JPWO2019087227A1 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents

Abstract

台板にインジェクションポートが形成された固定スクロールと、前記固定スクロールとともに圧縮室を形成する揺動スクロールと、前記固定スクロールおよび前記揺動スクロールを収容したシェルと、前記シェルの外部から導入され、一部は前記シェルに固定されており、前記シェルの内部における一端側は前記インジェクションポートに配置されたインジェクション機構部と、を備えたスクロール圧縮機であって、前記インジェクション機構部は、前記スクロール圧縮機の駆動時に、前記揺動スクロールの方向に対して逆の方向へ変位または変形する前記固定スクロールを押さえる押さえ部材を兼ねる。

Description

この発明は、スクロール圧縮機における固定スクロールの浮き上がり抑制構造に関するものである。
スクロール圧縮機は、シェル内部に固定されたフレームに揺動スクロールが支持され、その揺動スクロールに対向して固定スクロールが設けられている。揺動スクロールにはクランクシャフトが取り付けられ、このクランクシャフトを回転させることで、揺動スクロールが固定スクロールに対して揺動運動し、揺動スクロールと固定スクロールとで形成された圧縮室で冷媒を圧縮する。(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−256974号公報
特許文献1のスクロール圧縮機では、圧縮機駆動中に、固定スクロールが変位することがある。例えば、固定スクロールをシェルに直接固定する構造において、低圧縮比状態で運転されていたり、均圧時から起動時に低圧空間の内圧が上昇したりすることで、渦巻内が過圧縮状態になり固定スクロールがシェルからアッパーシェル側に離れる方向に抜ける可能性がある。圧縮室の内圧上昇は、インジェクション機構部により、冷媒を圧縮室に供給する構造で顕著になる場合がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、固定スクロールの変位または変形を抑制可能なスクロール圧縮機を提供することを目的とするものである。
この発明に係るスクロール圧縮機は、台板にインジェクションポートが形成された固定スクロールと、前記固定スクロールとともに圧縮室を形成する揺動スクロールと、前記固定スクロールおよび前記揺動スクロールを収容したシェルと、前記シェルの外部から導入され、一部は前記シェルに固定されており、前記シェルの内部における一端側は前記インジェクションポートに配置されたインジェクション機構部と、を備えたスクロール圧縮機であって、前記インジェクション機構部は、前記スクロール圧縮機の駆動時に、前記揺動スクロールの方向に対して逆の方向へ変位または変形する前記固定スクロールを押さえる押さえ部材を兼ねる。
この発明によれば、固定スクロールの変位または変形を抑制することができる。
この発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の外観図である。 図1のスクロール圧縮機を側面から見たときの外観図である。 図2のスクロール圧縮機のX−X’断面を矢印方向から見たときの断面図である。 この発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の一部構成の分解斜視図である。 メインシェルに固定された固定スクロールを上から見た図である。 冷凍サイクル装置の冷媒回路について説明するための図である。 図3の一点鎖線の領域Yの拡大図である。 図7の二点鎖線の領域Zの拡大図である。 メインシェルの一製造方法について説明するための図である。 通常時と冷媒過大供給時の冷媒インジェクションによる時間と圧縮室の圧力の関係について説明するための図である。 この発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機の断面図である。 この発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機の断面図である。
以下、図面を参照して、この発明の一実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさおよび配置等は、この発明の範囲内で適宜変更することができる。
実施の形態1.
以下、実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の外観図である。図2は、図1のスクロール圧縮機を側面から見たときの外観図である。図3は、図2のスクロール圧縮機のX−X’断面を矢印方向から見たときの断面図である。図4は、この発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の一部構成の分解斜視図である。なお、図3においては、シェルおよび圧縮機構等、構成の一部は断面で示しているが、その他の構成は外観図として図示している。
スクロール圧縮機は、シェル1と、メインフレーム2と、圧縮機構部3と、駆動機構部4と、サブフレーム5と、クランクシャフト6と、ブッシュ7と、給電部8と、インジェクション機構部9と、を備えている。なお、実施の形態1の圧縮機は、クランクシャフト6の中心軸が地面に対して略垂直の状態で使用される、いわゆる縦置型のスクロール圧縮機である。以下では、図中の矢印U側を上側、矢印L側を下側として説明する。
シェル1は、金属などの導電性部材からなる両端が閉塞された筒状の筐体であり、メインシェル11と、アッパーシェル12と、ロアシェル13と、吸入管14と、吐出管15と、固定台16と、を備えている。メインシェル11は、円筒状を呈する中空な管である。アッパーシェル12は、略半球状を呈しており、その一部がメインシェル11の上端部においてろう付け等により接続され、メインシェル11の一端の開口を覆っている。ロアシェル13は、略半球状を呈しており、その一部がメインシェル11の下端部において、溶接等により接続され、メインシェル11の他端の開口を覆っている。吸入管14は、冷媒をシェル1の内部に導入するための管であり、シェル1の内部空間と連通するように、メインシェル11の側壁にろう付け等により接続されている。吐出管15は、冷媒をシェル1の外部に吐出するための管であり、シェル1の内部空間と連通するように、アッパーシェル12の上部にろう付け等により接続されている。固定台16は、シェル1を支える支持台である。固定台16はそれぞれにネジ孔が形成された複数の脚部を有しており、それらのネジ穴にネジをねじ込むことによって、スクロール圧縮機を空調室外機の筐体等の他の部材に固定可能になっている。
メインフレーム2は、空洞が形成された中空な金属製の支持部材であり、シェル1の内部に設けられている。メインフレーム2は、本体部21と、平坦面22と、収容部23と、軸孔24と、吸入ポート25と、返油孔26と、を備えている。本体部21は、メインフレーム2を構成する主要部である。平坦面22は、本体部21における上側Uに形成され、収容部23を囲む環状を呈している。平坦面22には、例えば鋼板系材料からなり、環状のスラストプレート221が配置されている。本実施形態では、このスラストプレート221がスラスト軸受の一つとして機能する。収容部23は、メインフレーム2の径方向の中央に、シェル1の長手方向、すなわちメインシェル11の軸方向に沿って形成されている。収容部23は、メインフレーム2の一端に開口する開口部を有するとともに、上側Uに向かって空間が広くなる段状になっている。収容部23の相対的に空間が広い開口部側にはオルダム収容部231、相対的に空間が狭い下側Lにはブッシュ収容部232が形成されている。また、オルダム収容部231には、一対の第1オルダム溝233が形成されている。軸孔24は、メインフレーム2の他端に開口する開口部を有するとともに、収容部23の下側Lに設けられ、ブッシュ収容部232と連通している。すなわち、収容部23および軸孔24により、メインフレーム2の上下に貫通する空間が形成されている。なお、この軸孔24が形成されているメインフレーム2の部分は、主軸受部として機能する。
吸入ポート25は、メインフレーム2のアッパーシェル12側とロアシェル13側を繋ぐ上下方向に貫通する孔であり、メインフレーム2の平坦面22の外端側、かつスラストプレート221と重ならない位置に形成されている。具体的には、スラストプレート221に形成された切欠き2211に対応する位置に形成されている。返油孔26は、メインフレーム2における下側Lに形成され、ブッシュ収容部232と連通している。この返油孔26には、収容部23に溜まった潤滑油をロアシェル13の内側の油溜めに戻すための返油管27が挿入されている。なお、吸入ポート25、返油孔26および返油管27は、一つに限らず、複数形成されていても良い。
圧縮機構部3は、冷媒を圧縮する圧縮機構である。圧縮機構部3は、固定スクロール31と、揺動スクロール32と、オルダムリング33と、を備えたスクロール圧縮機構であり、これらスクロールにより圧縮室34が形成される。固定スクロール31は、鋳鉄等の金属からなり、第1台板311と、第1渦巻体312と、吐出ポート313と、インジェクションポート314と、吐出弁315と、を備えている。第1台板311は、円盤状を呈している。第1渦巻体312は、第1台板311における下側Lの面から突出して形成された渦巻状の壁である。吐出ポート313は、第1台板311の略中央に、その厚み方向である上下方向に貫通して形成され、第1渦巻体312の中央側の端部に位置している。インジェクションポート314は、第1台板311に圧縮室34と連通するように、その厚み方向である上下方向に貫通して形成されている。本実施の形態では、インジェクションポート314は、図5に示すように、吐出ポート313を挟んで一対形成されている。吐出弁315は、第1台板311に吐出ポート313を塞ぐように設けられ、圧縮室34が所望の圧力に達したときに、吐出ポート313を開状態にする。
揺動スクロール32は、アルミニウム等の金属からなり、第2台板321と、第2渦巻体322と、筒状部323と、第2オルダム溝324と、を備えている。第2台板321は、一方の面と、外周領域の少なくとも一部がスラストプレート221と摺動する摺動面を有する他方の面と、径方向の最外部に位置し、一方の面と他方の面とを接続する側面3211と、を備えた円盤状を呈している。第2渦巻体322は、第2台板321の一方の面から突出して形成された渦巻状の壁である。なお、第1渦巻体312の先端部と第2渦巻体322の先端部とには、冷媒の漏れを抑制するためのシール部材が設けられている。筒状部323は、第2台板321の他方の面の略中央から下側Lに突出して形成された円筒状のボスである。筒状部323の内周面には、後述するスライダ71を回転自在に支持する揺動軸受、いわゆるジャーナル軸受が、その中心軸がクランクシャフト6の中心軸と平行になるように設けられている。第2オルダム溝324は、第2台板321の他方の面に形成された長丸形状の溝である。第2オルダム溝324は、一対設けられ、それらは対向するように配置されている。一対の第2オルダム溝324を結ぶ線は、一対の第1オルダム溝233を結ぶ線に対して、直交する関係になるように設けられている。
オルダムリング33は、揺動スクロール32が自転することを防止するための部材であり、リング部331と、第1キー部332と、第2キー部333と、を備えている。リング部331は、リング状を呈しており、メインフレーム2のオルダム収容部231に設けられている。第1キー部332は、リング部331の下側Lの面に一対が対向するように形成されており、メインフレーム2の一対の第1オルダム溝233に収容される。第2キー部333は、リング部331の上側Uの面に一対が対向するように形成されており、揺動スクロール32の一対の第2オルダム溝324に収容される。
圧縮室34は、固定スクロール31の第1渦巻体312と、揺動スクロール32の第2渦巻体322と、を互いに噛み合わせることにより形成されている。圧縮室34は、半径方向において、外側から内側へ向かうに従って容積が縮小するものであるため、冷媒を渦巻体の外端側から取り入れて、中央側に移動させることで徐々に圧縮される。圧縮室34は、冷媒が最も圧縮される高圧縮域にて吐出ポート313と連通し、冷媒が圧縮過程の中間圧域にてインジェクションポート314と連通する。
冷媒は、例えば、組成中に、炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素、炭素の二重結合を有しないハロゲン化炭化水素、自然冷媒、又は、それらを含む混合物を使用することができる。炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素は、R1234yf(CF3CF=CH2)、R1234ze(CF3CH=CHF)、R1233zd(CF3CH=CHCl)等のHFO冷媒が挙げられる。炭素の二重結合を有しないハロゲン化炭化水素は、R32(CH2F2)、R41(CH3F)、R125(C2HF3)、R134a(CH2FCF2)、R143a(CF3CH3)、R410A(R32/R125)、R407C(R32/R125/R134a)等のHFC冷媒が挙げられる。CH2F2で表されるR32(ジフルオロメタン)、R41等が混合された冷媒が例示される。自然冷媒は、アンモニア(NH3)、二酸化炭素(CO2)、プロパン(C3H8)、プロピレン(C3H6)、ブタン(C4H10)、イソブタン(CH(CH3)3)等が挙げられる。冷媒は、オゾン層破壊係数がゼロで、低GWPの冷媒が望ましい。
駆動機構部4は、メインフレーム2より下側Lに設けられている。駆動機構部4はステータ41と、ロータ42と、を備えている。ステータ41は、例えば電磁鋼板を複数積層してなる鉄心に、絶縁層を介して巻線を巻回してなる固定子で、リング状に形成されている。ステータ41は、焼き嵌め等によりメインシェル11内部に固着支持されている。ロータ42は、電磁鋼板を複数積層してなる鉄心の内部に永久磁石を内蔵するとともに、中央に上下方向に貫通する貫通穴を有する円筒状の回転子であり、ステータ41の内部空間に配置されている。
サブフレーム5は、金属製のフレームであり、駆動機構部4の下側Lに設けられ、焼き嵌め、または溶接等によってメインシェル11の内周面に固着支持されている。サブフレーム5は、副軸受部51と、オイルポンプ52と、を備えている。副軸受部51は、サブフレーム5の中央部上側に設けられたボールベアリングであり、中央に上下方向に貫通する孔を有している。オイルポンプ52は、サブフレーム5の中央部下側に設けられており、シェル1の油溜めに貯留された潤滑油に少なくとも一部が浸漬するように配置されている。
潤滑油は、シェル1の下部、すなわちロアシェル13に貯留されており、オイルポンプ52で吸い上げられて、後述するクランクシャフト6内の通油路63を通り、圧縮機構部3等の機械的に接触するパーツ同士の摩耗低減、摺動部の温度調節、シール性を改善する。潤滑油としては、潤滑特性、電気絶縁性、安定性、冷媒溶解性、低温流動性などに優れるとともに、適度な粘度の油が好適である。例えば、ナフテン系、ポリオールエステル(POE)、ポリビニールエーテル(PVE)、ポリアルキレングリコール(PAG)の油を使用することができる。
クランクシャフト6は、長尺な金属製の棒状部材であり、シェル1の内部に設けられている。クランクシャフト6は、主軸部61と、偏心軸部62と、通油路63と、を備えている。主軸部61は、クランクシャフト6の主要部を構成する軸であり、その中心軸がメインシェル11の中心軸と一致するように配置されている。主軸部61は、ロータ42の中心の貫通孔に焼嵌め等により固定されている。偏心軸部62は、その中心軸が主軸部61の中心軸に対して偏心するように、主軸部61の上側Uに設けられている。通油路63は、主軸部61および偏心軸部62の内部に、軸方向にそって上下に貫通して設けられている。このクランクシャフト6は、主軸部61における上側Uはメインフレーム2の軸孔24に挿入され、下側Lがサブフレーム5の副軸受部51の貫通孔に挿入固定される。これに伴い、偏心軸部62は筒状部323の筒内に配置され、ロータ42は、その外周面がステータ41の内周面と所定の隙間を保って配置される。また、主軸部61の上側Uには第1バランサ64、下側Lには第2バランサ65が、揺動スクロール32の搖動することによるアンバランスを相殺するために設けられている。
ブッシュ7は、鉄等の金属からなり、揺動スクロール32とクランクシャフト6を接続する接続部材である。ブッシュ7は、図4に示すように、本実施形態では2パーツで構成され、スライダ71と、バランスウエイト72と、を備える。スライダ71は、鍔が形成された筒状の部材であり、偏心軸部62に挿入固定された状態で、筒状部323嵌入されている。バランスウエイト72は、上側Uから見た形状が略C状を呈するウエイト部721を備えたドーナツ状の部材であり、揺動スクロール32の遠心力を相殺するために、回転中心に対して偏芯して設けられている。バランスウエイト72は、例えばスライダ71の鍔に焼嵌め等の方法により、嵌合されている。
給電部8は、スクロール圧縮機に給電する給電部材であり、シェル1のメインシェル11の外周面に形成されている。給電部8は、カバー81と、給電端子82と、配線83と、を備えている。カバー81は、有底開口のカバー部材である。給電端子82は、金属部材からなり、一方がカバー81の内部に設けられ、他方がシェル1の内部に設けられている。配線83は、一方が給電端子82と接続され、他方がステータ41と接続されている。
インジェクション機構部9は、圧縮室34に液冷媒または気液二相冷媒を供給する部材であり、インジェクション管91と、導入管92と、連結管93と、を備えている。インジェクション管91は、例えば銅を含む金属からなる管であり、一端側が固定スクロール31のインジェクションポート314に配置されている。本実施の形態では、インジェクション管91は、複数で構成され、同様のものが2本設けられている。導入管92は、金属からなる管であり、シェル1の外部から導入され、一部がアッパーシェル12にろう付け等により固定されている。連結管93は、導入管92のシェル1の内部における端部と、複数のインジェクション管91の他端側とを連結する筒状の連結部材である。すなわち、連結管93は、筒の両端および側面に孔が形成されており、両端の孔にはインジェクション管91がそれぞれ挿入された状態でろう付け等により固定され、側面の孔には導入管92が挿入された状態でろう付け等により固定されている。なお、インジェクション機構部9は、スクロール圧縮機の駆動時に、揺動スクロール32の方向に対して逆の方向、アッパーシェル12の方向へ変位または変形する固定スクロール31を押さえる押さえ部材の機能を兼ねている。この機能の詳細については、後述する。
このインジェクション機構部9は、冷媒回路では、図6に示す部分に位置している。すなわち、圧縮機101、凝縮器102、第1の絞り装置103、蒸発器104を順次配管で接続した冷媒回路10において、凝縮器102と第1の絞り装置103の間から分岐し、第2の絞り装置105、開閉装置106を介して圧縮機101の圧縮室34に液冷媒または気液二相冷媒を供給する。液冷媒または気液二相冷媒を供給は、圧縮機101の吐出温度を測定する温度センサ107の温度検出情報に基づいて、制御装置108が第2の絞り装置105および開閉装置106の開度を制御することで調整される。
ここで、シェル1と圧縮機構部3の関係について、図7を参照してさらに詳しく説明する。図7は、図3の一点鎖線の領域Yの拡大図である。
図7に示すように、メインシェル11は、第1内壁面111と、第1内壁面111から突出し、固定スクロール31を位置決めする第1突出部112と、第1突出部112においてアッパーシェル12の側に向けて形成されている第1位置決め面113と、を有している。つまり、メインシェル11は、下側Lに向かって内径が大きくなる段状の部分を備えている。そして、固定スクロール31は、第1位置決め面113で位置決めされた状態で、焼嵌めや溶接等により、第1内壁面111に固定されている。なお、メインフレーム2も、シェル1の第2内壁面114から突出する第2突出部115の第2位置決め面116で位置決めされた状態で、第2内壁面114に焼嵌め等により固定されている。
この構造により、従来のように固定スクロール31をネジ固定するための壁がメインフレーム2に不要になる。すなわち、揺動スクロール32の第2台板321の側面3211とメインシェル11の内壁面との間にメインフレーム2の壁が介在せず、第2台板321の側面3211とメインシェル11の内壁面とが対向して配置される構造となる。そのため、メインシェル11内における固定スクロール31の第1台板311とメインフレーム2のスラスト軸受との間に形成される冷媒取込空間37を従来よりも広げることができる。これにより、シェルや渦巻体等は従来設計のままで、揺動スクロール32の第2台板321およびスラストプレート221の直径を大きくすることで、スラスト荷重を低減したり、揺動スクロール32のサイズはそのままで、メインシェル11の直径を小さくすることで、従来と特性は同等で小型化した圧縮機を得ることが可能になる。
次に、インジェクション機構部9の周辺の構造について、図8を参照してさらに詳しく説明する。図8は、図7の二点鎖線の領域Zの拡大図である。
図7からわかるように、固定スクロール31は、インジェクションポート314の内面に、その径方向の中心に向かって突出する突出部316を有しており、インジェクション管91の一端側における先端部913は、突出部316に対面するように設けられている。この突出部316により形成される孔3151の孔径R1は、インジェクション管91の孔径R2よりも小さくなるように形成されている。また、このインジェクションポート314に配置されるインジェクション管91は、鍔部911と、屈曲部912とを有している。鍔部911は、インジェクションポート314の内面に向かって、すなわち冷媒を吐出する孔に対して径方向の外側に突出するように、先端部913に形成されている。この先端部913と突出部316との間には隙間Dが形成されている。屈曲部912は、インジェクション管91の一方の端部と、他方の端部との間に形成されている。また、導入管92の直径R3は、インジェクション管91の直径R4よりも大きくなるように形成されている。
次に、スクロール圧縮機の製造方法の一例を、図9を参照してさらに詳しく説明する。図9は、メインシェルの一製造方法について説明するための図である。なお、図9は、メインシェル11の一つの壁の断面をわかりやすく図示したものであり、実際の寸法や厚みとは異なる。
まず、(a)のような未加工のメインシェル11の上側Uから切削用のブラシ等(図示なし)を挿入して、内壁面を厚み方向に切削加工し、(b)のように第2内壁面114および第2突出部115による段差を形成する。次に、第2突出部115から上側Uの方向に所定距離離れた第2内壁面114において、切削用のブラシ等で内壁面を厚み方向に所定の深さだけ切削加工することで、(c)のように第1内壁面111および第1突出部112による段差を形成する。このため、第1内壁面111の内径r1は、第2内壁面114の内径r2よりも大きくなる。また、第1突出部112は、第2突出部115よりも上側Uの方向に形成され、その内壁面は第2内壁面114を兼ねた構成となる。なお、第1突出部112を形成した後で、第2突出部115を形成するようにしても良い。さらに、第1突出部112における第1内壁面111との接続部分、および第2突出部115における第2内壁面114との接続部分に、凹み1131、1161を形成する。凹み1131、1161は、切削加工によって上記接続部分に生じやすい曲面を除去し、固定スクロール31を第1位置決め面113に確実に接触するための、いわゆるヌスミである。なお、メインシェル11の厚みは、例えば4〜6mmであり、突出部の高さ、すなわち点線で示した切削加工による削り深さは、例えば0.3mm前後である。
次に、上記のように形成されたメインシェル11の上側Uから、メインフレーム2を挿入する。メインフレーム2は、第2突出部115の第2位置決め面116に面で接触し、高さ方向の位置決めがされる。その状態で、メインフレーム2を第2内壁面114に焼嵌めやアークスポット溶接等により固定する。そして、メインフレーム2の軸孔24にクランクシャフト6を挿入したのち、偏心軸部62にブッシュ7を取り付け、さらにオルダムリング33や揺動スクロール32等を配置する。
次いで、メインシェル11の上側Uから、固定スクロール31を挿入する。固定スクロール31は、第1突出部112の第1位置決め面113に面で接触し、高さ方向に位置決めがされる。なお、本実施の形態では、固定スクロール31の周方向の位置決めをする従来のネジのような部材がないため、固定スクロール31を第1内壁面111に固定するまでは揺動スクロール32に対して固定スクロール31が回転可能であり、第1渦巻体312と第2渦巻体322の位置関係がずれて、スクロール圧縮機の製品ごとに圧縮ばらつきや圧縮不良が発生するおそれがある。そこで、揺動スクロール32の第2渦巻体322に対する第1渦巻体312の位置関係が所定となるように固定スクロール31を回転させて位相を調整したのち、固定スクロール31を第1内壁面111に焼嵌め、スポット溶接等により固定する。なお、第1突出部112は、少なくとも固定スクロール31の製造上の位置決めさえできれば良いので、固定スクロール31を第1内壁面111への固定後に、固定スクロール31が第1位置決め面113と接触していることは必須ではない。メインフレーム2と第2突出部115との関係についても同様である。
最後に、メインシェル11の上側Uから、予め吐出管15とインジェクション機構部9における導入管92を接続したアッパーシェル12を挿入したのち、メインシェル11とアッパーシェル12を溶接やアークスポット溶接等により固定する。その際、アッパーシェル12と導入管92を仮固定としておき、メインシェル11とアッパーシェル12の固定後に、インジェクション管91と突出部316の間の隙間Dを調整するために、インジェクション機構部9の位置を調整後、導入管92をアッパーシェル12に本固定するようにしてもよい。また、アッパーシェル12で固定スクロール31を第1位置決め面113に押付けるように挿入し、かつその状態を維持して固定スクロール31をメインシェル11に固定することで、スクロール圧縮機ごとの冷媒取込空間37の高さのばらつきを抑制し、位置精度を高めるとともに、スクロール圧縮機の駆動時に固定スクロール31が上下方向にずれることを抑制してもよい。
以上で説明したとおり、本実施の形態の圧縮機は、従来のようにメインフレーム2に固定スクロール31の接続用の壁を形成することなく、固定スクロール31をメインシェル11に固定しているため、冷媒取込空間37を拡大することができる。また、ネジ等を使わないため、製造を容易化することができる。
スクロール圧縮機の動作について説明する。給電部8の給電端子82に給電すると、ステータ41とロータ42とにトルクが発生し、これに伴ってクランクシャフト6が回転する。クランクシャフト6の回転は、偏心軸部62およびブッシュ7を介して揺動スクロール32に伝えられる。回転駆動力が伝達された揺動スクロール32は、オルダムリング33により自転を規制され、固定スクロール31に対して偏心公転運動する。その際、揺動スクロール32の他方の面が、スラストプレート221と摺動する。
揺動スクロール32の揺動運動に伴い、吸入管14からシェル1の内部に吸入された冷媒は、メインフレーム2の吸入ポート25を通って冷媒取込空間に到達し、固定スクロール31と揺動スクロール32とで形成される圧縮室34に取り込まれる。そして、冷媒は、揺動スクロール32の偏心公転運動に伴い、外周部から中心方向に移動しながら体積を減じられて圧縮される。揺動スクロール32の偏心公転運転時、揺動スクロール32は自身の遠心力により、ブッシュ7と共に径方向に移動し、第2渦巻体322と第1渦巻体312の側壁面同士が密接する。圧縮された冷媒は、固定スクロール31の吐出ポート313を介して、吐出管15から吐出される。
ここで、インジェクション機構部9は、図6で説明したとおり、圧縮機101から吐出された冷媒の吐出温度に基づいて、圧縮室34の中間圧領域へ冷媒を供給し、冷媒の吐出温度の調整をしている。すなわち、圧縮機101から吐出された冷媒の吐出温度が低い場合は、インジェクション機構部9からの冷媒供給量は供給されない、若しくは少なく、冷媒の吐出温度が高い場合は、冷媒供給量は多くなる。特に、圧縮機101の起動時の低圧縮比状態など、吐出温度が高すぎた場合には、圧縮室34に液冷媒または気液二相冷媒が過剰に供給されるように制御される。このような冷媒過大供給時には、図10に示すように、通常時と比較して圧縮室34の圧力が一定期間急激に上昇する。圧縮室34の圧力が急激に上昇すると、固定スクロール31をアッパーシェル12の方向に押し上げる強い力が作用するため、メインシェル11に固定スクロール31を焼嵌め等で固定している場合には、固定が解除されて固定スクロール31がアッパーシェル12の方向に変位する、いわゆる固定スクロール31の浮き上がりが発生するおそれがある。
これに対して、本実施の形態では、インジェクション機構部9は固定スクロール31を押さえる部材としても機能する。すなわち、スクロール圧縮機の駆動時に、揺動スクロール32の方向に対して逆の方向(アッパーシェル12の方向)へ変位する固定スクロール31を押さえる押さえ部材を兼ねている。したがって、冷媒過大供給時などに、メインシェル11と固定スクロール31の固定が解除された場合、インジェクション機構部9が固定スクロール31の浮き上がりを押さえることにより、固定スクロール31の固定が解除されたことに起因する冷媒漏れ等を防止することができる。
また、本実施の形態では、このインジェクション機構部9の固定スクロール31の押さえ部材としての機能は、固定スクロール31が浮き上がったときの事後的な押さえの機能のみならず、固定スクロール31の浮き上がりが発生する前に積極的に押さえる構成にしている。すなわち、圧縮機が停止時には、インジェクション管91の先端部913とインジェクションポート314の突出部316の間には、隙間Dが形成されているが、冷媒過大供給時若しくはそれよりも前に隙間Dを0にすることで、インジェクション管91を固定スクロール31に当接するよう設定している。具体的には、インジェクション管91は先端部913側が自由端であるため、圧縮機の動作時には温度上昇に伴い伸長して隙間Dが小さくなることを利用して、圧縮機の動作時のアッパーシェル12内の温度、インジェクション管91の肉厚、材質などにより、冷媒過大供給時に隙間Dが0になるよう調整している。したがって、冷媒過大供給時にインジェクション管91の先端部913がインジェクションポート314の突出部316に当接することで、固定スクロール31のアッパーシェル12の方向への浮き上がりを抑制することができる。なお、駆動機構部4が配置されているメインシェル11の空間の圧力が、アッパーシェル12内の空間の圧力よりも低い、いわゆる低圧シェルでは、インジェクション機構部9が位置するアッパーシェル12内の動作時の温度が高くなりやすくなるため、停止時には隙間Dを形成しつつ、動作時にはインジェクション管91の熱膨張を利用して固定スクロール31を押さえる本構造は好適である。
なお、圧縮機が停止時にインジェクション管91の先端部913と固定スクロール31の突出部316の間に隙間Dを形成するのは、圧縮機の通常の動作において、先端部913が熱膨張によって突出部316に当接して、インジェクション機構部9の固定端側に大きな負担がかかることを回避するためである。ただし、インジェクション機構部9の固定端側の負担を軽減する手段を適用する場合には、圧縮機が停止時に隙間Dを0ないし小さくして、圧縮室34の内圧が高くなりすぎる前の段階から固定スクロール31を押さえるようにしてもよい。インジェクション機構部9の固定端側の負担を軽減する手段としては、例えば図8に示すように、導入管92の直径R3をインジェクション管91の直径R4よりも大きくしたり、インジェクション管91に屈曲部912を設けるなどがある。
ここで、インジェクション機構部9の固定スクロール31の押さえ部材としての機能は、固定スクロール31の変位だけでなく、固定スクロール31の変形にも有効である。固定スクロール31をメインフレームの周壁にネジ止め等により固定する構造では、固定強度が高いため固定スクロール31が浮き上がることは生じにくいが、圧縮工程で吐出ポート313とつながる圧縮室34である高圧領域において高圧になることで、固定スクロール31の中央部がアッパーシェル12の方向に反ることがある。固定スクロール31が反ると、一方のスクロールの台板と、他方のスクロールの渦巻体の先端の間に隙間が生じることで、圧縮されたガスが高圧側から低圧側に漏れて圧縮効率を低下させてしまうおそれがあるため、インジェクション機構部9により、このような固定スクロール31の変形を抑制することは効果的である。
この実施の形態では、第1台板311にインジェクションポート314が形成された固定スクロール31と、固定スクロール31とともに圧縮室34を形成する揺動スクロール32と、固定スクロール31および揺動スクロール32を収容したシェル1と、シェル1の外部から導入され、一部はシェル1に固定されており、シェル1の内部における一端側はインジェクションポート314に配置されたインジェクション機構部9と、を備えたスクロール圧縮機であって、インジェクション機構部9は、スクロール圧縮機の駆動時に、揺動スクロール32の方向に対して逆の方向へ変位または変形する固定スクロール31を押さえる押さえ部材を兼ねている。したがって、冷媒過大供給時など、固定スクロール31に圧縮室34側から大きな圧力が作用し、固定スクロール31が浮き上がったり、吐出ポート313付近の固定スクロール31が反っても、インジェクション機構部9によってそれら変位や変形を抑制することができる。
固定スクロール31は、インジェクションポート314の内面に、その径方向の中心に向かって突出する突出部316を有しており、インジェクション管91の一端側における先端部913は、突出部316に対面して設けられている。したがって、インジェクション管91の先端部913をインジェクションポート314の突出部316に当接させ、固定スクロール31を押さえることができる。また、インジェクション管91は、先端部913にインジェクションポート314の内面に向かって突出する鍔部911を有しているため、鍔部911と突出部316とが当接する面積が大きくなり、固定スクロール31の押さえ力を大きくすることができる。
インジェクション管91の先端部913と、突出部316の間には隙間Dが形成されている。また、インジェクション管91は、スクロール圧縮機の駆動時に温度上昇に伴って伸長し、先端部913が突出部316と当接する。したがって、冷媒過大供給時等、圧縮室34の圧力が高まり、固定スクロール31の変位や変形が発生するときに、先端部913で固定スクロール31を押さえることができる。また、インジェクション機構部9は、銅を含む材料で構成されている。さらに、スクロール圧縮機の駆動時において、スクロール圧縮機は、駆動機構部4が配置されているメインシェル11の空間の圧力が、アッパーシェル12内の空間の圧力よりも低い低圧シェルであるため、動作時のインジェクション管91の熱膨張による伸長を大きくできすることができる。
また、インジェクションポート314は、固定スクロール31の台板に複数形成され、インジェクション機構部9は、一端側がそれぞれのインジェクションポート314に配置されている複数のインジェクション管91と、シェル1の外部から導入され、一部がシェル1に固定されている導入管92と、複数のインジェクション管91の他端側と、導入管92のシェル1の内部における端部と、を連結する連結管93と、を備え、複数のインジェクション管91は、一端側と、他端側との間に屈曲部912が形成されている。したがって、圧縮機が停止時、若しくは圧力が大きくなる前に、インジェクション管91の先端部913が突出部316に当接する状況であっても、先端部913で固定スクロール31を過度に押さえることでインジェクション機構部9のアッパーシェル12との固定箇所にかかる大きな負担を、屈曲部912で吸収することができる。また、導入管92の直径は、インジェクション管91の直径よりも大きいため、インジェクション機構部9のアッパーシェル12との固定箇所にかかる負担を軽減することができる。
シェル1は、固定スクロール31および揺動スクロール32を収容する筒状のメインシェル11と、メインシェル11に接続され、メインシェル11の一方の開口を塞ぐアッパーシェル12と、を備え、メインシェル11は、第1内壁面111と、第1内壁面111から突出し、固定スクロール31を位置決めする第1突出部112と、を有し、固定スクロール31は、第1内壁面111に固定されている。このような構造では、従来のような固定スクロール31をメインフレーム2にネジ固定する構造と比較して、固定強度が低いため、冷媒過大供給時などに固定スクロール31が変位しやすいが、インジェクション機構部9がその押さえ部材を兼ねることで、当該不具合を軽減することができる。
実施の形態2.
図11は、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機の断面図である。以下の実施の形態等では、図1〜図10のスクロール圧縮機と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
実施の形態2では、インジェクションポート314Aは、固定スクロール31Aの圧縮室34の外側の冷媒吸込み空間、具体的には第1渦巻体312の最外端付近に設けられ、インジェクション機構部9Aは、インジェクション管で構成され、シェル1の内部における一端側がインジェクションポート314Aに配置されることで、低圧領域に冷媒を供給する構造になっている。また、インジェクション機構部9Aのシェル1の内部における一端側と、固定スクロール31Aの突出部316の間には、圧縮室34とインジェクションポート314Aの連通または非連通を制御する弁機構94が設けられ、インジェクション機構部9Aと、弁機構94との間には隙間Dが設けられている。インジェクションポート314Aおよびインジェクション機構部9Aは、各々一対であるが、数量はこれに限られない。
この実施の形態では、第1の実施の形態同様に、押さえ部材を兼ねるインジェクション機構部9Aにより、スクロール圧縮機の駆動時に、揺動スクロール32の方向に対して逆の方向へ変位または変形する固定スクロール31を押さえることができる。
また、インジェクション機構部9Aは、インジェクション管で構成されているため、簡単な構造で押さえ部材を構成できる。また、インジェクションポート314Aは圧縮室34の外側の冷媒吸入部付近に形成したため、圧縮室34にデッドボリュームが形成されることを防止できる。さらに、インジェクション機構部9Aと突出部316の間には、圧縮室34とインジェクションポート314Aの連通または非連通を制御する弁機構94が設けられているため、圧縮した高圧冷媒がインジェクションポート314Aを通って漏れたり、冷媒非供給時のデッドボリュームが増加することを抑制することができる。なお、弁機構94は、実施形態1のようにインジェクションポート314Aが中高圧〜高圧の圧縮室34とつながる場合に特に有効である。また、バネ等の弾性手段を用いて開閉を制御する機構の他、差圧で開閉を制御する機構であってもよい。
実施の形態3.
図12は、本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機の断面図である。
実施の形態3では、固定スクロール31Bの第1台板311Bにインジェクションポート314Bとつながる横穴317を形成し、メインシェル11の側面に形成した孔からインジェクション機構部としてインジェクション管91Bを挿入配置している。また、固定スクロール31Bの第1台板311Bの上端部に凹部を形成し、その凹部に吐出管15Bを挿入配置している。
この実施の形態では、固定スクロール31Bは、第1台板311Bの径方向に沿って形成され、インジェクションポート314Bと連通する横穴317が形成されており、インジェクション管91Bのシェルの内部における一端側は、横穴317に配置されているため、第1の実施の形態同様に、押さえ部材を兼ねるインジェクション機構部9Aにより、スクロール圧縮機の駆動時に、揺動スクロール32の方向に対して逆の方向へ変位または変形する固定スクロール31を押さえることができる。
また、吐出管15Bが固定スクロール31Bの第1台板311Bを押さえる構造になっているため、揺動スクロール32の方向に対して逆の方向へ変位または変形する固定スクロール31を押さえることができる。なお、アッパーシェル12で固定スクロール31Bの第1台板311Bを押さえる構造をさらに採用しても良い。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、縦型スクロール圧縮機について説明したが、横型のスクロール圧縮機にも適用できる。その際、横型のスクロール圧縮機においては、メインフレームを基準として、上側Uは圧縮機構部が設けられている側、下側Lは駆動機構部が設けられている側に置き換えてみることができる。また、低圧シェル方式のスクロール圧縮機に限らず、駆動機構部が配置されたメインシェル内の空間の圧力が冷媒取込空間の圧力よりも高くなる高圧シェル方式のスクロール圧縮機にも適用できる。
1 シェル、11 メインシェル、111 第1内壁面、112 第1突出部、113 第1位置決め面、1131 凹み、114 第2内壁面、115 第2突出部、116 第2位置決め面、1161 凹み、12 アッパーシェル、13 ロアシェル、14 吸入管、15 吐出管、16 固定台、2 メインフレーム、21 本体部、22 平坦面、221 スラストプレート、2211 切欠き、23 収容部、231 オルダム収容部、232 ブッシュ収容部、233 第1オルダム溝、24 軸孔、25 吸入ポート、26 返油孔、27 返油管、3 圧縮機構部、31、31A、31B 固定スクロール、311、311B 第1台板、312 第1渦巻体、313 吐出ポート、314、314A、314B インジェクションポート、315 吐出弁、316 突出部、3161 孔、317 横穴、32 揺動スクロール、321 第2台板、322 第2渦巻体、3211 側面、323 筒状部、324 第2オルダム溝、33 オルダムリング、331 リング部、332 第1キー部、333 第2キー部、34 圧縮室、4 駆動機構部、41 ステータ、42 ロータ、5 サブフレーム、51 副軸受部、52 オイルポンプ、6 クランクシャフト、61 主軸部、62 偏心軸部、63 通油路、7 ブッシュ、71 スライダ、72 バランスウエイト、721 ウエイト部、8 給電部、81 カバー、82 給電端子、83 配線、9、9A インジェクション機構部、91、91B インジェクション管、911 鍔部、912 屈曲部、913 先端部、92 導入管、93 連結管、94 弁機構、101 圧縮機、102 凝縮器、103 第1の絞り装置、104 蒸発器、105 第2の絞り装置、106 開閉装置、107 温度センサ、108 制御装置、U 上側、L 下側。
この発明に係るスクロール圧縮機は、台板にインジェクションポートが形成された固定スクロールと、前記固定スクロールとともに圧縮室を形成する揺動スクロールと、前記固定スクロールおよび前記揺動スクロールを収容したシェルと、前記シェルの外部から導入され、一部は前記シェルに固定されており、前記シェルの内部における一端側は前記インジェクションポートに配置されたインジェクション機構部と、を備えたスクロール圧縮機であって、前記インジェクション機構部は、前記スクロール圧縮機の駆動時に、前記揺動スクロールの方向に対して逆の方向へ変位または変形する前記固定スクロールを押さえる押さえ部材を兼ね、前記シェルは、前記固定スクロールおよび前記揺動スクロールを収容する筒状のメインシェルと、前記メインシェルに接続され、前記メインシェルの一方の開口を塞ぐアッパーシェルと、を備え、前記メインシェルは、第1内壁面と、前記第1内壁面から突出し、前記固定スクロールを位置決めする第1突出部と、を有し、前記固定スクロールは、前記第1内壁面に固定され、前記揺動スクロールを摺動自在に保持するフレームと、を備え、前記メインシェルは、第2内壁面と、前記第2内壁面から突出し、前記フレームを位置決めする第2突出部と、をさらに有し、前記フレームは、前記第2内壁面に固定されている。

Claims (14)

  1. 台板にインジェクションポートが形成された固定スクロールと、
    前記固定スクロールとともに圧縮室を形成する揺動スクロールと、
    前記固定スクロールおよび前記揺動スクロールを収容したシェルと、
    前記シェルの外部から導入され、一部は前記シェルに固定されており、前記シェルの内部における一端側は前記インジェクションポートに配置されたインジェクション機構部と、を備えたスクロール圧縮機であって、
    前記インジェクション機構部は、前記スクロール圧縮機の駆動時に、前記揺動スクロールの方向に対して逆の方向へ変位または変形する前記固定スクロールを押さえる押さえ部材を兼ねるスクロール圧縮機。
  2. 前記インジェクション機構部は、インジェクション管で構成されている請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記固定スクロールは、前記台板の径方向に沿って形成され、前記インジェクションポートと連通する横穴が形成されており、
    前記インジェクション管の前記シェルの内部における一端側は、前記横穴に配置されている請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記インジェクションポートは、前記固定スクロールの前記台板に複数形成され、
    前記インジェクション機構部は、
    一端側がそれぞれの前記インジェクションポートに配置されている複数のインジェクション管と、
    前記シェルの外部から導入され、一部が前記シェルに固定されている導入管と、
    複数の前記インジェクション管の他端側と、前記導入管の前記シェルの内部における端部と、を連結する連結部材と、を備え、
    複数の前記インジェクション管は、前記一端側と、前記他端側との間に屈曲部が形成されている請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記導入管の直径は、前記インジェクション管の直径よりも大きい請求項4に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記固定スクロールは、前記インジェクションポートの内面に、その径方向の中心に向かって突出する突出部を有しており、
    前記インジェクション管の前記一端側における先端部は、前記突出部に対面して設けられている請求項2または請求項4に記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記インジェクション管は、前記先端部に前記インジェクションポートの内面に向かって突出する鍔部を有する請求項6に記載のスクロール圧縮機。
  8. 前記インジェクション管の前記先端部と前記突出部の間には、前記圧縮室と前記インジェクションポートの連通または非連通を制御する弁機構が設けられている請求項6または請求項7に記載のスクロール圧縮機。
  9. 前記インジェクション管の前記先端部と、前記突出部または前記弁機構の間には隙間が形成されている請求項8に記載のスクロール圧縮機。
  10. 前記インジェクション管は、前記スクロール圧縮機の駆動時に温度上昇に伴って伸長し、前記先端部が前記突出部または前記弁機構と当接する請求項9に記載のスクロール圧縮機。
  11. 前記インジェクション機構部は、銅を含む材料で構成されている請求項9または請求項10に記載のスクロール圧縮機。
  12. 前記シェルは、前記固定スクロールおよび前記揺動スクロールを収容する筒状のメインシェルと、前記メインシェルに接続され、前記メインシェルの一方の開口を塞ぐアッパーシェルと、を備え、
    前記メインシェルは、第1内壁面と、前記第1内壁面から突出し、前記固定スクロールを位置決めする第1突出部と、を有し、
    前記固定スクロールは、前記第1内壁面に固定されている請求項1〜請求項11の何れかに記載のスクロール圧縮機。
  13. 前記揺動スクロールを摺動自在に保持するフレームと、を備え、
    前記メインシェルは、第2内壁面と、前記第2内壁面から突出し、前記フレームを位置決めする第2突出部と、をさらに有し、
    前記フレームは、前記第2内壁面に固定されている請求項12に記載のスクロール圧縮機。
  14. 前記メインシェルには、前記フレームに対して、前記固定スクロールとは反対側に駆動機構部を備え、
    前記スクロール圧縮機の駆動時において、前記スクロール圧縮機は、前記駆動機構部が配置されている前記メインシェルの空間の圧力が、前記アッパーシェル内の空間の圧力よりも低い低圧シェルである請求項13に記載のスクロール圧縮機。
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