JPWO2019054306A1 - チタン又はチタン合金圧粉体の製造方法 - Google Patents

チタン又はチタン合金圧粉体の製造方法 Download PDF

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Abstract

外形寸法の精度が高く、複雑形状を有するチタン又はチタン合金圧粉体をより経済的に製造することが可能なチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法を提供する。冷間等方圧プレスを用いて相対密度80%以上のチタン又はチタン合金圧粉体を得るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法であって、厚さが1.0〜1.8mm、圧縮弾性率が5MPa〜100MPa、ショアD硬さが30〜65の熱可塑製樹脂からなり、粉末供給口と粉末充填用の空洞とを有するCIP成形用モールド1を用いるチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法である。

Description

本発明は、チタン又はチタン合金圧粉体の製造方法に関する。
チタン及びチタン合金は優れた機械的特性を有するが、加工が難しく、複雑形状製品は従来切削により製造されてきた。しかしながら、切削で製造する場合は歩留まりが悪く、製品単価が非常に高くなるという問題がある。
上記問題を解決する手法の一つとして、素粉末混合法を用いてチタン及びチタン合金圧粉体の製造を行う方法が知られている。素粉末混合法は、純チタン粉末と合金元素添加用粉末を所定の割合で混合し、これをモールドに充填後、室温で圧粉成形し、その後焼結処理や静水圧プレス(冷間等方圧プレス:CIP)処理等を行う処理方法である。
例えば、特開平7−90313号公報には、熱可塑性樹脂を使用してブロー成形法により粉末成形用型を作製し、その粉末成形用型にチタン粉末を充填し、静水圧成形プレスで成形することで、チタン粉体の成形体を製造する方法が記載されている。
特開平7−90313号公報
しかしながら、特許文献1に例示されるような熱可塑製樹脂をブロー成形して成形体を形成する方法では、割れなく高密度の成形体が得られるが、厚さの精度が出にくい。そのため、ブロー成形により製造された成形体を用いて製造されたチタン又はチタン合金圧粉体は、外形寸法にずれが生じやすくなる。外形寸法の精度を高めるためには、金属金型などを利用する方法もあるが、高価になる上、複雑形状が製造しにくくなる。
上記課題を鑑み、本発明は、外形寸法の精度が高く、複雑形状を有するチタン又はチタン合金圧粉体をより経済的に製造することが可能なチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法を提供する。
本発明者は鋭意検討を重ねたところ、所定の特性を有する熱可塑製樹脂を用いて、所定の厚さ範囲を有するCIP成形用モールドを用いることが有用であるとの知見を得た。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、冷間等方圧プレスを用いて相対密度80%、好ましくは84%以上のチタン又はチタン合金圧粉体を得るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法であって、厚さが1.0〜1.8mm、圧縮弾性率が5MPa〜100MPa、ショアD硬さが30〜65の熱可塑製樹脂からなり、粉末供給口と粉末充填用の空洞とを有するCIP成形用モールドを用いるチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法が提供される。
本発明に係るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法は一実施態様において、CIP成形用モールドの長手方向の任意の10点の厚みを測定した場合の(最大値−最小値)/(最大値+最小値)で表されるモールド厚さ誤差範囲指数αが0〜0.05である。
本発明に係るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法は別の一実施態様において、CIP成形用モールドが、大径部と、大径部に連続し、大径部よりも水平断面の断面積が小さい小径部とを少なくとも備え、且つ水平断面における大径部の最大径に対する小径部の最小径の比率D(小径部最小径/大径部最大径)が、0.5以上0.8未満である。
本発明に係るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法は更に別の一実施態様において、CIP成形用モールドは、大径部の外側面に対して小径部の外側面が傾斜し、大径部の外側面の端部から大径部の外側面の延在方向に延びる直線と小径部の外側面とのなす角θが10度以上60度未満である。
本発明に係るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法は更に別の一実施態様において、CIP成形用モールドを、3Dプリンタ装置を用いて作製することを含む。
本発明に係るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法は更に別の一実施態様において、CIP成形用モールドを、材料押出法を利用した3Dプリンタ装置を用いて作製することを含む。
本発明に係るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法は更に別の一実施態様において、CIP成形用モールドを、材料噴射法を利用した3Dプリンタ装置を用いて作製することを含む。
本発明に係るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法は更に別の一実施態様において、平均粒径30μm以上100μm未満の純チタン粉末を80〜100質量%、CIP成形用モールドの空洞内に充填することを含む。
本発明に係るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法は更に別の一実施態様において、平均粒径30μm以上100μm未満の純チタン粉末と、平均粒径5μm以上50μm未満の合金元素粉末又は母合金粉末とを1〜20質量%、CIP成形用モールドの空洞内に充填することを含む。
本発明によれば、外形寸法の精度が高く、複雑形状を有するチタン又はチタン合金圧粉体をより経済的に製造することが可能なチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法が提供できる。
本発明の実施の形態に係るCIP成形用モールドの一例と該一例であるCIP成形用モールドの厚さの測定位置(任意の10点)を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るCIP成形用モールドの大径部と小径部の傾斜角度θを説明する説明図であり、図2(a)は小径部が平面状の斜面を有し、図2(b)は小径部が曲面状の斜面を有する場合の例である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
本発明の実施の形態に係るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法は、冷間等方圧プレス(CIP)を用いて相対密度80%以上、更には相対密度84%以上のチタン又はチタン合金圧粉体を得ることができるチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法であり、例えば図1に例示されるような、粉末供給口2と粉末充填用の空洞3とを有するCIP成形用モールド1を利用することができる。
外形寸法の精度が高く、複雑形状を有するチタン又はチタン合金圧粉体を製造するためには、CIP処理の製造工程との関係において、CIP成形用モールド1の材料、圧縮弾性率、及びショアD硬さを適正な範囲に調整するとともに、CIP成形用モールド1の厚さと厚さの精度を高くすることが必要である。
具体的には、本実施形態に係るCIP成形用モールド1としては、厚さが1.0〜1.8mmであることを要する。厚さが1.0mm未満の場合、充填粉末の重量でCIP成形用モールド1が変形し、寸法精度が低下する場合がある。一方、厚さを1.8mmより大きくすると、得られる圧粉体に支障はないが、モールド造形材料コストが増加するため経済性を損なう。
厚さの寸法精度については、モールドの長手方向の任意の10点の厚みを測定した場合の(最大値−最小値)/(最大値+最小値)で表されるモールド厚さ誤差範囲指数αが0〜0.05であることが好ましい。厚さの寸法精度の評価に際し、厚さの測定点が局所に偏ると、CIP成形用モールド1の全体としての厚さのバラツキを適切に評価できない場合がある。よって、本実施形態においては、「任意の10点の厚み」の測定点として、CIP成形用モールド1の最長面を10等分した場所を意味する。例えば、図1に示すように、CIP成形用モールド1の最大長に沿った長手方向が水平面と垂直な方向に向くようにCIP成形用モールド1を水平面上に静置させ、水平面に垂直な方向にCIP成形用モールド1を10等分したそれぞれの位置(1〜10)における厚みを測定することができる。
即ち、「モールド厚さ誤差範囲指数α」は、図1に示すように、CIP成形用モールド1の長手方向に沿ってCIP成形用モールド1を10等分した場合のそれぞれの高さの任意の位置の測定点の厚さをそれぞれ測定し、その最大値と最小値を用いて評価した誤差範囲指数を指す。厚さの測定は、例えば、各測定点に対してデジタルノギス等を用いることにより行うことができる。
モールド厚さ誤差範囲指数αが0.05よりも大きくなると、CIP成形用モールド1を用いて製造されるチタン又はチタン合金圧粉体の外形寸法の精度が悪くなる上に、スプリングバック力の制御が困難になり、破断発生の原因となる。モールド厚さ誤差範囲指数αは、0.01以下とすることが好ましく、より好ましくは0.008以下、更には0.001以下とすることが好ましい。
CIP成形用モールド1の狙い厚さ、即ち製造時のCIP成形用モールド1の厚さデータが既知の場合は、モールド厚さ誤差範囲指数βによって、CIP成形用モールド1の寸法精度を評価することもできる。モールド厚さ誤差範囲指数βは、モールド厚さ誤差範囲指数αの測定と同様に、CIP成形用モールド1の長手方向に沿って10等分した場合のそれぞれの高さの任意の位置の測定点の厚さをそれぞれ測定した場合の「(最大値−最小値)/狙い厚さ」を指す。狙い厚さとしては、例えば、CIP成形用モールド1の成形時の三次元CAD元データの厚さを用いることができる。
モールド厚さ誤差範囲指数βが0.5よりも大きくなると、CIP成形用モールド1を用いて製造されるチタン又はチタン合金圧粉体の外形寸法の精度が悪くなる上に、スプリングバック力の制御が困難になり、破断発生の原因となる。モールド厚さ誤差範囲指数βが0.5以下の誤差はCIP成形用モールド1の物性に影響しない。モールド厚さ誤差範囲指数βは0.2以下が好ましく、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.05以下である。
或いは、CIP成形用モールド1の長手方向に沿ってCIP成形用モールド1を10等分した場合のそれぞれの高さの任意の10点の(厚さ/狙い厚さ×100−100)の絶対値の平均値をモールド厚さ誤差範囲指数γとして評価することもできる。モールド厚さ誤差範囲指数γは1.5未満が好ましく、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.5以下である。
CIP成形用モールド1に使用する材料としては、熱可塑製樹脂が好ましく、中でもベースとなるアクリル材料にエラストマーを混合させた材料が好適に利用できる。ベースとなるアクリル材料にゴム成分であるエラストマーを段階的に混合することで、本実施形態の圧縮弾性率及び硬度となるように調整することができる。エラストマーとしては、スチレン系、オレフィン/アルケン系、塩ビ系、ウレタン系、アミド系の熱可塑性エラストマー等を熱可塑製樹脂に混合することができる。例えば、アクリル樹脂にウレタンアクリレートなどのエラストマーを混ぜ、硬度を調整した材料を、CIP成形用モールド1の材料として好ましく用いることができる。エラストマーは熱可塑製樹脂に対して15〜65mass%混合することができる。
熱可塑製樹脂材料の圧縮弾性率は、5MPa〜100MPaとすることが好ましい。圧縮弾性率を5MPa未満とすると、CIP成形用モールド1の剛性が足りず、充填粉末の自重でCIP成形用モールド1が変形し、CIP成形品の寸法精度が著しく低下する。圧縮弾性率を100MPaよりも大きくすると、CIP成形用モールド1の剛性が高くなり、CIP除荷時のCIP成形用モールド1のスプリングバック時に内部の圧粉体に圧粉体強度以上の負荷がかかり、圧粉体破断に繋がる場合がある。
CIP成形用モールド1に使用する熱可塑製樹脂の圧縮弾性率はより好ましくは8MPa〜70MPa、更に好ましくは30MPa〜60MPa、更に好ましくは40MPa〜60MPaである。圧縮弾性率は、JIS K7181(2011)に準拠する試験方法によって測定することができる。
CIP成形用モールド1に使用する熱可塑製樹脂のショアD硬さは30〜65、より好ましくは32〜60とすることが好ましい。ショアD硬さが30未満の場合はCIP成形用モールド1の剛性が足りず、形状を維持できずに潰れる。ショアD硬さを65よりも大きくすると、CIP成形用モールド1の剛性が高くなり、CIP除荷時のCIP成形用モールド1のスプリングバック時に内部の圧粉体に圧粉体強度以上の負荷がかかり、圧粉体破断に繋がる場合がある。なお、ショアD硬さは、JIS K7215(1986)に準拠する試験方法によって測定することができる。
図1に示すように、CIP成形用モールド1は、大径部11と、大径部11に連続し、大径部11よりも水平断面の断面積が小さい小径部12と、小径部12よりも水平断面の断面積が大きく、小径部12に連続する大径部13と、大径部13に連続し、頂部に粉末供給口2を有する頂部14とを含む。
小径部12は、底部から頂部に向かって水平方向の断面積が徐々に小さくなり、中間部分で最小断面積となり、中間部分から大径部13に向けて水平方向の断面積が徐々に大きくなるようなくびれを有する形状とすることができる。
大径部11、13は、水平断面が多角形状を有していてもよいし、水平断面が円又は楕円状であってもよく、利用用途に応じて適宜変更することができ、具体的形状は特に限定されない。また、水平断面における大径部11、13の最大径D11に対する小径部12の最小径D12の比率D(小径部最小径D12/大径部最大径D11)が、0.5以上0.8未満である。大径部11、13と小径部12の形状は、水平断面同士が略相似形であることが好ましいが、互いに異なる形状を有していてもよい。
図2(a)の拡大図に示すように、CIP成形用モールド1は、大径部11の外側面111に対して小径部12の外側面121が傾斜している。大径部11の外側面111の端部112から大径部11の外側面111の延在方向に延びる直線Xと小径部12の外側面121とのなす角θ(図2(a)の例では直線Xから半時計回りに測定した場合の小径部12の外側面121とのなす角θ)が10度以上60度未満である。なお、小径部12の外側面121が曲面を有する場合は、図2(b)に示すように、小径部12の水平断面において最小径D12となる位置と大径部11の端部112とを通る直線Yと直線Xとのなす角θ(即ち、直線Xを基点として直線Xから反時計回りに測定した場合の直線Yとのなす角)が、10度以上60度未満である。
図1及び図2(a)、図2(b)に示すような複雑形状を有するCIP成形用モールド1は、3Dプリンタ装置を用いて作製することができる。これにより、従来のようにブロー成形してモールドを形成する場合に比べて、厚さを均一にすることができ、寸法精度を向上させることができる。また、モールドの製造に際し、金型等を作製する必要がないため、より経済的に複雑形状を有するCIP成形用モールド1を、寸法精度が高くなるように製造することができる。
3Dプリンタ装置としては汎用の装置を用いることができるが、材料押出法を利用した3Dプリンタ装置、或いは材料噴射法を利用した3Dプリンタ装置を用いて作製することが好ましい。
本実施形態に係るCIP成形用モールド1内の空洞3に、純チタン粉末又は純チタン粉末と合金元素粉末又は母合金粉末とを充填し、CIP処理を実施することにより、本実施形態に係るチタン又はチタン合金圧粉体が得られる。本実施形態において「純チタン」とはJIS2種に規定の組成を満たす工業用純チタンを意味する。また、合金元素粉末とは例えばAl粉末やV粉末等単一元素の粉末であって、母合金粉末とは複数の元素を含む粉末である。
充填材としては、例えば平均粒径30μm以上100μm未満の純チタン粉末を80〜100質量%、CIP成形用モールドの空洞内に充填することにより、相対密度80%以上のチタン又はチタン合金圧粉体が得られる。或いは、平均粒径30μm以上100μm未満の純チタン粉末と、平均粒径5μm以上50μm未満の合金元素粉末又は母合金粉末とを1〜20質量%、CIP成形用モールド1の空洞内3に充填し、CIP処理を実施することにより、相対密度80%以上のチタン又はチタン合金圧粉体が得られる。粉体の充填、CIP処理は一般的に良く知られる条件を用いて実施することができる。なお、平均粒径は、レーザー回折散乱法によって得られた粒度分布(体積基準)の粒子径D50(メジアン径)の値を指す。チタン合金圧粉体に用いられる主な合金系としては、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo、Ti−10V−2Fe−3Al等が挙げられる。
本発明の実施の形態に係るチタン又はチタン合金圧粉体によれば、3Dプリンタを用いて、所定の熱可塑製樹脂を利用して、厚さ及び厚さ精度が制御されたCIP成形用モールド1を得て、これを利用してCIP処理を実施することにより、外形寸法の精度が高く、複雑形状を有するチタン又はチタン合金圧粉体をより経済的に製造することができる。
以下に本発明の実施例および比較例について説明するが、本発明は以下の実施例に制限されないことは勿論である。
厚さを0.5〜1.75mmの間で調整したCIP成形用モールドの3Dデータに基づいて、熱可塑製樹脂としてアクリル樹脂にエラストマーを混合したもの(以下「アクリル+エラストマー」と称する。)と、アクリル樹脂と、シリコン樹脂とを用いて、3DプリンタによりCIP成形用モールドを作製した。アクリル+エラストマーからなる樹脂材料は、圧縮弾性率及びショアD硬さが異なる2種類のものを使用した。熱可塑製樹脂としてアクリル+エラストマー、アクリルを用いたCIP成形用モールドについては、3DSystems製の3Dプリンタ装置ProJet5500Xを用いて材料噴射法により作製した。熱可塑製樹脂としてシリコン樹脂材料を用いたCIP成形用モールドについては、キーエンス製3Dプリンタ装置AGILISTA−3200を用いて材料噴射法により作製した。CIP成形用モールドの大径部と小径部の比率Dは0.6、大外径と小外径とのなす角θを27度と設定して、図1に示す形状のCIP成形用モールドを作製した。
作製されたCIP成形用モールド内の空洞に、トーホーテック製純チタン粉末TC−150(粒度幅45−150μm、平均粒径90μm)を充填し、CIP処理を行った。CIP処理は、日機装製冷間静水圧成形装置CL4−22−60を用いた。
作製されたCIP成形用モールド内の空洞に純チタン粉末を充填し、タッピングし、ビニールテープで封じたものを真空パックし、真空パックした純チタン粉末充填品を、冷間静水圧成形装置にセットし、加圧した。約300MPaに到達したところで1分保持後、除圧し、チタン粉末充填品を冷間静水圧成形装置から取り出した。得られた成形体を大気圧、130℃で15分間加熱し、軟化したCIP成形用モールドをカッター、ニッパー等を使用して除去して、圧粉体を得た。
各材料及び各装置を用いて作製したCIP成形用モールドに対し、モールド厚さ誤差範囲指数α、β、γ、圧縮弾性率、ショアD硬さと、圧粉体密度(相対密度)を測定した。狙い厚さは3Dデータ作成時の厚さを用いた。CIP成形用モールド1を長手方向に10等分し(本実施例では12mm間隔)、10点の厚さをチックネスゲージで測定した。圧縮弾性率はJIS K7181(2011)に準拠して実施した測定結果より算出した。ショアD硬さはJIS K7215(1986)に準拠して測定した。圧粉体密度は、アルキメデス法で求めた密度/理論密度4.51/cm3×100から算出した。更に、得られた圧粉体の破断の有無を観察した。結果を表1に示す。
Figure 2019054306
厚さ0.5mmのCIP成形用モールドを作製した比較例1、2では、CIP成形用モールドを作製することができなかった。シリコン樹脂を使用した厚さ1.0mmの比較例5もCIP成形用モールドを作製することができなかった。圧縮弾性率及びショアD硬さが本発明の範囲外であるアクリル樹脂を用いた比較例3及び4では、CIP成形用モールドを作製することはできたが、得られた圧粉体に破断が生じた。比較例6では、モールドを作製することはできたが、強度不足により、CIP処理時に形状を維持することができずに潰れが発生した。実施例1〜4では、相対密度84%で破断のない圧粉体を作製することができた。
1…CIP成形用モールド
2…粉末供給口
3…空洞
11…大径部
12…小径部
13…大径部
14…頂部
111,121…外側面
112…端部

Claims (9)

  1. 冷間等方圧プレスを用いて相対密度80%以上のチタン又はチタン合金圧粉体を得るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法であって、
    厚さが1.0〜1.8mm、圧縮弾性率が5MPa〜100MPa、ショアD硬さが30〜65の熱可塑製樹脂からなり、粉末供給口と粉末充填用の空洞とを有するCIP成形用モールドを用いることを特徴とするチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法。
  2. 前記CIP成形用モールドの長手方向の任意の10点の厚みを測定した場合の(最大値−最小値)/(最大値+最小値)で表されるモールド厚さ誤差範囲指数αが0〜0.05である請求項1に記載のチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法。
  3. 前記CIP成形用モールドが、大径部と、前記大径部に連続し、前記大径部よりも水平断面の断面積が小さい小径部とを少なくとも備え、且つ水平断面における前記大径部の最大径に対する前記小径部の最小径の比率D(小径部最小径/大径部最大径)が、0.5以上0.8未満であることを含む請求項1又は2に記載のチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法。
  4. 前記CIP成形用モールドは、前記大径部の外側面に対して前記小径部の外側面が傾斜し、前記大径部の前記外側面の端部から前記大径部の前記外側面の延在方向に延びる直線と前記小径部の外側面とのなす角θが10度以上60度未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載のチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法。
  5. 前記CIP成形用モールドを、3Dプリンタ装置を用いて作製することを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法。
  6. 前記CIP成形用モールドを、材料押出法を利用した3Dプリンタ装置を用いて作製することを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法。
  7. 前記CIP成形用モールドを、材料噴射法を利用した3Dプリンタ装置を用いて作製することを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法。
  8. 平均粒径30μm以上100μm未満の純チタン粉末を80〜100質量%、前記CIP成形用モールドの前記空洞内に充填することを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法。
  9. 平均粒径30μm以上100μm未満の純チタン粉末と、平均粒径5μm以上50μm未満の合金元素粉末又は母合金粉末とを1〜20質量%、前記CIP成形用モールドの前記空洞内に充填することを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法。
JP2019542035A 2017-09-14 2018-09-07 チタン又はチタン合金圧粉体の製造方法 Active JP6912586B2 (ja)

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