JPWO2019093248A1 - 水素化ニトリルゴムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
ヨウ素価が120以下である水素化ニトリルゴムを製造する方法であって、ニトリルゴムのラテックスに、凝固剤として、ハロゲン原子非含有の金属塩を添加して、ニトリルゴムを凝固させる第1凝固工程と、凝固させた前記ニトリルゴムを、有機溶媒に溶解することで、ニトリルゴムの溶液を調製する溶液調製工程と、前記ニトリルゴムの溶液に対し、水素化反応を行うことで、水素化ニトリルゴムの溶液を得る水素化工程と、前記水素化ニトリルゴムの溶液に、凝固剤として、2価の金属塩を添加することで、水素化ニトリルゴムを凝固させる第2凝固工程と、を備える水素化ニトリルゴムの製造方法を提供する。
Description
本発明は、水素化ニトリルゴムの製造方法に係り、さらに詳しくは、引張強度および伸びが大きく、耐熱耐油性に優れ、金属に対する接着性に優れたゴム架橋物を与えることのできる水素化ニトリルゴムを、高い生産効率にて製造するための方法に関する。
従来から、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム)は、耐油性、機械的特性、耐薬品性等を活かして、ホースやチューブなどの自動車用ゴム部品の材料として使用されており、また、ニトリルゴムのポリマー主鎖中の炭素−炭素二重結合を水素化した水素化ニトリルゴム(水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム)はさらに耐熱性に優れるため、ベルト、ホース、ダイアフラム等のゴム部品に使用されている。
たとえば、特許文献1には、水素化ニトリルゴムの貯蔵安定性を向上させるために、水素化ニトリルゴムに、特定の置換フェノールを0.01重量%以上、0.45重量%未満の割合で添加する技術が開示されている。この特許文献1では、次のような工程を経て、水素化ニトリルゴムを製造するものである。すなわち、まず、乳化重合によりニトリルゴムのラテックスを得て、得られたニトリルゴムのラテックスに、凝固剤としての塩化ナトリウムや塩化マグネシウムを添加することで凝固させ、固形状のニトリルゴムを得る。次いで、得られた固形状のニトリルゴムを有機溶媒に溶解させることでニトリルゴムの溶液を得て、得られたニトリルゴムの溶液に対し、水素化反応を行うことで、水素化ニトリルゴムの溶液を得る。そして、得られた水素化ニトリルゴムの溶液に、凝固剤としての水溶性ポリマーや塩化カルシウムを添加することで、水素化ニトリルゴムを得るものである。
しかしながら、この特許文献1において得られる水素化ニトリルゴムは、油中に浸漬させた後、熱老化させる操作を繰り返し行った際における耐性、すなわち、耐熱耐油性が十分でなく、高温下、油に接して用いられ、耐熱耐油性が必要とされる用途に用いることができないものであった。特に、近年においては、自動車用のベルトやシールなど、高温下、油に接して用いられる用途においては、高い水準の耐熱性や耐油性が求められおり、油中に浸漬させた後、熱老化させる操作を繰り返し行った際にも優れた耐性を有すること、すなわち、耐熱耐油性にも優れていることが求められている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、引張強度および伸びが大きく、耐熱耐油性(油中に浸漬させた後、熱老化させる操作を繰り返し行った際における耐性)に優れ、金属に対する接着性に優れたゴム架橋物を与えることのできる水素化ニトリルゴムを、高い生産効率にて製造するための方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、ニトリルゴムのラテックスを凝固した後に、有機溶媒に溶解することで、ニトリルゴムの溶液とし、ニトリルゴムの溶液の状態にて水素化反応を行う水素化ニトリルゴムの製造方法において、ニトリルゴムのラテックスを凝固する際における凝固剤として、ハロゲン原子非含有の金属塩を使用するとともに、水素化反応後の水素化ニトリルゴムの溶液を凝固する際における凝固剤として、2価の金属塩を使用することで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、ヨウ素価が120以下である水素化ニトリルゴムを製造する方法であって、ニトリルゴムのラテックスに、凝固剤として、ハロゲン原子非含有の金属塩を添加して、ニトリルゴムを凝固させる第1凝固工程と、凝固させた前記ニトリルゴムを、有機溶媒に溶解することで、ニトリルゴムの溶液を調製する溶液調製工程と、前記ニトリルゴムの溶液に対し、水素化反応を行うことで、水素化ニトリルゴムの溶液を得る水素化工程と、前記水素化ニトリルゴムの溶液に、凝固剤として、2価の金属塩を添加することで、水素化ニトリルゴムを凝固させる第2凝固工程と、を備える水素化ニトリルゴムの製造方法が提供される。
本発明の水素化ニトリルゴムの製造方法において、前記ハロゲン原子非含有の金属塩が、金属の硫酸塩であることが好ましく、硫酸マグネシウムまたは硫酸アルミニウムであることがより好ましい。
本発明の水素化ニトリルゴムの製造方法において、前記2価の金属塩が、2価の金属の塩化物であることが好ましく、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムであることがより好ましい。
本発明の水素化ニトリルゴムの製造方法において、前記第1凝固工程における、前記ハロゲン原子非含有の金属塩の使用量が、前記ニトリルゴムのラテックス中に含まれるニトリルゴム成分100重量部に対し、0.5〜20重量部であり、前記第2凝固工程における、前記2価の金属塩の使用量が、前記水素化ニトリルゴムの溶液中に含まれる水素化ニトリルゴム成分100重量部に対し、0.01〜0.5重量部であることが好ましい。
本発明の水素化ニトリルゴムの製造方法において、前記第1凝固工程における凝固を、前記ハロゲン原子非含有の金属塩の水溶液に、前記ニトリルゴムのラテックスを添加して攪拌することにより行うことが好ましい。
本発明の水素化ニトリルゴムの製造方法において、前記第2凝固工程における凝固を、前記2価の金属塩の水溶液に、前記水素化ニトリルゴムの溶液を添加して攪拌することにより行うことが好ましい。
本発明の水素化ニトリルゴムの製造方法において、前記2価の金属塩が、2価の金属の塩化物であることが好ましく、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムであることがより好ましい。
本発明の水素化ニトリルゴムの製造方法において、前記第1凝固工程における、前記ハロゲン原子非含有の金属塩の使用量が、前記ニトリルゴムのラテックス中に含まれるニトリルゴム成分100重量部に対し、0.5〜20重量部であり、前記第2凝固工程における、前記2価の金属塩の使用量が、前記水素化ニトリルゴムの溶液中に含まれる水素化ニトリルゴム成分100重量部に対し、0.01〜0.5重量部であることが好ましい。
本発明の水素化ニトリルゴムの製造方法において、前記第1凝固工程における凝固を、前記ハロゲン原子非含有の金属塩の水溶液に、前記ニトリルゴムのラテックスを添加して攪拌することにより行うことが好ましい。
本発明の水素化ニトリルゴムの製造方法において、前記第2凝固工程における凝固を、前記2価の金属塩の水溶液に、前記水素化ニトリルゴムの溶液を添加して攪拌することにより行うことが好ましい。
また、本発明によれば、上記製造方法により得られる水素化ニトリルゴムに、架橋剤を添加する工程を備える架橋性ゴム組成物の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、上記製造方法により得られる架橋性ゴム組成物を架橋させる工程を備えるゴム架橋物の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、上記製造方法により得られる架橋性ゴム組成物を架橋させる工程を備えるゴム架橋物の製造方法が提供される。
本発明によれば、引張強度および伸びが大きく、耐熱耐油性に優れ、金属に対する接着性に優れたゴム架橋物を与えることのできる水素化ニトリルゴムを、高い生産効率にて製造することができる。
本発明の水素化ニトリルゴムの製造方法は、
ヨウ素価が120以下である水素化ニトリルゴムを製造する方法であって、
ニトリルゴムのラテックスに、凝固剤として、ハロゲン原子非含有の金属塩を添加して、ニトリルゴムを凝固させる第1凝固工程と、
凝固させた前記ニトリルゴムを、有機溶媒に溶解することで、ニトリルゴムの溶液を調製する溶液調製工程と、
前記ニトリルゴムの溶液に対し、水素化反応を行うことで、水素化ニトリルゴムの溶液を得る水素化工程と、
前記水素化ニトリルゴムの溶液に、凝固剤として、2価の金属塩を添加することで、水素化ニトリルゴムを凝固させる第2凝固工程と、を備える。
ヨウ素価が120以下である水素化ニトリルゴムを製造する方法であって、
ニトリルゴムのラテックスに、凝固剤として、ハロゲン原子非含有の金属塩を添加して、ニトリルゴムを凝固させる第1凝固工程と、
凝固させた前記ニトリルゴムを、有機溶媒に溶解することで、ニトリルゴムの溶液を調製する溶液調製工程と、
前記ニトリルゴムの溶液に対し、水素化反応を行うことで、水素化ニトリルゴムの溶液を得る水素化工程と、
前記水素化ニトリルゴムの溶液に、凝固剤として、2価の金属塩を添加することで、水素化ニトリルゴムを凝固させる第2凝固工程と、を備える。
<第1凝固工程>
本発明の製造方法における第1凝固工程は、ニトリルゴムのラテックスに、凝固剤として、ハロゲン原子非含有の金属塩を添加して、ニトリルゴムを凝固させる工程である。
本発明の製造方法における第1凝固工程は、ニトリルゴムのラテックスに、凝固剤として、ハロゲン原子非含有の金属塩を添加して、ニトリルゴムを凝固させる工程である。
本発明で用いるニトリルゴムのラテックスとしては、特に限定されないが、たとえば、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体およびジエン単量体、ならびに必要に応じて用いられるこれらと共重合可能なその他の単量体を含有する単量体混合物を、乳化重合することにより得られるものなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば限定されず、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらのなかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルが特に好ましい。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合は、最終的に得られる水素化ニトリルゴムの組成に応じて適宜決定すればよいが、水素化ニトリルゴム中における含有割合として、好ましくは10〜60重量%であり、より好ましくは12〜58重量%、さらに好ましくは16〜50重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、得られる水素化ニトリルゴムを、耐油性および耐寒性に優れたものとすることができる。
ジエン単量体としては、特に限定されないが、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の炭素数が4以上の共役ジエン;1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等の炭素数が5〜12の非共役ジエンが挙げられる。これらの中では共役ジエンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。ジエン単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。
ジエン単量体単位の含有割合は、最終的に得られる水素化ニトリルゴムの組成に応じて適宜決定すればよいが、水素化ニトリルゴム中における含有割合として、好ましくは40〜90重量%であり、より好ましくは41〜85重量%、さらに好ましくは43〜80重量%である。ジエン単量体の含有割合を上記範囲とすることにより、得られる水素化ニトリルゴムを、耐熱性や耐化学的安定性を良好に保ちながら、ゴム弾性に優れたものとすることができる。
共重合可能なその他の単量体としては、たとえば、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物単量体、芳香族ビニル単量体、フッ素含有ビニル単量体、共重合性老化防止剤などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルであって、アルキル基の炭素数が1〜18のもの;アクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸メトキシエチルなどのアクリル酸アルコキシアルキルエステルおよびメタクリル酸アルコキシアルキルエステルであって、アルコキシアルキル基の炭素数が2〜12のもの;アクリル酸α−シアノエチル、アクリル酸β−シアノエチル、メタクリル酸シアノブチルなどのアクリル酸シアノアルキルエステルおよびメタクリル酸シアノアルキルエステルであって、シアノアルキル基の炭素数が2〜12のもの;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどのアクリル酸ヒドロキシアルキルエステルおよびメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルであって、ヒドロキシアルキル基の炭素数が1〜12のもの;アクリル酸フルオロベンジル、メタクリル酸フルオロベンジルなどのフッ素置換ベンジル基含有アクリル酸エステルおよびフッ素置換ベンジル基含有メタクリル酸エステル;アクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラフルオロプロピルなどのフルオロアルキル基含有アクリル酸エステルおよびフルオロアルキル基含有メタクリル酸エステル;マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチルなどの不飽和多価カルボン酸ポリアルキルエステル;アクリル酸ジメチルアミノメチル、アクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノ基含有α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル;などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノn−ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロヘプチルなどのマレイン酸モノシクロアルキルエステル、マレイン酸モノメチルシクロペンチル、マレイン酸モノエチルシクロヘキシルなどのマレイン酸モノアルキルシクロアルキルエステル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノn−ブチルなどのフマル酸モノアルキルエステル、フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘプチルなどのフマル酸モノシクロアルキルエステル、フマル酸モノメチルシクロペンチル、フマル酸モノエチルシクロヘキシルなどのフマル酸モノアルキルシクロアルキルエステル、シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノプロピル、シトラコン酸モノn−ブチルなどのシトラコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノシクロペンチル、シトラコン酸モノシクロヘキシル、シトラコン酸モノシクロヘプチルなどのシトラコン酸モノシクロアルキルエステル、シトラコン酸モノメチルシクロペンチル、シトラコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのシトラコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノn−ブチルなどのイタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノシクロペンチル、イタコン酸モノシクロヘキシル、イタコン酸モノシクロヘプチルなどのイタコン酸モノシクロアルキルエステル、イタコン酸モノメチルシクロペンチル、イタコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのイタコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル、などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル;などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物単量体としては、たとえば、無水マレイン酸などが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
フッ素含有ビニル単量体としては、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
共重合性老化防止剤としては、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
これらの共重合可能なその他の単量体として、複数種類を併用してもよい。共重合可能なその他の単量体の単位の含有割合は、最終的に得られる水素化ニトリルゴムの組成に応じて適宜決定すればよいが、水素化ニトリルゴム中における含有割合として、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
本発明の製造方法における第1凝固工程で用いるニトリルゴムのラテックスは、上記した各単量体を含有する単量体混合物を、乳化重合することにより得られる。乳化重合に際しては、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤に加えて、通常用いられる重合副資材を使用することができる。
乳化剤としては、特に限定されないが、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の非イオン性乳化剤;ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸及びリノレン酸等の脂肪酸の塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤;α,β−不飽和カルボン酸のスルホエステル、α,β−不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテル等の共重合性乳化剤;などが挙げられる。乳化剤の添加量は、重合に用いる単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
重合開始剤としては、ラジカル開始剤であれば特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物;等を挙げることができる。これらの重合開始剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤としては、無機または有機の過酸化物が好ましい。重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等の還元剤と組み合わせて、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。重合開始剤の添加量は、重合に用いる単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜2重量部である。
分子量調整剤としては、特に限定されないが、メルカプト基を有する化合物を好ましく用いることができ、たとえば、2,2,4,6,6−ペンタメチル−4−ヘプタンチオール、2,4,4,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタンチオール、2,3,4,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタンチオール、2,3,4,6,6−ペンタメチル−3−ヘプタンチオールなどの炭素数9〜12のメルカプト基を有する化合物;2,2,4,6,6−ペンタメチル−4−オクタンチオール、2,2,4,6,6,8,8−ヘプタメチル−4−ノナンチオールなどの炭素数13〜16のメルカプト基を有する化合物;の他、t−ドデシルメルカプタン(炭素数9〜16であるメルカプト基を有する化合物の混合物)などが挙げられる。また、これらメルカプト基を有する化合物とともに、あるいは、これらに代えて、四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;α−メチルスチレンダイマー;テトラエチルチウラムダイサルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の含硫黄化合物;等を使用してもよい。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。分子量調整剤の添加量は、重合に用いる単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜2重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。
乳化重合の媒体には、通常、水が使用される。水の量は、重合に用いる単量体100重量部に対して、好ましくは80〜500重量部、より好ましくは80〜300重量部である。
乳化重合に際しては、さらに、必要に応じて安定剤、分散剤、pH調整剤、脱酸素剤、粒子径調整剤等の重合副資材を用いることができる。これらを用いる場合においては、その種類、使用量とも特に限定されない。
そして、本発明の製造方法における第1凝固工程は、たとえば、上記した方法により得られるニトリルゴムのラテックスに、凝固剤として、ハロゲン原子非含有の金属塩を添加して、ニトリルゴムを凝固させる工程である。
本発明の製造方法によれば、水素化前のニトリルゴムのラテックスの凝固を、ハロゲン原子非含有の金属塩を用いて行うことで、本発明の製造方法により得られる水素化ニトリルゴムをゴム架橋物とした際に、耐熱耐油性に優れたものとすることができるものである。特に、高温下、油に晒される用途においては、油中に浸漬させた後、熱老化させる操作を繰り返し行うという過酷な試験環境下においても、伸びなどの各種特性の低下が抑えられていること(すなわち、耐熱耐油性に優れていること)が求められているところ、本発明者等が、得られるゴム架橋物の耐熱耐油性と、ニトリルゴムのラテックスの凝固を行う際に用いる凝固剤との関係について鋭意研究を行ったところ、ハロゲン原子を含有する金属塩を用いて凝固を行うと、得られるゴム架橋物は、耐熱耐油性に劣るものとなる一方で、凝固剤として、ハロゲン原子非含有の金属塩を用いることで、耐熱耐油性を大きく改善できることを見出したものである。
また、本発明の製造方法によれば、水素化反応後においては、水素化後の水素化ニトリルゴムの溶液の凝固(第2凝固工程)を、2価の金属塩を用いて行うものである。これにより、本発明の製造方法により得られる水素化ニトリルゴムをゴム架橋物とした際に、優れた耐熱耐油性を備えることに加え、金属に対する接着性に優れたものとすることができるものである。そのため、本発明の製造方法によれば、このような金属に対する接着性が要求される用途にも好適に用いられるものであり、とりわけ、金属と接着させた状態で、高温下、油に晒される環境下で用いられる用途に好適に用いることのできるものである。
ハロゲン原子非含有の金属塩としては、金属塩であって、かつ、実質的にハロゲン原子を含有しないものであればよく、特に限定されないが、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛、硝酸チタン、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸アルミニウム、硝酸スズなどの硝酸塩;酢酸バリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛など酢酸塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸チタン、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、硫酸アルミニウム、硫酸スズなどの硫酸塩;等が挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらのなかでも、耐熱耐油性の改善効果が大きいという観点より、硫酸塩が好ましく、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムがより好ましく、比較的少ない使用量でも良好に凝固を行うことができるという観点より、硫酸アルミニウムが特に好ましい。なお、本発明の製造方法で用いるハロゲン原子非含有の金属塩は、実質的にハロゲン原子を含有しないものであればよいが、不可避的な不純物量程度(たとえば、100重量ppm以下)であれば、ハロゲン原子を含有していてもよい。
本発明の製造方法における第1凝固工程における、ハロゲン原子非含有の金属塩の使用量は、ニトリルゴムのラテックス中に含まれるニトリルゴム成分100重量部に対し、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜15重量部、さらに好ましくは2〜10重量部である。ハロゲン原子非含有の金属塩の使用量を上記範囲等することで、第1凝固工程における凝固を十分なものとしながら(すなわち、未凝固分の発生を有効に抑制しながら)、得られるゴム架橋物の耐熱耐油性をより適切に高めることができる。
第1凝固工程における凝固方法としては、特に限定されないが、(α)ニトリルゴムのラテックスに、凝固剤としてのハロゲン原子非含有の金属塩を、必要に応じて水溶液の状態として添加して攪拌する方法や、(β)凝固剤としてのハロゲン原子非含有の金属塩の水溶液を調製し、ハロゲン原子非含有の金属塩の水溶液に、ニトリルゴムのラテックスを添加して攪拌する方法のいずれでもよいが、上記(β)の方法が好ましい。この場合における、ハロゲン原子非含有の金属塩の水溶液中における、ハロゲン原子非含有の金属塩の濃度は、第1凝固工程における凝固を十分なものするという観点(すなわち、未凝固分の発生を有効に抑制するという観点)から、好ましくは0.05〜15重量%、より好ましくは0.05〜12重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%であり、さらにより好ましくは0.2〜7重量%である。
本発明の製造方法における第1凝固工程における、凝固温度は、特に限定されないが、好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜60℃である。
そして、本発明の製造方法における第1凝固工程においては、凝固操作により得られた凝固物について、必要に応じて水洗および濾別を行い、乾燥することで、固形状のニトリルゴムを得ることができる。
<溶液調製工程>
本発明の製造方法における溶液調製工程は、上記した第1凝固工程により得られたニトリルゴムを、有機溶媒に溶解することで、ニトリルゴムの溶液を調製する工程である。
本発明の製造方法における溶液調製工程は、上記した第1凝固工程により得られたニトリルゴムを、有機溶媒に溶解することで、ニトリルゴムの溶液を調製する工程である。
ニトリルゴムの溶液を調製するための有機溶媒としては、ニトリルゴムを溶解するものであればよく、特に限定されないが、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、シクロヘキサノンおよびアセトンなどが挙げられる。これらの中でも、ニトリルゴムを良好に溶解することでき、かつ、後述する水素化工程における水素化反応を良好に行うことができるという点より、アセトンが好ましい。
本発明の溶液調製工程において調製するニトリルゴムの溶液中における、ニトリルゴム成分の濃度は、特に限定されないが、好ましくは1〜70重量%、より好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは2〜20重量%である。ニトリルゴムの溶液中における、ニトリルゴム成分の濃度を上記範囲とすることにより、後述する水素化工程における水素化反応を効率良く行うことができる。
<水素化工程>
本発明の製造方法における水素化工程は、上記した溶液調製工程において調製したニトリルゴムの溶液に対し、水素化反応を行うことで、水素化ニトリルゴムの溶液を得る工程である。
本発明の製造方法における水素化工程は、上記した溶液調製工程において調製したニトリルゴムの溶液に対し、水素化反応を行うことで、水素化ニトリルゴムの溶液を得る工程である。
水素化反応に用いる水素化触媒としては、公知の選択的水素化触媒であればよく、特に限定されないが、白金族元素含有触媒としては、白金族元素、すなわち、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムまたは白金を含有する触媒であればよく、特に限定されないが、触媒活性や入手容易性の観点からパラジウム化合物、ロジウム化合物が好ましく、パラジウム化合物がより好ましい。また、2種以上の白金族元素化合物を併用してもよいが、その場合もパラジウム化合物を主たる触媒成分とすることが好ましい。
パラジウム化合物は、通常、II価またはIV価のパラジウム化合物が用いられ、その形態は塩や錯塩である。パラジウム化合物としては、例えば、酢酸パラジウム、シアン化パラジウム、フッ化パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、酸化パラジウム、水酸化パラジウム、ジクロロ(シクロオクタジエン)パラジウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、ヘキサクロロパラジウム酸アンモニウム、テトラシアノパラジウム酸カリウムなどが挙げられる。これらのパラジウム化合物の中でも、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、へキサクロロパラジウム酸アンモニウムが好ましく、酢酸パラジウム、硝酸パラジウムおよび塩化パラジウムがより好ましい。
上述したパラジウム化合物は、そのまま使用してもよいし、あるいは、担体に担持させて、担持型触媒として使用してもよい。担持型触媒を形成するための担体としては、一般的に金属触媒の担体として用いられているものであればよいが、具体的には、炭素、ケイ素、アルミニウム、マグネシウムなどを含有する無機化合物が好ましく、具体的には、活性炭、活性白土、タルク、クレイ、アルミナゲル、シリカ、けいそう土、合成ゼオライトなど公知の触媒用担体が挙げられる。
水素化反応の温度は、通常0〜200℃、好ましくは5〜150℃、より好ましくは10〜100℃である。水素化反応の温度を上記範囲とすることにより、副反応を抑えながら、反応速度を十分なものとすることができる。
また、水素化反応を行う際における、水素の圧力は、通常、0.1〜20MPaであり、好ましくは0.1〜15MPa、より好ましくは0.1〜10MPaである。反応時間は特に限定されないが、通常30分〜50時間である。なお、水素ガスは、先ず窒素などの不活性ガスで反応系を置換し、さらに水素で置換した後に加圧することが好ましい。
<第2凝固工程>
本発明の製造方法における第2凝固工程は、上記した水素化工程において得られた水素化ニトリルゴムの溶液に、凝固剤として、2価の金属塩を添加することで、水素化ニトリルゴムを凝固させる工程である。
本発明の製造方法における第2凝固工程は、上記した水素化工程において得られた水素化ニトリルゴムの溶液に、凝固剤として、2価の金属塩を添加することで、水素化ニトリルゴムを凝固させる工程である。
本発明の製造方法によれば、上述した第1凝固工程におけるニトリルゴムのラテックスの凝固を、ハロゲン原子非含有の金属塩を用いて行うとともに、水素化反応後の水素化ニトリルゴムの溶液から、水素化ニトリルゴムを凝固させる際には、2価の金属塩を用いて凝固を行うものであり、これにより、本発明の製造方法により得られる水素化ニトリルゴムを、耐熱耐油性に優れることに加え、金属に対する接着性に優れたゴム架橋物を与えるものとすることができるものである。加えて、水素化反応後の水素化ニトリルゴムの溶液から、水素化ニトリルゴムを凝固させる際に、2価の金属塩を用いることで、凝固時に、2価の金属塩が、ニトリルゴムを製造する際等に添加された乳化剤と塩を形成することで、このような乳化剤をも除去することができ、これにより、得られる水素化ニトリルゴム中に乳化剤が残留することにより起こる不具合、たとえば、白色異物の混入や、凝固時におけるフィルター詰りの発生をも防止することができるものである。
2価の金属塩としては、イオン化した際に2価の金属イオンを生じさせる金属の塩であればよく、特に限定されないが、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛などの2価の金属の塩化物;硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛などの2価の金属の硝酸塩;酢酸バリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛などの2価の金属の酢酸塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムなどの2価の金属の硫酸塩;などが挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、得られるゴム架橋物の金属に対する接着性をより高めることできるという観点より、2価の金属の塩化物が好ましく、塩化カルシウム、塩化マグネシウムがより好ましく、塩化カルシウムが特に好ましい。
本発明の製造方法における第2凝固工程における、2価の金属塩の使用量は、水素化ニトリルゴムの溶液中に含まれる水素化ニトリルゴム成分100重量部に対し、好ましくは0.01〜0.5重量部、より好ましくは0.02〜0.4重量部、さらに好ましくは0.04〜0.2重量部である。2価の金属塩の使用量を上記範囲等することで、第2凝固工程における凝固を十分なものとしながら(すなわち、未凝固分の発生を有効に抑制しながら)、得られるゴム架橋物の金属に対する接着性をより適切に高めることができる。
第2凝固工程における凝固方法としては、特に限定されないが、(γ)水素化ニトリルゴムの溶液に、凝固剤としての2価の金属塩を、必要に応じて水溶液の状態として添加して攪拌する方法や、(δ)凝固剤としての2価の金属塩の水溶液を調製し、2価の金属塩の水溶液に、水素化ニトリルゴムの溶液を添加して攪拌する方法のいずれでもよいが、上記(δ)の方法が好ましい。この場合における、2価の金属塩の水溶液中における、2価の金属塩の濃度は、第2凝固工程における凝固を十分なものするという観点(すなわち、未凝固分の発生を有効に抑制するという観点)から、好ましくは0.003〜20重量%、より好ましくは0.005〜17重量%、さらに好ましくは0.01〜15重量%であり、特に好ましくは0.01〜5重量%である。
本発明の製造方法における第2凝固工程における、凝固温度は、特に限定されないが、好ましくは20〜95℃、より好ましくは30〜90℃である。
そして、本発明の製造方法における第2凝固工程においては、凝固操作により得られた凝固物について、必要に応じて水洗および濾別を行い、乾燥することで、固形状の水素化ニトリルゴムを得ることができる。
本発明の製造方法により得られる水素化ニトリルゴムのヨウ素価は、120以下であり、好ましくは80以下、より好ましくは60以下である。なお、ヨウ素価の下限は特に限定されないが、通常3以上である。ヨウ素価が高すぎると、得られるゴム架橋物の耐熱性が低下してしまう。
また、本発明の製造方法により得られる水素化ニトリルゴムのポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10〜200、より好ましくは15〜150、さらに好ましくは15〜100、特に好ましくは30〜90である。ポリマームーニー粘度が低すぎると、得られるゴム架橋物の機械特性が低下するおそれがあり、逆に、高すぎると、架橋剤を添加し、架橋性ゴム組成物とした場合における加工性が低下する可能性がある。
<架橋性ゴム組成物>
本発明の架橋性ゴム組成物は、上記した本発明の製造方法により得られる水素化ニトリルゴムと、架橋剤と、を含有してなるものである。
本発明の架橋性ゴム組成物は、上記した本発明の製造方法により得られる水素化ニトリルゴムと、架橋剤と、を含有してなるものである。
本発明で使用される架橋剤は、本発明の製造方法により得られる水素化ニトリルゴムを架橋できるものであればよく、特に限定されないが、好ましくは硫黄架橋剤または有機過酸化物架橋剤などが挙げられる。
硫黄架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄などの硫黄;4,4’−ジチオモルホリンやテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、高分子多硫化物などの有機硫黄化合物;などが挙げられる。硫黄架橋剤の使用量は、水素化ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部であり、より好ましくは0.2〜4.5重量部、さらに好ましくは0.3〜4重量部である。硫黄架橋剤の使用量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、引張強度および伸びをより高めることできる。
有機過酸化物架橋剤としては、ゴム工業分野で架橋剤として使用されているものであれば良く、特に限定されないが、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類などが挙げられ、好ましくはジアルキルパーオキサイド類などが例示される。ジアルキルパーオキサイド類としては、たとえば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。ジアシルパーオキサイド類としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドなどが挙げられる。パーオキシエステル類としては、たとえば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなど)などが挙げられる。
有機過酸化物架橋剤の使用量は、水素化ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは1〜16重量部、より好ましくは1〜14重量部、さらに好ましくは1〜12重量部である。有機過酸化物架橋剤の使用量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物を、引張強度および伸びをより高めることできる。
架橋剤として硫黄架橋剤を使用する場合は、架橋助剤として、亜鉛華、グアニジン系架橋促進剤、チアゾール系架橋促進剤、チウラム系架橋促進剤、ジチオカルバミン酸塩系架橋促進剤などを併用してもよい。
また、架橋剤として有機過酸化物架橋剤を使用する場合は、架橋助剤として、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミドなどを併用してもよい。
架橋助剤は、単独で使用してもよいし、また、複数種を併用してもよく、クレイ、炭酸カルシウム、シリカなどに分散させ、ゴム組成物の加工性を改良したものを使用してもよい。架橋助剤の使用量は特に限定されず、ゴム架橋物の用途、要求性能、架橋剤の種類、架橋助剤の種類などに応じて決めればよい。
また、本発明の架橋性ゴム組成物には、水素化ニトリルゴムおよび架橋剤、必要に応じて添加される架橋助剤、架橋促進剤以外に、ゴム分野において通常使用される配合剤、たとえば、カーボンブラックやシリカなどの補強剤、炭酸カルシウム、タルクやクレイなどの充填材、酸化亜鉛や酸化マグネシウムなどの金属酸化物、メタクリル酸亜鉛やアクリル酸亜鉛などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸金属塩、共架橋剤、架橋助剤、架橋遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、一級アミンなどのスコーチ防止剤、ジエチレングリコールなどの活性剤、カップリング剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、受酸剤、帯電防止剤、顔料、発泡剤などを配合することができる。これらの配合剤の配合量は、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、配合目的に応じた量を配合することができる。
カーボンブラックとしては、たとえば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、オースチンブラック、グラファイトなどが挙げられる。これらは1種または複数種併せて用いることができる。
シリカとしては、石英粉末、珪石粉末等の天然シリカ;無水珪酸(シリカゲル、アエロジル等)、含水珪酸等の合成シリカ;等が挙げられ、これらの中でも、合成シリカが好ましい。またこれらシリカはカップリング剤等で表面処理されたものであってもよい。
可塑剤としては、特に限定されないが、トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、エーテルエステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、フタル酸系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、アジピン酸エーテルエステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、セバシン酸エステル系可塑剤、アルキルスルホン酸エステル化合物類可塑剤、エポキシ化植物油系可塑剤などを用いることができる。具体例としては、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸イソノニルエステル、トリメリット酸混合直鎖アルキルエステル、ジペンタエリスリトールエステル、ピロメリット酸2−エチルヘキシルエステル、ポリエーテルエステル(分子量300〜5000程度)、アジピン酸ビス[2−(2−ブトキシエトキシ)エチル]、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)、アジピン酸系のポリエステル(分子量300〜5000程度)、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジブチル、リン酸トリクレシル、セバシン酸ジブチル、アルキルスルホン酸フェニルエステル、エポキシ化大豆油、ジヘプタノエート、ジ−2−エチルヘキサノエート、ジデカノエートなどが挙げられる。これらは1種または複数種併せて用いることができる。
本発明の架橋性ゴム組成物には、上述した本発明の製造方法により得られる水素化ニトリルゴム以外のゴムを配合してもよい。
このようなゴムとしては、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴムなどが挙げられる。
このようなゴムとしては、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴムなどが挙げられる。
本発明の製造方法により得られる水素化ニトリルゴム以外のゴムを配合する場合における、架橋性ゴム組成物中の配合量は、本発明の製造方法により得られる水素化ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは30重量部以下、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。
本発明の架橋性ゴム組成物は、上記各成分を好ましくは非水系で混合することで調製される。本発明の架橋性ゴム組成物を調製する方法に限定はないが、通常、架橋剤および熱に不安定な成分を除いた成分を、バンバリーミキサ、インターミキサ、ニーダなどの混合機で一次混練した後、オープンロールなどに移して架橋剤や熱に不安定な成分を加えて二次混練することにより調製できる。なお、一次混練は、通常、10〜200℃、好ましくは30〜180℃の温度で、1分間〜1時間、好ましくは1分間〜30分間行い、二次混練は、通常、10〜90℃、好ましくは20〜60℃の温度で、1分間〜1時間、好ましくは1分間〜30分間行う。
<ゴム架橋物>
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性ゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明のゴム架橋物は、本発明の架橋性ゴム組成物を用い、所望の形状に対応した成形機、たとえば、押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜1時間である。
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性ゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明のゴム架橋物は、本発明の架橋性ゴム組成物を用い、所望の形状に対応した成形機、たとえば、押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜1時間である。
また、架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
加熱方法としては、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。
加熱方法としては、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。
このようにして得られる本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の製造方法により得られる水素化ニトリルゴムを用いて得られるものであり、引張強度および伸びが大きく、耐熱耐油性に優れ、金属に対する接着性に優れるものである。
そして、本発明のゴム架橋物は、このような特性を活かし、O−リング、パッキン、ダイアフラム、オイルシール、シャフトシール、ベアリングシール、ウェルヘッドシール、ショックアブソーバシール、空気圧機器用シール、エアコンディショナの冷却装置や空調装置の冷凍機用コンプレッサに使用されるフロン若しくはフルオロ炭化水素または二酸化炭素の密封用シール、精密洗浄の洗浄媒体に使用される超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素の密封用シール、転動装置(転がり軸受、自動車用ハブユニット、自動車用ウォーターポンプ、リニアガイド装置およびボールねじ等)用のシール、バルブおよびバルブシート、BOP(Blow Out Preventer)、プラターなどの各種シール材;インテークマニホールドとシリンダヘッドとの連接部に装着されるインテークマニホールドガスケット、シリンダブロックとシリンダヘッドとの連接部に装着されるシリンダヘッドガスケット、ロッカーカバーとシリンダヘッドとの連接部に装着されるロッカーカバーガスケット、オイルパンとシリンダブロックあるいはトランスミッションケースとの連接部に装着されるオイルパンガスケット、正極、電解質板および負極を備えた単位セルを挟み込む一対のハウジング間に装着される燃料電池セパレーター用ガスケット、ハードディスクドライブのトップカバー用ガスケットなどの各種ガスケット;印刷用ロール、製鉄用ロール、製紙用ロール、工業用ロール、事務機用ロールなどの各種ロール;平ベルト(フィルムコア平ベルト、コード平ベルト、積層式平ベルト、単体式平ベルト等)、Vベルト(ラップドVベルト、ローエッジVベルト等)、Vリブドベルト(シングルVリブドベルト、ダブルVリブドベルト、ラップドVリブドベルト、背面ゴムVリブドベルト、上コグVリブドベルト等)、CVT用ベルト、タイミングベルト、歯付ベルト、コンベアーベルト、などの各種ベルト;燃料ホース、ターボエアーホース、オイルホース、ラジェターホース、ヒーターホース、ウォーターホース、バキュームブレーキホース、コントロールホース、エアコンホース、ブレーキホース、パワーステアリングホース、エアーホース、マリンホース、ライザー、フローラインなどの各種ホース;CVJブーツ、プロペラシャフトブーツ、等速ジョイントブーツ、ラックアンドピニオンブーツなどの各種ブーツ;クッション材、ダイナミックダンパ、ゴムカップリング、空気バネ、防振材、クラッチフェーシング材などの減衰材ゴム部品;ダストカバー、自動車内装部材、摩擦材、タイヤ、被覆ケーブル、靴底、電磁波シールド、フレキシブルプリント基板用接着剤等の接着剤、燃料電池セパレーターの他、エレクトロニクス分野など幅広い用途に使用することができる。特に、本発明のゴム架橋物は、優れた耐熱耐油性を備え、かつ、金属に対する接着性に優れるものであるから、高温下、油に晒される環境において用いられ、耐熱耐油性に優れていることが要求されるベルト用途に加え、高温下、油に晒される環境において、金属に対する接着性をも要求されるシール用途に特に好適に用いることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下において、特記しない限り「部」は重量基準である。なお、試験、評価は以下によった。
<常態物性(引張強度、伸び)>
架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状の架橋物を得て、次いで、これをギヤー式オーブンに移して170℃で4時間二次架橋することで、シート状のゴム架橋物を得た。得られたゴム架橋物をJIS3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製し、この試験片を用いて、JIS K6251に従い、ゴム架橋物の引張強度および伸びを測定した。
架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状の架橋物を得て、次いで、これをギヤー式オーブンに移して170℃で4時間二次架橋することで、シート状のゴム架橋物を得た。得られたゴム架橋物をJIS3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製し、この試験片を用いて、JIS K6251に従い、ゴム架橋物の引張強度および伸びを測定した。
<耐熱耐油性>
上記常態物性の評価と同様の方法により、シート状のゴム架橋物を得て、得られたゴム架橋物をJIS3号形ダンベルで打ち抜き、試験片を作製した。そして、JIS K6258に従い、得られた試験片を40℃に調製した試験燃料油としてのFuel C(イソオクタン:トルエン=50:50(体積比率)の混合物)中に168時間浸漬することで、油中処理を行った。次いで、JIS K6257に従い、油中処理後の試験片を、150℃、168時間の条件でギヤーオーブンに保持することで空気加熱老化処理を行った。この操作(油中処理および空気加熱老化処理)を繰返し、5回実施した。
そして、油中処理および空気加熱老化処理を繰返し5回実施した後の試験片(耐熱耐油試験後の試験片)について、JIS K6251に従い、伸びを測定した。そして、得られた測定結果と、上記常態物性において得られた伸びの測定結果とから、下記式より、伸び変化率を求めた。伸び変化率の絶対値が小さいほど、耐熱耐油性に優れると判断できる。
耐熱耐油試験後の伸び変化率(%)={((耐熱耐油試験後の伸び)−(常態での伸び))/(常態での伸び)}×100
上記常態物性の評価と同様の方法により、シート状のゴム架橋物を得て、得られたゴム架橋物をJIS3号形ダンベルで打ち抜き、試験片を作製した。そして、JIS K6258に従い、得られた試験片を40℃に調製した試験燃料油としてのFuel C(イソオクタン:トルエン=50:50(体積比率)の混合物)中に168時間浸漬することで、油中処理を行った。次いで、JIS K6257に従い、油中処理後の試験片を、150℃、168時間の条件でギヤーオーブンに保持することで空気加熱老化処理を行った。この操作(油中処理および空気加熱老化処理)を繰返し、5回実施した。
そして、油中処理および空気加熱老化処理を繰返し5回実施した後の試験片(耐熱耐油試験後の試験片)について、JIS K6251に従い、伸びを測定した。そして、得られた測定結果と、上記常態物性において得られた伸びの測定結果とから、下記式より、伸び変化率を求めた。伸び変化率の絶対値が小さいほど、耐熱耐油性に優れると判断できる。
耐熱耐油試験後の伸び変化率(%)={((耐熱耐油試験後の伸び)−(常態での伸び))/(常態での伸び)}×100
<金属接着性>
架橋性ゴム組成物を用いて、積層体サンプルを、以下の方法により製造した。
すなわち、まず、3mm×25mm×60mmの金属板(JIS G 3141 SPCCSD冷間圧延鋼板)を準備し、320メッシュのサンドペーパーを使用して、この金属板の表面を粗面化し、粗面化した金属板の表面を、トルエンおよびアセトンを使用して洗浄した。次いで、接着剤(ケムロック201、フェノール樹脂系、LORD社製)を、粗面化した金属板の表面中央部の25mm×30mmの範囲に塗布し、30分間放置して風乾し、その後、オーブンにて、温度150℃、20分の条件で加熱して、焼付処理を行うことで、金属板表面の25mm×30mmの範囲に接着剤層を形成した。
次いで、架橋性ゴム組成物を2.5mm×25mm×125mmのサイズに切断することで、シート状の架橋性ゴム組成物サンプルとし、シート状の架橋性ゴム組成物サンプルを、接着剤層を形成した金属板の、接着剤層を形成した面上に載せることで、架橋前の積層体を得た。そして、この架橋前の積層体を、5mm×25mm×125mmの金型に入れ、プレス成形機にて、圧力10MPa、温度170℃、20分の条件で加熱圧縮(加熱圧縮に際しては、加圧力が十分なものとなるように、金型内を充満させるように、上記とは別の架橋性ゴム組成物のシートを金型中に、適宜配置した状態で、加熱圧縮を行った)し、架橋性ゴム組成物の架橋反応を進行させることで、金属接着性試験用の積層体サンプル(ゴムと金属板との接触面積は、25mm×60mm、ゴムと金属板との接着剤層を介した接着面積は、25mm×30mm)を得た。
そして、このようにして得られた金属接着性試験用の積層体サンプルを使用して、JIS K 6256−2:2011に準じて、90度剥離試験を行い、90度剥離強度および剥離破壊の割合を求めることにより、金属接着性を評価した。90度剥離強度および剥離破壊の割合(すなわち、接着剤層を介した接着面積のうち、ゴム破壊が起こっていた部分の面積割合)は高い方が好ましく、本実施例においては、90度剥離強度が、好ましくは8N/mm以上、剥離破壊の割合(剥離破壊の割合は、10%刻みで四捨五入して算出)が、好ましくは80%以上である。
架橋性ゴム組成物を用いて、積層体サンプルを、以下の方法により製造した。
すなわち、まず、3mm×25mm×60mmの金属板(JIS G 3141 SPCCSD冷間圧延鋼板)を準備し、320メッシュのサンドペーパーを使用して、この金属板の表面を粗面化し、粗面化した金属板の表面を、トルエンおよびアセトンを使用して洗浄した。次いで、接着剤(ケムロック201、フェノール樹脂系、LORD社製)を、粗面化した金属板の表面中央部の25mm×30mmの範囲に塗布し、30分間放置して風乾し、その後、オーブンにて、温度150℃、20分の条件で加熱して、焼付処理を行うことで、金属板表面の25mm×30mmの範囲に接着剤層を形成した。
次いで、架橋性ゴム組成物を2.5mm×25mm×125mmのサイズに切断することで、シート状の架橋性ゴム組成物サンプルとし、シート状の架橋性ゴム組成物サンプルを、接着剤層を形成した金属板の、接着剤層を形成した面上に載せることで、架橋前の積層体を得た。そして、この架橋前の積層体を、5mm×25mm×125mmの金型に入れ、プレス成形機にて、圧力10MPa、温度170℃、20分の条件で加熱圧縮(加熱圧縮に際しては、加圧力が十分なものとなるように、金型内を充満させるように、上記とは別の架橋性ゴム組成物のシートを金型中に、適宜配置した状態で、加熱圧縮を行った)し、架橋性ゴム組成物の架橋反応を進行させることで、金属接着性試験用の積層体サンプル(ゴムと金属板との接触面積は、25mm×60mm、ゴムと金属板との接着剤層を介した接着面積は、25mm×30mm)を得た。
そして、このようにして得られた金属接着性試験用の積層体サンプルを使用して、JIS K 6256−2:2011に準じて、90度剥離試験を行い、90度剥離強度および剥離破壊の割合を求めることにより、金属接着性を評価した。90度剥離強度および剥離破壊の割合(すなわち、接着剤層を介した接着面積のうち、ゴム破壊が起こっていた部分の面積割合)は高い方が好ましく、本実施例においては、90度剥離強度が、好ましくは8N/mm以上、剥離破壊の割合(剥離破壊の割合は、10%刻みで四捨五入して算出)が、好ましくは80%以上である。
<合成例1 ニトリルゴムのラテックス(L1)の製造>
反応器に、イオン交換水200部、および炭酸ナトリウム0.2部を仕込み、炭酸ナトリウムを溶解させた後、脂肪酸カリウム石鹸(脂肪酸のカリウム塩)2.25部を添加して石鹸水溶液を調製した。そして、得られた石鹸水溶液に、アクリロニトリル38部、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部をこの順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン62部を仕込んだ。次いで、反応器内を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部、還元剤、およびキレート剤適量を仕込み、重合反応を開始した。そして、重合転化率が90%になった時点で、濃度10重量%のハイドロキノン(重合停止剤)水溶液0.1部を加えて重合反応を停止させた。次いで、得られた重合反応液を30℃で3時間撹拌し、未反応の1,3−ブタジエンを除去した後、重合反応液を50℃に加温し、水酸化カリウム2.5重量%水溶液を、重合反応液中に含まれる共重合体100重量部に対して、水酸化カリウムの添加量が0.5重量部となるように加えて3時間撹拌した後、水温60℃のロータリーエバポレ−タで減圧濃縮することで、ニトリルゴムのラテックス(L1)を得た。
反応器に、イオン交換水200部、および炭酸ナトリウム0.2部を仕込み、炭酸ナトリウムを溶解させた後、脂肪酸カリウム石鹸(脂肪酸のカリウム塩)2.25部を添加して石鹸水溶液を調製した。そして、得られた石鹸水溶液に、アクリロニトリル38部、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部をこの順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン62部を仕込んだ。次いで、反応器内を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部、還元剤、およびキレート剤適量を仕込み、重合反応を開始した。そして、重合転化率が90%になった時点で、濃度10重量%のハイドロキノン(重合停止剤)水溶液0.1部を加えて重合反応を停止させた。次いで、得られた重合反応液を30℃で3時間撹拌し、未反応の1,3−ブタジエンを除去した後、重合反応液を50℃に加温し、水酸化カリウム2.5重量%水溶液を、重合反応液中に含まれる共重合体100重量部に対して、水酸化カリウムの添加量が0.5重量部となるように加えて3時間撹拌した後、水温60℃のロータリーエバポレ−タで減圧濃縮することで、ニトリルゴムのラテックス(L1)を得た。
<合成例2 ニトリルゴムのラテックス(L2)の製造>
反応器に、イオン交換水200部、および炭酸ナトリウム0.2部を仕込み、炭酸ナトリウムを溶解させた後、脂肪酸カリウム石鹸(脂肪酸のカリウム塩)2.25部を添加して石鹸水溶液を調製した。そして、得られた石鹸水溶液に、アクリロニトリル9部、アクリル酸n−ブチル39部、および、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部の順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン32部を仕込んだ。次いで、反応器内を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部、還元剤、およびキレート剤適量を仕込み、重合反応を開始した。そして、重合転化率が60%になった時点で、アクリロニトリル10部、1,3−ブタジエン10部を添加し、重合転化率が85%になった時点で、濃度10重量%のハイドロキノン(重合停止剤)水溶液0.1部を加えて重合反応を停止させた。次いで、得られた重合反応液を30℃で3時間撹拌し、未反応の1,3−ブタジエンを除去した後、重合反応液を50℃に加温し、水酸化カリウム2.5重量%水溶液を、重合反応液中に含まれる共重合体100重量部に対して、水酸化カリウムの添加量が0.5重量部となるように加えて3時間撹拌した後、水温60℃のロータリーエバポレ−タで減圧濃縮することで、ニトリルゴムのラテックス(L2)を得た。
反応器に、イオン交換水200部、および炭酸ナトリウム0.2部を仕込み、炭酸ナトリウムを溶解させた後、脂肪酸カリウム石鹸(脂肪酸のカリウム塩)2.25部を添加して石鹸水溶液を調製した。そして、得られた石鹸水溶液に、アクリロニトリル9部、アクリル酸n−ブチル39部、および、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部の順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン32部を仕込んだ。次いで、反応器内を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部、還元剤、およびキレート剤適量を仕込み、重合反応を開始した。そして、重合転化率が60%になった時点で、アクリロニトリル10部、1,3−ブタジエン10部を添加し、重合転化率が85%になった時点で、濃度10重量%のハイドロキノン(重合停止剤)水溶液0.1部を加えて重合反応を停止させた。次いで、得られた重合反応液を30℃で3時間撹拌し、未反応の1,3−ブタジエンを除去した後、重合反応液を50℃に加温し、水酸化カリウム2.5重量%水溶液を、重合反応液中に含まれる共重合体100重量部に対して、水酸化カリウムの添加量が0.5重量部となるように加えて3時間撹拌した後、水温60℃のロータリーエバポレ−タで減圧濃縮することで、ニトリルゴムのラテックス(L2)を得た。
<実施例1>
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)中に含まれるニトリルゴム成分100部に対して、3部となる量の硫酸アルミニウムを含有する硫酸アルミニウム水溶液(C1−1)1500部を、硫酸アルミニウム濃度0.2重量%にて調製し、調製した0.2重量%の硫酸アルミニウム水溶液(C1−1)を30℃に加温した。次いで、ニトリルゴム成分換算で100部となる量のニトリルゴムのラテックス(L1)を、30℃に加温した硫酸アルミニウム水溶液(C1−1)1500部(硫酸アルミニウム換算で、3部)に添加し、温度30℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状のニトリルゴム(N1)を得た。
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)中に含まれるニトリルゴム成分100部に対して、3部となる量の硫酸アルミニウムを含有する硫酸アルミニウム水溶液(C1−1)1500部を、硫酸アルミニウム濃度0.2重量%にて調製し、調製した0.2重量%の硫酸アルミニウム水溶液(C1−1)を30℃に加温した。次いで、ニトリルゴム成分換算で100部となる量のニトリルゴムのラテックス(L1)を、30℃に加温した硫酸アルミニウム水溶液(C1−1)1500部(硫酸アルミニウム換算で、3部)に添加し、温度30℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状のニトリルゴム(N1)を得た。
次いで、得られたニトリルゴム(N1)を、濃度12重量%となるようにアセトンに溶解することで、ニトリルゴムのアセトン溶液(S1−1)を得た。そして、ニトリルゴムのアセトン溶液(S1−1)をオートクレーブに入れ、ニトリルゴム(N1)100重量%に対して、パラジウム・シリカ触媒500重量ppmを加えた後、25℃、水素圧3.0MPaの条件にて、水素化反応を6時間行なうことで、水素化ニトリルゴムのアセトン溶液(S2−1)を得た。
次いで、上記にて得られた水素化ニトリルゴムのアセトン溶液(S2−1)中に含まれる水素化ニトリルゴム成分100部に対して、0.1部となる量の塩化カルシウムを含有する塩化カルシウム水溶液(C2−1)500部を、塩化カルシウム濃度0.02重量%にて調製し、調製した0.02重量%の塩化カルシウム水溶液(C2−1)を80℃に加温した。次いで、水素化ニトリルゴム成分換算で100部となる量の水素化ニトリルゴムのアセトン溶液(S2−1)を、80℃に加温した塩化カルシウム水溶液(C2−1)500部(塩化カルシウム換算で、0.1部)に添加し、温度80℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状の水素化ニトリルゴム(H1)を得た。得られた水素化ニトリルゴム(H1)の組成は、アクリロニトリル単位37重量%、1,3−ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)63重量%であり、ヨウ素価(JIS K6235に準じて測定して測定。後述する各実施例、比較例においても同様)は25であった。
そして、バンバリーミキサを用いて、上記にて得られた水素化ニトリルゴム(H1)100部に、FEFカーボン(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、カーボンブラック)50部、アジピン酸エーテルエステル系可塑剤(商品名「アデカサイザー RS−107」、ADEKA社製、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル))5部、4,4’−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名「ノクラックCD」、大内新興化学社製、老化防止剤)1.5部、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩(商品名「ノクラック MBZ」、大内新興化学社製、老化防止剤)1.5部、ステアリン酸1部、酸化亜鉛(亜鉛華1号、正同化学社製)5部、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン40%品(商品名「Vul Cup 40KE」、アルケマ社製、有機過酸化物架橋剤)6部を添加して混練することで、架橋性ゴム組成物を得た。
そして、得られた架橋性ゴム組成物を用いて、上述した方法により、常態物性(引張強度、伸び)、耐熱耐油性、および金属接着性の各測定を行った。結果を表1に示す。
<実施例2>
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)中に含まれるニトリルゴム成分100部に対して、2部となる量の硫酸アルミニウムを含有する硫酸アルミニウム水溶液(C1−2)1000部を、硫酸アルミニウム濃度0.2重量%にて調製し、調製した0.2重量%の硫酸アルミニウム水溶液(C1−2)を30℃に加温した。次いで、ニトリルゴム成分換算で100部となる量のニトリルゴムのラテックス(L1)を、30℃に加温した硫酸アルミニウム水溶液(C1−2)1000部(硫酸アルミニウム換算で、2部)に添加し、温度30℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状のニトリルゴム(N2)を得た。
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)中に含まれるニトリルゴム成分100部に対して、2部となる量の硫酸アルミニウムを含有する硫酸アルミニウム水溶液(C1−2)1000部を、硫酸アルミニウム濃度0.2重量%にて調製し、調製した0.2重量%の硫酸アルミニウム水溶液(C1−2)を30℃に加温した。次いで、ニトリルゴム成分換算で100部となる量のニトリルゴムのラテックス(L1)を、30℃に加温した硫酸アルミニウム水溶液(C1−2)1000部(硫酸アルミニウム換算で、2部)に添加し、温度30℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状のニトリルゴム(N2)を得た。
次いで、得られたニトリルゴム(N2)を用いて、実施例1と同様にして、アセトン溶液の調製および水素化反応を行うことで、水素化ニトリルゴムのアセトン溶液(S2−2)を得た。
次いで、上記にて得られた水素化ニトリルゴムのアセトン溶液(S2−2)中に含まれる水素化ニトリルゴム成分100部に対して、0.05部となる量の塩化マグネシウムを含有する塩化マグネシウム水溶液(C2−2)500部を、塩化マグネシウム濃度0.01重量%にて調製し、調製した0.01重量%の塩化マグネシウム水溶液(C2−2)を80℃に加温した。次いで、水素化ニトリルゴム成分換算で100部となる量の水素化ニトリルゴムのアセトン溶液(S2−2)を、80℃に加温した塩化マグネシウム水溶液(C2−2)500部(塩化マグネシウム換算で、0.05部)に添加し、温度80℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状の水素化ニトリルゴム(H2)を得た。得られた水素化ニトリルゴム(H2)の組成は、アクリロニトリル単位37重量%、1,3−ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)63重量%であり、ヨウ素価は30であった。
そして、上記にて得られた水素化ニトリルゴム(H2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)中に含まれるニトリルゴム成分100部に対して、10部となる量の硫酸マグネシウムを含有する硫酸マグネシウム水溶液(C1−3)500部を、硫酸マグネシウム濃度2重量%にて調製し、調製した2重量%の硫酸マグネシウム水溶液(C1−3)を30℃に加温した。次いで、ニトリルゴム成分換算で100部となる量のニトリルゴムのラテックス(L1)を、30℃に加温した硫酸マグネシウム水溶液(C1−3)500部(硫酸マグネシウム換算で、10部)に添加し、温度30℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状のニトリルゴム(N3)を得た。
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)中に含まれるニトリルゴム成分100部に対して、10部となる量の硫酸マグネシウムを含有する硫酸マグネシウム水溶液(C1−3)500部を、硫酸マグネシウム濃度2重量%にて調製し、調製した2重量%の硫酸マグネシウム水溶液(C1−3)を30℃に加温した。次いで、ニトリルゴム成分換算で100部となる量のニトリルゴムのラテックス(L1)を、30℃に加温した硫酸マグネシウム水溶液(C1−3)500部(硫酸マグネシウム換算で、10部)に添加し、温度30℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状のニトリルゴム(N3)を得た。
次いで、得られたニトリルゴム(N3)を用いて、実施例1と同様にして、アセトン溶液の調製、水素化反応、および、水素化反応後の凝固を行うことで、固形状の水素化ニトリルゴム(H3)を得た。得られた水素化ニトリルゴム(H3)の組成は、アクリロニトリル単位37重量%、1,3−ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)63重量%であり、ヨウ素価は35であった。
そして、上記にて得られた水素化ニトリルゴム(H3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)に代えて、合成例2で得られたニトリルゴムのラテックス(L2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、ラテックスの凝固、アセトン溶液の調製、水素化反応、および、水素化反応後の凝固を行うことで、固形状の水素化ニトリルゴム(H4)を得た。得られた水素化ニトリルゴム(H4)の組成は、アクリロニトリル単位19重量%、アクリル酸n−ブチル単位34重量%、1,3−ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)47重量%であり、ヨウ素価は30であった。
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)に代えて、合成例2で得られたニトリルゴムのラテックス(L2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、ラテックスの凝固、アセトン溶液の調製、水素化反応、および、水素化反応後の凝固を行うことで、固形状の水素化ニトリルゴム(H4)を得た。得られた水素化ニトリルゴム(H4)の組成は、アクリロニトリル単位19重量%、アクリル酸n−ブチル単位34重量%、1,3−ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)47重量%であり、ヨウ素価は30であった。
<比較例1>
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)中に含まれるニトリルゴム成分100部に対して、5部となる量の塩化カルシウムを含有する塩化カルシウム水溶液(C1−5)1000部を、塩化カルシウム濃度0.5重量%にて調製し、調製した0.5重量%の塩化カルシウム水溶液(C1−5)を30℃に加温した。次いで、ニトリルゴム成分換算で100部となる量のニトリルゴムのラテックス(L1)を、30℃に加温した塩化カルシウム水溶液(C1−5)1000部(塩化カルシウム換算で、5部)に添加し、温度30℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状のニトリルゴム(N5)を得た。
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)中に含まれるニトリルゴム成分100部に対して、5部となる量の塩化カルシウムを含有する塩化カルシウム水溶液(C1−5)1000部を、塩化カルシウム濃度0.5重量%にて調製し、調製した0.5重量%の塩化カルシウム水溶液(C1−5)を30℃に加温した。次いで、ニトリルゴム成分換算で100部となる量のニトリルゴムのラテックス(L1)を、30℃に加温した塩化カルシウム水溶液(C1−5)1000部(塩化カルシウム換算で、5部)に添加し、温度30℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状のニトリルゴム(N5)を得た。
次いで、得られたニトリルゴム(N5)を用いて、実施例1と同様にして、アセトン溶液の調製および水素化反応を行うことで、水素化ニトリルゴムのアセトン溶液(S2−5)を得た。
次いで、上記にて得られた水素化ニトリルゴムのアセトン溶液(S2−5)を、80℃に加温したイオン交換水に添加し、温度80℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状の水素化ニトリルゴム(H5)を得た。得られた水素化ニトリルゴム(H5)の組成は、アクリロニトリル単位37重量%、1,3−ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)63重量%であり、ヨウ素価は50であった。
そして、上記にて得られた水素化ニトリルゴム(H5)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1と同様にして、ニトリルゴムのラテックス(L1)、および硫酸アルミニウム水溶液(C1−1)を用いて、ラテックスの凝固、アセトン溶液の調製、および水素化反応を行うことで、水素化ニトリルゴムのアセトン溶液(S2−1)を得た。
実施例1と同様にして、ニトリルゴムのラテックス(L1)、および硫酸アルミニウム水溶液(C1−1)を用いて、ラテックスの凝固、アセトン溶液の調製、および水素化反応を行うことで、水素化ニトリルゴムのアセトン溶液(S2−1)を得た。
次いで、得られた水素化ニトリルゴムのアセトン溶液(S2−1)を、80℃に加温したイオン交換水に添加し、温度80℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状の水素化ニトリルゴム(H6)を得た。得られた水素化ニトリルゴム(H6)の組成は、アクリロニトリル単位37重量%、1,3−ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)63重量%であり、ヨウ素価は26であった。
そして、上記にて得られた水素化ニトリルゴム(H6)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例3>
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)中に含まれるニトリルゴム成分100部に対して、20部となる量の塩化ナトリウムを含有する塩化ナトリウム水溶液(C1−7)200部を、塩化ナトリウム濃度10重量%にて調製し、調製した10重量%の塩化ナトリウム水溶液(C1−7)を30℃に加温した。次いで、ニトリルゴム成分換算で100部となる量のニトリルゴムのラテックス(L1)を、30℃に加温した塩化ナトリウム水溶液(C1−7)200部(塩化ナトリウム換算で、20部)に添加し、温度30℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状のニトリルゴム(N7)を得た。
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)中に含まれるニトリルゴム成分100部に対して、20部となる量の塩化ナトリウムを含有する塩化ナトリウム水溶液(C1−7)200部を、塩化ナトリウム濃度10重量%にて調製し、調製した10重量%の塩化ナトリウム水溶液(C1−7)を30℃に加温した。次いで、ニトリルゴム成分換算で100部となる量のニトリルゴムのラテックス(L1)を、30℃に加温した塩化ナトリウム水溶液(C1−7)200部(塩化ナトリウム換算で、20部)に添加し、温度30℃にて攪拌することで凝固させ、得られた凝固物を水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間真空乾燥することで、固形状のニトリルゴム(N7)を得た。
次いで、得られたニトリルゴム(N7)を用いて、実施例1と同様にして、アセトン溶液の調製、水素化反応、および、水素化反応後の凝固を行うことで、固形状の水素化ニトリルゴム(H7)を得た。得られた水素化ニトリルゴム(H7)の組成は、アクリロニトリル単位37重量%、1,3−ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)63重量%であり、ヨウ素価は60であった。
そして、上記にて得られた水素化ニトリルゴム(H7)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例4>
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)に代えて、合成例2で得られたニトリルゴムのラテックス(L2)を使用した以外は、比較例2と同様にして、ラテックスの凝固、アセトン溶液の調製、水素化反応、および、水素化反応後の凝固を行うことで、固形状の水素化ニトリルゴム(H8)を得た。得られた水素化ニトリルゴム(H8)の組成は、アクリロニトリル単位19重量%、アクリル酸n−ブチル単位34重量%、1,3−ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)47重量%であり、ヨウ素価は28であった。
合成例1で得られたニトリルゴムのラテックス(L1)に代えて、合成例2で得られたニトリルゴムのラテックス(L2)を使用した以外は、比較例2と同様にして、ラテックスの凝固、アセトン溶液の調製、水素化反応、および、水素化反応後の凝固を行うことで、固形状の水素化ニトリルゴム(H8)を得た。得られた水素化ニトリルゴム(H8)の組成は、アクリロニトリル単位19重量%、アクリル酸n−ブチル単位34重量%、1,3−ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)47重量%であり、ヨウ素価は28であった。
そして、上記にて得られた水素化ニトリルゴム(H8)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例5>
水素化反応を行う際における、パラジウム・シリカ触媒の使用量を800重量ppmとした以外は、比較例1と同様にして、ラテックスの凝固、アセトン溶液の調製、水素化反応、および、水素化反応後の凝固を行うことで、固形状の水素化ニトリルゴム(H9)を得た。得られた水素化ニトリルゴム(H9)の組成は、アクリロニトリル単位37重量%、1,3−ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)63重量%であり、ヨウ素価は30であった。
水素化反応を行う際における、パラジウム・シリカ触媒の使用量を800重量ppmとした以外は、比較例1と同様にして、ラテックスの凝固、アセトン溶液の調製、水素化反応、および、水素化反応後の凝固を行うことで、固形状の水素化ニトリルゴム(H9)を得た。得られた水素化ニトリルゴム(H9)の組成は、アクリロニトリル単位37重量%、1,3−ブタジエン単位(飽和化されている部分を含む)63重量%であり、ヨウ素価は30であった。
そして、上記にて得られた水素化ニトリルゴム(H9)を使用した以外は、実施例1と同様にして、架橋性ゴム組成物を調製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
表1に示すように、水素化前のニトリルゴムのラテックスの凝固を、ハロゲン原子非含有の金属塩を用いて行うとともに、水素化後の水素化ニトリルゴムの溶液の凝固を、2価の金属塩を用いて行った場合には、得られるゴム架橋物は、引張強度および伸びが大きく、耐熱耐油性に優れ、金属に対する接着性にも優れたものであった(実施例1〜4)。
一方、水素化前のニトリルゴムのラテックスの凝固を、ハロゲン原子を含有する金属塩を用いて行った場合には、得られるゴム架橋物は、耐熱耐油性に劣る結果となった(比較例1,3,5)。
また、水素化前のニトリルゴムのラテックスの凝固を、ハロゲン原子非含有の金属塩を用いて行った一方で、水素化後の水素化ニトリルゴムの溶液の凝固を、2価の金属塩を使用せず、イオン交換水を用いて行った場合には、得られるゴム架橋物は、90℃隔離強度が低く、剥離破壊の割合も低く、金属に対する接着性に劣るものであった(比較例2,4)。
一方、水素化前のニトリルゴムのラテックスの凝固を、ハロゲン原子を含有する金属塩を用いて行った場合には、得られるゴム架橋物は、耐熱耐油性に劣る結果となった(比較例1,3,5)。
また、水素化前のニトリルゴムのラテックスの凝固を、ハロゲン原子非含有の金属塩を用いて行った一方で、水素化後の水素化ニトリルゴムの溶液の凝固を、2価の金属塩を使用せず、イオン交換水を用いて行った場合には、得られるゴム架橋物は、90℃隔離強度が低く、剥離破壊の割合も低く、金属に対する接着性に劣るものであった(比較例2,4)。
Claims (10)
- ヨウ素価が120以下である水素化ニトリルゴムを製造する方法であって、
ニトリルゴムのラテックスに、凝固剤として、ハロゲン原子非含有の金属塩を添加して、ニトリルゴムを凝固させる第1凝固工程と、
凝固させた前記ニトリルゴムを、有機溶媒に溶解することで、ニトリルゴムの溶液を調製する溶液調製工程と、
前記ニトリルゴムの溶液に対し、水素化反応を行うことで、水素化ニトリルゴムの溶液を得る水素化工程と、
前記水素化ニトリルゴムの溶液に、凝固剤として、2価の金属塩を添加することで、水素化ニトリルゴムを凝固させる第2凝固工程と、を備える水素化ニトリルゴムの製造方法。 - 前記ハロゲン原子非含有の金属塩が、金属の硫酸塩である請求項1に記載の水素化ニトリルゴムの製造方法。
- 前記ハロゲン原子非含有の金属塩が、硫酸マグネシウムまたは硫酸アルミニウムである請求項2に記載の水素化ニトリルゴムの製造方法。
- 前記2価の金属塩が、2価の金属の塩化物である請求項1〜3のいずれかに記載の水素化ニトリルゴムの製造方法。
- 前記2価の金属塩が、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムである請求項4に記載の水素化ニトリルゴムの製造方法。
- 前記第1凝固工程における、前記ハロゲン原子非含有の金属塩の使用量が、前記ニトリルゴムのラテックス中に含まれるニトリルゴム成分100重量部に対し、0.5〜20重量部であり、
前記第2凝固工程における、前記2価の金属塩の使用量が、前記水素化ニトリルゴムの溶液中に含まれる水素化ニトリルゴム成分100重量部に対し、0.01〜0.5重量部である請求項1〜5のいずれかに記載の水素化ニトリルゴムの製造方法。 - 前記第1凝固工程における凝固を、前記ハロゲン原子非含有の金属塩の水溶液に、前記ニトリルゴムのラテックスを添加して攪拌することにより行う請求項1〜6のいずれかに記載の水素化ニトリルゴムの製造方法。
- 前記第2凝固工程における凝固を、前記2価の金属塩の水溶液に、前記水素化ニトリルゴムの溶液を添加して攪拌することにより行う請求項1〜7のいずれかに記載の水素化ニトリルゴムの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により得られる水素化ニトリルゴムに、架橋剤を添加する工程を備える架橋性ゴム組成物の製造方法。
- 請求項9に記載の製造方法により得られる架橋性ゴム組成物を架橋させる工程を備えるゴム架橋物の製造方法。
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