JPWO2019155553A1 - チタン合金材 - Google Patents
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Abstract
Description
質量%で
Cu:0.7%〜1.4%、
Sn:0.5%〜1.5%、
Si:0.10%〜0.45%、
Nb:0.05%〜0.50%、
Fe:0.001%〜0.08%、
O:0.001%〜0.08%
を含有し、残部がTi及び不純物からなり、
組織中のα相の面積分率が96.0%以上であり、金属間化合物の面積分率が1.0%以上であり、
前記α相の平均結晶粒径が10μm以上100μm以下であり、前記金属間化合物の平均粒径が0.1〜3.0μmである、チタン合金材。
更に、質量%で、
Bi:0.1〜2.0%、
Ge:0.1〜1.5%
のいずれか一方または両方を含有し、
これらの合計量が3.0%未満である、[1]に記載のチタン合金材。
25℃での破断伸びが25.0%以上、かつ、25℃での0.2%耐力が340MPa以下であり、700℃での引張強度が60MPa以上である、[1]に記載のチタン合金材。
チタン合金材の高温強度を向上させるためには、合金元素を添加して固溶強化させることが通常行われる。しかし、高温強度が向上したチタン合金材は、室温でも高強度になるため、成形加工時のスプリングバックが大きくなり、成形性が低下する。例えば、溶接などを自動化して排気装置等の製品を効率的に生産するためには、スプリングバックによる位置ずれを小さくする必要がある。なお、本明細書において室温とは、20℃〜30℃である。室温は、好ましくは25℃である。
まず、各成分元素の含有量について説明する。ここで、成分についての「%」は質量%である。また、化学組成はインゴットではなく、仕上げ焼鈍まで施されたチタン合金材での分析値である。
Cuは、固溶限が広く、高温強度及び室温での強度を向上させる元素である。高温強度を向上させるためには、0.7%以上含有する必要がある。Cuを過剰に含有すると、Ti2Cuなどの金属間化合物が多量に析出し、延性が損なわれる。さらに、使用される際には780℃を超えるとβ相が形成されるようになるため、高温強度が低下する懸念がある。さらに、Ti2Cuの析出量が多いと、α相の粒成長が阻害され細粒となり、室温での延性を低下させてしまう。そのため、Cu含有量の上限を1.4%以下とする。したがって、Cuの含有量を0.7%〜1.4%とする。Cuの下限は、0.8%、0.9%又は1.0%でもよい。又、Cuの上限は、1.3%、1.2%又は1.1%でもよい。
Snは、固溶限が広く、高温強度を向上させる元素である。高温強度を向上させるためには、Snを0.5%以上含有する必要がある。また、後述するSiは高温強度と耐酸化性を向上させるが、大型鋳塊を用いて製品を製造する場合に偏析を生じやすく、製造コストを抑制するために大型鋳塊を用いるには不向きである。そのため、偏析が小さいSnを添加することで高温強度のばらつきを低減する必要がある。なお、Snを過剰に含有すると、Ti2Cuなどの金属間化合物の析出を促進するため、1.5%以下に制限する必要がある。したがって、Sn含有量を0.5%〜1.5%とする。Snの下限は、0.6%、0.7%又は0.8%でもよい。又、Snの上限は、1.4%、1.3%又は1.2%でもよい。
Siは、高温強度及び耐酸化性を向上させる元素である。ただし、偏析も考慮すると、これらの効果を得るには、Siを0.10%以上含有する必要がある。Siを過剰に含有すると、高温強度及び耐酸化性の向上効果が含有量に対して小さくなり、さらに、金属間化合物(シリサイド)を多量に析出し、室温での延性を低下させてしまうため、上限を0.45%以下とする。したがって、Si含有量を0.10%〜0.45%とする。Siの下限は、0.15%、0.20%又は0.25%でもよい。又、Siの上限は、0.40%、0.35%又は0.30%でもよい。
Nbは、耐酸化性を向上させる元素である。また、発明の添加範囲においてNbはSiに比べて偏析が小さい元素である。そのため、Siの偏析による耐酸化性のばらつきを低減するためにNbも添加する必要がある。耐酸化性の向上効果を得るには、Nbを0.05%以上含有する必要がある。Nbを過剰に含有すると、含有量に対して耐酸化性の向上効果が小さくなり、また、β相を形成しやすくなる。さらにNbは高価であることから、上限を0.50%以下とする。したがって、Nb含有量を0.05%〜0.50%とする。Nbの下限は、0.10%、0.15%又は0.20%でもよい。又、Nbの上限は、0.40%、0.35%又は0.30%でもよい。
Feは、不可避的に含まれる元素である。また、Feはβ安定化元素であり、過剰に含まれるとβ相を形成しやすく、α相の結晶粒の成長を妨げる。室温において十分な延性を得るためには、α相の結晶粒を成長させる必要があるため、Fe含有量は少ないほうが好ましい。したがって、Fe含有量は0.00%〜0.08%とする。Feの上限は、0.06%、0.04%又は0.02%でもよい。
Oは、不可避的に含まれる元素であり、室温での強度を向上させ、延性を低下させる。高温での強度に対する寄与はほとんどないため、含有量は少ないほうが好ましい。したがって、O含有量を0.00%〜0.08%とする。Oの上限は、0.06、0.04%又は0.02%でもよい。
本実施形態のチタン合金材は、Tiの一部に代えて、BiまたはGeのうち一方または両方を、含有量の合計が3.0%未満の範囲で含有してもよい。BiまたはGeのうち一方または両方Cuの上限は、2.5%、2.0%又は1.5%でもよい。
Biは、高温ではある程度の固溶限を有しており、高温強度を向上させるために0.1%以上含有してもよい。しかし、Biは、CuやSiと同様に金属間化合物を生じ、室温での延性を低下させるため、上限を2.0%以下とする。Biの下限は、0.2%、0.3%又は0.4%でもよい。又、Biの上限は、1.5%、1.0%又は0.8%でもよい。
Geは、高温ではある程度の固溶限を有しており、高温強度を向上させるために0.1%以上含有してもよい。しかし、Geは、CuやSiと同様に金属間化合物を生じ、室温での延性を低下させるため、上限を1.5%以下とする。Biの下限は、0.2%、0.3%又は0.4%でもよい。又、Biの上限は、1.2%、1.0%又は0.8%でもよい。BiとGeを複合添加する場合、固溶限はどちらも小さくなるため、各元素の上限である2.0%ずつ添加(合計4.0%)すると金属間化合物が形成される。そのため、BiとGeの合計添加量は3.0%以下でなければ、多量の金属間化合物によって延性が劣化する。
本実施形態のチタン合金材は、室温において、金属組織中に金属間化合物を析出させることによって、固溶強化を抑制し、0.2%耐力を低下させ、成形加工性を向上させる。この効果を得るためには、チタン合金材中に金属間化合物が、面積分率で1.0%以上析出している必要がある。ただし、金属間化合物が多量に析出しすぎると、析出強化により室温での延性を低下させる場合があるので、金属間化合物の面積分率を4.0%以下とする。金属間化合物の面積分率は、3.0%以下、又は、2.0%以下でもよい。また、α相の面積分率を96.0%以上とする。α相の面積分率の下限は、97.0%、98.0%でもよい。
本実施形態のチタン合金材は、α相の結晶粒径を大きくすることにより、室温での延性を向上させ、0.2%耐力を低下させる。そのため、主相であるα相の平均結晶粒径が、10μm以上である必要がある。10μmよりも小さいと0.2%耐力が高くなりすぎる場合や伸びが不十分となる場合がある。より好ましくは12μm以上であり、更に好ましくは15μm以上である。平均結晶粒径が大きいほど室温での延性に優れるが、100μmを超えると、成形によってしわが発生し、外観を損ねる可能性がある。したがって、α相の平均結晶粒径の上限を100μmとする必要がある。望ましくは70μm以下であり、より望ましくは50μm以下である。
Dn (μm)=Ln / Xn (1)
D (μm) = (D1+D2+D3+D4+D5)/5 (2)
本実施形態のチタン合金材は、金属間化合物が所定の面積分率で析出することにより、α相中の金属間化合物の固溶量が減少し、室温での0.2%耐力が低下する。析出した金属間化合物は、高温に曝されることで、再度α相中に固溶するため、高温強度が向上する。粗大な金属間化合物が析出していると、高温に曝された時に固溶しにくく、十分な高温強度が得られないため、金属間化合物の平均粒径を3.0μm以下とする必要がある。しかし、微細分散しすぎると、析出強化の効果が大きくなり、延性が低下してしまう。そのため、金属間化合物の平均粒径の下限を0.1μmとする。なお、本実施形態における金属間化合物には、Ti2Cu、チタンシリサイドなど、チタンとその他の金属元素からなる金属間化合物は勿論、チタン以外の金属元素同士の金属間化合物も含まれる。金属間化合物の粒径を観察するためには走査型電子顕微鏡を用いる。測定範囲は金属間化合物の面積分率の場合と同じであるが、各々の金属間化合物を測定する場合は1000倍を目安に行うのが良く、より高倍率での測定でも良い。
次に、本実施形態によるチタン合金材の製造方法の一例について、図1を参照にして説明する。製造工程の流れを図1に示す。図1中、インゴット製造、熱間圧延、脱スケール、冷間圧延、仕上げ焼鈍(焼鈍1+焼鈍2)は必須の工程であり、鍛造・分塊圧延、熱延板焼鈍、中間焼鈍・冷間圧延、形状矯正は必要に応じて行う工程である。
熱間圧延する素材は、真空アーク溶解や電子ビーム溶解などの方法で鋳造された、上述の化学組成を有するインゴットを用いる。なお、鍛造・分塊圧延を熱間圧延の前に加えてもよい。鍛造・分塊圧延は1000℃以上(望ましくは1050℃以上)に加熱して行う。熱間圧延は800〜1100℃で加熱し圧延を行う。この時の熱間圧延温度は800℃を下回ると変形抵抗が大きくなり、熱間圧延が困難になる。1100℃を超えると、酸化が激しく、熱間圧延によるスケール押し込みやスケール部分が多くなることにより、歩留まりが低下する。
熱延板焼鈍は、熱間圧延後のチタン合金材のひずみを低減することにより、冷間圧延をしやすくする目的で行う。ただし、この工程は必ずしも行う必要は無く、冷間圧延性が不足する場合に実施すればよい。熱延板焼鈍は、過剰な酸化を抑制し、歩留まりの低下を抑制するために、750〜850℃で行う。焼鈍時間に特に制限は無いが、1分〜60分程度の保持で十分である。
冷間圧延は熱間圧延もしくは熱延板焼鈍後の脱スケールを行った後に行う。脱スケールは一般的な方法でよく、たとえばショットブラストを行った後に硝酸とふっ酸の混酸による酸洗によって表層を除去する方法である。冷間圧延では均一な組織を得るために、冷間での総圧延率(冷間圧延率)を高くする必要があり、冷間圧延率は50%以上が望ましい。一方で、冷間圧延率が95%を超えて冷間圧延をすると、歩留まりを大きく低下させるような耳割れを生じるため、冷間圧延率の上限は95%以下とする。より好ましくは90%以下であり、さらに好ましくは85%以下である。中間焼鈍を施す場合は、中間焼鈍後の冷間圧延で50%以上の冷間圧延率とすればよい。なお、中間焼鈍は熱延板焼鈍と同様に750〜850℃で行うことが望ましい。
1回目の焼鈍(以下、焼鈍1という)は、金属間化合物を固溶させつつ、α相の結晶粒を粗粒化させる目的で行う。そのためには、750℃以上で焼鈍を行う必要がある。本実施形態のチタン合金材は、高温強度を高めるために合金元素を多量に含有しており、750℃を下回る温度では金属間化合物が析出し、α相の粒成長が阻害され、粗粒化が困難になる。そのため、粗粒化のために長時間が必要となり、析出した金属間化合物が粗大化する。さらに2回目の焼鈍においても、すでに存在する金属間化合物が成長するため、粗大な金属間化合物を形成することになる。一方、焼鈍温度が830℃を超えると、β相が形成されるため、α相の結晶粒成長が阻害される。また、750℃以上では、バッチ式焼鈍を行うとコイル同士の接触部で接合し、焼付きを生じるため不適切である。そのため、連続式焼鈍によって焼鈍1が施される。したがって、α相の平均結晶粒径を所定の範囲に制御するために、焼鈍1は連続式焼鈍によって750℃〜830℃で実施する。好ましい範囲は770〜820℃であり、より好ましい範囲は780〜810℃である。焼鈍1後の冷却は、金属間化合物の一つであるTi2Cuの析出速度が極めて遅いことから、空冷や炉冷程度でもよい。好ましくは550℃以下までの平均冷却速度が0.5℃/sであり、より好ましくは1℃/sである。550℃を下回ると析出反応は非常に遅くなるため、550℃よりも低い領域の冷却速度は特に注意する必要はない。上記焼鈍温度において、1分未満の保持でも金属間化合物は固溶しはじめ、α相中の結晶粒が成長可能な状態となる。そのため、焼鈍1は1分程度を目安に行い、α相の平均結晶粒径が所望の範囲(10μm〜100μm)になるように設備に応じて調整するとよい。焼鈍1の焼鈍時間は、具体的には1〜5分であればよい。
上記焼鈍1を実施した後のチタン合金材は、金属間化合物がほとんど析出せず、析出したとしても金属間化合物の面積分率は1.0%未満である。金属間化合物が固溶したままでは、固溶強化により0.2%耐力が高くなるため、成形加工性に優れない。したがって、金属間化合物を所定の面積分率で析出させ、固溶強化を抑制し、0.2%耐力を低くする。本実施形態では、金属間化合物を所定の面積分率で析出させるために、焼鈍1の後に550〜720℃で2回目の焼鈍(以下、焼鈍2という)を施す。
室温(25℃)での引張試験は、上記の薄板から、長手方向が圧延方向に対して平行のASTMハーフサイズ引張試験片(平行部幅6.25mm、平行部長さ32mm、標点間距離25mm)を採取し、ひずみ速度を、ひずみ1.5%までを0.5%/min、その後破断までを30%/minで行った。室温における延性及びスプリングバックの評価は、室温での破断伸び及び0.2%耐力で評価した。室温での破断伸びが25.0%以上であり、かつ、室温での0.2%耐力が340MPa以下である場合を、延性が十分でありスプリングバックが小さいとして合格と判定した。なお、引張試験は空調設備によって平均温度25℃(±2℃)に保たれた室内で実施した。
高温での引張試験は、上記の薄板から、長手方向が圧延方向に対して平行の引張試験片(平行部幅10mm、平行部長さ及び標点間距離30mm)を採取し、ひずみ速度を、ひずみ1.5%までを0.3%/min、その後破断までを7.5%/minで行った。試験雰囲気は、700℃の大気中で行い、試験片が十分に試験温度に達するように、試験雰囲気中に30分間保持した後、試験を行った。高温での引張強度が60MPa以上の場合を、高温強度に優れるとし、合格と判定した。
上記薄板のL断面(TD面)を光学顕微鏡により観察し、α相の平均結晶粒径を切断法によって求めた。走査型電子顕微鏡により観察した反射電子像での組織中のコントラストからα相と金属間化合物とを判別した。
厚さ50μmのテフロンシートを潤滑剤として用いた球頭張出し試験を張出し高さが15mmとなるまで行い、外観のシワの発生程度を観察し、ABCDの4段階で評価した(「テフロン」は登録商標)。Aは従来材(JIS H4600 第2種チタン)と同等の外観を有するもの、Bは従来材よりも外観上は劣るが製品化した後の研磨によって除去可能なもの、Cは研磨前にブラストなどの工程が必要となるもの、Dはブラストなどを行っても研磨で除去できないものとした。Dは不合格である。なお、15mmで破断する場合は13mmもしくは10mmまで張り出し高さを低くし、従来材(JIS H4600 第2種チタン)との比較評価によって判断してもよい。なお、従来材はJIS H4600 第二種チタンの化学組成を有する鋳塊から製造された熱延板(厚さ4〜5mm)をショットブラストおよび酸洗によって脱スケールし、熱間圧延までで形成された疵がない部分を厚さ1mmまでの冷間圧延した後に、アセトンもしくはアルカリ溶液で圧延油を洗浄除去した後、650℃で8h真空焼鈍を施した板材とした。
酸化試験は板厚×20mm×40mm程度の表面をエメリー紙#600番で湿式研磨し、大気中で800℃、100h保持後の重量増加を試験片の表面積で除した値(酸化増量)で評価した。なお、試験時には試験片を容器などに立てかけることで試験片の表面が十分に大気にさらされるようにした。酸化増量が50g/m2以下の場合を耐酸化性に優れると判断した。なお、酸化増量は耐酸化性を表す指標であり、小さいほど耐酸化性に優れる。酸化すると酸素がチタンと結合するため重量が増加する。酸化スケールが剥離する場合には減少するが、スケール剥離した場合は剥離スケールも回収して重量測定する。そのため、スケールが剥離しても回収できるような容器に入れるなどして試験を行う。
Claims (3)
- 質量%で
Cu:0.7%〜1.4%、
Sn:0.5%〜1.5%、
Si:0.10%〜0.45%、
Nb:0.05%〜0.50%、
Fe:0.00%〜0.08%、
O:0.00%〜0.08%
を含有し、残部がTi及び不純物からなり、
組織中のα相の面積分率が96.0%以上であり、金属間化合物の面積分率が1.0%以上であり、
前記α相の平均結晶粒径が10μm以上100μm以下であり、前記金属間化合物の平均粒径が0.1〜3.0μmである、チタン合金材。 - 更に、質量%で、
Bi:0.1〜2.0%、
Ge:0.1〜1.5%
のいずれか一方または両方を含有し、
これらの合計量が3.0%未満である、請求項1に記載のチタン合金材。 - 25℃での破断伸びが25.0%以上、かつ、25℃での0.2%耐力が340MPa以下であり、700℃での引張強度が60MPa以上である、請求項1に記載のチタン合金材。
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