JP2021134397A - チタン系圧粉体の製造方法及び、チタン系焼結体の製造方法 - Google Patents

チタン系圧粉体の製造方法及び、チタン系焼結体の製造方法 Download PDF

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【課題】酸素がより均一に分散したチタン系圧粉体を製造することができるチタン系圧粉体の製造方法及び、チタン系焼結体の製造方法を提供する。【解決手段】この発明のチタン系圧粉体の製造方法は、チタン製又はチタン合金製のチタン系圧粉体を製造する方法であって、酸素を含有する雰囲気下で、チタン含有粉末を250℃以上の温度に30分以上にわたって加熱し、表面酸化粉末を得る表面酸化工程と、前記表面酸化粉末をモールド内に充填し、前記モールドに充填した当該表面酸化粉末に対して冷間等方圧加圧を行うCIP工程とを含むものである。【選択図】なし

Description

この発明は、チタン系圧粉体の製造方法及び、チタン系焼結体の製造方法に関するものである。
チタンやチタン合金は、耐食性、軽量かつ高い比強度といった所定の優れた特性の故に、種々の部品に用いることが検討されている。
しかるに、チタン又はチタン合金からなる部品を製造するには一般に、電子ビーム溶解や真空アーク溶解等による溶解、鋳造、場合によってはさらに熱間圧延、熱処理及び機械加工、溶接等の多数の工程を必要とし、それに伴って製造コストが嵩む。また、複雑な立体形状とする場合は切削等の機械加工がさらに必要となり製造コストは更に上昇してしまう。このような高コストに起因して、チタン又はチタン合金からなるチタン含有材料の適用範囲が十分に広がっているとは言い難い。
かかる状況の下、近年は、いわゆるニアネットシェイプとして、チタンを含む原料粉末をモールド内に充填して、当該原料粉末に対して冷間等方圧加圧を施し、所定の形状のチタン系圧粉体を得る粉末冶金法が注目されている。なお、冷間等方圧加圧の後は、必要に応じて無加圧加熱及び/又は熱間等方圧加圧を施し、チタン系焼結体にする場合がある。このような粉末冶金法によれば、比較的多様な形状の部品を、上述した溶解鋳造法に比して容易に且つ低コストで製造することができる。
この種の技術として、特許文献1には、押出し加工に着目し、「チタン粉末とTiO2粒子とを準備する工程と、混合粉末全体に対してTiO2粒子の添加量が質量基準で0.5%〜3.0%となるように調整して前記チタン粉末と前記TiO2粒子とを混合する工程と、前記混合物を、700℃からTiO2の融点未満の温度範囲で、かつ真空雰囲気中で焼結して前記TiO2粒子を熱分解させ、解離した酸素原子をチタン中に固溶させる工程とを備える、チタン材料の製造方法」が記載されている。この「チタン材料の製造方法」では、「溶解法でチタン材料中に酸素を取り込むのではなく、チタン粉末とTiO2粒子との混合物を、700℃からTiO2の融点未満の温度で、かつ真空雰囲気中で焼結することにより、TiO2粒子を熱分解し、解離した酸素原子をチタン中に固溶させることにある。酸素原子がチタン中に固溶することにより、チタン材料の強度(引張強さ、圧縮強度、硬度)が増加する。」とされている。
また特許文献2には、「酸素原子の固溶強化に加えて、他の金属または化合物をマトリクス中に含むことによる特性向上を実現し得る高強度チタン焼結体およびその製造方法を提供すること」を目的として、「α相を有するチタン成分からなるチタン成分粉末と、チタン以外の金属の酸化物粒子とを混合する工程と、前記混合によって得られる混合粉末を圧縮力を加えて成形する工程と、前記圧縮成形によって得られる圧縮成形体を酸素を含まない雰囲気の固相温度域で加熱して焼結する工程とを備え、前記焼結工程は、前記金属酸化物を、金属原子と酸素原子とに分解することと、前記金属酸化物から解離した酸素原子をチタン成分の結晶格子内に固溶することと、前記金属酸化物から解離した金属原子をチタン成分のマトリクス中に残存させることとを含む、酸素固溶チタン焼結体の製造方法」が記載されている。
特開2012−241241号公報 国際公開第2017/077922号
特許文献1及び2にも記載されているように、酸素はチタンに固溶することで、固溶強化作用をもたらす。それ故に、チタン系焼結体の高強度化を図るには、チタン系焼結体の製造に用いる原料粉末が酸素を含むものとし、焼結の際に当該酸素をチタンに固溶させることが考えられる。
しかしながら、特許文献1及び2に記載された製造方法のように、原料粉末として、「チタン粉末」もしくは「チタン成分粉末」と、「TiO2粒子」もしくは「チタン以外の金属の酸化物粒子」といったような複数種類の粉末を混合して用いると、それらの異種の粉末間で比重や粒径等が異なることに起因して、当該粉末を充填したモールド内で粉末の偏りが生じる。また、異種である原料粉末の均一な混合を実現するのも難しい。この場合、モールド内の粉末に対して冷間等方圧加圧を施して得られるチタン系圧粉体では、酸素等の分布が不均一になる。このような状態で焼結処理を実施しても酸素固溶が進行した部位と進行しない部位が不規則に配置するおそれがある。その結果として、チタン系圧粉体や、当該チタン系圧粉体を加熱して作製されたチタン系焼結体の品質が安定しないという問題があった。
この発明の目的は、酸素がより均一に分散したチタン系圧粉体を製造することができるチタン系圧粉体の製造方法及び、チタン系焼結体の製造方法を提供することにある。
発明者は鋭意検討の結果、冷間等方圧加圧を施す前に事前に、酸素を含有する雰囲気下でチタン含有粉末を加熱し、表面に酸化物層が形成された表面酸化粉末としておくことを案出した。これにより、焼結の際に酸素固溶強化に用いられる酸素を粉末に予め含ませておくことが可能である。また、表面酸化粉末の各粒子の表面に酸化物層が形成されていることから、冷間等方圧加圧後に得られるチタン系圧粉体で酸素をより均一に分散させることができる。すなわち、チタンまたはチタン合金といった金属粒子部分と酸化物層とが密着した状態でモールド内を移動するため、酸素と金属粒子とが偏在することを効果的に抑制できる。すなわち、酸素を含むか又は含まないかで異なる異種の粉末を混合して用いることによるモールド内での粉末の偏りを抑制することができる。
この発明のチタン系圧粉体の製造方法は、チタン製又はチタン合金製のチタン系圧粉体を製造する方法であって、酸素を含有する雰囲気下で、チタン含有粉末を250℃以上の温度に30分以上にわたって加熱し、表面酸化粉末を得る表面酸化工程と、前記表面酸化粉末をモールド内に充填し、前記モールドに充填した当該表面酸化粉末に対して冷間等方圧加圧を行うCIP工程とを含むものである。
前記表面酸化工程で加熱される前記チタン含有粉末は平均粒径が10μm〜150μmであることが好ましい。
前記CIP工程で用いる前記モールドは樹脂製であることが好ましい。
上述したチタン系圧粉体の製造方法では、凹部を有するチタン系圧粉体を製造するに当り、前記CIP工程にて、前記モールドの、前記凹部に対応する箇所に、該凹部に対応する形状を有する樹脂製の芯材を位置させた状態で、前記モールドに充填した当該表面酸化粉末に対して冷間等方圧加圧を行うことができる。
この場合、前記芯材として、一軸圧縮試験で歪が20%であるときの応力が0.3MPa〜3.5MPaになる樹脂材料からなる芯材を用いることが好ましい。
またこの場合、前記凹部は、非貫通の窪み状をなすことがある。
前記モールドとしては、ショアD硬さが30〜120の範囲内である熱可塑性樹脂からなるモールドを用いることが好ましい。
この発明のチタン系焼結体の製造方法は、チタン製又はチタン合金製のチタン系焼結体を製造する方法であって、上記のいずれかのチタン系圧粉体の製造方法により製造されたチタン系圧粉体に対して、加熱を含む処理を施し、当該加熱の温度を、1100℃以上にする加熱工程を含むものである。
前記加熱工程では、加圧せずに加熱した後に、等方的な圧力で加圧しながら加熱することがある。
この発明によれば、酸素がより均一に分散したチタン系圧粉体を製造することができる。
この発明の一の実施形態に係るチタン系圧粉体の製造方法のCIP工程で用いることができる樹脂製のモールドの一例を示す斜視図である。 図1のモールドを芯材とともに示す、モールドの中心軸線に沿う縦断面図である。 図2のモールド及び芯材を用いて製造されるチタン系圧粉体を示す縦断面図である。 実施例の試験例2で試作したチタン系焼結体のサンプル採取位置を示す正面図である。 図5(a)は実施例2のチタン系焼結体の試料断面における反射電子線像であり、図5(b)及び(c)は比較例2のチタン系焼結体の試料断面における反射電子線像である。 実施例の試験例3で試作したチタン系圧粉体の写真である。
以下に、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
この発明の一の実施形態に係るチタン系圧粉体の製造方法は、チタン製又はチタン合金製のチタン系圧粉体を製造する方法であって、酸素を含有する雰囲気下で、チタン含有粉末を250℃以上の温度に30分以上にわたって加熱し、表面酸化粉末を得る表面酸化工程と、前記表面酸化粉末をモールド内に充填し、前記モールドに充填した当該表面酸化粉末に対して冷間等方圧加圧を行うCIP工程とが含まれる。
(チタン含有粉末)
はじめに、チタン含有粉末を準備する、チタン含有粉末としては、チタンを含有するものであれば様々な粉末とすることができるが、たとえば、純チタン粉末及びチタン合金粉末からなる群から選択される一種を用いることができる。ここでいう純チタン粉末は実質的にチタンのみからなる粉末であってよく、チタン合金粉末はチタンおよび少なくとも一つの合金元素を含む粉末を意味する。
上述した純チタン粉末とは、チタン含有量が95質量%以上である粉末を意味する。チタン含有粉末のなかでも、純チタン粉末として具体的には、たとえばスポンジチタンを水素化して粉砕した後に脱水素して得られる水素化脱水素チタン粉末(いわゆるHDHチタン粉末)や、上記の破砕後に脱水素を行わなかった水素化チタン粉末等が挙げられる。その他の破砕粉末や、アトマイズ粉末等も使用可能である。純チタン粉末である上記水素化チタン粉末では水素含有量が5質量%まで許容される。
チタン含有粉末は、純チタン粉末のみとすることができる。あるいは、チタンと合金元素を含む粉末をチタン合金粉末としこれをチタン含有粉末とすることも可能である。製造しようとするチタン系圧粉体、チタン系焼結体の組成等に応じて、それらの粉末を適宜選択する。チタン含有粉末における金属の質量比は、たとえばチタン:合金元素=100:0〜75:25とすることができ、一例ではチタン:合金元素=100:0〜90:10とすることがある。
このようなチタン含有粉末を用いることにより、純チタンからなるチタン製、又は、Ti−5Al−1Fe、Ti−5Al−2Fe、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Moもしくは、Ti−10V−2Fe−3Al等からなるチタン合金製のチタン系圧粉体、チタン系焼結体が製造され得る。なお、上記において、各合金金属元素の前に付されている数字は、当該金属元素の含有量(質量%)を表している。例えば、「Ti−6Al−4V」とは、6質量%のAlと4質量%のVとを含有するチタン合金を指す。
チタン含有粉末の平均粒径は、10μm〜150μmとすることが好ましい。このように比較的微細な粒子を使用することにより、冷間等方圧加圧後のチタン系圧粉体、さらには焼結又は熱間等方圧加圧後のチタン系焼結体の密度を向上させることができる。平均粒径は、レーザー回折散乱法によって得られた粒度分布(体積基準)の粒子径D50(メジアン径)を意味する。
(表面酸化工程)
表面酸化工程では、上述したようなチタン含有粉末を、18体積%以上の酸素が含まれる雰囲気、たとえば大気雰囲気下で、250℃以上の温度に30分以上にわたって加熱する。これにより、チタン含有粉末は、その表面に、二酸化チタン等のチタン酸化物その他の酸化物層が形成された表面酸化粉末になる。当該酸化物層が厚くなれば粉末中に占める酸素濃度が上昇する。よって、外観目視と酸素濃度は酸化物層の厚さを把握する目安として好適である。
チタン含有粉末の加熱温度が250℃を下回ると、チタン含有粉末の表面への酸化物の形成が不十分になる。それ故に、加熱温度は250℃以上とし、好ましくは300℃以上である。また、加熱温度は、たとえば600℃以下、典型的には500℃以下とすることがある。加熱温度をこの程度に温度に抑えることにより、チタン含有粉末の燃焼を防止できるのに加え、大気中の加熱であってもチタン含有粉末の窒化を抑制することができる。
上記の加熱温度の保持時間が短すぎても、チタン含有粉末の表面への酸化物の形成が不十分になる。そのため、保持時間は30分以上とし、60分以上とすることが好ましい。保持時間は、長くなるほど単位時間当たりの粉末における酸素濃度上昇量は小さくなるため、加熱時間当たりの効率や加熱エネルギー当たりの効率は低下する。そのため、保持時間は、たとえば600分以下、典型的には480分以下とするのが効率的である。
(CIP工程)
CIP工程では、上述した表面酸化粉末をモールド内に充填し、そのモールドに充填した表面酸化粉末に対して冷間等方圧加圧(CIP)を行う。モールドは、樹脂製又は金属製等とすることができるが、樹脂製であることが好ましい。
先述した表面酸化工程にてチタン含有粉末を所定の条件の下で加熱したことから、表面酸化粉末の各粒子の表面には、酸化物層が形成されている。CIP工程では、このような表面酸化粉末をモールド内に充填することにより、酸素含有量の異なる複数種類の粉末を充填する場合に比して、比重や粒径等の違いによるモールド内での粉末の偏りを抑制することができる。酸素と金属粒子とが偏在することを効果的に抑制するため、通常、表面酸化粉末のみをモールドに充填する。
CIP工程で得られたチタン系圧粉体を、後述の加熱工程で加熱すると、チタン系焼結体のほぼ全体にわたって酸素の偏りが抑制されて酸素が固溶する。その結果、高品質のチタン系焼結体を安定して製造することができる。
また、この実施形態では、表面酸化工程での条件を適宜変更することにより、チタン系圧粉体及びチタン系焼結体の酸素含有量を制御することができるので、一種類のチタン含有粉末から、酸素含有量の異なる多様なチタン系圧粉体及びチタン系焼結体を製造することが可能になる。酸素含有量は、特にチタン系焼結体の強度等に影響を及ぼすことから、表面酸化工程での条件の調整により所望の強度を有するチタン系焼結体を製造できるようになる。
冷間等方圧加圧で表面酸化粉末に作用させる加圧力は、たとえば200MPa以上、典型的には400MPa以上である。なお加圧力は、たとえば600MPa以下、典型的には500MPa以下とすることがある。また、そのような加圧力での保持時間は、たとえば0.5分〜30分とする場合がある。
CIP工程では、たとえば、図1及び2に示すようなモールド1及び芯材11を用いることができる。この場合、図3に示すチタン系圧粉体61が得られる。図3に示すチタン系圧粉体61は、全体としてほぼ円柱状の形状を有するとともに、その軸線方向の一端面(図3では下端面)に、該一端面から中空円柱状に窪む非貫通の窪み状をなす凹部62が形成されている。このような凹部62を有するチタン系圧粉体61を製造するには、冷間等方圧加圧で用いるモールド1は、当該チタン系圧粉体61の形状に対応する形状の成形空間2を有する。なお、図示は省略するが、貫通孔状又は、中空円柱状以外の窪み状等の様々な凹部を有するチタン系圧粉体61を製造することも可能であり、この場合は、それに応じた形状のモールド及び芯材を用いる。
図1及び2に示すモールド1は、より具体的には、チタン系圧粉体61の外周面に整合する内周面を有する円筒状の外筒壁部3と、外筒壁部3の一端部(図2では下端部)に設けられた円環状の環状壁部4及び、その中央の底付き円筒状の内筒壁部5とを備えるものである。内筒壁部5が底の無い側の端部で、環状壁部4の中央の孔部に取り付けられており、それら環状壁部4及び内筒壁部5により外筒壁部3の一端部が密閉されている。
チタン系圧粉体61に設ける凹部62を形成するためのモールド1の内筒壁部5は、冷間等方圧加圧時に成形空間2の表面酸化粉末から受ける圧力に抗するため、図2に矢印で示すように、円柱状の芯材11が挿入して配置される。
モールド1及び芯材11を用いて冷間等方圧加圧を行うには、はじめに、モールド1の成形空間2に表面酸化粉末を充填するとともに、モールド1の外筒壁部3の他端部(図2では上端部)を円盤状部材(図示省略)で密閉する。次いで、図示しない冷間等方圧加圧装置の内部で、モールド1の外側からモールド1を介して間接的に表面酸化粉末を等方的に加圧する。これにより、モールド1内の表面酸化粉末は締め固められ、チタン系圧粉体61になる。
なお加圧後は、冷間等方圧加圧装置からチタン系圧粉体61をモールド1及び芯材11とともに取り出し、例えば、チタン系圧粉体61の周囲の外筒壁部3、環状壁部4及び円盤状部材を除去する。その後、チタン系圧粉体61の凹部62内の芯材11及び内筒壁部5を取り出すことができる。外筒壁部3等を除去する前に芯材11を取り出してもよい。これにより、チタン系圧粉体61を製造することができる。
ここでは、金属製の芯材ではなく樹脂製の芯材11を用いている。樹脂製の芯材11は、冷間等方圧加圧の際に、モールド1の軸線方向に作用する加圧力により芯材11が軸線方向に圧縮されると、当該芯材11が径方向にも加圧力を伝達する。それにより、芯材11の周囲の表面酸化粉末も十分に締め固められるので、チタン系圧粉体61では芯材11の周囲の表面部分の隆起が抑制される。したがって、樹脂製の芯材11を用いれば、寸法精度に優れたチタン系圧粉体61を製造することができる。なお、図示の例のように、芯材11をモールド1と別個の部材とすることができる他、図示は省略するが、モールドと一体に形成した芯材としてもよい。前記一体形成の場合、芯材11の周囲のモールドの内筒壁部5を省略することもできる。
樹脂製の芯材11は、一軸圧縮試験で歪が20%であるときの応力が0.3MPa〜3.5MPaになる樹脂材料からなるものとすることが好ましい。20%歪時の応力が0.3MPa〜3.5MPaの樹脂材料からなる芯材11は、冷間等方圧加圧の際により一層適切に圧縮され、表面酸化粉末への圧力の伝達がさらに適切に行われる。この観点から、芯材11は、20%歪時の応力が0.3〜2.0MPaであることが好ましく、0.4MPa〜0.8MPaの樹脂材料からなることがより一層好ましい。
芯材11の20%歪時の応力を測定するには、直径10mm×高さ10mmの樹脂サンプルに対し、その高さ方向に一軸方向の圧力を1mm/minの速度で作用させ、樹脂サンプルの歪(樹脂サンプルの高さの減分)が20%になったときの応力を測ることにより行う。一軸圧縮試験には、インストロン社製の5565型材料試験機を用いることができる。
芯材11は具体的には、シリコーン樹脂、クロロプレン樹脂及び、フッ素樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好適であり、なかでも、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含むことがより好適である。これらの樹脂の少なくとも一種を含む芯材11を用いた場合は、特に優れた寸法精度のチタン系圧粉体61が得られる。
シリコーン樹脂又はフッ素樹脂を含む芯材11は、冷間等方圧加圧後にモールド1の内筒壁部5から簡単に取り出すことができるので、チタン系圧粉体61の容易かつ効率的な製造を実現する上で特に好ましい。シリコーン樹脂としてシリコーンシーラントを用いたときは、モールド1の内筒壁部5内への充填時にゲル状等で流動性を示すことの故に、複雑な形状の凹部62であっても高い精度で形成しやすくなるという利点もある。シリコーンシーラントを用いる場合、ゲル状でモールド1の内筒壁部5内に充填し、一定期間にわたって放置して固化させた後に、冷間等方圧加圧を行うことが好適である。
なお、樹脂製の芯材11は、内筒壁部5内に挿入ないし充填されて冷間等方圧加圧時に適切に圧縮されるとともに、除荷時にチタン系圧粉体61に影響を及ぼさずに凹部62から抜け出る向きに変形できるものであればよい。
なお、モールド1は、樹脂製とした場合、好ましくは熱可塑性樹脂製とし、特にアクリル樹脂、エラストマーを含有するアクリル樹脂、ポリ乳酸(PLA)樹脂等で形成されたものとすることが好適である。樹脂製のモールド1は、所要の強度を確保して原料粉末の充填時にもその形状を維持するため、ショアD硬さが30〜120の範囲内である熱可塑性樹脂からなることが好ましく、30〜85の範囲内である熱可塑性樹脂としてもよい。ショアD硬さは、JIS K7215(1986)に準拠する試験方法によって測定することができる。また同様の観点から、樹脂製のモールド1の厚みは、0.5mm〜2.0mmであるものとすることが好ましい。
樹脂製のモールド1は種々の方法により作製することが可能であるが、3Dプリンタを用いることが様々な形状のモールド1を容易に作製できる点で好ましい。
なお、モールド1は金属製部分を含むものであってよく、すなわち金属部位と樹脂部位を含むものであってよい。圧粉体で実現すべき形状等に鑑みモールドは適宜設計可能である。樹脂製の芯材11を使用してCIP処理を行う場合は、樹脂製の芯材11と接する部分はモールド1も樹脂製とすることが好ましい。CIP処理の圧力は樹脂製の芯材11とこれに接するモールド1の樹脂部分を介してモールド1内の粉体に伝達されると考えられる。
(加熱工程)
チタン製又はチタン合金製のチタン系焼結体を製造する場合、上記のCIP工程で得られるチタン系圧粉体に対して、加熱を含む処理を施す加熱工程を行うことでチタン系焼結体が得られる。加熱を含む処理としては、例えば、焼結処理がある。該焼結処理の後さらに、例えば熱間等方圧加圧(HIP)や熱間鍛造を行ってもよい。すなわち、上記チタン系焼結体とは、上記焼結処理後のもの、上記HIP処理後のもの、上記熱間鍛造後のものを含む概念である。
加熱工程では、チタン系圧粉体の加熱温度を1100℃以上にすることが重要である。この温度であればβ変態を引き起こすことができる。αチタンがβチタンに変態する温度より高い1100℃以上の温度に加熱することにより、はじめに、チタン系圧粉体の成形に用いられた表面酸化粉末の各粒子の表面に存在する酸化物層中の酸素が、当該粒子の内部に固溶して拡散すると考えられる。次いで、その拡散により表面の酸化物層が消失した後、隣り合う粒子間でその表面のβチタンが拡散して結合して焼結が起こると考えられる。その結果、各粒子の内部の深くにまで酸素が行き渡ったチタン系焼結体となるので、全体により均一に酸素が含まれて強化された高い強度のチタン系焼結体が得られる。
仮に、表面酸化粉末ではなく純チタン粉末を用いて成形されたチタン系圧粉体に対して、酸化処理を施した後に焼結を行っても、圧粉体は粉末に比べて比表面積が小さいため、酸化処理による十分な酸素濃度の増加が見込めない上、圧粉体の内部に比べて外周部が優先的に酸化され酸素濃度に偏りが生じるため、この発明の実施形態のような酸素固溶強化は見込めない。
また仮に、表面酸化粉末ではなく、既存の純チタン粉末に少量の酸化チタン粉末を混合して焼結を行った場合、酸化チタン粉末は純チタン粉末よりも低密度かつ小粒径であることから、混合および充填時に酸化チタン粉末の偏析が生じ、チタン系圧粉体およびチタン系焼結体中の酸素濃度に偏りが生じる。それにより、この場合も、ここで述べる実施形態のような高い強度を有するチタン系焼結体が得られない。
加熱工程では、焼結時の最高到達温度を1100℃以上とする。これを1100℃未満とすれば、焼結の進行が著しく遅くなり、焼結後に多数の空隙がチタン系焼結体内に残存するおそれがある。この観点から、最高到達温度は、1100℃以上、さらには1200℃以上とすることが好ましい。一方、最高到達温度は、好ましくは1500℃以下、より好ましくは1400℃以下とすることができる。このように温度を高くし過ぎないことにより、炉内に載置する部材とチタン系焼結体(焼結前はチタン系圧粉体)が反応して固着することを抑制できる。前記炉内に載置する部材とは例えば、アルミナやジルコニアである。
また加熱工程では、上記の最高到達温度を90分〜900分、さらには120分〜600分にわたって保持することが好適である。すなわち、上記1100℃以上である時間を90分〜900分、さらには120分〜600分にわたって保持することが好適である。この保持時間であれば、酸素の平均拡散距離は数十〜数百マイクロメートルであるため、表面酸化粉末の各粒子の酸化被膜は良好に消失し酸素は粒子内部にほぼ均一に拡散できる。最高到達温度の保持時間を短くし過ぎないことにより、粒子の表面の酸化物層が消失した後に隣り合う粒子のチタンどうしを十分強固に結合させ、チタン系焼結体の強度をより一層大きく高めることができる。また、保持時間を長くし過ぎないことにより、βチタン組織の粗大化を抑制でき、該粗大化に基づくチタン系焼結体の強度低下を防止できる。
加熱工程では、チタン系圧粉体に対して加熱を含む処理を施す。加熱を含む処理としては具体的には焼結処理があり、これは機械的に加圧せずに加熱すること(無加圧加熱)を意味する。本実施形態では「加圧せず(すなわち無加圧)」とは減圧状態を包含するとして扱う。なお、該焼結処理では、たとえば真空炉内で真空度を10-4Pa〜10-2Paに到達させて減圧雰囲気下で焼結を行うことができる。また例えば、雰囲気をアルゴンガスとした状態で、不活性雰囲気にて焼結を行うことができる。なお、本実施形態の焼結において窒素ガスは不活性ガスには該当しない。
上記焼結処理では、チタン系焼結体の内部に多少の空孔が残存する。この空孔を減少させるため、加熱工程では、上記焼結処理の後に等方的な圧力で加圧しながら加熱すること(熱間等方圧加圧、いわゆるHIP)を行うことができる。あるいは、加熱を含む処理として、焼結処理の後に、熱間鍛造又は射出成型を行ってもよい。
無加圧加熱後の熱間等方圧加圧では、チタン系圧粉体に対し、アルゴンガス等の圧力媒体により100MPa〜250MPa程度の等方圧を作用させることができる。これにより、チタン系焼結体内に残存する空隙をほぼ消失させることができる。
次に、この発明のチタン系圧粉体の製造方法、チタン系焼結体の製造方法を試験的に実施したので説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的としたものであり、これに限定されることを意図するものではない。
(試験例1)
粒度分布がD50:72μm、酸素含有量が0.11質量%であるHDHチタン粉末(チタン含有量99.9質量%、トーホーテック株式会社製TC−150)を準備した。
大気雰囲気の下、このHDHチタン粉末を200℃で加熱した場合と、250℃で加熱した場合と、300℃で加熱した場合と、350℃で加熱した場合と、400℃で加熱した場合とのそれぞれで得られた粉末の酸素含有量を測定した。なお、当該温度に加熱した時間はいずれも60分または180分とした。当該加熱処理後の粉末の酸素濃度を求め、その結果を表1に示す(表1中、「−」はその加熱処理を行わなかったことを意味する)。
表1に示すように、上記HDHチタン粉末に対し、200℃で加熱して得られた粉末では、酸素含有量が1.3倍とほとんど上昇しなかったが、250℃以上で加熱して得られた粉末では、酸素含有量が1.5倍〜3.5倍程度に上昇していた。したがって、250℃以上で加熱した場合は、HDHチタン粉末の粒子表面に酸化物層が良好に形成されたと考えられる。
Figure 2021134397
(試験例2)
実施例1及び2では、原料粉末として平均粒径が72μmのHDHチタン粉末(チタン含有量99.9質量%、トーホーテック株式会社製TC−150)であるチタン含有粉末を準備した。そのチタン含有粉末を、表2に示すように、大気雰囲気の下、300℃又は350℃の温度で180分間加熱して、表面酸化粉末を得た。次いで、表面酸化粉末をモールド内に充填し、490MPaの加圧力で1分間の冷間等方圧加圧を行い、チタン系圧粉体を作製した。モールドは、ショアD硬さが83であるポリ乳酸(PLA)製のものを作製した。モールドの形状は、肉厚が0.5mm、内径が20mm、高さが120mmの円筒状とした。その後、チタン系圧粉体を加圧せずに、真空雰囲気(1.0×10-3Pa)の下、1200℃に240分にわたって加熱し、焼結処理により円筒状のチタン系焼結体を得た。
上記平均粒径はレーザー回折散乱法により求めた。
上記ショアD硬さは、JISK7215に記載のタイプDのデュロメータにて求めた値である。
比較例1〜3では、原料粉末として、表2に示すように、HDHチタン粉末及び酸化チタン粉末の混合物、あるいは、HDHチタン粉末のみを用いたことと、その原料粉末に対して表面酸化を行わずに冷間等方圧加圧及び焼結を行ったこととを除いて、実施例1及び2と同様にして、円筒状のチタン系焼結体を作製した。上記のHDHチタン粉末は、トーホーテック株式会社製TC−150であり、チタン含有量が99.9質量%、平均粒径が72μmである。上記の酸化チタン粉末は、東邦チタニウム社製(HY0210)であり、二酸化チタン純度が99.9質量%以上、平均粒径が2.3μmである。酸化チタン粉末の添加量は、原料粉末の全体の質量に対して、比較例1では0.28質量%とし、比較例2では0.52質量%とした。HDHチタン粉末と酸化チタン粉末は、筒井理化学器械社製V型混合器を用いて35rpmにて1時間混合した。
Figure 2021134397
上述した実施例1及び2並びに比較例1〜3ではそれぞれ、二本のチタン系焼結体を作製し、各チタン系焼結体について長さ方向の酸素含有量の分布を確認した。具体的には、図4に示すように、円筒状のチタン系焼結体の長さ方向の各端部より2mm内側の部分(T及びB)、長さ方向の中央部(M)、各端部と中央部との間の部分(TM及びMB)の5点について、サンプル(スライス片)を採取し、各サンプルの酸素含有量を求めた。その結果を表3に示す。表3には、二本のチタン系焼結体の各5点の計10点における酸素含有量の平均値及び標準偏差σも示している。酸素含有量は小数点以下第2位まで求め、平均値と標準偏差はこれらの値に基づき求めた。
表3より、実施例1及び2では、比較例1及び2に比して、標準偏差が小さいことから、チタン系焼結体の長さ方向の全体にわたって酸素がより均一に分布していることが解かる。このことから、実施例1及び2では、焼結前のチタン系圧粉体で酸素が比較的均一に分散していたことが推認される。なお、比較例3では、原料粉末としてHDHチタン粉末のみを用いたので、全体的に酸素含有量が少なくなった。
なお、実施例1と実施例2では原料であるチタン含有粉末は同等である一方、チタン含有粉末の表面酸化処理の条件の相違により酸素含有量が異なっている。このことから、表面酸化工程での条件を適宜変更することにより、チタン系圧粉体及びチタン系焼結体の酸素含有量を制御することができたことが解かる。一種類のチタン含有粉末から、酸素含有量の異なる多様なチタン系圧粉体及びチタン系焼結体を製造することが可能であった。
Figure 2021134397
また、実施例1及び2並びに比較例1〜3の各チタン系焼結体について、各10本をASTM E−8harf(GL25.4mm、Φ6.35mm)の試験片形状に加工し、引張試験装置(島津製作所社製のサーボバルサ―EHF−EV101K1−A20−0A)を用いて引張試験を行い、引張強度を測定した。チタン系焼結体から採取して試験に供した試験片は、ASTM規格のE−8ハーフサイズとした。ひずみ速度は0.2%耐力が測定されるまで5.25×10-4-1とし、0.2%耐力が測定された後は5.25×10-3-1とした。その結果、表4のように実施例1、2では比較例3に比して、安定して酸素固溶による強度向上効果が得られたのに対し、比較例1,2では、極端に引張強度の低いサンプルが2〜3本発生し、強度の向上効果は安定しなかった。
Figure 2021134397
参考までに、実施例2のチタン系焼結体と、比較例2のチタン系焼結体のそれぞれの試料断面における反射電子線像を、図5(a)と、図5(b)及び(c)にそれぞれ示す。比較例2のチタン系焼結体では、図5(b)及び(c)から解かるように、同図に破線の丸で囲った粗大な酸素濃化部(暗く写っている部分)が確認されたのに対し、実施例2のチタン系焼結体では、図5(a)に示すように、そのような酸素濃化部は僅かであり且つ小さいことが明らかである。このことからも、実施例2のチタン系焼結体は、酸素がより均一に分布したものであることが解かる。
(試験例3)
図6に示すような複雑な形状のチタン系圧粉体101を試作した。このチタン系圧粉体101は、中心軸線に対し垂直方向に沿う断面の外輪郭形状がほぼ正八角形をなす全体として環状の形状を有し、中央の凹部102において、同様の断面が円形であって外周側への半円状の窪み箇所103を等間隔に六つ形成した形状になるものである。なお、上記の外輪郭形状の正八角形の一辺に相当する外周面には、その外周面から外周側に延びる直方体状の突出部104が形成されている。
上記のチタン系圧粉体101を製造するため、平均粒径が72μmのHDHチタン粉末(チタン含有量99.9質量%、トーホーテック株式会社製TC−150)を、大気雰囲気の下、350℃で180分にわたって加熱して、表面酸化粉末とした。そして、この表面酸化粉末を、突出部104が形成される部位からモールド内に充填した。
上記のチタン系圧粉体101の製造に用いたモールドは、樹脂用3Dプリンタで作製したポリ乳酸(PLA)製のものであり、そのショアD硬さは83であった。上記のチタン系圧粉体101の形状に対応する当該モールドは、外筒壁部の断面の上記正八角形の一辺の長さが55mmであり、外筒壁部の中心軸線に沿う方向の高さが30.5mmであり、突出部104に相当する部分の寸法が縦25mmで横25mmである。
また、上記のモールドの内筒壁部は、外径が31.7mmの円筒の外面に、上記の窪み箇所103に対応する直径4.6mmのほぼ半円状断面の凹部が、周方向に等間隔に六つ形成されたものである。内筒壁部内に配置されて凹部102を形成する芯材は、シリコーンシーラント製(シリコーン樹脂製)のものとした。なお、同一ロットのシリコーンシーラントを固化させて一軸圧縮試験を行ったところ、歪が20%であるときの応力は0.4MPa〜0.8MPaの範囲内であった。
このようなモールド及び芯材を用いて、モールド内に充填した表面酸化粉末に対して490MPaの加圧力で1分間冷間等方圧加圧を行ったところ、図6に示すチタン系圧粉体101を製造することも可能であった。したがって、この発明によれば、複雑な形状のチタン系圧粉体であっても良好に製造できることが解かった。このチタン系圧粉体101を加圧せずに、真空雰囲気(1.0×10-3Pa)の下、1200℃に240分にわたって加熱し、焼結処理によりチタン系焼結体を得た。また、当該チタン系焼結体の各部位の酸素含有量を8点測定したところ、それらの測定値は、先述した試験例1の実施例1、2と同程度に小さい標準偏差となった。これにより、このチタン系焼結体でも酸素が良好に均一に分散していることが解かった。
1 モールド
2 成形空間
3 外筒壁部
4 環状壁部
5 内筒壁部
11 芯材
61、101 チタン系圧粉体
62、102 凹部
103 窪み箇所
104 突出部

Claims (9)

  1. チタン製又はチタン合金製のチタン系圧粉体を製造する方法であって、
    酸素を含有する雰囲気下で、チタン含有粉末を250℃以上の温度に30分以上にわたって加熱し、表面酸化粉末を得る表面酸化工程と、
    前記表面酸化粉末をモールド内に充填し、前記モールドに充填した当該表面酸化粉末に対して冷間等方圧加圧を行うCIP工程と
    を含む、チタン系圧粉体の製造方法。
  2. 前記表面酸化工程で加熱される前記チタン含有粉末は平均粒径が10μm〜150μmである、請求項1に記載のチタン系圧粉体の製造方法。
  3. 前記CIP工程で用いる前記モールドが樹脂製である、請求項1又は2に記載のチタン系圧粉体の製造方法。
  4. 凹部を有するチタン系圧粉体を製造するに当り、
    前記CIP工程にて、前記モールドの、前記凹部に対応する箇所に、該凹部に対応する形状を有する樹脂製の芯材を位置させた状態で、前記モールドに充填した当該表面酸化粉末に対して冷間等方圧加圧を行う、請求項3に記載のチタン系圧粉体の製造方法。
  5. 前記芯材として、一軸圧縮試験で歪が20%であるときの応力が0.3MPa〜3.5MPaになる樹脂材料からなる芯材を用いる、請求項4に記載のチタン系圧粉体の製造方法。
  6. 前記凹部が、非貫通の窪み状をなす、請求項4又は5に記載のチタン系圧粉体の製造方法。
  7. 前記モールドとして、ショアD硬さが30〜120の範囲内である熱可塑性樹脂からなるモールドを用いる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のチタン系圧粉体の製造方法。
  8. チタン製又はチタン合金製のチタン系焼結体を製造する方法であって、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のチタン系圧粉体の製造方法により製造されたチタン系圧粉体に対して、加熱を含む処理を施し、当該加熱の温度を、1100℃以上にする加熱工程を含む、チタン系焼結体の製造方法。
  9. 前記加熱工程で、加圧せずに加熱した後に、等方的な圧力で加圧しながら加熱する、請求項8に記載のチタン系焼結体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114951695A (zh) * 2022-04-27 2022-08-30 北京科技大学 一种高强高塑双相纯钛的制备方法
CN117568642A (zh) * 2023-12-25 2024-02-20 中南大学 一种粉末冶金钛锆合金的氧含量调控方法

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