JPWO2019066065A1 - 電極及び蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

本発明の一態様は、導電性の基材、中間層及び活物質層をこの順に備え、上記中間層が、導電剤、ポリオレフィン及びバインダーを含み、上記中間層における上記導電剤の含有量に対する上記ポリオレフィンの含有量が、質量比で2倍以上20倍以下である蓄電素子用の電極である。

Description

本発明は、電極及び蓄電素子に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車などに多用されている。このような二次電池やキャパシタ等の蓄電素子には、通常予見されない使用などにより発熱、発火等の異常が生じる場合がある。例えば、落下等の衝撃や、製造時に混入した異物などを原因として電極間で短絡が生じ、その結果、過剰に発熱が起きることがある。
従来技術においては、過充電状態となって電池温度が急激に上昇しても、確実に充電電流を遮断して電池の安全性を確保する技術として、正極集電体上に形成された導電層が過充電状態での高電位で分解する物質(炭酸リチウム)を備え、過充電により高電位(例えば4.5〜5.5V)となった場合には、高電位で分解する物質が分解されてガスを発生し、電池の内部抵抗が上昇して充電電流を遮断することができるリチウムイオン二次電池が開示されている(特許文献1参照)。
特開2000−77061号公報
しかしながら、このような導電層が高抵抗となるためには、電池が過充電状態の高電圧である必要があり、電池が過充電状態でない場合の短絡時における発熱抑制効果は十分ではない。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、電極間における短絡発生時に短絡電流の増大を抑制することにより安全性が高い電極及びこの電極を備える蓄電素子を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、導電性の基材、中間層及び活物質層をこの順に備え、上記中間層が、導電剤、ポリオレフィン及びバインダーを含み、上記中間層における上記導電剤の含有量に対する上記ポリオレフィンの含有量が、質量比で2倍以上20倍以下である蓄電素子用の電極である。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様は、当該電極を備える蓄電素子である。
本発明によれば、電極間における短絡発生時に短絡電流の増大を抑制することにより安全性が高い電極及びこの電極を備える蓄電素子を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池を示す外観斜視図である。 本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池を複数個集合して構成した蓄電装置を示す概略図である。 実施例の加熱に伴う抵抗の変化を示すグラフである。 実施例の加熱試験結果を示すグラフである。 実施例の釘刺し試験結果を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る電極は、導電性の基材、中間層及び活物質層をこの順に備え、上記中間層が、導電剤、ポリオレフィン及びバインダーを含み、上記中間層における上記導電剤の含有量に対する上記ポリオレフィンの含有量が、質量比で2倍以上20倍以下である蓄電素子用の電極である。
当該電極によれば、電極間における短絡発生時に短絡電流の増大を抑制することにより高い安全性を備えることができる。このような効果が生じる理由は定かでは無いが、次のように考えられる。当該電極においては、短絡により電極が過剰に発熱した際、中間層中のポリオレフィンが軟化し、導電剤を被覆することができる。このため中間層中の導電剤同士や、基材と活物質層との間の電子伝導経路が分断されるため、基材と活物質層との間の電気抵抗が上昇する。特に、中間層における上記ポリオレフィンの含有量は、導電剤の含有量に対して質量比で2倍以上であることから、上記分断が生じるために十分な量のポリオレフィンによる被覆が導電剤に対してされることから、効果的に電気抵抗の上昇が可能となる。このように、当該電極においては、短絡等による過剰な発熱に伴って、電流のシャットダウン機能が働き、短絡電流の増大を抑制することができるため、高い安全性を備えることができる。
上記中間層が、さらに炭酸化合物、炭酸水素化合物、水酸化物(但し、アルカリ金属の水酸化物は除く)、その他の無機化合物又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。上記中間層が、これらの成分をさらに含むことで、過剰な発熱の際のシャットダウン機能を高めることができ、安全性をより高めることができる。
上記中間層の平均厚みが、0.5m以上10μm以下であることが好ましい。上記中間層の平均厚みを上記範囲とすることで、シャットダウン機能をより高めることができるとともに、正極の薄膜化を図ることができる。
上記中間層における上記ポリオレフィンの含有量としては、30質量%以上90質量%以下が好ましい。上記ポリオレフィンの含有量を上記範囲とすることで、通常時には十分な導電性を確保しつつ、過剰な発熱時に十分に抵抗を高めることができる。
上記中間層における上記導電剤の含有量としては、2質量%以上15質量%以下が好ましい。上記導電剤の含有量を上記範囲とすることで、通常時には十分な導電性を確保しつつ、過剰な発熱時に導電剤間の電子伝導経路が十分に分断され、効果的に抵抗を高めることができる。上記導電剤の含有量の上限が上記範囲であることで、短絡電流の大きさが抑制されるので、より安全性を向上できる。
上記ポリオレフィンの融点としては、140℃以上が好ましい。ポリオレフィンの融点を上記範囲とすることで、通常時には十分な導電性を確保しつつ、過剰な発熱時に導電剤間の電子伝導経路が十分に分断され、効果的に抵抗を高めることができる。製造工程における乾燥時には、軟化されず保型性が維持されるので、効率よく製造できる。
上記ポリオレフィンが粒子状であることが好ましい。ポリオレフィンが粒子状であることで、通常時には十分な導電性を確保しつつ、短絡による過剰な発熱時に軟化して導電剤を被覆することができるので、効果的に抵抗を高めることができる。
当該電極は、正極であることが好ましい。正極活物質層よりも導電性が高い活物質層を備え、基材も導電性の高い銅箔を使用する負極に中間層を設けるよりも、負極より導電性が低い正極に中間層を設けるほうが、電極間における短絡発生時において、短絡電流に対するより高い遮断効果を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る蓄電素子は、当該電極を備える蓄電素子である。当該蓄電素子は、当該電極を備えるため、電極間における短絡発生時に短絡電流の増大を抑制することにより安全性を高めることができる。
以下、本発明の電極の一実施形態としての正極、及び本発明の蓄電素子の一実施形態としての非水電解質二次電池(以下、単に「二次電池」と称することもある)について詳説する。
<正極(電極)>
本発明の一実施形態に係る正極は、正極基材と中間層と正極活物質層とをこの順に備える。正極基材は、基材の一例であり、正極活物質層は、活物質層の一例である。中間層及び正極活物質層は、正極基材の一方の面側にのみ積層されていてもよいし、両面に積層されていてもよい。本実施形態においては、当該正極は、蓄電素子の正極として用いられる。当該電極が正極である場合、中間層を設けることで起こりうる通常時の導電性の低下による影響が生じ難い。このため、通常時には十分な導電性を確保しつつ、過剰な発熱時に十分に抵抗を高めることができる。
[正極基材]
正極基材は、導電性を有する基材である。正極基材の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ及びコストのバランスからアルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。正極基材の形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、正極基材としてはアルミニウム箔が好ましい。アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS−H−4000(2014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。
[中間層]
中間層は、正極基材及び正極活物質層の間に配置され、正極基材の表面の少なくとも一部を被覆している。中間層は、導電剤、ポリオレフィン、及びバインダーを含む。一般的に、中間層は正極基材と正極活物質層との接触抵抗を低減する機能を有する層であり、本実施形態の中間層においては、上記機能に加えて、過剰な発熱時に電流を遮断する機能を有する。
(導電剤)
中間層に含有される導電剤としては、導電性を有する限り、特に限定されない。導電剤としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、天然又は人造の黒鉛、金属、導電性セラミックスなどが挙げられる。導電剤としては、これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。導電剤の形状は、通常、粒子状である。「導電性」を有するとは、JIS−H−0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が10Ω・cm以下であることを意味する。
導電剤の粒子径としては、例えば20nm以上1μm以下であることが好ましい。このような粒子径の導電剤を用いることで、ポリオレフィンの軟化によって導電剤間の電子伝導経路の分断が生じやすく、シャットダウン機能をより高めることができる。粒子径は、JIS−Z−8819−2(2001年)に準拠し計算される体積基準積算分布が50%となる値(D50)を意味する。
中間層における導電剤の含有量の下限としては、例えば1質量%であってもよいが、2質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。中間層における導電剤の含有量が上記下限以上であることにより、通常使用時に十分な導電性を発現することができる。中間層における導電剤の含有量の上限としては、例えば20質量%であってもよいが、15質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。中間層における導電剤の含有量の上限が上記範囲であることで、ポリオレフィンの軟化に伴い導電剤間の電子伝導経路が効果的に分断され、より優れたシャットダウン機能を発現させることができる。中間層における導電剤の含有量が15質量%以下であることで、短絡電流の大きさが抑制されるので、より安全性を向上できる。
(ポリオレフィン)
ポリオレフィンは、不飽和炭化水素化合物であるオレフィンをモノマーとして合成されるポリマーである。ポリオレフィンは、通常、絶縁性である。
ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。これらの中では、融点が比較的高いという観点から、ポリプロピレンが好ましい。ポリオレフィンは、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
上記ポリオレフィンの融点の下限としては、100℃でもよく、140℃が好ましく、160℃がより好ましい。ポリオレフィンの融点を上記範囲とすることで、通常時には十分な導電性を確保しつつ、過剰な発熱時に導電剤間の電子伝導経路が十分に分断され、効果的に抵抗を高めることができる。製造工程における乾燥時には、軟化されず保型性が維持されるので、効率よく製造できる。
上記ポリオレフィンが、通常時の中間層中において粒子状であることが好ましい。ポリオレフィンの融点を上記範囲とすることで、通常時には十分な導電性を確保しつつ、短絡による過剰な発熱時に軟化して導電剤を被覆することができるので、効果的に抵抗を高めることができる。上記粒子状とは、粒子形状を保っていれば、粒子同士の一部が溶けて結着していてもよい。
ポリオレフィンが粒子状である場合、ポリオレフィンの粒子径が導電剤の粒子径よりも大きいことが好ましい。このような粒子径のポリオレフィンを用いることで、中間層の厚み方向においてポリオレフィンが導電剤よりも高さがある状態で存在する。そのため、短絡による過剰な発熱時に軟化したポリオレフィンが導電剤を被覆することができるので、効果的に抵抗を高めることができ、短絡電流の増大の抑制効果を向上できる。ポリオレフィンの粒子径としては例えば1μm以上10μm以下であることが好ましい。粒子径は、JIS−Z−8819−2(2001年)に準拠し計算される体積基準積算分布が50%となる値(D50)を意味する。
中間層における導電剤の含有量に対するポリオレフィンの含有量の下限としては、質量比で2倍であり、4倍が好ましく、6倍がより好ましい。導電剤に対するポリオレフィンの含有量を上記下限以上とすることで、上記分断が生じるために十分な量のポリオレフィンによる被覆が導電剤に対してされることから、効果的に電気抵抗の上昇が可能となり、十分なシャットダウン機能が発現する。中間層における導電剤の含有量に対するポリオレフィンの含有量の上限としては、質量比で20倍であり、16倍が好ましく、12倍がより好ましい。導電剤に対するポリオレフィンの含有量を上記上限以下とすることで、中間層中に十分な量の導電剤を存在させることができ、通常時における良好な導電性を確保することができる。
中間層におけるポリオレフィンの含有量の下限としては、例えば30質量%が好ましく、50質量%がより好ましく、60質量%がさらに好ましい。中間層におけるポリオレフィンの含有量が上記下限以上であることにより、上記分断が生じるために十分な量のポリオレフィンによる被覆が導電剤に対してされることから、導電剤同士あるいは正極基材と正極活物質層との間の電子伝導経路が効果的に分断され、より優れたシャットダウン機能を発現させることができる。中間層におけるポリオレフィンの含有量の上限としては、例えば90質量%が好ましく、85質量%がより好ましい。中間層におけるポリオレフィンの含有量を上記上限以下とすることで、通常使用時に良好な導電性と、過剰な発熱時における良好なシャットダウン機能とをバランス良く発現することができる。
(バインダー)
上記バインダー(結着剤)としては、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子などが挙げられる。これらの中でも、フッ素樹脂が好ましく、PVDFがより好ましい。分子間力が小さく、表面エネルギーが低いフッ素を含有するフッ素樹脂は発熱に伴って膨潤し、バインダーとして適度な結着性を有する。その結果、フッ素樹脂を用いることで、発熱時のポリオレフィンの軟化の際に導電剤同士あるいは正極基材と正極活物質層との間の電子伝導経路が比較的容易に分断され、シャットダウン機能をより効果的に発現できる。
中間層におけるバインダーの含有量の下限としては、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。この含有量の上限としては、30質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。中間層におけるバインダーの含有量を上記範囲とすることで、十分な結着性と、過剰な発熱時の導電剤同士あるいは正極基材と正極活物質層との間の電子伝導経路の分断性とをバランス良く発現することができる。
(他の成分)
中間層には、短絡電流の増大の抑制効果を向上する観点から、導電剤、ポリオレフィン及びバインダー以外の他の成分がさらに含有されていてもよい。但し、中間層における上記他の成分の含有量の上限としては、例えば20質量%が好ましい。この上限としては、10質量%であってもよく、5質量%であってもよく、1質量%であってもよい。他の成分の含有量を上記上限以下とすることにより、通常使用時における良好な導電性と、異常時におけるシャットダウン機能とをより良好に両立させることができる。
上記他の成分としては、例えば炭酸化合物、炭酸水素化合物、水酸化物(但し、アルカリ金属の水酸化物は除く)、その他の無機化合物又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。上記中間層が、このような他の成分をさらに含有することで、過剰な発熱の際のシャットダウン機能を高めることができ、安全性をより高めることができる。
炭酸化合物としては、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、その他、炭酸アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ土類金属の炭酸塩が好ましく、炭酸マグネシウムがより好ましい。このような炭酸化合物を用いることで、過剰な発熱の際のシャットダウン機能を高めることができ、安全性をより高めることができる。
炭酸水素化合物としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩や、炭酸水素カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸水素塩等が挙げられる。
水酸化物としては、例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、水酸化アルミニウム等(但し、アルカリ金属の水酸化物は除く)が挙げられる。このような水酸化物を用いることで、短絡等による発熱に伴って、電流のシャットダウン機能が働き、更なる発熱を抑えることができるため、安全性をより高めることができる。
その他の無機化合物としては、例えばアルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム−酸化ケイ素複合酸化物等の無機酸化物;チタン酸バリウム等のチタン酸化合物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物等が挙げられる。上記無機化合物を用いることで、ポリオレフィン樹脂が軟化した場合にも中間層の形状を保つことができるので、正極基材と正極活物質層とが直接接触することを阻止できる。
中間層の平均厚みとしては、特に限定されないが、下限としては、0.5μmが好ましく、1μmがより好ましく、2μmがさらに好ましい。この平均厚みの上限としては、10μmが好ましく、6μmがより好ましい。中間層の平均厚みを上記下限以上とすることで、シャットダウン機能をより高めることができる。中間層の平均厚みを上記上限以下とすることで、正極の薄膜化を図ることなどができる。中間層の平均厚みとは、導電性の基材、中間層及び活物質層を備えた電極の断面SEM(Scanning Electron Microscope)において、上記中間層の厚みを5点以上測定し平均した値をいう。断面SEMとは、サンプルの切断面を作製し、その断面を走査電子顕微鏡で観察する方法である。
(正極活物質層)
正極活物質層は、正極活物質を含むいわゆる正極合材から形成される。正極活物質層を形成する正極合材は、必要に応じて導電剤、バインダー、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。
上記正極活物質としては、例えばLiMO(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(層状のα―NaFeO型結晶構造を有するLiCoO、LiNiO、LiMnO、LiNiαCo(1−α)、LiNiαMnβCo(1−α−β)等、スピネル型結晶構造を有するLiMn、LiNiαMn(2−α)等)、LiMe(XO(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、V等を表す)で表されるポリアニオン化合物(LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCoPO、Li(PO、LiMnSiO、LiCoPOF等)が挙げられる。これらの化合物中の元素又はポリアニオンは、他の元素又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。正極活物質層においては、これら化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
正極活物質層に含有される導電剤及びバインダーは、中間層と同様のものを挙げることができる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
上記フィラーは、特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラスなどが挙げられる。
当該電極が正極である場合、通常時は中間層を設けることによる導電性に対する影響が生じ難い。このため、通常時には十分な導電性を確保しつつ、発熱時に効果的に抵抗を高めることができる。
(製造方法)
当該正極の製造方法は特に限定されるものではない。例えば、正極基材に中間層形成用ペースト、及び正極活物質層形成用ペーストを順に塗工し、乾燥することにより当該正極を得ることができる。
<二次電池(非水電解質蓄電素子)>
本発明の一実施形態に係る二次電池は、当該電極である正極、負極及び非水電解質を有する。上記正極及び負極は、通常、セパレータを介して積層又は巻回された電極体を形成する。この電極体はケースに収納され、このケース内に上記非水電解質が充填される。上記非水電解質は、正極と負極との間に介在する。上記ケースとしては、二次電池のケースとして通常用いられる公知の金属ケース、樹脂ケース等を用いることができる。
(正極)
当該二次電池に備わる正極は、正極基材、及びこの正極基材に直接又は中間層を介して配される正極活物質層を有する。当該二次電池に備わる正極は、上述した本発明の一実施形態に係る正極であることが好ましい。
(負極)
上記負極は、負極基材、及びこの負極基材に直接又は中間層を介して配される負極活物質層を有する。正極が上述した本発明の一実施形態に係る正極ではない場合は、負極基材と中間層と負極活物質層とをこの順に備える、本発明の一実施形態に係る負極である。
上記負極基材は、正極基材と同様の構成とすることができる。負極基材の材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属又はそれらの合金が用いられ、銅又は銅合金が好ましい。つまり、負極基材としては銅箔が好ましい。銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が例示される。
上記負極における中間層の構成は特に限定されず、例えばバインダー及び導電剤を含有する組成物により形成することができる。負極における中間層は、上述した正極における中間層と同様の組成で形成してもよい。
上記負極活物質層は、負極活物質を含むいわゆる負極合材から形成される。負極活物質層を形成する負極合材は、必要に応じて導電剤、バインダー、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等の任意成分は、正極活物質層と同様のものを用いることができる。
上記負極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材質が用いられる。具体的な負極活物質としては、例えばSi、Sn等の金属又は半金属;Si酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;ポリリン酸化合物;黒鉛(グラファイト)、非黒鉛質炭素(易黒鉛化性炭素または難黒鉛化性炭素)等の炭素材料などが挙げられる。
さらに、負極合材(負極活物質層)は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を含有してもよい。
(セパレータ)
上記セパレータの材質としては、例えば織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が用いられる。これらの中でも多孔質樹脂フィルムが好ましい。多孔質樹脂フィルムの主成分としては、強度の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。これらの樹脂とアラミドやポリイミド等の樹脂とを複合した多孔質樹脂フィルムを用いてもよい。
(非水電解質)
上記非水電解質としては、非水電解質二次電池に通常用いられる公知の電解質が使用でき、非水溶媒に電解質塩が溶解されたものを用いることができる。
上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネートなどを挙げることができる。
上記電解質塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、オニウム塩等を挙げることができ、これらの中でもリチウム塩が好ましい。上記リチウム塩としては、LiPF、LiPO、LiBF、LiClO、LiN(SOF)等の無機リチウム塩、LiSOCF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(SO)、LiC(SOCF、LiC(SO等のフッ化炭化水素基を有するリチウム塩などを挙げることができる。
非水電解質として、常温溶融塩(イオン液体)、ポリマー固体電解質などを用いることもできる。
(製造方法)
当該二次電池の製造方法は特に限定されるものではない。当該二次電池の製造方法は、例えば、正極を作製する工程、負極を作製する工程、非水電解質を調製する工程、正極及び負極を、セパレータを介して積層又は巻回することにより交互に重畳された電極体を形成する工程、正極及び負極(電極体)を電池容器に収容する工程、並びに上記電池容器に上記非水電解質を注入する工程を備える。注入後、注入口を封止することにより非水電解質二次電池(非水電解質蓄電素子)を得ることができる。当該製造方法によって得られる非水電解質蓄電素子(二次電池)を構成する各要素についての詳細は上述したとおりである。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、上記実施形態においては、正極の中間層がポリオレフィンを含有しているが、正極の中間層がポリオレフィンを含有せず、負極の中間層がポリオレフィンを含有していてもよい。正極の中間層及び負極の中間層の双方がポリオレフィンを含有していてもよい。正極の中間層がポリオレフィンを含有している場合、負極は中間層を有していなくてよい。逆に、負極の中間層がポリオレフィンを含有している場合、正極は中間層を有していなくてもよい。正極又は負極において、活物質層を被覆する被覆層等が設けられていてもよい。
本実施形態において、当該電極は、蓄電素子の正極として用いられていたが、負極として用いられてもよく、正極及び負極の双方に用いられてもよい。
上記実施の形態においては、蓄電素子が非水電解質二次電池である形態を説明したが、その他の蓄電素子であってもよい。その他の蓄電素子としては、キャパシタ(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ)や、電解質が水を含む二次電池などが挙げられる。
図1に、本発明に係る蓄電素子の一実施形態である矩形状の非水電解質二次電池1(二次電池1)の概略図を示す。同図は、容器内部を透視した図としている。図1に示す二次電池1は、電極体2が電池容器3に収納されている。電極体2は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して巻回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。電池容器3内に、非水電解質が注入されている。正極等の各要素の具体的構成等は、上述したとおりである。
本発明に係る蓄電素子の構成については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明は、上記の非水電解質蓄電素子を複数備える蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図2に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の二次電池1を備えている。上記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1](正極の作製)
正極基材としてのアルミニウム箔(平均厚さ15μm)の表面に、以下の要領で中間層を形成した。アセチレンブラック(AB)、ポリプロピレン、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)を8:77:15の質量比で秤量した。これらを分散媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に混ぜ、中間層形成用ペーストを調製した。この中間層形成用ペーストをアルミニウム箔に塗布した。その後、乾燥を行い、平均厚さ8μmの中間層を得た。
正極活物質としてのLi(Ni0.82Co0.15Al0.03)O、AB及びPVDFを質量比95:3:2の割合(固形分換算)で含有し、N−メチル−2−ピロリドンを分散媒とする正極活物質形成用ペーストを調製した。この正極活物質層形成用ペーストを中間層の表面に塗布し、乾燥することで分散媒を除去した。その後、ローラープレス機により加圧成形し、実施例1の正極を得た。加圧成形後の中間層の平均厚さは4μmだった。正極には、中間層及び正極活物質層を積層していないタブを設けた。
[実施例2]
アセチレンブラック(AB)、ポリプロピレン、アルミナ及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)を8:38.5:38.5:15の質量比で秤量し、これらを分散媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に混ぜ、中間層形成用ペーストを調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例の正極を得た。
[比較例1]
中間層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の正極を得た。
[比較例2]
中間層の材料として、AB及びPVDFを8:92の質量比で用い、ポリプロピレンを含めなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の正極を得た。
[比較例3]
中間層の材料として、AB、アルミナ及びPVDFを8:77:15の質量比で用い、ポリプロピレンを含めなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の正極を得た。
[評価]
(加熱に伴う抵抗の変化)
実施例1、実施例2及び比較例1〜比較例3で得られた正極について、温度を上昇させながら交流インピーダンス(ACR)を測定した。具体的には、まず、同一種類の2枚の正極を正極活物質同士が対向するようにセパレータを介して積層させ、LiPFを1M含有したEC:EMC=20:80(体積比)の電解液に含浸させた。この積層体に対し、交流抵抗計を用いて、5℃ずつ又は10℃ずつ160℃まで段階的に昇温しながら、正極基材間のACRを測定した。測定結果を図3に示す。
(非水電解質二次電池の加熱試験)
実施例1及び比較例1の正極と、負極活物質が黒鉛である負極とで、ポリオレフィン製多孔質樹脂フィルムセパレータを挟むことにより、電極体を作製した。この電極体を、各電極のタブが露出するように、外装体としての金属樹脂複合フィルムに収納し、上記電解液を注入後、封止した。これにより、非水電解質二次電池を得た。
得られた各非水電解質二次電池について、充電終止条件を充電電流が1/100Cとなるまでとし、充電終止電圧を4.35Vとして充電した。この後、非水電解質二次電池を固定した状態で、加熱器により加熱して、電圧の変化を測定した。加熱速度は、5℃/分とした。各非水電解質二次電池の電圧を、電圧低下開始からの時間に対してプロットしたグラフを図4に示す。
(釘刺し試験)
実施例1及び比較例1の正極と、負極活物質が黒鉛である負極とで、ポリオレフィン製多孔質樹脂フィルムセパレータを挟むことにより、電極体を作製した。この電極体を、各電極のタブが露出するように、外装体としての金属樹脂複合フィルムに収納し、封止した。これにより、ドライセルを得た。このドライセルに対して、正負極間に4.35Vの電圧を印加しつつ、釘を電極の積層方向に貫通させる釘刺し試験を行った。釘を刺して短絡が生じてから5秒後までの抵抗値Rdzの変化の値を元に、0秒〜0.5秒、0.5秒〜2.0秒及び2.0秒〜5.0秒の範囲における熱発生量を解析した。0秒〜0.5秒で発生し始める熱は、釘を介した正負極間の短絡によって生じるもの、0.5秒〜2.0秒で発生し始める熱は、セパレータの溶融現象によるもの、2.0秒〜5.0秒で発生し始める熱は、正極と負極とが直接接触することによる大電流の放電によるものと推測される。上記解析結果を図5に示す。
図3に示されるように、中間層がポリプロピレンを含有する実施例1の正極及び中間層がポリプロピレン及びアルミナを含有する実施例2の正極においては、温度上昇により大きく電気抵抗が上昇し、発熱に対する優れたシャットダウン機能を有し、安全性が高いことがわかる。中間層がポリプロピレン及びアルミナを含有する実施例2の正極は、シャットダウン機能が特に優れていた。比較例1〜比較例3においても、ある程度の抵抗上昇は見られるものの、実施例1及び実施例2に比べてシャットダウン機能が劣ることがわかる。
図4に示されるように、加熱に伴い、短絡が生じ、非水電解質二次電池の電圧が低下した。中間層がポリプロピレンを含有する実施例1の正極を用いた非水電解質二次電池は、中間層を設けていない比較例1と比べて、高い電圧が保たれていることがわかる。これは、短絡が生じた際、良好なシャットダウン機能が発現していることを意味する。すなわち、実施例1の非水電解質二次電池は、比較例1の非水電解質二次電池に比べて安全性が高いことがわかる。
図5に示されるように、中間層がポリプロピレンを含有する実施例1の正極を用いたドライセルにおいては、中間層を設けていない比較例1と比べて釘刺し後の発熱が抑制されていることがわかる。
本発明は、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車などの電源として使用される非水電解質二次電池などに適用できる。
1 非水電解質二次電池
2 電極体
3 電池容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (9)

  1. 導電性の基材、中間層及び活物質層をこの順に備え、
    上記中間層が、導電剤、ポリオレフィン及びバインダーを含み、
    上記中間層における上記導電剤の含有量に対する上記ポリオレフィンの含有量が、質量比で2倍以上20倍以下である蓄電素子用の電極。
  2. 上記中間層が、さらに炭酸化合物、炭酸水素化合物、水酸化物(但し、アルカリ金属の水酸化物は除く)、その他の無機化合物又はこれらの組み合わせを含む請求項1の電極。
  3. 上記中間層の平均厚みが、0.5m以上10μm以下である請求項1又は請求項2の電極。
  4. 上記中間層における上記ポリオレフィンの含有量が、30質量%以上90質量%以下である請求項1、請求項2又は請求項3の電極。
  5. 上記中間層における上記導電剤の含有量が、2質量%以上15質量%以下である請求項1から請求項4のいずれか1項の電極。
  6. 上記ポリオレフィンの融点が、140℃以上である請求項1から請求項5のいずれか1項の電極。
  7. 上記ポリオレフィンが粒子状である請求項1から請求項6のいずれか1項の電極。
  8. 正極である請求項1から請求項7のいずれか1項の電極。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項の電極を備える蓄電素子。
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