JPWO2019016956A1 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、壁紙製造装置もその一つとして挙げられる。壁紙の製造分野では、基材に対する印刷工程の前後に複数の工程があるが、これらの他の工程とインクジェット印刷方式の印刷部による印刷工程とを連続的に行う壁紙製造装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
例えば、壁紙製造装置における印刷以外の他の工程を行う装置、例えば、基材にコーティングを行う装置、エンボス加工を行う装置等のいずれかが搭載されている場合に、その工程の実行速度をインクジェット印刷方式の印刷部に合わさなければならず、高速化の妨げとなり、生産性の低下を生じていた。
しかしながら、シングルパス方式のインクジェット印刷方式の印刷部、ヘッドの構造に起因してインクを適切に射出させるための吐出時間間隔に制限があることから、印刷時の基材の搬送速度を自在に調節することが難しく、当該搬送速度が他の工程の搬送速度よりも速い場合に搬送速度を合わせることができず、これらの工程を連続して行うことが困難となるという問題が生じる。
長尺シート状の基材を平面状に広げた状態で搬送し、搬送方向に連続して配置された第一の搬送部及び第二の搬送部と、
前記第二の搬送部によって搬送される前記基材に対して当該基材の幅方向に沿って設けられた複数のノズルからインクを吐出するシングルパス方式の吐出構造により印刷を行う印刷部と、
前記第一の搬送部によって搬送される前記基材に対して印刷以外の処理を行う基材処理部と、
前記第二の搬送部が、前記第一の搬送部よりも高速で間欠的に前記基材を搬送し、前記第一の搬送部と前記第二の搬送部との間で前記基材に弛みを形成するように制御する制御装置とを備えることを特徴とする。
前記第一の搬送部が前記第二の搬送部に対して前記搬送方向の上流側に配置されていることを特徴とする。
前記第二の搬送部が前記第一の搬送部に対して前記搬送方向の上流側に配置されていることを特徴とする。
前記印刷部は、前記基材に対して所定の画像を前記搬送方向に沿って繰り返し形成し、
前記制御装置は、前記所定の画像が一又は複数形成される度に前記基材が停止する間欠的な搬送が行われるように、前記第二の搬送部を制御することを特徴とする。
前記第一の搬送部と前記第二の搬送部との間の前記基材の弛み量を検出する弛み検出部を備え、
前記制御装置は、前記印刷部が前記所定の画像を形成すると、前記弛み検出部によって検出された前記基材の弛み量から、搬送を継続して次の前記所定の画像を形成するか判定を行うことを特徴とする。
前記印刷部は、前記搬送方向について位置が異なる複数のノズルを備え、
前記制御装置は、前記基材の間欠的な搬送の停止を行う場合に、
前記所定の画像の終了端部に対して前記印刷部の前記基材の搬送方向の最も下流側のノズルまでインクを吐出させる終端画像処理と、
前記第二の搬送部の搬送速度を漸減させる減速制御と、
前記第二の搬送部に、予め定められた距離で前記基材を逆搬送させる逆搬送制御とを順番に実行することを特徴とする。
前記制御装置は、前記第二の搬送部に対して、
前記基材の間欠的な搬送における搬送の再開時に規定速度まで加速する加速制御を行うことを特徴とする。
前記逆搬送制御において、前記基材を逆搬送させる距離を、前記終端画像処理と前記減速制御と前記加速制御の各々における搬送距離の合計長さに基づく値とすることを特徴とする。
前記制御装置は、前記印刷部が、前記基材に対して繰り返し形成される前記所定の画像の境界を示すための基準マークを形成するように制御することを特徴とする。
さらに、第二の搬送部による間欠的な搬送により、印刷以外の他の処理と印刷とをそれぞれ適正な搬送速度で連続的に行うことができ、第一の搬送部と第二の搬送部の搬送速度差の影響を抑えて、良好な搬送を行うことが可能となる。
以下、本発明のインクジェット記録装置を適用した第一の実施の形態である壁紙製造装置1を図面に基づいて説明する。図1は壁紙製造装置1の概略構成図である。
そして、搬送部10による繰り出し部101から巻き取り部102までの搬送経路において、搬送方向上流側から搬送方向下流側に向かって、コーティング部40、印刷部20が順番に並んで配置されている。
従って、搬送部10により繰り出し部101から巻き取り部102に搬送されるまでの間で、基材Sに対して上記各部によるコーティング工程、印刷工程の各工程が順番に連続的に実施される。
壁紙の基材Sは長尺帯状のシート体であり、製造開始前は芯に巻かれたロールR1の状態を呈している。かかる基材Sは、紙、フリース、ビニール、不織布等からなる。
ロールR1は、基材Sの長手方向に直交する方向に沿った中心軸回りに基材Sを巻いた状態となっている。ロールR1の外周面側となる面に対して印刷が行われる。
繰り出し部101は、前述した基材SのロールR1をその中心軸を水平に向けた状態で回転可能に保持している。この繰り出し部101は、ロールR1を回転させて基材Sを繰り出す駆動源となる図示しないモーターと、ロールR1から引き出された基材Sが受ける張力を検出する図示しないセンサーとを備えている。
そして、繰り出し部101は、搬送方向下流側の搬送部10の搬送により基材Sが張力を受けると、当該張力に応じてロールR1から基材Sが繰り出されるようにモーターの駆動制御を実行する。
後述する第一の搬送速度は、コーティング部40における基材Sの適正な搬送速度と一致している。
なお、本実施形態の記載において、搬送部10によって搬送される基材Sの平面に平行であって基材Sの長手方向を搬送方向又はY方向、搬送される基材Sの平面に平行であって搬送方向に直交する方向を基材Sの幅方向又はX方向、搬送される基材Sの平面に垂直な方向をZ方向とする。
コーティング部40は、搬送部10によって搬送される基材Sの印刷面側(搬送時における上面側)に対して、耐久性、耐候性、対刷性等の向上を図るために所定の下地層の形成を行う。
コーティング部40は、上記下地層を形成する下地形成装置41と、その搬送方向下流側に設けられた乾燥装置42とを備えている。
下地層の形成材料としては、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂及びゼラチン等が好適である。
また、下地形成装置41は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法により基材Sの印刷面の全幅又は印刷可能範囲の全体に渡って下地層をコーティングする。
そして、下地形成装置41の搬送方向下流側に配置された乾燥装置42は、下地形成装置41により下地層がコーティングされた基材Sの印刷面側を加熱する熱源を備えており、加熱乾燥により、下地層のコーティングを基材Sに定着させる。
また、基材Sは、フリース、紙、ビニール、不織布等を材料とするが、いずれの材料を選択した場合でも、基材Sの印刷面に対する印刷を良好に行うことができ、画質の安定化を図ることが可能となる。
印刷部20は、基材Sに対して温度制御を行う温度制御部21と、基材Sの印刷面に対して画像(模様及び模様のない着色面を含む、以下、同じ)を形成する複数のヘッドユニット20Hと(図4では一つのみ図示)、インラインセンサー23と、定着部24とを備えており、これらは搬送方向上流側から下流側に向かって温度制御部21、各ヘッドユニット20H、インラインセンサー23、定着部24の順番で並んで配置されている。
加熱ローラー211は内部に温度制御可能な熱源を備え、当該加熱ローラー211の搬送方向のすぐ下流側には基材Sの温度を検出する図示しない温度センサーが設けられている。
温度制御部21では、制御装置90により、温度センサーの検出に基づいて基材Sが目標とする温度を維持するように加熱制御が行われる。
なお、この場合の目標温度は、ヘッドユニット20Hから吐出されるインクのブリードやビーディング等の発生を抑えて良好な画像形成を行うための適正温度が選択される。
この温度制御部21により、印刷における温度変化の影響を低減することができ、高い画質を安定的に維持することが可能となる。
なお、ヘッドユニット20Hを正面から見た場合とは、搬送部10によって搬送される基材Sの搬送方向に平行な方向からヘッドユニット20Hを見た場合をいう。
即ち、ヘッドユニット20Hは、ライン式の記録ヘッドユニットであり、シャトル型インクジェット印刷方式のように、画像の記録時に、基材の搬送方向を副走査方向とした場合にこれと直交する主走査方向にヘッドを移動させる動作は行われない。
図3は、記録ヘッド22内のインク流路を正面から見た断面図である。
記録ヘッド22内のインク流路は、インレット223及びアウトレット224が接続される共通インク室222と、各ノズル221からインクを吐出するヘッドチップ225とを有する。
インレット223から流入したインクは、共通インク室222に送られる。共通インク室222には、インク内の夾雑物の通過を防ぐフィルター226が設けられており、インレット223は、フィルター226の一方側(上流インク室2221)に連通する。アウトレット224は、フィルター226に対してインレット223と同一の側(上流インク室2221)に設けられた第1アウトレット2241と、フィルター226を挟んでインレット223とは反対側(下流インク室2222)に設けられた第2アウトレット2242とからなる。
各ヘッドユニット20Hで吐出されるインクは、温度によってゲル状又は固体状と、液状とに相変化し、40℃以上、100℃未満に相転移点を有するインクである。
インラインセンサー23による読み取りデータは、制御装置90に入力され、基材Sの印刷画像の画質や印刷位置の検査、画欠検査等の印刷画像の検査、あるいは基材Sの異常検出などに用いられる。
このインラインセンサー23により、基材Sの印刷画像の不良を検出することができ、印刷画像について高い画質を維持することが可能となる。
この定着部24により、各ヘッドユニット20Hにより基材Sの印刷面に形成された画像のインクの硬化を促進し、画像の定着を図ることができる。
また、印刷部20よりも搬送方向下流側に別の工程を行う工程部、例えば、巻き取り部102を備えている場合に、印刷画像が定着状態となっているので画質を安定的に維持することが可能となる。
巻き取り部102は、印刷部20の定着部24に対して基材Sの搬送方向下流側に配置されている。
巻き取り部102は、コーティング工程、印刷工程を経た基材Sを巻き取り、基材SのロールR2を形成する。基材SのロールR2は、その中心軸がX方向に水平となる状態で回転可能な状態で巻き取り部102に保持される。
この巻き取り部102は、ロールR2を回転させて基材Sを巻き取る駆動源となる図示しないモーターと、ロールR2の手前の基材Sの弛みを検出する図示しないセンサーとを備えている。
そして、巻き取り部102は、ロールR2の手前で基材Sに弛みが検出されると、弛みがなくなるようモーターの速度制御を行いつつ基材Sの巻き取りを実行する。
この巻き取り部102により、製造完了後の壁紙の基材Sを自動的に巻き取ることができ、製造完了後の壁紙の基材Sの後処理等の人為的な作業を不要とし、壁紙の生産性の向上を図ることが可能となる。
搬送部10は、繰り出し部101から巻き取り部102に到るまでの搬送経路において基材Sの印刷面が水平状態を維持して当該基材Sが搬送されるように、その搬送経路に沿って並んで設けられた二つの中継ローラー111,112及び二つの搬送ローラー対121,122と、各搬送ローラー対121,122を個別に駆動する図示しない搬送モーター及びその回転量を検出する図示しないエンコーダーとを備えている。
搬送ローラー対121,122は、いずれも、搬送される基材Sの印刷面に当接する上ローラーと基材Sの裏面に当接する下ローラーとからなり、上ローラーと下ローラーで基材Sを挟んで搬送するので、基材Sの剛性によって撓みを生じた場合でも当該基材Sが上ローラー又は下ローラーから離間することを防止することができ、安定的に目標とする搬送速度で基材Sを搬送することができる。
なお、搬送ローラー対121,122の上ローラーと下ローラーは、いずれか一方が搬送モーターによりトルクが付与されており、他方は従動回転を行う。
そして、中継ローラー111と搬送ローラー対121とが第一の搬送区間F1内に配置され、これらは「第一の搬送部」を構成する。また、搬送ローラー対121は第一の搬送区間F1の搬送方向下流側の端部に配置されている。
また、中継ローラー112と搬送ローラー対122とが第二の搬送区間F2内に配置され、これらは「第二の搬送部」を構成する。また、搬送ローラー対122は第二の搬送区間F2の搬送方向上流側の端部に配置されている。
また、第二の搬送区間F2内に配置された搬送ローラー対122は、制御装置90により制御され、規定の搬送速度(第二の搬送速度とする)で基材Sを搬送させる。
この弛みセンサー125は、下方に弛んだ基材の弛み長さを光学的に検出するセンサーである。
図4は壁紙製造装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
制御装置90は、CPU91(Central Processing Unit)、RAM92(Random Access Memory)、ROM93(Read Only Memory)及び記憶部94を有する。
CPU91は、ROM93に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM92に記憶させ、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。また、CPU91は、壁紙製造装置1の全体動作を統括制御する。
RAM92は、CPU91に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。RAM92は、不揮発性メモリーを含んでいても良い。
ROM93は、CPU91により実行される各種制御用のプログラムや設定データなどを格納する。なお、ROM93に代えてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられても良い。
記憶部94には、基材Sに対して印刷部20が印刷を行う画像に係る画像データ、及び各種設定データなどが記憶される。記憶部94としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されても良い。
そして、これらの内で、印刷部20の各構成及び搬送部10の搬送ローラー対122及び弛みセンサー125は、制御装置90とバス95を介して接続され、相互に信号の送受信を行うことができる。なお、上記各構成は図示しないインターフェイスを介して制御装置90に接続されている。
操作表示部96は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった表示装置と、操作キーや、表示装置の画面に重ねられて配置されたタッチパネルといった入力装置とを備える。操作表示部96は、表示装置において各種情報を表示させ、また入力装置に対するユーザーの入力操作を操作信号に変換して制御装置90に出力する。
例えば、制御装置90は、通信ネットワークNを通じて外部のサーバー装置98と通信を行い、サーバー装置98から印刷の画像データを取得して記憶部94に格納し、当該画像データに基づいて基材Sに対する印刷を行うことができる。従って、より多種多彩な壁紙のパターン画像を容易かつ高速に取り込むことができ、多様な壁紙を容易に製造することが可能となる。
制御装置90が行う基材Sの搬送制御について説明する。ここで第一の搬送区間F1に配置された第一の工程部としてのコーティング部40における基材Sの搬送速度を第一の搬送速度とし、第二の搬送区間F2に配置された第二の工程部としての印刷部20における基材Sの搬送速度を第二の搬送速度とする。
しかし、印刷部20は、圧電素子を利用したヘッドユニット20Hにより印刷を行うことから、ヘッドユニット20Hの構造に起因した共鳴時間(AL)に応じた吐出時間間隔に制限される。例えば共鳴時間ALが2[μsec]のヘッドユニット20Hの場合、インクを適切に射出させる為の最小吐出時間間隔は5ALであり、その次に速く吐出させるには7ALであり、と非連続的に決定される。つまり、印刷部20における印刷中の第二の搬送速度は、上記吐出時間間隔と記録密度(ドット間隔)とによって決定され、容易に変更することができず、第二の搬送速度を自在に低速にすることが困難である。
つまり、制御装置90は、次式のように、第二の搬送速度が第一の搬送速度よりも早い速度となるように第二の搬送部を制御する。
(第二の搬送速度)>(第一の搬送速度)
従って、連続する基材Sの搬送速度が搬送区間F1と搬送区間F2とで異なることにより、基材Sに引っ張り等が生じないように、制御装置90は、第二の搬送区間F2において間欠搬送を行い、第二の搬送区間F2の搬送停止中に基材Sに弛みを形成し、第二の搬送区間F2の搬送中に基材Sの弛みを消費する間欠搬送制御を実施する。
壁紙の材料となる基材Sの印刷面には、その搬送方向に沿って一定のパターン画像Pが繰り返し長さL単位で搬送方向に沿って繰り返し印刷される。
さらに、図6に示すように、連続するパターン画像Pはその終了端部Peの手前に基準マークMが形成され、隙間Bを空けて次のパターン画像Pの開始端部Psの印刷が開始される場合を例示している。
この基準マークMは印刷後のエンボス加工やカット位置の基準となるべきものであり、搬送方向について、パターン画像Pが繰り返し印刷される繰り返し長さLと同じ間隔で基材Sの印刷面上に形成されるように、制御装置90が印刷部20を制御する。
なお、図6の例では、パターン画像Pの終了端部Peの搬送方向上流側近傍に形成される場合を例示しているが、これに限られず、隙間B内やパターン画像Pの開始端部Psの搬送方向下流側近傍に形成しても良い。さらに、隙間Bを基準マークMとしても良い。なお、隙間B内に基準マークMを形成する場合には、後述する搬送速度が隙間B内でも印刷に適した速度となるように第二の搬送部の制御が行われる。
また、基準マークMをパターン画像Pの終了端部Peの内側又は開始端部Psの内側に形成する場合には、隙間Bを設けることなく(隙間Bの幅を0とする)、次のパターン画像Pの印刷を開始しても良い。
そして、第二の搬送区間F2では、制御装置90の制御により、第一の搬送区間F1より高速で基材Sの搬送を間欠的に行う。そして、間欠搬送の搬送中に印刷工程を行い、停止中に第一の搬送区間F1と第二の搬送区間F2の間で基材Sに弛みを形成し、第一の搬送区間F1と第二の搬送区間F2の搬送速度の差によって基材Sに不要な張力が生じないように、バッファとなる余長を確保する。
さらに、基材Sの搬送の一時停止の際には、終端画像処理と搬送速度を漸減させる減速制御が必要となり、基材Sの搬送の再開時には、搬送速度を漸増させる加速制御が必要となる。前述したように、印刷工程の際には、搬送速度は適正値に維持する必要があるので、搬送の減速制御中と加速制御中は印刷を実行することはできない。
そして、搬送の一時停止が近くなると、パターン画像Pの終了端部Peまで印刷を適切に行う終端画像処理が行われる。
前述したように、ヘッドユニット20Hは搬送方向に沿って四基が並んで並列に配置されている。
なお、図中の符号Mは前述した基準マークの位置を示す。また、符号Pe0は終了端部Peの直前の位置を示す。
終端画像処理により基材Sは距離l1だけ搬送され、搬送の減速制御により基材Sは距離l2だけ搬送されているので、基材Sの速度が0となった時点で、パターン画像Pの終了端部Peの位置は、最上流のヘッドユニット20H(ユニット内の最上流のノズル)に対して既に距離l1+l2だけ搬送方向下流側に移動している。
逆搬送の距離l4は、パターン画像Pの終了端部Peから適正に印刷を再開するために適正な長さに設定されている。この距離l4については後述する。
なお、図中の符号Psは次のパターン画像Pの開始端部を示す。
なお、符号Ps0は開始端部Psの直前の位置を示す。
但し、前述したように、基材Sに対してパターン画像Pの終了端部Peと次のパターン画像Pの開始端部Psとの間に隙間Bが形成されているので、隙間Bの幅をbとした場合、逆搬送距離l4は、l4≧l1+l2+l3−bを満たす範囲となる。
即ち、基材を逆搬送させる距離l4は、終端画像処理と前記減速制御と前記加速制御の各々における搬送距離l1,l2,l3の合計長さに基づく値となっている。
なお、実際は、逆搬送を行う距離l4をl1+l2+l3−bよりも幾分長く設定し、適正な搬送速度に達してから幾分余裕を持って印刷を再開させても良い。
制御装置90のCPU91が実行する基材の搬送制御に基づく基材搬送動作時の制御について前述した図7及び図8のフローチャートに基づいて説明する。
また、第一の搬送区間F1と第二の搬送区間F2の間では基材Sについて予め所定長さの弛みが形成されている。
また、パターン画像Pの終了端部Peの到達は、基材Sの搬送距離を第二の搬送区間F2の搬送ローラー対122を駆動するモーターに設けられたエンコーダーや基材Sの搬送距離を光学的に検出するセンサー等で検出することができる。
一方、図7Aに示すように、第二の搬送区間F2においてパターン画像Pの終了端部Peが到達した場合には(ステップS1:YES)、基材Sの弛み長さを弛みセンサー125によって検出し、その長さが確保すべき弛み長さの下限値以上であるかを判定する(ステップS5)。
この下限値は、第二の搬送部が規定の搬送速度でパターン画像Pの繰り返し長さL分の搬送を行う間に、第二の搬送部と第一の搬送部との間に生じる搬送距離の差(以下、単に「搬送距離差」という)、或いは、この搬送距離差に余裕分を加えた値とする。
また、基材Sの弛み長さが下限値に満たない場合には(ステップS5:NO)、パターン画像Pの終了端部Peが最上流のヘッドユニット20H(ユニット内の最上流のノズル)の吐出位置に到達した時点で終端画像処理を実行する(ステップS7)。
そして、パターン画像Pの終了端部Peが最下流のヘッドユニット20H(ユニット内の最下流のノズル)の吐出位置に到達すると(図7B)、減速制御に移行して(ステップS9:図7C)、第二の搬送区間F2における搬送速度が漸減して0になる。
さらに、CPU91は、基材Sの逆搬送制御を実行して、前述した逆搬送距離l4だけ基材Sを逆搬送させて(ステップS11)、搬送を停止させる(図7D)。
そして、CPU91は、基材Sの弛み長さを弛みセンサー125によって検出し、弛み長さがその上限値に達したか否かを判定する(ステップS13)。
例えば、弛み長さの上限値は、前述した搬送距離差のn倍より大きく、搬送距離差の(n+1)倍より小さい値とする(ただし、n=1以上の整数)。
値とする。これにより、ステップS5の判定を行うことで、間欠的な搬送の停止周期をn個のパターン画像Pが形成される期間とすることができる。
例えば、一つのパターン画像Pが形成される度に停止する間欠搬送を行う場合にはn=1とする。
そして、基材Sの弛み長さが上限値に達すると(ステップS13:YES)、第二の搬送区間F2における基材Sの搬送を再開し、CPU91は、加速制御を実行させる(ステップS15:図7E)。
なお、ステップS19における先端画像処理の開始の際に、第二の搬送区間F2において検出された基材Sの搬送距離の値はリセットされ、新たに搬送距離の検出が開始される。
壁紙製造装置1では、搬送部10が搬送経路の全体に渡って基材Sを幅方向に広げた状態で搬送し、印刷部20が搬送部10により搬送される基材Sに対してシングルパス方式の吐出構造により印刷を行うことから、印刷部20において、従来よりも高速で搬送することが可能となる。
従って、従来のように、搬送経路に設けられた基材処理部としてのコーティング部40における基材Sの搬送速度を印刷部20に合わせて低速で行う必要がなくなり、壁紙製造装置1における壁紙の製造の高速化を図ることが可能となる。
このため、コーティング部40と印刷部20とでそれぞれ適正な搬送速度でコーティングと印刷とを良好に行うことができ、第一の搬送部と第二の搬送部の搬送速度差により基材Sが不要な張力を受けることなく、良好な搬送を行うことが可能となる。
このため、パターン画像Pとパターン画像Pの境界で印刷が停止されるように間欠的な搬送を行うことができ、パターン画像Pの途中での印刷停止を回避して、高品質で印刷を行うことが可能となる。
これにより、パターン画像Pの形成途中で弛みが消費され尽くして、基材Sが不要な張力を受けることを回避することができ、張力による印刷の画質低下の発生を低減することが可能となる。
これにより、パターン画像Pの終了端部Peまで適切に印刷が行いつつ、次のパターン画像Pの開始端部Psが一つ前のパターン画像Pの終了端部Peと重複を生じないように印刷を行うことが可能となる。
このため、例えば、パターン画像Pの境界付近にインク吐出が行われないような境界が分かり難いパターン画像の形成が行われた場合でも、基準マークMによりその境界を容易に認識することが可能である。
本発明のインクジェット記録装置を適用した第二の実施の形態である壁紙製造装置1Aを図面に基づいて説明する。図9は壁紙製造装置1Aの概略構成図、図10は壁紙製造装置1Aの主要な機能構成を示すブロック図である。
この壁紙製造装置1Aについて前述した壁紙製造装置1と同一の構成については同符号を付して重複する説明は省略し、壁紙製造装置1と異なる点について主に説明する。
また、基材Sの搬送方向上流側から下流側に向かって、印刷部20、発泡部50、エンボス部60、冷却部65、接着剤塗布部70の順番に並んで配置されている。
また、搬送部10Aは、繰り出し部101から繰り出された基材Sを、平面状に広げた状態で、印刷部20、発泡部50、エンボス部60、冷却部65、接着剤塗布部70の順番に巻き取り部102まで搬送する。
従って、搬送部10Aにより繰り出し部101から巻き取り部102に搬送されるまでの間で、基材Sに対して上記各部による印刷工程、発泡工程、エンボス加工工程、接着剤塗布工程の各工程が順番に実施される。
発泡部50は、印刷部20に対して基材Sの搬送方向下流側に配置され、搬送部10Aにより搬送される基材Sに対して発泡加工を行う。
そして、発泡部50は、アゾ系化合物熱分解型化学発泡剤や熱膨張型マイクロカプセル発泡剤等からなる発泡剤を含んだポリ塩化ビニル樹脂またはアクリル系樹脂等からなる樹脂材料をダイコート法、コンマコート法或いはその他のコート法により基材Sの印刷面側に層状に形成する塗布装置と、形成された樹脂層を所定の目標温度(例えば、およそ200°)で加熱する発泡炉とを備えている。
塗布装置は、基材Sに対してX方向の全幅又は少なくとも印刷可能幅の全幅に渡って上述の樹脂を塗布する。
これらの構成により、基材Sの印刷面に形成された発泡剤を含む樹脂層を加熱することで発泡層を形成することができる。
エンボス部60は、発泡部50に対して基材Sの搬送方向下流側に配置され、搬送部10Aにより搬送される基材Sに対してエンボス加工を行う。
そして、エンボス部60は、搬送部10Aによって搬送される基材Sに対して印刷面側に接するエンボスローラー61と、基材Sをエンボスローラー61側に圧接させる加圧ローラー62とを備えている。
エンボスローラー61は、基材Sの印刷面上に形成すべき凹凸形状に対応して凹凸が逆転して形成された凹凸形状がその外周面上に形成されている。
エンボスローラー61と加圧ローラー62は、いずれも、X方向について基材Sの全幅を挟んで通過させることが可能な幅を有している。
そして、加圧ローラー62によりエンボスローラー61側に押圧された基材Sが、エンボスローラー61と加圧ローラー62の隙間を通過することにより、発泡部50により形成された基材Sの印刷面上の樹脂層にエンボスローラー61の外周面上の凹凸形状が押し込まれて、形成すべき凹凸形状が転写形成される。
さらに、エンボス部60の搬送方向上流側の発泡部50により、凹凸がより際立ったエンボス加工を行うことができ、さらに装飾性の高い壁紙を製造することが可能となる。
冷却部65は、搬送部10Aによって搬送される基材Sに対して印刷面側に接する冷却ローラー66と、基材Sを冷却ローラー66側に圧接させる加圧ローラー67とを備えている。
冷却ローラー66と加圧ローラー67は、いずれも、X方向について基材Sの全幅を挟んで通過させることが可能な幅を有している。
冷却ローラー66は、空冷、水冷或いは冷却素子により冷却可能であって熱伝導率の高い材料から形成されており、加圧ローラー67により基材Sの印刷面側の樹脂層が冷却ローラー66に圧着することにより当該樹脂層を冷却する。
これにより、エンボス部60により形成された凹凸形状を維持して樹脂層を硬化させることができる。
なお、上述した発泡部50とエンボス部60と冷却部65とからなる構成をエンボス加工部6と総称する場合がある(図10参照)。
接着剤塗布部70は、基材Sの印刷面とは逆側の裏面(以下、「基材Sの裏面」という)に、壁紙として壁面に貼り付ける際に、壁面に接着するための接着剤層を形成するためのものである。この接着剤塗布部70は、発泡部50に対して基材Sの搬送方向下流側に配置されている。
そして、この接着剤塗布部70は、アクリル系、ゴム系又はシリコーン系の粘着性の接着剤をダイコート法、その他のコート法により基材Sの裏面側に層状に形成する塗布装置71と、形成された接着剤層を加熱する加熱部72とを備えている。
この接着剤塗布部70により、基材Sの裏面に対する接着剤の塗布を自動的に行うことができ、壁紙の生産性の向上を図ることが可能となる。
また、加熱部72により、基材Sの裏面に接着剤層を形成し、加熱することにより軟化させて、層厚の均一化を図りやすい状態にすることができる。
搬送部10Aは、繰り出し部101から巻き取り部102に到るまでの搬送経路において、基材Sの印刷面が水平状態を維持して当該基材Sが搬送されるように、その搬送経路に沿って並んで設けられた三つの中継ローラー112〜114及び二つの搬送ローラー対123,124と、各搬送ローラー対123,124を個別に駆動する図示しない搬送モーター及びその回転量を検出する図示しないエンコーダーとを備えている。
搬送ローラー対123,124は、前述した搬送ローラー対121,122と同じ構造である。
そして、中継ローラー112と搬送ローラー対123とが第二の搬送区間F2内に配置されて「第二の搬送部」を構成し、中継ローラー113,114と搬送ローラー対124とが第一の搬送区間F1内に配置されて「第一の搬送部」を構成する。
また、搬送ローラー対123は第二の搬送区間F2の搬送方向下流側の端部に配置され、搬送ローラー対124は第一の搬送区間F1の搬送方向上流側の端部に配置されている。
また、第一の搬送区間F1内に配置された搬送ローラー対124は規定の搬送速度(第一の搬送速度とする)で基材Sを搬送させる。
壁紙製造装置1Aの場合も、制御装置90により、第二の搬送速度が第一の搬送速度よりも早い速度となるように第二の搬送部が制御される。
この弛みセンサー126は、下方に弛んだ基材Sの弛み長さを光学的に検出するセンサーである。
図10に示すように、壁紙製造装置1Aでは、印刷部20の各構成と搬送部10Aの搬送ローラー対123と弛みセンサー126とが、制御装置90とバス95を介して接続され、相互に信号の送受信を行うことができる。なお、上記各構成は図示しないインターフェイスを介して制御装置90に接続されている。
制御装置90が行う基材Sの搬送制御について説明する。
壁紙製造装置1Aの場合も、第二の搬送速度が第一の搬送速度よりも速いので、第二の搬送部において間欠搬送を行う。この壁紙製造装置1Aの場合には、第二の搬送区間F2の搬送中に基材Sに弛みを形成し、第二の搬送区間F2の搬送停止中に基材Sの弛みを消費する。
また、壁紙製造装置1Aが、基材Sにパターン画像Pを搬送方向に沿って繰り返し形成すると共に、パターン画像Pとパターン画像Pの間で搬送を停止させるように基材Sを間欠搬送する点は、前述した壁紙製造装置1と同じである。
また、壁紙製造装置1Aでは、第一の搬送区間F1において、基材Sに対して連続的に第一の搬送速度で搬送が行われ、連続的に発泡工程、エンボス工程、接着剤塗布工程が実行される。
制御装置90のCPU91が実行する基材の搬送制御に基づく基材搬送動作時の制御について図11のフローチャートに基づいて説明する。
壁紙の製造が開始されると、第二と第一の搬送区間F2,F1において、それぞれの搬送速度で搬送が開始される。搬送される基材Sに対して、印刷工程、発泡工程、エンボス加工工程、接着剤塗布工程の各工程が実行される。
なお、第二の搬送区間F2と第一の搬送区間F1の間では基材Sについて当初は弛みが生じていない状態とする。
そして、到達していない場合には(ステップS31:NO)、印刷と規定速度の搬送を継続し(ステップS33)、到達した場合には(ステップS31:YES)、弛みセンサー125によって、基材Sの弛み長さが弛み長さの上限値未満であるかを判定する(ステップS35)。
これにより、ステップS35の判定を行うことで、間欠的な搬送の停止周期をn個のパターン画像Pが形成される期間とすることができる。
例えば、一つのパターン画像Pが形成される度に停止する間欠搬送を行う場合にはn=1とする。
なお、終端画像処理、減速制御、逆搬送制御については前述した壁紙製造装置1と同じ動作が行われる(図7A〜図7D参照)
そして、CPU91は、基材Sの弛み長さを弛みセンサー125によって検出し、弛み長さがその下限値に達したか否かを判定する(ステップS43)。
下限値をこのような値とすることにより、再び、ステップS35の判定の際に適正に終端画像処理に進めることができ、間欠的な搬送の停止周期をn個のパターン画像Pが形成される期間とすることができる。
そして、基材Sの弛み長さが下限値以下になると(ステップS43:YES)、第二の搬送区間F2における基材Sの搬送を再開し、加速制御が行われる(ステップS45:図7E参照)。
なお、ステップS49における先端画像処理の開始の際に、第二の搬送区間F2において検出された基材Sの搬送距離の値はリセットされ、新たに搬送距離の検出が開始される。
上記壁紙製造装置1Aのように、印刷部20の搬送方向下流側に基材処理部としての発泡部50、エンボス部60、冷却部65、接着剤塗布部70を設けた場合も、壁紙製造装置1と同じ技術的効果を得ることが可能である。
即ち、印刷部20の搬送方向下流側に基材処理部が設けられた場合にも、従来のように、これらの基材処理部における基材Sの搬送速度を印刷部20に合わせて低速で行う必要がなくなり、壁紙製造装置1Aにおける壁紙の製造の高速化を図ることが可能となる。
また、印刷部20の搬送方向下流側に基材処理部が設けられた場合にも、これらの基材処理部と印刷部20とでそれぞれ適正な搬送速度で基材Sに対する処理と印刷とを良好に行うことができ、第一の搬送部と第二の搬送部の搬送速度差により基材Sが不要な張力を受けることなく、良好な搬送を行うことが可能となる。
本発明の第一及び第二の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
具体的には、壁紙製造装置1の構成に対して、印刷部20と巻き取り部102との間に新たに第一の搬送区間F1を加え、当該第一の搬送区間F1に発泡部50、エンボス部60、冷却部65、接着剤塗布部70を配置する。また、第二の搬送区間F2と搬送方向下流側の第一の搬送区間F1の境界に搬送ローラー対123,124を配置する。
そして、搬送方向上流側の第一の搬送区間F1と搬送方向下流側の第一の搬送区間F1とで同じ搬送速度で基材Sの搬送を行う構成とし、搬送ローラー対123が搬送ローラー対122と同じ搬送動作を行うように制御する。
このような壁紙製造装置の場合も、印刷部20の搬送方向上流側の基材処理部と搬送方向下流側の基材処理部とでそれぞれ適正な搬送速度で基材Sに対する処理と印刷とを良好に行うことができ、搬送方向上流側及び下流側の第一の搬送部と第二の搬送部の搬送速度差により基材Sが不要な張力を受けることなく、良好な搬送を行うことが可能である。
例えば、図12に示すように、制御装置90は、搬送部10の全ての搬送ローラー対121,122、印刷部20、繰り出し部101、コーティング部40、巻き取り部102について図示しないインターフェイスを介してバス接続を行い、これらに対して制御信号等の送受を可能に構成しても良い。
その場合、制御装置90は、繰り出し部101、コーティング部40、巻き取り部102の各動作も連係するよう動作制御を行い、これらを一括的に制御しながら、壁紙の製造の各工程を実行することができる。また、搬送部10の第一の搬送区間F1の搬送速度も制御装置90により制御することができる。
また、制御装置90が一括的に全構成を制御する場合に限らず、繰り出し部101、搬送部10、コーティング部40、巻き取り部102のそれぞれが制御部を個々に有しており、これらの制御部が制御装置90と通信して連携的に動作制御を行い壁紙の製造の各工程を実行する構成としても良い。
その場合、制御装置90は、繰り出し部101、エンボス加工部6、接着剤塗布部70、巻き取り部102の各動作も連係するよう動作制御を行い、これらを一括的に制御しながら、壁紙の製造の各工程を実行することができる。また、搬送部10Aの第一の搬送区間の搬送速度も制御装置90により制御することができる。
また、制御装置90が一括的に全構成を制御する場合に限らず、繰り出し部101、搬送部10A、エンボス加工部6、接着剤塗布部70、巻き取り部102のそれぞれが制御部を個々に有しており、これらの制御部が制御装置90と通信して連携的に動作制御を行い壁紙の製造の各工程を実行する構成としても良い。
6 エンボス加工部
10,10A 搬送部
20 印刷部
20H ヘッドユニット
22 記録ヘッド
23 インラインセンサー
24 定着部
40 コーティング部
50 発泡部
60 エンボス部
65 冷却部
70 接着剤塗布部
90 制御装置
91 CPU
97 通信部
101 繰り出し部
102 巻き取り部
111,113,114 中継ローラー(第一の搬送部)
112 中継ローラー(第二の搬送部)
121,124 搬送ローラー対(第一の搬送部)
121,123 搬送ローラー対(第二の搬送部)
125,126 弛みセンサー(弛み検出部)
B 隙間
F1 第一の搬送区間
F2 第二の搬送区間
L 繰り返し長さ
l1,l2,l3 搬送距離
l4 逆搬送距離
M 基準マーク
N 通信ネットワーク
P パターン画像
Pe 終了端部
Ps 開始端部
S 基材
Claims (9)
- 長尺シート状の基材を平面状に広げた状態で搬送し、搬送方向に連続して配置された第一の搬送部及び第二の搬送部と、
前記第二の搬送部によって搬送される前記基材に対して当該基材の幅方向に沿って設けられた複数のノズルからインクを吐出するシングルパス方式の吐出構造により印刷を行う印刷部と、
前記第一の搬送部によって搬送される前記基材に対して印刷以外の処理を行う基材処理部と、
前記第二の搬送部が、前記第一の搬送部よりも高速で間欠的に前記基材を搬送し、前記第一の搬送部と前記第二の搬送部との間で前記基材に弛みを形成するように制御する制御装置とを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記第一の搬送部が前記第二の搬送部に対して前記搬送方向の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記第二の搬送部が前記第一の搬送部に対して前記搬送方向の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記印刷部は、前記基材に対して所定の画像を前記搬送方向に沿って繰り返し形成し、
前記制御装置は、前記所定の画像が一又は複数形成される度に前記基材が停止する間欠的な搬送が行われるように、前記第二の搬送部を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記第一の搬送部と前記第二の搬送部との間の前記基材の弛み量を検出する弛み検出部を備え、
前記制御装置は、前記印刷部が前記所定の画像を形成すると、前記弛み検出部によって検出された前記基材の弛み量から、搬送を継続して次の前記所定の画像を形成するか判定を行うことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。 - 前記印刷部は、前記搬送方向について位置が異なる複数のノズルを備え、
前記制御装置は、前記基材の間欠的な搬送の停止を行う場合に、
前記所定の画像の終了端部に対して前記印刷部の前記基材の搬送方向の最も下流側のノズルまでインクを吐出させる終端画像処理と、
前記第二の搬送部の搬送速度を漸減させる減速制御と、
前記第二の搬送部に、予め定められた距離で前記基材を逆搬送させる逆搬送制御とを順番に実行することを特徴とする請求項4又は5に記載のインクジェット記録装置。 - 前記制御装置は、前記第二の搬送部に対して、
前記基材の間欠的な搬送における搬送の再開時に規定速度まで加速する加速制御を行うことを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置。 - 前記逆搬送制御において、前記基材を逆搬送させる距離を、前記終端画像処理と前記減速制御と前記加速制御の各々における搬送距離の合計長さに基づく値とすることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
- 前記制御装置は、前記印刷部が、前記基材に対して繰り返し形成される前記所定の画像の境界を示すための基準マークを形成するように制御することを特徴とする請求項4から8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
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