JP2015069898A - 電極、及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

電極、及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】過充電に対する安全性を改善したリチウムイオン二次電池用の電極を実現する。【解決手段】電極は、正極集電体上に、少なくとも、樹脂材料、導電剤及び発泡材料を含有する正極第1層と、正極活物質、導電剤及び結着剤を含有する正極第2層とを有している。正極第1層中の発泡剤は、過充電状態の高電圧において酸化分解し、酸化分解に続く温度上昇過程において熱発泡する。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用の電極に関する。
ノート型コンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等電子機器の普及に伴い、これら電子機器を駆動するための二次電池の需要が拡大している。近年、これら電子機器は高機能化の進展に伴い消費電力が増大していることや、小型化が期待されていることから、二次電池に対しては高エネルギー密度・高出力密度化が求められている。高エネルギー密度・高出力密度を達成できる二次電池としては、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池が有力視されている。
しかし、リチウムイオン二次電池では、化学的活性の高いリチウム、可燃性の高い電解液、過充電状態での安定性が低いリチウム遷移金属複合酸化物を電池材料として用いていることから、過充電状態において更に充電を継続すると、電池材料間の化学反応が急激に進行し、電池が発熱、熱暴走、発火等を引き起こすという安全上の問題があることが知られている。このため、過充電状態に至る前に速やかに充電を停止する必要があり、電圧の監視、充電の停止等を外部回路にて行う機構が採用されている。
このように、安全に対して様々な対策が施されているにも関わらず、車載電池や航空機搭載電池の発火が後を絶たない。このため、電池外部だけでなく、電池内部における安全機構の確立、導入が求められている。
そこで、リチウムイオン二次電池の過充電を抑止する様々な手法が検討されている。例えば、特許文献1〜4のような手法が開示されている。
特許文献1では、過充電に伴う電圧上昇により、電解液中に添加した材料が酸化重合し、電池内部抵抗を上昇させることで過充電を抑制する電解液添加剤が開示されている。
特許文献2では、過充電に伴う温度上昇により電極抵抗を上昇させ、過充電を抑止する手法として、正極材料又は負極材料からなる電極合剤層を集電体上に積層する電極において、電極合剤層中又は電極合剤層と集電体との界面に沿って熱膨張性マイクロカプセルを含有させる電極が開示されている。
特許文献3では、過充電に伴う電圧上昇により正極合剤に含有する化合物が分解してガスを発生し、電池の内部抵抗が上昇して更なる過充電を抑制する正極が開示されている。
特許文献4では、正極集電体、導電剤、結着剤と過充電状態での高電位で分解する物質から第1層、第1層上に形成された正極活物質と導電剤と結着剤からなる第2層を有する二層構造の正極を採用することで、過充電により高電位となった場合に、高電位で分解する物質が分解されてガスを発生する。その結果、第1層を構造破壊するとともに、第1層と第2層との界面破壊を生じるように作用し、電池内部抵抗が上昇することで、充電電流を遮断し、過充電を抑制する手法が開示されている。
特許第3938194号公報 特許第4727021号公報 特開2008−181830号公報 特許第4236308号公報
しかしながら、特許文献1に示すように過充電を抑制するような添加剤を電解液中に混合した場合、電解液中の電解質イオン伝導度が低下するという課題がある。また、高温保管時にも添加剤の反応が生じて、電池サイクル寿命、高温保存特性が低下するという課題がある。
また、特許文献2に示すように過充電に伴う温度上昇により熱膨張するマイクロカプセルを正極内に導入した場合も、高温保管時にマイクロカプセルが徐々に膨張して正極抵抗を上昇させる為、電池サイクル寿命、高温保存特性が低下するという課題がある。
また、特許文献3に示すように過充電に伴う電圧上昇により分解されてガスを発生する化合物を正極合剤中に導入した場合、正極合剤中の活物質量が低下する為、正極容量が低下するという課題がある。
また、特許文献4に示すように過充電に伴う電圧上昇により分解されてガスを発生する化合物を集電体上の正極第1層内に導入した場合、電圧上昇にともなうガス発生で正極第1層の破壊が進行する際に電流遮断が不十分であると、過熱して熱暴走に至るという課題がある。
本発明の目的は、上記の課題を考慮し、過充電に対する安全性を改善したリチウムイオン二次電池用の電極を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電極は、正極集電体上に、少なくとも、樹脂材料、導電剤及び発泡材料を含有する正極第1層と、正極活物質、導電剤及び結着剤を含有する正極第2層とを有している。正極第1層中の発泡剤は、過充電状態の高電圧において酸化分解し、酸化分解に続く温度上昇過程において熱発泡する。
本発明の一態様に係る電極によれば、電圧上昇によるガス発生が不十分で過熱が進行する場合であっても、適切な温度で正極第1層を破壊することで電流を確実に遮断し、熱暴走を回避して安全性を向上させることが可能となる。
実施例1〜12、比較例2〜3に示す正極模式図。 比較例1に示す正極模式図。 実施例1〜12の正極評価に使用するコイン型電池1の模式図。 実施例1〜12、比較例1〜2の電池の放電容量評価、過充電評価に使用するコイン型電池2の模式図。
以下、本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池について説明する。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極は、導電剤と結着剤及び特定の熱発泡剤を含有する第1層を正極集電体上に形成し、正極活物質と導電剤及び結着剤を含有する第2層を第1層上に積層形成した、2層構成の正極である。
(正極)
正極第1層に含まれる導電剤は、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等の公知の材料を使用することができる。
正極第1層に含まれる結着剤は、リチウムイオン二次電池が過充電状態となった場合の高電圧で変質しない樹脂である必要がある。具体的には、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、もしくはこれらに硬化剤を添加した熱硬化性樹脂等が挙げられる。
正極第1層に含まれる熱発泡剤は、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、重炭酸塩から選択されるものである。これらは発泡剤であるから、所定の温度で発泡するが、同時に正極が過充電状態に達した電位で分解も進行する。例えば、実験により、ヒドラジン誘導体である4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)は、4.4V以上4.8V以下で分解されることが確認された。現在のリチウムイオン二次電池の正極電位は4.2V前後であるから、過充電状態の前記電圧範囲で4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)は分解され、ガスを発生する。しかし、正極第1層内はミクロで見れば電圧が不均一であるから、発泡剤全量が分解されることはない。ここで分解せずに残った発泡剤は、これに続く温度上昇によって、本来の熱発泡剤として機能する。このことにより、正極第1層が電圧で十分に破壊されなくても、適切な温度で発泡することで確実に破壊がなされる。
また、熱発泡剤の発泡開始温度を低下させる発泡助剤の併用も可能である。例えば、尿素系発泡助剤を添加することができる。
更に、正極第1層と第2層を連続的な製造工程で作製する場合には、正極第1層の乾燥を短時間で行う必要があり、正極第1層形成用液体組成物の溶媒には、低沸点溶媒を選定することが望ましい。よって、第1層の結着剤は前記低沸点溶媒に溶解する樹脂を選定することが好ましい。
正極第1層は、上記導電剤と結着剤を、メチルエチルケトン、トルエン等の単独溶媒もしくは混合溶媒中で混合した後、正極集電体上に塗布、乾燥することで形成することができる。
正極集電体は、特に限定されるものではなく、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の公知の材質からなる集電体を使用することができる。
正極第2層に含まれる正極活物質は、特に限定されるものではなく、従来公知の活物質を使用することができる。例えば、正極活物質としては、リチウムイオンを放出できるリチウム遷移金属複合酸化物を使用することができる。このようなリチウム遷移金属複合酸化物の一例として、LiNiO、LiMn、LiCoO、LiFePO等を挙げることができる。また、正極活物質としては、上記リチウム遷移金属酸化物を複数混合して使用することもできる。
正極第2層は、正極活物質、結着剤、導電剤等をN−メチルピロリドン等の溶媒中で混合した後、正極第1層上に積層塗布、乾燥することで形成することができる。
(負極)
負極に含まれる負極活物質は、特に限定されるものではなく、リチウム等の金属材料、ケイ素、スズ等を含有する合金系材料、グラファイト、コークス等の炭素材料のような、リチウムイオンを吸蔵・放出できる化合物を単独からは組み合わせて用いることができる。また、負極活物質としてリチウム金属箔を用いる場合、銅等の金属集電体上にリチウム箔を圧着して形成することができる。また、負極活物質として合金材料、炭素材料を用いる場合は、負極活物質と結着材、導電助剤等を水、NMP等の溶媒中で混合した後、銅等の金属集電体上に塗布、乾燥することで形成することができる。
結着材は、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、EPDM、SBR、NBR、フッ素ゴム等の化学的、物理的に安定な材料が好ましい。また、導電助剤の例として、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、非晶質炭素等を挙げることができる。
負極集電体は、特に限定されるものではなく、銅箔等を含有する集電体を使用することができる。
(非水電解液)
非水電解液は、特に限定されるものではなく、有機溶媒等の溶媒に支持塩を溶解させたもの、電解質兼溶媒であるイオン液体、そのイオン液体に更に支持塩を溶解させたもの等を挙げることができる。
有機溶媒としては、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。また、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の混合溶媒を用いることもできる。
非水電解液に用いられる支持塩は、特に限定されるものではない。例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFSO等を挙げることができる。
非水電解液に用いられるイオン液体も、常温で液体である塩であれば特に限定されるものではない。例えば、アルキルアンモニウム塩、ピロリジニウム塩、ピラゾリウム塩、ピペリジニウム塩、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等を挙げることができる。また、広い電位領域において電気化学的に安定であると更に好ましい。
(電池)
正極と負極との接触を防止するためのセパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン製や芳香族ポリアミド樹脂製の微孔膜又は不織布、無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート等を挙げることができる。
前記正極、負極、非水電解液、セパレータを、電解液の漏洩防止、外気進入の防止等を目的としたケースに収納して、リチウムイオン二次電池を作製することができる。
以下、実施例を用いて、本実施形態について説明する。
(実施例1)
まず、アセチレンブラック(HS−100,電気化学工業製)30質量部、ポリエステルA(分子量:22,000,Tg:72℃)70質量部、ヒドラジン誘導体系発泡剤A(4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、発泡温度155℃)1質量部、尿素系発泡助剤(添加により発泡開始温度が127℃に低下)1質量部を、酢酸エチルとトルエンの混合溶媒に添加し、分散処理を行い、均質なペーストを調製した。このペーストにヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤をポリエステルAのOH基に対して当量加えて、このペーストをアルミニウム箔集電体(20μm厚)上に塗布し、乾燥処理後、80℃にて5日間のエージングを行うことで、正極第1層を得た。乾燥処理後の正極第1層膜厚は、1μm以上2μm以下であった。
次に、LiMn(三井金属鉱業製)92質量部、アセチレンブラック(HS−100,電気化学工業製)5質量部、ポリフッ化ビニリデン(♯7200,クレハ製)3質量部をN−メチルピロリドン(NMP)に添加し、分散処理を行い、均質なペーストを調製した。このペーストを正極第1層上に塗布し、乾燥処理を行うことで、正極第2層を得た。乾燥処理後の正極第2層膜厚は、約100μmであった。
得られた正極を直径13.5mmに打抜き、負極として直径15mmにリチウム箔を用意し、ポリプロピレン製セパレータ(ハイポア,旭化成イーマテリアルズ製)を介して正極、負極を挟み込みんだ。
そこに、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比で3:7に混合した混合有機溶媒中にLiPFが1モル/L濃度になるように添加し、更にビニレンカーボネートを重量比で2%添加して調製した非水電解液を注入し、コイン型電池を作製した。
なお、正極第1層、セパレータ、リチウム箔及び非水電解液を含有する電池をコイン型電池1とし、正極第1層、第2層、セパレータ、リチウム箔及び非水電解液を含有する電池をコイン型電池2とした。
(実施例2)
実施例1の正極第1層の熱発泡剤をヒドラジン誘導体系発泡剤B(4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、発泡温度160℃)1質量部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
(実施例3)
実施例1の正極第1層の熱発泡剤をアゾ化合物系発泡剤A(アゾジカルボンアミド、発泡温度135℃)1質量部、尿素系発泡助剤1質量部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
(実施例4)
実施例1の正極第1層の熱発泡剤をニトロソ化合物系発泡剤A(N,N‘−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、発泡温度120℃)1質量部、尿素系発泡助剤1質量部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
(実施例5)
実施例1の正極第1層の樹脂としてアクリルポリオールA(分子量:10,000、Tg:88℃)を使用した。それ以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
(実施例6)
実施例2の正極第1層の樹脂としてアクリルポリオールA(分子量:10,000、Tg:88℃)を使用した。それ以外は、実施例2と同様にしてコイン型電池を作製した。
(実施例7)
実施例3の正極第1層の樹脂としてアクリルポリオールA(分子量:10,000、Tg:88℃)を使用した。それ以外は、実施例3と同様にしてコイン型電池を作製した。
(実施例8)
実施例4の正極第1層の樹脂としてアクリルポリオールA(分子量:10,000、Tg:88℃)を使用した。それ以外は、実施例4と同様にしてコイン型電池を作製した。
(実施例9)
実施例1の正極第1層の樹脂としてアクリルポリオールB(分子量:16,000、Tg:52℃)を使用した。それ以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
(実施例10)
実施例2の正極第1層の樹脂としてアクリルポリオールB(分子量:16,000、Tg:52℃)を使用した。それ以外は、実施例2と同様にしてコイン型電池を作製した。
(実施例11)
実施例3の正極第1層の樹脂としてアクリルポリオールB(分子量:16,000、Tg:52℃)を使用した。それ以外は、実施例3と同様にしてコイン型電池を作製した。
(実施例12)
実施例4の正極第1層の樹脂としてアクリルポリオールB(分子量:16,000、Tg:52℃)を使用した。それ以外は、実施例4と同様にしてコイン型電池を作製した。
(比較例1)
正極第1層を形成することなく、アルミニウム箔集電体(20μm厚)上にLiMn(三井金属鉱業製)92重量部、アセチレンブラック(HS−100、電気化学工業製)5重量部、ポリフッ化ビニリデン(♯7200、クレハ製)3重量部を含有する正極第2層を直接形成した正極を使用した。それ以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
(比較例2)
実施例1の発泡剤と発泡助剤を添加しなかった。それ以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
(比較例3)
実施例1の発泡剤と発泡助剤を添加せず、代わりに電圧分解剤である炭酸リチウムを2.1質量部添加した。それ以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
(正極評価)
正極評価として、正極第1層の電気化学的挙動の調査を行った。具体的には、上記正極第1層を作用極、リチウム金属を対極とした2極セル(コイン型電池1)を作製し、ポテンショ/ガルバノスタット装置(1287型、Solartron社製)と周波数応答アナライザ(1260型、Solartron社製)を用いて、掃引速度5mV/s、電位範囲3.0V以上5.0V以下で掃引することで、サイクリックボルタンメトリー(CV)測定を実施した。
上記のコイン型電池1のCV測定において、酸化電流が0.05mA/cm観測された時点の電圧を、正極第1層が含有する発泡剤の酸化開始電位とした。
(電池の放電容量評価)
コイン型電池2を使用し、定電流、定電圧充電にて4.3Vまで充電し、定電流放電にて3.0Vまで放電した。まず、0.1Cでの充放電を2回繰り返した後、0.2C充電後の0.2C、1C、2C、4C、6C、10C放電の順番で測定を行い、放電容量レート特性を得た。なお、定電圧充電により0.01mAまで電流値が低下した後、定電流放電に移行するように設定した。
コイン型電池2を使用し、0.1Cでの充放電を2回繰り返した後、0.2C充電、1C放電の繰り返しによるサイクル特性評価を実施した。なお、定電圧充電により0.01mAまで電流値が低下した後、定電流放電に移行するように設定した。
(電池の過充電評価)
上記放電容量評価と同様に、コイン型電池2を使用し、4.3Vまで定電流、定電圧充電、3.0Vまで定電流放電をまず実施した。初めに、0.1Cによるならし充放電を2回行った。次に、充放電1回目として、4.3V、0.2C充放電を1度実施した。その後、充放電2回目として、0.2C充電で4.5Vまで定電流、定電圧充電を行うことで過充電を実施し、0.2C放電を行った。更に、充放電3回目として、4.3V、0.2C充放電を1度実施した。
(電池の熱負荷評価)
上記過充電評価が終了したコイン型電池2を更に130℃で10分間加熱した後に、4.8Vから4.3Vまでの放電特性を放電レート0.1Cで測定した。
[試験結果1]
表1に示すコイン型電池のCV特性から、実施例1〜12で使用した発泡剤は4.5V付近で酸化反応を生じることを確認した。また、正極第1層を使用しない比較例1及び正極第1層が樹脂のみの比較例2は酸化反応が確認されず、電圧分解剤を使用した比較例3は酸化反応が生じていることが確認された。
Figure 2015069898
[試験結果2]
表2に示すコイン型電池2の放電レート特性及びサイクル特性から、正極第1層を有する実施例1〜12は正極第1層を有しない比較例1、正極第1層が樹脂のみの比較例2、電圧分解剤を使用した比較例3と比較してほぼ同等の電池特性を有することが確認された。
Figure 2015069898
[試験結果3]
表3に示す130℃加熱試験後の放電特性の結果から、正極第1層を有しない比較例1と比較して、正極第1層が樹脂と導電剤のみの比較例2及び電圧分解剤を添加した比較例3は0.01〜0.05Vの電圧降下にとどまった。一方、発泡剤を使用した実施例1〜12では、0.2V前後の電圧降下が確認され、電極内の抵抗値が上昇していることが示された。このことより、実施例においては、電圧分解剤を使用した場合に比較して、加熱に対する抵抗上昇の機能が追加されており、過充電時に生じる温度上昇時に更に抵抗値を上昇させ、電流を抑制することで温度上昇を抑制し、熱暴走を防ぐ効果がより高いものであると考えられる。
Figure 2015069898
以上の結果から、正極第1層を導入しない正極第2層のみから成る正極を使用する場合と比較して、4.3V以上に酸化開始電位を有し、更に電解液の酸化分解開始電位である4.8V以下に酸化開始電位を有する発泡剤を正極第1層に採用して、正極第2層を積層した正極を使用することで、リチウムイオン二次電池の過充電時における電圧上昇速度を緩和でき、更に温度上昇に対して抵抗値を上昇させることを確認した。よって、電圧上昇に起因する温度上昇も緩和でき、更に電流を抑制することができる。
また、正極第1層を導入しない正極第2層のみから成る正極を使用して作製したリチウムイオン二次電池と、正極第1層導入した正極を使用して作製したリチウムイオン二次電池が、放電容量、サイクル性能共にほぼ同一性能を発揮することを確認した。
[まとめ]
本実施形態では、正極第1層に過充電に伴う電圧上昇により分解されてガスを発生する化合物であって、同時に過熱時に適切な温度で発泡する化合物を採用する構成を採用した。この構成を採用することで、電圧上昇によるガス発生が不十分で過熱が進行する場合であっても、適切な温度で正極第1層を破壊することで電流を確実に遮断し、熱暴走を回避して安全性を向上させることが可能となった。
本実施形態によれば、リチウムイオン二次電池が過充電状態となった場合でも、過充電に伴う電圧上昇により正極第1層内の化合物がまず変質し、正極集電体と正極第1層、正極第1層自体の抵抗上昇、もしくは正極第1層と第2層の界面抵抗上昇を引き起こす。更に、適切な温度でその化合物が発泡することで、過充電に伴う発熱や熱暴走、発火、爆発等を確実に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
1・・・正極集電体
2・・・正極第1層
3・・・正極第2層
4・・・セパレータ
5・・・負極
6・・・電解液
7・・・正極ケース
8・・・負極ケース
9・・・ガスケット

Claims (6)

  1. 正極集電体上に、少なくとも、樹脂材料、導電剤及び発泡材料を含有する正極第1層と、正極活物質、導電剤及び結着剤を含有する正極第2層とを有し、
    前記正極第1層中の発泡剤は、過充電状態の高電圧において酸化分解し、前記酸化分解に続く温度上昇過程において熱発泡することを特徴とする電極。
  2. 前記発泡剤は、4.4以上4.8V以下で酸化分解されるものであることを特徴とする請求項1に記載の電極。
  3. 前記発泡剤は、ヒドラジン誘導体系発泡剤、アゾ化合物系発泡剤、ニトロソ化合物系発泡剤のいずれかから選択される発泡剤を、単独もしくは複数で用いたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電極。
  4. 前記電極第1層は、前記発泡剤に加え、更に発泡助剤を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電極。
  5. 前記発泡剤の発泡温度は130℃以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電極。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の電極を有するリチウムイオン二次電池。
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