JPWO2019003913A1 - 感光性樹脂組成物、樹脂膜及び電子装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1によれば、特定の構造を有するポリアミドに対して、フェノール性水酸基を有する化合物を含む樹脂組成物を塗布し、200℃以下で硬化した膜は、高い破断伸び率を示すことが記載されている。
上記検討の結果、特許文献1に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成した硬化膜は、Alパッド、Cu回路に対して、密着力が不十分であることが判明した。
そこで、本発明は、感光性樹脂組成物をポストベークして得られる硬化膜と、Al、Cuなどの金属との密着性を向上することを課題とする。
感光剤と、
溶媒と、を含み、
前記溶媒は、ウレア化合物、または、非環状構造のアミド化合物を含む、感光性樹脂組成物が提供される。
密着性を向上できる詳細なメカニズムは定かではないが、以下のように推測される。密着性が向上するメカニズムとしては、まず、ウレア化合物、及び、非環状構造のアミド化合物が備える孤立電子対と、Al、Cuといった金属原子とが、強力な配位結合を形成することに起因すると考えられる。これにより、乾燥前の感光性樹脂組成物のワニスの含有成分が、溶媒が形成する配位結合に引っ張られてAl、Cuといった金属と強力に結びつくと考えられる。その後、感光性樹脂組成物に対してプリベーク、露光及び現像を行い、所望の形状にパターニングした樹脂膜を作製し、次いで、樹脂膜をポストベークすることで硬化させることにより硬化膜を作製した場合、感光性樹脂組成物の溶媒以外の含有成分及び金属原子が強力に結びついた配位のまま、感光性樹脂組成物の溶媒以外の含有成分の分子配位を凍結できると推測される。したがって、ポストベーク後の硬化膜と、Al、Cuといった金属との密着性を向上できると考えられる。
なお、ウレア化合物と、非環状構造のアミド化合物とでは、上述した強力な配位結合を形成するメカニズムが異なると推測される。まず前提として、従来の感光性樹脂組成物では、溶媒として、N−メチルピロリドン(NMP)など環状構造のアミド化合物などが用いられていた。ウレア化合物は、ウレア結合に起因して、分子構造に孤立電子対を有する窒素原子を2個以上備える。これにより、配位結合は孤立電子対の数に比例して強力になると推測される。したがって、ウレア化合物を用いた場合、従来の感光性樹脂組成物の溶媒に用いられる化合物と比べて強力な配位結合を形成できると考えられる。また、非環状構造のアミド化合物は、従来の感光性樹脂組成物に用いられていた環状構造のアミド化合物と比べて、配位結合を形成しやすいと推測される。これは非環状構造のアミド化合物は、環状構造のアミド化合物と比べて、分子運動の束縛が少なく、さらに、分子構造の変形の自由度が大きいためと考えられる。したがって、非環状構造のアミド化合物を用いた場合、従来の感光性樹脂組成物の溶媒に用いられる化合物と比べて強力な配位結合を形成できると考えられる。
以上より、本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、溶媒として特定の化合物を含むことにより、ポストベーク後の硬化膜と、Al、Cuといった金属との密着性を向上できると推測される。
人体への悪影響が少ないウレア化合物としては、例えば、テトラメチル尿素などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂としては限定されず、樹脂膜に要求される機械的特性、光学特性などの物性に応じて選択することができる。アルカリ可溶性樹脂としては、具体的には、ポリアミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂などが挙げられる。アルカリ可溶性樹脂としては、上記具体例のうち、例えば、ポリアミド樹脂またはポリベンゾオキサゾール樹脂を用いることが好ましい。これにより、ポリアミド樹脂のアミド結合と、ウレア化合物または非環状構造のアミド化合物との間で、水素結合などの強い相互作用を形成できると考えられる。したがって、感光性樹脂組成物を硬化膜とする場合、アルカリ可溶性樹脂と金属分子がより強力に結びついた配位で、分子構造を凍結できると考えられる。なお、アルカリ可溶性樹脂としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を含むことができる。
ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミドの構造単位に芳香族環を含む芳香族ポリアミドを用いることが好ましく、下記式(PA1)で表される構造単位を含むものがより好ましい。これにより、ポリアミド樹脂の分子鎖同士が、アミド結合を介して水素結合し、さらに、芳香族環部分が密に分子配列することで、アルカリ可溶性樹脂と金属分子がより強力に結びついた配位で、分子構造を凍結できる。この配位は、溶媒がウレア化合物として、テトラメチル尿素を含む場合に密着性を向上させるのにより好適になる。したがって、アルカリ可溶性樹脂としてポリアミド樹脂、溶媒がウレア化合物としてテトラメチル尿素を含むことが密着性向上の観点から好ましい。
なお、本実施形態において、芳香族環とは、ベンゼン環;ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環などの縮合芳香環;ピリジン環、ピロール環などの複素芳香環などを示す。本実施形態のポリアミド樹脂は、上記密な構造を形成する観点から、芳香族環としてベンゼン環を含むことが好ましい。
本実施形態に係るアルカリ可溶性樹脂が上記式(PA1)で表される構造単位を含むポリアミド樹脂である場合、例えば、感光性樹脂組成物を上記熱処理することで、脱水閉環し、ポリベンゾオキサゾール樹脂としてもよい。すなわち、上記熱処理をした感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂であるポリベンゾオキサゾール樹脂を含む。
また、アルカリ可溶性樹脂が上記式(PA1)で表される構造単位を含むポリアミド樹脂である場合、後述する樹脂膜、電子装置を作製した後、上記熱処理をすることで、脱水閉環し、ポリベンゾオキサゾール樹脂としてもよい。ポリアミド樹脂を脱水開環することによってポリベンゾオキサゾール樹脂とした場合、引張破断伸び、ガラス転移温度を大きくすることができる。これにより、樹脂膜、電子装置の強度及び耐熱性を向上できる観点で都合がよい。
本実施形態に係るポリアミド樹脂は、例えば、以下のように重合される。
まず、重合工程(S1)によって、ジアミンモノマーと、ジカルボン酸モノマーとを重縮合させることで、ポリアミドを重合する。次いで、低分子量成分除去工程(S2)によって、低分子量成分を除去し、ポリアミドを主成分とするポリアミド樹脂を得る。
重合工程(S1)では、ジアミンモノマーと、ジカルボン酸モノマーとを重縮合させる。ポリアミドを重合する重縮合の方法としては限定されず、具体的には、溶融重縮合、酸塩化物法、直接重縮合などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸モノマーの代わりに、テトラカルボン酸二無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸ジクロライドまたは活性エステル型ジカルボン酸からなる群より選ばれる化合物を用いてもよい。活性エステル型ジカルボン酸を得る方法としては、具体的には、ジカルボン酸に、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾールなどに反応させる方法を挙げることができる。
重合に用いるジアミンモノマーとしては限定されず、例えば、構造中に芳香族環を含むジアミンモノマーを用いることが好ましく、構造中にフェノール性ヒドロキシル基を含むジアミンモノマーを用いることがより好ましい。ここで、構造中にフェノール性ヒドロキシル基を含むジアミンモノマーとしては、例えば、下記一般式(DA1)で表される物が好ましい。このようなジアミンモノマーを原料としてポリアミド樹脂を製造することで、ポリアミド樹脂のコンホメーションを制御し、ポリアミド樹脂の分子鎖同士が、より密な構造を形成できる。したがって、アルカリ可溶性樹脂と金属分子がより強力に結びついた配位で、分子構造を凍結でき、密着性を向上できる。
なお、例えば、下記一般式(DA1)で表されるジアミンモノマーを用いた場合、ポリアミド樹脂は、下記一般式(PA2)で表される構造単位を含む。すなわち、本実施形態に係るポリアミド樹脂は、例えば、下記一般式(PA2)で表される構造単位を含むことが好ましい。
なお、R4は、2価の基である。ここで、2価の基とは、原子価のことを示す。すなわち、R4が他の原子と結合する結合手が2個であることを示す。
アルキレン基としては、例えば、直鎖状のアルキレン基でもよく、分岐鎖状のアルキレン基でもよい。直鎖状のアルキレン基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デカニレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられる。分岐鎖状のアルキレン基としては、具体的には、−C(CH3)2−、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−などのアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−C(CH2CH3)2−CH2−などのアルキルエチレン基などが挙げられる。
アリーレン基としては、具体的には、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、及び、2個またはそれ以上のアリーレン基同士が結合したものなどが挙げられる。
ハロゲン置換アルキレン基、ハロゲン置換アリーレン基としては、具体的には、それぞれ、上述したアルキレン基、アリーレン基中の水素原子を、フッ素原子、塩素原子、臭素原子といったハロゲン原子で置換したものを用いることができる。これらの中でも、フッ素原子によって水素原子を置換したものを用いるものが好ましい。
以下に、これらのジアミンモノマーの構造式を示す。
重合に用いるジカルボン酸モノマーとしては限定されず、例えば、構造中に芳香族環を含むジカルボン酸モノマーを用いることが好ましい。
芳香族環を含むジカルボン酸モノマーとしては、例えば、下記一般式(DC1)で表されるものを用いることが好ましい。
なお、例えば、下記一般式(DC1)で表されるジカルボン酸モノマーを用いた場合、ポリアミド樹脂は、下記一般式(PA3)で表される構造単位を含む。すなわち、本実施形態に係るポリアミド樹脂は、例えば、下記一般式(DC1)で表される構造単位を含むことが好ましい。これにより、ポリアミド樹脂の芳香族環同士が密に配列することができる。したがって、アルカリ可溶性樹脂と金属分子がより強力に結びついた配位で、分子構造を凍結でき、密着性を向上できる。
なお、R11は、2価の基である。ここで、2価の基とは、原子価のことを示す。すなわち、R11が他の原子と結合する結合手が2個であることを示す。
アルキレン基としては、例えば、直鎖状のアルキレン基でもよく、分岐鎖状のアルキレン基でもよい。直鎖状のアルキレン基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デカニレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられる。分岐鎖状のアルキレン基としては、具体的には、−C(CH3)2−、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−などのアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−C(CH2CH3)2−CH2−などのアルキルエチレン基などが挙げられる。
アリーレン基としては、具体的には、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、及び、2個またはそれ以上のアリーレン基同士が結合したものなどが挙げられる。
ハロゲン置換アルキレン基、ハロゲン置換アリーレン基としては、具体的には、それぞれ、上述したアルキレン基、アリーレン基中の水素原子を、フッ素原子、塩素原子、臭素原子といったハロゲン原子で置換したものを用いることができる。これらの中でも、フッ素原子によって水素原子を置換したものを用いるものが好ましい。
上記特定の酸無水物としては、具体的には、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、イタコン酸無水物、ヘット酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、4―ヒドロキシフタル酸無水物などが挙げられる。特定の酸無水物としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、環形状の特定の酸無水物によって、ポリアミド樹脂の末端に存在するアミノ基を修飾した場合、環形状の特定の酸無水物は開環する。ここで、ポリアミド樹脂を修飾した後、環形状の特定の酸無水物に由来する構造単位を閉環することで、イミド環としてもよい。閉環する方法としては、例えば、熱処理などが挙げられる。
また、上記特定のモノカルボン酸としては、具体的には、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、4―ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。上記特定のモノカルボン酸としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記特定の窒素原子含有複素芳香族化合物としては、具体的には、5−アミノテトラゾールなどが挙げられる。
上記重合工程(S1)に次いで、低分子量成分除去工程(S2)を行い、低分子量成分を除去し、ポリアミド樹脂を主成分とするポリアミド樹脂を得る。
低分子量成分と、ポリアミド樹脂との混合物が含まれた有機層を、濾過などによって濃縮した後、水/イソプロパノールなどの有機溶媒に再度溶解させる。これにより、沈殿物をろ別し、低分子量成分が除去されたポリアミド樹脂を得ることができる。
フェノール樹脂としては、具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、フェノール−ビフェニルノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂などのフェノール化合物とアルデヒド化合物との反応物;フェノールアラルキル樹脂などのフェノール化合物とジメタノール化合物との反応物などが挙げられる。なお、フェノール樹脂としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を含むことができる。
このようなフェノール化合物としては、具体的には、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールなどのクレゾール類;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールなどのキシレノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノールなどのエチルフェノール類;イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノールなどのアルキルフェノール類;レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシノールなどの多価フェノール類;4,4’−ビフェノールなどのビフェニル系フェノール類が挙げられる。フェノール化合物としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を用いることができる。
このようなアルデヒド化合物としては、具体的には、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドなどが挙げられる。アルデヒド化合物としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を用いることができる。
このようなジメタノール化合物としては、具体的には、1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、4,4’−ビフェニルジメタノール、3,4’−ビフェニルジメタノール、3,3’−ビフェニルジメタノール、2,6−ナフタレンジメタノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾールなどのジメタノール化合物;1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、3,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、3,3’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,6−ナフタレンジカルボン酸メチル、等のビス(アルコキシメチル)化合物、または1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,3−ビス(クロロメチル)ベンゼン,1,4−ビス(ブロモメチル)ベンゼン、1,3−ビス(ブロモメチル)ベンゼン、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、3,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、3,3’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(ブロモメチル)ビフェニル、3,4’−ビス(ブロモメチル)ビフェニルもしくは3,3’−ビス(ブロモメチル)ビフェニルなどのビス(ハルゲノアルキル)化合物、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニルなどのビフェニルアラルキル化合物などが挙げられる。ジメタノール化合物としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を用いることができる。
ヒドロキシスチレン樹脂としては限定されず、具体的には、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン誘導体、スチレン及びスチレン誘導体からなる群より選択される1種または2種以上を重合または共重合させた重合反応物または共重合反応物を用いることができる。
なお、ヒドロキシスチレン誘導体、スチレン誘導体としては、具体的には、ヒドロキシスチレン、スチレンの芳香族環が備える水素原子を一価の有機基で置換したものが挙げられる。水素原子を置換する一価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などのアルキル基;アリル基、ビニル基などのアルケニル基;エチニル基などのアルキニル基;メチリデン基、エチリデン基などのアルキリデン基;シクロプロピル基などのシクロアルキル基;エポキシ基オキセタニル基などのヘテロ環基などが挙げられる。
上記環状オレフィン系樹脂としては限定されず、具体的には、ノルボルネン及びノルボルネン誘導体からなる群より選択される1種または2種以上を重合または共重合させた重合反応物または共重合反応物を用いることができる。
なお、ノルボルネン誘導体としては、具体的には、ノルボルネン骨格と結合する水素原子を一価の有機基で置換したものが挙げられる。水素原子を置換する一価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などのアルキル基;アリル基、ビニル基などのアルケニル基;エチニル基などのアルキニル基;メチリデン基、エチリデン基などのアルキリデン基;シクロプロピル基などのシクロアルキル基;エポキシ基オキセタニル基などのヘテロ環基などが挙げられる。
また、感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量の上限値は、例えば、感光性樹脂組成物の全固形分を100質量部としたとき、95質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であることがより好ましく、85質量部以下であることが更に好ましい。
なお、本実施形態において、感光性樹脂組成物の全固形分とは、溶媒を除いた、感光性樹脂組成物の含有成分の合計を示す。
感光剤としては、光エネルギーを吸収することにより酸を発生する光酸発生剤を用いることができる。
光酸発生剤としては、具体的には、ジアゾキノン化合物;ジアリールヨードニウム塩;2−ニトロベンジルエステル化合物;N−イミノスルホネート化合物;イミドスルホネート化合物;2,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン化合物;ジヒドロピリジン化合物などが挙げられる。これらの中でも、感光性ジアゾキノン化合物を用いることが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の感度を向上することができる。したがって、パターンの精度を向上でき、外観を向上させることができる。なお、光酸発生剤としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を含むことができる。
また、感光性樹脂組成物がポジ型である場合には、感光剤として、上記具体例に加えて、トリアリールスルホニウム塩;スルホニウム・ボレート塩などのオニウム塩などを併せて用いてもよい。これにより、感光性樹脂組成物の感度をさらに向上できる。
感光剤として好ましく用いることができるジアゾキノン化合物の具体例を以下に示す。
ジアゾキノン化合物のQとしては、下式(a)または下式(b)を含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の透明性を向上することができる。したがって、感光性樹脂組成物の外観を向上することができる。
また、感光性樹脂組成物中の感光剤の含有量の上限値は、アルカリ可溶性樹脂を100質量部としたとき、例えば、30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましい。これにより、感光性樹脂組成物は適切に硬化し、プリベーク後、及びポストベーク後においてAl、Cuなどの金属に対して密着性を発現できる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、溶媒として、ウレア化合物、または、非環状構造のアミド化合物を含む。溶媒としては、例えば、ウレア化合物を含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の硬化物と、Al、Cuといった金属との密着性をより向上できる。
なお、本明細書において、ウレア化合物とは、尿素結合、すなわち、ウレア結合を備える化合物を示す。また、アミド化合物とは、アミド結合を備える化合物、すなわちアミドを示す。なお、アミドとは、具体的には、1級アミド、2級アミド、3級アミドが挙げられる。
また、本実施形態において、非環状構造とは、化合物の構造中に炭素環、無機環、複素環などの環状構造を備えないことを意味する。環状構造を備えない化合物の構造としては、例えば、直鎖状構造、分岐鎖状構造などが挙げられる。
窒素原子を備えない溶媒としては、具体的には、エーテル系溶媒、アセテート系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、スルホン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。窒素原子を備えない溶媒としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エーテル系溶媒としては、具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテルなどが挙げられる。
上記アセテート系溶媒としては、具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテートなどが挙げられる。
上記アルコール系溶媒としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアルコール、ベンジルアルコール、2−エチルヘキサノール、ブタンジオール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
上記ケトン系溶媒としては、具体的には、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、2−ヘプタノンなどが挙げられる。
上記ラクトン系溶媒としては、具体的には、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトンなどが挙げられる。
上記カーボネート系溶媒としては、具体的には、エチレンカルボナート、炭酸プロピレンなどが挙げられる。
上記スルホン系溶媒としては、具体的には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなどが挙げられる。
上記エステル系溶媒としては、具体的には、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネートなどが挙げられる。
上記芳香族炭化水素系溶媒としては、具体的には、メシチレン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
また、溶媒中のウレア化合物及び非環状構造のアミド化合物の含有量の下限値としては、溶媒を100質量部としたとき、例えば、100質量部以下とすることができる。溶媒中には、ウレア化合物及び非環状構造のアミド化合物の含有量が多いことが、密着性向上の観点から好ましい。
以下に、代表的な添加成分について、詳細を説明する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、密着助剤をさらに含んでもよい。密着助剤としては具体的には、トリアゾール化合物、アミノシランまたはイミド化合物を用いることができる。これにより、さらに窒素原子に由来する孤立電子対の数を増やすことができる。したがって、感光性樹脂組成物の溶媒以外の含有物を、金属原子に対して配位させることができ、密着性をさらに向上できる。密着助剤としては、トリアゾール化合物、アミノシランまたはイミド化合物のいずれかを用いてもよいし、トリアゾール化合物、アミノシラン、イミド化合物のうち2種以上併用してもよい。
また、感光性樹脂組成物中の密着助剤の含有量の上限値は、例えば、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、例えば、10質量部以下であることが好ましく、7質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更に好ましい。これにより、感光性樹脂組成物中に、密着助剤が好適に分散し、密着力を向上できる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤をさらに含んでもよい。シランカップリング剤としては、密着助剤として例示したアミノシラン以外のものが挙げられる。
上述したシラン化合物とは異なる構造のシランカップリング剤としては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン;p−スチリルトリメトキシシランなどのスチリルシラン;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリルシラン;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン;イソシアヌレートシラン;アルキルシラン;3−ウレイドプロピルトリアルコキシシランなどのウレイドシラン;3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネートシラン;チタン系化合物;アルミニウムキレート類;アルミニウム/ジルコニウム系化合物などが挙げられる。シランカップリング剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂と熱によって反応可能な熱架橋剤を含んでもよい。これにより、感光性樹脂組成物をポストベークした硬化物について、引張破断伸びといった機械的特性を向上できる。また、感光性樹脂組成物により形成される樹脂膜の感度を向上できる観点からも都合がよい。
熱架橋剤としては、具体的には、1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール(パラキシレングリコール)、1,3,5−ベンゼントリメタノール、4,4−ビフェニルジメタノール、2,6−ピリジンジメタノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジアルコキシメチルフェノール)などのメチロール基を有する化合物;フロログルシドなどのフェノール類;1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、3,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、3,3’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,6−ナフタレンジカルボン酸メチル、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメトキシメチルフェノール)などのアルコキシメチル基を有する化合物;ヘキサメチロールメラミン、ヘキサブタノールメラミン等から代表されるメチロールメラミン化合物;ヘキサメトキシメラミンなどのアルコキシメラミン化合物;テトラメトキシメチルグリコールウリルなどのアルコキシメチルグリコールウリル化合物;メチロールベンゾグアナミン化合物、ジメチロールエチレンウレアなどのメチロールウレア化合物;ジシアノアニリン、ジシアノフェノール、シアノフェニルスルホン酸などのシアノ化合物;1,4−フェニレンジイソシアナート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナートなどのイソシアナート化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、イソシアヌル酸トリグリシジル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂型エポキシ樹脂などのエポキシ基含有化合物;N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−メチレンジマレイミドなどのマレイミド化合物などが挙げられる。熱架橋剤としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、感光性樹脂組成物中の熱架橋剤の含有量の下限値は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることが更に好ましく、5質量部以上であることが一層好ましく、8質量部以上であることが殊更好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、界面活性剤をさらに含んでいてもよい。
界面活性剤としては、限定されず、具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤;エフトップEF301、エフトップEF303、エフトップEF352(新秋田化成社製)、メガファックF171、メガファックF172、メガファックF173、メガファックF177、メガファックF444、メガファックF470、メガファックF471、メガファックF475、メガファックF482、メガファックF477(DIC社製)、フロラードFC−430、フロラードFC−431、ノベックFC4430、ノベックFC4432(スリーエムジャパン社製)、サーフロンS−381、サーフロンS−382、サーフロンS−383、サーフロンS−393、サーフロンSC−101、サーフロンSC−102、サーフロンSC−103、サーフロンSC−104、サーフロンSC−105、サーフロンSC−106、(AGCセイミケミカル社製)などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤;オルガノシロキサン共重合体KP341(信越化学工業社製);(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、95(共栄社化学社製)などが挙げられる。
また、感光性樹脂組成物中の界面活性剤の含有量の下限値は、特には無いが、界面活性剤による効果を十分に得る観点からは、例えば、感光性樹脂組成物の全体(溶媒を含む)に対して0.001質量%(10ppm)以上である。
界面活性剤の量を適当に調整することで、他の性能を維持しつつ、塗布性や塗膜の均一性などを向上させることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、酸化防止剤をさらに含んでもよい。酸化防止剤としては、フェノ−ル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤およびチオエ−テル系酸化防止剤から選択される1種以上を使用できる。酸化防止剤は、感光性樹脂組成物により形成される樹脂膜の酸化を抑制できる。
フェノ−ル系酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル−6−ブチルフェノール)、2,−2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−s−ブチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4−8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−ビス〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコ−ルビス〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス(2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルプロピオニロキシ)1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)サルファイド、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジメチル−6−(1−メチルシクロヘキシル、スチレネイティッドフェノール、2,4−ビス((オクチルチオ)メチル)−5−メチルフェノール、などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、ビス−(2,6−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ミックスドモノandジ−ノニルフェニルホスファイト)、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシカルボニルエチル−フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−オクタデシルオキシカルボニルエチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
チオエ−テル系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス(2−メチル−4−(3−n−ドデシル)チオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル)チオプロピオネートなどが挙げられる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、フィラーを更に含んでいてもよい。フィラーとしては、感光性樹脂組成物によってなる樹脂膜に求められる機械的特性、熱的特性に応じて適切な充填材を選択できる。
フィラーとしては、具体的には、無機フィラーまたは有機フィラーなどが挙げられる。
上記無機フィラーとしては、具体的には、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶性シリカ、2次凝集シリカ、微粉シリカなどのシリカ;アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化チタン、炭化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタンホワイトなどの金属化合物;タルク;クレー;マイカ;ガラス繊維などが挙げられる。無機フィラーとしては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記有機フィラーとしては、具体的には、オルガノシリコーンパウダー、ポリエチレンパウダーなどが挙げられる。有機フィラーとしては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態における感光性樹脂組成物を調製する方法は限定されず、感光性樹脂組成物に含まれる成分に応じて、公知の方法を用いることができる。
例えば、上記各成分を、溶媒に混合して溶解することにより調製することができる。これにより、ワニスとした感光性樹脂組成物を得ることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、該感光性樹脂組成物のワニスをAl、Cuといった金属を備える面に対して塗工し、次いで、プリベークすることで乾燥させ樹脂膜を形成し、次いで、露光及び現像することで所望の形状に樹脂膜をパターニングし、次いで、樹脂膜をポストベークすることで硬化させ硬化膜を形成することで使用される。
なお、上記永久膜を作製する場合、プリベークの条件としては、例えば、温度90℃以上130℃以下で、30秒間以上1時間以下の熱処理とすることができる。また、ポストベークの条件としては、例えば、温度150℃以上350℃以下で、30分間以上10時間以下の熱処理とすることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物の粘度の上限値は、例えば、2000mPa・s以下でもよく、1800mPa・s以下でもよく、1500mPa・s以下でもよい。また、本実施形態に係る感光性樹脂組成物の粘度の下限値は、所望の樹脂膜の厚みに応じて、例えば、10mPa・s以上でもよく、50mPa・s以上でもよい。
なお、本実施形態において、感光性樹脂組成物の粘度は、例えば、E型粘度計によって、温度25℃、回転開始から300秒後に測定をすることができる。
また、E型粘度計により、回転周波数100rpm、温度25℃、300秒間回転後に測定される粘度が50mPa・sとなるように粘度調整して、温度25℃で、銅箔に2ml滴下した10秒後の接触角の下限値は、例えば、40°以上としてもよく、45°以上としてもよい。
また、E型粘度計により、回転周波数100rpm、温度25℃、300秒間回転後に測定される粘度が50mPa・sとなるように粘度調整して、温度25℃で、アルミニウム箔に2ml滴下した10秒後の接触角の下限値は、例えば、1°以上としてもよく、5°以上としてもよい。
上記のE型粘度計による測定方法での粘度が50mPa・sよりも大きい感光性樹脂組成物については、当該感光性樹脂組成物が含む溶剤と同じ溶媒を用いて、粘度を50mPa・sに調整して接触角を測定する。なお、当該感光性樹脂組成物が混合溶剤を含む場合は、その混合溶剤により粘度を調整する。
また、上記測定方法による粘度が50mPa・sよりも小さい感光性樹脂組成物については、以下のようにして、粘度50mPa・s相当での接触角を求めることができる。
例えば、上記測定方法による粘度が40mPa・sである感光性樹脂組成物があるとする。これを、当該感光性樹脂組成物が含む溶剤と同じ溶媒を用いてさらに希釈し、粘度が30、20、10mPa・s等の感光性樹脂組成物を作成する。そして、これら粘度10〜40mPa・sの感光性樹脂組成物の、粘度と接触角の関係をプロットし、最小二乗法により直線を引いて、粘度50mPa・s相当での接触角を外挿して求める。なお、プロットは最低2点、好ましくは3点または4点で行う。
ちなみに、本発明者らの知見として、50mPa・s以下の低粘度領域においては、例えば30mPa・sと50mPa・sで、接触角にほとんど差はない。
溶媒中に含まれるウレア化合物、非環状構造のアミド化合物の構造としては、より共鳴構造の多いものが好ましい。具体的には、ウレア化合物のウレア結合、または、非環状構造のアミド化合物のアミド結合において、窒素原子の孤立電子対と、ケトン部位C=Oとで形成する共鳴構造の数が多いものが好ましい。ウレア化合物、非環状構造のアミド化合物の共鳴構造の数としては、例えば、2個以上であることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。これにより、ウレア化合物、非環状構造のアミド化合物の電子雲が広がり、電子状態が安定化する。したがって、ウレア化合物、非環状構造のアミド化合物の表面自由エネルギーが低下し、Cuに対する濡れ性を向上できると考えられる。共鳴構造の数として一例を挙げる。例えば、テトラメチル尿素(TMU)などウレア化合物の共鳴構造の数は3個である。
また、溶媒中のウレア化合物及び非環状構造のアミド化合物の含有量については、上述した構造にもよるが、例えば、溶媒を100質量部としたとき、30質量部以上とすることが好ましく、50質量部以上とすることがより好ましく、70質量部以上とすることが更に好ましく、100質量部とすることが一層好ましい。これにより、溶媒中の電子状態を安定させ、接触角を上記数値範囲内とすることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、永久膜、レジストなどの電子装置用の樹脂膜を形成するために用いられる。これらの中でも、プリベーク後の感光性樹脂組成物及びAlパッドの密着性向上と、現像時の感光性樹脂組成物の残渣の発生の抑制とをバランスよく発現する観点、ポストベーク後の感光性樹脂組成物の硬化膜と、金属との密着性を向上する観点、加えて、ポストベーク後の感光性樹脂組成物の耐薬品性を向上する観点から、永久膜を用いる用途に用いられることが好ましい。
なお、本実施形態において、樹脂膜とは、感光性樹脂組成物の乾燥膜または硬化膜である。すなわち、本実施形態にかかる樹脂膜とは、感光性樹脂組成物を乾燥または硬化させてなるものである。
本実施形態に係る電子装置100は、上記樹脂膜を備える電子装置とすることができる。具体的には、電子装置100のうち、パッシベーション膜32、絶縁層42および絶縁層44からなる群の1つ以上を、樹脂膜とすることができる。ここで、樹脂膜は、上述した永久膜であることが好ましい。
まず、各実施例及び各比較例に用いたアルカリ可溶性樹脂について、詳細を説明する。
以下の手順により、ポリアミド樹脂であるアルカリ可溶性樹脂1を合成した。
温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコ内に、下記式(DC2)で表されるジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸206.58g(0.800mol)と、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール・一水和物216.19g(1.600mol)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物170.20g(0.346mol)と、5−アミノテトラゾール4.01g(0.047mol)と、下記式(DA2)で表される4,4’−メチレンビス(2−アミノフェノール)45.22g(0.196mol)と、下記式(DA3)で表される4,4’−メチレンビス(2−アミノ−3,6ジメチルフェノール)56.24g(0.196mol)と、を入れた。その後、上記セパラブルフラスコ内に578.3gのN−メチル−2−ピロリドンを加え、各原料成分を溶解させた。次に、オイルバスを用い、90℃で5時間反応させた。次いで、上記セパラブルフラスコ内に24.34g(0.141mol)の4−エチニルフタル酸無水物と、121.7gのN−メチル−2−ピロリドンとを加え、90℃で2時間攪拌しながら反応させた後、23℃まで冷却して反応を終了させた。
セパラブルフラスコ内にある反応混合物を濾過して得られた濾過物を、水/イソプロパノール=7/4(容積比)の溶液に投入した。その後、沈殿物を濾別し、水で充分洗浄した後、真空下で乾燥することによりアルカリ可溶性樹脂1を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂1の重量平均分子量Mwは18081であった。
次いで、各実施例及び各比較例に用いた感光剤について、詳細を説明する。
以下の手順により、ジアゾキノン化合物である感光剤1を合成した。
温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、下記式(P−1)で表されるフェノール11.04g(0.026mol)と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライド18.81g(0.070mol)と、アセトン170gとを入れて撹拌し、溶解させた。
次いで、反応溶液の温度が35℃以上にならないようにウォーターバスでフラスコを冷やしながら、トリエチルアミン7.78g(0.077mol)とアセトン5.5gの混合溶液をゆっくり滴下した。そのまま室温で3時間反応させた後、酢酸1.05g(0.017mol)を添加し、さらに30分反応させた。次いで、反応混合物を濾過した後、濾液を水/酢酸(990mL/10mL)の混合溶液に投入した。次いで、沈殿物を濾集して水で充分洗浄した後、真空下で乾燥した。これにより、下記式(Q−1)の構造で表される感光剤1を得た。
溶媒として、以下の溶媒1−3を用いた。
・溶媒1:直鎖状のウレア化合物である、テトラメチル尿素(TMU)
・溶媒2:γ−ブチロラクトン(GBL)
・溶媒3:環状形状のアミド化合物である、N−メチルピロリドン(NMP)
密着助剤として、以下の密着助剤1−3を用いた。
・密着助剤1:下記式(S1)で表されるアミノシランである、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エタン−1,2−ジアミン(信越化学社製、X−12−5263HP)
・密着助剤2:以下に説明する方法で合成され、下記式(S2)で表されるアミノシランである、カルボン酸無水物及び3−アミノプロピルトリエトキシシランの縮合物
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(45.6g、300mmol)をN−メチル−2−ピロリドン(970g)に溶解させ、恒温槽にて30℃に調整した。次いで、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(62g、280mmol)を滴下ロートに仕込み、60分かけて溶解液へ滴下した。滴下完了後、30℃、18時間の条件化で撹拌を行い、下記式(S2)で表される密着助剤2を得た。
熱架橋剤として、以下の熱架橋剤1を用いた。
・熱架橋剤1:パラキシレングリコール(イハラニッケイ社製、PXG)
界面活性剤として、以下の界面活性剤1を用いた。
・界面活性剤1:フッ素系界面活性剤(スリーエムジャパン社製、FC4430)
実施例1−3、比較例1の感光性樹脂組成物を以下のようにして調製した。
まず、上述した各原料成分を準備した。次いで、溶媒を2種以上用いるものについては、下記表1に示す配合割合にしたがって溶媒を混合し、混合溶媒を作製した。次いで、溶媒以外の各原料を溶媒または混合溶媒に添加、撹拌し、次いで、孔径0.2μmのPTFE製メンブレンフィルターで濾過することで、各実施例、各比較例の感光性樹脂組成物のワニスを得た。
なお、下記表1に示す各原料の配合割合は、質量部で記載する。
実施例1−3、比較例1の感光性樹脂組成物のワニスについて、E型粘度計(東機産業社製、TVE−22H)により、回転周波数100rpm、温度25℃、300秒間回転後に粘度を測定した。評価結果を下記表1に示す。ここで、粘度の単位はmPa・sである。
実施例1−3、比較例1の感光性樹脂組成物のワニスを用いて、以下のようにしてワニスの接触角を評価した。
まず、基材として平滑な銅箔を準備した。次いで、温度25℃で、基材の上に感光性樹脂組成物のワニス2mlを着滴してから10秒後の接触角を液滴法にて評価した。なお、測定は接触角計(協和界面科学社製、DROPMASTER−501)を用いて行った。
また、基材として、上記平滑な銅箔に代えて、平滑なアルミニウム箔を用いたものについても評価を行った。
それぞれの評価結果を下記表1に示す。ここで、接触角の単位は°である。ここで、下記表1において、「−」という記載は評価を行っていないことを示す。
なお、実施例1−3、比較例1の各感光性樹脂組成物のワニスの粘度は、E型粘度計により、回転周波数100rpm、温度25℃、300秒間回転後に測定した時、50mPa・sであった。
実施例1−3、比較例1の感光性樹脂組成物を用いて、以下のようにして、ポストベーク後の感光性樹脂組成物とアルミニウム(Al)の密着性を評価した。
まず、基材としてシリコンウエハを準備した。次いで、チタン(Ti)を厚さ0.05μm(500Å)となるように基材にコートした後、Tiの上にAlを厚さ0.3μm(3000Å)になるようにスパッタリングし、次いで、Alの上にスピンコーターを用いて感光性樹脂組成物のワニスを塗工した。次いで、ホットプレートを用いて、温度120℃で4分間プリベークした後、さらに、オーブンを用いて、窒素雰囲気下、温度220℃で1時間ポストベークし、厚さ7μmの硬化フィルムを得た。ここで、硬化フィルムは、Alと密着している。すなわち、基材、Ti、Al、硬化フィルムがこの順で積層してなる積層構造を得た。この積層構造を用いて、JIS D 0202に基づいて密着性を評価した。具体的には、積層構造における硬化フィルムが存在する面から硬化フィルム及びAlに、1mm角の正方形が100個できるように傷をつけ、個片化した。次いで、セロハン粘着テープを、硬化フィルムに付着させた。付着させて1分後、セロハン粘着テープを硬化フィルムから剥離した。剥離後、100個の正方形のうち、硬化フィルムとAlが剥離せず残っている正方形の個数および剥離した正方形の個数を数え、これをPCTプロセスが0hの評価結果とした。PCTプロセス0hとは、加速試験を行っていないことを示す。評価結果を下記表1に示す。表1には、剥離した正方形の数を示している。
また、上記において、セロハン粘着テープを、硬化フィルムに付着させてから、温度125℃、湿度100%、気圧2.3atmで特定時間放置した後、セロハン粘着テープを硬化フィルムから剥離した。剥離後、100個の正方形のうち、硬化フィルムとAlが剥離せず残っている正方形の個数および剥離した正方形の個数を数えた。これを、PCTプロセスが特定時間の評価結果とした。PCTプロセスの時間としては、48h、100h、150h、200h、300hのそれぞれについて評価を行った。評価結果を下記表1に示す。表1には、剥離した正方形の数を示している。
さらに、ポストベーク後の感光性樹脂組成物及び銅(Cu)の密着性を評価した。具体的には、Tiの上にAlを厚さ0.05μm(500Å)になるようにスパッタリングする代わりに、銅(Cu)を厚さ0.5μm(300Å)になるようにスパッタリングした以外は、上述した感光性樹脂組成物及びアルミニウム(Al)の密着性を評価と同様の方法で評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
なお、密着性の評価結果は、いずれも値が小さい、つまり、剥離した正方形の数が少ないほどほど硬化フィルムとAl、Cuの密着性は高いことを示す。
また、PCTプロセスは、加速試験を意図したものであり、ポストベーク後の感光性樹脂組成物と、Al、Cuとの長期密着性を評価するために行った。
なお、下記表2に示す各原料の配合割合は、質量部で記載する。
調製した実施例4−7の感光性樹脂組成物について、粘度、密着性の評価を上述した実施例1−3と同様の方法で行った。ここで、塗工は、実施例1−3と同様に問題なく行うことができた。評価結果を下記表2に示す。
まず、表3に示される各原料成分を準備した。次いで、溶媒を2種以上用いるものについては、下記表3に示される配合割合にしたがって溶媒を混合し、混合溶媒を作製した。
次いで、溶媒以外の各原料を溶媒または混合溶媒に添加、撹拌し、そして、孔径0.2μmのPTFE製メンブレンフィルターで濾過することで、感光性樹脂組成物のワニスを得た。
なお、表3の各原料の配合割合は、質量部である。
・溶媒4:非環状構造のアミド化合物である、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド
また、実施例11−13については、実施例1−3と同様の方法で接触角を測定した。
評価結果を表3に示す。
感光剤と、
溶媒と、を含み、
前記アルカリ可溶性樹脂は、後掲の一般式(PA2)及び後掲の一般式(PA3)で表される構造単位を含むポリアミド樹脂であり、
前記溶媒は、ウレア化合物、または、非環状構造のアミド化合物を含む、感光性樹脂組成物が提供される。ただし、一般式(PA3)におけるR 12 −R 19 の炭素数1以上30以下の有機基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基およびアルカリル基からなる群より選ばれるいずれかである。
また、本発明によれば、アルカリ可溶性樹脂と、
感光剤と、
溶媒と、を含み、
前記溶媒は、非環状構造のアミド化合物を含む、感光性樹脂組成物が提供される。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
アルカリ可溶性樹脂と、
感光剤と、
溶媒と、を含み、
前記溶媒は、ウレア化合物、または、非環状構造のアミド化合物を含む、感光性樹脂組成物。
2.
1.に記載の感光性樹脂組成物であって、
当該感光性樹脂組成物は、永久膜を形成するために用いられ、
前記永久膜は、層間膜、表面保護膜、または、ダム材である、感光性樹脂組成物。
3.
1.または2.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記溶媒中の前記ウレア化合物、及び、前記非環状構造のアミド化合物の含有量は、前記溶媒100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下である、感光性樹脂組成物。
4.
1.から3.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記溶媒は前記ウレア化合物を含み、
前記ウレア化合物の構造は、非環状構造である、感光性樹脂組成物。
5.
4.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ウレア化合物は、テトラメチル尿素である、感光性樹脂組成物。
6.
1.から5.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記アルカリ可溶性樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、及び、環状オレフィン系樹脂からなる群より選択される1種以上である、感光性樹脂組成物。
7.
6.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記アルカリ可溶性樹脂は、前記ポリアミド樹脂を含み、
前記ポリアミド樹脂は、前掲の式(PA1)で表される構造単位を含む、感光性樹脂組成物。
8.
7.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリアミド樹脂は、前掲の一般式(PA2)及び前掲の一般式(PA3)で表される構造単位を含む、感光性樹脂組成物。
9.
1.から8.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、前記感光性樹脂組成物の全固形分を100質量部としたとき、30質量部以上95質量部以下である、感光性樹脂組成物。
10.
1.から9.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記感光剤は、ジアゾキノン化合物である、感光性樹脂組成物。
11.
1.から10.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
当該感光性樹脂組成物は、密着助剤を更に含み、
前記密着助剤は、トリアゾール化合物、アミノシランまたはイミド化合物である、感光性樹脂組成物。
12.
1.から11.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
当該感光性樹脂組成物を、E型粘度計により、回転周波数100rpm、温度25℃、300秒間回転後に測定される粘度が50mPa・sとなるように粘度調整したものを、温度25℃で、銅箔に2ml滴下した10秒後の接触角が70°以下である、感光性樹脂組成物。
13.
1.から12.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
E型粘度計を用いて測定される、温度25℃で回転開始から300秒後の当該感光性樹脂組成物の粘度は、50mPa・s以上2000mPa・s以下である、感光性樹脂組成物。
14.
1.から13.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を硬化させてなる樹脂膜。
15.
14.の樹脂膜を備える電子装置。
感光剤と、
溶媒と、を含み、
前記アルカリ可溶性樹脂は、後掲の一般式(PA2)及び後掲の一般式(PA3)で表される構造単位を含むポリアミド樹脂であり、
前記溶媒は、ウレア化合物を含み、
前記溶媒100質量部中の前記ウレア化合物の含有量は、30質量部以上である、感光性樹脂組成物が提供される。ただし、一般式(PA3)におけるR12−R19の炭素数1以上30以下の有機基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基およびアルカリル基からなる群より選ばれるいずれかである。
感光剤と、
溶媒と、を含み、
前記アルカリ可溶性樹脂は、後掲の一般式(PA2)及び後掲の一般式(PA3)で表される構造単位を含むポリアミド樹脂であり、
前記溶媒は、ウレア化合物を含み、
前記ウレア化合物の構造は、非環状構造であり、
前記溶媒100質量部中の前記ウレア化合物の含有量は、30質量部以上である、感光性樹脂組成物が提供される。ただし、一般式(PA3)におけるR12−R19の炭素数1以上30以下の有機基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基およびアルカリル基からなる群より選ばれるいずれかである。
なお、実施例7〜12は、参考例と読み替えるものとする。
Claims (15)
- アルカリ可溶性樹脂と、
感光剤と、
溶媒と、を含み、
前記溶媒は、ウレア化合物、または、非環状構造のアミド化合物を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
当該感光性樹脂組成物は、永久膜を形成するために用いられ、
前記永久膜は、層間膜、表面保護膜、または、ダム材である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記溶媒中の前記ウレア化合物、及び、前記非環状構造のアミド化合物の含有量は、前記溶媒100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記溶媒は前記ウレア化合物を含み、
前記ウレア化合物の構造は、非環状構造である、感光性樹脂組成物。 - 請求項4に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ウレア化合物は、テトラメチル尿素である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記アルカリ可溶性樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、及び、環状オレフィン系樹脂からなる群より選択される1種以上である、感光性樹脂組成物。 - 請求項7に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリアミド樹脂は、下記一般式(PA2)及び下記一般式(PA3)で表される構造単位を含む、感光性樹脂組成物。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、前記感光性樹脂組成物の全固形分を100質量部としたとき、30質量部以上95質量部以下である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1から9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記感光剤は、ジアゾキノン化合物である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
当該感光性樹脂組成物は、密着助剤を更に含み、
前記密着助剤は、トリアゾール化合物、アミノシランまたはイミド化合物である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1から11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
当該感光性樹脂組成物を、E型粘度計により、回転周波数100rpm、温度25℃、300秒間回転後に測定される粘度が50mPa・sとなるように粘度調整したものを、温度25℃で、銅箔に2ml滴下した10秒後の接触角が70°以下である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1から12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
E型粘度計を用いて測定される、温度25℃で回転開始から300秒後の当該感光性樹脂組成物の粘度は、50mPa・s以上2000mPa・s以下である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1から13のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を硬化させてなる樹脂膜。
- 請求項14の樹脂膜を備える電子装置。
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