JPWO2019181056A1 - フェライト仮焼体、フェライト焼結磁石及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

Ca、R、Fe、Co及びZnの金属元素(ただし、Rは希土類元素の少なくとも1種であってLaを必須に含む元素)の原子比を示す一般式:Ca1-xRxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、前記x、y及びz、並びにn(ただし、2nはモル比であって、2n=(Fe+Co+Zn)/(Ca+R)で表される)が、0.4≦x≦0.6、0<y<0.15、0.1≦z≦0.4、0.2≦(y+z)≦0.4、及び4≦n≦6を満足するフェライト仮焼体。

Description

本発明は、フェライト仮焼体、フェライト焼結磁石及びその製造方法に関する。
フェライト焼結磁石は最大エネルギー積が希土類系焼結磁石(例えばNdFeB系焼結磁石)の1/10にすぎないが、主原料が安価な酸化鉄であることからコストパフォーマンスに優れており、化学的に極めて安定であるという特長を有している。そのため、各種モータやスピーカなど様々な用途に用いられており、世界的な生産重量は現在でも磁石材料の中で最大である。
代表的なフェライト焼結磁石は、マグネトプランバイト構造を有するSrフェライトであり、基本組成はSrFe12O19で表される。1990年代後半にSrFe12O19のSr2+の一部をLa3+で置換し、Fe3+の一部をCo2+で置換したSr-La-Co系フェライト焼結磁石が実用化されたことによりフェライト磁石の磁石特性は大きく向上した。また、2007年には、磁石特性をさらに向上させたCa-La-Co系フェライト焼結磁石が実用化された。
前記のSr-La-Co系フェライト焼結磁石及びCa-La-Co系フェライト焼結磁石ともに、高い磁石特性を得るためにはCoが不可欠である。Sr-La-Co系フェライト焼結磁石は原子比で0.2程度、Ca-La-Co系フェライト焼結磁石では原子比で0.3程度のCoを含有している。Co(酸化Co)の価格はフェライト焼結磁石の主原料である酸化鉄の十倍から数十倍に相当する。従って、Ca-La-Co系フェライト焼結磁石では、Sr-La-Co系フェライト焼結磁石に比べ原料コストの増大が避けられない。フェライト焼結磁石の最大の特徴は安価であるという点にあるため、たとえ高い磁石特性を有していても、価格が高いと市場では受け入れられ難い。従って、世界的には、未だSr-La-Co系フェライト焼結磁石の需要が高い。
近年、電気自動車の供給量増加によるLiイオン電池の需要増大に伴い、Coの価格が急騰している。その余波を受け、コストパフォーマンスに優れるSr-La-Co系フェライト焼結磁石においても、製品価格を維持することが困難な状況にある。このような背景から、磁石特性を維持しながら、いかにしてCoの使用量を削減するかが喫緊の課題となっている。
Co量低減を目的とするものではないが、例えば、Sr-La-Co系フェライト焼結磁石において、Coの一部をZnで置換することにより、残留磁束密度(以下「Br」という)が向上することが知られている(特開平11-154604号など)。
しかし、Sr-La-Co系フェライト焼結磁石においてCoの一部をZnで置換した場合、Brの向上幅はそれほど大きくなく、一方で保磁力(以下「HcJ」という)が著しく低下するという問題があり、実用化には至っていない。
従って本発明の目的は、高いBrを有し、HcJの低下が少なく(Sr-La-Co系フェライト焼結磁石においてCoの一部をZnで置換した場合よりもHcJが高く)、かつ従来のSr-La-Co系フェライト焼結磁石(原子比で0.2程度のCoを含有)よりもCoの使用量を25%以上削減したフェライト焼結磁石の提供することにある。
すなわち、本発明のフェライト仮焼体は、
Ca、R、Fe、Co及びZnの金属元素(ただし、Rは希土類元素の少なくとも1種であってLaを必須に含む元素)の原子比を示す一般式:Ca1-xRxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、
前記x、y及びz、並びにn(ただし、2nはモル比であって、2n=(Fe+Co+Zn)/(Ca+R)で表される)が、
0.4≦x≦0.6、
0<y<0.15、
0.1≦z≦0.4、
0.2≦(y+z)≦0.4、及び
4≦n≦6
を満足する。
前記yは、0<y≦0.13を満足するのが好ましい。
前記1-x、x、y及びzは、0.2≦(y+z)≦0.3のとき1-x≧xを満足し、0.3<(y+z)≦0.4のとき1-x<xを満足するのが好ましい。
本発明のフェライト焼結磁石は、
Ca、R、Fe、Co及びZnの金属元素(ただし、Rは希土類元素の少なくとも1種であってLaを必須に含む元素)の原子比を示す一般式:Ca1-xRxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、
前記x、y及びz、並びにn(ただし、2nはモル比であって、2n=(Fe+Co+Zn)/(Ca+R)で表される)が、
0.3≦x≦0.6、
0<y<0.15、
0.05≦z≦0.4、
0.15≦(y+z)≦0.4、及び
3.4≦n≦6
を満足する。
本発明のフェライト焼結磁石は、1.5質量%以下のSiO2をさらに含有するのが好ましい。
本発明のフェライト焼結磁石の製造方法は、
Ca、R、Fe、Co及びZnの金属元素(ただし、Rは希土類元素の少なくとも1種であってLaを必須に含む元素)の原子比を示す一般式:Ca1-xRxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、
前記x、y及びz、並びにn(ただし、2nはモル比であって、2n=(Fe+Co+Zn)/(Ca+R)で表される)が、
0.4≦x≦0.6、
0<y<0.15、
0.1≦z≦0.4、
0.2≦(y+z)≦0.4、及び
4≦n≦6
を満足する原料粉末を混合し、混合原料粉末を得る原料粉末混合工程、
前記混合原料粉末を仮焼し、仮焼体を得る仮焼工程、
前記仮焼体を粉砕し、仮焼体の粉末を得る粉砕工程、
前記仮焼体の粉末を成形し、成形体を得る成形工程、及び
前記成形体を焼成し、焼結体を得る焼成工程
を含む。
本発明のフェライト焼結磁石の製造方法において、前記仮焼工程後、前記成形工程前に、前記仮焼体又は仮焼体の粉末100質量%に対して1.5質量%以下のSiO2を添加する工程をさらに含むのが好ましい。
本発明のフェライト焼結磁石の製造方法において、前記仮焼工程後、前記成形工程前に、前記仮焼体又は仮焼体の粉末100質量%に対してCaO換算で1.5質量%以下のCaCO3を添加する工程をさらに含むのが好ましい。
本発明のフェライト焼結磁石の製造方法において、前記仮焼体の原子比yは、0<y≦0.13を満足するのが好ましい。
本発明のフェライト焼結磁石の製造方法において、前記仮焼体の原子比1-x、x、y及びzは、0.2≦(y+z)≦0.3のとき1-x≧xを満足し、0.3<(y+z)≦0.4のとき1-x<xを満足するのが好ましい。
本発明によれば、高いBrを有し、HcJの低下が少なく(Sr-La-Co系フェライト焼結磁石においてCoの一部をZnで置換した場合よりもHcJが高く)、かつ従来のSr-La-Co系フェライト焼結磁石(原子比で0.2程度のCoを含有)よりもCoの使用量を25%以上削減したフェライト焼結磁石の提供が可能となる。
1.フェライト仮焼体
本発明のフェライト仮焼体は、
Ca、R、Fe、Co及びZnの金属元素(ただし、Rは希土類元素の少なくとも1種であってLaを必須に含む元素)の原子比を示す一般式:Ca1-xRxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、
前記x、y及びz、並びにn(ただし、2nはモル比であって、2n=(Fe+Co+Zn)/(Ca+R)で表される)が、
0.4≦x≦0.6、
0<y<0.15、
0.1≦z≦0.4、
0.2≦(y+z)≦0.4、及び
4≦n≦6
を満足する。
本発明のフェライト仮焼体において、原子比x(Rの含有量)は、0.4≦x≦0.6である。xが0.4未満又は0.6を超えると高いBrを得ることができない。Rは希土類元素の少なくとも1種であってLaを必須に含む元素である。La以外の希土類元素の含有量はモル比でRの合計量の50%以下であるのが好ましい。
原子比y(Coの含有量)は、0<y<0.15である。yが0.15以上ではCo使用量の削減効果を得ることができない。yが0(含有されない)ではHcJの低下が大きくなるため好ましくない。原子比yは0<y≦0.13であることが好ましく、0.08<y≦0.13であることがより好ましく、0.10≦y≦0.13であることがさらに好ましい。
原子比z(Znの含有量)は、0.1≦z≦0.4である。zが0.1未満又は0.4を超えると高いBrを得ることができない。
原子比y及びzは、0.2≦(y+z)≦0.4の関係を満足する。(y+z)が0.2未満又は0.4を超えると高いBrを得ることができない。さらに原子比1-x及びxは、0.2≦(y+z)≦0.3のとき1-x≧xを満足し、0.3<(y+z)≦0.4のとき1-x<xを満足することがより好ましい。
前記一般式において、2nはモル比であって、2n=(Fe+Co+Zn)/(Ca+R)で表される。nは4≦n≦6である。nが4未満又は6を超えると高いBrを得ることができない。
前記一般式は、金属元素の原子比で示したが、酸素(O)を含む組成は、一般式:Ca1-xRxFe2n-y-zCoyZnzOαで表される。酸素のモル数αは基本的にはα=19であるが、Fe及びCoの価数、x、y及びzやnの値などによって異なってくる。また、還元性雰囲気で焼成した場合の酸素の空孔(ベイカンシー)、フェライト相におけるFeの価数の変化、Coの価数の変化等により金属元素に対する酸素の比率が変化する。従って、実際の酸素のモル数αは19からずれる場合がある。そのため、本発明においては、最も組成が特定し易い金属元素の原子比で組成を表記している。
本発明のフェライト仮焼体を構成する主相は、六方晶のマグネトプランバイト(M型)構造を有する化合物相(フェライト相)である。一般に、磁性材料、特に焼結磁石は、複数の化合物から構成されており、その磁性材料の特性(物性、磁石特性など)を決定づけている化合物が「主相」と定義される。
「六方晶のマグネトプランバイト(M型)構造を有する」とは、フェライト仮焼体のX線回折を一般的な条件で測定した場合に、六方晶のマグネトプランバイト(M型)構造のX線回折パターンが主として観察されることを言う。
上述した本発明のフェライト仮焼体の製造方法を含む、本発明のフェライト焼結磁石の製造方法の一例を以下に説明する。
2.フェライト焼結磁石の製造方法
原料粉末としては、価数にかかわらず、それぞれの金属の酸化物、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩、塩化物等の化合物を使用することができる。原料粉末を溶解した溶液であってもよい。Caの化合物としては、Caの炭酸塩、酸化物、塩化物等が挙げられる。Laの化合物としては、La2O3等の酸化物、La(OH)3等の水酸化物、La2(CO3)3・8H2O等の炭酸塩等が挙げられる。Feの化合物としては、酸化鉄、水酸化鉄、塩化鉄、ミルスケール等が挙げられる。Coの化合物としては、CoO、Co3O4等の酸化物、CoOOH、Co(OH)2等の水酸化物、CoCO3等の炭酸塩、及びm2CoCO3・m3Co(OH)2・m4H2O等の塩基性炭酸塩(m2、m3、m4は正の数である)が挙げられる。Znの化合物としてはZnOが挙げられる
仮焼時の反応促進のため、必要に応じてB2O3、H3BO3等のB(硼素)を含む化合物を1質量%程度まで添加してもよい。特にH3BO3の添加は、磁石特性の向上に有効である。H3BO3の添加量は0.3質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%程度が最も好ましい。H3BO3は、焼成時に結晶粒の形状やサイズを制御する効果も有するため、仮焼後(微粉砕前や焼成前)に添加してもよく、仮焼前及び仮焼後の両方で添加してもよい。
上述した本発明のフェライト仮焼体の成分、組成を満足する原料粉末を混合し、混合原料粉末とする。原料粉末の配合、混合は、湿式及び乾式のいずれで行ってもよい。スチールボール等の媒体とともに撹拌すると原料粉末をより均一に混合することができる。湿式の場合は、分散媒に水を用いるのが好ましい。原料粉末の分散性を高める目的でポリカルボン酸アンモニウム、グルコン酸カルシウム等の公知の分散剤を用いてもよい。混合した原料スラリーはそのまま仮焼してもよいし、原料スラリーを脱水した後、仮焼してもよい。
乾式混合又は湿式混合することによって得られた混合原料粉末は、電気炉、ガス炉等を用いて加熱することで、固相反応により、六方晶のマグネトプランバイト(M型)構造のフェライト化合物を形成する。このプロセスを「仮焼」と呼び、得られた化合物を「仮焼体」と呼ぶ。
仮焼工程では、温度の上昇とともにフェライト相が形成される固相反応が進行する。仮焼温度が1100℃未満では、未反応のヘマタイト(酸化鉄)が残存するため磁石特性が低くなる。一方、仮焼温度が1450℃を超えると結晶粒が成長し過ぎるため、粉砕工程において粉砕に多大な時間を要することがある。従って、仮焼温度は1100℃〜1450℃であるのが好ましい。仮焼時間は0.5時間〜5時間であるのが好ましい。仮焼後の仮焼体はハンマーミルなどによって粗粉砕することが好ましい。
以上のような工程を経ることによって、本発明のフェライト仮焼体を得ることができる。引き続き、本発明のフェライト焼結磁石の製造方法を説明する。
仮焼体を、振動ミル、ジェットミル、ボールミル、アトライター等によって粉砕(微粉砕)し、仮焼体の粉末(微粉砕粉末)とする。仮焼体の粉末の平均粒径は0.4μm〜0.8μm程度にするのが好ましい。なお、本発明においては、粉体比表面積測定装置(例えば島津製作所製SS-100)などを用いて空気透過法によって測定した値を粉末の平均粒径(平均粒度)という。粉砕工程は、乾式粉砕及び湿式粉砕のいずれでもよく、双方を組み合わせてもよい。湿式粉砕の場合は、分散媒として水及び/又は非水系溶剤(アセトン、エタノール、キシレン等の有機溶剤)を用いて行う。典型的には、水(分散媒)と仮焼体とを含むスラリーを生成する。スラリーには公知の分散剤及び/又は界面活性剤を固形分比率で0.2〜2質量%を添加してもよい。湿式粉砕後は、スラリーを濃縮してもよい。
成形工程は、粉砕工程後のスラリーを、分散媒を除去しながら磁界中又は無磁界中でプレス成形する。磁界中でプレス成形することにより、粉末粒子の結晶方位を整列(配向)させることができ、磁石特性を飛躍的に向上させることができる。さらに、配向を向上させるために、成形前のスラリーに分散剤及び潤滑剤をそれぞれ0.1〜1質量%添加してもよい。また成形前にスラリーを必要に応じて濃縮してもよい。濃縮は遠心分離、フィルタープレス等により行うのが好ましい。
前記仮焼工程後、成形工程前に、仮焼体又は仮焼体の粉末(粗粉砕粉末又は微粉砕粉末)に焼結助剤を添加してもよい。焼結助剤としてはSiO2及びCaCO3が好ましい。本発明のフェライト焼結磁石は、その組成から明らかなようにCa-La-Co系フェライト焼結磁石に属する。Ca-La-Co系フェライト焼結磁石においては、主相成分としてCaが含まれているため、従来のSr-La-Co系フェライト焼結磁石などのようにSiO2やCaCO3などの焼結助剤を添加しなくても、液相が生成し、焼結することができる。すなわち、フェライト焼結磁石において主として粒界相を形成するSiO2やCaCO3を添加しなくても本発明のフェライト焼結磁石を製造することができる。但し、HcJの低下を抑制するために、以下に示す量のSiO2及びCaCO3を添加してもよい。
SiO2の添加量は、添加する対象となる仮焼体又は仮焼体の粉末100質量%に対して1.5質量%以下が好ましい。また、CaCO3の添加量は、添加する対象となる仮焼体又は仮焼体の粉末100質量%に対してCaO換算で1.5質量%以下が好ましい。焼結助剤の添加は、例えば、仮焼工程によって得られた仮焼体に添加した後、粉砕工程を実施する、粉砕工程の途中で添加する、又は粉砕工程後の仮焼体の粉末(微粉砕粉末)に添加、混合した後成形工程を実施する、などの方法を採用することができる。焼結助剤として、SiO2及びCaCO3の他に、Cr2O3、Al2O3等を添加してもよい。これらの添加量は、それぞれ1質量%以下であってよい。
なお、本発明においては、CaCO3の添加量は全てCaO換算で表記する。CaO換算での添加量からCaCO3の添加量は、
式:(CaCO3の分子量×CaO換算での添加量)/CaOの分子量
によって求めることができる。例えば、CaO換算で0.5質量%のCaCO3を添加する場合、
{(40.08[Caの原子量]+12.01[Cの原子量]+48.00[Oの原子量×3]=100.09[CaCO3の分子量])×0.5質量%[CaO換算での添加量]}/(40.08[Caの原子量]+16.00[Oの原子量]=56.08[CaOの分子量])=0.892質量%[CaCO3の添加量]、となる。
プレス成形により得られた成形体を、必要に応じて脱脂した後、焼成(焼結)する。焼成は電気炉、ガス炉等を用いて行う。焼成は酸素濃度が10体積%以上の雰囲気中で行うことが好ましい。より好ましくは20体積%以上であり、最も好ましくは100体積%である。焼成温度は1150℃〜1250℃が好ましい。焼成時間は0時間(焼成温度での保持無し)〜2時間が好ましい。
焼成工程の後は、加工工程、洗浄工程、検査工程等の公知の製造プロセスを経て、最終的にフェライト焼結磁石を製造する。
3.フェライト焼結磁石
前記の通り、本発明のフェライト仮焼体は、SiO2やCaCO3などの焼結助剤を添加しなくても、液相が生成し、焼結することができ、本発明のフェライト焼結磁石を得ることができる。この時、フェライト仮焼体の成分、組成と、フェライト焼結磁石の成分、組成は、基本的に同じとなる(製造工程における不純物の混入などは考慮しない)。
一方、焼結助剤を添加した場合、特にフェライト仮焼体の主成分でもあるCa成分(例えばCaCO3)を焼結助剤として添加した場合は、フェライト焼結磁石全体としてはCa成分が増加するため、相対的に他の元素が減少することとなる。例えば、本発明のフェライト仮焼体を用いて、焼結助剤としてCaO換算でCaCO3を1.5質量%添加すると、最も変動する場合で、0.4≦x≦0.6(仮焼体)が0.3≦x≦0.6(焼結磁石)に、0.1≦z≦0.4(仮焼体)が0.05≦z≦0.4(焼結磁石)に、0.2≦(y+z)≦0.4(仮焼体)が0.15≦(y+z)≦0.4(焼結磁石)に、4≦n≦6(仮焼体)が3.4≦n≦6(焼結磁石)となる。
従って、本発明のフェライト焼結磁石は、
Ca、R、Fe、Co及びZnの金属元素(ただし、Rは希土類元素の少なくとも1種であってLaを必須に含む元素)の原子比を示す一般式:Ca1-xRxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、
前記x、y及びz、並びにn(ただし、2nはモル比であって、2n=(Fe+Co+Zn)/(Ca+R)で表される)が、
0.3≦x≦0.6、
0<y<0.15、
0.05≦z≦0.4、
0.15≦(y+z)≦0.4、及び
3.4≦n≦6
を満足するものとなる。
なお、本発明のフェライト焼結磁石の、酸素(O)を含む場合の組成、フェライト焼結磁石を構成する主相、六方晶のマグネトプランバイト(M型)構造の定義などは、本発明のフェライト仮焼体と同様である。また、前記の通り、フェライト仮焼体から範囲が変動しているものの、原子比x、y、zの限定理由、nの限定理由も前記フェライト仮焼体と同様であるため説明を省略する。
前記の通り、本発明のフェライト焼結磁石の製造方法において、焼結助剤としてSiO2を、仮焼体又は仮焼体の粉末100質量%に対して1.5質量%以下添加する場合がある。焼結助剤として添加されたSiO2は焼成(焼結)時に液相成分となり、フェライト焼結磁石において粒界相の一成分として存在することとなる。従って、焼結助剤として前記添加量のSiO2を添加した場合は、得られるフェライト焼結磁石は1.5質量%以下のSiO2を含有する。この時、SiO2の含有により、前記一般式:Ca1-xRxFe2n-y-zCoyZnzで示される各元素の含有量が相対的に減少するととなるが、前記一般式におけるx、y、z、nなどの範囲は基本的に変化しない。なお、SiO2の含有量は、フェライト焼結磁石の成分分析結果(例えば、ICP発光分光分析装置による結果)におけるCa、R、Fe、Co、Zn及びSiの各組成(質量%)から、CaCO3、La(OH)3、Fe2O3、Co3O4、ZnO及びSiO2の質量に換算し、それらの合計100質量に対する含有比率(質量%)である。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実験例1
本発明に基づく実験例として、一般式Ca1-xLaxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、原子比が表1の試料No.1〜18に示す1-x、x、y、z及び2nになるようにCaCO3粉末、La(OH)3粉末、Fe2O3粉末、Co3O4粉末及びZnO粉末を所定の組成で秤量し、秤量後の粉末の合計100質量%に対してH3BO3粉末を0.1質量%添加後、それぞれ湿式ボールミルで4時間混合した後、乾燥、整粒して18種類の混合原料粉末を得た。
また、比較例として、一般式Sr1-xLaxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、Sr、La、Co、Znの原子比及びnが表1の試料No.19及び20に示す原子比になるようにSrCO3粉末、La(OH)3粉末、Fe2O3粉末、Co3O4粉末及びZnO粉末を所定の組成で秤量し、秤量後の粉末の合計100質量%に対してH3BO3粉末を0.1質量%添加後、それぞれ湿式ボールミルで4時間混合した後、乾燥、整粒して2種類の混合原料粉末を得た。
得られた全20種類の混合原料粉末をそれぞれ大気中において表1に示す仮焼温度で3時間仮焼し、20種類の仮焼体を得た。
得られた各仮焼体を小型ミルで粗粉砕して20種類の仮焼体の粗粉砕粉末を得た。得られた各仮焼体の粗粉砕粉末100質量%に対して、表1に示すCaCO3(添加量はCaO換算)及びSiO2を添加し、水を分散媒とした湿式ボールミルで、表1に示す平均粒度(粉体比表面積測定装置(島津製作所製SS-100)を用いて空気透過法により測定)になるまで微粉砕し、20種類の微粉砕スラリーを得た。
粉砕工程により得られた各微粉砕スラリーを、分散媒を除去しながら、加圧方向と磁界方向とが平行である平行磁界成形機(縦磁界成形機)を用い、約1 Tの磁界を印加しながら約2.4 MPaの圧力で成形し、20種類の成形体を得た。
得られた各成形体を焼結炉内に挿入し、大気中で、表1に示す焼成温度で1時間焼成することにより20種類のフェライト焼結磁石を得た。得られたフェライト焼結磁石のBr、HcJ及びHk/HcJの測定結果を表1に示す。表1において試料No.の横に*印を付していない試料No.1〜14が本発明に基づく実験例であり、*印を付した試料No.15〜18は本発明を満足しない実験例(比較例)であり、*印を付した試料No.19及び20が従来のSr-La-Co系焼結磁石においてCoの一部をZnで置換した実験例(比較例)である。なお、表1におけるHkは、J(磁化の大きさ)-H(磁界の強さ)曲線の第2象限において、Jが0.95×Jr(Jrは残留磁化、Jr=Br)の値になる位置のHの値である。以下の実験例2においても同様である。
なお、表1における原子比は原料粉末の配合時の原子比(配合組成)を示す。焼成後の焼結体(フェライト焼結磁石)における原子比(焼結磁石の組成)は、配合時の原子比を元に、仮焼工程前に添加される添加物(H3BO3など)の添加量や、仮焼工程後成形工程前に添加される焼結助剤(CaCO3及びSiO2)の添加量を考慮し、計算によって求めることができ、その計算値は、フェライト焼結磁石をICP発光分光分析装置(例えば、島津製作所製ICPV-1017など)で分析した結果と基本的に同様となる。以下の実験例2においても同様である。
表1
Figure 2019181056
*比較例

表1(続き)
Figure 2019181056
*比較例
表1に示すように、Sr-La-Co系焼結磁石においてCoの一部をZnで置換した実験例(比較例)である試料No.19及び20に比べ、同量のCoを含有する試料No.1及び同量のZnを含有する試料No.2は高いBrを有し、HcJが高く、かつ、従来のSr-La-Co系焼結磁石(原子比で0.2程度のCoを含有)に比べCoの使用量を25%以上削減することができる。すなわち、従来のSr-La-Co系焼結磁石(原子比で0.2程度のCoを含有)に対してCoの使用量を25%以上削減した組成領域において、本発明に基づくフェライト焼結磁石(Ca-La-Co系焼結磁石)は、従来のSr-La-Co系焼結磁石に比べ、高いBr及び高いHcJを有している。
また、表1から明らかなように、0.2≦(y+z)≦0.4を満足しない試料No.15(y+z=0.1)では磁石特性が大きく低下している。さらに、0.2≦(y+z)≦0.3のとき1-x≧xを満足し、0.3<(y+z)≦0.4のとき1-x<xを満足することにより、より高い磁石特性を得ることができる。0.2≦(y+z)≦0.3のとき1-x≧xを満足しない試料No.11(y+z=0.3、1-x<x)では磁石特性が低下する傾向にあることがわかる。また、さらに、0<y<0.15を満足しない、すなわち、y=0(Coを含有しない)である試料No.16〜18ではHcJの低下が大きくなる傾向にあることがわかる。
実験例2
本発明に基づく実験例として、一般式Ca1-xLaxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、原子比が表2の試料No.21〜28に示す1-x、x、y、z及び2nになるようにCaCO3粉末、La(OH)3粉末、Fe2O3粉末、Co3O4粉末及びZnO粉末を所定の組成で秤量し、秤量後の粉末の合計100質量%に対してH3BO3粉末を0.1質量%添加後、それぞれ湿式ボールミルで4時間混合した後、乾燥、整粒して8種類の混合原料粉末を得た。
また、比較例として、一般式Sr1-xLaxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、Sr、La、Co、Znの原子比及びnが表2の試料No.29に示す原子比になるようにSrCO3粉末、La(OH)3粉末、Fe2O3粉末、Co3O4粉末及びZnO粉末を所定の組成で秤量し、秤量後の粉末の合計100質量%に対してH3BO3粉末を0.1質量%添加後、それぞれ湿式ボールミルで4時間混合した後、乾燥、整粒して1種類の混合原料粉末を得た。
表2に示す仮焼温度、CaCO3(添加量はCaO換算)及びSiO2の添加量、平均粒度、焼成温度で実施する以外は、実験例1と同様にして、仮焼、粗粉砕、微粉砕、成形及び焼成し、全9種類のフェライト焼結磁石を得た。得られたフェライト焼結磁石のBr、HcJ及びHk/HcJの測定結果を表2に示す。表2において試料No.の横に*印を付していない試料No.21〜26が本発明に基づく実験例であり、*印を付した試料No.27及び28は本発明を満足しない実験例(比較例)であり、*印を付した試料No.29が従来のSr-La-Co系焼結磁石においてCoの一部をZnで置換した実験例(比較例)である。
表2
Figure 2019181056
*比較例

表2(続き)
Figure 2019181056
*比較例
試料No.21及び22は、実験例1の試料No.1と1-x、x、y及びzが同じで、2nを小さくした(10.26→9.76)実験例(試料No.21と22とはCaCO3及びSiO2の添加量が異なる)であり、試料No.23は試料No.21及び22からさらに2nを小さくした(9.76→9.26)した実験例である。表2に示すように、2nを小さくすることによりHcJが向上していることがわかる。
試料No.24、25は、試料No.21と1-x、x、y+z及び2nが同じで、y+zを0.26として試料No.21(y=0.13)よりもyを小さく(y=0.10、0.05)した実験例である。yが小さくなることによりHcJが低下する傾向にあることがわかる。これらの傾向から、より高い磁石特性を得ようとする場合は、yは0.10以上であることが好ましいといえる。
試料No.26は、0.3<(y+z)≦0.4のとき1-x<xを満足する実験例1の試料No.12と近い組成において、yを大きくした実験例である。yが大きくなることによりHcJが向上していることがわかる。
また、表2に示すように、0.2≦(y+z)≦0.4を満足しない試料No.27(y+z=0.16)ではBrの低下が著しく、0<y<0.15、0.1≦z≦0.4及び0.2≦(y+z)≦0.4をいずれも満足しない試料No.28(y=0、z=0.50、y+z=0.50)では、HcJの低下が著しいことがわかる。
さらに、表2に示すように、Sr-La-Co系焼結磁石においてCoの一部をZnで置換した実験例(比較例)である試料No.29に比べ、ほぼ同量のCoを含有する実験例1の試料No.12は、HcJはほぼ同程度であるが、Brが極めて高いことがわかる。
本発明によれば、高いBrを有しかつHcJの低下が少なく、従来のSr-La-Co系フェライト焼結磁石よりもCo使用量を25%以上削減したフェライト焼結磁石の提供が可能となるので、各種モータなどに好適に利用することができる。
2.フェライト焼結磁石の製造方法
原料粉末としては、価数にかかわらず、それぞれの金属の酸化物、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩、塩化物等の化合物を使用することができる。原料粉末を溶解した溶液であってもよい。Caの化合物としては、Caの炭酸塩、酸化物、塩化物等が挙げられる。Laの化合物としては、La2O3等の酸化物、La(OH)3等の水酸化物、La2(CO3)3・8H2O等の炭酸塩等が挙げられる。Feの化合物としては、酸化鉄、水酸化鉄、塩化鉄、ミルスケール等が挙げられる。Coの化合物としては、CoO、Co3O4等の酸化物、CoOOH、Co(OH)2等の水酸化物、CoCO3等の炭酸塩、及びm2CoCO3・m3Co(OH)2・m4H2O等の塩基性炭酸塩(m2、m3、m4は正の数である)が挙げられる。Znの化合物としてはZnOが挙げられる
なお、本発明においては、CaCO3の添加量は全てCaO換算で表記する。CaO換算での添加量からCaCO3の添加量は、式:(CaCO3の分子量×CaO換算での添加量)/CaOの分子量によって求めることができる。例えば、CaO換算で0.5質量%のCaCO3を添加する場合、その量は{(40.08[Caの原子量]+12.01[Cの原子量]+48.00[Oの原子量×3]=100.09[CaCO3の分子量])×0.5質量%[CaO換算での添加量]}/(40.08[Caの原子量]+16.00[Oの原子量]=56.08[CaOの分子量])=0.892質量%[CaCO3の添加量]となる。
前記の通り、本発明のフェライト焼結磁石の製造方法において、焼結助剤としてSiO2を、仮焼体又は仮焼体の粉末100質量%に対して1.5質量%以下添加する場合がある。焼結助剤として添加されたSiO2は焼成(焼結)時に液相成分となり、フェライト焼結磁石において粒界相の一成分として存在することとなる。従って、焼結助剤として前記添加量のSiO2を添加した場合は、得られるフェライト焼結磁石は1.5質量%以下のSiO2を含有する。この時、SiO2の含有により、前記一般式:Ca1-xRxFe2n-y-zCoyZnzで示される各元素の含有量が相対的に減少するととなるが、前記一般式におけるx、y、z、nなどの範囲は基本的に変化しない。なお、SiO2の含有量は、フェライト焼結磁石の成分分析結果(例えば、ICP発光分光分析装置による結果)におけるCa、R、Fe、Co、Zn及びSiの各組成(質量%)から、CaCO3、La(OH)3、Fe2O3、Co3O4、ZnO及びSiO2の質量に換算し、それらの合計100質量に対する含有比率(質量%)である。

Claims (10)

  1. Ca、R、Fe、Co及びZnの金属元素(ただし、Rは希土類元素の少なくとも1種であってLaを必須に含む元素)の原子比を示す一般式:Ca1-xRxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、
    前記x、y及びz、並びにn(ただし、2nはモル比であって、2n=(Fe+Co+Zn)/(Ca+R)で表される)が、
    0.4≦x≦0.6、
    0<y<0.15、
    0.1≦z≦0.4、
    0.2≦(y+z)≦0.4、及び
    4≦n≦6
    を満足するフェライト仮焼体。
  2. 請求項1に記載のフェライト仮焼体において、
    前記yが、0<y≦0.13を満足することを特徴とするフェライト仮焼体。
  3. 請求項1又は2に記載のフェライト仮焼体において、
    前記1-x、x、y及びzが、
    0.2≦(y+z)≦0.3のとき1-x≧xを満足し、
    0.3<(y+z)≦0.4のとき1-x<xを満足することを特徴とするフェライト仮焼体。
  4. Ca、R、Fe、Co及びZnの金属元素(ただし、Rは希土類元素の少なくとも1種であってLaを必須に含む元素)の原子比を示す一般式:Ca1-xRxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、
    前記x、y及びz、並びにn(ただし、2nはモル比であって、2n=(Fe+Co+Zn)/(Ca+R)で表される)が、
    0.3≦x≦0.6、
    0<y<0.15、
    0.05≦z≦0.4、
    0.15≦(y+z)≦0.4、及び
    3.4≦n≦6
    を満足するフェライト焼結磁石。
  5. 請求項4に記載のフェライト焼結磁石において、
    1.5質量%以下のSiO2をさらに含有することを特徴とするフェライト焼結磁石。
  6. Ca、R、Fe、Co及びZnの金属元素(ただし、Rは希土類元素の少なくとも1種であってLaを必須に含む元素)の原子比を示す一般式:Ca1-xRxFe2n-y-zCoyZnzにおいて、
    前記x、y及びz、並びにn(ただし、2nはモル比であって、2n=(Fe+Co+Zn)/(Ca+R)で表される)が、
    0.4≦x≦0.6、
    0<y<0.15、
    0.1≦z≦0.4、
    0.2≦(y+z)≦0.4、及び
    4≦n≦6
    を満足する原料粉末を混合し、混合原料粉末を得る原料粉末混合工程、
    前記混合原料粉末を仮焼し、仮焼体を得る仮焼工程、
    前記仮焼体を粉砕し、仮焼体の粉末を得る粉砕工程、
    前記仮焼体の粉末を成形し、成形体を得る成形工程、及び
    前記成形体を焼成し、焼結体を得る焼成工程
    を含むフェライト焼結磁石の製造方法。
  7. 請求項6に記載のフェライト焼結磁石の製造方法において、
    前記仮焼工程後、前記成形工程前に、前記仮焼体又は仮焼体の粉末100質量%に対して1.5質量%以下のSiO2を添加する工程をさらに含むことを特徴とするフェライト焼結磁石の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載のフェライト焼結磁石の製造方法において、
    前記仮焼工程後、前記成形工程前に、前記仮焼体又は仮焼体の粉末100質量%に対してCaO換算で1.5質量%以下のCaCO3を添加する工程をさらに含むことを特徴とするフェライト焼結磁石の製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載のフェライト焼結磁石の製造方法において、
    前記仮焼体の原子比yが、0<y≦0.13を満足することを特徴とするフェライト仮焼体。
  10. 請求項6〜9のいずれかに記載のフェライト焼結磁石の製造方法において、
    前記仮焼体の原子比1-x、x、y及びzが、
    が、0.2≦(y+z)≦0.3のとき1-x≧xを満足し、0.3<(y+z)≦0.4のとき1-x<xを満足することを特徴とするフェライト焼結磁石の製造方法。
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