接着力の低下がみられた。
本発明の充填接合材は、上記末端官能基(即ち、エポキシ基、(メタ)アクリル基又はアミノ基)を有するシランカップリング剤を含有することにより、高温高湿環境下であっても被接合部材(ガラスを含む)に対して高い接着力を発揮することができる。これらの末端官能基は単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、高温高湿環境下で高い接着力を発揮する効果が大きいことから、エポキシ基、(メタ)アクリル基が好ましく、エポキシ基が特に好ましい。
上記シランカップリング剤は、上記末端官能基に加えて、更に、加水分解性基を有していてもよい。上記加水分解性基は特に限定されず、例えば、クロロ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。これらの加水分解性基は単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記加水分解性基の数(シランカップリング剤1分子中の加水分解性基の数)は特に限定されないが、2又は3が好ましい。上記加水分解性基の数が2又は3であれば、上記シランカップリング剤1分子中の2点以上の箇所でガラス界面の水酸基と縮合反応することができるようになり、高温高湿環境下での充填接合材の接着力がより向上する。
上記加水分解性基の数(シランカップリング剤1分子中の加水分解性基の数)は特に限定されないが、2又は3が好ましい。上記加水分解性基の数が2又は3であれば、上記シランカップリング剤1分子中の2点以上の箇所でガラス界面の水酸基と縮合反応することができるようになり、高温高湿環境下での充填接合材の接着力がより向上する。
上記エポキシ基を有するシランカップリング剤として、具体的には例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤として、具体的には例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記アミノ基を有するシランカップリング剤として、具体的には例えば、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
なかでも、高温高湿環境下で高い接着力を発揮する効果が大きいことに加えて上記可塑化ポリビニルアセタールと相溶しやすいことから、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤として、具体的には例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記アミノ基を有するシランカップリング剤として、具体的には例えば、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
なかでも、高温高湿環境下で高い接着力を発揮する効果が大きいことに加えて上記可塑化ポリビニルアセタールと相溶しやすいことから、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
上記シランカップリング剤の含有量は、上記可塑化ポリビニルアセタール100重量部に対する好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が5.0重量部である。上記含有量が0.05重量部以上であれば、高温高湿環境下での充填接合材の接着力がより向上する。上記含有量が5.0重量部以下であれば、上記シランカップリング剤が上記可塑化ポリビニルアセタールと充分に相溶することができる。上記含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は3.0重量部であり、更に好ましい下限は0.5重量部、更に好ましい上限は2.0重量部である。
本発明の充填接合材は、更に、反応性希釈剤と光硬化開始剤とを含有することが好ましい。
上記反応性希釈剤と上記光硬化開始剤とを含有させることにより、充填接合材を光硬化させることができるため、充填接合材の強度を強めたり、偏光板等の被接合部材に対する接着力を強めたりすることができる。
上記反応性希釈剤と上記光硬化開始剤とを含有させることにより、充填接合材を光硬化させることができるため、充填接合材の強度を強めたり、偏光板等の被接合部材に対する接着力を強めたりすることができる。
本明細書において、反応性希釈剤とは、可塑化ポリビニルアセタールと相溶するとともに、光を照射することにより反応性希釈剤間で反応して架橋、硬化させることができる化合物を意味する。なお、本明細書において、反応性希釈剤は、上記可塑剤には含めない。
上記反応性希釈剤は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリルモノマー又は(メタ)アクリルオリゴマー等の(メタ)アクリル系反応性希釈剤、エポキシモノマー又はエポキシオリゴマー等のエポキシ系反応性希釈剤等が挙げられる。なかでも、上記可塑化ポリビニルアセタールとの相溶が高く、光硬化開始材と組み合わせることにより容易に、架橋させることができることから、(メタ)アクリル系反応性希釈剤が好ましい。
上記反応性希釈剤の含有量は特に限定されないが、上記可塑化ポリビニルアセタール100重量部に対する好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が30重量部である。上記含有量が0.1重量部以上であれば、高温高湿環境下での充填接合材の接着力がより向上する。上記含有量が30重量部以下であれば、上記反応性希釈剤が上記可塑化ポリビニルアセタールと充分に相溶することができる。上記含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は20重量部である。
上記光硬化開始剤は特に限定されず、例えば、上記反応希釈剤として(メタ)アクリル系反応性希釈剤を用いる場合、ベンゾイン系光重合開始剤、アルキルフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィン系光重合開始剤、有機過酸化物、アゾ系光重合開始剤等が挙げられる。これらの光硬化開始剤は単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光硬化開始剤の含有量は、上記可塑化ポリビニルアセタール100重量部に対する好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が2重量部である。上記光硬化開始剤の含有量が上記範囲内であれば、充分に上記反応性希釈剤を反応させることができる。上記光硬化開始剤の含有量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は1.0重量部である。
本発明の充填接合材は、必要に応じて、接着力調整剤、粘着付与樹脂、乳化剤、軟化剤、微粒子、充填剤、顔料、染料、酸化防止剤、界面活性剤、ワックス等の公知の添加剤を含有してもよい。
本発明の充填接合材は、20℃における貯蔵弾性率が2×105Pa以上であることが好ましい。
上記20℃における貯蔵弾性率が上記範囲内であることにより、充填接合材は、常温ではタック性が低いことから、常温での打ち抜き加工時には打ち抜き刃に対する糊残りが少なくなる。一方、充填接合材は、被接合部材と積層させた状態で熱及び圧力をかけて一定時間保持することで、被接合部材を強く接合させることができ、段差追従性(発泡防止性)や飛散防止性(光学デバイス等が破損した場合に破片の飛散を防止する性能)にも優れる。上記20℃における貯蔵弾性率は、1×106Pa以上がより好ましく、5×106Pa以上が更に好ましく、1×107以上が更により好ましく、3×107以上が特に好ましい。
上記20℃における貯蔵弾性率の上限は特に限定されないが、好ましい上限は1×1010Paである。上記20℃における貯蔵弾性率が1×1010Paを超えると、充填接合材が硬くなりすぎて、密着性又は取扱い性が低下することがある。上記20℃における貯蔵弾性率のより好ましい上限は1×109Paである。
上記20℃における貯蔵弾性率が上記範囲内であることにより、充填接合材は、常温ではタック性が低いことから、常温での打ち抜き加工時には打ち抜き刃に対する糊残りが少なくなる。一方、充填接合材は、被接合部材と積層させた状態で熱及び圧力をかけて一定時間保持することで、被接合部材を強く接合させることができ、段差追従性(発泡防止性)や飛散防止性(光学デバイス等が破損した場合に破片の飛散を防止する性能)にも優れる。上記20℃における貯蔵弾性率は、1×106Pa以上がより好ましく、5×106Pa以上が更に好ましく、1×107以上が更により好ましく、3×107以上が特に好ましい。
上記20℃における貯蔵弾性率の上限は特に限定されないが、好ましい上限は1×1010Paである。上記20℃における貯蔵弾性率が1×1010Paを超えると、充填接合材が硬くなりすぎて、密着性又は取扱い性が低下することがある。上記20℃における貯蔵弾性率のより好ましい上限は1×109Paである。
なお、充填接合材の20℃における貯蔵弾性率は、ARES−G2(TAINSTRUMENTS社製)、DVA−200(アイティー計測制御社製)等の動的粘弾性測定装置により、3℃/分の降温速度で100℃から−20℃まで温度を低下させる条件かつ周波数1Hz及び歪1%の条件にて測定することができる。
本発明の充填接合材の20℃における貯蔵弾性率を上記範囲に調整する方法としては、上記ポリビニルアセタールのアセタール化度、水酸基量、アセチル基量、平均重合度及び分子量を調整したり、可塑剤の含有量等を調整したりする方法が好ましい。
より具体的には例えば、可塑剤の含有量を多くするかポリビニルアセタールとの相溶性を高めると貯蔵弾性率は小さくなり、可塑剤の含有量を少なくするかポリビニルアセタールとの相溶性を低くすると貯蔵弾性率は大きくなる。また、ポリビニルアセタールの分子量を増大させることでも貯蔵弾性率は大きくなり、分子量を低下させると貯蔵弾性率は小さくなる。また、ガラス転移温度(Tg)を高くすると貯蔵弾性率は高くなり、Tgが20℃を下回ると貯蔵弾性率の低下が大きくなる。
より具体的には例えば、可塑剤の含有量を多くするかポリビニルアセタールとの相溶性を高めると貯蔵弾性率は小さくなり、可塑剤の含有量を少なくするかポリビニルアセタールとの相溶性を低くすると貯蔵弾性率は大きくなる。また、ポリビニルアセタールの分子量を増大させることでも貯蔵弾性率は大きくなり、分子量を低下させると貯蔵弾性率は小さくなる。また、ガラス転移温度(Tg)を高くすると貯蔵弾性率は高くなり、Tgが20℃を下回ると貯蔵弾性率の低下が大きくなる。
本発明の充填接合材の形状は特に限定されず、例えば、シート状(平板状)であってもよいし、偏肉形状であってもよい。
本発明の充填接合材がシート状(平板状)である場合、その厚みは特に限定されず、用途によって設定されるが、好ましい下限が5μm、好ましい上限が800μmである。上記厚みが5μm以上であると、充填接合材の段差追従性及び発泡防止性が向上する。上記厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は400μmであり、更に好ましい下限は25μm、更に好ましい上限は300μmであり、特に好ましい下限は50μm、特に好ましい上限は200μmであり、最も好ましい下限は75μm、最も好ましい上限は100μmである。
本発明の充填接合材がシート状(平板状)である場合、その厚みは特に限定されず、用途によって設定されるが、好ましい下限が5μm、好ましい上限が800μmである。上記厚みが5μm以上であると、充填接合材の段差追従性及び発泡防止性が向上する。上記厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は400μmであり、更に好ましい下限は25μm、更に好ましい上限は300μmであり、特に好ましい下限は50μm、特に好ましい上限は200μmであり、最も好ましい下限は75μm、最も好ましい上限は100μmである。
本発明の充填接合材が偏肉形状である場合、平面に限られない多様な形状を有する光学デバイス等において、部材を貼り合わせつつ部材間を充填するために充填接合材を好適に用いることができ、平面の光学デバイスの場合と同様の表示性能及び機械的強度を満たすことができる。
本明細書中、偏肉形状とは、矩形(直方体)以外の断面形状を有する形状を意味し、例えば、厚みが一様ではなく、厚みに偏りがある形状等が挙げられる。ただし、力を加えた際には変形して偏肉形状となる形状であっても、例えば一般的な薄膜や粘着シートのように、室温で静置した状態で厚みが一様な平板状である形状は含まない。
本明細書中、偏肉形状とは、矩形(直方体)以外の断面形状を有する形状を意味し、例えば、厚みが一様ではなく、厚みに偏りがある形状等が挙げられる。ただし、力を加えた際には変形して偏肉形状となる形状であっても、例えば一般的な薄膜や粘着シートのように、室温で静置した状態で厚みが一様な平板状である形状は含まない。
上記偏肉形状は、曲面を有する形状であることが好ましい。
上記曲面として、より具体的には例えば、凸型曲面及び凹型曲面が挙げられる。また、上記曲面は、充填接合材の表面の一部を構成してもよいし、全部を構成してもよい。なお、本発明の充填接合材は、表面に微細な構造を有していてもよいが、本発明でいう偏肉形状には、表面の微細な構造そのものは含まない。即ち、巨視的には平滑な平面を有する充填接合材が、微視的な形状(例えば、数nm〜数10μmの表面粗さ)を有していても、これらの形状は偏肉形状には含めない。
上記曲面として、より具体的には例えば、凸型曲面及び凹型曲面が挙げられる。また、上記曲面は、充填接合材の表面の一部を構成してもよいし、全部を構成してもよい。なお、本発明の充填接合材は、表面に微細な構造を有していてもよいが、本発明でいう偏肉形状には、表面の微細な構造そのものは含まない。即ち、巨視的には平滑な平面を有する充填接合材が、微視的な形状(例えば、数nm〜数10μmの表面粗さ)を有していても、これらの形状は偏肉形状には含めない。
上記曲面は、主曲率が1/5000mm−1以上であることが好ましい。ここで、主曲率とは、法曲率の最大値を指す。なお、曲面の曲率は、曲率半径をRとして、1/Rで表せる。上記主曲率のより好ましい下限は1/2000mm−1、更に好ましい下限は1/1000mm−1である。
上記曲面は、弧長が50mm以上であることが好ましい。ここで、曲面の弧長とは、対象とする曲面と、その主曲率(法曲率の最大値)を与える法平面との交差によって形成される曲線の長さである(法切断ともいう)。
上記曲面は、弦長が50mm以上であることが好ましい。ここで、曲面の弦長とは、上記法切断の端点間の距離である。
なお、図3は、曲面の弧長及び弦長について説明する模式図である。
上記曲面は、弦長が50mm以上であることが好ましい。ここで、曲面の弦長とは、上記法切断の端点間の距離である。
なお、図3は、曲面の弧長及び弦長について説明する模式図である。
上記偏肉形状は、少なくとも1つの平面を有する形状であることが好ましい。上記偏肉形状が少なくとも1つの平面を有する形状であることで、被接合部材として、通常平面形状である従来のディスプレイモジュールやタッチパネルモジュールを使用することができる。なかでも、上記偏肉形状は、平面と、上記平面に対向する曲面(凸型であっても凹型であってもよい)とを有する形状であることが好ましい。このような形状は、凸型又は凹型のレンズ形状ということもできる。上記偏肉形状がこのような形状であることで、充填接合材は、例えば、曲面形状を有する光学デバイスにおいて、通常平面形状であるディスプレイモジュールやタッチパネルモジュールと、湾曲した表面保護パネルとを貼り合わせつつ、これら部材間を充填するために好適に用いることができ、意匠性と製造時のハンドリングとに優れたパネルを提供できる。
上記偏肉形状として、具体的には例えば、角柱、円柱、半円柱等の柱体形状、角錐、円錐等の錐体形状、角錐台、円錐台等の錐台形状、球、半球、楕円体等の形状、及び、これらを組み合わせた形状が挙げられる。これらの形状は、一部に開口部や貫通孔を有していてもよい。貫通孔を有する形状として、例えば中空の円筒状形状が挙げられる。
本発明の充填接合材の形状は、被接合部材の形状に応じて適宜設計及び加工することができ、更には、加飾印刷部段差(表面保護パネルの裏側の印刷部の段差)や配線段差(タッチパネルモジュールに形成されている配線の段差)、タッチパネルモジュールの周縁部に設けられている筐体の段差等にも追従するように適宜設計及び加工することができる。また、いくつかの部分に分けて成形し、最終的に接合させることで偏肉形状を形成してもよい。
本発明の充填接合材の形状は、被接合部材の形状に応じて適宜設計及び加工することができ、更には、加飾印刷部段差(表面保護パネルの裏側の印刷部の段差)や配線段差(タッチパネルモジュールに形成されている配線の段差)、タッチパネルモジュールの周縁部に設けられている筐体の段差等にも追従するように適宜設計及び加工することができる。また、いくつかの部分に分けて成形し、最終的に接合させることで偏肉形状を形成してもよい。
上記偏肉形状は、厚みの最大値(t1)の好ましい下限が300μmである。上記厚みの最大値(t1)が300μm以上であれば、従来の薄膜シート状の粘着剤では充填接合が困難な被接合部材であっても、空隙を充填して接合することができる。上記厚みの最大値(t1)のより好ましい下限は500μm、更に好ましい下限は1000μmである。
なお、充填接合材の厚みとは、充填接合材で貼り合わせる一対の被接合部材の接合面に対して垂直な方向の長さをいう。表面形状が複雑な場合は、光学デバイスの光軸方向(発光又は受光する光が進む主方向)の長さを厚みとして、厚みの最大値(t1)を決定してもよい。
なお、充填接合材の厚みとは、充填接合材で貼り合わせる一対の被接合部材の接合面に対して垂直な方向の長さをいう。表面形状が複雑な場合は、光学デバイスの光軸方向(発光又は受光する光が進む主方向)の長さを厚みとして、厚みの最大値(t1)を決定してもよい。
上記偏肉形状は、厚みの最大値(t1)と厚みの最小値(t2)との差の好ましい下限が100μmである。上記差が100μm以上であれば、比較的大きな曲面形状を充填することができる。上記差のより好ましい下限は300μmである。
本発明の充填接合材は、幅の最大値の好ましい下限が50mmであり、より好ましい下限は100mmである。
なお、充填接合材の幅とは、充填接合材の厚みに垂直な方向の長さをいう。
なお、充填接合材の幅とは、充填接合材の厚みに垂直な方向の長さをいう。
本発明の充填接合材は、用途によって例えば黒色等に着色されていてもよいが、透明充填接合材であることが好ましい。透明充填接合材であることにより、光学デバイス等における高透明性が要求される用途にも充填接合材を好適に用いることができる。また、透明充填接合材は、無色透明であってもよいし、高透明かつ有色(有色透明)であってもよい。上記有色透明として、例えば、青色透明が挙げられる。
なお、本発明の充填接合材は、一部のみが着色されていてもよく、また、無色透明部及び着色部(有色透明部)の両方を有していてもよい。
なお、本発明の充填接合材は、一部のみが着色されていてもよく、また、無色透明部及び着色部(有色透明部)の両方を有していてもよい。
本発明の充填接合材は、少なくとも一部に遮光部又は光散乱部を有していてもよい。
本発明の充填接合材が上記遮光部又は光散乱部を有することにより、上記遮光部又は光散乱部によってマスキング等を行うことが可能となり、また、意匠性を高めたり、光学デバイスにおける光漏れや反射光による視認性悪化を抑制したり、キズを目立たなくしたりすることもできる。
本発明の充填接合材が上記遮光部又は光散乱部を有することにより、上記遮光部又は光散乱部によってマスキング等を行うことが可能となり、また、意匠性を高めたり、光学デバイスにおける光漏れや反射光による視認性悪化を抑制したり、キズを目立たなくしたりすることもできる。
本発明の充填接合材は、周囲を覆う保護シートを有していてもよい。
本発明の充填接合材が上記保護シートを有することで、製造時から使用時までに異物が混入することを防ぐことができる。
本発明の充填接合材が上記保護シートを有することで、製造時から使用時までに異物が混入することを防ぐことができる。
本発明の充填接合材を製造する方法は特に限定されず、シート状(平板状)の場合には、例えば、可塑化ポリビニルアセタールとシランカップリング剤と必要に応じて配合される添加剤とを含有する組成物を、押出し法、塗工法、キャスティング法、カレンダー法、プレス法等の通常の製膜法によりシート状に製膜する方法が挙げられる。
偏肉形状の場合には、例えば、射出成形等が挙げられる。また、シート状の充填接合材を作製した後、シートプレス成形を行う方法、厚膜のシート状の充填接合材を作製した後、レーザーやウォータージェットを用いて切り抜きする成形方法等も挙げられる。更に、配合原料の混合粉体又は該混合紛体をペレット化したものをプレス成形する方法、シート状の充填接合材を作製した後、延伸加工成形する方法、配合原料母材を直接押出成形する方法等も挙げられる。なかでも、射出成形、直接押出成形が好ましい。
偏肉形状の場合には、例えば、射出成形等が挙げられる。また、シート状の充填接合材を作製した後、シートプレス成形を行う方法、厚膜のシート状の充填接合材を作製した後、レーザーやウォータージェットを用いて切り抜きする成形方法等も挙げられる。更に、配合原料の混合粉体又は該混合紛体をペレット化したものをプレス成形する方法、シート状の充填接合材を作製した後、延伸加工成形する方法、配合原料母材を直接押出成形する方法等も挙げられる。なかでも、射出成形、直接押出成形が好ましい。
本発明の充填接合材の用途は特に限定されないが、光学デバイス等において、部材を貼り合わせつつ部材間を充填するために好適に用いられる。本発明の充填接合材は、上記末端官能基(即ち、エポキシ基、(メタ)アクリル基又はアミノ基)を有するシランカップリング剤を含有することにより、高温高湿環境下であっても被接合部材(ガラスを含む)に対して高い接着力を発揮することができる。
上記光学デバイスは、平面であってもよいし、平面に限られない多様な形状を有するものであってもよく、例えば、携帯情報端末(例えば、スマートフォン、タブレット)、LCD、EL、PDP等の画像表示パネルを用いた表示デバイス(例えば、車載パネル、電子ペーパー、PDA、TV、ゲーム機)、発光デバイス(例えば、照明等)、受光デバイス(例えば、太陽電池、イメージセンサ等)等が挙げられる。
上記光学デバイスは、平面であってもよいし、平面に限られない多様な形状を有するものであってもよく、例えば、携帯情報端末(例えば、スマートフォン、タブレット)、LCD、EL、PDP等の画像表示パネルを用いた表示デバイス(例えば、車載パネル、電子ペーパー、PDA、TV、ゲーム機)、発光デバイス(例えば、照明等)、受光デバイス(例えば、太陽電池、イメージセンサ等)等が挙げられる。
本発明の充填接合材により充填される部材間として、例えば、表面保護パネルとタッチパネルモジュールとの間、タッチパネルモジュールと偏光フィルム(偏光板)との間、タッチパネルモジュールを構成する複数の透明導電フィルム間等が挙げられる。
上記タッチパネルモジュールは特に限定されず、例えば、ITO膜等の複数の層を有するタッチパネルモジュール等の表示デバイス等に通常使用されるものを用いることができる。上記タッチパネルモジュールの構成は特に限定されず、例えば、アウトセル型、インセル型、オンセル型、カバーガラス一体型、カバーシート一体型等が挙げられる。上記タッチパネルモジュールの方式も特に限定されず、例えば、抵抗膜式、静電容量式、光学式、超音波式等が挙げられる。
上記表面保護パネルは特に限定されず、例えば、ガラス板、ポリカーボネート板、アクリル板等の、光学デバイス又は表示デバイス等に通常使用されるものを用いることができる。
上記タッチパネルモジュールは特に限定されず、例えば、ITO膜等の複数の層を有するタッチパネルモジュール等の表示デバイス等に通常使用されるものを用いることができる。上記タッチパネルモジュールの構成は特に限定されず、例えば、アウトセル型、インセル型、オンセル型、カバーガラス一体型、カバーシート一体型等が挙げられる。上記タッチパネルモジュールの方式も特に限定されず、例えば、抵抗膜式、静電容量式、光学式、超音波式等が挙げられる。
上記表面保護パネルは特に限定されず、例えば、ガラス板、ポリカーボネート板、アクリル板等の、光学デバイス又は表示デバイス等に通常使用されるものを用いることができる。
図1は、本発明の充填接合材(シート状)の使用方法の一例を模式的に示す断面図である。
図1においては、表面保護パネル3とタッチパネルモジュール2との間、及び、タッチパネルモジュール2と偏光フィルム(偏光板)4との間が、本発明の充填接合材1で充填されている。図1においては、表面保護パネル3の裏側にはマスキング等を目的として周縁部に加飾印刷部5が形成されているが、充填接合材1は、このような加飾印刷部5により形成された段差にも、タッチパネルモジュール2に形成されている配線の段差(図示しない)にも充分に追従して、気泡の混入を充分に抑制することができる。
図1においては、表面保護パネル3とタッチパネルモジュール2との間、及び、タッチパネルモジュール2と偏光フィルム(偏光板)4との間が、本発明の充填接合材1で充填されている。図1においては、表面保護パネル3の裏側にはマスキング等を目的として周縁部に加飾印刷部5が形成されているが、充填接合材1は、このような加飾印刷部5により形成された段差にも、タッチパネルモジュール2に形成されている配線の段差(図示しない)にも充分に追従して、気泡の混入を充分に抑制することができる。
図2は、本発明の充填接合材(凸型のレンズ形状)及びその使用方法の一例を模式的に示す図である。
図2(a)に示す本発明の充填接合材1は、平面と、上記平面に対向する凸型曲面とを有する形状(凸型のレンズ形状)である。図2(b)に示すように、本発明の充填接合材1は、平面形状であるタッチパネルモジュール2と、湾曲した表面保護パネル3とを貼り合わせつつ、これら部材間を充填することができる。タッチパネルモジュール2及び表面保護パネル3は一対の被接合部材であり、この被接合部材間が充填接合材1で充填されることで、積層体が構成されている。
図2(a)に示す本発明の充填接合材1は、平面と、上記平面に対向する凸型曲面とを有する形状(凸型のレンズ形状)である。図2(b)に示すように、本発明の充填接合材1は、平面形状であるタッチパネルモジュール2と、湾曲した表面保護パネル3とを貼り合わせつつ、これら部材間を充填することができる。タッチパネルモジュール2及び表面保護パネル3は一対の被接合部材であり、この被接合部材間が充填接合材1で充填されることで、積層体が構成されている。
一対の被接合部材と、本発明の充填接合材とを有し、上記一対の被接合部材間が本発明の充填接合材で充填されている光学デバイス用積層体もまた、本発明の1つである。更に、このような光学デバイス用積層体を有する光学デバイスもまた、本発明の1つである。
上記一対の被接合部材は特に限定されないが、少なくとも一方がガラス又は透明樹脂を含むことが好ましい。本発明の充填接合材は、上記末端官能基(即ち、エポキシ基、(メタ)アクリル基又はアミノ基)を有するシランカップリング剤を含有することにより、高温高湿環境下であっても、また、上記一対の被接合部材の少なくとも一方がガラス又は透明樹脂を含むものであっても、高い接着力を発揮することができる。
上記一対の被接合部材は、平面であってもよいし、曲面を有するものであってもよい。上記一対の被接合部材が曲面を有するものである場合、本発明の充填接合材は、上記一対の被接合部材の表面形状に沿った偏肉形状とすることが好ましい。このように構成することで、平面形状の被接合部材に応力を加えて接合する場合に比べて、被接合部材にかかる応力が軽減されるため、歪みによる光学品質の劣化を抑制できる。
上記一対の被接合部材は、平面であってもよいし、曲面を有するものであってもよい。上記一対の被接合部材が曲面を有するものである場合、本発明の充填接合材は、上記一対の被接合部材の表面形状に沿った偏肉形状とすることが好ましい。このように構成することで、平面形状の被接合部材に応力を加えて接合する場合に比べて、被接合部材にかかる応力が軽減されるため、歪みによる光学品質の劣化を抑制できる。
上記一対の被接合部材の少なくとも一方がガラス又は透明樹脂を含む場合、該ガラス又は透明樹脂を含む被接合部材は、本発明の充填接合材との屈折率差が0.03以下であることが好ましい。上記屈折率差が上記範囲内であることにより、屈折率差を有する界面での光損失や、像のずれ等を抑えることができ、湾曲形状を有する部材を用いてもデバイスの光学品質を満たすことができる。上記屈折率差は0.02以下であることがより好ましい。
なお、ガラス又は透明樹脂を含む被接合部材と充填接合材との屈折率差は、アッベ屈折率計(例えばユニバーサルアッベ屈折率計ER−7MW、エルマ販売株式会社)を用いて、測定波長589nm(ナトリウムD線)、測定温度20℃の条件で求めることができる。
なお、ガラス又は透明樹脂を含む被接合部材と充填接合材との屈折率差は、アッベ屈折率計(例えばユニバーサルアッベ屈折率計ER−7MW、エルマ販売株式会社)を用いて、測定波長589nm(ナトリウムD線)、測定温度20℃の条件で求めることができる。
本発明によれば、部材を貼り合わせつつ部材間を充填するために好適に用いることができ、高温高湿環境下であっても高い接着力を発揮する充填接合材を提供することができる。また、本発明によれば、該充填接合材を含む光学デバイス用積層体及び光学デバイスを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)ポリビニルブチラールの調製
攪拌装置を備えた反応機に、イオン交換水2700mL、平均重合度850、鹸化度99.0モル%のポリビニルアルコールを300g投入し、攪拌しながら加熱溶解し、溶液を得た。次に、この溶液に触媒として35重量%塩酸を、塩酸濃度が0.2重量%となるように添加し、温度を15℃に調整した後、攪拌しながらn−ブチルアルデヒド(n−BA)21gを添加した。その後、n−ブチルアルデヒド(n−BA)145gを添加したところ、白色粒子状のポリビニルブチラールが析出した。析出してから15分後に、35重量%塩酸を、塩酸濃度が1.8重量%になるように添加し、50℃に加熱し、50℃で2時間熟成させた。次いで、溶液を冷却し、中和した後、ポリビニルブチラールを水洗し、乾燥させることにより、ポリビニルブチラール(PVB)を得た。得られたポリビニルブチラール(PVB)の水酸基量は31モル%、アセチル基量は1モル%、ブチラール化度は68モル%であった。
(1)ポリビニルブチラールの調製
攪拌装置を備えた反応機に、イオン交換水2700mL、平均重合度850、鹸化度99.0モル%のポリビニルアルコールを300g投入し、攪拌しながら加熱溶解し、溶液を得た。次に、この溶液に触媒として35重量%塩酸を、塩酸濃度が0.2重量%となるように添加し、温度を15℃に調整した後、攪拌しながらn−ブチルアルデヒド(n−BA)21gを添加した。その後、n−ブチルアルデヒド(n−BA)145gを添加したところ、白色粒子状のポリビニルブチラールが析出した。析出してから15分後に、35重量%塩酸を、塩酸濃度が1.8重量%になるように添加し、50℃に加熱し、50℃で2時間熟成させた。次いで、溶液を冷却し、中和した後、ポリビニルブチラールを水洗し、乾燥させることにより、ポリビニルブチラール(PVB)を得た。得られたポリビニルブチラール(PVB)の水酸基量は31モル%、アセチル基量は1モル%、ブチラール化度は68モル%であった。
(2)充填接合材の製造
可塑剤トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)20重量部と上記(1)で調製したポリビニルブチラール(PVB)100重量部とシランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(エポキシ基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=2)0.05重量部とを混合した。混合物を充分に混練し、混練物を得た。得られた混練物をプレス成型機でプレス成型してシート状に製膜し、充填接合材(厚み200μm)を得た。
可塑剤トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)20重量部と上記(1)で調製したポリビニルブチラール(PVB)100重量部とシランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(エポキシ基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=2)0.05重量部とを混合した。混合物を充分に混練し、混練物を得た。得られた混練物をプレス成型機でプレス成型してシート状に製膜し、充填接合材(厚み200μm)を得た。
(実施例2〜5)
シランカップリング剤の配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤の配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(実施例6〜10)
シランカップリング剤を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシ基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシ基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(実施例11)
ポリビニルアルコールを平均重合度1700のものに変更したこと、シランカップリング剤の配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
ポリビニルアルコールを平均重合度1700のものに変更したこと、シランカップリング剤の配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(実施例12)
反応性希釈剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPA)5重量部と光硬化開始剤としてベンゾフェノン(BP)1重量部とを添加したこと、超高圧水銀灯を用いて365nmの波長の光を5000mJ/cm2となるように照射したこと、シランカップリング剤の配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
反応性希釈剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPA)5重量部と光硬化開始剤としてベンゾフェノン(BP)1重量部とを添加したこと、超高圧水銀灯を用いて365nmの波長の光を5000mJ/cm2となるように照射したこと、シランカップリング剤の配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(実施例13)
シランカップリング剤を3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(エポキシ基を有する、加水分解性基=エトキシ基、加水分解性基数=2)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤を3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(エポキシ基を有する、加水分解性基=エトキシ基、加水分解性基数=2)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(実施例14)
シランカップリング剤を2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(エポキシ基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤を2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(エポキシ基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(実施例15〜19)
シランカップリング剤を3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(メタクリル基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=2)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤を3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(メタクリル基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=2)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(実施例20〜24)
シランカップリング剤を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(メタクリル基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(メタクリル基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(実施例25)
シランカップリング剤を3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(アミノ基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=2)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤を3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(アミノ基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=2)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(実施例26)
シランカップリング剤を3−アミノプロピルトリメトキシシラン(アミノ基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤を3−アミノプロピルトリメトキシシラン(アミノ基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(比較例1、2、3)
シランカップリング剤を添加しなかったこと以外はそれぞれ実施例1、11、12と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤を添加しなかったこと以外はそれぞれ実施例1、11、12と同様にして、充填接合材を得た。
(比較例4)
シランカップリング剤をペンタフルオロフェニルジエトキシメチルシラン(フルオロ基を有する、加水分解性基=エトキシ基、加水分解性基数=2)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤をペンタフルオロフェニルジエトキシメチルシラン(フルオロ基を有する、加水分解性基=エトキシ基、加水分解性基数=2)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(比較例5)
シランカップリング剤をシクロヘキシルトリメトキシシラン(脂環式骨格を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤をシクロヘキシルトリメトキシシラン(脂環式骨格を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(比較例6)
シランカップリング剤をオクタデシルトリメトキシシラン(脂肪鎖を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤をオクタデシルトリメトキシシラン(脂肪鎖を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(比較例7)
シランカップリング剤をジメトキシメチルフェニルシラン(アリール基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=2)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
シランカップリング剤をジメトキシメチルフェニルシラン(アリール基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=2)に変更し、その配合量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、充填接合材を得た。
(比較例8、9)
(1)アクリル共重合体の調製
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入口を備えた反応容器に、表4に示す配合量のモノマーと重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2重量部とを酢酸エチル100重量部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合してアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、測定サンプルを調製した。この測定サンプルをゲルパーミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、アクリル共重合体のポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)を求めた。得られたアクリル共重合体の重量平均分子量は65万であった。
カラムとしてはGPC LF−804(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
(1)アクリル共重合体の調製
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入口を備えた反応容器に、表4に示す配合量のモノマーと重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2重量部とを酢酸エチル100重量部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合してアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、測定サンプルを調製した。この測定サンプルをゲルパーミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、アクリル共重合体のポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)を求めた。得られたアクリル共重合体の重量平均分子量は65万であった。
カラムとしてはGPC LF−804(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
(2)粘着シートの調製
上記アクリル共重合体100重量部を酢酸エチルで希釈し樹脂固形分45%の粘着剤溶液を得た。上記粘着剤溶液100重量部に対し、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製コロネートL−45、固形分45%)1.0重量部を添加した。更に、シランカップリング剤として比較例8では3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(メタクリル基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)2重量部を、比較例9では3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシ基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)2重量部を添加した。得られた溶液を15分攪拌後、厚み50μmの離型PETフィルムの離型処理面に乾燥後の厚さが200μmになるように塗工して、80℃で15分間乾燥した。更に得られた粘着剤層の上に、離型処理面が粘着剤層に接するようにして新たに用意した離型PETフィルムを重ね合わせて積層体を得た。その後シートを23℃で5日間養生し、離型PETフィルムが両面に貼り付けられた粘着シート(厚み150μm)を得た。
上記アクリル共重合体100重量部を酢酸エチルで希釈し樹脂固形分45%の粘着剤溶液を得た。上記粘着剤溶液100重量部に対し、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製コロネートL−45、固形分45%)1.0重量部を添加した。更に、シランカップリング剤として比較例8では3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(メタクリル基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)2重量部を、比較例9では3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシ基を有する、加水分解性基=メトキシ基、加水分解性基数=3)2重量部を添加した。得られた溶液を15分攪拌後、厚み50μmの離型PETフィルムの離型処理面に乾燥後の厚さが200μmになるように塗工して、80℃で15分間乾燥した。更に得られた粘着剤層の上に、離型処理面が粘着剤層に接するようにして新たに用意した離型PETフィルムを重ね合わせて積層体を得た。その後シートを23℃で5日間養生し、離型PETフィルムが両面に貼り付けられた粘着シート(厚み150μm)を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた充填接合材について、下記の評価を行った。結果を表1〜3に示した。
実施例及び比較例で得られた充填接合材について、下記の評価を行った。結果を表1〜3に示した。
(1)初期及び高温高湿試験後のガラスに対する接着強度
25mm幅にした充填接合材を白板ガラス(松浪硝子社製、S9112)に貼り合わせた。オリエンテック社製テンシロン万能試験機を用い、23℃、50%RHにおいて、引張速度300mm/分で白板ガラスと充填接合材との界面の180°ピール強度(初期)を測定した。
その後、充填接合材を白板ガラスに貼り合わせたサンプルを85℃、85%RHの高温高湿環境下に240時間放置した後、高温高湿環境下から取出し、5時間放置した。オリエンテック社製テンシロン万能試験機を用い、23℃、50%RHにおいて、引張速度300mm/分で白板ガラスと充填接合材との界面の180°ピール強度を測定した。
高温高湿試験後の180°ピール強度が初期の180°ピール強度の2倍以上であった場合を◎、1倍以上2倍未満であった場合を〇、1倍未満であった場合を×と判定した。
25mm幅にした充填接合材を白板ガラス(松浪硝子社製、S9112)に貼り合わせた。オリエンテック社製テンシロン万能試験機を用い、23℃、50%RHにおいて、引張速度300mm/分で白板ガラスと充填接合材との界面の180°ピール強度(初期)を測定した。
その後、充填接合材を白板ガラスに貼り合わせたサンプルを85℃、85%RHの高温高湿環境下に240時間放置した後、高温高湿環境下から取出し、5時間放置した。オリエンテック社製テンシロン万能試験機を用い、23℃、50%RHにおいて、引張速度300mm/分で白板ガラスと充填接合材との界面の180°ピール強度を測定した。
高温高湿試験後の180°ピール強度が初期の180°ピール強度の2倍以上であった場合を◎、1倍以上2倍未満であった場合を〇、1倍未満であった場合を×と判定した。
(2)初期及び高温高湿試験後の偏光板に対する接着強度
白板ガラス(松浪硝子社製、S9112)の代わりに偏光板(住友化学社製、スミカラン)を用い、上記(1)と同様にして評価を行った。
白板ガラス(松浪硝子社製、S9112)の代わりに偏光板(住友化学社製、スミカラン)を用い、上記(1)と同様にして評価を行った。
本発明によれば、部材を貼り合わせつつ部材間を充填するために好適に用いることができ、高温高湿環境下であっても高い接着力を発揮する充填接合材を提供することができる。また、本発明によれば、該充填接合材を含む光学デバイス用積層体及び光学デバイスを提供することができる。
1 充填接合材
2 タッチパネルモジュール
3 表面保護パネル
4 偏光フィルム(偏光板)
5 加飾印刷部
2 タッチパネルモジュール
3 表面保護パネル
4 偏光フィルム(偏光板)
5 加飾印刷部
Claims (8)
- 可塑化ポリビニルアセタールとシランカップリング剤とを含有し、
前記シランカップリング剤は、エポキシ基、(メタ)アクリル基又はアミノ基を有する
ことを特徴とする充填接合材。 - シランカップリング剤の含有量が、可塑化ポリビニルアセタール100重量部に対して0.05〜5.0重量部であることを特徴とする請求項1記載の充填接合材。
- シランカップリング剤は、加水分解性基を有し、前記加水分解性基の数が2又は3であることを特徴とする請求項1又は2記載の充填接合材。
- 可塑化ポリビニルアセタールの含有量が50重量%以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の充填接合材。
- 可塑化ポリビニルアセタールは、ポリビニルアセタールと可塑剤とを含有し、前記ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラールを含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の充填接合材。
- 一対の被接合部材と、請求項1、2、3、4又は5記載の充填接合材とを有し、前記一対の被接合部材間が前記充填接合材で充填されていることを特徴とする光学デバイス用積層体。
- 一対の被接合部材は、少なくとも一方がガラス又は透明樹脂を含むことを特徴とする請求項6記載の光学デバイス用積層体。
- 請求項6又は7記載の光学デバイス用積層体を有することを特徴とする光学デバイス。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE112019005216T5 (de) | 2018-10-19 | 2021-07-08 | Nidec Corporation | Motor |
-
2017
- 2017-05-24 JP JP2017102748A patent/JP2018197314A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE112019005216T5 (de) | 2018-10-19 | 2021-07-08 | Nidec Corporation | Motor |
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