JPWO2019151184A1 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

熱可塑性樹脂と、ガラスバルーンと、シリカ粒子と、を含み、この熱可塑性樹脂およびこのガラスバルーンの含有量の合計を100質量%としたとき、ガラスバルーンの含有量の割合が、10質量%以上30質量%以下であり、この熱可塑性樹脂およびこのガラスバルーンの含有量の合計を100質量部としたとき、このシリカ粒子の含有量の割合が、0.02質量部以上5質量部以下である樹脂組成物。

Description

本発明は、樹脂組成物に関するものである。
本願は、2018年1月31日に、日本に出願された特願2018−015859号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
熱可塑性樹脂は、機械部品、家電部品、通信機器部品、OA部品、自動車部品、レジャー用品などの各種部品の成形材料として幅広く使用されている。近年、これら部品の軽量化が一層要求されている。そのため、これらの成形材料である熱可塑性樹脂についても、耐熱性などの特性を維持しつつ、軽量化が求められている。
熱可塑性樹脂の成形品の軽量化の手段としては、熱可塑性樹脂にガラスバルーンを配合し、低比重化する方法が知られている。例えば、特許文献1には、低比重の熱可塑性樹脂組成物が記載されている。特許文献1に記載の熱可塑性樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂およびガラスバルーンを含む。
特開2011−127062号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような樹脂組成物は、接着剤を介して接着された成形品間の接着強度(以下、「成形品の接着強度」と称する)が十分ではない。そのため、成形品の接着強度の改善が求められている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、比重が低く、かつ、接着強度が高い成形品を成形できる樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の態様を含む。
[1]熱可塑性樹脂と、
ガラスバルーンと、
シリカ粒子と、を含み、
前記熱可塑性樹脂および前記ガラスバルーンの含有量の合計を100質量%としたとき、前記ガラスバルーンの含有量の割合が、10質量%以上30質量%以下であり、
前記熱可塑性樹脂および前記ガラスバルーンの含有量の合計を100質量部としたときシリカ粒子の含有量の割合が、0.02質量部以上5質量部以下である樹脂組成物。
[2]前記シリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径が7nm以上2000nm以下である[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記ガラスバルーンの算術平均粒径が5μm以上500μm以下である[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記熱可塑性樹脂が液晶ポリエステルである[1]〜「3]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
本発明の一態様によれば、比重が低く、かつ接着強度が高い成形品を成形できる樹脂組成物が提供される。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、ガラスバルーンと、シリカ粒子と、を含む。
なお、本明細書においては、熱可塑性樹脂と、ガラスバルーンと、シリカ粒子と、を混合して得られる混合物を「樹脂組成物」と称する。また、得られた混合物をペレット状に成形した材料、も、同様に「樹脂組成物」と称する。
[熱可塑性樹脂]
本実施形態の樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂としては、例えば、液晶ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などが挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物は、上述した熱可塑性樹脂を1種類のみ含有してもよいし、2種以上を任意に組み合わせて含有してもよい。
上述した熱可塑性樹脂の中でも、液晶ポリエステルが好ましい。液晶ポリエステルは、溶融時の粘度が低いため、溶融混練時や成形加工時にガラスバルーンにかかるせん断を小さくすることができる。その結果、溶融混練時や成形加工時におけるガラスバルーンの破損を抑制できる。1つの側面として、本実施形態に係る熱可塑性樹脂は液晶ポリエステルのみからなることが好ましい。
液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示し、250℃以上450℃以下の温度で溶融することが好ましい。なお、液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
液晶ポリエステルの典型的な例としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合(重縮合)させたもの;複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させたもの;芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合させたもの;またはポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを重合させたものが挙げられる。
本明細書において、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、一部または全部に代えて、重合可能な誘導体であってもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカルボン酸のような、カルボキシ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、エステル、酸ハロゲン化物、または酸無水物が挙げられる。上述のエステルとしては、カルボキシ基をアルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基に変換したものが挙げられる。上述の酸ハロゲン化物としては、カルボキシ基をハロホルミル基に変換したものが挙げられる。上述の酸無水物としては、カルボキシ基をアシルオキシカルボニル基に変換したものが挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオールおよび芳香族ヒドロキシアミンのような、ヒドロキシ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシ基をアシル化してアシルオキシ基に変換したもの(すなわち、ヒドロキシル基のアシル化物)が挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンのような、アミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換したもの(すなわち、アミノ基のアシル化物)が挙げられる。
本実施形態に係る液晶ポリエステルは、下記式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」ということがある。)を有することが好ましい。また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)と、下記式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」ということがある。)と、下記式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」ということがある。)と、を有することがより好ましい。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
[式(1)〜式(3)中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基またはビフェニリレン基を表す。
ArおよびArは、互いに独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基または式(4)で表される基を表す。XおよびYは、互いに独立に、酸素原子またはイミノ基(−NH−)を表す。
Ar、ArまたはArで表される前記基中の少なくとも1個の水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基で置換されていてもよい。]
(4)−Ar−Z−Ar
[式(4)中、ArおよびArは、互いに独立に、フェニレン基またはナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基または炭素数1〜10のアルキリデン基を表す。
ArまたはArで表される前記基中の少なくとも1個の水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基で置換されていてもよい。]
水素原子と置換可能な前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
水素原子と置換可能な前記炭素数1〜10のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、イソプロピル基、1−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−オクチル基または1−デシル基などが挙げられる。
水素原子と置換可能な前記炭素数6〜20のアリール基の例としては、フェニル基、オルトトリル基、メタトリル基、パラトリル基などのような単環式芳香族基や、1−ナフチル基、2−ナフチル基などのような縮環式芳香族基が挙げられる。
Ar、Ar、Ar、ArまたはArで表される前記基において、少なくとも1個の水素原子が、上述した置換基で置換されている場合、前記置換基の数は、Ar、Ar、Ar、ArまたはArで表される基毎に、互いに独立に、1個または2個であることが好ましい。また、前記置換基の数は、Ar、Ar、Ar、ArまたはArで表される基毎に、1個であることがより好ましい。
前記炭素数1〜10のアルキリデン基の例としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、1−ブチリデン基または2−エチルヘキシリデン基などが挙げられる。
繰返し単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。
なお、本明細書において「由来」とは、原料モノマーが重合するために化学構造が変化し、その他の構造変化を生じないことを意味する。
繰返し単位(1)としては、Arが1,4−フェニレン基であるもの(例えば、4−ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)、またはArが2,6−ナフチレン基であるもの(例えば、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。
繰返し単位(2)としては、Arが1,4−フェニレン基であるもの(例えば、テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Arが1,3−フェニレン基であるもの(例えば、イソフタル酸に由来する繰返し単位)、Arが2,6−ナフチレン基であるもの(例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、またはArがジフェニルエーテル−4,4’−ジイル基であるもの(例えば、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(3)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンまたは芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。
繰返し単位(3)としては、Arが1,4−フェニレン基であるもの(例えば、ヒドロキノン、4−アミノフェノールまたは1,4−フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、またはArが4,4’−ビフェニリレン基であるもの(例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルまたは4,4’−ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましい。
液晶ポリエステルにおける繰返し単位(1)の含有率は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは30モル%以上、より好ましくは30モル%以上80モル%以下、さらに好ましくは30モル%以上70モル%以下、とりわけ好ましくは35モル%以上65モル%以下である。
ここで、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量は、液晶ポリエステルを構成する各繰返し単位の質量をその各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値である。
液晶ポリエステルの繰返し単位(1)の含有率が30モル%以上であると、本実施形態の樹脂組成物から成形された成形品の強度・剛性が向上しやすい。また、繰返し単位(1)の含有率が80モル%以下であると、溶融粘度を低くすることができる。そのため、本実施形態の樹脂組成物の成形に必要な温度が低くなりやすい。
液晶ポリエステルにおける繰返し単位(2)の含有率は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは35モル%以下、より好ましくは10モル%以上35モル%以下、さらに好ましくは15モル%以上35モル%以下、とりわけ好ましくは17.5モル%以上32.5モル%以下である。
液晶ポリエステルにおける繰返し単位(3)の含有率は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは35モル%以下、より好ましくは10モル%以上35モル%以下、さらに好ましくは15モル%以上35モル%以下、とりわけ好ましくは17.5モル%以上32.5モル%以下である。
1つの側面として、本実施形態に係る液晶ポリエステルは、前記液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、繰返し単位(1)の含有量が、好ましくは30モル%以上、より好ましくは30モル%以上80モル%以下、さらに好ましくは30モル%以上70モル%以下、とりわけ好ましくは35モル%以上65モル%以下であり;繰返し単位(2)の含有量が、好ましくは35モル%以下、より好ましくは10モル%以上35モル%以下、さらに好ましくは15モル%以上35モル%以下、とりわけ好ましくは17.5モル%以上32.5モル%以下であり;繰返し単位(3)の含有量が、好ましくは35モル%以下、より好ましくは10モル%以上35モル%以下、さらに好ましくは15モル%以上35モル%以下、とりわけ好ましくは17.5モル%以上32.5モル%以下である。
本実施形態に係る液晶ポリエステルにおいては、繰返し単位(2)の含有率と繰返し単位(3)の含有率との割合は、[繰返し単位(2)の含有率]/[繰返し単位(3)の含有率](モル/モル)で表して、好ましくは0.9/1〜1/0.9、より好ましくは0.95/1〜1/0.95、さらに好ましくは0.98/1〜1/0.98である。
なお、本実施形態に係る液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)を、互いに独立に、2種以上有してもよい。また、本実施形態に係る液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位を1種または2種以上有してもよい。繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位の含有率は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは0モル%以上10モル%以下、より好ましくは0モル%以上5モル%以下である。
本実施形態に係る液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、XおよびYがそれぞれ酸素原子であるものを有することが好ましい。すなわち、液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、所定の芳香族ジオールに由来する繰返し単位を有することが好ましい。これにより、液晶ポリエステルの溶融粘度が低くなりやすい。
また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、XおよびYがそれぞれ酸素原子であるもののみを有することがより好ましい。
本実施形態に係る液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルを構成する繰返し単位に対応する原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物(以下、「プレポリマー」ということがある。)を固相重合させることにより、製造されることが好ましい。これにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリエステルを操作性良く製造することができる。
上述の溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよい。この触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属化合物や、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾールなどの含窒素複素環式化合物が挙げられる。なかでも、上述の溶融重合に使用する触媒として、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
液晶ポリエステルの流動開始温度は、250℃以上が好ましく、270℃以上400℃以下がより好ましく、280℃以上380℃以下がさらに好ましい。流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度・剛性が向上しやすいが、あまり高いと、溶融温度や溶融粘度が高くなりやすく、成形に必要な温度が高くなりやすい。
すなわち、流動開始温度が上記範囲内であると耐熱性や強度・剛性が向上し易く、かつ成形に適した溶融温度や溶融粘度に調整しやすい。
なお、流動開始温度は、フロー温度または流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、内径1mmおよび長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリエステルの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
1つの側面として、本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を、前記樹脂組成物の総質量に対して、70質量%以上90質量%以下含むことが好ましい。
[ガラスバルーン]
ガラスバルーンは、ガラス製の球状粒子であり、内部に空隙を有する。 1つの側面として、ガラスバルーンの材質としては、硼珪酸ガラス、石英ガラス、軟質ガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、アルミノ珪酸ガラス等が挙げられる。
ここでいう球状粒子とは、真球でなくてもよく、例えば、真球度0.3〜1.0の粒子であればよい。
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂およびガラスバルーンの含有量の合計を100質量%としたとき、ガラスバルーンの含有量の割合が10質量%以上30質量%以下である。
熱可塑性樹脂およびガラスバルーンの含有量の合計に対するガラスバルーンの含有量の割合が10質量%以上であると、得られる成形品の比重を十分低く抑えられる。また、熱可塑性樹脂が液晶ポリエステルである場合、熱可塑性樹脂およびガラスバルーンの含有量の合計に対するガラスバルーンの含有量の割合が10質量%以上であると、液晶ポリエステルの配向を十分に抑制できる。
一方で、熱可塑性樹脂およびガラスバルーンの含有量の合計に対するガラスバルーンの含有量の割合が30質量%以下であると、樹脂組成物の製造時にガラスバルーンを熱可塑性樹脂中に均一に分散させやすい。また、熱可塑性樹脂およびガラスバルーンの含有量の合計に対するガラスバルーンの含有量が30質量%以下であると、樹脂組成物は溶融時の流動性が十分高く、成形性に優れる。
さらに、熱可塑性樹脂およびガラスバルーンの含有量の合計に対するガラスバルーンの含有量の割合が上記範囲内であると、樹脂組成物は溶融時の流動性が十分高いので、溶融混練時や成形加工時にガラスバルーンにかかる応力を低減できる。その結果、溶融混練時や成形加工時におけるガラスバルーンの破砕を抑制できる。したがって、樹脂組成物の成形品の比重を十分低く抑えられる。
熱可塑性樹脂およびガラスバルーンの含有量の合計(100質量%)に対するガラスバルーンの含有量の割合は、15質量%以上30質量%以下が好ましく、15質量%以上25質量%以下がより好ましく、20質量%以上25質量%以下がさらに好ましい。
1つの側面として、本実施形態の樹脂組成物は、ガラスバルーンを、前記樹脂組成物の総質量に対して、10〜30質量%含むことが好ましい。
ガラスバルーンの算術平均粒径は、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。ガラスバルーンの算術平均粒径が5μm以上であると、ガラスバルーンの粒径分布が狭くなり過ぎない。その結果、ガラスバルーンの粒子同士の隙間に、粒径が小さいガラスバルーンの粒子が入り込むことにより、ガラスバルーンの嵩密度が高くなる傾向がある。
このようなガラスバルーンを用いると、樹脂組成物を製造する際、熱可塑性樹脂およびガラスバルーンの合計含有量を100質量%としたときに、ガラスバルーンの含有量の割合を15質量%以上30質量%以下、さらに15質量%以上25質量%以下に調整しやすい。したがって、ガラスバルーンの算術平均粒径が5μm以上であると、得られる樹脂組成物を成形しやすい。また、熱可塑性樹脂が液晶ポリエステルである場合、ガラスバルーンの算術平均粒径が5μm以上であると、液晶ポリエステルの配向を十分に抑制できる。その結果、得られる樹脂組成物を成形しやすい。
また、例えば、発泡前のガラスバルーン原料(未発泡体)の体積の分布が狭いと仮定した場合、ガラスバルーンの算術平均粒径が5μm以上であると、ガラスバルーン原料に対するガラスバルーンの発泡倍率が十分高いと言える。このようなガラスバルーンを用いると、樹脂組成物の成形品の比重を十分低く抑えられる。
また、ガラスバルーンの算術平均粒径は、500μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。また、ガラスバルーンの算術平均粒径が500μm以下であると、溶融混練時におけるガラスバルーンの破砕を抑制できる。その結果、樹脂組成物の成形品の比重を十分低く抑えられる。また、樹脂組成物の成形時に、用いる金型のピンゲートや薄肉部分がガラスバルーンにより閉塞するのを抑制することができる。その結果、ショートショットの発生が抑制された成形品を得ることができる。
1つの側面として、ガラスバルーンの算術平均粒径は、5μm以上500μm以下が好ましく、10μm以上200μm以下がより好ましく、50μm以上70μm以下が特に好ましい。
ガラスバルーンの粒度分布の累積体積分布図に基づいて、小径側から累積百分率10%における粒子径(D10と略すことがある)は、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。ガラスバルーンのD10は、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましい。
1つの側面として、ガラスバルーンのD10は、5μm以上30μm以下が好ましく、10μm以上25μm以下がより好ましく、20μm以上22μm以下が特に好ましい。
ガラスバルーンの粒度分布の累積体積分布図に基づいて、小径側から累積百分率50%の粒子径(D50と略すことがある)は、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。ガラスバルーンのD50は、200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。
1つの側面として、ガラスバルーンのD50は、5μm以上200μm以下が好ましく、10μm以上100μm以下がより好ましく、40μm以上50μm以下が特に好ましい。
ガラスバルーンの粒度分布の累積体積分布図に基づいて、小径側から累積百分率90%の粒子径(D90と略すことがある)は、35μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましい。ガラスバルーンのD90は、180μm以下が好ましく、170μm以下がより好ましい。
1つの側面として、ガラスバルーンのD90は、35μm以上180μm以下が好ましく、40μm以上170μm以下がより好ましく、100μm以上160μm以下が特に好ましい。
ガラスバルーンにおけるD90/D10の値は、1以上36以下が好ましく、1以上17以下がより好ましく、1.6以上10以下がさらに好ましく、2.2以上8以下がさらに好ましい。ガラスバルーンにおけるD90/D10の値が10以下であると、ガラスバルーンの粒度分布が十分狭く、ガラスバルーンの粒径が概ね均一であるといえる。これにより、得られる樹脂組成物の成形品の比重を測定位置によらず概ね均一にすることができる。
ガラスバルーンの算術平均粒径、D10、D50およびD90の上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。
本明細書において、樹脂組成物に含まれるガラスバルーンおよび混合前のガラスバルーンの算術平均粒径、D10、D50およびD90は、以下のようにして測定した値を採用することができる。
熱可塑性樹脂、ガラスバルーンおよびシリカ粒子を含有する樹脂組成物からなるペレット、もしくは成形品5gを、電気炉を使用して空気中500℃で3時間加熱したのち、さらに550℃で8時間加熱して樹脂成分を除去する。得られたガラスバルーンを水に分散させた状態で、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所の「LA−950」)を用いてガラスバルーンの粒度分布を得る。得られたガラスバルーンの粒度分布の累積体積分布図に基づいて、ガラスバルーンの算術平均粒径を算出する。
得られたガラスバルーンの粒度分布の累積分布図に基づいて、小径側から累積百分率10%における粒子径(D10)、累積百分率50%の粒子径(D50)、および累積百分率90%の粒子径(D90)を算出する。
混合前のガラスバルーンの算術平均粒径、D10、D50およびD90は、電気炉での灰化処理をしないことを除き、上記と同様に測定および算出を行う。
なお、上述の測定においてガラスバルーンの粒度分布を求めた粒子の粒径の範囲は、1μm以上1000μm以下とした。
なお、上記測定で得られる粒度分布の累積体積分布図において、ガラスバルーンの粒度分布とシリカの粒度分布とが重なる場合は、後述するTEMの画像およびEDXの測定結果の組み合わせによりガラスバルーンの算術平均粒径を求めることができる。
本明細書において、ガラスバルーンが有する空隙の量は、下記式(S1)で示す体積中空率で表すことができる。
体積中空率(%)=100×(1−ρ/ρ) (S1)
(式(S1)中、ρはガラスバルーンの見かけ比重を表し、ρはガラスバルーンの材料比重(いわゆる真比重)を表す。)
本明細書において、ガラスバルーンの見かけ比重ρはガス置換法により測定した値を採用する。
本明細書において、ガラスバルーンの材料比重ρは、メーカーの公称値を用いた。また、別の側面として、ガラスバルーンの材料比重ρは、ガラスバルーンを乳鉢で破砕後に、前記破砕物をピクノメーターを用いて測定してもよい。
ガラスバルーンの体積中空率は、60%以上であることが好ましい。ガラスバルーンの体積中空率が60%以上であると、得られる樹脂組成物の成形品の比重を十分低く抑えられる。また、ガラスバルーンの体積中空率は、80%以下であることが好ましい。ガラスバルーンの体積中空率が80%以下であると、ガラスバルーンの厚さが十分大きく、ガラスバルーンの耐圧強度が十分高い。その結果、溶融混練時や成形加工時におけるガラスバルーンの破砕を抑制できる。
1つの側面として、ガラスバルーンの体積中空率は、60%以上80%以下であることが好ましい。
本明細書において、ガラスバルーンの強度は、耐圧強度を用いて表すことができる。ガラスバルーンの耐圧強度は、ASTM D3102−72;「中空グラス微細粒子の静圧崩壊強度(Hydrostatic Collapse Strength of Hollow Glass Microspheres)」により測定した値を採用できる。
ガラスバルーンの耐圧強度は、20MPa以上が好ましく、50MPa以上がより好ましく、80Mpa以上がさらに好ましい。ガラスバルーンの耐圧強度が20MPa以上であると、溶融混練時や成形加工時におけるガラスバルーンの破砕を抑制できる。その結果、樹脂組成物の成形品の比重を十分低く抑えられる。
ガラスバルーンの耐圧強度は、200MPa以下であってもよい。
1つの側面として、ガラスバルーンの耐圧強度は、20MPa以上200MPa以下が好ましく、50MPa以上200MPa以下がより好ましく、80Mpa以上200MPa以下がさらに好ましい。
[シリカ粒子]
本実施形態の樹脂組成物では、成形品の接着強度を向上させる目的で、ガラスバルーンとシリカ粒子とを共存させている。
熱可塑性樹脂にシリカ粒子を配合した従来の樹脂組成物(すなわち、ガラスバルーンを含まない従来の樹脂組成物)と比べて、ガラスバルーンとシリカ粒子とを共存させている本実施形態の樹脂組成物では、熱可塑性樹脂中においてシリカ粒子がより分散していると推測される。これにより、樹脂組成物から成形された成形品の表面に存在するシリカ粒子の量が増加し、シリカ粒子に含まれるヒドロキシ基などの反応基が成形品の表面において増加すると考えられる。その結果、本実施形態の樹脂組成物では、シリカ粒子による接着強度の向上効果が従来の樹脂組成物より顕著に得られると考えられる。
本実施形態の樹脂組成物に含まれるシリカ粒子は、結晶質シリカであってもよく、非晶質シリカであってもよいが、非晶質シリカが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物に係るシリカ粒子は、表面処理されたシリカ粒子を含んでいてもよい。シリカ粒子の表面処理に使用する表面処理剤としては、特に限定されず、公知の表面処理剤が挙げられる。例えば、表面処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メタクリロキシシランなどが挙げられる。これらの表面処理剤は、1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂およびガラスバルーンの含有量の合計を100質量部としたとき、シリカ粒子を0.02質量部以上5質量部以下含む。
前記シリカ粒子の含有量の割合が0.02質量部以上であると、十分高い接着強度を発現できる樹脂組成物が得られる。
一方で、前記シリカ粒子の含有量の割合が5質量部以下であると、樹脂組成物の製造時にシリカ粒子を熱可塑性樹脂中に均一に分散させやすい。また、前記シリカ粒子の含有量の割合が5質量部以下であると、樹脂組成物は溶融時の流動性が十分高く、成形性に優れる。さらに、樹脂組成物は溶融時の流動性が十分高いので、溶融混練時や成形加工時にガラスバルーンにかかる応力を低減でき、ガラスバルーンの破砕を抑制できる。
シリカ粒子の含有量の割合は、熱可塑性樹脂およびガラスバルーンの含有量の合計を100質量部としたとき、0.02質量部以上が好ましく、0.10質量部以上がより好ましく、0.4質量部以上がさらに好ましい。また、シリカ粒子の含有量の割合は、熱可塑性樹脂およびガラスバルーンの含有量の合計を100質量部としたとき、5質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましい。
シリカ粒子の含有量の上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。
1つの側面として、シリカ粒子の含有量の割合は、熱可塑性樹脂およびガラスバルーンの含有量の合計を100質量部としたとき、0.02質量部以上5質量部以下が好ましく、0.10質量部以上5質量部以下がより好ましく、0.4質量部以上5質量部以下がさらに好ましく、0.4質量部以上2質量部以下がとりわけ好ましい。
本実施形態の樹脂組成物に含まれるシリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径は、7nm以上2000nm以下であることが好ましい。
シリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径が7nm以上であると、シリカ粒子を少量添加する場合であっても、得られる樹脂組成物の成形品の接着強度を高くしやすい。シリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径が2000nm以下であると、同じ質量での表面積が大きくなるため、得られる樹脂組成物の成形品の接着強度が高くなると考えられる。
シリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径は、20nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましい。シリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径が20nm以上であると、シリカ粒子が分散しやすい。また、シリカ粒子を少量添加する場合であっても、得られる樹脂組成物の成形品の接着強度が十分高くなる。さらに、シリカ粒子を、粉体として取り扱いやすい。
シリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径は、1000nm以下が好ましく、400nm以下がより好ましい。シリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径が1000nm以下であると、単位質量あたりの表面積(比表面積)が十分大きくなるため、得られる樹脂組成物の成形品の接着強度が十分高くなると考えられる。したがって、同じ接着強度を得るために必要なシリカの添加量を少なくできる。
1つの側面として、シリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径は、20nm以上1000nm以下が好ましく、50nm以上400nm以下がより好ましい。
シリカ粒子の粒度分布の累積体積分布図に基づいて、小径側から累積百分率10%における粒子径(D10’と略すことがある)は、1nm以上が好ましく、3nm以上がより好ましい。シリカ粒子のD10’は、1700nm以下が好ましく、500nm以下がより好ましい。
1つの側面として、シリカ粒子のD10’は、1nm以上1700nm以下が好ましく、3nm以上500nm以下がより好ましい。別の側面として、シリカ粒子のD10’は、4nm以上1700nm以下であってもよく、4nm以上23nm以下であってもよい。
シリカ粒子の粒度分布の累積体積分布図に基づいて、小径側から累積百分率50%の粒子径(D50’と略することがある)は、7nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましい。シリカ粒子のD50’は、2000nm以下が好ましく、1000nm以下がより好ましい。
1つの側面として、シリカ粒子のD50’は、7nm以上2000nm以下が好ましく、20nm以上1000nm以下がより好ましい。別の側面として、シリカ粒子のD50’は、8nm以上2000nm以下であってもよく、8nm以上51nm以下であってもよい。
シリカ粒子の粒度分布の累積体積分布図に基づいて、小径側から累積百分率90%の粒子径(D90’と略すことがある)は、10nm以上が好ましく、70nm以上がより好ましい。シリカ粒子のD90’は、2500nm以下が好ましく、1800nm以下がより好ましい。
1つの側面として、シリカ粒子のD90’は、10nm以上2500nm以下が好ましく、70nm以上1800nm以下がより好ましい。別の側面として、シリカ粒子のD90’は、12nm以上2228nm以下であってもよく、12nm以上95nm以下であってもよい。
シリカ粒子におけるD90’/D10’の値は、10以下が好ましく、0.1以上8.0以下がより好ましく、1.0以上5.0以下がさらに好ましい。シリカ粒子におけるD90’/D10’の値が10以下であると、シリカ粒子の粒度分布が十分狭く、シリカ粒子の粒径が概ね均一であるといえる。これにより、得られる樹脂組成物の成形品の接着強度が成形品の位置によらず概ね均一にすることができる。
シリカ粒子の算術平均粒径、D10’、D50’およびD90’の上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。
本明細書において、樹脂組成物に含まれるシリカ粒子および混合前のシリカ粒子の算術平均粒径、D10’、D50’およびD90’は、以下のようにして測定した値を採用した。
本明細書において、混合前のシリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEMと略すことがある)の画像で観察された粒子から、無作為に100個以上(例えば474個または490個)の粒子を選択し、選択した粒子の粒子径(フェレ径)の平均値から求めることができる。
また、予めシリカ粒子の粒径が100nmを超えると分かっている場合、混合前のシリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径は、ガラスバルーンの算術平均粒径と同様に、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所の「LA−950」)を用いて求めることができる。
また、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて得られたシリカ粒子の粒度分布の累積分布図に基づいて、小径側から累積百分率10%における粒子径(D10’)、累積百分率50%の粒子径(D50’)、および累積百分率90%の粒子径(D90’)を算出することができる。
なお、上述の測定においてシリカ粒子の粒度分布を求めた粒子の粒径の範囲は、0.01μm以上10μm以下とした。
1つの側面として、シリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径は、7nm以上100nm以下または100nm超2000nm以下であることが好ましく、20nm以上100nm以下または100nm超1000nm以下がより好ましく、50nm以上100nm以下または100nm超400nm以下が特に好ましい。
別の側面として、樹脂組成物に含まれるシリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)の画像およびエネルギー分散型X線分析(EDXと略すことがある)の測定結果の組み合わせにより求めることができる。
まず、熱可塑性樹脂、ガラスバルーンおよびシリカ粒子を含有する樹脂組成物からなるペレット、もしくは成形品5gを、電気炉を使用して空気中500℃で3時間加熱したのち、さらに550℃で8時間加熱して樹脂成分を除去する。
次に、残存したガラスバルーンおよびシリカ粒子を含む混合物を、エタノール中で超音波を用いて分散させたのち、混合物のエタノール分散液をTEM観察用支持膜付きグリッドに滴下して観察用試料を作製する。このとき、上記分散液は、30μm程度の篩を通過させて、ガラスバルーンの大きな粒子を取り除いておいてもよい。
次に、TEM(日本電子株式会社製、JEM2200FS)を使用して作製した観察用試料の画像を撮像する。この画像上の粒子についてEDXを用いて、観察用試料のSi、O、Caの元素分析を行う。EDXでCaが検出された粒子は、ガラスバルーン由来の粒子であると考えられる。そのため、観察対象からCaが検出された粒子を除外する。EDXでSi、Oのみ検出された粒子を無作為に100個以上(例えば474個または490個)選択し、選択した粒子の粒子径(フェレ径)の平均値をシリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径とすることができる。
シリカ粒子の大きさを規定する際に、シリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径の代わりに、シリカ粒子の比表面積を用いることもできる。シリカ粒子の比表面積は、BET法により測定することができる。
シリカ粒子の比表面積(BET比表面積と称することがある)は、10m/g以上が好ましく、30m/g以上が好ましい。シリカ粒子の比表面積が10m/g以上であると、十分高い接着強度を発現できる樹脂組成物が得られる。
また、シリカ粒子の比表面積は、350m/g以下が好ましく、100m/g以下がより好ましい。シリカ粒子の比表面積が350m/g以下であると、シリカを樹脂組成物中で分散させやすい。また、シリカ粒子を少量添加する場合であっても、得られる樹脂組成物の成形品の接着強度を高くしやすい。さらに、シリカ粒子を、粉体として取り扱いやすい。
シリカ粒子の比表面積の上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。
1つの側面として、シリカ粒子の比表面積は、10m/g以上350m/g以下が好ましく、30m/g以上100m/g以下がより好ましい。
別の側面として、シリカ粒子の比表面積は、3.0m/g以上210m/g以下であってもよく、35m/g以上210m/g以下であってもよい。
シリカ粒子の嵩密度は、0.05g/cm以上が好ましく、0.10g/cm以上がより好ましい。シリカ粒子の嵩密度が0.05g/cm以上であると、シリカ粒子を樹脂組成物中で均一に分散させやすい。
また、シリカ粒子の嵩密度は、1.5g/cm以下が好ましく、1.0g/cm以下が好ましい。シリカ粒子の嵩密度が1.5g/cm以下であると、溶融混練前のプリブレンド操作における分級が抑制できる。また、溶融混練時にシリカ粒子の偏在や凝集が抑制できる。
シリカ粒子の嵩密度の上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。
1つの側面として、シリカ粒子の嵩密度は、0.05g/cm以上1.5g/cm以下が好ましく、0.10g/cm以上1.0g/cm以下が好ましい。
別の側面として、シリカ粒子の嵩密度は、0.05g/cm以上0.75g/cm以下であってもよく、0.05g/cm以上0.15g/cm以下であってもよい。
本明細書において、シリカ粒子の嵩密度は、JIS R 1628−1997に記載の方法で測定することができる。
[その他の成分]
本実施形態の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、ガラスバルーン、シリカ粒子、熱可塑性樹脂以外の樹脂や充填材、添加剤などの他の成分を少なくとも1種含んでもよい。
1つの側面として、他の成分の含有量は、樹脂組成物の総質量に対して、0〜50質量%が好ましい。
充填材は、繊維状充填材であってもよいし、板状充填材であってもよいし、繊維状および板状以外で、球状その他の粒状充填材(前記ガラスバルーン及び前記球状粒子及び前記シリカ粒子を除く)であってもよい。また、充填材は、無機充填材であってもよいし、有機充填材であってもよい。
繊維状無機充填材の例としては、ガラス繊維、PAN系炭素繊維およびピッチ系炭素繊維などの炭素繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維およびシリカアルミナ繊維などのセラミック繊維、またはステンレス繊維などの金属繊維が挙げられる。また、繊維状無機充填材の例としては、チタン酸カリウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、ウォラストナイトウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、窒化ケイ素ウイスカー、炭化ケイ素ウイスカーなどのウイスカーも挙げられる。
繊維状有機充填材の例としては、ポリエステル繊維またはアラミド繊維が挙げられる。
板状無機充填材の例としては、タルク、マイカ、グラファイト、ウォラストナイト、ガラスフレーク、または硫酸バリウムが挙げられる。マイカは、白雲母であってもよいし、金雲母であってもよいし、フッ素金雲母であってもよいし、四ケイ素雲母であってもよい。
粒状無機充填材の例としては、アルミナ、酸化チタン、ガラスビーズ、窒化ホウ素、炭化ケイ素または炭酸カルシウムが挙げられる。
充填材の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0〜100質量部であってもよい。
添加剤の例としては、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、難燃剤または着色剤が挙げられる。添加剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0〜5質量部であってもよい。
熱可塑性樹脂以外の樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂以外の樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0〜20質量部であってもよい。
以上の構成によれば、比重が低く、かつ、接着強度が高い成形品を成形できる樹脂組成物が得られる。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、ガラスバルーン、シリカ粒子および所望により他の成分を混合することにより得ることができる。本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、ガラスバルーン、シリカ粒子および所望により他の成分を、押出機により溶融混練し、ペレット状に押し出すことにより調製することが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、熱可塑性樹脂、ガラスバルーン、シリカ粒子を別々に混合してもよい。また、熱可塑性樹脂と、シリカ粒子とを先に混合してから、ガラスバルーンと混合してもよい。また、ガラスバルーンと、シリカ粒子とを先に混合してから、熱可塑性樹脂に混合してもよい。
一つの側面として、上記シリカ粒子を熱可塑性樹脂、ガラスバルーンおよび必要に応じて用いられる他の成分からなる群から選ばれる少なくとも一種と混合した後、得られた混合物を上記群の残りの成分と混合してもよい。
押出機としては、シリンダーと、シリンダー内に配置された少なくとも1本のスクリュウと、シリンダーに設けられた少なくとも1箇所の供給口とを有するものが、好ましく用いられ、さらにシリンダーに設けられた少なくとも1箇所のベント部を有するものが、より好ましく用いられる。
<成形品>
本実施形態の樹脂組成物から成形品を得ることができる。本実施形態の樹脂組成物の成形法としては、溶融成形法が好ましく、その例としては、射出成形法、Tダイ法やインフレーション法などの押出成形法、圧縮成形法、ブロー成形法、真空成形法およびプレス成形が挙げられる。中でも射出成形法が好ましい。
本実施形態によれば、高い接着強度を示す成形品が得られる。本明細書において、成形品の接着強度は、下記に特別に記載のない限りASTM D638に準拠して測定した値を採用する。
まず、樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業株式会社「PS40E1ASE」)を用いて、ASTM4号ダンベル(厚さ2.5mm)に成形する。成形条件は、シリンダー温度360℃、金型温度130℃、射出速度40%である。
次いで、ASTM4号ダンベルをネック部の中央で切断し、アセトンにより表面の油分などの汚れを十分に洗浄し、1時間以上常温(23℃)で乾燥させる。上記で作製した試験片について、テクノダインAH8042KL(田岡化学工業株式会社製)を用いて、接着面積が60mmとなるよう塗布したうえでネック部分を重ねあわせてクリップで固定した後、空気下で温度110℃、時間60分間で硬化処理し、接着性評価用試験片を作製する。
上記接着評価用試験片を、23℃、50RH%に調整された恒温恒湿室で24時間以上静置して状態調整した後、精密万能試験機オートグラフ(株式会社島津製作所製)を用いて、引張速度10mm/分の速度で剪断引張応力の積算値を測定する。得られた剪断引張応力の積算値を成形品の接着強度とする。
本実施形態の樹脂組成物の成形品である製品・部品の例としては、光ピックアップボビンおよびトランスボビンなどのボビン、リレーケース、リレーベース、リレースプルーおよびリレーアーマチャーなどのリレー部品、RIMM、DDR、CPUソケット、S/O、DIMM、Board to Boardコネクター、FPCコネクターおよびカードコネクターなどのコネクター、ランプリフレクターおよびLEDリフレクターなどのリフレクター、ランプホルダーおよびヒーターホルダーなどのホルダー、スピーカー振動板などの振動板、コピー機用分離爪およびプリンター用分離爪などの分離爪、カメラモジュール部品、スイッチ部品、モーター部品、センサー部品、ハードディスクドライブ部品、オーブンウェアなどの食器、車両部品、航空機部品、または、半導体素子用封止部材およびコイル用封止部材などの封止部材が挙げられる。
1つの側面として、本発明の樹脂組成物は、
液晶ポリエステルと、
ガラスバルーンと、
シリカ粒子と、を含み;
前記液晶ポリエステルは、
好ましくは、4−ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位と4,4’−ジヒドロキシビフェニルに由来する繰返し単位とテレフタル酸に由来する繰返し単位とイソフタル酸に由来する繰返し単位とを含む液晶ポリエステル、または6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する繰返し単位と2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位とテレフタル酸に由来する繰返し単位とヒドロキノンに由来する繰返し単位とを含む液晶ポリエステルであり;
前記ガラスバルーンの算術平均粒径は、5μm以上500μm以下であり、好ましくは10μm以上200μm以下、より好ましくは50μm以上70μm以下であり;
前記ガラスバルーンは、前記ガラスバルーンの粒度分布の累積体積分布図に基づいて、
小径側から累積百分率10%における粒子径D10は、5μm以上30μm以下であり、好ましくは10μm以上25μm以下、より好ましくは20μm以上22μm以下であり、
小径側から累積百分率50%における粒子径D50は、5μm以上200μm以下であり、好ましくは10μm以上100μm以下、より好ましくは40μm以上50μmであり、
小径側から累積百分率90%における粒子径D90は、35μm以上180μm以下であり、好ましくは40μm以上170μm以下、より好ましくは100μm以上160μm以下であり;
前記シリカ粒子は、一次粒子の算術平均粒径が7nm以上2000nm以下であり、好ましくは20nm以上1000nm以下、より好ましくは50nm以上400nm以下であり;
前記シリカ粒子は、前記シリカ粒子の粒度分布の累積体積分布図に基づいて、
小径側から累積百分率10%における粒子径D10’は、1nm以上1700nm以下、好ましくは3nm以上500nm以下であり、または4nm以上1700nm以下であってもよく、4nm以上23nm以下であってもよく、
小径側から累積百分率50%における粒子径D50’は、7nm以上2000nm以下、好ましくは20nm以上1000nm以下であり、または8nm以上2000nm以下であってもよく、8nm以上51nm以下であってもよく、
小径側から累積百分率90%における粒子径D90’は、10nm以上2500nm以下、好ましくは70nm以上1800nm以下であり、または12nm以上2228nm以下であってもよく、12nm以上95nm以下であってもよく;
前記液晶ポリエステルの含有量は、前記樹脂組成物の総質量に対して、70質量%以上90質量%以下が好ましく;
前記ガラスバルーンの含有量の割合は、前記液晶ポリエステルの含有量および前記ガラスバルーンの含有量の合計を100質量%としたとき、10質量%以上30質量%以下であり、好ましくは15質量%以上30質量%以下、より好ましくは15質量%以上25質量%以下、特に好ましくは20質量%以上25質量%以下であり;
前記シリカ粒子の含有量の割合は、前記液晶ポリエステルの含有量および前記ガラスバルーンの含有量の合計を100質量部としたとき、0.02質量部以上5質量部以下であり、好ましくは0.10質量部以上2質量部以下である、
樹脂組成物である。
さらに、前記樹脂組成物は、
液晶ポリエステルの流動開始温度が、270℃以上400℃以下であることが好ましく、280℃以上360℃以下であることがより好ましい。
さらに、前記樹脂組成物は、
前記ガラスバルーンの耐圧強度が、20MPa以上200MPa以下であることが好ましく、50MPa以上200MPa以下であることがより好ましく、80Mpa以上200MPa以下であることが特に好ましく;
前記シリカ粒子の比表面積が、10m/g以上350m/g以下であることが好ましく、30m/g以上100m/g以下であることがより好ましく、または3.0m/g以上210m/g以下であってもよく、35m/g以上210m/g以下であってもよく;
前記シリカ粒子の嵩密度が、0.05g/cm以上1.5g/cm以下であることが好ましく、0.10g/cm以上1.0g/cm以下であることが好ましく、または0.05g/cm以上0.75g/cm以下であってもよく、0.05g/cm以上0.15g/cm以下であってもよい。
さらに前記樹脂組成物は、
前記ガラスバルーンの体積中空率が、60%以上80%以下であることが好ましい。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本実施例では、熱可塑性樹脂として液晶ポリエステルを使用した。各種測定は、以下のようにして行った。
[液晶ポリエステルの流動開始温度]
液晶ポリエステルの流動開始温度を、流動特性評価装置(株式会社島津製作所製、「フローテスターCFT−500型」)を用いて測定した。
まず、液晶ポリエステル約2gを、内径1mm、長さ10mmのダイスを取り付けた毛細管型レオメーターに充填する。次に、9.8MPa(100kgf/cm)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら液晶ポリエステルを溶融させ、ノズルから押し出した。
このときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポアズ)を示す温度を測定し、これを液晶ポリエステルの流動開始温度とした。
[シリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径]
(測定1)
混合前のシリカ粒子をTEM(日本電子株式会社製、JEM2200FS)を使用して画像を撮像し、無作為に所定数選択し、選択した粒子の粒径(フェレ径)の平均値をシリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径とした。なお、後述のシリカ(1)の測定では、474個の粒子を用いた。また、後述のシリカ(2)の測定では、490個の粒子を用いた。
(測定2)
混合前のシリカ粒子を水に分散させた状態で、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所の「LA−950」)を用いてシリカ粒子の粒度分布を得た。得られたシリカ粒子の粒度分布の累積体積分布図に基づいて、シリカ粒子の算術平均粒径を算出した。
なお、上述の測定においてシリカ粒子の粒度分布を求めた粒子の粒径の範囲は、0.01μm以上10μm以下とした。
[シリカ粒子のD10’、D50’およびD90’]
上述の「測定2」で得られたシリカ粒子の粒度分布の累積分布図に基づいて、小径側から累積百分率10%における粒子径(D10’)、累積百分率50%の粒子径(D50’)、および累積百分率90%の粒子径(D90’)を算出した。
[シリカ粒子の嵩密度]
混合前のシリカ粒子の嵩密度は、JIS R 1628−1997に記載の方法で測定した。
[ガラスバルーンの算術平均粒径]
混合前のガラスバルーンの算術平均粒径は、シリカ粒子の算術平均粒径と同様に、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所の「LA−950」)を用いて求めた。なお、上述の測定においてガラスバルーンの粒度分布を求めた粒子の粒径の範囲は、1μm以上1000μm以下とした。
[ガラスバルーンのD10、D50およびD90]
上述の測定で得られたガラスバルーンの粒度分布の累積分布図に基づいて、小径側から累積百分率10%における粒子径(D10)、累積百分率50%の粒子径(D50)、および累積百分率90%の粒子径(D90)を算出した。
<製造例>
[製造例1(液晶ポリエステル(1)の製造)]
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、パラヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)および無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込み、1−メチルイミダゾールを0.2g添加してから、反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で30分間かけて150℃まで昇温し、同温度を保持して1時間還流させた。その後、副生酢酸および未反応の無水酢酸を留去しながら2時間50分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められるまで同温度で保持してプレポリマーを得た。
得られたプレポリマーを室温まで冷却して固化させ、粗粉砕機で粉砕後、得られた粉末を窒素雰囲気下で室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から285℃まで5時間かけて昇温し、同温度で3時間保持して、固相重合を行った。冷却して得られた液晶ポリエステルの流動開始温度は330℃であった。
[製造例2(液晶ポリエステル(2)の製造)]
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸378.33g(1.75モル)、テレフタル酸83.07g(0.5モル)、ヒドロキノン272.52g(2.475モル、2,6−ナフタレンジカルボン酸およびテレフタル酸の合計量に対して0.225モル過剰)、無水酢酸1226.87g(12モル)を仕込み、触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。
その後、窒素ガス気流で攪拌しながら、室温から145℃まで15分間かけて昇温し、145℃で1時間還流させた。
次いで、副生酢酸と未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3.5時間かけて昇温し、310℃で3時間保持した後、内容物を取り出し、これを室温まで冷却した。
得られた固形物を、粉砕機で粒径0.1〜1mmに粉砕後、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から310℃まで10時間かけて昇温し、310℃で5時間保持することにより、固相重合を行った。固相重合後、冷却して、粉末状の液晶ポリエステルを得た。得られた液晶ポリエステルの流動開始温度は322℃であった。
本実施例では、シリカ粒子として以下の材料を用いた。なお、BET比表面積は、メーカーの公称値を採用した。
シリカ(1):日本アエロジル株式会社製、アエロジル(登録商標)RX−300。上述の「測定1」により測定したシリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径は、8.3nmであった。
シリカ粒子のD10’は4.4nmであり、D50’は8.5nmであり、D90’は12.5nmであった。
シリカ粒子の嵩密度は、0.05g/cmであった。
シリカ粒子のBET比表面積は、210m/gであった。
シリカ(2):日本アエロジル株式会社製、アエロジル(登録商標)RX−50。上述の「測定1」により測定したシリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径は、56.7nmであった。
シリカ粒子のD10’は22.5nmであり、D50’は50.9nmであり、D90’は94.0nmであった。
シリカ粒子の嵩密度は、0.13g/cmであった。
シリカ粒子のBET比表面積は、35m/gであった。
シリカ(3):デンカ株式会社製、SFP-20M。上述の「測定2」により測定したシリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径は、999nmであった。
シリカ粒子のD10’は479nmであり、D50’は964nmであり、D90’は1521nmであった。
シリカ粒子の嵩密度は、0.48g/cmであった。
シリカ粒子のBET比表面積は、11.3m/gであった。
シリカ(4)株式会社アドマテックス製、アドマファインシリカSO−C5。上述の「測定2」により測定したシリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径は、1940nmであった。
シリカ粒子のD10’は1657nmであり、D50’は1924nmであり、D90’は2228nmであった。
シリカ粒子の嵩密度は、0.73g/cmであった。
シリカ粒子のBET比表面積は、3.0〜5.0m/gであった。
本実施例では、ガラスバルーンとして以下の材料を用いた。
ガラスバルーン:ポッターズ・バロティーニ株式会社製、スフェリセル(登録商標)34P30。上述の方法を用いて測定したガラスバルーンの算術平均粒径は、68μmであった。また、ガラスバルーンのD10は21μmであり、D50は46μmであり、D90は151μmであった。
[樹脂組成物の製造]
(実施例1〜12、比較例1〜9)
表1〜5に示す割合で、液晶ポリエステル、ガラスバルーン、シリカ粒子を混合した混合物を、スクリュー直径30mmの同方向回転2軸押出機(池貝鉄工社製「PCM−30」)に供給し、溶融混練してペレット化することで、実施例1〜12、比較例1〜9のペレットを得た。ここで、得られたペレットは、本発明における「樹脂組成物」に該当する。表1〜5の数値は、質量部を示す。
[樹脂組成物の成形品の比重]
自動比重測定装置(関東メジャー社製「ASG−320K」)を使用し、成形したASTM4号ダンベル(成形品)の比重を23℃の条件下で測定した。
[樹脂組成物の成形品の接着強度]
まず、樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業株式会社「PS40E1ASE」)を用いて、ASTM4号ダンベル(厚さ2.5mm)に成形した。成形条件は、シリンダー温度360℃、金型温度130℃、射出速度40%であった。
次いで、ASTM4号ダンベルをネック部の中央で切断し、アセトンにより表面の油分などの汚れを十分に洗浄し、1時間以上常温(23℃)で乾燥させた。上記で作製した試験片について、テクノダインAH8042KLを用いて、接着面積が60mmとなるよう塗布したうえでネック部分を重ねあわせてクリップで固定したのち、空気下で温度110℃、時間60分間で硬化処理し、接着性評価用試験片を作製した。
上記接着評価用試験片を、23℃、50RH%に調整された恒温恒湿室で24時間以上静置して状態調整したのち、精密万能試験機島津オートグラフ(株式会社島津製作所製)を用いて、引張速度10mm/分の速度で剪断引張応力の積算値を測定した。得られた剪断引張応力の積算値を成形品の接着強度とした。
液晶ポリエステル(1)を使用した実施例1〜9および比較例1〜6の樹脂組成物について、以下の基準1で評価した。評価結果を、表1および表2に示す。
(基準1)
A:樹脂組成物の成形品の比重が1.29以下であり、かつ比較例4の樹脂組成物と比べて、成形品の接着強度が5%以上向上したもの
B:樹脂組成物の成形品の比重が1.29以下であり、かつ比較例4の樹脂組成物と比べて、成形品の接着強度が3%以上5%未満向上したもの
C:上記以外
液晶ポリエステル(2)を使用した実施例10および比較例7の樹脂組成物について、以下の基準2で評価した。評価結果を、表3に示す。
(基準2)
A’:樹脂組成物の成形品の比重が1.29以下であり、かつ比較例7の樹脂組成物と比べて、成形品の接着強度が5%以上向上したもの
B’:樹脂組成物の成形品の比重が1.29以下であり、かつ比較例7の樹脂組成物と比べて、成形品の接着強度が3%以上5%未満向上したもの
C’:上記以外
液晶ポリエステル(1)を使用した実施例11および比較例8の樹脂組成物について、以下の基準3で評価した。評価結果を、表4に示す。
(基準3)
A’’:樹脂組成物の成形品の比重が1.29以下であり、かつ比較例8の樹脂組成物と比べて、成形品の接着強度が5%以上向上したもの
B’’:樹脂組成物の成形品の比重が1.29以下であり、かつ比較例8の樹脂組成物と比べて、成形品の接着強度が3%以上5%未満向上したもの
C’’:上記以外
液晶ポリエステル(1)を使用した実施例12および比較例9の樹脂組成物について、以下の基準4で評価した。評価結果を、表5に示す。
(基準4)
A’’’:樹脂組成物の成形品の比重が1.32以下であり、かつ比較例9の樹脂組成物と比べて、成形品の接着強度が5%以上向上したもの
B’’’:樹脂組成物の成形品の比重が1.32以下であり、かつ比較例9の樹脂組成物と比べて、成形品の接着強度が3%以上5%未満向上したもの
C’’’:上記以外
Figure 2019151184
Figure 2019151184
Figure 2019151184
Figure 2019151184
Figure 2019151184
以上の結果により、本発明が有用であることが確かめられた。
本発明によれば、比重が低く、かつ接着強度が高い成形品を成形できる樹脂組成物が提供できるので、産業上極めて有用である。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂と、
    ガラスバルーンと、
    シリカ粒子と、を含み、
    前記熱可塑性樹脂および前記ガラスバルーンの含有量の合計を100質量%としたとき、前記ガラスバルーンの含有量の割合が、10質量%以上30質量%以下であり、
    前記熱可塑性樹脂および前記ガラスバルーンの含有量の合計を100質量部としたとき、前記シリカ粒子の含有量の割合が、0.02質量部以上5質量部以下である樹脂組成物。
  2. 前記シリカ粒子の一次粒子の算術平均粒径が7nm以上2000nm以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記ガラスバルーンの算術平均粒径が5μm以上500μm以下である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記熱可塑性樹脂が液晶ポリエステルである請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
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