JP6987718B2 - 圧粉体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧粉体の製造方法に関する。
チタン及びチタン合金は高い比強度と耐食性を有するため、航空宇宙、医療分野をはじめとし、今後もあらゆる分野への展開が期待される。しかし、構造材として使用されるチタン及びチタン合金は加工が難しく、切削負荷の大きさがネックとなっている。このような問題を解決する手法の一つとして、素粉末混合法を用いたチタン及びチタン合金の製造が挙げられる。
例えば、特開平7−90313号公報(特許文献1)には、熱可塑性樹脂を使用してブロー成形法により粉末成形用型を作製し、その粉末成形用型にチタン粉末を充填し、静水圧プレス(冷間等方圧加圧:CIP)で成形することで、チタン粉体の圧粉体を製造する方法が記載されている。
特開平7−90313号公報
特許文献1に例示されるような熱可塑性樹脂をブロー成形して成形用モールドを形成する方法では、割れがなくある程度の高密度の圧粉体が得られるが、成形用モールドの厚さの精度が出にくい。そのため、ブロー成形により製造された成形用モールドを用いて製造されたチタン又はチタン合金圧粉体は外形寸法にずれが生じやすくなる。圧粉体の外形寸法の精度を高めるために金属金型などを利用する方法もあるが、高価になる上、複雑形状の圧粉体を製造しにくくなり、圧粉体に破断が生じる場合もある。
通常、金属に限らず、CIP処理した圧粉体は、熱処理によって焼結し、緻密化して相対密度が高くなるが、圧粉体の最終的な相対密度はCIP処理に大きく左右される。例えば粉末を用いて緻密な圧粉体を製造する場合は、圧粉体の材料として例えば粒径45μm以下の微粉を使用することで圧粉体密度や焼結性を高めることができるが、そのような微粉は比表面積が大きく酸素濃度が高いため、材料の酸素濃度の影響により、製造される圧粉体が脆性破壊しやすいという懸念が生じる。更に、圧粉体を更に切削加工等する場合の作業負荷およびコスト負荷を考慮すると、圧粉体中の酸素濃度を下げて圧粉体の硬さを適切に低減するとともに、相対密度を高くした圧粉体の開発が望まれている。
上記課題を鑑み、本発明は、低酸素濃度で高い相対密度を有するチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法を提供する。
本発明者は鋭意検討を重ねたところ、圧粉体を製造するための成形用モールドの特性と、原料として使用する純チタン粉末の平均粒径及びCIP処理の圧力条件を適切化することが重要であるとの知見を得た。
本発明の実施の形態に係る圧粉体の製造方法は一実施態様において、厚さが1.0〜1.8mm、圧縮弾性率が5MPa〜100MPaの熱可塑性樹脂からなり、粉末供給口と粉末供給口と連続する粉末充填用の空洞とを有する成形用モールド1の空洞内に平均粒径が50〜100μmの純チタン粉末を含む金属粉末を収容することと、金属粉末を収容した成形用モールド1を圧力480MPa以上500MPa以下で、冷間等方圧加圧処理し、相対密度91%以上、酸素濃度0.25質量%以下のチタン又はチタン合金圧粉体を得ることと、を含む圧粉体の製造方法が提供される。
本発明の実施の形態に係る圧粉体の製造方法は別の一実施態様において、成形用モールドを水平面に静置させ、水平面に垂直な方向に沿って成形用モールドを10等分した位置における成形用モールドの厚みを測定した場合の(最大値−最小値)/(最大値+最小値)で表されるモールド厚さ誤差範囲指数αが0〜0.05である。
本発明の実施の形態に係る圧粉体の製造方法は更に別の一実施態様において、成形用モールドを水平面に静置させた場合に、成形用モールドが、水平面と平行な断面において最大径となる第1の径を有する大面積部と、大面積部に連続し、水平面と平行な断面において最小径となる第2の径を有する小面積部とを備え、第1の径に対する第2の径の比率D(第2の径/第1の径)が、0.5以上0.8以下であることを含む。
本発明の実施の形態に係る圧粉体の製造方法は更に別の一実施態様において、成形用モールドは、大面積部の外側面に対して小面積部の外側面が傾斜しており、大面積部の外側面の端部から大面積部の外側面の延在方向に延びる直線と小面積部の外側面とのなす角θが10度以上60度以下である。
本発明の実施の形態に係る圧粉体の製造方法は更に別の一実施態様において、成形用モールドを、3Dプリンタ装置を用いて作製することを含む。
本発明の実施の形態に係る圧粉体の製造方法は更に別の一実施態様において、成形用モールドが、アクリル樹脂とエラストマーとを含有することを含む。
本発明の実施の形態に係る圧粉体の製造方法は更に別の一実施態様において、金属粉末が、純チタン粉末を80〜100質量%含む。
本発明の実施の形態に係る圧粉体の製造方法は更に別の一実施態様において、金属粉末が、純チタン粉末を80〜99質量%、平均粒径5〜50μmの合金元素粉末又は母合金粉末を1〜20質量%含む。
本発明によれば、低酸素濃度で高い相対密度を有するチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法が提供できる。
本発明の実施の形態に係る成形用モールドの一例と該一例である成形用モールドの厚さの測定位置を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る成形用モールドの大面積部と小面積部の傾斜角度θを説明する説明図であり、図2(a)は小面積部が平面状の斜面を有し、図2(b)は小面積部が曲面状の斜面を有する場合の例である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下に示す実施の形態はこの発明を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
本発明の実施の形態に係るチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法は、冷間等方圧加圧(CIP)処理により、相対密度91%以上のチタン又はチタン合金圧粉体を得ることができるチタン又はチタン合金圧粉体の製造方法であり、例えば図1に例示されるような粉末供給口2と粉末充填用の空洞3とを有する成形用モールド1を利用することができる。
低酸素濃度で高い相対密度を有するチタン又はチタン合金圧粉体を製造するために、成形用モールド1の圧縮弾性率、材料及び厚さを以下に示すように規定する。本実施形態に係る成形用モールド1をCIP処理において用いることにより、製造される圧粉体の外形自由度を高くしながらその寸法精度も高くできるとともに、低酸素濃度で高い相対密度を有する圧粉体を製造することが可能となる。
(圧縮弾性率)
本実施形態に係る成形用モールド1の圧縮弾性率としては、5MPa〜100MPaとする。圧縮弾性率を5MPa未満とすると、成形用モールド1の剛性が不足し、原料粉末の自重による変形や、CIP処理前に実施する真空パック処理時においてサンプルの圧粉体の潰れが発生する場合がある。一方、圧縮弾性率を100MPaよりも大きくすると、成形用モールド1の剛性が高くなりすぎて、CIP処理の加圧時に成形用モールド1の内部の微粉に十分な圧力がかからず、圧粉体の緻密化が阻害される場合がある。
圧縮弾性率は8MPa以上であってよく、30MPa以上であってよく、一実施形態では50MPa以上とすることができる。圧縮弾性率は80MPa以下とすることができ、更には60MPa以下とすることができる。なお、成形用モールド1の圧縮弾性率は、JIS K7181(2011)に準拠する試験方法によって測定することができる。
(材料)
成形用モールド1に使用する材料としては、熱可塑性樹脂を用いる。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、テフロン(登録商標)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、エーエス(AS)樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられる。これらの樹脂は後述のエラストマーを含むことができる。
中でも、圧縮弾性率が5MPa〜100MPaを実現可能な材料としては、例えば、アクリル樹脂とエラストマーを含有する熱可塑性樹脂が好適に用いられる。エラストマーとしては、スチレン系、オレフィン/アルケン系、塩ビ系、ウレタン系、アミド系の熱可塑性エラストマー等を熱可塑製樹脂に混合することができる。例えば、アクリル樹脂にウレタンアクリレートなどのエラストマーを混ぜ、硬度を調整した材料を、成形用モールド1の材料として好ましく用いることができる。エラストマーは熱可塑製樹脂に対して15〜65mass%混合することができる。
(厚さ)
成形用モールド1の厚さは、1.0〜1.8mmとすることができる。厚さが1.0mm未満の場合、厚さが不足し、充填粉末の重量で成形用モールド1が変形し、成形用モールドを形成できない場合がある。また、圧粉体の相対密度が不足するおそれがある。一方、厚さを1.8mmより大きくした場合、得られる圧粉体には支障はないが、モールド造形材料コストが増加するため、経済性を損なう場合がある。また、CIP処理時の圧力が圧粉体に伝わりにくくなり、圧粉体の相対密度の低下に繋がる可能性がある。
成形用モールド1の厚さの測定点が局所に偏ると、成形用モールド1の全体としての厚さのバラツキを適切に評価できない場合がある。そのため、本実施形態においては、図1に示すように、成形用モールド1を水平面に静置させ、水平面に垂直な方向(図1のX方向)に沿って成形用モールド1を10等分したそれぞれの位置(1〜10)における成形用モールドの厚みを測定することが好ましい。
各測定点における厚さの測定は、各測定点に対してデジタルノギス等を用いることにより行うことができ、10測定の平均値を成形用モールド1の厚さとする。なお、本実施形態における成形用モールド1の厚さの測定に際しては、成形用モールド1が有する最大長に沿った長さ方向が、水平面に垂直な方向(図1のX方向)と実質的に同じ方向となるように、成形用モールド1を配置して測定する。
また、成形用モールド1の最大長に沿った長さ方向が水平面に垂直な方向に向くように、成形用モールド1を水平面に静置させ、水平面に垂直な方向(図1のX方向)に沿って成形用モールド1を10等分したそれぞれの位置(1〜10)における成形用モールドの厚みを測定し、各測定点の値を比較することにより、成形用モールド1の厚さの誤差範囲を評価することができる。
即ち、成形用モールド1を水平面に静置させ、水平面に垂直な方向に沿って成形用モールドを10等分した位置における成形用モールドの厚みを測定した場合の(最大値−最小値)/(最大値+最小値)で表されるモールド厚さ誤差範囲指数αが0〜0.05であることが好ましい。
モールド厚さ誤差範囲指数αを0.05以下とすることにより、成形用モールド1を用いて製造されるチタン又はチタン合金圧粉体の外形寸法の精度を向上できる。モールド厚さ誤差範囲指数αは、0.010以下とすることが好ましく、より好ましくは0.008以下、更には0.001以下とすることが好ましい。
成形用モールド1の事前に設定した狙い厚さ、即ち製造時の成形用モールド1の厚さデータが既知の場合は、モールド厚さ誤差範囲指数βによって、成形用モールド1の寸法精度を評価することもできる。モールド厚さ誤差範囲指数βは、モールド厚さ誤差範囲指数αの測定と同様に、成形用モールド1を水平面に静置させ、水平面に垂直な方向に沿って成形用モールド1を10等分した位置における成形用モールド1を測定した場合において、「(最大値−最小値)/狙い厚さ」を算出することにより評価することができる。
モールド厚さ誤差範囲指数βは、0〜0.5であることが好ましい。モールド厚さ誤差範囲指数βが0.5以下の誤差は外形寸法の精度が良好であり、かつ成形用モールド1の物性に影響しない。モールド厚さ誤差範囲指数βは0.2以下としてよく、0.1以下としてよく、0.05以下としてよい。
或いは、成形用モールド1を水平面に静置させ、水平面に垂直な方向に沿って成形用モールドを10等分した位置における成形用モールドの厚みを測定した場合の10点の(厚さ/狙い厚さ×100−100)の絶対値の平均値をモールド厚さ誤差範囲指数γとして評価することもできる。モールド厚さ誤差範囲指数γは1.5以下としてよく、1.0以下としてよく、0.6以下としてよい。
(形状)
成形用モールド1の形状は特段に限定されないが、本実施形態に係る成形用モールドによれば、従来に比べより形状の自由度が高い。すなわち、本実施形態に係る成形用モールドによれば、より切削等加工後の形状に近い複雑形状のモールド形状を採用することが可能である。例えば、図1に示すように、成形用モールド1は、成形用モールド1を水平面に静置させた場合に、水平面と平行な断面(以下「水平断面」ともいう)において最大径となる第1の径D11を有する大面積部11と、大面積部11に連続し、水平断面において最小径となる第2の径D12を有する小面積部12と、小面積部12に連続し、水平断面が小面積部12の最小断面積よりも大きい大面積部13と、大面積部13に連続し、粉末供給口2を有する頂部14とを含むことができる。
小面積部12は、底部から頂部に向かって水平方向の断面積が徐々に小さくなり、中間部分において最小の断面積となり、中間部分から大面積部13に向けて水平方向の断面積が徐々に大きくなるようなくびれを有する形状とすることができる。小面積部12は、水平断面において最小断面積となる位置に成形用モールド1の最小径となる第2の径D12を有する。
大面積部11、13は、水平断面が多角形状を有していてもよいし、円又は楕円状であってもよく、利用用途に応じて適宜変更することができ、具体的形状は特に限定されない。即ち、第1の径D11は、大面積部11の具体的形状に関わらず、大面積部11の水平断面からみた最大の長さを意味し、第2の径D12は、小面積部12の具体的形状に関わらず、小面積部12の水平断面からみた最小の長さを意味する。小面積部12と大面積部11、13の形状は、水平断面同士が略相似形であることが好ましいが、互いに異なる形状を有していてもよい。
更には、大面積部11の第1の径D11に対する小面積部12の第2の径D12の比率D(第2の径D12/第1の径D11)が、0.5以上0.9以下、別の実施態様においては0.5以上0.8以下とすることができる。これにより、複雑形状の成形用モールド1を作製することができる。
図2(a)の拡大図に示すように、成形用モールド1は、大面積部11の外側面111に対して小面積部12の外側面121が傾斜している。大面積部11の外側面111の端部112から大面積部11の外側面111の延在方向に延びる直線Xと小面積部12の外側面121とのなす角θ(図2(a)の例では直線Xから半時計回りに測定した場合の小面積部12の外側面121とのなす角θ)が10度以上60度以下であることが好ましい。なお、小面積部12の外側面121が曲面を有する場合は、図2(b)に示すように、小面積部12の水平断面において第2の径D12の位置と大面積部11の端部112とを通る直線Yと直線Xとのなす角θ(即ち、直線Xを基点として直線Xから反時計回りに測定した場合の直線Yとのなす角)が、10度以上60度以下であることが好ましい。
(成形用モールドの製造装置)
図1及び図2(a)、図2(b)に示すような複雑形状を有する成形用モールド1は、3Dプリンタ装置を用いて作製することができる。3Dプリンタ装置を用いることにより、従来のようにブロー成形してモールドを形成する場合に比べて、厚さを均一にすることができ、寸法精度も向上させることができる。また、モールドの製造に際し金型等を作製する必要がないため、より経済的に複雑形状を有する成形用モールド1を寸法精度が高くなるように製造することができる。
3Dプリンタ装置としては汎用の装置、例えば、材料押出し法を利用した3Dプリンタ装置を用いることができるが、材料噴射法を利用した3Dプリンタ装置を用いて作製することが好ましい。
(圧粉体の製造方法)
本発明の実施の形態に係る圧粉体の製造方法は、例えば図1に示すように、粉末供給口2と粉末供給口2と連続する粉末充填用の空洞3とを有する成形用モールド1の空洞3内に純チタン粉末を含む金属粉末を収容することと、金属粉末を収容した成形用モールド1をCIP圧力480MPa以上500MPa以下で、冷間等方圧加圧処理し、相対密度91%以上、酸素濃度0.25質量%以下のチタン又はチタン合金圧粉体を得ることとを含む。
本実施形態において「純チタン」とはJIS2種に規定の組成を満たす工業用純チタンを意味する。充填粉末としては、例えば平均粒径50μm以上100μm以下、更には、50〜80μmの純チタン粉末を金属粉末中の含有量で80〜100質量%、成形用モールド1の空洞3内に充填することが好ましい。平均粒径は、レーザー回折散乱法によって得られた粒度分布(体積基準)の粒子径D50(メジアン径)の値を指す。
純チタン粉末の平均粒径が50μm未満の場合、圧粉体の相対密度は向上するが、酸素濃度も増加するため、圧粉体の延性が低下するおそれがある。平均粒径が100μmよりも大きい場合、圧粉体密度が低下し、圧粉体の延性および疲労特性が低下するおそれがある。
或いは、平均粒径50μm以上100μm以下の純チタン粉末80〜99質量%と、平均粒径5μm以上50μm以下の合金元素粉末又は母合金粉末とを1〜20質量%を、成形用モールド1の空洞3内に充填し、CIP処理を実施することによっても、相対密度91%以上、酸素濃度0.25質量%以下のチタン又はチタン合金圧粉体が得られる。ここで、合金元素粉末とは例えばAl粉末やV粉末等単一元素の粉末であって、母合金粉末とは複数の元素を含む粉末である。
合金元素粉末又は母合金粉末の平均粒径を50μm以下とすることで合金元素をより均一に拡散させることができる。これにより製造される圧粉体の良好な機械特性が確保しやすくなる。主な合金系としては、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo、Ti−10V−2Fe−3Al等が挙げられ、これらの組成に合わせて、単一合金元素粉末又は母合金粉末を混合、CIP処理することで、チタン合金圧粉体が得られる。なお、本プロセスが適用可能な合金系は上記に限定されない。
CIP処理の圧力は上述したように480MPa以上、500MPa以下とする。CIP圧力が480MPa未満の場合、上述した成形用モールド1を使用しても、圧力不足により圧粉体の相対密度が低下する場合がある。CIP処理の圧力が500MPaよりも高い圧力をかけることができるCIP装置は貴重であり、ワークスペースも限られるため、リードタイム並びに費用対効果を考慮すると適切ではない場合がある。
CIP処理後は必要に応じて切削加工などを行うことができる。本実施形態に係る圧粉体の製造方法によれば、寸法精度が高く、480〜500MPaの圧力下でも破損が生じにくい圧粉体の空洞3内に平均粒径50μm以上100μm以下の純チタン粉末を含む金属粉末を収容し、CIP処理することにより、低酸素濃度で高い相対密度を有するチタン又はチタン合金圧粉体を製造することが可能な圧粉体の製造方法が得られる。
(チタン又はチタン合金圧粉体)
上述の製造方法により、相対密度91%以上、酸素濃度0.25質量%以下のチタン又はチタン合金圧粉体が得られる。相対密度は92%以上であることがより好ましく、更には93%以上であることが好ましい。圧粉体の相対密度は、純チタンの場合、アルキメデス法で求めた密度/理論密度4.51g/cm3×100から算出できる。チタン合金の場合は、規格化された合金であれば、公称の密度を分母に入れて算出する。規格化されていない合金であれば、溶解法によって作製した所望合金の密度を溶解法密度として求め、アルキメデス法で求めた密度/溶解法密度×100によって圧粉体の相対密度を算出する。酸素濃度は好ましくは0.20質量%以下、更には0.15質量%以下である。圧粉体の酸素濃度は、赤外線吸収法によって測定することができる。本発明の実施の形態に係るチタン又はチタン合金圧粉体によれば、相対密度が高くかつ酸素濃度が低く、複雑形状を有するチタン又はチタン合金圧粉体が得られる。この圧粉体を熱処理によって焼結処理すると、相対密度が97%以上の高密度の焼結体が得られる。
以下に本発明の実施例および比較例について説明するが、本発明は以下の実施例に制限されないことは勿論である。
狙い厚さ0.5〜1.75mmの間で調整した成形用モールドの3Dデータに基づいて、アクリル樹脂にそれぞれエラストマーを混ぜた材料、アクリル樹脂、シリコン樹脂をそれぞれ用いて、3Dプリンタにより成形用モールドを作製した。これらは全て熱可塑性樹脂である。エラストマーはウレタンアクリレートを使用し、実施例1、2及び比較例1〜5はアクリル樹脂にエラストマーを25mass%混ぜ、実施例3、4及び6〜8についてはアクリル樹脂にエラストマーを50mass%混ぜた材料を使用した。実施例1〜4はいずれも狙い厚さに合わせた厚さの成形用モールドを作製できた。
アクリル樹脂及びエラストマー混合材料を用いた成形用モールドについては、3DSystems製3Dプリンタ装置ProJetMJP5500Xを用いて材料噴射法により作製した。アクリル樹脂を単独で用いた成形用モールドについては、3DSystems製3Dプリンタ装置ProJet3600MAXを用いて材料噴射法により作製した。シリコン樹脂を単独で用いた材料については、キーエンス製3Dプリンタ装置AGILISTA−3200を用いて材料噴射法により作製した。
成形用モールドの大面積部と小面積部の比率Dは0.6、大外径と小外径とのなす角θを27度と設定して、上記各材料、樹脂を使用して図1に示す形状の成形用モールドを作製した。成形用モールドは、大面積部の最大径部分の水平断面の面積1963mm2、小面積部の最小径部分の水平断面面積707mm2、底部から粉末供給口までの高さを120mmとした。
作製された成形用モールド内の空洞に、トーホーテック社製純チタン粉末TC−150(粒度幅45〜150μm、平均粒径66μm)、TC−450(粒度幅10〜45μm、平均粒径30μm)、TC−201(粒度幅10〜20μm、平均粒径12μm)をそれぞれ充填し、CIP処理を行った。平均粒径は、HORIBA製LA−920を用いて、レーザー回折・散乱法にて行った。CIP処理は、静水圧300MPaおよび490MPaにて実施した。
作製された成形用モールド内に純チタン粉末を充填し、タッピングし、ビニールテープで封じたものを真空パックし、真空パックした純チタン粉末充填品を、冷間静水圧(冷間等方圧加圧)成形装置にセットし、約10分かけて加圧した。目標とする上記CIP圧力に達したところで1分間保持後、除圧し、純チタン粉末充填品を冷間静水圧成形装置から取り出した。得られた圧粉体を大気圧、130℃で15分間加熱し、軟化した成形用モールドをカッター、ニッパー等を使用して除去して、圧粉体を得た。
各材料を用いて作製した成形用モールドに対し、圧縮弾性率、圧粉体相対密度及びモールド厚さの誤差範囲指数α、β、γを測定した。成形用モールドの圧縮弾性率はJIS K7181(2011)に準拠して実施した測定結果より算出した。圧粉体の相対密度は、アルキメデス法で求めた密度/理論密度4.51/cm3×100から算出した。得られた圧粉体の破断の有無は目視により観察した。圧粉体の酸素成分分析は、LECO製TCH−600型を用いて、赤外線吸収法によって行った。表1に実施条件及び結果を示す。
Figure 0006987718
CIP圧力が本発明の範囲よりも低い比較例1、2、6、7では、圧粉体の相対密度を十分に高くすることができなかった。原料粉末の平均粒径が小さい比較例3、4では、圧粉体の酸素濃度が高かった。成形用モールドの厚さが薄い比較例5、8では、強度不足により成形用モールドを作製することができなかった。
成形用モールドの圧縮弾性率の値が実施例よりも高い比較例9、10、11では、成形用モールド内部の充填粉末に十分な圧力が伝わらず、圧粉体の相対密度を十分に高くすることができなかった。成形用モールドの圧縮弾性率が低い比較例12、13では、材料の強度不足により、成形用モールドを作製することができなかった。
成形用モールドの圧縮弾性率が低いが成形体モールドの厚さを厚くした比較例14では、成形用モールドの作製はできたが、成形用モールドの強度不足により工程中で大きな変形が発生し、CIP処理実施に至らなかった。一方、実施例1〜4では、いずれも相対密度91%以上で破断がなく、酸素成分値の低い圧粉体を作製することができた。
1…成形用モールド
2…粉末供給口
3…空洞
11、13…大面積部
12…小面積部
14…頂部
111、121…外側面
112…端部

Claims (8)

  1. 厚さが1.0〜1.8mm、圧縮弾性率が5MPa〜100MPaの熱可塑性樹脂からなり、粉末供給口と前記粉末供給口と連続する粉末充填用の空洞とを有する成形用モールドの前記空洞内に平均粒径が50〜100μmの純チタン粉末を含む金属粉末を収容することと、
    前記金属粉末を収容した前記成形用モールドを圧力480MPa以上500MPa以下で、冷間等方圧加圧処理し、相対密度91%以上、酸素濃度0.25質量%以下のチタン又はチタン合金圧粉体を得ることと
    を含む圧粉体の製造方法。
  2. 前記成形用モールドを水平面に静置させ、前記水平面に垂直な方向に沿って前記成形用モールドを10等分した位置における前記成形用モールドの厚みを測定した場合の(最大値−最小値)/(最大値+最小値)で表されるモールド厚さ誤差範囲指数αが0〜0.05である請求項1に記載の圧粉体の製造方法。
  3. 前記成形用モールドを水平面に静置させた場合に、前記成形用モールドが、
    前記水平面と平行な断面において最大径となる第1の径を有する大面積部と、
    前記大面積部に連続し、前記水平面と平行な断面において最小径となる第2の径を有する小面積部とを備え、
    前記第1の径に対する第2の径の比率D(第2の径/第1の径)が、0.5以上0.8以下であることを含む請求項1又は2に記載の圧粉体の製造方法。
  4. 前記成形用モールドは、前記大面積部の外側面に対して前記小面積部の外側面が傾斜しており、前記大面積部の前記外側面の端部から前記大面積部の前記外側面の延在方向に延びる直線と前記小面積部の外側面とのなす角θが10度以上60度以下である請求項3に記載の圧粉体の製造方法。
  5. 前記成形用モールドを、3Dプリンタ装置を用いて作製することを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧粉体の製造方法。
  6. 前記成形用モールドが、アクリル樹脂とエラストマーとを含有することを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧粉体の製造方法。
  7. 前記金属粉末が、前記純チタン粉末を80〜100質量%含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧粉体の製造方法。
  8. 前記金属粉末が、前記純チタン粉末を80〜99質量%、平均粒径5〜50μmの合金元素粉末又は母合金粉末を1〜20質量%含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧粉体の製造方法。
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