JPWO2019106755A1 - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

空気調和機は、圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器と、を順に冷媒配管で接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルを有する。室外熱交換器は、複数の伝熱フィンと、複数のパスを有する伝熱管と、伝熱管の上側パスと下側パスとに冷媒流路を分岐させる分配器と、分配器を介して合流した冷媒温度を検知する第1温度検知手段と、下側パスを通過する冷媒の冷媒温度を検知する第2温度検知手段と、霜取り運転時において、第1温度検知手段が検知した冷媒温度が、第1目標温度に到達し、且つ、第2温度検知手段が検知した冷媒温度が、第2目標温度に到達すると、霜取り運転を終了させる制御を行う制御部と、を備えている。

Description

本発明は、圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器と、を順に冷媒配管で接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルを有する空気調和機に関するものである。
一般に、空気調和機は、屋外に設置される室外機と、屋内に設置される室内機とで構成されており、圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器と、を順に冷媒配管で接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルを有している。空気調和機は、外気温度が0℃付近の低温で且つ多湿の環境下で暖房運転が行われると、大気中の水蒸気が凝縮して、室外熱交換器の伝熱フィンの表面に結露が発生する。この結露水は、室外熱交換器の温度が凝固点を下回ると、霜に変化して、伝熱フィン間を閉塞する。室外熱交換器は、伝熱フィン間が閉塞されると、通風が阻害されるため、冷媒と空気で熱交換量が減少し、伝熱管の温度が下がる。その結果、空気調和機は、冷媒が蒸発不良を起こし、暖房能力が低下してしまう。
そこで、空気調和機は、圧縮機の吐出高温ガスを室外熱交換器へ直接流す霜取り運転(冷房運転)を定期的に行っている。例えば特許文献1に開示された空気調和機では、室外熱交換器に設けた温度検知手段で検知した冷媒温度に基づいて霜取り運転が行われる。
ところで、外気が正低温(例えば5℃程度)で且つ多湿(例えば90%程度)の場合における暖房運転時では、霜が成長して厚い氷となる場合がある。厚い氷は、霜取り運転を行っても、一定期間内に融解されずに室外熱交換器に残る場合がある。そのため、空気調和機では、温度検知手段で検知した温度が霜取り運転を終了させる温度に達した後でも、一定時間、霜取り運転を強制的に延長し、氷を溶かす能力を増強する対策が行われている。
特開平06−026689号公報
上記した霜取り運転の延長は、絶対湿度が低く熱交換器に着霜しない−10℃程度の極低温環境でも適用される。霜取り運転中は、ユーザーへ冷風を当てないよう、送風機が停止される。この間は、暖房能力を発揮されないので、室温が低下する。また、霜取り運転中は、送風機により、室内熱交換器内の冷媒が気化しないので、圧縮機へ液冷媒が吸入される。つまり、空気調和機は、霜取り運転を不要に延長すると、液圧縮量が増加し、圧縮機内の構成部材への損傷が増える。また、圧縮機内の潤滑油の濃度が低下し、潤滑不足で摺動部の焼きつきが想定される。そのため、空気調和機は、霜取り運転を必要最小限で行う必要がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、霜取り運転を必要最小限で行うことができる、空気調和機を提供することを目的とする。
本発明に係る空気調和機は、圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器と、を順に冷媒配管で接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルを有する、空気調和機であって、前記室外熱交換器は、間隔をあけて並列に配置された複数の伝熱フィンと、前記伝熱フィンを貫通して接続され、前記伝熱フィンの上下方向に複数のパスを有する伝熱管と、前記伝熱フィンの中間部において、前記伝熱管の上側パスと下側パスとに冷媒流路を分岐させる分配器と、前記上側パスを流れた冷媒と、前記下側パスを流れた冷媒とが前記分配器を介して合流した冷媒温度を検知する第1温度検知手段と、前記下側パスを通過する冷媒の冷媒温度を検知する第2温度検知手段と、霜取り運転時において、前記第1温度検知手段が検知した冷媒温度が、第1目標温度に到達し、且つ、前記第2温度検知手段が検知した冷媒温度が、第2目標温度に到達すると、霜取り運転を終了させる制御を行う制御部と、を備えているものである。
本発明に係る空気調和機によれば、室外熱交換器の下部に氷が発生すると、第2温度検知手段が検知した冷媒温度が第2目標温度に到達するまで霜取り運転が延長され、氷を融解する能力が増強される。一方、室外熱交換器の下部に氷が発生していないときは、第1温度検知手段が検知した冷媒温度と、第2温度検知手段が検知した冷媒温度との差がほとんどないため、霜取り運転がほとんど延長されない。よって、この空気調和機は、室外熱交換器の下部に氷が発生すると効果的に氷を融解することができ、室外熱交換器の下部に氷が発生しないと不要な霜取り運転を行わないので、霜取り運転を必要最小限で行うことができる。
本発明の実施の形態に係る空気調和機の室外機の外観を示した斜視図である。 本発明の実施の形態に係る空気調和機の室外機を分解して示した斜視図である。 本発明の実施の形態に係る空気調和機の冷凍サイクルを示した冷媒回路図である。 本発明の実施の形態に係る空気調和機の室外熱交換器の縦断面を模式的に示した説明図である。 本発明の実施の形態に係る空気調和機の室外熱交換器を構成する伝熱フィンを模式的に示した説明図である。 本発明の実施の形態に係る空気調和機の制御動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る空気調和機の第1温度検知手段及び第2温度検知手段の霜取り運転時における時間応答波形を示したグラフである。 本発明の実施の形態に係る空気調和機の第1温度検知手段及び第2温度検知手段の霜取り運転時における時間応答波形を示したグラフである。 本発明の実施の形態に係る空気調和機の第1温度検知手段及び第2温度検知手段の霜取り運転時における時間応答波形を示したグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略または簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
実施の形態.
先ず、図1〜図3に基づいて、本実施の形態に係る空気調和機の全体構造について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和機の室外機の外観を示した斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る空気調和機の室外機を分解して示した斜視図である。図3は、本発明の実施の形態に係る空気調和機の冷凍サイクルを示した冷媒回路図である。
本実施の形態に係る空気調和機は、図1及び図2に示した屋外に設置される室外機100と、図示省略の屋内に設置される室内機と、で構成されている。そして、空気調和機は、図3に示すように、圧縮機1と、四方弁2と、室外熱交換器3と、減圧装置である膨張弁4と、室内熱交換器5と、を順に冷媒配管で接続して冷媒を循環させる冷凍サイクル101を有している。
室外機100には、図1及び図2に示すように、外郭を形成する筐体10を有している。筐体10は、一例として、左側面と前面を形成する前面パネル10aと、右側面を形成する右側面パネル10bと、右側面パネル10bの開口部を覆う右側面カバー10cと、後面を形成する後面パネル10dと、底面を形成する底板10eと、天面を形成する天板10fとで構成されている。前面パネル10aには、前面に形成された円形状の吹出口を覆うように、ファングリル11が設けられている。
筐体10の内部は、仕切板12によって送風機室13と機械室14とに仕切られている。送風機室13には、室外機100の左側面から背面全体にかけて設けられた室外熱交換器3と、室外熱交換器3の上下方向に渡って設けられた取付板15と、その取付板15に取り付けられた送風機16と、が収容されている。機械室14には、底板10eの上面に設けられた圧縮機1と、圧縮機1の上方に設けられた制御部6とが収納されている。制御部6は、回路デバイスなどのハードウェア、又はマイコン若しくはCPUなどの演算装置上で実行されるソフトウェアで構成され、室外機100の制御を行うものである。室内機から送られた冷媒は、圧縮機1において圧縮され、冷媒配管を通って室外熱交換器3に送られる。
圧縮機1は、冷媒を吸入し圧縮して高温且つ高圧の状態で吐出するものである。圧縮機1は、たとえば容量制御可能なインバータ圧縮機等で構成する。四方弁2は、冷媒の流路を切り換える機能を有するものである。四方弁2は、暖房運転時において、図3の破線で示すように、圧縮機1の吐出側と室内熱交換器5とを接続するとともに、圧縮機1の吸入側と室外熱交換器3とを接続するように冷媒流路を切り換える。四方弁2は、冷房運転時において、図3の実線で示すように、圧縮機1の吐出側と室外熱交換器3とを接続するとともに、圧縮機1の吸入側と室内熱交換器5とを接続するように冷媒流路を切り換える。
室外熱交換器3は、冷房運転時には凝縮器として機能し、圧縮機1から吐出された冷媒と空気との間で熱交換を行わせるものである。また、室外熱交換器3は、暖房運転時には蒸発器として機能し、膨張弁4から流出した冷媒と空気との間で熱交換を行わせるものである。室外熱交換器3は、一方が四方弁2に接続され、他方が膨張弁4に接続されている。
膨張弁4は、蒸発器を通過する冷媒を減圧する弁であり、例えば開度の調節が可能な電子膨張弁で構成される。
室内熱交換器5は、送風機17と共に室内機に収納されている。室内熱交換器5は、冷房運転時には蒸発器として機能し、膨張弁4から流出した冷媒と空気との間で熱交換を行わせるものである。また、室内熱交換器5は、暖房運転時には凝縮器として機能し、圧縮機1から吐出された冷媒と空気との間で熱交換を行わせるものである。室内熱交換器5は、一方が四方弁2に接続され、他方が膨張弁4に接続されている。
次に、暖房運転時における冷凍サイクル101の冷媒の流れを図3に基づいて説明する。暖房運転時には、四方弁2が図3の破線側に切り換えられた冷凍サイクル101により運転が行われる。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁2を経由して室内熱交換器5に流入する。このとき、室内熱交換器5は、凝縮器として機能する。つまり、冷媒は、室内の周囲に熱を放出して、高圧の液冷媒に変化する。その液冷媒は、室内熱交換器5から流出した後、膨張弁4で減圧膨張され、低温低圧の気液二相冷媒となった後、室外熱交換器3に流入する。このとき、室外熱交換器3は、蒸発器として機能する。つまり、冷媒は、室外の周囲から吸熱し、低温低圧のガス冷媒に変化する。その後、ガス冷媒は、四方弁2を経由して圧縮機1に戻り、そこで高温高圧のガス冷媒となって吐出され、冷凍サイクル101を循環する。
なお、暖房運転時には、外気温度が低くて外気湿度が高いと、室外熱交換器3に接触する空気中の水分が露点に達して凝縮し、霜となり伝熱フィン30の表面に付着する。この霜が伝熱フィン30の表面に堆積すると、熱交換効率が低下し、暖房能力の低下を招くという問題が発生する。そのため、空気調和機を連続して暖房運転する場合には、暖房運転とは逆サイクルとなる霜取り運転(冷房運転)を定期的に行い、霜を取り除く必要がある。
次に、霜取り運転時(冷房運転時)における冷凍サイクル101の冷媒の流れを図3に基づいて説明する。霜取り運転時には、制御部6によって四方弁2が図3の実線側に切り換えられた冷凍サイクル101により運転が行われる。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁2を経由して室外熱交換器3に流入する。このとき、室外熱交換器3は凝縮器として機能する。つまり、冷媒は、室外の周囲に熱を放出するが、この熱によって暖房運転時に付着した霜を融解させる。室外熱交換器3によって変化した高圧の液冷媒は、室外熱交換器3から流出した後、膨張弁4で減圧膨張され、低温低圧の気液二相冷媒となった後、室内熱交換器5に流入する。このとき、室内熱交換器5は、蒸発器として機能する。つまり、冷媒は、室内の周囲から吸熱し、低温低圧のガス冷媒に変化する。その後、ガス冷媒は、四方弁2を経由して圧縮機1に戻り、そこで高温高圧のガス冷媒となって吐出され、冷凍サイクル101を循環する。
次に、室外熱交換器3の詳細を図4及び図5に基づいて説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る空気調和機の室外熱交換器の縦断面を模式的に示した説明図である。図5は、本発明の実施の形態に係る空気調和機の室外熱交換器を構成する伝熱フィンを模式的に示した説明図である。
室外熱交換器3は、図4及び図5に示すように、板状の面が略平行になるように間隔をあけて並列に配置された複数の伝熱フィン30と、伝熱フィン30を貫通して接続され、伝熱フィン30の上下方向に複数のパスを有する伝熱管31と、で構成されたフィンチューブ式の熱交換器である。伝熱フィン30は、例えばアルミニウム等の材料で形成されており、伝熱管31に接して伝熱面積を増大させるものである。図5に示すように、伝熱フィン30の上下方向(長手方向)には、伝熱管31を通すための伝熱管挿入穴30aが複数形成されている。
伝熱管31は、管内を通過する冷媒の熱を、管外を通過する空気に伝えるものである。伝熱管31は、図4に示すように、暖房運転時において冷媒出口を有する上側パスA及び下側パスBと、暖房運転時に冷媒入口を有する中間パスCと、で構成されている。室外熱交換器3は、最上部と最下部とが、暖房運転時に冷媒出口となる。一方、室外熱交換器3は、最上部と最下部とが、霜取り運転時に冷媒入口となる。
室外熱交換器3は、伝熱フィン30の中間部に位置する中間パスCに接続された冷媒流路を、伝熱管31の上側パスAと下側パスBとに分岐させる分配器32を有している。分配器32は、接続管32cによって中間パスCを構成する伝熱管31と接続されている。また、分配器32によって分岐された第1分岐管32aは、上側パスAを構成する伝熱管31の下端部に接続されている。分配器32によって分岐された第2分岐管32bは、下側パスBを構成する伝熱管31の上端部に接続されている。
また、室外熱交換器3は、上側パスAを流れた冷媒と、下側パスBを流れた冷媒とが分配器32を介して合流した冷媒温度を検知する第1温度検知手段7と、下側パスBを通過する冷媒の冷媒温度を検知する第2温度検知手段8と、を備えている。第2温度検知手段8は、霜取り運転時において、圧縮機1から見て第1温度検知手段7よりも上流側に設けられている。なお、第1温度検知手段7及び第2温度検知手段8は、例えばサーミスタで構成される。
第1温度検知手段7は、霜取り運転時において、室外熱交換器3の全面を通過した冷媒の冷媒温度を検知する。一方、第2温度検知手段8は、上側パスAを流れる冷媒と下側パスBを流れる冷媒とが分配器32を介して合流する位置の近傍の冷媒温度を検知する。霜取り運転では、できるだけ下側パスBを通過した冷媒の冷媒温度を第2温度検知手段8で検知させて、霜又は氷が融解しているか否かを判断させることとしている。
本実施の形態に係る空気調和機は、暖房運転時において、中間パスCから流入した冷媒が、分配器32によって上側パスAと下側パスBとに分岐される。このとき、上側パスAに流れる気液2層冷媒は、重力方向に逆らって室外熱交換器3の上部へ流れるため、流路抵抗が大きく、冷媒流量が少ない。一方、下側パスBに流れる気液2層冷媒は、重力方向に沿って流れるため、流路抵抗が小さく、冷媒流量が多い。冷媒流量が少ない上側パスAでは、冷媒が蒸発しやすいため、伝熱管31の出口付近において過熱蒸気となり、冷媒温度が高くなる。一方、冷媒流量が多い下側パスBでは、冷媒が蒸発しきれずに飽和温度となる。そのため、室外熱交換器3は、上側パスAと下側パスBとで温度差が生じることがある。
また、伝熱フィン30に付着した結露水は、自重によって伝熱フィン30の間を滑落し、伝熱フィン30の最下部から底板10eを通じて外部へ排水される。このとき、室外熱交換器3の下端は、図5に示したD部のように、伝熱フィン30間の表面張力によって結露水が水滴状にホールドされる。伝熱フィン30の下端は、伝熱フィン30の温度が負になると、結露水が凝固する。そして、室外熱交換器3は、結露水が凍結すると伝熱フィン30間が閉塞し、送風機16による通風が阻害され、熱交換不良を起こして、冷媒温度がさらに下がる。
そこで、本実施の形態に係る空気調和機では、第1温度検知手段7で検知した冷媒温度と、第2温度検知手段8で検知した冷媒温度とに基づいて、霜取り運転を終了させる制御を行うこととしている。以下に、本実施の形態における空気調和機の制御動作を、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係る空気調和機の制御動作を説明するフローチャートである。なお、室外熱交換器3の全面に付着した霜が完全に溶融される温度を第1目標温度t1とする。また、室外熱交換器3の下部に付着した氷が完全に溶融される温度を第2目標温度t2する。
先ず、空気調和機は、暖房運転を開始する。そして、ステップS101において、制御部6は、第1温度検知手段7が検知した冷媒温度tと、霜取り運転を開始させる冷媒温度THとの関係において、t<THであるか否かについて判定する。制御部6は、第1温度検知手段7が検知した冷媒温度tがt<THであると判定すると、ステップS102に進み、霜取り運転を開始する。一方、制御部6は、第1温度検知手段7が検知した冷媒温度tがt<THでないと判定すると、t<THとなるまでステップS101を繰り返す。
ステップS103において、制御部6は、第1温度検知手段7が検知した冷媒温度tがt>t1であるか否かについて判定する。制御部6は、第1温度検知手段7が検知した冷媒温度tがt>t1であると判定すると、ステップS104に進む。一方、制御部6は、第1温度検知手段7が検知した冷媒温度tがt>t1でないと判定すると、t>t1となるまでステップS103を繰り返す。
ステップS104において、制御部6は、第2温度検知手段8が検知した冷媒温度tがt>t2であるか否かについて判定する。制御部6は、第2温度検知手段8が検知した冷媒温度tがt>t2であると判定すると、ステップS105に進み、霜取り運転を終了させて、再びステップS101に戻る。一方、制御部6は、第2温度検知手段8が検知した冷媒温度tがt>t2でないと判定すると、t>t2となるまでステップS104を繰り返す。
次に、霜取り運転時の第1温度検知手段7及び第2温度検知手段8の時間応答波形を、図7〜図9に基づいて説明する。図7〜図9は、本発明の実施の形態に係る空気調和機の第1温度検知手段及び第2温度検知手段の霜取り運転時における時間応答波形を示したグラフである。なお、図7〜図9では、縦軸が温度を示し、横軸が時間を示している。また、曲線Xが第1温度検知手段7の時間応答波形を示し、曲線Yが第2温度検知手段8の時間応答波形を示している。
先ず、外気が正低温であり多湿の場合における第1温度検知手段7及び第2温度検知手段8の時間応答波形を図7に基づいて説明する。正低温であり多湿とは、一例として外気温が5℃程度、湿度が90%程度である。
外気が正低温であり多湿の場合には、室外熱交換器3の下部に付着した霜が氷に成長することがある。霜取り運転では、室外熱交換器3の下部に発生した氷を融解するために多くの熱を消費することになる。そのため、圧縮機1から吐出された高温冷媒は、室外熱交換器3へ多くの熱を放熱する。このとき、上側パスAでは、高温冷媒によって霜のみを融解するので、当該冷媒の放熱が少なくて済む。よって、上側パスAを通過した冷媒の冷媒温度は、比較的高い。一方、下側パスBでは、高温冷媒によって霜と共に氷を融解する必要がある。よって、下側パスBを通過した冷媒の冷媒温度は、上側パスAを通過した冷媒と比べて低い。
つまり、第1温度検知手段7で検知される冷媒温度は、上側パスAを流れる冷媒と下側パスBを流れる冷媒とが分配器32を介して合流するため、図7に示す曲線Xのように、上側パスAを流れる冷媒の冷媒温度に引っ張られて、合流後の冷媒温度の上昇するペースが早くなる。一方、第2温度検知手段8で検知される冷媒温度は、図7に示す曲線Yのように、第1温度検知手段7の温度上昇に比べて鈍い。
そこで、本実施の形態の空気調和機では、第2温度検知手段8が検知した温度がt2となる時間T2まで霜取り運転を行うことで、時間T1から一定時間だけ霜取り運転を延長し、氷を溶融する能力を増強させている。
次に、外気が極低温であり絶対湿度が低い場合における第1温度検知手段7及び第2温度検知手段8の時間応答波形を図8に基づいて説明する。極低温とは、一例として外気温が−10℃程度である。外気が極低温であり絶対湿度が低い場合には、暖房運転中の室外熱交換器3に、霜がほとんど付着しないため、図8に示すように、第1温度検知手段7の時間応答波形Xと、第2温度検知手段8の時間応答波形Yが、ほぼ同じような状態となる。また、霜がほとんど付着しないため、霜取り運転によって霜を融解する必要がない。そのため、第1温度検知手段7の検知値における霜取り運転の終了判定の時間T1と、第2温度検知手段8の検知値における霜取り運転の終了判定の時間T2との差がほとんどなく、時間T2まで霜取り運転を行っても、霜取り運転が大幅に延長されることがない。
次に、外気が低温であり多湿の場合における第1温度検知手段7及び第2温度検知手段8の時間応答波形を図9に基づいて説明する。低温であり多湿とは、一例として外気温が0℃程度、湿度が90%程度である。この場合、暖房運転中における室外熱交換器3の全面の温度が0℃になるため、室外熱交換器3の全面に霜が付着する。そのため、室外熱交換器3は、通風が阻害されるので、冷媒の蒸発温度が早く低下する。そこで、室外熱交換器3の下部に付着した霜が氷に成長する前に、霜取り運転が行われる。
外気が低温であり多湿の場合には、図9に示すように、第1温度検知手段7の時間応答波形Xと、第2温度検知手段8の時間応答波形Yが、ほぼ同じような状態となる。よって、第1温度検知手段7の検知値における霜取り運転の終了判定の時間T1と、第2温度検知手段8の検知値における霜取り運転の終了判定の時間T2との差がほとんどなく、時間T2まで霜取り運転を行っても、霜取り運転が大幅に延長されることがない。
上記したように、本実施の形態に係る空気調和機によれば、霜取り運転時において、第1温度検知手段7が検知した冷媒温度が、第1目標温度t1に到達し、且つ、第2温度検知手段8が検知した冷媒温度が、第2目標温度t2に到達すると、霜取り運転を終了させる。よって、室外熱交換器3の下部に氷が発生したときは、第2温度検知手段8が検知した冷媒温度が第2目標温度t2に到達するまで霜取り運転が延長され、氷を融解する能力が増強される。一方、室外熱交換器3の下部に氷が発生していないときには、第1温度検知手段7が検知した冷媒温度と、第2温度検知手段8が検知した冷媒温度との差がほとんどないため、霜取り運転がほとんど延長されない。よって、この空気調和機は、室外熱交換器3の下部に氷が発生すると効果的に氷を融解することができ、室外熱交換器3の下部に氷が発生しないと不要な霜取り運転を行わないので、霜取り運転を必要最小限で行うことができる。
また、本実施の形態における第2温度検知手段8は、上側パスAを流れる冷媒と下側パスBを流れる冷媒とが分配器32を介して合流する位置の近傍の冷媒温度を検知する。よって、本実施の形態に係る空気調和機は、霜取り運転時において、下側パスBを通過した冷媒温度を第2温度検知手段8で検知できるので、霜又は氷が融解しているか否かの判断を確実に行うことができる。
なお、空気調和機は、室外熱交換器の容積が大きいと、外気温が5℃程度、湿度が90%程度のように、正低温で多湿の場合に暖房運転を行っても、冷媒の蒸発温度が負になり難いため、着霜量が非常に少ない。しかし、空気調和機は、伝熱フィンの幅が短い、伝熱フィンの列数が少ない、或いは伝熱フィンの高さが低い等で、室外熱交換器の容積が小さく設計されると、暖房運転中に冷媒の蒸発温度が低くなり、0℃付近まで低下する箇所が生じる場合がある。本実施の形態に係る空気調和機では、このような容積の小さい室外熱交換器を有する構成であっても、上記したように霜取り運転を必要最小限で行うことができる。
以上に本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、空気調和機は、圧縮機1と、四方弁2と、室外熱交換器3と、膨張弁4と、室内熱交換器5の他に、他の構成要素を含んだ構成でもよい。要するに、いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本発明の要旨(技術的範囲)に含むことを念のため申し添える。
1 圧縮機、2 四方弁、3 室外熱交換器、4 膨張弁、5 室内熱交換器、6 制御部、7 第1温度検知手段、8 第2温度検知手段、10 筐体、10a 前面パネル、10b 右側面パネル、10c 右側面カバー、10d 後面パネル、10e 底板、10f 天板、11 ファングリル、12 仕切板、13 送風機室、14 機械室、15 取付板、16、17 送風機、30 伝熱フィン、30a 伝熱管挿入穴、31 伝熱管、32 分配器、32a 第1分岐管、32b 第2分岐管、32c 接続管、100 室外機、101 冷凍サイクル、A 上側パス、B 下側パス、C 中間パス、t1 第1目標温度、t2 第2目標温度。

Claims (2)

  1. 圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器と、を順に冷媒配管で接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルを有する、空気調和機であって、
    前記室外熱交換器は、
    間隔をあけて並列に配置された複数の伝熱フィンと、
    前記伝熱フィンを貫通して接続され、前記伝熱フィンの上下方向に複数のパスを有する伝熱管と、
    前記伝熱フィンの中間部において、前記伝熱管の上側パスと下側パスとに冷媒流路を分岐させる分配器と、
    前記上側パスを流れた冷媒と、前記下側パスを流れた冷媒とが前記分配器を介して合流した冷媒温度を検知する第1温度検知手段と、
    前記下側パスを通過する冷媒の冷媒温度を検知する第2温度検知手段と、
    霜取り運転時において、前記第1温度検知手段が検知した冷媒温度が、第1目標温度に到達し、且つ、前記第2温度検知手段が検知した冷媒温度が、第2目標温度に到達すると、霜取り運転を終了させる制御を行う制御部と、を備えている、空気調和機。
  2. 前記第2温度検知手段は、前記上側パスを流れる冷媒と前記下側パスを流れる冷媒とが前記分配器を介して合流する位置の近傍の冷媒温度を検知する、請求項1に記載の空気調和機。
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