JPWO2018198496A1 - 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある。)の構造を説明する。図1、図2及び図3は、第一実施形態の一例である感光体1の構造を示す部分断面図である。図1に示すように、感光体1は、導電性基体2と感光層3とを備える。感光層3は、電荷発生層3aと電荷輸送層3bとを含む。
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体としては、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成される導電性基体を用いることができる。導電性基体の一例としては、導電性を有する材料(導電性材料)で構成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、及びインジウムが挙げられる。これらの導電性材料のうち、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。二種以上の組合せとしては、例えば、合金(より具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼、真鍮等)が挙げられる。これらの導電性材料の中でも、アルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。
〔電荷発生層〕
電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。また、電荷発生層は、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することがある。)、及び各種添加剤を含有してもよい。
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(より具体的には、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等)の粉末、ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料及びキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ベース樹脂は、電荷発生層用の樹脂である限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂及びポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、及びその他の架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ−アクリル酸系樹脂(エポキシ化合物のアクリル酸付加物)、及びウレタン−アクリル酸系共重合体(ウレタン化合物のアクリル酸付加物)が挙げられる。ベース樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂が好適に使用される。ベース樹脂は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷輸送層は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、電子アクセプター化合物とを含む。電荷輸送層は、必要に応じて各種添加剤を含有してもよい。
正孔輸送剤としては、例えば、含窒素環式化合物、及び縮合多環式化合物が挙げられる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体;ジアミン誘導体(より具体的には、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、ジ(アミノフェニルエテニル)ベンゼン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体等);オキサジアゾール系化合物(より具体的には、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等);スチリル系化合物(より具体的には、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等);カルバゾール系化合物(より具体的には、ポリビニルカルバゾール等);有機ポリシラン化合物;ピラゾリン系化合物(より具体的には、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等);ヒドラゾン系化合物;インドール系化合物;オキサゾール系化合物;イソオキサゾール系化合物;チアゾール系化合物;チアジアゾール系化合物;イミダゾール系化合物;ピラゾール系化合物;トリアゾール系化合物が挙げられる。これらの正孔輸送剤は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
バインダー樹脂は、下記一般式(1)で表される繰返し単位を有するポリアリレート樹脂(以下、ポリアリレート樹脂(1)と記載することがある。)を含む。電荷輸送層は、ポリアリレート樹脂(1)の一種又は二種以上を含むことができる。
電荷輸送層は、下記一般式(E1)、一般式(E2)、一般式(E3)、又は一般式(E4)で表される電子アクセプター化合物を含む。以下、一般式(E1)〜(E4)で表される電子アクセプター化合物を、それぞれ電子アクセプター化合物(E1)〜(E4)と記載することがある。また、電子アクセプター化合物(E1)〜(E4)を、まとめて電子アクセプター化合物Eと記載することがある。電荷輸送層は、電子アクセプター化合物(E1)〜(E4)のうちの一種又は二種以上を含む。
電荷輸送層は、必要に応じて、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(より具体的には、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、紫外線吸収剤等)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、ドナー、界面活性剤、及びレベリング剤が挙げられる。
耐フィルミング性をより向上させる観点から、バインダー樹脂と電子アクセプター化合物とが、以下の表1に示す組合せ例1〜11の何れかであることが好ましい。同様の観点から、バインダー樹脂と電子アクセプター化合物とが、以下の表1に示す組合せ例1〜11の何れかであり、正孔輸送剤が正孔輸送剤(HTM−1)であることがより好ましい。同様の観点から、バインダー樹脂と電子アクセプター化合物とが、以下の表1に示す組合せ例1〜11の何れかであり、電荷発生剤がY型チタニルフタロシアニンであることがより好ましい。同様の観点から、バインダー樹脂と電子アクセプター化合物とが、以下の表1に示す組合せ例1〜11の何れかであり、正孔輸送剤が正孔輸送剤(HTM−1)であり、電荷発生剤がY型チタニルフタロシアニンであることが更に好ましい。なお、正孔輸送剤(HTM−1)については、実施例で後述する。
第一実施形態に係る感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。中間層は、例えば、無機粒子、及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
本実施形態の感光体の製造方法は、感光層形成工程を備える方法であれば特に限定されない。感光層形成工程は、例えば、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを備える。
以下、第二実施形態に係る画像形成装置の一態様について、タンデム方式のカラー画像形成装置を例に挙げて説明する。図4は、第二実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30と、帯電部42と、露光部44と、現像部46と、転写部48とを備える。像担持体30は、第一実施形態に係る感光体である。帯電部42は、像担持体30の表面を帯電する。露光部44は、帯電された像担持体30の表面を露光して、像担持体30の表面に静電潜像を形成する。現像部46は、静電潜像をトナー像として現像する。転写部48は、トナー像を像担持体30から被転写体である記録媒体Pへ転写する。以上、第二実施形態に係る画像形成装置100の概要を説明した。
第三実施形態に係るプロセスカートリッジは、像担持体として第一実施形態に係る感光体を備える。引き続き、図4を参照して、第三実施形態に係るプロセスカートリッジの一例について説明する。
感光体を製造するための材料として、以下の正孔輸送剤、バインダー樹脂、及び電子アクセプター化合物を準備した。
下記化学式(HTM−1)で表される正孔輸送剤(HTM−1)を準備した。
第一実施形態で説明したポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−8)に加えて、ポリアリレート樹脂(R−9)を準備した。ポリアリレート樹脂(R−9)は、下記化学式(R−9)で表される。
以下に、ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−8)の合成方法を説明する。
温度計、三方コック、及び滴下ロートを備えた容量1Lの三口フラスコを反応容器として用いた。反応容器に1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン12.2g(41.3ミリモル)と、t−ブチルフェノール0.06g(0.41ミリモル)と、水酸化ナトリウム3.9g(98ミリモル)と、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド0.12g(0.38ミリモル)とを投入した。次いで、反応容器内をアルゴン置換した。その後、水600mLを更に反応容器に投入した。反応容器の内温を20℃に維持し、反応容器の内容物を1時間攪拌した。次いで、反応容器の内容物を冷却し、反応容器の内温を10℃まで降温させた。このようにしてアルカリ性水溶液を調製した。
4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジクロリド及び2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロリドをポリアリレート樹脂(R−1)、(R−2)及び(R−4)〜(R−8)の出発物質であるハロゲン化アリーロイルに変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−3)と同様にして、それぞれポリアリレート樹脂(R−1)、(R−2)及び(R−4)〜(R−8)を合成した。ポリアリレート樹脂(R−1)、(R−2)及び(R−4)〜(R−8)のそれぞれの合成におけるハロゲン化アリーロイルの合計物質量は、ポリアリレート樹脂(R−3)の合成におけるハロゲン化アリーロイルの合計物質量と同様であった。なお、ポリアリレート樹脂(R−1)、(R−2)及び(R−4)〜(R−8)の粘度平均分子量は、それぞれ50,500、51,000、50,500、51,500、50,500、50,500及び51,000であった。
第一実施形態で説明した電子アクセプター化合物(E1−1)〜(E4−1)に加えて、電子アクセプター化合物(E5−1)を準備した。電子アクセプター化合物(E5−1)は、下記化学式(E5−1)で表される電子アクセプター化合物である。
[感光体(A−1)]
以下、実施例1に係る感光体(A−1)の製造方法について説明する。
まず、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、平均一次粒径10nm)を準備した。詳しくは、アルミナとシリカとを用いて酸化チタンを表面処理し、更に、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて表面処理したものを準備した。この表面処理された酸化チタン(2質量部)と、ポリアミド樹脂であるアミラン(登録商標)(東レ株式会社製「CM8000」)(1質量部)とを、溶剤に添加した。アミランは、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66、及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂である。また、溶剤としては、メタノール(10質量部)と、ブタノール(1質量部)と、トルエン(1質量部)とを含む溶剤を用いた。ビーズミルを用いて、これらを5時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。この分散液を、目開き5μmのフィルターを用いてろ過した。これにより、中間層用塗布液を調製した。
Y型チタニルフタロシアニン(1.5質量部)と、ベース樹脂としてのポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)(1質量部)とを、溶剤に添加した。溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(40質量部)と、THF(40質量部)とを含む溶剤を用いた。ビーズミルを用いて、これらを2時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。この分散液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。これにより、電荷発生層用塗布液を調製した。得られた電荷発生層用塗布液を、上述のようにして形成された中間層上にディップコート法を用いて塗布し、50℃で5分間乾燥させた。これにより、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
正孔輸送剤(HTM−1)75質量部と、添加剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF株式会社製「イルガノックス(登録商標)1010」)0.5質量部と、電子アクセプター化合物(E1−1)3質量部と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(R−1)100質量部とを、溶剤に添加した。溶剤としては、THF560質量部と、トルエン140質量部とを混合した溶剤を用いた。超音波分散器を用いて、これらの材料を溶剤中に2分間分散させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。
以下の点を変更した以外は感光体(A−1)と同様の方法で、感光体(A−2)〜(A−13)及び感光体(B−1)〜(B−3)をそれぞれ製造した。
感光体(A−1)の製造に用いたバインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(R−1)を、表2に示すポリアリレート樹脂に変更した。感光体(A−1)の製造に用いた電子アクセプター化合物(E1−1)を、表2に示す電子アクセプター化合物に変更した。感光体(A−1)の電荷輸送層を形成するための電荷輸送層用塗布液に用いたTHFとトルエンとの混合溶剤(質量比8:2)を、表2に示す混合溶剤に変更した。
[マルテンス硬度の測定]
得られた感光体(A−1)〜(A−13)及び感光体(B−1)〜(B−3)の各々に対して、感光層表面のマルテンス硬度を測定した。マルテンス硬度の測定は、ISO14577の規格に基づくナノインデンテーション法により、硬度計(株式会社フィッシャー・インストルメンツ製「FISCHERSCOPE(登録商標) HM2000XYp」)を用いて行った。測定条件は、温度23℃かつ湿度50%RHの環境下、感光層の表面にダイヤモンド製の四角錐型圧子(対面角135度)を当接させた後、圧子に10mN/5秒の条件で徐々に荷重を加え、10mNに達した後、1秒保持し、保持後5秒で荷重を除荷する条件とした。結果を表3に示す。なお、感光層表面のマルテンス硬度が高い値を示すほど、フィルミングの発生が抑制される傾向がある。
得られた感光体(A−1)〜(A−13)及び感光体(B−1)〜(B−3)の各々に対して、感光層の引っ掻き深さを測定した。引っ掻き深さは、JIS K5600−5−5(日本工業規格K5600:塗料一般試験方法、第5部:塗膜の機械的性質、第5節:引っ掻き硬度(荷重針法))で規定される引っ掻き装置200(図5参照)を用い、後述する方法で測定した。
第一ステップでは、感光体1の長手方向が固定台201の長手方向と平行になるように、感光体1を固定台201の上面201aに固定した。このとき、感光体1の中心軸L2(回転軸)方向が、固定台201の長手方向と平行になるように感光体1が取り付けられた。
第二ステップでは、引っ掻き針203を感光層3の表面3cに対して垂直に当接させた。図5に加えて、図6及び図7を参照して、ドラム状の感光体1の感光層3の表面3cに、引っ掻き針203を垂直に当接させる方法を説明する。
次に、第三ステップについて図5及び図6を参照しながら説明する。第三ステップでは、引っ掻き針203を感光層3の表面3cに対して垂直に当接させた状態で、引っ掻き針203から感光層3に10gの荷重Wを付与した。具体的には、分銅皿208に10gの分銅209を載せた。この状態で、固定台201を移動させた。具体的には、定速モーターを駆動させ、レール部207に沿って、固定台201をX軸方向に水平に移動させた。すなわち、固定台201の一端201bを、第一位置N1から第二位置N2まで移動させた。なお、第二位置N2は、第一位置N1に対して下流側に位置していた。下流側とは、固定台201の長手方向において、固定台201が2つの軸支持部205から離間する方向に位置する側である。固定台201の長手方向への移動に伴い、感光体1も、固定台201の長手方向へ水平に移動した。固定台201及び感光体1の移動速度は、30mm/分であった。また、固定台201及び感光体1の移動距離は、30mmであった。なお、固定台201及び感光体1の移動距離は、第一位置N1と第二位置N2との間の距離D1-2に相当していた。固定台201及び感光体1が移動した結果、引っ掻き針203によって感光体1の感光層3の表面3cに引っ掻き傷Sが形成された。
第四ステップでは、引っ掻き傷Sの深さDsの最大値である引っ掻き深さを測定した。具体的には、感光体1を固定台201から取り外した。三次元干渉顕微鏡(Bruker社の「WYKO NT−1100」)を用いて、感光体1の感光層3に形成された引っ掻き傷Sを倍率5倍で観察し、引っ掻き傷Sの深さDsを測定した。引っ掻き傷Sの深さDsは、接線A2から、引っ掻き傷Sの谷部までの距離とした。引っ掻き傷Sの深さDsのうち最大値を、引っ掻き深さとした。結果を表3に示す。なお、感光層3の引っ掻き深さが小さい値を示すほど、フィルミングの発生が抑制される傾向がある。
得られた感光体(A−1)〜(A−13)及び感光体(B−1)〜(B−3)の各々に対して、耐フィルミング性の評価を行った。耐フィルミング性の評価として、以下に示すフィルミング率の測定及び画像評価を行った。
感光体をカラープリンター(株式会社沖データ製「C711dn」)に搭載し、帯電電位を−600Vに設定し、温度32℃かつ湿度85%RHの環境下で、2,000枚の用紙に画像I(印字率1%のシアン色のパターン画像)を印刷した。次いで、温度10℃かつ湿度15%RHの環境下で、2,000枚の用紙に画像Iを印刷した。印刷終了後、カラープリンターから感光体を取り出した。光学顕微鏡(株式会社ニコン社製「セナーK・K」)を用いて、取り出した感光体の表面(感光層の表面)を観察し、観察画像を得た。観察条件は、光学顕微鏡の視野が1.7mm×2.1mm角であり、観察倍率が50倍であった。次に、画像解析ソフトウェア(Image J)を用いて、輝度値180を閾値とする条件で、得られた観察画像に二値化処理を施した。二値化処理を施した画像を解析し、画像全体に対する付着物の面積の割合を算出した。具体的には、閾値未満の輝度値を有する画素を、フィルミングが発生している領域とした。閾値以上の輝度値を有する画素を、フィルミングが発生していない領域とした。そして、フィルミングが発生している領域の面積(Af)と、フィルミングが発生していない領域の面積(An)とを、解析画像から求めた。得られたAf及びAnから、計算式「面積比率A=100×Af/(Af+An)」に従って、フィルミングが発生している領域の面積比率A(単位:%)を求めた。この面積比率Aの測定を感光体表面の任意の3箇所で行い、3箇所の面積比率Aの和を3で除することにより、面積比率Aの数平均値を求めた。得られた面積比率Aの数平均値をフィルミング率とした。結果を表3に示す。なお、フィルミング率が低いほど、感光体の表面にフィルミングが発生し難いことを示す。
感光体をカラープリンター(株式会社沖データ製「C711dn」)に搭載し、帯電電位を−600Vに設定し、温度32℃かつ湿度85%RHの環境下で、2,000枚の用紙に画像I(印字率1%のシアン色のパターン画像)を印刷した。次いで、温度10℃かつ湿度15%RHの環境下で、2,000枚の用紙に画像Iを印刷した。印刷終了後、温度10℃かつ湿度15%RHの環境下で、ハーフトーン画像(画像濃度25%のシアン色の画像)を1枚の用紙に印刷し、これを評価画像とした。得られた評価画像について、白抜けの有無を目視で確認し、下記基準で評価した。結果を表3に示す。なお、感光体表面にフィルミングが発生すると、形成される画像に白抜けが発生する傾向がある。
A(特に良好):評価画像に白抜けが全く確認されなかった。
B(良好):評価画像に白抜けがわずかに確認されたが、実使用上問題のない白抜けであった。
C(不良):評価画像に白抜けが明確に確認された。
Claims (11)
- 導電性基体と感光層とを備える電子写真感光体であって、
前記感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とを有し、
前記電荷発生層は、電荷発生剤を含み、
前記電荷輸送層は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、電子アクセプター化合物とを含み、
前記バインダー樹脂は、下記一般式(1)で表される繰返し単位を有するポリアリレート樹脂を含み、
前記電子アクセプター化合物は、下記一般式(E1)、一般式(E2)、一般式(E3)、又は一般式(E4)で表される化合物を含む、電子写真感光体。
sは、1以上100以下の数を表し、
uは、0以上99以下の数を表し、
s+u=100であり、
X及びYは、各々独立に、下記化学式(1A)、化学式(1B)、化学式(1C)、化学式(1D)、化学式(1E)、又は化学式(1F)で表される二価の基である。)
R1及びR2は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は水素原子を表し、
R3は、ハロゲン原子又は水素原子を表す。)
R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、ハロゲン原子を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数3以上14以下の複素環基、炭素原子数2以上7以下のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、炭素原子数1以上7以下のアシル基、炭素原子数2以上6以下のアルケニル基、炭素原子数2以上6以下のアルキニル基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、又はカルボキシル基を表し、
G1は、酸素原子、硫黄原子、又は=C(CN)2を表し、
G2は、酸素原子又は硫黄原子を表す。)
- 前記一般式(1)中、
s及びuは、各々独立に、30以上70以下の数を表し、
X及びYは、互いに異なる、請求項1に記載の電子写真感光体。 - 前記一般式(1)中、X及びYの少なくとも一方は、前記化学式(1A)又は前記化学式(1E)で表される二価の基である、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(1)中、X及びYの少なくとも一方は、前記化学式(1A)で表される二価の基である、請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記電子アクセプター化合物は、前記一般式(E4)で表される化合物を含む、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(E1)中、R1及びR2は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、R3は、ハロゲン原子を表し、
前記一般式(E2)中、R4、R6及びR8は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、R5及びR7は、水素原子を表し、R9は、ハロゲン原子を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、G1及びG2は、酸素原子を表し、
前記一般式(E3)中、R10は、ハロゲン原子を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、
前記一般式(E4)中、R11、R12、R13及びR14は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す、請求項1に記載の電子写真感光体。 - 前記電子アクセプター化合物の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電させる帯電部と、
帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する露光部と、
前記静電潜像をトナー像として現像する現像部と、
前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写する転写部と
を備える画像形成装置であって、
前記像担持体は、請求項1に記載の電子写真感光体である、画像形成装置。 - 請求項1に記載の電子写真感光体を備える、プロセスカートリッジ。
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