JP2015153720A - 正極用積層体、正極、及び非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、過充電に伴う発熱を抑制可能な正極用積層体、正極、及び非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【解決手段】正極集電体層34と正極活物質層33との間に、過電流に伴う電圧の上昇により変質することで抵抗体として機能する結着剤、過電流に伴う電圧の上昇により分解されることでガスを発生させる発泡剤、及び正極集電体層34と正極活物質層33とを電気的に接続する導電剤を含む発熱抑制層35を配置させる。
【選択図】図1
【解決手段】正極集電体層34と正極活物質層33との間に、過電流に伴う電圧の上昇により変質することで抵抗体として機能する結着剤、過電流に伴う電圧の上昇により分解されることでガスを発生させる発泡剤、及び正極集電体層34と正極活物質層33とを電気的に接続する導電剤を含む発熱抑制層35を配置させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、正極用積層体、正極、及び非水電解質二次電池に関し、特に、過充電に伴う発熱を抑制可能な正極用積層体、正極、及び非水電解質二次電池に関する。
ノート型コンピュータ、スマートフォンに代表される携帯電話、デジタルカメラ等の電子機器の普及に伴い、該電子機器を駆動させる二次電池の需要が拡大している。
近年、該電子機器の高機能化に伴う消費電力の増大や、電子機器の小型化の要求により、二次電池の高エネルギー化や高出力密度化の開発が進められており、高エネルギー密度化、及び高出力密度化を達成可能な二次電池として、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池が有力視されている。
近年、該電子機器の高機能化に伴う消費電力の増大や、電子機器の小型化の要求により、二次電池の高エネルギー化や高出力密度化の開発が進められており、高エネルギー密度化、及び高出力密度化を達成可能な二次電池として、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池が有力視されている。
しかし、リチウムイオン二次電池では、化学的活性の高いリチウム、可燃性の高い電解液、及び過充電状態での安定性の低いリチウム遷移金属複合酸化物を電池材料として用いている必要があるため、過充電状態において、さらに充電を継続すると、電池材料間の化学反応が急激に進行し、電池が発熱する恐れがある。
このため、従来、過充電状態に至る前に速やかに充電を停止する機構(例えば、電圧の監視や充電の停止等を行う外部回路を有する機構)が採用されている。
しかしながら、このような機構を設けても、車載用電池や航空機搭載用電池のリチウムイオン二次電池では、過充電状態における電池の発熱を十分に抑制することが困難であった。
そのため、リチウムイオン二次電池の外部だけでなく、リチウムイオン二次電池の内部に配置され、かつ過充電状態における電池の発熱を抑制可能な機構の検討が行われている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
しかしながら、このような機構を設けても、車載用電池や航空機搭載用電池のリチウムイオン二次電池では、過充電状態における電池の発熱を十分に抑制することが困難であった。
そのため、リチウムイオン二次電池の外部だけでなく、リチウムイオン二次電池の内部に配置され、かつ過充電状態における電池の発熱を抑制可能な機構の検討が行われている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特許文献1には、過充電に伴う電圧上昇により、電解液中に添加した添加剤が酸化重合し、二次電池の内部抵抗を上昇させることで過充電を抑制する二次電池が開示されている。
特許文献2には、リチウムを吸蔵・放出する正極材料または負極材料からなる電極合剤層と、集電体との積層構造を有し、電極合剤層中に或いは電極合剤層と集電体との間に設けた層中に熱膨張性マイクロカプセルを含ませてなる非水系電池が開示されている。
特許文献3には、過充電に伴う電圧上昇により、正極合剤に含有する化合物が分解してガスを発生し、電池の内部抵抗が上昇して更なる過充電を抑制する正極を含む非水電解質二次電池が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された二次電池では、リチウムイオンが移動する電解液中に二次電池の内部抵抗を上昇させる添加剤を添加するため、リチウムイオンが動きにくくなり、二次電池の電池特性が低下してしまう。
特許文献2に開示された非水系電池を用いると、正極合剤層中にマイクロカプセルを含有する場合には、正極層に添加可能な活物質の量が減少して、正極容量が低下してしまう。
また、特許文献2に開示された非水系電池において、電極合剤層と集電体との間に設けた層中にマイクロカプセルを含有させると、マイクロカプセルが電子の移動を阻害する抵抗体として機能してしまうため、電極合剤層と集電体との間に設けた層の抵抗上昇を引き起こしてしまう。
また、特許文献2に開示された電池の構成では、電池の発熱を効率良く抑制することが困難であった。
また、特許文献2に開示された非水系電池において、電極合剤層と集電体との間に設けた層中にマイクロカプセルを含有させると、マイクロカプセルが電子の移動を阻害する抵抗体として機能してしまうため、電極合剤層と集電体との間に設けた層の抵抗上昇を引き起こしてしまう。
また、特許文献2に開示された電池の構成では、電池の発熱を効率良く抑制することが困難であった。
特許文献3に開示された非水電解質二次電池では、正極層の中にガスを発生させる化合物を含有させるため、電池の発熱抑制効果を向上させるために、正極層に多くの該化合物を添加すると、正極層に添加可能な活物質の量が減少して、正極容量が低下してしまう。
そこで、本発明は、正極容量を低下させることなく、過充電に伴う発熱を十分に抑制可能な正極用積層体、正極、及び非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る正極用積層体は、正極集電体層と、前記正極集電体層の両面のうち、少なくとも一方の面に設けられ、前記正極集電体層と正極活物質を含む正極活物質層との間に配置される発熱抑制層と、を有し、前記発熱抑制層は、過電流に伴う電圧の上昇により変質することで抵抗体として機能する結着剤、前記過電流に伴う電圧の上昇により分解されることでガスを発生させる発泡剤、及び前記正極集電体層と前記正極活物質層とを電気的に接続する導電剤を含むことを特徴とする。
本発明によれば、正極集電体層と正極活物質を含む正極活物質層との間に、過電流に伴う電圧の上昇により変質することで抵抗体として機能する結着剤、過電流に伴う電圧の上昇により分解されることでガスを発生させる発泡剤、及び正極集電体層と正極活物質層とを電気的に接続する導電剤を含む発熱抑制層を配置することにより、過電流に伴う電圧の上昇が発生した際、変質した結着剤、及び発泡剤から発生したガスを、正極集電体層と正極活物質層との間を移動するリチウムイオンの抵抗体として機能させることが可能となる。
これにより、従来の電池構造よりも大きな抵抗を生み出され、従来よりもリチウムイオンが移動しにくくなる。このため、電池の過充電を抑制する効果が向上し、電池の発熱を効率良く抑制できる。
これにより、従来の電池構造よりも大きな抵抗を生み出され、従来よりもリチウムイオンが移動しにくくなる。このため、電池の過充電を抑制する効果が向上し、電池の発熱を効率良く抑制できる。
また、過電流に伴う電圧の上昇時において、抵抗体として機能する結着剤、及びガスを発生させる発泡剤を正極活物質層内ではなく、該正極活物質層とは別の層である発熱抑制層に含有させることにより、正極活物質層に含まれる正極活物質の量が少なくなることがなくなるため、正極容量を低下させることなく、電池の発熱を効率良く抑制することができる。
また、上記本発明の一態様に係る正極用積層体において、前記結着剤が変質を開始する電圧値は、4.3〜4.8Vの範囲内であってもよい。
このように、結着剤が変質を開始する電圧値を4.3〜4.8Vの範囲内とすることで、通常電池作動時には電池性能を阻害することなく、過充電状態に至った時に発熱を抑制できる。
また、上記本発明の一態様に係る正極用積層体において、前記発泡剤の分解が開始される電圧値は、4.3〜4.8Vの範囲内であってもよい。
このように、発泡剤の分解が開始される電圧値を4.3〜4.8Vの範囲内とすることで、通常電池作動時には電池性能を阻害することなく、過充電状態に至った時に発熱を抑制できる。
また、上記本発明の一態様に係る正極用積層体において、前記結着剤は、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、アクリルポリオールのうち、少なくとも1種を含む樹脂であってもよい。
このように、結着剤として、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、アクリルポリオールのうち、少なくとも1種を含む樹脂を用いることで、過充電状態に至った時に発熱を抑制できる。
また、上記本発明の一態様に係る正極用積層体において、前記発泡剤は、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、及びヒドラゾジカルボンアミドのうち、少なくとも1種を主成分とする有機系発泡材料、或いは、炭酸リチウム、炭酸亜鉛、炭酸鉛、及び炭酸ストロンチウムのうち、少なくとも1種を含む無機系発泡材料を含んでもよい。
このように、発泡剤が、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、及びヒドラゾジカルボンアミドのうち、少なくとも1種を主成分とする有機系発泡材料、或いは、炭酸リチウム、炭酸亜鉛、炭酸鉛、及び炭酸ストロンチウムのうち、少なくとも1種を含むことで、過充電状態に至った時に発熱をより効果的に抑制できる。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る正極は、請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の前記正極用積層体と、前記正極集電体層と接触する第1の面とは反対側に位置する前記発熱抑制層の第2の面に配置された前記正極活物質層と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の正極用積層体と、正極集電体層と接触する第1の面とは反対側に位置する発熱抑制層の第2の面に配置された正極活物質層と、を有することで、通常時において、正極集電体層と正極活物質層との間をリチウムイオンが移動することが可能になると共に、過電流に伴う電圧の上昇時(異常時)において、正極容量を低下させることなく、電池の発熱を効率良く抑制することができる。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る非水電解質二次電池は、請求項6記載の前記正極と、前記正極を収容する第1のケースと、前記正極と対向するように配置された負極と、前記正極と前記負極との間に配置され、該正極と該負極とを電気的に絶縁するセパレータと、前記負極及び前記セパレータを収容する第2のケースと、前記第1のケースの側壁と前記第2のケースの側壁とを接続し、前記第1及び第2のケースよりなる電池ケース内を気密するガスケットと、前記電池ケース内に収容され、前記正極、前記負極、及び前記セパレータを浸潤させる非水電解液と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、請求項6記載の正極を有することで、正極容量を低下させることなく、非水電解質二次電池の発熱を効率良く抑制することができる。
本発明の正極用積層体、正極、及び非水電解質二次電池によれば、正極容量を低下させることなく、過充電に伴う発熱を十分に抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の正極用積層体、正極、及び非水電解質二次電池の寸法関係とは異なる場合がある。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る非水電解質二次電池の概略構成を示す断面図である。図1では、非水電解質二次電池の一例として、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る非水電解質二次電池の概略構成を示す断面図である。図1では、非水電解質二次電池の一例として、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。
図1を参照するに、本実施の形態の非水電解質二次電池10は、コイン形リチウム電池であり、電池ケース11と、ガスケット13と、正極15と、負極17と、セパレータ19と、非水電解液22と、を有する。
電池ケース11は、第1のケース25と、第2のケース26と、を有する。第1のケース25は、金属製のケースであり、円形とされ、一面に正極15が配置される板状の円形部25−1と、側壁部25−2と、を有する。
円形部25−1の直径は、第2のケース26の円形部26−1の直径よりも大きくなるように構成されている。円形部25−1は、その内面(正極15が配置される面)が第2のケース26を構成する円形部26−1の内面と対向するように、円形部26−1の下方に配置されている。円形部25−1の外面は、正極15の端子として機能する。
円形部25−1の直径は、第2のケース26の円形部26−1の直径よりも大きくなるように構成されている。円形部25−1は、その内面(正極15が配置される面)が第2のケース26を構成する円形部26−1の内面と対向するように、円形部26−1の下方に配置されている。円形部25−1の外面は、正極15の端子として機能する。
側壁部25−2は、円形部25−1の外周縁から上方に延在している。側壁部25−2は、円筒形状とされた壁である。側壁部25−2は、その上端部が第2のケース26の側壁部26−2と対向するように配置されている。側壁部25−2と側壁部26−2との間には、リング状の隙間(ガスケット13が配置される領域)が形成されている。
第2のケース26は、金属製のケースであり、円形とされ、一面に負極17が配置される板状の円形部26−1と、円形部26−1の外周縁から下方に延在する円筒状の側壁部26−2と、を有する。円形部26−1の外面は、負極17の端子として機能する。
ガスケット13は、対向配置された側壁部25−2と側壁部26−2との間に形成された隙間を充填するように、第2のケース26の側壁26−2の内面に配置されている。
ガスケット13は、第2のケース26と第1のケース25とで区画された空間(言い換えれば、電池ケース11内)を気密している。ガスケット13は、端子間での短絡防止や電解液の漏出を防止するための部材である。
ガスケット13としては、公知のガスケットを用いることができる。
ガスケット13は、第2のケース26と第1のケース25とで区画された空間(言い換えれば、電池ケース11内)を気密している。ガスケット13は、端子間での短絡防止や電解液の漏出を防止するための部材である。
ガスケット13としては、公知のガスケットを用いることができる。
正極15は、円盤形状とされており、第1のケース25内に収容されている。正極15の直径は、円形部25−1の直径よりも小さい。これにより、正極15の外周側面と側壁部25−2の内面との間には、リング状の隙間が形成されている。
正極15は、正極用積層体31と、正極活物質層33と、を有する。正極用積層体31は、正極集電体層34と、発熱抑制層35と、を有する。正極集電体層34は、その一面が第1のケース25を構成する円形部25−1の内面と接触するように配置されている。
正極15は、正極用積層体31と、正極活物質層33と、を有する。正極用積層体31は、正極集電体層34と、発熱抑制層35と、を有する。正極集電体層34は、その一面が第1のケース25を構成する円形部25−1の内面と接触するように配置されている。
正極集電体層34の材料としては、例えば、従来から二次電池用の正極集電体材料として用いられている材料を適宜用いることができる。具体的には、正極集電体層34の材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、鉄、ステンレス鋼(SUS)、チタン等を用いることができる。
特に、電子伝導性や電池作動電位という観点から、正極集電体層34の材料としては、例えば、アルミニウムが好ましい。正極集電体層34の厚さは、例えば、10〜30μmの範囲内で適宜設定することができる。
特に、電子伝導性や電池作動電位という観点から、正極集電体層34の材料としては、例えば、アルミニウムが好ましい。正極集電体層34の厚さは、例えば、10〜30μmの範囲内で適宜設定することができる。
発熱抑制層35は、正極集電体層34と正極活物質を含む正極活物質層33との間に配置されている。これにより、発熱抑制層35の一面は、正極集電体層34と接触し、発熱抑制層35の他面は、正極活物質層33と接触している。
発熱抑制層35は、過電流に伴う電圧の上昇により変質することで抵抗体として機能する結着剤(以下、「結着剤A」という)と、過電流に伴う電圧の上昇により分解されることでガスを発生させる発泡剤(以下、「発泡剤B」という)と、正極集電体層34と正極活物質層33とを電気的に接続する導電剤(以下、「導電剤C」という)と、を含んだ構成とされている。
発熱抑制層35は、過電流に伴う電圧の上昇により変質することで抵抗体として機能する結着剤(以下、「結着剤A」という)と、過電流に伴う電圧の上昇により分解されることでガスを発生させる発泡剤(以下、「発泡剤B」という)と、正極集電体層34と正極活物質層33とを電気的に接続する導電剤(以下、「導電剤C」という)と、を含んだ構成とされている。
本実施の形態の正極用積層体によれば、正極集電体層34と正極活物質層33との間に、過電流に伴う電圧の上昇により変質することで抵抗体として機能する結着剤A、過電流に伴う電圧の上昇により分解されることでガスを発生させる発泡剤B、及び正極集電体層34と正極活物質層33とを電気的に接続する導電剤Cを含む発熱抑制層35を配置することにより、過電流に伴う電圧の上昇が発生した際、変質した結着剤A、及び発泡剤Bから発生したガスを、正極集電体層34と正極活物質層33との間を移動するリチウムイオンの抵抗体として機能させることが可能となる。
これにより、従来の電池構造よりも大きな抵抗を生み出すことが可能となるので、従来よりもリチウムイオンが移動しにくくなる。このため、非水電解質二次電池10の過充電を抑制する効果が向上するので、非水電解質二次電池10の発熱を効率良く抑制することができる。
また、過電流に伴う電圧の上昇時において、抵抗体として機能する結着剤A、及びガスを発生させる発泡剤Bを正極活物質層33内ではなく、正極活物質層33とは別の層である発熱抑制層35に含有させることにより、正極活物質層33に含まれる正極活物質の量が少なくなることがなくなるため、正極容量を低下させることなく、非水電解質二次電池10の発熱を効率良く抑制できる。
結着剤Aとしては、例えば、非水電解質二次電池10が過充電状態となった際に高電圧で変質する樹脂(具体的には、例えば、酸化分解、酸化重合、もしくは発泡等により変質する樹脂)を用いることができる。
結着剤Aとして使用可能な該樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、アクリルポリオールのうち、少なくとも1種を含む樹脂を用いるとよい。
このように、結着剤Aとして、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、アクリルポリオールのうち、少なくとも1種を含む樹脂を用いることで、過充電状態に至った時に発熱を抑制できる。
結着剤Aとして使用可能な該樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、アクリルポリオールのうち、少なくとも1種を含む樹脂を用いるとよい。
このように、結着剤Aとして、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、アクリルポリオールのうち、少なくとも1種を含む樹脂を用いることで、過充電状態に至った時に発熱を抑制できる。
発熱抑制層35に含まれる結着剤Aの量(含有量)は、例えば、10〜90%の範囲内で適宜設定することができる。
結着剤Aが変質を開始する電圧値は、4.3〜4.8Vの範囲内にするとよい。このように、結着剤が変質を開始する電圧値を4.3〜4.8Vの範囲内とすることで、通常電池作動時には電池性能を阻害することなく、過充電状態に至った時に発熱を抑制できる。
発泡剤Bとしては、例えば、リチウムイオン電池が過充電状態となった際に高電圧で変質する発泡剤(具体的には、例えば、酸化分解や酸化重合により変質する発泡剤)を用いることができる。
具体的には、発泡剤Bとしては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、及びヒドラゾジカルボンアミドのうち、少なくとも1種を主成分とする有機系発泡材料、或いは、炭酸リチウム、炭酸亜鉛、炭酸鉛、及び炭酸ストロンチウムのうち、少なくとも1種を含むものを用いるとよい。
具体的には、発泡剤Bとしては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、及びヒドラゾジカルボンアミドのうち、少なくとも1種を主成分とする有機系発泡材料、或いは、炭酸リチウム、炭酸亜鉛、炭酸鉛、及び炭酸ストロンチウムのうち、少なくとも1種を含むものを用いるとよい。
このように、発泡剤Bが、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、及びヒドラゾジカルボンアミドのうち、少なくとも1種を主成分とする有機系発泡材料、或いは、炭酸リチウム、炭酸亜鉛、炭酸鉛、及び炭酸ストロンチウムのうち、少なくとも1種を含むことで、過充電状態に至った時に発熱をより効果的に抑制できる。
また、発泡剤Bとしては、例えば、発泡性のマイクロカプセル、熱膨張性のマイクロカプセル等を用いることが可能である。
発熱抑制層35に含まれる発泡剤Bの量(含有量)は、例えば、0.1〜50wt%の範囲内で適宜設定することができる。
発熱抑制層35に含まれる発泡剤Bの量(含有量)は、例えば、0.1〜50wt%の範囲内で適宜設定することができる。
発泡剤Bの分解が開始される電圧値は、4.3〜4.8Vの範囲内に設定するとよい。このように、発泡剤Bの分解が開始される電圧値を4.3〜4.8Vの範囲内とすることで、通常電池作動時には電池性能を阻害することなく、過充電状態に至った時に発熱を抑制できる。
導電剤Cとしては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等の公知の材料を用いることができる。
発熱抑制層35に含まれる導電剤Cの量(含有量)は、例えば、10〜90%の範囲内で適宜設定することができる。
通常時(言い換えれば、過充電時でないとき)において、発熱抑制層35が、リチウムイオンが移動する際の大きな抵抗とならないように、発熱抑制層35の厚さは、薄いことが好ましい。発熱抑制層35の厚さは、例えば、1〜5μmの範囲内で適宜設定することができる。
発熱抑制層35に含まれる導電剤Cの量(含有量)は、例えば、10〜90%の範囲内で適宜設定することができる。
通常時(言い換えれば、過充電時でないとき)において、発熱抑制層35が、リチウムイオンが移動する際の大きな抵抗とならないように、発熱抑制層35の厚さは、薄いことが好ましい。発熱抑制層35の厚さは、例えば、1〜5μmの範囲内で適宜設定することができる。
発熱抑制層35は、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチルなどの単独溶媒もしくは混合溶媒中で、上記説明した結着剤A、発泡剤B、及び導電剤Cを、混合させて、混合液を作製した後、正極集電体層34の他面に該混合液を塗布し、その後、乾燥させることで形成する。
なお、発熱抑制層35と、正極活物質層33と、を連続的な処理で作製する場合には、発熱抑制層35の乾燥を短時間で行う必要があり、発熱抑制層35を形成する際に使用する液体組成物の溶媒としては、例えば、低沸点溶媒(例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン等)を用いることが好ましい。また、この場合、結着剤Aとしては、例えば、上記低沸点溶媒を用いることができる。
正極活物質層33は、発熱抑制層35の他面と接触するように、正極用積層体31上に積層されている。正極活物質層33は、正極活物質を含む層である。
該正極活物質は、例えば、リチウム−マンガン複合酸化物(例えば、LiMn2O4)、リチウム−ニッケル複合酸化物(例えば、LiNiO2)、リチウム−コバルト複合酸化物(例えば、LiCoO2)、リチウム−鉄複合酸化物(例えば、LiFeO2)、リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物(例えば、LiNi0.5Mn0.5O2)、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.2O2)、リチウム−遷移金属リン酸化合物(例えば、LiFePO4)、リチウム−遷移金属硫酸化合物(例えば、LixFe2(SO4)3)等の単独の物質で構成してもよいし、これらの物質を2種類以上組み合わせて構成してもよい。
なお、正極活物質は、リチウムの吸蔵放出が可能な材料であればよく、上記物質、及び上記物質の組み合わせに限定されない。
該正極活物質は、例えば、リチウム−マンガン複合酸化物(例えば、LiMn2O4)、リチウム−ニッケル複合酸化物(例えば、LiNiO2)、リチウム−コバルト複合酸化物(例えば、LiCoO2)、リチウム−鉄複合酸化物(例えば、LiFeO2)、リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物(例えば、LiNi0.5Mn0.5O2)、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.2O2)、リチウム−遷移金属リン酸化合物(例えば、LiFePO4)、リチウム−遷移金属硫酸化合物(例えば、LixFe2(SO4)3)等の単独の物質で構成してもよいし、これらの物質を2種類以上組み合わせて構成してもよい。
なお、正極活物質は、リチウムの吸蔵放出が可能な材料であればよく、上記物質、及び上記物質の組み合わせに限定されない。
正極活物質層33は、結着剤、及び導電剤を含んでもよい。該結着剤、及び該導電剤としては、先に説明した結着剤A、及び導電剤Bを用いることが可能であるが、結着性を考慮すると、正極活物質層33の結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が好ましい。
正極活物質層33は、少なくとも正極活物質、結着剤、導電剤をN−メチルピロリドン等の溶媒中で混合させて、混合液を作製後、発熱抑制層35の他面に該混合液を塗布し、その後、塗布された混合液を乾燥させることで形成する。
正極活物質層33の厚さは、例えば、数十μm〜200μmの範囲内で適宜設定することができる。
正極活物質層33は、少なくとも正極活物質、結着剤、導電剤をN−メチルピロリドン等の溶媒中で混合させて、混合液を作製後、発熱抑制層35の他面に該混合液を塗布し、その後、塗布された混合液を乾燥させることで形成する。
正極活物質層33の厚さは、例えば、数十μm〜200μmの範囲内で適宜設定することができる。
負極17は、円盤形状とされており、第2のケース26内に収容されている。電池ケース11内に、正極15及び負極17が収容された状態において、正極15と負極17との間には、セパレータ19を収容可能な隙間が形成されている。
負極17の直径は、円形部26−1の直径よりも小さい。これにより、負極17の外周側面と側壁部26−2の内面との間には、リング状の隙間が形成されている。
負極17は、負極集電体層38と、負極活物質層39と、を有する。負極集電体層38は、その一面が円形部26−1の内面と接触するように配置されている。
負極集電体層38としては、例えば、銅箔を用いることができる。負極集電体層38の厚さは、例えば、8〜20μmの範囲内で適宜設定することができる。
負極17は、負極集電体層38と、負極活物質層39と、を有する。負極集電体層38は、その一面が円形部26−1の内面と接触するように配置されている。
負極集電体層38としては、例えば、銅箔を用いることができる。負極集電体層38の厚さは、例えば、8〜20μmの範囲内で適宜設定することができる。
負極活物質層39は、負極集電体層38の他面と接触するように配置されている。負極活物質層39は、正極15を構成する正極活物質層33と対向するように配置されている。負極活物質層39は、負極活物質、結着剤、導電助剤を含む層である。
負極活物質としては、リチウム(Li)を可逆的に吸蔵及び放出できる活物質であれば特に制限されず、公知の活物質を用いることができるが、リチウムと合金化する活物質が望ましい。
負極活物質としては、リチウム(Li)を可逆的に吸蔵及び放出できる活物質であれば特に制限されず、公知の活物質を用いることができるが、リチウムと合金化する活物質が望ましい。
負極活物質層39の材料としては、例えば、リチウム等の金属材料や、ケイ素、スズ等を含有する合金系材料、グラファイト、コークス等の炭素材料とリチウムイオンを吸蔵・放出できる化合物とを単独又は組み合わせた材料を用いることができる。
負極活物質層39としてリチウム金属箔を用いる場合、負極集電体層38の他面に、リチウム箔を圧着させる。また、負極活物質として合金材料や炭素材料を用いる場合には、負極活物質と結着材、導電助剤等を水、N−メチルピロリドン等の溶媒中で混合させて、混合液を作製後、負極集電体層38の他面に該混合液を塗布し、その後、塗布された混合液を乾燥させることで、負極活物質層39を形成する。
負極活物質層39としてリチウム金属箔を用いる場合、負極集電体層38の他面に、リチウム箔を圧着させる。また、負極活物質として合金材料や炭素材料を用いる場合には、負極活物質と結着材、導電助剤等を水、N−メチルピロリドン等の溶媒中で混合させて、混合液を作製後、負極集電体層38の他面に該混合液を塗布し、その後、塗布された混合液を乾燥させることで、負極活物質層39を形成する。
負極活物質層39を構成する結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、フッ素ゴム等の化学的及び物理的に安定な材料が好ましい。
負極活物質層39を構成する導電助剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、非晶質炭素等を用いることができる。
負極活物質層39を構成する導電助剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、非晶質炭素等を用いることができる。
セパレータ19は、板状の部材であり、対向配置された正極15と負極17との間に形成された隙間に配置されている。これにより、セパレータ19は、負極17と正極15とを電気的に絶縁している。セパレータ19の外周縁は、第2のケース26の側壁部26−2の内面に到達している。
セパレータ19としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン製の微孔膜、芳香族ポリアミド樹脂製の微孔膜、不織布、無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート等を用いることができる。
セパレータ19としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン製の微孔膜、芳香族ポリアミド樹脂製の微孔膜、不織布、無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート等を用いることができる。
非水電解液22は、電池ケース11内(言い換えれば、第1及び第2のケース25,26とで区画された空間)を充填するように配置されている。
非水電解液22は、特に限定されるものではなく、例えば、有機溶媒等の溶媒に支持塩を溶解させたものや、電解質兼溶媒であるイオン液体や、該イオン液体に支持塩を溶解させたもの等を用いることができる。
非水電解液22は、特に限定されるものではなく、例えば、有機溶媒等の溶媒に支持塩を溶解させたものや、電解質兼溶媒であるイオン液体や、該イオン液体に支持塩を溶解させたもの等を用いることができる。
非水電解液22を構成する上記有機溶媒としては、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。
また、非水電解液22を構成する上記有機溶媒として、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の混合溶媒を用いてもよい。
また、非水電解液22を構成する上記有機溶媒として、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の混合溶媒を用いてもよい。
非水電解液22を構成する上記支持塩は、特に限定されるものではなく、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiN(FSO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiN(CF3SO2)2等を用いることができる。
非水電解液22を構成する上記イオン液体は、常温で液体である塩であれば特に限定されるものではなく、例えば、アルキルアンモニウム塩、ピロリジニウム塩、ピラゾリウム塩、ピペリジニウム塩、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等を用いることができる。
非水電解液22を構成する上記イオン液体としては、例えば、広い電位領域において、電気化学的に安定である液体がさらに好ましい。
非水電解液22を構成する上記イオン液体としては、例えば、広い電位領域において、電気化学的に安定である液体がさらに好ましい。
本実施の形態の非水電解質二次電池によれば、正極集電体層34と正極活物質層33との間に、過電流に伴う電圧の上昇により変質することで抵抗体として機能する結着剤A、過電流に伴う電圧の上昇により分解されることでガスを発生させる発泡剤B、及び正極集電体層34と正極活物質層33とを電気的に接続する導電剤Cを含む発熱抑制層35を配置することにより、過電流に伴う電圧の上昇が発生した際、変質した結着剤A、及び発泡剤Bから発生したガスを、正極集電体層34と正極活物質層33との間を移動するリチウムイオンの抵抗体として機能させることが可能となる。
これにより、従来の電池構造よりも大きな抵抗を生み出すことが可能となるので、従来よりもリチウムイオンが移動しにくくなる。このため、非水電解質二次電池10の過充電を抑制する効果が向上するので、非水電解質二次電池10の発熱を効率良く抑制することができる。
また、過電流に伴う電圧の上昇時において、抵抗体として機能する結着剤A、及びガスを発生させる発泡剤Bを正極活物質層33内ではなく、正極活物質層33とは別の層である発熱抑制層35に含有させることにより、正極活物質層33に含まれる正極活物質の量が少なくなることがなくなるため、正極容量を低下させることなく、非水電解質二次電池10の発熱を効率良く抑制できる。
なお、特許文献2に開示された非水系電池を用いると、電極合剤層と集電体との間に設けた層中にマイクロカプセルが含有されている場合には、電極合剤層と集電体との間に設けた層の抵抗上昇を引き起こす。これは、発熱抑制に効果を発揮するマイクロカプセルと導電性材料とから構成される下地層では、導電性を有していないマイクロカプセルが存在する部位において、電子移動が阻害されて、下地層の導電性が低下するためと考えられる。
一方、本発明の発熱抑制層35(下地層)は、導電性を有していないものの発熱抑制に効果を発揮する樹脂と、導電性材料が均一に存在することで、発熱抑制層35の導電性の低下を抑制することができる。
一方、本発明の発熱抑制層35(下地層)は、導電性を有していないものの発熱抑制に効果を発揮する樹脂と、導電性材料が均一に存在することで、発熱抑制層35の導電性の低下を抑制することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、正極集電体層34の両面のうち、一方の面に正極集電体層34と正極活物質層33との間に配置される発熱抑制層35を設けた場合を例に挙げて説明したが、発熱抑制層35は、正極集電体層34の両面のうち、少なくとも一方の面に設けられていればよく、この場合、本実施の形態と同様な効果を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、下記実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図1を参照して、実施例1のコインセル(非水電解質二次電池10)の作製方法について説明する。
始めに、第1のケース25として、内径20mmのステンレス製のケースを準備し、第2のケース26として、外径が18mmのステンレス製のケースを準備した。
図1を参照して、実施例1のコインセル(非水電解質二次電池10)の作製方法について説明する。
始めに、第1のケース25として、内径20mmのステンレス製のケースを準備し、第2のケース26として、外径が18mmのステンレス製のケースを準備した。
次いで、正極集電体層34となる厚さ20μmのアルミニウム箔上に、発熱抑制層35を形成した。
具体的には、以下の方法により、発熱抑制層35を形成した。始めに、メチルエチルケトンとトルエンとの混合溶媒に、導電剤Cとなる30質量部のアセチレンブラック(HS−100(型番),電気化学工業製)、結着剤Aとなる70質量部のポリエステル(分子量が22,000、Tgが72℃。以下、「ポリエステルD1」という。)、及び発泡剤Bである炭酸リチウム(1質量部)を添加し、分散処理を行い、均質な第1のペースト(発熱抑制層35の母材)を作製した。
具体的には、以下の方法により、発熱抑制層35を形成した。始めに、メチルエチルケトンとトルエンとの混合溶媒に、導電剤Cとなる30質量部のアセチレンブラック(HS−100(型番),電気化学工業製)、結着剤Aとなる70質量部のポリエステル(分子量が22,000、Tgが72℃。以下、「ポリエステルD1」という。)、及び発泡剤Bである炭酸リチウム(1質量部)を添加し、分散処理を行い、均質な第1のペースト(発熱抑制層35の母材)を作製した。
次いで、正極集電体層34となる厚さ20μmのアルミニウム箔上に、該第1のペーストを塗布し、乾燥処理により、塗布した第1のペーストを乾燥させることで、厚さが1μmの発熱抑制層35を形成した。これにより、正極集電体層34及び発熱抑制層35よりなる正極用積層体31が形成された。
次に、N−メチルピロリドンに、92質量部のLiMnO2(日本化学産業製)、5質量部のアセチレンブラック(HS−100(型番),電気化学工業製)、及び3質量部のポリフッ化ビニリデン(♯7200,クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製)を添加し、分散処理を行い、均質な第2のペースト(正極活物質層33の母材)を作製した。
発熱抑制層35上に、第2のペーストを塗布し、乾燥処理により、塗布した第2のペーストを乾燥させることで、厚さ100μmの正極活物質層33を形成した。これにより、正極用積層体31及び正極活物質層33よりなる構造体(正極15の母材)が形成された。
次いで、該構造体を加圧することで、正極活物質層33の正極密度を2.6g/cm3にした。
発熱抑制層35上に、第2のペーストを塗布し、乾燥処理により、塗布した第2のペーストを乾燥させることで、厚さ100μmの正極活物質層33を形成した。これにより、正極用積層体31及び正極活物質層33よりなる構造体(正極15の母材)が形成された。
次いで、該構造体を加圧することで、正極活物質層33の正極密度を2.6g/cm3にした。
次いで、上記構造体(正極15の母材)を直径13.5mmの円盤状に打ち抜くことで、実施例1の正極15を作製した。次いで、負極17の母材となるリチウム金属箔(厚さ300μm)を準備した。
次いで、を、上記リチウム金属箔を直径15.0mmの円盤状に打ち抜くことで、負極17を作製した。
次いで、を、上記リチウム金属箔を直径15.0mmの円盤状に打ち抜くことで、負極17を作製した。
次いで、セパレータ19として、直径が17mm、厚さが25mmとされたポリプロピレン製セパレータ(ハイポア(商品名)、ND525(型番)、旭化成イーマテリアルズ株式会社製)を準備した。
次いで、上記セパレータ19を介して、正極15と負極17とを対向配置させ、電池ケース11内に収容させた。
次いで、上記セパレータ19を介して、正極15と負極17とを対向配置させ、電池ケース11内に収容させた。
次いで、体積比で3:7となるようにエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを混合させて、混合有機溶媒を作製した。次いで、該混合有機溶媒中におけるLiPF6の濃度が1モル/Lとなるように、混合有機溶媒にLiPF6を添加し、さらにビニレンカーボネートを重量比で2%添加することで、非水電解液22を作製した。
次いで、電池ケース11内に、上記非水電解液22を注入することで、実施例1のコインセル(以下、「コインセルS1−1」という)を作製した。
また、コインセルS1−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例1の他のコインセル(以下、「コインセルS1−2」という)を作製した。
また、コインセルS1−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例1の他のコインセル(以下、「コインセルS1−2」という)を作製した。
表1に、実施例1〜21、及び比較例1〜5のコインセルに関する発熱抑制層の有無、発熱抑制層を構成する樹脂(結着剤)の種類、発熱抑制層を構成する発泡剤の種類、発熱抑制層を構成する発泡剤の添加量(重量部)、架橋剤の有無、及び架橋剤の種類を示す。
(実施例2)
図1を参照して、実施例2のコインセルの作製方法について説明する。
実施例2では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂(結着剤)として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、ポリエステル(分子量が14,000、Tgが71℃。以下、「ポリエステルD2」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例2のコインセルS2−1を作製した。
また、実施例2のコインセルS2−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例2の他のコインセル(以下、「コインセルS2−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例2のコインセルの作製方法について説明する。
実施例2では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂(結着剤)として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、ポリエステル(分子量が14,000、Tgが71℃。以下、「ポリエステルD2」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例2のコインセルS2−1を作製した。
また、実施例2のコインセルS2−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例2の他のコインセル(以下、「コインセルS2−2」という)を作製した。
(実施例3)
図1を参照して、実施例3のコインセルの作製方法について説明する。
実施例3では、発熱抑制層35を形成する際に使用する発泡剤Bとして、実施例2で使用した炭酸リチウムに替えて、酢酸ビニルを用いたこと以外は、実施例2のコインセルS2−1と同様な手法により、実施例3のコインセルS3−1を作製した。
また、実施例3のコインセルS3−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例3の他のコインセル(以下、「コインセルS3−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例3のコインセルの作製方法について説明する。
実施例3では、発熱抑制層35を形成する際に使用する発泡剤Bとして、実施例2で使用した炭酸リチウムに替えて、酢酸ビニルを用いたこと以外は、実施例2のコインセルS2−1と同様な手法により、実施例3のコインセルS3−1を作製した。
また、実施例3のコインセルS3−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例3の他のコインセル(以下、「コインセルS3−2」という)を作製した。
(実施例4)
図1を参照して、実施例4のコインセルの作製方法について説明する。
実施例4では、発熱抑制層35を形成する際に使用する発泡剤Bとして、実施例2で使用した炭酸リチウムに替えて、アゾジカルボンアミドを用いたこと以外は、実施例2のコインセルS2−1と同様な手法により、実施例4のコインセルS4−1を作製した。
また、実施例4のコインセルS4−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例4の他のコインセル(以下、「コインセルS4−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例4のコインセルの作製方法について説明する。
実施例4では、発熱抑制層35を形成する際に使用する発泡剤Bとして、実施例2で使用した炭酸リチウムに替えて、アゾジカルボンアミドを用いたこと以外は、実施例2のコインセルS2−1と同様な手法により、実施例4のコインセルS4−1を作製した。
また、実施例4のコインセルS4−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例4の他のコインセル(以下、「コインセルS4−2」という)を作製した。
(実施例5)
図1を参照して、実施例5のコインセルの作製方法について説明する。
実施例5では、発熱抑制層35を形成する際に使用する発泡剤Bとして、実施例2で使用した炭酸リチウムに替えて、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを用いたこと以外は、実施例2のコインセルS2−1と同様な手法により、実施例5のコインセルS5−1を作製した。
また、実施例5のコインセルS5−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例5の他のコインセル(以下、「コインセルS5−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例5のコインセルの作製方法について説明する。
実施例5では、発熱抑制層35を形成する際に使用する発泡剤Bとして、実施例2で使用した炭酸リチウムに替えて、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを用いたこと以外は、実施例2のコインセルS2−1と同様な手法により、実施例5のコインセルS5−1を作製した。
また、実施例5のコインセルS5−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例5の他のコインセル(以下、「コインセルS5−2」という)を作製した。
(実施例6)
図1を参照して、実施例6のコインセルの作製方法について説明する。
実施例6では、発熱抑制層35を形成する際に使用する発泡剤Bとして、実施例2で使用した炭酸リチウムに替えて、ジニトロソペンタメチレンテトラミンを用いたこと以外は、実施例2のコインセルS2−1と同様な手法により、実施例6のコインセルS6−1を作製した。
また、実施例6のコインセルS6−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例6の他のコインセル(以下、「コインセルS6−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例6のコインセルの作製方法について説明する。
実施例6では、発熱抑制層35を形成する際に使用する発泡剤Bとして、実施例2で使用した炭酸リチウムに替えて、ジニトロソペンタメチレンテトラミンを用いたこと以外は、実施例2のコインセルS2−1と同様な手法により、実施例6のコインセルS6−1を作製した。
また、実施例6のコインセルS6−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例6の他のコインセル(以下、「コインセルS6−2」という)を作製した。
(実施例7)
図1を参照して、実施例7のコインセルの作製方法について説明する。
実施例7では、発熱抑制層35を形成する際に使用する発泡剤Bとして、実施例2で使用した炭酸リチウムに替えて、ヒドラゾジカルボンアミドを用いたこと以外は、実施例2のコインセルS2−1と同様な手法により、実施例7のコインセルS7−1を作製した。
また、実施例7のコインセルS7−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例7の他のコインセル(以下、「コインセルS7−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例7のコインセルの作製方法について説明する。
実施例7では、発熱抑制層35を形成する際に使用する発泡剤Bとして、実施例2で使用した炭酸リチウムに替えて、ヒドラゾジカルボンアミドを用いたこと以外は、実施例2のコインセルS2−1と同様な手法により、実施例7のコインセルS7−1を作製した。
また、実施例7のコインセルS7−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例7の他のコインセル(以下、「コインセルS7−2」という)を作製した。
(実施例8)
図1を参照して、実施例8のコインセルの作製方法について説明する。
実施例8では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステル(分子量が17,000、Tgが67℃。以下、「ポリエステルD3」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例8のコインセルS8−1を作製した。
また、実施例8のコインセルS8−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例8の他のコインセル(以下、「コインセルS8−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例8のコインセルの作製方法について説明する。
実施例8では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステル(分子量が17,000、Tgが67℃。以下、「ポリエステルD3」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例8のコインセルS8−1を作製した。
また、実施例8のコインセルS8−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例8の他のコインセル(以下、「コインセルS8−2」という)を作製した。
(実施例9)
図1を参照して、実施例9のコインセルの作製方法について説明する。
実施例9では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステル(分子量が15,000、Tgが60℃。以下、「ポリエステルD4」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例9のコインセルS9−1を作製した。
また、実施例9のコインセルS9−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例9の他のコインセル(以下、「コインセルS9−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例9のコインセルの作製方法について説明する。
実施例9では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステル(分子量が15,000、Tgが60℃。以下、「ポリエステルD4」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例9のコインセルS9−1を作製した。
また、実施例9のコインセルS9−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例9の他のコインセル(以下、「コインセルS9−2」という)を作製した。
(実施例10)
図1を参照して、実施例10のコインセルの作製方法について説明する。
実施例10では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステル(分子量が23,000、Tgが67℃。以下、「ポリエステルD5」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例10のコインセルS10−1を作製した。
また、実施例10のコインセルS10−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例10の他のコインセル(以下、「コインセルS10−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例10のコインセルの作製方法について説明する。
実施例10では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステル(分子量が23,000、Tgが67℃。以下、「ポリエステルD5」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例10のコインセルS10−1を作製した。
また、実施例10のコインセルS10−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例10の他のコインセル(以下、「コインセルS10−2」という)を作製した。
(実施例11)
図1を参照して、実施例11のコインセルの作製方法について説明する。
実施例11では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステル(分子量が18,000、Tgが68℃。以下、「ポリエステルD6」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例11のコインセルS11−1を作製した。
また、実施例11のコインセルS11−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例11の他のコインセル(以下、「コインセルS11−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例11のコインセルの作製方法について説明する。
実施例11では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステル(分子量が18,000、Tgが68℃。以下、「ポリエステルD6」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例11のコインセルS11−1を作製した。
また、実施例11のコインセルS11−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例11の他のコインセル(以下、「コインセルS11−2」という)を作製した。
(実施例12)
図1を参照して、実施例12のコインセルの作製方法について説明する。
実施例12では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステル(分子量が11,000、Tgが36℃。以下、「ポリエステルD7」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例12のコインセルS12−1を作製した。
また、実施例12のコインセルS12−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例12の他のコインセル(以下、「コインセルS12−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例12のコインセルの作製方法について説明する。
実施例12では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステル(分子量が11,000、Tgが36℃。以下、「ポリエステルD7」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例12のコインセルS12−1を作製した。
また、実施例12のコインセルS12−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例12の他のコインセル(以下、「コインセルS12−2」という)を作製した。
(実施例13)
図1を参照して、実施例13のコインセルの作製方法について説明する。
実施例13では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステル(分子量が18,000、Tgが84℃。以下、「ポリエステルD8」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例13のコインセルS13−1を作製した。
また、実施例13のコインセルS13−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例13の他のコインセル(以下、「コインセルS13−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例13のコインセルの作製方法について説明する。
実施例13では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステル(分子量が18,000、Tgが84℃。以下、「ポリエステルD8」という。)を用いたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例13のコインセルS13−1を作製した。
また、実施例13のコインセルS13−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例13の他のコインセル(以下、「コインセルS13−2」という)を作製した。
(実施例14)
図1を参照して、実施例14のコインセルの作製方法について説明する。
実施例14では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1を用い、結着剤としてポリエステルD1をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例14のコインセルS14−1を作製した。
また、実施例14のコインセルS14−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例14の他のコインセル(以下、「コインセルS14−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例14のコインセルの作製方法について説明する。
実施例14では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1を用い、結着剤としてポリエステルD1をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例14のコインセルS14−1を作製した。
また、実施例14のコインセルS14−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例14の他のコインセル(以下、「コインセルS14−2」という)を作製した。
(実施例15)
図1を参照して、実施例15のコインセルの作製方法について説明する。
実施例15では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例2で使用したポリエステルD2をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例2のコインセルS2−1と同様な手法により、実施例15のコインセルS15−1を作製した。
また、実施例15のコインセルS15−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例15の他のコインセル(以下、「コインセルS15−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例15のコインセルの作製方法について説明する。
実施例15では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例2で使用したポリエステルD2をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例2のコインセルS2−1と同様な手法により、実施例15のコインセルS15−1を作製した。
また、実施例15のコインセルS15−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例15の他のコインセル(以下、「コインセルS15−2」という)を作製した。
(実施例16)
図1を参照して、実施例16のコインセルの作製方法について説明する。
実施例16では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリウレタン(分子量が20,000、Tgが68℃。以下、「ポリウレタンG1」という。)を用い、ポリウレタンG1をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例16のコインセルS16−1を作製した。
また、実施例16のコインセルS16−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例16の他のコインセル(以下、「コインセルS16−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例16のコインセルの作製方法について説明する。
実施例16では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリウレタン(分子量が20,000、Tgが68℃。以下、「ポリウレタンG1」という。)を用い、ポリウレタンG1をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例16のコインセルS16−1を作製した。
また、実施例16のコインセルS16−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例16の他のコインセル(以下、「コインセルS16−2」という)を作製した。
(実施例17)
図1を参照して、実施例17のコインセルの作製方法について説明する。
実施例17では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリウレタン(分子量が30,000、Tgが46℃。以下、「ポリウレタンG2」という。)を用い、ポリウレタンG2をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例17のコインセルS17−1を作製した。
また、実施例17のコインセルS17−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例17の他のコインセル(以下、「コインセルS17−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例17のコインセルの作製方法について説明する。
実施例17では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリウレタン(分子量が30,000、Tgが46℃。以下、「ポリウレタンG2」という。)を用い、ポリウレタンG2をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例17のコインセルS17−1を作製した。
また、実施例17のコインセルS17−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例17の他のコインセル(以下、「コインセルS17−2」という)を作製した。
(実施例18)
図1を参照して、実施例18のコインセルの作製方法について説明する。
実施例18では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステルウレタン(分子量が40,000、Tgが83℃。以下、「ポリエステルウレタンE1」という。)を用い、ポリエステルウレタンE1をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例18のコインセルS18−1を作製した。
また、実施例18のコインセルS18−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例18の他のコインセル(以下、「コインセルS18−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例18のコインセルの作製方法について説明する。
実施例18では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステルウレタン(分子量が40,000、Tgが83℃。以下、「ポリエステルウレタンE1」という。)を用い、ポリエステルウレタンE1をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例18のコインセルS18−1を作製した。
また、実施例18のコインセルS18−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例18の他のコインセル(以下、「コインセルS18−2」という)を作製した。
(実施例19)
図1を参照して、実施例19のコインセルの作製方法について説明する。
実施例19では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステルウレタン(分子量が25,000、Tgが73℃。以下、「ポリエステルウレタンE2」という。)を用い、ポリエステルウレタンE2をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例19のコインセルS19−1を作製した。
また、実施例19のコインセルS19−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例19の他のコインセル(以下、「コインセルS19−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例19のコインセルの作製方法について説明する。
実施例19では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてポリエステルウレタン(分子量が25,000、Tgが73℃。以下、「ポリエステルウレタンE2」という。)を用い、ポリエステルウレタンE2をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例19のコインセルS19−1を作製した。
また、実施例19のコインセルS19−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例19の他のコインセル(以下、「コインセルS19−2」という)を作製した。
(実施例20)
図1を参照して、実施例20のコインセルの作製方法について説明する。
実施例20では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてアクリルポリオール(分子量が37,000、Tgが77℃。以下、「アクリルポリオールF1」という。)を用い、アクリルポリオールF1をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例20のコインセルS20−1を作製した。
また、実施例20のコインセルS20−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例20の他のコインセル(以下、「コインセルS20−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例20のコインセルの作製方法について説明する。
実施例20では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてアクリルポリオール(分子量が37,000、Tgが77℃。以下、「アクリルポリオールF1」という。)を用い、アクリルポリオールF1をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例20のコインセルS20−1を作製した。
また、実施例20のコインセルS20−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例20の他のコインセル(以下、「コインセルS20−2」という)を作製した。
(実施例21)
図1を参照して、実施例21のコインセルの作製方法について説明する。
実施例21では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてアクリルポリオール(分子量が23,000、Tgが60℃。以下、「アクリルポリオールF2」という。)を用い、アクリルポリオールF2をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例21のコインセルS21−1を作製した。
また、実施例21のコインセルS21−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例21の他のコインセル(以下、「コインセルS21−2」という)を作製した。
図1を参照して、実施例21のコインセルの作製方法について説明する。
実施例21では、発熱抑制層35を形成する際に使用する樹脂として、実施例1で使用したポリエステルD1に替えて、結着剤としてアクリルポリオール(分子量が23,000、Tgが60℃。以下、「アクリルポリオールF2」という。)を用い、アクリルポリオールF2をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させたこと以外は、実施例1のコインセルS1−1と同様な手法により、実施例21のコインセルS21−1を作製した。
また、実施例21のコインセルS21−1の製造方法と同様な手法により、正極活物質層33を含んでいない実施例21の他のコインセル(以下、「コインセルS21−2」という)を作製した。
(比較例1)
比較例1では、正極集電体層上(厚さ20μmのアルミニウム箔上)に、発熱抑制層を形成することなく、直接、正極活物質層を形成したこと以外は、実施例1と同様な手法により、比較例1のコインセルT1を作製した。
つまり、比較例1のコンインセルT1の正極は、正極集電体層及び正極活物質層が積層された構造とされている。
また、正極活物質層は、92重量部のLiMnO2(日本化学産業株式会社製)、5重量部のアセチレンブラック(HS−100(型番),電気化学工業株式会社製)、及び3重量部のポリフッ化ビニリデン(♯7200,クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製)を用いて形成した。
比較例1では、正極集電体層上(厚さ20μmのアルミニウム箔上)に、発熱抑制層を形成することなく、直接、正極活物質層を形成したこと以外は、実施例1と同様な手法により、比較例1のコインセルT1を作製した。
つまり、比較例1のコンインセルT1の正極は、正極集電体層及び正極活物質層が積層された構造とされている。
また、正極活物質層は、92重量部のLiMnO2(日本化学産業株式会社製)、5重量部のアセチレンブラック(HS−100(型番),電気化学工業株式会社製)、及び3重量部のポリフッ化ビニリデン(♯7200,クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製)を用いて形成した。
(比較例2)
比較例2では、正極集電体層上(厚さ20μmのアルミニウム箔上)に、発泡剤を含んでいない中間層(図示せず)を形成したこと以外は、比較例1のコインセルT1の製造方法と同様な手法により、比較例2のコインセルT2−1を作製した。
このとき、発泡剤を含んでいない中間層は、30質量部のアセチレンブラック(HS−100(型番),電気化学工業株式会社製)、及び70質量部のアクリルポリオール(分子量が10,000、Tgが88℃。以下、「アクリルポリオールF3」という。)を用い、結着剤であるアクリルポリオールF3をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させることで形成した。
次いで、正極物質層を用いないこと以外は、上記説明したコインセルT2−1と同様な手法により、比較例2のコインセルT2−2を作製した。
比較例2では、正極集電体層上(厚さ20μmのアルミニウム箔上)に、発泡剤を含んでいない中間層(図示せず)を形成したこと以外は、比較例1のコインセルT1の製造方法と同様な手法により、比較例2のコインセルT2−1を作製した。
このとき、発泡剤を含んでいない中間層は、30質量部のアセチレンブラック(HS−100(型番),電気化学工業株式会社製)、及び70質量部のアクリルポリオール(分子量が10,000、Tgが88℃。以下、「アクリルポリオールF3」という。)を用い、結着剤であるアクリルポリオールF3をヘキサメチレンジイソシアネートで当量架橋させることで形成した。
次いで、正極物質層を用いないこと以外は、上記説明したコインセルT2−1と同様な手法により、比較例2のコインセルT2−2を作製した。
(比較例3)
比較例3では、正極集電体層上(厚さ20μmのアルミニウム箔上)に、結着剤及び発泡剤を含む中間層(図示せず)を形成したこと以外は、比較例1のコインセルT1の製造方法と同様な手法により、比較例3のコインセルT3−1を作製した。
このとき、結着剤及び発泡剤を含む中間層は、30質量部のアセチレンブラック(HS−100(型番))、70質量部のアクリルポリオールF3(分子量が10,000、Tgが88℃。結着剤。)、及び5質量部の炭酸リチウム(発泡剤)を用いて形成した。
次いで、正極物質層を用いないこと以外は、上記説明したコインセルT3−1と同様な手法により、比較例3のコインセルT3−2を作製した。
比較例3では、正極集電体層上(厚さ20μmのアルミニウム箔上)に、結着剤及び発泡剤を含む中間層(図示せず)を形成したこと以外は、比較例1のコインセルT1の製造方法と同様な手法により、比較例3のコインセルT3−1を作製した。
このとき、結着剤及び発泡剤を含む中間層は、30質量部のアセチレンブラック(HS−100(型番))、70質量部のアクリルポリオールF3(分子量が10,000、Tgが88℃。結着剤。)、及び5質量部の炭酸リチウム(発泡剤)を用いて形成した。
次いで、正極物質層を用いないこと以外は、上記説明したコインセルT3−1と同様な手法により、比較例3のコインセルT3−2を作製した。
(比較例4)
比較例4では、発泡剤を含んでいない中間層(図示せず)を形成する際に、比較例2で使用したアクリルポリオールF3に替えて、結着剤としてポリエステルD1を用いたこと以外は、比較例2と同様な手法により、比較例4のコインセルT4−1を作製した。
次いで、正極物質層を用いないこと以外は、上記説明したコインセルT4−1と同様な手法により、比較例4のコインセルT4−2を作製した。
比較例4では、発泡剤を含んでいない中間層(図示せず)を形成する際に、比較例2で使用したアクリルポリオールF3に替えて、結着剤としてポリエステルD1を用いたこと以外は、比較例2と同様な手法により、比較例4のコインセルT4−1を作製した。
次いで、正極物質層を用いないこと以外は、上記説明したコインセルT4−1と同様な手法により、比較例4のコインセルT4−2を作製した。
(比較例5)
比較例5では、発泡剤を含んでいない中間層(図示せず)を形成する際に、比較例2で使用したアクリルポリオールF3に替えて、結着剤としてポリエステルD2を用いたこと以外は、比較例2と同様な手法により、比較例5のコインセルT5−1を作製した。
次いで、正極物質層を用いないこと以外は、上記説明したコインセルT5−1と同様な手法により、比較例5のコインセルT5−2を作製した。
比較例5では、発泡剤を含んでいない中間層(図示せず)を形成する際に、比較例2で使用したアクリルポリオールF3に替えて、結着剤としてポリエステルD2を用いたこと以外は、比較例2と同様な手法により、比較例5のコインセルT5−1を作製した。
次いで、正極物質層を用いないこと以外は、上記説明したコインセルT5−1と同様な手法により、比較例5のコインセルT5−2を作製した。
(実施例1〜21のコインセルS1−2〜S21−2の正極、及び比較例2〜5のコインセルT2−2〜T5−2の正極の評価試験)
次に、実施例1〜21のコインセルS1−2〜S21−2の正極、及び比較例2〜5のコインセルT2−2〜T5−2の正極の電気化学的挙動の調査を行った。
具体的には、ポテンショ/ガルバノスタット装置(1287型(型番),Solartron社製)と、周波数応答アナライザ(1260型(型番),Solartron社製)と、を用いて、掃引速度を5mV/sec、電位範囲を3.0〜5.0Vとして掃引することで、サイクリックボルタンメトリー(CV)の測定を実施した。
次に、実施例1〜21のコインセルS1−2〜S21−2の正極、及び比較例2〜5のコインセルT2−2〜T5−2の正極の電気化学的挙動の調査を行った。
具体的には、ポテンショ/ガルバノスタット装置(1287型(型番),Solartron社製)と、周波数応答アナライザ(1260型(型番),Solartron社製)と、を用いて、掃引速度を5mV/sec、電位範囲を3.0〜5.0Vとして掃引することで、サイクリックボルタンメトリー(CV)の測定を実施した。
そして、上記CV測定において、酸化電流が0.05mA/cm2観測された時点の電圧を、発熱抑制層35または中間層を構成する樹脂、もしくは該樹脂と発泡剤との酸化開始電位と規定した。
この結果を表2に示す。表2は、実施例1〜21のコインセルS1−2〜S21−2の正極、及び比較例2〜5のコインセルT2−2〜T5−2のCV特性から算出した酸化開始電位を示す表である。
この結果を表2に示す。表2は、実施例1〜21のコインセルS1−2〜S21−2の正極、及び比較例2〜5のコインセルT2−2〜T5−2のCV特性から算出した酸化開始電位を示す表である。
(実施例1〜21のコインセルS1−2〜S21−2の正極、及び比較例2〜5のコインセルT2−2〜T5−2の正極の評価結果のまとめ)
表2を参照するに、比較例2,3の酸化開始電位の比較から発泡剤添加により酸化開始電位が低下することが確認できた。
比較例2では、非水電解液の酸化開始電位である4.8Vよりも低い電圧において酸化反応が観察されていない為、炭酸リチウム(発泡剤)の酸化開始電位は4.55V付近と推測される。
また、比較例4,5のコインセルT4−2,T5−2の中間層を構成するポリエステル樹脂の酸化開始電位は、4.5V以下であり、比較的低電位と推測される。
表2を参照するに、比較例2,3の酸化開始電位の比較から発泡剤添加により酸化開始電位が低下することが確認できた。
比較例2では、非水電解液の酸化開始電位である4.8Vよりも低い電圧において酸化反応が観察されていない為、炭酸リチウム(発泡剤)の酸化開始電位は4.55V付近と推測される。
また、比較例4,5のコインセルT4−2,T5−2の中間層を構成するポリエステル樹脂の酸化開始電位は、4.5V以下であり、比較的低電位と推測される。
実施例1,2のコインセルS1−2,S2−2の結果から、発熱抑制層35を構成するポリエステルD1,D2に炭酸リチウム(発泡剤B)を添加しても酸化開始電位に大きな変化がないことが確認できた。
また、実施例8〜13のコインセルS8−2〜S13−2の結果から、ポリエステルD3〜D8に炭酸リチウム(発泡剤B)を添加しても、酸化開始電位は4.3〜4.5V付近に存在することを確認した。実施例3〜7より、ポリエステルD2に対して、酢酸ビニル、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾジカルボンアミドを添加した場合も、酸化開始電位は、4.37〜4.54Vの範囲内であることが確認できた。
また、実施例8〜13のコインセルS8−2〜S13−2の結果から、ポリエステルD3〜D8に炭酸リチウム(発泡剤B)を添加しても、酸化開始電位は4.3〜4.5V付近に存在することを確認した。実施例3〜7より、ポリエステルD2に対して、酢酸ビニル、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾジカルボンアミドを添加した場合も、酸化開始電位は、4.37〜4.54Vの範囲内であることが確認できた。
実施例14、15のコインセルS14−2,S15−2の結果から、ポリエステルD1,D2に炭酸リチウム(発泡剤B)を添加して架橋させた場合には、酸化開始電位が4.6Vを超える程度まで数値がシフトすることが確認された。
実施例16〜21のコインセルS16−2,S21−2の結果から、炭酸リチウム(発泡剤B)を添加して架橋させたポリウレタンG1,G2、ポリエステルウレタンE1,E2、アクリルポリオールF1,F2の酸化開始電位も、比較的高電位である4.6V以上であることが判った。
実施例16〜21のコインセルS16−2,S21−2の結果から、炭酸リチウム(発泡剤B)を添加して架橋させたポリウレタンG1,G2、ポリエステルウレタンE1,E2、アクリルポリオールF1,F2の酸化開始電位も、比較的高電位である4.6V以上であることが判った。
(実施例1〜21のコインセルS1−1〜S21−1、及び比較例1〜5のコインセルT1,T2−1〜T5−1の放電容量評価試験)
次に、実施例1〜21のコインセルS1−1〜S21−1、及び比較例1〜5のコインセルT1,T2−1〜T5−1の放電容量の評価試験を行った。
具体的には、定電流、定電圧充電にて4.3Vまで充電し、定電流放電にて3.0Vまで放電した。そして、0.1Cでの充放電を2回繰り返した後、0.2C充電後の0.2C、1C、2C、4C、6C、10、20C放電の順番で測定を行い、放電容量レート特性(表3に示す0.2C容量や4C容量/0.2C容量が放電容量レート特性に相当する)を得た。
なお、定電圧充電により0.01mAまで電流値が低下した後、定電流放電に移行するように設定した。
次に、実施例1〜21のコインセルS1−1〜S21−1、及び比較例1〜5のコインセルT1,T2−1〜T5−1の放電容量の評価試験を行った。
具体的には、定電流、定電圧充電にて4.3Vまで充電し、定電流放電にて3.0Vまで放電した。そして、0.1Cでの充放電を2回繰り返した後、0.2C充電後の0.2C、1C、2C、4C、6C、10、20C放電の順番で測定を行い、放電容量レート特性(表3に示す0.2C容量や4C容量/0.2C容量が放電容量レート特性に相当する)を得た。
なお、定電圧充電により0.01mAまで電流値が低下した後、定電流放電に移行するように設定した。
次いで、0.1Cでの充放電を2回繰り返した後、0.2C充電、1C放電の繰り返しによるサイクル特性評価を実施した。尚、定電圧充電により0.01mAまで電流値が低下した後、定電流放電に移行するように設定した。
上記放電容量評価試験の結果を表3に示す。表3は、実施例1〜21のコインセルS1−1〜S21−1、及び比較例1〜5のコインセルT1,T2−1〜T5−1に関する0.2C放電容量(mAh/g)、4C放電容量/0.2C放電容量、50サイクル後の容量維持率(%)、降下電圧(V)を示す表である。
上記放電容量評価試験の結果を表3に示す。表3は、実施例1〜21のコインセルS1−1〜S21−1、及び比較例1〜5のコインセルT1,T2−1〜T5−1に関する0.2C放電容量(mAh/g)、4C放電容量/0.2C放電容量、50サイクル後の容量維持率(%)、降下電圧(V)を示す表である。
(実施例1〜21のコインセルS1−1〜S21−1、及び比較例1〜5のコインセルT1,T2−1〜T5−1の過充電評価試験)
次に、実施例1〜21のコインセルS1−1〜S21−1、及び比較例1〜5のコインセルT1,T2−1〜T5−1の過充電評価試験を行った。
具体的には、始めに、4.3Vまで定電流、定電圧充電、3.0Vまで定電流放電を実施した。次いで、0.1Cによるならし充放電を2回行った。次いで、充放電1回目として、4.3V、0.2C充放電を1度実施した。
次に、実施例1〜21のコインセルS1−1〜S21−1、及び比較例1〜5のコインセルT1,T2−1〜T5−1の過充電評価試験を行った。
具体的には、始めに、4.3Vまで定電流、定電圧充電、3.0Vまで定電流放電を実施した。次いで、0.1Cによるならし充放電を2回行った。次いで、充放電1回目として、4.3V、0.2C充放電を1度実施した。
その後、充放電2回目として、0.2C充電で4.8Vまで定電流、定電圧充電を行うことで過充電を実施し、0.2C放電を行った。さらに、充放電3回目として、4.3V、0.2C充電の後に2C放電を実施した。2C放電開始後60秒経過時の降下電圧値を、降下電圧と規定した。
実施例1〜21のコインセルS1−1〜S21−1、及び比較例2〜5のコインセルT1,T2−1〜T5−1の過充電評価試験の結果を表3に示す。
実施例1〜21のコインセルS1−1〜S21−1、及び比較例2〜5のコインセルT1,T2−1〜T5−1の過充電評価試験の結果を表3に示す。
(実施例1〜21のコインセルS1−1〜S21−1、及び比較例1〜5のコインセルT1,T2−1〜T5−1の過充電評価結果のまとめ)
表3を参照するに、発熱抑制層35及び中間層を有していない比較例1の結果と、発熱抑制層35の替りにアクリルポリオールF3を使用して架橋された中間層を有する比較例2の結果と、の間で大きな差は見られなかった。
表3を参照するに、発熱抑制層35及び中間層を有していない比較例1の結果と、発熱抑制層35の替りにアクリルポリオールF3を使用して架橋された中間層を有する比較例2の結果と、の間で大きな差は見られなかった。
比較例2の結果、及びポリエステルD9に炭酸リチウム(発泡剤)を添加して架橋させた中間層を有する比較例3の結果から、アクリルポリオールF3に炭酸リチウム(発泡剤)を添加して架橋させると、過充電後の降下電圧が1.3Vに増大するものの、4C容量/0.2C容量が0.6となり大幅に低下することが確認された。
この降下電圧の増大は、過充電時における炭酸リチウムの発泡によるコインセルT3の内部抵抗の増大に起因するものと考えられる。
また、4C放電容量/0.2C放電容量の大幅低下は、通常作動電圧領域(3.0〜4.0V)における炭酸リチウムの誤発泡に起因するものと推測される。
なお、コインセルの内部抵抗が顕著に増大するほど、過充電時の熱暴走を抑制できると推測される。
また、4C放電容量/0.2C放電容量の大幅低下は、通常作動電圧領域(3.0〜4.0V)における炭酸リチウムの誤発泡に起因するものと推測される。
なお、コインセルの内部抵抗が顕著に増大するほど、過充電時の熱暴走を抑制できると推測される。
比較例1の結果、ポリエステルD1(架橋無し)よりなる中間層を有する比較例4の結果、及びポリエステルD2(架橋無し)よりなる中間層を有する比較例5の結果から、ポリエステルD1,D2を用いた比較例4,5のコインセルT4−1,T5−1の電池特性は良好であると推測される。
しかしながら、比較例4,5のコインセルT4−1,T5−1の過充電後の降下電圧は、0.6Vまたは0.7Vであるので、比較例3のコインセルT3−1と比較すると、降下電圧が小さい結果となった。このことから、比較例4,5のコインセルコインセルT4−1,T5−1は、抵抗上昇が小さいことが判明した。
ポリエステルD1に炭酸リチウム(発泡剤)を添加することで構成された発熱抑制層35を有する実施例1の結果、ポリエステルD2に炭酸リチウム(発泡剤)を添加することで構成された発熱抑制層35を有する実施例2の結果から、実施例1,2のコインセルS1−1,S2−1では、電池特性を維持しながら、降下電圧を1.3Vに増大させることができることが判った。
実施例8〜13の結果から、ポリエステルD3〜D8に炭酸リチウム(発泡剤B)を添加することで、50サイクル容量維持率(%)が僅かに低下するものもあるが、過充電後には、1.1〜1.3Vの大きな降下電圧を示した。
実施例3〜7の結果から、ポリエステルD2に対して、酢酸ビニル、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾジカルボンアミドのうちいずれか1つの発泡剤Bを添加させた場合、電池特性を略維持しながら、過充電後には、1.1Vまたは1.2Vの大きな降下電圧を示した。
実施例3〜7の結果から、ポリエステルD2に対して、酢酸ビニル、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾジカルボンアミドのうちいずれか1つの発泡剤Bを添加させた場合、電池特性を略維持しながら、過充電後には、1.1Vまたは1.2Vの大きな降下電圧を示した。
また、実施例14,15の結果から、ポリエステルD1,D2に炭酸リチウム(発泡剤B)を添加させて架橋させた場合でも、電池特性を維持しながら、過充電後には、1.3Vの大きな降下電圧を示した。
また、実施例16〜21の結果から、ポリウレタンG1,G2、ポリエステルウレタンE1,E2、及びアクリルポリオールF1,F2を使用した場合でも、電池特性を略維持しながら、過充電後には、1.2Vまたは1.3Vの降下電圧を示した。
また、実施例16〜21の結果から、ポリウレタンG1,G2、ポリエステルウレタンE1,E2、及びアクリルポリオールF1,F2を使用した場合でも、電池特性を略維持しながら、過充電後には、1.2Vまたは1.3Vの降下電圧を示した。
上記評価結果から、発熱抑制層35が発泡剤Bを含有することで、過充電後の降下電圧が大幅に増大(言い換えれば、電池抵抗が大幅に上昇)するが、電池特性が大きく低下することも判った。
また、発熱抑制層35が過充電状態において酸化反応を示す樹脂(結着剤A)を含有することで、電池特性は維持しながら、過充電後の降下電圧が増大(言い換えれば、電池抵抗が上昇)することを確認した。
また、発熱抑制層35が過充電状態において酸化反応を示す樹脂(結着剤A)を含有することで、電池特性は維持しながら、過充電後の降下電圧が増大(言い換えれば、電池抵抗が上昇)することを確認した。
このように、電池特性が維持できた理由としては、導電剤と樹脂とを混合させた発熱抑制層35(下地層)の場合、導電剤が均一に存在するため、導電パスが切断されず、良好な導電性が維持されたことが考えられる。
なお、導電剤と発泡剤から構成される下地層においては、導電性を有していない発泡剤を添加した場合に電極抵抗が増大する(発泡剤の存在する部分はただの空隙と考えられる)。
なお、導電剤と発泡剤から構成される下地層においては、導電性を有していない発泡剤を添加した場合に電極抵抗が増大する(発泡剤の存在する部分はただの空隙と考えられる)。
そして、発熱抑制層35が、過充電状態において酸化反応を示す樹脂(結着剤A)と少量の発泡剤Bとを含有することで、電池特性は維持しながら、過充電後の降下電圧を大幅に増大(言い換えれば、電池抵抗を大幅に上昇)させることに成功し、さらに、架橋した樹脂(結着剤A)を有する場合においても、同様の性能を有することを確認できた。
上記結果から、酸化開始電位が4.3V以上4.8V以下となるポリエステルD1〜D10等の樹脂(結着剤A)に、4.3V以上で4.8V以下で酸化発泡する発泡剤B(具体的には、酢酸ビニル、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾジカルボンアミド)を少量添加されることで構成される発熱抑制層35を有することで、過充電状態での大幅な抵抗上昇が達成された。この抵抗上昇が、過充電状態において、正極活物質層33が含有する正極活物質からのリチウム脱離を抑制し、熱暴走が抑制されるものと考えられる。
また、実施例1〜21のコインセルS1−1〜S21−1の性能は、比較例3のコインセルT3−1よりも高性能を示し、かつ比較例1,2,4,5のコインセルT1,T2−1,T4−1,T5−1と同等の性能を示すことが確認できた。
さらに、ポリポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、アクリルポリオール等の樹脂は、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン等の低沸点溶媒に可溶であるため、発熱抑制層35の母材を塗布する工程、及び塗布液を乾燥させる工程を非常に短時間で完了することが可能となる。
これにより、発熱抑制層35、及び正極活物質層33を連続して形成することが可能となるので、製造コストの上昇を抑制することができる。
これにより、発熱抑制層35、及び正極活物質層33を連続して形成することが可能となるので、製造コストの上昇を抑制することができる。
本発明は、過充電に伴う発熱を抑制可能な正極用積層体、正極、及び非水電解質二次電池に適用可能である。
10…非水電解質二次電池、11…電池ケース、13…ガスケット、15…正極、17…負極、19…セパレータ、22…非水電解液、25…第1のケース、25−1,26−1…円形部、25−2,26−2…側壁部、26…第2のケース、31…正極用積層体、33…正極活物質層、34…正極集電体層、35…発熱抑制層、38…負極集電体層、39…負極活物質層
Claims (7)
- 正極集電体層と、
前記正極集電体層の両面のうち、少なくとも一方の面に設けられ、前記正極集電体層と正極活物質を含む正極活物質層との間に配置される発熱抑制層と、
を有し、
前記発熱抑制層は、過電流に伴う電圧の上昇により変質することで抵抗体として機能する結着剤、前記過電流に伴う電圧の上昇により分解されることでガスを発生させる発泡剤、及び前記正極集電体層と前記正極活物質層とを電気的に接続する導電剤を含むことを特徴とする正極用積層体。 - 前記結着剤が変質を開始する電圧値は、4.3〜4.8Vの範囲内であることを特徴とする請求項1記載の正極用積層体。
- 前記発泡剤の分解が開始される電圧値は、4.3〜4.8Vの範囲内であることを特徴とする請求項1または2記載の正極用積層体。
- 前記結着剤は、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、アクリルポリオールのうち、少なくとも1種を含む樹脂であることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の正極用積層体。
- 前記発泡剤は、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、及びヒドラゾジカルボンアミドのうち、少なくとも1種を主成分とする有機系発泡材料、或いは、炭酸リチウム、炭酸亜鉛、炭酸鉛、及び炭酸ストロンチウムのうち、少なくとも1種を含む無機系発泡材料を含むことを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の正極用積層体。
- 請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の前記正極用積層体と、
前記正極集電体層と接触する第1の面とは反対側に位置する前記発熱抑制層の第2の面に配置された前記正極活物質層と、
を有することを特徴とする正極。 - 請求項6記載の前記正極と、
前記正極を収容する第1のケースと、
前記正極と対向するように配置された負極と、
前記正極と前記負極との間に配置され、該正極と該負極とを電気的に絶縁するセパレータと、
前記負極及び前記セパレータを収容する第2のケースと、
前記第1のケースの側壁と前記第2のケースの側壁とを接続し、前記第1及び第2のケースよりなる電池ケース内を気密するガスケットと、
前記電池ケース内に収容され、前記正極、前記負極、及び前記セパレータを浸潤させる非水電解液と、
を有することを特徴とする非水電解質二次電池。
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- 2014-02-19 JP JP2014029254A patent/JP2015153720A/ja active Pending
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